JP2008208104A - 抗酸化剤及び飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い抗酸化作用を有し、かつ、製造工程も簡略化できるようにした抗酸化剤及びそれを含有する飲食品を提供する。
【解決手段】抗酸化剤は、藻類を含有する原料から調製された培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物又は該培養物から調製された抽出物を有効成分として含有する。藻類としては、クロレラ及び/又はスピルリナが好ましく、担子菌及び/又は子嚢菌としては、椎茸又はマンネン茸が好ましい。培養物は、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体に含まれる酵素によって、自己消化させて得られる抽出物として採取することが好ましい。この抗酸化剤は、各種飲食品に添加することもできる。
【選択図】 なし
【解決手段】抗酸化剤は、藻類を含有する原料から調製された培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物又は該培養物から調製された抽出物を有効成分として含有する。藻類としては、クロレラ及び/又はスピルリナが好ましく、担子菌及び/又は子嚢菌としては、椎茸又はマンネン茸が好ましい。培養物は、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体に含まれる酵素によって、自己消化させて得られる抽出物として採取することが好ましい。この抗酸化剤は、各種飲食品に添加することもできる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、藻類を含有する培地を用いて、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られる抗酸化剤及び飲食品に関する。
動物は、酸素を利用してエネルギーを得ている好気性生物である。したがって、酸素は生存に必要不可欠であるが、酸素の利用の副産物として活性酸素が生じる。活性酸素種としては、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2 −)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)、脂質ラジカル(RO・)、パーオキシド(ROOH)、パーオキシラジカル(ROO・)、一酸化窒素(NO)等が知られている。
活性酸素のある種のものは、リンパ球やマクロファージ゛等の免疫系の細胞から異物を攻撃するための兵器として生産され、その高い殺傷能により、生体内に侵入した細菌や、ウイルスに感染した細胞、癌化した細胞などの生体にとって好ましくない対象(異物)を攻撃し、生体を外敵から守り、恒常性を維持するのに役立っている。
しかし、活性酸素の高い反応性及び殺傷力の強さは異物を攻撃するのみならず、生体の正常な蛋白質、脂質、核酸等も攻撃し傷害する。このため、余剰の活性酸素は、自らの体を攻撃し、動脈硬化、心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞、脳溢血、糖尿病、腎障害、癌、アルツハイマー痴呆症、パーキンソン病など重篤な病気の原因ともなっている。
これらの活性酸素は、放射線、紫外線、喫煙、激しい運動やストレスなどでその産生量が増大する。現代社会は、複雑化し、効率の求められるストレス社会で、環境破壊による紫外線量の増大、診断のための放射線被曝、化学物質の氾濫等、活性酸素が過剰生産される状況下にある。
活性酸素から身を守るためには、余剰の活性酸素を速やかに消去する必要がある。この働きを担うために、スーパーオキシドディスミューターゼ(SOD)や、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ等の酵素が生体に備わっている。
また、酵素以外にも活性酸素を消去する物質が知られている。これらは、脂溶性の抗酸化物質であるビタミンA、ビタミンE、β−カロチン、リコピン等と水溶性の抗酸化物質であるビタミンC、カテキンや、フラボノイド、アントシアニンのようなポリフェノール類等であり、健康な状態では、活性酸素を消去する酵素の働きと、活性酸素を消去する物質の働きで、活性酸素の害から生体は保護されている。
しかし残念なことに、活性酸素を消去する酵素は、老化やストレスにより減少することが知られている。また、現在の食生活では、便利さ、手軽さ、美味しさが優先されるあまり、充分な抗酸化効果のある食物が摂取されていない。
そのため、高齢化するに従い活性酸素による傷害が蓄積し、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳溢血、糖尿病、癌等生命を脅かす病気の発生が問題になってくる。また、若年層でも食生活の偏りから活性酸素の傷害を受け、所謂メタボリックシンドローム、あるいはその予備軍となっている人が増えている。
このような事情から、天然原料から抽出された抗酸化剤を含有する食品も種々提案されており、例えば下記特許文献1には、藍藻類ネンジュモ目のスピルリナ属、ネンジュモ属、若しくはユレモ属、または紅藻類チノリモ目のクロオダクチロン属、ロドスポラ属、若しくはクロオテケ属、またはハプト藻類イソクリシス目のプリュウロクリシス属、若しくはプリムネシウム目のファエオキスティスから選択される微細藻類の少なくとも1種類の抽出物を含有し、抗酸化作用を有することを特徴とする食品が開示されている。
また、下記特許文献2には、常圧下又は加圧下で熱処理したクロレラを有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤が開示されている。
更に、下記特許文献3には、アガリクス、メシマコブ、プロポリス、及び常圧下または加圧下で熱処理したクロレラからなる群から選択される2種の混合物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤が開示されている。
更にまた、下記特許文献4には、植物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養し、この培養物から抽出して得られた糖質、蛋白質、水溶性リグニンを主成分とすることを特徴とする生体の抗酸化剤が開示されている。
特開2004−238519号公報
特開2002−97469号公報
特開2002−235084号公報
特許第3284097号公報
上記特許文献1〜4に示されるように、スピルリナ、クロレラ等の藻類や、アガリクス、メシマコブ等の担子菌類の抽出物が、抗酸化作用を有することが知られている。
しかしながら、上記従来の抗酸化剤は、藻類と、担子菌類とをそれぞれ別々に培養し、それぞれの培養物から抽出した成分を、単独又は組合せて用いるという方法を採用しており、それによって得られる抗酸化剤は、充分な効果を有するものではなかった。また、組合せて用いる場合には、それぞれの原料について、抽出工程を行わなければならず、製造作業性も悪いという問題があった。
したがって、本発明の目的は、より高い抗酸化作用を有し、かつ、製造工程も簡略化できるようにした抗酸化剤及びそれを含有する飲食品を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の抗酸化剤は、藻類を含有する原料から調製された培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物又は該培養物から調製された抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明によれば、藻類を含有する原料から調製された培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養することによって、担子菌及び/又は子嚢菌によって、藻類が分解、資化されると共に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を増殖させることができる。こうして得られた培養物は、藻類が分解、資化された成分と、この藻類を栄養分として取り込んだ担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体成分とを含有する。したがって、この培養物又は該培養物から抽出された抽出物は、藻類に由来する成分と、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体に由来する成分とが、高次元に分解されて融合した成分であり、両者の抽出物を単に組合せたものとは異なる新しい素材である。
そして、後述する実施例に示されるように、上記培養物又はその抽出物は、原料となった藻類や、藻類を培地原料とせずに培養した担子菌及び/又は子嚢菌の培養物に比べて、に比べて、著しく高い活性酸素消去活性を有している。したがって、上記培養物又はその抽出物を摂取することにより、体内での活性酸素の生成を抑制して活性酸素による傷害を防止することができる。
また、藻類を担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体によって分解、資化し、これらを培養物ごと一緒に抽出することができるので、製造工程も簡略化することができる。
本発明の抗酸化剤においては、前記藻類が、クロレラ及び/又はスピルリナであることが好ましく、前記担子菌及び/又は子嚢菌が、椎茸又はマンネン茸であることが好ましい。これによれば、より高い抗酸化機能増強効果を得ることができる。
また、前記培養物を、前記担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体に含まれる酵素によって、自己消化させて得られる抽出物を有効成分とすることが好ましい。これによれば、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体自体も酵素分解されるので、有効成分をより効果的に抽出することができる。
一方、本発明の飲食品は、上記抗酸化剤を含有することを特徴とする。この飲食品を摂取することにより、体内での活性酸素の生成を抑制して活性酸素による傷害を防止することができる。
本発明の抗酸化剤によれば、高い活性酸素消去活性を有し、これを摂取することによって、体内での活性酸素の生成を抑制して活性酸素による傷害を防止することが期待できる。
また、藻類を担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体によって分解、資化し、これらを培養物ごと一緒に抽出することができるので、製造工程も簡略化することができる。
更に、本発明の飲食品によれば、上記抗酸化剤を含有することにより、抗酸化剤を日常的に手軽に摂取することができ、活性酸素による障害を継続的に防止することができる。
本発明に用いられる担子菌としては、椎茸、ヒラ茸、マイ茸、エノキ茸、シメジ茸、ヤマブシ茸、セイヨウショウロ(トリュフ)などの食用茸や、マンネン茸、ブクリョウ、コフキサルノコシカケ、カワラ茸などの薬用茸など、各種のものが挙げられる。また、子嚢菌としては、アミガサ茸などが挙げられる。これらの中でも、椎茸とマンネン茸が好ましく用いられる。
また、本発明に用いられる藻類としては、クロレラ、スピルリナ、ユーグレナ、海苔、コンブ゛、ワカメ、ヒジキ、モズク、ヒトエグサ、フノリ、トサカノリ、テングサ、オゴノリ、ジャイアントケルプ等各種のものが挙げられる。これらの中でも、クロレラと、スピルリナが好ましく用いられる。藻類は、そのまま原料としてもよいが、細断、破砕、磨砕等の物理的処理や、酸又はアルカリ分解、酵素分解等の化学的処理を施したものを用いることもできる。更に、熱水等で抽出した抽出物を用いることもできる。
本発明では、これらの藻類を含む培地で、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養することにより、藻類を分解、資化させると共に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を増殖させる。培地中には、上記藻類の他に、担子菌及び/又は子嚢菌の生育に必要な他の栄養源を添加してもよい。また、培地としては、液体培地、固体培地の何れも使用できる。
固体培地の場合は、植物性繊維成分を含有する培地、例えば、バガス(砂糖黍の繊維性成分)、トウモロコシの茎葉、米糠、ふすま、稲藁、茅、竹、熊笹などを、藻類と混合した培地が好ましく用いられる。また、必要に応じて、酵母エキス、乾燥酵母、おから、コーンミールなどを添加混合してもよい。固体培地は、水分が60〜80%となるように調整し、常法に従い高圧蒸気滅菌した後、菌糸体又は胞子を接種し、例えば温度が18〜25℃に空調された培養室で1〜6ケ月間培養する。こうして培地内部に菌糸体が蔓延し、培地pHが5以下に低下した状態で培養を終了する。なお、後述する実施例に示されるように、固体培地の場合、活性酸素消去能は、子実体が発生する直前の培養期間3ヶ月に最大となるので、培養期間は、2.5〜3.5ヶ月とすることがより好ましい。
液体培地の場合は、藻類の他に、担子菌及び/又は子嚢菌のエネルギー源となる糖質(五炭糖、六炭糖、それらのオリゴ糖、ヘテロオリゴ糖、多糖、糖蛋白、糖脂質など)や、穀類等を含む培地が用いられる。また、液体培養では、原料の藻類を必要に応じて細かく粉砕し、炭素源や栄養成分等を必要に応じて加え、水で1〜20%濃度に調整する。常法に従い高圧蒸気滅菌し、培地を冷却後、胞子から発芽して生育した菌糸や、子実体から分離培養した菌糸を接種し、例えば18〜30℃に温度を制御した条件で7〜30日、通気攪拌または振盪培養する。培養は、菌糸による発酵が充分達成され、培養液のpHが5以下に低下した状態で終了する。
培養終了後、菌糸体に内在する酵素を利用して、菌糸体を自己消化させ、培養培地を破砕し、培養物を抽出する。
固体培地の場合は、培地を破砕して、必要に応じて少量の水を加え、30〜60℃で3〜6時間処理して菌糸の酵素反応を進め、自己消化させる。次いで、この破砕物を50℃以上の温水または熱水に浸潤させ、有効成分を抽出する。
液体培地の場合は、菌糸体を30〜60℃で自己消化した後、熱処理、例えば、100℃、10分処理して酵素活性と菌糸体を不活化し、水溶性成分と固形分をそれぞれ分離回収するか、又は水溶性成分と固形分とを一緒に回収する。
固体培地、液体培地のいずれの場合も、抽出は、高圧下、例えば1Kg/cm2の蒸気圧下で、120℃というような加圧高温下で行うこともできる。
本発明の抗酸化剤は、上記の方法で得られた抽出液を、そのまま又は濃縮して、液体のまま製品化することもできるが、上記抽出液を凍結乾燥又は噴霧乾燥により粉末化することもできる。抽出液を乾燥すると、微粉末が得られるが、これをさらに粉砕し、超微細粒子とすることもできる。
こうして得られた本発明品の抗酸化剤は、常法によって、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤として製品化することができる。また、抽出液を添加して液状、ゼリー状の飲料として製品化することもできる。更に、本発明品の抗酸化剤を、各種飲食品に添加して、抗酸化機能増強効果が期待できる飲食品として製品化することもできる。
このような飲食品としては、特に限定されないが、例えば、食肉、魚介類、野菜類、果実類等の生鮮食品;ハム、ソーセージ等の加工畜産物;はんぺん、かまぼこ等の加工水産物;ジャム、乾燥果実等の加工果実;漬物等の加工野菜;牛乳、バター、クリーム、チーズ等の乳製品;ナタネ油、パーム油、ひまわり油、ショートニング等の油脂類;豆腐、油揚げ、納豆等の大豆加工食品;コーヒー、ココア、清涼飲料等の飲料;醤油、味噌、ソース、ケチャップ等の調味料;パン・ケーキ類;和菓子、洋菓子等の菓子類;うどん、そば、そうめん、スパゲッティ等の麺類などが挙げられる。
本発明による抗酸化剤は、蛋白質30〜60%、炭水化物30〜60%、灰分5〜15%を含み、後述する実施例に示されるように、スーパーオキシドアニオンラジカルを消去し、一酸化窒素の産生を抑制する。その効果は、原料とした藻類を単独で用いた場合に比べて、顕著に向上する。
本発明による抗酸化剤の安全性試験では、ラット(雌)における 2g/kgの単回投与試験で全く毒性を示さず、ウムラックATでの変異原性試験でも陰性であった。したがって、本発明の抗酸化剤は、長い食経験からも予想されるように、極めて毒性が低いことが推測される。
また、本発明の抗酸化剤の有効投与量は、経口摂取において成人1日当り1〜10gである。投与量がこれよりも少ないと、生体内における抗酸化活性が十分に期待できず、投与量がこれよりも多いと、軟便又は腹部膨満感が生じることがある。ただし、投与量が上記より多くても安全性には問題ない。
<実施例1>(スピルリナ−マンネンタケ固体培養発酵物の製造)
スピルリナ24gと、バガス(砂糖黍の繊維性成分)216gに水560mlを加え良く混合し、ポリプロピレン製の袋に詰め、121℃、40分滅菌した。
スピルリナ24gと、バガス(砂糖黍の繊維性成分)216gに水560mlを加え良く混合し、ポリプロピレン製の袋に詰め、121℃、40分滅菌した。
別に調製したマルツエキス2%、酵母エキス0.25%を含有する液体培地にマンネンタケの菌糸体を無菌的に加え、20日間振盪培養して作成したマンネンタケの種菌を、上記培養基に10ml接種した。
こうしてマンネンタケの種菌を接種した培養基を、20℃で静置して発酵させた。そして、培養期間が0日、1箇月、2箇月、3箇月、4箇月、5箇月経過後に取り出し、培地を親指大に破砕し、マンネンタケの菌糸体に内在する酵素で自己消化させながら、60℃の温水で15時間程度で抽出液を得た。
抽出液は、網(12メッシュ)で粗濾過後、遠心分離(12000回転、10分)し、上清液を得た。更に、この上清液を、減圧濃縮後、凍結乾燥し、微粉末を得た。
<実施例2>(クロレラ−マンネンタケ固体培養発酵物の製造)
クロレラ48gとバガス(砂糖黍の繊維性成分)192gに水560mlを加え、混合した。混合後の培地原料を、ポリプロピレン製の袋に詰め、121℃で40分滅菌した。冷却後、実施例1の方法と同様に作製したマンネンタケ種菌を10ml接種した。20℃ で3箇月及び4箇月静置して発酵させ、発酵終了後、培地を親指大に破砕し、60℃の温水で15時間抽出した。
クロレラ48gとバガス(砂糖黍の繊維性成分)192gに水560mlを加え、混合した。混合後の培地原料を、ポリプロピレン製の袋に詰め、121℃で40分滅菌した。冷却後、実施例1の方法と同様に作製したマンネンタケ種菌を10ml接種した。20℃ で3箇月及び4箇月静置して発酵させ、発酵終了後、培地を親指大に破砕し、60℃の温水で15時間抽出した。
抽出液は、網(12メッシュ)で粗濾過後、遠心分離(12000回転、10分)し、上清液を得た。続いて上清液を、減圧濃縮後、凍結乾燥し、微粉末を得た。
<実施例3>(クロレラ−マンネンタケ液体培養発酵物の製造)
200ml容三角フラスコにクロレラ5g、グルコース3gを入れ、精製水100mlを添加し、溶解させた後、121℃、20分滅菌した。培地を冷却し、23℃ に到達させて、実施例1と同様に培養したマンネンタケ液体培養種菌5mlを無菌的に添加した。
200ml容三角フラスコにクロレラ5g、グルコース3gを入れ、精製水100mlを添加し、溶解させた後、121℃、20分滅菌した。培地を冷却し、23℃ に到達させて、実施例1と同様に培養したマンネンタケ液体培養種菌5mlを無菌的に添加した。
これを23℃で振盪培養し、発酵を促した。定期的にサンプリングし、汚染がないこと、培養が順調であることを確認しながら、14日間培養した。培養の進み方は、培養液のpHを測定して、判断した。
培養終了時に100℃で、10分加熱し、菌糸体および酵素類を不活化し凍結乾燥して、粉末状の発酵物を得た。
<実施例4>(スピルリナ−マンネンタケ液体培養発酵物の製造)
スピルリナ1.4kg、グルコース0.9kg、精製水27リットルを50Lファーメンターに入れ、121℃、30分滅菌し、培地を23℃まで冷却した。
スピルリナ1.4kg、グルコース0.9kg、精製水27リットルを50Lファーメンターに入れ、121℃、30分滅菌し、培地を23℃まで冷却した。
種菌は、10L培養瓶に水8L入れ、2%マルツエキスと0.25%酵母エキスを加えて、121℃、40分滅菌後、冷却した液体培地に、マンネンタケ菌糸を添加し、無菌空気を通気しながら5日間培養した。この種菌を3L、無菌的に加え、30℃で7日間通気攪拌しながら発酵させた。
発酵終了時には、100℃、10分加熱し、マンネンタケ菌糸体及び菌糸体が培養液中に生成した酵素を失活させた。次いで、実施例3と同様な操作により、スピルリナ−マンネンタケ発酵物凍結乾燥微粉末を得た。
<実施例5>(クロレラ−シイタケ液体培養発酵物の製造)
50Lファーメンターにクロレラ1.4kg、グルコース0.9kgを入れ、水27Lを加えた。121℃、30分滅菌後、23℃まで冷却した。別に10L培養瓶で通気培養したシイタケ液体培養種菌3Lを無菌的に加えた。23℃で14日間通気攪拌培養後、実施例3と同様の操作でクロレラ−シイタケ発酵物凍結乾燥微粉末を得た。
50Lファーメンターにクロレラ1.4kg、グルコース0.9kgを入れ、水27Lを加えた。121℃、30分滅菌後、23℃まで冷却した。別に10L培養瓶で通気培養したシイタケ液体培養種菌3Lを無菌的に加えた。23℃で14日間通気攪拌培養後、実施例3と同様の操作でクロレラ−シイタケ発酵物凍結乾燥微粉末を得た。
<実施例6>(スピルリナ−シイタケ液体培養発酵物の製造)
200ml容三角フラスコにスピルリナ 5g、グルコース3g、精製水100mlを加え溶解させた後、121℃、20分滅菌した。
200ml容三角フラスコにスピルリナ 5g、グルコース3g、精製水100mlを加え溶解させた後、121℃、20分滅菌した。
別に調製した液体培地(マルツエキス2%、酵母エキス0.25%)250mlを500ml容坂口フラスコに入れ、121℃、30分滅菌した。冷却後、シイタケ菌糸体を添加し、25日間振盪培養してシイタケ種菌を作製した。この種菌5mlを上記滅菌済み培地に冷却後接種した。23℃で14日間培養し、実施例3と同様の操作でスピルリナ−シイタケ発酵物凍結乾燥微粉末を得た。
<比較例1>(原料スピルリナ)
実施例1、4、6で用いた原料スピルリナを比較例1とした。なお、原料スピルリナは、スピルリナ原末(中華人民共和国産、販売者;サンライフ株式会社)を使用した。
実施例1、4、6で用いた原料スピルリナを比較例1とした。なお、原料スピルリナは、スピルリナ原末(中華人民共和国産、販売者;サンライフ株式会社)を使用した。
<比較例2>(原料クロレラ)
実施例2、3、5で用いた原料クロレラを比較例2とした。なお、原料クロレラはピレノイドサ種の種株をオープン培養法により生産し、スプレードライ乾燥法により粉末化したクロレラ原末(台湾産、販売者;サンライフ株式会社)を用いた。
〈比較例3〉(マンネンタケ菌糸体エキス)
実施例4で用いたマンネンタケ種菌液を遠心分離(17000rpm、10分)し、菌糸体を集めた。この菌糸体沈殿に水を加え、攪拌して菌糸体を水に懸濁させ、再び上記条件で遠心分離して菌糸体に含まれている培養液を除去洗浄した。この操作をさらに2回繰り返して洗浄した菌糸体を凍結乾燥した。
実施例2、3、5で用いた原料クロレラを比較例2とした。なお、原料クロレラはピレノイドサ種の種株をオープン培養法により生産し、スプレードライ乾燥法により粉末化したクロレラ原末(台湾産、販売者;サンライフ株式会社)を用いた。
〈比較例3〉(マンネンタケ菌糸体エキス)
実施例4で用いたマンネンタケ種菌液を遠心分離(17000rpm、10分)し、菌糸体を集めた。この菌糸体沈殿に水を加え、攪拌して菌糸体を水に懸濁させ、再び上記条件で遠心分離して菌糸体に含まれている培養液を除去洗浄した。この操作をさらに2回繰り返して洗浄した菌糸体を凍結乾燥した。
凍結乾燥後の菌糸体に60℃の温水を加え、15時間保った後、遠心し、上清液を凍結乾燥して、マンネンタケ菌糸体エキスを得た。
〈比較例4〉(藻類無添加の固体培養発酵物)
バガス216gと米糠24gに水560mlを加え混合し、121℃、40分滅菌した。この固体培地に、実施例1と同様にマンネンタケ種菌を接種培養した。培養期間1箇月、2箇月、3箇月、4箇月、5箇月後に実施例1と同様に抽出した。
〈比較例4〉(藻類無添加の固体培養発酵物)
バガス216gと米糠24gに水560mlを加え混合し、121℃、40分滅菌した。この固体培地に、実施例1と同様にマンネンタケ種菌を接種培養した。培養期間1箇月、2箇月、3箇月、4箇月、5箇月後に実施例1と同様に抽出した。
<試験例1>(各サンプルの組成分析)
実施例1、2で得た各サンプルの組成を分析した結果を表1に示す。なお、それぞれの成分分析は、糖質がフェノール硫酸法、蛋白質がセミミクロケルダール法、水溶性リグニンがアセチルブロマイド法、灰分が直接灰化法により行った。
実施例1、2で得た各サンプルの組成を分析した結果を表1に示す。なお、それぞれの成分分析は、糖質がフェノール硫酸法、蛋白質がセミミクロケルダール法、水溶性リグニンがアセチルブロマイド法、灰分が直接灰化法により行った。
また、実施例3〜4、比較例1、2、3で得た各サンプルの組成を分析した結果を、下記表2に示す。
<試験例2>(スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性の測定1)
実施例1で得られた各サンプルについて、下記の方法で、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を測定した。
実施例1で得られた各サンプルについて、下記の方法で、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を測定した。
すなわち、スーパーオキシドアニオンラジカル(O2 −)を消去する能力を、化学発光を用いて測定した。O2 −生成系にはヒポキサンチンオキシダーゼ゛系を使用し、生成した
O2 −と発光試薬との反応による化学発光をルミノメーターにて測定した。そして、被検物質を添加しない状態の発光積算値(a)と、被検物質を添加した場合の発光積算値(b)を測定した。
O2 −と発光試薬との反応による化学発光をルミノメーターにて測定した。そして、被検物質を添加しない状態の発光積算値(a)と、被検物質を添加した場合の発光積算値(b)を測定した。
被検物質を添加した場合の発光積算値(b)の測定は、次の通りである。すなわち、96 well plate に発光試薬(MPEC;ATTO AB-2950)を 10 μl 分注し、被検物質 10μl を添加する。これに、キサンチンオキシダーゼ 160 μl とリン酸バッファー 170 μl を分注し、ヒポキサンチン溶液 50 μl を添加し、10 秒後から 110 秒まで測定間隔 1 秒で発光値を測定し、積算した。
被検物質を添加しない状態の発光積算値(a)の測定は、上記被検物質を添加した場合の発光積算値(b)の測定で添加した被検物質の代わりにリン酸バッファー 10μl 添加して、同様に測定した。
上記測定結果から、阻害率を次式より算出した。
阻害率(%) = 1−(b)/(a) × 100
そして、ビタミンCの阻害率を100とした時の阻害率の割合を相対活性とし、培養期間による相対活性の変化を求めた結果を図1に示した。
阻害率(%) = 1−(b)/(a) × 100
そして、ビタミンCの阻害率を100とした時の阻害率の割合を相対活性とし、培養期間による相対活性の変化を求めた結果を図1に示した。
また、比較例4の藻類無添加の固体培養発酵物について、上記と同様にビタミンCの阻害率を100とした時の阻害率の割合を相対活性とし、培養期間による相対活性の変化を求めた結果を図2に示した。
図1及び図2に示されるように、スピルリナを培地原料とした実施例1では、培養期間3箇月のときに、抗酸化活性が著しく増大している。これに対して、スピルリナを培地原料に含まない比較例4では、抗酸化活性がそれほど増大しないことがわかる。
<試験例3>(スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性の測定2)
試験例2と同様な方法により、実施例1(培養4箇月のもの)、実施例2(培養4箇月のもの)、実施例3、実施例5、比較例1(原料スピルリナ)、比較例2(原料クロレラ)、比較例3(マンネンタケ菌糸体エキス)について、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性をそれぞれ測定し、その結果を表3に示した。
試験例2と同様な方法により、実施例1(培養4箇月のもの)、実施例2(培養4箇月のもの)、実施例3、実施例5、比較例1(原料スピルリナ)、比較例2(原料クロレラ)、比較例3(マンネンタケ菌糸体エキス)について、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性をそれぞれ測定し、その結果を表3に示した。
表3の結果から、スピルリナ又はクロレラを培地原料とした実施例1,2,3,5は、原料スピルリナからなる比較例1、原料クロレラからなる比較例2、クロレラもスピルリナも含まない培地原料でマンネンタケ菌糸体を培養した比較例3に比べて、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性が顕著に増大していることがわかる。
<試験例4>(窒素酸化物の産生量の測定)
実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、比較例1(原料スピルリナ)、比較例2(原料クロレラ)について、窒素酸化物の産生量を下記方法で測定した。
実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、比較例1(原料スピルリナ)、比較例2(原料クロレラ)について、窒素酸化物の産生量を下記方法で測定した。
刺激を受けたマクロファージは、誘導型の一酸化窒素を産生する。この一酸化窒素は、活性酸素種の一つで、クロレラやスピルリナは、強い刺激をマクロファージに与えて一酸化窒素の産生を増強する。そこで、担子菌で発酵させた場合の一酸化窒素産生に及ぼす影響を以下の手順で測定した。
マクロファージ様株化細胞であるJ774.1細胞(理化学研究所、細胞銀行より入手可能)を、10% FBS を含むRPMI1640 培地に懸濁し、96 well plate に100 μl / well で播種した。
被検物質は、上記培地で適宜希釈し、細胞を播種したwell に添加した。そして、37℃、5% CO2下で3日間培養後、上清100 μl を別の 96 well plate に採取した。
次いで、グリース(Gries)試薬(0.1% ナフチルエチレンジアミド・2HCl、2.5% リン酸、1% スルファニルアミド)100 μl を添加し、室温で10分発色させ、540 nm で吸光度を測定した。検量線は、NaNO2を標準物質として作成した。
LPS(リポポリサッカライド) 2.5 ng/ml を添加した時に産生される一酸化窒素量を100 % ととして、それぞれの被検物質濃度で、50% の一酸化窒素を産生する濃度をED50値として算出した。この結果を下記表4に示す。
以上の試験例1〜4に示されるように、実施例1〜6の発酵物は、糖質24〜63%、蛋白質 28〜58%、灰分5〜20%の成分からなり、いずれも、比較例1(原料スピルリナ)、比較例2(原料クロレラ)に比べて、活性酸素消去能が顕著に増大している。特に、実施例3と5の発酵物は、発酵前のクロレラのスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性をそれぞれ15倍及び38倍上昇させた。また、実施例3〜6の発酵物は、発酵前のスピルリナ及びクロレラの一酸化窒素産生能を1/15〜1/12149 に抑制した。
本発明による抗酸化剤及びそれを含有する飲食品は、これらを摂取することにより、体内での活性酸素の生成を抑制して活性酸素による傷害を防止することができる。したがって、活性酸素による動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳溢血、糖尿病、癌等の障害の発生を予防することができる。したがって、例えば医薬品、健康食品、化粧品として、幅広く利用することができる。
Claims (5)
- 藻類を含有する原料から調製された培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物又は該培養物から調製された抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
- 前記藻類が、クロレラ及び/又はスピルリナである請求項1記載の抗酸化剤。
- 前記担子菌及び/又は子嚢菌が、椎茸又はマンネン茸である請求項1又は2記載の抗酸化剤。
- 前記培養物を、前記担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体に含まれる酵素によって、自己消化させて得られる抽出物を有効成分とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の抗酸化剤。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の抗酸化剤を含有する飲食品。
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