JP2008138856A - 液封防振装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】第1取付金具1と車体側取付部材2をインシュレータ3で結合し、内側に形成される主液室5と副液室7を仕切部材6で仕切り、オリフィス通路8で連通する。仕切部材6はインシュレータ3の延長部12とダイヤフラム10の外周部で挟持する。ダイヤフラム10の外周厚肉部40に一体化された取付リング50の外フランジ52を延長部12にせん断方向で支持される連結金具60とカシメ固定することにより、仕切部材6とダイヤフラム10を延長部12で浮動支持して剛体共振させる。
【選択図】図1
Description
キャビテーション現象による気泡が崩壊するときその振動が仕切部材から第2取付金具へ伝達されると、第2取付金具から車体側へ伝達され、異音として感知されることになる。そこで、このような異音を阻止するため、車体取付用ブラケットと第2取付金具との間に弾性体を介装させ、液封構造全体を車体へ浮動支持することにより、主液室内から車体への振動伝達を遮断したものがある(一例として特許文献1参照)。また弾性体を介して仕切部材を第2取付金具へ支持する構造も公知である(一例として特許文献2参照)。
一方、このような装置全体の浮動支持ではなく、仕切部材だけを浮動支持する場合は、仕切部材をインシュレータの一部とダイヤフラムの外周部とで挟持することになり、浮動支持部は圧縮方向で荷重を受けるためバネ値が高くなり、浮動支持された仕切部材の剛体共振に対するチューニングの自由度が低くなる。しかも第2取付金具の端部をカシメ等してダイヤフラムに強い力を加えると、ダイヤフラムの外周部が圧縮で大きく変形され、仕切部材を浮動支持するバネ値が変化し、その結果、組立時に性能が大きく変化してしまうことがないようにしなければならない。そのうえシール性にも影響が出ないようにもしなければならない。
また、上記特許文献2はダイヤフラムの外周部に一体化されたリングをカシメ固定する連結金具を薄い弾性体の層を介して第2取付金具側の筒状部へ一体化しているため、キャビテーション現象等によって発生する振動の周波数域(実用上の考慮対象とすべき範囲として約800〜4000Hz程度)を効果的に遮断できるような剛体共振を仕切部材に生じさせることはできず、このようなことを企図したものでもない。
したがって車体側へ第2取付金具を確実に固定でき、かつキャビテーション現象等によって発生する異音を有効に防止でき、そのうえ装置を小型化でき、しかもチューニングの自由度を高め、さらには組立時のバネ値変化を防止できる構造が求められる。本願はこのような要請を実現するものである。
このインシュレータを壁部の一部として作動液体が封入された主液室と、
この主液室と仕切部材により区画され、壁部の少なくとも一部がダイヤフラムで形成される副液室と、
これらの主液室と副液室を連通するよう前記仕切部材に形成されたオリフィス通路とを備え、
前記仕切部材を、前記インシュレータと前記ダイヤフラムの外周部との間で挟持した液封防振装置において、
前記インシュレータとダイヤフラムの外周部とを連結するとともに、
このインシュレータとダイヤフラムの連結部をインシュレータのせん断方向における変形にて支持することにより、
前記仕切部材を浮動支持してこの仕切部材を剛体共振させるようにしたことを特徴とする。
さらに前記ダイヤフラムの外周部に一体化されている取付リングの一部を延出し、これら連結金具と取付リングの各延出部を、前記外周部から外方へ離れた位置にて金属同士の直接接触により結合したことを特徴とする。
前記仕切部材の周囲に位置する弾性体が密着するシール面をなすことを特徴とする。
フランジ部は前記仕切部材に当接して支持するとともに、前記ダイヤフラムの外周部の外側方へ張り出して前記連結金具と結合することを特徴とする。
このため主液室でキャビテーション現象等に基づく振動が発生しても、仕切部材を経て第2取付金具から車体へ伝達されないようして、車体側で知覚できる異音の発生を抑制できる。
そのうえ、装置全体を浮動支持する従来例と異なり、仕切部材とダイヤフラムを浮動支持するだけで済み、かつ比較的小さな構成の変更で済むため、装置を小型化できコストダウンも可能になる。また第2取付金具を車体側へ強固に取付けるので横移動等を生じさせず、安定支持できる。
さらに、インシュレータがダイヤフラムとの連結部をせん断方向で支持するので、仕切部材を振動させ易くなり、かつ浮動支持部のバネ値を広範囲に変化させることができるようになり、仕切部材の剛体共振に対するチューニングの自由度を大きくすることができる。
副液室7はダイヤフラム10と仕切部材6の間に形成され、ダイヤフラム10を壁部の一部としている。
上プレート15は円板状であり、中央が一段低くなった中央段部17をなし、ここに主液室5と連通する中央上開口18が形成されている。
下ホルダ16には外周部にオリフィス通路8を形成するための上方へ開放された円弧状溝22が形成され、その内側壁をなす環状隔壁23を挟んで中央側には上方へ開放された中央凹部24が形成されている。
固定部32は中央薄肉部31の外周側に形成される厚肉で剛性のある環状壁であり、上部は上プレート15の中央段部17外周部における段差部15aで位置決めされ、下部は環状溝27へ嵌合して位置決めされることにより、上プレート15と下ホルダ16に上下から挟まれて固定される拘束部であり、中央薄肉部31の環状支持部をなしている。
同様に中央薄肉部31と段差部26間に入り込んでいる作動液は、中央薄肉部31の弾性変形により中央下開口28を介して副液室7へ出入りする。
この例では、外周厚肉部40の肉厚を筒状部51の肉厚の約2倍程度(筒状部51と径方向で重なる部分の肉厚は筒状部51と同程度)にしてある。外フラ
ンジ52は、外筒金具11の延長部近傍となる外方位置まで延出している。
取付リング50の筒状部51と外フランジ52間における屈曲部53及び外周厚肉部40の上端面とが下ホルダ16における底部25の外周へ当接している。
この剛体共振後のより高い周波数域(具体的には、剛体共振のピーク周波数である固有値周波数のほぼルート2(2の平方根)倍を超えた周波数域)では周波数が高くなるほど剛体の振動が小さくなる。このため液室で発生した振動による剛体の振動は小さくなり、剛体から外部への振動伝達を小さくする。
具体的には、キャビテーション現象に伴う振動の周波数域そのものが広範囲で特定しにくいものであるが、仮にこれを800〜4000Hzとすれば、剛体共振のピーク周波数を600Hz程度に設定することにより、振動遮断域をキャビテーション現象に伴う振動周波数域と重ねることができる。
しかも、振動遮断域では仕切部材6の振動が抑制され、そのうえ仕切部材6を浮動支持する支持バネのバネ値は、中央薄肉部31のバネ値より遙かに大きいため、必要以上に内圧が低下することを防いで減衰低下を阻止できるようになっている。
また、外筒金具11に対して浮動支持されている連結金具60と取付リング50を結合することにより、ダイヤフラム10を含む副液室7を浮動支持して副液室7の作動液質量を振動系のマスへ簡単に加えることができる。
そのうえ、剛体共振の共振周波数を一定とするならば、振動系のマスが増加することによりバネ値を高くすることができ、このバネ値が上がった分だけ高減衰を実現できる。
しかもこの振動系におけるバネ値は延長部12のせん断変形によるものであるから、バネ値を適度に下げる等、バネ値の設定も容易になる。
このように各構成部材を順次積み重ねてから、取付リング50と連結金具60をカシメることのみにより全体を一体化して簡単に組み立てることができる。
この例では本実施例に係るエンジンマウント及び同様構造でありながら本願の振動遮断構造を備えない従来例をそれぞれ13Hzで加振したときの伝達振動につき周波数分析したものであり、広範囲の周波数域における成分振動の伝達状況を示し、伝達力が小さい程その周波数の振動が伝達されにくいことを示す。
この図において、本願の振動遮断構造を備えない従来例と、振動遮断構造を備えた本実施例では、約800Hz〜4000Hz程度の周波数域における振動成分に対して伝達力に著しい相違が見られ、実施例ではこの周波数域で伝達力が低減されているから、この周波数域における振動成分を伝達遮断していることが判る。
この振動伝達遮断は、従来例との相違点である遮断構造、すなわち延長部12による伝達遮断と仕切部材6の剛体共振によることが明らかである。
そのうえ、装置全体を浮動支持する従来例と異なり、仕切部材6とダイヤフラム10を浮動支持するだけで済み、かつ連結金具60等の比較的小さな構成変更で済むため、装置を小型化できコストダウンも可能になる。また外筒金具11を含む第2取付金具2を車体側へ強固に取付けて横移動等を生じさせず、安定支持できる。
さらに、副液室7の作動液と連結部材である取付リング50及び連結金具60並びにダイヤフラム10の各質量を剛体共振のマスに加えたので、このマスの増加分だけ剛体共振の周波数を下げることができ、簡単に共振周波数の調整を行うことができる。また、マスの増大に応じてバネ値を高くすることにより減衰を高めることができる。
このため、液室の最終シール部分である延長部12の内周部64下端部と取付リング50の外フランジ52との密着を確実に維持できるから、仕切部材6の浮動支持によりキャビテーション現象を防止できると同時に、最終シール部分のシールを確実にし、マウント機能を正確に発揮できる。
また、防止する異音はキャビテーションに起因するもののみならず、弾性膜30の打音等、設定範囲内の周波数域のものであれば主液室5内で発生する種々な音や振動を対象にできる。
Claims (6)
- 取付相手の一方側へ取付けられる第1取付金具と、他方側へ取付けられる筒状の第2取付金具と、これら第1及び第2取付金具間を防振連結するインシュレータと、
このインシュレータを壁部の一部として作動液体が封入された主液室と、
この主液室と仕切部材により区画され、壁部の少なくとも一部がダイヤフラムで形成される副液室と、
これらの主液室と副液室を連通するよう前記仕切部材に形成されたオリフィス通路とを備え、
前記仕切部材を、前記インシュレータと前記ダイヤフラムの外周部との間で挟持した液封防振装置において、
前記インシュレータと前記ダイヤフラムの外周部とを連結するとともに、
このインシュレータとダイヤフラムの連結部をインシュレータのせん断方向における変形にて支持することにより、
前記仕切部材を浮動支持してこの仕切部材を剛体共振させるようにしたことを特徴とする液封防振装置。 - 前記インシュレータに前記せん断方向の変形にて支持される連結金具を一体に設け、この連結金具の一部を前記インシュレータから延出し、
さらに前記ダイヤフラムの外周部に一体化されている取付リングの一部を延出し、これら連結金具と取付リングの各延出部を、前記外周部から外方へ離れた位置にて金属同士の直接接触により結合したことを特徴とする請求項1の液封防振装置。 - 前記取付リングは前記ダイヤフラムの外周部の外側方へ張り出して前記連結金具と直接前記金属同士の接触で結合するとともに、
前記仕切部材の周囲に位置する弾性体が密着するシール面をなすことを特徴とする請求項2の液封防振装置。 - 前記取付リングは断面略L字形をなす前記リング部と前記フランジ部とを備え、リング部は前記ダイヤフラムの外周部をリング状をなして支持し、
フランジ部は前記仕切部材に当接して支持するとともに、前記ダイヤフラムの外周部の外側方へ張り出して前記連結金具と結合することを特徴とする請求項3の液封防振装置。 - 前記仕切部材の外周部とその周囲に位置する前記インシュレータとの間に間隙を設けたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
- 前記仕切部材からなるマスと、これを浮動支持する前記インシュレータとダイヤフラムの外周部によるバネとの振動系において、前記副液室の作動液と前記取付リングの質量とを前記マスに加えたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
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