以下に、図1から図4を参照して、電子機器の実施形態について説明する。図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ機構14と、を備えている。ヒンジ機構14は、表示ユニット13を支持している。図1に示すように、紙面手前側が前方向Fになっている。
表示ユニット13は、ディスプレイ15を有している。このディスプレイ15は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。図1と図5に示すように、本体ユニット12は、樹脂製の筐体16と、キーボード17と、ポインティングデバイスであるタッチパッド18と、ボタン19と、筐体16の内部に収容されたプリント回路板20と、プリント回路板20の回路部品32を冷却するための冷却装置21と、筐体16の設置高さを変更するための脚部22と、を有している。脚部22は、筐体16の底部に設けられるとともに、図示しない軸部を中心に回動可能になっている。図5に示すように、脚部22は、筐体16に対して起立したり、筐体16の厚み寸法内に収容されたりすることができる。脚部22を筐体16に対して起立させると、キーボード17の設置角度を変更することができる。
図2に示すように、プリント回路板20は、銅製の配線層が積層されたプリント配線板31と、プリント配線板31上に実装された複数の回路部品32と、を有している。複数の回路部品32は、第1の発熱体32Aと、第2の発熱体32Bと、その他の部品32Cと、を含んでいる。第1の発熱体32Aは、例えば、BGA(Ball Grid Array)形の半導体パッケージであり、例えばCPU(central processing unit)で構成されている。第2の発熱体32Bは、例えば、BGA形の半導体パッケージであり、例えばグラフィックスチップで構成されている。もっとも、第1の発熱体32Aと第2の発熱体32Bとは、これらに限定されるものではなく、ノースブリッジなどのその他の回路部品であってもよい。
冷却装置21は、回路部品32の第1の発熱体32Aと第2の発熱体32Bとを冷却するためのものである。冷却装置21は、第1の発熱体32Aと熱的に接続された第1の受熱板33と、第2の発熱体32Bと熱的に接続された第2の受熱板34と、第1の発熱体32Aおよび第2の発熱体32Bの冷却を促進するためのファンユニット35と、を有している。冷却装置21は、さらに、ファンユニット35の近傍に設けられた第1のヒートシンク36および第2のヒートシンク37と、第1の受熱板33と第1のヒートシンク36とを連結する第1のヒートパイプ38と、第2の受熱板34と第2のヒートシンク37とを連結する第2のヒートパイプ39と、を有している。
第1の受熱板33および第2の受熱板34は、銅板により方形にそれぞれ形成されている。第1のヒートシンク36および第2のヒートシンク37は、方形板状のフィンを複数個連結して形成されている。第1のヒートシンク36は、第2のヒートシンク37に隣接して設けられている。ファンユニット35は、ファン本体44と、ファン本体44を回転するためのモータなどを有している。
第1のヒートパイプ38は、銅により形成された管状の第1の本体38Aを有している。第1の本体38Aの内部に、気体と液体との間で状態変化可能な作動流体が封入されている。作動流体は、例えば水で構成されているが、これに限定されるものではない。作動流体は、例えばアルコール等のその他の媒体であってもよい。第1のヒートパイプ38は、略水平に延びるように筐体16内に設置されている。第1のヒートパイプ38は、第1の発熱体32Aに接続される第1の端部38Bと、ファンユニット35の近傍に配置される第2の端部38Cと、を有している。第2の端部38Cは、第1のヒートシンク36に接続されている。
図3に示すように、第1のヒートパイプ38は、第1の本体38Aの内部に、第1の運搬機構である複数の溝部38Dを有している。複数の溝部38Dは、第1のヒートパイプ38の長手方向に沿って延びるように形成されている。複数の溝部38Dは、第1の本体38Aと一体に形成されている。
作動流体は、気体と液体との間で状態変化することができる。第1のヒートパイプ38において、作動流体は、第1の受熱板33に接続された第1の端部38B付近で気化するとともに、第1の受熱板33の熱を吸熱する。作動流体は、第1のヒートシンク36に接続された第2の端部38Cで液化するとともに、第1のヒートパイプ38内に吸収した熱を第1のヒートシンク36に放熱する。
図2と図4に示すように、第2のヒートパイプ39は、銅により形成された管状の第2の本体39Aを有している。第2の本体39Aの内部に、第1のヒートパイプ38と同じ作動流体が封入されている。第2のヒートパイプ39は、第2の発熱体32Bに接続される一方の端部39Bと、ファンユニット35の近傍に配置される他方の端部39Cと、を有している。他方の端部39Cは、第2のヒートシンク37に接続されている。
第2のヒートパイプ39は、第2の運搬機構である運搬機構45を有している。運搬機構45は、第2の本体39Aの内周部に所定の厚さで形成された多孔質層46で構成されている。多孔質層46は、互いに連通した複数の微小孔47を有しており、微小孔47内に作動流体を通すことができる。多孔質層46は、例えば第2の本体39Aの内周部に銅粉末を焼結させて形成される。この第2のヒートパイプ39の微小孔47の孔径寸法は、第1のヒートパイプ38の溝部38Dの幅寸法に比して、極端に小さいものになっている。このため、第2のヒートパイプ39は、十分な毛管作用を発揮することができる。
第2のヒートパイプ39において、作動流体は、第2の受熱板34に接続された一方の端部39B付近で気化するとともに、第2の受熱板34の熱を吸熱する。作動流体は、第2のヒートシンク37に接続された他方の端部39Cで液化するとともに、第2のヒートパイプ39内に吸収した熱を第2のヒートシンク37に放熱する。
第1の実施形態のポータブルコンピュータ11では、第1の発熱体32Aで発生した熱は、第1の受熱板33、第1のヒートパイプ38を経由して、第1のヒートシンク36に伝達される。第1のヒートシンク36に伝えられた熱は、ファンユニット35から送られる空気に伝達されて、図2に示す排気孔48から筐体16の外部に排出される。同様に、第2の発熱体32Bで発生した熱は、第2の受熱板34、第2のヒートパイプ39を経由して、第2のヒートシンク37に伝達される。第2のヒートシンク37に伝えられた熱は、ファンユニット35から送られる空気に伝達されて、排気孔48から筐体16の外部に排出される。
ところで、本実施形態のポータブルコンピュータ11は、図5に2点鎖線で示すように筐体16を横置き状態で設置した第1の位置P1と、図5に実線で示すように横置き状態に対して傾いて設置された第2の位置P2との両方の状態で使用することができる。第1の位置P1では、ポータブルコンピュータ11は、水平方向に延びるように設置されている。また、第2の位置P2にあるポータブルコンピュータ11は、前方向Fとは反対側の後方向が高くなるように設置されている。
ポータブルコンピュータ11が第1の位置P1にある状態において、第1のヒートパイプ38は、第1の端部38Bと第2の端部38Cの高さが略同等になるように配置されている。また、第2のヒートパイプ39も、一方の端部39Bと他方の端部39Cの高さが略同等になるように設置されている。このため、第1のヒートパイプ38と第2のヒートパイプ39とにおいてトップヒートは起こらない。
トップヒートとは、ヒートパイプの設置方向が不適当なときに、作動流体の循環が起こらなくなる現象をいう。一般に、ヒートパイプ内において、作動流体は、気化して周囲の熱を吸熱するとともにヒートパイプ内を移動し、その後液化して当該熱を周囲に放出する。この液化した作動流体は、例えば、ヒートシンクの内部を伝って、気化が行われる箇所に戻されるようになっている。ところが、この気化の行われる箇所が液化の行われる箇所よりも高い位置にある場合には、液化した作動流体が気化の行われる箇所に戻らなくなり、熱の運搬がうまくなされない。このような現象をトップヒートと呼んでいる。
ポータブルコンピュータ11が第2の位置P2にある場合において、第1のヒートパイプ38では、作動流体の気化が行われる第1の端部38Bは、液化が行われる第2の端部38Cよりも低い位置に配置される。このため、第1のヒートパイプ38でトップヒートは起こらない。一方、第2のヒートパイプ39では、作動流体の気化が行われる一方の端部39Bは、液化が行われる他方の端部39Cよりも高い位置に配置される。このため、液化した作動流体を、重力に逆らって他方の端部39Cから一方の端部39Bに戻す必要がある。本実施形態の第2のヒートパイプ39は、運搬機構45である多孔質層46を備えている。このため、液化した作動流体は、多孔質層46の毛管作用によって他方の端部39Cから一方の端部39Bに戻される。これによって、第2のヒートパイプ39においても、トップヒートが防止される。
以上が、ポータブルコンピュータ11の第1の実施形態である。本実施形態によれば、第1のヒートパイプ38の第1の端部38Bは、第2の端部38Cよりも低い位置に配置されるとともに、第2のヒートパイプ39の一方の端部39Bは、他方の端部39Cよりも高い位置に配置され、第2のヒートパイプ39は、運搬機構45を有し、この運搬機構45は、液化した作動流体を他方の端部39Cから一方の端部39Bに運ぶ。
この構成によれば、ポータブルコンピュータ11が第2の位置P2にあるときに、第1のヒートパイプ38の第1の端部38Bは、第2の端部38Cよりも低い位置に配置されるため、第1のヒートパイプ38でトップヒートを生ずることが防止される。また、第2のヒートパイプ39の一方の端部39Bは、他方の端部39Cよりも高い位置に配置されるため、第2のヒートパイプ39はトップヒートを生ずる位置にある。しかし、第2のヒートパイプ39は、運搬機構45を有し、この運搬機構45が液化した作動流体を他方の端部39Cから一方の端部39Bに運ぶため、一方の端部39Bにおいて作動流体がなくなる事態が防止される。このため、第2のヒートパイプ39においても、トップヒートを生ずることを防止できる。また、ポータブルコンピュータ11が横置き状態になった第1の位置P1では、第1のヒートパイプ38および第2のヒートパイプ39が斜めに設置されることがなく、これらにトップヒートは生じない。以上により、ポータブルコンピュータ11が第1の位置P1にあるときと、第2の位置P2にあるときの両方において、トップヒートの発生を防止して、第1の発熱体32Aと第2の発熱体32Bとを効率よく冷却できる。また、第2のヒートパイプ39を配置することで、トップヒートの発生を防止できるため、ヒートパイプのレイアウトの自由度を向上することができる。
この場合、運搬機構45は、第2の本体39Aの内周部に設けられた多孔質層46で構成され、この多孔質層46は、互いに連通した複数の微小孔47を有する。この構成によれば、運搬機構45は、毛管作用を発揮して、液化した作動流体を吸い上げることができる。これにより、別途にポンプ等の駆動源を必要とすることなく、作動流体を重力に逆らった方向に運ぶことができる。
この場合、第1のヒートパイプ38は、第1の本体38Aの内部に複数の溝部38Dを有し、この複数の溝部38Dは、第1のヒートパイプ38の長手方向に沿って延びている。この構成によれば、第1のヒートパイプ38を簡易かつ作動流体の輸送に十分な構造で構成することができる。すなわち、複数の溝部38Dを有する第1のヒートパイプ38は、運搬機構45を有する第2のヒートパイプ39に比して、作動流体の輸送量が大きく、重量が軽く、さらに製造コストが安いというメリットがある。一方、第2のヒートパイプ39は、第1のヒートパイプ38に比して、作動流体の輸送量、重量、および製造コストにおいて劣るものの、傾きに強く、トップヒートの発生を極力防止できるようになっている。本実施形態では、第1の発熱体32Aおよび第2の発熱体32Bとファンユニット35との位置に応じて、構造の異なる第1のヒートパイプ38と第2のヒートパイプ39とを使い分けることで、これらの長所を生かして、第1の発熱体32Aと第2の発熱体32Bの冷却を効率的に行うことができる。
この場合、多孔質層46は、第2の本体39Aの内周部に金属粉末を焼結して形成される。この構成によれば、内部に多数の微小孔47のある多孔質層46を簡単に形成することができる。この場合、特に、第2のヒートパイプ39の第2の本体39Aと同じ材質の銅粉末を用いると、銅の良好な熱伝導性を発揮させることができる。
図6から図9を参照して、ポータブルコンピュータ61の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のポータブルコンピュータ61は、いわゆるタブレットタイプのものである。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ61は、本体ユニット62と、表示ユニット63と、本体ユニット62と表示ユニット63との間に設けられるヒンジ機構64と、を備えている。ヒンジ機構64は、表示ユニット63を支持している。ヒンジ機構64は、軸線αを中心に表示ユニット63を本体ユニット62に対して回動させることができる。また、ヒンジ機構64は、軸線βを中心に表示ユニット63を本体ユニット62に対して旋回させることができる。図6に示すように、紙面手前側が前方向Fになっている。このとき、ポータブルコンピュータ61は、本体ユニット62に対して表示ユニット63が開いている第1の状態S1にある。
表示ユニット63は、ディスプレイ15を有し、このディスプレイ15は液晶ディスプレイで構成される。図6に示すように、本体ユニット62は、樹脂製の筐体65と、キーボード17と、ポインティングデバイスであるタッチパッド18と、ボタン19と、筐体65の内部に収容されたプリント回路板66と、プリント回路板66の回路部品32を冷却するための冷却装置67と、を有している。図7と図8に示すように、筐体65は、第1の排気孔73が形成された後壁部65Aと、第2の排気孔74が形成された右壁部65Bと、を含んでいる。
図7に示すように、表示ユニット63は、ディスプレイ15を上側に向けて、本体ユニット62に対して被さる状態、すなわちタブレット状態になることができる。つまり、ポータブルコンピュータ61は、ディスプレイ15を外部に露出させた状態で本体ユニット62に表示ユニット63が被さる第2の状態S2になっている。このタブレット状態において、ディスプレイ15の画面は、例えば、図6に示す状態の画面に対して、時計回りに90度回転された状態で表示される。本実施形態において、この画面表示の切り替えは、例えば、ディスプレイ15の位置によって自動的になされるようになっているが、別途に切り替えスイッチを設けて、このスイッチによって画面表示を切り替えるようにしてもよい。
図8に示すように、プリント回路板66は、プリント配線板68と、プリント配線板68上に実装された複数の回路部品32と、を有している。複数の回路部品32は、第1の発熱体32Aと、第2の発熱体32Bと、その他の部品32Cと、を含んでいる。第1の発熱体32Aは、例えば、BGA(Ball Grid Array)形の半導体パッケージであり、例えばCPU(central processing unit)で構成されている。第2の発熱体32Bは、例えば、BGA形の半導体パッケージであり、例えばグラフィックスチップで構成されている。
冷却装置67は、回路部品32の第1の発熱体32Aと第2の発熱体32Bとを冷却するためのものである。冷却装置67は、第1の発熱体32Aと熱的に接続された第1の受熱板71と、第2の発熱体32Bと熱的に接続された第2の受熱板72と、第1の発熱体32Aの冷却を促進するための第1のファンユニット75と、第2の発熱体32Bの冷却を促進するための第2のファンユニット76と、を有している。冷却装置67は、さらに、第1のファンユニット75の近傍に設けられた第1のヒートシンク36と、第2のファンユニット76の近傍に設けられた第2のヒートシンク37と、第1の受熱板71と第1のヒートシンク36とを連結する第1のヒートパイプ38と、第2の受熱板72と第2のヒートシンク37とを連結する第2のヒートパイプ39と、を有している。
第1の受熱板71および第2の受熱板72は、銅板により方形にそれぞれ形成されている。第1のヒートシンク36および第2のヒートシンク37は、複数のフィンを連結して形成されている。第1のファンユニット75および第2のファンユニット76は、ファン本体44と、ファン本体44を回転するためのモータなどをそれぞれ有している。
第1のヒートパイプ38は、第1の実施形態のものと同形態に形成され、第1の本体38Aの内部に複数の溝部38Dを有している。第1のヒートパイプ38は、略水平に延びるように筐体65内に設置されている。第1のヒートパイプ38は、第1の発熱体32Aに接続される第1の端部38Bと、第1のファンユニット75の近傍に配置される第2の端部38Cと、を有している。第2の端部38Cは、第1のヒートシンク36に接続されている。
第2のヒートパイプ39は、第1の実施形態のものと同形態に形成されている。第2のヒートパイプ39は、第2の発熱体32Bに接続される一方の端部39Bと、第2のファンユニット76の近傍に配置される他方の端部39Cと、を有している。他方の端部39Cは、第2のヒートシンク37に接続されている。
図4に示すように、第2のヒートパイプ39は、運搬機構45を有している。運搬機構45は、第2の本体39Aの内周部に所定の厚さで形成された多孔質層46で構成されている。多孔質層46は、互いに連通した複数の微小孔47を有しており、内部に作動流体を通すことができる。多孔質層46は、例えば第2の本体39Aの内周部に銅粉末を焼結させて形成される。この第2のヒートパイプ39の微小孔47の孔径寸法は、第1のヒートパイプ38の溝部38Dの幅寸法に比して、極端に小さいものになっている。このため、第2のヒートパイプ39は、第1のヒートパイプ38に比して、毛管作用を十分に発揮することができる。
第2の実施形態のポータブルコンピュータ61では、第1の発熱体32Aで発生した熱は、第1の受熱板71、第1のヒートパイプ38を経由して、第1のヒートシンク36に伝達される。第1のヒートシンク36に伝えられた熱は、第1のファンユニット75から送られる空気に伝達されて、第1の排気孔73から筐体65の外部に排出される。同様に、第2の発熱体32Bで発生した熱は、第2の受熱板72、第2のヒートパイプ39を経由して、第2のヒートシンク37に伝達される。第2のヒートシンク37に伝えられた熱は、第2のファンユニット76から送られる空気に伝達されて、第2の排気孔74から筐体65の外部に排出される。
ところで、第2の実施形態のポータブルコンピュータ61は、図6に示すように筐体65を横置き状態で設置した第1の位置P1と、図9に示すように横置き状態に対して傾いた位置、すなわち縦置き状態にした第2の位置P2との両方の状態で使用することができる。第2の位置P2において、筐体65の右壁部65Bは下側に配置されている。
第1の位置P1において、第1のヒートパイプ38は、第1の端部38Bと第2の端部38Cの高さが略同等になるように配置されている。また、第2のヒートパイプ39も、一方の端部39Bと他方の端部39Cの高さが略同等になるように設置されている。このため、第1のヒートパイプ38と第2のヒートパイプ39においてトップヒート現象は起こらない。
図9に示す第2の位置P2において、第1のヒートパイプ38では、作動流体の気化が行われる第1の端部38Bは、液化が行われる第2の端部38Cよりも低い位置に配置されている。このため、第1のヒートパイプ38ではトップヒートは起こらない。一方、第2のヒートパイプ39では、作動流体の気化が行われる一方の端部39Bは、液化が行われる他方の端部39Cよりも高い位置に配置されている。このため、液化した作動流体を、重力に逆らって他方の端部39Cから一方の端部39Bに戻す必要があるが、第2の実施形態の第2のヒートパイプ39は、運搬機構45である多孔質層46を備えている。このため、その毛管作用によって液化した作動流体を他方の端部から一方の端部に戻すことができる。
すなわち、第2の実施形態では、タブレット状態で第2の位置P2にしたときに、トップヒートとなる箇所に、運搬機構45である多孔質層46を有する第2のヒートパイプ39を配置している。このトップヒート状態になるヒートパイプとしては、例えば、下方に配置された第2の排気孔74の近傍に引き回されるヒートパイプが該当する。
第2の実施形態によれば、例えば、筐体65の右壁部65Bが下側に位置するように縦置き状態で使用されることがあっても、第1のヒートパイプ38および第2のヒートパイプ39にトップヒートを生じてしまうことを防止することができる。このため、タブレットタイプのポータブルコンピュータのように、予め一定の向きでの使用が予想される場合には、本実施形態のように、トップヒートが起こる箇所に運搬機構45を有する第2のヒートパイプ39を配置することが好ましい。
本発明の電子機器は、ポータブルコンピュータ用に限らず、例えば携帯情報端末のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記各実施形態では、運搬機構45は、第2の本体39Aの内周部に形成された多孔質層46で構成されているが、例えばポンプ等の他の機構で実現してもよい。
11、61…ポータブルコンピュータ、16、65…筐体、32A…第1の発熱体、32B…第2の発熱体、35…ファンユニット、38…第1のヒートパイプ、38A…第1の本体、38B…第1の端部、38C…第2の端部、38D…複数の溝部、39…第2のヒートパイプ、39A…第2の本体、39B…一方の端部、39C…他方の端部、45…運搬機構、46…多孔質層、47…微小孔、75…第1のファンユニット、76…第2のファンユニット、P1…第1の位置、P2…第2の位置