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JP2009021112A - 燃料電池 - Google Patents

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JP2009021112A JP2007183099A JP2007183099A JP2009021112A JP 2009021112 A JP2009021112 A JP 2009021112A JP 2007183099 A JP2007183099 A JP 2007183099A JP 2007183099 A JP2007183099 A JP 2007183099A JP 2009021112 A JP2009021112 A JP 2009021112A
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Kenichi Takahashi
賢一 高橋
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Abstract

【課題】燃料電池の複雑化や大型化等を招くことなく、燃料の供給状態を制御して電池出力の制御性を向上させる。
【解決手段】燃料電池1は、膜電極接合体18を備える起電部2と、液体燃料を収容する燃料収容部3と、起電部2と燃料収容部3との間に配置された燃料制御部4とを具備する。燃料制御部4は、貫通形状のニードル部26を有する燃料拡散板27と、ニードル部26に対応するスリット部28を有する燃料制御膜29と、燃料拡散板27と燃料制御膜29の少なくとも一方を移動させる移動機構30とを備える。ニードル部26をスリット部28に挿入したときに燃料を供給し、ニードル部26がスリット部27から離脱しているときに燃料の供給を遮断する。
【選択図】図1

Description

本発明は液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源や充電器に燃料電池を用いることが試みられている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することができるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源や充電器として極めて有利なシステムといえる。
直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源や充電器として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。これらのうち、内部気化型等のパッシブ方式はDMFCの小型化に対して特に有利である。
パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体を備える起電部を燃料収容部上に配置した構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。燃料収容部から気化した燃料を燃料極に直接供給する場合、燃料電池の出力の制御性を高めることが重要となるが、現状のパッシブ型DMFCでは必ずしも十分な出力制御性は得られていない。一方、DMFCの起電部と燃料収容部とを流路を介して接続し、この流路にポンプ等を介在させることも検討されている(特許文献2参照)。しかし、ポンプを用いた場合には装置の複雑化や大型化等を招くおそれがある。
国際公開第2005/112172号パンフレット 特開2006−085952号公報
本発明の目的は、装置の複雑化や大型化等を招くことなく、燃料の供給状態を制御して電池出力の制御性を向上させた燃料電池を提供することにある。
本発明の態様に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と、前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置されていると共に、前記燃料極に向けて開口され、かつ液体燃料を収容する燃料収容部と、前記起電部と前記燃料収容部との間に配置され、貫通形状のニードル部を有する燃料拡散板と、前記ニードル部に対応するスリット部を有する燃料制御膜と、前記スリット部に対する前記ニードル部の挿入状態を変化させるように、前記燃料拡散板と前記燃料制御膜の少なくとも一方を移動させる移動機構とを備える燃料制御部とを具備し、前記燃料制御部は、前記ニードル部を前記スリット部に挿入したときに前記燃料極に前記燃料を供給し、前記ニードル部が前記スリット部から離脱しているときに前記燃料の供給を遮断することを特徴としている。
本発明の態様に係る燃料電池においては、燃料制御部を構成する燃料拡散板のニードル部を、燃料制御膜のスリット部に挿入した状態に基づいて、燃料収容部から燃料極への燃料の供給を制御している。従って、装置の複雑化や大型化等を招くことなく、燃料供給状態に基づいて電池出力を制御することが可能な燃料電池を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の燃料電池をパッシブ型(内部気化型)の燃料電池(DMFC等)に適用した実施形態の構成を示す断面図である。図1に示すパッシブ型燃料電池1は、起電部2と燃料収容部3とこれらの間に介在された燃料制御部4とを具備している。さらに、起電部2と燃料制御部4との間には気液分離層5が配置されている。
起電部2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とから構成される膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)18を有している。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有している。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有している。アノードガス拡散層12やカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーのような導電性を有する多孔質基材で構成されている。
上述したようなMEA18をアノード導電層(集電体)19とカソード導電層(集電体)20とで挟み込むことによって、起電部2が構成されている。アノード導電層19やカソード導電層20は、例えばAuのような導電性金属材料からなるメッシュや多孔質膜等で構成されている。導電層(集電体)19、20は燃料や酸化剤(空気)等を流通させる貫通孔を有している。電解質膜17とアノード導電層19との間、および電解質膜17とカソード導電層20との間には、ゴム製のOリング21が介在されており、これによって膜電極接合体(MEA)18からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
起電部2のカソード導電層20上には保湿層22が積層されており、さらにその上には表面層23が積層されている。表面層23は酸化剤である空気の取入れ量を調整する機能を有する。空気の取入れ量は表面層23に形成された空気導入口24の個数やサイズ等で調整される。保湿層22はカソード触媒層14で生成された水の一部が含浸され、水の蒸散を抑制する共に、カソードガス拡散層15に酸化剤を均一に導入することで、カソード触媒層14への酸化剤の均一拡散を促進するものである。保湿層22は多孔質材料で構成され、具体的にはポリエチレンやポリプロピレン等の多孔質体が用いられる。
燃料収容部3には、起電部2に対応した液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。
燃料収容部3はMEA18のアノード13側に配置されている。燃料収容部3はアノード13側が開口されており、この開口部と起電部2との間に燃料制御部4と気液分離層5とが順に設置されている。燃料制御部4に関しては後に詳述する。気液分離層5は、液体燃料(メタノール燃料等)の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気体選択透過膜である。気液分離層5の構成材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂が挙げられる。
そして、燃料収容部3上に燃料制御部4、気液分離層5、起電部2、保湿層22、表面層23を順に積層し、さらにその上から例えばステンレス製のカバー25を被せて全体を保持することによって、この実施形態の燃料電池1が構成されている。カバー25には表面層23に形成された空気導入口24と対応する部分に開口が設けられており、これにより酸化剤の取り入れ、並びにカソード触媒層14への拡散を可能としている。
上述した構成を有する燃料電池1においては、燃料収容部3内のメタノール燃料等の液体燃料が気化し、この気化成分(燃料)が燃料制御部4および気液分離層5を通過して起電部2に供給される。起電部2内において、メタノール燃料等の気化成分はアノードガス拡散層12で拡散されてアノード触媒層11に供給される。アノード触媒層11に供給された気化成分は、下記の式(1)に示すメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
内部改質反応で生成されたプロトン(H+)は電解質膜17を伝導し、カソード触媒層14に到達する。表面層23の空気導入口24から取り入れられた空気(酸化剤)は、保湿層22、カソード導電層20、カソードガス拡散層15を拡散して、カソード触媒層14に供給される。カソード触媒層14に供給された空気は、次の式(2)に示す反応を生じさせる。この反応によって、水の生成を伴う発電反応が生じる。
(3/2)O2+6H++6e- → 3H2O …(2)
上述したように、発電反応は燃料をMEA18のアノード(燃料極)13に供給することにより生起する。この実施形態の燃料電池1において、燃料収容部3から燃料極13への燃料の供給は燃料制御部4で制御される。燃料制御部4は、貫通形状の複数のニードル部26を有する燃料拡散板27と、複数のニードル部26にそれぞれ対応する複数のスリット部28を有する燃料制御膜29と、ニードル部26のスリット部28に対する挿入状態(挿入または非挿入状態)を変化させるように、燃料拡散板27と燃料制御膜29の少なくとも一方を移動させる移動機構30とを備えている。
燃料制御部4は、ニードル部26がスリット部28から離脱しているときに燃料極13への燃料の供給を遮断(図1)し、ニードル部26をスリット部28に挿入したときに燃料極13に燃料を供給(図2)するものである。ニードル部26は、初期状態においてはスリット部28から離脱しており、燃料の供給は遮断されている。燃料の供給時には、例えば燃料拡散板27を燃料制御膜29側に向けて移動させ、これによりニードル部26をスリット部28に挿入する。ニードル部26がスリット部28に挿入されるとスリット部28が開放され、ニードル部26を介して燃料極13に燃料が供給される。
燃料拡散板27と燃料制御膜29の少なくとも一方を移動させる移動機構30は、圧電素子、ピエゾ素子、形状記憶合金、バイメタル等をアクチュエータとして用いることにより構成される。この実施形態では、燃料拡散板27を燃料制御膜29側に向けて移動させる圧電素子を移動機構30として用いている。圧電素子は燃料拡散板27の外周部に沿って全周フレーム状に設けられている。言い換えると、燃料拡散板27はフレーム状の圧電素子の変位方向(下方)に固着されている。圧電素子に通電することで、燃料拡散板27は燃料制御膜29に向けて移動する。また、移動機構30として形状記憶合金等を用いることによって、温度制御のみで燃料拡散板27を移動させることができる。
ニードル部26は燃料拡散板27から燃料制御膜29に向けて突出されている。ニードル部26は例えば図3に示すように、突出先端に向けて縮径するように傾斜させた十字形状部26aと、この十字形状部26aに沿って設けられた貫通孔26bとを有している。燃料拡散板27の構成材料としては、耐食性に優れた金属材料や樹脂材料等を適用することができる。構成材料は特に限定されるものではないが、燃料拡散板27やニードル部26の耐メタノール性等を考慮して以下に示す材料を適用することが好ましい。
樹脂材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のオレフィン系樹脂や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂が例示される。金属系材料としては、SUS304、SUS316等のステンレス材料、チタンやチタン合金等が例示される。これら金属材料には表面処理として不動態化処理等を適用することが好ましい。
燃料収容部3から気化した燃料は、開放されたスリット部28とニードル部26の貫通孔26bを介して燃料極13に供給される。従って、ニードル部26は燃料極13全体に燃料を供給することが可能なように複数設けられている。さらに、ニードル部26は燃料極13の面内における燃料供給量を均一化する上で、燃料拡散板27に均等に設けることが好ましい。具体的には、燃料拡散板27に対して1〜10個/cm2の範囲で、ニードル部26を均等に設けることが好ましい。
燃料制御膜29に設けられたスリット部28は、燃料の供給と遮断を制御するものであり、ニードル部26の非挿入時に燃料の供給を遮断するシール機能を有している。すなわち、スリット部28はニードル部26が挿入された時のみに開放され、ニードル部26の非挿入時には密着して閉状態(燃料の遮断状態)が維持されるようなシール機能を有している。このようなシール機能を付与するために、スリット部28は例えば図4に示すように、燃料制御膜29から燃料収容部3に向けて突出させた突出部28aと、この突出部28aを突出方向に分割するスリット28bとを有している。スリット28bの形状としては、図4および図5に示す十字状や図6に示す一字状等を適用することができる。
燃料制御膜29はスリット部28によるシール機能を高めるように、熱可塑性エラストマーやゴム等の弾性を有する部材で形成することが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(PEBAX)、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー等が例示される。ゴム材料としては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。これらの中でも、燃料制御膜29やスリット部28の耐メタノール性等を考慮して、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等を適用することが好ましい。
さらに、燃料制御膜29から燃料収容部3に向けて突出させた突出部28aにスリット28bを形成して構成したスリット部28は、その形状に基づいて燃料収容部3内の圧力が上昇した際に、燃料収容部3と起電部2との間をシールする方向に作用する逆止機能を有している。燃料収容部3の内圧が上昇した場合、圧力は突出部28aの外周部からスリット28bを閉じるように作用するため、燃料収容部3の内圧が保持される。これによって、起電部2側への不要な燃料の噴出やそれに伴う不具合の発生等が抑制される。
一方、起電部2側の内圧が上昇した場合には、圧力がスリット28bを開くように作用するため、起電部2側の圧力を燃料収容部3側に逃がすことができる。これによって、燃料電池1からの燃料の漏洩等を防止することができる。燃料収容部3による内圧上昇、また起電部2の圧力上昇に伴う燃料収容部3の内圧上昇が生じた場合、燃料の漏洩等が生じるおそれがある。このため、燃料収容部3は圧力が一定値以上に上昇した際に内圧を開放するリリースバルブ(内圧調整弁/図示せず)を備えている。これによって、燃料電池1の動作異常や燃料の漏洩等が防止される。リリースバルブは燃料収容部3自体、あるいは燃料収容部3に液体燃料を供給する燃料供給口(カップラ)等に設けることができる。
次に、図7ないし図9を参照して、燃料の供給・遮断動作について述べる。図7はニードル部26がスリット部28から離脱した状態を示しており、スリット部28のシール機能に基づいて燃料収容部3から燃料極13への燃料供給は遮断されている。この状態から図8に示すように燃料拡散板27を燃料制御膜29側に向けて移動させると、ニードル部26がスリット部28に挿入される。スリット部28はニードル部26の挿入に基づいて開放され、燃料収容部3から燃料極13に燃料が供給される。図9は図8よりニードル部26のスリット部28への挿入深さを深くした状態を示している。
ニードル部26には先端に向けて縮径する傾斜が設けられているため、スリット部28への挿入深さに基づいてスリット部28の開放状態が変化する。すなわち、スリット部28にニードル部26を深く挿入するほど、スリット部28がより大きく開放される。さらに、ニードル部26は傾斜に応じた貫通形状を有しているため、スリット部28にニードル部26を深く挿入するほど、ニードル部26とスリット部28との結合部による燃料供給経路(供給面積)が増大する。このことはスリット部28に対するニードル部26の挿入量に基づいて燃料供給量を制御することが可能であることを意味する。
図8に示すように、スリット部28に対するニードル部26の挿入量(挿入深さ)が僅かである場合には、燃料収容部3から燃料極13への燃料供給量も僅かとなる。これに対して、図9に示すようにニードル部26をスリット部28により深く挿入した場合には、ニードル部26とスリット部28との結合部による燃料供給経路(供給面積)が増大するため、燃料極13により多くの燃料を供給すること可能となる。このように、燃料制御部4においては、ニードル部26の傾斜角度や貫通孔形状(貫通孔の大きさ)、スリット部28に対するニードル部26の挿入量等に基づいて燃料の供給量が制御される。
この実施形態の燃料電池1においては、ニードル部26を有する燃料拡散板27とスリット部28を有する燃料制御膜29と移動機構30とで燃料制御部4を構成している。そして、ニードル部26のスリット部28に対する挿入状況(挿入または非挿入状態、およびスリット部28に対するニードル部26の挿入量等)に応じて、燃料収容部3から燃料極13への燃料の供給・遮断状態、さらには燃料極13への燃料の供給量を制御することができる。従って、ポンプ等を用いた場合に比べて、装置の複雑化や大型化等を招くことなく、燃料供給量およびそれに基づく電池出力を制御することが可能となる。
上述した実施形態では十字形状部26aに沿って貫通孔26bを設けたニードル部26を使用したが、ニードル部26の形状はこれに限られるものではない。例えば、図10に示すように、傾斜形状の突出部31aの中心に貫通孔31bを設けたニードル部31を適用することも可能である。図3に示したニードル部26のように、スリット部28に対する挿入深さに基づいて燃料供給量を制御することはできないものの、ニードル部31の非挿入状態とニードル部3のスリット部28への挿入状態(図11)とに基づいて燃料の供給と遮断を制御することができる。このようなニードル部31を適用した燃料制御部4も電池出力のオン・オフ制御に対して有効である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。燃料電池の具体的な構成や燃料の供給形態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組合せたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。
本発明の実施形態による燃料電池を示す断面図であって、燃料供給を停止した状態を示す図である。 図1に示す燃料電池の燃料供給状態を示す図である。 図1に示す燃料電池のニードル部を拡大して示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図1に示す燃料電池のスリット部を拡大して示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図1に示す燃料電池の燃料制御膜の構成を示す斜視図である。 燃料制御膜の他の構成を示す斜視図である。 図1に示す燃料電池における燃料制御部の動作を示す断面図であって、ニードル部がスリット部に挿入されていない状態を示す図である。 図1に示す燃料電池における燃料制御部の動作を示す断面図であって、ニードル部をスリット部に挿入した状態を示す図である。 図1に示す燃料電池における燃料制御部の動作を示す断面図であって、図8に示す状態からニードル部をさらにスリット部に挿入した状態を示す図である。 図1に示す燃料電池のニードル部の他の例を示す図であって、(a)は断面図、(b)は下面図である。 図10に示すニードル部をスリット部に挿入した状態を示す図である。
符号の説明
1…燃料電池、2…起電部、3…燃料収容部、4…燃料制御部、5…気液分離層、11…アノード触媒層、12…アノードガス拡散層、13…アノード(燃料極)、14…カソード触媒層、15…カソードガス拡散層、16…カソード(空気極)、17…電解質膜、18…MEA、19…アノード導電層、20…カソード導電層、26,31…ニードル部、26a…十字形状部、26b…貫通孔、27…燃料拡散板、28…スリット部、28a…突起部、28b…スリット、29…燃料制御膜、30…移動機構。

Claims (7)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と、
    前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置されていると共に、前記燃料極に向けて開口され、かつ液体燃料を収容する燃料収容部と、
    前記起電部と前記燃料収容部との間に配置され、貫通形状のニードル部を有する燃料拡散板と、前記ニードル部に対応するスリット部を有する燃料制御膜と、前記ニードル部の前記スリット部に対する挿入状態を変化させるように、前記燃料拡散板と前記燃料制御膜の少なくとも一方を移動させる移動機構とを備える燃料制御部とを具備し、
    前記燃料制御部は、前記ニードル部を前記スリット部に挿入したときに前記燃料極に燃料を供給し、前記ニードル部が前記スリット部から離脱しているときに前記燃料の供給を遮断することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、
    前記燃料制御部は、前記ニードル部の前記スリット部への挿入量に基づいて前記燃料極への前記燃料の供給量を制御することを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池において、
    前記ニードル部は先端に向けて傾斜させた十字形状部と、前記十字形状部に沿って設けられた貫通孔とを有していることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の燃料電池において、
    前記スリット部は前記燃料収容部内の圧力が上昇した際に前記燃料収容部と前記起電部との間をシールする方向に作用する逆止機能を有し、かつ前記燃料収容部は前記圧力が一定値以上に上昇した際に前記燃料収容部の内圧を開放するリリースバルブを備えることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の燃料電池において、
    前記スリット部は前記燃料制御膜から前記燃料収容部に向けて突出させた突起部と、前記突起部に設けられたスリットとを有することを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の燃料電池において、
    さらに、前記起電部と前記燃料制御部との間に配置され、前記燃料収容部から気化させた前記液体燃料の気化成分のみを通過させる気液分離層を具備することを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の燃料電池において、
    前記液体燃料はメタノール燃料であることを特徴とする燃料電池。
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