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JP2009030115A - 高炉用鉱石原料の製造方法 - Google Patents

高炉用鉱石原料の製造方法 Download PDF

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JP2009030115A JP2007195562A JP2007195562A JP2009030115A JP 2009030115 A JP2009030115 A JP 2009030115A JP 2007195562 A JP2007195562 A JP 2007195562A JP 2007195562 A JP2007195562 A JP 2007195562A JP 2009030115 A JP2009030115 A JP 2009030115A
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史朗 渡壁
Koichi Nushishiro
晃一 主代
Takeshi Sato
健 佐藤
Jun Ishii
純 石井
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Abstract

【課題】焼結粉や炉前篩下粉を用いて、高炉用鉱石原料である非焼成塊成鉱を製造する方法を提案すること。
【解決手段】焼結鉱の製造に際して発生する5mm以下の焼結粉を、焼結返鉱とすることなくこれを成形して塊成化することにより非焼成塊成鉱とし、これを高炉用鉱石原料とする方法において、前記非焼成塊成鉱を得るための成形用原料が、前記焼結粉および微粉酸化鉄を含むもので構成され、この成形用原料にはさらにバインダーを加えて混練したのち成形して非焼成塊成鉱とする高炉用鉱石原料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉用鉱石原料の製造方法に関し、とくに焼結鉱の製造時に発生する焼結粉を使って高炉用鉱石原料を製造する方法についての提案である。
一般に、製鉄プロセスにおける高炉用鉱石原料として使用されている焼結鉱は、鉄鉱石粉等の鉄含有原料に副原料および炭材を加えてDL式焼結機を用いて加熱焼成することによって製造されている。
例えば、図1に示すように、粉鉄鉱石に生石灰、石灰石等の媒溶剤と粉コークスとを添加し、これらをミキサーで混合したのち成形(造粒)し、その後、焼結機のパレット上に装入し堆積させてから、加熱焼成し、さらにその後、破砕−冷却−篩分けの各工程を経て、約5超〜50mm粒径の成品焼結鉱(焼成塊成鉱)とし、これを高炉内に供給している。一方で、篩下となる粒径が5mm以下の焼結鉱、いわゆる、焼結粉は返鉱として焼結機に戻され、再び焼成されることになる。その他、前記成品焼結鉱が高炉に向う搬送過程等で発生する5mm以下の粉を篩にて除去したもの、いわゆる、炉前篩下粉もまた、高炉に装入されることなくヤードに戻され焼結原料の一部として返鉱と同様に再焼成(再焼結)される。即ち、これらの返鉱および炉前篩下粉は、いずれも一旦は、焼結工程を経て焼成されたものであり、これらを再循環することは、焼成コストおよび輸送コストの面から考えて好ましい処理法とは言えない。
そこで、従来、既に焼成されたものである焼結粉を使って団鉱をつくり、その団鉱をそのまま高炉等に直接、装入できるようにした塊成化の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、焼結返鉱に20〜25mass%の水とセメントとを添加し混練したのち造粒し、これを水和養生処理して団鉱成品とする方法が開示されている。
また、特許文献2、3には、こうした焼結返鉱や炉前篩下粉を、高炉用鉱石原料として使用するため、これらをバインダーを使って造粒してなる非焼成塊成鉱の製造方法についての開示がある。
特開昭58−123839号公報 特開平7−224329号公報 特開平7−71824号公報
上記従来技術のうち、特許文献1に記載の団鉱法は、焼成したために濡れ性と造粒性が悪くなっている焼結粉(−5mm)を造粒するために、急結剤としてポルトランドセメントを添加して混合し、これを造粒したものを高炉用原料とする技術である。しかし、この方法により製造した団鉱は、高炉装入原料としてみたとき、低温および高温域での圧壊強度、還元粉化特性(JIS−RDI、以下、単に「RDI」という)、還元性(JIS−RI、以下、単に「RI」という)がともに悪く、改善の必要性があった。
次に、特許文献2および3に記載の方法は、いずれも非焼成塊成鉱を製造する技術であり、バインダーの工夫や炭酸塩化養生処理による冷間強度の向上を目指すところに特徴がある。しかし、これらの従来技術によって得られた塊成鉱もまた、還元粉化特性(RDI)や還元性(RI)が不十分であり、高炉内で還元粉化を起こして棚吊りや通気性の低下を招くという問題があった。従って、これまでの塊成鉱は、返鉱用焼結粉や炉前篩下粉を焼結機で再使用することなく直接、高炉用鉱石原料として用いるには不安が残っていた。
本発明の目的は、焼結粉や炉前篩下粉を用いて、高炉用鉱石原料である非焼成塊成鉱を有利に製造できる方法を提案することにある。
本発明の他の目的は、常温および高温での圧壊強度が高く、還元粉化特性(RDI)や還元性(RI)の良好な非焼成塊成鉱を確実に製造することのできる技術を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱えている上述した問題点がなく、上記目的の実現に有効な方法として、下記要旨構成に係る高炉用鉱石原料の製造方法を提案する。即ち、本発明は、焼結鉱の製造に際して発生する5mm以下の焼結粉を、焼結返鉱とすることなくこれを成形して塊成化することにより非焼成塊成鉱とし、これを高炉用鉱石原料とする方法において、前記非焼成塊成鉱を得るための成形用原料が、前記焼結粉および微粉酸化鉄を含むもので構成され、この成形用原料にはさらにバインダーを加えて混練したのち成形して非焼成塊成鉱とすることを特徴とする高炉用鉱石原料の製造方法である。
本発明において、前記成形用原料には、さらに炉前篩下粉を含有させてもよく、また、ダストやスラッジ、鉄鉱石粉などのいずれか1種以上を含有させてもよい。また、前記微粉酸化鉄は、最大粒径10μm以下で酸化鉄を90mass%以上含む、ルスナー酸化鉄粉、鉄鋼製造プロセスで生じるミルスケール、精錬ダストであって、配合原料中に3〜6mass%含有させるものであることが好ましい。前記バインダーが、無機バインダーおよび/または有機バインダーであること、その無機バインダーは、高炉水砕スラグ、ベントナイトおよび水ガラスの中から選ばれるいずれか1種以上であること、前記有機バインダーは、糖蜜または合成樹脂結合材であり、そして、その合成樹脂結合材は、フェノール樹脂結合材であることが望ましい。なお、前記非焼成塊成鉱は、RI(還元性)が65%以上であること、前記非焼成塊成鉱は、RDI(還元粉化性)が30%以下の特性を有するものであることが、より有効な解決手段を与える。
上述した構成に係る本発明によれば、本来は循環再処理や再焼成を行っていた焼結返鉱や炉前篩下粉を、再循環させることなく直ちに塊成化し、これを、高炉装入原料として直接、使用することができるようになるため、焼結コストや各種原単位の低減、焼結設備費、保全コストの削減を達成することができる。しかも、この提案技術によれば、焼結の凝結材低減により、資源の有効活用、環境保護(CO削減)への貢献といった波及効果をもたらす。
また、本発明によれば、圧縮成型性に優れる他、圧壊強度や冷間強度(DI)の高い非焼成塊成鉱を、返鉱用焼結粉や炉前篩下粉等を原料として製造することができる。しかも、得られたその非焼成塊成鉱は、高炉用鉱石原料として炉内に装入した場合でも、低温域・高温域での還元粉化特性(RDI)や還元性(RI)に優れるため、高炉の操業を安定化させると共に銑鉄製造コストを下げるという効果を生む。
焼結鉱(成品)は、通常、焼成後にパレットエンドにて破砕され、振動篩等で5〜50mmの大きさとなるように、粒度調整される。このときに、その振動篩の篩下として発生する焼結粉(粒径:−5mm)は、一般には焼結機に戻し、返鉱として新しい鉄鉱石粉と共に再度焼結処理に供されるのが普通である。焼結粉を返鉱として再循環させることは、上述したように、製造コストや輸送コストの上昇、環境保護(CO削減)の面からは、こうした利用の仕方は見直しが必要である。それは返鉱(焼結粉)と成品焼結鉱との差異が、単に粒径が異なるというだけのことである。従って、この焼結返鉱となる焼結粉を、成品(焼結鉱)と同じ粒径(>5mm)に成形すれば、そのまま高炉用鉱石原料とすることができる筈である。
本発明は、このような考え方の下で、焼結返鉱となる−5mmの焼結粉を、5〜50mm程度の大きさのものに塊成化することにより、返鉱として再焼結することなくそのまま高炉用鉱石原料として有効な塊成鉱にする方法である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は、非焼成塊成鉱からなる高炉用鉱石原料の製造プロセスのフロー図である。以下に説明する例は、成型機によるブリケットの製造例であるが、成型機の代わりに造粒機を用いてペレットを製造する場合であっても同様の効果が得られることは勿論である。
本発明において、主要な出発原料となる焼結粉や炉前篩下粉、微粉酸化鉄等の非焼成塊成鉱とするための成形用原料は、配合槽1、2、3にそれぞれ貯鉱され、定量切出し装置4によって、所定の配合割合となるようにコンベア5上に切り出される。次いで、これらの成形用原料は第1ミキサー6および、必要に応じて第2ミキサー7にて混合される。この混合工程において必要があれば調湿(水分添加)してもよい。
その後、混合原料は原料槽8に送られる。この原料槽8には、有機バインダーや無機バインダー等も貯蔵されている。これらのバインダーは、混合機9(通常はハグミルを用いる)において前記混合原料と混合し、ここでも必要に応じて調湿を行い、混練する。次いで、かかる混合原料は、ニーダー10を介して成型機11に供給し、所定の大きさのものに塊成化される。得られた塊成鉱は、振盪篩12を経て排出され、高炉へ直接もしくはヤード上に搬出される。
上記のようにして製造される非焼成塊成鉱の製造プロセスの中で、本発明の第1の特徴は、出発原料である成形用原料の種類、配合にある。即ち、本発明において用いられる成形用原料は、主に、本来は焼結返鉱となるべき5mm以下の大きさの焼結粉および炉前篩下粉(高炉の搬送過程で発生する5mm以下の篩下粉)である。これらの成形用原料に対し、本発明では、後述するように、少なくとも微粉酸化鉄、例えば、ヘマタイト粉やルスナー酸化鉄粉等を加えると共に、有機バインダーや無機バインダーを加え、その後これらをミキサー(混合機)に入れて混練し、次いで、成型機や造粒機に入れて成形(造粒)する。以下に、成形用原料である代表的な焼結粉と炉前篩下粉の粒度分布と化学成分について示す。
Figure 2009030115
Figure 2009030115
Figure 2009030115
Figure 2009030115
本発明において、成形用原料として主に用いられる前記焼結粉は、鉄鉱石原料などと比較すると、焼成されたものであるため濡れ性が悪く、例えば、高炉用鉄鉱石原料(マウントニューマンやローブリバー、センディ)の場合、水との接触角が37.0〜48.3degであるのに対し、該焼結粉は74.1degと高く、それ故にこれを成形するには、例えば有機バインダーや無機バインダーの使用が必須である。
一般に、この種の非焼成塊成鉱は、結合材として、セメントが使われているため、数百度から次のような分解反応;
Ca(OH)→CaO+H
が生じ、強度が急激に減少することが知られている。もし、高炉内に装入された非焼成塊成鉱の熱間強度が低いと、高炉内シャフト部分で該非焼成塊成鉱の還元粉化が起こり、炉内の通気性を損なうことになる。即ち、高炉内の高温還元雰囲気では、該非焼成塊成鉱は、Fe→Feの反応を起こして体積膨張が起るために、粉化するのである。
このように前記成形用原料をセメントを結合材として成形したものでは、高温下でその強度が急激に低下する。この点について、高炉内での強度を発現させるには、成形用原料に対して熱間強度を発現させるような物質を添加することが有効であると考えられる。
図2は、粒子の熱間強度を発現させる場合の固相焼結反応の一般式を示すものである。この式の左辺は、焼結の進行による収縮量を示しており、収縮量が大きくなるほど焼結が進行したと考えることができる。この式に示すように、各種の粉体を成形してなる凝集粒子、例えば、本発明の如き非焼成塊成鉱などは、温度や粒子の粒径、焼結時間等のパラメータによりそれの収縮量は変化するが、その温度や焼結時間は現実には高炉内雰囲気により決定されるので、これを変化させることはできない。したがって、固相焼結反応を利用して粒子の熱間強度を高めるためには、配合する原料粒子の粒径を調整することが有効である。とくに、配合原料中には、粒子の径の小さいもの(微粉)を用いることが有効であることがわかる。
従って、高炉用鉱石原料の場合も、こうした固相焼結反応により、粒子の熱間強度を発現させるようにするためには、微粒(サブミクロンオーダー)の成形用原料を用いることが有効であると考えられる。例えば、微粉酸化鉄の使用が有効と考えられる。そこで、その微粉酸化鉄として、発明者らは、ルスナー酸化鉄粉に着目し、これを成形用原料に加えたものについての焼結性の評価試験を行った。評価の方法は、成形用原料をφ10×5mmサイズの錠剤型(タブレット)に成型し、これを窒素雰囲気および高炉内還元雰囲気の両方で焼成して、これの圧壊強度を測定した。
図3に窒素雰囲気、および図4に高炉内還元雰囲気で焼成した前記タブレットの熱処理後の冷却後圧潰強度の測定結果を示す。いずれの雰囲気下においても、セメントの熱分解温度に相当する600℃程度以上の領域において強度が上昇することが確認された。なお、同じ微粉、即ち、粒径がルスナー酸化鉄粉に近いが不純物の多いOGダスト(転炉から発生するダスト)は強度が上昇量が小さく、また、数十μmオーダーの粒径をもつMBR鉱石(ペレットフィード)では焼結開始温度は非常に高いものとなっている。これらはいずれもルスナー酸化鉄粉に比べて粒径が大きく比表面積が大きいか不純物が高く粒子表面の清浄度が低いため、粒子表面の酸化鉄の接触が阻害され、固相焼結開始温度が高温になるため、ルスナー酸化鉄粉ほどの効果が顕れないのである。
この点、サブミクロンオーダーの粒径を有し、かつ不純物の少ないルスナー酸化鉄粉は、数百度程度の比較的低温域で固相焼結反応を開始し、非焼成塊成鉱の熱間強度を発現させる物質として有望であることがわかる。
本発明において用いる上記微粉酸化鉄としては、粒径10μm以下の酸化鉄を90mass%以上含む、実質的に酸化鉄のみからなる微粉が好適である。ただし、酸化鉄以外の極く少量の物質(例えば、SiO、Alなど)が、酸化鉄を含む粒子の一部として含まれていてもよいし、酸化鉄を含まない粒子として含まれていてもよいが少量(≦1mass%)でなければならない。その理由は、この微粉酸化鉄が高炉内に装入されたとき、これらの不純物は、スラグ比やスラグ成分設計に影響を及ぼすからである。酸化鉄としては、Fe(ヘマタイト)、Fe(マグネタイト)、FeO(ウスタイト)のいずれであってもよい。
このような微粉酸化鉄としては、例えば、上述したルスナー酸化鉄粉、鉄鋼製造プロセスで生じるミルケースや精錬ダストなどであり、これらの1種以上を用いることができる。ここで、ルスナー酸化鉄粉とは、鋼板などの鋼材製造プロセスにおいて、圧延前に表面の酸化鉄層を酸洗(塩酸溶液による酸洗)することにより除去したときに発生する酸洗スラッジを焙焼などの方法により処理して得たものであって、Fe:99.4〜99.9mass%、CaO≦0.02mass%、SiO≦0.004mass%、Al≦0.01mass%、MgO≦0.002mass%、etc.粒径10μm以下の高純度かつ微粉の酸化鉄である。
また、本発明において、該微粉酸化鉄を配合するもう1つの理由は、高温強度を発現させることにある。即ち、発明者らが、成形後の造粒物をN雰囲気中で熱処理試験したところによると、前記ルスナー酸化鉄粉を3〜6mass%配合した塊成鉱の場合、200℃位から1000℃に温度を上げると、1000℃の温度で強度指数78%であったのに対し、ルスナー酸化鉄粉の配合がないものの強度指数は58%であり、ルスナー酸化鉄粉の焼結(固相焼結)による高温強度発現が確められている。この微粉酸化鉄粉が3mass%未満では強度の向上効果が弱く、一方、6mass%を超えても効果が飽和する。
次に、結合材について説明する。本発明において、成形用原料として主に用いられる前記焼結粉は、鉄鉱石原料などと比較すると、焼成されたものであるため濡れ性が悪く、例えば、高炉用鉄鉱石原料(マウントニューマンやローブリバー、センディ)の場合、水との接触角が37.0〜48.3degであるのに対し、該焼結粉は74.1degと高く、それ故にこれを成形するには少なくとも結合材の使用は必須である。この場合において、一般的な結合材としては、アルミナセメント、ポルトランドセメントなどの水硬性結合剤や高炉水砕スラグが用いられる。
しかし、セメントなどの水硬性結合材は、常温での圧壊強度を高めて、高炉への移送を容易にすると共に、高炉内上部の低温域においてその形状を保持するのにも役立つが、上述したように、高炉内の中部〜下部の高温域では、セメント水和物の熱分解による強度低下を招き、この領域(高炉中部〜下部)での粉化とそれに伴う炉内通気性の悪化を招くことが知られている。
そこで、本発明では、上述したセメントなど水硬性結合材のもつ問題点を克服するために、ベントナイトや水ガラスなどの無機バインダーや有機バインダー、例えば、タール、ピッチ、糖蜜あるいは合成樹脂結合材などの1種以上を、結合材として用いることにした。なお、本発明では、前記合成樹脂結合材、中でも特に、フェノール樹脂の使用が好適である。
前記合成樹脂結合材であるフェノール樹脂は、常温においてそれ自体がバインダーとして機能するとともに、高炉内高温域においては炭化することで生成した炭素がバインダーとして機能する点が特徴的である。なお、本発明の非焼成塊成鉱中で結合材として存在するフェノール樹脂とは、フェノール樹脂前駆体を熱硬化させた樹脂である。
合成樹脂結合材である前記フェノール樹脂を、焼結粉や炉前篩下粉などの成形用原料のバインダーとして使用することにより、得られる非焼成塊成鉱は、成形時、常温においては硬化フェノール樹脂そのもののバインダー機能により390N/個の圧壊強度を確保できるとともに成形性を改善し、使用時、高炉内高温域ではフェノール樹脂が炭化して生成した炭素がバインダー機能を発揮するため、少なくとも1000℃までの温度範囲で100N/個以上の圧壊強度を確保することができる。したがって、このようなバインダーを使って成形した非焼成塊成鉱は、ヤード内および高炉の炉前および炉内において粉化が少なく、高炉用鉱石原料として優れた特性を示すものといえる。
とくに、非焼成塊成鉱の構成成分の一部として高炉内に入るフェノール樹脂は、熱により分解して一部はガス化し、非焼成塊成鉱内には炭素(熱分解残渣)が生成する。即ち、フェノール樹脂は、非酸化雰囲気下の500℃以上に加熱した際に残存する炭素の割合(残炭率)が、アクリルやポリオレフィンといった多くの樹脂がほぼ0%なのに対し、約40mass%以上と高い点が特徴的な結合材である。したがって、フェノール樹脂を結合材として塊成化してなる非焼成塊成鉱は、高炉装入時から350℃程度まではフェノール樹脂そのもののバインダー機能により圧壊強度が保持され、350℃から500℃の間でフェノール樹脂が徐々に熱分解して炭化し、高温域においては、フェノール樹脂が炭化して生成した炭素がバインダーとして機能することにより、該非焼成塊成鉱の熱間圧壊強度を発現するようになる。
また、本発明の非焼成塊成鉱の製造においては、上述したように焼結粉等の成形用原料、微粉酸化鉄およびバインダーを主たる構成成分として含むものであるが、必要に応じて、他の成分、例えば、鉄鉱石粉、各種分散剤、硬化促進剤、石灰石微粉、フライアッシュ、シリカ微粉などの1種以上を、本発明の効果を損なわない限度で適量配合することができる。ただし、コークス粉等の還元材については、別途、その使用目的に応じて20mass%程度を上限として配合してもよい。
さて、本発明方法に基づき前記非焼成塊成鉱を製造する場合、まず、焼結粉の他、微粉酸化鉄を含む前記成形用原料等からなる混合原料に、前記バインダーのいずれか1種以上を添加し、さらに必要に応じてその他の成分を加えたのち、これらの混合原料に水を添加して攪拌(混練)し、成形機にて5mm超に成形(造粒)することにより、成形体(造粒物)を得て、非焼成塊成鉱を得る。この場合において必要があれば、前記造粒物をセード上に置いて養生処理してもよい。
なお、成形の方法としては、ブリケット成形機を用いる圧縮造粒法などの他、ディスクぺレタイザーやドラム型造粒機を用いる転動造粒法のいずれを用いてもよい。ブリケット成形機は、粒子群を機械的に圧縮するため、成形物の充填率が高まり、グリーン強度(成形直後の強度。これに対して冷間強度とは、バインダーが固化した後の粒子の強度を言う)は増大する傾向にあるが、冷間強度はバインダーの質や量に依存するところが大きく、転動造粒法と圧縮造粒法との間に大きな違いはない。一般的には、圧縮造粒法は転動造粒法に比較して粒度や性状の均一なものができやすい一方で、設備費や補修費用が高いという特色がある。
本発明においては、養生ならびに乾燥を行ってもよい。とくに、従来の非焼成塊成鉱の製造では、養生後の乾燥は特には実施せず、養生後に得られた非焼成塊成鉱をそのまま高炉用鉱石原料として高炉に装入していた。これに対し、本発明では、必要に応じて、該非焼成塊成鉱を養生し、さらにその後、高炉投入までの間に、乾燥装置等で80〜150℃程度の温度で乾燥して該非焼成塊成鉱の耐衝撃強度を向上させると共に、該非焼成塊成鉱中の自由水分の含有量を4mass%以下、好ましくは2mass%以下に低減させて、高炉内通気性の維持を図ってもよい。
即ち、このような乾燥処理を行うと、この非焼成塊成鉱中の自由水分を蒸発させることができる。その結果、該非焼成塊成鉱は、これを高炉に投入したときに、その蒸気圧(内圧)により膨張し爆裂して粉化し、炉内の通気性を悪化させるようなことがなくなる。
ところで、本発明に適合する上述した製造プロセスを経て製造された非焼成塊成鉱は、特に高温での圧壊強度が高くなる。即ち、発明者らが行った荷重軟化試験(550℃、700℃、900℃での還元、除冷後、個々の粒子(12サンプル)の重量変化から還元率を算出し、オートグラフで圧壊強度を測定)結果を、図5〜図7に焼結鉱と比較して示したが、いずれも目標圧壊強度よりも高く、焼結鉱との差もなかった。
本発明方法の適用によって製造された非焼成塊成鉱の粒径(常温雰囲気下での球換算粒径)は、5mm超〜50mm未満、好ましくは8〜30mm程度の大きさのものが好ましい。非焼成塊成鉱の粒径が5mm以下では、高炉に装入した際の原料充填層の通気性が悪化するおそれがあり、一方、粒径が50mm以上では還元性が低下するおそれがあり、それは8〜30mmの大きさのときにより顕著になる。
また、本発明方法に適合する方法によって製造された非焼成塊成鉱は、還元粉化特性(RDI)は30%より小さく、還元性(RI)は65%よりも高いものが得られる。発明者らが行った実験によると、図8に示すように、RDIは20%以下、RIは73%以上の結果が得られており、同じ条件で測定した焼結鉱、焼成ペレット、塊鉱石などと比べて、明らかに高炉用鉱石原料として優れた特性を示すものであることがわかった。
なお、上記の実験は、試料500gを用い、これを
(a)RI試験:CO30vol%、N30vol%の雰囲気中、900℃で3時間還元した。
(b)RDI試験:CO30vol%、N30vol%の雰囲気中、550℃で0.5時間還元し、ドラム試験→2.8mmの比率
についての結果を示すものである。
成形用原料である返鉱用焼結粉および炉前篩下粉(表1〜表4に示すもの)に、結合材としてポルトランドセメント、高炉水砕スラグ、フェノール樹脂、アルミナセメントの少なくとも1種以上、微粉酸化鉄としてルスナー酸化鉄粉を加えた混合原料を、図1に示すような製造フローに従って成形し、所定の養生処理を行って非焼成塊成鉱を製造した。ここで、ルスナー酸化鉄粉としては、(0030)段落に記載の鋼材酸洗ライン回収粉を用いた。
使用した成形用原料その他の配合原料の化学成分組成を表5に示す。焼結粉と炉前篩下粉の成分は同じであるが、焼結粉は粒度がやや細かく、平均粒径が1.49mmのものである。一方、炉前篩下粉は粒度がやや粗く、粒径粒径が2.52mmのものである。また、ルスナー酸化鉄粉は、酸化鉄の含有率が極めて高く(≧99.4mass%)、かつ微細粒(粒径10μm以下の割合が90mass%以上)のものを用いた。
Figure 2009030115
各実施例の非焼成塊成鉱を鉄鉱石原料とともに高炉内に装入し、非焼成塊成鉱の冷間強度と高炉操業状況の変化を調査した。その結果を、焼結原料の配合粒度分布やバインダー配合量とともに表6に示す。なお、高炉への装入原料の配合割合は、非焼成塊成鉱:12masss%、焼結鉱:79mass%、塊鉱石:9mass%とした。
非焼成塊成鉱の冷間強度については、ヤードにおける粉率と高炉炉頂における粉率を測
定し、その差(輸送時粉化率)で評価した。塊成鉱が5mmを超える粒径であれば高炉の原料として使用可能であるため、−5mm(=粒径5mm以下)の粒子を粉と定義し、その質量割合を−5mmの粉率とした。
Figure 2009030115
また、表6中に示した吹き抜け回数の「吹き抜け現象」とは、高炉内の圧力損失が増大することで還元性ガスの流れが止められ、炉内の圧力が上昇し、一定の圧力に達したとき、爆発的に還元性ガスの上昇が再開される現象を指す。この場合、ガス流れの再開と同時に炉内の装入物がガスに同伴されて移動するため、層状に堆積された装入物の分布が乱れることになる。装入物の分布が乱れると、通気性がさらに悪化したり、酸化鉄の還元不良等の問題を生じるため、還元材比が上昇するなど高炉操業に極めて悪い影響を与えるのみならず、圧力の上昇により炉体への機械的ダメージを与えたり、急激に高温ガスが噴出することによる諸設備への熱的悪影響も懸念される。
発明例1は、微粉酸化鉄と無機・有機バインダーを含む例である。
発明例2は、養生を施す例である。
発明例3は、養生と乾燥を施した例である。
発明例4は、微粉酸化鉄の量を3mass%に抑えた例である。
発明例5は、微粉酸化鉄の量を5mass%に抑えた例である。
発明例6は、微粉酸化鉄の量を5mass%に抑えた例である。
比較例1は、微粉酸化鉄と有機バインダーを含まない例である。
比較例2は、微粉酸化鉄を含まない例である。
比較例3は、微粉酸化鉄と有機バインダーを含まない例である。
比較例4は、微粉酸化鉄と有機バインダーを含まない例である。
表6に示す操業結果から判るように、本発明例に適合する非焼成塊成鉱を装入した例では、比較例で示す不適合例である非焼成塊成鉱に比べて高炉への搬送中の粉化が少ないことがわかる。また、高炉の操業を見ると、出銑量も多く還元材比も低く、吹き抜け現象も起きていない。これらの結果から、本発明方法によって製造した非焼成塊成鉱を用いた場合、高炉操業が格段に改善できることがわかる。
本発明は、高炉用鉱石原料として、返鉱用焼結粉を用いた非焼成塊成鉱の製造方法に関する説明であるが、焼成塊成鉱などの製鉄原料製造技術にも応用できる。
非焼成塊成鉱からなる高炉用鉱石原料の製造フローを示す線図である。 固相焼結の基礎式を説明する図である。 塊成鉱の熱間強度(窒素雰囲気)を示すグラフである。 塊成鉱の熱間強度(還元雰囲気)を示すグラフである。 本発明方法を適用して製造した非焼成塊成鉱の550℃における還元率と圧壊強度との関係を示すグラフである。 本発明方法を適用して製造した非焼成塊成鉱の700℃における還元率と圧壊強度との関係を示すグラフである。 本発明方法を適用して製造した非焼成塊成鉱の900℃における還元率と圧壊強度との関係を示すグラフである。 本発明方法を適用して製造した非焼成塊成鉱についての還元性と還元粉化特性との関係を示すグラフである。
符号の説明
1〜3 配合槽
4 定量切出し装置
5 コンベア
6 第1ミキサー
7 第2ミキサー
8 原料槽
9 混合機
10 ニーダー
11 成型機
12 振盪篩

Claims (10)

  1. 焼結鉱の製造に際して発生する5mm以下の焼結粉を、焼結返鉱とすることなくこれを成形して塊成化することにより非焼成塊成鉱とし、これを高炉用鉱石原料とする方法において、
    前記非焼成塊成鉱を得るための成形用原料が、前記焼結粉および微粉酸化鉄を含むもので構成され、この成形用原料にはさらにバインダーを加えて混練したのち成形して非焼成塊成鉱とすることを特徴とする高炉用鉱石原料の製造方法。
  2. 前記成形用原料には、さらに炉前篩下粉を含むことを特徴とする請求項1に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  3. 前記成形用原料には、さらにダスト、スラッジ、鉄鉱石粉のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  4. 前記微粉酸化鉄は、最大粒径10μm以下で酸化鉄を90mass%以上含む、ルスナー酸化鉄粉、鉄鋼製造プロセスで生じるミルスケール、精錬ダストであって、配合原料中に3〜6mass%含有させるものであることを特徴とする請求項1に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  5. 前記バインダーが、無機バインダーおよび/または有機バインダーであることを特徴とする請求項1に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  6. 前記無機バインダーが、高炉水砕スラグ、ベントナイトおよび水ガラスの中から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  7. 前記有機バインダーが、糖蜜または合成樹脂結合材であることを特徴とする請求項5に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  8. 前記合成樹脂結合材が、フェノール樹脂結合材であることを特徴とする請求項7に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  9. 前記非焼成塊成鉱は、RI(還元性)が65%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
  10. 前記非焼成塊成鉱は、RDI(還元粉化特性)が30%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の高炉用鉱石原料の製造方法。
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