JP2008275740A - 表示体及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本願発明の第1の態様は、微細レリーフ構造を有する微細レリーフ領域を備えた表示体であって、微細レリーフ領域は、前記表示体の可視光反射率が低く、かつ、1次回折光を射出することを特徴とする表示体とする。
【選択図】図1
Description
ホログラムは、二光束干渉などの光学的撮影方法により、微細な凹凸パターンや、屈折率分布を設けることで作製される。一方、回折格子像は、微小なエリアに回折格子を配置したものを画素として作製される。
上記ホログラムや回折格子像は、双方ともに偽造困難で、カラーコピー機等による複写も困難で、また意匠的にも優れることから、クレジットカードやIDカード、各種有価証券、証明書等に広く用いられている。
しかしながら、実際の運用上ではホログラムや回折格子像の真偽判定は人の目に委ねられるため、微視的には粗悪な偽造品であっても全ての人が肉眼で一様に正確な真偽判定を行うことは容易でない。
例えば、表面レリーフ構造のホログラムや回折格子は密着露光により複製される恐れがある。
偽造を防ぐため、例えば回折効果を持つ細かいパターンの配置に工夫を凝らすことが特許文献1に記載されている。このセキュリティデバイスでは、ヒトの目視では情報が読み取れないようにし、セキュリティ情報の有無を分かりにくくしている。したがって、真正品か否かの判断は目視では困難で、その判定には読み取り機械を使用することになる。
また、密着露光法で複製されたホログラムや回折格子は、オリジナルと比較すれば精度の低下を確認できるが、通常複製品は複製品のみで流通するため、専門家ではない一般の需要家では真正品か否かの判断が困難であるという問題があった。
微細な凹凸を設けた基材は、入射した光の反射を抑えることが知られている。例えば、ある種の反射防止フィルムは、フィルム基材表面に細かい凹凸のエンボス加工を施したり、フィルム形成樹脂そのものにフィラーを混ぜ込むことで、フィルムの屈折率に分布を持たせるとともに、フィルム表面に凹凸を形成する。近年では、この凹凸をさらに微細に、凸部の周期を光の波長以下とするとこで、光の反射を防ぎ入射光を制御できることが開示されている(例えば特許文献2参照)。この技術は、凸部の周期が光の波長以下、特に50から250nm程度とすることで、光の反射を抑制し、光制御シートに適用したというものである。しかし、本発明のように、微細な凸部を光の波長以下の中心間距離で設け、これに反射層を備えることで、回折光を制御し、回折光を観察可能な表示体とすることはまだ知られていない。
さらに、前記反射層は膜厚(t)が下記の式を満たしている。
t> 1/α,
α=4πk/λmin
k:消光係数、α:吸収係数、λmin:可視光域の最短波長
さらに、前記反射層は金属であることを特徴とする。このような構成とすることで、光の透過を防ぎ、法線方向から観察した際により黒色に見えるようになる。また、回折光を強くすることができる。
上記構造に加えて、微細レリーフ領域の可視光反射率は10%以下である。このような構成とすることで、法線方向からの観察に対し黒色に近く見え、また、従来のセキュリティパターンとも区別しやすい。
上記構成に加えて、回折格子構造を備えた回折格子領域を備え、当該回折格子領域の可視光反射率は60%以上、かつ、回折光を射出することを特徴とする表示体である。
可視光反射率の高い領域を同時に備える表示体とすることで、可視光反射率の違いを相対的に観察できるので、真性品の判断が容易になる。また、デザインの選択肢が多彩になるため装飾効果が大きく、人目を引くことができる。
図1乃至図6は、本発明の第1の態様を説明する図である。
図7及び図8は、本発明の第2の態様を説明する図である。
図1は、本発明の表示体の第1実施形態を概略的に示した断面図である。
本発明の第1実施形態では、表示体10は第一基材11、反射層12、第二基材18を備えている。また、表示体10は微細レリーフ領域13を備えている。微細レリーフ領域は微細レリーフ構造14を有している。微細レリーフ構造14は、第一基材11と第二基材18の界面に位置しており、微細なレリーフに沿った形状の反射層12を備えている。
第一基材11および/または第二基材18は微細レリーフ領域13を構成する微細レリーフ構造14を保持するための層である。第一基材11および第二基材18の材料としては、例えば熱可塑性または光硬化性の樹脂を挙げることができる。例えば、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を使用すると、原版を用いた転写により、一方の主面に凹構造及び/又は凸構造が設けられた第一基材11または第二基材18を容易に形成することができる。第一基材11と第二基材18とは同じ材料を用いてもよい。光透過性の材料を用いることで、それぞれの基材を介して表示素子として観察することができる。第一基材11及び第二基材18はそれぞれ複数種類の樹脂の積層体であってもよい。また、第一基材11と第二基材18は、いずれか一方を省略することもできる。あるいは、本願発明の表示体を他の基材に配置し積層体として用いるために、いずれか一方を接着層とすることもできる。
微細レリーフ構造14は、例えば、感光性樹脂材料に電子ビームによってパターンを描画する方法により形成することができる。あるいは、表面レリーフ型ホログラムの作製のように、微細凹凸に対応する微細な凹凸を備えた原版を例えばフィルム上に積層された熱可塑性樹脂に熱をかけながら押し当てる、いわゆる熱エンボス加工法により形成することができる。
微細な凹凸を備えた原版は、例えば、二光束干渉法を用いてホログラムパターンを記録した樹脂や、電子ビームによってパターンを描画した樹脂を母型とする方法、またはバイトによって金属を切削する方法により得られた母型の電鋳を行うことにより得られる。
ここで微細レリーフ領域13を形成する微細レリーフ構造14は、必ずしもそれぞれが同一の大きさ・形状である必要はなく、配列の規則性が維持されていればよい。またその断面形状に関しても、上述の可視光に対する反射率低減の効果を示すものであれば、特に限定されるものではない。
凸部の高さ(凹部の深さ)hは中心間距離の1/2以上であればよく、典型的には0.3μm以上0.5μm以下である。
凸部の配列は、規則的であることが好ましい。例えば行列状に配置してもよく、特に好ましくは凸部基端部水平方向の断面形状にあわせてもっとも密に配置可能な並べ方を選択することができる。特に、凸部基端部は間隔を空けず、隣接する凸部と接して形成するのが好ましい。図4に、選択可能な配列をいくつか例示する。規則性を一部崩したものであっても、ある程度は、正反射を抑えかつ回折光を射出する本発明の表示体の構成を得ることができる。
微細レリーフ構造14が図3に示すような複数の凸部の集合である場合、その基端部側が観察者側となり、観察者側からは穴があいたような状態となるように表示体を構成すると、凸部頂部の変形や破損を防止することができ好ましい。
反射層12としては、可視光を透過せず、可視光の反射率の高い物質、例えば、アルミニウム、銀、及びそれらの合金などの金属材料からなる金属膜を使用することができる。この場合、微細レリーフ領域13を法線方向から観察すると、黒色あるいは灰色の無彩色に見える。
また、反射層12を金属膜とすることで、微細レリーフ領域13と、後述する微細レリーフ非形成領域15との反射率の違いが明確になるため、それぞれの領域を目視でも読み取り機械によっても認識しやすくなる。
t> 1/α,
α=4πk/λmin
k:消光係数、α:吸収係数、λmin:可視光域の最短波長
金属およびその化合物はそれぞれ固有の光吸収を示すが、いずれにおいても上記の膜厚条件を満たせば、ほぼ可視光域全てにわたって高い反射率が得られる。たとえばアルミの場合、可視光域の最短波長を380nmとすれば消光係数kは約4.6であり、上式より6から7nm以上の膜厚とすればよい。
或いは、反射層12に加えて、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体,すなわち、誘電体多層膜,を設けてもよい。多層誘電体膜とすれば、微細レリーフ領域13に波長選択性を与えられるため、金属や単層の誘電体膜を反射層とした場合とは異なる視覚効果を得ることができる。
多層誘電体膜61は、例えば、微細レリーフ構造14を形成した第一基材11上に、硫化亜鉛などの高屈折率材料62とフッ化マグネシウムなどの低屈折率材料63とを交互に蒸着することによって得られる。このとき、金属膜65は、図6(b)及び(c)に示すように、第一基材11側でも、第二基材18側でもよい。
本願発明の表示体が微細レリーフ非形成領域15を備えている際、微細レリーフ非形成領域にも反射層を設けることができる。このときの反射層も可視光反射率が60%以上となるような反射層であることが好ましく、より好ましくは微細レリーフ領域に設けられた反射層と同じものを同時に設けることができる。このような構成とすることで、本発明の表示体を法線方向から観察した場合、微細レリーフ領域13は光沢のない黒又は灰色に、微細レリーフ非形成領域15は強い反射光と金属光沢を観察することができ、それぞれの領域の違いが顕著になる。特に、微細レリーフ非形成領域15が、回折格子構造17を備えた回折格子領域16であった場合、正面に近い方向では正反射光に加え回折光も観察可能であるためこの効果はいっそう顕著であり、高い意匠性を得ることができる。
表示体10は、さらに微細レリーフ非形成領域15を備えている。図1では、微細レリーフ非形成領域15が回折格子構造17を有する回折格子領域16であった場合を示す。回折格子構造もまた、微細レリーフ構造と同じく反射層を備えている。
回折格子領域16を構成する回折格子構造17は、直線状または曲線状の突起あるいは溝を可視光の波長程度、またはそれ以上の間隔dで並列配置した集合体に反射層が備わったものであり、たとえば白色光を入射光とすると、主にその1次回折光が波長ごとに異なる角度で現れるため、観察位置によって虹色に変化して見える。また、回折格子領域16は、回折光を観察できない角度では、金属光沢を備えた銀白色の領域として視認される。
なお、回折格子領域16では、構成する回折格子構造の空間周波数や方位角、回折効率、深さあるいは高さ等を該領域内の微小区域毎に適宜設定することで、所望のカラー画像を得ることができる。あわせて反射層の材料や構成を適宜設定することで、波長選択性や下層の可視/不可視など、所望の視覚効果を得ることができる。
この表示体10の視覚効果について、さらに詳細に説明する。
まず、通常の回折格子である回折格子構造17に起因した視覚効果について説明する。
d=λ/(sinα−sinβ) …(1)
この等式(1)において、dは回折格子の格子定数を表し、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは、0次回折光,すなわち、透過光又は正反射光,の射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は、照明光の入射角と等しく、入射角とはZ軸に対して対称な関係である(反射型回折格子の場合)。なお、α、βは、Z軸から時計回りの方向を正方向とする。
一例として、回折格子は、その法線方向に1次回折光を射出するとする。すなわち、1次回折光の射出角βは、0°であるとする。そして、観察者は、この1次回折光を知覚するとする。このときの0次回折光の射出角をαNとすると、等式(1)は、下記等式(2)へと簡略化することができる。
等式(2)から明らかなように、観察者に特定の色を知覚させるには、その色に対応した波長λと照明光の入射角|αN|と格子定数dとを、それらが等式(2)に示す関係を満足するように設定すればよい。例えば、波長が400nm乃至700nmの範囲内にある全ての光成分を含んだ白色光を照明光として使用し、照明光の入射角|αN|を45°とする。そして、空間周波数(格子定数の逆数)が1000本/mm乃至1800本/mmの範囲内で分布している回折格子を使用するとする。この場合、回折格子をその法線方向から観察すると、空間周波数が約1600本/mmの部分は青く見え、空間周波数が約1100本/mmの部分は赤く見える。
図2(a)は、回折格子構造が回折光を射出する様子を概略的に示す図である。図2(b)は、微細レリーフ構造が回折光を射出する様子を概略的に示す図である。図2(a)及び(b)において、21a及び21bは照明光を示し、22a及び22bは正反射光又は0次回折光を示し、23a及び23bは1次回折光を示している。
また、上記式(1)から明らかであるように、本発明の表示体が備える微細レリーフ領域13への、一定の入射光の角度に対する、ある波長領域(例えば波長520乃至570nmの緑色域)の回折光の射出角度範囲は、理論上、通常のホログラムや回折格子像のそれよりも広くなるため、単一色調に近い回折光を観察することができる。
すなわち、図7に例示したような本発明にかかる積層体75では、観察角度によって異なる3種の固有の色変化を同一面内で同時に実現することができる。
本発明で述べる可視光とは、JIS Z 8113(1998)で定義される可視放射と同様であり、人の目に入って、直後に、視感覚を起こすことができる放射を指す。
本発明で述べる可視光反射率、或いは単に反射率とは、20度鏡面光沢を測定したものであり、可視光波長全帯域において、正反射光束の入射光束に対する比の最大値を百分率で示したものである。本明細書では、可視光波長領域を400nm〜700nmとし、島津製作所製 UV−3101PC型を用いて測定を行い算出した20度鏡面光沢について、最大値となった波長の値を用いている。
11:第一基材 12:反射層 13:微細レリーフ領域 14:微細レリーフ構造
15:微細レリーフ非形成領域 16:回折格子領域 17:回折格子構造
18:第二基材
21a、21b:照明光 22a:正反射光 22b:0次回折光
23a、23b:1次回折光
31:凸部 32:凹部
61:多層誘電体膜 62:高屈折率材料 63:低屈折率材料 65:金属膜
72:光吸収領域
75、80:積層体
81:基材
Claims (10)
- 微細レリーフ構造を有する微細レリーフ領域を備えた表示体であって、微細レリーフ領域は、前記表示体の可視光反射率が低く、かつ、1次回折光を射出することを特徴とする表示体。
- 前記微細レリーフ構造は反射層を備えていることを特徴とする請求子1記載の表示体。
- 前記反射層は膜厚(t)が下記の式を満たすことを特徴とする請求項2記載の表示体。
t> 1/α,
α=4πk/λmin
k:消光係数、α:吸収係数、λmin:可視光域の最短波長 - 前記反射層は金属であることを特徴とする請求項2または3記載の表示体。
- 前記微細レリーフ領域の可視光反射率は10%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示体。
- 前記微細レリーフ領域から射出される1次回折光は、可視光波長範囲の一部のみを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示体。
- 前記微細レリーフ領域から射出される1次回折光は、700nmより長い波長を含まないことを特徴とする請求項6記載の表示体。
- 前記微細レリーフ領域に加え、微細レリーフ構造を有さない微細レリーフ非形成領域を備え、当該微細レリーフ非形成領域の可視光反射率は60%以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示体。
- 前記微細レリーフ領域に加え、回折格子構造を備えた回折格子領域を備え、当該回折格子領域の可視光反射率は60%以上、かつ、1次回折光を射出することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の表示体。
- 請求項1から9のいずれかに記載の表示体と、当該表示体が配置された基材とを備えたことを特徴とする積層体。
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