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JP2008200040A - サイジング技術を用いる核酸分子の分析のための方法および組成物 - Google Patents

サイジング技術を用いる核酸分子の分析のための方法および組成物 Download PDF

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JP2008200040A JP2008054175A JP2008054175A JP2008200040A JP 2008200040 A JP2008200040 A JP 2008200040A JP 2008054175 A JP2008054175 A JP 2008054175A JP 2008054175 A JP2008054175 A JP 2008054175A JP 2008200040 A JP2008200040 A JP 2008200040A
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Abstract

【課題】種々の核酸反応のために特別に設計されたタグおよびリンカーを提供すること。
【解決手段】広範な種々の核酸反応のために特別に設計されたタグおよびリンカーが開示される。これらは、広範な種々の核酸反応に適切であり、ここで、サイズに基づく核酸分子の分離が必要とされる。1つの局面において、本発明は、核酸分子の正体を決定する方法を提供する。この方法は、(a)1つ以上の選択された標的核酸分子からタグを付けた核酸分子を生成する工程であって、ここでタグが特定の核酸フラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程;(b)サイズによって該タグを付けた分子を分離する工程;(c)該タグを付けた分子から該タグを切断する工程;および(d)非蛍光分光分析または電位差測定により該タグを検出し、それから該核酸分子の正体を決定する工程を包含する。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、核酸分子の分析のための方法および組成物に関し、より詳細には、広範な種々の核酸反応に用いられ得るタグに関し、ここで、サイズに基づく核酸分子の分離が必要とされる。
発明の背景
核酸分子の検出および分析は、生物学において最も重要な技術である。このような技術は、分子生物学の中心であり、残りの生物学において急速に発展する役割を果たす。
一般に、核酸反応の分析の1つのタイプは、長さに基づく核酸分子の分離を含む。例えば、広範に使用されている技術の1つである、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号(特許文献1〜3)を参照のこと)は、サンプル中に存在する配列の同定およびさらなる操作のためのDNA分子の合成の両方のために広範に使用される技術となっている。
簡潔には、PCRにおいて、DNA配列は、幾何学的または直線状様式のいずれかで新しいDNA鎖を合成する酵素反応により増幅される。増幅後、DNA配列は検出され同定されなければならない。非特異的増幅(これは分析を混乱させる)、または純度の必要性のため、PCR反応産物は、一般に、検出前に分離に供される。産物のサイズ(すなわち、長さ)に基づく分離は、最も有用な情報を生じる。核酸分子の最も高い分離能を与える方法は、電気泳動分離である。この方法では、それぞれの個々のPCR反応は、適切なゲルに適用され、電圧電位に供される。処理され得るサンプルの数は、ゲル中のウェルの数により制限される。大部分のゲル装置において、約10〜64のサンプルが単一のゲルで分離され得る。従って、多数のサンプルを処理することは、労力がいり、かつ物質集約的である。
電気泳動分離は、データを得るためにいくつかの検出システムと連結されなければならない。核酸の検出システムは、一般に、そしてほとんど独占的に、インターカレート染料(intercalating dye)または放射性標識を用い、非放射性標識はほとんど用いない。インターカレート染料(例えば、エチジウムブロミド)は、使用が簡単である。染料は、電気泳動中にゲルマトリクス中に含まれるかまたは、電気泳動後にゲルは染料含有溶液に含浸される。染料は、いくつかの場合には直接視覚化され得るが、たいていの場合(特に、エチジウムブロミドについて)光(例えば、UV)により励起されて蛍光を発する。この装置の使用の容易さにも関わらず、このような染料は、特定の顕著な不利な点を有する。第1に、染料は非感受性であり、産物を視覚化するために大量の核酸分子が存在しなければならない。第2に、染料は、代表的には、変異誘発性であるかまたは発ガン性である。
染料よりもより感受性の検出技術は、放射性(または非放射性)標識を使用する。代表的には、放射性標識ヌクレオチドまたは放射性標識プライマーのいずれかが、PCR反応に含まれる。分離後、放射性標識は、オートラジオグラフィーにより「視覚化」される。より感受性であるが、検出はフィルムの制限(例えば、相反則不軌および非線形)を受ける。これらの制限は、蛍りん光体画像分析による標識の検出により克服され得る。しかし、放射性標識は、安全性の要求を有し、資源の利用を増加させ、特定の装置および人員の訓練を必要とする。このような理由のため、非放射性標識の使用が通俗的に増加している。このようなシステムでは、ヌクレオチドは標識(例えば、蛍光体、ビオチンまたはジゴキシン)を含み、これは、色素基質と反応性の酵素で標識された抗体または他の分子(例えば、リガンド対の他のメンバー)により検出され得る。これらのシステムは、上記のような安全性の関心を有さないが、しばしば不安定であり、非特異的反応を生じ得る成分を使用し、その結果、高バックグラウンド(すなわち、低シグナル対ノイズ比)を生じる。
本発明は、広範な種々の核酸反応に用いられ得る新規な組成物および方法を提供し、さらに、他の関連する利点を提供する。
米国特許第4,683,195号明細書 米国特許第4,683,202号明細書 米国特許第4,800,159号明細書
発明の要旨
簡潔に述べると、本発明は、広範な種々のリガンド対反応に用いられ得る組成物および方法を提供し、ここで、サイズに基づく目的の分子(例えば、核酸分子)の分離が必要とされる。本明細書中で提供される開示で与えられる、増強され得る方法の代表的な例として、PCR、ディファレンシャルディスプレイ、RNAフィンガープリンティング、PCR-SSCP、オリゴリテーションアッセイ、ヌクレアーゼ消化法(例えば、エキソ−およびエンド−ヌクレアーゼベースアッセイ)、およびジデオキシフィンガープリンティングが挙げられる。本明細書中で記載される方法は、広範な分野で利用され得、例えば、臨床または研究ベースの診断の開発、多型性の決定、および遺伝子マップの開発を含む。
本発明の1つの局面内において、核酸分子の同一性を決定する方法が提供される。この方法は、以下の工程を包含する:(a)1つ以上の選択された標的核酸分子からタグを付けた核酸分子を生成する工程であって、ここでタグが特定の核酸フラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b)サイズによってタグを付けたフラグメントを分離する工程、(c)タグを付けたフラグメントからタグを切断する工程、および(d)非蛍光分光分析または電位差測定によりタグを検出し、それから核酸分子の同一性を決定する工程。
本発明の関連する局面内において、選択された核酸分子を検出する方法が提供される。この方法は、以下の工程を包含する:(a)タグを付けた核酸プローブを相補的な選択された標的核酸配列にハイブリダイズさせるのに十分な条件下かつ時間で、タグを付けた核酸プローブを標的核酸分子と合わせる工程であって、ここでタグを付けた核酸プローブが非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b)ハイブリダイズしたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子、あるいはプローブ:標的ハイブリッドのサイズを変化させる工程、(c)サイズによりタグを付けたプローブを分離する工程、(d)タグを付けたプローブからタグを切断する工程、および(e)非蛍光分光分析または電位差測定によりタグを検出し、それから選択された核酸分子を検出する工程。
さらなる局面内において、選択された生物の遺伝子型を決定する方法が提供される。この方法は、以下の工程を包含する:(a)選択された標的分子からタグを付けた核酸分子を生成する工程であって、ここでタグが特定のフラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b)配列長によってタグを付けた分子を分離する工程、(c)タグを付けた分子からタグを切断する工程、および(d)非蛍光分光分析または電位差測定によりタグを検出し、それから生物の遺伝子型を決定する工程。
別の局面内において、選択された生物の遺伝子型を決定する方法が提供される。この方法は、以下の工程を包含する:(a)タグを付けた分子を標的分子にハイブリダイゼーションさせるのに十分な条件下かつ時間で、タグを付けた核酸分子を選択された標的分子と合わせる工程であって、ここで、タグが特定のフラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b)配列長によりタグを付けたフラグメントを分離する工程、(c)タグを付けたフラグメントからタグを切断する工程、および(e)非蛍光分光分析または電位差測定によりタグを検出し、それから生物の遺伝子型を決定する工程。
本発明の内容の範囲内において、「生物学的サンプル」は、生存生物(例えば、哺乳動物、魚、バクテリア、寄生動物、ウイルス、カビなど)または環境(例えば、空気、水または固体サンプル)から得られるサンプルだけでなく、人工的または合成的に産生され得る生物学的物質(例えば、ファージライブラリ、有機分子ライブラリ、ゲノムクローン、cDNAクローン、RNAクローンのプールなど)を含むことが理解される。生物学的サンプルの代表的な例としては、生物学的流体(例えば、血液、精液、脳脊髄液、尿)、生物学的細胞(例えば、幹細胞、BまたはT細胞、肝細胞、繊維芽細胞など)、および生物学的組織が挙げられる。最後に、遺伝子型が決定され得る生物の代表的な例としては、実質的に任意の単細胞または多細胞生物、例えば、温血動物、哺乳動物または脊椎動物(例えば、ヒト、チンパンジー、マカク、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ラットおよびマウス、ならびに任意のこれら由来の細胞)、バクテリア、寄生動物、ウイルス、カビおよび植物が挙げられる。
上記方法の種々の実施態様内において、本発明の核酸プローブおよびまたは分子は、例えば、連結、切断または伸長(例えば、PCR)反応により生成され得る。他の関連する局面内において、核酸プローブまたは分子は、非−3'タグを付けたオリゴヌクレオチドプライマー(例えば、5'-タグを付けたオリゴヌクレオチドプライマー)またはジデオキシヌクレオチドターミネーターによりタグを付けられ得る。
本発明の他の実施態様内において、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、250、300、350、400、450、または500より多い、異なりかつ独自のタグを付けた分子が、所定の反応内で同時に利用され得、ここで各タグは、選択された核酸分子またはフラグメント、あるいはプローブごとに別々であり、そして別々に同定され得る。
本発明のさらなる実施態様内において、タグは、蛍光分析、質量分析、赤外分光分析、紫外線分光分析、または、定電位電流測定(例えば、電量測定または電流測定検出器を利用)により検出され得る。適切な分光分析技術の代表的な例としては、飛行時間型質量分析、四重極型質量分析、磁気セクター質量分析および電気セクター質量分析が挙げられる。このような技術の特定の実施態様としては、イオントラップ質量分析、エレクトロスプレーイオン化質量分析、イオンスプレー質量分析、液体イオン化質量分析、大気圧イオン化質量分析、電子イオン化質量分析、高速原子衝撃イオン化質量分析、MALDI質量分析、光イオン化飛行時間型質量分析、レーザー液滴(droplet)質量分析、MALDI-TOF質量分析、APCI質量分析、ナノスプレー質量分析、噴霧スプレーイオン化質量分析、化学イオン化質量分析、共鳴イオン化質量分析、2次イオン化質量分析およびサーモスプレー質量分析が挙げられる。
本発明のなお他の実施態様内において、標的分子、ハイブリダイズしたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子、プローブ:標的ハイブリッド、あるいはタグを付けた核酸プローブまたは分子は、分子のサイズ(実際の直線サイズ、または3次元サイズのいずれか)を識別する方法を利用して他の分子から分離され得る。このような方法の代表的な例としては、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、マイクロチャネル電気泳動、HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、濾過、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、液体クロマトグラフィー、逆サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、パルスフィールド電気泳動、フィールド反転電気泳動、透析、および蛍光活性化液体液滴選別が挙げられる。あるいは、標的分子、ハイブリダイズしたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子、プローブ:標的ハイブリッド、あるいはタグを付けた核酸プローブまたは分子は、固体支持体(例えば、中空ファイバ(Amicon Corporation, Danvers, Mass.)、ビーズ(Poylsciences, Warrington, Pa.)、磁気ビーズ(Robbin Scientific, Mountain View, Calif.)、プレート、皿およびフラスコ(Corning Glass Works, Corning, N.Y.)、メッシュ(Becton Dickinson, Mountain View, Calif.)、スクリーンおよび固体ファイバ(Edelmanらの米国特許第3,843,324号を参照のこと;Kurodaらの米国特許第4,416,777号もまた参照のこと)、膜(Millipore Corp., Bedford, Mass.)、およびディップスティック)に結合され得る。第1または第2のメンバー、あるいは露出した核酸は、固体支持体に結合され、本発明の特定の実施態様内において、本明細書中で開示される方法は、固体支持体の未結合の物質を洗浄する工程をさらに包含する。
他の実施態様内において、タグを付けた核酸分子またはプローブは、化学的、酸化、還元、酸不安定、塩基不安定、酵素的、電気化学的、熱および光不安定方法などの方法により切断され得る。さらなる実施態様内において、分離、切断および検出工程は、例えば、自動化され得る単一の装置で連続的様式で実施され得る。
本発明の特定の実施態様内において、ハイブリダイズしたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子、あるいはプローブ:標的ハイブリッドのサイズは、ポリメラーゼ伸長、連結、エキソヌクレアーゼ消化、エンドヌクレアーゼ消化、制限酵素消化、部位特異的リコンビナーゼ消化、連結、ミスマッチ特異的ヌクレアーゼ消化、メチル化特異的ヌクレアーゼ消化、プローブの標的への共有結合およびハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法により変化させられる。
本明細書中に記載の方法および組成物は、広範な種々の用途に利用され得、例えば、診断、法廷、同定、発達生物学、生物学、分子医学、毒物学、動物飼育のためのPCRアンプリコンの同定、RNAフィンガープリンティング、ディファレンシャルディスプレイ、一本鎖コンフォメーション多型性検出、ジデオキシフィンガープリンティング、制限マップおよび制限フラグメント長多型性、DNAフィンガープリンティング、遺伝子型決定、変異検出、オリゴヌクレオチド連結アッセイ、配列特異的増幅を含む。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すれば明らかとなる。さらに、特定の手順または組成物(例えば、プラスミドなど)をより詳細に記載する種々の参考文献を以下に示し、これらは全体が本明細書中で参考として援用される。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
1.核酸分子の正体を決定する方法であって:
(a)1つ以上の選択された標的核酸分子からタグを付けた核酸分子を生成する工程であって、ここでタグが特定の核酸フラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程;
(b)サイズによって該タグを付けた分子を分離する工程;
(c)該タグを付けた分子から該タグを切断する工程;および
(d)非蛍光分光分析または電位差測定により該タグを検出し、それから該核酸分子の正体を決定する工程
を包含する、方法。
2.選択された核酸分子を検出する方法であって:
(a)タグを付けた核酸プローブを相補的な選択された標的核酸配列にハイブリダイズさせるのに十分な条件下かつ時間で、該タグを付けた核酸プローブを該標的核酸分子と合わせる工程であって、ここで該タグを付けた核酸プローブが、非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程;
(b)該ハイブリダイズしたタグを付けたプローブのサイズ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子のサイズ、あるいはプローブ:標的ハイブリッドのサイズを変化させる工程;
(c)サイズにより該タグを付けたプローブを分離する工程;
(d)該タグを付けたプローブから該タグを切断する工程;および
(e)非蛍光分光分析または電位差測定により該タグを検出し、それから該選択された核酸分子を検出する工程
を包含する、方法。
3.前記タグを検出する工程が、質量分析、赤外分光分析、紫外線分光分析、または定電位電流測定による、項目1または2に記載の方法。
4.4つより多いタグを付けた核酸フラグメントを生成し、各タグが選択された核酸フラグメントごとに別々である、項目1に記載の方法。
5.4つより多いタグを付けた核酸プローブを利用し、各タグが選択された核酸プローブごとに別々である、項目2に記載の方法。
6.前記標的核酸分子がプライマー伸長により生成される、項目1または2に記載の方法。
7.前記ハイブリダイズされたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブまたは標的分子、あるいはプローブ:標的ハイブリッドのサイズが、ポリメラーゼ伸長、連結、エキソヌクレアーゼ消化およびエンドヌクレアーゼ消化からなる群より選択される方法により変化させられる、項目2に記載の方法。
8.前記タグを付けた分子が、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、マイクロチャネル電気泳動、HPLC、サイズ排除クロマトグラフィーおよび濾過からなる群より選択される方法により分離される、項目1または2に記載の方法。
9.前記タグを付けた分子が、酸化方法、還元方法、酸不安定方法、塩基不安定方法、酵素的方法、電気化学的方法、熱方法および光不安定方法からなる群より選択される方法により切断される、項目1または2に記載の方法。
10.前記タグが、飛行時間型質量分析、四重極型質量分析、磁気セクター質量分析および電気セクター質量分析により検出される、項目1または3に記載の方法。
11.前記タグが、電量測定検出器および電流測定検出器からなる群より選択される検出器を利用する定電位電流測定により検出される、項目10に記載の方法。
12.前記分離、切断および検出工程が連続的様式で実施される、項目1または2に記載の方法。
13.前記分離、切断および検出工程が単一の装置で連続的様式で実施される、項目1または2に記載の方法。
14.前記分離、切断および検出工程が自動化される、項目13に記載の方法。
15.前記タグを付けた分子またはプローブが5'-タグを付けたオリゴヌクレオチドプライマーから生成される、項目1または2に記載の方法。
16.前記タグを付けた分子またはプローブがタグを付けたジデオキシヌクレオチドターミネーターから生成される、項目1または2に記載の方法。
17.選択された生物の遺伝子型を決定する方法であって:
(a)選択された標的分子からタグを付けた核酸分子を生成する工程であって、ここでタグが特定のフラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程;
(b)サイズによって該タグを付けた分子を分離する工程;
(c)該タグを付けた分子から該タグを切断する工程;および
(d)非蛍光分光分析または電位差測定により該タグを検出し、それから該生物の遺伝子型を決定する工程
を包含する、方法。
18.選択された生物の遺伝子型を決定する方法であって:
(a)タグを付けた核酸分子を標的分子にハイブリダイゼーションさせるのに十分な条件下かつ時間で、該タグを付けた核酸分子を選択された標的分子と合わせる工程であって、ここで、タグが特定のフラグメントと相関し、かつ非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程;
(b)サイズにより該タグを付けた分子を分離する工程;
(c)該タグを付けた分子から該タグを切断する工程;および
(d)非蛍光分光分析または電位差測定により該タグを検出し、それから該生物の遺伝子型を決定する工程
を包含する、方法。
19.前記タグを付けた分子が、ゲノムクローン、cDNAクローンおよびRNAクローンからなる群より選択されるクローンのプールから生成される、項目17または18に記載の方法。
20.前記タグを付けた分子がポリメラーゼ連鎖反応により生成される、項目17または18に記載の方法。
21.前記タグを検出する工程が、質量分析、赤外分光分析、紫外線分光分析、または定電位電流測定による、項目17または18に記載の方法。
22.4つより多いタグを付けた核酸分子を生成し、各タグが選択された核酸フラグメントごとに別々である、項目17または18に記載の方法。
23.前記標的核酸分子がプライマー伸長により生成する、項目17または18に記載の方法。
24.前記タグを付けた分子が、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、マイクロチャネル電気泳動、HPLC、サイズ排除クロマトグラフィーおよび濾過からなる群より選択される方法により分離される、項目17または18に記載の方法。
25.前記タグを付けた分子が、酸化方法、還元方法、酸不安定方法、塩基不安定方法、酵素的方法、電気化学的方法、熱方法および光不安定方法からなる群より選択される方法により切断される、項目17または18に記載の方法。
26.前記タグが、飛行時間型質量分析、四重極型質量分析、磁気セクター質量分析および電気セクター質量分析により検出される、項目17または18に記載の方法。
27.前記タグが、電量測定検出器および電流測定検出器からなる群より選択される検出器を利用する定電位電流測定により検出される、項目17または18に記載の方法。
28.前記分離、切断および検出工程が連続的様式で実施される、項目17または18に記載の方法。
29.前記分離、切断および検出工程が単一の装置で連続的様式で実施される、項目17または18に記載の方法。
30.前記分離、切断および検出工程が自動化される、項目17または18に記載の方法。
31.前記タグを付けた分子が非−3'タグを付けたオリゴヌクレオチドプライマーから生成される、項目17または18に記載の方法。
32.前記タグを付けた分子がタグを付けたジデオキシヌクレオチドターミネーターから生成される、項目17または18に記載の方法。
33.前記標的分子が生物学的サンプルから得られる、項目1、2または17に記載の方法。
34.複数の以下の式の化合物を含有する組成物であって:
ms −L−MOI
ここで
ms が、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lが、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分が、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIが核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
ここで少なくとも2つの化合物が同一のT ms を有するが、これらの分子のMOI基が同一でないヌクレオチド長さを有する
組成物。
35.複数の以下の式の化合物を含有する組成物であって:
ms −L−MOI
ここで
ms が、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lが、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分が、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIが核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
ここで少なくとも2つの化合物が同一のT ms を有するが、これらの化合物が、カラムクロマトグラフィによって同一でない溶出時間を有する
組成物。
36.複数の以下の式の化合物を含有する組成物であって:
ms −L−MOI
ここで
ms が、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lが、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分が、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIが核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
ここで同一のMOIヌクレオチド長を有する2つの化合物が同一のT ms を有さない
組成物。
37.前記複数が2より多い、項目34から36のいずれか1項に記載の組成物。
38.前記複数が4より多い、項目34から36のいずれか1項に記載の組成物。
39.前記核酸フラグメントがベクターの一部に相補的な配列を有し、該フラグメントがポリヌクレオチド合成を開始し得る、項目34から36のいずれか1項に記載の組成物。
40.前記複数のメンバーのT ms 基が少なくとも2amu異なる、項目34から36のいずれか1項に記載の組成物。
41.前記複数のメンバーのT ms 基が少なくとも4amu異なる、項目34から36のいずれか1項に記載の組成物。
42.複数の化合物のセットを含有する組成物であって、各セットの化合物が以下の式を有する、組成物:
ms −L−MOI
ここで
ms は、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lは、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分は、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIは核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
第1の化合物のセット内のメンバーは、同一のT ms 基を有するが、MOIにおいて異なる数のヌクレオチドを有する同一でないMOI基を有し、該第1のセット内に少なくとも10のメンバーが存在し、ここでセット間でT ms 基は少なくとも2amu異なる。
43.前記複数が少なくとも3である、項目42に記載の組成物。
44.前記複数が少なくとも5である、項目42に記載の組成物。
45.複数の化合物のセットを含有する組成物であって、各化合物のセットが以下の式を有する、組成物:
ms −L−MOI
ここで
ms は、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lは、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分は、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIは核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
ここでセット内の化合物は、同じ溶出時間を有するが、同一でないT ms 基を有する。
46.複数の増幅プライマー対を含有する、遺伝子型を決定するキットであって、該プライマーの少なくとも1つが以下の式を有する、キット:
ms −L−MOI
ここで
ms は、炭素と、水素およびフッ素の少なくとも1つと、ならびに必要に応じて酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される原子とを含む、質量分析により検出可能な有機基であり;
Lは、T ms 含有部分が該化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、該T ms 含有部分は、該化合物が質量分析に供された際に単一のイオン化荷電状態を維持し、かつ第三級アミン、第四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含み;
MOIは核酸フラグメントであり、ここで、該MOIの3'端以外の位置において、該MOIにLが結合されており;そして
各プライマー対は異なる部位で会合する。
47.前記複数が少なくとも3である、項目46に記載のキット。
48.前記複数が少なくとも5である、項目46に記載のキット。
発明の詳細な説明
上記のように、本発明は、核酸分子を分析するための組成物および方法を提供する。ここで、サイズに基づく核酸分子の分離が必要とされる。本発明の方法は、目的の分子(核酸およびフラグメント、タンパク質、ペプチドなどを含む)の同時検出を可能にする。
簡潔に述べると、1つの局面において本発明は、目的の分子、またはその前駆体が不安定結合(単数または複数)を介してタグに連結されている化合物を提供する。従って、本発明の化合物は、一般式:
T−L−X
を有するとして概説され得る。ここで、Tはタグ成分であり、Lは不安定な結合であるか、または不安定な結合を含むかのいずれかの連結成分であり、そしてXは目的の分子成分(MOI)か、またはこれを介してMOIがT-Lに結合し得る官能基成分(Lh)のいずれかである。従って、本発明の化合物は、より詳細な一般式:
T−L−MOI および T−L−L
により表され得る。
以下に詳細に記載する理由として、T-L-MOI化合物の組は、切断されるべき不安定な結合(単数または複数)を生じる条件に目的をもって供され、従って、化合物の残りからのタグ部分を放出し得る。次いで、タグ部分は、1つ以上の分析技術により特徴付けられ、それによりタグ部分の構造に関する直接的情報、および(最も重要には)対応するMOIの同一性に関する間接的情報を提供する。
本発明の代表的化合物の単純な例示的な実施例(ここでLは直接結合である)は、以下の構造(i)が参照される:
Figure 2008200040
構造(i)において、Tはカルボニル基に結合した窒素含有多環式芳香環部分であり、XはMOI(そして詳細にはアミン基において終結する核酸フラグメント)であり、ならびにLは、アミド基を形成する結合である。アミド結合は、Tにおける結合に比較して不安定である。なぜなら、当該分野において理解されるように、アミド結合は、タグ成分中の結合は変化しないままの酸または塩基条件により化学的に切断(破壊)され得るからである。従って、タグ部分(すなわち、Tを含む切断産物)は、以下に示すように放出され得る:
Figure 2008200040
しかし、リンカーLは、以下の例示的な実施例に示すように、直接結合ではあり得ず、以下に示す構造を有する本発明の別の代表的化合物が参照される:
Figure 2008200040
ο-ニトロベンジルアミン部分(構造(ii)中の四角で囲んだ原子を参照のこと)を有する化合物は、光分解的に不安定であり、このような化合物の特定波長の化学線照射への曝露は、ベンジルアミン結合(構造(ii)の太線で示した結合を参照のこと)の選択的切断を生じることは周知である。従って、構造(ii)は、構造(i)と同じT基およびMOI基を有するが、リンカー基は複数の原子および結合を含み、この中には特定の不安定な結合が存在する。従って、構造(ii)の光分解は、以下に示すように、化合物の残りからタグ部分(Tを含む部分)を放出する。
Figure 2008200040
従って、本発明は、適切な切断条件への曝露に際して、切断反応を行いそれにより化合物の残りからタグ部分を放出する化合物を提供する。本発明の化合物は、タグ部分、MOI(またはその前駆体、Lh)、および2つの基を一緒に結合する不安定結合(単数または複数)によって記載され得る。あるいは、本発明の化合物は、形成される成分によって記載され得る。従って、化合物は、以下のように、タグ反応体、リンカー反応体およびMOI反応体の反応生成物として記載され得る。
タグ反応体は、化学ハンドル(Th)および可変成分(Tvc)からなり、タグ反応体は一般構造:
Tvc-Th
を有するように理解される。
この命名法を例示するために、構造(ii)の化合物を調製するために用いられ得るタグ反応体を示す構造(iii)が参照され得る。構造(iii)を有するタグ反応体は、以下に示すように、タグ可変成分およびタグハンドルを含む:
Figure 2008200040
構造(iii)において、タグハンドル(-C(=O)-A)は、T-L部分を形成するためにタグ反応体とリンカー反応体との反応のための接近手段を単純に提供する。構造(iii)における基「A」は、カルボキシル基が化学的に活性な状態にあり、従って他のハンドルに結合し得ることを示す。「A」は、例えば、種々の他の可能性の中でも、水酸基またはペンタフルオロフェノキシであり得る。本発明は、以下により詳細に議論するタグ可変成分に結合され得る多数の可能なタグハンドルを提供する。従って、タグ可変成分は、式T-L-Xにおける「T」の部分であり、そしてまたLを切断する反応から形成されるタグ成分の部分であり得る。
以下にまた詳細に議論するように、タグ可変成分は、本発明による化合物の組の調製において、個々のメンバーが分析技術により別のメンバーから区別され得るように組のメンバーが独特の可変成分を有することが所望されるので、タグ可変成分と命名される。1つの例として、構造(iii)のタグ可変成分は、以下の組の1つのメンバーであり得る。ここで、組のメンバーは、そのUVまたは質量スペクトルにより区別され得る:
Figure 2008200040
同様に、リンカー反応体は、リンカー不安定成分に隣接するその化学ハンドル(これらは少なくとも2つ必要であり、その各々はLhとして示され得る)によっって記載され得る。ここでリンカー不安定成分は、必要な不安定部分(L2)および任意の不安定部分(L1およびL3)を含み、ここで任意の不安定部分は、ハンドルLhからL2を分離するのに効果的に役立ち、そして必要な不安定部分は、リンカー不安定成分中で不安定結合を提供することに効果的に役立つ。従って、リンカー反応体は、一般式:
Lh-L1-L2-L3-Lh
を有するものとして理解され得る。
リンカー反応体を説明するために使用した命名法は、構造(iv)を考慮して例示され得、これは再度構造(ii)の化合物から得られる:
Figure 2008200040
構造(iv)が例示するように、原子は、ひとつより多くの機能的役割を果たし得る。従って、構造(iv)において、ベンジル窒素は、リンカー反応体をタグ反応体にアミド形成反応を介して結合させる化学ハンドルとして機能する。そして引き続いて、ベンジル炭素-窒素結合における光分解切断に特に感受性な不安定部分L2の構造の必要な部分としてもまた役立ち得る。構造(iv)はまた、リンカー反応体は、L基を有さず、L3基(この場合、メチレン基)を有し得ることを例示する。同様に、リンカー反応体は、L3基ではなくL1基を有し得、またはL1基およびL3基を有し得、あるいはL1基およびL3基のどちらをも有し得ない。構造(iv)において、カルボニル基に隣接する基「P」の存在は、カルボニル基が反応から保護されていることを示す。この構造が与えられたことによって、タグ反応体(iii)の活性化されたカルボキシル基は、リンカー反応体(iv)のアミン基と完全に反応して、アミド結合を形成し、そして式T-L-Lhの化合物を与える。
MOI反応体は、目的の分子の適切に反応性形態である。目的の分子が核酸フラグメントである場合、適切なMOI反応体は、その5'水酸基を介してホスホジエステル基、次いでアミノ基で終結するアルキレン鎖に結合した核酸フラグメントである。次いで、このアミノ基は、それによりMOIをリンカーに結合し得る。構造(iv)のカルボニル基と反応(もちろん、カルボニル基の脱保護の後、そして好ましくは引き続くカルボニル基のアミン基との反応の活性化の後)し得、それによりMOIをリンカーに結合し得る。
時系列で見た場合、本発明は、タグ反応体(化学タグハンドルおよびタグ可変成分を有する)、リンカー反応体(2つの化学的リンカーハンドルおよび必要な不安定部分および0〜2の任意の不安定部分を有する)、およびMOI反応体(目的成分の分子および目的ハンドルの化学的分子を有する)でT-L-MOIを形成するように理解される。従って、T-L-MOIを形成するために、タグ反応体およびリンカー反応体が一緒に反応して最初にT-L-Lhを提供し、次いでMOI反応体はT-L-Lhおよび反応してT-L-MOIを提供するか、または(より好ましくない)リンカー反応体およびMOI反応体が一緒に反応して最初にLh-L-MOIを提供し、次いでLh-L-MOIはタグ反応体と反応してT-L-MOIを提供するかのいずれかである。便宜の目的のために、式T-L-MOIを有する化合物は、このような化合物を形成するために使用され得るタグ反応体、リンカー反応体およびMOI反応体によって記載される。もちろん、式T-L-MOIの同じ化合物は、他の(代表的には、より面倒な)方法により調整され得、そしてこれは本発明のT-L-MOI化合物の範囲内にある。
任意の事象において、本発明は、タグ部分が化合物の残りから放出されるような切断条件に供されるべきT-L-MOI化合物を提供する。タグ部分は、少なくともタグ可変成分を含み、そして代表的にはさらに、タグ反応体とリンカー反応体とを結合するために使用されたタグハンドルからのいくつかのまたは全ての原子、リンカーハンドルからのいくつかのまたは全ての原子、この基がT-L-MOIにおいて存在する場合不安定部分を必要に応じて含み、そしてL2の精密な構造および切断化学の性質に依存して必要な不安定部分L2のいくつかの部分をおそらくはさらに含む。便宜のために、タグ部分は、Tは代表的にはタグ部分の主要部分(質量において)を構成するので、T-含有部分として呼ばれ得る。
本発明の1つの局面へこの導入が与えられるので、種々の成分(T、L、およびX)が詳細に説明される。この説明は、T、L、およびXの説明において本明細書中に以下で使用される以下の特定の用語の定義から始まる。
本明細書中に使用される場合、用語「核酸フラグメント」は、選択された標的核酸分子に相補的な(すなわち、その全部または部分に相補的な)分子であり、そして天然または合成由来あるいは組換え的に産生され(天然に存在しない分子を含む)、そして適切な場合2本鎖または1本鎖形態であり;そしてオリゴヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)、プライマー、プローブ、核酸アナログ(例えば、PNA)、ポリメラーゼにより3'から5'末端の方向に伸張されるオリゴヌクレオチド、化学的または酵素的に切断される核酸、ジデオキシターミネーターによって終結させられるか、または3'または5'での重合を阻害する化合物により3'または5'末端でキャップされる核酸、およびこれらの組合せを含むことを意味する。核酸フラグメントの選択された標的核酸分子への相補性は、一般的に、フラグメントの長さ全体にかけて少なくとも約70%の特異的な塩基対形成を示すことを意味する。好ましくは、核酸フラグメントは、少なくとも約80%;そして最も好ましくは、約90%の特異的な塩基対形成を示す。ミスマッチ割合(従って、特異的な塩基対形成の割合)を決定するためのアッセイは、当該分野において周知であり、そして完全に塩基対形成したコントロールに参照される場合のTmの関数としてのミスマッチ割合に基づく。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、単独または組み合わせて、1〜10、好ましくは1個〜6個そしてより好ましくは1個〜4個の炭素原子を含む飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルをいう。このようなラジカルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、デシルなどを含むが、これらに限定されない。用語「アルキレン」は、1個〜10個、好ましくは1個〜6個そしてより好ましくは1個〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素ジラジカルをいう。このようなジラジカルの例は、メチレン、エチレン、(-CH2-CH2-)、プロピレンなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アルケニル」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好ましくは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子全体において、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルをいう。このようなラジカルの例は、エテニル、E-およびZ-プロペニル、イソプロペニル、E-およびZ-ブテニル、E-およびZ-イソブテニル、E-およびZ-ペンテニル、デセニルなどを含むが、これらに限定されない。用語「アルケニレン」は、2個〜10個、好ましくは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子の全体において、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ジラジカルをいう。このようなジラジカルの例は、メチリデン(=CH2)、エチリデン(-CH=CH-)、プロピリデン(-CH2-CH=CH-)などを含むが、これらに限定されない。
用語「アルキニル」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好ましくは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子の全体において、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルをいう。このようなラジカルの例は、エチニル(アセチレニル)、プロピニル(プロパルジル)、ブチニル、ヘキシニル、デシニルなどを含むが、これらに限定されない。用語「アルキニレン」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好ましくは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子の全体において、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素ジラジカルをいう。このようなラジカルの例は、エチニレン(-C≡C-)、プロピニレン(-CH2-C≡C-)などを含むが、これらに限定されない。
用語「シクロアルキル」は、単独または組み合わせて、炭素原子の数が3個〜8個そしてより好ましくは3個〜6個の炭素原子の飽和環状配置をいう。このようなシクロアルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。用語「シクロアルキレン」は、シクロアルキルのジラジカル形態をいう。
用語「シクロアルケニル」は、単独または組み合わせて、4個〜8個、好ましくは5個または6個の炭素原子および1つ以上の二重結合を含む環状炭素環をいう。このようなシクロアルケニルラジカルの例は、シクロペンテニル、シクロヘキシニル、シクロペンタジエニルなどを含むが、これらに限定されない。用語「シクロアルケニレン」は、シクロアルケニルのジラジカル形態をいう。
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、アズレニル、フルオレニル、およびアントラセニルからなる群から選択される炭素環(炭素および水素の全体からなる)芳香族基;またはフリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル(oxazolyly)、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H-インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノオキサリニル、1,8-ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニルからなる群から選択されるヘテロ環芳香族基をいう。
本明細書中に定義される「アリール」基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、1,2-ジオキシエチレン、アルコキシ、アルケノキシまたはアルキノキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、脂肪族アシルまたは芳香族アシル、アルコキシ-カルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、チオモルホリノカルボニルアミノ、N-アルキルグアニジノ、アラルキルアミノスルホニル;アラルコキシアルキル;N-アラルコキシウレア;N-ヒドルキシルウレア;N-アルケニルウレア;N,N-(アルキル、ヒドロキシル)ウレア;ヘテロシクリル;チオアリールオキシ-置換アリール;N,N-(アリール、アルキル)ヒドラジノ;Ar'-置換スルホニルヘテロシクリル;アラルキル-置換ヘテロシクリル;シクロアルキルおよびシクロアケニル置換-ヘテロシクリル;シクロアルキル-縮合アリール;アリールオキシ-置換アルキル;ヘテロシクリルアミノ;脂肪族アシルアミノカルボニルまたは芳香族アシルアミノカルボニル;脂肪族アシル-置換アルケニルまたは芳香族アシル-置換アルケニル;Ar'-置換アミノカルボニルオキシ;Ar',Ar'-ジ置換アリール;脂肪族アシル-置換アシルまたは芳香族アシル-置換アシル;シクロアルキルカルボニルアルキル;シクロアルキル-置換アミノ;アリールオキシカルボニルアルキル;ホスホロジアミジル酸またはエステル;からなる群から独立して選択される1個〜4個の置換基を、独立して含み得る。
「Ar'」は、上記に定義されるように水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、1,2-ジオキシメチレン、1,2-ジオキシエチレン、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノまたはアルキニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、脂肪族アシルまたは芳香族アシル、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、N-アルキル、またはN,N-ジアルキルウレアからなる群から選択される1個〜3個の置換基を有する炭素環またはヘテロ環アリール基である。
用語「アルコキシ」は、単独または組み合わせて、アルキルエーテルラジカルをいい、ここで、用語「アルキル」は上記のように定義される。適切なアルキルエーテルラジカルの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アルケノキシ」は、単独または組み合わせて、アルケニル-O-式のラジカルをいい、ここで用語「アルケニル」は上記のように定義され、但し、ラジカルはエノールエーテルではない。適切なアルケノキシラジカルの例は、アリルオキシ、E-3-メチル-2-プロペノキシおよびZ-3-メチル-2-プロペノキシなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アルキニルオキシ」は、単独または組み合わせて、アルキニル-O-式のラジカルをいい、ここで用語「アルキニル」は上記のように定義され、但し、ラジカルはイノールエーテルではない。適切なアルキノキシラジカルの例は、プロパルギルオキシ、2-ブチニルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
用語「チオアルコキシ」は式アルキル-S-のチオエーテルラジカルをいい、ここでアルキルは上記のように定義される。
用語「アルキルアミノ」は、単独または組み合わせて、モノ-またはジ-アルキル-置換アミノラジカル(すなわち、式アルキル-NH-または(アルキル)2-N-のラジカル)をいい、ここで、用語「アルキル」は上記のように定義される。適切なアルキルアミノラジカルの例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t-ブチルアミノ、N,N-ジエチルアミノなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アルケニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルケニル-NH-または(アルケニル)2N-のラジカルをいい、ここで用語「アルケニル」は上記のように定義され、但し、ラジカルはエナミンではない。このようなアルケニルアミノラジカルの例は、アリルアミノラジカルである。
用語「アルキニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキニル-NH-または(アルキニル)2N-のラジカルをいい、ここで用語「アルキニル」は上記のように定義され、但し、ラジカルはイナミンではない。このようなアルキニルアミノラジカルの例は、プロパルギルアミノラジカルである。
用語「アミド」は、-N(R1)-C(=O)-または-C(=O)-N(R1)-のいずれかをいい、ここでR1は本明細書中で水素ならびに他の基を含むと定義される。用語「置換アミド」は、R1が水素ではない状況をいい、一方用語「非置換アミド」はR1が水素である状況をいう。
用語「アリールオキシ」は、単独または組み合わせて、式アリール-O-のラジカルをいい、ここでアリールは上記のように定義される。アリールオキシラジカルの例は、フェノオキシ、ナフトキシ、ピリジルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アリールアミノ」は、単独または組み合わせて、式アリール-NH-のラジカルをいい、ここでアリールは上記のように定義される。アリールアミノラジカルの例は、フェニルアミノ(アニリド)、ナフチルアミノ、2-、3-、および4-ピリジルアミノなどを含むが、これらに限定されない。
用語「アリール縮合シクロアルキル」は、単独または組み合わせて、アリールラジカルと隣接する2原子を共有するシクロアルキルラジカルをいい、ここで用語「シクロアルキル」および「アリール」は、上記のように定義される。アリール縮合シクロアルキルラジカルの例は、ベンゾ縮合シクロブチルラジカルである。
用語「アルキルカルボニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキル-CONHのラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。
用語「アルコキシカルボニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキル-OCONH-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。
用語「アルキルスルホニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキル-SO2NH-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。
用語「アリールスルホニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アリール-SO2NH-のラジカルをいい、ここで用語「アリール」は上記のように定義される。
用語「N-アルキルウレア」は、単独または組み合わせて、式アルキル-NH-CO-NH-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。
用語「N-アリールウレア」は、単独または組み合わせて、式アリール-NH-CO-NH-のラジカルをいい、ここで用語「アリール」は上記のように定義される。
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
用語「炭化水素ラジカル」は、1つの水素原子のみが独立した安定な分子であることを必要とする炭素および水素原子の配置をいう。従って、炭化水素ラジカルは炭素原子上に1つの空の原子価部位(open valence site)を有し、これを通じて炭化水素ラジカルは他の原子(単数または複数)に結合され得る。アルキル、アルケニル、シクロアルキルなどが、炭化水素ラジカルの例である。
用語「炭化水素ジラジカル」は、2つの水素原子が独立した安定な分子であることを必要とする炭素および水素原子の配置をいう。従って、炭化水素ラジカルは1つまたは2つの炭素原子上に2つの空の原子価部位を有し、これを通じて炭化水素ラジカルは他の原子(単数または複数)に結合され得る。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンなどが炭化水素ジラジカルの例である。
用語「ヒドロカルビル」は、炭素および水素の全体が単一の原子価部位を有し、これを通じて別の部分に結合する任意の安定な配置をいう。従って、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール(アリール環の中へのヘテロ原子の組み込みを含まない)、アリールアルキル、アルキルアリールなどとして知られるラジカルを含む。炭化水素ラジカルは、ヒドロカルビルの別の名前である。
用語「ヒドロカルビレン」は、炭素および水素の全体が2つの原子価部位を有し、これを通じて他の部分に結合する任意の安定な配置をいう。従って、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン(アリーレン環の中へのヘテロ原子の組み込みを含まない)、アリールアルキレン、アルキルアリーレンなどを含む。炭化水素ジラジカルは、ヒドロカルビレンの別の名前である。
用語「ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン」は、酸素原子に結合したヒドロカルビル基をいい、ここで酸素原子は、同様にヒドロカルビレン基が他の部分に結合する2つの価電子部位の1つでヒドロカルビレン基に結合する。用語「ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン」、「ヒドロカルビル-NH-ヒドロカルビレン」および「ヒドロカルビル-アミド-ヒドロカルビレン」は、等価の意味を有し、ここで酸素はイオウ、-NH-、またはアミド基でそれぞれ置換されている。
用語N-(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレンは、ヒドロカルビレン基をいい、ここで2つの原子価部位の1つは窒素原子に結合し、そしてこの窒素原子は同時に水素およびヒドロカルビル基に結合する。用語N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレンは、ヒドロカルビレン基をいい、ここで2つの原子価部位の1つは窒素原子に結合し、そしてこの窒素原子は同時に2つのヒドロカルビル基に結合する。
用語「ヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン」は、ヒドロカルビレン基の2つの原子価部位の1つにアシル(-C(=O)-)基を介して結合したヒドロカルビル基をいう。
用語「ヘテロシクリルヒドロカルビル」および「ヘテロシリル」は、炭素原子および酸素、窒素、リン、およびイオウから選択された4つまでの原子(ヘテロ原子という)を含む、安定な原子の環状配置をいう。環状配置は、3個〜7個の原子のモノ環状環または8個〜11個の原子の2環状環の形態であり得る。環は、飽和または不飽和(芳香族環を含む)であり得、そして必要に応じてベンゾ縮合され得る。環中の窒素およびイオウ原子は、窒素の4級化形態を含む任意の酸化形態であり得る。ヘテロシクリルヒドロカルビルは、任意の環外炭素またはヘテロ原子で結合し得、安定な構造を作製する。好ましいヘテロシクリルヒドロカルビルは、1個または2個の窒素のヘテロ原子を含む5〜7員のモノ環状ヘテロ環を含む。
置換ヘテロシクリルヒドロカルビルは、上記のように定義されるヘテロシクリルヒドロカルビルをいい、ここで少なくともその1つの環原子が環外に伸張する示された置換基に結合する。
ヒドロカルビルおよびヒドロカルビレン基において、用語「1つ以上の水素が等しい数のフッ素に置換されている上記の任意の誘導体」は、炭素、水素およびフッ素原子を含み、それ以外の原子を含まない分子をいう。
用語「活性エステル」は、容易に求核試薬(例えば、アミンおよびアルコールまたはチオール求核試薬)により置換可能な「脱離基」を含むエステルである。このような脱離基は周知であり、限定はしないがN-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン(ハライド)、テトラフルオロフェノレートを含むアルコキシ、チオアルコキシなどを含む。用語「保護エステル」は、マスクされたか、またはそうでなければ非反応性のエステル基をいう。例えば、Greene,「Protecting Groups In Organic Synthesis」を参照のこと。
上記の定義を考慮して、本明細書全体に使用される他の化学用語は当業者に容易に理解され得る。用語は、単独またはそれらの任意の組合せで使用され得る。好ましいおよびより好ましいラジカルの鎖長は、このような全ての組合わせに適用される。
A.タグを付けた核酸フラグメントの作製
上記のように、本発明の1つの局面は、各レーンで16タグより多くの使用を可能にする、DNA配列決定のための一般的なスキームを提供する;連続的な検出によってちょうど従来の蛍光ベース配列決定のようにタグが検出され得、そして配列はサイズ分離が生じるごとに読み取られる。このスキームは、タグを付けた分子のサイズ分離に基づく任意のDNA配列決定技術に適用し得る。本発明における使用のために適切なタグおよびリンカー、ならびに核酸配列決定のための方法は、以下により詳細に議論される。
1.タグ
本明細書中に使用される「タグ」は、一般に「目的分子」を独特に同定するために使用される化学部分をいい、そしてより詳細にはタグ可変成分ならびに任意のタグ反応物、タグ成分およびタグ部分において、それに最も密接に結合し得るものをいう。
本発明において有用なタグは、いくつかの性質を有する:
1)他の全てのタグから区別され得る。他の化学部分からのこの区別は、タグ(特に、切断反応後)のクロマトグラフィーの挙動、その分光光度または電位差特性、またはこれらのいくつかの組合せに基づき得る。タグが有用に区別される分光光度法は、質量スペクトル分析法(MS)、赤外(IR)、紫外(UV)、および蛍光を含み、ここでMS、IR、およびUVが好ましく、そしてMSが最も好ましい分光光度法である。電位差電流測定は、好ましい電位差法である。
2)タグは、10-22〜10-6モルで存在する場合に検出され得る。
3)タグは、タグが独特に同定されると意図される、MOIに結合し得る化学的ハンドルを有する。結合は、MOIに直接的に、または「リンカー」基を介して間接的に形成され得る。
4)タグは、それが供される全ての操作(MOIへの結合および切断、およびタグが結合される間のMOIの任意の操作を含む)に対して化学的に安定である。
5)タグは、タグが結合している間のMOIについて行われる操作を有意に阻害しない。例えば、タグがオリゴヌクレオチドに結合されている場合、タグはオリゴヌクレオチドに行われるいかなるハイブリダイゼーションまたは酵素反応(例えば、PCR配列決定反応)を阻害してはならない。同様に、タグが抗体に結合される場合、抗体による抗原認識を有意に阻害してはならない。
特定の分光光度または電位差法により検出されることを意図されるタグ部分は、その方法による検出の感度および特異性を増強する特性を有する。典型的には、タグ部分は、このような特性を有する。なぜなら、特性は、典型的にタグ部分の主要部分を構成するタグ可変成分の中に設計されているからである。以下の議論において、用語「タグ」の使用は、タグ部分(すなわち、タグ可変成分を含む切断産物)をいうが、タグ可変成分それ自体をいうこともまた考慮され得る。なぜなら、タグ可変性分は、典型的には独特に検出され得る特性を提供することを担うタグ部分の一部であるからである。式T-L-Xの化合物において、「T」部分は、タグ可変成分を含む。タグ可変成分が例えば、質量スペクトル分析法により特徴付けされるように設計されている場合、T-L-Xの「T」部分はTmsといわれ得る。同様に、T-L-XからのTを含む切断産物は、Tms含有部分といわれ得る。以下の分光光度法および電位差法は、Tms含有部分を特徴付けるために使用され得る。
a.MSタグの特徴
タグが質量スペクトル分析計(すなわち、MS読み取り可能タグ、また本明細書中でMSタグ、または「Tms含有部分」といわれる)により分析され得る場合、タグの必須特性は、それがイオン化され得ることである。従って、MS読み取り可能タグの設計において、そこにMSのイオン化条件の下で正電荷または負電荷を有し得る化学官能性を取り込むことは、好ましい要素である。この特性は、特にエレクトロスプレーイオン化において、イオン形成の改善された効率およびより大きい検出の全体的な感度を与える。イオン化電位を支持する化学官能基は、TmsまたはLあるいは両方に由来し得る。質量スペクトル分析により検出される分析物の相対的な感度を増加し得る因子は、例えば、Sunner, J.ら、Anal. Chem. 60:1300-1307 (1988)に議論されている。
負電荷を有することを容易にするために好ましい官能基は、有機酸(例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸、リン酸、リン酸塩、テトラゾール、硫化尿素、パーフルオロアルコールおよびスルホン酸)である。
イオン化条件下で正電荷を有することを容易にするために好ましい官能基は、脂肪族または芳香族アミンである。MSタグの増強された検出可能性を与えるアミン官能基の例は、4級アミン(すなわち、各々が炭素原子に対する4つの結合を有するアミン。Aebersold, 米国特許第5,240,859号を参照のこと)および3級アミン(すなわち各々が炭素原子に対する3つの結合を有するアミン。これは、ピリジンに存在するようなC=N-C基を含む。Hessら、Anal. Biochem. 224:373, 1995; Buresら、Anal. Biochem. 224:364, 1995を参照のこと)を含む。阻害された3級アミンが特に好ましい。3級および4級アミンは、アルキルまたはアリールであり得る。Tms含有部分は、少なくとも1つのイオン化可能種を有さなくてはならないが、1つより多くのイオン化可能種を有し得る。好ましい電荷状態は、1つのタグ当たり1つのイオン化種である。従って、各Tms含有部分(および各タグ可変成分)は、1つの阻害されたアミンまたは有機酸基のみを含むことが好ましい。
Tms含有部分の一部を形成し得る適切なアミン含有ラジカルは、以下を含む:
Figure 2008200040
質量スペクトル分析によるタグの同定は、好ましくは分子量対電荷比(m/z)に基づく。MSタグの好ましい分子量範囲は約100〜2,000ダルトンであり、そして好ましくはTms含有部分は少なくとも約250ダルトン、より好ましくは少なくとも約300ダルトン、そしてさらにより好ましくは少なくとも約350ダルトンの質量を有する。一般に、200〜250ダルトン未満の親イオンを有する部分を質量スペクトル分析で区別することは特に困難であり(精密な装置に依存する)、従って本発明のTms含有部分がこの範囲を超える質量を有することが好ましい。
上記に説明したように、Tms含有部分は、タグ可変成分に存在するもの以外、そして特にTms自体に存在するもの以外の原子を含み得る。従って、Tms自体の質量は、Tms含有部分が少なくとも約250ダルトンの質量を有する限り、約250ダルトンより少なくあり得る。従って、Tmsの質量は、15(すなわち、メチルラジカル)〜約10,000ダルトンの範囲、そして好ましくは100〜約5,000ダルトンの範囲、そしてより好ましくは約200〜約1,000ダルトンの範囲であり得る。
これらのタグが有意な量で1つより多くの同位体を有する原子を取り込む場合、質量スペクトル分析によりタグを区別することは比較的困難である。従って、質量スペクトル分析同定に意図される好ましいT基(Tms基)は、炭素、水素およびフッ素のうちの少なくとも1つ、および酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から選択される任意の原子を含む。他の原子はTmsに存在し得るが、その存在は質量スペクトル分析データの分析を幾分より困難にし得る。好ましくは、Tms基は、水素原子および/またはフッ素原子に加えて、炭素、窒素および酸素のみを有する。
フッ素は、Tms基において有することがなお好ましい任意の原子である。水素と比較して、フッ素はもちろんより重い。従って、フッ素原子の存在は、水素原子よりもより高い質量のTms基を導き、それによりTms基は上記の説明のように所望される250ダルトンの質量に達し得、そしてこれを超え得る。さらに、水素のフッ素での置換は、Tms含有部分により高い揮発性を与え、そして分析物のより高い揮発性は、質量スペクトル分析が検出方法として用いられる場合、感度を増強する。
Tmsの分子式は、C1-500N0-100O0-100S0-10P0-10HαFβIδの範疇にあり、ここでα、β、およびδの合計は、H原子、F原子、I原子が満たさなければ満たされないC原子、N原子、O原子、S原子、およびP原子の原子価を満たすのに十分である。表示C1-500N0-100O0-100S0-10P0-10HαFβIδは、Tmsが少なくとも1つを含み、そして1個〜500個の任意の数の炭素原子、さらに必要に応じて100個までの窒素原子(「N0-」は、Tmsが窒素原子を1つも含む必要がないことを意味する)、および100個までの酸素原子、ならびに10個までのイオウ原子および10個までのリン原子をTmsに含み得ることを意味する。符合α、β、およびδは、Tms中の水素、フッ素およびヨウ素の数を表し、ここで、これらの数の任意の2つは0であり得、そしてこれらの数の合計は、該H原子、F原子、I原子が満たさなければ満たされない、C原子、N原子、O原子、S原子およびP原子の原子価の総計と等しい。好ましくは、Tmsは、C1-50N0-10O0-100HαFβの範疇に入る分子式を有し、ここでαおよびβの合計は部分に存在する水素およびフッ素原子の数にそれぞれ等しい。
b.IRタグの特徴
有機化学基のIR検出には、2つの主な形態:ラマン散乱IRおよび吸収IRが存在する。ラマン散乱IRスペクトルと吸収IRスペクトルとは、相補的な分光学的方法である。一般に、ラマン励起は結合極性の変化に依存するが、IR吸収は結合双極子モーメントの変化に依存する。弱いIR吸収線は強いラマン吸収線となり、そしてその逆も成り立つ。波数は、IRスペクトルの特徴的な単位である。IRタグのための別々の適用を有する3つのスペクトル領域が存在する:12500〜4000cm-1における近IR、4000〜600cm-1における中程度のIR、600〜30cm-1における遠IR。本明細書中に記載される使用(ここで化合物は、MOI、プローブ、またはプライマーを同定するためのタグとして機能する)のために、中程度のスペクトル領域が好ましい。例えば、カルボニル伸縮(1850〜1750cm-1)は、カルボン酸、カルボン酸エステルおよびカルボン酸アミド、ならびに炭酸アルキルおよび炭酸アリール、カルバメート、ならびにケトンについて測定される。N-H変角(1750〜160cm-1)は、アミン、アンモニウムイオン、およびアミドを同定するために使用される。1400〜1250cm-1において、R-OH変角ならびにアミド中のC-N伸縮が検出される。芳香族置換パターンは、900〜690cm-1(ArNH2についてのC-H変角、N-H変角)において検出される。飽和C-H、オレフィン、芳香環、二重結合および三重結合、エステル、アセタール、ケタール、アンモニウム塩、N-O化合物(例えば、オキシム、ニトロ、N-オキシド、および硝酸塩)、アゾ、ヒドラゾン、キノン、カルボン酸、アミド、ならびにラクタムは全て、振動赤外相関データを有する(Pretschら, Spectral Data for Structure Determination of Organic Compounds, Springer-Verlag, New York, 1989を参照のこと)。好ましい化合物には、2230〜2210cm-1において非常に強いニトリル伸縮振動を示す芳香族ニトリルが含まれる。他の有用なタイプの化合物は、2140〜2100cm-1の間に鋭い吸収バンドを引き起こす強い伸縮振動を有する芳香族アルキンである。第3のタイプの化合物は、2160〜2120cm-1領域において強い吸収バンドを示す芳香族アジドである。チオシアネートは、2275〜2263cm-1において強い吸収を有する代表的な化合物である。
c.UVタグの特徴
有機発色団のタイプおよびそれら各々のUV可視特性の編集が、Scott(Interpretation of the UV Spectra of Natural Products, Permagon Press, New York, 1962)において与えられる。発色団は、特定の光吸収を担う原子、または原子もしくは電子の群である。共役系におけるπ→π*の極大について、経験則が存在する(Pretschら, Spectral Data for Structure Determination of Organic Compounds, B65頁およびB70頁, Springer-Verlag, New York, 1989を参照のこと)。好ましい化合物(共役系を有する)は、n→π*およびπ→π*遷移を有する。そのような化合物は、以下によって例示される:アシッドバイオレット7、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローG、ブリリアントブルーG、コンゴーレッド、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンオキサレート、メタニルイエロー、メチレンブルー、メチルオレンジ、メチルバイオレットB、ナフトールグリーンB、オイルブルーN、オイルレッドO、4-フェニルアゾフェノール、サフラニンO(Safranie O)、ソルベントグリーン3、およびスダンオレンジG;これらの全てが市販されている(Aldrich, Milwaukee, WI)。他の適切な化合物は、例えば、Jane,I.ら, J. Chrom. 323:191-225(1985)において表記されている。
d.蛍光タグの特徴
蛍光プローブは、それらの吸収および蛍光放出の波長および強度によって、最も直接的に同定されそして定量される。放出スペクトル(蛍光およびりん光)は、吸収スペクトルよりも非常に感度が高く、そしてより特異的な測定を可能にする。励起状態の寿命および蛍光の異方性のような他の光物理的特性は、より広く使用されていない。最も一般的に有用な強度パラメータは、吸収についてのモル吸光係数(ε)および蛍光についての量子収量(QY)である。εの値は単一の波長において明示され(通常、プローブの極大吸収)、一方QYは全蛍光スペクトルプロフィールにわたる全光子放出の測定である。狭い最適バンド幅(<20nm)が蛍光励起(吸収を介する)について通常使用され、一方蛍光検出バンド幅はより可変的であり、最大感度についての完全スペクトルから最大解像度についての狭いバンド(約20nm)までの範囲にわたる。プローブ分子あたりの蛍光強度は、εとQYとの積に比例する。現在実用的に重要な、発蛍光団におけるこれらのパラメータの幅は、εについて約10,000〜100,000cm-1M-1であり、そしてQYについて0.1〜1.0である。蛍光タグとして機能し得る化合物は、以下の通りである:フルオロセイン、ローダミン、ラムダブルー470、ラムダグリーン、ラムダレッド664、ラムダレッド665、アクリジンオレンジ、およびヨウ化プロピジウム、これらはLambda Fluorescence Co.(Pleasant Gap, PA)から市販されている。蛍光化合物(例えば、ナイルレッド、テキサスレッド、lissamineTM、BODIPYTM)は、Molecular Probes(Eugene, OR)から市販されている。
e.電位差タグの特徴
電気化学的検出(ECD)の原理は化合物の酸化および還元に基づいている。特定の印加された電位において、電子は供与されるかまたは受容されるかのいずれかであり、従って測定され得る電流を産生する。特定の化合物が電位差に供された場合、分子は作用電極の表面において、電子の喪失(酸化)または獲得(還元)による分子転位を受ける。そのような化合物は電子的であると言われ、そして電気化学的反応を受ける。EC検出器は、その上にHPLC溶出液が流れる電極表面に電圧を与える。カラムから溶出する電気的に活性な化合物は、電子を供与(酸化)するかまたは獲得(還元)するかのいずれかであり、即時に電流ピークを生じる。重要なことに、生じる電流の量は、分析物(analyte)の濃度および与えられた電圧の両方に依存し、各化合物は、そこにおいて酸化または還元が始まる特定の電圧を有する。現在最もポピュラーな電気化学的検出器は電流測定検出器であり、そこでは電位が一定に保たれており、そして電気化学的反応から生じる電流が次いで測定される。この種類の分光分析は現在「定電位電流測定」と呼ばれている。市販の電流測定器はESA, Inc., Chelmfold, MAから入手できる。
検出の効率が100%である場合、特殊化された検出器は「電量的」であると言われる。電量検出器は高感度であり、選択性および感度に関して多くの実用的な利点を有し、それによりこれらの種類の検出器はアレイにおいて有用となる。電量検出器において、分析物の所定の濃度についてのシグナル電流は、作用電極に対する印加された電位(電圧)の関数としてプロットされる。得られるS字型グラフは電流-電圧曲線または流体力学的ボルタマグラム(HDV)と呼ばれる。HDVは、活性電極に印加される電位の最良の選択を可能にし、これは観察されるシグナルを最大化することを可能にする。ECDの主要な利点は、サブフェムトモルの範囲における検出の電流レベルを有する、その固有の感度である。
多数の化学物質および化合物が電気化学的に活性であり、それには多くの生化学物質、薬剤、および殺虫剤が含まれる。クロマトグラフィー上で共溶出する化合物は、それらの半波位(最大シグナルの半分における電位)が30〜60mVでしか相違しない場合でさえも、効果的に解析され得る。
最近開発された電量センサーは、液体クロマトグラフィーに基づく分離における検出器として使用される場合、共溶出する化合物の選択性、同定、および解析を提供する。従って、これらのアレイされた検出器は、検出器自身において達成される別の組の分離を加える。現在の計器は16チャンネルを有し、これらは原則として、データが獲得され得る速度によってのみ制限される。ECアレイ上で解析され得る化合物の数は、クロマトグラフィーによって制限される(すなわち、プレートの総数が制限される)。しかし、クロマトグラフィー上で共溶出する2以上の化合物が半波位において30〜60mVの相違を有する場合、アレイは化合物を区別可能である。電気化学的に活性である化合物の能力は、所有のEC活性基(すなわち、-OH、-O、-N、-S)に依存する。
電量検出器を使用して首尾良く検出されている化合物には、以下が含まれる:5-ヒドロキシトリプタミン、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル-グリコール、ホモゲンチジン酸、ドーパミン、メタネフリン、3-ヒドロキシキヌレニン(3-hydroxykynureninr)、アセトミノフェン、3-ヒドロキシトリプトホール(3-hydroxytryptophol)、5-ヒドロキシインドール酢酸、オクタンスルホン酸、フェノール、o-クレゾール、ピロガロール、2-ニトロフェノール、4-ニトロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、4,6-ジニトロクレゾール、3-メチル-2-ニトロフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、4-クロロ-3-メチルフェノール、5-メチルフェノール、4-メチル-2-ニトロフェノール、2-ヒドロキシアニリン、4-ヒドロキシアニリン、1,2-フェニレンジアミン、ベンゾカテキン、ブツロン、クロルトルロン、ジウロン、イソプロツロン、リニュロン、メトブロムロン、メトキスロン、モノリニュロン、モニュロン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、4-アミノ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシクマリン酸、7-メトキシクマリン、アピゲニン(apigenin)バイカレイン、カフェイン酸、カテキン、センタウレイン、クロロゲン酸、ダイドゼイン(daidzein)、ダチスセチン、ジオスメチン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、オイゲノール、オイパトリン(eupatorin)、フェルル酸、フィセチン、ガランギン(galangin)、没食子酸、ガルデニン(gardenin)、ゲニステイン、ゲンチジン酸、ヘスペリジン、イリゲニン、ケンフェロール(kaemferol)、ロイコヤニジン(leucoyanidin)、ルテオリン、マンゴスチン、モリン、ミリセチン、ナリンギン、ナリルチン(narirutin)、ペラルゴンジン(pelargondin)、ペオニジン(peonidin)、フロレチン(phloretin)、プラテンセイン、プロトカテキン酸(protocatechuic acid)、ラムネチン(rhamnetin)、ケルセチン、サクラネチン、スクテラレイン(scutellarein)、スコポレチン(scopoletin)、シリングアルデヒド、シリンジン酸(syringic acid)、タンゲリチン(tangeritin)、トロキセルチン(troxerutin)、ウンベリフェロン(umbelliferone)、バニリン酸、1,3-ジメチルテトラヒドロイソキノリン、6-ヒドロキシドーパミン、γ-サルソリノール、N-メチル-γ-サルソリノール、テトラヒドロイソキノリン、アミトリプチリン、アポモルヒネ、カプサイシン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、ダウノルビシン、デシプラミン、ドキセピン、フルオキセチン、フルアゼパム、イミプラミン、イソプロテレノール、メトキサミン、モルヒネ、モルヒネ-3-グルクロニド、ノルトリプチリン、オキサゼパム、フェニレフリン、トリミプラミン、アスコルビン酸、N-アセチルセロトニン、3,4-ジヒドロキシベンジルアミン、3,4-ジヒドロキシマンデル酸(DOMA)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)、3,4-ジヒドロキシフェニルグリコール(DHPG)、3-ヒドロキシアントラニル酸、2-ヒドロキシフェニル酢酸(2HPAC)、4-ヒドロキシ安息香酸(4HBAC)、5-ヒドロキシインドール-3-酢酸(5HIAA)、3-ヒドロキシキヌレニン、3-ヒドロキシマンデル酸、3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニルエチルアミン、4-ヒドロキシフェニル酢酸(4HPAC)、4-ヒドロキシフェニル乳酸(4HPLA)、5-ヒドロキシトリプトファン(5HTP)、5-ヒドロキシトリプトホール(5HTOL)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、5-ヒドロキシトリプタミンスルフェート、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)、5-メトキシトリプタミン、5-メトキシトリプトファン、5-メトキシトリプトホール、3-メトキシチラミン(3MT)、3-メトキシチロシン(3-OM-DOPA)、5-メチルシステイン、3-メチルグアニン、ブホテニン、ドーパミン、ドーパミン-3-グルクロニド、ドーパミン-3-スルフェート、ドーパミン-4-スルフェート、エピネフリン、エピニン、葉酸、グルタチオン(還元型)、グアニン、グアノシン、ホモゲンチジン酸(HGA)、ホモバニリン酸(HVA)、ホモバニリルアルコール(HVOL)、ホモベラチン酸(homoveratic acid)、ホモバニリン酸スルフェート、ヒポキサンチン、インドール、インドール-3-酢酸、インドール-3-乳酸、キヌレニン、メラトニン、メタネフリン、N-メチルトリプタミン、N-メチルチラミン、N,N-ジメチルトリプタミン、N,N-ジメチルチラミン、ノルエピネフリン、ノルメタネフリン、オクトパミン、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸、ピリドキサミン、シネフリン(synephrine)、トリプトホール、トリプタミン、チラミン、尿酸、バニリルマンデル酸(vma)、キサンチン、およびキサントシン。他の適切な化合物は、例えば、Jane, I.ら, J. Chrom. 323:191-225(1985)およびMusch, G.ら, J. Chrom. 348:97-110(1985)に記載される。これらの化合物は、当該分野で公知の方法によって式T-L-Xの化合物中に取り込まれ得る。例えば、カルボン酸基を有する化合物は、アミン、ヒドロキシルなどと反応し得、TとLとの間にアミド、エステル、および他の結合を形成する。
上記の特性に加え、そして意図される検出法に関係なく、タグはモジュール式化学構造を有することが好ましい。このことは、コンビナトリアルケミストリーの技術を使用する多数の構造的に関連するタグの構築において助けとなる。例えば、Tms基はいくつかの特性を有することが望ましい。それはTms含有部分が質量分析に供された場合に単一のイオン化電荷状態を支持する官能基(より単純には、「質量分析感度増強」基、すなわちMSSEと呼ばれる)を含むことが望ましい。またそれは、Tms含有部分のファミリーにおける1つのメンバーとして機能し得ることが望ましく、ここでファミリーのメンバーは各々が異なる質量/電荷の比を有するが、質量分析器においてほぼ同一の感度を有する。従って、ファミリーのメンバーは同一のMSSEを有することが望ましい。化合物のファミリーの作製を可能にするために、モジュール式合成スキームを介してタグ反応部を生成することが好都合であると見出されており、その結果タグ成分自身はモジュールを含んでいると見なされる。
Tms基の構造への好ましいモジュール式アプローチにおいて、Tmsは以下の式を有する:
T2-(J-T3-)n-
ここで、T2は、15〜500ダルトンの質量幅を有する、炭素と、1個以上の水素、フッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンとから形成される有機部分であり;T3は、50〜1000ダルトンの質量幅を有する、炭素と、1個以上の水素、フッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンとから形成される有機部分であり;Jは、直接の結合であるか、または以下のような官能基である:アミド、エステル、アミン、スルフィド、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオエーテル、尿素、チオ尿素、カルバメート、チオカルバメート、Schiff塩基、還元型Schiff塩基、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミド、ホスホンアミド、スルホネート、スルホンアミド、または炭素-炭素結合;そしてnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい場合、各T3およびJは独立して選択される。
モジュール式構造T2-(J-T3-)n-は、T-L-X化合物のファミリーへの好都合な入口を提供し、ここでファミリーの各メンバーは異なるT基を有する。例えば、TがTmsであり、そして各ファミリーメンバーが望ましくは同一のMSSEを有する場合、T3基の1つはMSSE構造を提供する。Tmsの質量に関してファミリーのメンバー間の変動性を提供するために、T2基はファミリーメンバーの間で変動し得る。例えば、1つのファミリーメンバーはT2=メチルを有し得るが、別のものはT2=エチルを有し得、そして別のものはT2=プロピルを有し得る、などである。
質量に「著しい」飛躍または大きな飛躍を提供するために、T3基はT-L-Xに有意の(例えば、百または数百の)質量単位を付加するように設計され得る。そのようなT3基は、分子量幅調節基(「WRA」)と言われ得る。WRAは、限界幅を超えて広がる質量を有するT2の単一のセットと共に作用する場合、非常に有用である。単一のセットのT2基は、単に1以上のWRA T3基をTms中に取り込むことにより、幅広い質量を有するTms基を作製するために使用され得る。従って、単純な例を使用すると、1セットのT2基がTmsについて250〜340ダルトンの質量幅を与える場合、例示的な数である100ダルトンをT3基として有する単一のWRAの付加は、同一のセットのT2基を使用しながら、350〜440ダルトンの質量幅へのアクセスを提供する。同様に、2つの100ダルトンMWA基の付加(各々がT3基として)は、450〜540ダルトンの質量幅へのアクセスを提供し、ここでこのWRA基の増加的な付加は継続され得、Tms基について非常に大きな質量幅へのアクセスを提供する。式T2-(J-T3-)n-L-Xの好ましい化合物は、式RVMC-(RWRA)w-RMSSE-L-Xを有し、ここで、VWCは「T2」基であり、そしてWRAおよびMSSE基の各々は「T3」基である。この構造は図12に図示されており、そしてTmsの調製への1つのモジュール式アプローチを表す。
式T2-(J-T3-)n-において、T2およびT3は、好ましくは以下から選択される:ヒドロカルビル、ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-NH-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-アミド-ヒドロカルビレン、N-(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、ヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン、ヘテロシクリルヒドロカルビル(ここで、ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、およびリンから選択される)、置換ヘテロシクリルヒドロカルビル(ここで、ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、およびリンから選択され、そして置換基は以下から選択される:ヒドロカルビル、ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-NH-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン、N-(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、およびヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン)。さらに、T2および/またはT3は、1個以上の水素がフッ素で置き換えられているような、以前に表記された任意の潜在的T2/T3基の誘導体であり得る。
また、式T2-(J-T3-)n-に関して、好ましいT3は式-G(R2)-を有し、ここでGは単一のR2置換基を有するC1-6アルキレン鎖である。従って、Gがエチレン(-CH2-CH2-)である場合、1個または2個のいずれかのエチレン炭素はR2置換基を有し、そしてR2は以下から選択される:アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール縮合シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アリール置換アルケニルもしくはアルキニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換シクロアルキル、ビアリール、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アラルコキシ、アリール置換アルケノキシもしくはアルキノキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノもしくはアルキニルアミノ、アリール置換アルキルアミノ、アリール置換アルケニルアミノもしくはアルキニルアミノ、アリールオキシ、アリールアミノ、N-アルキル尿素置換アルキル、N-アリール尿素置換アルキル、アルキルカルボニルアミノ置換アルキル、アミノカルボニル置換アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル置換アルキル、ヘテロシクリル置換アミノ、カルボキシアルキル置換アラルキル、オキソカルボシクリル縮合アリール、およびヘテロシクリルアルキル;シクロアルケニル、アリール置換アルキルおよびアラルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ置換アルキル、アラルコキシ置換アルキル、アルコキシ置換アルキル、アラルコキシ置換アルキル、アミノ置換アルキル、(アリール置換アルキルオキシカルボニルアミノ)置換アルキル、チオール置換アルキル、アルキルスルホニル置換アルキル、(ヒドロキシ置換アルキルチオ)置換アルキル、チオアルコキシ置換アルキル、ヒドロカルビルアシルアミノ置換アルキル、ヘテロシクリルアシルアミノ置換アルキル、ヒドロカルビル置換ヘテロシクリルアシルアミノ置換アルキル、アルキルスルホニルアミノ置換アルキル、アリールスルホニルアミノ置換アルキル、モルホリノアルキル、チオモルホリノアルキル、モルホリノカルボニル置換アルキル、チオモルホリノカルボニル置換アルキル、[N-(アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル)- または N,N-(ジアルキル、ジアルケニル、ジアルキニル、もしくは(アルキル、アルケニル)-アミノ]カルボニル置換アルキル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、ヘテロシクリルアルケンアミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル置換アルキル、ヘテロシクリルアルケンアミノカルボニル置換アルキル、N,N-[ジアルキル]アルキレンアミノカルボニル、N,N-[ジアルキル]アルキレンアミノカルボニル置換アルキル、アルキル置換ヘテロシクリルカルボニル、アルキル置換ヘテロシクリルカルボニルアルキル、カルボキシル置換アルキル、ジルキルアミノ置換アシルアミノアルキル、および以下から選択されるアミノ酸側鎖:アルギニン、アルバラギン、グルタミン、S-メチルシステイン、メチオニン、ならびにそれらの対応するスルホキシドおよびスルホン誘導体、グリシン、ロイシン、イソロイシン、アロイソロイシン、tert-ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アラニン、オルニチン、ヒスチジン、グルタミン、バリン、トレオニン、セリン、アスパラギン酸、β-シアノアラニン、およびアロトレオニン;アリニルおよびヘテロシクリルカルボニル、アミノカルボニル、アミド、モノまたはジアルキルアミノカルボニル、モノまたはジアリールアミノカルボニル、アルキルアリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、モノまたはジアシルアミノカルボニル、芳香族または脂肪族アシル、必要に応じて以下から選択される置換基によって置換されたアルキル:アミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、モノまたはジアルキルアミノ、モノまたはジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノまたはジアシルアミノ、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、チオアルコキシ、チオアルケノキシ、チオアルキノキシ、チオアリールオキシ、およびヘテロシクリル。
式T2-(J-T3-)n-L-Xの好ましい化合物は、以下の構造を有する:
Figure 2008200040
ここでGは(CH2)1-6であり、それによって、単一の「G」で表される1つのかつ唯一のCH2基上の水素が-(CH2)C-アミド-T4に置き換えられ;T2およびT4は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよびβの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない原子価を満たすのに十分であり;アミドは以下の式であり:
Figure 2008200040
ここでR1は水素またはC1-10アルキルであり;cは0〜4の範囲の整数であり;そしてnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい場合、G、c、アミド、R1、およびT4は独立して選択される。
さらに好ましい実施態様において、式T2-(J-T3-)n-L-Xの化合物は以下の構造を有する:
Figure 2008200040
ここでT5は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよびβの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない原子価を満たすのに十分であり;そしてT5は第3級または第4級アミンまたは有機酸を含み;mは0〜49の範囲の整数であり、そしてT2、T4、R1、L、およびXは以前に定義されている。
式T2-(J-T3-)n-L-Xを有する別の好ましい化合物は、以下の特定の構造を有する:
Figure 2008200040
ここでT5は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよびβの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない原子価を満たすのに十分であり;そしてT5は第3級または第4級アミンまたは有機酸を含み;mは0〜49の範囲の整数であり、そしてT2、T4、c、R1、「アミド」、L、およびXは以前に定義されている。
T5基を有する上記の構造において、-アミド-T5は、好ましくは以下の1つであり、これらは有機酸を「G」から伸びる遊離のアミノ基と反応させることにより好都合に調製され得る:
Figure 2008200040
上記の化合物がT5基を有し、そして「G」基が遊離のカルボキシル基(またはそれらの反応性等価体)を有する場合、以下が好ましい-アミド-T5基であり、これらは適切な有機アミンを「G」から伸びる遊離のカルボキシル基と反応させることにより好都合に調製され得る:
Figure 2008200040
本発明の3つの好ましい実施態様において、T-L-MOIは以下の構造を有する:
Figure 2008200040
あるいは以下の式を有する:
Figure 2008200040
あるいは以下の式を有する:
Figure 2008200040
ここでT2およびT4は、式C1-25N0-9O0-9S0-3P0-3HαFβIδの有機部分であり、それによって、α、β、およびδの合計は、C、N、O、S、およびP原子の他の満たされていない原子価を満たすのに十分であり;Gは(CH2)1-6であり、ここで各Gで表されるCH2基上の1つのそして唯一の水素は-(CH2)C-アミド-T4に置き換えられており;アミドは以下の式であり:
Figure 2008200040
ここでR1は水素またはC1-10アルキルであり;cは0〜4の範囲の整数であり;「C2-C10」は2〜10の炭素原子を有するヒドロカルビレン基を表し、「ODN-3'-OH」は末端3'ヒドロキシル基を有する核酸フラグメント(すなわち、核酸フラグメントの3'末端以外において(C1-C10)に結合した核酸フラグメント)を表し;そしてnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい場合、G、c、アミド、R1、およびT4は独立して選択される。好ましくは、単一の炭素原子に結合した3個のヘテロ原子は存在しない。
上記で示されたT2-C(=O)-N(R1)-基を含有する構造において、この基は式HN(R1)-のアミンを以下から選択される有機酸(これらは単に例示的であって、潜在的な有機酸の余すところのないリストを構成していない)と反応させることにより形成され得る:ギ酸、酢酸、プロピオール酸、プロピオン酸、フルオロ酢酸、2-ブチン酸、シクロプロパンカルボン酸、酪酸、メトキシ酢酸、ジフルオロ酢酸、4-ペンチン酸、シクロブタンカルボン酸、3,3-ジメチル酢酸、吉草酸、N,N-ジメチルグリシン、N-ホルミル-Gly-OH、エトキシ酢酸、(メトキシチオ)酢酸、ピロール-2-カルボン酸、3-フル酸、イソオキサゾール-5-カルボン酸、trans-3-ヘキセン酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサン酸、Ac-Gly-OH、2-ヒドロキシ-2-メチル酪酸、安息香酸、ニコチン酸、2-ピラジンカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカルボン酸、2-シクロペンテン-1-酢酸、シクロペンチル酢酸、(S)-(-)-2-ピロリドン-5-カルボン酸、N-メチル-L-プロリン、ヘプタン酸、Ac-b-Ala-OH、2-エチル-2-ヒドロキシ酪酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、p-トルイン酸、6-メチルニコチン酸、5-メチル-2-ピラジンカルボン酸、2,5-ジメチルピロール-3-カルボン酸、4-フルオロ安息香酸、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-カルボン酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、オクタン酸、N,N-ジメチルスクシンアミド酸(succinamic acid)、フェニルプロピオン酸、ケイヒ酸、4-エチル安息香酸、p-アニス酸、1,2,5-トリメトキシピロール-3-カルボン酸、3-フルオロ-4-メチル安息香酸、Ac-DL-プロパルギルグリシン、3-(トリフルオロメチル)酪酸、1-ピペリジンプロピオン酸、N-アセチルプロリン、3,5-ジフルオロ安息香酸、Ac-L-Val-OH、インドール-2-カルボン酸、2-ベンゾフランカルボン酸、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、4-n-プロピル安息香酸、3-ジメチルアミノ安息香酸、4-エトキシ安息香酸、4-(メチルチオ)安息香酸、N-(2-フロイル)グリシン、2-(メチルチオ)ニコチン酸、3-フルオロ-4-メトキシ安息香酸、Tfa-Gly-OH、2-ナフトエ酸、キナルジン酸、Ac-L-Ile-OH、3-メチルリンデン-2-カルボン酸、2-キノキサリンカルボン酸、1-メチルインドール-2-カルボン酸、2,3,6-トリフルオロ安息香酸、N-ホルミル-L-Met-OH、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、4-n-ブチル安息香酸、N-ベンゾイルグリシン、5-フルオロインドール-2-カルボン酸、4-n-プロポキシ安息香酸、4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロール安息香酸、3,5-ジメトキシ安息香酸、2,6-ジメトキシニコチン酸、シクロヘキサンペンタン酸、2-ナフチル酢酸、4-(1H-ピロール-1-イル)安息香酸、インドール-3-プロピオン酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、5-メトキシインドール-2-カルボン酸、4-ペンチル安息香酸、Bz-b-Ala-OH、4-ジエチルアミノ安息香酸、4-n-ブトキシ安息香酸、3-メチル-5-CF3-イソオキサゾール-4-カルボン酸、(3,4-ジメトキシフェニル)酢酸、4-ビフェニルカルボン酸、ピバロール-Pro-OH、オクタノール-Gly-OH、(2-ナフトキシ)酢酸、インドール-3-酪酸、4-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、5-メトキシインドール-3-酢酸、4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸、Ac-L-Phe-OH、4-ペンチルオキシ安息香酸、Z-Gly-OH、4-カルボキシ-N-(フル-2-イルメチル)ピロリジン-2-オン、3,4-ジエトキシ安息香酸、2,4-ジメチル-5-CO2Et-ピロール-3-カルボン酸、N-(2-フルオロフェニル)スクシンアミド酸、3,4,5-トリメトキシ安息香酸、N-フェニルアントラニル酸、3-フェノキシ安息香酸、ノナノイル-Gly-OH、2-フェノキシピリジン-3-カルボン酸、2,5-ジメチル-1-フェニルピロール-3-カルボン酸、trans-4-(トリフルオロメチル)ケイヒ酸、(5-メチル-2-フェニルオキサゾール-4-イル)酢酸、4-(2-シクロヘキセニルオキシ)安息香酸、5-メトキシ-2-メチルインドール-3-酢酸、trans-4-コチニンカルボン酸、Bz-5-アミノ吉草酸、4-ヘキシルオキシ安息香酸、N-(3-メトキシフェニル)スクシンアミド酸、Z-Sar-OH、4-(3,4-ジメトキシフェニル)酪酸、Ac-o-フルオロ-DL-Phe-OH、N-(4-フルオロフェニル)グルタミン酸、4'-エチル-4-ビフェニルカルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロアクリジンカルボン酸、3-フェノキシフェニル酢酸、N-(2,4-ジフルオロフェニル)スクシンアミド酸、N-デカノイル-Gly-OH、(+)-6-メトキシ-a-メチル-2-ナフタレン酢酸、3-(トリフルオロメトキシ)ケイヒ酸、N-ホルミル-DL-Leu-OH、(R)-(+)-a-メトキシ-a-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、Bz-DL-Leu-OH、4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ酢酸、4-ヘプチルオキシ安息香酸、2,3,4-トリメトキシケイヒ酸、2,6-ジメトキシベンゾイル-Gly-OH、3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロピオン酸、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェノキシ酢酸、N-(2,4-ジフルオロフェニル)グルタミン酸、N-ウンデカノイル-Gly-OH、2-(4-フルオロベンジル)安息香酸、5-トリフルオロメトキシインドール-2-カルボン酸、N-(2,4-ジフルオロフェニル)ジグルコラミン酸、Ac-L-Trp-OH、Tfa-L-フェニルグリシン-OH、3-ヨード安息香酸、3-(4-n-ペンチルベンゾイル)プロピオン酸、2-フェニル-4-キノリンカルボン酸、4-オクチルオキシ安息香酸、Bz-L-Met-OH、3,4,5-トリエトキシ安息香酸、N-ラウロイル-Gly-OH、3,5-ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、Ac-5-メチル-DL-Trp-OH、2-ヨードフェニル酢酸、3-ヨード-4-メチル安息香酸、3-(4-n-ヘキシルベンゾイル)プロピオン酸、N-ヘキサノイル-L-Phe-OH、4-ノニルオキシ安息香酸、4'-(トリフルオロメチル)-2-ビフェニルカルボン酸、Bz-L-Phe-OH、N-トリデカノイル-Gly-OH、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、3-(4-n-ヘプチルベンゾイル)プロピオン酸、N-ヘプタノイル-L-Phe-OH、4-デシルオキシ安息香酸、N-(α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)アントラニル酸、ニフルム酸(niflumic acid)、4-(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)安息香酸、N-ミリストイル-Gly-OH、3-(4-n-オクチルベンゾイル)プロピオン酸、N-オクタノイル-L-Phe-OH、4-ウンデシルオキシ安息香酸、3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロピオニル-Gly-OH、8-ヨードナフトエ酸、N-ペンタデカノイル-Gly-OH、4-ドデシルオキシ安息香酸、N-パルミトイル-Gly-OH、およびN-ステアロイル-Gly-OH。これらの有機酸は、以下の1社以上から入手可能である:Advanced Chem Tech, Louisville, KY;Bachem Bioscience Inc., Torrance, CA;Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA;Farchan Laboratories Inc., Gainesville FL;Lancaster Synthesis, Windham NH;およびMayBridge Chemical Company (c/o Ryan Scientific), Columbia, SC。これらの企業からのカタログは、酸を同定するために上記で使用されている省略形を使用する。
f.タグを調製するための手段としてのコンビナトリアルケミストリー
コンビナトリアルケミストリーは、大きな化学ライブラリの産生を導く一種の合成戦略である(例えば、PCT出願公表第WO 94/08051号を参照のこと)。これらのコンビナトリアルライブラリは、目的の分子(MOI)の同定のためのタグとして使用され得る。コンビナトリアルケミストリーは、種々の実在分子の巨大なアレイを生じるための、変化する構造の1組の異なる「構築ブロック」の、互いへの体系的かつ反復的な共有結合として定義され得る。構築ブロックは、以下のような多くの天然に存在する形態および合成の形態をとり得る:求核体、求電子体、ジエン、アルキル化剤またはアシル化剤、ジアミン、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、脂質、有機モノマー、シントン、および上記形態の組合せ。構築ブロックを結合するために使用される化学反応は、アルキル化、アシル化、酸化、還元、加水分解、置換、脱離、付加、環化、縮合などである。このプロセスは化合物のライブラリを産生し得、それらはオリゴマーか、非オリゴマーか、またはそれらの組合せである。オリゴマーである場合、化合物は、分枝であるか、分枝でないか、または環状であり得る。組合せ方法によって調製され得るオリゴマー構造の例には、以下が含まれる:オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴサッカライド、ポリリピド、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル、ポリ(リン誘導体)(例えば、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミド、ホスファイト、ホスフィンアミドなど)、およびポリ(硫黄誘導体)(例えば、スルホン、スルホネート、スルファイト、スルホンアミド、スルフェンアミドなど)。
1つの共通のタイプのオリゴマーコンビナトリアルライブラリは、ペプチドコンビナトリアルライブラリである。ペプチド化学および分子生物学における最近の技術革新により、数千万〜数億の異なるペプチド配列からなるライブラリの調製および使用が可能になっている。そのようなライブラリは、3つの広いカテゴリーに分類され得る。ライブラリの1つのカテゴリーは、可溶性の非支持体結合ペプチドライブラリの化学合成に関する(例えば、Houghtenら, Nature 354:84, 1991)。第2のカテゴリーは、プラスチックピン、樹脂ビーズ、または綿のような支持体上に提示される、支持体結合ペプチドライブラリの化学合成に関する(Geysenら, Mol. Immunol. 23:709, 1986;Lamら, Nature 354:82, 1991;EichlerおよびHoughten, Biochemistry 32:11035, 1993)。これら最初2つのカテゴリーにおいて、構築ブロックは、典型的にはL-アミノ酸、D-アミノ酸、非天然型アミノ酸、またはそれらのいくつかの混合物もしくは組合せである。第3のカテゴリーは、糸状ファージ粒子またはプラスミドの表面上のペプチドまたはタンパク質を調製するために、分子生物学アプローチを使用する(ScottおよびCraig, Curr. Opinion Biotech. 5:40, 1994)。可溶性の非結合ペプチドライブラリは、タグとしての使用を含む、多くの適用に適切なようである。ペプチドライブラリにおける化学的多様性の利用可能なレパートリーは、過メチル化のような工程によって拡張され得る(Ostreshら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 91:11138, 1994)。
ペプチドコンビナトリアルライブラリの多数の改変体が、ペプチド骨格が修飾される場合、および/またはアミド結合が模倣基に置換されている場合に可能である。使用され得るアミド模倣基には、尿素、ウレタン、およびカルボニルメチレン基が含まれる。側鎖がα炭素よりもむしろ各アミノ酸のアミド窒素から生じるような骨格の再構築は、ペプトイドとして公知の化合物のライブラリを与える(Simonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:9367, 1992)。
他の共通のタイプのオリゴマーコンビナトリアルケミストリーは、構築ブロックが天然に存在するかまたは非天然型のヌクレオチドまたは多糖誘導体のいくつかの形態である場合、オリゴヌクレオチドコンビナトリアルケミストリーである。これには種々の有機基および無機基がリン酸結合を置換し得る場合、ならびに窒素または硫黄がエーテル結合中の酸素を置換する場合が含まれる(Schneiderら, Biochem. 34:9599, 1995;Freierら, J. Med. Chem. 38:344, 1995;Frank, J. Biotechnology 41:259, 1995;Schneiderら, 公表PCT第WO 942052号;Eckerら, Nucleic Acids Res. 21:1853, 1993)。
より最近は、非オリゴマーの小分子化合物の集合体の組合せ生成が記載されている(DeWittら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 90:690, 1993;Buninら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 91:4708, 1994)。小分子ライブラリへの仕上げに適切な構造は、以下のような広い種類の有機分子を包含する:例えば、ヘテロ環状、芳香族、脂環式、脂肪族、ステロイド、抗生物質、酵素阻害剤、リガンド、ホルモン、薬剤、アルカロイド、オピオイド、テルペン、ポルフィリン、トキシン、触媒、ならびにそれらの組合せ。
g.タグのコンビナトリアル合成のための特異的方法
多様な組のアミン含有MSタグの調製および使用のための2つの方法を以下に概説する。両方法において、コンビナトリアルケミストリーの技術を使用して多数のタグを付けたリンカーの同時並行合成を可能にするために、固相合成が使用される。第1の方法において、オリゴヌクレオチドからのタグの最終的な切断は、カルボキシルアミドの遊離を生じる。第2の方法において、タグの切断はカルボン酸を生成する。これらの方法において使用された化学的成分および結合要素を、以下のように略記する:
R = 樹脂
FMOC = フルオレニルメトキシカルボニル保護基
All = アリール保護基
CO2H = カルボン酸基
CONH2 = カルボン酸アミド基
NH2 = アミノ基
OH = ヒドロキシル基
CONH = アミド結合
COO = エステル結合
NH2-Rink-CO2H = 4-[(α-アミノ)-2,4-ジメトキシベンジル]-フェノキシ酪酸(Rinkリンカー)
OH-1MeO-CO2H = (4-ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸
OH-2MeO-CO2H = (4-ヒドロキシメチル-3-メトキシ)フェノキシ酢酸
NH2-A-COOH = 側鎖に脂肪族または芳香族アミン官能基を有するアミノ酸
X1…Xn-COOH = 独特の分子量を有するn種類のカルボン酸の組
oligo1…oligo(n) = n個のオリゴヌクレオチドの組
HBTU = O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
方法1における工程の順序は以下の通りである:
OH-2MeO-CONH-R
↓ FMOC-NH-Rink-CO2H;カップリング(例えば、HBTU)
FMOC-NH-Rink-COO-2MeO-CONH-R
↓ ピペリジン(FMOCを除去)
NH2-Rink-COO-2MeO-CONH-R
↓ FMOC-NH-A-COOH;カップリング(例えば、HBTU)
FMOC-NH-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R
↓ ピペリジン(FMOCを除去)
NH2-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R
↓ n個のアリコートに分割
↓↓↓ n個の異なる酸X1…Xn-COOHとカップリング
X1…Xn-CONH-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R
↓↓↓ 1%TFAを用いて樹脂からタグを付けたリンカーを切断
X1…Xn-CONH-A-CONH-Rink-CO2H
↓↓↓ n個のオリゴ(oligo1…oligo(n))とカップリング
(例えば、Pfpエステルを介して)
X1…Xn-CONH-A-CONH-Rink-CONH-oligo1…oligo(n)
↓ タグを付けたオリゴをプール
↓ 配列決定反応を実行
↓ 配列決定反応由来の異なる長さのフラグメントを分離
(例えば、HPLCまたはCEを介して)
↓ 25%〜100%TFAを用いてリンカーからタグを切断
X1…Xn-CONH-A-CONH

質量分析法により分析
方法2における工程の順序は以下の通りである:
OH-1MeO-CO2-All
↓ FMOC-NH-A-CO2H;カップリング(例えば、HBTU)
FMOC-NH-A-COO-1MeO-CO2-All
↓ パラジウム(アリールを除去)
FMOC-NH-A-COO-1MeO-CO2H
↓ OH-2MeO-CONH-R;カップリング(例えば、HBTU)
FMOC-NH-A-COO-1MeO-COO-2MeO-CONH-R
↓ ピペリジン(FMOCを除去)
NH2-A-COO-1MeO-COO-2MeO-CONH-R
↓ n個のアリコートに分割
↓↓↓ n個の異なる酸X1…Xn-COOHとカップリング
X1…Xn-CONH-A-COO-1MeO-COO-2MeO-CONH-R
↓↓↓ 1%TFAを用いて樹脂からタグを付けたリンカーを切断
X1…Xn-CONH-A-COO-1MeO-CO2H
↓↓↓ n個のオリゴ(oligo1…oligo(n))とカップリング
(例えば、Pfpエステルを介して)
X1…Xn-CONH-A-COO-1MeO-CONH-oligo1…oligo(n)
↓ タグを付けたオリゴをプール
↓ 配列決定反応を実行
↓ 配列決定反応由来の異なる長さのフラグメントを分離
(例えば、HPLCまたはCEを介して)
↓ 25%〜100%TFAを用いてリンカーからタグを切断
X1…Xn-CONH-A-CO2H

質量分析法により分析
2.リンカー
本明細書において使用される「リンカー」成分(またはL)は、「タグ」(またはT)を「目的の分子」(またはMOI)に共有結合性の化学的結合を介して連結するために使用される直接的な共有結合または有機的な化学基のいずれかを意味する。さらに、直接的な結合それ自身、またはリンカー成分内の一つ以上の結合は、T-L-X化合物(これはMOI成分を含む)の残りからTが遊離される(言い換えれば、切断される)条件下で切断可能である。T内に存在するタグ可変成分は、切断条件に対して安定であるべきである。好ましくは、切断は、数分以内に、および好ましくは約15秒以下の内に迅速に達成され得る。
一般に、リンカーは、タグの大きなセットの各々をMOIの類似の大きなセットの各々に連結するために使用される。代表的には、単一のタグ−リンカーの組合せは各MOIに結合される(種々のT-L-MOIを与えるために)が、いくつかの場合において、一つより多いタグ−リンカーの組合せは、各個々のMOIに結合され得る(種々の(T-L)n-MOIを与えるために)。本発明の別の実施態様において、二つ以上のタグが、リンカー上の複数の独立的な部位を介して単一のリンカーに結合され、次いでこの複数のタグ−リンカーの組合せは、個々のMOIに結合される(種々の(T)n-L-MOIを与えるために)。
タグを付けたMOIのセットの種々の操作の後で、特定の化学的および/または物理的条件が、リンカー中の一つ以上の共有結合を切断するために使用され、これは、MOIからのタグの遊離を生じる。切断可能な結合は、タグ、リンカー、およびMOIが、共に連結される場合、形成される同一の結合のいくつかがあってもよいし、なくてもよい。リンカーの設計は、大部分において、切断が達成され得る条件を決定する。従って、リンカーは、それらも特に影響を受けやすい切断条件によって同定され得る。リンカーが光不安定性(photolabile)である(すなわち、化学放射線への曝露によって切断される傾向がある)場合、リンカーはLと命名され得る。同様に、命名Lacid、Lbase、L[O]、L[R]、Lenz、Lelc、LΔ、およびLSSが、酸、塩基、化学的酸化、化学的還元、酵素の触媒活性(より単純には「酵素」)、電気化学的酸化または還元、高温(「熱」)、およびチオール交換のそれぞれに特に影響を受けやすいリンカーに言及するために使用され得る。
リンカーの特定の型は、単一の型の切断条件に対して不安定であるが、一方リンカーの他の型はいくつかの型の切断条件に対して不安定である。さらに、複数のタグ((T)n-L-MOI型構造を与える)を結合し得るリンカーにおいて、タグ結合部位の各々は、異なる切断条件に対して不安定に成り得る。例えば、リンカーに結合される二つのタグを有するそのリンカーにおいて、タグの一方は塩基に対してのみ不安定に成り得、そして他方は、光分解に対してのみ不安定に成り得る。
本発明において有用なリンカーは、いくつかの属性を有する:
1)リンカーは化学的ハンドル(Lh)を有し、それを介してリンカーはMOIに結合され得る。
2)リンカーは、第二の別の化学的ハンドル(Lh)を有し、それを介してタグはリンカーに結合する。もし複数のタグが単一のリンカーに結合されるならば((T)n-L-MOI型構造)、次いで別のハンドルが各タグについて存在する。
3)リンカーは、T含有部分が化合物の残り(これはMOIを含む)から遊離されるように切断を可能にする条件を例外として、供される全ての操作に対して安定である。従って、リンカーは、タグのリンカーへの結合の間、リンカーのMOIへの結合の間、そしてタグおよびリンカー(T-L)がMOIに結合される間のMOIの任意の操作の間安定である。
4)リンカーは、T-LがMOIに結合される間、MOI上で行われる操作に有意に干渉しない。例えば、T-Lがオリゴヌクレオチドに結合される場合、T-Lは、オリゴヌクレオチド上で行われる全てのハイブリダイゼーションまたは酵素反応(例えばPCR)に有意に干渉してはならない。同様に、T-Lが抗体に結合される場合、それは抗体による抗原認識に有意に干渉してはならない。
5)タグの検出可能性に悪影響を与えない物理的または化学的プロセスを使用して、化合物の残りからのタグの切断は、高度に制御された様式で生じる。
任意の所定のリンカーについて、リンカーが広範な種々のMOIに結合可能で、そして広範な種々のタグが、リンカーに結合可能であることが望ましい。このような柔軟性は、一旦調製されれば、いくつかの異なるセットのMOIを用いて使用されるT-L結合物のライブラリーを可能にするので、利点に富む。
上記に説明されたように、好ましいリンカーは以下の式を有する。
Lh-L1-L2-L3-Lh
ここで、各Lhは、リンカーをタグ反応物および目的の反応物の分子と連結するために使用され得る反応性ハンドルである。L2はリンカーに不安定性を与えるので、L2はリンカーの不可欠な部分である。L1およびL3は、ハンドルLhからL2を分離するのに効果的に役立つ任意の基である。
L1(これは、定義によって、L3よりTに近い)は、必要とされる不安定部分L2からTを分離するために役立つ。この分離は、切断反応がT含有部分の構造においてランダムな変化を生じ得る特定の反応性種(例えば、フリーラジカル)を生じる場合、有用であり得る。切断部位が、T含有部分からさらに離れている場合、切断部位で形成された反応性種が、T含有部分の構造を破壊する減少した可能性がある。さらに、L1における原子は、代表的には、T含有部分に存在する場合、これらL1原子は、T含有部分に望ましい質で特性を付与し得る。例えば、T含有部分が、Tms含有部分であり、そして妨害された(hindered)アミンがTms含有部分の構造の部分として望ましく存在する(例えば、MSSEとして作用する)場合、妨害されたアミンはL1不安定部分に存在し得る。
他の例において、L1および/またはL3は、単にリンカー成分中に存在し得る。なぜならば、リンカーの商業的な供給業者は、そのようなL1および/またはL3基を有する形態でリンカーを販売するように選択しているからである。そのような例において、L1および/またはL3基は、それらを組み込む化合物に対して性能利点を何ら特に寄与し得ないが、L1および/またはL3基を有するリンカーを使用することに害はない(これらの基が、切断反応を阻害しない限り)。従って、本発明は、L1および/またはL3基がリンカー成分中に存在することを可能にする。
L1および/またはL3基は、直接的な結合(この場合において、基は実際には存在しない)、ヒドロカルビレン基(例えば、アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンなど)、-O-ヒドロカルビレン(例えば、-O-CH2-、O-CH2CH(CH3)-など)、またはヒドロカルビレン-(O-ヒドロカルビレン)W-(ここでWは、1〜約10の範囲にある整数である)(例えば、-CH2-O-Ar-、CH2-(O-CH2CH2)4-など)であり得る。
固相合成法の出現があったので、特定の反応条件に不安定なリンカーに関する多くの文献が、展開されてきた。代表的な固相合成において、固体支持体は、反応性部位に不安定なリンカーを介して結合され、そして合成されるべき分子は、反応性部位で生成される。分子が完全に合成された場合、固体支持体−リンカー−分子構築物は、固体支持体から分子を遊離する切断条件に供される。この状況における使用のために、開発されてきた不安定なリンカー(またはこの状況において使用され得る)はまた、本発明におけるリンカー反応物として容易に使用され得る。
Lloyd-Williams, Pら、「Convergent Solid-Phase Peptide Synthesis」、Tetrahedron Report No. 347, 49(48):11065-11133(1993)は、化学放射線(すなわち、光分解)ならびに酸、塩基、および他の切断条件に不安定なリンカーの広範な議論を提供する。不安定なリンカーについての情報のさらなる供給源は容易に得られ得る。
上記のように、異なるリンカー設計は、異なる特定の物理的または化学的条件下で切断可能性(「不安定性」)を与える。種々の設計のリンカーを切断するのに役立つ条件の例は、酸、塩基、酸化、還元、フッ素、チオール交換、光分解、および酵素的な条件を含む。
上記のリンカーについての一般的な基準を満足する切断可能なリンカーの例は当業者に周知であり、そしてPierce(Rockford,IL)から入手可能なカタログにおいて見出されるリンカーを含む。例は、以下を含む:
・エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ヒドロキルシアミンによって切断可能である(37℃にて3〜6時間で1M)アミン反応性架橋試薬;
・ジスクシンイミジル酒石酸(DST)およびスルホ-DSTである(これは0.015M過ヨウ素酸ナトリウムによって切断可能であるアミン反応性架橋試薬である;
・ビス[2-(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)およびスルホ-BSOCOES(これらは塩基(pH11.6)によって切断可能なアミン反応性架橋試薬である);
・1,4-ジ-[3'-(2'-ピリジルジチオ(プロピオンアミド))ブタン(DPDPB)(チオール交換または還元によって切断可能であるピリジルジチオール架橋剤);
・N-[4-(p-アジドサリチルアミド)-ブチル]-3'-(2'-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)(チオール交換または還元によって切断可能であるピリジルジチオール架橋剤);
・ビス-[β-4-(アジドサリチルアミド)エチル]-ジスルフィド(チオール交換または還元によって切断可能である光反応性架橋剤);
・N-スクシンイミジル-(4-アジドフェニル)-1,3'ジチオプロピオネート(SADP)(チオール交換または還元によって切断可能である光反応性の架橋剤);
・スルホスクシンイミジル-2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SAED)(チオール交換または還元によって切断可能である光反応性架橋剤);
・スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-O-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3'ジチオプロピオネート(SAND)(チオール交換または還元によって切断可能である光反応性架橋剤)。
タグを放出するために使用され得る切断可能なリンカーおよび切断条件の他の例は、以下である。シリル結合基は、フッ素によってかまたは酸条件下で切断され得る。3-、4-、5-、または6-置換-2-ニトロベンジルオキシまたは2-、3-、5-、または6-置換-4-ニトロベンジルオキシ結合基は、光子源によって切断さ得る(光分解)。3-、4-、5、または6-置換-2-アルコキシフェノキシまたは2-、3-、5-、または6-置換-4-アルコキシフェノキシ結合基は、Ce(NH4)2(NO3)6(酸化)によって切断され得る。NCO2(ウレタン)リンカーは、水酸化物(塩基)、酸、またはLiALH4(還元)によって切断され得る。3-ペンテニル、2-ブテニル、または1-ブテニル結合基は、O3、OSO4/IO4 -またはKMnO4(酸化)によって切断され得る。2-[3-、4-、または5-置換フリル]オキシ結合基は、O2、Br2、MeOHまたは酸によって切断され得る。
他の不安定な結合基の切断のための条件は、以下を含む:t-アルキルオキシ結合基は酸によって切断され得る;メチル(ジアルキル)メトキシまたは4-置換-2-アルキル-1,3-ジオキサレン(dioxlane)-2-イル結合基は、H3O+によって切断され得る;2-シリルエトキシ結合基は、フッ素または酸によって切断され得る;2-(X)-エトキシ(ここでX=ケト、エステル、アミド、シアノ、NO2、スルフィド、スルホキシド、スルホン)結合基は、アルカリ条件下で切断され得る;2-、3-、4-、5-、または6-置換-ベンジルオキシ結合基は、酸または還元条件により切断され得る;2-ブテニルオキシ基は、(Ph3P)3RhCl(H)によって切断され得る、3-、4-、5-、または6-置換-2-ブロモフェノキシ結合基は、Li、Mg、またはBuLiによって切断され得る;メチルチオメトキシ結合基はHg2+によって切断され得る;2-(X)-エチルオキシ(ここでX=ハロゲン)結合基はZnまたはMgによって切断され得る;2-ヒドロキシエチルオキシ結合基は、酸化(例えば、Pb(OAc)4を用いて)切断され得る。
好ましいリンカーは、酸または光分解によって切断されるリンカーである。固相ペプチド合成のために開発されてきたいくつかの酸不安定リンカーは、タグをMOIに架橋するに有用である。これらのリンカーのいくつかは、Lloyd-Williamsら(Tetrahedron 49:11065-11133, 1993)による最新の総説によって記載される。リンカーの一つの有用な型は、p-アルコキシベンジルアルコールに基づき、その内の二つ、4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸および4-(4-ヒドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ)酪酸は、Advanced ChemTech(Lousiville, KY)から入手可能である。両方のリンカーが、ベンジルアルコールへのエステル結合を介してタグに結合され得、カルボン酸へのアミド結合を介してアミン含有MOIと結合され得る。これらの分子によって結合されたタグは、多様な濃度のトリフルオロ酢酸を用いてMOIから遊離される。これらの分子の切断は、タグ上のカルボン酸の遊離を生じる。関連するリンカー(例えば、2,4-ジメトキシ-4'-(カルボキシメチルオキシ)-ベンズヒドリルアミン(Advanced ChemTechからFMOC保護形態で入手可能)を介して結合されたタグの酸切断は、遊離されたタグ上のカルボン酸アミドの遊離を生じる。
本願にとって有用な光不安定性リンカーはまた、固相ペプチド合成のために最も開発された部分であった(Lloyd-Williams総説を参照のこと)。これらのリンカーは、通常、2-ニトロベンジルエステルまたは2-ニトロベンジルアミドに基づく。文献において最近報告されている光不安定性リンカーの二つの例は、4-(4-(1-Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)ブタン酸(HolmesおよびJones、J. Org. Chem. 60:2318-2319, 1995)および3-(Fmoc-アミノ)-3-(2-ニトロフェニル)プロピオン酸(Brownら、Molecular Diversity 1:4-12, 1995)である。両リンカーは、MOI上でカルボン酸を介してアミンに結合され得る。リンカーへのタグの結合は、タグ上のカルボン酸とリンカー上のアミンとの間でアミドを形成することによって作製される。光不安定性リンカーの切断は、通常、強度で350nm波長のUV光および当業者に公知の時間を用いて行われる。リンカーの切断は、タグ上の一級アミドの遊離を生じる。感光性リンカーの例は、ニトロフェニルグリシンエステル、exo-およびendo-2-ベンゾノルボルネリルクロライドおよびメタンスルホネート、および3-アミノ-3(2-ニトロフェニル)プロピオン酸を含む。酵素的切断の例には、エステル結合を切断するエステラーゼ、ホスホジエステル結合を切断するヌクレアーゼ、ペプチド結合を切断するプロテアーゼなどが挙げられる。
好ましいリンカー成分は以下に示すようなオルト-ニトロベンジル構造を有する;
Figure 2008200040
ここでa、b、c、d、またはe位の一つの炭素原子は、-L3-Xで置換され、そしてL1(好ましくは直接的な結合である)は、上記構造中のN(R1)の左に存在する。このようなリンカー成分は、「a」と標識された炭素とN(R1)間の結合の選択的な光誘導切断に感受性である。R1の同一性は、切断反応にとって代表的には重要ではないが、しかしR1は、好ましくは、水素およびヒドロカルビルより選択される。本発明は、上記の構造において、-N(R1)-が、-O-で置き換えられ得る。さらに上記構造において、b、c、d、またはe位の一つ以上が、必要に応じて、アルキル、アルコキシ、フッ素、クロライド、ヒドロキシル、カルボキシレート、またはアミドで置換され得、ここでこれらの置換基は、各存在で独立して選択される。
化学ハンドルLhを有するさらに好ましいリンカー成分は、以下の構造を有する;
Figure 2008200040
ここで、b、c、d、またはe位の一つ以上が、水素、アルキル、アルコキシ、フッ素、クロライド、ヒドロキシル、カルボキシレート、アミドで置換され、R1は水素またはヒドロカルビルであり、そしてR2は、-OHまたは別の部分とのカップリングのためにカルボン酸を保護しているかまたは活性化する基である。フルオロカーボンおよびヒドロフルオロカーボンは、別の部分とのカップリングへ向けてカルボン酸を活性化する好適な基である。
3.目的の分子(MOI)
MOIの例には、核酸、または核酸アナログ(例えば、PNA)、核酸のフラグメント(すなわち、核酸フラグメント)、合成核酸またはフラグメント、オリゴヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)、タンパク質、ペプチド、抗体、または抗体フラグメント、レセプター、レセプターリガンド、リガンド対メンバー、サイトカイン、ホルモン、オリゴ糖、合成有機分子、薬物およびそれらの組合せが挙げられる。
好ましいMOIの例には、核酸フラグメントが挙げられる。好ましい核酸フラグメントは、ベクターが、塩基配列決定に使用される場合、ベクターに存在する配列に相補的なプライマー配列である。好ましくは、核酸フラグメントは、フラグメントの3'末端以外、そして最も好ましくはフラグメントの5'末端でタグに直接的または間接的に結合される。核酸フラグメントは、購入され得るかまたは遺伝子データベースに基づいて調製され得る(例えば、Dibら、Nature 380:152-154, 1996およびCEPH Genotype Database, http://www.cephb.fr)および商業的なメーカー(例えば、Promega, Madison, WI))
本明細書中で使用されるMOIは、MOIをT-L-Lh化合物へ結合するに有用な官能基を含む誘導体を含む。例えば、ホスホジエステルがまたアルキレンアミンに結合される場合、5'末端にホスホジエステルを有する核酸フラグメントは、MOIである。このようなMOIは、例えば、米国特許第4,762,779号(本明細書に参考として援用される)に記載される。内部修飾を有する核酸フラグメントもまたMOIである。核酸フラグメントの例示的な内部修飾は、塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル)が、反応性官能基を付加するように修飾された場合である。このような内部修飾核酸フラグメントは、例えば、Glen Research, Herndon, VAから市販されている。核酸フラグメントの別の例示的な内部修飾は、核酸フラグメントの糖とホスフェート基の間に挿入される修飾ホスホジエステルを合成するために、塩基のホスホルアミデートが使用される場合である。塩基のホスホルアミデートは、このホスホルアミデート由来の部分を含む核酸フラグメントを別の部分(例えば、T-L-Lh化合物)に結合させる反応性基を含む。このような塩基性ホスホルアミデートは例えば、Clonetech Laboratories, Inc., Palo Alto, CAから市販されている。
4.化学ハンドル(L h
化学ハンドルは、安定でしかし第1の分子の部分として存在する反応性原子配列であり、ここでハンドルは、第2の分子の部分として存在する相補的な化学的ハンドルと、2つの分子間で共有結合を形成するために化学反応を受け得る。例えば、これらの2つのハンドル間の反応が2つの分子を結合させる共有結合(特にエステル基)を形成するに際して、化学ハンドルは、水酸基であり得、そして相補的な化学ハンドルはカルボン酸基であり得る(またはその活性化誘導体(例えば、ヒドロフルオロアリールエステル))。
化学ハンドルは、タグをリンカーに結合し、そしてリンカーをMOIに結合するに適切な多くの共有結合反応に使用され得る。このような反応に、アルキル化(例えば、エーテル、チオエーテルを形成する)、アシル化(例えば、エステル、アミド、カルバメート、ウレア、チオウレアを形成する)、ホスホリル化(例えば、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミド、ホスホンンアミドを形成する)、スルホニル化(例えば、スルホネート、スルホンアミドを形成する)、縮合(イミン、オキシム、ヒドラゾンを形成する)、シリル化、ジスルフィド形成、および光分解による反応性中間体(例えば、ニトレン、またはカルベン)の生成を含む。一般に、タグをリンカーに結合するに適切なハンドルおよび結合形成反応はまた、リンカーをMOIに結合するに適切であり、そしてその逆も同様である。いくつかの場合において、MOIは、先に修飾または誘導を受けて、リンカーを結合するに必要なハンドルを提供し得る。
リンカーをMOIに結合するに特に有用な結合の一つの型は、ジスルフィド結合である。その形成は、リンカー上のチオール基(ハンドル)およびMOI上の別のチオール基の存在を必要とする。従って、緩やかな酸化条件は、2つのチオールをジスルフィドとして結合するに十分である。ジスルフィド形成はまた、過剰な適切なジスルフィド交換試薬(例えば、ピリジルジスルフィド)を使用することによって誘導され得る。ジスルフィド形成は、容易に可逆であるので、ジスルフィドは所望ならばタグを遊離するための切断可能な結合としてもまた使用され得る。代表的には、これは、過剰の適切なチオール交換試薬(例えば、ジチオスレイトール)を使用して、同様の穏やかな条件下で達成される。
アミド結合の形成は、タグ(またはリンカーを有するタグ)をオリゴヌクレオチドに結合するために特に興味深い。一次脂肪族アミンハンドルは、ホスホルアミダイト(例えば、6-モノメトキシトリチルヘキシルシアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(Glenn Research, Sterling, VAから入手可能))を有する合成オリゴヌクレオチドに容易に導入され得る。導入された一次アミンと比較した場合、天然のヌクレオチド(例えば、アデノシンおよびグアノシン)上で見出されるアミンは、実際に非反応性である。反応性におけるこの相違は、アミドおよび導入された一次アミン(ヌクレオチドアミンではなく)を有する関連する結合基(例えば、ウレア、チオウレア、スルホンアミド)を選択的に形成する能力の基礎を形成する。
Molecular Probes catalog(Eugene, OR)に収載されるように、アミン反応性官能基には、活性化カルボン酸エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、スルホニルハライド、およびジクロロトリアゼンが部分的に挙げられる。活性エステルは、形成されるアミド生成物は極めて安定であるので、アミン修飾に優れた試薬である。さらに、これらの試薬は、脂肪族アミンと良好な反応性を有し、そしてオリゴヌクレオチドのヌクレオチドアミンとの低い反応性を有する。活性エステルの例には、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、およびp-ニトロフェニルエステルが挙げられる。活性エステルは、実際にはカルボン酸を含む任意の分子から作製され得るので、活性エステルは有用である。活性エステルを作製する方法は、Bodansky(Principles of Peptide Chemistry (第2版), Springer Verlag, London, 1993)に収載される。
5.リンカー結合
代表的には、単一の型のリンカーが、特定のセットまたはファミリーのタグを特定のセットのまたはファミリーのMOIに結合するために使用される。本発明の好ましい実施態様において、単一の一様な手順が全ての種々のT-L-MOI構造を作製するために付随され得る。T-L-MOI構造のセットが大きい場合、これは、とくに利点に富む。なぜならば、それによってセットをコンビナトリアルケミストリーの方法または他の平行プロセシング技術を使用して調製することが可能となるからである。類似の方法において、単一の型のリンカーの使用は、単一の一様な手順を全ての種々のT-L-MOI構造を切断するために用いることを可能にする。さらに、これは、大きなセットのT-L-MOI構造について利点に富む。なぜならば、セットは、平行、反復、および/または自動化方法でプロセスされ得るからである。
しかし、本発明の他の実施態様では、リンカーの2つ以上が、異なるサブセットのタグを対応するサブセットのMOIを結合するために使用される。この場合において、選択的な切断条件が、各リンカーを独立に、他のサブセットのMOI上に存在するリンカーを切断することなしに切断するために使用され得る。
多くの共有結合形成反応は、タグをリンカーに、そしてリンカーをMOIに接着するに適切である。このような反応は、アルキル化(例えば、エーテル、チオエーテルを形成する)、アシル化(エステル、アミド、カルバメート、ウレア、チオウレアを形成する)、リン酸化(例えば、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミド、ホスホンアミドを形成する)、スルホニル化(例えば、スルホネート、スルホンアミドを形成する)、縮合(例えば、イミン、オキシム、ヒドラゾンを形成する)、シリル化、ジスルフィド形成、および光分解による反応性中間体(例えば、ニトレンまたはカルベン)の生成を含む。一般的に、タグをリンカーに結合するに適切なハンドルおよび結合形成反応はまた、リンカーをMOIに結合するに適切であり、逆も同様である。いくつかの場合において、MOIは、先の改変または誘導を受け得、リンカーを結合するに必要なハンドルを提供する。
リンカーをMOIに結合するに特に有用な結合の一つの型は、ジスルフィド結合である。その形成は、リンカー上のチオール基(「ハンドル」)およびMOI上の別のチオール基の存在を必要とする。次いで、穏やかな酸化条件が、二つのチオール基をジスルフィドとして結合するに十分である。ジスルフィド形成はまた、過剰の適切なジスルフィド交換試薬(例えば、ピリジルジスルフィド)を使用することによって誘導され得る。ジスルフィド形成は、容易に可逆的であるので、ジスルフィドは所望ならばタグを遊離するための切断可能な結合として使用され得る。代表的には、これは、過剰の適切なチオール交換試薬(例えば、ジチオスレイトール)を使用して、同様に穏やかな条件下で達成される。
アミド結合の形成は、タグをオリゴヌクレオチドに結合するために特に興味深い。一次脂肪族アミンハンドルは、ホスホルアミダイト(例えば、6-モノメトキシトリチルヘキシルシアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(Glenn Research, Sterling, VAから入手可能)を有する合成オリゴヌクレオチドに容易に導入され得る。導入された一次アミンと比較した場合、天然のヌクレオチド(例えば、アデノシンおよびグアノシン)上で見出されるアミンは、実際に非反応性である。反応性におけるこの相違は、アミドおよび導入した一級アミン(ヌクレオチドアミンではなく)を有する関連結合基(例えば、ウレア、チオウレア、スルホンアミド)を選択的に形成する能力の基礎を形成する。
Molecular Probes catalog(Eugene, OR)に収載されるように、アミン反応性官能基には、活性化カルボン酸エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、スルホニルハライド、およびジクロロトリアゼンが部分的に挙げられる。活性エステルは、形成されるアミド生成物は極めて安定であるので、アミン修飾に優れた試薬である。さらに、これらの試薬は、脂肪族アミンと良好な反応性を有し、そしてオリゴヌクレオチドのヌクレオチドアミンとの低い反応性を有する。活性エステルの例には、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、およびp-ニトロフェニルエステルが挙げられる。活性エステルは、実際にはカルボン酸を含む任意の分子から作製され得るので、活性エステルは有用である。活性エステルを作製する方法は、Bodansky(Principles of Peptide Chemistry (第2版), Springer Verlag, London, 1993)に収載される。
リンカーとして機能し得る多くの市販の架橋試薬が存在する(例えば、Pierce Cross-linkers, Pierce Chemical Co., Rockford, ILを参照のこと)。これらの中に、ホモ二官能性イミドエステルおよびN-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステルによって例示されるホモ二官能性アミン反応性架橋試薬がある。連続的な反応を可能にする2つ以上の異なる反応性基を有するヘテロ二官能性架橋試薬が存在する。イミドエステルは、アルカリ性PHでアミンと迅速に反応する。NHS-エステルは、一級アミンまたは二級アミンと反応させた場合、安定な生成物を与える。マレイミド、アルキルおよびアリールハライド、α-ハロアシルおよびピリジルジスルフィドは、チオール反応性である。マレイミドは、6.5〜7.5のpHの範囲でチオール(スルフヒドリル)基に対して特異的である。そしてアルカリ性pHは、アミン反応性になり得る。チオエーテル結合は、生理学的条件下で安定である。α-ハロアセチル架橋試薬は、ヨードアセチル基と反応し得るが、反応は非常に遅い。イミダゾールは、ヨードアセチル部分を含み、そしてスルフヒドリルに対して反応性である。ピリジルジスルフィドは、チオール基と反応して、ジスルフィド結合を形成し得る。カルボジイミドは、カルボキシルとヒドラジドの一級アミンをカップリングさせ、これはアシル−ヒドラジン結合の形成を生じる。アリールアジドは、UVまたは可視光に曝露されるまで化学的に不活性な光親和性試薬である。このような化合物が、250nm〜460nmで光分解される場合、活性アリールニトレンが形成される。反応性アリールニトレンは、比較的非特異的である。グリオキサールは、アルギニンのグアニジル部分に対して反応性である。
本発明の一つの代表的な実施態様において、タグはまずリンカーに結合され、次いでタグとリンカーとの組合せは、MOIに結合され、構造T-L-MOIを生じる。あるいは、同一の構造が、リンカーをMOIへまず結合させ、次いでリンカーとMOIとの組合せをタグに結合させることによって形成される。例は、MOIがDNAプライマーまたはオリゴヌクレオチドである場合である。この場合において、タグは、代表的には、まずリンカーに結合され、次いでT-Lが、DNAプライマーまたはオリゴヌクレオチドに結合される。これは、次いで、例えば、配列決定反応において使用される。
タグが、MOIに可逆的にMOIに結合し得る一つの有用な形態(例えば、オリゴヌクレオチドまたはDNA配列決定プライマー)は、化学的に不安定なリンカーを介する。リンカーについての一つの好ましい設計によって、リンカーを揮発性の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA))に曝露した場合切断することが可能になる。TFAは、特に、多くのMSイオン化の方法(これは電気スプレイを含む)に適合性である。
以下に詳細に記すように、本発明は、遺伝子型決定のための方法論を提供する。遺伝子型決定法において有用な組成物は、以下の式の多数の化合物を含む:
Tms-L-MOI
ここで、
Tmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、質量分析に供され場合、単一イオン化荷電状態を支持する官能基を含み、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される。式において、MOIは核酸フラグメントであり、ここでLは、MOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される。この組成物において、少なくとも2つの化合物は、同一のTmsを有するが、これらの分子のMOI基は、同一でないヌクレオチド長を有する。
遺伝子決定法において有用である別の組成物は、以下の式の多数の化合物を含む:
Tms-L-MOI
ここで、
Tmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTmsは、化合物が質量分析に供された場合、単一イオン化荷電状態を維持し、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される官能基を含む。式において、MOIは核酸フラグメントであり、ここでLはMOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される。この組成物において、少なくとも2つの化合物は、同一のTmsを有するが、これら化合物は、カラムクロマトグラフィーによる同一でない溶出時間を有する。
遺伝子決定法において有用である別の組成物は、以下の式の複数の化合物を含む:
Tms-L-MOI
ここでTmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される官能基を含む。式において、MOIは核酸フラグメントであり、ここでLはMOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される。この組成物において、同一のMOIヌクレオチド長を有する二つの化合物はまた同一のTmsを有さない。
上記の組成物において、その複数は、好ましくは、2より多く、そして好ましくは、4より大きい。さらにMOIにおける核酸フラグメントはまた、ベクターの一部に相補的な配列を有する。ここで、フラグメントは、ポリヌクレオチド合成を開始し得る。好ましくは、複数のメンバーのTms基は、少なくとも2amuおよびまで異なり、そして少なくとも4amuまで異なり得る。
本発明はまた、以下の式を有する化合物の複数のセットを含む組成物を提供する:
Tms-L-MOI
ここでTmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される官能基を含む。式において、MOIが核酸フラグメントであり、ここでLはMOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される。組成物において、化合物の第一のセット内のメンバーは、同一のTms基を有するが、しかし、MOIにおいて異なる数のヌクレオチドを有する同一でないMOI基を有し、そして第一のセット内において少なくとも、10のメンバーが存在し、ここでセット間で、Tms基は、少なくとも2amuまで異なる。複数は、好ましくは、少なくとも3であり、より好ましくは、少なくとも5である。
本発明はまた、以下の式を有する化合物の多数のセットを含む組成物を提供する:
Tms-L-MOI
ここでTmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量分析に供された場合、単一イオン化荷電状態を維持し、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される官能基を含む。式において、MOIは核酸フラグメントであり、ここでLはMOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される。組成物において、セット内の化合物は、同一の溶出時間を有するが同一でないTms基を有する。
さらに、本発明は、遺伝子型決定のためのキットを提供する。キットは、複数の増幅プライマー対を含み、ここで少なくともプライマーの一つが、以下の式を有する:
Tms-L-MOI
ここでTmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、3級アミン、4級アミン、および有機酸から選択される官能基を含む。式において、MOIは核酸フラグメントであり、ここでLはMOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される;そして各プライマー対は、異なる座(loci)で結合する。キットにおいて、複数は好ましくは少なくとも3であり、そしてより好ましくは少なくとも5である。
上記のように、本発明は、核酸分子の配列を決定するための組成物および方法を提供する。簡略には、このような方法は、一般的には(a)核酸分子の第1の末端から第2の末端まで選択された核酸分子(例えば、タグを付けたフラグメント)に相補的であるタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程で、ここでタグは、特定のまたは選択されたヌクレオチドと相関性があり、そして任意の種々の方法によって検出され得る工程と、(b)連続的な長さでタグを付けたフラグメントを分離する工程と、(c)タグを付けたフラグメントからタグを切断する工程と、(d)タグを検出する工程と、を含み、そしてそれによって核酸分子の配列を決定する。この局面の各々は、以下でより詳細に議論される。
B.診断方法
1.緒言
上記のように、本発明はまた、広範な種々の方法を提供する。ここで、所定の方法において、特異性、感度、または同時に分析され得るサンプルの数を増強させるために、上記のタグおよび/またはリンカーが、従来の標識(例えば、放射性または酵素性)の代わりに利用され得る。増強され得るそのような方法の代表的な例としては、例えば、RNA増幅(Lizardiら、Bio/Technology 6:1197-1202, 1988; Kramerら、Nature 339:401-402, 1989; Lomeliら、Clinical Chem. 35(9):1826-1831, 1989; 米国特許第4,786,600号を参照のこと)およびLCRまたはポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を利用するDNA増幅(米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号を参照のこと)が挙げられる。
本発明の1つの局面において、核酸分子またはフラグメントの同一性を決定するため(あるいは、選択された核酸分子またはフラグメントの存在を検出するため)の方法が提供される。この方法は、(a) 1つ以上の選択された標的核酸分子からタグを付けた核酸分子を生成させる工程であって、ここでタグは特定の核酸分子と相関的であり、そして非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b) タグを付けた分子をサイズにより分離する工程、(c) タグをタグを付けた分子から切断する工程、および(d) タグを非蛍光分光分析または電位差測定により検出し、それから核酸分子の同一性を決定する工程、を含む。
本発明の関連する局面において、選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。この方法は、(a) タグを付けた核酸プローブを標的核酸分子と、タグを付けた核酸プローブの相補的な選択された標的核酸配列へのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、そしてタグを付けた核酸プローブの相補的な選択された標的核酸配列へのハイブリダイゼーションを可能にするに十分な時間、組み合わせる工程であって、ここで、タグを付けた核酸プローブは非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b) ハイブリダイズしたタグを付けたプローブ、ハイブリダイズしていないプローブもしくは標的分子、またはプローブ:標的ハイブリッドのサイズを変化させる工程、(c) タグを付けたプローブをサイズにより分離する工程、(d) タグをタグを付けたプローブから切断する工程、および(e) タグを非蛍光分光分析または電位差測定により検出し、それから選択された核酸分子を検出する工程、を含む。これらのおよび他の関連する技術は、以下でより詳細に議論される。
2.PCR
PCRは任意の起源(ウイルス、細菌、植物、またはヒト)の所望のDNA配列を、何億倍にも、およそ数時間で増幅し得る。PCRは特に価値がある。なぜならその反応は高度に特異的であり、容易に自動化され、そして微量のサンプルを増幅し得るからである。これらの理由で、PCRは、臨床医学、遺伝病診断、法医科学、および進化生物学に対する大きな衝撃を有している。
簡潔に記載すると、PCRは特殊化されたポリメラーゼに基づくプロセスであり、これは、4つのDNA塩基および標的配列に隣接する2つのDNAフラグメント(プライマー、各々約20塩基長)を含有する混合物中の所定のDNA鎖に対する相補鎖を合成し得る。この混合物は標的配列を含む2本鎖DNAの鎖を分離するために加熱され、そして冷却されて、(1) プライマーが分離された鎖上のそれらの相補的配列を見出し、そしてそれに結合すること、および(2) ポリメラーゼがプライマーを新たな相補鎖に伸長することを可能にする。反復される加熱および冷却サイクルは標的DNAを指数関数的に増加させる。なぜなら、各々の新たな2本鎖が分離してさらなる合成のための2つのテンプレートになるからである。約1時間のうちに、20のPCRサイクルは標的を百万倍増幅し得る。
本発明の1つの実施態様において、PCRの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するための、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、PCRの間に一連のタグを付けた核酸フラグメントまたは分子を生成させる工程、および得られるフラグメントをサイズにより分離する工程を含む。サイズ分離工程は、本明細書中に記載の任意の技術(例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCを含む)を利用して達成され得る。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そしてそれぞれの検出技術により検出される。そのような技術の例は本明細書中に記載され、そして例えば、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分析を含む。
3.RNAフィンガープリンティングおよびディファレンシャルディスプレイ
テンプレートがRNAである場合、フィンガープリンティングにおける第1の工程は逆転写である。LiangおよびPardee(Science 257:967, 1992)は、オリゴ(dT)に基づくが5'末端における2塩基の「アンカー」を有する逆転写のためのプライマー(例えば、オリゴ5'-(dT11)CA-3')を使用する、RNAフィンガープリンティングプロトコルを最初に記載した。プライミングは、主にポリ(rA)テイルの5'末端において、そして主に5'-UpG-ポリ(rA)-3'に終結する配列において、12中1のポリアデニル化RNAに近づく選択性を有して生じる。逆転写および変性後、任意プライミング(arbitary priming)が、得られるcDNAの第1鎖に対して実施される。PCRは、いまや、プライマーに最良にマッチし、そしてmRNAおよびポリアデニル化された不均質なRNAの3'末端に由来する産物のフィンガープリントを生成するために使用され得る。このプロトコルは、「ディファレンシャルディスプレイ」と名付けられている。
あるいは、任意プライマーは、逆転写の第1工程において使用され得、プライマーの3'末端との6〜8塩基のマッチを有するRNAの内部の領域を選択し得る。これには、得られるcDNAの第1鎖の同一または異なる任意プライマーでの任意プライミングおよび、次いでPCRが続く。この特定のプロトコルは、RNA中の任意の場所(オープンリーディングフレームを含む)をサンプリングする(Welshら、Nuc. Acids. Res. 20:4965, 1992)。さらに、これはポリアデニル化されていないRNA(例えば、多数の細菌RNA)に対して使用され得る。任意プライム化PCR(arbitrarily primed PCR)によるRNAフィンガープリンティングの変形は、RAP-PCRと呼ばれている。
RNAの任意プライム化PCRフィンガープリンティングが、異なる実験的処理に供された、または異なる発生経歴を有する細胞、組織または他の生物学的材料に由来するサンプルに対して実施される場合、サンプル間での遺伝子発現の差異が検出され得る。各々の反応について、同一の数の有効なPCR倍加事象が生じ、そしてcDNA産物の最初の濃度の任意の差異が最終のフィンガープリントにおける強度の比として保持されることが仮定される。ゲル上の単一のレーン内のバンドの強度(これは、マッチおよび量の関数である)の間には意味のある関係は存在しない。しかし、レーン間の比は、各々のサンプリングされたRNAについて保持され、これは、ディファレンシャルに発現されるRNAが検出されることを可能にする。サンプル間での出発材料の比は、サイクルの数がPCR反応を飽和させるに十分である場合でさえ維持される。これは、飽和に達するために必要とされる倍加の数が、フィンガープリントの大部分を構成する不変の産物により、ほぼ完全に制御されるからである。これに関して、PCRフィンガープリンティングは、単一の産物の従来のPCR(ここで、サンプル間の出発材料の比は、産物が増幅の指数期においてサンプリングされない限り保持されない)とは異なる。
本発明の1つの実施態様において、RNAフィンガープリンティングの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するため、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、一般に一連のタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程を含む。次いでその後、PCRまたは類似の増幅スキームにより生成されたフラグメントは、サイズで分離される。サイズ分離工程は、例えば、本明細書中に記載の任意の技術(例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCを含む)であり得る。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そして次いで、タグは、それぞれの検出技術により検出される。適切な技術の代表的な例としては、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分析が挙げられる。任意の所定の核酸フラグメントの相対量は重要ではないが、バンドのサイズは、コントロールサンプルに参照される場合、情報を与える。
4.蛍光に基づくPCR1本鎖コンホメーション多型(PCR-SSCP)
RFLPアプローチに加えて多数の方法が、塩基置換多型を分析するために利用可能である。Oritaらは、変性されたDNAにおけるコンホメーションの差異に基づいてこれらの多型を分析する方法を案出した。簡潔に記載すると、制限酵素消化またはPCRが使用されて、比較的小さいDNAフラグメントを生成し、次いでこれは変性され、そして非変性ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動により分離される。塩基置換から生じる1本鎖DNAフラグメントにおけるコンホメーションの差異は、電気泳動移動度の変化により検出される。鎖内塩基対合は、電気泳動移動度において高度に配列特異的でありそして特徴的な1本鎖コンホメーションを作製する。しかし、従来のSSCPを使用する異なる研究における検出率は、35%からほぼ100%の範囲であり、最高の検出率は大抵いくつかの異なる条件を必要とする。原則として、この方法はまた、短い挿入または欠失に基づいて多型を分析するために使用され得る。この方法は、DNAにおける点変異および欠失を同定するための最も強力な手段の1つである(SSCP-PCR、Deanら、Cell 61:863, 1990)。
本発明の1つの実施態様において、PCR-SSPの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するため、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、一般に、一連のタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程を含む。次いで、PCRにより生成されたフラグメントは、サイズにより分離される。好ましくは、サイズ分離工程は非変性的であり、そして核酸フラグメントは分離方法の前に変性される。サイズ分離工程は、例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCにより達成される。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そして次いで、タグは、それぞれの検出技術(例えば、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分
析)により検出される。
5.ジデオキシフィンガープリンティング(ddF)
別の方法が記載されている(ddF、Sarkarら、Genomics 13:441, 1992)。これは、遡及的および予期的方法で試験で試験された場合に、ヒト第IX因子遺伝子における単一塩基変化の100%を検出した。血友病Bを有する患者由来のゲノムDNAが分析された場合に、全部で、84中84の異なる配列変化が検出された。
簡潔に記載すると、遺伝子型決定(genotyping)または他の目的のためのタグの適用において、使用され得る1つの方法は、ジデオキシフィンガープリンティングである。この方法は、Sanger配列決定反応におけるジデオキシターミネーターを利用する。この方法の原理は、以下のとおりである:配列決定されるべき標的核酸が、標的核酸において変異されていることが既知である塩基に相補的なジデオキシターミネーターを有する反応中に入れられる。例えば、変異がA->Gの変化を生じる場合、反応はCジデオキシターミネーター反応において実施される。PCRプライマーが目的の標的配列を位置付けそして増幅するために使用される。仮定の標的配列がA->G変化を含む場合、配列の集団のサイズは、増幅された配列のジデオキシターミネーターの取り込みに起因して変化される。タグのこの特定の適用において、変異の場合の予想のサイズを有するフラグメントが生成される。タグはPCRプライマーの5'末端に付着され、そしてサンプルの型およびジデオキシターミネーターの型に「マップ」を提供する。PCR増幅反応が起こり、得られるフラグメントは、例えばHPLCまたはPAGEによりサイズで分離される。分離手順の最後に、DNAフラグメントが時間的参照枠(temporal reference frame)で採集され、タグが切断され、そして変異の存在または非存在が、所定のジデオキシターミネーターの取り込みによる未熟な鎖ターミネーターに起因する鎖長により決定される。
ddfがジデオキシ終結セグメントの獲得もしくは損失、およびまたは少なくとも1つの終結セグメントもしくは産物の移動度の変化を生じることに留意することが重要である。それゆえ、この方法において、検索は、他の分子量のフラグメントの高いバックグラウンドにおける、1つのフラグメント移動度の変化からなされる。1つの利点は、所定の変異に関連するフラグメントの長さの予知である。
本発明の1つの実施態様において、ddFの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するため、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、一般に、一連のタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程、続いてサイズに基づいて分離する工程を含む。好ましくは、サイズ分離工程は非変性的であり、そして核酸フラグメントは分離方法の前に変性される。サイズ分離工程は、例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCにより達成され得る。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そして次いで、タグは、それぞれの検出技術(例えば、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分析)により検出される。
6.制限マップおよびRFLP
制限酵素は短いDNA配列を認識し、そしてDNA分子をそれらの特異的な配列において切断する。いくつかの制限酵素(レアカッター(rare-cutter))は、DNAを非常に低頻度で切断し、少数の非常に大きなフラグメント(数千から百万bp)を生成する。大部分の酵素はDNAをより高頻度で切断し、従って多数の小さなフラグメント(百未満から千より大きいbp)を生成する。平均して、4塩基認識部位を有する制限酵素は、256塩基長の断片を生じ、6塩基認識部位は4000塩基長の断片を生じ、そして8塩基認識部位は64,000塩基長の断片を生じる。数百の異なる制限酵素が特徴付けられているので、DNAは多数の異なる小さなフラグメントに切断され得る。
広範な種々の技術が、DNA多型の分析のために開発されている。最も広範に使用されている方法である制限断片長多型(RFPL)アプローチは、制限酵素消化、ゲル電気泳動、メンブレンへのブロッティング、およびクローン化されたDNAプローブへのハイブリダイゼーションを組み合わせる。多型は、ブロット上での標識されたフラグメントの長さの変動として検出される。RFLPアプローチは、配列が制限酵素部位内に入る場合に塩基置換を分析するために、または反復単位の外側で切断する制限酵素を選択することによりミニサテライト/VNTRを分析するために使用され得る。アガロースゲルは、通常、単一の反復単位で異なるミニサテライト/VNTR対立遺伝子を区別するに必要な解像度を提供しないが、ミニサテライト/VNTRの多くは、高度に情報を与えるマーカーがなお得られ得るほど変動する。
本発明の1つの実施態様において、制限マッピングまたはRFLPの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するため、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、一般に、一連のタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程(ここで、生成されるフラグメントは制限酵素で消化される)を含む。タグを付けたフラグメントは、消化された標的核酸でのタグを付けたプローブのハイブリダイゼーション工程を実施することにより生成される。ハイブリダイゼーション工程は、制限ヌクレアーゼ消化の前または後に起こり得る。次いで、得られる消化された核酸フラグメントは、サイズで分離される。サイズ分離工程は、例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCにより達成される。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そして次いで、タグは、それぞれの検出技術(例えば、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分析)により検出される。
7.DNAフィンガープリンティング
DNAフィンガープリンティングは、特定のDNAサンプル由来の一組のDNAフラグメントのディスプレイを含む。種々のDNAフィンガープリンティング技術が現在利用可能であり(Jeffriesら、Nature 314:67, 1985; WelshおよびMcClelland, Nuc. Acids. Res. 19:861, 1991)、その大部分はフラグメントを生成するためにPCRを使用する。どのフィンガープリンティング技術を使用するかの選択は、適用(例えば、DNAタイピング、DNAマーカーマッピング)および調査下にある生物(例えば、原核生物、植物、動物、ヒト)に依存する。これらの要求を満たす多数のフィンガープリンティング方法が、過去数年間にわたって開発されている(ランダム増幅多型DNA(random amplified polymorphic DNA)(RAPD)、DNA増幅フィンガープリンティング(DNA amplification fingerprinting)(DAF)、および任意プライム化PCR(arbitrarily primed PCR)(AP-PCR)を含む)。これらの方法は、すべて、任意に選択されたPCRプライマーによるランダムなゲノムDNAフラグメントの増幅に基づく。DNAフラグメントパターンは、それ以前の配列の知見を有さない任意のDNAから生成され得る。生成されるパターンは、PCRプライマーの配列およびテンプレートDNAの性質に依存する。PCRは低アニーリング温度で実施されて、プライマーがDNAの複数の位置にアニールすることを可能にする。DNAフラグメントは、プライマー結合部位が増幅を可能にする距離内である場合に生成される。原則的に、単一のプライマーがバンドパターンを生成するために十分である。
AFLPと名付けられたDNAフィンガープリンティングのための新たな技術が記載されている(Vosら、Nuc. Acids Res. 23:4407, 1995)。AFLP技術は、PCR増幅によるゲノム制限フラグメントの検出に基づいており、そして任意の起源または複雑性のDNAのために使用され得る。簡潔に記載すると、フィンガープリントは、それ以前の配列の知見を有することなく、ジェネリックプライマーの限定された組を使用して作製される。単一の反応において検出されるフラグメントの数は、特定のプライマーの組の選択により「調整(tune)」され得る。AFLP技術は頑強であり、そして信頼がおける。なぜなら、ストリンジェントな反応条件が、プライマーのアニーリングのために使用されるからである:RFLP技術の信頼性は、PCR技術の能力と組み合わせられる。
本発明の1つの実施態様において、DNAフィンガープリンティングの技術を利用して、例えば、生物学的サンプルにおいて、核酸分子の同一性を決定するため、または選択された核酸分子を検出するための方法が提供される。簡潔に記載すると、そのような方法は、一般に、一連のタグを付けた核酸フラグメントを生成する工程、続いてサイズでのフラグメントの分離を含む。サイズ分離工程は、例えば、ゲル電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動)または好ましくはHPLCにより達成される。次いで、タグは分離されたフラグメントから切断され、そして次いで、タグは、それぞれの検出技術(例えば、質量分析、赤外分光分析、定電位電流測定、またはUV分光分析)により検出される。
8.切断可能タグの遺伝子型決定および多型検出への適用
a.緒言
少数の既知のヒトDNA多型は非反復配列の挿入、欠失またはその他の再編成に基づいているが、大部分は単一塩基置換または縦列反復の数の変動のいずれかに基づいている。塩基置換はヒトゲノムにおいて非常に豊富であり、平均で200〜500 bpに1回生じる。縦列反復のブロックにおける長さの変動もまたゲノムにおいて一般的であり、数千の散在する多型部位(遺伝子座と称する)中少なくとも数十である。縦列反復多型についての反復長は、(dA)n(dT)n配列における1bpからα-サテライトDNAにおける少なくとも170 bpの範囲である。縦列反復多型は2つの主要な群に分けられ得、これは、数十塩基対の代表的な反復長および数十から数千の総反復単位を有するミニサテライト/可変数の縦列反復(variable number of tandem repeats)(VNTR)、および6bpまでの反復長および約70 bpの最大全長を有するマイクロサテライトからなる。今日までに同定されているマイクロサテライト多型の大部分は、(dC-dA)nまたは(dG-dT)nジヌクレオチド反復配列に基づいていた。マイクロサテライト多型の分析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による反復のブロックを含むDNAの小フラグメントの増幅、続いて増幅されたDNAの変性ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動を含む。PCRプライマーは、反復のブロックに隣接する特有の配列に相補的である。アガロースゲルではなくポリアクリルアミドゲルがマイクロサテライトのために従来使用されている。なぜなら、対立遺伝子はしばしばサイズが単一の反復でのみ異なるからである。
従って、本発明の1つの局面において、選択された生物を遺伝子型決定するための方法が提供される。この方法は、(a) 選択された標的分子からタグを付けた核酸分子を生成させる工程であって、ここでタグは特定のフラグメントと相関的であり、そして非蛍光分光分析または電位差測定により検出可能である、工程、(b) タグを付けた分子を連続的長さにより分離する工程、(c) タグをタグを付けた分子から切断する工程、および(d) タグを非蛍光分光分析または電位差測定により検出し、それから生物の遺伝子型を決定する工程、を含む。
別の局面において、選択された生物を遺伝子型決定するための方法が提供される。この方法は、(a) タグを付けた核酸分子を選択された標的分子と、タグを付けた分子の標的分子へのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、そしてタグを付けた分子の標的分子へのハイブリダイゼーションを可能にするに十分な時間、組み合わせる工程であって、ここで、タグは特定のフラグメントと相関的であり、そして非蛍光分光分析または電位差測定により検出され得る、工程、(b) タグを付けたフラグメントを連続的長さにより分離する工程、(c) タグをタグを付けたフラグメントから切断する工程、および(d) タグを非蛍光分光分析または電位差測定により検出し、それから生物の遺伝子型を決定する工程、を含む。
b.切断可能タグの遺伝子型決定への適用
制限酵素断片長多型(RFLP)を同定するためのPCRアプローチは、ゲル電気泳動および特定のPCRプライマーに関連するタグの検出を組み合わせる。一般に、1つのPCRプライマーは1つの特定のタグを有する。それゆえ、タグは1組のPCRプライマーを、それゆえ事前に決定されたDNAフラグメント長を代表する。多型は、ゲルの中またはゲルから溶出する標識フラグメントの長さの変動として検出される。ポリアクリルアミドゲル電気泳動は通常、単一の反復単位で異なるミニサテライト/VNTR対立遺伝子を区別するために必要な解像度を提供する。マイクロサテライト多型の分析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による反復のブロックを含むDNAの小フラグメントの増幅、続いて増幅されたDNAの変性ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動、または続いてDNAフラグメントのHPLCでの分離を含む。増幅されたDNAは、プライマーの5'末端に切断可能タグを有するプライマーを使用して標識される。プライマーは、鎖伸長により新たに合成される鎖に取り込まれる。PCRプライマーは、反復のブロックに隣接する特有の配列に相補的である。上記のマイクロサテライトと同様に、ミニサテライト/VNTR多型もまた増幅され得る。
多数の型のDNA配列多型の記載は、ヒトゲノムの構造の理解のための根本的基礎を提供した(Botsteinら、Am. J. Human Genetics 32:p314, 1980; Donis-Keller, Cell 51:319, 1987; Weissenbachら、Nature 359:794)。広範なフレームワーク連鎖地図の構築はこれらのDNA多型の使用により促進され、そして連関による疾患遺伝子の局在化のための実用的な手段を提供した。マイクロサテライトジヌクレオチドマーカーは、変異を含み、そしていくつかの場合において疾患を引き起こすことが示されたヒト遺伝子の同定における非常に強力な手段であることが判明している。ゲノムジヌクレオチド反復は高度に多型性であり(Weber, 1990, Genomic Analysis, 第1巻, 159-181頁, Cold Spring Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; WeberおよびWong, 1993, Hum. Mol. Genetics, 2, 1123頁)、そして24までの対立遺伝子を有し得る。マイクロサテライトジヌクレオチド反復は、ジヌクレオチド反復の周囲の特有の領域に相補的なプライマーを使用して、PCRにより増幅され得る。増幅後、いくつかの増幅された遺伝子座が、サイズ分離工程の前に合わされる(多重化される(multiplexed))。増幅されたマイクロサテライトフラグメントをサイズ分離工程に適用し、次いでサイズを、それゆえ対立遺伝子を同定するプロセスは、遺伝子型決定として知られる。高レベルの多重化を可能にする染色体特異的マーカーが、連関分析の全ゲノムスキャンを実施するために報告されている(Daviesら、1994, Nature, 371, 130頁)。
タグは、マイクロサテライトを用いて遺伝子型決定することにおける大きな効果を有して使用され得る。簡潔に記載すると、PCRプライマーがタグを有するように構築され、そしてジ-、トリ-、またはテトラ-ヌクレオチド反復を増幅するために注意深く選択されたPC反応において使用される。次いで、増幅産物は、サイズに従って、HPLCまたはPAGEのような方法により分離される。次いでDNAフラグメントは時間的様式で回収され、タグはそのそれぞれのDNAフラグメントから切断され、そして長さはサイズ分離工程における内部標準に対する比較から推定される。対立遺伝子の同定は、増幅産物のサイズに対する参照からなされる。
遺伝子型決定への切断可能タグアプローチを用いて、複数のサンプルを単一の分離工程で組み合わせることが可能である。これが実施され得る2つの一般的な方法が存在する。高スループットスクリーニングのための第1の一般的な方法は、個体の大きな群における単一の多型の検出である。このシナリオ(senario)において、単一のまたはネストされた(nested)組のPCRプライマーが使用され、各々の増幅は1反応当たり1つのDNAサンプル型を用いて行われる。分離工程において組み合わされ得るサンプルの数は、1検出技術当たり生成され得る切断可能タグの数に比例する(すなわち、質量分析計タグについては400〜600)。それゆえ、個体の大きな群における1からいくつかの多型を同時に同定することが可能である。第2のアプローチは、多数の多型を単一のDNAサンプルに対して同定(例えば、個体を遺伝子型決定)し得る複数の組のPCRプライマーを使用することである。このアプローチにおいて、PCRプライマーは単一の増幅反応中で組み合わされ、これは異なる長さのPCR産物を生成する。各々のプライマー対またはネストされた組は、特異的切断タグによりコードされ、これは各々のPCRフラグメントが特異的タグを有してコードされることを意味する。反応は単一の分離工程で行われる(以下を参照のこと)。分離工程において組み合わされ得るサンプルの数は、1検出技術あたり生成され得る切断可能タグの数に比例する(すなわち、質量分析計タグについては400〜600)。
c.変異の酵素的検出およびタグの適用
この特定の適用または方法において、ヘテロ二重鎖中のミスマッチが、所定の核酸二重鎖中のミスマッチする塩基対の酵素的切断により検出される。変異の存在について試験されるべきDNA配列は特定の組のプライマーを使用するPCRにより増幅され、増幅産物は変性されそして変性された参照フラグメントと混合され、そしてハイブリダイズされ、これはヘテロ二重鎖の形成を生じる。次いで、ヘテロ二重鎖は、ミスマッチが存在する場合に二重鎖を認識および切断する酵素で処理される。そのような酵素はヌクレアーゼS1、マングビーンヌクレアーゼ、「リゾルベース」、T4エンドヌクレアーゼIVなどである。本質的に、ミスマッチをインビトロにおいて認識し、そして生じるミスマッチを切断する任意の酵素が使用され得る。適切な酵素での処理後、DNA二重鎖はサイズで、例えばHPLCまたはPAGEにより分離される。DNAフラグメントは時間的に回収される。タグは切断され、そして検出される。変異の存在は、野生型参照フラグメントに比較してのフラグメントの移動度の変化により検出される。
d.タグのオリゴヌクレオチド連結アッセイ(OLA)への適用
Landegrenら(Landegenら、Science 241:487,1988)によりもともと記載されるようなオリゴヌクレオチド連結アッセイは、非常に大きくそして複雑なゲノムにおける配列(既知の)の同定のための有用な技術である。OLA反応の原理は、リガーゼの、2つの診断的オリゴヌクレオチドを、それらが所定のDNA標的上で互いに隣接してハイブリダイズする場合に共有結合する能力に基づく。プローブ連結部における配列が完全には塩基対合しない場合、プローブはリガーゼによって連結されない。熱安定性リガーゼの、「上流」プローブの3'末端に配置された場合に可能な単一塩基対の差異を識別する能力は、単一塩基対解像度の機会を提供する(Barony, PNAS USA 88:189, 1991)。タグの適用において、タグはプローブに付着され、これは増幅産物に連結される。OLRの完了後、フラグメントはサイズに基づいて分離され、タグは切断され、そして質量分析により検出される。
e.配列特異的増幅
変異体または正常オリゴヌクレオチド配列のいずれかに相補的な3'末端を有するPCRプライマーが、一方または他方の対立遺伝子を選択的に増幅するために使用され得る(Newtonら、Nuc. Acids Res., 17, 2503頁; ら、1989, Genomics, 5, 535頁; Okayamaら、1989, J. Lab. Clin. Med., 114, 105頁; Sommerら、1989, Mayo Clin. Proc., 64, 1361; Wuら、PNAS USA, 86, 2757頁)。通常、PCR産物は増幅後にPAGEにより可視化されるが、配列特異的増幅の原理は固相形式に適用され得る。
f.タグのいくつかの増幅に基づくアッセイへの可能な適用
ウイルスの遺伝子型決定:タグの可能な適用は、タグを付けたプローブとのハイブリダイゼーションによるウイルスの遺伝子型決定または同定である。例えば、F+ RNA大腸菌ファージは、腸内ウイルス汚染についての指標としての有用な候補であり得る。核酸ハイブリダイゼーション方法による遺伝子型決定は、信頼性の高い、迅速な、簡便な、そして安価な、血清型決定(serotyping)の代替物である(Kafatosら、Nucleic Acids Res. 7:1541, 1979)。増幅技術および核酸ハイブリダイゼーション技術は、種々の微生物(E. coli(Feng, Mol. Cell Probes 7:151, 1993)、ロタウイルス(Sethabutrら、J. Med Virol. 37:192, 1992)、C型肝炎ウイルス(Stuyverら、J. Gen Virol. 74:1093, 1993)、および単純ヘルペスウイルス(Matsumotoら、J. Virol. Methods 40:119, 1992)を含む)を分類するために首尾良く使用されている。
ガンにおける変異分析の予後徴候的適用:遺伝的変化は、種々の実験哺乳動物およびヒト新生物において記載されており、そして発ガンにおいて観察される形態学的変化の順序についての形態学的基礎を表す(Vogelsteinら、NEJM 319:525, 1988)。分子生物学技術の出現をともなう近年、特定の染色体における対立遺伝子消失、またはガン抑制遺伝子の変異、ならびにいくつかのオンコジーン(例えば、c-myc、c-jun、およびrasファミリー)における変異が、大部分の研究されたものであった。以前の研究(Finkelsteinら、Arch Surg. 128:526, 1993)は、K-rasオンコジーンにおける点変異の特定の型と結腸直腸ガンにおける診断での病期との間の相関を同定した。結果は、変異分析が腫瘍の攻撃性の重要な情報(転移のパターンおよび広がりを含む)を提供し得ることを示唆した。結腸の第III期ガンにおけるTP53およびK-ras-2変異分析の予後徴候の値がより最近に実証されている(Pricoloら、Am. J. Surg. 171:41, 1996)。それゆえ、腫瘍および前ガン性細胞の遺伝子型決定、ならびに特異的変異検出が、ヒトにおけるガンの処置において漸増的に重要になることが明らかである。
C. 核酸フラグメントの分離
分析を必要とするサンプルはしばしば、複合体マトリックス中の多数の成分の混合物である。未知の化合物を含むサンプルについては、成分は、それぞれ個々の成分が他の分析方法により同定され得るように互いに分離されなければならない。混合物中の成分の分離特性は一定の条件下で一定であり、従って一旦決定されると、これらは各成分を同定および定量するために使用され得る。このような手順は、クロマトグラフ的および電気泳動的な分析分離において代表的である。
1. 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、溶液中に溶解された化合物を分離するためのクロマトグラフ的分離技術である。HPLC機器は、移動相のリザーバー、ポンプ、インジェクター、分離カラム、および検出器からなる。化合物は、サンプル混合物のアリコートをカラムに注入することにより分離される。混合物中の異なる成分は、これらの移動液相と固定相との間の分配挙動の差異に起因して異なる速度でカラムを通過する。
最近、化学的に結合したアルキル鎖を有する非多孔性PS/DVB粒子でのIP-RO-HPLCは、一本鎖および二本鎖の両方の核酸の分析において類似の程度の分解能を提供するキャピラリー電気泳動に対して迅速な代案となることが示されている(Huberら、Anal.Biochem.212:351,1993;Huberら、1993,Nuc.Acids Res.21:1061;Huberら、Biotechniques 16:898,1993)。二本鎖DNAを鎖長の関数として保持するとは限らない(AT塩基対は正に荷電した固定相と、GC塩基対よりも強力に相互作用するので)イオン交換クロマトグラフィーとは対照的に、IP-RP-HPLCは、厳密なサイズ依存性分離を可能にする。
100mMのトリエチルアンモニウムアセテートをイオン対試薬として使用する方法が開発され、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドが、高速液体クロマトグラフィー(Oefnerら、Anal.Biochem.223:39,1994)の方法により、アルキル化された非多孔性2.3μMポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)粒子上で首尾良く分離され得た。記載された技術は、50〜200ヌクレオチドのサイズの範囲内においてわずか4〜8塩基対の長さが異なるPCR産物の分離を可能にした。
2. 電気泳動
電気泳動は、電場内でのイオン(または本明細書中で記載される場合のようなDNA)の移動度に基づく分離技術である。負に荷電したDNAは正極に向かって移動し、そして正に荷電したイオンは負極に向かって移動する。安全性の理由のために、一方の電極は通常は接地され、他方の電極は正または負にバイアスをかけられている。荷電した種は、これらの総電荷、サイズ、および形に依存する、異なる移動速度を有し、従って、分離され得る。電極装置は、高電圧電源、電極、緩衝液、および緩衝液のためのポリアクリルアミドゲルまたはキャピラリーチューブのような支持体からなる。オープンキャピラリーチューブが、多くのタイプのサンプルのために使用され、そして他のゲル支持体が、通常は、生物学的サンプル(例えば、タンパク質混合物またはDNAフラグメント)のために使用される。
3. キャピラリー電気泳動(CE)
その種々の出現(フリーソリューション(free solution)、等速電気泳動、等電点電気泳動、ポリアクリルアミドゲル、ミセル動電の「クロマトグラフィー」)におけるキャピラリー電気泳動(CE)は、非常にわずかなサンプル量である複雑な混合物の、迅速で高い分解能の分離のための方法として開発されている。MSの本来の感度および選択性との併用において、CE-MSは、生体分析のための潜在的に強力な技術である。本明細書中に開示される新規な適用において、これら2つの技術を調和させることは、配列決定法の現在の速度を数桁の規模で越える優れたDNA配列決定法に至る。
CEとエレクトロスプレーイオン化(ESI)との間の流速の対応および両方が溶液中でイオン種により促進される(そして主にイオン種のために使用される)という事実は、非常に魅力的な組み合わせについての基礎を提供する。ESIに基づく、四重極(quadrapole)型質量分析計を有するキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)およびキャピラリー等速電気泳動の両方の組み合わせが記載されている(Olivaresら、Anal.Chem.59:1230,1987;Smithら、Anal.Chem.60:436,1988;Looら、Anal.Chem.179:404,1989;Edmondsら、J.Chroma.474:21,1989;Looら、J.Microcolumn Sep.1:223,1989;Leeら、J.Chromatog.458:313,1988;Smithら、J.Chromatog.480:211,1989;Greseら、J.Am.Chem.Soc.111:2835,1989)。小さなペプチドは、良好な(フェントモル)感度でCZE分析で容易に分析できる。
DNAフラグメントのための最も強力な分離方法は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)であり、一般にスラブゲルの型である。しかし、現代の技術の主な限界は、配列決定反応により生成されたDNAフラグメントのゲル電気泳動を実施するために必要とされる比較的長い時間である。増大した規模(10倍)が、超薄ゲルを利用するキャピラリー電気泳動の使用で達成され得る。第一の近似値に対するフリーソリューションにおいて、全てのDNAは、塩基の追加が質量および電荷の代償を生じる移動度と同じ移動度で移動する。ポリアクリルアミドゲルにおいて、DNAフラグメントはふるいにかけられ、そして長さの関数として移動し、そしてこのアプローチは、現在、CEに適用されている。1メーターあたりの著しいプレート数が、現在、架橋ポリアクリルアミドで達成されている(1メーターあたり10+7プレート、Cohenら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 85:9660,1988)。記載されるようにこのようなCEカラムは、DNA配列決定のために使用され得る。CEの方法は、原則として、標準的なシークエンサーにおけるスラブゲル電気泳動よりも25倍早い。例えば、1時間あたり約300塩基が解読され得る。分離速度は、スラブゲル電気泳動において過剰の熱生成を伴わずにゲルに適用され得る電場の規模により制限される。従って、CEのより大きな速度は、より高い電界強度の使用を介して達成され得る(CEにおいて300V/cm対スラブゲル電気泳動において10V/cm)。キャピラリーの型はアンペア数を減らし、従って、電源および生じる熱生成を減少する。
Smithおよび他の者(Smithら、Nuc.Acids.Res.18:4417,1990)は、処理能力を増大するために複数のキャピラリーを平行に使用することを示唆している。同様に、MathiesおよびHuang(MathiesおよびHuang、Nature 359:167,1992)は、分離がキャピラリーの平行のアレイ上で実施され、そして高い配列決定処理能力を示すキャピラリー電気泳動を導入した(Huangら、Anal.Chem.64:967,1992,Huangら、Anal.Chem.64:2149,1992)。キャピラリー電気泳動の主な不利は、キャピラリー上にロードされ得る限定されたサンプル量である。分離前に、キャピラリーの初めに大量のサンプルを濃縮することにより、負荷能力(loadability)が増大し、そして検出レベルが数桁の規模で低くなり得る。CEにおける予備濃縮の最もポピュラーな方法は、サンプルの積層である。サンプルの積層は、最近、総説されている(ChienおよびBurgi、Anal.Chem.64:489A,1992)。サンプルの積層は、サンプル緩衝液とキャピラリー緩衝液との間のマトリックスの差異(pH、イオン強度)に依存し、その結果、サンプルのゾーンを横切る電場は、キャピラリー領域より大きくなる。サンプルの積層において、低濃度緩衝液中の大量のサンプルは、キャピラリーカラムの上部での予備濃縮のために導入される。キャピラリーは、同一成分であるが高濃度の緩衝液で充填される。サンプルのイオンがキャピラリー緩衝液およびより低い電場に到達した場合、これらは濃縮ゾーンに積層される。サンプルの積層は、1〜3桁の規模で検出性を増大する。
予備濃縮の別の方法が、分析物のフリーゾーンCE分離の前に等速電気泳動(ITP)に適用される。ITPは、CEに代表的に関連する低いnL注入容量と対照的に、μl容量のサンプルをキャピラリーにロードさせる電気泳動的技術である。この技術は、分析物よりもそれぞれ高い移動度および低い移動度の2つの緩衝液(リーディングおよびトレーリングの電解液)の間にサンプルを挿入することに依存する。この技術は、本質的に、分析物が同じ速度で移動する純粋なゾーンに集中する濃縮技術である。リーディングおよびトレーリングの電解液のいくつかの選択の必要性および分離プロセスの間のカチオン種またはアニオン種のみを分離する能力のために、この技術は、現在、上記の積層方法よりもポピュラーではない。
DNA配列決定プロセスの核心は、DNAまたはオリゴヌクレオチドフラグメントの非常に選択的な電気泳動的分離である。これは、各フラグメントが解析され、そしてわずかなヌクレオチドが異なることから、著しい。1000フラグメント(1000bp)までの分離が得られている。切断可能(cleavable)なタグを用いる配列決定のさらなる利点は、以下のようである。切断可能なタグが使用されて、DNAフラグメントがポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離される場合、スラブゲルの型を使用する必要性はない。多数のサンプル(4〜2000)が併用されるので、現在の色素プライマーまたは色素ターミネーター方法(すなわち、ABI373シーケンサー)の場合のように、平行にサンプルを流す必要はない。平行なレーンを流す理由がないので、スラブゲルを使用する理由がない。従って、電気泳動的分離方法のためにチューブゲルの型が使用され得る。Grossman(Grossmanら、Genet.Anal.Tech.Appl.9:9,1992)は、スラブゲルの型の代わりにチューブゲルの型が使用される場合、かなりの利点が得られることを示している。これは、スラブゲルと比較してチューブの型においてジュール熱を散逸するより優れた能力に起因し、この能力はより早い運転時間(50%まで)および高分子量のDNAフラグメント(1000ntを超える)のかなり高い分解能を生じる。長い解読は、ゲノム配列決定において重要である。従って、配列決定における切断可能なタグの使用は、ユーザーに最も高い分解能を有する最も効率的かつ敏感なDNA分離方法の使用を可能にするさらなる利点を有する。
4. マイクロ作製デバイス(microfabricated device)
キャピラリー電気泳動(CE)は、DNA配列決定、法医学的分析、PCR産物分析、および制限フラグメントサイジングのための強力な方法である。CEは、キャピラリーゲルにかなりより高い電場が適用され得るので、従来のスラブPAGEよりもかなり迅速である。しかし、CEは、ただ1つのサンプルがゲルあたり処理される欠点を有する。この方法は、CEのより迅速な分離時間と、並行して複数のサンプルを分析する能力とを組み合わせる。マイクロ作製デバイスの使用の後ろにある基本的な概念は、レーンの寸法を約100μmに縮小化することにより、電気泳動における情報密度を増加させる能力である。エレクトロニクス産業は、1ミクロン未満のサイズの特徴を有する回路を作製するようなマイクロ作製を日常的に使用する。キャピラリーアレイの電流密度は、キャピラリーチューブの外径で制限される。チャネルのマイクロ作製は、より密度の高いアレイを作製する。マイクロ作製はまた、ガラスファイバーを用いて可能でない物理的組立を可能にし、そしてチャネルをチップ上で他のデバイスに直接的に連結する。わずかなデバイスが、分離技術のためにマイクロチップ上で構築されている。ガスクロマトグラフ(Terryら、IEEE Trans.Electron Device,ED-26:1880,1979)および液体クロマトグラフ(Manzら、Sens.Actuators B1:249,1990)が、シリコンチップ上で作製されているが、これらのデバイスは広く使用されていない。いくつかのグループが、マイクロ作製デバイスでの蛍光色素およびアミノ酸の分離を報告している(Manzら、J.Chromatography 593:253,1992,Effenhauserら、Anal.Chem. 65:2637,1993)。最近、WoolleyおよびMathies(WoolleyおよびMathies、Proc.Natl.Acad.Sci.91:11348,1994)は、ガラス基板上で多数の分離チャネルを作製するために使用され得るフォトリソグラフィーおよび化学的エッチングを示している。このチャネルは、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)分離マトリックスで充填される。これは、DNA制限フラグメントが、わずか2分で分離され得たことを示した。
D. タグの切断
上記のように、異なるリンカーの設計は、異なる特定の物理的または化学的条件下で切断性(cleavability)(「不安定性」)を与える。種々の設計のリンカーを切断するように作用する条件の例は、酸、塩基、酸化、還元、フッ化物、チオール交換、光分解、および酵素的条件を含む。
上記リンカーの一般基準を満足する切断性リンカーの例は、当該分野で周知であり、そしてPierce(Rockford,IL)から入手可能なカタログ中に見出される切断性リンカーを含む。例は、以下を含む:
・エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ヒドロキシルアミンにより切断可能であるアミン反応性架橋試薬(1M、37℃で3〜6時間);
・ジスクシンイミジルタルタレート(DST)およびスルホ-DST、これらは、0.015Mの過ヨウ素酸ナトリウムにより切断可能なアミン反応性架橋試薬である;
・ビス[2-(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)およびスルホ-BSOCOES、これらは、塩基(pH 11.6)により切断可能なアミン反応性架橋試薬である;
・1,4-ジ-{3'-(2'-ピリジルジチオ(プロピオンアミド))ブタン(DPDPB)、チオール交換または還元により切断可能であるピリジルジチオール架橋剤;
・N-[4-(p-アジドサリチルアミド)-ブチル]-3'-(2'-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、チオール交換または還元により切断可能であるピリジルジチオール架橋剤;
・ビス-[β-4-(アジドサリチルアミド)エチル]-ジスルフィド、チオール交換または還元により切断可能である光反応性架橋剤;
・N-スクシンイミジル-(4-アジドフェニル)-1,3'ジチオプロピオネート(SADP)、チオール交換または還元により切断可能である光反応性架橋剤;
・スルホスクシンイミジル-2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SAED)、チオール交換または還元により切断可能である光反応性架橋剤;
・スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3'ジチオプロピオネート(SAND)、チオール交換または還元により切断可能である光反応性架橋剤。
タグを放出するために使用され得る切断性リンカーおよび切断条件の他の例は、以下のようである。シリル結合基は、フッ化物または酸性条件下により切断され得る。3-,4-,5-,または6-置換-2-ニトロベンジルオキシまたは2-,3-,5-,または6-置換-4-ニトロベンジルオキシ結合基は、光子の供給(光分解)により切断され得る。3-,4-,5-,または6-置換-2-アルコキシフェノキシまたは2-,3-,5-,または6-置換-4-アルコキシフェノキシ結合基は、Ce(NH4)2(NO3)6(酸化)により切断され得る。NCO2(ウレタン)リンカーは、水酸化物(塩基)、酸、またはLiAlH4(還元)により切断され得る。3-ペンテニル、2-ブテニル、または1-ブテニル結合基は、O3、OsO4/IO4 -、またはKMnO4(酸化)により切断され得る。2-[3-,4-,または5-置換-フリル]オキシ結合基は、O2、Br2、MeOH、または酸により切断され得る。
他の不安定な結合基の切断のための条件は、以下を含む:t-アルキルオキシ結合基は、酸により分解され得る;メチル(ジアルキル)メトキシまたは4-置換-2-アルキル-1,3,-ジオキシラン-2-イル結合基は、H3O+により分解され得る;2-シリルエトキシ結合基は、フッ化物または酸により分解され得る;2-(X)-エトキシ(ここで、X=ケト、エステルアミド、シアノ、NO2、スルフィド、スルホキシド、スルホン)結合基は、アルカリ条件下で切断され得る;2-,3-,4-,5-,または6-置換-ベンジルオキシ結合基は、酸によるかまたは還元的条件下で切断され得る;2-ブテニルオキシ結合基は、(Ph3P)3RhCl(H)により切断され得、3-,4-,5-,または6-置換-2-ブロモフェノキシ結合基は、Li、Mg、またはBuLiにより切断され得る;メチルチオメトキシ結合基は、Hg2+により切断され得る;2-(X)-エチルオキシ(ここで、X=ハロゲン)結合基は、ZnまたはMgにより切断され得る;2-ヒドロキシエチルオキシ結合基は、酸化(例えば、Pb(OAc)4)により切断され得る。
好ましいリンカーは、酸または光分解により切断され得るリンカーである。固相ペプチド合成のために開発されたいくつかの酸不安定なリンカーは、MOIにタグを結合するために有用である。いくつかのこれらのリンカーは、Lloyd-Williamsら(Tetrahedron 49:11065-11133,1993)により最近の総説に記載されている。一つの有用なタイプのリンカーは、p-アルコキシベンジルアルコールであり、その2つである4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸および4-(4-ヒドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ)酪酸がAdvanced ChemTech(Louisville,KY)より市販されている。両方のリンカーは、ベンジルアルコールへのエステル結合を介してタグに結合され得、そしてカルボン酸へのアミド結合を介してアミン含有MOIに結合され得る。これらの分子により結合されたタグは、種々のトリフルオロ酢酸の濃度を用いてMOIから放出される。これらのリンカーの切断は、タグ上でのカルボン酸の遊離を生じる。関連するリンカー(例えば、2,4-ジメトキシ-4'-(カルボキシメチルオキシ)-ベンズヒドリルアミン(Advanced ChemTechよりFMOC保護化形態で入手可能))を介して結合したタグの酸切断は、放出されたタグ上でのカルボン酸アミドの遊離を生じる。
この適用に有用な感光性リンカーはまた、大多数が、固相ペプチド合成のために開発されている(Lloyd-Williamsの総説を参照のこと)。これらのリンカーは、通常は、2-ニトロベンジルエステルまたは2-ニトロベンジルアミドに基づく。文献に最近報告されている感光性リンカーの2つの例は、4-(4-(1-Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)酪酸(HolmesおよびJones、J.Org.Chem.60:2318-2319,1995)および3-(Fmoc-アミノ)-3-(2-ニトロフェニル)プロピオン酸(Brownら、Molecular Diversity 1:4-12,1995)である。両方のリンカーは、カルボン酸を介してMOI上のアミンに結合され得る。タグのリンカーへの結合は、タグ上のカルボン酸とリンカー上のアミンとの間にアミドを形成することにより作製される。感光性リンカーの切断は、通常は、当該分野で公知の強度および時間で350nm波長のUV光を用いて実施される。光化学的切断のための装置の供給源の例は、Aura Industries Inc.(Staten Island,NY)およびAgrenetics(Wilmington,MA)である。リンカーの切断は、タグ上の1級アミドの遊離を生じる。光切断性リンカーの例は、ニトロフェニルグリシンエステル、エキソ-およびエンド-2-ベンゾノルボルネイル(benzonorborneyl)クロライドおよびメタンスルホネート、ならびに3-アミノ-3(2-ニトロフェニル)プロピオン酸を含む。酵素的切断の例は、エステル結合を切断するエステラーゼ、ホスホジエステル結合を切断するヌクレアーゼ、ペプチド結合を切断するプロテアーゼなどを含む。
E. タグの検出
検出方法は、代表的には、いくつかのタイプのスペクトル領域における吸収および発光に依存する。原子または分子が光を吸収する場合、入射エネルギーは、量子化された構造をより高いエネルギーレベルへ励起する。励起のタイプは、光の波長に依存する。電子は、紫外光または可視光により、より高い軌道に活性化され、分子振動は、赤外光により励起され、そして回転は、マイクロ波により励起される。吸収スペクトルは、波長の関数としての光の吸収である。原子または分子のスペクトルは、そのエネルギーレベル構造に依存する。吸収スペクトルは、化合物の同定に有用である。比吸光分光光度的方法は、原子吸光分光法(AA)、赤外分光法(IR)、およびUV-vis分光法(uv-vis)が含まれる。
高エネルギーレベルに励起される原子または分子は、光線を放射することにより低いレベルに減衰し得る。光の発光は、遷移が同一スピン間の場合は蛍光と呼ばれ、遷移が異なるスピン間で生じる場合はリン光と呼ばれる。分析物の発光強度は、濃度(低濃度で)に直線的に比例し、そして発光種を定量するために有用である。比発光分光光度的方法は、原子発光分析(AES)、原子蛍光分析(AFS)、分子レーザー誘起蛍光(LIF)、およびX線蛍光(XRF)を含む。
電磁波が物質を通過する場合、大部分の光線が元の方向で存続するが、少量が他の方向に散乱する。入射光として同一の波長で散乱する光は、Rayleigh散乱と呼ばれる。振動のために透明な固体中で散乱する光(フォノン)は、Brillouin散乱と呼ばれる。Brillouin散乱は、代表的には、入射光から0.1〜1波数シフトする。分子中の振動または不透明な固体中の光学的フォノンにより散乱する光は、ラマン散乱と呼ばれる。ラマン散乱光は、入射光から4000波数と同じ量シフトする。特定の散乱分光学的方法は、ラマン分光法を含む。
IR分光法は、サンプルによる中間赤外光(mid-infrared light)の吸収の波長および強度の測定である。中間赤外光(2.5〜50μm、4000〜200cm-1)は、分子振動をより高いエネルギーレベルに励起するのに十分にエネルギー性である。IR吸収帯の波長は、化学結合の特定のタイプに特徴的であり、そしてIR分光法は、一般に、有機および有機金属分子の同定に最も有用である。
近赤外光吸収分光法(NIR)は、サンプルによる近赤外光の吸収の波長および強度の測定である。近赤外光は、800nm〜2.5μm(12,500〜4000cm-1)の範囲にわたり、そして分子振動の倍音および組み合わせをより高いエネルギーレベルに励起するのに十分にエネルギー性である。NIR分光法は、代表的には、有機の官能基(特にO-H、N-H、およびC=O)の定量的測定のために使用される。NIRの器械類の構成装置および設計は、uv-vis吸収分光計と同様である。光源は通常、タングステンランプであり、そして検出器は通常、PbS固体検出器(solid-state detector)である。サンプルホルダーは、ガラスまたは石英であり得、そして代表的な溶媒は、CCl4およびCS2である。NIR分光法の便利な器械類は、オンラインのモニタリングおよびプロセス制御に適している。
紫外および可視吸収分光法(uv-vis)は、サンプルによる近紫外および可視光の吸収の波長および強度の測定である。真空UVの吸収は100〜200nm(105〜50,000cm-1)、石英UVの吸収は200〜350nm(50,000〜28,570cm-1)、および可視の吸収は350〜800nm(28,570〜12,500cm-1)で起こり、そしてBeer-Lambert-Bouguetの法則により述べられる。紫外および可視光は、外殻電子をより高いエネルギーレベルに促進するのに十分にエネルギー性である。UV-vis分光法は通常、溶液中の分子および無機イオンまたは錯体に適用され得る。uv-visスペクトルは、スペクトルの広範な特徴により限定される。光源は、通常、UV測定については水素または重水素ランプであり、そして可視測定についてはタングステンランプである。これらの連続する光源の波長は、波長分離器(例えば、プリズムまたは格子モノクロメーター)を用いて選択される。スペクトルは波長分離器を走査することにより得られ、そして定量測定がスペクトルからまたは単一の波長で行われ得る。
質量分析計は、イオン化された原子または分子の質量対電荷比(m/z)の差異を使用して、それらをお互いに分離する。それ故、質量分析法は、原子または分子の定量のために、そしてまた、分子についての化学的および構造的情報を決定するために有用である。分子は、化合物を同定するための構造的情報を提供する特有の断片化パターンを有する。質量分析計の一般的な操作は、以下のようである。気相イオンが作製され、イオンがその質量対電荷比に基づいて空間または時間で分離され、そして各質量対電荷比のイオンの量が測定される。質量分析計のイオン分離力は、分解能により述べられ、これはR=m/Δmとして定義される。ここで、mはイオン質量であり、そしてΔmは質量スペクトルにおける2つの分離可能なピークの間の質量の差異である。例えば、1000の分解能を有する質量分析計は、m/zが100.1のイオンからm/zが100.0のイオンを分離し得る。
一般に、質量分析計(MS)は、イオン源、質量選択的な分析器、およびイオン検出からなる。磁気セクター型、四重極型、および飛行時間型の設計もまた、イオンを供給源領域から質量分析器に移すために、イオン光学の抽出および加速を必要とする。いくつかの質量分析器の設計(磁気セクター型MS、四重極型MS、または飛行時間型MS)の詳細は、以下で議論される。磁気セクター型MSのための一重集束型(focusing)分析器は、180、90、または60°の粒子ビーム経路を利用する。粒子に影響を与える種々の力は、異なる質量電荷比を有するイオンを分離する。二重集束型分析計では、静電気的分析器は、動力学的エネルギーの差異を有する粒子を分離するためにこのタイプの装置に加えられる。
四重極型MSのための四重極型質量フィルターは、平行に配列された4つの金属ロッドからなる。印加電圧は,4つのロッドの間の中心である飛行経路を進み下りてくるイオンの軌道に影響を与える。所定のDCおよびAC電圧のために、特定の質量対電荷比のイオンのみが四重極型フィルターを通過し、そして全ての他のイオンはそれらの元の経路の外へ投げられる。質量スペクトルは、ロッド上の電圧が変化する際の四重極型フィルターを通過するイオンをモニターすることにより得られる。
飛行時間型質量分析計は、異なる質量のイオンを分離するために、「ドリフト領域」を通過する移動時間の差異を使用する。これは、イオンがパルスで生成されるべきそして/またはパルスで抽出されるべきであるように、パルスモードで稼働する。パルスされた電場は、qVの動力学的エネルギー(ここで、qはイオン電荷であり、そしてVは、印加電圧である)で、全てのイオンを場のない(field-free)ドリフト領域へ向けて加速する。イオンの動力学的エネルギーは0.5mV2であるので、より軽いイオンはより重いイオンよりもより高い速度を有し、そしてより早くドリフト領域の末端の検出器に到達する。イオン検出器の出力は、時間の関数としてオシロスコープ上に示されて質量スペクトルを作成する。
イオン形成手順は、質量分析の開始点である。化学イオン化は、分析分子(タグ)と反応する試薬イオンを使用して、プロトンまたはヒドリド移動によりイオンを形成する方法である。試薬イオンは、大過剰のメタン(タグに対して)を電子衝撃(EI)イオン源へ導入することにより生成される。電子衝突は、メタンとさらに反応してCH5 +およびC2H5 +を形成するようなCH4 +およびCH3 +を生成する。タグをイオン化するような別の方法は、プラズマおよびグロー放電である。プラズマは、効率的に原子を励起しそしてイオン化する、熱く部分的にイオン化したガスである。グロー放電は、2つの電極間で維持された低圧のプラズマである。電子衝撃イオン化は、タングステンフィラメントから通常生成される電子ビームを使用して、気相の原子または分子をイオン化する。ビームからの電子は、電子を分析物の原子または分子から打ち落として、イオンを生成する。エレクトロスプレーイオン化は、非常に細い針および一組のスキマー(skimmer)を使用する。サンプル溶液は、原料チャンバにスプレーされ、液滴を形成する。液滴は、キャピラリーを抜け出る場合に電荷を有し、そして溶媒が気化するにつれて液滴は高い電荷を有する分析物分子を残して消失する。ESIは、気化またはイオン化が困難な大きな生物学的分子のために特に有用である。高速原子衝撃(FAB)は、脱離およびイオン化を引き起こす固体サンプルに衝突する中性原子(代表的には、XeまたはAr)の高エネルギービームを使用する。これは、気相になることが困難な大きな生物学的分子のために使用される。FABは、ほとんど断片化を生じず、そして通常は、大きな分子イオンピークを示し、分子量決定に有用である。原子ビームは、電荷交換セルを介したイオン源からのイオンを加速することにより生成される。イオンは、中性原子との衝突において電子を捕捉して、高エネルギーの原子のビームを形成する。レーザーイオン化(LIMS)は、レーザーパルスが、サンプルの表面から物質を除去しそしていくつかのサンプル成分をイオン化するマイクロプラズマを生成する方法である。マトリックス補助(matrix-assisted)レーザー脱離イオン化(MALDI)は、大きな生物学的分子(例えば、タンパク質またはDNAフラグメント)を気化し、そしてイオン化するLIMS方法である。生物学的分子は、固体マトリックス(例えば、ニコチン酸)に分散される。UVレーザーパルスは、それらが質量分析計へ抽出され得るように、いくつかの大きな分子をイオン化形態で気相に運ぶマトリックスを除去する。プラズマ脱離イオン化(PD)は、反対方向に移動する2つの分裂フラグメントを生成する252Cfの崩壊を利用する。一方のフラグメントは、サンプルに衝突して1〜10の分析物イオンをたたき出す。他方のフラグメントは、検出器に衝突し、そしてデータ取得の開始を引き起こす。このイオン化方法は、大きな生物学的分子に特に有用である。共鳴イオン化(RIMS)は、1つ以上のレーザービームが気相原子または分子の遷移に対して共鳴するように調和されて、これのイオン化電位を越えて段階的な様式でこれを促進してイオンを生成する方法である。二次イオン化(SIMS)は、イオンビーム(例えば、3He+16O+、または40Ar+)を使用し、これはサンプルの表面上に焦点を合わせられ、そして物質を気相に飛ばす。スパーク源は、電流を2つの電極を横切ってパルスすることにより固体サンプルにおける分析物をイオン化する方法である。
タグは、これが付着する分子からの切断の前、その間、その後に荷電され得る。イオン化方法はイオン「脱離」に基づき、固体または液体表面からのイオンの直接的な形成または発光は、不揮発性および熱に不安定な化合物への適用を増大することを可能にする。これらの方法は、イオン化前の中性分子の気化の必要性を排除し、そして一般に分子種の熱分解を最小化する。これらの方法は、電界脱離(Becky、Principles of Field Ionization and Field Desorption Mass Spectrometry,Pergamon,Oxford,1977)、プラズマ脱離(SundqvistおよびMacfarlane、Mass Spectrom.Rev.4:421,1985)、レーザー脱離(KarasおよびHillenkamp、Anal.Chem.60:2299,1988;Karasら、Angew.Chem.101:805,1989)、高速粒子衝撃(例えば、高速原子衝撃、FAB、および二次イオン質量分析、SIMS、Barberら、Anal.Chem.54:645A,1982)、ならびに熱スプレー(TS)イオン化(Vestal、Mass Spectrom.Rev.2:447,1983)を含む。熱スプレーは、液体クロマトグラフィーとのオンラインの組み合わせについて広範に適用される。連続流通(continuous flow)FAB法(Caprioliら、Anal.Chem.58:2949,1986)はまた、顕著な可能性が示されている。イオン化/質量分析法の組み合わせのより完全なリストは、イオントラップ質量分析法、エレクトロスプレーイオン化質量分析法、イオンスプレー質量分析法、液体イオン化質量分析法、大気圧イオン化質量分析法、電子イオン化質量分析法、準安定原子衝撃イオン化質量分析法、高速原子衝撃イオン化質量分析法、MALDI質量分析法、光イオン化飛行時間型質量分析法、レーザー液滴質量分析法、MALDI-TOF質量分析法、APCI質量分析法、ナノスプレー質量分析法、噴霧スプレーイオン化質量分析法、化学イオン化質量分析法、共鳴イオン化質量分析法、二次イオン化質量分析法、熱スプレー質量分析法である。
不揮発性の生物学的化合物を分析できるイオン化方法は、適用性の重複する範囲を有する。イオン化効率は、マトリックス成分および化合物のタイプに非常に依存する。現在利用可能な結果は、TSについて上限の分子量は約8000ダルトンであることを示す(JonesおよびKrolik、Rapid Comm. Mass Spectrom.1:67,1987)。TSは、主に四重極型質量分析計と共に実行される(感度は、代表的には、より高い質量対電荷比(m/z)で非部分的に(disporportionately)影響される)。飛行時間型(TOF)質量分析計は市販され、そしてm/z範囲が検出器の能力によってのみ限定されるという利点を有する。最近、2つのさらなるイオン化方法が導入されている。これら2つの方法は、現在、マトリックス補助レーザー脱離(MALDI、KarasおよびHillenkamp、Anal.Chem.60:2299,1988;Karasら、Angew.Chem.101:805,1989)およびエレクトロスプレーイオン化(ESI)である。両方の方法論は、非常に高いイオン化効率を有する(すなわち、非常に高い[生成された分子イオン]/[消費された分子])。技術の最終的な可能性を規定する感度は、サンプルのサイズ、イオンの量、流速、検出効率、および実際のイオン化効率に依存する。
エレクトロスプレーMSは、1960年代に最初に提示されたアイデアに基づく(Doleら、J.Chem.Phys.49:2240,1968)。エレクトロスプレーイオン化(ESI)は質量分析法による分析のための荷電した分子を生成する一つの手段である。簡単に述べると、エレクトロスプレーイオン化は、強い静電場に液体を噴霧することにより、高度に荷電した液滴を生成する。大気圧の乾燥バスのガス中で一般に形成される高度に荷電した液滴は、電荷の反発が凝集力を超えるまで、中性の溶媒のエバポレーションにより縮小し、「クーロン爆発(coulombic explosion)」に至る。イオン化の正確な機構は議論の余地があり、そしていくつかのグループが仮説を出している(Bladesら、Anal.Chem.63:2109-14,1991;Kebarleら、Anal.Chem.65:A972-86,1993;Fenn、J.Am.Soc.Mass.Spectrom.4:524-35,1993)。イオン形成の最終的なプロセスに関わらず、ESIは、穏やかな条件化で溶液から荷電した分子を生成する。
少量の有機分子での有用な質量スペクトルデータを得る能力は、イオンの効率的な生成に依存する。ESIのイオン化の効率は、分子に関する正電荷の程度に関連する。イオン化の実験的な改良は、通常、酸性条件を使用することに関している。イオン化を改良する別の方法は、可能な場合に、4級アミンを使用する方法である(Aebersoldら、Protein Science 1:494-503,1992;Smithら、Anal.Chem.60:436-41,1988を参照のこと)。
エレクトロスプレーイオン化は、以下により詳細に記載される。エレクトロスプレーイオン生成は、2つの工程を必要とする:大気圧付近での高度に荷電した液滴の分散、次いで蒸発を導く条件である。分析物分子の溶液は、高い電位に保たれた針に通される。針の末端では、溶液は分散して分析物分子を含む、高度に荷電した液滴の小さなミストになる。小さな液滴は速やかに蒸発し、そして電界脱離または残りの蒸発によりプロトン化されたタンパク質分子が気相へと放出される。エレクトロスプレーは、一般に、キャピラリチューブからの液体のわずかな流れ(一般に1〜10μL/分)への高電場の適用により、生成される。3〜6kVの電位差は、代表的に、0.2〜2cm離れて配置されたキャピラリーと対電極との間に適用される(ここで、脱溶媒和の程度に依存するイオン、荷電したクラスター、およびさらに荷電した液滴は小口を介してMSによりサンプリングされ得る)。電場は、キャピラリーの末端で液体表面での電荷の蓄積を生じる。従って、液体の流速、抵抗率、および表面張力は、液滴の生成において重要なファクターである。高電場は、液体表面の破壊および高度に荷電した液滴の形成を生じる。正にまたは負に荷電した液滴は、キャピラリーのバイアスに依存して生成され得る。負のイオン形態は、電気的な放電を阻止する酸素のような電子捕捉剤の存在を必要とする。
広範囲の液体は、真空中へ静電的にまたは噴霧剤の助けをかりてスプレーされ得る。噴霧のための電場のみの使用は、液体の電導率および誘電率の範囲に対するいくつかの実際的な制限の原因となる。10-4M未満の水性電解質溶液に対応する、10-5オーム未満の溶液電導率は、有用な液体の流速での安定なエレクトロスプレーのために、室温で必要である。ESI-MSに最も有用であると見出された形態において、適切な液体の流速は、液体の微細なミストとしての分散を生じる。キャピラリーからの短い距離は、液滴の直径をしばしば全く均一にし、そしておよそ1μmにする。全てのエレクトロスプレーのイオン電流がより高い液体の流速のためにほんのわずかに増加することが、特に重要である。加熱はエレクトロスプレーを操作するために有用であるという証拠が存在する。例えば、わずかな加熱は、水溶液が容易にエレクトロスプレー化されることを可能にし、これはおそらく、粘性および表面張力の減少のためである。熱補助(thermally-assisted)およびガス噴霧補助(gas-nebulization-assisted)エレクトロスプレーは両方とも、より高い液体の流速を使用することを可能にするが、液滴の荷電の程度を減少する。分子イオンの形成は、最初の液滴群の蒸発をもたらす条件を必要とする。これは、乾燥ガスの中程度の温度(60℃未満)での流れにより、インターフェースを介した輸送の間の加熱により、および(特に、イオン捕獲方法の場合に)比較的低圧でのエネルギー性の衝突により、高圧で達成され得る。
ESIの基礎にある詳細なプロセスは不明のままであるが、ESIにより生成される非常に小さな液滴は、溶液中で正味の電荷を有するほとんどの種が残りの溶媒の蒸発の後に気相に移ることを可能にするようである。次いで、質量分析検出は、脱溶媒和の後に扱いやすいm/z範囲(四重極型装置については、4000ダルトン未満)を有し、そして十分な効率で生成され、伝導されるイオンを必要とする。広範囲の溶質は、ESI-MSで分析可能であることが既に見出されており、そして分子量に対するイオン化効率の実質的な相関関係の欠如は、高度に識別力がなくそして広範に適用可能なイオン化プロセスを示唆する。
エレクトロスプレーのイオン「源」は、大気圧付近で機能する。エレクトロスプレー「源」は、代表的に、対電極に対して水溶液に電気的にバイアスをかけるための方法を組み入れている金属またはガラスのキャピラリーである。溶液(代表的には、分析物およびしばしば酢酸のような他の添加物を含む水-エタノール混合物)は、キャピラリーの末端へと流れる。本質的に任意の溶媒系に適合し得るESI源は、記載されている(Smithら、Anal.Chem.62:885,1990)。ESIについての代表的な流速は、1〜10μL/分である。ESI-MSインターフェースの主な必要条件は、イオンをサンプリングし、そして可能な限り効率的にイオンを高圧領域からMSへ運ぶことである。
ESIの効率は、非常に高く、極度に敏感な測定の原理を提供する。これは、本明細書中に記載される本発明に有用である。電流装置の性能は、1価に荷電した種について約2×10-12Aまたは約107カウント/秒である検出器において総イオン電流を提供し得る。装置の性能に基づいて、1価に荷電した種の10-10Mまたは約10-18モル/秒ほどの低い濃度は、分析物が完全にイオン化される場合に、検出可能なイオン電流(約10カウント/秒)を示す。例えば、低いアトモルの検出限界が、キャピラリーゾーン電気泳動を有するESIインターフェースを使用して4級アンモニウムイオンについて得られている(Smithら、Anal.Chem.59:1230,1988)。1000の分子量の化合物については、電荷の平均数は1であり、荷電状態のおよその数は1であり、ピーク幅(m/z)は1であり、そして最大強度(イオン/秒)は1×1012である。
非常にわずかなサンプルが、ESI質量スペクトルを得ることにおいて、実際に消費される(Smithら、Anal.Chem.60:1948,1988)。実質的なゲインもまた、セクター装置を有するアレイ検出器の使用により得られ得、これは、スペクトルの一部分の同時検出を可能にする。現在では、ESIにより形成された全てのイオンのわずか約10-5しか検出されないので、装置の性能を制限するファクターへの注意は、改良された感度についての原理を提供し得る。本発明が、イオン化および検出の方法論における改良について意図しそして適合することは、当業者には、明らかである。
インターフェースは、好ましくは、分離器械類(例えば、ゲル)と検出器(例えば、質量分析計)との間に配置される。インターフェースは、好ましくは、以下の特性を有する:(1)わずかな(discreet)時間間隔でDNAフラグメントを回収する能力、(2)DNAフラグメントの濃縮、(3)電気泳動の緩衝液および環境からのDNAフラグメントの取り出し、(4)タグのDNAフラグメントからの切断、(5)タグのDNAフラグメントからの分離、(6)DNAフラグメントの処分、(7)タグの揮発性溶液中への配置、(8)タグの気化およびイオン化、(9)タグを質量分析計へ誘導するエレクトロスプレーデバイスへのタグの配置または移動。
インターフェースはまた、DNAフラグメントがゲルの底面から溶出するとDNAフラグメントを「回収する」能力を有する。ゲルは、スラブゲル、管状のゲル、キャピラリー等からなり得る。DNAフラグメントは、いくつかの方法により回収され得る。第一の方法は、DNAフラグメントが電極上でまたはその近辺で回収される電場の使用である。第二の方法は、DNAフラグメントが、液流をゲルの底面を通して流すことにより回収される方法である。両方法の局面は組み合わせられ、ここで、流れに回収されたDNAフラグメントは、後に、電場の使用により濃縮され得る。最終結果は、DNAフラグメントが分離方法が実施された環境から取り出されることである。つまり、DNAフラグメントは、電場の使用により一方の溶液タイプからもう一方の溶液タイプへと「ドラッグ(drag)」され得る。
一旦、DNAフラグメントが適切な溶液(エレクトロスプレーおよび質量分析に適合する)中にあれば、タグはDNAフラグメントから切断され得る。次いで、DNAフラグメント(またはその残存物)が、電場の適用によりタグから分離され得る(好ましくは、タグは、DNAタグのDNAフラグメントの反対の電荷である)。次いで、タグは、電場または流れる液体の使用により、エレクトロスプレーデバイスに導かれる。
蛍光タグは、それらの吸収および蛍光発光の波長および強度により最も直接的に同定され、そして定量され得る。
連続する範囲の励起および発光波長(lEX,lS1,lS2)を提供する従来の分光蛍光光度計は非常に順応性があるが、より特殊化された装置(例えば、フローサイトメーターおよびレーザー走査顕微鏡)は単一の固定された波長で励起可能なプローブを必要とする。最新の装置においては、これは、通常、アルゴンレーザーの488nm線である。
1プローブ分子あたりの蛍光強度は、生成物のeおよびQYに比例する。現在実用上重要である発蛍光団間のこれらのパラメーターの範囲は、εについては約10,000〜100,000cm-1M-1およびQYについては0.1〜1.0である。吸収が高強度の照明により飽和へとされる場合、励起された発蛍光団の不可逆的な破壊(光退色)が蛍光検出能を制限するファクターとなる。光退色の実際的な影響は、問題となる蛍光検出技術に依存する。
デバイス(インターフェース)は、分離および検出工程の間に配置されて、サイズ分離およびタグ検出の連続する操作(リアルタイムで)を可能にし得ることは当業者に明らかである。これは、分離の方法論および器械類と検出の方法論および器械類とを一体にし、単一のデバイスを形成する。例えば、インターフェースは、分離技術と質量分析法または定電位電流測定による検出との間に配置される。
インターフェースの機能は、主に、(例えば、質量分析の)タグの分析物からの放出である。インターフェースについてのいくつかの代表的な実行が存在する。インターフェースの設計は、切断性リンカーの選択に依存する。光(light)または光(photo)切断性リンカーの場合、エネルギーまたは光子源が必要とされる。酸不安定リンカー、塩基不安定リンカー、またはジスルフィドリンカーの場合、試薬の添加がインターフェース内で必要とされる。熱不安定リンカーの場合、エネルギー熱源が必要とされる。酵素の添加が、酵素感受性リンカー(例えば、特異的なプロテアーゼとペプチドリンカー、ヌクレアーゼとDNAもしくはRNAリンカー、グリコシラーゼ、HRP、またはホスファターゼ)と切断後に不安定である(例えば、化学発光基質に類似する)リンカーについて必要とされる。インターフェースの他の特性は、最小のバンドの広がり、DNAの質量分析計への注入前のタグからの分離を含む。分離技術は、電気泳動的方法および技術、アフィニティー技術、サイズ保持(透析)、濾過などに基づく方法を含む。
タグ(または、核酸-リンカー-タグ構築物)を濃縮し、電気泳動的にこれを捕捉し、次いでこれを選択されたイオン化方法の特定のタイプに適合する、代替(alternate)試薬の流れに放出することがまた可能である。インターフェースはまた、マイクロビーズ上のタグ(または、核酸-リンカー-タグ構築物)を捕獲し、ビーズ(単数または複数)をチャンバに射出し、次いでレーザー脱離/気化を前もって形成し得る。流れにおいて代替緩衝液中へ抽出することもまた可能である(例えば、キャピラリー電気泳動緩衝液から透過性膜を越えて疎水性緩衝液へ)。いくつかの使用において、タグをインターフェースのさらなる機能を含む質量分析計へ断続的に送達することもまた望ましい。インターフェースの別の機能は、各カラムについての時間帯を交代しながら、タグを複数のカラムから質量分析計へと送達することである。タグを、時間で分離して単一のカラムから複数のMS検出器へと送達すること、数ミリ秒間にタグの各セットを回収すること、次いで質量分析計に送達することもまた可能である。
以下は、本発明において使用され得る分離および検出技術についての代表的な売手のリストである。Hoefer Scientific Instruments(San Francisco,CA)は、配列決定アプリケーションについて電気泳動装置(Two StepTM,Poker FaceTM II)を製造する。Pharmacia Biotech(Piscataway,NJ)は、DNA分離および配列決定のための電気泳動装置(PCR-SSCP分析のためのPhastSystem、DNA配列決定のためのMacroPhor System)を製造する。Perkin Elmer/Applied Biosystems Division(ABI,Foster City,CA)は、蛍光染料に基づく半自動シーケンサー(ABI373およびABI377)を製造する。Analytical Spectral Devices(Boulder,CO)は、UV分光器を製造する。Hitachi Instruments(Tokyo,Japan)は、原子吸光分光器、蛍光分光器、LCおよびGC質量分析器、NMR分光器、およびUV-VIS分光器を製造する。PerSeptive Biosystems(Framingham,MA)は、質量分析器(VoyagerTM Elite)を生産する。Bruker Instruments Inc.(Manning Park,MA)は、FTIR分光器(Vector22)、FT-ラマン分光器、飛行時間型質量分析器(Reflex IITM)、イオン捕捉質量分析器(EsquireTM)、およびMaldi質量分析器を製造する。Analytical Technology Inc.(ATI,Boston,MA)は、キャピラリーゲル電気泳動ユニット、UV検出器、およびダイオードアレイ検出器を作製する。Teledyne Electronic Technologies(Mountain View,CA)は、イオン捕捉質量分析器(3DQ DiscoveryTMおよび3DQ ApogeeTM)を製造する。Perkin Elmer/Applied Biosystems Division(Foster City,CA)は、エレクトロスプレーに適合するSciex質量分析器(三重の四重極型LC/MS/MS、API 100/300)を製造する。Hewlett−Packard(Santa Clara,CA)は、質量選択的検出器(HP 5972A)、MALDI-TOF質量分析器(HP G2025A)、ダイオードアレイ検出器、CEユニット、HPLCユニット(HP 1090)、ならびにUV分光器を生産する。Finnigan Corporation(San Jose,CA)は、質量分析器(磁気セクター(MAT 95 STM)、四重極型分光器(MAT 95 SQTM)、および4つの他の関連する質量分析器)を作製する。Rainin(Emeryville,CA)は、HPLC装置を作製する。
本明細書中に記載される方法および組成物は、特定のサンプルタイプおよびヌクレオチド同一性に対するマップとして作用する切断されるタグの使用を可能にする。各配列決定法の始めに、特定の(選択された)プライマーは、特定の独特のタグに割り当てられる。タグは、サンプルタイプ、ジデオキシターミネータータイプ(Sanger配列決定反応の場合)、または好ましくは両方のいずれかをマップする。特に、タグは、プライマータイプをマップし、次にはベクタータイプをマップし、次にはサンプルの同一性をマップする。タグはまた、タグを付けたプライマーが配置されるジデオキシヌクレオチド反応を参照してジデオキシターミネータータイプ(ddTTP,ddCTP,ddGTP,ddATP)をマップし得る。次いで、配列決定反応が実施され、そして得られるフラグメントはちょうどよい時にサイズにより連続的に分離される。
タグは、時間枠内にフラグメントから切断され、そして測定され、そして時間枠内で記録される。配列は、タグマップを時間枠と比較することにより構築される。つまり、全てのタグの同一性が、サイジング(sizing)工程の後にちょうどよい時に記録され、そして時間枠内で互いに関連する。サイジング工程は、1つのヌクレオチドの増加により核酸フラグメントを分離し、それ故、関連するタグの同一性は、一つのヌクレオチドの増加により分離される。ジデオキシターミネーターまたはヌクレオチドマップおよびサンプルタイプの予知により、配列は、直線的様式で容易に推定される。
以下の実施例は、制限の目的ではなく例証の目的により提供される。
他で述べない限り、実施例において使用されるような化学物質は、Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WIから入手され得る。以下の略語は、示される意味を有して、本明細書中で使用される:
ANP=3-(Fmoc-アミノ)-3-(2-ニトロフェニル)プロピオン酸
NBA=4-(Fmoc-アミノメチル)-3-ニトロ安息香酸
HATU=O-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
MCT=モノクロロトリアジン
NMM=4-メチルモルホリン
NMP=N-メチルピロリドン
ACT357=Advanced ChemTech,Inc.,Louisville,KYからのACT357ペプチド合成機
ACT=Advanced ChemTech,Inc.,Louisville,KY
NovaBiochem=CalBiochem-NovaBiochem international,San Diego,CA
TFA=トリフルオロ酢酸
Tfa=トリフルオロアセチル
iNIP=N-メチルイソニペコ酸
Tfp=テトラフルオロフェニル
DIAEA=2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミン
MCT=モノクロロトリアゼン
5'-AH-ODN=5'-アミノヘキシル-末端化オリゴデオキシヌクレオチド
実施例1
切断可能なMW同定因子配列決定における使用のための酸不安定性リンカーの調製
A. カルボキシルアミド末端を有する遊離タグのための化学的に切断可能な質量分析タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成
図1は反応図を示す。
工程A。TentaGel S AC樹脂(化合物II;ACTより入手可能;1eq.)を、ACT357ペプチド合成装置(ACT)の回収容器中でDMFに懸濁する。DMF中の化合物I(3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5 eq.)を添加し、そして回収容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IIIを得る。
工程B。樹脂(化合物III)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、そして5分間振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、そして工程Cに直接用いる。
工程C。工程Bからの脱保護樹脂をDMFに懸濁し、そしてDMF中の側鎖にアミン官能基を含むFMOC保護アミノ酸(化合物IV(例えば、α-N-FMOC-3-(3-ピリジル)-アラニン)Synthetech, Albany, ORより入手可能;3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5 eq.)を添加する。容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIVのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物Vを得る。
工程D。樹脂(化合物V)を工程Bに記載のようにピペリジンで処理し、FMOC基を除去する。次いで、脱保護樹脂を、ACT357によって、回収容器から16の反応容器へ均等に分配する。
工程E。工程Dからの脱保護樹脂の16のアリコートをDMF中に懸濁する。各反応容器に、DMF中の適切なカルボン酸VI1-16(R1-16CO2H;3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5 eq.)を添加する。容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂のアリコートへのVI1-16のカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物VII1-16を得る。
工程F。樹脂(化合物VII1-16)のアリコートを、CH2Cl2(3×)で洗浄する。各反応容器に、CH2Cl2中の1%TFAを添加し、そして容器を30分間振盪する。溶媒を、反応容器から個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコートをCH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し、そして濾過物を個々のチューブと合わせる。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物VIII1-16を得る。
工程G。各遊離カルボン酸VIII1-16を、DMFに溶解する。各溶液にピリジン(1.05 eq.)を加え、続いてペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(1.1 eq.)を加える。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、1M aq.のクエン酸(3×)および5% aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして真空下で蒸発させ、化合物IX1-16を得る。
B. カルボキシル酸末端を有する遊離タグのための化学的に切断可能な質量分析タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成
図2は反応図を示す
工程A。4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸(化合物I;1eq.)を、CHCl3中のDIEA(2.1 eq.)およびアリルブロマイド(2.1 eq.)と合わせ、そして2時間加熱還流する。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl(2×)、炭酸緩衝液(pH9.5)(2×)、および塩水(1×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空で蒸発させ、化合物Iのアリルエステルを得る。
工程B。工程Aからの化合物Iのアリルエステル(1.75 eq.)を、CH2Cl2中で、側鎖にアミン官能基を含むFMOC保護アミノ酸(化合物II(例えば、α-N-FMOC-3-(3-ピリジル)-アラニン)Synthetech, Albany, ORより入手可能;1eq.)、N-メチルモルフォリン(2.5 eq.)およびHATU(1.1 eq.)と合わせ、そして室温で4時間撹拌する。混合物をCH2Cl2で希釈し、1M aq.のクエン酸(2×)、水(1×)、および5% aq.のNaHCO3(2×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空下で蒸発させる。化合物IIIをフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2-->EtOAc)によって単離する。
工程C。化合物IIIを、CH2Cl2に溶解し、Pd(PPh3)4(0.07 eq.)およびN-メチルアニリン(2eq.)を添加し、そして混合物を室温で4時間撹拌する。混合物をCH2Cl2で希釈し、1M aq.のクエン酸(2×)および水(1×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空下で蒸発させる。化合物IVをフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2-->EtOAc+HOAc)によって単離する。
工程D。TentaGel S AC樹脂(化合物V;1eq.)を、ACT357ペプチド合成装置(Advanced ChemTech Inc.(ACT),Louisville, KY)の回収容器中でDMFに懸濁する。DMF中の化合物IV(3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5 eq.)を添加し、そして回収容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIVのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物VIを得る。
工程E。樹脂(化合物VI)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、そして5分間振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。次いで、脱保護樹脂を、ACT357によって、回収容器から16の反応容器へ均等に分配する。
工程F。工程Eからの脱保護樹脂の16のアリコートを、DMFに懸濁する。各反応容器に、DMF中の適切なカルボン酸VII1-16(R1-16CO2H;3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5 eq.)を添加する。容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂のアリコートへのVII1-16のカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物VIII1-16を得る。
工程G。樹脂(化合物VIII1-16)のアリコートを、CH2Cl2(3×)で洗浄する。各反応容器に、CH2Cl2中の1%TFAを添加し、そして容器を30分間振盪する。溶媒を、反応容器から個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコートをCH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し、そして濾過物を個々のチューブに合わせた。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物IX1-16を得る。
工程H。各遊離カルボン酸IX1-16を、DMFに溶解する。各溶液にピリジン(1.05 eq.)を加え、続いてペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(1.1 eq.)を加える。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、1M aq.のクエン酸(3×)および5% aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして真空下で蒸発させ、化合物X1-16を得る。
実施例2
T-L-Xの光分解性切断の実証
実施例11で調製されたT-L-X化合物を、室温で7分間、近紫外光で照射した。発光ピーク350nmを有するRayonett蛍光UVランプ(Southern New England Ultraviolet Co., Middletown, CT)を、UV光供給源として用いる。ランプを、試料を有するペトリ皿から15cm離して置く。SDSゲル電気泳動は、結合の>85%がこれらの条件下で切断されることを示す。
実施例3
蛍光標識化プライマーの調製および発蛍光団の切断の実証
オリゴヌクレオチドの合成および精製
オリゴヌクレオチド(ODN)を、製造業者より供給される標準ホスホルアミダイト化学、またはH-ホスホネート化学(Glenn Research Sterling, VA)を用いて自動DNA合成装置で調製する。適切にブロックされたdA、dG、dC、およびTホスホルアミダイトは、これらの形態で市販され、そして合成ヌクレオシドは、適切な形態に容易に変換され得る。オリゴヌクレオチドを、製造業者より供給される標準ホスホルアミダイト、またはH-ホスホネート化学を用いて調製する。オリゴヌクレオチドを、標準方法を適応することによって精製する。5'トリチル基を有するオリゴヌクレオチドを、12μm、300#Rainin(Emeryville, CA)Dynamax C-8 4.2×250mm逆相カラムを用いて、0.1N Et3NH+OAc-(pH7.0)中の15%〜55%MeCNの勾配で20分間、HPLCでクロマトグラフする。脱トリチル化を行う場合、オリゴヌクレオチドを、ゲル排除クロマトグラフィーによってさらに精製する。オリゴヌクレオチドの質の分析的チェックを、アルカリpHでPRPカラム(Alltech, Deerfield, IL)、およびPAGEで行う。
2,4,6-トリクロロトリアジン誘導オリゴヌクレオチドの調製:5'末端アミン連結オリゴヌクレオチドの10〜1000μgを、19℃〜25℃で30〜120分間、アルカリ(好ましくはpH8.3〜8.5)緩衝液において10%n-メチルピロリドン中の過剰の再結晶化塩化シアヌル酸と反応させる。最終反応条件は、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)、2mg/mlの再結晶化塩化シアヌル酸、および500μg/mlのそれぞれのオリゴヌクレオチドからなる。未反応の塩化シアヌル酸を、G-50 Sephadex(Pharmacia, Piscataway, NJ)カラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。
次いで、活性化した精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)中の100倍モル過剰のシスタミンと室温で1時間反応させる。未反応のシスタミンを、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。次いで、得られたODNを、アミン反応性蛍光色素と反応させる。得られたODN調製物を、3つの部分に分け、そして各部分を(a)20倍モル過剰のTexas Redスルホニルクロライド(Molecular Probes, Eugene, OR)、(b)20倍モル過剰のLissamineスルホニルクロライド(Molecular Probes, Eugene, OR)(c)20倍モル過剰のフルオレセインイソチオシアネートのいずれかと反応させる。最終反応条件は、室温で1時間の0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)からなる。未反応の蛍光色素を、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。
オリゴヌクレオチドから蛍光色素を切断するために、ODNを、1×10-5モル濃度に調整し、次いで希釈物を、TE(TEは、0.01M Tris(pH7.0)、5mM EDTAである)中で作製する(12,3倍希釈)。100μl容量のODNに対して、25μlの0.01Mジチオスレイトール(DTT)を添加する。コントロールの同一のセットに対しては、DTTを加えない。混合物を、室温で15分間インキュベートする。蛍光を、黒マイクロタイタープレートにおいて測定する。溶液をインキュベーションチューブ(150μl)から取り出し、そして黒マイクロタイタープレート(Dynatek Laboratories, Chantilly, VA)に入れる。次いで、プレートを、フルオレセインについては495nmの励起波長および520nmのモニター発光、Texas Redについては591nmの励起波長および612nmのモニター発光、およびLissamineについては570nmの励起波長および590nmのモニター発光で、Fluoroskan II蛍光光度計(Flow Laboratories, McLean, VA)を用いて直接読みとる。
Figure 2008200040
データは、蛍光色素をODNから切断した場合、相対的な蛍光が約200倍増加することを示す。
実施例4
タグを付けたM13配列プライマーの調製およびタグの切断の実証
2,4,6-トリクロロトリアジン誘導オリゴヌクレオチドの調製:1000μgの5'末端アミン連結オリゴヌクレオチド(5'ヘキシルアミン-TGTAAAACGACGGCCAGT-3')(配列番号1)を、19℃〜25℃で30〜120分間、アルカリ(好ましくはpH8.3〜8.5)緩衝液において10%n-メチルピロリドン中の過剰の再結晶化塩化シアヌル酸と反応させる。最終反応条件は、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)、2mg/mlの再結晶化塩化シアヌル酸、および500μg/mlのそれぞれのオリゴヌクレオチドからなる。未反応の塩化シアヌル酸を、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。
次いで、活性化した精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)中の100倍モル過剰のシスタミンと室温で1時間反応させる。未反応のシスタミンを、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。次いで、得られたODNを、種々のアミドと反応させる。得られたODN調製物を、12の部分に分割し、そして各部分を、(1)4-メトキシ安息香酸、(2)4-フルオロ安息香酸、(3)トルイル酸、(4)安息香酸、(5)インドール-3-酢酸、(6)2,6-ジフルオロ安息香酸、(7)ニコチン酸N-オキシド、(8)2-ニトロ安息香酸、(9)5-アセチルサリチル酸、(10)4-エトキシ安息香酸、(11)桂皮酸、(12)3-アミノニコチン酸のいずれかのペンタフルオロフェニルエステル(25モル過剰)と反応させる。0.2Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)中で、37℃で2時間反応させる。得られたODNを、G-50 Sephadexで、ゲル排除クロマトグラフィーによって精製する。
オリゴヌクレオチドからタグを切断するために、ODNを、1×10-5モル濃度に調整し、次いで希釈物を、50%EtOH(V/V)を含むTE(TEは、0.01M Tris(pH7.0)5mM EDTAである)中で希釈する(12,3倍希釈)。100μl容量のODNに対して、25μlの0.01Mジチオスレイトール(DTT)を添加する。コントロールの同一のセットに対しては、DTTを加えない。インキュベーションは、室温で30分間である。次いで、NaClを0.1Mまで加え、そして2容量のEtOHを添加し、ODNを沈殿させる。ODNを、14,000×G、4℃で15分間の遠心分離によって溶液から除去する。上清を保存し、完全に乾燥する。次いで、ペレットを、25μlのMeOHに溶解する。次いで、ペレットを、タグの存在について質量分析によって試験する。
この研究に用いた質量分析計は、外部イオン供給源フーリエ変換質量分析計(FTMS)である。MALDI分析のために調製した試料を、直接プローブの先端部に沈積し、そしてイオン供給源に挿入する。試料をレーザーパルスで照射する場合、イオンを供給源から抽出し、そして超伝導磁石の口径内に位置するFTMS分析装置のセルに焦点を合わせ、かつ輸送する長四重極イオンガイドに通過させる。
スペクトルは、以下の情報をもたらす。以下の分子量での25〜100相対強度単位の強度において変化するピーク:(1)4-メトキシ安息香酸誘導体を示す212.1amu、(2)4-フルオロ安息香酸誘導体を示す200.1、(3)トルイル酸誘導体を示す196.1amu、(4)安息香酸誘導体を示す182.1amu、(5)インドール-3-酢酸誘導体を示す235.2amu、(6)2,6-ジフルオロ安息香酸を示す218.1amu、(7)ニコチン酸N-オキシド誘導体を示す199.1amu、(8)2-ニトロベンズアミドを示す227.1amu、(9)5-アセチルサリチル酸誘導体を示す179.18amu、(10)4-エトキシ安息香酸誘導体を示す226.1amu、(11)桂皮酸誘導体を示す209.1amu、(12)3-アミノニコチン酸誘導体を示す198.1amu。
結果は、MW同定因子がプライマーから切断され、そして質量分析によって検出され得ることを示す。
実施例5
式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製
図3は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhおよびL2を連結するメチレン基であるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのα-アミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介して導入される)は、リジンのε-アミノ基を介して結合される。
図3について言及する:
工程A。NovaSyn HMP樹脂(NovaBiochemより入手可能;1eq.)を、ACT357の回収容器中のDMFに懸濁する。DMF中の化合物I(ACTより入手可能なANP;3eq.)、HATU(3eq.)およびNMM(7.5eq.)を添加し、そして回収容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IIを得る。
工程B。樹脂(化合物II)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、5分間振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、そして工程Cに直接用いる。
工程C。工程Bからの脱保護樹脂を、DMF中に懸濁し、DMF中の、側鎖に保護アミン官能基を含むFMOC保護アミノ酸(Fmoc-Lysine(Aloc)-OH、PerSeptive Biosystemsより入手可能;3eq.)、HATU(3eq.)、およびNMM(7.5eq.)を添加する。容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。Fmoc-Lys(Aloc)-OHの樹脂へのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IVを得る。
工程D。樹脂(化合物IV)を、CH2Cl2(2×)で洗浄し、次いで、CH2Cl2中の(PPh3)4Pd(0)(0.3eq.)およびPhSiH3(10eq.)の溶液に懸濁する。混合物を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)で洗浄する。パラジウム工程を反復する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)、DMF中のN,N-ジイソピロピルエチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、化合物Vを得る。
工程E。工程Dからの脱保護樹脂を、工程Cに記載のN-メチルイソニペコ酸とカップリングさせ、化合物VIを得る。
工程F。Fmoc保護樹脂VIを、ACT357によって、回収容器から36反応容器に等しく分配し、化合物VI1-36を得る。
工程G。樹脂(化合物VI1-36)を工程Bに記載のピペリジンで処理し、FMOC基を除去する。
工程H。工程Gからの脱保護樹脂の36アリコートを、DMF中に懸濁する。各反応容器に、DMF中の適切なカルボン酸(R1-36CO2H;3eq.)、HATU(3eq.)、およびNMM(7.5eq.)を添加する。容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂のアリコートへのR1-36CO2Hのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物VIII1-36を得る。
工程I。樹脂(化合物VIII1-36)のアリコートをCH2Cl2(3×)で洗浄する。各反応容器に、90:5:5 TFA:H20:CH2Cl2を添加し、容器を120分間振盪する。溶媒を反応容器から個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコートをCH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し濾過物を個々のチューブに合わせる。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物IX1-36を得る。
工程J。各々の遊離カルボン酸IX1-36を、DMF中に溶解させる。各溶液に、ピリジン(1.05eq.)を添加し、続いて、テトラフルオロフェニルトリフルオロアセテート(1.1eq.)を添加する。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、5%aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で蒸発させ、化合物X1-36を得る。
実施例6
式R1-36-LYS(ε-lNIP)-NBA-TFPを有する化合物のセットの調製
図4は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhとL2との間で直接結合されるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり(LhはL2基の芳香環に直接結合する)、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのαアミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介して導入される)は、リジンのε-アミノ基を介して結合される。
図4について言及する:
工程A。NovaSyn HMP樹脂を、実施例5の工程Aに記載の手順に従って、化合物I(Brownら、Molecular Diversity,1,4(1995)の手順に従って調製されたNBA)とカップリングさせ、化合物IIを得る。
工程B-J。樹脂(化合物II)を、実施例5の工程B〜Jに記載のように処理し、化合物X1-36を得る。
実施例7
式lNIP-LYS(ε-R1-36)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製
図5は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhおよびL2を連結するメチレン基であるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのεアミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介して導入される)は、リジンのα-アミノ基を介して結合される。
図5について言及する:
工程A〜C。実施例5と同じ。
工程D。樹脂(化合物IV)を、実施例5の工程Bに記載のピペリジンで処理し、FMOC基を除去する。
工程E。工程Dの樹脂上の脱保護αアミンを、実施例5の工程Cに記載のN-メチルイソニペコ酸とカップリングさせ、化合物Vを得る。
工程F。実施例5と同じ。
工程G。樹脂(化合物VI1-36)を、実施例5の工程Dに記載のパラジウムで処理し、Aloc基を除去する。
工程H〜J。化合物X1-36を、実施例5と同様の様式で調製する。
実施例8
式R1-36-GLU(γ-DIAEA)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製
図6は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhおよびL2を連結するメチレン基であるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここでグルタミン酸のαカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、グルタミン酸のα-アミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミンを介して導入される)は、グルタミン酸のγ-カルボン酸を介して結合される。
図6について言及する:
工程A〜B。実施例5と同じ。
工程C。脱保護樹脂(化合物III)を、実施例5の工程Cに記載のカップリング方法を用いて、Fmoc-Glu-(OAl)-OHにカップリングさせ、化合物IVを得る。
工程D。樹脂(化合物IV)上のアリルエステルを、CH2Cl2(2×)で洗浄し、CH2Cl2中の(PPh3)4Pd(0)(0.3eq.)およびN-メチルアニリン(3eq.)の溶液と混合する。混合物を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)で洗浄する。パラジウム工程を反復する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)、DMF中のN,N-ジイソピロピルエチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、化合物Vを得る。
工程E。工程Dからの脱保護樹脂を、DMF中に懸濁し、HATU(3eq.)およびNMM(7.5eq.)を混合することによって活性化する。容器を15分間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(1×)で洗浄する。樹脂を、2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミン(3eq.)およびNMM(7.5eq.)と混合する。容器を1時間振盪する。樹脂への2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミンのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物VIを得る。
工程F〜J。実施例5と同じ。
実施例9
式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-LYS(ε-NH2)-NH2を有する化合物のセットの調製
図7は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhはアミン(特に、リジン誘導部分のε-アミノ基)であり、L2は、LhおよびL2を連結するカルボキサミド置換アルキレンアミノアシルアルキレン基であるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのαアミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介して誘導される)は、リジンのε-アミノ基を介して結合される。
図7について言及する:
工程A。Fmoc-Lys(Boc)-SRAM樹脂(ACTより入手可能:化合物I)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、そして5分間振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、そして工程Bに直接用いる。
工程B。DMF中の樹脂(化合物II)、ANP(ACTより入手可能;3eq.)、HATU(3eq.)およびNMM(7.5eq.)を添加し、そして回収容器を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。Iの樹脂へのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IIIを得る。
工程C〜J。樹脂(化合物III)を、実施例5の工程B〜Iのように処理し、化合物X1-36を得る。
実施例10
式R1-36-LYS(ε-TFA)-LYS(ε-lNIP)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製
図8は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhおよびL2を連結するメチレン基であるL3を有するο-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここで第1のリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介して誘導される)は、第1のリジンのε-アミノ基を介して結合され、第2のリジン分子は第1のリジンのα-アミノ基を介して第1のリジンに結合され、分子量調整基(トリフルオロアセチル構造を有する)は、第2のリジンのε-アミノ基を介して結合され、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して誘導され得る)は、第2のリジンのαアミノ基を介して結合される。
図8について言及する:
工程A〜E。これらの工程は、実施例5の工程A〜Eと同一である。
工程F。樹脂(化合物VI)を、実施例5の工程Bに記載のピペリジンで処理し、FMOC基を除去する。
工程G。脱保護樹脂(化合物VII)を、実施例5の工程Cに記載のカップリング方法を用いて、Fmoc-Lys(Tfa)-OHにカップリングし、化合物VIIIを得る。
工程H〜K。樹脂(化合物VIII)を、実施例5の工程F〜Jに記載のように処理し、化合物XI1-36を得る。
実施例11
式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-5'-AH-ODNを有する化合物のセットの調製
図9は、実施例5のエステル由来の36のT-L-X(X=MOI、ここでMOIは核酸フラグメントである、ODN)のセットの平行合成を例示する(同じ手順が、他のT-L-X化合物で用いられ得る、ここでXは活性化エステルである)。MOIを、T-Lに、MOIの5'末端を介して、ホスホジエステル-アルキレンアミン基により結合する。
図9について言及する:
工程A。化合物XII1-36を、Van Nessら、Nucleic Acids Res., 19, 3345 (1991)の改変したビオチン化手順に従って調製する。200mMホウ酸ナトリウム(pH8.3、
250mL)中に5'-アミノヘキシルオリゴヌクレオチド(化合物XI1-36、1mg)の1つを有する溶液に、テトラフルオロフェニルエステル(実施例Aからの化合物XII1-36、250mLのNMP中に100倍モル過剰)の1つを添加する。反応物を、周囲温度で一晩インキュベートする。未反応および加水分解したテトラフルオロフェニルエステルを、SephadexG-50クロマトグラフィーによって化合物XII1-36から除去する。
実施例12
式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-LYS(ε-(MCT-5'-AH-ODN))-NH2
を有する化合物のセットの調製
図10は、実施例11のアミン由来の36のT-L-X(X=MOI、ここで、MOIは核酸フラグメントである、ODN)のセットの平行合成を例示する(同じ手順が、他のT-L-X化合物で用いられ得、Xはアミンである)。MOIを、T-Lに、MOIの5'末端を介して、ホスホジエステル-アルキレンアミン基により結合する。
図10について言及する:
工程A。5'-[6-(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)ヘキシル]オリゴヌクレオチドXII1-36を、Van Nessら、Nucleic Acids Res., 19, 3345 (1991)に記載のように調製する。
工程B。100mMホウ酸ナトリウム(pH8.3)中の1mg/mlの濃度の5'-[6-(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)ヘキシル]オリゴヌクレオチド(化合物XII1-36)の1つを有する溶液を、R1-36-Lys (e-iNIP)-ANP-Lys(e-NH2)-NH2(実施例11からの化合物X1-36)より選択される、100倍モル過剰の1級アミンに添加した。溶液を室温で1晩混合する。未反応のアミンを、洗浄溶液としてH2O(3×)を用いて、3000MWカットオフ膜(Amicon, Beverly, MA)を通す限外濾過によって除去する。化合物XIII1-36を、100mLの用量に減少させることによって単離する。
実施例13
質量分析による複数のタグの同時検出の実証
本実施例は、質量分析による複数の化合物(タグ)を同時に検出する能力を記載する。この特定の実施例において、31の化合物をマトリクスと混合し、沈積し、そして固体支持体上で乾燥させ、次いで、レーザーで脱離させる。次いで、得られたイオンを、質量分析装置に導入した。
以下の化合物(Aldrich, Milwaukee, WIより購入した)を、等モルベースでともに混合し、0.002Mベース(化合物当たり)の最終濃度とする:ベンズアミド(121.14)、ニコチンアミド(122.13)、ピラジンアミド(123.12)、3-アミノ-4-ピラゾールカルボン酸(127.10)、2-チオフェンカルボキサミド(127.17)、4-アミノベンズアミド(135.15)、トルミド(135.17)、6-メチルニコチンアミド(136.15)、3-アミノニコチンアミド(137.14)、ニコチンアミド N-オキシド(138.12)、3-ヒドロピコリンアミド(138.13)、4-フルオロベンズアミド(139.13)、桂皮酸アミド(147.18)、4-メトキシベンズアミド(151.17)、2,6-ジフルオロベンズアミド(157.12)、4-アミノ-5-イミダゾール-カルボキサミド(162.58)、3,4-ピリジン-ジカルボキシアミド(165.16)、4-エトキシベンズアミド(165.19)、2,3-ピラジンジカルボキサミド(166.14)、2-ニトロベンズアミド(166.14)、3-フルオロ-4-メトキシ安息香酸(170.4)、インドール-3-アセトアミド(174.2)、5-アセチルサリチルアミド(179.18)、3,5-ジメトキシベンズアミド(181.19)、1-ナフタレンアセトアミド(185.23)、8-クロロ-3,5-ジアミノ-2-ピラジンカルボキシアミド(187.59)、4-トリフルオロメチル-ベンズアミド(189.00)、5-アミノ-5-フェニル-4-ピラゾール-カルボキサミド(202.22)、1-メチル-2-ベンジル-マロナメート(207.33)、4-アミノ-2,3,5,6-テトラフルオロベンズアミド(208.11)、2,3-ナフタレンジカルボン酸(212.22)。化合物を、上記の濃度でDMSO中に入れる。次いで、1μlの材料をα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸マトリクス(1:10,000希釈後)と混合し、そして固体ステンレス支持体に沈積させる。
次いで、材料を、Protein TOF Mass Spectrometer(Bruker, Manning Park, MA)を用いて、レーザーによって脱離させ、得られるイオンを、操作の直線および反射モードの両方で測定する。以下のm/z値を得る(図11):
Figure 2008200040
Figure 2008200040
データは、31個の化合物の22個が予想される質量のスペクトルを示し、31個の化合物の9個が予想される質量を超える+H質量(1原子質量単位、amu)のスペクトルを示したことを示した。後者の現象はおそらく、化合物内のアミンのプロトン化による。従って、31個の化合物の31個が、MALDI Mass Spectroscopyによって検出される。より重要なことに、実施例は、複数のタグが分光学的方法によって同時に検出され得ることを実証する。
α-シアノマトリクス単体(図11)は、146.2、164.1、172.1、173.1、189.1、190.1、191.1、192.1、212.1、224.1、228.0、234.3のピークを示す。化合物をさらに精製しなかったので、スペクトルの他の同定された質量は、購入した化合物の夾雑物による。
実施例14
マイクロサテライトマーカー:PCR増幅
マイクロサテライトマーカーを、以下の標準的なPCR条件を用いて増幅する。簡単に述べれば、PCR反応は、40ngのゲノムDNA、50pmolの各プライマー、0.125mMのdNTP、および1単位のTaqポリメラーゼを含む、全量50μlで行う。1×増幅緩衝液は、10mM Tris塩基(pH9)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.1%Triton X-100および0.01%ゼラチンを含む。反応を、「熱開始(hot-start)」手順を用いて行う:Taqポリメラーゼを、96℃で5分の最初の変性工程の後にのみ加える。増幅を、35サイクルで行う:変性(94℃で40秒)およびアニーリング(55℃で30秒)。伸長工程(72℃で2分)は、最後のアニーリング後の処理を終結させる。得られる増幅産物は短く(90〜350塩基対長)、55℃から94℃へ温度を上昇する時間間隔(1℃/秒の上昇速度が得られる)は十分長いので、DNA伸長の完了は、72℃での工程をせずに達成され得る。
前述から、本発明の特定の実施態様は例示の目的で本明細書中に記載され、種々の改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。
図1は、化学的切断可能質量スペクトル分析タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成のための、カルボキシルアミド末端を有するタグを遊離させるフローチャートを示す。 図2は、化学的切断可能質量スペクトル分析タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成のための、カルボキシル酸末端を有するタグを遊離させるフローチャートを示す。 図3は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラフルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図4は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラフルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図5は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラフルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図6は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラフルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図7は、36のアミンで終結する末端光化学的切断可能質量スペクトル分析タグの組の合成のためのフローチャートを示す。 図8は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラフルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図9は、光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ酸の36のテトラフルオロフェニルエステルの対応する組から作製された36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグを付けたオリゴヌクレオチドの合成を示す。 図10は、36のアミン末端光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ酸の36の対応する組から作製された36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグを付けたオリゴヌクレオチドの合成を示す。 図11は、質量スペクトル分析による複数タグの同時検出を示す。 図12は、α-シアノマトリックス単独の質量スペクトル図を示す。 図13は、モジュラーで構築されるタグを付けた核酸フラグメントを示す。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載されるサイジング技術を用いる核酸分子の分析方法。
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