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JP2009192231A - 圧電素子 - Google Patents

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JP2009192231A
JP2009192231A JP2008030239A JP2008030239A JP2009192231A JP 2009192231 A JP2009192231 A JP 2009192231A JP 2008030239 A JP2008030239 A JP 2008030239A JP 2008030239 A JP2008030239 A JP 2008030239A JP 2009192231 A JP2009192231 A JP 2009192231A
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piezoelectric
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Taku Hashida
卓 橋田
Yuko Fujii
優子 藤井
Yu Fukuda
祐 福田
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Abstract

【課題】低温下での感度変化を抑制して、低温環境で使用されても安定した感度を確保し、複雑な回路やアルゴリズムを必要としない圧電素子を提供することを目的とする。
【解決手段】可撓性を有する有機高分子として、熱可塑性エラストマである塩素化ポリエチレン(ガラス転移点−20〜−30℃)に、さらに、前記熱可塑性エラストマよりも低いガラス転移点を有する有機高分子としてエチレンプロピレンゴム(ガラス転移点−52℃)を加えた混合物を用い、これとチタン酸ビスマス・ナトリウムとチタン酸バリウムの固溶体である(Bi1/2Na1/2)0.85Ba0.15TiO3を加えて混練し、シート状の圧電素子を作製することにより、低温での発生電圧変化の小さい圧電素子をえることができた。
【選択図】なし

Description

本発明は有機高分子中に圧電セラミック粉末を配合してなる圧電組成物感圧体を用い、特に、可撓性のある感圧センサとして用いられる圧電素子に関するものである。
従来、この種の圧電組成物感圧体は、チタンカップリング剤と、圧電セラミック粉末と、熱可塑性エラストマとして塩素化ポリエチレンまたはクロロスルホン化ポリエチレンの少なくとも一方とを含んだ材料を混合、混練して構成されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
この圧電組成物感圧体は上記材料をニーダーやロールなどの加工機械を用い、均一に分散混合及び混練して得られるものであり、塩素化ポリエチレンなどの熱可塑性エラストマを含んでいるため可撓性を有し、シート状やケーブル状に加工されて圧電素子として用いられている。
シート状の圧電素子は、先ずカップリング剤と圧電体粉末と塩素化ポリエチレンをロールで混合、混練した圧電組成物感圧体をホットプレスでシート状に成型し、このシートの両面に銀ペーストを塗布処理もしくはゴムにカーボンを分散させた導電シートを融着させることにより電極が形成され、その後、圧電性を発現させるために数十kVの直流電圧を両電極間に印加しポーリング処理を行うことによって得ることができる。
この電極面の一部あるいは全面に圧力が印加されると、その部分の圧電組成物感圧体が歪み、その結果両電極間に電圧が誘起され、この誘起電圧を利用して圧力を検出することができるので圧力センサとして応用されている。
特開平11−201835号公報
しかしながら、前記従来の圧電素子を低温下で使用した場合、熱可塑性エラストマの弾性率が上昇するために、圧電素子の感度が大きく変化し、これを補正するために複雑なアルゴリズムや、回路が必要になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、低温下での感度変化を抑制して、低温環境で使用されても安定した感度を確保し、複雑な回路やアルゴリズムを必要としない圧電素子を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧電組成物感圧体を用いた圧電素子は、圧電組成物感圧体に含まれる可塑性を有する有機高分子が、熱可塑性エラストマと、前記熱可塑性エラストマよりもガラス転移点が低い樹脂との混合物である構成を有している。
これによって、圧電素子が低温環境で使用され、熱可塑性エラストマの弾性率が上昇しても、混合されているガラス転移点の低い有機高分子の弾性率の増加は小さいため、圧電組成物感圧体としての弾性率の上昇が抑制される。
この結果、低温環境で使用しても、圧電素子の感度変化を抑制することができる。
本発明の圧電組成物感圧体を用いた圧電素子は、圧電組成物感圧体を構成する可塑性を有する有機高分子を、熱可塑性エラストマと、前記熱可塑性エラストマよりもガラス転移点の低い有機高分子との混合物とすることで、低温下での感度の安定性を改善し、複雑な回路やアルゴリズムを不要にすることができる。
第1の発明は、圧電セラミック粒子、可撓性を有する有機高分子、およびチタンカップリング剤を混合してなる圧電組成物感圧体を用いた圧電素子であって、前記可撓性を有する有機高分子が、熱可塑性エラストマと、前記熱可塑性エラストマよりもガラス転移点が低い有機高分子との混合物である構成を有するものである。
この構成を有することにより、低温での圧電組成物感圧体の弾性率上昇を抑制でき、感度変化の抑制を実現することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の熱可塑性エラストマが、塩素化ポリエチレンあるいはクロルスルホン化ポリエチレンである構成を有するものである。
この構成により、圧電組成物感圧体中の圧電体量を増加しても、圧電組成物感圧体を構成することが可能となり、低温での感度変化抑制に加え、高い感度を実現することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明のガラス転移点の低い有機高分子が、ゴム材料である構成を有する。
この構成を有することにより、可撓性を失うことなく、弾性率上昇を抑制することが可能となる効果が得られる。
第4の発明は、特に、第1の発明の圧電セラミックス粒子の表面に撥水材料の被覆層を形成した構成を有する。
この構成により、圧電セラミックス粒子と可撓性を有する有機高分子との複合化が容易になり、混合状態が安定化するため、圧電素子としての特性のバラツキが抑制される効果が得られる。
第5の発明は、特に、第1の発明の圧電セラミック粉末が、周期表第I族の元素、周期表II属の元素の少なくとも1種を含むペロブスカイト構造を有する構成を有する。
ぺロブスカイト構造をとることで、可撓性を有する有機高分子中にランダムに分散されても、効率的に分極され、高い感度を実現できる。さらに、鉛を含まないために、環境負荷が大幅に低減され、使用後の廃棄も容易になる効果が得られる。
第6の発明は、特に、第5の発明のぺロブスカイト構造を有する化合物が、その主成分がチタン酸ビスマス・ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムの少なくとも1種を含む化合物である構成を有する。
この構成を有することにより、前記化合物の高い圧電性能のために、高い感度を実現できる。
第7の発明は、特に、第1から第6の発明のチタンカップリング剤をイソプロポキシト
リイソステアロイルチタネート、イソプロポキシトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネートの少なくとも1種を含む材料とする構成を有する。
この構成により、圧電セラミック粉末と有機高分子との混練性(混合・分散)を特に向上させることが可能となり、混練加工時間の短縮化、圧電特性の向上、圧電特性の安定化、可撓性の向上を実現することができるとともに、任意の形状に容易に成型することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1,2において、シート状圧電素子はシート状の圧電組成物感圧体1の両面に電極2を形成して構成される。
前記圧電組成物感圧体1は圧電セラミック粉末3と可撓性を有する有機高分子4とチタンカップリング剤(図示せず)から構成され、圧電セラミック粉末3が可撓性有機高分子4とチタンカップリング剤に均一に分散した状態にある。
前記シート状圧電素子は以下のように作製される。
圧電セラミック粉末3と可撓性を有する有機高分子4とチタンカップリング剤をニーダーやロールなどの加工機を用い、圧電セラミック粉末3が可撓性を有する有機高分子4に均一に混合・分散された状態となるように混練を行なった後、ロールまたはホットプレスなどの加工機を用いて加工し、シート状の圧電組成物感圧体1が作製される。
次に、シート状の圧電組成物感圧体1の両面に導電性粉末と有機高分子が混合された導電性ペーストまたは導電塗料の塗布、導電性粉末をゴムや熱可塑性エラストマなどの可撓性を有する有機高分子に混合・分散させた導電シートの融着、導電性材料の蒸着のいずれかの材料と形成方法によって電極2を形成する。
その後、圧電性を発現させるために空気中またはシリコンオイル浴中で電極2間に直流高電圧を印加してポーリング処理を行い、シート状圧電素子を作製する。
以上のように構成されたシート状の圧電素子について、以下その動作、作用を説明する。
圧電素子の圧電性は、前述したように電極2間に高圧の直流電圧を印加し、圧電組成物感圧体1をポーリング処理することにより発現する。
圧電性を発現させたシート状の圧電素子の一部あるいは全面に時間的に変化する圧力が印加されたとき、電極2間にはその部分に生じる加速度に応じた振動電圧が誘起される。この誘起電圧を利用して圧力を検出することができる。
したがって、本実施の形態の圧電素子は自動車ドアに設置し、挟み込みを検知するセンサや介護ベッドなどに設置し、体動を検知するセンサなど感圧センサとして利用することができる。
前述のような感圧センサは、屋外で振動または感圧センサとして使用される場合や、自動車用のセンサとして搭載される場合であれば、−10℃以下の低温環境に置かれる場合
がある。
その際、圧電組成物感圧体中の可撓性を有する有機高分子は、弾性率が上昇するため、外部から圧力や振動が印加された場合に圧電セラミックス粉末に加わる力が変化し、結果的に誘起電圧も変化し、感圧センサとしての感度にも変化が生じる。
多くの場合、これを補正するために複雑な回路やアルゴリズムが必要となる。
しかしながら、本実施の形態の圧電素子は圧電組成物感圧体1を構成する可撓性を有する有機高分子が熱可塑性エラストマと、前記熱可塑性エラストマよりもガラス転移点が低い有機高分子との混合物であるため、熱可塑性エラストマだけから構成される場合に比較して、弾性率の上昇がより低温で生じる。
このため、低温での弾性率の上昇が抑制され、外部から圧力や振動が印加された場合に圧電セラミックス粉末に加わる力の変化も抑制される。この結果、誘起電圧変化が低減され、感圧センサとしての感度変化も抑制され、感度補正のための複雑な回路やアルゴリズムが不要となる。
本実施の形態に用いられる熱可塑性エラストマ、スチレン系、オレフィン系、塩素系、ウレタン系、エステル系、アミド系等の多様なものを用いることができる。
上記の中でも特に、塩素系の熱可塑性エラストマ、具体的には、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンが好ましい。
これは、これらの熱可塑性エラストマが極性の観点から圧電セラミックス粉末との相溶性に優れており、圧電セラミックスとの混練が容易となることで、圧電組成物感圧体中の圧電セラミックス濃度を高くできるためである。
この結果、圧電素子としての高い感度を実現できる。
また、上記熱可塑性エラストマと混合されるガラス転移点の低い有機高分子は、ゴム材料であることが好ましい。
これは、ゴム材料であることにより、圧電組成物感圧体の可撓性が保持されるためである。具体的なゴム材料としては、ニトリルゴム(ガラス転移点−80〜−90℃)、シリコーンゴム(ガラス転移点−120〜−130℃)、エチレンプロピレンゴム(ガラス転移点−50〜−60℃)、クロプレンゴム(ガラス転移点−40〜−50℃)、スチレンブタジエンゴム(ガラス転移点−70〜−80℃)等が用いられるが、この中でも、ガラス転移点の低さ、入手の容易性からエチレンプロピレンゴムが好ましい。
また、本実施の形態の圧電素子の圧電組成物感圧体中の圧電セラミックス粒子は、撥水材料により被覆層を形成されていることが好ましい。
これは、表面が撥水材料で覆われることにより、圧電セラミックス粒子表面が、疎水的になり、疎水性の可撓性を有する有機高分子と容易に混合可能となるためである。
この結果、より多くの圧電セラミックス粒子を圧電組成物感圧体中に含有させることが可能となり、その混合状態も安定となるため、圧電素子としての感度は高く、そのバラツキがも低減される効果が得られる。
用いられる撥水材料としては、主成分が有機脂肪酸塩、有機脂肪酸アミド、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂の他、シラン系、チタン系のカップリング剤も好適に用いられる。
圧電セラミックス粉末表面への被覆層の形成は、例えば以下のように行うことができる。圧電セラミック粉末を適切な溶媒で希釈して所定の濃度に調整した撥水材料を含む溶液、または融解する温度に加熱された撥水材料の溶液に浸漬して乾燥、または圧電セラミック粉末を所定量の撥水材料の粉末、あるいは液体と混合することによって圧電セラミック粉末に撥水材料の被覆層を形成する。
この際、必要に応じて加熱処理することが有効となる。
また、本実施の形態に用いられる圧電セラミック粉末は、特に周期表第I族の元素、周期表II属の元素の少なくとも1種を含むペロブスカイト構造を有する化合物が好ましい。
これは、ぺロブスカイト構造をとることで、可撓性を有する有機高分子中にランダムに分散されても、効率的に分極され、高い感度を実現でき、さらに、鉛を含まないために、環境負荷が大幅に低減され、使用後の廃棄も容易になるためである。
その中でも、主成分がチタン酸ビスマス・ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムであることが好ましく、これにより、より高い感度が実現できる。
また、これらの圧電セラミック粉末は、水などの電解質と接触すると、圧電セラミック粉末の成分、特に上記の周期表第I族の元素、周期表II属の元素、例えばNa、Ka、Ba等が溶出しやすいために、圧電素子の抵抗、静電容量等が変化する場合がある。
従って、高湿度雰囲気で使用する場合、水に直接接触して使用する場合には、感度特性に影響与える場合がある。
しかし、上記の圧電セラミックス粒子表面に撥水材料の被覆層を形成することにより、特性変化を大幅に抑制できる効果も得られる。
本実施の形態の電極2は、C、Pt、Au、Pd、Ag、Cu、Al、Niの少なくとも1種の導電性粉末とゴムや熱可塑性エラストマなどの可撓性を有する有機高分子とを混練して作製した可撓性導電組成物を押出成型により形成した導電層、前述の導電性粉末を有機高分子に分散させた導電性塗料(ペースト)を塗布した導電膜、C、Pt、Au、Pd、Ag、Cu、Al、Niの少なくとも1種の導電性材料を圧電組成物感圧体1に真空蒸着、スパッタリング、CVDなどの方法で形成した薄膜の蒸着膜などを用いることができる。
本実施の形態に用いられるチタンカップリング剤は、撥水処理された圧電セラミック粉末3を覆い、外側に疎水性の側鎖有機官能基をもたせることにより、可撓性を有する有機高分子4との馴染み(濡れ性)を改善し、全体の粘度を下げ、加工性、可撓性、さらに圧電セラミック粉末3の分散性を向上させることにより圧電性の発現を顕著に改善することができる。
特に、チタンカップリング剤としてイソプロポキシトリイソステアロイルチタネート、イソプロポキシトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、可撓性を有する有機高分子4として塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンを用いた場合は
、圧電セラミック粉末3との馴染みが一層改善されるので混練加工時間の短縮化、圧電特性の向上、圧電特性の安定化、可撓性の向上を実現することができるとともに、シート状、ケーブル状など任意の形状に容易に成型することができる。
なお、上記の馴染みが良い理由は、イソプロポキシトリイソステアロイルチタネート、イソプロポキシトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネートのSP値(溶解性パラメーター)が8〜9の値を有し、一方塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンのSP値は9〜9.5の値であり、類似したSP値を有していることにあると考えられる。
上記では、シート型の圧電素子に関して述べたが、ケーブル状の圧電素子を形成することも可能である。ケーブル状の圧電素子は可撓性を有しかつ形状がケーブル状であるので屈曲した部位を含んだ配設や取り付け幅に制限を有する省スペースの配設に対応可能であり、低温での特性変化が低減されるため、このような配設条件や特性が要求される屋外用のセンサや、自動車のドアなどに組み込まれる挟み込みを検知のセンサとして最も適している。
また、介護用ベッドなどの使用される体動センサは大面積の検知を確保する必要があるが、本発明のケーブル状圧電素子はベッドの上に蛇行させて配設することにより、大面積の検知を可能とすることができるので、介護ベッド用の体動センサとしても最適な構成である。
(実施例1)
可撓性を有する有機高分子として、熱可塑性エラストマである塩素化ポリエチレン(
ガラス転移点−20〜−30℃)と、前記熱可塑性エラストマよりも低いガラス転移点を有する有機高分子としてエチレンプロピレンゴム(ガラス転移点−52℃)との重量比1:1の混合物を用いて、シート状の図1に相当する圧電素子を作製した。
また、圧電セラミック粉末としてチタン酸ビスマス・ナトリウムとチタン酸バリウムの固溶体である(Bi1/2Na1/2)0.85Ba0.15TiO3(平均粒子径2.5μm)用いた。
尚、下記に述べる撥水材料を用い、圧電セラミック粉末の表面に以下の撥水材料の被覆層を形成し、撥水処理された圧電セラミック粉末を作製して、圧電組成物感熱体を作製に用いた。
具体的には、まずチタンカップリング剤としてイソプロポキシトリイソステアロイルチタネートを用い、このチタンカップリング剤を圧電セラミックス粉末に対して1.5wt%を高速ミキサで混合し、さらに180℃で1時間処理することで、圧電セラミックス粉末表面に撥水性の被覆層を形成した。
次に、撥水性の被覆層を形成した圧電セラミック粉末が約65体積%、塩素化ポリエチレンとエチレンプロピレンゴムの混合物が約35体積%となるように、混合して、ロール機で混練し、圧電組成物感圧体を作製し、ホットプレス機を用いて厚み約0.5mmの圧電組成物感圧体のシートを作製した。
次に、塩素化ポリチレンにカーボンを充填し導電性を付与した厚み0.2mmの導電シートを圧電組成物感圧体のシートの両面に融着し、電極を形成し、圧電性を発現させるために100℃の空気中で電極間に直流高電圧を印加してポーリング処理を行い、幅20m
m、長さ120mmのシート状圧電素子を作製した。
以上のように作製したシート状圧電素子を、恒温層中で20℃、および−30℃で剛体と考えられる平板上に平らに設置し、直径10mmの鉄球を、10cmの高さから圧電体中央部に落とした際の発生電圧を測定した(比較例1)。
また、比較のため、可撓性を有する有機高分子として、熱可塑性エラストマである塩素化ポリエチレン(ガラス転移点−20〜−30℃)のみを用いた他は、実施例と同様にして、圧電素子を作製し、発生電圧を測定した。
測定した発生電圧は以下のようになった(実施例1の20℃での発生電圧を100とした相対値で示した)。
各温度の発生電圧は、実施例1、比較例1の順に、(−30℃の発生電圧(相対値)、20℃の発生電圧(相対値)=(70、100)、(30、110)であった。
実施例の発生電圧が20℃→−30℃で3割程度の減少であるのに対し、比較例1では、110℃→30℃で7割程度減少した。
このように、実施例で温度低下時の発生電圧低下が抑制されている理由は以下のように考えられる。可撓性を有する有機高分子として熱可塑性エラストマ以外に、ガラス転移点の低いゴムが含まれることで、熱可塑性エラストマだけから構成される場合に比較して弾性率の上昇がより低温で生じ、低温での弾性率の上昇が抑制され、外部から圧力や振動が印加された場合に圧電セラミックス粉末に加わる力の変化も抑制される。この結果、誘起電圧変化が低減される。
以上のように、本発明にかかる圧電素子は、低温環境下で使用して、圧電組成物感圧体の弾性率上昇が抑制されるため、温度による感度変化を小さくすることができ、優れた信頼性を実現することができるものである。したがって、低温環境になりやすい、自動車のドアやウィンドウの挟み込みを防止する感圧センサ、屋外で用いる侵入検知用の感圧センサ等の幅広い用途に適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるシート状圧電素子の断面図 本発明の実施の形態1における圧電組成物感圧体の一部断面を示す模式図
符号の説明
1 圧電組成物感圧体
2 電極
3 圧電セラミックス粉末
4 可撓性を有する有機高分子

Claims (7)

  1. 圧電セラミック粒子、可撓性を有する有機高分子、およびチタンカップリング剤を混合してなる圧電組成物感圧体を用いた圧電素子であって、前記可撓性を有する有機高分子が、熱可塑性エラストマと前記熱可塑性エラストマよりもガラス転移点が低い有機高分子との混合物である圧電素子。
  2. 熱可塑性エラストマが、塩素化ポリエチレンあるいはクロルスルホン化ポリエチレンである請求項1記載の圧電素子。
  3. ガラス転移点の低い有機高分子が、ゴム材料である請求項1記載の圧電素子。
  4. 圧電セラミックス粒子の表面に撥水材料の被覆層を形成した請求項1記載の圧電素子。
  5. 圧電セラミック粉末が、周期表第I族の元素、周期表II属の元素の少なくとも1種を含むペロブスカイト構造を有する化合物である請求項1記載の圧電素子。
  6. ペロブスカイト構造を有する化合物が、主成分がチタン酸ビスマス・ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムの少なくとも1種を含む化合物である請求項5に記載の圧電素子。
  7. チタンカップリング剤は、イソプロポキシトリイソステアロイルチタネート、イソプロポキシトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネートの少なくとも1種を含む請求項1記載の圧電素子。
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