JP2008260930A - 蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いチキソトロープ性を示し、かつ装置内への充填時に蛍光体の沈降が抑制される高性能な蛍光体含有組成物を提供する。
【解決手段】(A)シリカ微粒子、(B) Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有することを特徴とする蛍光体含有組成物。好ましくは、(B)が(A)に対して5重量%以上95重量%以下であり、好ましくは、(E)無機微粒子、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有する蛍光体含有組成物であって、(E)無機微粒子がSi、Al、ZrおよびTiから選ばれる2以上を含有する。
【選択図】 なし
Description
一方、上記発光装置を製造する場合、蛍光体を発光装置の所望の位置に配置するため、通常、蛍光体を液状媒体に分散させた蛍光体含有組成物を装置内に充填(注入)する工程が含まれる。しかしながら、この工程の際、注入された蛍光体含有組成物が硬化する間に蛍光体が沈降し、蛍光体含有組成物内部の蛍光体の分布に偏りが生じるため、発光が不均一となり、蛍光体の利用効率に問題があった。この問題を解決する目的で、例えば高粘度の液状媒体を使用する方法や、酸化ケイ素などの無機フィラーを添加することにより、蛍光体含有組成物の粘度を増大せしめて蛍光体の沈降を防止する方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、蛍光体含有組成物の粘度が高いと、(i)注入時に配管の閉塞などトラブルの原因となりやすい、(ii)気泡が抜けにくい、(iii)半導体素子のリードワイヤーの断線が起こりやすい、などの悪影響をもたらすことがあった。
そこで、従来使用されてきたシリカ微粒子より少量の添加でチキソトロープ性を発現するチキソトロープ剤の開発が望まれていた。
光体含有組成物に、特定のチキソトロープ剤を添加することにより、蛍光体含有組成物が高いチキソトロープ性を示し、かつ蛍光体の沈降が抑制されることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕(A)シリカ微粒子、(B) Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有することを特徴とする蛍光体含有組成物(以下、「第一の本発明の蛍光体含有組成物」と称することがある。)。
〔2〕(B)Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物が(A)シリカ微粒子に対して5重量%以上95重量%以下である前記〔1〕に記載の蛍光体含有組成物。
〔3〕(E)無機微粒子、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有する蛍光体含有組成物であって、(E)無機微粒子がSi、Al、ZrおよびTiから選ばれる2以上を含有することを特徴とする蛍光体含有組成物(以下、「第二の本発明の蛍光体含有組成物」と称することがある。)。
〔4〕(E)無機微粒子中における、Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上の含有量が0.1モル%以上95モル%以下である前記〔3〕に記載の蛍光体含有組成物。
〔5〕(D)液状媒体が珪素含有化合物である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の蛍光体含有組成物。
〔6〕シランカップリング剤を含有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の蛍光体含有組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の蛍光体含有組成物を用いて形成された発光装置。
〔8〕前記〔7〕に記載の発光装置を用いて形成された照明装置。
〔8〕前記〔7〕に記載の発光装置を用いて形成された画像表示装置。
[1]蛍光体含有組成物
本発明の蛍光体含有組成物は、特定のチキソトロープ剤を含有することを特徴とする。本発明に用いられるチキソトロープ剤を用いた場合、蛍光体含有組成物は高いチキソトロープ性を示し、発光装置への充填工程において流動状態では粘度が低く、隅々まで充填される。一方、充填された後の静止状態においては粘度が上昇し、蛍光体の沈降が抑制される。
第二の本発明の蛍光体含有組成物においては、(E)Si、Al、ZrおよびTiから選ばれる2以上を含有する無機微粒子が前記チキソトロープ剤に相当する。
さらに、いずれの本発明の蛍光体含有組成物も要すればその他の任意成分を含有していてもよい。以下、各構成成分について説明する。
[1−1](A)シリカ微粒子
本発明の(A)シリカ微粒子は、前述の通り、チキソトロープ剤としての役割を担保するものであり、具体的には、例えばフュームドシリカを挙げることができる。フュームドシリカは、H2とO2との混合ガスを燃焼させた1100〜1400℃の炎でSiCl4ガスを酸化、加水分解させることにより作製される。フュームドシリカの一次粒子は、平均粒径が5〜50nm程度の非晶質の二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする球状の超微粒子であり、この一次粒子がそれぞれ凝集し、粒径が数百nmである二次粒子を形成する。フュームドシリカは、超微粒子であるとともに、急冷によって作製されるため、表面の構造が化学的に活性な状態となっている。
本発明に使用するシリカ微粒子の一次粒子の平均粒子径は上記の比表面積から計算により求めたものである。平均粒子径をd、1gの粉体が有する表面積をS、形状係数をφとすると
d=6/Sφ
の関係が成立する(出典:化学大辞典)。
[1−2]金属酸化物
(B)Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物は、前記(A)シリカ微粒子と併用してチキソトロープ剤としての役割を担保するものである。(B)の金属酸化物としては、市販のものを使用でき、具体的には、例えばデグサ社製「AEROXIDE Alu C」(登録商標)、「AEROXIDE TiO2P25」(登録商標)、「AEROXIDE TiO2P25S」(登録商標)、「AEROXIDE TiO2PF2」(登録商標)、「VP Zirconium Oxide 3−YSZ」、「VP Zirconium Oxide PH」が挙げられる。
本発明の(E)無機微粒子は、前述の通り、チキソトロープ剤としての役割を担保するものであり、(A)シリカ微粒子と(B)金属酸化物が一体になったものと考えることができる。(E)無機微粒子は、フュームドシリカと同じ製法を用いて製造することができる。例えばSiとAlを含有する酸化物の場合、H2とO2との混合ガスを燃焼させた1100〜1400℃の炎でSiCl4ガス、AlCl3ガスを共燃焼させ、酸化、加水分解させることにより作製される。Ti、Zrを含有する場合も同様である。(E)無機微粒子中のAl、ZrおよびTiから選ばれる1以上の含有量は、(E)無機微粒子に対して、通常0.1モル%以上、好ましくは0.3モル%以上、さらに好ましくは0.5モル%以上であり、通常95モル%以下、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上の含有量が少なすぎると沈降抑制効果が不十分となり、多すぎると散乱効果や紫外線吸収効果等により発光の効率が低下する。
[1−4]チキソトロープ性と沈降抑制効果
本発明のチキソトロープ剤が前記効果を奏する理由は明らかでないが、以下のように推察される。すなわち、本発明の蛍光体含有組成物はチキソトロープ剤((A)+(B)または(E))、蛍光体(C)及び液状媒体(D)から構成されている。チキソトロープ剤の一成分である(A)シリカ微粒子または(E)無機微粒子が組成物の系に添加されると、(A)シリカ微粒子または(E)無機微粒子の水酸基同士の水素結合によりネットワークが形成される。一方、チキソトロープ性発現の理由は応力が小さい場合はネットワークが維持され高粘度を示すが、応力が大きい場合はネットワークが切れて低粘度を示すものとして説明されている。一方、蛍光体の表面は多くの場合、Si-OH,N-OH,C-OH等の水酸基が存在する。シリカ微粒子を蛍光体含有組成物に添加した場合は(A)シリカ微粒子または(E)無機微粒子の水酸基と蛍光体表面の水酸基間の水素結合により蛍光体がシリカ微粒子のネットワーク内に組み込まれ、チキソトロープ性を示すものと推定される。
本発明の蛍光体含有組成物に用いられる蛍光体とは、一般に光の照射によって可視光を発する物質をいう。
蛍光体の組成には特に制限はないが、結晶母体であるY2O3、Zn2SiO4等に代表される金属酸化物、Sr2Si5N8等に代表される金属窒化物、Ca5(PO4)3Cl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが好ましい。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。なお、以下の例示では、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。例えば、「Y2SiO5:Ce3+」、「Y2SiO5:Tb3+」及び「Y2SiO5:Ce3+,Tb3+」を「Y2SiO5:Ce3+,Tb3+」と、「La2O2S:Eu」、「Y2O2S:Eu」及び「(La,Y)2O2S:Eu」を「(La,Y)2O2S:Eu」とまとめて示している。省略箇所はカンマ(,)で区切って示す。
本発明の蛍光体含有組成物は、橙色ないし赤色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「橙色ないし赤色蛍光体」という。)を含有していてもよい。
赤色蛍光体が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、また、通常700nm以下、好ましくは680nm以下が望ましい。
[1−5−2]緑色蛍光体
本発明の蛍光体含有組成物は、緑色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「緑色蛍光体」という。)を含有していてもよい。
このような緑色蛍光体として、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si2O2N2:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
[1−5−3]青色蛍光体
本発明の蛍光体含有組成物は、青色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「青色蛍光体」という。)を含有していてもよい。
このような青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なうBaMgAl10O17:Euで表わされるユウロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)5(PO4)3Cl:Euで表わされるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)2B5O9Cl:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行なう(Sr,Ca,Ba)Al2O4:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al14O25:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
なお、上述のような蛍光体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の蛍光体含有組成物は、黄色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「黄色蛍光体」という。)を含有していてもよい。
黄色蛍光体が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。黄色蛍光体の発光ピーク波長が短すぎると黄色成分が少なくなり演色性が劣る発光装置となる可能性があり、長すぎると発光装置の輝度が低下する虞がある。
特に、RE3M5O12:Ce(ここで、REは、Y,Tb,Gd,Lu,Smの少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al,Ga,Scの少なくとも1種類の元素を表す。)やM23M32M43O12:Ce(ここで、M2は2価の金属元素、M3は3価の金属元素、M4は4価の金属元素)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE2M5O4:Eu(ここで、AEは、Ba,Sr,Ca,Mg,Znの少なくとも1種類の元素を表し、M5は、Si,Geの少なくとも1種類の元素を表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN3:Ce(ここで、AEは、Ba,Sr,Ca,Mg,Znの少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
[1−5−5]蛍光体の組み合わせ
本発明の蛍光体含有組成物に使用される蛍光体の具体的な好ましい組み合わせの例として、赤色蛍光体としてEu付活窒化物蛍光体から選ばれる1以上の蛍光体、ならびに緑色蛍光体としてCe付活珪酸塩蛍光体およびCe付活酸化物蛍光体から選ばれる1以上の蛍光体を含有する蛍光体含有組成物が挙げられる。
Ce付活酸化物緑色蛍光体としては、CaSc2O4:Ce(以下「CSO」と略記することがある。)の組み合わせが挙げられる。これらの蛍光体の組み合わせは所望の色度座標、演色指数、発光効率などに応じて適宜組み合わせればよい。
本発明に使用する蛍光体の粒径は特に制限はないが、中央粒径(D50)で通常0.1μm以上、好ましくは2μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。D50が小さすぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう虞がある。一方、D50が大きすぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる虞がある。
気温25℃、湿度70%の環境下において、エチレングリコールなどの溶媒に蛍光体を分散させる。
この重量基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値を中央粒径D50と表記する。また、積算値が25%及び75%の時の粒径値をそれぞれD25、D75と表記し、QD=(D75−D25)/(D75+D25)と定義する。QDが小さいことは粒度分布が狭いことを意味する。
本発明に使用する蛍光体は、表面に水酸基を多数有することが好ましい。必要なら蛍光体の表面処理によって水酸基数を増大することもできる。
更に、耐水性を高める目的で、または蛍光体含有組成物中で蛍光体の不要な凝集を防ぐ目的で、表面処理が行われていてもよい。
具体的には、例えば蛍光体の表面に上記金属リン酸塩を被覆させるには、(i)所定量のリン酸カリウム、リン酸ナトリウムなどの水溶性のリン酸塩と塩化カルシウム、硫酸ストロンチウム、塩化マンガン、硝酸亜鉛等のアルカリ土類金属、Zn及びMnの中の少なくとも1種の水溶性の金属塩化合物とを蛍光体懸濁液中に添加し、攪拌する。(ii)アルカリ土類金属、Zn及びMnの中の少なくとも1種の金属のリン酸塩を懸濁液中で生成させると共に、生成したこれらの金属リン酸塩を蛍光体表面に沈積させる。(iii)水分を除去する。
[1−6]液状媒体
使用される液状媒体としては無機系材料および/または有機系材料が使用できる。
有機系材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。特に照明など大出力の発光装置が必要な場合、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用するのが好ましい。
[1−6−1]シリコーン系材料
シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば一般組成式(1)で表される化合物及び/またはそれらの混合物が挙げられる。
ここで、R1からR6は同じであっても異なってもよく、有機官能基、シリル基、水酸基、水素原子からなる群から選択される。またM、D、T及びQは0から1未満であり、M+D+T+Q=1を満足する数である。
[1−6−2]シリコーン系材料の種類
シリコーン系材料を硬化のメカニズムにより分類すると、通常付加重合硬化タイプ、縮重合硬化タイプ、紫外線硬化タイプ、パーオキサイド架硫タイプなどのシリコーン系材料を挙げることができる。これらの中では、付加重合硬化タイプ(付加型シリコーン系材料)、縮合硬化タイプ(縮合型シリコーン系材料)、紫外線硬化タイプが好適である。以下、付加型シリコーン系材料、及び縮合型シリコーン系材料について説明する。
付加型シリコーン系材料とは、ポリオルガノシロキサン鎖が、有機付加結合により架橋されたものをいう。代表的なものとしては、例えばビニルシランとヒドロシランをPt触媒などの付加型触媒の存在下反応させて得られるSi−C−C−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。これらは市販のものを使用することができ、例えば付加重合硬化タイプの具体的商品名としては、信越化学工業社製「LPS−1400」「LPS−2410」「LPS−3400」等が挙げられる。
RnSiO〔(4−n)/2〕 (1a)
(但し、式(1a)中、Rは同一又は異種の置換又は非置換の1価炭化水素基、アルコキシ基、又は水酸基であり、nは1≦n<2を満たす正数である。ただし、Rのうち少なくとも1つはアルケニル基である。)
(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、下記組成式(2a)で示される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(但し、式(2a)中、R’はアルケニル基を除く同一又は異種の置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、a及びbは0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0かつ、0.8≦a+b≦2.6を満たす正数である。)
以下、付加型シリコーン系材料につき更に詳しく説明する。
なお、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
組成式(2a)において、R’はアルケニル基を除く一価の炭化水素基を表わす。ここで、R’としては、組成式(1a)中のRと同様の基(ただし、アルケニル基を除く)を挙げることができる。また、耐UV性要求される用途に用いる場合には少なくとも80%以上はメチル基であることが好ましい。
さらに、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のSiH結合を有する。
なお、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンの合計重量に対して、1ppm以上、特に2ppm以上、また、500ppm以下、特に100ppm以下配合することが好ましい。
縮合型シリコーン系材料とは、例えば、アルキルアルコキシシランの加水分解・重縮合で得られるSi−O−Si結合を架橋点に有する化合物を挙げることができる。
具体的には、下記一般式(1b)及び/又は(2b)で表わされる化合物、及び/又はそのオリゴマーを加水分解・重縮合して得られる重縮合物が挙げられる。
(式(1b)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、mは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、nは、X基の数を表わす1以上の整数を表わす。但し、m≧nである。)
(Ms+XtY1 s−t−1)uY2 (2b)
(式(2b)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、Y2は、u価の有機基を表わし、sは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、tは、1以上、s−1以下の整数を表わし、uは、2以上の整数を表わす。)
また、硬化触媒としては、例えば金属キレート化合物などを好適なものとして用いることができる。金属キレート化合物は、Ti、Ta、Zr、Hf、Zn、Snのいずれか1以上を含むものが好ましく、Zrを含むものがさらに好ましい。
シリコーン系材料は、一般に半導体発光素子や素子を配置する基板、パッケージ等との接着性が弱いことが欠点とされるが、密着性が高いシリコーン系材料として、特に、以下の特徴〈1〉〜〈3〉のうち1つ以上を有する縮合型シリコーン系材料が好ましい。
〈1〉ケイ素含有率が20重量%以上である。
〈2〉後に詳述する方法によって測定した固体Si−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、下記(a)及び/又は(b)のSiに由来するピークを少なくとも1つ有する。
(b)ピークトップの位置がポリジメチルシロキサンを基準としてケミカルシフト−80ppm以上、−40ppm未満の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上5.0ppm以下であるピーク。
〈3〉シラノール含有率が0.01重量%以上、10重量%以下である。
[1−6−2−2−1]特徴〈1〉(ケイ素含有率)
本発明に好適なシリコーン系材料のケイ素含有率は、通常20重量%以上であるが、中でも25重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、上限としては、SiO2のみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。
{ケイ素含有率の測定}
シリコーン系材料を白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、次いで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行なう。
本発明に好適なシリコーン系材料の固体Si−NMRスペクトルを測定すると、有機基の炭素原子が直接結合したケイ素原子に由来する前記(a)及び/又は(b)のピーク領域に少なくとも1本、好ましくは複数本のピークが観測される。
ケミカルシフト毎に整理すると、本発明に好適なシリコーン系材料において、(a)に記載のピークの半値幅は、分子運動の拘束が小さいために全般に後述の(b)に記載のピークの場合より小さく、通常3.0ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上の範囲である。
上記のケミカルシフト領域において観測されるピークの半値幅が大きすぎると、分子運動の拘束が大きくひずみの大きな状態となり、クラックが発生し易く、耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。例えば、四官能シランを多用した場合や、乾燥工程において急速な乾燥を行ない大きな内部応力を蓄えた状態などにおいて、半値幅範囲が上記の範囲より大きくなる。
但し、大量の有機成分中に少量のSi成分が含まれるシリコーン系材料においては、−80ppm以上に上述の半値幅範囲のピークが認められても、良好な耐熱・耐光性及び塗布性能は得られない場合がある。
{固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出}
シリコーン系材料について固体Si−NMRスペクトルを行なう場合、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定及び波形分離解析を行なう。また、得られた波形データより、シリコーン系材料について、各々のピークの半値幅を求める。また、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
装置:Chemagnetics社 Infinity CMX−400 核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プローブ
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
1Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
繰り返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
基準試料 ポリジメチルシロキサン
シリコーン系材料については、512ポイントを測定データとして取り込み、8192ポイントにゼロフィリングしてフーリエ変換する。
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形及びガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行なう。
なお、ピークの同定は、AIChE Journal, 44(5),p.1141,
1998年等を参考にする。
本発明に好適なシリコーン系材料は、これを硬化して得られる硬化物のシラノール含有率が、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲である。シラノール含有率を低くすることにより経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿・透湿性何れも低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は密着性に劣るため、シラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、適当な触媒の存在下で加熱することにより、デバイス表面の水酸基との間に脱水縮合による共有結合を形成し、更に強固な密着性を発現することができる。
[1−6−3]液状媒体の含有量
液状媒体は、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下である。
液状媒体は、前述の様に、本発明の蛍光体含有組成物において、主にバインダーとしての役割を有する。液状媒体は単独で用いてもよいが、複数を混合してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用する場合は、珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、エポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、通常、バインダーに対して25重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
[1−7]シランカップリング剤
本発明に使用するシランカップリング剤は特に制限はないが、具体的には、例えばX〜SiR1R2R3の化学式で表わされる化合物を挙げることができる。シランカップリング剤は分子中に2個以上の異なった反応基を有する。即ち、例えばXはアルキル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基などの有機質と反応するもしくは親和性を有する基である。一方、R1,R2,R3はメトキシ基、エトキシ基といった加水分解可能な基である。かかるシランカップリング剤は、通常では結びつきにくい有機質材料と無機質材料とのバインダーとしての作用を発現する。本発明においては蛍光体と液状媒体との間に結合を作り、蛍光体の沈降を抑制するものと推定される。
シランカップリング剤の蛍光体組成物中への添加量は通常0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。少なすぎると十分な結合が得られず、多すぎると結合に供されない余剰部が液体媒体と分離することが考えられる。
本発明の蛍光体含有組成物は、上記成分の他に、色素、酸化防止剤、安定化剤(燐系加工安定化剤などの加工安定化剤、酸化安定化剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤などの耐光性安定化剤など)、光拡散材、フィラーなど、当該分野で公知の添加物のいずれをも用いることができる。
本発明の蛍光体含有組成物の製造法には特に制限はなく、チキソトロープ剤((A)成分および(B)成分もしくは(E)成分)、(C)蛍光体、シランカップリング剤および必要に応じて添加する添加物が(D)液状媒体中に均一に分散する方法であれば良い。
チキソトロープ剤((A)成分および(B)成分もしくは(E)成分)の配合量は(D)液状媒体100重量部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは0.3重量部以上である。また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。チキソトロープ剤の配合量が少なすぎると、効果が発現せず、多すぎると分散が困難となる。
(D)液状媒体としてシリコーン樹脂を使用する場合には、例えばシリコーン樹脂、蛍光体、チキソトロープ剤、ならびに架橋剤、硬化触媒、増量材、およびその他の添加剤を配合し、ミキサー、高速ディスパー、ホモジナイザー、3本ロール、ニーダー等で混合する等、従来公知の方法で製造することができる。この場合、前記成分を全て混合して、1液の形態として液状シリコーン樹脂組成物を製造しても良いが、
(i)シリコーン樹脂と蛍光体及び増量材を主成分とするシリコーン樹脂液と、(ii)架橋剤と硬化触媒を主成分とする架橋剤液の2液を調製しておき、使用直前にシリコーン樹脂液と架橋剤液を混合して液状シリコーン樹脂組成物を製造しても良い。
[1−10−1]粘度
本発明の蛍光体含有組成物の粘度は、通常500mPa・s以上、好ましくは1000mPa・s以上、さらに好ましくは2000mPa・s以上であり、通常30000mPa・s以下、好ましくは20000mPa・s以下、さらに好ましくは15000mPa・s以下、特に好ましくは10000mPa・s以下、とりわけ好ましくは8000mPa・s以下である。凹部を有する容器にポッティングを行う場合にはレベリングしやすい20000mPa・s以下が扱いやすく脱泡も行いやすいので望ましい。リフレクタの無いチップオンボード形式の発光デバイス上への塗布など、塗布液の形状保持が重要である場合には15000mPa・s以上、かつ高いチキソトロープ性を有することが好ましい。粘度が高すぎると注入時に配管の閉塞などトラブルの原因となりやすく、また気泡が抜けにくい、更には半導体素子のリードワイヤーの断線が起こりやすいなどの悪影響をもたらす。一方、粘度が低すぎると蛍光体粒子の沈降が起こるので好ましくない。
本発明の発光装置は、[1]に記載の蛍光体含有組成物を用いて、公知の方法により形成される。以下、本発明の発光装置について説明する。
[2−1]光源
本発明の発光装置における光源は、前記蛍光体を励起する光を発光するものである。光源の発光波長は、蛍光体の吸収波長と重複するものであれば、特に制限されず、幅広い発光波長領域の蛍光体を使用することができる。通常は、近紫外領域から青色領域までの発光波長を有する蛍光体が使用され、具体的数値としては、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下のピーク発光波長を有する発光体が使用される。この光源としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、具体的には発光ダイオード(LED)や半導体レーザーダイオード(LD)等が使用できる。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlxGayN層、GaN層、又はInxGayN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高く、好ましく、さらにヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率がさらに高く、より好ましい。
本発明の発光装置において、前述の蛍光体(赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体等)の使用の有無及びその種類は、発光装置の用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の発光装置を白色発光の発光装置として構成する場合には、所望の白色光が得られるように、1種以上の蛍光体を適切に組み合わせればよい。光源として青色発光素子を使用する場合は蛍光体として青色の補色関係にある黄色蛍光体を、より演色性の高い白色を得るには赤、及び緑色蛍光体を使用することが好ましい。近紫外光を発する半導体発光素子を用いる場合は赤、緑、青の3色の蛍光体を使用するのが好ましい。
(i)光源として青色発光体(青色LED等)を使用し、蛍光体として赤色蛍光体および緑色蛍光体を使用する。
(ii)光源として近紫外発光体(近紫外LED等)を使用し、蛍光体として赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を併用する。
(iii)光源として青色発光体(青色LED等)を使用し、橙色蛍光体および緑色蛍光体 を使用する。
本発明の発光装置は、上述の光源および本発明の蛍光体含有組成物を備えていればよく、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の光源および蛍光体含有組成物を配置してなる。この際、光源の発光によって蛍光体が励起されて発光を生じ、且つ、この光源の発光および/または蛍光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、赤色蛍光体は、緑色蛍光体、青色蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、赤色蛍光体を含有する層の上に青色蛍光体と緑色蛍光体を含有する層が積層されていてもよい。
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す図である。本実施形態の発光装置1は、フレーム2と、光源である青色LED3と、青色LED3から発せられる光の一部を吸収し、それとは異なる波長を有する光を発する蛍光体含有部4からなる。
更に、フレーム2には、青色LED3に電力を供給するための金製のワイヤ6が取り付けられている。つまり、青色LED3の上面に設けられた電極(図示省略)とは、ワイヤ6を用いてワイヤボンディングによって結線されていて、このワイヤ6を通電することによって青色LED3に電力が供給され、青色LED3が青色光を発するようになっている。なお、ワイヤ6は青色LED3の構造にあわせて1本又は複数本が取り付けられる。
白色との間の中間的な色であっても良い。また、透明樹脂は蛍光体含有部4の封止材料であり、ここでは、上述の封止材料を用いている。
図2は、図1に示す発光装置1を組み込んだ面発光照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。図2において、8は面発光照明装置、9は拡散板、10は保持ケースである。
そして、面発光照明装置8を駆動して、発光装置1の青色LED3に電圧を印加することにより青色光等を発光させる。その発光の一部を、蛍光体含有部4において波長変換材料である本発明の蛍光体と必要に応じて添加した別の蛍光体が吸収し、より長波長の光に変換し、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により、高輝度の発光が得られる。この光が拡散板9を透過して、図面上方に出射され、保持ケース10の拡散板9面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
本発明の発光装置は使用する蛍光体の種類、量により各色の発光が可能であるが照明用途などは、白色光を発するもの発光装置が有用である。本発明の発光装置は、発光効率が通常20lm/W以上、好ましくは22lm/W以上、より好ましくは25lm/W以上であり、特に好ましくは28lm/W以上であり、平均演色評価指数Raが80以上、好ましくは85以上、より好ましくは88以上である。
また、発光効率は、量子吸収効率αqと内部量子効率ηiの積により以下のように算出する。
まず、測定対象となる蛍光体サンプル(例えば、粉末状など)を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球などがついた分光光度計に取り付ける。この分光光度計としては、例えば大塚電子株式会社製「MCPD2000」等が挙げられる。積分球などを用いるのは、サンプルで反射したフォトンおよびサンプルからフォトルミネッセンスで放出されたフォトンを全て計上できるようにする、すなわち、計上されずに測定系外へ飛び去るフォトンをなくすためである。
まず、後者の励起光の全フォトン数Nを、次のようにして求める。すなわち、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ物質、例えばLabsphere社製「Spectralon」(400nmの励起光に対して98%の反射率を持つ。)等の反射板を、測定対象として該分光光度計に取り付け、反射スペクトルIref(λ)を測定する。ここで この反射スペクトルIref(λ)から下記(式1)で求められた数値は、Nに比例する。
次に、内部量子効率ηiを求める方法を説明する。ηiは、フォトルミネッセンスによって生じたフォトンの数NPLをサンプルが吸収したフォトンの数Nabsで割った値である。 ここで、NPLは、下記(式3)で求められる量に比例する。
∫λ・I(λ)dλ (式3)
この時、積分区間は、サンプルからフォトルミネッセンスによって生じたフォトンが持つ波長域に限定する。サンプルから反射されたフォトンの寄与をI(λ)から除くためで ある。具体的に(式3)の積分の下限は、(式1)の積分の上端を取り、フォトルミネッセンス由来のスペクトルを含むのに好適な範囲を上端とする。
なお、デジタルデータとなったスペクトルから積分を行うことに関しては、αqを求め た場合と同様である。
そして、上記のようにして求めた量子吸収効率αqと内部量子効率ηiの積をとることで、本発明で定義される発光効率を求める。
[1]蛍光体の合成方法
[1−1]合成例1:緑色蛍光体の合成
原料化合物として炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、酸化ユウロピウム(Eu2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)=1.39:0.46:0.15:1.0の比率となるように秤量した。これをメノウ乳鉢でエタノールとともに粉砕混合を行い、エタノールを気化して除去した。得られた混合物をアルミナ坩堝に詰め窒素中で1100℃で8時間焼成した。得られた焼成物に塩化ストロンチウム(SrCl2)2重量%を均一になるように充分混合した上で、再度アルミナ坩堝に詰め、水素4%混合した窒素雰囲気中1200℃で6時間加熱することにより反応させた。引き続いて粉砕処理を行なうことにより、緑色蛍光体Ba1.39Sr0.46SiO4:Eu0.15(D50=21.0μm)(以下、「BSS」と表記する)の粉末を得た。
合成例1で得られた緑色蛍光体を、以下の様に表面処理した。
アンモニア水はキシダ化学社製、特級純度28%を使用した。
500mLフラスコに東京化成社製、純度95%以上のテトラエトキシシラン(以下、「TEOS」と表記する)50g およびキシダ化学社製、特級純度99.5%エタノール224g を入れて均一に混合して金属アルコキシド溶液を調製した。
セパラブルフラスコのジャケットには温度調節された冷却水を流して反応溶液の温度を5℃で一定に保ち、BSS粉末が沈降しないように、モーター付きの撹拌羽根で基体蛍光体含有溶液を激しく撹拌してBSS粉末を舞い上げながら、そこに金属アルコキシド溶液
を定量ポンプで約4時間かけて滴下した。
のエタノールを加え、軽く撹拌した後静置して、白濁の残る液層をデカンテーションで除去した。このエタノール洗浄を、液層が無色透明になるまで4回繰り返し、セパラブルフラスコごと50℃、30分間の減圧乾燥を行い、その後150℃、2時間の減圧乾燥を行い、シリカ付着率24.0重量%で表面シリカコートされたBSS蛍光体粉末を得た。
橙色蛍光体Sr2BaSiO5:Eu(D50=40.7μm)(以下、「SBS」と表記する)を表面処理したものを使用した。この蛍光体は、原料化合物としてSrCO3、BaCO3、SiO2、Eu2O3をSr:Ba:Si:Eu=1.98:1:1:0.02の比率となるように秤量し、メノウ乳鉢でエタノールとともに粉砕混合を行い、エタノールを気化して除去した後、得られた混合物を錠剤に成型して、モリブデン箔上で水素3%混合した窒素雰囲気中1450℃・6時間加熱することにより反応させ、引き続いて粉砕処理を行なうことにより粉末として得た。
アンモニア水はキシダ化学社製、特級純度28%を使用した。
100mLフラスコにSBS粉末3gを入れ、キシダ化学社製、特級純度99.5%エタノール30gとアンモニア水 6g及び東京化成社製、純度95%以上のテトラエトキシシラン(以下、「TEOS」と表記する)1.5g を入れて均一に混合し、室温で30分マグネチックスターラーを用いて攪拌した。更にTEOS1.5g を入れて均一に混合し、室温で30分マグネチックスターラーを用いて攪拌した。反応溶液を静置して橙色蛍光体が沈降してから、シリカ微粒子で白濁した液相をデカンテーションで除去した。その後30mL のエタノールを加え、軽く撹拌した後静置して、白濁の残る液層をデカンテーションで除去した。このエタノール洗浄を、液層が無色透明になるまで4回繰り返し、セパラブルフラスコごと150℃、2時間の減圧乾燥を行い、シリカ付着率10重量%で表面シリカコートされたSBS蛍光体粉末を得た。
GE東芝シリコーン社製両末端シラノールジメチルシリコーンオイル「XC96−723」を140g、フェニルトリメトキシシランを14g、及び、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート粉末を0.308g用意し、これを攪拌翼とコンデンサとを取り付けた三つ口コルベン中に計量し、室温にて15分触媒が十分溶解するまで攪拌した。この後、反応液を120℃まで昇温し、120℃、全還流下で30分間攪拌しつつ初期加水分解を行った。
[2]蛍光体含有組成物の製造方法
[2−1]合成例5:蛍光体含有組成物Kの製造
合成例3の縮合型シリコーン系液状媒体X(100重量部)に、表1に記載の実施例1〜3および5、並びに比較例1〜2のアエロジル3〜5重量部を加えて手攪拌した後、東レ・ダウコーニング社製シランカップリング剤n-C10H21-Si(OMe)3を0.7 5重量部加えて更に手攪拌した。赤色蛍光体(CaAlSiN3:Eu、中央粒径D50=8.2μm)0.8重量部と合成例2で得られた緑色蛍光体1.5重量部及び青色蛍光体((Ba0.7, Eu0.3)MgAl10O17で、粒径D50=6.0μm)23.2重量部とを加え、シンキー社製攪拌装置(泡取り練太郎AR−100)で3分混練して蛍光体含有組成物Kを得た。
信越化学工業製付加硬化型シリコーン樹脂商品名LPS−2410(粘度=4.7Pa・s、Type A硬さ=42)100重量部(主剤:架橋剤=100:10)に、表1に記載の実施例4のアエロジル1重量部を加えて手攪拌した後、東レ・ダウコーニング社製シランカップリング剤n-C10H21-Si(OMe)3を0.75重量部加えて更に手 攪拌した。合成例3で得られたSBS蛍光体6.3重量部と合成例1で得られた緑色蛍光体5.6重量部とを加え、シンキー社製攪拌装置(泡取り練太郎AR−100)で3分混練して蛍光体含有組成物Lを得た。
実施例1〜5、および比較例1〜2の蛍光体含有組成物について、以下の試験を行なった。結果を表1に示す。
[3−1]沈降試験
蛍光体含有組成物を作成した後、6時間静置し、容器の底に三色のうちのいずれかの蛍光体が沈降しているか否かを目視観察した。三色混合したペーストはクリーム色であるが沈降すると底部の色が緑や赤などに変色するために沈降の有無を容易に視認できる。
[3−2]粘度測定ならびにチキソトロピー性評価
ブルックフィールド社製プロクラマフルデジタル粘度計コーンプレート型(型式: RVDV−11)を用いて、ローター回転数1rpmおよび5rpmにおける粘度を測定した。
*チキソトロープ剤((A)、(B)および(E))
A剤(デグサ社製親水性アエロジル「COK84」;SiO284重量%、Al2O316%)
B剤(デグサ社製親水性アエロジル「MOX80」)
C剤(デグサ社製親水性アエロジル「MOX170」)
D剤(デグサ社製親水性アエロジル「#200」)5重量部
E剤(デグサ社製疎水性アエロジル「RY200」)5重量部
*液状媒体
X:合成例3の縮合型シリコーン系液状媒体X(粘度=0.8Pa・s)
LPS−2410:信越化学工業製付加硬化型シリコーン樹脂商品名「LPS−2410」(粘度=4.7Pa・s、Type A硬さ=42)
*シランカップリング剤:東レ・ダウコーニング社製「AY43-210MC」
従って、本発明の蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置、および照明装置は、当該各分野における産業上の利用可能性が極めて高い。
2 フレーム
2A フレームの凹部
3 青色LED(第1の発光体)
4 蛍光体含有部(第2の発光体)
5 接着剤
6 ワイヤ
7 モールド部
8 面発光照明装置
9 拡散板
10 保持ケース
11 蛍光体含有部
12 光源
13 基板
Claims (9)
- (A)シリカ微粒子、(B) Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有することを特徴とする蛍光体含有組成物。
- (B)Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上を含有する金属酸化物が(A)シリカ微粒子に対して5重量%以上95重量%以下である請求項1に記載の蛍光体含有組成物。
- (E)無機微粒子、(C)蛍光体、および(D)液状媒体を含有する蛍光体含有組成物であって、(E)無機微粒子がSi、Al、ZrおよびTiから選ばれる2以上を含有することを特徴とする蛍光体含有組成物。
- (E)無機微粒子中における、Al、ZrおよびTiから選ばれる1以上の含有量が0.1モル%以上95モル%以下である請求項3に記載の蛍光体含有組成物。
- (D)液状媒体が珪素含有化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体含有組成物。
- シランカップリング剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体含有組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光体含有組成物を用いて形成された発光装置。
- 請求項7に記載の発光装置を用いて形成された照明装置。
- 請求項7に記載の発光装置を用いて形成された画像表示装置。
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