JP2009188395A - 電気化学キャパシタの製造方法およびこれにより製造された電気化学キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はより生産性を向上させて負極へリチウムイオンをプレドープする電気化学キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明では負極3の炭素電極層3bの表面へリチウム膜9を形成するために基材8の上に離型剤、リチウム膜を積層し、この基材8を用いて負極3の表面へリチウム膜9を貼り付けて転写し、その離型剤にシリコーン3cを用いる。
これにより、薄いリチウム膜9を炭素電極層3bへ容易に形成することができる。そして、リチウム膜9から基材8を剥離する際には、シリコーン3cは化学的に不活性であるため、剥離後にリチウム膜9に残留したとしても電気化学キャパシタ組み立て後における充放電により駆動用電解液などと反応する可能性を低減させることができる。これにより、電気化学キャパシタの生産性および信頼性を高めることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明では負極3の炭素電極層3bの表面へリチウム膜9を形成するために基材8の上に離型剤、リチウム膜を積層し、この基材8を用いて負極3の表面へリチウム膜9を貼り付けて転写し、その離型剤にシリコーン3cを用いる。
これにより、薄いリチウム膜9を炭素電極層3bへ容易に形成することができる。そして、リチウム膜9から基材8を剥離する際には、シリコーン3cは化学的に不活性であるため、剥離後にリチウム膜9に残留したとしても電気化学キャパシタ組み立て後における充放電により駆動用電解液などと反応する可能性を低減させることができる。これにより、電気化学キャパシタの生産性および信頼性を高めることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子機器のバックアップ電源やハイブリッド車、燃料電池車などの回生ブレーキや蓄電装置として用いられる、電気化学キャパシタの製造方法およびこれにより製造された電気化学キャパシタに関する発明である。
従来から、電気二重層キャパシタは蓄電装置として急速充電および急速放電に関して優れた信頼性を有しており、そのため、幅広い分野において主にバックアップ用の電源として利用されてきた。電気二重層キャパシタは一般的に、正極および負極に主に活性炭を用い、駆動用電解液を含浸することによって駆動用電解液中に含まれているイオンを活性炭表面上で吸脱着することによって充放電を行う。駆動用電解液の種類は水系と非水系に分類できる。水系の駆動用電解液には静電容量が高いが耐電圧が低くなるという特性があり、非水系の駆動用電解液には静電容量は低いが耐電圧が高くなるというある種、トレードオフの特性があった。しかし一般的に、キャパシタの蓄電エネルギー量はそのキャパシタの耐電圧の2乗に比例するという性質があるため、非水系である有機系の駆動用電解液が使用されてきた。近年では新規利用分野の開拓のために、より耐電圧の優れたキャパシタの開発が盛んであった。
その開発の流れの中で開発されたキャパシタが、従来の電気二重層キャパシタよりも高い耐電圧を有した電気化学キャパシタであった。
この電気化学キャパシタは正極に電気二重層に用いる正極を用い、銅などの金属箔から成る集電体とその集電体の表裏面へ形成された層間を有した多層構造を結晶構造に有する炭素材料を主とした炭素電極層とから成る負極を用いたものであった。
さらに電気化学キャパシタでは製造段階において、この負極に形成した炭素電極層の内部へ負極作製後に予め一定量のリチウムイオンを吸蔵する(プレドープ)工程を設けている。
このリチウムイオンをプレドープさせることにより電気化学キャパシタの負極の電位を下げ、正極との電位差を電気二重層キャパシタより広げることができる。
これにより、電気化学キャパシタの耐電圧を向上させたものであった。
なお、従来の電気化学キャパシタにおいて負極にリチウムイオンをプレドープする方法としては、次の3つの方法が開示されている。
1)炭素材料と粉末状のリチウムとを混合して負極を作製し、駆動用電解液にこの負極を浸すことでリチウムをイオン化させ炭素材料に化学的に吸蔵させる。
2)炭素材料を用いて作製した負極にリチウム箔を接触させた状態で駆動用電解液に浸し、リチウム箔をイオン化させ炭素材料に化学的に吸蔵させる。
3)炭素材料を用いて作製した負極とリチウムを含む電極とを駆動用電解液に浸し、これらの間に電流を流して炭素材料に電気化学的にリチウムイオンを吸蔵させる。
なお、この出願に関する先行技術文献情報として、例えば、特許文献1が知られている。
特許第3689948号公報
しかし、以上で挙げた負極に対するリチウムイオンのプレドープ方法では、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料にあらかじめ化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させる作業は煩雑であり、多くの工数やコストを必要とする。しかも優れた性能を安定して得ることが困難であった。
そこで、本発明ではより生産性を向上させて負極へリチウムイオンをプレドープすることができる電気化学キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために本発明では、電気化学キャパシタの製造方法の中で、基材の上に離型剤を塗工し、この離型剤の上にリチウム膜を形成し、このリチウム膜を前記負極の表面へ転写することにより前記負極の表面にリチウム膜を配設するリチウム配設工程を有し、その離型剤がシリコーンから成ることを特徴としている。
本発明における電気化学キャパシタの製造方法は、上記リチウム配設工程に転写を用いてリチウム膜を炭素電極層上へ設けることにより、リチウムを基材に固定して支持できるため、より薄いリチウム膜を簡潔に負極表面に配設することができる。
そして、プレドープされるこのリチウム膜をより薄くさせることにより、リチウムイオンをプレドープする炭素電極層も薄層化させることができる。
従って、リチウムイオンが炭素電極層内部を浸透していくための経路を短縮させることができ、プレドープを早めることができ、電気化学キャパシタの生産性を向上させることができる。
さらに、その基材の上に塗工した離型剤にシリコーンを用いることによって、転写後、負極表面に配設したリチウム膜に離型剤が残留しても、シリコーンが化学的に不活性であるという特性を活かして、転写後に残留した離型剤がプレドープや電気化学キャパシタの充放電を通じて、駆動用電解液などと反応してガスを発生する可能性を低減させることができる。
そのため、転写時に残留した離型剤について、負極から取り除く処理等の注意を払う必要なく次の工程へ進めることができ、電気化学キャパシタの信頼性および生産性をより高めることができる。
以下に、図面を用いながら本発明における実施の形態および請求項1〜4に記載の発明について説明を行う。しかし、本発明は下記の実施の形態に記載された内容に限定されない。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態による電気化学キャパシタの切り欠き斜視図である。
図1は本発明の実施の形態による電気化学キャパシタの切り欠き斜視図である。
図1において、本実施の形態における電気化学キャパシタは、金属箔から成る集電体2aの表裏面に分極性電極層2bが形成された正極2と金属箔から成る集電体3aの表裏面に炭素電極層3bが形成された負極3とを一対の電極とし、対向する正極2および負極3の間にセパレータ4が介在するように、巻回された素子1と、前記正極2と前記負極3と一端がそれぞれ電気的に接続されたリード線5a、5bと、この素子1と駆動用電解液とを収容する外装体としての外装ケース6と、この外装ケース6の開口部をリード線5a、5bの他端が表出するように封止する封口部材7とから成る。
正極2は厚み30μmの高純度アルミニウム箔の集電体2aの表裏面に活性炭と結着剤と導電助剤とで構成された分極性電極層2bを塗布したものである。分極性電極層2bは、平均粒径5μmのフェノール樹脂系活性炭に結着剤として例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)を水に溶かした混合溶液、導電助剤として例えばアセチレンブラックを、それぞれ10:2:1の分量で混合したものを塗布し、乾燥したものである。
因みに、図1および図2には分極性電極層2bとして示されているため、それを構成する活性炭、結着剤および導電助剤はいずれも図に示されていない。
負極3は厚み15μmの銅箔の集電体3aの表裏面に炭素材料と結着剤と導電助剤により構成された炭素電極層3bを形成したものである。炭素電極層3bは、炭素材料として例えばフェノール樹脂原料などの難黒鉛化炭素を用い、結着剤として例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)あるいはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などとCMCとを重量比4:1で用い、導電助剤には正極2と同様にアセチレンブラックを用いたものである。これらの材料を混合する場合、炭素材料と導電助材と結着剤との混合比を約8:1:1の割合で用いる。そして、この混合物をコンマコータなどの方法で塗布後の層の厚みがおよそ50μmになるように集電体の表裏面へ塗布し乾燥したものである。
因みに、図1には炭素電極層3bとして示されているため、それを構成する炭素材料、結着剤および導電助剤はいずれも図に示されていない。
セパレータ4は、例えば厚み約35μm、密度0.45g/cm3であるセルロース樹脂系の紙を使用する。
セパレータ4は正極2および負極3の間に介在し、正極2および負極3どうしの接触による短絡を防ぐものであるため、本実施の形態における巻回された素子1において、正極2または負極3の少なくとも一方の表裏面に一枚ずつ設けられていることが好ましい。
外部接続端子であるリード線5a、5bは、正極2及び負極3の分極性電極層2bおよび炭素電極層3bの未形成部分、つまり露出した集電体2a、3a表面と接続し、外部回路と接続する。
そのため、リード線5の部材は集電体2a、3aとの接続抵抗をできる限り低減するために、例えばリード線5aはアルミニウム、リード線5bは銅やニッケルまたはニッケルメッキを施した銅を用いた。
外装ケース6は有底円筒状であり、リード線5a、5bと接続した素子1と素子1に含浸した駆動用電解液(図示なし)を収容している。
この外装ケース6の材料は加工性等の点から例えばアルミニウムを用いる。
因みに駆動用電解液には、例えば電解質カチオンとしてLi+、電解質アニオンとしてBF4 -あるいはPF6 -を、溶媒として高誘電率のエチレンカーボネート(EC)と低粘度-のジエチルカーボネート(DEC)とを重量比1:1に混合した混合溶媒を用いた。
なお、外装ケース6の形状は上記形状および材質に限定されず、例えば角筒状やラミネートタイプであっても良い。
封口部材7は外装ケース6の開口端内部において外装ケース6内周面と密着するように配設した。そして、封口部材7は封口部材7と接している外装ケース6の開口端内周面の一部に対して、外装ケース6の外周面から外装ケース6内部に向かって絞り加工を施した。この絞り加工によって封口部材7を配設箇所に固定した。
さらに、封口部材7より外部へ突出した外装ケース6の開口端部の一部に外装ケース6内側に向かう曲げ加工を施し、封口部材7の固定強度の強化を図った。また、本発明の実施の形態においては素子1と接続したリード線5a、5bが封口部材7を貫通して外部回路と接続するために、封口部材7の一部に貫通孔を設けた。なお、封口部材7には例えばブチルゴムを用いた。
図2は本実施の形態における電気化学キャパシタに用いられる素子1を鉛直方向に切断した概略断面図である。
図2より、本発明の実施の形態による電気化学キャパシタは負極3の炭素電極層3bの外表面にシリコーン3cが設けられた構成を有している。
これは、本実施の形態における電気化学キャパシタを製造する上で、負極3へリチウムイオンのプレドープを行うために、負極3に形成されている炭素電極層3bの上へリチウム膜9を配設する方法として、離型剤にシリコーン3cを用いた転写を用いて、リチウム膜9を配設したことによるものである。
因みに、リチウム膜9はリチウムイオンとなり炭素電極層3bの炭素材料内部へプレドープされるため、図1および図2には図示されていない。
以下に、本実施の形態における電気化学キャパシタの製造方法おける負極3へのリチウム膜配設方法を説明する。
図3は本実施の形態における電気化学キャパシタの負極3の炭素電極層3bへリチウム膜9を転写するために用いた基材8を示した正面図である。
図3より、本実施の形態において転写には、例えば耐熱性に優れた厚み約150μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)から成るシート状の基材8の表面にシリコーン3cから成る離型剤を塗工し、この離型剤の上に蒸着を用いて、リチウムで厚み約2μmのリチウム膜9を形成したものを使用した。
そして、リチウム膜9ならびに離型剤を有した基材8を、リチウム膜9と炭素電極層3b表面が対向するように負極3へ貼り付け、この負極3と基材8から成る積層体をつくる。
この積層体を約80℃に加熱された圧延ローラを用いて圧着させた後、積層体から基材8を剥離させることにより、炭素電極層3b上へのリチウム膜9の転写が完了する。
炭素電極層3bへ基材8と共にリチウム膜9を貼り付けた後、リチウム膜9から基材8を剥離する際にシリコーンの物性によりシリコーン3cの層中に剥離界面が生じ、そこから剥離が行われる。そして、炭素電極層3bへ配設したリチウム膜9表面にシリコーン3cが点在するように残留した形となる。
このように、転写によりリチウム膜9を負極3へ配設することによって、蒸着により形成された上記リチウム膜9のような単体では移動などの扱いが困難な非常に薄いリチウムを、基材8に固定して持ち運びすることができ、負極3へ貼り付けることができる。
続いて、シリコーン3cとリチウム膜9とを基材8に配設する方法を説明する。
離型剤として使用したシリコーン3cは比重0.88〜0.99、25℃における粘度が10000〜20000cpであり、このシリコーン3cを例えばトルエンなどの溶媒に予め溶かし、白金触媒の硬化剤を付与した混合液を用意し、その混合液を基材8の表面へワイヤーバーを用いて塗布し、その後、熱風循環式乾燥機にて処理した。混合液を構成するシリコーン3c、白金触媒、トルエンの混合比は凡そ100:1:499で混合した。
この離型剤が転写後にリチウム膜9上に残留することによって素子1内部に含浸した駆動用電解液や素子1による充放電中に生じる電気化学反応に影響して反応してガス発生が生じる可能性がある。そのため、信頼性をより高めるために負極3に残留した離型剤をあえて取り除くことも場合によっては必要である。
そこで、本発明の実施の形態において離型剤としてシリコーン3cを使用したことにより、シリコーン3cが化学的に不活性であるという特性を利用し、リチウム膜9に付着した状態でプレドープや電気化学キャパシタの充放電を繰り返して行ったとしても、駆動用電解液などと反応してガスが発生する可能性を低減させて、電気化学キャパシタの信頼性をより高めることができる。
また、シリコーン3cの物性から、リチウム膜9から基材8を剥離させる際に、基材8と離型剤との間における剥離強度が低いため、容易に剥離することが可能となる。
上記より、転写を行う際にリチウム膜9へのシリコーン3cの残留を考慮する必要なく容易に基材8を剥離することが可能となり、従来の電気化学キャパシタより簡潔に負極3へリチウム膜9を転写することが可能となり、電気化学キャパシタの生産性を向上させることができる。
なお、本実施の形態における電気化学キャパシタは負極3の炭素電極層3b上にシリコーン3cが設けられている構成に限定されない。
例えば、巻回されている素子1において、負極3と密着しているセパレータ4の表面に設けられている場合も考えられるし、炭素電極層3bから剥離して駆動用電解液中に含まれていることも考えられる。
本実施の形態で用いたシリコーン3cは、珪素原子および酸素原子から成るシロキサン結合を有し、化学式X3SiO(Y2SiO)nSiZ3で表される。
この化学式に登場するXやY、Zで表される原子または分子はアルキル基などが一般的であるが、特に限定されることはなく、かつ、夫々複数個あるX、Y、Zが夫々同一の原子または分子で構成された官能基である必要はない。また、上記化学式のnは自然数であれば特に限定されない。
なお、このシリコーン3cに本実施の形態では、下記の(化1)で示される炭酸基が(化2)のようにシリコーンの上記化学式X、Y、Zのうち少なくとも一つの官能基に含まれるものを用いてもよい。ここで、(化2)ではYの官能基の一つが炭酸基である構成を示している。
因みに、(化1)に示されるAは任意の原子または分子であり、特に限定されず、他のアルファベットで示される構成要素は周期表に基づく元素を示す。一般的にはAの部分に水素原子が設けられ、炭酸水素基を形成している。
またAは、(化1)のように右側の酸素原子と結合される構成だけでなく左側の酸素原子と結合する構成であってもよい。
この炭酸基を有したシリコーン3cを離型剤として基材8の表面に形成することにより、蒸着などによってシリコーン3cの上に形成されたリチウム膜9を構成する金属リチウムと、シリコーン3cとリチウム膜との界面において反応して炭酸リチウムを生成する。
この炭酸リチウムは優れた導電性を有している。
従来、リチウムイオンをプレドープさせる際などに炭素電極層3bの炭素材料に形成されている表面官能基および駆動用電解液などとリチウムイオンが反応して導電性の低い化合物を生成していた。
しかし、本実施の形態において、予めリチウムイオンの一部を導電性の高い炭酸リチウムとして存在させておくことにより、リチウムイオンが炭素電極層3bの表面官能基などと反応することを一部抑え、本実施の形態における電気化学キャパシタにおいて低抵抗化を図ることができる。
なお、シリコーン3cの炭酸基は反応性の高いリチウムイオンとだけ反応するため、シリコーン3cとしての反応性の低さは保たれている。
なお、(化2)では炭酸基に含まれる酸素原子がシリコーン3cの側鎖の炭素原子と結合する構成となっているが、特に限定されることなく、直接、主鎖の珪素原子と結合する構成であっても良い。
また、本実施の形態で用いるシリコーン3cの組成の確認はNMR分光法や赤外分光法などを用いることによって行うことができる。
因みに、本実施の形態において、基材8にリチウム膜9を形成する際に用いられた蒸着は、単体ではその形状を維持することが困難であるほど薄い金属の膜を形成するために用いられる方法である。
この薄いリチウム膜9を負極3へ形成することにより、吸蔵するリチウムイオンの総量が減るため、リチウムイオンを吸蔵する炭素電極層3bも従来より薄くすることができる。そして、炭素電極層3bが薄くなることによって、炭素電極層3b内のリチウムイオンの拡散距離を低減させることができるため、より早く、且つ、より均一にリチウムイオンを吸蔵させることができる。
この蒸着を用いて生成されたリチウム膜9は一度熱を加えて気化させたリチウム原子を膜形成対象へ吹き付けることによりリチウムの金属薄膜を形成する。
従って、熱を受けた通常でも反応性の高いリチウムはさらに反応性を高め、素子1に電圧を印加してプレドープを行う際に、さらに早く、かつ、さらに均一にリチウムイオンを吸蔵させることが可能である。
ここで、リチウム膜9を形成して負極3に予めリチウムイオンを吸蔵させる(リチウムを付与する)ことによる効果がリチウムイオン二次電池と電気化学キャパシタとでは全く異なることを説明する。
リチウムイオン二次電池において負極にリチウムイオンを付与する目的は、負極の不可逆容量を低減して充放電容量を向上することである。黒鉛系材料を活物質として用いた一般的な負極の場合、負極容量に対する不可逆容量の比率は、0%〜20%程度である。
よって、多くても負極容量の20%程度に相当する量のリチウムイオンを負極に付与すればよい。
一方、リチウムイオンを用いた電気化学キャパシタの場合、リチウムイオンを負極3に予め吸蔵させる目的は、負極3の電位を下げることにより、キャパシタの電圧を高めることである。
負極3の電位を下げるためには、より多くのリチウムイオンを負極3に吸蔵させる必要がある。すなわち、負極21の容量の少なくとも50%以上好ましくは70%以上に相当する量のリチウムを予め負極3に吸蔵させる必要がある。
炭素電極層3bへ吸蔵されたリチウムイオンは炭素電極層3bを主として構成する炭素材料の炭素原子と合金を形成する。
このように、リチウムイオン二次電池と比較して、リチウムプレドープ量が大幅に増大する必要があることが電気化学キャパシタ特有の課題である。
なお、シリコーン3cのほかに離型剤として使用できるものとして、ロウ系有機物、ワックス系有機物、脂肪酸、炭化水素エステルなどが考えられる。どれも化学的に不活性であるが、シリコーン3cと比較して剥離強度は高くなってしまう。
基材8についてはPPSの他に、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)など、基材8へリチウム膜9を蒸着する際の高温に耐え得る特性を有した材料が好ましい。
また、炭素電極層3bについても、本発明の実施の形態では、高容量であり充放電サイクルにおけるサイクル損失が小さいという特性を有した難黒鉛化炭素を使用したが、他にも、黒鉛質材料、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素などが材料の候補として考えられる。これら各炭素系材料は物性において優れている部分がそれぞれ異なるため、使用目的に応じて適宜選択を行うものである。例えば、黒鉛質材料なら高耐圧や充放電サイクルのサイクル損失が小さいという点で優れており、易黒鉛化炭素なら、低抵抗や充放電サイクル寿命の面で優れており、低温焼成炭素なら、高容量や低抵抗の面で優れている。
また、炭素電極層3bを構成する材料として高配向の黒鉛質材料を用いた場合には、リチウムをドープする前の炭素電極層3bの厚みと炭素電極層に設けたリチウム膜9の厚みの和がリチウム膜9のリチウムをドープした後の厚みと略等しくなるため、電気化学キャパシタ内部の電極及びセパレータ4の固定が容易になる。そのため、信頼性の高い電気化学キャパシタを作製し易いという点でも有利である。
この効果は積層型の素子を作製するときにも同様の効果が得られるが、巻回型の素子を作製する際に、より顕著な効果が得られるものである。すなわち、リチウム膜9のリチウムイオンをプレドープした後の炭素電極層3bの膨張に見合う量のリチウムの膜を予め炭素電極層3bに設けておくことにより、電極内部の圧力変化を少なくでき、信頼性の高い電気化学キャパシタを作製することが可能になるものである。
駆動用電解液の溶媒については上記以外にDECの代わりにジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などを用いることや、ECと混合する際に、DEC、DMC、EMCなどから複数選択して混合することなどが考えられる。また、ECの代わりにポリプロピレンカーボネート(PC)を用いることも考えられるが、PCの場合、黒鉛表面と反応し易い特性を有しているため、PCは難黒鉛化炭素を炭素電極層3bとして用いる際に用いることが好ましい。
さらに、外部接続の方法はリード線5a、5bに限らず、例えば、素子1の集電体2a、3aの表裏面において、集電体2a、3aの幅方向の一端に分極性電極層2bおよび炭素電極層3bの未形成部分をそれぞれ設ける。
そして、素子1を作製する際に、対向する正極2および負極3の間にセパレータ4を介在させた状態で巻回する際に、分極性電極層2bおよび炭素電極層3bの未形成部分がそれぞれ逆方向へ突出するように、セパレータを介して対向する正極2と負極3を逆方向へ一部ずらした状態で巻回することによって、集電体2a、3aの分極性電極層2bおよび炭素電極層3bの未形成部分で構成された巻回状素子1の両端面と、外装ケース6開口部を封止する部材として用いる導電性を有する端子板内面および外装ケース6内底部とが、それぞれ接触し電気的に接続した端面集電と呼ばれる構成をとってもよい。この場合、例えば端子板外面および外装ケース6外表面と外部回路とが電気的接続を行う。
また、端面集電の構成をとる際に、低抵抗化を図るために巻回状の素子1の両端面と端子板および外装ケース6内底部との接続状況を更に良好にする方法として素子1の両端面に、金属板である集電板を配設した上で端面集電を行う構成をとってもよい。
また、このシリコーン3cを用いたリチウム膜9の転写方法は素子1が巻回状であるときに限らず、積層状である場合にも同様に用いることが可能である。
(性能評価試験)
以上の本発明の実施の形態で用いられた巻回状の電気化学キャパシタを10個作製し、これらを実施例とする。負極の炭素電極層へのリチウム膜を転写する際に離型剤としてシリコーンを用いた。
以上の本発明の実施の形態で用いられた巻回状の電気化学キャパシタを10個作製し、これらを実施例とする。負極の炭素電極層へのリチウム膜を転写する際に離型剤としてシリコーンを用いた。
また、駆動用電解液に含まれるリチウムイオンを用いて炭素電極層にプレドープを行ったことを除いて、構成されている部材と素子の巻回数が実施例と同様である電気化学キャパシタを10個作製し、これらを比較例とした。
実施例と比較例の電気化学キャパシタを、以下に示す方法にて評価した。
前記総計20個の電気化学キャパシタを1Aの定電流で充電電圧が4.0Vになるまで充電した後、4.0Vの定電圧で10分間充電した後、充電電圧が2.0Vになるまで
1Aの定電流で放電を行う。放電を行う際に放電開始直後の初期電圧降下状況と放電中の3.5V〜3.0V間の電圧の降下状況を計測し、そこから各電気化学キャパシタの内部抵抗および静電容量をそれぞれ算出した。そして、それらの算出した値の平均値を基に評価を行った。
1Aの定電流で放電を行う。放電を行う際に放電開始直後の初期電圧降下状況と放電中の3.5V〜3.0V間の電圧の降下状況を計測し、そこから各電気化学キャパシタの内部抵抗および静電容量をそれぞれ算出した。そして、それらの算出した値の平均値を基に評価を行った。
その結果を(表1)に示す。
(表1)に示すように、従来の方法を用いて炭素電極層にリチウムイオンを吸蔵させた比較例と比較しても、転写の離型剤にシリコーンを用いた実施例は静電容量および内部抵抗共に略変化がないことが確認できる。これより、転写後に負極に残留するシリコーンが転写後の素子の電気化学反応に対して影響を与えるものではないと言える。
以上より、本発明における実施の形態による電気化学キャパシタは負極の炭素電極層の表面へリチウム膜を転写してプレドープする際に、基材とリチウム膜との間に離型剤としてシリコーンを用いる。
これにより、リチウム膜および離型剤を積層した基材を負極の炭素電極層へ貼り付けた後、リチウム膜から基材を剥離する際にシリコーンの物性より剥離強度が低いため容易に剥離することが可能となる。そして、シリコーンは化学的に不活性であるため、剥離後にリチウム膜にシリコーンが残留したとしても電気化学キャパシタの行う充放電に対して影響を与えず、剥離する際に残留するシリコーンを考慮する必要なく剥離作業を行うことができる。これにより、電気化学キャパシタとして生産性および信頼性の向上を図ることができる。
本発明にかかる電気化学キャパシタによると、従来より負極の炭素材料上のリチウム箔のプレドープ工程が簡略化され、電気化学キャパシタ作製時の作業効率や信頼性が改善したものである。これより、耐圧性の高さや急激な充放電の耐性からハイブリット自動車や燃料電池車のバックアップ電源や回生用等として使用することが期待される。
1 素子
2 正極
2a、3a 集電体
2b 分極性電極層
3 負極
3b 炭素電極層
3c シリコーン
4 セパレータ
5a、5b リード線
6 外装ケース
7 封口部材
8 基材
9 リチウム膜
2 正極
2a、3a 集電体
2b 分極性電極層
3 負極
3b 炭素電極層
3c シリコーン
4 セパレータ
5a、5b リード線
6 外装ケース
7 封口部材
8 基材
9 リチウム膜
Claims (4)
- 金属から成る集電体の表面に活性炭を主とした分極性電極層を形成して正極を作製する正極作製工程と、
金属から成る集電体の表面に炭素材料を主とした炭素電極層を形成して負極を作製する負極作製工程と、
基材の上に離型剤を塗工し、この離型剤の上にリチウム膜を形成し、このリチウム膜を前記負極の表面へ転写して前記負極の表面にリチウム膜を配設するリチウム配設工程と、
前記正極と前記負極をその間にセパレータを介在させた状態で対向させ、巻回または積層して素子を作製する素子作製工程と、
この素子と駆動用電解液とを外装体に収容する収容工程とからなり、
前記リチウム配設工程において用いる離型剤が、シリコーンから成ることを特徴とした電気化学キャパシタの製造方法。 - 前記リチウム配設工程において用いるシリコーンは、その化学構造式に炭酸基を有することを特徴とした請求項1に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
- 金属から成る集電体の表面に活性炭を主とした分極性電極層を形成した正極と
金属から成る集電体の表面にリチウムイオンを吸蔵した炭素電極層が形成された負極とを一対の電極が対向し、前記正極と前記負極との間にセパレータを介在させた状態で巻回または積層した素子と、
前記素子と駆動用電解液とを収容する外装体と、
前記負極表面、前記セパレータ表面または前記駆動用電解液中の少なくとも一箇所に設けられたシリコーンとからなる電気化学キャパシタ。 - 前記シリコーンは、その化学構造式に炭酸基を有することを特徴とした請求項3に記載の電気化学キャパシタ。
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|---|---|---|---|---|
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| KR20180115476A (ko) * | 2017-04-13 | 2018-10-23 | 엘지이노텍 주식회사 | 전기 화학 소자 |
-
2009
- 2009-01-09 JP JP2009003225A patent/JP2009188395A/ja active Pending
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