JP2009080099A - ガスセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができるガスセンサ素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ガスセンサ素子2は、固体電解質体の両表面に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、セラミックス体41に発熱体42を設けてなるヒータ基板4とを積層してなる。発熱体42は、導体を蛇行させて形成した発熱部401と、発熱部401の両端から引き出した導体によるリード部402とを有している。ガスセンサ素子2は、その長手方向Lの一方側L1に、発熱部401とセンサ基板とが対向する加熱領域を有しており、加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層5によって被覆してある。多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1は、発熱部401における長手方向Lの他方端P2から、長手方向Lの他方側L2に向けて3mmの範囲内で突出している。
【選択図】図3
【解決手段】ガスセンサ素子2は、固体電解質体の両表面に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、セラミックス体41に発熱体42を設けてなるヒータ基板4とを積層してなる。発熱体42は、導体を蛇行させて形成した発熱部401と、発熱部401の両端から引き出した導体によるリード部402とを有している。ガスセンサ素子2は、その長手方向Lの一方側L1に、発熱部401とセンサ基板とが対向する加熱領域を有しており、加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層5によって被覆してある。多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1は、発熱部401における長手方向Lの他方端P2から、長手方向Lの他方側L2に向けて3mmの範囲内で突出している。
【選択図】図3
Description
本発明は、酸素、窒素酸化物、炭化水素等の特定ガス成分の濃度を検出するためのガスセンサ素子及びその製造方法に関する。
例えば、大気等の基準ガスと排ガス等の被測定ガスとの酸素濃度の差より、エンジンの空燃比等を検出するガスセンサ素子においては、被測定ガスを導入する拡散抵抗層の表面等に、被測定ガス中の被毒物質をトラップ(捕獲)するためのトラップ層を形成している。
また、例えば、特許文献1の積層型ガスセンサ素子においては、素子本体の角部を多孔質保護層によって覆い、この多孔質保護層の厚みを角部から20μm以上とすることが開示されている。また、例えば、特許文献2のガスセンサ素子及びその製造方法においては、セラミックス粉末からなるスラリー中にガスセンサ素子を浸漬し、乾燥、焼付けを行って、ガスセンサ素子の表面に被毒防止層を形成している。また、ガスセンサ素子の横断面において、楕円状に被毒防止層を形成することが開示されている。
また、例えば、特許文献1の積層型ガスセンサ素子においては、素子本体の角部を多孔質保護層によって覆い、この多孔質保護層の厚みを角部から20μm以上とすることが開示されている。また、例えば、特許文献2のガスセンサ素子及びその製造方法においては、セラミックス粉末からなるスラリー中にガスセンサ素子を浸漬し、乾燥、焼付けを行って、ガスセンサ素子の表面に被毒防止層を形成している。また、ガスセンサ素子の横断面において、楕円状に被毒防止層を形成することが開示されている。
また、積層型のガスセンサ素子は、固体電解質体に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、このセンサ基板を早期に活性温度にするためのヒータ基板とを備えている。そして、ガスセンサ素子において、ヒータ基板の発熱体による加熱領域に水分が付着(被水)すると、ガスセンサ素子が熱衝撃によって割れてしまうおそれがある。そのため、被水による素子割れに対する強度である被水強度を向上させるべく、ガスセンサ素子における加熱領域の全体を、上記トラップ層(多孔質保護層、被毒防止層)によって覆うことが考えられる。
しかしながら、トラップ層により、上記加熱領域から離れた部分まで覆ってしまうと、トラップ層のヒートマス(熱容量)が増大し、ヒータ基板によってガスセンサ素子を活性温度にするための時間であるセンサ活性時間が長くなってしまう。
従来は、上記トラップ層の形成範囲を特に制御していなかったため、上記加熱領域以外の部分にも大きくトラップ層が形成されてしまうこともあり、センサ活性時間の短いガスセンサ素子を安定して得ることは困難であった。
従来は、上記トラップ層の形成範囲を特に制御していなかったため、上記加熱領域以外の部分にも大きくトラップ層が形成されてしまうこともあり、センサ活性時間の短いガスセンサ素子を安定して得ることは困難であった。
そこで、発明者らは、加熱領域に対するトラップ層の形成範囲と、センサ活性時間との関係を調査したところ、後述するごとく、ガスセンサ素子の長手方向の一方側に設けた加熱領域の他方端に対する、トラップ層(多孔質保護層)の形成領域の他方端の突出量が3mm以下であれば、センサ活性時間の遅延を充分に抑制することができることが分かった。すなわち、上記突出量が3mmを超えると、センサ活性時間が大きく遅延するおそれがあることが分かった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができるガスセンサ素子及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、酸素イオン導電性を有する固体電解質体の両表面に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、電気絶縁性を有するセラミックス体に通電により発熱する発熱体を設けてなるヒータ基板とを積層してなるガスセンサ素子において、
上記発熱体は、導体を蛇行させて形成した発熱部と、該発熱部を形成する導体の両端から引き出した導体によるリード部とを有しており、
上記ガスセンサ素子は、その長手方向の一方側に、上記発熱部と上記センサ基板とが対向する加熱領域を有しており、該加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層によって被覆してあり、
上記多孔質保護層における上記長手方向の他方端は、上記発熱部における上記長手方向の他方端から、上記長手方向の他方側に向けて3mmの範囲内で突出していることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
上記発熱体は、導体を蛇行させて形成した発熱部と、該発熱部を形成する導体の両端から引き出した導体によるリード部とを有しており、
上記ガスセンサ素子は、その長手方向の一方側に、上記発熱部と上記センサ基板とが対向する加熱領域を有しており、該加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層によって被覆してあり、
上記多孔質保護層における上記長手方向の他方端は、上記発熱部における上記長手方向の他方端から、上記長手方向の他方側に向けて3mmの範囲内で突出していることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
本発明のガスセンサ素子は、その長手方向の一方側に位置する加熱領域の全体を、上記多孔質保護層によって被覆してなる。この多孔質保護層により、被測定ガス中の被毒物質のトラップ(捕獲)を行って、被測定ガスを固体電解質体における一方の電極へ導くことができると共に、加熱されたガスセンサ素子が、被水によって割れてしまうことを防止することができる。
また、本発明のガスセンサ素子においては、多孔質保護層における長手方向の他方端は、発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から、長手方向の他方側に向けて3mmの範囲内で突出している。これにより、多孔質保護層のヒートマス(熱容量)が増大し、センサ活性時間(ヒータ基板によって、ガスセンサ素子を活性温度にするための時間)が長くなってしまうことを抑制することができる。
なお、多孔質保護層における長手方向の他方端が発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から、長手方向の他方側に向けて突出する量は、0mmとすることもできる(多孔質保護層における長手方向の他方端と、発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端とを、長手方向においてほぼ合わせることもできる。)。
なお、多孔質保護層における長手方向の他方端が発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から、長手方向の他方側に向けて突出する量は、0mmとすることもできる(多孔質保護層における長手方向の他方端と、発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端とを、長手方向においてほぼ合わせることもできる。)。
それ故、本発明のガスセンサ素子によれば、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができる。
第2の発明は、上記ガスセンサ素子を製造する方法において、
上記セラミックス粒子を溶媒に含有させたセラミックス材料中に上記ガスセンサ素子を浸漬する浸漬工程と、上記ガスセンサ素子の表面に付着したセラミックス材料を乾燥させる乾燥工程とを、2〜5回繰り返した後に熱処理を行って上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項4)。
上記セラミックス粒子を溶媒に含有させたセラミックス材料中に上記ガスセンサ素子を浸漬する浸漬工程と、上記ガスセンサ素子の表面に付着したセラミックス材料を乾燥させる乾燥工程とを、2〜5回繰り返した後に熱処理を行って上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある(請求項4)。
本発明のガスセンサ素子の製造方法は、上記優れた性質を有するガスセンサ素子を、多孔質保護層に亀裂等を生じることなく効率的に製造することができる方法である。
本発明の製造方法においては、上記浸漬工程と乾燥工程とを2〜5回繰り返すことにより、1回の浸漬によってガスセンサ素子の表面に付着させるセラミックス材料の膜厚を適切に抑えることができる。これにより、セラミックス材料の膜厚が大きいことによって生じる亀裂等の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の製造方法においては、上記浸漬工程と乾燥工程とを2〜5回繰り返すことにより、1回の浸漬によってガスセンサ素子の表面に付着させるセラミックス材料の膜厚を適切に抑えることができる。これにより、セラミックス材料の膜厚が大きいことによって生じる亀裂等の発生を効果的に抑制することができる。
それ故、本発明のガスセンサ素子の製造方法によれば、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができるガスセンサ素子を効率的に製造することができる。
上述した第1、第2の発明のガスセンサ素子及びその製造方法における好ましい実施の形態につき説明する。
第1、第2の発明において、上記多孔質保護層における長手方向の他方端が、上記発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から長手方向の他方側に向けて突出する量が、0mm未満である場合、すなわち、多孔質保護層が加熱領域の全体を被覆していない場合には、被水強度の確保が不十分になり、ガスセンサ素子に被水割れが生じるおそれがある。なお、上記多孔質保護層の突出量を0mmにすることは製法上難しいため、この突出量は、例えば、1mm以上とすることができる。
一方、多孔質保護層における長手方向の他方端が、発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から長手方向の他方側に向けて突出する量が、3mmを超える場合には、多孔質保護層のヒートマス(熱容量)が増大し、センサ活性時間が長くなってしまうおそれがある。
第1、第2の発明において、上記多孔質保護層における長手方向の他方端が、上記発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から長手方向の他方側に向けて突出する量が、0mm未満である場合、すなわち、多孔質保護層が加熱領域の全体を被覆していない場合には、被水強度の確保が不十分になり、ガスセンサ素子に被水割れが生じるおそれがある。なお、上記多孔質保護層の突出量を0mmにすることは製法上難しいため、この突出量は、例えば、1mm以上とすることができる。
一方、多孔質保護層における長手方向の他方端が、発熱部(加熱領域)における長手方向の他方端から長手方向の他方側に向けて突出する量が、3mmを超える場合には、多孔質保護層のヒートマス(熱容量)が増大し、センサ活性時間が長くなってしまうおそれがある。
また、上記発熱部における上記長手方向の他方端から該長手方向の他方側へ上記多孔質保護層が突出した突出部は、上記長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分において、上記長手方向の80〜95%の範囲が、30μm以上の厚みを有していることが好ましい(請求項2)。
この場合には、ガスセンサ素子の長手方向の一方側の適切な範囲に、適切な厚みの多孔質保護層を形成することができる。
なお、30μm以上の厚みを有する多孔質保護層を形成した範囲が、上記突出部の長さの80%未満である場合には、多孔質保護層による被水強度が低下するおそれがある。一方、30μm以上の厚みを有する多孔質保護層を形成した範囲が、上記突出部の長さの95%を超える場合には、多孔質保護層の長手方向の他方側の端部を傾斜状又は段差状に形成することが困難になる。
また、上記多孔質保護層の厚みは、例えば、最大部分で700μm以下とすることができる。
この場合には、ガスセンサ素子の長手方向の一方側の適切な範囲に、適切な厚みの多孔質保護層を形成することができる。
なお、30μm以上の厚みを有する多孔質保護層を形成した範囲が、上記突出部の長さの80%未満である場合には、多孔質保護層による被水強度が低下するおそれがある。一方、30μm以上の厚みを有する多孔質保護層を形成した範囲が、上記突出部の長さの95%を超える場合には、多孔質保護層の長手方向の他方側の端部を傾斜状又は段差状に形成することが困難になる。
また、上記多孔質保護層の厚みは、例えば、最大部分で700μm以下とすることができる。
また、上記多孔質保護層は、上記長手方向の他方側の端部が、該長手方向の他方側に向かって厚みが縮小する傾斜状又は段差状に形成してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、ガスセンサ素子において、多孔質保護層による被覆部分と非被覆部分との境界部分に、急激な厚みの変化が生じることを抑制し、熱応力を低減させることができる。
なお、傾斜状の端部は、直線状に傾斜していてもよく、凸面状に傾斜していてもよい。
この場合には、ガスセンサ素子において、多孔質保護層による被覆部分と非被覆部分との境界部分に、急激な厚みの変化が生じることを抑制し、熱応力を低減させることができる。
なお、傾斜状の端部は、直線状に傾斜していてもよく、凸面状に傾斜していてもよい。
以下に、本発明のガスセンサ素子及びその製造方法にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例のガスセンサ素子2は、図2に示すごとく、酸素イオン導電性を有する固体電解質体31の両表面に一対の電極32A、Bを設けてなるセンサ基板3と、電気絶縁性を有するセラミックス体41に通電により発熱する発熱体42を設けてなるヒータ基板4とを積層してなる。
(実施例1)
本例のガスセンサ素子2は、図2に示すごとく、酸素イオン導電性を有する固体電解質体31の両表面に一対の電極32A、Bを設けてなるセンサ基板3と、電気絶縁性を有するセラミックス体41に通電により発熱する発熱体42を設けてなるヒータ基板4とを積層してなる。
図3、図4に示すごとく、発熱体42は、導体を蛇行させて形成した発熱部401と、発熱部401の両端から引き出した導体によるリード部402とを有している。ガスセンサ素子2は、その長手方向Lの一方側L1に、発熱部401とセンサ基板3とが対向する加熱領域を有しており、加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層5によって被覆してある。多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1は、発熱部401における長手方向Lの他方端P2から、長手方向Lの他方側L2に向けて3mmの範囲内で突出している。同図において、多孔質保護層5の突出量をAによって示す。
なお、図2は、ガスセンサ素子2の長手方向Lに直交する横断面を示し、図4は、ガスセンサ素子2の長手方向Lの一部の断面を示す。
なお、図2は、ガスセンサ素子2の長手方向Lに直交する横断面を示し、図4は、ガスセンサ素子2の長手方向Lの一部の断面を示す。
以下に、本例のガスセンサ素子2及びその製造方法につき、図1〜図7と共に詳説する。
図2に示すごとく、本例のガスセンサ1は、車載用の限界電流式のガスセンサであり、被測定ガスとしての排ガス中の酸素濃度を測定するものである。また、本例のガスセンサ1は、固体電解質体31の両表面に設けた一対の電極32A、B間に、限界電流特性を生じる電圧を印加し、一方の電極である被測定ガス側電極32Aに接触する被測定ガスと、他方の電極である基準ガス側電極32Bに接触する基準ガス(大気等)との酸素濃度の差に応じて、一対の電極32A、B間に生じる電流を検出して、エンジンにおける空燃比を求めることができるものである。
また、本例のガスセンサ素子2のセンサ基板3は、固体電解質体31の両表面に設けた一対の電極32A、Bによって、被測定ガス中の酸素濃度を調整するポンピングセルの機能と、被測定ガス中の酸素濃度を測定するセンシングセルの機能とを併有させた1セル構造を有している。
図2に示すごとく、本例のガスセンサ1は、車載用の限界電流式のガスセンサであり、被測定ガスとしての排ガス中の酸素濃度を測定するものである。また、本例のガスセンサ1は、固体電解質体31の両表面に設けた一対の電極32A、B間に、限界電流特性を生じる電圧を印加し、一方の電極である被測定ガス側電極32Aに接触する被測定ガスと、他方の電極である基準ガス側電極32Bに接触する基準ガス(大気等)との酸素濃度の差に応じて、一対の電極32A、B間に生じる電流を検出して、エンジンにおける空燃比を求めることができるものである。
また、本例のガスセンサ素子2のセンサ基板3は、固体電解質体31の両表面に設けた一対の電極32A、Bによって、被測定ガス中の酸素濃度を調整するポンピングセルの機能と、被測定ガス中の酸素濃度を測定するセンシングセルの機能とを併有させた1セル構造を有している。
同図に示すごとく、被測定ガス側電極32Aを設けた固体電解質体31の表面には、被測定ガスを拡散してその流れを律速させるための拡散抵抗層33が積層してある。また、拡散抵抗層33の表面には、遮蔽層34が積層してある。拡散抵抗層33、遮蔽層34は、アルミナ等より形成することができる。また、一対の電極32A、Bは、白金等より形成することができる。
そして、多孔質保護層5は、拡散抵抗層33へ導く被測定ガスにおける被毒物のトラップを行うと共にガスセンサ素子2を水分から保護するよう構成してある。
そして、多孔質保護層5は、拡散抵抗層33へ導く被測定ガスにおける被毒物のトラップを行うと共にガスセンサ素子2を水分から保護するよう構成してある。
図2に示すごとく、基準ガス側電極32Bを設けた固体電解質体31の表面には、ヒータ基板4が積層してある。ヒータ基板4は、基準ガス側電極32Bの周囲に基準ガス室45を形成するための一方のセラミックス体41Aと、他方のセラミックス体41Bとの間に、発熱体42を挟み込んで形成されている。発熱体42は、白金等による導体をいずれかのセラミックス体41にパターン印刷して形成されている。
また、図4に示すごとく、固体電解質体31における一対の電極32A、Bは、発熱体42による発熱部401(加熱領域)に対向する位置に形成されている。
また、図4に示すごとく、固体電解質体31における一対の電極32A、Bは、発熱体42による発熱部401(加熱領域)に対向する位置に形成されている。
図3に示すごとく、ヒータ基板4において、発熱体42による発熱部401は、ガスセンサ素子2の長手方向Lに蛇行して形成することができ、図5に示すごとく、ガスセンサ素子2の横方向W(長手方向Lに直交する方向)に蛇行して形成することもできる。
なお、ガスセンサ素子2においては、ヒータ基板4における発熱部401とセンサ基板3とが対向する加熱領域と、ヒータ基板4におけるリード部402とセンサ基板3とが対向する通電領域とが形成されている。
なお、ガスセンサ素子2においては、ヒータ基板4における発熱部401とセンサ基板3とが対向する加熱領域と、ヒータ基板4におけるリード部402とセンサ基板3とが対向する通電領域とが形成されている。
図1に示すごとく、ガスセンサ素子2の後端側部分(他端側L2の部分)202は、電気絶縁性を有する碍子部14を介して金属製のハウジング11に固定されており、ガスセンサ素子2の先端側部分(一端側L1の部分)201は、ハウジング11の先端部に固定した素子カバー12によって覆われている。素子カバー12は、ガスセンサ素子2の先端側部分201を覆うインナーカバー12Aと、インナーカバー12Aを覆うアウターカバー12Bとによって構成されている。インナーカバー12A及びアウターカバー12Bには、被測定ガス導入口13A、Bが、長手方向Lの互いに異なる位置に形成してある。
ガスセンサ素子2の後端側部分202には、一対の電極32A、Bをガスセンサ1の外部と電気接続するための導通金具15及びリード線16が接続されている。
ガスセンサ素子2の後端側部分202には、一対の電極32A、Bをガスセンサ1の外部と電気接続するための導通金具15及びリード線16が接続されている。
図2に示すごとく、本例のガスセンサ素子2は、長手方向Lに直交する横断面において、四角形状の4つの角部にC面を形成した形状を有しており、遮蔽層34及び拡散抵抗層33における両側部には、被測定ガスを拡散抵抗層33へ導くための切欠面(C面)36が形成されている。
ガスセンサ素子2の横断面形状は、センサ基板3及びヒータ基板4の積層方向Dに薄い略長方形状を有している。
ガスセンサ素子2の横断面形状は、センサ基板3及びヒータ基板4の積層方向Dに薄い略長方形状を有している。
また、図4に示すごとく、多孔質保護層5における長手方向Lの他方側L2の端部51は、長手方向Lの他方側L2に向かうに連れて厚みが縮小する傾斜状に形成してある。この傾斜状の端部51は、直線状に傾斜しているだけでなく、凸面状に傾斜していてもよい。多孔質保護層5における長手方向Lの他方側L2の端部51を傾斜状にすることにより、ガスセンサ素子2において、多孔質保護層5による被覆部分と非被覆部分との境界部分に、急激な厚みの変化が生じることを抑制し、熱応力を低減させることができる。
なお、図6に示すごとく、多孔質保護層5における長手方向Lの他方側L2の端部51は、長手方向Lの他方側L2に向かって厚みが縮小する段差状に形成することもできる。この段差状の端部51は、後述する実施例2に示すように、粒径が小さい下層のセラミックス粒子による下層の多孔質保護層5Aと、下層のセラミックス粒子よりも粒径が大きい上層のセラミックス粒子による上層の多孔質保護層5B(図6においては2層ある。)とを、別々の浸漬(ディッピング)を行って設けることによって形成することができる。
図2に示すごとく、多孔質保護層5は、長手方向Lに直交する横断面において、センサ基板3とヒータ基板4との積層方向Dの表面の中心部分における厚みが、最も厚くなっており、すべての角部における厚みが、最も薄くなっている。そして、多孔質保護層5は、最も薄い角部において、30μm以上の厚みを有している。
また、発熱部401における長手方向の他方端P2から該長手方向の他方側へ多孔質保護層5が突出した突出部52は、上記長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分すなわち角部において、長手方向の80〜95%の範囲が、30μm以上の厚みを有している。そして、多孔質保護層5の長手方向Lの残りの範囲には、上記傾斜状の端部51が形成されている。
また、本例の多孔質保護層5は、セラミックス粒子としてのアルミナ粒子によって多数の気孔を形成してなる。そして、多孔質保護層5の単位体積当たりの気孔率は、20%以上になっている。
また、本例の多孔質保護層5は、セラミックス粒子としてのアルミナ粒子によって多数の気孔を形成してなる。そして、多孔質保護層5の単位体積当たりの気孔率は、20%以上になっている。
また、ガスセンサ素子2の表面(センサ基板3、ヒータ基板4、遮蔽層34等の各表面)には、セラミックス粒子によって多数の気孔を形成してなる下地層を形成することができる。この下地層は、ガスセンサ素子2と同時に焼成を行って形成することができる。
本例の多孔質保護層5は、複数種類の被毒物のトラップ性能を向上させるために、複数層(本例では2層)に電気絶縁性を有するセラミックス粒子を積層してなる。上層のセラミックス粒子の平均粒径は、下層のセラミックス粒子の平均粒径よりも大きくなっている。
本例の多孔質保護層5は、複数種類の被毒物のトラップ性能を向上させるために、複数層(本例では2層)に電気絶縁性を有するセラミックス粒子を積層してなる。上層のセラミックス粒子の平均粒径は、下層のセラミックス粒子の平均粒径よりも大きくなっている。
本例のガスセンサ素子2は、センサ基板3、ヒータ基板4、拡散抵抗層33、遮蔽層34を積層した状態で、焼成を行って形成してある。そして、多孔質保護層5は、ガスセンサ素子2を、多数のセラミックス粒子を溶媒としての水に含有させてなるスラリー状のセラミックス材料中に浸漬し、ガスセンサ素子2の表面にセラミックス材料を付着させ、乾燥させた後、熱処理を行って形成してある。
本例のガスセンサ素子2は、その長手方向Lの一方側L1に位置する加熱領域の全体を、多孔質保護層5によって被覆してなる。この多孔質保護層5により、被測定ガス中の被毒物質のトラップ(捕獲)を行って、被測定ガスを固体電解質体31における被測定ガス側電極32Aへ導くことができると共に、加熱されたガスセンサ素子2が、被水によって割れてしまうことを防止することができる。
また、本例のガスセンサ素子2においては、多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1は、発熱部401(加熱領域)における長手方向Lの他方端P2から、長手方向Lの他方側L2に向けて3mmの範囲内で突出している。これにより、多孔質保護層5のヒートマス(熱容量)が増大し、センサ活性時間(ヒータ基板4によって、ガスセンサ素子2を活性温度にするための時間)が長くなってしまうことを抑制することができる。
それ故、本例のガスセンサ素子2によれば、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができる。
それ故、本例のガスセンサ素子2によれば、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができる。
図7は、横軸に、多孔質保護層5の突出量(発熱部401における長手方向Lの他方端P2から多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1までの距離)A(mm)をとり、縦軸に、被水割れの発生率(%)をとって、両者の関係を示したグラフである。
ここで、被水割れの発生率(%)は、以下のようにして評価した。
すなわち、ガスセンサ素子2を700℃に加熱した状態で、発熱部401の他方端P2の位置におけるセンサ素子2の表面に水滴を滴下したときの素子割れが生じるか否かを確認する。この水滴の量は、多孔質保護層がないガスセンサ素子の表面に滴下したときに確実に素子割れが生じる程度の量である。そして、この試験を一水準につき100個のサンプルについて行い、何個のサンプルが素子割れ(被水割れ)を生じたかを調べることにより、被水割れの発生率を算出した。
すなわち、ガスセンサ素子2を700℃に加熱した状態で、発熱部401の他方端P2の位置におけるセンサ素子2の表面に水滴を滴下したときの素子割れが生じるか否かを確認する。この水滴の量は、多孔質保護層がないガスセンサ素子の表面に滴下したときに確実に素子割れが生じる程度の量である。そして、この試験を一水準につき100個のサンプルについて行い、何個のサンプルが素子割れ(被水割れ)を生じたかを調べることにより、被水割れの発生率を算出した。
素子割れの有無については、上記の滴下試験の後のガスセンサ素子の一部を、エタノール浴に浸漬する。このとき、加熱領域を含めたガスセンサ素子2の長手方向の一方側L1の一部が、エタノール浴の液面下に存在するようにする。そして、ガスセンサ素子2の発熱体とエタノール浴との間、及び基準ガス側電極32Bとエタノール浴との間に、電圧をかけて絶縁抵抗を測定した。このとき測定される絶縁抵抗値が大きく低下しているか否かによって、被水割れの有無を確認した。
また、ここでは、表1に示すごとく、ガスセンサ素子2の加熱領域における長手方向に直交する断面の断面積、および加熱領域の長さが異なる3種類のガスセンサ素子2について、それぞれ上記突出量Aを−2mm〜+4mmの間で変化させた試料を用いて評価した。ここで、上記断面積には多孔質保護層5の断面積は含まれない。また、突出量Aが−2mmとは、多孔質保護層5の他方端P1が発熱部401の他方端P2よりも、上記一方側L1へ後退している状態を表す。
また、突出量Aの調整は、後述する実施例2に示すガスセンサ素子の製造方法において説明するごとくである。
また、突出量Aの調整は、後述する実施例2に示すガスセンサ素子の製造方法において説明するごとくである。
評価の結果を、図7、表1に示す。図7において、プロットT1が断面積9mm2、加熱領域の長さ6.2mmのガスセンサ素子2についてのデータを表し、プロットT2が断面積6.84mm2、加熱領域の長さ8.5mmのガスセンサ素子2についてのデータを表し、プロットT3が断面積4.48mm2、加熱領域の長さ8.5mmのガスセンサ素子2についてのデータを表す。なお、後述する図8におけるプロットT1、T2、T3も同様である。
また、図8は、横軸に、多孔質保護層5の突出量(発熱部401における長手方向Lの他方端P2から多孔質保護層5における長手方向Lの他方端P1までの距離)A(mm)をとり、縦軸に、センサ活性時間の低下率(%)をとって、両者の関係を示したグラフである。
センサ活性時間の低下率(%)とは、多孔質保護層5の突出量Aが0mmの場合のセンサ活性時間に対する比率(%)によって表した値である。
センサ活性時間は、発熱体42に通電したとき、ガスセンサ素子2の表面が室温から700℃まで上昇するのにかかる時間を測定することにより求めた値である。
センサ活性時間の低下率(%)とは、多孔質保護層5の突出量Aが0mmの場合のセンサ活性時間に対する比率(%)によって表した値である。
センサ活性時間は、発熱体42に通電したとき、ガスセンサ素子2の表面が室温から700℃まで上昇するのにかかる時間を測定することにより求めた値である。
このセンサ活性時間の低下率の評価についても、上記断面積および加熱領域の長さが異なる3種類のガスセンサ素子2について、それぞれ上記突出量Aを−2mm〜+4mmの間で変化させた試料を用いて評価した。また、各水準のサンプル数は10個とし、その平均値を算出して図8、表1に示した。
図8に示すごとく、多孔質保護層5の突出量Aが大きくなるに連れて、センサ活性時間の低下率が増加する(センサ活性時間が長くなる)のに対し、図7に示すごとく、多孔質保護層5の突出量Aが0mm未満になると、被水割れが発生する、すなわち被水強度が低下することがわかる。また、多孔質保護層5の突出量Aが3mmを超えると、センサ活性時間の低下が著しくなることがわかる。
また、この傾向は、ガスセンサ素子2の断面積および加熱領域の長さに依存することなく、これらの値の異なる複数種類のガスセンサ素子2において共通する傾向であることも分かる。
この結果より、多孔質保護層5の突出量Aを0〜3mmの範囲内にすることにより、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立できることがわかる。
また、この傾向は、ガスセンサ素子2の断面積および加熱領域の長さに依存することなく、これらの値の異なる複数種類のガスセンサ素子2において共通する傾向であることも分かる。
この結果より、多孔質保護層5の突出量Aを0〜3mmの範囲内にすることにより、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立できることがわかる。
(実施例2)
本例は、上記実施例1に示したガスセンサ素子2の製造に適した方法を示す例である。
具体的には、本例においては、以下の浸漬工程及び乾燥工程を繰り返し行った後、熱処理工程を行い、ガスセンサ素子2の表面に多孔質保護層5を形成する。
浸漬工程においては、セラミックス粒子を溶媒としての水に含有させたセラミックス材料中に、ガスセンサ素子2の長手方向Lの先端側部分201(加熱領域を形成した部分)を浸漬する。そして、スラリー状のセラミックス材料からガスセンサ素子2を引き上げて、その先端側部分201の表面にセラミックス材料を付着させる。なお、ガスセンサ素子2は、絶縁碍子に装着した状態で、この絶縁碍子よりも突出した先端側部分201をスラリー状のセラミックス材料中に浸漬させる。
本例は、上記実施例1に示したガスセンサ素子2の製造に適した方法を示す例である。
具体的には、本例においては、以下の浸漬工程及び乾燥工程を繰り返し行った後、熱処理工程を行い、ガスセンサ素子2の表面に多孔質保護層5を形成する。
浸漬工程においては、セラミックス粒子を溶媒としての水に含有させたセラミックス材料中に、ガスセンサ素子2の長手方向Lの先端側部分201(加熱領域を形成した部分)を浸漬する。そして、スラリー状のセラミックス材料からガスセンサ素子2を引き上げて、その先端側部分201の表面にセラミックス材料を付着させる。なお、ガスセンサ素子2は、絶縁碍子に装着した状態で、この絶縁碍子よりも突出した先端側部分201をスラリー状のセラミックス材料中に浸漬させる。
乾燥工程においては、ガスセンサ素子2に付着させたセラミックス材料を乾燥させる。本例の乾燥工程においては、加熱した空気を吹き付けて乾燥させる。そして、乾燥工程においては、ガスセンサ素子2に付着させたセラミックス材料を、含水率が20wt%以下になるまで乾燥させる。
本例においては、ガスセンサ素子2の表面に、浸漬工程として、セラミックス粒子の粒径が10μm以下である1層目のセラミックス材料を付着させ、乾燥工程を行う。次いで、1層目のセラミックス材料の上に、セラミックス粒子の粒径が1層目のセラミックス材料よりも大きい2層目のセラミックス材料を付着させ、乾燥工程を行う。次いで、セラミックス粒子の粒径が2層目のセラミックス材料と同等である3層目のセラミックス材料を付着させ、乾燥工程を行う。
こうして、本例においては、1層目のセラミックス材料によって膜厚が薄い下層の多孔質保護層5Aを形成し、2層目、3層目のセラミックス材料によって膜厚が厚い上層の多孔質保護層5Bを形成する(図6参照)。
こうして、本例においては、1層目のセラミックス材料によって膜厚が薄い下層の多孔質保護層5Aを形成し、2層目、3層目のセラミックス材料によって膜厚が厚い上層の多孔質保護層5Bを形成する(図6参照)。
また、浸漬工程と乾燥工程とを繰り返し行った後、本乾燥工程として、含水率がほぼ0wt%になるまで、ガスセンサ素子2の表面におけるセラミックス材料を乾燥させる。
その後、熱処理工程においては、ほぼ完全に乾燥させたセラミックス材料(セラミックス粒子)を熱処理し、ガスセンサ素子2の表面に多孔質保護層5を形成する。
なお、浸漬工程を行う前のガスセンサ素子2の表面には、ガスセンサ素子2と同時に焼成を行った下地層を設けておくことができる。
その後、熱処理工程においては、ほぼ完全に乾燥させたセラミックス材料(セラミックス粒子)を熱処理し、ガスセンサ素子2の表面に多孔質保護層5を形成する。
なお、浸漬工程を行う前のガスセンサ素子2の表面には、ガスセンサ素子2と同時に焼成を行った下地層を設けておくことができる。
なお、突出量Aの調整は、浸漬工程におけるスラリー状のセラミック材料へのガスセンサ素子2の浸漬高さを制御することによって行う。すなわち、ガスセンサ素子2における加熱領域(発熱部401)の形成位置は、設計値によって分かっているため、例えば、ガスセンサ素子2の一方側L1の端部から加熱領域の他方端P1までの長さも分かっている。そこで、ガスセンサ素子2の一方側L1の端部から所定量の高さまでスラリー状のセラミック材料に浸漬することにより、それぞれの所定の突出量Aとなるように多孔質保護層5を形成することができる。
本例の製造方法においては、上記2層目以降のセラミックス材料の浸漬工程と乾燥工程とを2回繰り返すことにより、1回の浸漬によってガスセンサ素子2の表面に付着させるセラミックス材料の膜厚を適切に抑えることができる。これにより、セラミックス材料の膜厚が大きいことによって生じる亀裂等の発生を効果的に抑制することができる。
なお、上記2層目以降のセラミックス材料の浸漬工程と乾燥工程とは、2〜5回繰り返すことができる。
なお、上記2層目以降のセラミックス材料の浸漬工程と乾燥工程とは、2〜5回繰り返すことができる。
それ故、本例のガスセンサ素子2の製造方法によれば、被水強度の確保と、センサ活性時間の遅延の抑制とを両立させることができるガスセンサ素子2を、多孔質保護層5に亀裂等を生じることなく効率的に製造することができる。
本例においても、ガスセンサ素子2の構成は上記実施例1と同様であり、その他、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例においても、ガスセンサ素子2の構成は上記実施例1と同様であり、その他、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施例3)
本例は、図9、図10に示すごとく、発熱部401における長手方向の他方端P2から長手方向の他方側L2へ多孔質保護層5が突出した突出部52のうち、所定厚みt以上の長手方向範囲Mの割合と、被水割れ発生率との関係を調べた例である。
ここで、多孔質保護層5の所定厚みtは、長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分すなわちガスセンサ素子2の角部において、測定される厚みである。
本例は、図9、図10に示すごとく、発熱部401における長手方向の他方端P2から長手方向の他方側L2へ多孔質保護層5が突出した突出部52のうち、所定厚みt以上の長手方向範囲Mの割合と、被水割れ発生率との関係を調べた例である。
ここで、多孔質保護層5の所定厚みtは、長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分すなわちガスセンサ素子2の角部において、測定される厚みである。
表2、図9に示すごとく、まず、上記所定厚みtを15μmとしたガスセンサ素子2において、上記突出部52の長手方向範囲Mが所定厚みt(15μm)以上の領域を60〜95%の範囲で変化させた5種類の試料を作製した。また、上記所定厚みtを30μmとしたガスセンサ素子2、及び上記所定厚みtを45μmとしたガスセンサ素子2においても、同様にそれぞれ5種類の試料を作製した。
上記所定厚みtについては、実施例2において示したセラミック材料中へのガスセンサ素子2の浸漬回数を変化させることにより調整した。すなわち、所定厚みtを15μmとする試料については、図9(A)に示すごとく、浸漬回数を2回にして2層構造とし、所定厚みtを30μmとする試料については、図9(B)に示すごとく、浸漬回数を3回にして3層構造とし、所定厚みtを15μmとする試料については、図9(C)に示すごとく、浸漬回数を4回にして4層構造とした。
また、上記長手方向範囲Mは、2回目以降の浸漬深さを調整することにより、調整した。
また、上記長手方向範囲Mは、2回目以降の浸漬深さを調整することにより、調整した。
なお、これらのガスセンサ素子2は、加熱領域における長手方向に直交する断面の断面積が6.84mm2であり、上記突出部52の長さ(突出量)Aは3mmである。
これらの試料に対して、上記実施例1と同様の被水割れ試験を行った結果を、表2及び図10に示す。
これらの試料に対して、上記実施例1と同様の被水割れ試験を行った結果を、表2及び図10に示す。
表2、図10からわかるように、上記長手方向範囲Mの割合が大きくなるほど、被水割れの発生率は低下し、突出部52の所定厚みtが大きいほど、被水割れの発生率は低下する。しかし、突出部52の所定厚みtが15μmの試料については、長手方向範囲Mの割合を95%と大きくしても、被水割れが発生した。また、突出部52の所定厚みtが30μmの試料及び45μmの試料については、長手方向範囲Mの割合が80%以上のとき、被水割れを防ぐことができている。
以上の結果から、長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分において、多孔質保護層5が突出した突出部52は、長手方向の80%以上の範囲が、30μm以上の厚みを有していることが好ましいことが分かる。
なお、上記実施例2に示したような製造方法を採用する場合、どうしても傾斜状の端部51(図4参照)ができるため、上記長手方向範囲Mを95%よりも大きくすることは困難である。
したがって、突出部52は、長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分において、長手方向の80〜95%の範囲が、30μm以上の厚みを有していることが好ましいということとなる。
なお、上記実施例2に示したような製造方法を採用する場合、どうしても傾斜状の端部51(図4参照)ができるため、上記長手方向範囲Mを95%よりも大きくすることは困難である。
したがって、突出部52は、長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分において、長手方向の80〜95%の範囲が、30μm以上の厚みを有していることが好ましいということとなる。
1 ガスセンサ
2 ガスセンサ素子
3 センサ基板
31 固体電解質体
32A、B 電極
4 ヒータ基板
401 発熱部
402 リード部
41 セラミックス体
42 発熱体
5 多孔質保護層
51 端部
A 突出量
L 長手方向
L1 一方側
L2 他方側
2 ガスセンサ素子
3 センサ基板
31 固体電解質体
32A、B 電極
4 ヒータ基板
401 発熱部
402 リード部
41 セラミックス体
42 発熱体
5 多孔質保護層
51 端部
A 突出量
L 長手方向
L1 一方側
L2 他方側
Claims (4)
- 酸素イオン導電性を有する固体電解質体の両表面に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、電気絶縁性を有するセラミックス体に通電により発熱する発熱体を設けてなるヒータ基板とを積層してなるガスセンサ素子において、
上記発熱体は、導体を蛇行させて形成した発熱部と、該発熱部の両端から引き出した導体によるリード部とを有しており、
上記ガスセンサ素子は、その長手方向の一方側に、上記発熱部と上記センサ基板とが対向する加熱領域を有しており、該加熱領域の全体は、セラミックス粒子による多数の気孔を形成してなる多孔質保護層によって被覆してあり、
上記多孔質保護層における上記長手方向の他方端は、上記発熱部における上記長手方向の他方端から、上記長手方向の他方側に向けて3mmの範囲内で突出していることを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1において、上記発熱部における上記長手方向の他方端から該長手方向の他方側へ上記多孔質保護層が突出した突出部は、上記長手方向に直交する断面において最も薄くなる部分において、上記長手方向の80〜95%の範囲が、30μm以上の厚みを有していることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1又は2において、上記多孔質保護層は、上記長手方向の他方側の端部が、該長手方向の他方側に向かって厚みが縮小する傾斜状又は段差状に形成してあることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ素子を製造する方法において、
上記セラミックス粒子を溶媒に含有させたセラミックス材料中に上記ガスセンサ素子を浸漬する浸漬工程と、上記ガスセンサ素子の表面に付着したセラミックス材料を乾燥させる乾燥工程とを、2〜5回繰り返した後に熱処理を行って上記多孔質保護層を形成することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
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