本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細をさまざまに変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
ここでは、ゲート絶縁膜との界面における結晶性が高く、通常の微結晶半導体膜をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、電界効果移動度及びオン電流の高い薄膜トランジスタの構造について、図1乃至図4を用いて説明する。
図1(A)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁膜52a、52bが形成され、ゲート絶縁膜52a、52b上にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成され、微結晶半導体膜61上にSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜58が形成され、微結晶半導体膜58上にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜(以下ソース領域及びドレイン領域ともいう)72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。即ち、ゲート絶縁膜52b上に形成される微結晶半導体膜において、ゲート絶縁膜52b側にドナーとなる不純物元素が含まれる。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61としては、ピーク濃度が6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下のドナーとなる不純物元素が含まれる微結晶半導体膜を形成する。また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の厚さは、1nm以上50nm以下とする。微結晶半導体膜としては、微結晶シリコン膜、ゲルマニウムを含む微結晶シリコン膜等がある。また、ドナーとなる不純物元素としては、リン、砒素、アンチモン等がある。
微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を上記範囲とすることにより、ゲート絶縁膜52b及び微結晶半導体膜61の界面における結晶性を高めることが可能であり、微結晶半導体膜61の抵抗率を低減することが可能であるため、電界効果移動度が高く、オン電流の高い薄膜トランジスタを作製することができる。なお、微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を6×1015atoms/cm3未満とすると、ドナーとなる不純物元素の量が不十分で、電界効果移動度、及びオン電流の上昇が望めない。また、微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を3×1018atoms/cm3より大とすると、閾値がゲート電圧のマイナス側にシフトしてしまい、トランジスタとしての動作をしないため、ドナーとなる不純物元素の濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
ここでの微結晶半導体膜とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。この半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、粒径が0.5〜20nmの柱状または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。また、複数の微結晶半導体の間に非晶質半導体が存在している。微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガスを含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体膜が得られる。このような微結晶半導体膜に関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61及び微結晶半導体膜58は、それぞれ1nm以上200nm以下、好ましくは1nm以上100nm以下、好ましくは1nm以上50nm以下で形成する。ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、さらには当該微結晶半導体膜61の厚さが薄い場合は微結晶半導体膜53もが、後に形成される薄膜トランジスタのチャネル形成領域として機能する。少なくとも、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の厚さを1nm以上50nm以下とすることで、完全空乏型の薄膜トランジスタを作製することができる。
また、微結晶半導体膜の酸素濃度、及び窒素濃度は、ドナーとなる不純物元素の濃度の10倍未満、代表的には3×1019atoms/cm3未満、更に好ましくは3×1018atoms/cm3未満、炭素の濃度を3×1018atoms/cm3以下とすることが好ましい。酸素、窒素、及び炭素が微結晶半導体膜に混入する濃度を低減することで、微結晶半導体膜の欠陥の生成を抑制する事ができる。さらには、酸素、及び窒素が微結晶半導体膜中に入っていると、結晶化しにくい。このため、微結晶半導体膜中の酸素濃度、窒素濃度が比較的低く、且つドナーとなる不純物元素が含まれることで、微結晶半導体膜の結晶性を高めることができる。
また、本実施の形態のドナーとなる不純物元素が含まれる微結晶半導体膜には、ドナーとなる不純物元素が含まれるため、薄膜トランジスタのチャネル形成領域として機能する微結晶半導体膜に対しては、アクセプターとなる不純物元素を、成膜と同時に、或いは成膜後に添加することで、しきい値制御をすることが可能となる。アクセプターとなる不純物元素としては、代表的には硼素であり、B2H6、BF3などの不純物気体を1ppm〜1000ppm、好ましくは1〜100ppmの割合で水素化珪素に混入させると良い。そしてボロンの濃度は、ドナーとなる不純物元素の10分の1程度、例えば1×1014〜6×1016atoms/cm3とすると良い。
また、バッファ層73としては、非晶質半導体膜を用いる。または、フッ素、または塩素等のハロゲンが含まれる非晶質半導体膜を用いる。または、窒素が含まれる非晶質半導体膜を用いる。バッファ層73の厚さを50nm〜200nmとする。非晶質半導体膜としては、アモルファスシリコン膜、またはゲルマニウムを含むアモルファスシリコン膜等がある。
バッファ層73は、非晶質半導体膜で形成されるため、エネルギーギャップが微結晶半導体膜58に比べて大きく、また抵抗率が高く、移動度が微結晶半導体膜58の1/5〜1/10と低い。このため、後に形成される薄膜トランジスタにおいて、バッファ層73は高抵抗領域として機能し、ソース領域及びドレイン領域72と、微結晶半導体膜61との間に生じるリーク電流を低減することができる。また、オフ電流を低減することができる。
また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61上に、微結晶半導体膜58が形成されることで、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61に含まれるドナーとなる不純物元素が、バッファ層73に拡散することを防ぐことができる。ドナーとなる不純物元素が、高抵抗領域であるバッファ層73に拡散すると、バッファ層73の抵抗率が下がり、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61と、ソース領域及びドレイン領域72との間にリーク電流が流れ、スイッチング特性が低下する。このため、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61及びバッファ層73の間に、微結晶半導体膜58が形成されることは好ましい。
また、微結晶半導体膜58の表面に、バッファ層73として、非晶質半導体膜、更には水素、窒素、またはハロゲンを含む非晶質半導体膜を形成することで、微結晶半導体膜58に含まれる結晶粒の表面の自然酸化を防止することが可能である。特に、非晶質半導体と微結晶粒が接する領域では、局部応力により亀裂が入りやすい。この亀裂が酸素に触れると結晶粒は酸化され、酸化珪素が形成される。しかしながら、微結晶半導体膜58の表面にバッファ層73を形成することで、微結晶粒の酸化を防ぐことができる。
基板50は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、若しくはアルミノシリケートガラスなど、フュージョン法やフロート法で作製される無アルカリガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、ステンレス合金などの金属基板の表面に絶縁膜を設けた基板を適用しても良い。
ゲート電極51は、金属材料で形成される。金属材料としてはアルミニウム、クロム、チタン、タンタル、モリブデン、銅などが適用される。ゲート電極51の好適例は、アルミニウム又はアルミニウムとバリア金属の積層構造体によって形成される。バリア金属としては、チタン、モリブデン、クロムなどの高融点金属が適用される。バリア金属はアルミニウムのヒロック防止、酸化防止のために設けることが好ましい。
ゲート電極51は厚さ50nm以上300nm以下で形成する。ゲート電極51の厚さを50nm以上100nm以下とすることで、後に形成される半導体膜や配線の段切れ防止が可能である。また、ゲート電極51の厚さを150nm以上300nm以下とすることで、ゲート電極51の抵抗を低減することが可能である。
なお、ゲート電極51上には半導体膜や配線を形成するので、段切れ防止のため端部がテーパー状になるように加工することが望ましい。また、図示しないがこの工程でゲート電極に接続する配線や容量配線も同時に形成することができる。
ゲート絶縁膜52a、52bはそれぞれ、厚さ50〜150nmの酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜で形成することができる。ここでは、ゲート絶縁膜52aとして窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を形成し、ゲート絶縁膜52bとして酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成して積層する形態を示す。なお、ゲート絶縁膜を2層とせず、ゲート絶縁膜を、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜の単層で形成することができる。
ゲート絶縁膜52aを窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜を用いて形成することで、基板50とゲート絶縁膜52aの密着力が高まり、基板50としてガラス基板を用いた場合、基板50からの不純物が、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61に拡散するのを防止することが可能であり、さらにゲート電極51の酸化防止が可能である。即ち、膜剥れを防止することができると共に、後に形成される薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。また、ゲート絶縁膜52a、52bはそれぞれ厚さ50nm以上であると、ゲート電極51の凹凸による被覆率の低減を緩和することが可能であるため好ましい。
ここでは、酸化窒化珪素膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、組成範囲として酸素が55〜65原子%、窒素が1〜20原子%、Siが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化珪素膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、組成範囲として酸素が15〜30原子%、窒素が20〜35原子%、Siが25〜35原子%、水素が15〜25原子%の範囲で含まれるものをいう。
一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜72は、nチャネル型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的な不純物元素としてリンを添加すれば良く、水素化珪素にPH3などの不純物気体を加えれば良い。また、pチャネル型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的な不純物元素としてボロンを添加すれば良く、水素化珪素にB2H6などの不純物気体を加えれば良い。リンまたはボロンの濃度を1×1019〜1×1021atoms/cm3とすることで、導電膜とオーミックコンタクトすることが可能であり、ソース領域及びドレイン領域として機能する。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜72は、微結晶半導体膜、または非晶質半導体で形成することができる。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜72は2nm以上50nm以下の厚さで形成する。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜の膜厚を、薄くすることでスループットを向上させることができる。
配線71a〜71cは、アルミニウム、若しくは銅、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性向上元素若しくはヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金の単層または積層で形成することが好ましい。また、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜と接する側の膜を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、またはこれらの元素の窒化物で形成し、その上にアルミニウムまたはアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、アルミニウムまたはアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、またはこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。ここでは、配線71a〜71cしては、3層が積層した構造の導電膜を示し、配線71a、71cにモリブデン膜、配線71bにアルミニウム膜を用いた積層導電膜や、配線71a、71cにチタン膜、配線71bにアルミニウム膜を用いた積層構造を示す。
次に、図1(B)及び(C)に、ゲート絶縁膜52a、52b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線41及び曲線42で模式的に示す。
図1(B)に示すように、図1(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61において、ピークを有する。なお、図1(B)に示すように、ドナーとなる不純物元素の濃度分布のピークが、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の中央付近に位置してもよい。また、図1(C)の曲線42で示すドナーとなる不純物元素の濃度分布のように、ゲート絶縁膜52b及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の界面近傍に、ドナーとなる不純物元素の濃度分布のピークが位置してもよい。
なお、微結晶半導体膜においてドナーとなる不純物元素は、ゲート絶縁膜側にだけ含まれる必要はない。例えば、図1(D)に示すように、微結晶半導体膜全体にドナーとなる不純物元素が含まれてもよい。即ち、ゲート絶縁膜52b及びバッファ層73の間に、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が設けられてもよい。
図1(D)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極51上にゲート絶縁膜52a、52bが形成され、ゲート絶縁膜52a、52b上にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成され、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61上にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。
本形態では、ゲート絶縁膜52b及びバッファ層73の間に、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成されることを特徴とする。ドナーとなる不純物元素のピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の厚さは、5nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とする。また、微結晶半導体膜61全体においてドナーとなる不純物元素のピーク濃度が上記濃度を満たしてもよいし、ゲート絶縁膜52b及び微結晶半導体膜61の界面近傍において、ピークを有し、ゲート絶縁膜52bからバッファ層73へ向かってドナーとなる不純物元素の濃度が低くなってもよい。また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61中の、酸素のピーク濃度、及び窒素のピーク濃度は、ドナーとなる不純物元素の濃度の10倍未満、さらには、アクセプターとなる不純物元素、代表的にはボロンのピーク濃度はドナーとなる不純物元素のピーク濃度の10分の1以下であることで、更にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜の結晶性を高めることができる。
微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を上記範囲とすることにより、ゲート絶縁膜52b及び微結晶半導体膜61の界面における結晶性を高めることが可能であり、微結晶半導体膜61の抵抗率を低減することが可能であるため、電界効果移動度が高く、オン電流の高い薄膜トランジスタを作製することができる。なお、微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を6×1015atoms/cm3未満とすると、ドナーとなる不純物元素の量が不十分で、電界効果移動度、及びオン電流の上昇が望めない。また、微結晶半導体膜に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を3×1018atoms/cm3より大とすると、閾値がゲート電圧のマイナス側にシフトしてしまい、薄膜トランジスタとしての動作をしないため、ドナーとなる不純物元素の濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
次に、図1(E)及び(F)に、ゲート絶縁膜52a、52b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線47、48で模式的に示す。
図1(E)の曲線47で示すように、図1(D)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ゲート絶縁膜52b及びバッファ層73の間に設けられる、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61においてピークを有する。また、図1(F)の曲線48で示すドナーとなる不純物元素の濃度分布のように、ゲート絶縁膜52b及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の界面近傍に、ドナーとなる不純物元素の濃度分布のピークが位置し、バッファ層73へ向けて濃度が減少してもよい。
次に、上記と異なる形態について、図2を用いて示す。
図2(A)に、本実施の形態に示す薄膜トランジスタの断面を示す。
図2(A)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極51上にゲート絶縁膜52aが形成され、ゲート絶縁膜52a上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59が形成され、ゲート絶縁膜59上に微結晶半導体膜58が形成され、微結晶半導体膜58にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59におけるリンのピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。また、微結晶半導体膜58の厚さは、1nm以上50nm以下とする。
ゲート絶縁膜52aとしては、図1に示すゲート絶縁膜52aと同様の材料を用いて形成することができる。また、ドナーとなる不純物元素を含む第2のゲート絶縁膜59としては、ドナーとなる不純物元素(リン、砒素、またはアンチモン)を含む酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜等を用いて形成することができる。
次に、図2(B)乃至(D)に、ゲート絶縁膜52a、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線43乃至45で模式的に示す。
図2(B)に示すように、図2(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ゲート絶縁膜52a及び微結晶半導体膜58の間に設けられる、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59においてピークを有する。
なお、ここでは、ゲート絶縁膜52aにおいては、より多くのドナーとなる不純物元素を含まない、ゲート絶縁膜59にのみドナーとなる不純物元素が含まれる形態を示したが、これに限られない。たとえば、ゲート絶縁膜が一層からなり、ゲート絶縁膜にドナーとなる不純物が含まれる形態とすることもできる。このときのドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を図2(C)の曲線44で模式的に示す。ここでは、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線44は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aにおいて、ゲート電極側にピークを有し、ゲート電極側から微結晶半導体膜58側へと減少する。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aの中央近傍にピークを有してもよい。
また、図2(A)において、ゲート絶縁膜52aとドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を逆としてもよい。即ち、ゲート電極51上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59が形成され、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59上にゲート絶縁膜52aが形成されてもよい。このときのドナーとなる不純物元素を含む第2のゲート絶縁膜59、第1のゲート絶縁膜52a、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を図2(D)の曲線45で模式的に示す。ここでは、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線45は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59において、ゲート電極側にピークを有し、ゲート電極側からゲート絶縁膜52a側へと減少する。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59の中央近傍にピークを有してもよい。
図2(E)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極51上にゲート絶縁膜52aが形成され、ゲート絶縁膜52a上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59が形成され、ゲート絶縁膜59上にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成され、微結晶半導体膜61にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。
次に、図2(F)に、ゲート絶縁膜52a、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線35で模式的に示す。
図2(F)に示すように、図2(E)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59において、ピークを有する。またピーク位置は、ゲート絶縁膜52a及びドナーとなる不純物元素を有するゲート絶縁膜59の界面近傍にある。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59の中央近傍にピークを有してもよい。
本形態では、微結晶半導体膜58またはドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61に接するゲート絶縁膜59に、ドナーとなる不純物元素を含むことを特徴とする。ゲート絶縁膜59において微結晶半導体膜58、61側にドナーとなる不純物元素を含ませることで、ゲート絶縁膜59の表面にはドナーとなる不純物元素が析出する。ドナーとなる不純物元素がゲート絶縁膜59の表面に析出することで、微結晶半導体膜58、61が堆積し始める際の結晶性を高めることができる。
また、ゲート絶縁膜において、ゲート電極51側にドナーとなる不純物元素を含ませることを特徴とする。ゲート絶縁膜において、ゲート電極51側にドナーとなる不純物元素を含ませることで、低濃度の不純物元素をゲート絶縁膜の微結晶半導体膜側に拡散させることができる。これらのことから、ゲート絶縁膜59及び微結晶半導体膜58、61における界面の結晶性を高めることが可能であり、微結晶半導体膜58、61の抵抗率を低減することが可能であるため、電界効果移動度が高く、オン電流の高い薄膜トランジスタを作製することができる。
また、ゲート絶縁膜59に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を6×1015atoms/cm3未満とすると、ドナーとなる不純物元素の量が不十分で電界効果移動度、及びオン電流の上昇が望めない。また、ゲート絶縁膜59に含まれるドナーとなる不純物元素のピーク濃度を3×1018atoms/cm3より大とすると、閾値がゲート電圧のマイナス側にシフトしてしまい、トランジスタとしての動作をしないため、ドナーとなる不純物元素の濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
また、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59上にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61を形成することで、微結晶半導体膜61が堆積し始める際の結晶性を高めることができると共に、チャネルとして機能する微結晶半導体膜61中にもドナーとなる不純物元素が含まれているため、微結晶半導体膜の抵抗率をさらに低減することができる。このため、オン電流及び電界効果移動度の高い薄膜トランジスタを作製することができる。
次に、上記と異なる形態について、図3を用いて示す。
図3(A)に、本実施の形態に示す薄膜トランジスタの断面を示す。
図3(A)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極51上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59bが形成され、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59b上にドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成され、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61において、ドナーとなる不純物元素のピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
次に、図3(B)に、ゲート電極51、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線46で模式的に示す。
図3(B)に示すように、図3(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ゲート絶縁膜59a、59b及び微結晶半導体膜61において上記濃度を満たし、且つピークを有する。また、ピーク位置は、ゲート電極51及びゲート絶縁膜59aの界面近傍にある。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線46の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59bそれぞれの中央近傍にピークを有してもよいし、ゲート絶縁膜59a、59bの界面近傍にピークを有してもよい。また、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59b及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の界面近傍にピークを有してもよい。また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の中央にピークを有してもよい。
なお、図3(A)に示す薄膜トランジスタにおいて、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61及びバッファ層73の間に、微結晶半導体膜58を有してもよい(図4(A)参照)。なお、ここでは、微結晶半導体膜58とは、具体的には、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜のことをいう。ただし、SIMSの検出限界においては、理論的にはプロファイルが平坦となるべきだが、実際には、測定対象イオンの低濃度領域でのS/N(Signal/Noise)比が悪いため、プロファイルは平坦になりづらい。このため、測定対象イオンの低濃度領域での平均値を検出限界とする。
次に、図4(B)に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線33で模式的に示す。
図4(B)に示すように、図4(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aにおいてピークを有する。また、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59b及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の界面近傍にピークを有してもよい。また、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の中央にピークを有してもよい。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61上に微結晶半導体膜58が形成されることで、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61に含まれるドナーとなる不純物元素が、バッファ層73に拡散することを防ぐことができる。ドナーとなる不純物元素が、高抵抗領域であるバッファ層73に拡散すると、バッファ層73の抵抗が下がり、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61と、ソース領域及びドレイン領域72との間にリーク電流が流れ、スイッチング特性が低下する。このため、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61及びバッファ層73の間に、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜58が形成されることは好ましい。
また、図3において、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61の代わりに、微結晶半導体膜58が形成されてもよい(図4(C)参照)。
次に、図4(D)に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線34で模式的に示す。
図4(D)に示すように、図4(C)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aにおいてピークを有する。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線34の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59bそれぞれの中央近傍にピークを有してもよいし、ゲート絶縁膜59a、59bの界面近傍にピークを有してもよい。
次に、上記と異なる形態について、図5を用いて示す。
図5(A)に、本実施の形態に示す薄膜トランジスタの断面を示す。
図5(A)に示す薄膜トランジスタは、基板50上にゲート電極51が形成され、ゲート電極51上にゲート絶縁膜52a、52bが形成され、ゲート絶縁膜52a、52b上に第1の微結晶半導体膜58aが形成され、第1の微結晶半導体膜58a上にドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64が形成され、ドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64上に第3の微結晶半導体膜58bが形成され、第3の微結晶半導体膜58b上にバッファ層73が形成され、バッファ層73上に一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72が形成され、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cが形成される。
本形態では、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない第1の微結晶半導体膜58a及び第3の微結晶半導体膜58bの間に、ドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64が形成されることを特徴とする。ドナーとなる不純物元素のピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
次に、図5(B)に、ゲート絶縁膜52a、52b、第1の微結晶半導体膜58a、ドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64、第3の微結晶半導体膜58b、バッファ層73の積層部において、SIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線49で模式的に示す。
図5(B)に示すように、図5(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64において、ドナーとなる不純物元素の上記ピーク濃度を満たす。また、ドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64の中央にピークを有する。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、第1の微結晶半導体膜58a及びドナーとなる不純物元素を含む第2の微結晶半導体膜64の界面近傍にピークを有し、第3の微結晶半導体膜58bに向けて濃度が低減してもよい。
以上のように、ゲート絶縁膜または微結晶半導体膜にドナーとなる不純物元素を含むアキュムレート型薄膜トランジスタとすることで、ゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜の界面における結晶性を高めることが可能であり、微結晶半導体膜の抵抗率を低減することが可能であるため、電界効果移動度が高く、オン電流の高い薄膜トランジスタを作製することができる。
また、チャネル形成領域を微結晶半導体膜で構成することにより、しきい値電圧の変動が抑制され、電界効果移動度が向上し、サブスレッショルド係数(subthreshold swing:S値)も小さくなるので、薄膜トランジスタの高性能化を図ることができる。それにより、表示装置の駆動周波数を高くすることが可能であり、パネルサイズの大面積化や画素の高密度化にも十分対応することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示す薄膜トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜の層の構造の異なる薄膜トランジスタについて、図6及び図7を用いて示す。ここでは、図1乃至図5に示すような2層のゲート絶縁膜代わりに、図6及び図7に示すように、3層のゲート絶縁膜を有する薄膜トランジスタについて示す。
図1(A)に示す薄膜トランジスタのゲート絶縁膜52a、52bの代わりに、図6に示すように、3層のゲート絶縁膜52a、52b、52cを形成してもよい。1層目及び2層目のゲート絶縁膜52a、52bは、実施の形態1と同様に形成することができる。3層目のゲート絶縁膜52cとしては、厚さ1nm〜5nm程度の窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を形成することができる。
また、2層のゲート絶縁膜52a、52bの代わりに、図7(A)に示すように、基板50及びゲート電極51上に、ゲート絶縁膜52a、52b、及びドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成し、その上に微結晶半導体膜58、バッファ層73、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72、一導電型を付与する不純物元素が添加された一対の半導体膜72上に配線71a〜71cを形成することができる。
1層目及び2層目のゲート絶縁膜52a、52bは、実施の形態1と同様に、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜をプラズマCVD法またはスパッタリング法により形成することができる。3層目のドナーとなる不純物元素を有するゲート絶縁膜59cとしては、厚さ1nm〜5nm程度のリン、砒素、またはアンチモンを有する、窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いて形成することができる。
次に、図7(B)に、ゲート絶縁膜52a、52b、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59c、微結晶半導体膜58、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線36で模式的に示す。
図7(B)に示すように、図7(A)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cにおいて、ピークを有する。またピーク位置は、ゲート絶縁膜52b及びドナーとなる不純物元素を有するゲート絶縁膜59cの界面近傍にある。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cの中央近傍にピークを有してもよい。
なお、図7(A)に示す微結晶半導体膜58の代わりに、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61を形成してもよい(図7(C)参照)。例えば、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成した後、反応室内にドナーとなる不純物元素が残留した状態で、上記微結晶半導体膜58の成膜条件で、微結晶半導体を堆積する。次に、バッファ層73を成膜した後、実施の形態1の工程を経ることで、図7(C)に示すような、ゲート電極51上に、ゲート絶縁膜52a、52b、及びドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cが形成され、当該ゲート絶縁膜59c上に、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61が形成され、当該微結晶半導体膜61上にバッファ層73が形成される薄膜トランジスタを作製することができる。
次に、図7(D)に、ゲート絶縁膜52a、52b、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59c、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、バッファ層73の積層部においてSIMSで示されるドナーとなる不純物元素の濃度分布を曲線37で模式的に示す。
図7(D)に示すように、図7(C)に示す薄膜トランジスタのドナーとなる不純物元素の濃度は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cにおいて、ピークを有する。またピーク位置は、ゲート絶縁膜52b及びドナーとなる不純物元素を有するゲート絶縁膜59cの界面近傍にある。なお、ドナーとなる不純物元素の濃度分布を示す曲線の形状は、当該形状に限定されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cの中央近傍にピークを有してもよい。
3層目のゲート絶縁膜52c、59cとして形成する、厚さ1nm〜5nm程度の窒化珪素膜若しくは窒化酸化珪素膜、またはドナーとなる不純物を含む窒化珪素膜若しくは窒化酸化珪素膜の形成方法としては、プラズマCVD法で形成することができる。また、ゲート絶縁膜52bに対し、高密度プラズマを用いて窒化処理して、ゲート絶縁膜52bの表面に窒化珪素層を形成することができる。高密度プラズマ窒化を行うことで、より高い濃度の窒素を含有する窒化珪素層を得ることも可能である。高密度プラズマは、高い周波数のマイクロ波、たとえば2.45GHzを使うことによって生成される。低電子温度が特徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、従来のプラズマ処理に比べプラズマダメージが少なく欠陥が少ない層を形成することができる。また、ゲート絶縁膜52bの表面の粗さが小さくできるため、キャリア移動度を大きくすることができる。
また、微結晶半導体膜には、非晶質半導体及び結晶質半導体が混在する。このため、非晶質半導体は酸化珪素または酸化窒化珪素と接すると、非晶質半導体に含まれる水素が酸化珪素または酸化窒化珪素と反応しやすく、微結晶半導体膜中の水素濃度が低下すると共に、ゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜の界面が劣化してしまう。このため、膜厚の薄い窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を微結晶半導体膜の下地膜として形成することにより、当該膜を水素拡散のブロッキング膜として機能させることが可能であり、ゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜の界面の劣化を低減することができる。
なお、当該ゲート絶縁膜の構造は、図1(D)、図2乃至図5に示す薄膜トランジスタのゲート絶縁膜に用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1に示す薄膜トランジスタの作製工程について示す。
微結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタは、p型よりもn型の方が、電界効果移動度が高いので駆動回路に用いるのにより適している。同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性にそろえておくことが、工程数を抑えるためにも望ましい。ここでは、nチャネル型の薄膜トランジスタを用いて説明する。
はじめに、図1(A)及び図1(D)に示す薄膜トランジスタの作製工程について、以下に示す。
図9(A)に示すように、基板50上にゲート電極51を形成し、ゲート電極51上に、ゲート絶縁膜52a、52bを形成する。
ゲート電極51は、スパッタリング法、CVD法、めっき法、印刷法、液滴吐出法等を用いて実施の形態1で示す金属材料で形成する。ここでは、基板50上に導電膜としてモリブデン膜をスパッタリング法により成膜し、第1のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを用いて基板50上に形成された導電膜をエッチングしてゲート電極51を形成する。
ゲート絶縁膜52a、52bはそれぞれ、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜で形成することができる。
次に、ゲート絶縁膜52b上にドナーとなる不純物元素を吸着させた後、シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガス及び水素を用いてプラズマCVD法により微結晶半導体膜を堆積することで、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成する。
以下に、ドナーとなる不純物元素を有する微結晶半導体膜を形成する方法として、代表例としてリンを含む微結晶シリコン膜を成膜する工程について、図8を参照して時系列的に説明する。
図8はゲート絶縁膜52a、52b、及びドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図8の説明はプラズマCVD装置の反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、ゲート絶縁膜52bを形成する成膜処理(2)445、真空排気処理446、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成する成膜処理(3)448、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
まず、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。高真空排気する場合には、ターボ分子ポンプ等による排気を行い、真空度として10−1Paよりも低い圧力に真空排気する。また、クライオポンプによる排気により、反応室の圧力を10−5Paよりも低い圧力の超高真空としてもよい(NP:Normal Pressure)。また、反応室を加熱処理して内壁からの脱ガス処理を行うことが好ましい。また、基板を加熱するヒータも動作させて温度を安定化させる(ST:Setting Temperature)。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。
プレコート処理441において、プラズマCVD装置の反応室内にゲート絶縁膜と同様または類似の組成の膜をプレコートする。この結果、ゲート絶縁膜中に反応室を構成する金属を不純物として取り込んでしまうのを防ぐことができる。すなわち、反応室内をゲート絶縁膜と同様または類似の組成の膜で被覆しておくことで、反応室内がプラズマにより食刻されるのを防ぐことができ、ゲート絶縁膜中に含まれる反応室からの不純物濃度を低減することができる。
基板搬入442において、反応室に接続されるロードロック室から基板が反応室に搬入される。このときの反応室の圧力はロードロック室と同じ圧力となる(LP:Load Lock Pressure)。
ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、アンモニアとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、窒化珪素膜を形成する。なお、上記の原料ガスの他に窒素を反応室内に導入してもよい(ST:Setting Pressure)。ゲート絶縁膜52aが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理444において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
ゲート絶縁膜52bを形成する成膜処理(2)445は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、一酸化二窒素とを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、酸化窒化珪素膜を形成する。ゲート絶縁膜52bが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理446において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
フラッシュ処理447は、反応室内にドナーとなる不純物元素を含む気体を導入し、ゲート絶縁膜52b表面、さらには、反応室の内壁にドナーとなる不純物元素を吸着させる。ここでは、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)を反応室内に導入する。なお、フォスフィンは水素希釈またはシラン希釈されていなくともよい。ドナーとなる不純物元素を含む気体のほかに、破線461で示すようにシリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガスや、破線462で示すように水素を反応室内に導入してもよい。シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガスや水素を反応室に導入することで、反応室の酸素、窒素、フッ素などの不純物を反応室外へ排出することが可能であり、成膜する膜への汚染を防ぐことができる。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成する成膜処理(3)448は、反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素及び/又は希ガスとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、微結晶半導体膜を形成する。シランは水素及び/又は希ガスで10倍から2000倍に希釈される。そのため多量の水素及び/又は希ガスが必要とされる。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。微結晶シリコン膜の成長表面を水素で不活性化し、微結晶シリコンの成長を促進するためには120℃〜220℃で成膜を行うことが好ましい。この際、ゲート絶縁膜52bの表面に吸着されたドナーとなる不純物元素、ここではリンを結晶核とし、微結晶半導体の成長がおこなわれるため、半導体膜堆積初期段階において非晶質半導体が形成されず、ゲート絶縁膜52bに対して法線方向に結晶が成長し、柱状の微結晶半導体が並んだ、結晶性の高い微結晶半導体膜を形成することができる。また、ゲート絶縁膜52b表面に吸着されたドナーとなる不純物元素が微結晶半導体膜中に取り込まれるため、導電性の高いドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成することができる。
また、シラン等のガス中にGeH4、GeF4などの水素化ゲルマニウム、フッ化ゲルマニウムを混合して、エネルギーバンド幅を0.9〜1.1eVに調節しても良い。シリコンにゲルマニウムを加えると薄膜トランジスタの温度特性を変えることができる。
基板搬出449において、反応室から反応室に接続されるロードロック室へ基板を搬出する。このときの反応室の圧力はロードロック室と同じ圧力となる。
なお、ここでは、フラッシュ処理447をした後、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を成膜する成膜処理(3)448を行ったが、これらの工程の代わりに、フラッシュ処理447をせず、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガスと、水素及び/又は希ガスとともに、ドナーとなる不純物元素を含む気体を導入して混合し、高周波電源を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することもできる。
従来の微結晶半導体膜の形成方法では、ドナーとなる不純物元素を除く不純物や格子不整合などの要因により堆積初期段階において非晶質半導体層が形成されてしまう。逆スタガ型の薄膜トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜の近傍の微結晶半導体膜においてキャリアが流れるため、界面において非晶質半導体層が形成されると、電界効果移動度が低下すると共に、電流量が少なく、薄膜トランジスタの電気特性が低下してしまう。
しかしながら、本形態に示すように、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜をゲート絶縁膜上に形成することで、膜の厚さ方向における結晶性を高めると共に、ゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜の界面の結晶性を高めることができる。
次に、図9(A)に示すように、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57上に微結晶半導体膜53を形成する。微結晶半導体膜53は、反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素及び/又は希ガスとを導入して混合し、グロー放電プラズマにより、微結晶半導体膜を形成する。シランは水素及び/又は希ガスで10倍から2000倍に希釈される。そのため多量の水素及び/又は希ガスが必要とされる。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。微結晶シリコン膜の成長表面を水素で不活性化し、微結晶シリコンの成長を促進するためには120℃〜220℃で成膜を行うことが好ましい。なお、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を成膜する反応室と異なる反応室で微結晶半導体膜53を成膜することで、より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。また、図8で示す基板搬出449を行わず、引き続き微結晶半導体膜を成膜することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。この場合は、フラッシュ処理447において、ゲート絶縁膜52b及び反応室内に吸着させるドナーとなる不純物元素の濃度を低くすることが好ましい。
次に、図9(B)に示すように、微結晶半導体膜53上にバッファ層54及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55を形成する。次に、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55上にレジストマスク56を形成する。
バッファ層54としては、シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガスを用いたプラズマCVD法により非晶質半導体膜を形成することができる。また、シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガスに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガスで希釈して非晶質半導体膜を形成することができる。シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガスの流量の1倍以上10倍以下、更に好ましくは1倍以上5倍以下の流量の水素を用いて、水素を含む非晶質半導体膜を形成することができる。また、上記水素化半導体膜に、フッ素、塩素等のハロゲン、または窒素を添加してもよい。
また、バッファ層54は、ターゲットにシリコン、ゲルマニウム等の半導体を用いて水素、または希ガスでスパッタリングした非晶質半導体膜にて形成することができる。
バッファ層54は、結晶粒を含まない非晶質半導体膜で形成することが好ましい。このため、周波数が数十MHz〜数百MHzの高周波プラズマCVD法、またはマイクロ波プラズマCVD法で形成する場合は、結晶粒を含まない非晶質半導体膜となるように、成膜条件を制御することが好ましい。
バッファ層54は、後のソース領域及びドレイン領域の形成プロセスにおいて、一部エッチングされる場合があるが、そのときに、バッファ層54の一部が残存する厚さで形成することが好ましい。代表的には、30nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上200nm以下の厚さで形成することが好ましい。薄膜トランジスタの印加電圧の高い(例えば15V程度)表示装置、代表的には液晶表示装置において、バッファ層54を厚く形成すると、耐圧が高くなり、薄膜トランジスタに高い電圧が印加されても、薄膜トランジスタが劣化することを回避することができる。
微結晶半導体膜53の表面に、バッファ層54として、非晶質半導体膜、更には水素、窒素、またはハロゲンを含む非晶質半導体膜を形成することで、微結晶半導体膜53に含まれる結晶粒の表面の自然酸化を防止することが可能である。特に、非晶質半導体と微結晶粒が接する領域では、局部応力により亀裂が入りやすい。この亀裂が酸素に触れると結晶粒は酸化され、酸化珪素が形成される。しかしながら、微結晶半導体膜53の表面にバッファ層54を形成することで、微結晶粒の酸化を防ぐことができる。
また、バッファ層54は、非晶質半導体膜を用いて形成する、または、水素、窒素、若しくはハロゲンを含む非晶質半導体膜で形成するため、エネルギーギャップが微結晶半導体膜53に比べて大きく、また抵抗率が高く、移動度が微結晶半導体膜53の1/5〜1/10と低い。このため、後に形成される薄膜トランジスタにおいて、ソース領域及びドレイン領域と、微結晶半導体膜53との間に形成されるバッファ層は高抵抗領域として機能し、微結晶半導体膜57がチャネル形成領域として機能する。このため、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、当該薄膜トランジスタを表示装置のスイッチング素子として用いた場合、表示装置のコントラストを向上させることができる。
なお、微結晶半導体膜53を形成した後、プラズマCVD法によりバッファ層54を300℃〜400℃の温度にて成膜してもよい。この成膜処理により水素が微結晶半導体膜53に供給され、微結晶半導体膜53を水素化したのと同等の効果が得られる。すなわち、微結晶半導体膜53上にバッファ層54を堆積することにより、微結晶半導体膜53に水素を拡散させて、ダングリングボンドの終端をすることができる。
なお、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57の後、微結晶半導体膜53を形成せず、バッファ層54を形成することで、図1(D)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。
一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55は、nチャネル型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的な不純物元素としてリンを添加すれば良く、水素化珪素にPH3などの不純物気体を加えれば良い。また、pチャネル型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的な不純物元素としてボロンを添加すれば良く、水素化珪素にB2H6などの不純物気体を加えれば良い。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55は、微結晶半導体膜、または非晶質半導体で形成することができる。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55は2nm以上50nm以下の厚さで形成する。一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55の膜厚を、薄くすることでスループットを向上させることができる。
次に、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55上にレジストマスク56を形成する。
レジストマスク56は、フォトリソグラフィ技術により形成する。ここでは、第2のフォトマスクを用いて、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55上に塗布されたレジストを露光現像して、レジストマスク56を形成する。
次に、レジストマスク56を用いてドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57、微結晶半導体膜53、バッファ層54、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55をエッチングし分離して、図9(C)に示すように、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、微結晶半導体膜58、バッファ層62、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63を形成する。この後、レジストマスク56を除去する。なお、図9(C)(レジストマスク56は除く。)は、図12(A)のA−Bの断面図に相当する。
微結晶半導体膜61、微結晶半導体膜58、バッファ層62の端部側面が傾斜していることにより、微結晶半導体膜58と、ソース領域及びドレイン領域との距離が離れるため、バッファ層62上に形成されるソース領域及びドレイン領域と微結晶半導体膜61との間にリーク電流が生じること防止することが可能である。また、配線と、微結晶半導体膜61との間にリーク電流が生じるのを防止することが可能である。微結晶半導体膜61、微結晶半導体膜58、及びバッファ層62の端部側面の傾斜角度は、30°〜90°、好ましくは45°〜80°である。このような角度とすることで、段差形状による配線の段切れを防ぐことができる。
次に、図10(A)に示すように、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63及びゲート絶縁膜52b上に導電膜65a〜65cを形成し、導電膜65a〜65c上にレジストマスク66を形成する。導電膜65a〜65cは、スパッタリング法、CVD法、印刷法、液滴吐出法、蒸着法等を用いて形成する。ここでは、導電膜としては、導電膜65a〜65cの3層が積層した構造の導電膜を示し、導電膜65a、65cにモリブデン膜、導電膜65bにアルミニウム膜を用いた積層導電膜や、導電膜65a、65cにチタン膜、導電膜65bにアルミニウム膜を用いた積層導電膜を示す。導電膜65a〜65cは、スパッタリング法や真空蒸着法で形成する。
レジストマスク66は、レジストマスク56と同様に形成することができる。
次に、図10(B)に示すように、導電膜65a〜65cの一部をエッチングし、一対の配線71a〜71c(ソース電極及びドレイン電極として機能する。)を形成する。ここでは、第3のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスク66を用いて、導電膜65a〜65cをウエットエッチングすると、導電膜65a〜65cが選択的にエッチングされる。この結果、導電膜が等方的にエッチングされるため、レジストマスク66より面積の小さい配線71a〜71cを形成することができる。
次に、レジストマスク66を用いて一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63をエッチングし分離する。この結果、図10(C)に示すような、一対のソース領域及びドレイン領域72を形成することができる。なお、当該エッチング工程において、バッファ層62の一部もエッチングする。一部エッチングされた、凹部が形成されたバッファ層をバッファ層73と示す。ソース領域及びドレイン領域の形成工程と、バッファ層の凹部とを同一工程で形成することができる。バッファ層の凹部の深さをバッファ層の一番膜厚の厚い領域の1/2〜1/3とすることで、ソース領域及びドレイン領域の距離を離すことが可能であるため、ソース領域及びドレイン領域の間でのリーク電流を低減することができる。この後、レジストマスク66を除去する。
次に、露出しているバッファ層にダメージが入らず、且つ該バッファ層に対するエッチングレートが低い条件でドライエッチングする。この工程により、ソース領域及びドレイン領域間のバッファ層上のエッチング残渣物、レジストマスクの残渣、及びレジストマスクの除去に用いる装置内の汚染源を除去することが可能であり、ソース領域及びドレイン領域間の絶縁を確実なものとすることができる。この結果、薄膜トランジスタのリーク電流を低減することが可能であり、オフ電流が小さく、耐圧の高い薄膜トランジスタを作製することが可能である。なお、エッチングガスには例えば塩素ガスを用いればよい。
なお、図10(C)(レジストマスク66は除く。)は、図12(B)のA−Bの断面図に相当する。図12(B)に示すように、ソース領域及びドレイン領域72の端部は、配線71cの端部の外側に位置することが分かる。また、バッファ層73の端部は配線71c及びソース領域及びドレイン領域72の端部の外側に位置する。また、配線の一方は配線の他方を囲む形状(具体的には、U字型、C字型)である。このため、キャリアが移動する領域の面積を増加させることが可能であるため、電流量を増やすことが可能であり、薄膜トランジスタの面積を縮小することができる。また、ゲート電極上において、微結晶半導体膜、配線が重畳されているため、ゲート電極の凹凸の影響が少なく、被覆率の低減及びリーク電流の発生を抑制することができる。
以上の工程により、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタ74を形成することができる。
次に、図11(A)に示すように、配線71a〜71c、ソース領域及びドレイン領域72、バッファ層73、及びゲート絶縁膜52b上に保護絶縁膜76を形成する。保護絶縁膜76は、ゲート絶縁膜52a、52bと同様に形成することができる。なお、保護絶縁膜76は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。また、保護絶縁膜76に窒化珪素膜を用いることで、バッファ層73中の酸素濃度を5×1019atoms/cm3以下、好ましくは1×1019atoms/cm3以下とすることができ、バッファ層73の酸化を防止することができる。
次に、図11(B)に示すように、保護絶縁膜76に第4のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを用いて保護絶縁膜76の一部をエッチングしてコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールにおいて配線71cに接する画素電極77を形成する。なお、図11(B)は、図12(C)のA−Bの断面図に相当する。
画素電極77は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、画素電極77として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
ここでは、画素電極77としては、スパッタリング法によりITOを成膜した後、ITO上にレジストを塗布する。次に、第5のフォトマスクを用いてレジストを露光及び現像し、レジストマスクを形成する。次に、レジストマスクを用いてITOをエッチングして画素電極77を形成する。
以上により、薄膜トランジスタ、及び表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
次に、図2(A)に示す薄膜トランジスタの作製工程について、以下に示す。
図9(A)に示す工程と同様に、基板50上にゲート電極51を形成し、ゲート電極51上に、ゲート絶縁膜52aを形成する。
次に、図14に示すように、ゲート絶縁膜52a上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成し、ゲート絶縁膜59上に、シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガス及び水素を用いてプラズマCVD法により微結晶半導体膜53を形成する。
以下に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する方法として、代表例としてリンを含む酸化窒化珪素膜を成膜する工程について、図13を参照して時系列的に説明する。
図13は、ゲート絶縁膜52a、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59、微結晶半導体膜53を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図13の説明は反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)450、真空排気処理446、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
なお、プレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、真空排気処理446、基板搬出449は、図8に示す工程と同様であり、真空排気処理444及び基板搬出449の間にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)450、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451が入る。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)450は、ゲート絶縁膜を形成する原料ガスに、ドナーとなる不純物元素を含む気体を導入する。ここでは、シランと、一酸化二窒素と、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)を反応室内に導入し、グロー放電プラズマにより、リンを含む酸化窒化珪素膜を形成する。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59が成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451は、反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素及び/又は希ガスとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、微結晶半導体膜を形成する。シランは水素及び/又は希ガスで10倍から2000倍に希釈される。そのため多量の水素及び/又は希ガスが必要とされる。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。微結晶半導体膜53が形成されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
なお、微結晶半導体膜53として、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜を形成するためには、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する際に、堆積し始め時にドナーとなる不純物を含む気体、ここではフォスフィンを反応室内に導入し、その後フォスフィンの導入を停止して、酸化窒化珪素膜を形成することで、反応室内のリンの概略すべてが酸化窒化珪素内に取り込まれる。このため、後に形成する微結晶半導体膜53はSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない。または、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59を形成した後、反応室から基板を搬出し、反応室内をクリーニングした後、再度反応室内に基板を搬入して微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。さらには、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59を形成した後、反応室から基板を搬出し、別の反応室で微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。
また、図14において、微結晶半導体膜53の代わりに、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することで、図2(E)に示すような、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59上に、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61を有する薄膜トランジスタを作製することができる。ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する際にフォスフィンを反応室内に導入した後、反応室内に残存するフォスフィンを取り込みながら微結晶半導体膜を形成すればよい。または、微結晶半導体膜を形成する際、シラン、水素及び/またはアルゴンと共に、フォスフィンを反応室に導入して形成すればよい。または、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成した後に、反応室内にフォスフィンを流し、反応室内にフォスフィンを付着させた後、微結晶半導体膜を形成すればよい。
次に、図9(B)乃至図10の工程を経て、図2(A)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。また、こののち、図11に示す工程を経て、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
次に、図2(A)に示す薄膜トランジスタの別の作製方法について、以下に示す。
以下に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する方法として、代表例としてリンを含む酸化窒化珪素膜を成膜する工程について、図15を参照して時系列的に説明する。
図15は、ゲート絶縁膜52a、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59、微結晶半導体膜53を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図15の説明は反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)457、真空排気処理446、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
なお、プレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、真空排気処理446、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451、基板搬出449は、図13に示す工程と同様であり、真空排気処理444及び真空排気処理446の間に、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)457が入る。
フラッシュ処理447は、反応室内にドナーとなる不純物元素を含む気体を導入し、ゲート絶縁膜52a表面、さらには、反応室の内壁にドナーとなる不純物元素を吸着させる。ここでは、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)を反応室内に導入する。なお、ドナーとなる不純物元素を含む気体のほかに、破線462で示すように、水素を反応室に導入してもよい。また、破線461で示すようにシリコン、またはゲルマニウムを含む堆積ガスを反応室内に導入してもよい。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する成膜処理(2)457は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、一酸化二窒素とを反応室に導入し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、酸化窒化珪素膜を形成する。この際、ゲート絶縁膜52aの表面に析出するドナーとなる不純物元素、さらには反応室の内壁の表面に吸着されたドナーとなる不純物元素、ここではリンを取り込みながら酸化窒化珪素膜が堆積されるため、リンを含む酸化窒化珪素膜を形成することができる。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59が成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
なお、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451において、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜を形成するためには、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する際に、堆積し始め時にドナーとなる不純物を含む気体、ここではフォスフィンを反応室内に導入し、その後フォスフィンの導入を停止して、酸化窒化珪素膜を形成することで、反応室内のリンの概略すべてが酸化窒化珪素内に取り込まれる。このため、後に形成する微結晶半導体膜53はSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない。または、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59を形成した後、反応室から基板を搬出し、反応室内をクリーニングした後、再度反応室内に基板を搬入して微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。さらには、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59を形成した後、反応室から基板を搬出し、別の反応室で微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。
次に、図9(B)乃至図10の工程を経て、図2(A)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。また、こののち、図11に示す工程を経て、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
また、微結晶半導体膜53の代わりに、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することで、図2(E)に示すような、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59上に、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61を有する薄膜トランジスタを作製することができる。ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成する際にフォスフィンを反応室内に導入した後、反応室内に残存するフォスフィンを取り込みながら微結晶半導体膜を形成すればよい。または、微結晶半導体膜を形成する際、シラン、水素及び/またはアルゴンと共に、フォスフィンを反応室に導入して形成すればよい。または、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59を形成した後に、反応室内にフォスフィンを流し、反応室内にフォスフィンを付着させた後、微結晶半導体膜を形成すればよい。
次に、図3(A)に示す薄膜トランジスタの作製方法について、以下に示す。
図9(A)に示す工程と同様に、基板50上にゲート電極51を形成する。
次に、プラズマCVD装置の反応室内に、ドナーとなる不純物元素を含む膜を保護膜として形成した後、反応室内に基板50を搬入し、ゲート電極51上にゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜を堆積する。この場合、反応室内を真空にすると、更にはプラズマを発生させることにより、反応室内に形成された保護膜からドナーとなる不純物元素が反応室内に脱離される。また、当該脱離したドナーとなる不純物元素を取り込みつつ、ゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜を形成するため、ゲート電極上にドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜と、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することができる。
以下に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜及び微結晶半導体膜の形成方法として、代表例としてリンを含む窒化珪素膜、リンを含む酸化窒化珪素膜、及びリンを含む微結晶シリコン膜を成膜する工程について、図16を参照して時系列的に説明する。
図16は、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図16の説明は反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理452、基板搬入442、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aを形成する成膜処理(1)453、真空排気処理444、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する成膜処理(2)454、真空排気処理446、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する成膜処理(3)455、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
プレコート処理452において、プラズマCVD装置の反応室内に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜と同様または類似の組成の膜を保護膜としてプレコートする。ここでは、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈)と、シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素と、更にはアンモニア、一酸化二窒素、窒素のいずれか一つまたは複数とを反応室内に導入し、グロー放電プラズマにより、リンを含む酸化窒化珪素膜、リンを含む酸化珪素膜、リンを含む窒化珪素膜、またはリンを含む窒化酸化珪素膜を形成する。この結果、ゲート絶縁膜中に反応室を構成する金属を不純物として取り込んでしまうのを防ぐことができると共に、ドナーとなる不純物元素を後に形成されるゲート絶縁膜、微結晶半導体膜等に添加することができる。
基板搬入442において、反応室に接続されるロードロック室から基板が反応室に搬入される。また、基板搬入の前後において、反応室内の圧力を真空排気するが、そのときに、反応室にプレコートされた保護膜から含まれるドナーとして機能する不純物元素が反応室内に解離する。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aを形成する成膜処理(1)453は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、アンモニアとを導入して混合し、高周波電源を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、窒化珪素膜を堆積させると、反応室内に解離されたドナーとなる不純物元素、ここでは、リンを取り込みながら窒化珪素が堆積される。また、グロー放電プラズマが反応室の内壁まで広がると、上記原料ガスに加え、反応室内にプレコートされた保護膜からもドナーとなる不純物元素、ここではリンが解離する。このため、リンを含む窒化珪素膜を形成することができる。なお、上記の原料ガスの他に窒素を反応室内に導入してもよい。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理444において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する成膜処理(2)454は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、一酸化二窒素とを導入して混合し、高周波電源を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、酸化窒化珪素膜を堆積させると、反応室内に解離されたドナーとなる不純物元素、ここでは、リンを取り込みながら酸化窒化珪素膜が堆積される。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理446において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する成膜処理(3)455は、反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素及び/又は希ガスとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、微結晶半導体膜を形成する。シランは水素及び/又は希ガスで10倍から2000倍に希釈される。そのため多量の水素及び/又は希ガスが必要とされる。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。この際、反応室内に解離されたドナーとなる不純物元素を取り込みつつ堆積するため、ここではリンを含む微結晶半導体膜が形成される。この結果、半導体膜堆積初期段階において非晶質半導体が形成されず、ゲート絶縁膜59bに対して法線方向に結晶が成長し、柱状の微結晶半導体が並んだ、結晶性の高い微結晶半導体膜を形成することができる。また、導電性の高いドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することができる。
本形態では、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67が形成されることを特徴とする。ドナーとなる不純物元素のピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
基板搬出449において、反応室から反応室に接続されるロードロック室へ基板を搬出する。このときの反応室の圧力はロードロック室と同じ圧力となる。
次に、図17(B)に示すように、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67上にバッファ層54、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55を形成する。次に、図9(B)乃至図10の工程を経て、図3(A)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。また、こののち、図11に示す工程を経て、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
なお、微結晶半導体膜67の代わりに、図19に示すように、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することで、図4(C)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。微結晶半導体膜53を形成するためには、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する際に、堆積し始め時にドナーとなる不純物を含む気体、ここではフォスフィンを反応室内に導入し、その後フォスフィンの導入を停止して、酸化窒化珪素膜を形成することで、反応室内のリンの概略すべてが酸化窒化珪素内に取り込まれる。このため、後に形成する微結晶半導体膜53はSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない。または、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59bを形成した後、反応室から基板を搬出し、反応室内をクリーニングした後、再度反応室内に基板を搬入して微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。さらには、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59bを形成した後、反応室から基板を搬出し、別の反応室で微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。
次に、図3(A)に示す薄膜トランジスタの別の作製方法について、以下に示す。
図18は、図17(A)に示すように、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図18には、反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理441、基板搬入442、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aを形成する成膜処理(1)456、真空排気処理444、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する成膜処理(2)457、真空排気処理446、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する成膜処理(3)455、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
なお、プレコート処理441、基板搬入442、基板搬出449は、図13に示す工程と同様であり、基板搬入442、基板搬出449の間に、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aを形成する成膜処理(1)456、真空排気処理444、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する成膜処理(2)457、真空排気処理446、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する成膜処理(3)455が入る。
フラッシュ処理447は反応室内にドナーとなる不純物元素を含む気体を導入し、基板50、ゲート電極51表面、さらには、反応室の内壁にドナーとなる不純物元素を吸着させる。ここでは、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈)を反応室内に導入する。なお、ドナーとなる不純物元素を含む気体のほかに、破線462で示すように、水素を反応室に導入してもよい。また、破線461で示すようにシリコン、またはゲルマニウムを含む堆積ガスを反応室内に導入してもよい。シリコン、またはゲルマニウムを含む堆積ガスを反応室に導入することで、反応室の酸素、窒素、フッ素などの不純物を反応室外へ排出することが可能であり、成膜する膜への汚染を防ぐことができる。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aを形成する成膜処理(1)456は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、アンモニアとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、窒化珪素膜を形成する。なお、上記の原料ガスの他に窒素を反応室内に導入してもよい。この際、基板50またはゲート電極51、さらには反応室の内壁の表面に吸着されたドナーとなる不純物元素、ここではリンを取り込みながら窒化珪素膜が堆積されるため、リンを含む窒化珪素膜を形成することができる。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理444において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する成膜処理(2)457は、原料ガス、ここでは、水素と、シランと、一酸化二窒素とを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、酸化窒化珪素膜を形成する。この際、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59aの表面に析出するドナーとなる不純物元素、さらには反応室の内壁の表面に吸着されたドナーとなる不純物元素、ここではリンを取り込みながら酸化窒化珪素膜が堆積されるため、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bとして、リンを含む酸化窒化珪素膜を形成することができる。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理446において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67を形成する成膜処理(3)455は、反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性ガス、ここではシランと、水素及び/又は希ガスとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、微結晶半導体膜を形成する。シランは水素及び/又は希ガスで10倍から2000倍に希釈される。そのため多量の水素及び/又は希ガスが必要とされる。基板の加熱温度は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜220℃で行う。微結晶シリコン膜の成長表面を水素で不活性化し、微結晶シリコンの成長を促進するためには120℃〜220℃で成膜を行うことが好ましい。この際、反応室内に解離されたドナーとなる不純物元素を取り込みつつ堆積されるため、ここではリンを含む微結晶半導体膜が形成される。この結果、半導体膜堆積初期段階において非晶質半導体が形成されず、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bに対して法線方向に結晶が成長し、柱状の微結晶半導体が並んだ、結晶性の高い微結晶半導体膜を形成することができる。また、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59b表面に析出するドナーとなる不純物元素が微結晶半導体膜中に取り込まれるため、導電性の高いドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することができる。
本形態では、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59a、59b、微結晶半導体膜67が形成されることを特徴とする。ドナーとなる不純物元素のピーク濃度は、6×1015atoms/cm3以上3×1018atoms/cm3以下、好ましくは3×1016atoms/cm3以上3×1017atoms/cm3以下であることが好ましい。
基板搬出449において、反応室から反応室に接続されるロードロック室へ基板を搬出する。このときの反応室の圧力はロードロック室と同じ圧力となる。
次に、図17(B)に示すように、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜67上にバッファ層54、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55を形成する。次に、図9(B)乃至図10の工程を経て、図3(A)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。また、こののち、図11に示す工程を経て、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
なお、微結晶半導体膜67の代わりに、図19に示すように、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することで、図4(C)に示すような薄膜トランジスタを作製することができる。微結晶半導体膜53を形成するためには、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59bを形成する際に、堆積し始め時にドナーとなる不純物元素を含む気体、ここではフォスフィンを反応室内に導入し、その後フォスフィンの導入を停止して、酸化窒化珪素膜を形成することで、反応室内のリンの概略すべてが酸化窒化珪素内に取り込まれる。このため、後に形成する微結晶半導体膜53はSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない。または、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59bを形成した後、反応室から基板を搬出し、反応室内をクリーニングした後、再度反応室内に基板を搬入して微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。さらには、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59bを形成した後、反応室から基板を搬出し、別の反応室で微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。
次に、図7(A)に示す薄膜トランジスタの作製方法について、以下に示す。
以下に、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成する方法として、代表例としてリンを含む窒化珪素膜を成膜する工程について、図20を参照して時系列的に説明する。
図20は、図21に示すように、ゲート電極51及び基板50上に、ゲート絶縁膜52a、52b、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59c、微結晶半導体膜53を形成する工程を説明するタイムチャートであり、代表的な一例を示す。図20の説明は反応室を大気圧から真空排気440する段階から示されており、その後に行われるプレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜52aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、ゲート絶縁膜52bを形成する成膜処理(2)445、真空排気処理446、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成する成膜処理(4)458、真空排気処理459、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451、基板搬出449の各処理が時系列的に示されている。
なお、プレコート処理441、基板搬入442、ゲート絶縁膜53aを形成する成膜処理(1)443、真空排気処理444、ゲート絶縁膜53bを形成する成膜処理(2)445、真空排気処理446、基板搬出449は、図8に示す工程と同様であり、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451は図13に示す工程と同様であり、真空排気処理446及び成膜処理(3)451の間に、フラッシュ処理447、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成する成膜処理(4)458、真空排気処理459が入る。
フラッシュ処理447は、反応室内にドナーとなる不純物元素を含む気体を導入し、ゲート絶縁膜52b表面、さらには、反応室の内壁にドナーとなる不純物元素を吸着させる。ここでは、0.001%〜1%のフォスフィン(水素希釈)を反応室内に導入する。なお、ドナーとなる不純物元素を含む気体のほかに、破線462で示すように、水素を反応室に導入してもよい。また、破線461で示すようにシリコン、またはゲルマニウムを含む堆積ガスを反応室内に導入してもよい。
ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cを形成する成膜処理(4)458は、ゲート絶縁膜の原料ガス、ここでは、水素と、シランと、アンモニアとを導入して混合し、高周波電力を印加して発生させたグロー放電プラズマにより、窒化珪素膜を形成する。この際、ゲート絶縁膜52bの表面に析出するドナーとなる不純物元素、さらには反応室の内壁の表面に吸着されたドナーとなる不純物元素、ここではリンを取り込みながら窒化珪素膜が堆積されるため、リンを含む窒化珪素膜を形成することができる。ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cが成膜されたら、上記原料ガスの導入をやめ、電源をオフにして、プラズマを停止する。
真空排気処理459において、反応室内を所定の真空度まで真空排気する。
この後、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59c上に微結晶半導体膜53を形成する。
なお、微結晶半導体膜53を形成する成膜処理(3)451において、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜を形成するためには、フラッシュ処理447の際における、ドナーとなる不純物元素を含む気体、ここではフォスフィンを反応室内に導入する量を制御することで、後に形成する微結晶半導体膜53はSIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない。または、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59cを形成した後、反応室から基板を搬出し、反応室内をクリーニングした後、再度反応室内に基板を搬入して微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。さらには、ドナーとなる不純物元素が含まれるゲート絶縁膜59cを形成した後、反応室から基板を搬出し、別の反応室で微結晶半導体膜53を形成することで、SIMSの検出限界より多くのドナーとなる不純物元素を含まない微結晶半導体膜53を形成することができる。
なお、ドナーとなる不純物元素を含むゲート絶縁膜59cの形成方法として、フラッシュ処理447を行った後、ゲート絶縁膜52bに対し、高密度プラズマを用いて窒化処理して、ゲート絶縁膜52bの表面にドナーとなる不純物元素を含む窒素珪素層を形成することができる。高密度プラズマは、高い周波数のマイクロ波、たとえば2.45GHzを使うことによって生成される。低電子温度が特徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、従来のプラズマ処理に比べプラズマダメージが少なく欠陥が少ない層を形成することができる。また、ゲート絶縁膜52bの表面の粗さが小さくできるため、キャリア移動度を大きくすることができる。
また、図20に示すフラッシュ処理447を行わず、ゲート絶縁膜を形成する原料ガスと共に、図20に示す破線463のようにドナーとなる不純物元素を含む気体を用いて、ドナーとなる不純物元素を有するゲート絶縁膜59cを形成してもよい。
この後、実施の形態1と同様の工程により、図7(A)に示す薄膜トランジスタを作製することができる。
なお、本実施の形態における工程においてグロー放電プラズマの生成は、1MHzから20MHz、代表的には13.56MHzの高周波電力、または20MHzより大きく120MHz程度までのVHF帯の高周波電力を印加することで行われる。
また、微結晶半導体膜の成膜処理においては、シラン及び水素の他、反応ガスに希ガスとしてヘリウムを加えても良い。ヘリウムは24.5eVとすべての気体中で最も高いイオン化エネルギーを持ち、そのイオン化エネルギーよりも少し低い、約20eVの準位に準安定状態があるので、放電持続中においては、イオン化にはその差約4eVしか必要としない。そのため放電開始電圧も全ての気体中最も低い値を示す。このような特性から、ヘリウムはプラズマを安定的に維持することができる。また、均一なプラズマを形成することができるので、微結晶シリコン膜を堆積する基板の面積が大きくなってもプラズマ密度の均一化を図る効果を奏する。
本実施の形態で作製する薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜または微結晶半導体膜にドナーとなる不純物元素が含まれるため、微結晶半導体膜はゲート絶縁膜との界面における結晶性が高いとともに、微結晶半導体膜の結晶性が向上する。このため、微結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタは、非晶質半導体膜や従来の微結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタと比較して電界効果移動度が高く、またオン電流も高い。このため、表示素子のスイッチングとして、チャネル形成領域が微結晶半導体膜で形成される薄膜トランジスタを用いることで、チャネル形成領域の面積、即ち薄膜トランジスタの面積を縮小することが可能である。このため、一画素あたりに示す薄膜トランジスタの面積が小さくなり、画素の開口率を高めることが可能である。この結果、解像度の高い表示装置を作製することができる。
また、本実施の形態で作製する薄膜トランジスタのチャネル形成領域は、微結晶半導体膜で形成されているため、非晶質半導体膜と比較して抵抗率が低い。このため、微結晶半導体膜53を用いた薄膜トランジスタは、電流電圧特性を示す曲線の立ち上がり部分の傾きが急峻となり、スイッチング素子としての応答性が優れ、高速動作が可能となる。また、薄膜トランジスタのチャネル形成領域に当該微結晶半導体膜を用いることで、薄膜トランジスタの閾値の変動を抑制することが可能である。このため、電気特性のばらつきの少ない表示装置を作製することができる。
さらには、本実施の形態で作製する薄膜トランジスタは、チャネル形成領域である微結晶半導体膜とソース領域及びドレイン領域である一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜の間に、バッファ層として、抵抗率の高い非晶質半導体膜を形成する。オフ電流は当該バッファ領域を流れるが、バッファ層は高抵抗領域であるため、オフ電流を抑えることができると共に、微結晶半導体膜の酸化を防止する機能も有する。このため、オフ電流を抑えると共に、チャネル形成領域における欠陥低減によるオン電流の上昇を図ることができる。
次に、上記反応室が適用されるプラズマCVD装置の一例として、ゲート絶縁膜、微結晶半導体膜の成膜に適した構成の一例を示す。
図22は複数の反応室を備えたマルチ・チャンバ・プラズマCVD装置の一例を示す。この装置は共通室423と、ロード/アンロード室422、第1反応室400a、第2反応室400b、第3反応室400cを備えた構成となっている。ロード/アンロード室422のカセットに装填される基板は、共通室423の搬送機構426によって各反応室に搬出入される枚葉式の構成である。共通室423と各室の間にはゲートバルブ425が備えられ、各反応室で行われる処理が、相互に干渉しないように構成されている。
各反応室は形成する薄膜の種類によって区分されている。例えば、第1反応室400aはゲート絶縁膜などの絶縁膜を成膜し、第2反応室400bはチャネルを形成する微結晶半導体膜及びバッファ層を成膜し、第3反応室400cはソース及びドレインを形成する一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜を成膜する反応室として充当される。勿論、反応室の数はこれに限定されるわけではなく、必要に応じて任意に増減することができる。また、一の反応室で一の膜を成膜するようにしても良いし、一の反応室で複数の膜を成膜するように構成しても良い。
各反応室には排気手段としてターボ分子ポンプ419とドライポンプ420が接続されている。排気手段はこれらの真空ポンプの組み合わせに限定されるものではなく、概略10−1Paから10−5Paの真空度にまで排気できるものであれば他の真空ポンプを適用することができる。排気手段430と各反応室との間にはバタフライバルブ417が設けられており、これによって真空排気を遮断させることができ、コンダクタンスバルブ418によって排気速度を制御して、それぞれの反応室の圧力を調節することができる。
なお、微結晶半導体膜を形成する第2反応室400bは超高真空まで真空排気するものとして、クライオポンプ421を連結してもよい。クライオポンプ421を用いることで、反応室の圧力を10−5Paよりも低い圧力の超高真空とすることができる。本実施の形態では、反応室内を10−5Paよりも低い圧力の超高真空とすることで、微結晶半導体膜中の酸素濃度の低減に効果的である。この結果、微結晶半導体膜53に含まれる酸素の濃度を1×1016atoms/cm3以下とすることができる。微結晶半導体膜中の酸素濃度を低減することで、膜中の欠陥を低減し、結晶性を高めることが可能となるため、キャリアの移動度を向上させることが可能である。
ガス供給手段408はシランに代表される半導体材料ガス若しくは希ガスなどプロセスに用いるガスが充填されるシリンダ410、ストップバルブ412、マスフローコントローラ413などで構成されている。ガス供給手段408gは第1反応室400aに接続され、ゲート絶縁膜を成膜するためのガスを供給する。ガス供給手段408iは第2反応室400bに接続され、微結晶半導体膜、及びバッファ層用のガスを供給する。ガス供給手段408nは第3反応室400cに接続され、例えばn型半導体膜用のガスを供給する。また、ドナーとなる不純物元素を含む気体の一つであるフォスフィンは、第1の反応室400a、第2の反応室400bに接続され、ガスが供給される。ガス供給手段408aはアルゴンを供給し、ガス供給手段408fは反応室内のクリーニングに用いるエッチングガスを供給する系統であり、これらは各反応室共通のラインとして構成されている。
各反応室にはプラズマを形成するための高周波電力供給手段403が連結されている。高周波電力供給手段403は高周波電源404と整合器406が含まれる。
図23は、図22のマルチ・チャンバ・プラズマCVD装置の構成に、第4反応室400dを追加した構成を示す。第4反応室400dには、ガス供給手段408bが連結されている。その他、高周波電力供給手段、排気手段の構成は同様である。各反応室は形成する薄膜の種類によって使い分けることが可能である。例えば、第1反応室400aはゲート絶縁膜などの絶縁膜を成膜し、第2反応室400bは半導体膜及びチャネル形成領域用の微結晶半導体膜を成膜し、第4反応室400dではチャネル形成領域用の微結晶半導体膜を保護するバッファ層を形成し、第3反応室400cはソース及びドレインを形成する一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜を成膜する反応室として用いることができる。それぞれの薄膜は最適な成膜温度があるので、反応室を個別に分けておくことで成膜温度を管理することが容易となる。さらに、同じ膜種を繰り返し成膜することができるので、前に形成された膜に起因する残留不純物の影響を排除することができる。
なお、同一反応室内において、微結晶半導体膜、バッファ層、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜を連続的に形成してもよい。具体的には、ゲート絶縁膜が形成された基板を反応室に搬入し、そこで微結晶半導体膜、バッファ層、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜を連続的に成膜する。この後、反応室から基板を搬出した後、反応室内をフッ素ラジカル等でクリーニングする。しかしながら、反応室内をクリーニングしても、反応室内にはドナーとなる不純物元素が残留する場合がある。このような反応室に、ゲート絶縁膜が形成された基板を搬入し、微結晶半導体膜を形成すると、微結晶半導体膜中にドナーとなる不純物元素が含まれる。このため、ゲート絶縁膜との界面における結晶性が高く、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜を形成することができる。
次に、上記形態とは異なる薄膜トランジスタの作製方法について、図24乃至図30を用いて説明する。ここでは、上記形態よりフォトマスク数を削減することが可能なプロセスを用いて薄膜トランジスタを作製する工程について示す。ここでは、図1(A)に示す薄膜トランジスタの作製工程を示すが、図1(D)、図2乃至図5に示す薄膜トランジスタの作製工程に以下の形態を適用することができる。
図1(A)と同様に、基板50上に導電膜を形成し、導電膜上にレジストを塗布し、第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて導電膜の一部をエッチングして、ゲート電極51を形成する。次に、図24(A)に示すように、ゲート電極51上に、ゲート絶縁膜52a、52bを形成する。図9(B)及び(C)と同様の工程により、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57を形成する。次に、当該微結晶半導体膜57上に、微結晶半導体膜53、バッファ層54、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55、及び導電膜65a〜65cを順に形成する。次に、導電膜65a上にレジスト80を塗布する。
レジスト80は、ポジ型レジストまたはネガ型レジストを用いることができる。ここでは、ポジ型レジストを用いて示す。
次に、第2のフォトマスクとして多階調マスク159を用いて、レジスト80に光を照射して、レジスト80を露光する。
ここで、多階調マスク159を用いた露光について、図25を用いて説明する。
多階調マスクとは、露光部分、中間露光部分、及び未露光部分に3つのレベルで露光を行うことが可能なマスクであり、一度の露光及び現像工程により、複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマスクを形成することが可能である。このため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することが可能である。
多階調マスクの代表例としては、図25(A)に示すようなグレートーンマスク159a、図25(C)に示すようなハーフトーンマスク159bがある。
図25(A)に示すように、グレートーンマスク159aは、透光性を有する基板163及びその上に形成される遮光部164並びに回折格子165で構成される。遮光部164においては、光の透過率が0%である。一方、回折格子165はスリット、ドット、メッシュ等の光透過部の間隔を、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔とすることにより、光の透過率を制御することができる。なお、回折格子165は、周期的なスリット、ドット、メッシュ、または非周期的なスリット、ドット、メッシュどちらも用いることができる。
透光性を有する基板163は、石英等の透光性を有する基板を用いることができる。遮光部164及び回折格子165は、クロムや酸化クロム等の光を吸収する遮光材料を用いて形成することができる。
グレートーンマスク159aに露光光を照射した場合、図25(B)に示すように、遮光部164においては、光透過率166は0%であり、遮光部164及び回折格子165が設けられていない領域では光透過率166は100%である。また、回折格子165においては、10〜70%の範囲で調整可能である。回折格子165における光の透過率の調整は、回折格子のスリット、ドット、またはメッシュの間隔及びピッチの調整により可能である。
図25(C)に示すように、ハーフトーンマスク159bは、透光性を有する基板163及びその上に形成される半透過部167並びに遮光部168で構成される。半透過部167は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSiなどを用いることができる。遮光部168は、クロムや酸化クロム等の光を吸収する遮光材料を用いて形成することができる。
ハーフトーンマスク159bに露光光を照射した場合、図25(D)に示すように、遮光部168においては、光透過率169は0%であり、遮光部168及び半透過部167が設けられていない領域では光透過率169は100%である。また、半透過部167においては、10〜70%の範囲で調整可能である。半透過部167に於ける光の透過率の調整は、半透過部167の材料により可能である。
多階調マスクを用いて露光した後、現像することで、図24(B)に示すように、膜厚の異なる領域を有するレジストマスク81を形成することができる。
次に、レジストマスク81により、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜57、微結晶半導体膜53、バッファ層54、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜55、及び導電膜65a〜65cをエッチングし分離する。この結果、図26(A)に示すような、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、微結晶半導体膜58、バッファ層62、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63、及び導電膜85a〜85cを形成することができる。なお、図26(A)(レジストマスク81を除く。)は図30(A)のA−Bにおける断面図に相当する。
次に、レジストマスク81をアッシングする。この結果、レジストの面積が縮小し、厚さが薄くなる。このとき、膜厚の薄い領域のレジスト(ゲート電極51の一部と重畳する領域)は除去され、図26(A)に示すように、分離されたレジストマスク86を形成することができる。
次に、レジストマスク86を用いて、導電膜85a〜85cをエッチングし分離する。この結果、図26(B)に示すような、一対の配線92a〜92cを形成することができる。レジストマスク86を用いて導電膜85a〜85cをウエットエッチングすると、導電膜85a〜85cが選択的にエッチングされる。この結果、導電膜が等方的にエッチングされるため、レジストマスク86より面積の小さい配線92a〜92cを形成することができる。
次に、レジストマスク86を用いて、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63をエッチングして、一対のソース領域及びドレイン領域88を形成する。なお、当該エッチング工程において、バッファ層62の一部もエッチングされる。一部エッチングされたバッファ層をバッファ層87と示す。なお、バッファ層87には凹部が形成される。ソース領域及びドレイン領域の形成工程と、バッファ層の凹部とを同一工程で形成することができる。ここでは、バッファ層62の一部が、レジストマスク81と比較して面積が縮小したレジストマスク86で一部エッチングされたため、ソース領域及びドレイン領域88の外側にバッファ層87が突出した形状となる。また、配線92a〜92cの端部と、ソース領域及びドレイン領域88の端部は一致せずずれており、配線92a〜92cの端部の外側に、ソース領域及びドレイン領域88の端部が形成される。この後、レジストマスク86を除去する。
次に、露出しているバッファ層にダメージが入らず、且つ該バッファ層に対するエッチングレートが低い条件でドライエッチングする。この工程により、ソース領域及びドレイン領域間のバッファ層上のエッチング残渣物、レジストマスクの残渣、及びレジストマスクの除去に用いる装置内の汚染源を除去することが可能であり、ソース領域及びドレイン領域間の絶縁を確実なものとすることができる。この結果、薄膜トランジスタのリーク電流を低減することが可能であり、オフ電流が小さく、耐圧の高い薄膜トランジスタを作製することが可能である。なお、エッチングガスには例えば塩素ガスを用いればよい。
図26(C)に示すように、配線92a〜92cの端部と、ソース領域及びドレイン領域88の端部は一致せずずれた形状となることで、配線92a〜92cの端部の距離が離れるため、配線間のリーク電流やショートを防止することができる。このため逆スタガ型の薄膜トランジスタを作製することができる。
以上の工程により、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタ83を形成することができる。また、2枚のフォトマスクを用いて薄膜トランジスタを形成することができる。
次に、図27(A)に示すように、配線92a〜92c、ソース領域及びドレイン領域88、バッファ層87、微結晶半導体膜58、ドナーとなる不純物元素を含む微結晶半導体膜61、及びゲート絶縁膜52b上に保護絶縁膜76を形成する。保護絶縁膜76aは、ゲート絶縁膜52a、52bと同様に形成することができる。
次に、第3のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを用いて保護絶縁膜76の一部をエッチングしてコンタクトホールを形成する。次に、当該コンタクトホールにおいて配線92cに接する画素電極77を形成する。ここでは、画素電極77としては、スパッタリング法によりITOを成膜した後、ITO上にレジストを塗布する。次に、第4のフォトマスクを用いてレジストを露光及び現像し、レジストマスクを形成する。次に、レジストマスクを用いてITOをエッチングして画素電極77を形成する。なお、図27(B)は、図30(C)のA−Bの断面図に相当する。
以上により、薄膜トランジスタ、及び当該薄膜トランジスタを有し、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
次に、コンタクトホールと容量素子を形成する場合、1枚のフォトマスクで形成することが可能な工程について、以下に示す。ここでは、図30のC−Dの断面図を示す。
図27(A)の後、図28(A)に示すように、保護絶縁膜76上に絶縁膜101を形成する。ここでは、感光性の有機樹脂を用いて絶縁膜101を形成する。次に、多階調マスク160を用いて絶縁膜101を感光した後、現像して、図28(B)に示すように、薄膜トランジスタの配線を覆う保護絶縁膜76を露出する凹部111aと、容量配線51c上に凹部111bとを有する絶縁膜102を形成する。ここでは、薄膜トランジスタの配線においては、絶縁膜101を100%露光することが可能であり、また容量配線51c上では絶縁膜101を10〜70%の範囲で露光することが可能な多階調マスク160を用いる。
次に、凹部を有する絶縁膜102を全面にエッチング(エッチバック)した後、保護絶縁膜76の一部をエッチングし、図29(A)に示すように、配線92cを露出するコンタクトホール112a及び保護絶縁膜76aを形成すると共に、容量配線51c上に凹部112bを有する絶縁膜103を形成する。
次に、絶縁膜103をアッシングして、コンタクトホール112a及び凹部112bの面積を広げ、コンタクトホール113aおよび凹部113bを形成する。なお、保護絶縁膜76aは感光性有機樹脂では形成されず、無機絶縁膜で形成されるため、アッシングされない。このため、配線上には上面形状が2重の輪となっているコンタクトホール113aが形成される。
この後、画素電極77を形成すると共に、容量配線51c、ゲート絶縁膜52a、52b、保護絶縁膜76a、及び画素電極77で構成される容量素子を形成することができる。
以上の工程により、一枚の多階調マスクによって、画素電極及び配線を接続するコンタクトホールを形成する共に、容量素子を形成することができる。
また、図10(B)または図26(B)において、配線71a〜71c、92a〜92cを形成した後、レジストマスク66、86を除去し、配線71a〜71c、92a〜92cをマスクとして一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63をエッチングしてもよい。この結果、配線71a〜71c、92a〜92cと、ソース領域及びドレイン領域72、88の端部が一致した薄膜トランジスタを形成することができる。ここでは、図10(B)のレジストマスク66を除去した後、配線71a〜71cをマスクとして、一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜63をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域89の端部と配線71a〜71cの端部が揃っている薄膜トランジスタを図31に示す。
なお、本実施の形態では、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタを用いて示したが、チャネル保護型薄膜トランジスタのチャネル形成領域に、微結晶半導体膜を用いることができる。
本実施の形態により、電気特性が優れた逆スタガ型の薄膜トランジスタ、及びそれを有する表示基板を作製することができる。
なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタとして逆スタガ型薄膜トランジスタを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、ドナーとなる不純物元素を有する絶縁膜と微結晶半導体膜の作製方法を、順スタガ型薄膜トランジスタ、トップゲート型薄膜トランジスタ等にも適用することが可能である。具体的には、下地膜として機能する絶縁膜または微結晶半導体膜にドナーとなる不純物元素を含有させ、微結晶半導体膜上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成すると、絶縁膜との界面の結晶性を高めた微結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタを作製することができる。このため、電気特性に優れた薄膜トランジスタを形成することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、表示装置の一形態として、実施の形態1で示す薄膜トランジスタを有する液晶表示装置について、以下に示す。ここでは、VA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置について、図32乃至図34を用いて説明する。VA型の液晶表示装置とは、液晶パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。本実施の形態では、特に画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されている。これをマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計という。以下の説明では、マルチドメイン設計が考慮された液晶表示装置について説明する。
図32と図33は、VA型液晶パネルの画素構造を示している。図33は基板600の平面図であり、図33中に示す切断線Y−Zに対応する断面構造を図32に表している。以下の説明ではこの両図を参照して説明する。
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極624、626が有り、それぞれの画素電極624、626に平坦化膜622を介して薄膜トランジスタ628、629が接続されている。各薄膜トランジスタ628、629は、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すなわち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極624、626に印加する信号を、独立して制御する構成を有している。
画素電極624はコンタクトホール623において、配線618により薄膜トランジスタ628と接続している。また、画素電極626はコンタクトホール627において、配線619で薄膜トランジスタ629と接続している。薄膜トランジスタ628のゲート配線602と、薄膜トランジスタ629のゲート配線603には、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能する配線616は、薄膜トランジスタ628と薄膜トランジスタ629で共通に用いられている。薄膜トランジスタ628及び薄膜トランジスタ629は実施の形態3で示す方法を用いて作製することができる。
画素電極624と画素電極626の形状は異なっており、スリット625によって分離されている。V字型に広がる画素電極624の外側を囲むように画素電極626が形成されている。画素電極624と画素電極626に印加する電圧のタイミングを、薄膜トランジスタ628及び薄膜トランジスタ629により異ならせることで、液晶の配向を制御している。ゲート配線602とゲート配線603は異なるゲート信号を与えることで、薄膜トランジスタ628と薄膜トランジスタ629の動作タイミングを異ならせることができる。また、画素電極624、626上に配向膜648が形成されている。
対向基板601には、遮光膜632、着色膜636、対向電極640が形成されている。また、着色膜636と対向電極640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いでいる。また、対向電極640上に配向膜646が形成される。図34に対向基板側の構造を示す。対向電極640は異なる画素間で共通化されている電極であるが、スリット641が形成されている。このスリット641と、画素電極624及び画素電極626側のスリット625とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。
ここでは、基板、着色膜、遮光膜、及び平坦化膜で、カラーフィルターを構成する。なお、遮光膜、平坦化膜の何れか一方、または両方は、基板上に形成されていなくともよい。
また、着色膜は、可視光の波長範囲のうち、任意の波長範囲の光の成分を優先的に透過させる機能を有する。通常は、赤色波長範囲の光、青色波長範囲の光、及び緑色波長範囲の光、それぞれを優先的に透過させる着色膜を組み合わせて、カラーフィルターに用いることが多い。しかしながら、着色膜の組み合わせに関しては、これに限られない。
画素電極624と液晶層650と対向電極640が重なり合うことで、第1の液晶素子が形成されている。また、画素電極626と液晶層650と対向電極640が重なり合うことで、第2の液晶素子が形成されている。また、一画素に第1の液晶素子と第2の液晶素子が設けられたマルチドメイン構造である。
なお、ここでは、液晶表示装置として、VA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置を示したが、実施の形態1を用いて形成した素子基板を、FFS型の液晶表示装置、IPS型の液晶表示装置、TN型の液晶表示装置、その他の液晶表示装置に用いることができる。
以上の工程により、液晶表示装置を作製することができる。本実施の形態の液晶表示装置は、オフ電流が少なく、電気特性が優れた逆スタガ型の薄膜トランジスタを用いているため、コントラストが高く、視認性の高い液晶表示装置を作製することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、表示装置の一形態として、実施の形態1で示す薄膜トランジスタを有する発光表示装置について、以下に示す。ここでは、発光表示装置が有する画素の構成について説明する。図35(A)に、画素の上面図の一形態を示し、図35(B)に図35(A)のA−Bに対応する画素の断面構造の一形態を示す。
発光装置としては、ここではエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を有する表示装置を用いて示す。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。また、ここでは、薄膜トランジスタの作製工程として実施の形態1を用いることができる。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。また、第1の電極への信号の入力を制御するためのスイッチング用の薄膜トランジスタ、及び発光素子の駆動を制御する駆動用の薄膜トランジスタとして、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタを用いて示すが、チャネル保護型の薄膜トランジスタを適宜用いることができる。
図35(A)及び図35(B)において、第1の薄膜トランジスタ74aは第1の電極への信号の入力を制御するためのスイッチング用の薄膜トランジスタであり、第2の薄膜トランジスタ74bは発光素子94への電流または電圧の供給を制御するための駆動用の薄膜トランジスタに相当する。
第1の薄膜トランジスタ74aのゲート電極は走査線として機能する配線51aに接続され、ソースまたはドレインの一方は信号線として機能する配線71a〜71cに接続され、ソースまたはドレインの他方は第2の薄膜トランジスタ74bのゲート電極51bに接続される。第2の薄膜トランジスタ74bのソースまたはドレインの一方は電源線93a〜93cに接続され、ソースまたはドレインの他方は表示装置の第1の電極79に接続される。第2の薄膜トランジスタ74bのゲート電極、ゲート絶縁膜、及び電源線93aで容量素子96を構成し、第1の薄膜トランジスタ74aのソースまたはドレインの他方は容量素子96に接続される。
なお、容量素子96は、第1の薄膜トランジスタ74aがオフのときに第2の薄膜トランジスタ74bのゲート/ソース間電圧またはゲート/ドレイン間電圧(以下、ゲート電圧とする)を保持するための容量素子に相当し、必ずしも設ける必要はない。
本実施の形態では、第1の薄膜トランジスタ74a及び第2の薄膜トランジスタ74bを、実施の形態1に示す薄膜トランジスタを用いて形成することができる。また、第1の薄膜トランジスタ74a及び第2の薄膜トランジスタ74bは、ここではnチャネル型薄膜トランジスタで形成するが、第1の薄膜トランジスタ74aをnチャネル型薄膜トランジスタで形成し、第2の薄膜トランジスタ74bをpチャネル型薄膜トランジスタで形成してもよい。さらには、第1の薄膜トランジスタ74a及び第2の薄膜トランジスタ74bをpチャネル型の薄膜トランジスタで形成してもよい。
第1の薄膜トランジスタ74a及び第2の薄膜トランジスタ74b上に保護絶縁膜76を形成し、保護絶縁膜76上に平坦化膜78を形成し、平坦化膜78及び保護絶縁膜76に形成されるコンタクトホールにおいて、配線93fに接続する第1の電極79が形成される。平坦化膜78は、アクリル、ポリイミド、ポリアミドなどの有機樹脂、またはシロキサンポリマーを用いて形成することが好ましい。コンタクトホールにおいては、第1の電極79が凹凸を有するため、当該領域を覆い、且つ開口部を有する隔壁91を設ける。隔壁91の開口部において第1の電極79と接するように、EL層92が形成され、EL層92を覆うように第2の電極93が形成され、第2の電極93及び隔壁91を覆うように保護絶縁膜95が形成される。
ここでは、発光素子として上面射出構造の発光素子94を示す。上面射出構造の発光素子94は、第1の薄膜トランジスタ74a、第2の薄膜トランジスタ74b上でも発光することが可能であるため、発光面積を増大することが可能である。しかしながら、EL層92の下に存在する層が凹凸を有すると、当該凹凸において膜厚分布が不均一となり第2の電極93及び第1の電極79がショートし、表示欠陥となってしまう。このため、平坦化膜78を設けることが好ましい。
第1の電極79及び第2の電極93でEL層92を挟んでいる領域が発光素子94に相当する。図35(A)に示した画素の場合、発光素子94から発せられる光は、白抜きの矢印で示すように第2の電極93側に射出する。
陰極として機能する第1の電極79は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば公知の材料を用いることができる。例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が望ましい。EL層92は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、第1の電極79に電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なお、これらの層を全て設ける必要はない。陽極として機能する第2の電極93は、光を透過する透光性を有する導電性材料を用いて形成し、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いても良い。
ここでは、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出構造の発光素子について示したが、基板側の面から発光を取り出す下面射出構造の発光素子や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子を適宜適用することができる。
また、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機EL素子を設けることも可能である。
なお、本実施の形態では、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(駆動用薄膜トランジスタ)と発光素子が電気的に接続されている例を示したが、駆動用薄膜トランジスタと発光素子との間に電流制御用薄膜トランジスタが接続されている構成であってもよい。
以上の工程により、発光表示装置を作製することができる。本実施の形態の発光表示装置は、オフ電流が少なく、電気特性が優れた逆スタガ型の薄膜トランジスタを用いているため、コントラストが高く、視認性の高い発光表示装置を作製することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の表示装置の一形態である表示パネルの構成について、以下に示す。
図36(A)に、信号線駆動回路6013のみを別途形成し、基板6011上に形成された画素部6012と接続している表示パネルの形態を示す。画素部6012及び走査線駆動回路6014は、微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いて形成する。微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタよりも高い電界効果移動度が得られるトランジスタで信号線駆動回路を形成することで、走査線駆動回路よりも高い駆動周波数が要求される信号線駆動回路の動作を安定させることができる。なお、信号線駆動回路6013は、単結晶の半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタ、多結晶の半導体をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタ、またはSOIをチャネル形成領域に用いたトランジスタであっても良い。画素部6012と、信号線駆動回路6013と、走査線駆動回路6014とに、それぞれ電源の電位、各種信号等が、FPC6015を介して供給される。さらに、信号線駆動回路6013及びFPC6015の間、または信号線駆動回路6013及び画素部6012の間に、保護回路を設けてもよい。保護回路は、薄膜トランジスタ、ダイオード、抵抗素子及び容量素子等から選択された1つ又は複数の素子によって構成される。また、ダイオードとして、実施の形態1または2に示す薄膜トランジスタをダイオード接続したダイオードを用いることもできる。
なお、信号線駆動回路及び走査線駆動回路を、共に画素部と同じ基板上に形成しても良い。
また、駆動回路を別途形成する場合、必ずしも駆動回路が形成された基板を、画素部が形成された基板上に貼り合わせる必要はなく、例えばFPC上に貼り合わせるようにしても良い。図36(B)に、信号線駆動回路6023のみを別途形成し、基板6021上に形成された画素部6022及び走査線駆動回路6024と接続している表示装置パネルの形態を示す。画素部6022及び走査線駆動回路6024は、微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いて形成する。信号線駆動回路6023は、FPC6025を介して画素部6022と接続されている。画素部6022と、信号線駆動回路6023と、走査線駆動回路6024とに、それぞれ電源の電位、各種信号等が、FPC6025を介して供給される。さらに、信号線駆動回路6023及びFPC6025の間、または信号線駆動回路6023及び画素部6022の間に、保護回路を設けてもよい。
また、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを、微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いて画素部と同じ基板上に形成し、残りを別途形成して画素部と電気的に接続するようにしても良い。図36(C)に、信号線駆動回路が有するアナログスイッチ6033aを、画素部6032、走査線駆動回路6034と同じ基板6031上に形成し、信号線駆動回路が有するシフトレジスタ6033bを別途異なる基板に形成して貼り合わせる表示装置パネルの形態を示す。画素部6032及び走査線駆動回路6034は、微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いて形成する。信号線駆動回路が有するシフトレジスタ6033bは、FPC6035を介して画素部6032と接続されている。画素部6032と、信号線駆動回路と、走査線駆動回路6034とに、それぞれ電源の電位、各種信号等が、FPC6035を介して供給される。さらに、信号線駆動回路6033及びFPC6035の間、または信号線駆動回路6033及び画素部6032の間に、保護回路を設けてもよい。
図36に示すように、本実施の形態の表示装置は、駆動回路の一部または全部を、画素部と同じ基板上に、微結晶半導体膜をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。
なお、別途形成した基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、公知のCOG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。また接続する位置は、電気的な接続が可能であるならば、図36に示した位置に限定されない。また、コントローラ、CPU、メモリ等を別途形成し、接続するようにしても良い。
なお本発明で用いる信号線駆動回路は、シフトレジスタとアナログスイッチを有する。または、シフトレジスタとアナログスイッチに加え、バッファ、レベルシフタ、ソースフォロワ等、他の回路を有していても良い。また、シフトレジスタとアナログスイッチは必ずしも設ける必要はなく、例えばシフトレジスタの代わりにデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を用いても良いし、アナログスイッチの代わりにラッチ等を用いても良い。
(実施の形態7)
本発明により得られる表示装置等は、アクティブマトリクス型表示装置パネルに用いることができる。即ち、それらを表示部に組み込んだ電子機器全てに本発明を実施できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ及びデジタルカメラ等のカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図37に示す。
図37(A)はテレビジョン装置である。表示パネルを、図37(A)に示すように、筐体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。表示パネルにより主画面2003が形成され、その他付属設備としてスピーカ部2009、操作スイッチなどが備えられている。このように、テレビジョン装置を完成させることができる。
図37(A)に示すように、筐体2001に表示素子を利用した表示用パネル2002が組みこまれ、受信機2005により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム2004を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン操作機2006により行うことが可能であり、このリモコン操作器にも出力する情報を表示する表示部2007が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面2003の他にサブ画面2008を第2の表示パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成において、主画面2003を液晶表示パネルで形成し、サブ画面を発光表示パネルで形成しても良い。また、主画面2003を発光表示パネルで形成し、サブ画面を発光表示パネルで形成し、サブ画面は点滅可能とする構成としても良い。
図38はテレビ装置の主要な構成を示すブロック図を示している。表示パネル900には、画素部921が形成されている。信号線駆動回路922と走査線駆動回路923は、表示パネル900にCOG方式により実装されていても良い。
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ924で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路925と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路926と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路927などを有している。コントロール回路927は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路928を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ924で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路929に送られ、その出力は音声信号処理回路930を経てスピーカ933に供給される。制御回路931は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部932から受け、チューナ924や音声信号処理回路930に信号を送出する。
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など大面積の表示媒体としても様々な用途に適用することができる。
主画面2003、サブ画面2008において、上記実施の形態で説明した表示装置を適用することで、テレビ装置の量産性を高めることができる。
図37(B)は携帯電話機2301の一例を示している。この携帯電話機2301は、表示部2302、操作部2303などを含んで構成されている。表示部2302においては、上記実施の形態で説明した表示装置を適用することで、携帯電話の量産性を高めることができる。
また、図37(C)に示す携帯型のコンピュータは、本体2401、表示部2402等を含んでいる。表示部2402に、上記実施の形態に示す表示装置を適用することにより、コンピュータの量産性を高めることができる。
図37(D)は卓上照明器具であり、照明部2501、傘2502、可変アーム2503、支柱2504、台2505、電源2506を含む。本発明の発光装置を照明部2501に用いることにより作製される。なお、照明器具には天井固定型の照明器具または壁掛け型の照明器具なども含まれる。上記実施の形態に示す表示装置を適用することにより、量産性を高めることができ、安価な卓上照明器具を提供することができる。