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JP2008300430A - 積層型圧電素子ならびにその製造方法 - Google Patents

積層型圧電素子ならびにその製造方法 Download PDF

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JP2008300430A JP2007142231A JP2007142231A JP2008300430A JP 2008300430 A JP2008300430 A JP 2008300430A JP 2007142231 A JP2007142231 A JP 2007142231A JP 2007142231 A JP2007142231 A JP 2007142231A JP 2008300430 A JP2008300430 A JP 2008300430A
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Shigeru Kadotani
成 門谷
Akio Iwase
昭夫 岩瀬
Tetsuji Ito
鉄次 伊藤
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Abstract

【課題】高出力な積層型圧電素子の提供と、生産性に優れ、極めて高品位の積層型圧電素子を安定的に得られる製造方法の提供と、を目的とする。
【解決手段】内部電極層120a、120bと圧電セラミック層100a、100bとからなる単位ユニット層10a、10bを、厚み方向の分極Pが一層毎に逆になるようにn層積層してなる積層型圧電素子1において、圧電セラミック層100a、100bの、複数に区画された領域であって、同一圧電セラミック層内の他の領域よりも、相対的に電気抵抗の低い低抵抗領域110a、110b、111a、111bを形成する。該低抵抗領域においては、電界密度が高くなるので、圧電セラミック層100a、100b内において電界密度の高い領域HRと電界密度の低い領域LRとが混在し、電界密度の差に伴う出力変位量の差によって、圧電セラミック層が撓み変形する。この撓みによる変位dSと固有の逆圧電効果による変位dLとが重畳されて大きな出力変位を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、圧電セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積層型圧電素子の出力向上に関するものである。
従来、内燃機関に用いられる燃料噴射弁等の駆動源として、その応答性の速さから、逆圧電効果を利用したピエゾアクチュエータの適用が提案されている。
特に、車両用ピエゾアクチュエータは、走行距離30〜50万kmに相当する10回以上の繰り返し作動が要求され、これを保証する高い耐久性と信頼性が要求されている。
この様なピエゾアクチュエータに用いられる圧電素子としては、圧電セラミックの薄板を厚み方向の分極が一層毎に逆になるように圧電セラミック層と内部電極層とを交互に数十枚〜数百枚積層した積層型圧電素子が有望である。
本発明者等は、この様な極めて積層枚数の多い積層型圧電素子を安定して形成する製造方法として、特許文献1に示す、層間剥離が生じ難く、一体の焼結体をなす積層型圧電素子の大量生産に適したセラミック積層体の製造方法を提案した。
また、この様なピエゾアクチュエータを用いた燃料噴射弁は、積層型圧電素子と、その変位を伝達するピストン部材と、ピストン部材を圧電素子に密着させるとともに、積層型圧電素子に所定のプリセット荷重を与えるバネ部材を備えており、圧電素子の伸縮に伴い、ピストン部材が摺動して、燃料噴射弁の開閉を制御する制御弁を駆動するようになっている。
燃料噴射弁の更なる小型化、高精度化のために、ピエゾアクチュエータには、より高い変換効率が望まれている。
例えば、特許文献2には、予圧縮手段を備え、圧電セラミック層の積層方向に沿って配設された一対の電極層の表面部から加えられる予圧縮力によって、圧電セラミック層内における部分的な領域の分極方向を積層方向に対して横断方向に変換し、電極層間に電界を加え、全ての分極方向が積層方向に平行に変換された時に、大きな変位量を得るピエゾアクチュエータが開示されている。
特開2003−174210号公報 特表2005−535136号公報
しかしながら、特許文献2にあるような予圧縮手段と圧電素子とが交互に積層された構造では、必要な出力を得るための素子の体格が非常に大きくなる虞がある。
また、単層の圧電素子の間に予圧縮手段を配設しているので、構造が複雑で組み付けコストの増大に繋がる虞もある。
更に、特許文献2にあるように予圧縮手段として圧電素子のパターニングされた電極層の間に金属中間層を配設した場合、単位圧電セラミック層当たりの変位量が大きくても、金属中間層の弾性変形によって、発生変位ならびに発生力が吸収され、積層体全体としては、燃料噴射弁駆動用のアクチュエータとして充分な変位量が得られない虞もある。
本発明は、かかる実情に鑑み、高出力な積層型圧電素子の提供と、生産性に優れ、極めて高品位で高出力な積層型圧電素子を安定的に得られる製造方法の提供と、を目的とする。
請求項1の発明では、圧電セラミック層の表面に内部電極層を印刷形成した単位ユニット層を繰り返し積層してなる積層型圧電素子において、上記圧電セラミック層と上記内部電極層との境界部において上記圧電セラミック層には、複数に区画された領域であって、同一圧電セラミック層内の他の領域よりも、相対的に電気抵抗の低い低抵抗領域が分布する。
請求項1の発明によれば、同一圧電セラミック層内に電気抵抗の低い領域と相対的に電気抵抗の高い領域とが存在することによって、圧電セラミック層に電界を加えたときに、圧電セラミック層内において電界密度の高い領域と電界密度の低い領域とが混在した状態となる。
圧電セラミックの逆圧電効果による変位量は、電界強度に比例するので、電界密度に差があると出力変位量に差が生じ、圧電セラミック層が撓み変形する。
この撓みによる変位が、逆圧電効果による圧電セラミック層の変位に加えられる。
単位圧電セラミック層当たりの撓みは極僅かであっても、数百層積層される積層型圧電素子においては、この撓みが重畳されて従来よりも大きな出力変位を得ることができる。
請求項2の発明では、上記低抵抗領域は、一の上記内部電極層を挟んで対向する上記圧電セラミック層における上記低抵抗領域が互いに対向しない位置に配設する。
請求項2の発明によれば、電界を加えたときに、圧電セラミック層の厚み方向に対して斜めに横断する形で電界密度の高い領域が分布する。
従って、圧電セラミック層の撓み変形が容易となり、更に大きな出力変位を得ることができる。
また、請求項3の発明のように、上記低抵抗領域を、上記内部電極層に対して少なくとも上下いずれか一方の側の上記圧電セラミック層に形成しても良い。
更に、請求項4の発明のように、上記低抵抗領域は、上記内部電極層を挟んで両側に形成しても良い。
請求項5の発明では、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面に、上記圧電セラミック層よりも焼成後の電気特性が相対的に低抵抗となる圧電セラミック材料を含む低抵抗領域用圧電セラミックペーストを用いて、低抵抗領域層を印刷形成する低抵抗領域層印刷形成工程と、圧電セラミック層と焼成後の電気特性が等しくなる低抵抗領域形成層用圧電セラミックペーストを用いて上記低抵抗領域層と略同一の膜厚で低抵抗領域形成層を印刷形成する低抵抗領域形成層印刷形成工程とを備える。
請求項5の発明によれば、同一の圧電セラミック層内に低抵抗領域が分布した積層型圧電素子を極めて容易に製造できる。
請求項6の発明では、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面に、圧電セラミック層と同材質の圧電セラミックペーストを用いて、圧電セラミック層表面の一部が突出する凸部を印刷形成する圧電セラミック層凸部形成工程と、上記凸部を上記圧電セラミック層内に押し込み圧縮し、上記圧電セラミック層に高密度領域を形成する高密度領域圧縮形成工程を備える。
請求項6の発明によれば、同一圧電セラミック層内に高密度領域が分布して形成され、高密度領域は相対的に電気抵抗が低くなり、同一の圧電セラミック層内に低抵抗領域が分布した積層型圧電素子を極めて容易に製造できる。
請求項7の発明では、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面の低抵抗領域として区画された領域に、滴下、塗布、転写、印刷のいずれかの方法により、金属または金属化合物を含み、焼成時に上記圧電セラミック層内に拡散し、圧電セラミックの粒成長を促す焼成促進剤を圧電セラミック層の表面に分布せしめる、焼成促進剤分布工程を備える。
請求項7の発明によれば、焼成促進剤を塗布した領域の緻密化が促進され,同一の圧電セラミック層内に低抵抗領域が分布した積層型圧電素子を極めて容易に製造できる。
加えて、従来の製造方法では、焼結が素子の外周縁から進行するため、外周縁に比べて中心部の焼結速度が遅く、焼結体が歪むが、本発明によれば、圧電セラミック層表面に分布した焼結促進剤塗布領域から焼結が進行するので、極めて歪みの少ない焼結体が得られる。
従って、高品位の積層型圧電素子を安定的に製造することが可能となる。
請求項8の発明では、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、
上記低抵抗領域の形成された圧電セラミック層の表面に、上記内部電極層を印刷、乾燥し上記単位ユニット層を形成する工程と、得られた上記単位ユニット層の表面に上記接着層を印刷形成する工程と、上記接着層が未乾燥状態のまま、該接着層に他の単位ユニット層を積層すると同時にトムソン型を用いて打ち抜き加工する工程と、上記セラミック積層成形体を脱脂、焼成して上記積層型圧電素子を得る工程と、を備える。
請求項8の発明によれば、積層、接着を同時に行うことができる。
更に、未乾燥状態の接着層が流動して膜厚のバラツキを解消するので、寸法精度が高く、完全一体で、同一圧電セラミック層内に低抵抗領域の分布した積層型圧電素子を低コストで生産できる。
本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子1の構成概要について図1を参照して説明する。
図1に示すように、積層型圧電素子1は、単位ユニット層10aと単位ユニット層10bとが、厚み方向の分極Pが一層毎に逆になるように交互に数十層〜数百層積層されており、数層から数十層毎にスリット部150が形成されており、上下の端部には、保護層6が形成されている。
単位ユニット層10a、10bは、薄板状に形成された圧電セラミック層100a、100bの表面に内部電極層120a、120bが形成されている。
圧電セラミック層100a、100bと内部電極層120a、120bとの境界部には、複数に区画された領域であって、同一圧電セラミック層内の他の領域よりも、相対的に電気抵抗の率い低抵抗領域110a、110b、111a、111bが、内部電極層120a、120bを挟んで上下両側に分布している。
更に、低抵抗領域110a、110bは、圧電セラミックス層100a、100bを挟んで対向する低抵抗領域111a、111bと互いに対向しない位置に配設してある。
また、内部電極層120a、120bには、外部に導通するための内部電極端子部123a、123bが圧電セラミック層の側面から左右交互に引き出すように設けられている。
加えて、スペーサ部130a、130bによって内部電極端子部123a、123b以外の内部電極外周縁の絶縁性が確保されている。
なお、単位ユニット層10a、10bは、圧電セラミック層100a、100bと同質の接着層140a、140bによって接着積層された後、焼成によって完全一体の積層型圧電素子1を形成している。
本実施形態の効果について図2を参照して説明する。
図2(a)は、本発明の作動原理を示す、単位ユニット層10a、10bの拡大模式図、(b)は、比較例1として従来構造の積層型圧電素子1Xと本実施形態における積層型圧電素子1との出力変位の違いを示す模式図である。
図2(a)に示すように、圧電セラミック層100aを挟んで対向する低抵抗領域110a、110bと低抵抗領域111a、111bとが対向しない位置に形成してある。
圧電セラミック層100a、100bの分極方向Pと平行に電界を加えたときには、圧電セラミック層100aの板厚方向に対して斜め方向に、電界密度の高い高電界密度領域HRが形成され、その他の領域は相対的に電界密度の低い低電界密度領域LRとなる。
この高電界密度領域HRの逆圧電効果による伸びが、ごく僅かであるが低電界密度領域LRの伸びよりも大きくなるため、圧電セラミック層100a、100bに撓みが生じる。
従って、厚さLの圧電セラミック層100a、100bの分極方向Pと平行に電界を加えて場合、圧電セラミック層100a、100bの固有の電圧d常数d33に応じた変位dLに、撓みによる変位dSが加わることになる。
図2(b)に示すように、数百層の圧電セラミック層を積層した積層型圧電素子を製造した場合、圧電セラミック層に低抵抗領域の形成されていない従来構造の積層型圧電素子1Xの変位量は10〜15μm程度であるが、本実施例においては、撓みによる変位が重
畳されて、素子全体としては、1〜2μm程度の変位量の増加が期待できる。
本発明の第2の実施形態について図3を参照して説明する。
なお、基本となる構成ならびに効果は、第1の実施形態と同様であるので、実質的に同一の部分ついての説明を省略し、第1の実施形態と相違する部分についてのみ説明する。
本実施形態における積層型圧電素子1’では、低抵抗領域110a’、110b’を、内部電極層120a’、120b’に対して、上下いずれか一方の側の圧電セラミック層100a’、100b’に形成してある。
この様な構成とすることにより、圧電セラミック層100a’、100b’内の低抵抗領域110a’、110b’の導電性が僅かに周りの領域よりも高くなり、電界密度が高くなる。
従って、電界密度の高い領域の逆圧電効果による伸びが、周りよりも長くなるので、圧電セラミック層100a’、100b’は、波形に湾曲し、出力変位が増加する。
以下に、本発明の各実施形態における積層型圧電素子の製造方法について詳述する。
圧電セラミック層100a、100bは、例えばPZT等の圧電セラミック材料粉末を分散媒とPVB等の結合材とDBP等の可塑剤等に分散させたスラリーを用いてドクターブレード法によりシート状の薄板を作製して得られる。
内部電極層120a、120bは、圧電セラミック層100a、100bと同材質の圧電セラミックスラリーを共材として、Ag、Pd等を含む導電性材料に添加してペースト状にしたものをスクリーン印刷等により、圧電セラミック層100a、100bの表面に印刷形成することにより得られる。
図4〜図7に本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子1の製造方法を(a)〜(s)の順を追って示す。
なお、図中(a)〜(q)の断面図に対応する平面図を(a’)〜(q’)で示した。
また、以下の工程において、後述する低抵抗領域110a、110b、111a、111b層の形成には、焼成後の電気特性が圧電セラミック層100a、100bよりも低抵抗となる圧電セラミック材料を分散させたペーストが用いられ、低抵抗領域形成層111a、111b、112a、112b、スペーサ層130a、130bの形成には、圧電セラミック層100a、100bと同材質の圧電セラミックを分散させた圧電セラミックペーストが用いられ、接着層140、140a、140bの形成には圧電セラミックペーストの結合材を増量して接着性を向上させた接着層ペーストを用いられる。
本図中(a)、(a’)に示すように、シート状に形成された圧電セラミック層100の表面に略小判型環状のスリット層150を印刷形成し、乾燥する。
スリット層150は、焼成によって焼失すべく、カーボン等の焼失可能な材料と粘性を持たせるための結合材と分散媒とからなるペーストが用いられる。
これに積層して、接着層用ペーストを用いて接着層140をスリット層150と略同一の膜厚で印刷形成し、ダミー層30を構成する。
次いで、予め別に用意したアルミナ等の絶縁性セラミックまたは、圧電セラミック層100と同材質のグリーンシートを、トムソン型7を用いて略小判型に打ち抜いた保護層6をトムソン型7内に収納しておく。
(c)、(c’)に示すように、保護層6の収納されたトムソン型7を用いて、接着層140が未乾燥状態のまま、保護層6の下面と接着層140を介してダミー層30とを接着させると同時に、ダミー層30の外周を略小判型に打ち抜く。
ダミー層30は、以下の工程において数層から数十層毎に適宜挿入して形成しても良い。
次いで、(d)、(d’)に示すように、シート状の圧電セラミック層100aの表面に、低抵抗領域層形成用ペーストを用いて、低抵抗領域110aがドット状に点在するように印刷形成し、乾燥する。
次いで、(e)、(e’)に示すように、低抵抗領域形成層形成用ペーストを用いて、低抵抗領域110aと略同一の厚みで、略小判型に低抵抗領域形成層112aを印刷形成、乾燥する。
なお、低抵抗領域110aの形成と低抵抗領域形成層112aの形成とは、いずれの層を先に形成しても良い(以下の工程においても、同一階層内に同一膜厚の印刷層を複数形成する場合に同じ。)。
この時、低抵抗領域110aと低抵抗領域形成層112aとの境界部が重なるように印刷形成すると膜厚分布を小さくし、寸法精度の高い積層型圧電素子が得られる(以下の工程においても、同一階層内に同一膜厚の印刷層を複数形成する場合に同じ。)。
これに積層して、(f)、(f’)に示すように、内部電極用ペーストを用いて、外周縁が略小判型で、外周縁が低抵抗領域形成層112aよりも内側に控えた状態で、端子部123aが片側に引き出された内部電極層120を印刷形成し、乾燥する。
更に、(g)、(g’)に示すように、内部電極層120aの外周を覆うようにスペーサ層130aを印刷形成し、乾燥する。
これに積層して、(h)、(h’)に示すように、低抵抗領域111aがドット状に点在し、かつ低抵抗領域110aと内部電極層120aを挟んで、対向しない位置となるように印刷形成し、乾燥する。
更に、(i)、(i’)に示すように、圧電セラミック層100aと焼成後に同材質となる成分のペーストまたは、これに結合材成分を増量し、接着性を強化したペーストを用いて、接着層140aを印刷する。
以上によって単位ユニット層10aが形成される。
次いで、(j)、(j’)に示すように、保護層6とダミー層30とが積層され収納されたトムソン型7を用いて、接着層140aが未乾燥状態のまま、ダミー層30の下面と接着層140を介して単位ユニット層10aとを接着させると同時に、単位ユニット層10aの外周を略小判型に打ち抜く。
以上により、保護層6とダミー層30と、単位ユニット層aと、がトムソン型7内で積層された状態となる。
(k)〜(p)、(k’)〜(p’)に単位ユニット層10bの形成方法を示す。単位ユニット層10bは、上述した単位ユニット層10aと基本的に同じ工程によって形成することができるので、相違点のみ説明する。
(k)、(k’)に示すように、低抵抗領域110bを、内部電極層120aの下側に形成された低抵抗領域110aと対向し、内部電極層120aの上側に形成された低抵抗領域111aと対向しない位置となるように配置され、圧電セラミック層100bの表面にドット状に印刷形成、乾燥される。
次いで、(l)、(l’)に示すように、低抵抗領域形成層112bを印刷形成し、乾燥する。
これに積層して、(m)、(m’)に示すように、内部電極層120bを印刷形成し、乾燥する。
この時、端子部123bは、単位ユニット層10aに形成された端子部123aと反対側側面に張り出すように形成される。
更に、(n)、(n’)に示すように、スペーサ層130bを印刷形成、乾燥する。
これに積層して、(o)、(o’)に示すように、低抵抗領域111bを印刷形成し、乾燥する。
次いで、(p)、(p’)に示すように、接着層140bを印刷する。
以上により単位ユニット層10bが形成される。
(q)、(q’)に示すように、接着層140bが未乾燥状態のまま、保護層6とダミー層30と単位ユニット層10aとが積層状態で収納されたトムソン型7を用いて、単位ユニット層10aの下面と接着層140bを介して単位ユニット層10bとを接着させると同時に、単位ユニット層10bの外周を略小判型に打ち抜く。 以上により、保護層6とダミー層30と単位ユニット層10aと単位ユニット層10bとがトムソン型7内で積層された状態となる。
図7(r)に示すように、所定の積層数になるまで上記工程を繰り返した後、下端部に、保護層6を、接着層140を介して積層することにより、積層型圧電素子成形体1Gができる。
これを、脱脂炉で脱脂した後、焼成炉で焼成することにより、図7(s)に一部切り欠き斜視図で示した、完全一体の積層型圧電素子1が完成する。
スリット層150は、焼成により焼失し、スペーサ層130a、130bと接着層140、140a、140bとは、圧電セラミック層100、100a、100bと完全に一体化する。
上述した接着層140、140a、140bによる接着とトムソン型7を用いて積層と打ち抜きを同時に行う製造方法を採ることで、極めて高い寸法精度で、かつ完全一体の積層型圧電素子を得ることができるので、本発明の圧電セラミック層のごく僅かな撓みを出力変位量の増加に利用することが可能となる。
本実施形態の説明においては、1素子の製造方法について説明したが、大型のグリーンシートを用いて複数の素子となる印刷層を同時に形成すれば、生産性を極めて高くできる。
本発明の第2の実施形態における積層型圧電素子の製造方法について図8を参照して説明する。
図8(a)、(b)は、それぞれ、単位ユニット層10a’、10b’を複数回に分けて印刷される印刷層を積層順に分けて示す断面図である。
本実施形態においては、内部電極層210a’、210b’の上下のいずれか一方の側に低抵抗領域110a’、110b’と低抵抗領域形成層112a’、112b’とを印刷形成して、単位ユニット層10a’、10b’形成し、これを接着層140a’、140b’を介して積層する。
本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子1と同様、得られた単位ユニット10a’、10b’に接着層140a’、140b’を印刷形成し、接着層140a’140b’が未乾燥状態のまま、単位ユニット10a’、10b’を交互に積層し、脱脂・焼成すれば、本発明の第2の実施形態における積層型圧電素子1a’ができる。
本発明の第3の実施形態における積層型圧電素子1’’の構成は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるが、本実施形態においては低抵抗領域の形成方法が異なる。
本実施形態における積層型圧電素子1’’の製造方法の要点を図9に(a)〜(e)の順を追って示す。
以下に、本実施形態において、低抵抗領域110a’’、110b’’を内部電極120a’’、120b’’に対して片側に形成した場合を例に説明する。
先ず、(a)に示すように、圧電セラミック層100a’’の表面に、圧電セラミック層100a’’と同材質となる圧電セラミックペーストを用いて、圧電セラミック層表面の一部が突出する凸部110a”を印刷形成し、乾燥する。
次いで、(b)に示すように、一軸加圧プレス等を用いて、凸部110a’’が圧電セラミック層100a’’内に押し込まれ、圧電セラミック層100a’’と略同一の厚みとなるように加圧圧縮する。
このことにより、凸部110a’’が押し込まれた領域の密度がその他の領域に比べ相対的に高くなり、焼成後に低抵抗領域110a’’となって、圧電セラミック層100a’’内に分布する。
(c)に示すように、これに積層して内部電極層120a’’と接着層140a’’とを印刷形成し、単位ユニット層10a’’が形成される。
更に、同様の工程により、低抵抗領域110b’’を形成した圧電セラミック層100b’’に内部電極層120b’’と接着層140b’’とを印刷形成した、単位ユニット層10b’’を形成し、(d)に示すように、上記実施例と同様、単位ユニット層10a’’、10b’’の積層を繰り返し、積層型圧電素子1’’を形成する。
本発明の第4の実施形態における積層型圧電素子1’’’の構成は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるが、本実施形態においては低抵抗領域の形成方法が異なる。
本実施形態における積層型圧電素子1’’’の製造方法の要点を、図10(a)〜(d)の順を追って示す。
先ず、(a)に示すように、圧電セラミック層100a’’’の表面の低抵抗領域として区画された領域に、滴下、塗布、転写、印刷のいずれかの方法により、金属または金属化合物を含み、焼成時に圧電セラミック層100a’’内に拡散し、圧電セラミックの粒成長を促す焼成促進剤200を圧電セラミック層の表面に分布せしめ焼成促進剤添着部201aを形成する。
次いで、(b)に示すように、これに積層して内部電極層120a’’’と接着層140a’’’とを印刷形成し、単位ユニット層10a’’’を形成する。
更に、同様の工程により、焼成促進剤添着部201bを形成した圧電セラミック層100b’’’に、内部電極層120b’’’と、接着層140b’’’と、を印刷形成した単位ユニット層10b’’’を形成し、(d)に示すように、上記実施例と同様、単位ユニット層10a’’’、10b’’’の積層を繰り返す。
これを脱脂、焼成すると、(e)に示すように、焼成促進剤添着部201a、201bから、焼成促進剤が近傍の圧電セラミック層100a’’’、100b’’’に拡散し、圧電セラミックの緻密化が促進され、低抵抗領域110a’’’、110b’’’の密度がその他の領域よりも高くなり、圧電セラミクの粒成長が進み、導電性があがる。
なお、本発明者等の試験によれば、焼成促進剤200としては、例えば、Ag、Pt、Pb等の金属材料または、SiC、Al、MgO、ZrO、TiO、BN、Nb、Ta、Si等のセラミック材料が効果的であるとの知見を得ている。
上記実施形態の説明においては、低抵抗領域110a、110b、111a、111bをドット状に形成した場合を代表例として説明したが、本発明は、ドット状に限定する物ではなく、図11(a)から(d)に示すように、対向する圧電セラミック層100a、100bの低抵抗領域110a、110b、111a、111bとを、対向しない位置にずらして形成すればよく、低抵抗領域110a、110b、111a、111bは、(a)に示す様に、複数の円形状のドットで形成しても良いし、(b)に示す様に、複数の多角形状のドットで形成してもよいし、(c)に示す様に、帯状に形成してもよいし、(d)に示す様に千鳥格子状に形成しても良い。
上記実施形態において、圧電セラミック材料としてPZT、電極材料としてAg、Pd等を用いた場合を例に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定するものではなく、例えば、圧電材料としてPLZTを用いるなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
は、本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子の断面模式図。 (a)は、本発明の第1の実施形態における作動原理を示す断面模式図、(b)は、本発明の第1の実施形態における効果を比較例と共に示す概念図。 は、本発明の第2の実施形態における積層型圧電素子の断面模式図。 は、本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子の製造工程の一部を(a)〜(f)の順を追って示す断面図、(a’)〜(f’)はその平面図。 は、本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子の製造工程の一部を(g)〜(l)の順を追って示す断面図、(g’)〜(l’)はその平面図。 は、本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子の製造工程の一部を(m)〜(q)の順を追って示す断面図、(m’)〜(q’)はその平面図。 は、(r)は、本発明の第1の実施形態における積層型圧電素子成形体1Gの断面図、(s)は、完全一体となった積層型圧電素子1を示す一部切り欠き斜視図。 は、本発明の第2の実施形態における積層型圧電素子の製造工程の要部を示し、(a)は、単位ユニット層10a’の展開断面図、(b)は、単位ユニット層10b’の展開断面図。 は、本発明の第3の実施形態における積層型圧電素子の他の製造方法における要部を(a)〜(d)の順を追って示す断面図。 は、本発明の第4の実施形態における積層型圧電素子の他の製造方法における要部を(a)〜(d)の順を追って示す断面図。 (a)〜(d)は、本発明の第1〜第4の実施形態における積層型圧電素子に適用し得る、低抵抗領域の複数の形状例を示す平面図。
符号の説明
1 積層型圧電素子
10a、10b 単位ユニット層
100、100a、100b 圧電セラミック層
110a、110b、111a、111b 低抵抗領域
120a、120b 内部電極層
P 分極方向
HR 高電界密度領域
LR 低電界密度領域
dS 撓み変位量
dL 逆圧電効果変位量

Claims (8)

  1. 圧電セラミック層の表面に内部電極層を印刷形成した単位ユニット層を繰り返し積層してなる積層型圧電素子において、
    上記圧電セラミック層と上記内部電極層との境界部において上記圧電セラミック層には、複数に区画された領域であって、同一圧電セラミック層内の他の領域よりも、相対的に電気抵抗の低い低抵抗領域が分布することを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 上記低抵抗領域は、一の上記内部電極層を挟んで対向する上記圧電セラミック層における上記低抵抗領域が互いに対向しない位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 上記低抵抗領域は、上記内部電極層に対して少なくとも上下いずれか一方の側の上記圧電セラミック層に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  4. 上記低抵抗領域は、上記内部電極層を挟んで両側に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層型圧電素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、
    圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面に、上記圧電セラミック層よりも焼成後の電気特性が相対的に低抵抗となる圧電セラミック材料を含む低抵抗領域用圧電セラミックペーストを用いて、低抵抗領域層を印刷形成する低抵抗領域層印刷形成工程と、
    圧電セラミック層と焼成後の電気特性が等しくなる低抵抗領域形成層用圧電セラミックペーストを用いて上記低抵抗領域層と略同一の膜厚で低抵抗領域形成層を印刷形成する低抵抗領域形成層印刷形成工程とを備えることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、
    圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面に、圧電セラミック層と同材質の圧電セラミックペーストを用いて、圧電セラミック層表面の一部が突出する凸部を印刷形成する圧電セラミック層凸部形成工程と、
    上記凸部を上記圧電セラミック層内に押し込み圧縮し、上記圧電セラミック層に高密度領域を形成する高密度領域圧縮形成工程を備えることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、
    圧電セラミック材料を用いてシート状に形成した圧電セラミック層の表面の低抵抗領域として区画された領域に、滴下、塗布、転写、印刷のいずれかの方法により、金属または金属化合物を含み、焼成時に上記圧電セラミック層内に拡散し、圧電セラミックの粒成長を促す焼成促進剤を圧電セラミック層の表面に分布せしめる、焼成促進剤分布工程を備えることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法において、
    上記低抵抗領域の形成された圧電セラミック層の表面に、上記内部電極層を印刷、乾燥し上記単位ユニット層を形成する工程と、
    得られた上記単位ユニット層の表面に上記接着層を印刷形成する工程と、
    上記接着層が未乾燥状態のまま、該接着層に他の単位ユニット層を積層すると同時にトムソン型を用いて打ち抜き加工する工程と、
    上記セラミック積層成形体を脱脂、焼成して上記積層型圧電素子を得る工程と、を備えることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5270578B2 (ja) * 2007-12-26 2013-08-21 京セラ株式会社 積層型圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム

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