JP2008138167A - コーティング剤、調湿建材、壁紙及び接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調湿・ガス吸着性を有する多孔質の連続皮膜を形成するためのコーティング剤であって、少なくとも、15〜65質量%の無機多孔質材料と、コーティング剤中における樹脂量が30〜70質量%となる量の樹脂エマルジョンと、コーティング剤中における固形分が5〜40質量%となる量の透湿性付与剤とが配合されてなり、上記無機多孔質材料は、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径のものであり、且つ、上記樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移温度が−50〜30℃の範囲であることを特徴とするコーティング剤。
【選択図】なし
Description
以下、本発明を実施するための好ましい形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明のコーティング剤は、少なくとも、15〜65質量%の無機多孔質材料と、コーティング剤中における樹脂量が30〜70質量%となる量の樹脂エマルジョンと、コーティング剤中における固形分が5〜40質量%となる量の透湿性付与剤とが配合されてなり、上記無機多孔質材料は、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径のものであり、且つ、上記樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移温度が−50℃〜30℃の範囲であることを特徴とする。以下、各成分について説明する。
次に、本発明の調湿建材について説明する。本発明の調湿建材は、調湿性を有する基材表面に、コーティング剤を塗布して多孔質の連続皮膜を形成してなる調湿建材であって、上記コーティング剤が、上述した本発明のコーティング剤であることを特徴としている。このため、本発明の調湿建材は、上述したように、優れた調湿・ガス吸着性を有した、多孔質の連続皮膜を形成する本発明のコーティング剤を用いていることから、優れた調湿・ガス吸着性及び防汚性を有したものとなる。又、本発明の調湿建材における上記コーティング剤の塗布量及び塗布方法は上述した内容と同様である。
次に、上記した本発明の調湿建材が、壁紙である場合について以下詳細に説明する。本発明の壁紙は、紙基材の表面に、本発明のコーティング剤による皮膜を形成させてなるものである。特に、本発明の壁紙は、紙基材の上に、本発明のコーティング剤により、膜厚が200〜1500μmの範囲内の多孔質の連続皮膜が形成されてなる20g/m2以上の吸湿性能を示すものであることが好ましい。このような構成とすることで、本発明の壁紙は、調湿・ガス吸着性、透湿性及び防汚性がより優れたものとなる。尚、本発明の特許請求の範囲及び明細書内における「吸湿性」及び「吸湿性能」の値は、対象物を25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽に入れ48時間保持した後に測定した対象物の質量と、その後、25℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に入れ24時間保持した後に測定した対象物の質量との質量差により求めた値(吸湿量)である。又、本発明の特許請求の範囲及び明細書内における「放湿性」の値は、吸湿性の測定終了後、更に、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽に入れ24時間保持した後に測定した対象物の質量を測定し、この質量と吸湿性測定終了時との質量差により求めた値(放湿量)である。
本発明の接着剤は、調湿・ガス吸着性を有する多孔質の連続皮膜を形成するための接着剤であって、少なくとも、15〜65質量%の無機多孔質材料と、接着剤中の樹脂量が30〜70質量%となる樹脂エマルジョンと、接着剤中の固形分が5〜40質量%となる透湿性付与剤とが配合されてなり、上記無機多孔質材料は、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径のものであり、且つ、上記樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移温度が−50℃〜30℃の範囲であることを特徴とする。このため、本発明の接着剤により形成される接着層は、調湿・ガス吸着性を有するだけでなく、優れた透湿性(通気性)を有するものとなる。
[コーティング剤の作製]
(実施例1)
ガラス転移温度が0℃のEVA系樹脂のエマルジョン50質量%(固形分)に、珪酸リチウムからなる水ガラス15質量%(固形分)、活性白土5質量%及びシリカゲル30質量%を配合し、攪拌することにより、本発明の実施例1であるコーティング剤を作製した。この際に使用した上記活性白土は、多孔の平均細孔半径が3.2nm、最高吸湿率が25%、比表面積が290m2/g、平均粒径が15μmのものであり、又、上記シリカゲルは、多孔の平均細孔半径が3nm、最高吸湿率が72%、比表面積が450m2/g、平均粒径が20μmのものである。尚、上記EVA系樹脂の伸張率は、800%であり、平均粒径は0.9μmであった。
実施例1における活性白土及びシリカゲルを、珪質頁岩(35質量%)に変える以外は、実施例1と全く同様にして、実施例2のコーティング剤を作製した。この際に使用した珪質頁岩は、多孔の平均細孔半径が3.8nm、最高吸湿率が22%、比表面積が121m2/g、平均粒径が10μmのものである。
実施例1における水ガラスを、ポリビニルアルコールに変える以外は、実施例1と全く同様にして、実施例3のコーティング剤を作製した。
実施例1における水ガラスを、でんぷん糊に変える以外は、実施例1と全く同様にして、実施例4のコーティング剤を作製した。
(試験体の作製)
得られた実施例1〜4のコーティング剤を、それぞれ、硝子板の上に塗布し、乾燥させて、200mm角、厚さ1mmの皮膜を形成させ、実施例1〜4の試験体を作製した。
試験体を以下の試験方法にて評価した。尚、評価基準において「◎」が「優」、「○」が「良」、「△」が「可」、「×」が「不可」を表し、「◎」、「○」及び「△」が実用レベルである。
○:皮膜にクラックが確認されない。
△:皮膜にマイクロクラックが発生。
×:皮膜にマッドクラックが発生。
◎:試験体の質量増加率が4.00%以上。
○:試験体の質量増加率が3.00%以上4.00%未満。
△:試験体の質量増加率が2.00%以上3.00%未満。
×:試験体の質量増加率が2.00%未満。
◎:試験体の質量増加率が7.00%以上。
○:試験体の質量増加率が5.00%以上7.00%未満。
△:試験体の質量増加率が3.00%以上5.00%未満。
×:試験体の質量増加率が3.00%未満。
◎:試験体の質量減少率が4.00%以上。
○:試験体の質量減少率が3.00%以上4.00%未満。
△:試験体の質量減少率が2.00%以上3.00%未満。
×:試験体の質量減少率が2.00%未満。
○:デシケーター中のホルムアルデヒドの濃度が5ppm未満。
△:デシケーター中のホルムアルデヒドの濃度が5ppm以上10ppm未満。
×:デシケーター中のホルムアルデヒドの濃度が10ppm以上。
○:拭き取り後に汚れがほとんど残っていない。
△:拭き取り後に汚れがわずかに残っている。
×:拭き取りしても汚れの多くが残っている。
表2に示すように、実施例1における樹脂エマルジョン、水ガラス、活性白土及び/又はシリカゲルの配合量を変える以外は、実施例1と同様にして、実施例及び比較例のコーティング剤をそれぞれ作製し、上記と同様の試験方法にて耐クラック性試験、吸湿率試験及び最高吸湿率試験を行った。但し、耐クラック性試験の評価が「×」の場合は、他の試験は実施しなかった。又、以下の評価基準にて上記試験の総合評価をした。得られた評価結果を表2に示す。尚、表2に示す実施例及び比較例における活性白土とシリカゲルの配合量を表3にそれぞれ示す。
○:耐クラック性試験、吸湿率試験及び最高吸湿率試験の評価結果が全て「◎」又は「○」であった。
△:耐クラック性試験、吸湿率試験又は最高吸湿率試験の評価結果の何れかが「△」であった。
×:耐クラック性試験、吸湿率試験又は最高吸湿率試験の評価結果の何れかが「×」であった。
又、表2に示す実施例のコーティング剤について、上記と同様の方法で防汚性試験を行ったところ、いずれの試験体も、拭き取り後における汚れがほとんど残っていない状態であった。
実施例1におけるEVA系樹脂のエマルジョンを、ガラス転移温度が30℃のEVA系樹脂のエマルジョンに変える以外は、実施例1と全く同様にして、実施例5のコーティング剤を作製した。得られた実施例5のコーティング剤について、実施例1と同様の方法で、耐クラック性試験、吸湿率試験、放湿率試験、ガス吸着性試験及び防汚性試験を行ったところ、耐クラック性試験において、マイクロクラックが発生したが、いずれの結果も実用上問題ないレベルであった。
200mm角の調湿性を有する石膏ボード(商品名:さわやか石膏ボード、チヨダウーテ(株)製)の側面と裏面をアルミ箔でシールした。次に、上記石膏ボードの表面上に、実施例1のコーティング剤を、乾燥後の皮膜の平均膜厚が1mmとなるように塗布、乾燥させて本発明の実施例である調湿建材を作製した。得られた調湿建材について、前記と同様の方法で、吸湿性試験を行ったところ、吸湿量は250g/m2であり、上記調湿建材は優れた吸湿性能を有することが確認された。又、上記調湿建材の吸湿量(250g/m2)は、実施例1のコーティング剤の形成皮膜の吸湿量(36.9g/m2)と比較して、213.1g/m2向上していることから、この値は、上記石膏ボードが上記皮膜を透湿して吸湿された吸湿量であると考えられる。従って、上記皮膜は優れた透湿性を有することが確認された。
[壁紙用コーティング剤の調整]
実施例1〜3のコーティング剤に、それぞれ、マイクロカプセル化した発泡剤(商品名:マイクロスフェアー85SD、松本油脂(株)製)を、コーティング剤中の固形分に対して5質量%配合することにより、実施例6〜8の発泡剤入りコーティング剤を作製した。
次に、紙基材として、多孔の平均細孔半径が3.8nm、最高吸湿率が22%、比表面積が121m2/g、平均粒径が10μmの珪質頁岩を20質量%配合してなる坪量が200g/m2のパルプ紙を用意した。この紙基材の表面上に、実施例6のコーティング剤をコンマコート法により塗布して約90℃で乾燥し、乾燥後の平均膜厚が1000μmのコーティング層を形成させた。次に、炉内温度約150℃の発泡加熱炉にてコーティング層を発泡させてから、発泡したコーティング層の表面に冷却エンボスロールを使用してエンボス模様を形成し、実施例9の壁紙を作製した。実施例7、8の発泡剤入りコーティング剤についても、実施例6のコーティング剤を用いて壁紙を作製した場合と全く同様にして壁紙を作製し、それぞれ、実施例10、11の壁紙とした。
(実施例9)
実施例9の壁紙を前記と同様の方法にて吸湿性試験を行ったところ、吸湿量が61.9g/m2であり、優れた吸湿性能を有することが確認された。又、実施例9の壁紙について、前記と同様の方法で、耐クラック性試験、ガス吸着性試験及び防汚性試験を行ったところ、実用上、十分に使用できる評価結果が得られた。更に、実施例9の壁紙について、JISA1324のカップ法に準拠した方法で透湿性試験を行ったところ、750g/m2・24hrの結果が得られた。これにより、実施例9の壁紙は、優れた透湿性を有することが確認された。
実施例10、11の壁紙について、前記と同様の方法で、吸湿性試験及び透湿性試験を行ったところ、表11に示す評価結果が得られ、いずれも優れた吸湿性及び透湿性を有することが確認された。
実施例1のコーティング剤の粘度などを調整することにより、本発明の実施例12である接着剤を作製した。調湿性を有する石膏ボード(商品名:さわやか石膏ボード、チヨダウーテ(株)製)の側面及び裏面をアルミ箔でシールした後、石膏ボードの表面に得られた接着剤を平均膜厚が1000μmとなるように塗布し、その上に吸湿性が160g/m2である調湿タイル(エコカラット、(株)INAX製)を貼着して、化粧ボードを作製した。得られた化粧ボードを前記と同様の方法にて吸湿性試験を行ったところ、吸湿量が410g/m2であった。この調湿タイルの吸湿量と化粧ボードの吸湿量に加え、上記接着剤と同組成である前記コーティング剤により形成される皮膜の吸湿量は36.9g/m2であることから、上記接着剤により形成される接着剤層は、優れた吸湿性及び透湿性を有することが確認された。
Claims (17)
- 調湿・ガス吸着性を有する多孔質の連続皮膜を形成するためのコーティング剤であって、少なくとも、15〜65質量%の無機多孔質材料と、コーティング剤中における樹脂量が30〜70質量%となる量の樹脂エマルジョンと、コーティング剤中における固形分が5〜40質量%となる量の透湿性付与剤とが配合されてなり、上記無機多孔質材料は、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径のものであり、且つ、上記樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移温度が−50〜30℃の範囲であることを特徴とするコーティング剤。
- 前記樹脂エマルジョンを構成する樹脂の伸張率が、100〜2500%の範囲である請求項1に記載のコーティング剤。
- 前記樹脂エマルジョン中の樹脂粒子の平均粒径が、0.05〜2.0μmの範囲である請求項1又は2に記載のコーティング剤。
- 前記透湿性付与剤が、水ガラス、水溶性樹脂及び水溶性糊剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れか1項に記載のコーティング剤。
- 前記樹脂エマルジョンを構成する樹脂が、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、保護コロイド系アクリル樹脂などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びアクリルシリコーン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れか1項に記載のコーティング剤。
- 更に、マイクロカプセル化した発泡剤を配合してなる請求項1〜5の何れか1項に記載のコーティング剤。
- 前記無機多孔質材料が、珪質頁岩、アロフェン、大谷石、セピオライト、シリカゲル及び活性白土からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6の何れか1項に記載のコーティング剤。
- 前記多孔質の連続皮膜の透湿性が、500g/m2・24hr以上である請求項1〜7の何れか1項に記載のコーティング剤。
- 調湿性を有する基材表面に、コーティング剤を塗布して多孔質の連続皮膜を形成してなる調湿建材であって、上記コーティング剤が請求項1〜8の何れか1項に記載のコーティング剤であることを特徴とする調湿建材。
- 前記多孔質の連続皮膜の上に、更に、防汚性を有する樹脂層が積層されてなる請求項9に記載の調湿建材。
- 前記樹脂層が、多孔質皮膜形成組成物により形成されており、該多孔質皮膜形成組成物が、粒径0.03〜10μmの合成樹脂粒子及び水で構成された皮膜形成水性エマルジョンとコロイダルシリカとを主成分とし、上記皮膜形成水性エマルジョンがα,β−エチレン性不飽和単量体とアクリルシラン又はビニルシランとを乳化重合して得たエマルジョンであり、上記コロイダルシリカが上記合成樹脂粒子の1/3以下の粒径を有し、更に、該コロイダルシリカの配合量が上記合成樹脂粒子を完全に被覆する質量の0.5〜30倍である構成を有する請求項10に記載の調湿建材。
- 紙基材の上に、膜厚が200〜1500μmの範囲内の多孔質の連続皮膜が形成されてなる20g/m2以上の吸湿性能を示す壁紙であって、上記多孔質の連続皮膜が請求項1〜8の何れか1項に記載のコーティング剤によって形成されてなることを特徴とする壁紙。
- 前記紙基材が、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径の無機多孔質材料を配合してなり、且つ、30g/m2以上の吸湿性能を示す請求項12に記載の壁紙。
- 前記無機多孔質材料が、珪質頁岩である請求項13に記載の壁紙。
- 透湿性が500g/m2・24hr以上である請求項12〜14の何れか1項に記載の壁紙。
- 調湿・ガス吸着性を有する多孔質の連続皮膜を形成するための接着剤であって、少なくとも、15〜65質量%の無機多孔質材料と、接着剤中における樹脂量が30〜70質量%となる量の樹脂エマルジョンと、接着剤中における固形分が5〜40質量%となる量の透湿性付与剤とが配合されてなり、上記無機多孔質材料は、多孔の平均細孔半径が2〜6nm、最高吸湿率が10%以上、比表面積が80m2/g以上の、50μm以下の平均粒径のものであり、且つ、上記樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移温度が−50〜30℃の範囲であることを特徴とする接着剤。
- 更に、接着剤中5〜30質量%の割合で吸湿性樹脂を含有する請求項16に記載の接着剤。
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