JP2008132271A - 振動応用装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直流電源の内部にスイッチ素子を、直流電源より負荷側への電流経路に電圧検出器・電流検出器いずれかひとつ以上を設け、制御部がこの検出電圧または検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが一定になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御する。ON/OFF制御が、少なくとも90Vから264Vの範囲を含む商用交流電力入力に対し、検出電圧または検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが、操作者の操作または制御部により定まる所定の値になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御する。
【選択図】図6
Description
まず歯科用の材料凝縮装置について説明する。これは患者の歯の形状に合わせて作成した金属冠に陶材を築盛して形状を整え焼成してメタルセラミッククラウンを作成する陶材築盛の際に、まず陶材粉と水等の液体を混合し陶材泥を作り、金属冠の上に筆やスパチュラで盛り上げて陶材築盛金属冠を作成する。次に陶材築盛金属冠に振動を与えることにより盛り上げた陶材表面より余分な水分が染み出し、陶材は凝縮される。余分な水分は何らかの方法で拭き取ったり蒸発させる。これを繰り返すことにより陶材粉間の隙間が狭まり高密度な築盛が可能となる。この作用を凝縮と言い、この様な手法で築盛された陶材は焼成する際、形状収縮、形状変形が少なく強度も増すと歯科界では一般に言われている。
歯科用の材料凝縮装置でよく用いられている製品には株式会社松風より発売されているセラコン2がある。このセラコン2の動作模式図を図1、ブロック構成図を図2、駆動電圧波形および駆動電流波形を図3に示す。図1において1はセラコン2本体、2は振動子である圧電体のボルト締めランジュバン型振動子、3は振動出力部である振動板、Aは陶材築盛金属冠、Bは歯科材料保持器具である。図2において4は商用電源入力部、5は直流電源、6は電力変換器、2は振動子、7は制御部である。電力の供給経路は太線、信号の供給経路は細線で示している。図3はその電力変換器6の出力でボルト締めランジュバン型振動子2の駆動電圧波形(上)と駆動電流波形(下)で、横軸は時間軸である。図3の様に駆動電圧は矩形波、駆動電流は正弦波となっている。破線はこれらの波形の上下の包絡線を示している。
商用電源入力については日本国内あるいは日本国外の異なる電源電圧に対応するために、100V仕様製品と240V仕様製品が別個に製造販売されている。
また、セラコン2の制御部7は駆動電圧の大きさを調整することにより振動振幅を調整することができ、本体1のパネルにある振幅調整つまみにより最弱から最強まで調整される様になっているが、最大強さはなるべく大きい方がいろいろな用途・使い方に使用できる。例えば振動の負荷として前述の歯科材料保持器具Bを用いずに陶材を築盛している陶材築盛金属冠Aを歯列模型に載せ、その歯列模型を振動の負荷として凝縮させる様な場合には大きな振動が必要となるが、それだけ大きな振動子と大きなパワー、大きな装置を必要とする。そこでセラコン2では図4の様に最大の振幅を大きくしつつ、振動に強弱を与えて全体の平均的なパワーを抑えることで、小さな振動子と小さなパワー、小さな装置で周期的に大きな振動を負荷に与え、効率的な凝縮効果を実現したものである。このために、直流電源5には商用交流電力を整流するだけのいわゆる半波整流直流電源を用いている。
次に超音波歯石除去装置について説明する。超音波歯石除去装置は、歯石歯垢の除去、歯周ポケット内洗浄、歯科用充填材料の充填、補綴物の除去、根管拡大及ぶ洗浄、窩洞形成、歯科用セメントの凝縮、インプラント付着物除去等の施術を行うのに広く一般的に使用されている。超音波歯石除去装置は、チップと呼ばれる振動部材を直接歯に当てて使用するために、直流電源・電力変換器・制御部を収納した本体と、振動子・振動出力部を備えたハンドピースが電力等を供給するフレキシブルなチューブによってつながれた構造をしているが、振動子・振動出力部の形状・特性が異なるだけで、基本的な構成は歯科用の材料凝縮装置と同様である。振動子は断面円形のハンドピース内に収まる様に細長い構造になっており、振動子に接続される振動出力部は歯に当てる先端部を細く曲げてあり、チップと呼ばれている。このチップに振動の負荷となる歯面を当て使用している。必要に応じてチップより射出する洗浄液の作用で所望の施術を行う。この場合洗浄液も振動の負荷となる。
超音波歯石除去装置の振動の起動・停止は通常、別途設けた足踏みペダルによることが多い。これも操作者である歯科医師や歯科衛生士が患者に対峙している状況で両手が塞がっている場合が多いからである。これらの超音波歯石除去装置の商用電源入力に関しては100〜120V入力仕様の装置と220〜240V入力仕様の装置が別仕様で発売されている場合が多い。また、最新の超音波歯石除去装置においては、90V〜264Vの商用電源入力範囲で固定電圧出力の直流電源を内蔵し、電力変換器の電源としている例が見られる。この様な超音波歯石除去装置の具体例としては、EMS社の発売しているピエゾンマスター600がある。
超音波洗浄装置は、図1に示す材料凝縮装置における振動板3の代わりに水等の液体を入れる洗浄槽を振動子に固定接続したもので、振動を液中に伝播させるのが特徴である。基本的な構成は材料凝縮装置と同様である。
振動切削装置・振動表面処理装置・材料攪拌装置についても同様である。
(その他の振動応用装置)
振動応用装置としては、上記のほかに超音波加工機・超音波溶着機・振動切削装置・振動表面処理装置・材料攪拌装置等があるがこれらもすべて負荷に振動を与えるという意味で基本的な構成は材料凝縮装置と同様である。超音波加工機に応用可能な特許文献として特許文献1、2、3がある。これらの特許文献によると、振動出力のための電力変換器としてパワーアンプが使用され、このパワーアンプの電源として固定出力の直流電源が使用されている。
これら振動応用装置の振動レベルは広い範囲で調整されることが必要であり、振動子の駆動電圧を変化させることによって実現することが一般的である。具体的には、駆動電圧が操作者の操作または制御部により定まる所定の値になる様に制御している。この駆動電圧は振動応用装置に限定しないモーター等に用いられる一般的なインバーター等電力変換器においてはPWM方式等によって図3における電圧波形の1周期内のピーク電圧は変えずにプラスマイナスが反転するタイミングで電圧ゼロの時間帯を設け、この時間帯を調節することによって1周期内の平均的な電圧を制御することによって調整されている。この様子を図5に示す。なお、1周期内における電圧ゼロの期間の比率をデューティーという。この様なPWM波形は波形の繰り返し周波数を基本周波数としその整数倍の周波数を高調波として基本周波数と複数の高調波の正弦波の重ね合わせとして表される場合が多く、振動応用装置の場合は振動子の共振周波数である基本周波数に比例して振動速度を生じる。この電圧波形における基本周波数の正弦波成分の振幅はPWMのデューティーに比例する。すなわち、デューティーを制御することで、振動応用装置の振動レベルを調整することが考えられる。
また、これら振動応用装置の振動レベルが、負荷の硬さや質量・負荷と振動部材との機械的結合の度合いや接触の頻度・商用電源電圧の変動・振動子の温度特性や経年変化によって変動すると困る場合がある。例えば超音波歯石除去装置においては振動部材であるチップ類に洗浄液を射出する貫通孔が設けてあるが、チップまで振動負荷の一部である洗浄液が達してなく射出無しでチップ類の振動のみで駆動が開始されてしまい、必要な振幅を大きく上回る過剰な振動振幅を発生する問題が生じていた。この過剰な振幅は、振動部材であるチップが、振動負荷である歯面に接触する際にも振動負荷の変動の影響の結果として生じていた。この過剰な振幅により、チップが破折する問題が生じていた。
これらの振動レベルを90V〜264Vの広い商用電源入力範囲で操作者の設定するレベルや装置によって定まる所定のレベルに保つ方法として、前記従来の一般技術である電力変換器をPWM方式やPFM方式で駆動制御する方法が考えられる。つまり、商用電源入力電圧またはそれを反映した電圧を検出し、あるいは振動子の振動速度を反映した振動子電流を検出し、これらを一定の値に保つ様に電力変換器をPWM方式やPFM方式で駆動制御するのである。つまり、商用電源入力が大きいときや振動子の振動速度が所定値よりも大きいときは電力変換器のデューティーを小さく、逆のときは大きくすれば良い。これは図2において直流電源5の出力電圧Vdcを制御部7にフィードフォワード入力するか、または振動子2からの電流フィードバックを制御部7に入力し、、制御部7はVdcが大きいときや振動子電流が大きいときにデューティーを小さく、逆のときは逆にすれば良い。しかし、この方法には大きな問題がひとつある。それは、振動子2はこのPWM方式やPFM方式での制御と同時に振動子2の共振周波数で電力変換器6が協調して発振する正のフィードバック発振を行っている。したがって原理的にPFM方式での制御は不可能となる。また、振動子の発振は非常に敏感で、共振周波数以外のスプリアスといわれる振動しやすい周波数での異常発振や、振動レベルの過剰を原因とする異常音(正常な共振周波数は超音波領域に設計しており異常音は生じない)の発生や駆動電圧と駆動電流の位相のズレによる振動レベルの低下が起こり易くなる。また、PWM方式のみによるために極端に短いデューティーでの駆動が必要となり、その結果直流電源5の出力電圧を非常に大きく取る必要が生じ、電力変換器に使用する素子の耐電圧や安全動作領域を大きくとる必要が生じるばかりでなく、高電圧・大電流のスイッチングによる電磁界ノイズが大きくなり最近世界的に規制が強化されているEMC規制に適合するのは困難になる。
また、振動応用装置の振動をどの時点でどの様にして起動・停止するかについても課題があった。例えば歯科用の材料凝縮器については振動板に歯科材料保持器具を当て振動を与えたり、離して目視確認したりを頻繁に繰り返すのが常でありその都度、材料凝縮器の振動版の振動を起動したり停止したりする作業が非常に煩雑である一方、作業中ずっと振動を持続することは無駄な電力消費となる。前述のセラコン2においては、この対策のために、歯科材料保持器具を振動版に近づけた場合に、別途設けた光電センサにより、歯科材料保持器具が近づいたことを検出して、振動の起動と停止を行っていることが知られているが、回路も複雑で大きくなり、また複雑で高級な光電センサを用いており感度調整にも時間を要する問題が生じていた。また、超音波歯石除去装置においては、振動の起動停止制御を行うのに別途足踏みペダルを必要としていた。
直流電源の内部にスイッチ素子を、直流電源より負荷側への電流経路に電圧検出器・電流検出器いずれかひとつ以上を設け、制御部がこの検出電圧または検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが一定になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御すること、および前記ON/OFF制御が、少なくとも90Vから264Vの範囲を含む商用交流電力入力に対し、前記検出電圧または前記検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが、操作者の操作または制御部により定まる所定の値になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御することにより、
90〜264Vの広い範囲の商用電源電圧と、広い範囲の操作者設定による所定の振動レベルを実現し、さらに負荷の硬さや質量・負荷と振動部材との機械的結合の度合いや接触の頻度・商用電源電圧の変動・振動子の温度特性や経年変化によって振動レベルが変動することを防止することを可能ならしめるものである。
また、制御部が、前記電力変換器を前記高速ON/OFF制御のON/OFF期間よりも長い周期および時間比率で低速ON/OFF制御することにより、また、前記高速ON/OFF制御における前記負荷電流検出器、前記電圧検出器に、前記低速ON/OFF制御の中心周波数よりも低い周波数に遮断周波数を持つフィルタを設けていることにより、
装置をなるべく簡単小型にして消費電力を抑えつつ、広い範囲の術者指定振動レベルを可能ならしめるものである。
さらに電力変換器がOFF状態からONになった後、制御部が、前記振動子信号が現われている場合に電力変換器をONし続けること、さらに振動子信号が検出されるか、または検出されなくなった時から一定期間の間電力変換器をONし続けることにより、電力変換器がOFF状態のとき、振動子電圧検出器または振動子電流検出器と電力変換器の間に電力変換器側の回路を遮断する振動子スイッチ素子を設けていることにより、さらに制御部が、電力変換器がOFF状態のとき振動子スイッチ素子をOFFさせており、振動子信号が検出された時に振動子スイッチ素子をONさせることにより、
複雑で高級な光電センサや別途足踏みペダルを用いず、振動の起動停止制御を行うことを可能ならしめるものである。
また、振動子を圧電振動子とすることにより、以上述べた解決手段をより簡便・小型な回路で実現すならしめるものである。
また、前記低速のON/OFF制御の周波数またはON/OFFのデューティーの時間的な変化をあらかじめ設定された関数または外部より入力した関数とすることにより、操作者または装置の周辺に居る者の苦痛または不快感を軽減し、または快適感をもたらすものである。
また、装置をなるべく簡単小型にして消費電力を抑えつつ、広い範囲の術者指定振動レベルを可能にする。
また、振動の起動と停止を行うために複雑で高級な光電センサや別途足踏みペダルを用いず、振動の起動停止制御を行うことが可能である。
また、起動時や負荷変動時、負荷接触時に生じる過渡的な大振幅を防止することが可能である。
また、操作者または装置の周辺に居る者の苦痛または不快感を軽減し、または快適感をもたらすものである。
直流電源の内部にスイッチ素子を、直流電源の出力に電圧検出器を、振動子への電流経路に負荷電流検出器を設け、制御部がこの検出電流または検出電圧を一定とする様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御し、前記ON/OFF制御が、少なくとも90Vから264Vの範囲を含む商用交流電力入力に対応しつつ、前記検出電流のいずれかが操作者の操作または制御部により定まる所定の値になる様に成される本発明の最良の形態について、図6を使って述べる。
図6は、本発明による振動応用装置の構成ブロック図である。図6において8は電圧検出器、9は電流検出器、10は電圧検出アンプ(入力電圧Vdc)、11は電流検出アンプ(入力電流Iv)、12は操作者調整入力、13は操作者入力アンプ(出力電圧Vs)、14は誤差増幅器(出力電圧Ve)、15はスイッチ素子駆動回路(出力電圧Vd)、16はスイッチ素子である。図6による装置は次の様に動作する。以下の記述において(1)・(2)は(1)の場合と(2)の場合を併記している。本発明においては、電圧検出器8、電流検出器9はどちらか片方あればよいが両方あっても良い。
まず、商用電源入力部4への商用電源入力が(1)増・(2)減した場合、電圧検出器8の出力電圧および電圧検出アンプ10の入力電圧Vdcが(1)増加・(2)減少しようとする。また、振動子2の負荷が(1)減・(2)増した場合、振動子が(1)振動しやすく・(2)振動しにくくなって、振動速度およびそれに比例した振動子電流が(1)増・(2)減し、電流検出器9および電流検出アンプ11の入力Ivが(1)増・(2)減する。すると、誤差増幅器14は操作者調整入力12を反映した操作者入力アンプの出力電圧VsとVdc、Ivを比較し、VdcやIvが(1)増・(2)減すると、出力Veを(1)減・(2)増する。具体的には出力Veは例えば次式の様に動作する。
式1〜式5により、直流電源の出力電圧Vdcを一定にするために電圧検出器を使用した場合、Ziをゼロとして次式の様に動作する。
また、式1〜式5により、振動速度vは次式にて動作する。
もちろん、最良な発明の実施としては、電圧検出器を使わず、つまりbをゼロとして使用すれば数7は次式となる。
この様にして、90〜264Vの広い範囲の商用電源電圧と、広い範囲の操作者による振動レベル設定に対応し、さらに負荷の硬さや質量・負荷と振動部材との機械的結合の度合いや接触の頻度・商用電源電圧の変動・振動子の温度特性や経年変化によって振動レベルが変動することを防止することを可能ならしめるものである。また、直流電源の制御にPWM方式だけでなくPFM方式を用いたり、これらを組み合わせて使用することが自由に出来ることで、直流電源5内のスイッチング素子や電力変換器6内の制御素子に耐電圧や安全動作領域の小さい素子、従って小型で発熱も少なく安価な素子を使用することが出来る。また、電力変換器は直流電源6により商用電源の差や変動、負荷の変動に影響されずに安定的に供給された直流電源6の出力電圧Vdcを電源とし、振動子2からの正のフィードバックによる協調発振のための専用に設計可能となり、スプリアスでの異常発振や振動レベル変動による異常音の発生を起こすことなく、安定した振動を製品寿命にわたり長期間維持することが可能となる。なお、振動子2から電力変換器6への正のフィードバックは電流検出器9からの信号を用いることはさらに好適である。
次に、制御部が、前記電力変換器を前記高速ON/OFF制御のON/OFF期間よりも長い周期および時間比率で低速ON/OFF制御することにより、また、前記高速ON/OFF制御における前記負荷電流検出器、前記電圧検出器に、前記低速ON/OFF制御の中心周波数よりも低い周波数に遮断周波数を持つフィルタを設けることにより、また、前記低速のON/OFF制御の周波数またはON/OFFのデューティーの時間的な変化をあらかじめ設定された関数または外部より入力した関数とすることにより、装置をなるべく簡単小型にして消費電力を抑えつつ、広い範囲の術者指定振動レベルを可能ならしめ、操作者または装置の周辺に居る者の苦痛または不快感を軽減し、または快適感をもたらす発明の最良の実施の形態を、図7〜図9を使って述べる。
この様にして、振動子の振動速度波形は図9の下図に示す駆動電流波形の様な包絡線をとることになる。つまり、平均的な振動速度に対して、最大振動速度を大きくすることができる。これは振動子に低周波の変調を与えるということにほかならない。例えば歯科用の材料凝縮装置の場合、負荷である陶材築盛金属冠を保持している歯科材料保持器具に振動板3が振動しながら接触するのであるが、この場合一回の接触の後に歯科材料保持器具は振動板から離れ、再び接触するまで振動板は無負荷で振動することになる。そして再び接触するタイミングは図9の下図の包絡線の振幅の大きい時点の方が確立が大きくなる。つまり、包絡線の振幅の小さい時点は負荷の駆動に寄与していない。これは、振動子に変調を与えた方が負荷の駆動の効率が上がることを意味する。逆に変調を行わない連続駆動の場合、負荷が接触してから離れ、再び接触するまでの間も振動子は最大の振動を維持している訳で、効率が悪い。このことは、歯科用の材料凝縮装置に限らず、接触する負荷を駆動する振動応用装置全般にいえることである。
また、連続駆動の場合には、無負荷で駆動されている期間が長いことになるが、振動子にとって無負荷で最大振動速度で動作している状態というのは振動子の限界振動速度に近い状態が長いことになる。すべての装置はそのあらゆる許容限界に対して一定の安全動作範囲を保って最大の動作を確保すべく設計製造使用されるのが常であり、連続駆動の場合は、振動応用装置としては大きな冗長設計を行っていることになる。連続駆動の場合は単に不必要なパワーを振動子に投入して振動子の劣化を早めるだけでなく、装置温度の上昇を招くことと、超音波動作でない場合には不必要な大きな騒音を周囲に及ぼすことになる。またその分、電力変換器や直流電源、商用電源に大きく高価なものを必要とし、エネルギー消費も大きい。振動子として許容限界ぎりぎりで設計したものは劣化や経年変化も早くなる。
また、歯科用の材料凝縮装置セラコン2の様に振動板を駆動する様な用途の場合に顕著な現象であるが、振動板には多くの共振モードが存在し、負荷のランダムな接触により生じる低周波の波動が振動板の共振モードに適合(周波数が近づいて振動しやすくなる状態)した場合に、振動板内に低周波のエネルギーが蓄積して、振動子の共振周波数を超音波領域にして無音の動作を目論んでいるはずなのに、いわゆる音響機器で生じるハウリングの様な低周波の強烈な異音を生じ易い。
本発明においては、セラコン2の様な半波整流による商用電源周波数による変調に限定した場合に、低周波発振器17の発振周波数を、商用電源入力部4から導入しても良い。ただし、この方法は変調周波数が限定される。本発明の最良の形態としては、低周波発振器として商用電源周波数からも振動子の共振周波数からも独立した発振機構を備え、デューティーも任意に設計・設定可能なものが良い。例えば、マイクロコンピュータで構成するのは非常に好適である。
さらに、前記低速のON/OFF制御の周波数またはON/OFFのデューティーの時間的な変化をあらかじめ設定された関数、例えば水の流れる音の波形や音楽の波形の関数とすることも非常に好適である。また、外部より入力した音楽等の関数とすることも非常に好適である。この低周波の変調は振動子およびそれに接続された振動出力部や負荷に変調周波数の振動を誘起するので、これらの関数による音の変化をもたらすことができる。これらをせせらぎ音や小鳥の鳴き声、内蔵あるいは外部より導入入力した音楽とすることで、操作者または装置の周辺に居る者、特に歯科における患者の苦痛または不快感を軽減し、または快適感をもたらすものである。
本発明の実施の形態としてさらに、前記電流検出器9または前記電圧検出器8に、へ変調周波数よりも低い周波数に遮断周波数を持つフィルタを設けることが好適である。これは振動に変調を与えた場合にその変調の影響が、駆動電圧または駆動電流のフィードバックによる直流電源の出力制御に悪影響を与えることを防ぐためである。
次に、商用交流電力入力を直流電圧に変換する直流電源と、直流電源の出力する直流電力を交流に変換する電力変換器と、電力変換器の出力する交流電力により振動する振動子と、振動負荷に振動を印加するために振動子に接続されかつ振動負荷に接触させるための振動出力部と、直流電源・電力変換器を制御するための制御部を備えた振動応用装置において、振動子と電気回路的に並列に振動子電圧検出器または直列に振動子電流検出器を設け、制御部が、振動子電圧検出器または振動子電流検出器に一定値以上のレベルで一定範囲の周波数の振動子信号が現われた場合に電力変換器をOFF状態からONすることにより、
さらに電力変換器がOFF状態からONになった後、制御部が、前記振動子信号が現われている場合に電力変換器をONし続けること、さらに振動子信号が検出されるか、または検出されなくなった時から一定期間の間電力変換器をONし続けることにより、電力変換器がOFF状態のとき、振動子電圧検出器または振動子電流検出器と電力変換器の間に電力変換器側の回路を遮断する振動子スイッチ素子を設けていることにより、さらに制御部が、電力変換器がOFF状態のとき振動子スイッチ素子をOFFさせており、振動子信号が検出された時に振動子スイッチ素子をONさせることにより、
複雑で高価な光電センサや別途足踏みペダルを用いず、振動の起動停止制御を行う本発明の最良の実施の形態について図10〜図12により説明する。
図10は起動のきっかけとなる衝撃(ヒット)を示す図で、セラコン2を模した歯科用の材料凝縮装置の振動板3に陶材築製金属冠Aを保持した歯科材料保持具Bを接触させた瞬間に生じる衝撃の発生およびその地点Xを示している。衝撃といっても非常に微弱な勢いの接触も検出可能である。ここではこれをヒット検出と呼ぶ。
振動子信号が生じ、振動子電圧検出アンプ22または振動子電流検出アンプ23から一定値以上の信号が出力されると制御部7は電力変換器6をONし、振動子2の駆動を開始するものである。
この様にヒット検出を行い振動をON/OFFさせることにより、両手のふさがった操作者でも、フットペダル等の余分な付属品や余分な手間を掛けることなく、振動応用装置を使用する動作そのもので装置を容易にON/OFFさせることが出来る。
次に、電力変換器をONさせた直後や負荷が変動したときに、制御部が、操作者の定めた所定の振動レベルよりも小さい振動レベルで振動を開始し、操作者の定めた所定の振動レベルに達するまでの時間を、制御系の応答時間・商用電源周波数の1周期の時間のいずれよりも長い時間で制御することの実施の形態について以下に説明する。
本発明においては、実施の形態1で述べた様に、90V〜264Vの広い商用電源電圧入力でかつ、広い範囲の操作者指定の規定振動レベルで振動応用装置を駆動することが可能である。従って、制御部7が起動時に規定振動レベルよりも小さい振動レベルから徐々に振動レベルを大きくして一定の時間を持って規定振動レベルに達する様にすることができる。このために制御部7は時定数を持ったタイマー回路を設けることやもしくは、マイクロコンピュータによる制御部7で、ソフトウェアによって徐々に振動レベルを大きくしていくことが好適である。
この様にして起動時や負荷変動時、負荷接触時に生じる過渡的な大振幅を防止することを可能ならしめるものである。つまり規定振動レベルや許容振動レベルを超えることなく使用可能なので、負荷や装置にダメージを与えることが無い。
既に実施の形態3で述べた様に振動子を圧電振動子とすることにより、実施の形態1〜4で述べた本発明による振動応用装置をより小型で簡便に実現するものである。
本発明は特に、超音波洗浄装置・振動切削装置・振動表面処理装置・材料攪拌装置・材料凝縮装置については、好適に利用可能である。また、特に歯科用の振動応用装置、圧電体を用いた歯科用の振動応用装置に好適である。具体的には歯科用の超音波洗浄装置、超音波歯石除去装置、歯科用の振動切削装置、歯科用の振動表面処理装置、歯科用の材料攪拌装置、歯科用の材料凝縮装置に好適である。
2 セラコン2の振動子であるボルト締めランジュバン型振動子
3 セラコン2の振動出力部である振動板
4 商用電源入力部
5 直流電源
6 電力変換器
7 制御部
8 電圧検出器
9 電流検出器
10 電圧検出アンプ
11 電流検出アンプ
12 操作者調整入力
13 操作者入力アンプ
14 誤差増幅器
15 スイッチ素子駆動回路
16 スイッチ素子
17 低周波発振器
18 圧電体
19 アルミブロック
20 振動子電圧検出器
21 振動子電流検出器
22 振動子電圧検出アンプ
23 振動子電流検出アンプ
24 圧電振動子開放用スイッチ素子
25 ヒット検出波形
26 ノイズ電流
A 陶材築盛金属冠
B 歯科材料保持具
X 振動板3に陶材築製金属冠Bを保持した歯科材料保持具Bを接触させた瞬間に生じる衝撃の発生地点
Claims (12)
- 商用交流電力入力を直流電圧に変換する直流電源と、直流電源の出力する直流電力を交流に変換する電力変換器と、電力変換器の出力する交流電力により振動する振動子と、振動負荷に振動を印加するために振動子に接続されかつ振動負荷に接触させるための振動出力部と、直流電源・電力変換器を制御するための制御部を備えた振動応用装置において、直流電源の内部にスイッチ素子を、直流電源より負荷側への電流経路に電圧検出器・電流検出器いずれかひとつ以上を設け、制御部がこの検出電圧または検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが一定になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御することを特徴とする歯科用の振動応用装置。
- 前記ON/OFF制御が、少なくとも90Vから264Vの範囲の商用交流電力入力に対し、前記検出電圧または前記検出電流または検出電圧と検出電流の結合値のいずれかが、操作者の操作または制御部により定まる所定の値になる様にこのスイッチ素子を高速ON/OFF制御することを特徴とする請求項1記載の歯科用の振動応用装置。
- 制御部が、前記電力変換器を前記高速ON/OFF制御のON/OFF期間よりも長い周期および時間比率で低速ON/OFF制御することを特徴とする請求項1または2記載の歯科用の振動応用装置。
- 前記高速ON/OFF制御における前記負荷電流検出器、前記電圧検出器に、前記低速ON/OFF制御の中心周波数よりも低い周波数に遮断周波数を持つフィルタを設けていることを特徴とする請求項3記載の歯科用の振動応用装置。
- 商用交流電力入力を直流電圧に変換する直流電源と、直流電源の出力する直流電力を交流に変換する電力変換器と、電力変換器の出力する交流電力により振動する振動子と、振動負荷に振動を印加するために振動子に接続されかつ振動負荷に接触させるための振動出力部と、直流電源・電力変換器を制御するための制御部を備えた振動応用装置において、振動子と電気回路的に並列に振動子電圧検出器または直列に振動子電流検出器を設け、制御部が、振動子電圧検出器または振動子電流検出器に一定値以上のレベルで一定範囲の周波数の振動子信号が現われた場合に電力変換器をOFF状態からONすることを特徴とする振動応用装置。
- 電力変換器がOFF状態からONになった後、制御部が、前記振動子信号が現われている場合に電力変換器をONし続けることを特徴とする請求項5記載の振動応用装置。
- 振動子信号が検出されるか、または検出されなくなった時から一定期間の間電力変換器をONし続けることを特徴とする請求項5または6記載の振動応用装置。
- 電力変換器がOFF状態のとき、振動子電圧検出器または振動子電流検出器と電力変換器の間に電力変換器側の回路を遮断する振動子スイッチ素子を設けていることを特徴とする請求項5〜7記載の振動応用装置。
- 制御部が、電力変換器がOFF状態のとき振動子スイッチ素子をOFFさせており、振動子信号が検出された時に振動子スイッチ素子をONさせることを特徴とする請求項8記載の振動応用装置。
- 電力変換器をONさせた直後や負荷が変動したときに、制御部が、操作者の定めた所定の振動レベルよりも小さい振動レベルで振動を開始し、操作者の定めた所定の振動レベルに達するまでの時間を、制御系の応答時間・商用電源周波数の1周期の時間のいずれよりも長い時間で制御することを特徴とする請求項1〜9記載の振動応用装置。
- 振動子が圧電振動子である請求項1〜10記載の振動応用装置。
- 前記低速のON/OFF制御の周波数またはON/OFFのデューティーの時間的な変化をあらかじめ設定された関数または外部より入力した関数とする請求項3または4記載の振動応用装置。
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