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JP2009069757A - 熱現像感光シート - Google Patents

熱現像感光シート Download PDF

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JP2009069757A JP2007240716A JP2007240716A JP2009069757A JP 2009069757 A JP2009069757 A JP 2009069757A JP 2007240716 A JP2007240716 A JP 2007240716A JP 2007240716 A JP2007240716 A JP 2007240716A JP 2009069757 A JP2009069757 A JP 2009069757A
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Abstract

【課題】本発明の目的は、小型かつ低コストの熱現像装置により、熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを迅速に熱現像した場合でも、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れる熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを提供することにある。
【解決手段】支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に有機銀塩、ハロゲン化銀粒子、バインダー及び還元剤を含有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートに関する。
従来、医療や印刷製版の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、熱を加えるだけで画像形成ができる熱現像感光材料が実用化され、上記分野で急速に普及して来ている。
この熱現像感光材料は、通常、熱現像処理機と呼ばれる熱現像感光材料に安定した熱を加えて画像を形成する熱現像処理装置(以下、熱現像装置ともいう)により処理される。上述したように、近年の急速な普及に伴い、この熱現像装置も多種多量に市場に供給されて来た。又、近年、レーザイメージャのコンパクト化や処理の迅速化に対応でき、更にデジタルマンモグラフィーにも対応可能な、画像濃度が高く、高品質のドライフィルムが要望されている。
ところが、コンパクトなイメージャーを使用して迅速現像を行った場合、十分な画像濃度を得ることが困難となり、又、熱現像時の搬送性にも問題を生じた。
一方、従来より熱現像感光材料においては、搬送性を改良するために滑り剤を使用して摩擦係数を調整したり、感光性層側最表面やバックコート層側最表面の表面粗さを調整することが知られている(例えば特許文献1、2、3参照)。また熱現像後の表裏判別性の向上のためや、画像濃度むら、画像保存安定性の向上のために、表面光沢度や画像形成層や中間層の膜厚分布の変動係数を調整することが知られている(例えば特許文献4、5、6、7参照)。
特開2004−219794号公報 特開2004−334077号公報 特開2005−346026号公報 特開2002−333686号公報 特開2004−012579号公報 特開2006−227599号公報 特開2007−101733号公報
小型で低コストかつファーストプリントも早い熱現像装置が望まれており、これらの熱現像装置を使用して迅速処理を行った場合、従来からの課題であった画像濃度の向上、熱現像時の搬送性の向上に加えて、熱現像時の熱現像装置の機内汚染が発生するという問題が新たに発生した。またマンモグラフィー用途としては画像濃度4.0以上が必要であるが、画像濃度が4.0を超えた場合にはシート全体で見た場合の銀色調が劣化するという問題が新たに発生した。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、小型かつ低コストの熱現像装置により、熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを迅速に熱現像した場合でも、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れる熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、熱現像装置の機内汚染、搬送性、銀色調の改良について検討した結果、熱現像感光シート全体にわたって、感光性層側最表面の表面光沢度や表面粗さ、感光性層の膜厚の変動を小さくし、均一化することで、熱現像装置内の機内汚染の発生、搬送性、銀色調が大きく改良されることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
2.支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
3.支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層およびその上に設けられる非感光性層の合計膜厚の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
4.前記感光性層上の非感光性層又はバックコート層に分子量が550〜10,000の潤滑剤を含有することを特徴とする1〜3の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
5.熱現像後の画像濃度の最大値が4.0〜5.0であることを特徴とする1〜4の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
6.写真特性曲線の光学濃度1.2における階調(γ値)が2.0〜6.0であることを特徴とする1〜5の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
本発明によれば、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れる熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを提供することができる。
特に、小型かつ低コストの熱現像装置により、熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを迅速に熱現像した場合でも、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れる熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の構成要素について順次説明する。
(表面粗さの変動係数)
本発明における感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数は以下のようにして求める。熱現像を行う前の熱現像感光シートについて熱現像時の搬送方向を縦、搬送方向と直角方向を横とし、縦、横をそれぞれ5分割し全体を25の四角形に分割する。それぞれの四角形の中心(対角線の交点)において、後述する方法で中心線平均粗さ(Ra(E))を測定する(測定の単位はnm)。測定された25点について求められたRa(E)の標準偏差をRa(E)の平均値で割った値を100倍して%表示した値を変動係数とする。本発明においては感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数は5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。また感光性層側最表面の十点平均粗さ(Rz(E))の変動係数、感光性層側最表面の最大粗さ(Rt(E))の変動係数、についても7%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下が特に好ましい。
(表面光沢度の変動係数)
本発明における感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数は以下のようにして求める。熱現像を行う前の熱現像感光シートについて熱現像時の搬送方向を縦、搬送方向と直角方向を横とし、縦、横をそれぞれ5分割し全体を25の四角形に分割する。それぞれの四角形の中心(対角線の交点)において、後述する方法で表面光沢度を測定する。測定された25点について求められた表面光沢度の標準偏差を表面光沢度の平均値で割った値を100倍して%表示した値を変動係数とする。本発明においては感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数は5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
(感光性層およびその上の非感光性層の合計膜厚の変動係数)
本発明における感光性層膜厚およびその上に設けられる非感光性層の合計膜厚の変動係数は以下のようにして求める。熱現像を行う前の熱現像感光シートについて熱現像時の搬送方向を縦、搬送方向と直角方向を横とし、縦、横をそれぞれ5分割し全体を25の四角形に分割する。それぞれの四角形の中心(対角線の交点)において、電子顕微鏡を用いた断層写真をとり、感光性層およびその上に設けられた非感光性層の合計膜厚を測定する(測定単位はμm)。測定された25点について求められた感光性層と非感光性層の合計膜厚の標準偏差を感光性層および非感光性層の合計膜厚の平均値で割った値を100倍して%表示した値を変動係数とする。本発明においては感光性層と非感光性層の合計膜厚の変動係数は5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
表面粗さ、表面光沢度、感光性層および非感光性層の合計膜厚の変動係数を7%以下とすることは、感光性層およびその上に設けられる非感光性層を塗布方向および幅手方向について支持体上に均一に塗布することで達成できる。均一塗布の達成手段としては例えば以下に記載する方法を適宜組み合わせて使用することが挙げられる。
1)押しだし塗布装置のスリット部分の研磨を精密に行い塗布の幅方向での膜厚分布を均一にする
2)塗布液のレオロジー特性の経時変化を極力少なくする。架橋剤を添加してから塗布するまでの時間を極力短くする。また架橋剤として反応性の高いものは使用しない
3)マット剤分散液の分散度および分散安定性を向上させ、塗布時にマット剤の偏在がおきないようにする
4)塗布後にカレンダ処理を行う場合はコンプライアントロールとヒートロールが均一に接触するようにし、またヒートロールの温度分布も均一となるようにする。
本発明においては、本発明の目的である熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れることをよりよく達成するために、感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数が7%以下、かつ感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数が7%以下であることが好ましく、さらに、感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数が7%以下、かつ感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数が7%以下、かつ熱現像感光シートの感光性層およびその上に設けられる非感光性層の合計膜厚の変動係数が7%以下であることが特に好ましい。
(表面層)
本発明においては、感光性層が設けられた側の最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))が120〜200nmであることが好ましく、125〜180nmであることがより好ましく、130〜170nmが特に好ましい。Ra(E)をこの範囲とすることで、本発明の効果、中でも搬送性、熱現像装置の機内汚染を改善することができる。
感光性層が設けられた側の最表面の十点平均粗さRz(E)は2.8〜3.8μmであることが好ましく、3.0〜3.6μmであることがより好ましい。感光性層側最表面の最大粗さRt(E)は4.2〜5.8μmであることが好ましく、4.4〜5.6μmであることが特に好ましい。感光性層側最表面のRz(E)、Rt(E)をこの範囲とすることで、本発明の効果、中でも熱現像装置の機内汚染を改善することができる。本発明においては、(E)は感光性層側の最表面を、(B)は感光性層とは反対側のバックコート層側の最表面を表す。
バックコート層が設けられた側の最表面の中心線平均粗さ(Ra(B))は70〜150nmであることが好ましく、80〜130nmがより好ましく、90〜120nmが特に好ましい。バックコート層側表面のRa(B)をこの範囲とすることで、本発明の効果、中でも熱現像装置の機内汚染を改善することができる。バックコート層が設けられた側の最表面の十点平均粗さRz(B)は4.0〜6.0μmであることが好ましく、4.5〜5.5μmであることが特に好ましい。バックコート層が設けられた側の最表面の最大粗さRt(B)は4.0〜9.0μmであることが好ましく、5.0〜8.0μmであることが特に好ましい。バックコート層側表面のRz(B)、Rt(B)をこの範囲とすることで、本発明の効果、中でも熱現像装置の機内汚染を改善することができる。
本発明における十点平均粗さ(Rz)、最大粗さ(Rt)、中心線平均粗さ(Ra)は、以下に記載するJIS表面粗さ(B0601−1982)により定義される。十点平均粗さ(Rz)とは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に平行、かつ断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差をμmで表したものを言う。
最大粗さ(Rt)とは、粗さ曲線を基準長さLだけ抜き取り、中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定して、この値をμmで表したものを言う。中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、次の式によって求められる値をμmで表したものを言う。
Figure 2009069757
上記Rz、Rt、Raの測定方法としては、25℃・65%RH(相対湿度)環境下で測定試料同士が重ね合わない条件で24時間調湿した後、該環境下で測定した。ここで示す重ね合わない条件とは、例えば、熱現像感光材料エッジ部分を高くした状態で巻き取る方法や熱現像感光材料と熱現像感光材料の間に紙を挟んで重ねる方法、厚紙等で枠を作製しその四隅を固定する方法の何れかである。用いることのできる測定装置としては、例えばWYKO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システム等を挙げることができる。
熱現像感光材料の表面と裏面のRz、Rt、Raについては、下記に示す技術手段を適宜組み合わせて用いることで容易に調整できる。
1)感光性層を有する側の層、感光性層を有する側と反対面の層に含まれるマット剤(無機又は有機粉末)の種類、平均粒径、添加量、表面処理方法
2)マット剤の分散条件(使用する分散機の種類、分散時間、分散に使用するビーズの種類、平均粒径、分散時に使用する分散剤の種類と量、バインダーの極性基の種類、極性基含有量)
3)塗布時の乾燥条件(塗布速度、温風の吹き出しノズルの塗布面までの距離、乾燥風量)、残留溶媒量
4)塗布液の濾過に用いるフイルターの種類、濾過時間
5)塗布後にカレンダー処理を行う場合は、その条件(例えばカレンダー温度40〜80℃、圧力4.53×103〜2.72×104kPa、ラインスピード20〜100m/分、ニップ数2〜6等)。
本発明の熱現像感光材料は、感光性層側の最表面に平均粒径が4.0〜10.0μmのマット剤を含有することが好ましく、4.5〜8.0μmのマット剤を含有することがより好ましい。又、マット剤を併用してもよいが、併用する場合は平均粒径0.3〜2.0μmのマット剤Aと平均粒径4.0〜10.0μmのマット剤Bを含有することが好ましく、0.5〜1.5μmのマット剤Aと4.5〜8.0μmのマット剤Bを含有することがより好ましい。マット剤Aとマット剤Bの質量比は99:1〜60:40であることが好ましく、95:5〜70:30がより好ましい。感光性層側の最外層に使用されるマット剤の添加量は、最外層に用いられるバインダー量(架橋剤もバインダー量に含む)に対して通常10.0〜30質量%であり、好ましくは12.0〜27質量%、より好ましくは15.0〜25質量%である。
支持体を挟んで感光性層側とは反対側の最外層に含まれるマット剤(架橋された有機樹脂であることが好ましい)の平均粒径は、好ましくは5.0〜15.0μmであり、より好ましくは7.0〜12.0μmである。添加量は、最外層に用いられるバインダー量(架橋剤もバインダー量に含む)に対して通常0.2〜10質量%であり、好ましくは0.4〜7質量%、より好ましくは0.6〜5質量%である。
又、マット剤の粒子サイズ分布の変動係数は50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となる粉末である。ここで、粒子サイズ分布の変動係数は下記の式で表される値である。
(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100
マット剤(有機又は無機粉末)の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法でもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前に有機又は無機粉末を噴霧する方法でもよい。又、複数の種類の粉末を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
本発明においては、Rz(E)/Rz(B)の値が0.1〜0.7であるのが好ましく、特に0.2〜0.6が好ましく、0.3〜0.55であるのがより好ましい。この範囲とすることで、熱現像感光材料の搬送性が良好で、熱現像時の濃度ムラの発生を抑制することができる。
熱現像感光材料は、支持体上の両側に複数の種類のマット剤を含有する構成層を有することが、画像の画質の向上の観点から好ましい。感光性層を有する側のマット剤を含有する層に含有させるマット剤の最大の平均粒径を持つものの平均粒径をLe(μm)、支持体を挟んで感光性層を有する側と反対側、即ちバックコート層を有する側のマット剤を含有する層に含有させるマット剤の最大の平均粒径を持つものの平均粒径をLb(μm)とする時、Lb/Leが2.0〜10であることが好ましく、より好ましくは3.0〜4.5である。Lb/Leをこの範囲とすることで、熱現像時の濃度ムラを改良することができる。又、本発明の画像形成方法においてはRz(E)/Ra(E)の値は好ましくは12以上、60以下であり、より好ましくは14以上、50以下である。Rz(E)/Ra(E)の値をこの範囲とすることで、熱現像時の濃度ムラ及び経時での保存特性を改良することができる。
又、本発明においては、Rz(B)/Ra(B)の値は好ましくは25〜65であり、より好ましくは30〜60である。Rz(B)/Ra(B)の値をこの範囲とすることで、熱現像時の濃度ムラ及び経時での保存特性を改良することができる。前記した表面粗さについては以下の方法で行った。
(表面粗さの評価)
熱現像処理前の試料について、非接触3次元表面解析装置(WYKO社製RST/PLUS)を用いて、以下に示す方法により測定した。
1)対物レンズ:×10.0 中間レンズ:×1.0
2)測定範囲:463.4μm×623.9μm
3)ピクセルサイズ:368×238
4)フィルター:円筒補正と傾き補正
5)スムージング:ミディアムスムージング
6)スキャンスピード:Low
尚、Ra、Rz、Rtの定義はJIS表面粗さ(前出:B0601−1982)に従った。
測定は10cm×10cmの各試料を1cm間隔で碁盤目状に100分割し、各正方形領域の中心について測定を行い、100回の測定から、その平均値を求めた。
本発明では、マット剤を含有する層が最外層である場合が好ましい態様の一つである。即ち、熱現像感光材料の感光性層側、又、支持体を挟んで感光性層の反対側に非感光性層を設けた場合にも、最外層に表面粗さをコントロールする等の為にマット剤として有機又は無機粉末を用いることが好ましい。
本発明に用いられる粉末は、モース硬度が5以上の粉末であることが好ましい。粉末としては、公知の無機質粉末や有機質粉末を適宜選択して使用することができる。無機質粉末としては、例えば酸化チタン、窒化硼素、SnO2、SiO2、Cr23、α−Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、石榴石、ガーネット、マイカ、珪石、窒化珪素、炭化珪素等を挙げることができる。有機質粉末としては、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、テフロン(登録商標)等の粉末を挙げることができる。
本発明において、支持体を挟んで感光性層と反対側に設けられるバックコート層には、マット剤として有機質粉末を用いることが好ましく、有機ポリマー粒子を用いることがより好ましく、3次元架橋されたPMMAを用いることが特に好ましい。有機ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は130〜150℃とすることが好ましい。Tgをこの範囲とすることで、熱現像装置内の汚れの発生を抑えることができる。
一方、感光性層上の非感光性層には、マット剤として無機質粉末を用いることが好ましい。無機質粉末の中でも好ましいのは、SiO2、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al23、α−Fe23、α−FeOOH、Cr23、マイカ等の無機粉末であり、その中でも、SiO2、α−Al23が好ましく、特に好ましいのはSiO2(酸化錫)である。
本発明においては、マット剤として前記した有機ポリマー粒子と無機粉末を併用することが好ましい。これらのマット剤が含まれる層中での、有機ポリマー粒子と無機粉末の併用比率は質量比で10:90〜90:10であることが好ましく、20:80〜80:20がより好ましく、30:70〜70:30であることが特に好ましい。
本発明においては、前記粉末が例えば表面処理されていることが好ましい。表面処理層形成は、無機質粉末素材を乾式粉砕後、水と分散剤を加え、湿式粉砕、遠心分離により粗粒分級が行われる。その後、微粒スラリーは表面処理槽に移され、ここで金属水酸化物の表面被覆が行われる。まず、所定量のAl、Si、Ti、Zr、Sb、Sn、Zn等の塩類水溶液を加え、これを中和する酸又はアルカリを加えて生成する含水酸化物で無機質粉末粒子表面を被覆する。副生する水溶性塩類は、デカンテーション、濾過、洗浄により除去し、最終的にスラリーpHを調節して濾過し、純水で洗浄する。洗浄済みケーキは、スプレードライヤー又はバンドドライヤーで乾燥される。最後に、この乾燥物は、ジェットミルで粉砕され製品になる。又、水系ばかりでなくAlCl3、SiCl4の蒸気を非磁性無機質粉末に通じ、その後、水蒸気を流入してAl、Si表面処理を施すことも可能である。その他の表面処理法については、「Characterization of Powder Surfaces」,Academic Pressを参考にできる。
本発明では、粉末がSi化合物又はAl化合物により表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理の為された粉末を用いると、マット剤分散時の分散状態を良好にすることができる。前記Si又はAlの含有量としては、前記粉末に対してSiが0.1〜10質量%、Alが0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくはSiが0.1〜5質量%、Alが0.1〜5質量%であり、特に好ましくはSiが0.1〜2質量%、Alが0.1〜2質量%である。又、Si/Al<1(質量比)であるのがよい。表面処理に関しては、特開平2−83219号に記載の方法により行うことができる。
尚、本発明における粉末の平均粒径とは、球状粉末においては、その平均直径を、針状粉末においては、その平均長軸長を、板状粉末においては、その板状面の最大の対角線の長さの平均値を、それぞれ意味し、電子顕微鏡による測定から容易に求められる。
(表面光沢度)
本発明においては、感光性層が設けられた側の最表面の表面光沢度が40〜70であることが好ましく、より好ましくは43〜67、特に好ましくは45〜65である。またバックコート側最表面の表面光沢度が感光性層側最表面の表面光沢度より大きく、その差は25〜45であることが好ましく、より好ましくはその差は27〜43であり、特に好ましくは30〜40である。表面光沢度をこの範囲に調整することで本発明の効果である熱現像時の搬送性および熱現像装置内の機内汚染の発生を防止することに効果がある。本発明における光沢度および光沢度の測定方法は、JIS K 7105に規定される光沢度およびその測定方法を意味する。なお本発明においては20度鏡面光沢度を用いた。また感光層側最表面やバックコート層側最表面の表面光沢度の調整については公知の手段を用いることで実施可能であるが例えば下記に示す技術手段を適宜組み合わせて用いることができる。
1)感光性層を有する側の層、感光性層を有する側と反対面の層に含まれるマット剤(無機又は有機粉末)の種類、平均粒径、添加量、表面処理方法
2)マット剤の分散条件(使用する分散機の種類、分散時間、分散に使用するビーズの種類、平均粒径、分散時に使用する分散剤の種類と量、バインダーの極性基の種類、極性基含有量)
3)マット剤の分散液を感光性乳剤液に添加する前に超音波処理等による再分散を行う
4)マット剤の分散液を感光性乳剤液に添加した時点から実際に塗布されるまでの時間を制御する
5)塗布液の濾過に用いるフイルターの種類、濾過時間
6)塗布時の乾燥条件(塗布速度、温風の吹き出しノズルの塗布面までの距離、乾燥風量)、残留溶媒量
7)塗布後にカレンダー処理を行う場合は、その条件(例えばカレンダー温度40〜80℃、圧力4.53×103〜2.72×104kPa、ラインスピード20〜100m/分、ニップ数2〜6等)。
(潤滑剤)
本発明においては、潤滑剤として分子量が550以上の潤滑剤を用いることが搬送性の向上や熱現像装置内の機内汚染の発生をなくすために好ましい。潤滑剤として好ましく用いられるのは、多価アルコールの脂肪酸エステルであり、特に分子量が550以上である多価アルコールの脂肪酸エステルを用いることが好ましい。分子量は、好ましくは700以上、より好ましくは800以上である。分子量の上限は本願の目的を達成できるものであれば特に制限はないが、通常10,000以下、好ましくは7,000以下、より好ましくは5,000以下である。分子量を550以上とすることで、本発明の効果の中でも特に熱現像装置内の機内汚染を顕著に改良することができる。ここで、ポリマータイプの潤滑剤の場合、分子量は、質量平均分子量のことをさす。質量平均分子量は光散乱法により求めることができる。
潤滑剤は分子量が550以上であれば構造は特に限定されないが、パラフィン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、珪素含有ポリマーがより好ましい。珪素含有ポリマーとしては珪素含有アクリル系グラフトポリマーが好ましく、例えば特開2003−15259号の段落「0018」に記載された化合物を用いることができる。これらの中では、特に脂肪酸エステルが好ましく、更に多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
又、多価アルコールの脂肪酸エステルを用いる場合は、全てエステル化されていても、一部ヒドロキシル基が残存していてもよい。一分子中に2個以上のエステル基を含有する脂肪酸エステルが好ましく、3個以上のエステル基を含有する脂肪酸エステルがより好ましい。
本発明で用いられる潤滑剤としては、例えばトリオレイン(グリセリントリオレート)、グリセリントリラウレート、グリセリントリパルミテート、グリセリントリステアレート、グリセリントリベヘネート、ラウリン酸−i−トリデシル、ミリスチン酸−i−トリデシル、パルミチン酸−i−トリデシル、ステアリン酸−i−トリデシル、アラキジン酸−i−トリデシル、エルカ酸−i−トリデシル、ベヘン酸−i−トリデシル、トリ−i−ラウリン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−ミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−パルミチン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−ステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−エルカ酸トリメチロールプロパン、トリ−i−アラキジン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−オレイン酸トリメチロールプロパン、トリ−i−ベヘン酸トリメチロールプロパン、ヘキサ−i−ステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサ−i−パルミチン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサ−i−ミリスチン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサ−i−ベヘン酸ジペンタエリスリチル、特開2004−334077号の表1〜表3に記載の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
潤滑剤は感光性層上の非感光性層又はバックコート層に含まれるが、感光性層上の非感光性層及びバックコート層の両層に含まれることが、より好ましい。本発明におけるバックコート層は、支持体上の感光性層が設けられた側とは反対側に設けられる層を意味し、バックコート側下引層、バックコート層保護層もバックコート層に含まれるものとする。潤滑剤は、感光性層上の非感光性層においては、その最上層に、バックコート層の中でも、バックコート保護層に含まれることが、より好ましい。
感光性層上の非感光性層やバックコート層への潤滑剤の添加量は、用いられる層に含まれるバインダー(硬化剤が含まれる場合は硬化剤もバインダーに含める)の0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
(写真特性曲線)
本発明において写真特性曲線とは、露光エネルギーである露光量の常用対数(logE)を横軸にとり、光学濃度、即ち散乱光写真濃度(D)を横軸にとって両者の関係を表したD−logE曲線のことを言う。又、ガンマ(γ)値とは、特性曲線上の光学濃度D=1.2における接線の傾き(この接線と横軸のなす角をθとする時のtanθ)のことである。
写真特性曲線の光学濃度1.2におけるガンマ値は、2.0〜6.0が好ましく、3.5〜5.5が特に好ましい。光学濃度1.2におけるガンマ値を、この範囲にすることで高速で搬送しながら熱現像を行っても現像ムラのレベルを良好に保つことができ、又、銀量が少なくても診断認識性の高い画像を得ることが可能となる。
本発明において、ガンマ値を2.0〜6.0に調整するためには、下記の技術を適宜組み合わせて用いれば容易である。
1)現像剤の種類及び添加量を変える
2)省銀化剤の種類及び添加量を変える
3)ハロゲン化銀の添加量、平均粒子サイズを変える
4)ハロゲン化銀に吸着させる分光増感色素の種類や添加量を変化させる
5)ハロゲン化銀の化学増感の方法や熟成程度を変化させる。
感光性層の乾燥膜厚は9.0〜16.0μmであることが好ましいが、9.5〜14.0μmがより好ましく、10.0〜13.0μmが特に好ましい。これにより、最高濃度が高く、画像保存性にも優れる効果を奏することができ好ましい。又、熱現像感光材料の支持体の少なくとも一方の面上に設けられる感光性層と非感光性層の乾燥膜厚の合計は12.0〜19.0μmが好ましく、14.0〜18.0μmであることが特に好ましい。熱現像後の画像濃度ムラや鮮鋭性を向上させるためには、熱現像後の画像濃度の最大値は4.0〜5.0であることが好ましいが、4.0〜4.8がより好ましく、4.2〜4.6が特に好ましい。
(有機銀塩)
本発明に係る有機銀塩とは、熱現像感光材料の感光性層において銀画像を形成するための銀イオンを供給する供給源として機能し得る非感光性の有機銀塩である。即ち、露光によって形成された潜像を粒子表面上に有する感光性ハロゲン化銀粒子(光触媒)及び還元剤の存在下で、80℃あるいはそれ以上に加熱された熱現像過程で銀イオン供給源として機能して銀イオンを供給し、銀画像形成に寄与することができる銀塩である。
このような非感光性有機銀塩については、従来、種々の化学構造を有する有機化合物の銀塩が知られており、例えば特開平10−62899号の段落「0048」〜「0049」、欧州特許出願公開803,764A1号の18頁24行〜19頁37行、同962,812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2002−23301号、同2002−23303号、同2002−49119号、196446号、欧州特許出願公開1246001A1号、同1258775A1号、特開2003−140290号、同2003−195445号、同2003−295378号、同2003−295379号、同2003−295380号、同2003−295381号、特開2003−270755号等に記載されている。
本発明においては、上記の特許公報等に開示されている各種有機銀塩と併用して、又は併用せずに、脂肪族カルボン酸の銀塩、特に炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩を用いることができる。銀塩を生成するための脂肪族カルボン酸の分子量は好ましくは200〜500であり、より好ましくは250〜400である。脂肪族カルボン酸銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、及びこれらの混合物などを含む。
本発明においては、これら脂肪族カルボン酸銀の中でも、全脂肪族カルボン酸銀に対してベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜99.99モル%の脂肪酸銀を用いることが好ましい。又、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪族カルボン酸銀塩を用いることが好ましい。
尚、脂肪族カルボン酸銀塩を調製するに先立って、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を調製することが必要だが、その際に使用できるアルカリ金属塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等がある。これらの内の1種類のアルカリ金属塩、例えば水酸化カリウムを用いることが好ましいが、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを併用することも好ましい。併用比率としては、前記の水酸化塩の両者のモル比が10:90〜75:25の範囲であることが好ましい。脂肪族カルボン酸と反応して脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩となった時に、上記の範囲で使用することで反応液の粘度を良好な状態に制御できる。
又、平均粒径が0.050μm以下のハロゲン化銀粒子の存在下で脂肪族カルボン酸銀を調製する場合には、特にアルカリ金属塩のアルカリ金属はカリウムの比率が高い方が、ハロゲン化銀粒子の溶解及びオストワルド熟成が防止されるので好ましい。又、カリウム塩の比率が高いほど、脂肪酸銀塩粒子のサイズを小さくすることができる。好ましいカリウム塩の比率は、脂肪族カルボン酸銀を製造する工程で使用する全アルカリ金属塩に対して50〜100質量%である。アルカリ金属塩の濃度は0.1〜0.3mol/Lが好ましい。
非感光性脂肪族カルボン酸銀塩の平均球相当直径は、非感光性脂肪族カルボン酸銀塩の1粒子の体積と同じ体積の球の直径を意味し、塗布後の試料を透過型電子顕微鏡により観察した粒子の投影面積と厚みから粒子体積を求め、その体積と同体積の球に換算した時の直径を平均することにより求めることができる。非感光性脂肪族カルボン酸銀塩の平均球相当直径を制御するためには、上記のように脂肪族カルボン酸銀塩の調製時にカリウム塩の比率を高くして調製することや、感光性乳剤分散液の分散時に用いるジルコニアビーズの粒径、ミル周速、分散時間を適宜調整することで容易に行うことができる。
非感光性脂肪族カルボン酸銀塩の平均球相当直径は、熱現像後に十分な濃度を得るためには0.05〜0.50μmであることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.45μm、特に好ましくは0.15〜0.40μmである。
非感光性脂肪族カルボン酸銀塩に加えて必要により使用してもよい有機銀塩としては、コア・シェル構造の有機銀塩(特開2002−23303号)、多価カルボン酸の銀塩(EP1246001号、特開2004−061948号)、ポリマー銀塩(特開2000−292881号、同2003−295378〜同2003−295381号)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、鱗片状の何れでもよい。本発明においては、鱗片状の脂肪族カルボン酸銀塩及び長軸と短軸の長さの比が5以下の短針状又は直方体状の脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく用いられる。
本明細書では、鱗片状の有機銀塩とは次のように定義する。有機銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい)時、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)とした時、x(平均)≧1.5の関係を満たすものを鱗片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5で、より好ましくは20≧x(平均)≧2.0である。因みに、針状とは1≦x(平均)<1.5である。
鱗片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01〜0.23μmが好ましく、0.1〜0.20μmがより好ましい。c/bの平均は好ましくは1〜6、より好ましくは1.05〜4、更に好ましくは1.1〜3、特に好ましくは1.1〜2である。
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては、例えば液中に分散した有機銀塩にレーザ光を照射し、その散乱光の揺らぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることで得られた粒径(体積加重平均直径)から求めることができる。
本発明に用いられる有機銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば脂肪族カルボン酸銀塩粒子は、銀イオンを含む溶液と、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液とを反応させることによって調製される。銀イオンを含む溶液は硝酸銀水溶液、脂肪族カルボン酸金属塩溶液もしくは懸濁液は水溶液もしくは水分散液であることが好ましく、その添加混合は同時に行われることが好ましく、その方法については、反応浴の液面に添加する方法、液中に添加する方法等、何れの方法で行っても構わないが、移送手段中に添加混合する方法が好ましい。移送手段中の混合とは、ラインミキシングを意味し、銀イオンを含む溶液と脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液との混合が反応物を含む混合液を貯留するバッチに入る前に行われることを特徴とする。混合部の攪拌手段は、ホモミキサー等の機械的攪拌、スタチックミキサー、乱流効果等、何れの手段を用いても構わないが、機械的攪拌を用いない方が好ましい。尚、移送手段中の混合は、銀イオンを含む溶液、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液に加えて、水、混合後バッチに貯留された混合液の循環液等、第3の液もしくは懸濁液を混合しても構わない。その他に、例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許出願公開803,763A1号、同962,812A1号、特開2001−167022号、同2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442号、同2002−31870号、同2003−280135号、同2005−157190号等を参考にすることができる。
尚、有機銀塩の分散時に、感光性ハロゲン化銀粒子のような感光性銀塩を共存させることができる。しかし、有機銀塩の分散時に、ハロゲン化銀粒子を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時にはハロゲン化銀粒子を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中でのハロゲン化銀粒子量は、その液中の有機銀塩1モルに対し1モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以下であり、更に好ましいのは積極的なハロゲン化銀粒子の添加を行わないものである。
本発明において、有機銀塩水分散液と感光性ハロゲン化銀粒子分散液を混合して熱現像感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性ハロゲン化銀粒子の割合は1〜30モル%の範囲が好ましく、更に2〜20モル%、特に3〜15モル%の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩分散液と2種以上のハロゲン化銀粒子分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましくは0.3〜3g/m2、更に好ましくは0.5〜2g/m2である。
(ハロゲン化銀粒子)
本発明に係るハロゲン化銀粒子は感光性ハロゲン化銀粒子であり、ハロゲン化銀結晶の固有の性質として本来的に光を吸収し得て、又は人為的に物理化学的な方法により可視光ないし赤外光を吸収し得て、かつ紫外光〜赤外光領域の光波長範囲内の何れかの領域の光を吸収した時に、当該ハロゲン化銀結晶内及び/又は結晶表面において物理化学的変化が起こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子を言う。
ハロゲン化銀粒子自体は、公知の方法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤(ハロゲン化銀乳剤とも言う)として調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の何れでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等の何れを用いてもよいが、上記方法の中でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を調製する、所謂コントロールド・ダブルジェット法が好ましい。
通常、ハロゲン化銀種粒子は粒子核の生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれらを連続的に行う方法でもよく、又、核(種粒子)形成と粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件であるpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコントロールド・ダブルジェット法が、粒子形状やサイズのコントロールができるので好ましい。例えば、核生成と粒子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず銀塩水溶液とハライド水溶液をゼラチン水溶液中で均一、急速に混合させ核(種粒子)生成(核生成工程)した後、コントロールされたpAg、pH等の下で銀塩水溶液とハライド水溶液を供給しつつ粒子成長させる粒子成長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形成後、脱塩工程により不要な塩類等を、ヌードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等公知の脱塩法により除くことで所望のハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
本発明において、ハロゲン化銀粒子の粒径分布は単分散であることが好ましい。ここで言う単分散とは、下記式で求められる粒径の変動係数が30%以下を言う。好ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下である。
粒径の変動係数%=(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、これらの中、特に立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒子が好ましい。
平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は、好ましくは1.5〜100、より好ましくは2〜50である。これらについては、米国特許5,264,337号、同5,314,798号、同5,320,958号に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
ハロゲン化銀粒子外表面の晶癖については特に制限はないが、ハロゲン化銀粒子表面への増感色素の吸着反応において、晶癖(面)選択性を有する増感色素を使用する場合には、その選択性に適応する晶癖を相対的に高い割合で有するハロゲン化銀粒子を使用することが好ましい。例えば、ミラー指数〔100〕の結晶面に選択的に吸着する増感色素を使用する場合には、ハロゲン化銀粒子外表面において〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。尚、ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.29,165(1985年)により求めることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀粒子は、該粒子形成時に平均分子量5万以下の低分子量ゼラチンを用いて調製することが好ましいが、特にハロゲン化銀粒子の核形成時に用いることが好ましい。低分子量ゼラチンは、平均分子量5万以下のものが好ましく、より好ましくは2万〜4万であり、特に好ましくは5千〜2万5千である。ゼラチンの平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定することができる。低分子量ゼラチンは、通常用いられる平均分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素を加えて酵素分解したり、酸又はアルカリを加えて加熱し加水分解したり、大気圧下又は加圧下での加熱により熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方法を併用したりして得ることができる。
核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのがより好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、該粒子形成時に下記の一般式で表される化合物を用いることが好ましい。
YO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)p(CH2CH2O)n
式中、Yは水素原子、−SO3M、又は−CO−B−COOMを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基又は炭素原子数5以下のアルキル基で置換されたアンモニウム基を表し、Bは有機2塩基性酸を形成する鎖状又は環状の基を表す。m及びnは各々0〜50を表し、pは1〜100を表す。
上記一般式で表されるポリエチレンオキシド化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造するに際し、ゼラチン水溶液を製造する工程、ゼラチン溶液に水溶性ハロゲン化物及び水溶性銀塩を添加する工程、乳剤を支持体上に塗布する工程等、乳剤原料を撹拌したり、移動したりする場合の著しい発泡に対する消泡剤として好ましく用いられて来たものであり、消泡剤として用いる技術は、例えば特開昭44−9497号に記載されている。該ポリエチレンオキシド化合物は核形成時の消泡剤としても機能する。上記一般式で表される化合物は銀に対して1質量%以下で用いるのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%で用いる。
上記ポリエチレンオキシド化合物は核形成時に存在していればよく、核形成前の分散媒中に予め加えておくのが好ましいが、核形成中に添加してもよいし、核形成時に使用する銀塩水溶液やハライド水溶液に添加して用いてもよい。好ましくは、ハライド水溶液もしくは両方の水溶液に0.01〜2.0質量%で添加して用いることである。又、上記ポリエチレンオキシド化合物は、核形成工程の少なくとも50%に亘る時間で存在させるのが好ましく、更に好ましくは70%以上に亘る時間で存在させる。上記ポリエチレンオキシド化合物は粉末で添加しても、メタノール等の溶媒に溶かして添加してもよい。
尚、核形成時の温度は、通常、5〜60℃、好ましくは15〜50℃であり、一定の温度であっても、昇温パターン(核形成開始時の温度が25℃で、核形成中徐々に温度を上げ、核形成終了時の温度が40℃の様な場合)や、その逆のパターンであっても前記温度範囲内で制御するのが好ましい。
核形成に用いる銀塩水溶液及びハライド水溶液の濃度は3.5モル/L以下が好ましく、更には0.01〜2.5モル/Lの低濃度域で使用されるのが好ましい。核形成時の銀イオンの添加速度は、反応液1L当たり1.5×10-3〜3.0×10-1モル/分が好ましく、更に好ましくは3.0×10-3〜8.0×10-2モル/分である。
核形成時のpHは、通常1.7〜10の範囲に設定できるが、アルカリ側のpHでは形成する核の粒径分布を広げてしまうので、好ましくはpH2〜6である。又、核形成時のpBrは通常0.05〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.5、より好ましくは1.5〜2.0である。
本発明において、ハロゲン化銀粒子の平均粒径は、通常10〜50nm、好ましくは10〜40nmであり、より好ましくは10〜35nmである。ハロゲン化銀粒子の平均粒径を、この範囲にすることで、画像濃度の低下や、光照射画像保存性(熱現像によって得た画像を明室で診断等のために使用したり、明室に保管した場合の保存性)の劣化を抑制することができる。
ここで言う平均粒径とは、ハロゲン化銀粒子乳剤中に含まれているハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体の所謂、正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さを言う。又、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には、主表面の投影面積と同面積の円像に換算した時の直径を言う。その他、正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、当該ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えた時の直径を粒径として算出する。測定は電子顕微鏡写真を用いて行い、300個の粒子の粒径の測定値を平均することで平均粒径を求めた。
又、本発明においては、平均粒径が55〜100nmであるハロゲン化銀粒子と平均粒径が10〜50nmであるハロゲン化銀粒子とを併用することで、画像濃度の階調を調整することができる他、画像濃度を向上させたり、経時での画像濃度低下を改善(小さく)することができる。平均粒径が10〜50nmであるハロゲン化銀粒子と平均粒径が55〜100nmであるハロゲン化銀粒子との割合(質量比)は、95:5〜50:50が好ましく、より好ましくは90:10〜60:40である。
尚、上記のように、2種の平均粒径のハロゲン化銀粒子乳剤を用いる場合には、当該2種のハロゲ化銀乳剤を混合して、感光性層に含有させてもよい。又、階調調整等のために、感光性層を2層以上の層で構成し、それぞれの層に、当該2種の平均粒径のハロゲン化銀粒子乳剤を別個に含有させることも好ましい。
(沃化銀含有量が5〜100モル%のハロゲン化銀粒子)
本発明に係るハロゲン化銀粒子としては、沃化銀を含有するハロゲン化銀粒子を使用するのが好ましい。ハロゲン組成としては、沃化銀含有量が5〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%である。沃化銀含有率がこの範囲であれば、粒子内ハロゲン組成分布が均一であっても、段階的に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したものでもよい。
又、内部及び/又は表面に沃化銀含有率が高いコア・シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア・シェル粒子である。
ハロゲン化銀粒子に沃化銀を導入する方法としては、粒子形成中に沃化アルカリ水溶液を添加する方法、微粒子沃化銀、微粒子沃臭化銀、微粒子沃塩化銀、微粒子沃塩臭化銀の内、少なくとも一つの微粒子を添加する方法、特開平5−323487号及び同6−11780号に記載の沃化物イオン放出剤を用いる方法などが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、350〜440nmの範囲の波長に沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を示すことが好ましい。これらハロゲン化銀が直接遷移の光吸収を持っているかどうかは、400〜430nm付近に直接遷移に起因する励起子吸収が見られることで容易に区別することができる。
(熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、特開2003−270755号、同2005−106927号に開示される熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子、即ち熱現像によって表面潜像型から内部潜像型に変換することにより表面感度が低下するハロゲン化銀粒子であることが好ましい。換言すると、熱現像前の露光では、現像反応(銀イオン還元剤による銀イオンの還元反応)の触媒として機能し得る潜像を該ハロゲン化銀粒子の表面に形成し、熱現像過程経過後の露光では、該ハロゲン化銀粒子の表面より内部に多くの潜像を形成するようになるため、表面における潜像形成が抑制されるハロゲン化銀粒子であることが、感度及び画像保存性上、好ましい。
熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、通常の表面潜像型ハロゲン化銀粒子と同様に、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルの範囲で使用するのが好ましい。
(ハロゲン化銀粒子両親媒性分散物)
熱現像感光材料の製造過程においては、写真性能、色調を改良するという観点から、ハロゲン化銀粒子の凝集を防止し、比較的均一にハロゲン化銀粒子を分散させ、最終的に現像銀を所望の形状に制御できるようにすることが好ましい。
凝集防止、均一分散等のため、用いられるゼラチンは、使用条件等に応じて、ゼラチンが有するアミノ基やカルボキシル基などの親水性基を化学修飾し、ゼラチンの特性を改変させたものが好ましい。例えばゼラチン分子内のアミノ基の疎水化修飾としては、フェニルカルバモイル化、フタル化、琥珀化、アセチル化、ベンゾイル化、ニトロフェニル化などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。又、これらの置換率は95%以上が好ましく、更に好ましくは99%以上である。又、カルボキシル基の疎水化修飾を組み合わせてもよく、メチルエステル化やアミド化などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。カルボキシル基の置換率は50〜90%が好ましく、更に好ましくは70〜90%である。ここで、上記の疎水化修飾の疎水基とは、ゼラチンのアミノ基及び/又はカルボキシル基を置換することによって、疎水性が増す基のことを言う。
又、ハロゲン化銀粒子乳剤は、ゼラチンの代わりに又はゼラチンとの併用において、下記のような水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーを使用して調製することも、目的によっては好ましい。例えば、ハロゲン化銀粒子乳剤を有機溶媒系に均一に分散させて塗布するような場合に特に好ましい。尚、有機溶媒としては、アルコール系、エステル系、ケトン系の化合物が挙げられる。特に、ケトン系有機溶媒、例えばメタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が好ましい。
上記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、天然ポリマー、合成ポリマー及びコポリマーの何れであってもよい。例えばゼラチン類、ゴム類等を改質して本発明の範疇に属するよう改質したものを用いることもできる。又は以下の分類に属するポリマーを、凝集防止、均一分散等の目的に適する官能基を導入して用いることが可能である。上記ポリマーとしては、特開2005−316054号の段落「0018」に記載のポリマーが挙げられる。
当該ポリマーは、同一の状態で水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーでもよいが、pHの制御や温度の制御で水や有機溶媒に溶解させたり、不溶化したり出来るものも含まれる。例えばカルボキシル基のような酸性基を有するポリマーは、種類によっては解離状態では親水性となるが、pHを下げ非解離状態にすると親油性となり溶剤に可溶にできる。逆に、アミノ基を有するポリマーは、pHを上げると親油性となり、pHを下げるとイオン化し水溶性が上昇する。ノニオン活性剤では曇点の現象がよく知られているが、温度の上昇で親油性になり有機溶媒に可溶となり、温度の低下で親水性、即ち水に溶解できるような性質を有する感温性ポリマー(有名な感温性ポリマーとして、ポリ−N−i−プロピルアクリルアミド及びそのコポリマー等がある)も本発明に含まれる。完全に溶解しなくともミセルを形成し均一に乳化できればよい。
各種のモノマーを組み合わせるため、一概に、どのモノマーをどの程度用いるのが良いかは述べられないが、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを適当な割合で組み合わせることで所望のポリマーが得られることは容易に理解できる。
前記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、前記の如きpH等の溶解時の条件の調整により、あるいは未調整でもよいが、水に対して少なくとも1質量%以上(25℃)の溶解度を有し、かつ有機溶剤としてメチルエチルケトンに5質量%以上(25℃)の溶解度を有するものが好ましい。
本発明に用いる水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、溶解性の観点から、直鎖のポリマーよりも所謂ブロックポリマー、グラフトポリマー、櫛型ポリマー等が適している。特に櫛型ポリマーは好ましい。尚、ポリマーの等電点はpH6以下であることが好ましい。
櫛型ポリマーを製造する場合は、各種の手法を用いることができるが、櫛部(側鎖)に200以上の分子量の側鎖を導入できるモノマーを用いることが望ましい。特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等、ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましい。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、特に特開2005−316054号の段落「0022」〜「0024」に記載されたポリオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
又、市販品のモノマーとしては、同上特許の段落「0025」に記載されたモノマー等が挙げられる。
ポリマーとしては、所謂マクロマーを使用したグラフトポリマーを用いることもできる。例えば、”新高分子実験学2,高分子の合成・反応”高分子学会編,共立出版社,1995に記載されている。又、山下雄也著”マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー刊,1989にも詳しく記載されている。マクロマーの内、有用な分子量は1万〜10万の範囲、好ましい範囲は1万〜5万、特に好ましい範囲は1万〜2万の範囲である。良好な効果の発揮、主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性の観点から上記範囲が好ましい。具体的に、東亞合成社製のAA−6、AS−6S、AN−6S等が用られる。
尚、本発明が上記具体例によって何等限定されないことは勿論である。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーは、1種類だけを用いても2種類以上を同時に用いても構わない。
上記モノマーと具体的に反応させる他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリルエステル類、アリルオキシエタノール類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル、フマール酸のモノ(又はジ)アルキルエステル類等、その他、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等が挙げられる。具体的な例としては特開2005−316054号の段落「0029」、「0030」に記載された化合物が挙げられる。重合開始剤、重合禁止剤、ポリマーの等電点、重合時に使用する溶剤の種類、ポリマーの分子量等については、特開2005−316054号の段落「0031」〜「0039」に記載されている。
以下に、両親媒性ポリマーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
(化学増感)
感光性ハロゲン化銀粒子には化学増感を施すことができる。例えば特開2001−249428号及び同2001−249426号に記載される方法等により、硫黄、セレン、テルル等のカルコゲンを放出する化合物や金イオン等の貴金属イオンを放出する貴金属化合物の利用により、感光性ハロゲン化銀粒子又は当該粒子上の分光増感色素の光励起によって生じた電子又は正孔(ホール)を捕獲することができる化学増感中心(化学増感核)を形成付与できる。特に、カルコゲン原子を含有する有機増感剤により化学増感されるのが好ましい。これらカルコゲン原子を含有する有機増感剤は、ハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物であることが好ましい。
これらの有機増感剤としては、特開昭60−150046号、特開平4−109240号、同11−218874号、同11−218875号、同11−218876号、同11−194447号等に開示されている種々の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、それらの内、カルコゲン原子が炭素原子又は燐原子と二重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも1種であることが好ましい。特に、複素環基を有するチオ尿素誘導体及びトリフェニルホスフィンサルファイド誘導体等が好ましい。
化学増感を施す方法としては、従来の湿式処理用のハロゲン化銀感光材料の製造の際に慣用されている種々の化学増感技術に準じた技術が使用できる(T.H.James編:The Theory of the Photographic Process,第4版,Macmillan Publishing Co.,Ltd.1977、日本写真学会編:写真工学の基礎(銀塩写真編),コロナ社,1979等)。特に、ハロゲン化銀粒子乳剤に予め化学増感を施し、その後に非感光性有機銀塩粒子と混合する場合には、従来の慣用方法により化学増感を施すことができる。
有機増感剤としてのカルコゲン化合物の使用量は、使用するカルコゲン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学増感を施す際の反応環境などにより変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-7〜10-3モルを用いる。
化学増感を施す際の環境条件としては特に制限はないが、感光性ハロゲン化銀粒子上のカルコゲン化銀又は銀核を消滅或いはそれらの大きさを減少させ得る化合物の存在下において、又、特に銀核を酸化し得る酸化剤の共存下において、カルコゲン原子を含有する有機増感剤を用いてカルコゲン増感を施すことが好ましい場合がある。この場合の増感条件は、pAgとしては6〜11が好ましく、より好ましくは7〜10であり、pHは4〜10が好ましく、より好ましくは5〜8、又、温度としては30℃以下で増感を施すことが好ましい。
又、これらの有機増感剤を用いた化学増感は、分光増感色素又はハロゲン化銀粒子に対して、吸着性を有するヘテロ原子含有化合物の存在下で行われることが好ましい。ハロゲン化銀に吸着性を有する化合物の存在下化学増感を行うことで、化学増感中心核の分散化を防ぐことができ、高感度、低カブリを達成できる。分光増感色素については後述するが、ハロゲン化銀に吸着性を有するヘテロ原子含有化合物とは、特開平3−24537号に記載されている含窒素複素環化合物が好ましい例として挙げられる。
含窒素複素環化合物における複素環としては、例えばピラゾール、ピリミジン、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ピリダジン、1,2,3−トリアジンの各環、これらの環が2〜3個結合した環、例えばトリアゾロトリアゾール、ジアザインデン、トリアザインデン、ペンタアザインデン環などを挙げることができる。単環の複素環と芳香族環の縮合した複素環、例えばフタラジン、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンズチアゾール環なども適用できる。これらの中で好ましいのはアザインデン環であり、かつ置換基としてヒドロキシル基を有するアザインデン化合物、例えばヒドロキシトリアザインデン、テトラヒドロキシアザインデン、ヒドロキシペンタアザインデン化合物等が更に好ましい。
複素環にはヒドロキシル基以外の置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルキルチオ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基などを有してもよい。
これら含複素環化合物の添加量は、ハロゲン化銀粒子の大きさや組成その他の条件等に応じて広い範囲に亘って変化するが、大凡の量は、ハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルの範囲であり、好ましくは10-4〜10-1モルの範囲である。
感光性ハロゲン化銀には、金イオンなどの貴金属イオンを放出する化合物を利用して貴金属増感を施すことができる。例えば金増感剤として、塩化金酸塩や有機金化合物が利用できる。尚、特開平11−194447号に開示される金増感技術が参考となる。
又、上記の増感法の他、還元増感法等も用いることができ、還元増感の貝体的な化合物として、例えばアスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1錫、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。又、乳剤のpHを7以上、又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。
本発明において、化学増感を施されるハロゲン化銀粒子は、脂肪族カルボン酸銀塩の存在下で形成されたのでも、当該有機銀塩の存在しない条件下で形成されたものでも、又、両者が混合されたものでもよい。
感光性ハロゲン化銀粒子の表面に化学増感を施した場合においては、熱現像過程経過後に該化学増感の効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、化学増感の効果が実質的に消失するとは、前記の化学増感技術によって得た当該熱現像感光材料の感度が熱現像過程経過後に化学増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。尚、化学増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、化学増感中心(化学増感核)を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該熱現像感光材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有させて置くことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、化学増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
(分光増感)
感光性ハロゲン化銀には分光増感色素を吸着させ、分光増感を施すことが好ましい。分光増感色素として、シアニン、メロシアニン、コンプレックスシアニン、コンプレックスメロシアニン、ホロポーラーシアニン、スチリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノール等の各色素を用いることができる。例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号に記載される増感色素が使用できる。
本発明に使用される有用な増感色素は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)17643IV−A項(1978年12月23頁)、RD18431X項(1978年8月437頁)に記載又は引用された文献に記載されている。特に、各種レーザイメージャやスキャナーの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いるのが好ましい。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号に記載の化合物が好ましく用いられる。
有用なシアニン色素は、例えばチアゾリン、オキサゾリン、ピロリン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール及びイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン、ローダニン、オキサゾリジンジオン、チアゾリンジオン、バルビツール酸、チアゾリノン、マロノニトリル及びピラゾロン核などの酸性核も含む。
本発明においては、特に赤外に分光感度を有する増感色素を用いることもできる。好ましく用いられる赤外分光増感色素としては、例えば米国特許4,536,473号、同4,515,888号、同4,959,294号等に開示される赤外分光増感色素が挙げられる。
本発明の熱現像感光材料においては、米国公開特許公報2004−0224266号に記載される一般式(1)及び一般式(2)で表される増感色素の中から少なくとも1種を選び含有することが好ましく、一般式(5)及び一般式(6)で表される増感色素の中から少なくとも1種を選び含有することが、より好ましい。一般式(5)及び一般式(6)で表される増感色素を併用することが、露光時の露光波長依存性を改良する上で特に好ましい。
上記の赤外増感色素は、例えばエフ・エム・ハーマー著:The Chemistry of Heterocyclic Compounds第18巻,The Cyanine Dyes and Related Compounds(A.Weissberger ed.Interscience社刊,New York 1964年)に記載の方法によって容易に合成することができる。
これら赤外増感色素の添加時期は、ハロゲン化銀調製後の任意の時期でよく、例えば溶剤に添加して、あるいは微粒子状に分散した、いわゆる固体分散状態でハロゲン化銀粒子あるいはハロゲン化銀粒子/脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する感光性乳剤に添加できる。又、前記のハロゲン化銀粒子に対し吸着性を有するヘテロ原子含有化合物と同様に、化学増感に先立ってハロゲン化銀粒子に添加し吸着させた後、化学増感を施すこともでき、これにより化学増感中心核の分散化を防ぐことができ高感度、低カブリを達成できる。
上記の分光増感色素は、1種類を単独に用いてもよいが、上述のように分光増感色素の複数の種類の組合せを用いることが好ましく、そのような増感色素の組合せは、特に強色増感及び感光波長領域の拡大や調整等の目的で屡々用いられる。
本発明の熱現像感光材料に用いられる感光性ハロゲン化銀、脂肪族カルボン酸銀塩を含有する乳剤は、増感色素と共に、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、これによりハロゲン化銀粒子が強色増感されてもよい。
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質は、RD17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平5−341432号等に記載されている。強色増感剤としては、下記で表される複素芳香族メルカプト化合物が又はメルカプト誘導体化合物が好ましい。
Ar−SM
式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、硫黄、酸素、セレニウム、又はテルリウム原子を有する芳香環又は縮合芳香環である。
好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンズセレナゾール、ベンズテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン、又はキナゾリンである。しかしながら、他の複素芳香環も含まれる。
尚、脂肪族カルボン酸銀塩又はハロゲン化銀粒子乳剤の分散物中に含有させた時に実質的に上記のメルカプト化合物を生成するメルカプト誘導体化合物も含まれる。特に下記で表されるメルカプト誘導体化合物が、好ましい例として挙げられる。
Ar−S−S−Ar
式中、Arは上記で表されたメルカプト化合物の場合と同義である。
上記の複素芳香環は、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、沃素等)、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアルコキシ基(1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)から成る群から選ばれる置換基を有し得る。
上記の強色増感剤の他に、特開2001−330918号に開示されるヘテロ原子を有する大環状化合物も強色増感剤として使用できる。
本発明に係る強色増感剤は、有機銀塩及びハロゲン化銀粒子を含む感光性層中に、銀1モル当たり0.001〜1.0モルで用いるのが好ましく、特に好ましくは銀1モル当たり0.01〜0.5モルである。
本発明においては、感光性ハロゲン化銀粒子の表面に分光増感色素を吸着させ分光増感が施されており、かつ熱現像過程経過後に該分光増感効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、分光増感効果が実質的に消失するとは、増感色素、強色増感剤等によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に分光増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。
尚、分光増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、熱によってハロゲン化銀粒子より脱離し易い分光増感色素を使用する、又は/及び分光増感色素を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該熱現像感光材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有させて置くことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、分光増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
(還元剤)
還元剤は、感光性層中で銀イオンを還元し得るものであり、現像剤とも言う。本発明においては、銀イオンの還元剤として下記一般式(RD1)で表される化合物を用いることが好ましい。一般式(RD1)で表される還元剤は、1種類であっても2種類以上を用いてもよい。又、他の異なる化学構造を有する還元剤と併用してもよい。
Figure 2009069757
式中、X1はカルコゲン原子又はCHR1を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基を表す。R2はアルキル基を表し、同一でも異なってもよいが、少なくとも一方は2級又は3級アルキル基である。R3は水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表し、同一でも異なってもよい。R4はベンゼン環上に置換可能な基を表し、m及びnは各々0〜2の整数を表す。
本発明においては、熱現像特性を制御するために、一般式(RD1)の化合物と下記一般式(RD2)の化合物とを併用することもできる。
Figure 2009069757
式中、X2はカルコゲン原子又はCHR5を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基を表す。R6はアルキル基を表し、同一でも異なってもよいが、2級又は3級アルキル基であることはない。R7は水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表し同一でも異なってもよい。R8はベンゼン環上に置換可能な基を表し、m及びnは各々0〜2の整数を表す。
その併用比率としては、[(RD1)の化合物の質量]:[(RD2)の化合物の質量]が5:95〜85:15であることが好ましく、より好ましくは15:85〜75:25であり、特に好ましくは25:75〜65:35である。
一般式(RD1)中、X1が表すカルコゲン原子としては、硫黄、セレン、テルルであり、好ましくは硫黄原子である。X1が表すCHR1におけるR1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基である。ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素原子等であり、アルキル基としては、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、具体例としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル等、アルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、エテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等、アリール基としてはフェニル、ナフチル等、複素環基としてはチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等の各基である。
これらの基は更に置換基を有してもよく、該置換基としては、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、i−ペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロヘプチル等)、アルケニル基(エテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等)、シクロアルケニル基(1−シクロアルケニル、2−シクロアルケニル基等)、アルキニル基(エチニル、1−プロピニル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、アルキルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、トリフルオロメチルチオ等)、アシル基(アセチル、ベンゾイル等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミノ基(アセチルアミノ等)、ウレイド基(メチルアミノカルボニルアミノ等)、アルキルスルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ等)、アルキルスルホニル基(メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−モルホリノカルボニル等)、スルファモイル基(スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、モルホリノスルファモイル等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド等)、アルキルアミノ基(アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ等)、スルホ基、ホスホノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(アセトアミドスルホニル、メトキシアセトアミドスルホニル等)、アルキニルアミノカルボニル基(アセトアミドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル等)、アルキルスルフィニルアミノカルボニル基(メタンスルフィニルアミノカルボニル、エタンスルフィニルアミノカルボニル等)等が挙げられる。又、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。特に好ましい置換基はアルキル基である。
2で表されるアルキル基は、少なくとも一方は2級又は3級のアルキル基である。アルキル基としては置換又は無置換の炭素数1〜20のものが好ましく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、t−ペンチル、t−アミル、t−オクチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロプロピル等の基が挙げられる。
アルキル基の置換基は特に限定されないが、例えばアリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。又、(R4n及び(R4mと飽和環を形成してもよい。
2は好ましくは何れも2級又は3級アルキル基であり、炭素数2〜20が好ましい。より好ましくは3級アルキル基であり、更に好ましくはt−ブチル、t−アミル、t−ペンチル、1−メチルシクロヘキシルであり、最も好ましくはt−ブチル、t−アミルである。
3で表されるベンゼン環に置換可能な基としては、例えばハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、スルフィニル基、シアノ基、複素環基等が挙げられる。R3として具体的にはメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有してもよく、置換基としては前記R1で挙げた置換基を用いることができる。
3は好ましくは炭素数2〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜10のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数2〜5のアルキル基である。R3はヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜20のアルキル基、又は脱保護されることによりヒドロキシル基を形成し得る基を置換基として有する炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、更に好ましくはヒドロキシル基を置換基として有する炭素数3〜10のアルキル基、又は脱保護されることによりヒドロキシル基を形成し得る基を置換基として有する炭素数2〜10のアルキル基である。アルキル基の炭素数をこの範囲とすると、画像が硬調化することがなく、階調が2.0〜6.0の範囲内の診断に適した画像が得られる点で好ましい。R3として特に好ましくは、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数3〜5のアルキル基である。具体的に、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよく、置換基としては前記R1で挙げた置換基を用いることができる。
脱保護されてヒドロキシル基を形成し得る基として好ましくは、酸及び/又は熱の作用により脱保護してヒドロキシル基を形成する基が挙げられる。具体的には、エーテル基(メトキシ、t−ブトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフェニルメトキシ、トリメチルシリルオキシ等)、ヘミアセタール基(テトラヒドロピラニルオキシ等)、エステル基(アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ニトロベンゾイルオキシ、ホルミルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、ピバロイルオキシ等)、カルボナート基(エトキシカルボニルオキシ、フェノキシカルボニルオキシ、t−ブチルオキシカルボニルオキシ等)、スルホナト基(p−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、カルバモイルオキシ基(フェニルカルバモイルオキシ等)、チオカルボニルオキシ基(ベンジルチオカルボニルオキシ等)、硝酸エステル基、スルフェナト基(2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルオキシ等)が挙げられる。
3として最も好ましくはヒドロキシル基又はそのプレカーサー基を有する炭素数3〜5の第1級アルキル基であり、例えば3−ヒドロキシプロピル基である。R2及びR3の最も好ましい組合せは、R2が第3級アルキル基(t−ブチル、t−アミル、t−ペンチル、1−メチルシクロヘキシル等)であり、R3がヒドロキシル基又はそのプレカーサー基を有する炭素数3〜10の第1級アルキル基(3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル等)である。複数のR2、R3は同じでも異なってもよい。
4は水素原子又はベンゼン環上に置換可能な基を表すが、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル、パーフルオロオクチル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロペンチル等)、アルキニル基(プロパルギル等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、弗素)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレタン基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、フェニルウレイド、2−ピリジルウレイド等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル)、アミド基(アセトアミド、プロピオンアミド、ブタンアミド、ヘキサンアミド、ベンズアミド等)、スルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、アニリノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。又、これらの基は更にこれらの基で置換されてもよい。
n及びmは0〜2の整数を表すが、最も好ましくはn、m共に0の場合である。
又、R4はR2、R3と飽和環を形成してもよい。R4は好ましくは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。複数のR4は同じでも異なってもよい。
一般式(RD2)において、R5は前記R1と同様の基であり、R8は前記R4と同様の基である。R6が表すアルキル基は同一でも異なってもよいが、2級又は3級アルキル基であることはない。アルキル基としては置換又は無置換の炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。特に好ましくは炭素数1〜5の1級アルキル基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等の基が挙げられる。R6は最も好ましくはメチルである。
アルキル基の置換基は特に限定されないが、例えばアリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。又、R6は(R8n及び(R8mと飽和環を形成してもよい。
7は水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。ベンゼン環に置換可能な基としては、例えばハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、スルフィニル基、シアノ基、複素環基等が挙げられる。
7として好ましくは、メチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。更に好ましくはメチル、3−ヒドロキシプロピルである。アルキル基としては置換又は無置換の炭素数1〜20のものが好ましく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等の基が挙げられる。
アルキル基の置換基は特に限定されないが、例えばアリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(RD2)で表される化合物の中でも好ましく用いられる化合物は、欧州特許1,278,101号に記載の一般式(S)、一般式(T)を満足する化合物であり、具体的には21〜2頁8に記載の(1−24)、(1−28)〜(1−54)、(1−56)〜(1−75)の化合物が挙げられる。
以下に、一般式(RD1)、一般式(RD2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
Figure 2009069757
Figure 2009069757
Figure 2009069757
これら一般式(RD1)、一般式(RD2)で表されるビスフェノール化合物は、従来公知の方法により容易に合成することができる。
本発明において、併用することができる還元剤としては、例えば米国特許3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号、RD17029号及び29963号、特開平11−119372号、特開2002−62616号等に記載される還元剤が挙げられる。
前記一般式(RD1)で表される化合物を初めとする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当たり1×10-2〜10モル、特に好ましくは1×10-2〜1.5モルである。
(画像の色調)
次に、熱現像感光材料を熱現像処理して得られる画像の色調について述べる。
従来のレントゲン写真フィルムのような医療診断用の出力画像の色調に関しては、冷調の画像調子の方が、判読者にとって、より的確な診断観察結果が得易いと言われている。ここで冷調な画像調子とは、純黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒調であることを言う。一方、温調な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯びた温黒調であると言われているが、より厳密な定量的な議論ができるように、以下、国際照明委員会(CIE)の推奨する表現法に基づき説明する。
色調に関しての用語「より冷調」及び「より温調」は、最低濃度Dmin及び光学濃度D=1.0における色相角habにより表現できる。即ち、色相角habは、CIEが1976年に推奨した、知覚的にほぼ均等な歩度を持つ色空間であるL***色空間の色座標a*、b*を用いて次の式によって求める。
hab=tan-1(b*/a*
上記色相角に基づく表現法により検討した結果、本発明の熱現像感光材料の現像後の色調は、色相角habの範囲が180度<hab<270度であることが好ましく、更に好ましくは200度<hab<270度、最も好ましくは220度<hab<260度であることが判った。このことは、特開2002−6463号に開示される。
尚、従来、光学濃度1.0付近でのCIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間におけるu*、v*又はa*、b*を特定の数値に調整することにより、見た目の色調が好ましい診断画像が得られることが知られており、例えば特開2000−29164号に記載される。
しかしながら、本発明の熱現像感光材料について更に鋭意検討の結果、CIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間において、横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に、様々な写真濃度でのu*、v*又はa*、b*をプロットし、線形回帰直線を作成した際に、その線形回帰直線を特定の範囲に調整することにより、従来の湿式の銀塩感光材料同等以上の診断性を持つことを見い出した。以下に好ましい条件範囲について述べる。
(1)熱現像感光材料を熱現像処理後に得られた銀画像の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をu*、縦軸をv*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのu*、v*を配置し、作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のv*値が−5〜5であること、かつ傾き(v*/u*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
(2)又、当該熱現像感光材料の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をa*、縦軸をb*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのa*、b*を配置し、作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のb*値が−5〜5であること、かつ傾き(b*/a*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
次に、上述の線形回帰直線の作成法、則ちCIE 1976色空間におけるu*、v*及びa*、b*の測定法の一例を説明する。
熱現像装置を用いて未露光部及び光学濃度0.5、1.0、1.5を含む4段のウエッジ試料を作製する。それぞれのウエッジ濃度部を分光色彩計(ミノルタ社製(旧名):CM−3600d等)で測定し、u*、v*又はa*、b*を算出する。その際の測定条件は光源としてF7光源、視野角を10度として透過測定モードで測定を行う。横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に測定したu*、v*又はa*、b*をプロットし線形回帰直線を求め、決定係数(重決定)R2、切片及び傾きを求める。
次に、上記のような特徴を持つ線形回帰直線を得るための具体的な方法について説明する。
本発明においては、還元剤(現像剤)、ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀及び下記の調色剤等の現像反応過程において、直接的及び間接的に関与する化合物等の添加量の調整により、現像銀形状を最適化して好ましい色調にすることができる。例えば、現像銀形状をデンドライト状にすると青味を帯びる傾向になり、フィラメント状にすると黄色味を帯びる傾向になる。即ち、このような現像銀形状の性向を考慮して調整できる。
従来、調色剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類等が一般的に使用されている。好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号、同4,021,249号等に開示される。
冷却部長さの短いコンパクトなレーザイメージャを用いて迅速処理を行う場合、通常処理に比較して、銀色調がニュートラルな好ましい色調から大き崩れてしまう問題が発生する場合があるが、これらの問題の解決のためには、熱現像時にイメージワイズに発色して色素像を形成する化合物(ロイコ染料やカプラー化合物が挙げられる)を、前記フタラジン化合物等の調色剤に加えて使用することが好ましい。これらの化合物としては、熱現像時に発色して極大吸収波長が360〜450nmとなる色素像を形成する化合物、又は熱現像時に発色して極大吸収波長が600〜700nmとなる色素像を形成する化合物が好ましいが、両方の化合物を含む場合が良好な銀色調を得る上で特に好ましい。
これらの化合物としては、特開平11−288057号、欧州特許1,134,611A2号等に開示されるカプラー、又は以下で詳述するロイコ染料を使用することが好ましい。
(ロイコ染料)
本発明の熱現像感光材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。ロイコ染料として好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる無色又は僅かに着色した何れの化合物でよく、上記還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、かつ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
本発明で使用するのに適した代表的なロイコ染料は特に限定されないが、例えばビフェノールロイコ染料、フェノールロイコ染料、インドアニリンロイコ染料、アクリル化アジンロイコ染料、フェノキサジンロイコ染料、フェノジアジンロイコ染料及びフェノチアジンロイコ染料等が挙げられる。又、有用なものとして、米国特許3,445,234号、同3,846,136号、同3,994,732号、同4,021,249号、同4,021,250号、同4,022,617号、同4,123,282号、同4,368,247号、同4,461,681号、及び特開昭50−36110号、同59−206831号、特開平5−204087号、同11−231460号、特開2002−169249号、同2002−236334号等に開示されるロイコ染料である。
所定の色調に調整するために、種々の色のロイコ染料を単独使用又は複数の種類の併用をすることが好ましい。更に迅速処理のために高活性な還元剤を使用することに伴って、その使用量や使用比率によって色調(特に黄色味)が変化したり、微粒子のハロゲン化銀粒子を用いたりして、現像銀の粒径が小さくなることにより、特に濃度が2.0以上の高濃度部で画像が過度に赤みを帯びることを防止するために、黄色及びシアン色に発色するロイコ染料を併用してその使用量を調整するのが好ましい。
発色濃度は現像銀自身による色調との関係で適切に調整することが好ましい。本発明では、0.01〜0.05の反射光学濃度又は0.005〜0.50の透過光学濃度を有するように発色させ上記の好ましい色調範囲の画像になるように色調を調整することが好ましい。本発明ではロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01〜0.50とするのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30、特に好ましくは0.03〜0.10を有するように発色させることが好ましい。色素像の極大吸収波長は、熱現像後の熱現像感光材料の分光吸収スペクトルを測定することで得られる。
(黄色発色性ロイコ染料)
本発明に係る熱現像感光材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することが好ましい。特に黄色発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより360〜450nmの吸光度が増加する色像形成剤である。中でも、下記一般式(YA)で表される色像形成剤が特に好ましい。
Figure 2009069757
式中、R11は置換又は無置換のアルキル基を表し、R12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表すが、R11及びR12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。R13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。
以下、一般式(YA)の化合物について詳細に説明する。
一般式(YA)において、R11は置換又は無置換のアルキル基を表すが、R12が水素原子以外の置換基である場合、R11はアルキル基を表す。当該アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい。具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、i−プロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル等が好ましい。i−プロピルよりも立体的に大きな基(i−プロピル、i−ノニル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、アダマンチル等)であることが好ましく、その中でも2級又は3級アルキル基が好ましく、3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル等が特に好ましい。
11が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基等が挙げられる。
12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表すが、アルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アシルアミノ基は炭素数1〜30のアシルアミノ基が好ましい。この内、アルキル基の説明は前記R11と同様である。
12で表されるアシルアミノ基は、無置換でも置換基を有してもよく、具体的にはアセチルアミノ、アルコキシアセチルアミノ、アリールオキシアセチルアミノ基等が挙げられる。R12として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基であり、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチルが挙げられる。
13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表すが、該アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アルキル基の説明は前記R11と同様である。R13として好ましくは水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基で、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチル等が挙げられる。又、R12、R13の何れか一方は水素原子であることが好ましい。
14はベンゼン環に置換可能な基で、例えば前記一般式(RD1)における置換基R4で説明したのと同様な基である。R14として好ましくは、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のオキシカルボニル基であり、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の置換基としてはアリール基、アミノ基、アルコキシ基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、イミド基、ウレイド基等が挙げられ、アリール基、アミノ基、オキシカルボニル基、アルコキシ基がより好ましい。これらアルキル基の置換基は、更にこれらの置換基で置換されてもよい。
次に、一般式(YA)で表される化合物の中でも、特に本発明で好ましく用いられる、下記一般式(YB)で表されるビスフェノール化合物について説明する。
Figure 2009069757
式中、Zは−S−又は−C(R21)(R21′)−を表し、R21、R21′は各々、水素原子又は置換基を表す。
21、R21′の表す置換基としては、前記一般式(RD1)のR1の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R21、R21′として好ましくは水素原子又はアルキル基である。
22、R23、R22′及びR23′は各々置換基を表すが、置換基としては一般式(RD1)におけるR2、R3で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
22、R23、R22′及びR23′として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基であるが、アルキル基が更に好ましい。アルキル基上の置換基としては、一般式(RD1)における置換基の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R22、R23、R22′及びR23′として、更に好ましくはt−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、1−メチル−シクロヘキシル等の3級アルキル基である。
24及びR24′は各々、水素原子又は置換基を表すが、置換基としては、一般式(RD1)におけるR4の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
一般式(YA)及び(YB)で表される化合物としては、例えば特開2002−169249号の段落「0032」〜「0038」に記載の化合物(II−1)〜(II−40)、欧州特許1,211,093号の段落「0026」に記載の化合物(ITS−1)〜(ITS−12)を挙げることができる。
以下に、一般式(YA)及び(YB)で表されるビスフェノール化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
一般式(YA)の化合物(ヒンダードフェノール化合物、一般式(YB)の化合物も含む)の添加量は、通常、銀1モル当たり0.00001〜0.01モルであり、好ましくは0.0005〜0.01モル、より好ましくは0.001〜0.008モルである。
又、黄色発色性ロイコ染料の一般式(RD1)、(RD2)で表される還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、黄色発色性ロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01〜0.50とするのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30、特に好ましくは0.03〜0.10となるように発色させることが好ましい。
(シアン発色性ロイコ染料)
本発明の熱現像感光材料は、上記の黄色発色性ロイコ染料の他に、シアン発色性ロイコ染料も使用して色調を調整することが好ましい。
シアン発色性ロイコ染料としては、好ましくは約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物であればよく、還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、かつ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
特にシアン発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより600〜700nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの化合物としては、例えば特開昭59−206831号(特にλmaxが600〜700nmの範囲内にある化合物)、特開平5−204087号の一般式(I)〜(IV)の化合物(具体的には段落「0032」〜「0037」に記載の(1)〜(18)の化合物)及び特開平11−231460号の一般式4〜7の化合物(具体的には段落「0105」に記載されるNo.1〜79の化合物)が挙げられる。
次にシアン発色性ロイコ染料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
シアン発色性ロイコ染料の添加量は、通常0.00001〜0.05モル/Ag1モルであり、好ましくは0.0005〜0.02モル/Ag1モル、より好ましくは0.001〜0.01モル/Ag1モルである。シアン発色性ロイコ染料の一般式(RD1)、一般式(RD2)で表される還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
本発明に係る熱現像感光材料は、シアンロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01〜0.50とするのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30、特に好ましくは0.03〜0.10となるように発色させることが好ましい。
本発明においては、上記の黄色発色性ロイコ染料及びシアン発色性ロイコ染料に加えてマゼンタ発色性ロイコ染料を併用することで、更に微妙な色調の調整を可能とすることができる。
一般式(YA)及び(YB)で表される化合物及びシアン発色性ロイコ染料の添加方法としては、一般式(RD1)で表される還元剤の添加方法と同様な方法で添加することができ、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態等、任意の方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させればよい。
一般式(RD1)、(RD2)、一般式(YA)、(YB)の化合物及びシアン発色性ロイコ染料は、有機銀塩を含有する感光性層(画像形成層)に含有させることが好ましいが、一方を感光性層に、他方を該感光性層に隣接する非感光性層に含有させてもよく、両者を非感光性層に含有させてもよい。又、感光性層が複数層で構成されている場合には、それぞれ別層に含有させてもよい。
(バインダー)
本発明に係る熱現像感光材料においては、感光性層及び非感光性層に種々の目的でバインダーを含有させることができる。感光性層に含まれるバインダーは、有機銀塩、ハロゲン化銀粒子、還元剤、その他の成分を担持し得るものであり、好ましくは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー、及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば特開2001−330918号の段落「0069」に記載のものが挙げられる。これらの内、感光性層に好ましいバインダーはポリビニルアセタール類であり、特に好ましくはポリビニルブチラールである。これらについては詳しく後述する。
又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層等の非感光性層に対しては、より軟化温度の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが好ましい。尚、必要に応じて、バインダーは2種以上を組み合わせて用い得る。
バインダーには、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2、−N(R)2、−N+(R)3(Mは水素原子又はアルカリ金属塩基、Rは炭化水素基を表す)、エポキシ基、−SH、−CN等から選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましく、特に−SO3M、−OSO3Mが好ましい。この様な極性基の量は、1×10-1〜1×10-8モル/gであり、好ましくは1×10-2〜1×10-6モル/gである。
この様なバインダーは、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定し得る。例えば、感光性層において少なくとも有機銀塩を保持する場合の指標としては、バインダーと有機銀塩との割合は15:1〜1:2(質量比)が好ましく、特に8:1〜1:1の範囲が好ましい。即ち、感光性層のバインダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましく、更に好ましくは1.7〜5g/m2である。バインダー量をこの範囲とすることで、未露光部の濃度上昇が小さくなり好ましい。
バインダーのガラス転移温度(Tg)は70〜105℃であることが好ましい。Tgは示差走査熱量計で測定して求めることができ、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をTgとする。本発明におけるTgは、ブランドラップ等による「重合体ハンドブック」III−139〜179頁(1966年,ワイリーアンドサン社版)に記載の方法で求めたものである。
バインダーが共重合体樹脂である場合のTgは下記の式で求められる。
Tg(共重合体)(℃)=v1Tg1+v2Tg2+・・・+vnTgn
式中、v1、v2・・・vnは共重合体中の単量体の質量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnは共重合体中の各単量体から得られる単一重合体のTg(℃)を表す。上式に従って計算されたTgの精度は±5℃である。
Tgが70〜105℃のバインダーを用いると、画像形成において十分な最高濃度が得ることができ好ましい。
本発明に用いるバインダーとしては、Tgが70〜105℃、数平均分子量が1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、重合度が約50〜1,000程度のものである。又、エチレン性不飽和モノマーを構成単位として含む重合体又は共重合体については、特開2001−330918号の段落番号「0069」に記載のものが挙げられる。これらの内、特に好ましい例としてメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、スチレン類等が挙げられる。この様な高分子化合物の中でも、アセタール基を持つ高分子化合物を用いることが好ましい。アセタール基を持つ高分子化合物でも、アセトアセタール構造を持つポリビニルアセタールであることがより好ましく、例えば米国特許2,358,836号、同3,003,879号、同2,828,204号、英国特許771,155号等に示されるポリビニルアセタールを挙げることができる。
アセタール基を持つ高分子化合物としては、特開2002−287299号の「150」に記載の一般式(V)で表される化合物が特に好ましい。
本発明で用いることのできるポリウレタン樹脂としては、構造がポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタン等公知のものが使用できる。又、ポリウレタン分子末端に少なくとも1個ずつ、合計2個以上のヒドロキシル基を有することが好ましい。ヒドロキシル基は、硬化剤であるポリイソシアネートと架橋して3次元の網状構造を形成するので、分子中に多数含むほど好ましい。特に、ヒドロキシル基が分子末端にある方が、硬化剤との反応性が高いので好ましい。ポリウレタンは、分子末端にヒドロキシル基を3個以上有することが好ましく、4個以上有することが特に好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場合は、Tgが70〜105℃、破断伸びが100〜2,000%、破断応力は0.5〜100N/mm2が好ましい。
これらの高分子化合物(ポリマー)は単独で用いてもよいし、2種類以上をブレンドして用いてもよい。
本発明に係る感光性層には、上記ポリマーを主バインダーとして用いることが好ましい。ここで言う主バインダーとは、「感光性層の全バインダーの50質量%以上を上記ポリマーが占めている状態」を言う。従って、全バインダーの50質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用いてもよい。これらのポリマーとしては、本発明に係るポリマーと任意に混合可能なポリマーであれば特に制限はない。より好ましくは、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
感光性層に有機性ゲル化剤を含有せしめてもよい。尚、ここで言う有機性ゲル化剤とは、例えば多価アルコール類のように、有機液体に添加することにより、その系に降伏値を付与し、系の流動性を消失あるいは低下させる機能を有する化合物を言う。
感光性層用塗布液が水性分散されたポリマーラテックスを含有するのも好ましい態様である。この場合、感光性層用塗布液中の全バインダーの50質量%以上が水性分散されたポリマーラテックスであることが好ましい。又、感光性層の調製にポリマーラテックスを使用した場合、感光性層中の全バインダーの50質量%以上がポリマーラテックス由来のポリマーであることが好ましく、更に好ましくは70質量%以上である。
ここで、ポリマーラテックスとは、水不溶性の疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したもの等、何れでもよい。分散粒子の平均粒径は1〜50,000nmが好ましく、より好ましくは5〜1,000nm程度の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも、単分散の粒径分布を持つものでもよい。
熱現像感光材料に用いることができるポリマーラテックスとしては、通常の均一構造のポリマーラテックス以外、所謂コア/シェル型のラテックスでもよい。この場合、コアとシェルはTgを変えると好ましい場合がある。本発明に用いるポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は−30〜90℃であることが好ましく、更に好ましくは0〜70℃程度である。又、最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。該造膜助剤は可塑剤とも呼ばれ、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常、有機溶媒)であり、例えば「合成ラテックスの化学(室井宗一著,高分子刊行会発行,1970)」に記載されている。
ポリマーラテックスに用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、又はこれらの共重合体等がある。ポリマーとしては、直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、又、架橋されたポリマーでもよい。又、ポリマーとしては、単一のモノマーが重合した所謂ホモポリマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合は、ランダムコポリマーでもブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量は、数平均分子量で、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜100,000程度である。分子量が、この範囲にあることで、感光性層の力学強度、製膜性を共に満足する。
ポリマーラテックスは、25℃・60%RH(相対湿度)での平衡含水率が0.01〜2質量%以下のものが好ましく、更に好ましくは0.01〜1質量%のものである。平衡含水率の定義と測定法については、例えば「高分子工学講座14,高分子材料試験法(高分子学会編,地人書館)」等を参考にすることができる。
ポリマーラテックスの具体例としては、特開2002−287299号の「0173」に記載の各ラテックスが挙げられる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。ポリマーラテックスのポリマー種としては、アクリレート又はメタクリレート成分の如きカルボン酸成分を0.1〜10質量%程度含有するものが好ましい。更に、必要に応じて全バインダーの50質量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は前記感光性層の全バインダーの30質量%以下が好ましい。
感光性層用塗布液の調製における有機銀塩と水性分散されたポリマーラテックスの添加の順序については、何れを先に添加してもよいし、同時に添加してもよいが、好ましくはポリマーラテックスが後である。
更に、ポリマーラテックス添加前に有機銀塩、更には還元剤が混合されていることが好ましい。又、有機銀塩とポリマーラテックスを混合した後、経時させる温度が低すぎると塗布面状が損なわれ、高すぎるとカブリが上昇する問題があるので、混合後の塗布液は30〜65℃で上記時間経時されることが好ましい。更には、35〜60℃で経時されることが好ましく、特に35〜55℃での経時が好ましい。この様に温度を維持するには、塗布液の調液槽等を保温すればよい。
感光性層用塗布液の塗布は、有機銀塩と水性分散されたポリマーラテックスを混合した後、30分〜24時間経過した塗布液を用いるのが好ましく、更に好ましくは、混合した後、60分〜12時間経過させることであり、特に好ましくは、120分〜10時間経過した塗布液を用いることである。
ここで、「混合した後」とは、有機銀塩と水性分散されたポリマーラテックスを添加し、添加素材が均一に分散された後を言う。
(架橋剤)
感光性層には、バインダー同士を橋架け結合によって繋ぐことができる架橋剤を含有することができる。これにより、膜付きが良くなり、現像ムラが少なくなることは知られているが、保存時のカブリや、現像後のプリントアウト銀の生成を抑制する効果もある。
用いられる架橋剤としては、従来、写真感光材料用として使用されている種々の架橋剤、例えば特開昭50−96216号に記載されるアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤が用いられるが、好ましくは以下に示すイソシアネート系、シラン系、エポキシ系化合物又は酸無水物である。
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基を少なくとも2個有しているイソシアネート類及びその付加体(アダクト体)であり、具体的には、脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、ベンゼンジイソシアネート類、ナフタレンジイソシアネート類、ビフェニルイソシアネート類、ジフェニルメタンジイソシアネート類、トリフェニルメタンジイソシアネート類、トリイソシアネート類、テトライソシアネート類、これらのイソシアネート類の付加体及びこれらのイソシアネート類と2価又は3価のポリアルコール類との付加体等が挙げられる。具体例として、特開昭56−5535号の10〜12頁に記載されるイソシアネート化合物を利用することができる。
尚、イソシアネートとポリアルコールの付加体は、特に層間接着を良くし、層の剥離や画像のズレ及び気泡の発生を防止する能力が高い。かかるイソシアネートは、熱現像感光材料のどの部分に置かれてもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そのサイズ組成中に含ませることができる)感光性層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引層等の支持体の感光性層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができる。
又、本発明に使用可能なチオイソシアネート系架橋剤としては、上記のイソシアネート類に対応するチオイソシアネート構造を有する化合物も有用である。
上記架橋剤の使用量は、銀1モルに対して、通常、0.001〜2モル、好ましくは0.005〜0.5モルの範囲である。
本発明において含有させることができるイソシアネート化合物及びチオイソシアネート化合物は、上記の架橋剤として機能する化合物であることが好ましいが、当該官能基を1個のみ有する化合物であっても良い結果が得られる。
シラン化合物の例としては、特開2001−264930号に開示されている一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
又、使用できるエポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合を介してグリシジル基として分子内に含有されることが好ましい。又、エポキシ化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマー等の何れであってもよく、分子内に存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合は、ホモポリマー、コポリマーの何れであってもよく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2,000〜20,000程度である。
本発明に用いられる酸無水物は、下記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合物である。この様な酸無水物基を1個以上有するものであればよく、酸無水物基の数、分子量、その他に制限はない。
−CO−O−CO−
上記エポキシ化合物や酸無水物は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。その添加量は特に制限はないが、1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m2の範囲である。このエポキシ化合物や酸無水物は、感光性層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引層等の支持体の感光性層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができる。
(省銀化剤)
感光性層又は非感光性層に、省銀化剤を含有させることができる。ここで言う、省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得る化合物を言う。
この必要な銀量を低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力(CP:カバリングパワー)とは、銀の単位量当たりの光学濃度を言う。この省銀化剤は感光性層又は非感光性層、更にはその何れにも存在せしめることができる。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体、ビニル化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、4級オニウム化合物及びシラン化合物が好ましい例として挙げられる。
ヒドラジン誘導体の具体例としては、米国特許5,545,505号カラム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特許5,464,738号カラム9〜11に記載の化合物1〜12、特開2001−27790号の段落「0042」〜「0052」に記載の化合物H−1−1〜H−1−28、H−2−1〜H−2−9、H−3−1〜H−3−12、H−4−1〜H−4−21、H−5−1〜H−5−5等が挙げられる。
ビニル化合物の具体例としては、米国特許5,545,515号のカラム13〜14に記載の化合物CN−01〜−13、米国特許5,635,339号のカラム10に記載の化合物HET−01〜−02、米国特許5,654,130号のカラム9〜10に記載の化合物MA−01〜07の化合物、米国特許5,705,324号のカラム9〜10に記載の化合物IS−01〜04、特開2001−125224号の段落「0043」〜「0088」に記載の化合物1−1〜218−2が挙げられる。
フェノール誘導体、ナフトール誘導体の具体例としては、特開2000−267222号の段落「0075」〜「0078」に記載の化合物A−1〜89、特開2003−66558号公報の段落「0025」〜「0045」に記載の化合物A−1〜258が挙げられる。
4級オニウム化合物の具体例としては、トリフェニルテトラゾリウムが挙げられる。
シラン化合物の具体例としては、特開2003−5324号の段落「0027」〜「0029」記載の化合物A1〜A33に示されるような一級又は二級アミノ基を2個以上有するアルコキシシラン化合物或いはその塩が挙げられる。
上記省銀化剤の添加量は、有機銀塩1モルに対し1×10-5〜1モル、好ましくは1×10-4〜5×10-1モルの範囲である。
以下、好ましい省銀化剤の体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
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(熱溶剤)
本発明の熱現像感光材料には、熱溶剤が含まれていることが好ましい。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤を含有させることで、熱溶剤を含まない熱現像感光材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。更に好ましくは2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む熱現像感光材料Aに対して、熱現像感光材料Aから熱溶剤を含まない熱現像感光材料をBとした時に、熱現像感光材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、熱現像感光材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。
熱溶剤は極性基を置換基として有しており、一般式(TS)で表されるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
一般式(TS) (Y)nZ
式中、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は複素環基を表す。Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、燐酸アミド基、シアノ基、イミド基、ウレイド基、スルホキシド基、スルホン基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、又は含窒素複素環基を表す。nは1〜3の整数を表し、Zの価数と対応する。nが2以上の場合、複数のYは同一でも異なってもよい。Yは更に置換基を有してもよく、置換基としてZで表される基を有してもよい。
Yについて更に詳しく説明する。Yは直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜25であり、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、アミル、t−アミル、ドデシル、トリデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは2〜30、特に好ましくは2〜25であり、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは6〜30、特に好ましくは6〜25であり、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、ピリジル、ピラジル、イミダゾイル、ピロリジル等)を表す。これらの置換基は更に他の置換基で置換されてもよく、又、互いに結合して環を形成してもよい。Yが更に有してよい置換基の例としては、特開2004−21068号の「0015」に記載の置換基が挙げられる。
熱溶剤を使用することにより現像活性となる理由は、熱溶剤が現像温度付近で溶融することにより現像に関与する物質と相溶し、熱溶剤を添加しない時よりも低い温度での反応を可能とするためと考えられる。熱現像は、比較的極性の高いカルボン酸や銀イオン輸送体が関与している還元反応であるため、極性基を有している熱溶剤により適度の極性を有する反応場を形成することが好ましい。
本発明に好ましく用いられる熱溶剤の融点は50〜200℃であるが、より好ましくは60〜150℃である。特に、本発明の目的である、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した熱現像感光材料では、融点が100〜150℃の熱溶剤が好ましい。
熱溶剤の具体例としては特開2004−21068号の「0017」に記載の化合物、米国公開特許US2002/0025498号の「0027」に記載の化合物、MF−1〜3、6、7、912、15〜22を挙げることができる。
熱溶剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.5g/m2、更に好ましくは0.1〜1.5g/m2である。
熱溶剤は感光性層に含有させることが好ましい。又、上記熱溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。熱溶剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、如何なる方法で塗布液に含有させ、熱現像感光材料に添加してもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、グリセリルトリアセテート又はジエチルフタレート等のオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
又、固体微粒子分散法としては、熱溶剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラミル又は超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えばポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(三つのi−プロピル基の置換位置が異なるものの混合物)等のアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが、通常は1〜1,000ppmの範囲である。熱現像感光材料中のZrの含有量が、銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には、防腐剤(ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
(カブリ防止剤、画像安定化剤)
熱現像感光材料の何れかの構成層には、熱現像前の保存時におけるカブリ発生を防止する為のカブリ防止剤や熱現像後における画像の劣化を防止する為の画像安定化剤を含有させることが好ましい。
以下、本発明の熱現像感光材料に用いることができるカブリ防止剤及び画像安定化剤について説明する。
本発明に係る還元剤として、主にビスフェノール類やスルホンアミドフェノール類のようなプロトンを持った還元剤が用いられているので、これらの水素を安定化し還元剤を不活性化し、銀イオンを還元する反応を防止できる化合物が含有されることが好ましい。又、生感光材料や画像の保存時に生成する銀原子ないし金属銀銀(銀クラスター)を酸化漂白できる化合物が含有されることが好ましい。これらの機能を有する化合物の具体例としてビイミダゾール化合物、ヨードニウム化合物を挙げることができる。このビイミダゾール化合物、ヨードニウム化合物の添加量は0.001〜0.1モル/m2、好ましくは0.005〜0.05モル/m2の範囲である。
本発明に用いる還元剤が芳香族性のヒドロキシル基(−OH)を有する場合、特にビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。特に好ましい水素結合性の化合物の具体例としては、例えば特開2002−90937号の[0061]〜[0064]に記載の化合物(II−1)〜(II−40)が挙げられる。
又、カブリ防止及び画像安定化剤として、ハロゲン原子を活性種として放出できる化合物も多くのものが知られている。これらの活性ハロゲン原子放出化合物の具体例としては、特開2002−287299号[0264]〜[0271]に記載の、一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
これらの化合物の添加量は、当該化合物から放出されるハロゲンと銀イオンが反応してハロゲン化銀の生成によるプリントアウト銀の増加が実質的に問題にならない範囲が好ましい。これらの活性ハロゲン原子を生成する化合物の具体例としては、上記特許の他に、特開2002−169249号の「0086」〜「0087」に記載される化合物(III−1〜23)、特開2003−50441号の「0031」〜「0034」記載の化合物1−1a〜1o、1−2a〜2o、「0050」〜「0056」記載の化合物2a〜2z、2aa〜2ll、2−1a〜1f、特開2003−91054号の「0055」〜「0058」記載の化合物4−1〜32、段落「0069」〜「0072」記載の化合物5−1〜10を挙げることができる。
好ましく使用されるカブリ防止剤としては、例えば特開平8−314059号の「0012」に記載の化合物例a〜j、特開平7−209797号の「0028」に記載のチオスルホネートエステルA〜K、特開昭55−140833号の14頁から記載の化合物例(1)〜(44)、特開2001−13627号の「0063」記載の化合物(I−1〜6)、「0066」記載の(C−1〜3)、特開2002−90937号の「0027」記載の化合物(III−1〜108)、ビニルスルホン類及び/又はβ−ハロスルホン類の化合物として特開平6−208192号の「0013」に記載の化合物VS−1〜7、化合物HS−1〜5、スルホニルベンゾトリアゾール化合物として特開2000−330235号に記載のKS−1〜8の化合物、置換されたプロペンニトリル化合物として特表2000−515995号に記載のPR−01〜08、特開2002−207273号の「0042」〜「0051」に記載の化合物(1)−1〜132等を挙げることができる。
上記カブリ防止剤は、一般に銀のモルに対して少なくとも0.001モル用いる。通常、その範囲は銀のモルに対して化合物は0.01〜5モル、好ましくは0.02〜0.6モルである。
尚、上記の化合物の他に、熱現像感光材料中には、従来カブリ防止剤として知られている各種化合物が含まれてもよいが、上記の化合物と同様な反応活性種を生成することができる化合物であっても、カブリ防止機構が異なる化合物であってもよい。例えば、米国特許3,589,903号、同4,546,075号、同4,452,885号、特開昭59−57234号、米国特許3,874,946号、同4,756,999号、特開平9−288328号、同9−90550号に記載される化合物が挙げられる。更に、その他のカブリ防止剤としては、米国特許5,028,523号及び欧州特許600,587号、同605,981号、同631,176号に開示される化合物が挙げられる。
(調色剤)
熱現像感光材料は、必要に応じて銀の色調を調整する調色剤(トナー)を、通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有していることが好ましい。
本発明に用いられる好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号及び同4,021,249号に開示されており、例えば次のものがある。
イミド類(スクシンイミド、フタルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド等);メルカプタン類(3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン等);フタラジンとフタル酸類(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸等)の組合せ;フタラジンとマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物等)から選択される少なくとも一つの化合物との組合せ等が挙げられる。
特に好ましい調色剤としては、フタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組合せである。フタラジン及びその誘導体やフタラジノン及びその誘導体は、還元剤に対してモル比で0.1〜2.0の範囲で用いられるのが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5、更に好ましくは0.3〜1.0である。又、フタル酸及びその誘導体、フタル酸無水物及びその誘導体は、塗布される銀1モル当たり0.0001モル〜1モルの範囲で用いられるのが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5モル、更に好ましくは0.002〜0.2モルである。
(弗素系界面活性剤)
本発明では、レーザイメージャ(熱現像処理装置)での熱現像感光材料搬送性や環境適性(生体内への蓄積性)を改良するために、下記一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤が好ましく用いられる。
一般式(SF) (Rf−(L1n1−)p−(Y)m1−(A)q
式中、Rfは弗素原子を含有する置換基を表し、L1は弗素原子を有しない2価の連結基を表し、Yは弗素原子を有さない(p+q)価の連結基を表し、Aはアニオン基又はその塩を表し、n1、m1は各々0又は1の整数を表し、p及びqは各々1〜3の整数を表す。ただし、qが1の時はn1とm1は同時に0ではない。
Rfは弗素原子を含有する置換基を表すが、該弗素原子を含有する置換基としては、例えば炭素数1〜25の弗化アルキル基(トリフロロメチル、トリフロロエチル、パーフロロエチル、パーフロロブチル、パーフロロオクチル、パーフロロドデシル及びパーフロロオクタデシル等)又は弗化アルケニル基(パーフロロプロペニル、パーフロロブテニル、パーフロロノネニル及びパーフロロドデセニル等)等が挙げられる。Rfは炭素数2〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。又、Rfは弗素原子数2〜12であることが好ましく、より好ましくは弗素原子数が3〜12である。
1は弗素原子を有さない2価の連結基を表すが、当該連結基としては、例えばアルキレン基(メチレン、エチレン、ブチレン等)、アルキレンオキシ基(メチレンオキシ、エチレンオキシ、ブチレンオキシ等)、オキシアルキレン基(オキシメチレン、オキシエチレン、オキシブチレン等)、オキシアルキレンオキシ基(オキシメチレンオキシ、オキシエチレンオキシ、オキシエチレンオキシエチレンオキシ等)、フェニレン基、オキシフェニレン基、フェニルオキシ基、オキシフェニルオキシ基又はこれらの基を組み合わせた基等が挙げられる。
Aはアニオン基又はその塩を表すが、例えばカルボン酸基又はその塩(ナトリウム、カリウム及びリチウム塩)、スルホン酸基又はその塩(ナトリウム、カリウム及びリチウム塩)、硫酸ハーフエステル基又はその塩(ナトリウム、カリウム及びリチウム塩)、及び燐酸基又はその塩(ナトリウム及びカリウム塩等)等が挙げられる。
Yは弗素原子を有さない(p+q)価の連結基を表すが、例えば弗素原子を有さない3価又は4価の連結基としては、窒素原子又は炭素原子を中心にして構成される原子群が挙げられる。n1は0又は1の整数を表すが、1であるのが好ましい。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤は、弗素原子を導入した炭素数1〜25のアルキル化合物(トリフロロメチル、ペンタフロロエチル、パーフロロブチル、パーフロロオクチル及びパーフロロオクタデシル等を有する化合物)及びアルケニル化合物(パーフロロヘキセニル及びパーフロロノネニル等を有する化合物)と、それぞれ弗素原子を導入していない3価〜6価のアルカノール化合物、ヒドロキシル基を3〜4個有する芳香族化合物又はヘテロ化合物との付加反応や縮合反応によって得られた化合物(一部Rf化されたアルカノール化合物)に、更に例えば硫酸エステル化等によりアニオン基(A)を導入することにより得ることができる。
上記3〜6価のアルカノール化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンテン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ブタノール)−3、脂肪族トリオール、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール等が挙げられる。
又、上記ヒドロキシル基を3〜4個有する芳香族化合物及びへテロ化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン及び2,4,6−トリヒドロキシピリジン等が挙げられる。
上記弗素系界面活性剤の具体例としては、特開2003−149766号の「0029」〜「0040」に記載の化合物(FS−1〜66)、特開2004−021084号の「0014」に記載の化合物1−1〜4、「0019」に記載の化合物2−1〜10、特開2004−077792号の「0025」に記載の化合物、「0030」に記載の化合物が挙げられる。
以下に、一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤の好ましい具体的化合物を示す。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
又、上記した以外の弗素系界面活性剤として、特開2004−117505号の「0035」に記載の化合物、特開2000−214554号、同2003−156819号、同2003−177494号、同2003−114504号、同2003−270754号、同特開2003−270760号に記載される化合物を使用してもよい。
本発明においては、上記一般式(SF)で表されるアニオン性含弗素界面活性剤と公知の非イオン性含弗素界面活性剤を組み合わせて使用することが、帯電特性、塗布性向上の観点から特に好ましい。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤を塗布液に添加する方法としては、公知の添加法に従って添加することができる。即ち、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができる。又、サンドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザ分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術については多くの技術が開示されているが、これらに準じて分散することができる。一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤は、最外層の保護層に添加することが好ましい。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤の添加量は1m2当たり1×10-8〜1×10-1モルが好ましく、1×10-5〜1×10-2モルが特に好ましい。この範囲にあることで、所望の帯電特性と湿度依存性(高湿下の保存性が劣化)の改善が見られる。
(輻射線吸収性化合物を含む層)
本発明に係る熱現像感光材料の支持体上の感光性層が設けられている側の層及び支持体を挟んで感光性層とは反対側に設けられている層に用いられる輻射線吸収性化合物としては、公知の各種染料や顔料を用いることができる。これらの染料及び顔料は如何なるものでもよいが、例えばカラーインデックス記載の顔料や染料があり、具体的にはピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、フタロシアニンを初めとする有機顔料、無機顔料などが挙げられる。
本発明に用いられる好ましい染料としては、アントラキノン染料(特開平5−341441号記載の化合物1〜9、同5−165147号記載の化合物3−6〜18及び3−23〜38等)、アゾメチン染料(特開平5−341441号記載の化合物17〜47等)、インドアニリン染料(特開平5−289227号記載の化合物11〜19、同5−341441号記載の化合物47、同5−165147号記載の化合物2−10〜11等)及びアゾ染料(特開平5−341441号記載の化合物10〜16等)が挙げられる。
例えば、熱現像感光材料を赤外光による画像記録材料とする場合には、特開2001−83655号に開示されるようなチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料及びピリリウム核を有するスクアリリウム染料、又、スクアリリウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが好ましい。尚、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロキシル基は解離していてもよい。尚、染料としては、特開平8−201959号に記載の化合物、特表平9−509503号に記載の化合物、特開2003−195450号に記載される化合物AD−1〜55も好ましい。
又、熱現像感光材料を青色光による画像記録材料とする場合には、特開2003−215751号に記載される化合物No.1〜93、特開2005−157245号に記載されるDye−1〜51が好ましく用いられる。
これら染料の添加法としては、溶液、乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態など如何なる方法でもよい。これらの化合物の使用量は目的の吸収量によって決められるが、一般的に感材1m2当たり1μg〜1gの範囲で用いることが好ましい。
本発明に係る熱現像感光材料においては、支持体上の感光性層が設けられる側の層、具体的には下引層、感光性層、中間層、保護層に、より好ましくは感光性層に輻射線吸収性化合物(染料又は顔料)を含有させて、これらの層の全層での露光波長での吸光度を0.30〜1.00に設定し、かつ支持体を挟んで感光性層が設けられた側とは反対側の層、具体的には帯電防止下引層、アンチハレーション層、保護層に、より好ましくはアンチハレーション層に染料又は顔料を含有させて、これらの層の全層での露光波長での吸光度を0.20〜1.50の範囲に設定することが好ましい。又、支持体上の感光性層が設けられる側の層の全層合計での露光波長における吸光度は、好ましくは0.40〜0.90であることが好ましく、特に好ましくは0.50〜0.80である。又、支持体を挟んで感光性層が設けられた側とは反対側に設けられる層の全層合計での露光波長における吸光度は、好ましくは0.30〜1.20で、より好ましくは0.40〜1.00である。この範囲とすることで露光系に樹脂レンズを使用した場合でも、画像品質や湿度変化に伴う濃度変動を大きく改良することができる。
(支持体)
熱現像感光材料に用いる支持体の素材としては、各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(アルミニウム等)等が挙げられるが、情報記録材料としての取扱い上は、可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って、本発明の熱現像感光材料における支持体としては、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテート(TAC)フィルム又はポリカーボネート(PC)フィルム等のプラスチックフィルムが好ましく、2軸延伸したPETフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマー等の導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層に含有させてもよいが、好ましくはバッキング層又は感光性層側の表面保護層、下引層等に含ませる。米国特許5,244,773号のカラム14〜20に記載の導電性化合物等が好ましく用いられる。本発明では、バッキング層側の表面保護層に導電性金属酸化物を含有することが好ましい。このことで、更に本発明の効果(特に熱現像処理時の搬送性)を高められることが判った。
ここで、導電性金属酸化物とは、結晶性の金属酸化物粒子であり、酸素欠陥を含むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は、一般的に言って導電性が高いので特に好ましく、特に後者はハロゲン化銀乳剤にカブリを与えないので特に好ましい。金属酸化物の例としてZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、又はこれらの複合酸化物がよく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、又、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜30モル%の範囲が好ましいが、0.1〜10モル%が特に好ましい。更に又、微粒子分散性、透明性改良のために、微粒子作製時に珪素化合物を添加してもよい。
本発明に用いられる金属酸化物微粒子は導電性を有しており、その体積抵抗率は107Ω・cm以下、特に105Ω・cm以下である。これら酸化物については、特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号等に記載されている。更に又、特公昭59−6235号に記載の如く、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(酸化チタン等)に、上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。
利用できる粒子サイズは1μm以下が好ましいが、0.5μm以下であると分散後の安定性が良く使用し易い。又、光散乱性を出来るだけ小さくするために、0.3μm以下の導電性粒子を利用すると、透明熱現像感光材料を形成することが可能となり大変好ましい。又、導電性金属酸化物が針状あるいは繊維状の場合は、その長さは30μm以下で直径が1μm以下が好ましく、特に好ましくは長さが10μm以下で直径0.3μm以下であり、長さ/直径比が3以上である。尚、SnO2としては、石原産業社より市販されており、SNS10M、SN−100P、SN−100D、FSS10M等を用いることができる。
(構成層)
本発明に係る熱現像感光材料は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層である感光性層を有している。支持体上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に少なくとも1層の非感光性層を形成することが好ましい。例えば、感光性層の上には保護層が、感光性層を保護する目的で設けられることが好ましく、又、支持体の反対の面には、熱現像感光材料間の、あるいは熱現像感光材料ロールにおける「くっ付き」を防止する為にバックコート層が設けられる。
これらの保護層やバックコート層に用いるバインダーとしては、感光性層よりもガラス転位点(Tg)が高く、擦傷や、変形の生じ難いポリマー、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のポリマーが、前記のバインダーの中から選ばれる。
尚、階調調整等のために、感光性層を支持体の一方の側に2層以上又は支持体の両側に1層以上設置してもよい。
(下引層(スリップ層))
スライドコータを使用して塗布を行う場合は、支持体上に薄い下引層(スリップ層)を、感光性層側についてはスリップ層、感光性層、感光性層上の保護層を同時重層塗布により設けることが好ましい。又、バックコート層(BC層)側に使用される場合は、スリップ層、BC層を同時重層塗布により設けることが好ましい。ここで、感光性層、感光性層上の保護層、BC層は複数層で構成されてもよい。スリップ層は、通常、有機銀塩及びバインダーを含む層やバインダーを含む層より非常に薄く形成される。感光性層側のスリップ層の乾燥膜厚をSA、感光性層の乾燥膜厚をSBとした時、SA/SBが0.005〜0.10であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.07で、更に好ましくは0.02〜0.06である。感光性層側のスリップ層の乾燥膜厚SAは0.1〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.7μm、特に好ましくは0.3〜0.6μmである。
バックコート層側のスリップ層の乾燥膜厚をSc、バックコート層の乾燥膜厚をSdとした時、Sc/Sdが0.01〜0.30であることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.25で、更に好ましくは0.08〜0.20である。バックコート層側のスリップ層の乾燥膜厚Scは0.1〜0.8μmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.7μm、特に好ましくは、0.2〜0.5μmである。
スリップ層のバインダーとしては、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、又はセルロースエステルが用いられることが好ましい。ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる。
ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが使用される。従って、極性基を有するポリエステルポリオールを原料として用いれば、極性基を有するポリウレタンを合成することができる。本発明においては、脂肪族や芳香環を有するポリエステルポリオール及び/又は環状炭化水素残基を含有するポリエステルポリオールを用いて造られた脂肪族や芳香族ポリエステルポリウレタンを用いることが好ましい。
ポリイソシアネートの例としては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル(LDI)等が挙げられる。アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えばアクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、3−シアノフェニルメタクリルアミド、4−シアノフェニルメタクリレート、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド等から成るホモポリマーやコポリマーが挙げられる。これらの中でも、好ましいのはポリメチルメタクリレート(PMMA)である。
スリップ層に含まれるポリエステル樹脂、アクリル樹脂やポリウレタンの含有量は、スリップ層に含まれる全バインダーに対して質量比で10〜90%、好ましくは20〜80%、更に好ましくは30〜70%である。尚、架橋剤はバインダーの中に含まれることとする。ポリエステル樹脂、アクリル樹脂やポリウレタンの添加量をこの範囲とすることで支持体との接着性を格段に向上することができる。
本発明においては、バックコート層及びバックコート層側の下引層(スリップ層)がポリエステル樹脂、アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂を含有し、バックコート層におけるポリエステル樹脂、アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂の合計量がバックコート層のバインダ量に対する質量比率をA、バックコート層側の下引層におけるポリエステル樹脂、アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂の合計量が下引層のバインダ量に対する質量比率をBとする時、B>Aであることが好ましい。ここで架橋剤はバインダーに含むものとする。ポリエステル樹脂、アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂は、支持体との接着層を向上させるためにバックコート層側の接着性促進バインダーとして用いている。ところが、これらの接着性促進バインダーが熱現像時の機内汚染に影響することが判明したため、熱現像装置に接触するバックコート層表面に存在する接着性促進バインダーの量を極力減らし、接着性促進バインダーを下引層に含有させることで、支持体との接着性は維持したままで、熱現像装置内の機内汚染の発生が改良された。ここで(B−A)の値は0.02〜0.3であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2である。Aは0〜0.01であることが好ましく、0であることが特に好ましい。Bは0.02〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.3であることが特に好ましい。
又、スリップ層と感光性層を同時重層塗布した場合の塗布むらの改良効果は、感光性層の塗布速度が25m/分以上の時に顕著であり、特に30m/分以上、更には35m/分以上と塗布速度が増加するにつれて改良の程度は増して来る。塗布速度は大きい方が生産性の点から好ましいが、通常300m/分以下であり、200m/分以下とするのが塗布性を維持する点から好ましい。スリップ層は水系でも有機溶媒を使用する溶媒系でもよいが、感光性層が水系である場合は水系で、感光性層が有機溶媒系である場合は有機溶媒系である方が同時重層塗布を行う上で好ましい。アクリル樹脂やポリウレタンを水系で使用する場合は水溶性のアクリル樹脂やポリウレタンを使用するか、水分散性のラテックスとして使用することが好ましい。
(構成層の塗布)
本発明に係る熱現像感光材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を調製し、それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成することが好ましい。ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構成層(感光性層、保護層など)の塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰返しをするのではなく、同時に重層塗布を行い乾燥する工程も同時に行える状態で各構成層を形成し得ることを意味する。即ち、下層中の全溶剤の残存量が70質量%以下(より好ましくは90質量%以下)となる前に、上層を設けることである。
各構成層を複数同時に重層塗布する方法には特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、リバースロール塗布法、グラビア塗布法、エクストリュージョン塗布法等の公知の方法を用いることができる。
上記の各種方法の内、より好ましくはスライド塗布法、エクストリュージョン塗布法である。これらの塗布方法は感光性層を有する側について述べたが、バック層を設ける際、下引層と共に塗布する場合についても同様である。熱現像感光材料における同時重層塗布方法に関しては、特開2000−15173号に詳細な記載がある。
本発明において、塗布銀量は熱現像感光材料の目的に応じた適量を選ぶことが好ましいが、医療用画像を目的とする場合には、0.3〜1.5g/m2が好ましく、0.5〜1.4g/m2がより好ましく、0.7〜1.2g/m2が特に好ましい。当該塗布銀量の内、ハロゲン化銀に由来するものは全銀量に対して2〜18%を占めることが好ましく、更には5〜15%が好ましい。
又、本発明において、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子の塗布密度は1×1014〜1×1018個/m2が好ましい。更には1×1015〜1×1017個/m2が好ましい。
更に、前記の非感光性長鎖脂肪族カルボン酸銀の塗布密度は、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子1個当たり1×10-17〜1×10-14gが好ましく、1×10-16〜1×10-15gがより好ましい。
上記のような範囲内の条件において塗布した場合には、一定塗布銀量当たりの銀画像の光学的最高濃度、即ち銀被覆量(カバーリング・パワー)及び銀画像の色調等の観点から好ましい結果が得られる。
熱現像感光材料が現像時に溶剤を5〜1,000mg/m2の範囲で含有していることが好ましい。10〜150mg/m2であるように調整することがより好ましい。それにより、高感度、低カブリ、最高濃度の高い熱現像感光材料となる。溶剤としては、特開2001−264930号の「0030」に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの溶剤は単独又は数種類組み合わせて用いることができる。この、熱現像感光材料中の上記溶剤の含有量は、塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調整できる。又、当該溶剤の含有量は、含有させた溶剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマトグラフィーで測定できる。
(包装体)
以下、本発明で好ましく用いられるシート状記録材料の包装方法及びシート状記録材料包装体について詳細に説明する。
本発明においては、裁断工程及び/又は包装工程を、クリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境において行うことが好ましい。クリーン度が該環境において行うことで、熱現像時の熱現像装置の機内汚染の程度を著しく改良することができる。裁断工程及び/又は包装工程をクリーン度が該環境において行うことで、熱現像装置の機内汚染が改良されることの原因は不明であるが、例えば以下の理由が考えられる。
熱現像時に裁断工程及び/又は包装工程から持ち込まれて感光材料に付着していた切り屑や塵埃が熱現像装置内のローラ等の搬送部材に付着し、それがきっかけとなり、感光材料の裁断面から脱落した切り屑が、そこに蓄積して行くことで機内汚染が発生する。
ここで言う米国連邦基準209dクラスとは、クリーンルームの規格を示すものである。米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境とは、粒子サイズ0.5μm以上の粒子の累積個数が10,000個/ft3(1ft3は28,320cm3である)以下であり、粒子サイズ5.0μm以上の粒子の累積個数が65個/ft3以下である環境を言う。
このような条件を満たす環境はクリーンルーム内で形成することができるが、本発明の方法は必ずしもクリーンルーム内で実施する場合に限定されるものではない。即ち、シート状記録材料の裁断や包装を行う装置全体をクリーンルーム内に入れて加工することは必ずしも必要とされず、例えば裁断から包装に至る装置内に、シート状記録材料に気流を当てる機構を設けて置き、シート状記録材料がクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境に保たれるようにして加工することもできる。
クリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境に保つ必要があるのは、裁断工程か包装工程の少なくとも一方である。好ましくは裁断工程の環境が米国連邦基準209dクラス10,000以下である場合であり、より好ましくは裁断工程と包装工程が共に米国連邦基準209dクラス10,000以下である場合である。
本明細書で言う裁断工程とは、シート状記録材料を所定のサイズに切断する工程を意味し、通常は使用時のサイズ(A4、半切など)に切断する工程を指す。切断回数は特に制限されず、1回でも複数回でもよい。又、縦方向に纏めて切断して、一旦、ストライプ状の記録材料を形成して置き、その後に横方向に切断して所定のサイズにしてもよい。更に切断時に用いられる切断手段や切断装置についても特に制限されない。
本明細書で言う包装工程とは、シート状記録材料そのものを画像記録装置に装着する場合は当該シート状記録材料を包装するステップを少なくとも含む工程を意味するものであり、シート状記録材料を装填した装填物を画像記録装置に装着する場合は当該シート状記録材料装填物を包装するステップを少なくとも含む工程を意味するものである。すなわち、画像記録装置に装着するシート状記録材料又はシート状記録材料装填物を包装する工程を意味する。包装手段や包装装置については特に制限されない。
裁断工程から包装工程に至る間は、必ずしもクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下である必要はないが、該環境に維持しておくことが好ましい。又、製造後のシート状記録材料を裁断する迄の間についても同様である。裁断工程におけるクリーン度は、米国連邦基準209dに準じた計測方法でクラス7,000以下であることが好ましく、4,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることが更に好ましく、500以下であることが特に好ましい。包装工程におけるクリーン度は、米国連邦基準209dに準じた計測方法でクラス7,000以下であることが好ましく、4,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることが更に好ましく、500以下であることが特に好ましい。
シート状記録材料を包装するために用いる包装材料は、粉塵を発生し難いものの中から選択することが好ましい。特に、包装材料に由来する粉塵によってクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境が維持できなくなる場合は、そのような包装材料を選択しないことが好ましい。
本発明の熱現像感光材料を保存する場合は、経時での濃度変化やカブリ発生を防止するため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day(1atmは1.01325×105Paである)以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、更に好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は0.01g/m2・40℃・90%RH・day以下(JIS Z0208カップ法による)であることが好ましく、より好ましくは0.005g/m2・40℃・90%RH・day以下、更に好ましくは0.001g/m2・40℃・90%RH・day以下である。
熱現像感光材料用の包装材料の具体例としては、例えば特開平8−254793号、特開2000−206653号、同2000−235241号、同2002−062625号、同2003−015261号、同2003−057790号、同2003−084397号、同2003−098648号、同2003−098635号、同2003−107635号、同2003−131337号、同2003−146330号、同2003−226439、同2003−228152号に記載される包装材料である。
又、包装体内の空隙率は0.01〜10%、好ましくは0.02〜5%とするのがよく、窒素封入を行って包装体内の窒素分圧を80%以上、好ましくは90%以上とするのがよい。又、包装体内の相対湿度(RH)は10〜60%、好ましくは40〜55%とするのがよい。
(熱現像装置)
本発明に用いることのできる熱現像装置は、画像露光部と熱現像部とを有しているものが好ましい。それぞれについて説明する。
(画像露光部)
画像露光は、従来知られている如何なる方法によって行ってもよい。好ましい画像露光はレーザによる走査露光である。レーザとして如何なるレーザも用いることができる。好ましくは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザ、赤色半導体レーザ、又は青〜緑発光のAr+、He−Ne、He−Cdレーザ、青色半導体レーザである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザであり、レーザ光のピーク波長は、600〜900nm、好ましくは620〜850nmである。
一方、近年、特にSHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザを一体化したモジュールや青色半導体レーザが開発されてきて、短波長領域のレーザ出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザ光のピーク波長は、300〜500nm、特に400〜500nmが好ましい。レーザ光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
(熱現像部)
熱現像部は、熱現像感光材料を熱現像温度に加熱する加熱手段を有する。加熱手段は、熱現像感光材料の搬送路に沿って前記熱現像感光材料の一方の面を加熱する如く配設された二つの加熱部分を有することが好ましい。更に好ましくは、前記加熱手段が、第1の加熱手段を通過後、第2の加熱手段を通過することにより熱現像される如く配設され、前記第1の加熱手段の熱容量が前記第2の加熱手段の熱容量に比較して1.2倍以上大きい。好ましくは、1.3倍以上大きく、更に好ましくは1.5倍以上大きい。
又、特に好ましくは、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段は、各々前記熱現像感光材料の搬入入口側が出口側より加熱温度が高い。
好ましくは、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段は、各々加熱部材と該加熱部材に前記熱現像感光材料を押当する部材を有する。より好ましくは、前記加熱部材が電気抵抗体のコイルを熱源とし、前記第1の加熱手段のコイル密度が第2の加熱手段のコイル密度に比較して1.2倍以上大きい。又、好ましくは、前記加熱部材がヒートプレートである。
本発明に用いることの出来る熱現像装置は、熱現像部のヒートプレートが熱現像感光材料の搬送方向に対して搬送入口側で加熱温度が高くなるように構成されることが好ましく、搬送方向の上流側から熱現像温度に満たない熱現像感光材料が搬入された際に、該熱現像感光材料を所定の熱現像温度まで加熱する時間を短縮することが出来、熱現像時間を十分に確保することができる。従って、熱現像された熱現像感光材料の画像の濃度が低下することを防止することができる。
又、熱現像を行うヒートプレートに熱現像温度に満たない熱現像感光材料が搬入された場合に、該熱現像感光材料との接触によって熱が吸収されても、ヒートプレートにおける搬送入口側で加熱温度を高くしておくことで必要な温度を確保することが出来るので、熱現像を行うヒートプレートが熱現像温度より低くなることを防止することが出来る。
上記熱現像装置は、ヒートプレートには発熱部材が設けられ、該発熱部材が、ヒートプレートのヒータワット密度を熱現像感光材料の搬送方向に対して変化させ、かつ搬送入口側のヒータワット密度が高くなるように配置されていることが好ましい。こうすれば、ヒートプレートの発熱部材に制御可能な熱供給手段を接続し、熱供給手段を制御することで電気容量を変化させることで、搬送入口側が高温になる状態を維持しつつ、ヒートプレートの加熱温度を設定することができる。
上記熱現像装置は、発熱部材が、ヒートプレートにおける熱現像感光材料の搬送方向に直行する方向に亘って折り返し配置された線状の熱線であって、熱現像感光材料の搬送方向における搬送入口側で熱線の間隔が狭いことが好ましい。こうすれば、ヒートプレートの内部に線状の熱線を間欠させることなく延設することができ、熱現像時には熱線を発熱させれば、ヒートプレートの所定の部位ごとに温度を制御するといった複雑な構成を要することなく、熱線が密に配置された搬送入口側の加熱温度が高くなる状態を維持しつつ、ヒートプレート全体を加熱することができる。
この熱現像装置によれば、単一のヒートプレートに前加熱部と現像部とが形成され、加熱領域において熱現像感光材料を熱現像温度近傍の温度までに予め加熱し、その後、現像部において熱現像感光材料をでき、又、現像部における上流側の加熱温度を下流側の加熱温度よりも高くすることができる。こうして、現像部において、熱現像感光材料を十分な熱現像温度に加熱することができ、画像の濃度の低下を防止することができる。
又、単一のヒートプレートで加熱工程と現像工程とを行うことができ、熱現像部に、その他のヒートプレートを設ける必要がないため、構造を簡略化、小型化することができ、コストを低減することも出来る。
以下、本発明に用いることのできる熱現像装置を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は本発明に用いることのできる熱現像装置を示す構成図である。図1に示す様に、熱現像装置10は、画像記録材料として湿式の現像処理を必要としないシート状の熱現像感光材料Fを使用し、熱現像感光材料Fに入力される画像信号に基づいて変調されたレーザ光Lを照射して潜像を形成した後に、該熱現像感光材料Fを熱現像することで熱現像感光材料表面に可視像を得る構成である。尚、本発明はこの様な構成に限らず、レーザ光Lによってシート状の熱現像感光材料に予め露光して画像を形成すると共に、熱現像感光材料に熱現像のみを行う構成に適用することが出来る。
熱現像装置10は、熱現像感光材料Fの搬送方向順に、熱現像感光材料供給部Aと、画像露光部Bと、熱現像部Cと、冷却部Dとから概略構成されている。又、各部間の要所に設けられ熱現像感光材料Fを搬送するための搬送手段と、各部を駆動し制御する電源/制御部Eとを備えている。
熱現像装置10において、最下段に電源/制御部E、その上段に熱現像感光材料供給部A、更に、その上段に画像露光部Bと熱現像部Cと冷却部Dとが配置された構成となっており、又、画像露光部Bと熱現像部Cとが隣接するように配置された構成である。この構成によれば、一枚の熱現像感光材料Fに対して露光工程と熱現像工程との両工程を同一の搬送経路において実施することが出来ると共に、露光工程と熱現像工程を短い搬送距離内で行うことで、熱現像感光材料Fの搬送パス長を最短化し、一枚の出力時間を短縮することが出来る。
熱現像感光材料Fとしては、厚みが約0.2mm程度(0.1〜0.3mm)の熱現像感光材料を使用することができる。熱現像感光材料としては、レーザ光Lによって画像を記録(露光)し、その後、熱現像して発色させるものである。
熱現像感光材料供給部Aは、熱現像感光材料Fを一枚ずつ取り出して、熱現像感光材料Fの搬送方向の下流に位置する画像露光部Bに供給する部分であり、複数(本実施形態においては二つ)の装填部11a,11bと、各装填部11a,11bにそれぞれ配置される供給ローラ対13a,13bと、不図示の搬送ローラ及び搬送ガイドとを有して構成される。又、二段構成となっている各装填部11a,11bの内部には、異なるサイズの熱現像感光材料Fが収容されたマガジン15a,15bが挿入され、各段に装填されたマガジン15a,15bが熱現像感光材料Fのサイズや、その向きに応じて選択的に使用される。尚、装填部は、2段構成に限定されず、3段以上の構成としてもよく、単一の構成としてもよい。
画像露光部Bは、熱現像感光材料供給部Aから搬送されてきた熱現像感光材料Fに対してレーザ光Lを主走査方向に走査露光し、又、主走査方向に略直行する副走査方向(即ち搬送方向)に搬送することで、所望の画像に応じた潜像を熱現像感光材料F表面における画像形成層に形成する。
熱現像感光材料供給部Aと画像露光部Bとの間の搬送路には、幅寄せ機構17が設けられており、熱現像感光材料供給部Aから搬入されてきた熱現像感光材料Fを、その幅方向端部を揃えた状態で画像露光部Bへ供給している。
熱現像部Cは、走査露光後の熱現像感光材料Fを搬送しながら昇温処理して、熱現像を行う。そして、冷却部Dにおいて現像処理後の熱現像感光材料Fを冷却して、排出トレイ16に搬出する。
図1に示すように、排出トレイ16には、搬出された熱現像感光材料Fを保持するソータSが設けられていれもよい。ソータSは、熱現像装置10に着脱可能な本体65と、該本体65に設けられた複数の搬出ローラ66a,66b,66cと、該複数の搬出ローラ66a,66b,66cによって本体65から搬出された熱現像感光材料Fを保持するため、本体65の上下方向に仕切られた複数の供給部67a,67b,67cとを備えている。ソータSは、搬出ローラ66a,66b,66cのうち何れかを選択して熱現像感光材料Fを搬出させることで、該搬出ローラ66a,66b,66cに対応する供給部67a,67b,67cのそれぞれに適宜仕分けて保持可能な構成である。尚、ソータSは、熱現像装置の上部に着脱自在な構成とすることが出来、必要に応じて省略し、熱現像感光材料Fを排出トレイ16にのみ搬出する構成としてもよい。
画像露光部Bは、レーザ光を走査露光することによって熱現像感光材料Fを露光する走査露光装置40を備えている。この走査露光装置40は、熱現像感光材料Fの搬送面からの「ばたつき」を防止しつつ搬送する「ばたつき防止機構」を有した副走査搬送部18と、走査露光部19とから構成されている。走査露光部19は、別途用意された画像データに従ってレーザの出力を制御しつつ、このレーザ光Lを走査(主走査)させる。このとき熱現像感光材料Fを副走査搬送部18によって副走査方向に移動させる。
副走査搬送部18は、走査するレーザ光Lの主走査ラインを挟んで、回転軸がこの走査ラインに対して、それぞれ略平行に配置された2本の駆動ローラ(搬送手段)21、22と、これら駆動ローラ21、22に対向して配置され、熱現像感光材料Fを支持するガイド板24とを備えている。ガイド板24は、各駆動ローラ21、22との間に挿入される熱現像感光材料Fを、並設されたこれら駆動ローラ21、22同士間の外側で駆動ローラ21、22の周面の一部に沿って撓ませていることで生じる該熱現像感光材料Fの弾性反発力によって、駆動ローラ21、22同士間の部位に当接せしめて支持する。
このように、熱現像感光材料F自身の弾性反発力によって熱現像感光材料Fと駆動ローラ21、22との間に適宜な摩擦力が生じ、駆動ローラ21、22から熱現像感光材料Fへ確実に搬送駆動力が伝達され、熱現像感光材料Fが搬送される。駆動ローラ21、22は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力を歯車やベルト等の伝達手段を介して受けることで、図1中、時計回り方向へ回転するように構成されている。
又、ガイド板24の上面において、熱現像感光材料Fが自身の弾性反発力によって押し付けられ、熱現像感光材料Fの搬送面からの「ばたつき」即ち、図中、上下方向の「ばたつき」が抑制される。そして、この駆動ローラ21、22同士間の熱現像感光材料Fに向けてレーザ光Lを照射することで、露光位置ずれのない良好な記録が行えることになる。
熱現像部Cは、熱現像感光材料Fを加熱処理する加熱部材として、複数(本実施形態では二つ)のヒートプレート51a,51bが設けられ、これらヒートプレート51a,51bが熱現像感光材料Fの搬送経路に沿って円弧状に配置されている。ヒートプレート51a,51bは、搬送される熱現像感光材料Fに接触することによって熱現像を施す加熱手段として機能する。
冷却部Dにおいて、熱現像部Cの搬送方向の直ぐ下流側には、熱現像が施された熱現像感光材料Fを更に搬送方向下流へ移送する複数の植毛ローラ57が配設されている。複数の植毛ローラ57は熱現像感光材料の搬送経路に対して千鳥状に配列されている。熱現像部Cから排出された熱現像感光材料Fは、植毛ローラ57によって搬送されながらガラス転移点(Tg)以下の温度まで緩やかに冷却される。熱現像感光材料Fを緩やかに冷却する理由は、熱現像直後、熱現像感光材料Fを急速に冷却すると、熱現像感光材料Fにおける搬送方向中央部と端部とで冷却の度合が異なってしまい、熱現像感光材料Fが例えば波形などに変形した状態で固まってしまうため、熱現像直後は、保温部などを設けて敢えて冷却効率を下げて冷却の進行を緩やかにする必要があるためである。
熱現像感光材料Fは、植毛ローラ57によって緩やかに冷却された後、熱現像感光材料Fの搬送経路を介して対向する平面を有する一対の金属プレート61の該平面に接触するように搬送される。そして、該金属プレート61によって熱現像感光材料Fの熱が吸収され、皺が発生しないように、かつ、湾曲癖が付かないように適宜に冷却される。冷却部Dから排出された熱現像感光材料Fは、搬送ローラ64から下流側の搬出ローラ63に搬送され、搬出ローラ63(又は66a,66b,66c)から排出トレイ16(又はソータSの各供給部67a,67b,67c)に搬出される。
熱現像感光材料Fは、熱現像時に熱現像部Cにおいて所定の熱現像温度(約120℃)まで加熱される熱現像処理が施されて画像が形成されるが、短時間で急激に熱現像温度まで加熱されると収縮が生じてしまう。そこで、本実施形態の熱現像装置10では、熱現像感光材料Fの搬送方向上流側のヒートプレート50によって予め110℃程度まで加熱し(加熱工程)、その後、下流側に配列された残りのヒートプレート51,52によって上記熱現像温度で熱現像する(現像工程)。又、熱現像部Cに形成されるヒートプレートの個数は3個に限定されず、2個としてもよいし4個以上としてもよい。ヒートプレートを複数設ける場合には、搬送方向上流側の任意の数のヒートプレートで加熱工程を行い、下流側の残りのヒートプレートで現像工程を行う構成とすることができる。
図2は、本実施形態のヒートプレートの構成を模式的に示した図である。図2に示す様に、ヒートプレート51は、発熱部材である熱線Hを折り返して配置した構成である。熱線の間隔は、熱現像感光材料は搬入入口側が密であることを特徴とする。
本実施形態のヒートプレート51は、シリコンラバーヒータ等から成る加熱部材全体において、熱線Hを熱現像感光材料の搬送方向に対して直交する方向に亘って熱線Hを折り返しつつ配置する。又、熱線Hが、熱現像感光材料の搬送方向において、搬送入口側51fでの間隔が搬送出口側51rでの間隔より狭くなるように配置され、この結果、ヒートプレート51の搬送入口側51fのヒータワット密度が高い。又、熱線Hの一部がヒートプレート51の外部へ導出されて、加熱温度を制御する熱供給手段70に接続されていてもよい。
本実施形態によれば、特にヒートプレート51aを上記熱線配置のヒートプレートを用いることが望ましい。それによって、熱現像時に、熱現像温度に満たない熱現像感光材料Fがヒートプレート51aに搬入されても、該ヒートプレート51aが維持すべき熱現像温度より低温になって了うことを防止することができる。又、ヒートプレート51aに搬送された直前の熱現像感光材料Fを、素早く熱現像温度に到達せしめることができる。従って、本実施形態によれば、熱現像された熱現像感光材料Fの画像の濃度が低下することを防止することができる。
本発明においては、ヒートプレート51bも上記熱線配置とするのが好ましい。
本発明で好ましく用いられるレーザイメージャは、熱現像部のパス長に対する冷却部のパス長の比が1.5以下であり、0.1〜1.2がより好ましく、0.2〜1.0が特に好ましい。ここで、熱現像部のパス長とは、熱現像装置において、熱現像感光材料Fが現像温度に加熱された搬送パス長である。又、冷却部のパス長とは、熱現像部以降、熱現像感光材料Fがレーザイメージャによって遮光された領域からレーザイメージャの設置されている室内光下へと熱現像感光材料Fが排出される迄のパス長を言う。
又、前記レーザイメージャが熱現像感光材料Fの支持体を挟んで感光性層を有しない側の面(以下、非感光面と言う)の冷却速度を感光性層を有する側の面(以下、感光面と言う)の冷却速度より大きくし得る機能を有することが好ましい。
感光面の冷却速度に対する非感光面の冷却速度の比は1.1以上であることが好ましい。より好ましくは1.1〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0である。非感光面の冷却速度を速くする手段は特に問わないが、非感光面を直接金属板、金属ローラ、不織布、植毛されたローラに接触させることは好ましい態様である。更に好ましくは、これらの部材に蓄積される熱を積極的に外部に排出させるためヒートシンクやヒートパイプを併用することも望ましい形態である。
熱現像部のパス長に対する冷却部のパス長の比が1.5以下の冷却部のパス長が短いレーザイメージャによって、小型で、処理速度の速いレーザイメージャを提供することが可能である。
熱現像部を出た後、排出される迄の冷却時間は任意であるが、0〜25秒であることが好ましい。より好ましくは0〜15秒、特に好ましくは5〜15秒である。
熱現像部を出た後、排出までの熱現像感光材料の通過するパス長は任意であるが、1〜60cmであることが好ましい。より好ましくは5〜50cm、更に好ましくは5〜40cmである。
本発明の熱現像感光材料は如何なる方法で現像されてもよいが、通常、イメージワイズに露光した当該熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、好ましくは100〜140℃、更に好ましくは110〜130℃である。現像時間としては1〜10秒が好ましく、より好ましくは2〜10秒、更に好ましくは3〜10秒である。加熱温度がこの範囲にあれば、短時間に十分な画像濃度が得られ、バインダーが溶融し、ローラへの転写等、画像以外の搬送性や現像機等への悪影響も軽減できる。
加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の供給を一切行わないで進行する。熱現像処理に要する時間(熱現像感光材料がトレイ部でピックアップされてから排出される迄に掛かる時間)は60秒以下であることが好ましく、10〜50秒とすることが緊急時の診断にも対応できて、より好ましい。
熱現像の方式としては、ドラム型ヒータ、プレート型ヒータの何れを使用してもよいが、プレートヒータ方式がより好ましい。プレートヒータ方式による熱現像方式としては、特開平11−133572号に記載の方法、即ち、露光によりハロゲン化銀粒子上に潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより、可視像を得るレーザイメージャであって、前記加熱手段がプレートヒータから成り、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うレーザイメージャによる現像方法が好ましい。
露光処理と熱現像処理を同時に行う、即ち、シート感光材料の一部分を露光しながら、既に露光されたシート感光材料の一部分で現像が開始されるためには、露光処理を行う露光部と現像部の間の距離が0〜50cmであることが好ましく、これにより露光・現像の一連の処理時間が極めて短くなる。この距離の好ましい範囲は、3〜40cmであり、より好ましくは5〜30cmである。ここで露光部とは、露光光源からの光が熱現像感光材料に照射される位置を言い、現像部とは、熱現像感光材料が熱現像を行うために初めて加熱される位置を言う。図1におけるLで示されるレーザ光が熱現像感光材料に当たった場所(矢印の先端)が露光部であり、図1の15から搬送された熱現像感光材料Fが51aのプレートに初めて接した部分が現像部である。
加熱する機器、装置あるいは手段としては、例えばホットプレート、アイロン、ホットローラ、炭素又は白色チタン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段等で行ってよい。より好ましくは、感光性層の上に保護層の設けられた熱現像感光材料は、保護層を有する側の面を加熱手段と接触させ加熱処理することが、均一な加熱を行う上で、又、熱効率、作業性等の観点から好ましく、保護層を有する側の面をヒートローラに接触させながら搬送し、加熱処理して現像することが好ましい。
露光部及び熱現像部及び冷却部における熱現像感光材料の線速度は任意であるが、より速いほうが迅速処理、スループットの向上のためには好ましい。好ましい線速度は20mm/秒以上150mm/秒以下、より好ましくは25mm/秒以上120mm/秒以下、更に好ましくは30mm/秒以上100mm/秒以下である。搬送速度をこの範囲とすることにより、熱現像時の熱現像装置内の機内汚染、及び搬送性を改良でき、又処理時間が短縮できるため、緊急時の診断にも対応できて好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
実施例1
[下引加工した写真用支持体の作製]
光学濃度0.150(コニカミノルタ社製デンシトメータPDA−65で測定)に下記青色染料で着色した2軸延伸熱固定した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、8W・分/m2のコロナ放電処理を施した写真用支持体に、下引加工を行った。即ち、この写真用支持体の一方の面に下引塗布液a−1を乾燥膜厚が0.2μmになるように22℃、100m/分で塗設し、140℃で乾燥して感光性層(画像形成層)側下引層を形成した(下引下層A−1と言う)。又、反対側の面に、バッキング層下引層として下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚が0.12μmになるように22℃、100m/分で塗設し、140℃で乾燥させてバッキング層側に帯電防止機能を持つ下引導電層(下引下層B−1と言う)を塗設した。下引下層A−1と下引下層B−1の上表面に、8W・分/m2のコロナ放電を施し、下引下層A−1の上には下記下引塗布液a−2を乾燥膜厚0.03μmになるように33℃、100m/分で塗設し、140℃で乾燥させて下引上層A−2とし、下引下層B−1の上には下記下引塗布液b−2を乾燥膜厚0.2μmになるように33℃、100m/分で塗設し、140℃で乾燥させて下引上層B−2とし、更に123℃で2分間支持体を熱処理し25℃・50%RH(相対湿度)の条件下で巻き取り、下引済み試料を作製した。
Figure 2009069757
〈水性ポリエステルA−1溶液の調製〉
テレフタル酸ジメチル35.4部、イソフタル酸ジメチル33.63部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92部、エチレングリコール62部、酢酸カルシウム・一水塩0.065部、酢酸マンガン四水塩0.022部を、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを溜去しながらエステル交換反応を行った後、燐酸トリメチル0.04部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を溜去しエステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルA−1を合成した。得られた水性ポリエステルA−1の固有粘度は0.33、平均粒径は40nm、質量平均分子量(Mw)は80,000〜10,0000であった。
次いで、撹拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの三つ口フラスコに、純水850mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、上記水性ポリエステルA−1を150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間撹拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。溶解後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、15%の水性ポリエステルA−1溶液を調製した。
〈変性水性ポリエステルB−1,B−2溶液の調製〉
撹拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの四つ口フラスコに、前記15%水性ポリエステルA−1溶液1,900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続ける。その後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18%の変性水性ポリエステルB−1溶液(ビニル系成分変性比率20%)を調製した。
ビニル変性比率を36%にし、変性成分をスチレン/グリシジルメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート=39.5/40/20/0.5にした以外は同様にして、固形分濃度が18%の変性水性ポリエステルB−2溶液(ビニル系成分変性比率20%)を調製した。
〈アクリル系ポリマーラテックスC−1〜C−3の作製〉
乳化重合により、表1に示すモノマー組成を有するアクリル系ポリマーラテックスC−1〜C−3を合成した。固形分濃度は全て30質量%とした。
Figure 2009069757
(感光性層側下引下層用塗布液a−1)
アクリル系ポリマーラテックスC−3(固形分30%) 70.0g
エトキシ化アルコールとエチレンホモポリマーの水分散物(固形分10%)
5.0g
界面活性剤(A) 0.1g
以上に蒸留水を加えて1,000mlとし、塗布液とした。
(感光性層側下引上層用塗布液a−2)
変性水性ポリエステルB−2(18%) 30.0g
界面活性剤(A) 0.1g
真球状シリカマット剤(日本触媒社製:シーホスターKE−P50) 0.04g
蒸留水を加えて1Lとし、塗布液とした。
(バッキング層側下引下層用塗布液b−1)
アクリル系ポリマーラテックスC−1(固形分30%) 30.0g
アクリル系ポリマーラテックスC−2(固形分30%) 7.6g
酸化錫ゾル(特公昭35−6616号の実施例1に記載の方法で合成したSnO2ゾルを固形分濃度が10%になるように加熱濃縮した後、アンモニア水でpH=10に調整したもの) 180g
界面活性剤(A) 0.5g
PVA−613(クラレ社製PVA)5%水溶液 0.4g
蒸留水を加えて1Lとし、塗布液とした。
(バッキング層側下引上層用塗布液b−2)
変性水性ポリエステルB−1(18%) 145.0g
真球状シリカマット剤(前出:シーホスターKE−P50) 0.2g
界面活性剤(A) 0.1g
蒸留水を加えて1Lとし、塗布液とした。
尚、前記下引層を施した支持体の下引層B−2上には、下記組成のバックコート層、バックコート層保護層を塗設した。
Figure 2009069757
〈バックコート層塗布液の調製〉
メチルエチルケトン(MEK)830gを撹拌しながら、セルロースアセテートプロピオネート(Eastman Chemical社製:CAP482−20)84.2gを添加し溶解した。次に、溶解した液に0.30gの下記赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2gに溶解した弗素系界面活性剤(旭硝子社製:サーフロンKH40)4.5gと弗素系界面活性剤(大日本インキ社製:メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に攪拌しバックコート層塗布液を得た。
Figure 2009069757
〈バックコート層保護層(表面保護層)塗布液の調製〉
バックコート層保護層についても、下記の組成比率でバックコート層塗布液と同様にして調製した。架橋したPMMAについてはMEKに1%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散を行い、最後に添加した。
セルロースアセテートプロピオネート(前出:CAP482−20)10%MEK溶液
15g
単分散度15%の3次元架橋した球状PMMA(ポリメチルメタクリレート,平均粒径8.0μm) 0.030g
917O(CH2CH2O)22917 0.075g
弗素系界面活性剤(SF−17) 0.01g
弗素系ポリマー(FM−1) 0.05g
潤滑剤(表2に記載の種類) 0.1g
Figure 2009069757
〈感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A1の調製〉
(A1)
フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g
化合物(AO−1)の10%メタノール水溶液 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5,429mlに仕上げる
(B1)
0.67モル/L硝酸銀水溶液 2635ml
(C1)
臭化カリウム 50.69g
沃化カリウム 2.66g
水で660mlに仕上げる
(D1)
臭化カリウム 151.6g
沃化カリウム 7.67g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム(1%水溶液) 0.93ml
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 0.004g
ヘキサクロロオスミウム(IV)酸カリウム 0.004g
水で1,982mlに仕上げる
(E1)
0.4モル/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
(F1)
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げる
(G1)
56%酢酸水溶液 18.0ml
(H1)
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げる。
AO−1:HO(CH2CH2O)n〔CH(CH3)CH2O〕17(CH2CH2O)m
(m+n=5〜7)
特公昭58−58288号に示される混合撹拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)の1/4量及び溶液(C1)全量を20℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し核形成を行った。1分後に溶液(F1)の全量を添加した。この間、pAgの調整を(E1)を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3/4量及び溶液(D1)の全量を、20℃、pAg8.09に制御しながら、14分15秒かけて同時混合法により添加した。5分間撹拌した後、40℃に降温し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2Lを残して上澄み液を取り除き、水を10L加えて撹拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1,500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10L加えて撹拌後、ハロゲン化銀粒子乳剤を沈降させた。沈降部分1,500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を加え、60℃に昇温し、更に120分撹拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1,161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A1を得た。
この乳剤は、平均粒径25nm、粒径の変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった(AgIの含有率は3.5モル%)。
〈感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A2の調製〉
上記感光性ハロゲン化銀乳剤A1の調製において、核生成後に溶液(F1)の全量を添加した後に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンの5%水溶液を40ml添加した以外は同様にして、感光性ハロゲン化銀乳剤A2を調製した。尚、この乳剤中の粒子は平均粒径25nm、粒径の変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった(AgIの含有率は3.5モル%)。
〈感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A3の調製〉
上記感光性ハロゲン化銀乳剤A1の調製において、核生成後に溶液(F1)の全量を添加した後に、下記の化合物(TPPS)の0.1%エタノール溶液を4ml添加した以外は同様にして、感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A3を調製した。
尚、この乳剤中の粒子は平均粒径25nm、粒径の変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった(AgIの含有率は3.5モル%)。
Figure 2009069757
〈感光性ハロゲン化銀粒子乳剤B1の調製〉
同時混合法による添加時の温度を45℃に変更した以外は、感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A1の調製と同様に行った。この乳剤中の粒子は平均粒径55nm、粒径の変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった(AgIの含有率は3.5モル%)。
〈感光性ハロゲン化銀粒子乳剤B2の調製〉
上記感光性ハロゲン化銀粒子乳剤B1の調製において、核生成後に溶液(F1)の全量を添加した後に、前記化合物(TPPS)の0.1%エタノール溶液を4ml添加した以外は同様にして、感光性ハロゲン化銀粒子乳剤B2を調製した。この乳剤中の粒子は平均粒径55nm、粒径の変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった(AgIの含有率は3.5モル%)。
〈粉末有機銀塩の調製〉
4,720mlの純水に、ベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化カリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸カリウム溶液を得た。この脂肪酸カリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、上記感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A1〜B2(種類と添加量は表2に記載)と純水450mlを添加し5分間撹拌した。次に1モル/Lの硝酸銀溶液468.4mlを2分間かけて添加し、10分間撹拌して有機銀塩分散物を得た。
その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて撹拌後、静置させて有機銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機熱風温度の運転条件(入口65℃、出口40℃)により含水率が0.1%になるまで乾燥して乾燥済みの粉末有機銀塩を得た。尚、有機銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用した。
〈予備分散液の調製〉
感光性層のバインダーとして、SO3K基含有ポリビニルブチラール(Tg62℃,−SO3K基を0.2ミリモル/g含む)14.57gをMEK1,457gに溶解し、ディゾルバDISPERMAT CA−40M型(VMA−GETZMANN社製)にて撹拌しながら、上記粉末有機銀塩500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。
〈感光性乳剤分散液の調製〉
予備分散液をポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ社製:トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/secにて分散を行うことにより感光性乳剤分散液を得た。
〈安定剤液の調製〉
1.0gの安定剤1、0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶解し、安定剤液を調製した。
〈赤外増感色素液Aの調製〉
9.6mgの赤外増感色素1、9.6mgの赤外増感色素2、1.488gの2−クロロ安息香酸、2.779gの安定剤2及び365mgの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3mlのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液Aを得た。
〈添加液aの調製〉
還元剤(表2に記載の化合物と量)、0.159gの一般式(YB)の黄色発色性ロイコ染料(YA−1)、0.159gのシアン発色性ロイコ染料(CLA−4)、1.54gの4−メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料1をMEK110.0gに溶解し、添加液aとした。
〈添加液bの調製〉
1.56gのカブリ防止剤2、0.5gのカブリ防止剤3、0.5gのカブリ防止剤4、0.5gのカブリ防止剤5、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに溶解し、添加液bとした。
〈添加液cの調製〉
省銀化剤(SE1−3)0.05gをMEK39.95gに溶解し、添加液cとした。
〈添加液dの調製〉
0.1gの強色増感剤1をMEK9.9gに溶解し、添加液dとした。
〈添加液eの調製〉
0.5gのp−トルエンチオスルホン酸カリウム、0.5gのカブリ防止剤6をMEK9.0gに溶解し、添加液eとした。
〈添加液fの調製〉
1.0gのビニルスルホン〔(CH2=CH−SO2CH22CHOH〕を含有するカブリ防止剤をMEK9.0gに溶解し、添加液fとした。
〈感光性層塗布液の調製〉
不活性気体雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液の50g及びMEK15.11gを撹拌しながら21℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メタノール溶液)1,000μlを加え、2分後にカブリ防止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加えて1時間撹拌した。更に臭化カルシウム(10%メタノール溶液)494μlを添加して10分撹拌した後に上記化学増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−5を添加し、更に20分撹拌した。続いて、安定剤液167μlを添加して10分間撹拌した後、1.32gの前記赤外増感色素液Aを添加して1時間撹拌した。その後、温度を13℃まで降温して更に30分撹拌した。13℃に保温したまま、0.5gの添加液d、0.5gの添加液e、0.5gの添加液f、SO3K基含有ポリビニルブチラール(Tg62℃、−SO3K基を0.2ミリモル/g含む)13.31gを添加して30分撹拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4%MEK溶液)1.084gを添加して15分間撹拌した。更に撹拌を続けながら、12.43gの添加液a、1.6mlのDesmodurN3300:モーベイ社製の脂肪族イソシアネート(10%MEK溶液)、4.27gの添加液b、4.0gの添加液cを順次添加し、撹拌することにより感光性層塗布液を得た。安定剤液を初めとする各塗布液、感光性層塗布液の調製に用いた添加剤の化学構造を以下に示す。
Figure 2009069757
Figure 2009069757
〈感光性層保護層下層(表面保護層下層)塗布液の調製〉
アセトン 5g
MEK 21g
セルロースアセテートプロピオネート(Eastman Chemical社製:CAP−141−20,Tg=190℃) 2.3g
メタノール 7g
フタラジン 0.25g
(CH2=CHSO2CH2CH22O 0.035g
〈感光性層保護層上層(表面保護層上層)塗布液の調製〉
アセトン 5g
メチルエチルケトン 21g
セルロースアセテートプロピオネート(前出:CAP−141−20) 2.3g
パラロイドA−21(ロームアンドハース社製) 0.08g
ベンゾトリアゾール 0.03g
メタノール 7g
フタラジン 0.25g
単分散度15%球状3次元架橋したPMMA(平均粒径1.0μm) 0.10g
単分散度15%球状3次元架橋したPMMA(平均粒径4.3μm) 0.40g
(CH2=CHSO2CH2CH22O 0.035g
917O(CH2CH2O)22917 0.01g
弗素系界面活性剤(SF−17) 0.005g
弗素系ポリマー(FM−1:前出) 0.01g
潤滑剤(表2に記載の種類) 0.1g
尚、感光性層保護層上層塗布液、感光性層保護層下層塗布液については、上記の組成比率でバックコート層塗布液の調製と同様な方法によって行った。架橋したPMMAについては、バックコート層保護層塗布液の場合と同様にMEKに1%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散を行い、最後に添加、撹拌することにより感光性層保護層上層塗布液、感光性層保護層下層塗布液を得た。
[熱現像感光材料の作製]
調製したバックコート層塗布液、バックコート層保護層塗布液を、乾燥膜厚がそれぞれ1.1μm、1.0μmになるように、下引上層B−2上に押し出しコーターにて塗布速度50m/minにて塗布を行った。尚、乾燥は乾燥温度100℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて行った。
前記感光性層塗布液と感光性層保護層(表面保護層)塗布液を押し出しコーターを用いて塗布速度50m/minにて、下引上層A−2上に同時重層塗布することにより表2、に示す熱現像感光材料試料101〜131を作製した。塗布は、感光性層の乾燥膜厚13.5μm、感光性層保護層(表面保護層)は乾燥膜厚3.0μm(表面保護層上層1.5μm、表面保護層下層1.5μm)になる様に行った後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて10分間乾燥を行った。
試料101〜131において、黄色発色性ロイコ染料による極大吸収波長420nmの吸収ピークが認められた。又、試料101〜131において、シアン発色性ロイコ染料による極大吸収波長620nmの吸収ピークが認められた。
感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数、感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数、感光性層およびその上に設けられる非感光性層の合計膜厚の変動係数については塗布に使用した押し出しコーターのスリット部の研磨方法を変更することにより、それぞれの変動係数が表2記載のようになるように試料を作製した。具体的には、試料101〜122で使用した押し出しコーターとしてはスリット部の研磨を精密に行い塗布の幅方向の膜厚分布が均一となるものを用いた。試料131については試料101〜122で使用した押し出しコーターのスリット部の研磨をさらに精密に行い塗布の幅方向の膜厚分布がさらに均一となるものを用いた。試料123、128、124、125、129、126、130についてはスリット部の研磨方法を変更して、この順に押し出しコーターの両端部で膜厚が厚くなる凹形の膜厚プロフィールを与える押し出しコーターを用いた。また試料127についてはスリット部の研磨方法を変更して押し出しコーターの中心部で膜厚が厚くなる凸型の膜厚プロフィールを与える押し出しコーターを用いた。
《表面粗さの測定》
熱現像の処理前の試料について、非接触3次元表面解析装置(WYKO社製:RST/PLUS)を用いて、下記に示す方法により測定した。
1)対物レンズ:×10.0 中間レンズ:×1.0
2)測定範囲:463.4μm×623.9μm
3)ピクセルサイズ:368×238
4)フィルター:円筒補正と傾き補正
5)スムージング:ミディアムスムージング
6)スキャンスピード:Low
尚、Ra,Rz,Rtの定義はJIS表面粗さ(前出 B0601−1982)に従った。測定は10cm×10cmの各試料について、1cm間隔で碁盤目状に100分割し、各正方形領域の中心について測定を行い、100回の測定からその平均値を求めた。
感光性層側表面のRa(nm)、バックコーティング側表面のRa(nm)、を表2に示す。
〈露光及び現像処理〉
上記のように作製した熱現像感光材料試料101〜131を半切サイズ(34.5cm×43.0cm)に加工した後、25℃・50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3%を含むPE50μm、酸素透過率:25℃・1.013×105Paにおいて1日当たり0.02ml/m2、水分透過率:0.001g/m2・40℃・90%RH・dayのバリア袋(JIS Z0208 カップ法による)。紙トレーを使用。
〈露光及び現像処理〉
上記のように作製した熱現像感光材料試料101〜131を、図1に示した熱現像装置(最大50mW出力の810nm半導体レーザ搭載、設置面積0.35m2)にて露光と同時に熱現像(図1の51a(搬送方向の長さ75mm)の設定温度を125℃、51b(搬送方向の長さ175mm)の設定温度を129℃に、それぞれ設定し、それぞれ2秒、4.5秒で合計6.5秒接触するように搬送した。又、各ヒートプレート51a,51bにおいて、感光材料の搬送方向に対して搬送入り口側で加熱温度が高くなるように設定した。ここで、「露光と同時に熱現像する」とは、熱現像感光材料から成る一枚のシート感光材料で、一部が露光されながら、同時に既に露光が為されたシートの一部分で現像が開始されることを意味する。露光部と現像部との距離は12cmであった。この時の感光材料供給装置部から画像露光装置部までの搬送速度、画像露光部での搬送速度、熱現像部での搬送速度は、それぞれ40mm/秒で行った。又、最下部に位置する感光材料ストックトレーの底面の位置は床面から45cmの高さであった。又、熱現像処理に要した時間(感光材料がトレイ部でピックアップされてから排出される迄に掛かる時間)は40秒であった(連続処理の場合は熱現像のインターバル時間は4秒。)。露光は最高出力から1段ごとに露光エネルギー量をlogE0.05ずつ減じながら階段状に行った。
〈試料の評価〉
各試料について以下の評価を行った。
《画像濃度 Dmax》
上記の条件にて得られた画像の最高濃度部の値を濃度計により測定し画像濃度として示した。
《ガンマ値》
得られた熱現像感光材料の光学濃度を測定し、ガンマ値を算出した。ガンマ値は熱現像感光材料を加熱現像した時の特性曲線の光学濃度1.2におけるガンマで表した。写真特性曲線とは、露光エネルギーである露光量の常用対数(logE)を横軸にとり、光学濃度、即ち散乱光写真濃度(D)を横軸にとって両者の関係を表したD−logE曲線のことを言う。又、ガンマ(γ)値とは、特性曲線上の光学濃度D=1.2における接線の傾き(この接線と横軸のなす角をθとする時のtanθ)のことである。
《熱現像装置の機内汚染》
図1に示す熱現像装置を用いて25℃・RH65%の環境下で熱現像感光材料(シートフィルム)5,000枚を熱現像処理した後に、熱現像装置内の搬送ローラに付着した汚れを目視で評価した。ローラ表面の汚染のない最も良いレベルを5、最も悪いレベル(ローラ全面に汚染が発生)を1とし、0.5刻みで評価を行った。
《フィルム搬送性》
図1に示す熱現像装置を用いて20℃・RH50%の環境下で熱現像感光材料(シートフィルム)を各100枚処理してシートフィルム搬送を行い、搬送不良の発生した回数(回/100枚)をカウントした。
《銀色調》
図1に示す熱現像装置を用いて20℃・RH50%の環境下で熱現像感光材料(シートフィルム)を処理し、銀色調を目視で判定した。湿式のコンベンショナルフィルムと同等の色調を最も良いレベル5とし、最も悪いレベル(シート全面に色調のむらが発生)を1とし、0.5刻みで評価を行った。
結果を表3に示す。
Figure 2009069757
*1):(1−47)/(2−6)=4.20/23.78
*2):(1−47)/(2−6)=11.19/16.79
*3):(1−47)/(2−6)=16.79/11.19
LB−1:ステアリン酸−i−トリデシル
LB−2:パルミチン酸−i−トリデシル
LB−3:グリセリントリオレート
LB−4:グリセリントリミリステート
LB−5:グリセリントリラウレート
LB−6:トリ−i−ステアリン酸トリメチロールプロパン
LB−7:ヘキサ−i−ステアリン酸ジペンタエリスリトール
LB−8:珪素含有櫛形グラフトポリマー(珪素含有マクロモノマーとメチルメタクリレートから成る質量平均分子量5,000のヒドロキシル基含有共重合ポリマー)
LB−9:珪素含有櫛形グラフトポリマー(珪素含有マクロモノマーとメチルメタクリレートから成る質量平均分子量10,000のヒドロキシル基含有共重合ポリマー)
A:ステアリン酸ブチル
B:オレイン酸オレイル
Figure 2009069757
表2、表3から明らかなように、本発明の熱現像感光材料(熱現像感光シート)の場合には、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れることがわかる。
特に、本発明により、小型かつ低コストの熱現像装置により、熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを迅速に熱現像した場合でも、熱現像装置内の機内汚染の発生がなく、搬送性、銀色調に優れる熱現像感光材料からなる熱現像感光シートを提供することができることがわかる。
又、試料102において、紙トレイを上げ底構造とし、トレイ下部に出来た空間にシリカゲルを封入した、シリカゲル入り紙トレイを使用したところ、湿度変動に伴う濃度変動が向上し、改良効果が認められた。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1の画像形成装置10は、医用画像データを入力させることで、医用画像をフィルムに形成し出力することができる医療用レーザイメージャに構成可能である。
又、図1の画像形成装置10は、全体がデスクトップ型の比較的コンパクトな構成であったが、本発明の熱現像感光材料(シートフィルム)搬送装置は、斯かるデスクトップ型の画像形成装置にだけ適用できるのではなく、例えばスタンドアロンタイプ(自立型)等の比較的大型の熱現像方式の画像形成装置にも適用できることは勿論である。
本発明に用いることの出来る熱現像装置の実施形態の一例を示す概略図である。 熱現像装置におけるヒートプレートの構成の一例を模式的に示した図である。
符号の説明
10:熱現像装置
11a,11b:装填部
51a,51b:ヒートプレート
A:熱現像感光材料供給部
B:画像露光部
C:熱現像部
D:冷却部
F:熱現像感光材料
H:熱線(発熱部材)

Claims (6)

  1. 支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層側最表面の中心線平均粗さ(Ra(E))の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
  2. 支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層側最表面の表面光沢度の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
  3. 支持体上にハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層、該感光性層の上に設けられた非感光性層を有し、かつ支持体の反対側の面にバックコート層を有する熱現像感光材料からなる熱現像感光シートにおいて、前記熱現像感光シートの感光性層およびその上に設けられる非感光性層の合計膜厚の変動係数が7%以下であることを特徴とする熱現像感光シート。
  4. 前記感光性層上の非感光性層又はバックコート層に分子量が550〜10,000の潤滑剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
  5. 熱現像後の画像濃度の最大値が4.0〜5.0であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
  6. 写真特性曲線の光学濃度1.2における階調(γ値)が2.0〜6.0であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の熱現像感光シート。
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