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JP2009108249A - 分子内エネルギー移動材料 - Google Patents

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JP2009108249A JP2007283680A JP2007283680A JP2009108249A JP 2009108249 A JP2009108249 A JP 2009108249A JP 2007283680 A JP2007283680 A JP 2007283680A JP 2007283680 A JP2007283680 A JP 2007283680A JP 2009108249 A JP2009108249 A JP 2009108249A
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Shinichiro Nakajima
伸一郎 中島
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Abstract

【課題】受光した励起光の波長に比べて波長の短い種々の波長の光を発光するアップコンバージョン型波長変換材料に好適に適用できる、作製容易な分子内エネルギー移動材料を提供する。さらに、活性酸素生成材料として医学分野に有効に適用できる分子内エネルギー移動材料を提供する。
【解決手段】第1、第2及び第3の基からなる分子内エネルギー移動材料である。第1の基は、近赤外帯域または赤外帯域に吸収波長帯域を有し、近赤外光または赤外光の照射によりS2蛍光の発生可能な化学構造を有する。第2の基は、第1の基のS2蛍光の蛍光波長帯域と重なる吸収波長帯域を有する化合物を少なくとも1種類有する。第3の基は、第1の基と第2の基とを、回転自由度を持たないσ結合で接続する。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1、第2及び第3の基からなる分子内エネルギー移動材料に関する。例えば、吸収した近赤外領域又は赤外領域の光エネルギーを利用して短波長側で蛍光または燐光を発するアップコンバージョン型波長変換材料に適用した分子内エネルギー移動に関する。また、医学分野の光線力学治療法に適用した分子内エネルギー移動材料に関する。アップコンバージョン型波長変換とは、短波長側に波長変換することである。
近年、光記録分野あるいは医療分野で可視領域のレーザ光源の需要が高まっている。これらの分野では、従来ArイオンレーザやHe−Neレーザ等のガスレーザが用いられてきた。これらのガスレーザは、高価で大型のレーザ装置を用いるため、多量の電力を消費するわりに出力パワーが低いといった問題がある。さらに、ArイオンレーザやHe−Neレーザは発振波長が限られているので、従来のレーザ分光分析やレーザ診断・治療において、最適な波長の光を必ずしも使用できない。このような現状の問題から、安価で、小型で高出力を可能とする半導体レーザを用いて、レーザ光の出力波長を可視領域の波長へ変換する材料の開発が望まれている。
例えば、近赤外光の可視領域への波長変換は、単結晶の非線形光学効果(入射光の波長を1/2波長または1/3波長に変換する効果)を利用する方法が一般的である。非線形光学効果の効率の良い材料としてニオブ酸リチウムなどの無機材料が知られている。しかし、この材料は、特殊な結晶系を持つ単結晶を作製する必要があるため、実用的な材料とは言えなかった。また、入射した単一の波長の光を種々の波長へ変換することもできない。
一方において、近赤外光を種々の可視領域の波長の光にアップコンバージョンする手法として、希土類イオンの輻射遷移を利用する方法が知られている。例えば、下記特許文献1に記載されている。下記非特許文献1では、SiO2・Al23・PbF2・CdF2・YbF3・TmF3 系ガラスを熱処理して得られた材料は、970nmのレーザ光を650nmあるいは720nmの光に波長変換することが記載されている。また、下記非特許文献2では、Ln3+がドープされたLaF3ナノ粒子を熱処理して得られた材料は、980nmのレーザ光を545nmあるいは650nmに波長変換することが記載されている。これらの材料はいずれも材料作製において複雑かつ高温(400〜900℃)の熱処理工程を必要とし、簡易に作製できないこと等、無機材料特有の問題がある。
一方、有機材料を用いて波長のアップコンバージョンをする方法として、下記特許文献2や3が挙げられるが、特殊な結晶系を持つ有機単結晶による非線形光学効果を利用するもの、あるいは2光子吸収材料に限られており、溶液、ファイバーあるいはフィルムとして用いて、種々の波長にアップコンバージョンすることはできない。
今日、波長変換材料として有機発光材料が種々知られている。例えば、下記特許文献4,5が挙げられる。これらの材料は、光照射体から出射された光を励起光として吸収して励起状態となり、蛍光や燐光を発する。これらは、励起光の波長を長波長の光に変換する(ダウンコンバージョンする)ものであり、短波長の光に変換するものではない。
特開2002−107778号公報 J.Non-Cryst.Solids, 1998,239,pp149-155 J.Am.Chem.Soc., 2007,129,pp620-625 特開2006−251350号公報 特開2005−132763号公報 特開2003−163376号公報 特開2006−104132号公報
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するために、受光した励起光の波長に比べて波長の短い、用途に応じて適宜定められた波長の光を発光するアップコンバージョン型波長変換材料に好適に適用できる分子内エネルギー移動材料を提供することを目的とする。さらに、この分子内移動材料を用いて活性酸素生成材料として提供する、医学分野に有効に適用できる分子内エネルギー移動材料を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、第1、第2及び第3の基からなる分子内エネルギー移動材料であって、前記第1の基は、近赤外領域または赤外領域に光吸収波長帯域を有し、近赤外光または赤外光の照射によりS2蛍光の発生可能な化学構造を有し、前記第2の基は、第1の基のS2蛍光の波長帯域と重なる光吸収波長帯域を有する化合物を少なくとも1種類有する化学構造を有し、前記第3の基は、前記第1の基と前記第2の基とを、回転自由度を持たないσ結合により接続させることを特徴とする分子内エネルギー移動材料を提供する。なお、前記第2の基は、σ結合のみの単結合からなる基も含む。
ここで、前記第1の基は、下記式(1)又は(2)で表されるテトラアザポルフィリン誘導体であり、下記式(1)及び(2)中の部分構造Sは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環及びチオフェン環の群から選択された環であり、この環は、置換器として、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、二置換アミノ基、ハロゲンを随意に有する構造である請求項1に記載の分子内エネルギー移動材料。但し、式(1)中の中心金属Mは、Mg、Zn、Rh−X(Xは、Cl、OR又はOTfである)。
Figure 2009108249

Figure 2009108249
なお、前記第2の基は、少なくとも1個以上、前記第3の基を介して前記第1の基の前記部分構造Sに接続されていることが好ましい。
前記分子内エネルギー移動材料は、アップコンバージョン型波長変換材料として用いられ、前記第2の基は、前記第1の基の前記S2蛍光に対応するエネルギーが前記第2の基に移動することによって励起され、この励起によって蛍光または燐光することが好ましい。
その際、前記第2の基の前記化合物は、ホウ素錯体、イリジウム錯体、アルミニウム錯体、亜鉛錯体、及び、ロジウム錯体の中から選ばれた発光特性を有する金属錯体であることが好ましい。
又、前記第2の基は、異なる発光特性を有する複数の部分基を有し、これらの部分基が、回転自由度を持たないσ結合によりお互いに接続されたものであり、前記第2の基の、前記異なる発光特性の部分基の一つが、前記第3の基のσ結合により前記第1の基と接続されていることが好ましい。
その際、前記異なる発光特性を有する複数の部分基は、直鎖状に接続されており、前記第1の基は、前記直鎖状に接続された部分基の端に位置する部分基と接続されており、前記複数の部分基のそれぞれは、前記第1の基の側と反対側に接続される部分基の光吸収波長帯域と重なる蛍光波長帯域または燐光波長帯域を有するように配置されていることが好ましい。ここで直鎖状とは、部分基同士が1対1に接続される、すなわち直列状に接続されることをいう。
あるいは、前記テトラアザポルフィリン誘導体の部分構造Sのそれぞれに、前記第2の基が2個、前記第3の基を介して接続されていることも同様に好ましい。
さらに、前記第2の基は、前記第1の基の前記S2蛍光に対応するエネルギーが前記第2の基に移動することにより、三重項酸素から一重項酸素を生成する機能を有する化学構造を有することも好ましい。前記第2の基は、例えば、ジピロロメテンホウ素錯体であることが好ましい。
本発明の分子内エネルギー移動材料の第1の基は、近赤外領域または赤外領域に吸収波長帯域を有し、近赤外光または赤外光の照射によりS2蛍光の発生可能な化学構造を有し、第2の基は、第1の基のS2蛍光の波長帯域と重なる光吸収波長帯域を有する化合物を少なくとも1種類有する化学構造を有し、第3の基は、第1の基と第2の基とを接続するための結合部を有し、この結合部が回転自由度を持たないσ結合である。このため、近赤外光あるいは赤外光の半導体レーザにより励起した第1の基のS2蛍光に対応するエネルギーが第2の基に有効に移動することができる。複雑かつ高温の熱処理工程を必要とする無機材料と異なり、式(1)又は(2)に示すようなテトラアザポルフィリン誘導体を用いることにより、分子内エネルギー移動材料の作製も容易となる。
第2の基に、蛍光または燐光する化合物(蛍光材料や燐光材料)を用いる場合、第2の基は蛍光あるいは燐光を効率よく発する。したがって、蛍光特性または燐光特性の異なる化合物を第2の基として用途に応じて選択することにより、近赤外光あるいは赤外光の半導体レーザから、用途に応じた短波長に波長変換することができる。このため、本発明の分子内エネルギー移動材料は、コンパクトな可視光レーザ開発に有用である。
特に、第2の基として、Zn(ttp)等の赤色蛍光材料、Alq3等の緑色蛍光材料、及びIr(ppy)3等の青色蛍光材料を用い、半導体レーザの近赤外光からのアップコンバージョンにより、3原色(赤、青、緑)の光を発することができる。このため、本発明の分子内エネルギー移動材料は、ディスプレイ等の発光デバイスの開発に用いることができる。
さらに、生体を対象とし、生体微量成分の検出や生体分子イメージング用途に用いるレーザ診断やレーザ治療には、高エネルギーの紫外光による生体分子の損傷が生じないように、長波長のレーザ光を用いることが好ましい。本発明の分子内エネルギー移動材料において、第2の基として発光材料を使い分けることにより、発光波長も自在に変化する。このため、本発明の分子内エネルギー移動材料をレーザ診断やレーザ治療の分野に適用することにより、生体微量成分の検出感度の向上と測定対象となる対象分子の種類の増大につながる。
また、本発明の分子内エネルギー移動材料のうち、第2の基として三重項酸素から一重項活性酸素を生成する機能を有する材料を用いる場合、光線力学治療法(PDT)に好適に適用することができる。近赤外光を体外から照射し、体内にある分子内エネルギー移動材料が近赤外光あるいは赤外光を吸収することにより、一重項酸素である活性酸素を生成させ、がん細胞を死滅させることができる。近赤外光は、人体組織に対して透過性に優れているので、分子内エネルギー移動材料が比較的体内の奥に存在しても、活性酸素を生成させることができる。これにより、本発明の分子内エネルギー移動材料を活性酸素生成材料として医学分野に有効に適用することができる。
図1は、本発明の分子内エネルギー移動材料の構造を示す図である。
図1中の基Aは、近赤外領域(700〜800nm)あるいは赤外領域(800nm〜1000nm)に光吸収帯域を有し、S2蛍光の発生可能な化学構造を有する基である。図1中の基Cは、基AのS2蛍光波長帯域と重なる吸収波長帯域を有し、蛍光または燐光を発する化学構造を有する基、あるいは、一重項酸素を生成する機能を有する化学構造を有する基である。図1中の基Bは、基Aと基Cを回転自由度を持たないσ結合により接続するリンカーユニットである。
図2(a),(b)は、分子内エネルギー移動材料をアップコンバージョン型波長変換材料として適用した場合の作用を説明する図である。
励起光として、近赤外領域あるいは赤外領域にある波長X(nm)の光を分子内エネルギー移動材料に照射して基Aを励起させ、このときの励起したエネルギーが基Bを介して基Cへ移動する。このときの基Aの励起は、S2蛍光に対応する遷移状態への励起である。上記エネルギー移動は、フェルスター機構によって行われる。フェルスター機構によれば、蛍光寿命が短く量子収率の高いエネルギー供与体を用いること、エネルギー供与体と受容体の分子間衝突を避けること、及びエネルギー供与体の蛍光スペクトルと受容体の吸収スペクトルとの重なる波長帯域を広くすることにより、高効率のエネルギー移動が起こる。本発明は、後述する化学構造を持つ材料を選択することで、これらの条件を満たす。
ここで、基Cの吸収スペクトルは、基AのS2蛍光の蛍光スペクトルと波長帯域が重なる部分を有する(図2(b)斜線部)。基Bは、基Aと基Cとを回転自由度を持たないσ結合により接続させるので、基Aと基Bは分子間衝突を生じない。また、S2蛍光は、非常に短寿命の微弱な発光である。これらより、基Aとして後述する化学構造を用いることで、量子収率の高いエネルギー供与体を選択することにより、基Aから基Cへのエネルギー移動が起こり易い。
基Cは基Aから移動したエネルギーを吸収して励起し、これによって、基Cは長寿命の蛍光あるいは燐光を発する。基Aの蛍光特性では、励起光の波長X(nm)より短波長側に蛍光波長帯域を有するが、基Cの蛍光波長帯域は、基Cの吸収波長帯域に対して長波長側にある。しかし、基Cの吸収波長帯域は、X(nm)より短波長側(図2(b)では左側)に位置する。基Cは、X(nm)より短波長側に蛍光スペクトルを有するように選択される。このため、分子内エネルギー移動材料は、波長X(nm)の励起光の照射により、波長がX(nm)より短い短波長側のY(nm)をピーク波長とする蛍光あるいは燐光を発する。ここで、基Cのストークシフトは、波長X(nm)を超えるものではない。
図3(a),(b)は、上述の基Aとして好適に用いることのできる化学構造を示す。すなわち、基Aは、テトラアザポルフィリン誘導体であり、図3(a),(b)中の部分構造S(点線の領域)には、1つのベンゼン環の他、1つのナフタレン環、1つのピリジン環、1つのピラジン環、1つのチオフェン環等の芳香族複素環が適用される。ここで、部分構造Sは、アントラセンを含まない。ベンゼン、ナフタレン、アントラセンの順番に(芳香環の数の減少とともに)S2蛍光の強度は低下するためである。本発明において、アントラセンを部分構造Sとするテトラアザポルフィリン誘導体は、S2蛍光特性を有するとはいえない。すなわち、テトラアザポルフィリンの骨格構造は、骨格サイズの小さいものが好ましく、部分構造Sに、ベンゼン環の他、ピラジン環、チオフェン環等の芳香族複素環が好ましい。
一方、部分構造Sに縮合環を持たない、骨格サイズが最も小さい場合、すなわちテトラアザポルフィリンの場合、テトラアザポルフィリンは、良好なS2蛍光特性を有するが、光吸収波長帯域が可視光帯域にあり、近赤外光あるいは赤外光の帯域にない。これより、基Aは部分構造Sに縮合環を持たない場合を含まない。基Aとしては、合成の容易性から、フタロシアニンを特に好適に用いることができる。図3(a)中の基Aの中心金属Mには、Mg、Zn、及び、Rh(ロジウム)−Xの中から選択されたものが用いられる。ここで、XはCl、OR(R:アルキル基)又はOTf(Tf:トリフレート)を表わす。これらはd−d遷移による蛍光消光を起こさない。
一般に、テトラアザポルフィリンのS2蛍光は、ピコ〜ナノ秒オーダーの極めて短い蛍光寿命を持ち、量子収率も非常に小さい(10-4〜-3)。S2蛍光は、高位の励起状態から最低の励起状態への無輻射失活が抑制され、直接基底状態へ失活することにより発するとされている。上述した基Aの化学構造は、テトラアザポルフィリンの骨格構造に、σ電子供与性を有する中心金属Mや部分構造Sを導入することによって、量子収率が向上している。
テトラアザポルフィリン誘導体の部分構造Sに随意に導入される置換基は、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、二置換アミノ基、ハロゲンが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数(1−18)の範囲が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソペンチル基、オクチル基、ベンジル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、チオフェニル基が挙げられる。アルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、2−プロピルオキシ基、イソペンチルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニルオキシ基、チオフェニルオキシ基が挙げられる。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、2−プロピルチオ基、イソペンチルチオ基、オクチルチオ基、ベンジルチオ基が挙げられる。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ビフェニルチオ基が挙げられる。二置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基が挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
テトラアザポルフィリン誘導体に導入される上述した置換基のうち、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基が蛍光特性上好適に用いられる。また、テトラアザポルフィリン誘導体への置換基の導入数は、単数、複数のいずれであってもよいが、蛍光特性上、テトラアザポルフィリン骨格構造の対称性を考慮して、対称性を保持するために、4個または8個導入する、すなわち、図3(a)又は(b)中の部分構造Sのそれぞれに基Cを1個又は2個ずつ導入してもよい。
基Cは、上述したように、基AのS2蛍光波長帯域と重なる光吸収波長帯域を有して蛍光または燐光を発する少なくとも1種類の発色団を有する。発色団とは、色素分子中で大きな遷移双極子を与える部分構造をいう。
基Cは、例えば、有機EL材料として高い発光特性を有するIr(ppy)3を始めとするイリジウム錯体(青色発光)、Alq3等のアルミニウム錯体(緑色発光)、亜鉛ポルフィリン(Zn(tpp):赤色発光)、ホウ素ジピロロメテン(赤色発光)が挙げられる。
基Bは、上述したように、基Aと基Cを接続するためのリンカーユニットであり、回転自由度を持たないσ結合により基Aと基Cが接続される。なお、π共役系の化学構造には硬直な構造となるπ結合があるが、基Aと基Cとをこのπ結合で接続した場合、電子移動が誘起されるので好ましくない。なお、基Bは、σ結合のみの単結合からなる基も含む。
図4(a),(b)には、基Bとして適用される例が示されている。基Aと基Cの接続に必要な回転自由度を持たないσ結合として、図4(a)に示されるように、エステル結合またはアミド結合が挙げられる。例えば、プロリン残基を基に、エステル結合またはアミド結合により、基A及び基Cは接続される。あるいは、図4(b)に示すように、ビフェニレン基を利用したσ結合により、基A及び基Cを接続してもよい。この他に、シクロオレフィン系ポリマーのように、シクロ構造となって回転自由度を拘束するものや、かさ高な構造により回転自由度を規制するものであってもよい。
上述のσ結合は、回転自由度を拘束するので、基Aと基Cの間で衝突は生じない。このため、基同士の衝突が生じるほど接近して電子の波動関数に重なりが生じることはなく、その結果、遷移双極子の消滅に伴ってエネルギー移動効率が著しく低下することもない。一方、分子間距離が広いと、エネルギーの移動の効率は距離の6乗に反比例すると言われており、距離が10nm程度であってもフェルスター機構に基づくエネルギー移動は発生するが、エネルギー移動の効率が低下する。したがって、エネルギー移動効率が著しく低下しないために、距離は2nm以下であることが好ましい。
なお、分子内エネルギー移動材料の実施形態として、図5に示すように、基Cは、異なる発光特性を有する複数の部分基C1,C2,・・・Cnが、回転自由度を持たないσ結合によりお互いに接続され、基C中の異なる発光特性の部分基の一つが、基Bのσ結合により基Aと接続された構造であってもよい。この場合、異なる発光特性を有する複数の部分基C1,C2,・・・Cnは、直鎖状に接続されており、基Aは、直鎖状に接続された部分基の端に位置する部分基C1と接続されている。ここで直鎖状とは、部分基C1,C2,・・・Cn同士が1対1に接続され、分岐しない、すなわち直列状に接続されることをいう。
部分基C1,C2,・・・Cnは、基Aの側に接続された部分基Ck(k=1〜(n−1)の自然数)からみて基Aの側と反対側に接続される部分基Ck+1の光吸収波長帯域と重なる蛍光波長帯域または燐光波長帯域を有するように配置されていることが好ましい。
また、図6(a),(b)に示すように、基Aであるテトラアザポルフィリン誘導体の部分構造Sのそれぞれに、基Bが1個あるいは2個、基Bを介して接続されている構造であってもよい。
このような分子内エネルギー移動材料は、溶液状態で用いられる。溶媒として、塩化エチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMF)等の水溶液有機溶媒、あるいは、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒が例示される。あるいは、酢酸エチルエステル等の有機溶媒も用いられる。
このような分子内エネルギー移動材料は、溶媒に溶かした溶液状態でフィルムに閉じ込められ、あるいはカプセルに閉じ込められ、アップコンバージョン型波長変換材料フィルム、あるいはカプセルとして用いられる。あるいは、溶液状態で、アップコンバージョン型波長変換溶液として用いられる。
図7は、本発明の分子内エネルギー移動材料を医療分野の光線力学治療法(PDT)に適用した実施形態を説明する図である。具体的には、PDTは、光吸収により活性酸素を発生し、がん細胞を死滅させる作用を有する増感剤を患者に投与し、この増感剤に吸収され易い波長のレーザ光を照射して活性酸素をさせ、がん細胞を死滅させる無侵襲の治療法である。
本実施形態では、上述したS2蛍光を発する特性を有するテトラアザポルフィリン誘導体を基Aとし、S2蛍光の蛍光波長帯域と部分的に重なる吸収波長帯域を有し、一重項酸素生成能を有する基Cを用い、基Aと基Cとの接続を、回転自由度を持たないσ結合とする基Bを用いることにより、近赤外光のレーザ光の照射を受けて励起状態となった基Aから、上述したフェルスター機構に基づくエネルギー移動により基Cへエネルギーが移動し、この基Cの励起状態を利用して、三重項酸素から一重項酸素である活性酸素を生成する。
ここで、基A及び基Bには、上述した実施形態と同様の化学構造が用いられるので、その説明は省略する。なお、図7の実施形態では中心金属Mを有する金属錯体であるが、図3(b)に示すように、中心金属Mの替わりに2Hを適用したテトラアザポルフィリン誘導体でもよい。
一方、基Cには、ジピロロメテンホウ素錯体(Bodipy)が好適に用いられる。ジピロロメテンホウ素錯体は、長寿命の光励起三重項状態を保持し、高い燐光の量子収率を有することが知られており、実際にヨウ素を置換基として有するBodipyは、従来知られているローズベンガルよりも高い一重項酸素生成能を有することが知られている(T.Nagano et al., J.Am.Chem.Soc.2005,127, pp.12162-12163)。しかし、光吸収波長帯域は長波長帯域にない(ピーク波長λmax=500nm,ε=5〜10×104-1cm-1)。本実施形態では、基Cの一重項酸素生成能を利用するために、近赤外光によりS2蛍光を発する特性を有する基Aの励起状態及びそのエネルギーの移動を用いる。なお、ジピロロメテンホウ素錯体の吸収スペクトルと、S2蛍光の発光特性を有するテトラアザポルフィリン誘導体のS2蛍光波長帯域とは、波長帯域が重なる部分が大きい。基Aとしてテトラアザポルフィリン誘導体を用い、基Bによる結合として図4(b)に示すビフェニレン基中のσ結合を用い、基Cとしてジピロロメテンホウ素錯体を用いることで、エネルギー移動は効率よく発生する。
従来のPDTでは、ヘマトポルフィリン誘導体等が増感剤として臨床的に採用されているが、この増感剤は活性酸素の生成効率が低いため、大量の投与が必要であり、日光過敏症を引き起こす問題があった。さらに、レーザ光の波長を500nmから800nmに変換すると、光の透過性により、治療できる範囲は、患者の皮膚下2mm〜20mmまで拡張されるが、上記増感剤は、500nmから800nmの長波長帯域に吸収波長帯域を有していない。このため、従来の増感剤では、レーザ光を近赤外光とすることはできず、その結果、レーザ光による治療可能な範囲は、皮膚表面や眼球表面等に制限されていた。
本実施形態では、近赤外光の波長帯域でエネルギーを吸収するテトラアザポルフィリン誘導体を基Aとして用い、基Aで励起したS2蛍光に対応する励起エネルギーを基Cに移動させて励起させるので、近赤外光の利用により治療できる範囲は拡張される。
(実施例1)
実施例1として、図8に示す手順に従って、テトラアザポルフィレン誘導体とジピロロメテンホウ素錯体を、ビフェニレン鎖で結合した化合物1を合成した。化合物1のテトラアザポルフィレン誘導体は、図3(b)に示す誘導体である。化合物1の合成は、以下の方法で行った。
図8における化合物2から化合物5の合成は、公知の方法で行った。具体的には、J.Am.Chem.Soc. 2005,127,12162に記載されている方法で行った。なお、化合物5の合成は、上記方法に限定されるものではない。
図8に記載される化合物8の合成は、常法により、図9に示される式に従って行い、収率は48%であった。元素分析の結果、実測値は、C:61.74%、H:7.01%、N:15.66%であった(計算値では、C:62.02%、H:6.69%、N:15.50%である)。
化合物6の合成は、J.Am.Chem.Soc. 1985,107,972に記載の方法で行った。すなわち、化合物5(50mmol)と化合物8(50mmol)をベンゼン(100ml)中で、K2CO3(50mmol)、Pd(PPh34(0.5mmol)の存在下、還流し、化合物6を得た。 収率は32%であった。元素分析の結果、実測値は、C:67.44%、H:4.15%、N:16.54%であった(計算値では、C:67.18%、H:3.92%、N:17.03%である)。
化合物7の合成は、Monatsch.Chem. 1972,103,150に記載の方法で行った。すなわち、三塩化ホウ素(0.5mol)を少量ずつ、3,6−ジブトキシフタロニトリル(1.0mol)を溶かした1−クロロナフタレン溶液(100ml)に加え、150℃で10分間加熱撹拌し、反応液を室温まで放冷後、10時間放置することにより、赤紫色の粗結晶を得た。粗結晶は1mmHg(133.322Pa)、150℃の条件下で未反応の3,6−ジブトキシフタロニトリルを昇華にて取り除いた。室温まで放冷し、赤紫色結晶として化合物7を得た。収率は41%であって。元素分析の結果、実測値は、C:66.54%、H:6.67%、N:10.24%であった(計算値では、C:66.78%、H:7.01%、N:9.73%である)。
化合物1の合成は、J.Am.Chem.Soc. 1990,112,9640に記載の方法で行った。すなわち、化合物7(1.115mmol)と化合物6(7.78mmol)をジメチルスルホキシド/1−クロロナフタレン(体積比で2:1)(3ml)中で、90℃、24時間加熱撹拌した。薄層クロマトグラフィで反応終了を確認後、室温まで放冷し、イソプロピルアルコールを添加し、これによって析出した濃緑色の沈殿物を濾取した。この濾取物を熱水、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテルの順で洗浄し、濃緑色の固体として化合物1を得た。収率は38%であった。元素分析の結果、実測値は、C:69.83%、H:6.19%、N:11.31%であった(計算値では、C:70.29%、H:6.23%、N:11.55%である)。
得られた化合物1を、トルエンに溶かし、濃度(1×10−5mol/L)の溶液状態とした。
レーザ光の励起波長は、近赤外光の740nmとし、合成した化合物の発光スペクトルを測定した。測定より、525nmにピークを持つ発光スペクトルが得られた。なお、合成した化合物1は、中心に金属原子ではなく2Hを用いたものであり、ジピロロメタンホウ素錯体との結合部分のπ電子が完全に局在する構造にはなっていない。このため、発光が二分子間のπ電子相関により生じた新たな励起状態からの発光であるとも考えられる。
しかし、下記(a)〜(d)の点から、新たな励起状態からの発光とはいえない。
すなわち、
(a)化合物1の吸収スペクトルが、無金属フタロシアニン(図3(b)の部分構造に1つのベンゼン環を適用したもの)とジピロロメタンホウ素錯体の吸収スペクトルを合せたものと略一致したこと、
(b)無金属フタロシアニンのS2蛍光は420nmにピークを有するが、合成した化合物1の発光スペクトルでは、420nmにおいてピークは見られなかったこと、
(c)合成した化合物1の発光スペクトルが、ジピロロメタンホウ素錯体の蛍光スペクトルと同じスペクトル波形を示したこと、
(d)合成した化合物1は、ジピロロメタンホウ素錯体が吸収スペクトルにおいてピークを持って吸収する波長740nmにおいて、全く吸収しなかったこと。
以上より、525nmにピークを持つ蛍光は、化合物1のアップコンバージョンの機能による波長変換を行った結果であることがわかった。
(実施例2〜4)
図10(a)に示す基Aの化合物に、図10(b)〜(d)に示す発光材料を結合して、化合物を合成した。合成は、以下の方法で行った。
図10(b)に示す発光材料を結合した化合物11(実施例2、図11参照)は、従来の方法を用いて行った。具体的には、図11に示す式に従って、化合物9及び化合物10をIrCl3と反応させることにより、化合物11を合成した。収率は12%であった。元素分析の結果、実測値は、C:66.52%、H:5.48%、N:8.84%であった(計算値では、C:66.81%、H:5.54%、N:9.63%である)。
図10(c)に示す発光材料を結合した化合物14(実施例3、図12参照)は、従来の方法を用いて、図12に示す式に従って行った。具体的には、化合物12及び化合物13をAlCl3と反応させることにより、化合物14を合成した。収率は11%であった。元素分析の結果、実測値は、C:70.19%、H:6.12%、N:11.33%であった(計算値では、C:70.97%、H:5.88%、N:10.97%である)。
図10(d)に示す発光材料を結合した化合物16(実施例4、図13参照)は、化合物1(図8参照)と同様の方法を用いて行った。具体的には、図13に示す式に従って、化合物7(図8参照)及び化合物15を、ジメチルスルホキシド(DMSO)/1−クロロナフタレン(体積比2:1)中、90℃、24時間加熱撹拌し、反応終了後、室温まで放冷し、イソプロピルアルコールを添加し、これによって析出した沈殿物を濾取した。この濾取物を熱水、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテルの順で洗浄し、化合物16を得た。収率は13%であった。元素分析の結果、実測値は、C:73.13%、H:5.47%、N:10.55%であった(計算値では、C:72.97%、H:5.73%、N:10.86%である)。
基Aと基Cは、図4(b)に示すような、フェニル基のσ結合により接続されている。
実施例2,3,4の基Cは、Ir(ppy)3、Alq3、Zn(tpp)は、いずれもフタロシアニン誘導体のS2蛍光の波長帯域と波長帯域を共有する吸収特性を有し、高い発光特性を持つ。Ir(ppy)3、Alq3、Zn(tpp)の吸収特性におけるピーク波長λmaxは、それぞれ420nm、350nm、及び425nmである。
得られた化合物を、トルエンに溶かし、濃度(1×10−5mol/L)の溶液状態とした。
実施例2〜4の化合部に、740nmの近赤外のレーザ光を照射したところ、フタロシアニンから基CへのS2蛍光を介したエネルギー移動が起こり、実施例2では青色、実施例3では緑色、実施例4では赤色の発光が観測された。
以上より、近赤外光から三原色へのアップコンバージョン波長変換が有効に行うことが確認できた。
(実施例5)
図14に示す構造を有する化合物を合成した。この構造は、図5に示した構造の一形態である。図14に示す構成の化合物の基Cは、異なる発光特性を有する2つの部分基C1,C2が、回転自由度を持たないσ結合によりお互いに接続され、部分基C1が、σ結合により基Aと接続されている。部分基C1は、部分基C2の光吸収波長帯域と重なる蛍光波長帯域を有する。具体的には、図15に示す化合物21を合成した。
この化合物21の合成は、以下の方法により行った。
化合物21の合成のための出発原料として、化合物20(図16(b)参照)を分子設計し、以下の方法で合成した。
Chem.Eur.J.2004,10,6294に記載の方法に従って得られる化合物17(図16(a)参照)を、化合物7(図8参照)の合成と同様の方法で反応させ、これにより得られた化合物18と、化合物19を、化合物1(図8参照)と同様の方法で反応させることにより、化合物20を得た。収率は21%であった。元素分析の結果、実測値は、C:73.84%、H:6.43%、N:20.11%であった(計算値では、C:73.56%、H:6.65%、N:19.80%である)。
化合物21における基Aに対応する部分は、350〜470nmにS2蛍光の発光特性を有する。基Cは、部分基C1と部分基C2を基Bを介して連結し、さらに、部分基C1と基Aを基Bを介して接続した構造である。ここで、部分基C1は、光吸収波長が400nm、発光波長(ピーク波長)が530nmのイリジウム錯体であり、部分基C2は、光吸収波長が530nm、発光波長(ピーク波長)が630nmのポルフィリンである。基Bによる結合は、図4(b)に示すビフェニレン基によるσ結合てある。
得られた化合物を、トルエンに溶かし、濃度(1×10−5mol/L)の溶液状態とした。
半導体レーザ(700〜800nm)を照射し、基AのS2蛍光を利用したエネルギー移動により、基C1が励起され、さらに蛍光を利用したエネルギー移動により基Cから基C2へエネルギー移動して基C2が励起され、この励起により、基C2から、発光波長が630nmの蛍光を発した。
これより、基Cに複数の蛍光材料を用いることにより、化合物21からの発光波長を、段階的に変換してチューニングすることができることが確認できた。
(実施例6)
図7に示す化合部の構造として、実施例1の合成で得られた化合物を用いた。
得られた化合物を、トルエンに溶かし、濃度(1×10−5mol/L)の溶液状態とし分光セルに収めた。分光セルに酸素を含ませて、近赤外光のレーザ光(780nm)を溶液に照射し、赤外分光法を用いて酸素を調べた。この結果、一重項酸素(活性酸素)が生成されたことが確認できた。
なお、実施例1〜6において合成される化合物は、従来の高温(400〜900℃)の熱処理工程を要する無機材料に比べて、作製が容易である。又、基Cとして所望の発光特性あるいは活性酸素生成能を有するものを選択することで、光照射によって励起したエネルギーの移動を利用して所望の特性を発揮する化合物を提供することができる。
以上、本発明の分子内エネルギー移動材料について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の分子内エネルギー移動材料の構造を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の分子内エネルギー移動材料における作用を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の基Aの化学構造を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の実施形態における、基Bの化学構造を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態における作用を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の化学構造を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態における作用を説明する図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の合成の手順を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物を合成する際に用いる化合物の合成の手順を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態の化合物の化学構造を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の合成の手中を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の合成の手順を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の合成の手中を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の化学構造を示す図である。 本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の化学構造を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物を合成する際に用いる化合物の合成の手順を示す図であり、(c)は、本発明の分子内エネルギー移動材料の一実施形態である化合物の化学構造を示す図である。
符号の説明
1〜21 化合物

Claims (10)

  1. 第1、第2及び第3の基からなる分子内エネルギー移動材料であって、
    前記第1の基は、近赤外領域または赤外領域に光吸収波長帯域を有し、近赤外光または赤外光の照射によりS2蛍光の発生可能な化学構造を有し、
    前記第2の基は、第1の基のS2蛍光の波長帯域と重なる光吸収波長帯域を.有する化合物を少なくとも1種類有する化学構造を有し、
    前記第3の基は、前記第1の基と前記第2の基とを、回転自由度を持たないσ結合により接続させることを特徴とする分子内エネルギー移動材料。
  2. 前記第1の基は、下記式(1)又は(2)で表されるテトラアザポルフィリン誘導体であり、下記式(1)及び(2)中の部分構造Sは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環及びチオフェン環の群から選択された環であり、この環は、置換基として、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、二置換アミノ基、ハロゲンを随意に有する構造である請求項1に記載の分子内エネルギー移動材料。但し、式(1)中の中心金属Mは、Mg、Zn、Rh−X(Xは、Cl、OR又はOTfである)。
    Figure 2009108249

    Figure 2009108249
  3. 前記第2の基は、少なくとも1個以上、前記第3の基を介して前記第1の基の前記部分構造Sに接続されている請求項2に記載の分子内エネルギー移動材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の分子内エネルギー移動材料は、アップコンバージョン型波長変換材料として用いられ、
    前記第2の基は、前記第1の基の前記S2蛍光に対応するエネルギーが前記第2の基に移動することによって励起され、この励起によって蛍光または燐光することを特徴とする分子内エネルギー移動材料。
  5. 前記第2の基の前記化合物は、ホウ素錯体、イリジウム錯体、アルミニウム錯体、亜鉛錯体、及び、ロジウム錯体の中から選ばれた発光特性を有する金属錯体である請求項4に記載の分子内エネルギー移動材料。
  6. 前記第2の基は、異なる発光特性を有する複数の部分基を有し、これらの部分基が、回転自由度を持たないσ結合によりお互いに接続されたものであり、前記第2の基の、前記異なる発光特性の部分基の一つが、前記第3の基のσ結合により前記第1の基と接続されている請求項4に記載の分子内エネルギー移動材料。
  7. 前記異なる発光特性を有する複数の部分基は、直鎖状に接続されており、
    前記第1の基は、前記直鎖状に接続された部分基の端に位置する部分基と接続されており、前記複数の部分基のそれぞれは、前記第1の基の側と反対側に接続される部分基の光吸収波長帯域と重なる蛍光波長帯域または燐光波長帯域を有するように配置されている請求項6に記載の分子内エネルギー移動材料。
  8. 前記テトラアザポルフィリン誘導体の部分構造Sのそれぞれに、前記第2の基が2個、前記第3の基を介して接続されている請求項3に記載の分子内エネルギー移動材料。
  9. 前記第2の基は、前記第1の基の前記S2蛍光に対応するエネルギーが前記第2の基に移動することにより、三重項酸素から一重項酸素を生成する機能を有する化学構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の分子内エネルギー移動材料。
  10. 前記第2の基は、ジピロロメテンホウ素錯体である請求項9に記載の分子内エネルギー移動材料。
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