JP2009061230A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸水性シート4は、第1シート41、第2シート42、及び両シート41,42間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末43を具備している。両シート41,42間には、吸水性樹脂粉末43の存在域44が複数形成されている。複数の存在域44は、吸水性シート4の長手方向に延び且つ幅方向に所定間隔を置いて並列に配されている。隣接する存在域44,44の間、及び吸水性シート4の幅方向両端部4a,4aは、吸水性樹脂粉末43の存在しない非存在域45となっており、該非存在域45において第1シート41と第2シート42とが接合されている。非存在域45の一部がシート剥離領域となっており、該シート剥離領域は、第1シート41と第2シート42とが吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって剥がれるようになされている。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2には、水感受性接着剤によって部分的に接合された第1キャリヤー層と第2キャリヤー層との間に、該水感受性接着剤が付着されていない楕円形状のポケット領域が千鳥状に配されており、該ポケット領域に高吸収性材料が配置された吸収剤ラミネートが記載されている。
また、特許文献3には、吸収体として、不織布等の吸収素材に吸収ポリマーを粘着剤にて固着してなる吸収シートが記載されている。
さらに、特許文献4には、表裏両側の外シートの間に内シートがあり、その内シートに吸水性樹脂粉末が分散されており、表裏両側の外シートが内シートを挟み込んで部分的に加圧接合され、この接合部で囲まれた所定面積の複数の囲み部が設けられた吸収体が記載されている。特許文献4に記載の吸収体においては、吸収性樹脂粉末が液を吸収して内シート内で膨潤したときに、前記接合部が剥離可能なように、該接合部での接合強度が設定されている。
また、特許文献2及び3に記載の吸収体は、何れも、特に吸水性樹脂粉末の量が多い場合に、液の吸収により膨潤した吸水性樹脂粉末によって液の通路が閉塞される、いわゆるゲルブロッキングが発生し、吸収不良を起こすおそれがあり、薄型化と高吸収量とのバランスの点で改良の余地がある。
また、特許文献4に記載の吸収体は、吸水性樹脂粉末が、内シートを形成する繊維の繊維間空隙に保持されているため、内シートから容易に脱落しやすい。また、この吸収体は、吸水性樹脂粉末が内シートに閉じ込められている構成を有しているため、特に、吸水性樹脂粉末の量が多い場合には、吸収性樹脂粉末の膨潤によって内シートと外シートとの接合部が剥離しても、内シート内部の吸水性樹脂粉末が膨潤阻害を起こしてしまう。さらに、この吸収体は、接合部の接合強度が非常に弱い場合には、紙おむつ装着中の排泄後の歩行によって吸収体の形状が崩れ、大きなヨレが発生してしまう。つまり、特許文献4に記載の吸収体は、吸水性樹脂粉末の固定が不安定である、吸水性樹脂粉末の吸収阻害がやすい、ヨレが発生しやすい等の問題があり、吸水性樹脂粉末の固定性、液吸収性及び保形性の点で改良の余地がある。
図1には、本発明の第1実施形態としての尿とりパッドが示されている。図2は、図1におけるX−X線断面の模式図、図3は、図1に示す尿とりパッドにおける吸水性シートの平面図である。
尚、本明細書において、「肌当接面」は、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌当接面」は、着用時に下着側(着用者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、「長手方向」は、吸収性物品又は各種部材の長手方向に沿う方向であり、「幅方向」は、長手方向と直交する方向である。
また、吸水性シート4の幅方向両端部4a,4aが、吸水性樹脂粉末43が存在せず第1シート41と第2シート42とが接合されている非存在域45となっていることにより、吸水性樹脂粉末43の吸水性シート4からの脱落が効果的に防止される。また、隣接する存在域44,44の間が該非存在域45となっていることは、液拡散性の向上のみならず、吸液前の吸水性樹脂粉末43の移動の防止にも有効である。
また、非存在域45の幅に関し、吸水性シート4の幅方向両端部4a,4aに位置する非存在域45の幅は、他の非存在域45(両端部4a,4aより吸水性シート4の内方に位置する非存在域45)の幅に比して大きいことが、吸水性樹脂粉末43の脱落防止効果をより高める点で好ましい。両者の比は、(両端部4a,4aに位置する非存在域45の幅)/(他の非存在域45)=1.2〜3が好ましく、1.4〜2.5が更に好ましい。
また、存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量は、吸収性能と液透過性及び着用感とのバランスの観点から、好ましくは150〜400g/m2、より好ましくは180〜360g/m2、更に好ましくは210〜360g/m2ある。
本発明においては、非存在域45と存在域44との面積比が前記範囲にあり、且つ存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量が前記範囲にあることが、特に好ましい。
これらの中でも、特にSISとSBSとのブレンド系ホットメルト接着剤、又はSISとSEBSのブレンド系ホットメルト接着剤は、タック力と凝集力のバランスを取りやすく、吸水性樹脂粉末43の両シート41,42への固定が容易なため、本発明で好ましく用いられる。
排泄領域Pは、吸水性シート4を長手方向に3等分して前方部、排泄部位対向部、後方部としたときの、該排泄部位対向部における幅方向中央部であり、その幅は、通常、吸水性シート4の幅方向の長さ(最大幅)に対し、好ましくは5〜60%、より好ましくは10〜50%、更に好ましくは20〜40%である。
また、前記2)の非存在域45において、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって第1シート41と第2シート42とが剥がれないようになされていることにより、排泄部位から排泄された尿等の体液を直接受ける排泄領域Pに、体液吸収後に導液路として作用する溝状の非存在域45が存在するようになるため、排泄された体液が吸水性シート4の前後に拡散されるようになって吸水性シート4の液拡散性が一層向上し、吸収効率が高まると共に、吸水性樹脂粉末43の吸収阻害やゲルブロッキングの発生が一層効果的に防止される。
一方、前記1)及び2)以外の非存在域45が、前記シート剥離領域となされていることにより、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害が一層効果的に防止され、より多量の体液を吸収することができるようになる。
シート剥離領域の前記接合強度が40cN/25mm未満では、接合強度不足のため、初回の体液排泄時に第1シート41と第2シート42とが剥がれてしまい、この結果、2回目以降の体液排泄時には、上述した吸水性樹脂粉末43の脱落防止効果や液拡散効果等が奏されないおそれがある。また、シート剥離領域の前記接合強度が150cN/25mmを超えると、吸水性樹脂粉末43が吸液・膨潤しても第1シート41と第2シート42とが剥がれず、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害が起こるおそれがある。
シート剥離領域ではない非存在域45における第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度をNE、シート剥離領域における第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度をEとした場合、両接合強度の差(NE−E)は、好ましくは40cN/25mm以上、より好ましくは50cN/25mm以上、更に好ましくは60cN/25mm以上である。NEがEよりも40cN/25mm以上大きいと、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって、シート剥離領域における第1シート41と第2シート42との間が、シート剥離領域ではない非存在域45における両シート41,42間よりも先に剥がれるため、存在域44の圧力が低下し、シート剥離領域ではない非存在域45における第1シート41と第2シート42との接合状態を維持することができる。
第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度は次のようにして測定される。
測定対象である吸水性シート4の非存在域45を横切るように、該吸水性シート4を幅25mm×長さ30mm(非存在域45が必ず含まれる長さ)にカットし、引張試験機のチャックに取り付け易いように最も端に位置する存在域44における第1シート41と第2シート42との間を開いてサンプルとする。このサンプルを、非存在域45を横切る方向(CD方向)が引張方向となるように、引張試験機のチャック間に取り付ける。次いで、刷毛を用いてサンプル全体に生理用食塩水を塗布し、十分湿潤させる。生理食塩水を塗布してから1分後に300mm/minの引張速度でサンプルを引っ張り、非存在域45にて接合されていた第1シート41と第2シート42とを剥がし、このときの応力を測定する。測定は6回行い、これらの平均値を、第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度とする。
また、上記のように接着剤とエンボスロールを併用する場合、シート剥離領域ではない非存在域45における接着剤の塗布量を、シート剥離領域と同じ塗布量とし、且つシート剥離領域ではない該非存在域45に対して、エンボスロールを用いて、第1シート41又は第2シート42のどちらか低い方の融点より5〜10℃低い温度で加熱加圧処理することが、シートの接合強度向上と破れ防止の点から好ましい。エンボスロールの加熱温度が両シート41、42の融点以上であるとシートが溶融し、シートに穴開きや破れが発生しやすいためである。
クレープ率は次のようにして測定される。測定対象であるクレープ紙をMDに100mm、CDに100mmにカットしてこれを試験片とし、水の入ったバットに該試験片を1分間浸漬した後、該試験片におけるクレープが掛けられた方向(一般的にはMD方向)の長さを金尺で測定する。MD(Machine Direction)とは、クレープ紙の製造時における該クレープ紙の流れ方向であり、MDと直交する方向がCD(Cross machine Direction)である。この測定値から、水に浸漬する前の試験片のクレープが掛けられた方向の長さ(元の長さ)を引くことによりクレープ紙の伸び量を求め、元の長さに対する該伸び量の割合(%)を算出する。該割合の算出は6回行い、これらの平均値をクレープ率とする。
また、クレープ紙には、乾燥時の強度や湿潤時の強度をコントロールするため、一般的に使用されている乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤が配合されていることが好ましい。
さらに、クレープ紙には、湿潤強度の向上、及び第1シート41と第2シート42との接合強度の向上の観点から、熱融着繊維が配合されていることが好ましい。熱融着繊維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単一繊維;PETを芯、PEを鞘とする芯鞘型複合繊維等が好ましく用いられる。熱融着繊維の繊維長は好ましくは3〜7mmである。クレープ紙における熱融着繊維の含有量は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。
特に、第1シート41、第2シート42がクレープ紙の場合、湿潤強度の点から坪量はそれぞれ30〜70g/m2であることが好ましい。
シートの湿潤時のCD強度は次のようにして測定される。シートをMDに幅25mm、CDに長さ150mmにカットしてサンプルとし、このサンプルの長手方向が引張方向になる様に引張試験機のチャック(チャック間距離100mm)に取り付ける。次いで、刷毛を用いてサンプル全体に生理用食塩水を塗布し、十分湿潤させる。生理食塩水を塗布してから1分後に300mm/minの引張速度でサンプルを引っ張り、最大応力を測定する。測定は6回行い、これらの平均値を、第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度とする。
100mLのガラスビーカーに、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)50mLとマグネチックスターラーチップ(中央部直径8mm、両端部直径7mm、長さ30mmで、表面がフッ素樹脂コーティングされているもの)を入れ、ビーカーをマグネチックスターラー(アズワン製HPS−100)に載せる。マグネチックスターラーの回転数を600±60rpmに調整し、生理食塩水を攪拌させる。測定試料である吸水性樹脂粉末2.0gを、攪拌中の食塩水の渦の中心部で液中に投入し、JIS K 7224(1996)に準拠して該吸水性樹脂粉末の吸水速度(秒)を測定する。具体的には、吸水性樹脂粉末のビーカーへの投入が完了した時点でストップウォッチをスタートさせ、スターラーチップが試験液に覆われた時点(渦が消え、液表面が平らになった時点)でストップウォッチを止め、その時間(秒)をボルテックス法による吸水速度として記録する。測定はn=5測定し、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。尚、これらの測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に吸水性樹脂粉末を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
飽和吸水量の測定は、JIS K 7223(1996)に準拠して行う。ナイロン製の織布(メッシュ開き250、三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。測定試料である吸水性樹脂粉末1.00gを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。試料の入ったナイロン袋を生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)に1時間浸漬させる。1時間後、ナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、該ナイロン袋の重量を測定する。目的とする飽和吸水量は次式から算出される。
生理食塩水の飽和吸水量(g/g)=(a−b−c)/c ;式中、aは吸水後の試料及びナイロン袋の総重量(g)、bはナイロン袋の吸水前(乾燥時)の重量(g)、cは試料の吸水前(乾燥時)の重量(g)を表す。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。
吸水性樹脂粉末43の粒子径は、好ましくは106〜840μm、更に好ましくは150〜710μmである。粒子径が106μm未満の吸水性樹脂粉末の量が全吸水性樹脂粉末の10重量%を超えると、特に、存在域44における吸水性樹脂粉末の坪量を上述の如く150g/m2以上とした場合に、第1シート41と第2シート42との間に吸水性樹脂粉末を固着させることが難しくなり、尿等の体液を吸収する前に吸水性樹脂粉末が移動し、吸水性シート4のヨレの原因となるおそれがある。一方、吸水性樹脂粉末43の粒子径が840μmを超えると、ザラ付き感が発生し、また、吸水性樹脂粉末43によって裏面シート3に小さな穴が開く、いわゆるピンホールの原因になるおそれがある。
また、吸水性樹脂粉末43の平均粒子径(メディアン径)は、好ましくは250〜500μmである。
吸水性樹脂粉末43の粒子径や平均粒子径は、JIS K 0069(1992)の乾式ふるい分けによる手動ふるい分け法によって粒度分布を求め、106μm以下の粒子の重量比率や平均粒子径を求めることができる。
吸水性シート4の平面視での形状、大きさに特に制限はなく、用途等に応じて適宜設定することができる。実質的に縦長の吸水性シート4(例えば矩形形状の吸水性シート4)において、通常、長手方向の長さは10〜60cm、幅方向の長さは5〜30cmである。
尿とりパッド1は、全体として縦長の矩形形状を有している。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、平面視で縦長の矩形形状を有し、吸水性シート4の左右両側縁及び前後両端部から外方に延出しており、その延出部において表面シート2と裏面シート3とが接合されている。このように、表面シート2及び裏面シート3それぞれが、吸水性シート4よりも寸法が大きいことにより、吸水性樹脂粉末43のパッド外部への漏れ出しが効果的に防止される。裏面シート3の非肌当接面には、尿とりパッド1を使い捨ておむつ等に固定するためのズレ止め部材8が、吸水性シート4の長手方向一端の近傍又は長手方向両端それぞれの近傍に位置する裏面シート3の非肌当接面に1つ以上取り付けられている。第1実施形態では、ズレ止め部材8は、吸水性シート4の長手方向一端の近傍に1つ取り付けられている。ズレ止め部材8としては、従来から使用されている粘着タイプやメカニカルフックタイプのズレ止め部材を用いることができる。また、尿とりパッド1には、位置合わせのための印刷等の目印があっても良い。
尚、非存在域45と表面シート2及び裏面シート3それぞれとの間は、接合されていても良く、接合されていなくても良い。
また、尿とりパッド1における長手方向Lの両側には、レッグギャザー形成用の左右一対の1本又は複数本(第1実施形態においては2本)の弾性部材7,7が配されて、レッグギャザーが形成されている。レッグギャザー形成用の弾性部材7は、吸水性シート4の長手方向両側縁それぞれの外方に延出するレッグフラップにおいて、伸長状態で略直線状に配設されている。
裏面シート3としては、この種の尿とりパッドにおいて従来用いられている各種のものを用いることができ、液不透過性又は撥水性で且つ透湿性のものが好ましく用いられる。裏面シート3としては、例えば、ポリエチレン製非透湿フィルム、透湿性フィルム、透湿性フィルムと不織布を積層したシートを用いることができる。また、裏面シート3の幅を吸水性シート4の幅と同程度(吸水性シート4の幅より0〜30mm大きい程度)にして該吸水性シート4の非肌当接面側に配置し、更に、該裏面シート3の非肌当接面側に、裏面シート3の幅より大きい不織布を、尿とりパッドの外形を構成するシートとして設けてもよい。
表面シート2の坪量は、好ましくは10〜40g/m2、更に好ましくは16〜30g/m2であり、一方、裏面シート3の坪量は、それぞれ、好ましくは16〜60g/m2、更に好ましくは20〜45g/m2である。
尿とりパッド1を図1に示す如く平面状に拡げ、表面シート2を上に向けて水平面上に固定する。吸水性シート4の長手方向及び幅方向の中心線の交点を注入ポイントとし、表面シート2より高さ10mmの位置に固定した内径3mmのチューブを用いて、尿とりパッド1に生理用食塩水を注入した。生理食塩水の注入量は150gとし、これを5g/secの流速で注入した後、10分間放置した。次いで、注入ポイントに位置する尿とりパッド1の表面シート2上に、吸収紙(No.2 TOYO Roshi Kaisha LTD. 直径110mm)を20枚重ねて置き、直径100mmの円筒状の錘をのせて、4.4kPa(45gf/cm2)の荷重を加える。この状態で2分間放置した後、吸収紙を取り出し、吸収紙に吸収された生理食塩水の重量を計測し、その量を液戻り量とする。
第1実施形態の尿とりパッド1は、吸収体として、いわゆるパルプレス構造の吸水性シート4を具備しているため、厚みが薄く、着用時の違和感が少なく、携帯性にも優れている。また、吸水性シート4においては、吸水性シート4の長手方向に延びる、吸水性樹脂粉末43の存在域44と非存在域45とが、吸水性シート4の幅方向に交互に配されているため、排泄領域Pにて吸収された尿等の体液は、非存在域45を通って吸水性シート4の面方向に拡散されつつ、吸水性樹脂粉末43に吸収される。これにより、尿とりパッド1は、吸水性樹脂粉末43が多量に含まれていても吸収阻害やゲルブロッキングを起こし難く、尿等の体液の吸収性能に優れている。また、尿とりパッド1においては、非存在部45にて、吸水性シート4を構成する第1シート41と第2シート42とが接合されているため、吸液前の吸水性樹脂粉末43の移動や吸水性樹脂粉末43の吸水性シート4からの脱落等の不都合が起こりにくい。また、非存在域45の一部が前記シート剥離領域(接合されている第1シート41と第2シート42とが吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって剥がれる領域)となっているため、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害の防止効果が更に高められている。
補助吸収部材5の坪量は、好ましくは40〜240g/m2、更に好ましくは60〜180g/m2である。
補助吸収部材5は、被覆シートで被覆されていても良い。被覆シートとしては、上述した吸水性シート4を被覆するのに使用可能な被覆シートを用いることができる。
第3実施形態においては、吸水性シート4の幅方向両端寄りに位置する存在域44,44が、吸水性シート4の内方に折り重ねられている。このように吸水性シート4の存在域44を含む長手方向両側部それぞれが該吸収性シート4の内方に折り返されていることにより、吸水性シート4の幅方向両端からの吸水性樹脂粉末43の外部への漏れ出しがより効果的に防止されるようになる。また、吸水性シート4における存在域44が折り重ねられた左右両側部は、存在域44が折り重ねられていない吸水性シート4の幅方向中央部に比して、液吸収による膨張度が大きいため、尿等の体液の横流れを堰き止める防漏壁として機能し、横漏れを効果的に防止することができる。
上述の如き構成を有する第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が奏され、更に、吸水性樹脂粉末43の外部への漏れ出し、及び尿や便の横漏れが効果的に防止される。
図6に示す第4実施形態の尿とりパッド1は、いわゆるテープ止め用尿とりパッドであり、弾性部材6を有する立体ギャザー形成用のシート材60を具備していない(立体ギャザーを具備していない)点以外は、第1実施形態の尿とりパッド1と同様に構成されている。
図8には、本発明の吸収性物品の第8実施形態としての展開型の使い捨ておむつ9が示されている。以下、第8実施形態のおむつ9については、上述した第1実施形態の尿とりパッド1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態の尿とりパッド1についての説明が適宜適用される。
おむつ9は、展開型のおむつであり、長手方向Lの一方の端部においては、その両側縁部に一対のファスニングテープFTが取り付けられている。また、他方の端部においては、裏面シート3上にランディングテープLTが取り付けられている。
また、おむつ9における長手方向Lの両側には、レッグギャザー形成用の左右一対の1本又は複数本(第8実施形態においては2本)の弾性部材7,7が配されて、レッグギャザーが形成されている。
例えば図5に示す第3実施形態では、吸水性シート4の幅方向両端寄りに位置する存在域44,44は、吸水性シート4の非肌当接面側に折り重ねられていたが、吸水性シート4の肌当接面側に折り重ねられていても良い。
また、第3実施形態において、第2実施形態の補助吸収部材5を採用することもできる。
また、前記実施形態において、レッグギャザーの弾性部材7は無くても良い。
また、本発明の吸収性物品は、前述した尿とりパッド及び展開型の使い捨ておむつ以外にも適用することができ、例えば、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナ、失禁ライナ等にも適用できる。
図1に示す尿とりバッド1を作製し、これを実施例1のサンプルとした。実施例1の尿とりパッド1は、幅210mm×長さ470mmの矩形形状であり、その吸水性シート4(図3参照)は、幅130mm×長さ430mmの矩形形状である。
表面シート2として親水性のエアスルー不織布(坪量20g/m2)を使用し、裏面シート3として非透湿性フィルム(坪量18g/m2)を使用し、立体ギャザー形成用のシート材60として撥水性SMS不織布を使用し、弾性部材6として糸ゴム(左右各1本)を使用した。吸水性シート4は、下記のようにして作製した。
吸水性シート4において、存在域44は、図3に示すように、吸水性シート4の幅方向に所定間隔を置いて計6列存在しており、吸水性シート4の幅方向両端に最も近い2列の存在域44の幅を17.5mmとし、該2列より内側に位置する4列の存在域44の幅を15mmとした。各存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量は270g/m2とした。また、非存在域45は、吸水性シート4の幅方向両端部4a,4aを含めて吸水性シート4の幅方向に所定間隔を置いて計7列存在しており、これら非存在域45の幅は何れも5mmとした。
また、吸水性シート4においては、吸水性シート4の幅方向両端部4a,4a及び排泄領域Pに位置する、吸水性樹脂粉末43の非存在域45が、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって第1シート41と第2シート42とが剥がれない領域(シート非剥離領域)となっている(以下、非存在域45における、斯かるシート非剥離領域の配置を、パターン1ともいう)。
第2シート42としての親水性エアスルー不織布(坪量20g/m2)に、スロットスプレーでホットメルト接着剤(坪量3g/m2)を散布し、該接着剤の散布面上に、ボルテックス法による吸水速度が20秒の吸水性樹脂粉末43をシート長手方向に延びるストライプ状に散布した。吸水性樹脂粉末43が散布された箇所は、最終的に吸水性樹脂粉末43の存在域44となる。別途、第1シート41としての親水性スパンレース不織布(坪量35g/m2)に、スパイラルスプレーでホットメルト接着剤(坪量7g/m2)を散布し、これを、吸水性樹脂粉末43が散布された第2シート42の散布面に載せ、ニップロールでニップして一体化した。さらに、吸水性樹脂粉末43の非存在域45における前記シート非剥離領域に対し、エンボスロールによる加熱加圧処理を行って第1シート41と第2シート42との間を十分に接着し、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって該シート非剥離領域における両シート41,42が剥がれないようにした。こうして、図3に示す如き吸収性シート4を作製した。
実施例1において、各存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量を360g/m2とした以外は、実施例1と同様にして尿とりパッド作製し、これを実施例2のサンプルとした。
実施例1において、第1シート41及び第2シート42として、クレープ率(MD方向)50%のクレープ紙(坪量35g/m2)を用い、各存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量を240g/m2とした。また、図3において、吸水性シート4の幅方向左端部4aに位置する非存在域45を1番目とし、該幅方向左端部4aより幅方向内方に位置する複数の非存在域45に対して順次、2番目、3番目・・・と番号を付けた場合、1番目、3番目、5番目及び7番目(吸水性シート4の幅方向右端部4a)の非存在域45それぞれの全域を前記シート非剥離領域とし、2番目、4番目及び6番目の非存在域45それぞれの全域を前記シート剥離領域とした(以下、非存在域45における、斯かるシート非剥離領域の配置を、パターン2ともいう)。
上述した点以外は、実施例1と同様にして尿とりパッド作製し、これを実施例3のサンプルとした。
実施例1において、図4に示す如く、表面シート2と吸水性シート4との間に補助吸収部材5を介在させた以外は実施例1と同様にして尿とりパッド作製し、これを実施例4のサンプルとした。補助吸収部材5としては、幅150mm×長さ430mmの吸水紙(坪量30g/m2)を2枚重ねたものを用いた。
実施例4において、補助吸収部材5として幅150mm×長さ430mmのフラップパルプ(坪量120g/m2)を用いた以外は実施例4と同様にして尿とりパッド作製し、これを実施例5のサンプルとした。
実施例5において、吸水性樹脂粉末43としてボルテックス法による吸水速度が38秒の吸水性樹脂粉末を用いた以外は実施例5と同様にして尿とりパッド作製し、これを実施例6のサンプルとした。
実施例1において、第1シート41として第2シート42と同じ親水性エアスルー不織布(20g/m2)を用い、且つ全ての非存在域45で、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって両シート41,42が剥がれないようにした(非存在域45の全部が前記シート非剥離領域となるようにした)以外は実施例1と同様にして尿とりパッド作製し、これを比較例1のサンプルとした。比較例1の斯かる構成は、非存在域45の全てにヒートシール処理を施すことにより作製した。
実施例1において、全ての非存在域45で、吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって第1シート41と第2シート42とが剥がれるようにした(非存在域45の全部が前記シート剥離領域となるようにした)以外は実施例1と同様にして尿とりパッド作製し、これを比較例2のサンプルとした。比較例2の斯かる構成は、各シート41,42にスロットスプレーでホットメルト接着剤を各2g/m2(計4g/m2)散布し、ニップロールでニップして一体化することにより作製した。
作製した各尿とりパッドについて、(1)非存在域45における前記シート剥離領域の湿潤時接合強度、及び(2)非存在域45における前記シート非剥離領域以外の領域の湿潤時接合強度を前述した方法により評価し、(3)製品厚み、及び(4)液吸収量をそれぞれ下記方法により評価した。これらの結果を下記表1に示す。
尿とりパッドを図1に示すように平面状に広げ、該パッドの中央領域に正方形(50mm×50mm)の板状重りを載せ、0.25kPaの圧力下における該パッドの厚みをデジタル厚み測定機(レーザ変位センサ付き:(株)キーエンス社製)によって測定し、その測定
値を製品厚みとした。
静的な大人用のマネキンに尿とりパッドを固定した後、マネキンを仰臥位の状態にして、50gの生理用食塩水を流速5g/secで尿とりパッドに注入した。生理食塩水の注入は、10分間隔で行い且つ漏れが発生する回数まで繰り返した。漏れが発生した後、10分後に尿とりパッドの重量を測定し、この測定値と、予め測定しておいた生理食塩水注入前の尿とりパッドの重量とから、液吸収量(g)を求めた。液吸収量が多いほど、体液の吸収性能に優れ、漏れを起こし難い。
表1に示すように、実施例1〜6は、何れも比較例1及び2に比して液吸収量が多く、パッド着用者の身体が仰向けに寝ている状態での体液の吸収性能に優れていることが分かる。
特に、実施例3は、第1シート41及び第2シート42としてクレープ紙を使用しているため、存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量が240g/m2と比較例1及び2に比して少ないにもかかわらず、液吸収量は比較例1及び2より多かった。
また、実施例4及び5は、補助吸収部材5を使用しているため、存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量が同量の実施例1に比して液吸収量が多く、これにより、補助吸収部材の使用による吸収性能の向上が実証された。
また、実施例6は、実施例5に比してボルテックス法による吸水速度が遅い吸水性樹脂粉末43を使用しているため、液吸収量の評価において吸収過程を観察したときに、液が表面シート2から吸水性シート4内に引き込まれて乾いていく速度が、実施例5に比して遅いことが確認された。しかしながら、実施例6は、比較例1及び2に比して液吸収量が多く、パッド着用者の身体が仰向けに寝ている状態での体液の吸収性能に優れている。
このように、本発明によれば、薄型で、吸水性樹脂粉末の膨潤阻害を起こし難く、体液の吸収性に優れた吸収性物品を提供することができることが明らかである。
9 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸水性シート
41 第1シート
42 第2シート
43 吸水性樹脂粉末
44 吸水性樹脂粉末の存在域
45 吸水性樹脂粉末の非存在域
4a 吸水性シートの幅方向端部
5 補助吸収部材
6,7 弾性部材
60 立体ギャザー形成用のシート材
61 接合部(基端部)
8 ズレ止め部材
FT ファスニングテープ
LT ランディングテープ
Claims (10)
- 表面シートと裏面シートとの間に吸水性シートが介在された吸収性物品であって、
前記吸水性シートは、第1シート、第2シート、及びこれら両シート間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末を具備しており、
前記第1シートと前記第2シートとの間には、前記吸水性樹脂粉末の存在域が複数形成されており、複数の該存在域は、それぞれ前記吸水性シートの長手方向に延び且つ該吸水性シートの幅方向に所定間隔を置いて並列に配されており、
隣接する前記存在域の間、及び前記吸水性シートの幅方向両端部は、前記吸水性樹脂粉末の存在しない非存在域となっており、該非存在域において前記第1シートと前記第2シートとが接合されており、
前記非存在域の一部がシート剥離領域となっており、該シート剥離領域は、前記第1シートと前記第2シートとが前記吸水性樹脂粉末の吸液・膨潤によって剥がれるようになされている吸収性物品。 - 前記第1シートと前記第2シートとは、前記吸水性シートの幅方向両端部に位置する前記非存在域においては、前記吸水性樹脂粉末の吸液・膨潤によって剥がれない請求項1記載の吸収性物品。
- 前記第1シートと前記第2シートとは、吸収性物品着用者の排泄部位と対向する排泄領域に位置する前記非存在域においては、前記吸水性樹脂粉末の吸液・膨潤によって剥がれない請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記シート剥離領域における前記第1シートと前記第2シートとの間の湿潤時接合強度が、40〜150cN/25mmである請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記第1シート及び/又は前記第2シートが、親水性不織布又は紙である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記第1シート及び/又は前記第2シートが、クレープ率20〜100%のクレープ紙である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記非存在域と前記存在域との面積比が、前記吸水性シートの平面視で、非存在域:存在域=1:9〜5:5であり、該存在域における前記吸水性樹脂粉末の坪量が、150〜400g/m2である請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記吸水性樹脂粉末のボルテックス法による吸水速度が45秒以下である請求項1〜7の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記吸水性シートと前記表面シートとの間に、フラッフパルプ又は吸水紙を含んで構成されている補助吸収部材が介在されている請求項1〜8の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記吸水性シートの幅方向両端寄りに位置する前記存在域が、該吸水性シートの内方に折り重ねられている請求項1〜9の何れかに記載の吸収性物品。
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