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JP2008120791A - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents

ビスフェノール類の製造方法 Download PDF

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JP2008120791A JP2007239658A JP2007239658A JP2008120791A JP 2008120791 A JP2008120791 A JP 2008120791A JP 2007239658 A JP2007239658 A JP 2007239658A JP 2007239658 A JP2007239658 A JP 2007239658A JP 2008120791 A JP2008120791 A JP 2008120791A
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Atsushi Satsuma
篤 薩摩
Kenichi Shimizu
研一 清水
Soichiro Konya
宗一郎 紺谷
Soichiro Yamada
聡一郎 山田
豪 ▲高▼橋
Takeshi Takahashi
Takahito Nishiyama
貴人 西山
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Abstract

【課題】アセトン等のカルボニル化合物とフェノール等のフェノール類との反応で、ビスフェノールA等のビスフェノール類を高選択率かつ高収率で製造する。
【解決手段】メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の存在下にカルボニル化合物とフェノール類とを反応させてビスフェノール類を製造する。触媒としては、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したリンタングステン酸又はケイタングステン酸又はそのセシウム塩が好ましい。メルカプト基を有する含窒素化合物としては、メルカプトピリジン類又はメルカプトアミン類が好ましい。アセトンとフェノールとの反応で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを高選択率かつ高収率で製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明はカルボニル化合物とフェノール類とを反応させてビスフェノール類を製造する方法に係り、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩を触媒として用いることにより、ビスフェノール類を高選択率かつ高収率で製造するビスフェノール類の製造方法に関する。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」と略す。)をはじめとするビスフェノール類は、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂や感熱紙用顕色剤の中間原料などとして有用な化合物である。
ビスフェノールAは通常、フェノールとアセトンとを触媒(酸性縮合剤)の存在下で反応させることにより合成され、助触媒としてメチルメルカプタンなどのイオウ化合物を添加する場合もある。酸性触媒としては、通常、塩化水素が用いられているが、塩化水素では腐食性が大きいため、実際の製造に当たっては高価な材質を用いた反応装置が必要であり、さらに反応混合物から触媒を除去するための精製工程が必要であるなどの問題点があった。
また、酸性イオン交換樹脂を触媒として用いる方法(特許文献1)は、反応で生成する水によって活性が低下するという欠点があり、水を除去しながら反応を行う方法(特許文献2)も検討されているが、イオン交換樹脂は、樹脂の寿命が短く、コストが高いという問題点があった。
また、特許文献3にはメルカプトアミン類をイオン結合させた変性強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂を使用する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、使用前にフェノールで処理することにより変性樹脂中に含まれている水をフェノールに置換してから反応に供する必要があり、操作が煩雑である。また、イオン交換樹脂は水やフェノールによって膨潤するので、工業規模の実施では反応器が大型となり、小型化が困難である。また、イオン交換樹脂そのものの耐熱性が低く劣化しやすいという問題点があった。
一方、特許文献4には、アセトンとフェノールとを、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩及び助触媒としてのメルカプト基を有する有機化合物の存在下に反応させるビスフェノールAの製造方法が開示され、この特許文献4には「メルカプト基を有する有機化合物としては、具体的にはエチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類;メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸などのメルカプトカルボン酸類;メルカプトエタノール、メルカプトブタノールなどのメルカプトアルコール類;メルカプトピリジン、メルカプトニコチン酸、メルカプトピリジノオキサイド、メルカプトピリジノールなどのメルカプトピリジン類;チオフェノール、チオクレゾールなどのチオフェノール類などが挙げられるが、アルキルメルカプタン類やメルカプトカルボン酸類が特に好ましい。」との記載があるが、実施例ではブチルメルカプタンがヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸のセシウム塩と併用して用いられているのみである。
また、特許文献5には、触媒としてヘテロポリ酸又はその塩を用いるビスフェノール類の製造方法が開示され、「ヘテロポリ酸のプロトンの一部をアルカリ金属、アルカリ土類金属元素などで置換したヘテロポリ酸塩を用いることが可能である。置換元素としてはこれらに限定されるものではなく、広く遷移金属元素などで置換されたものを使用することも可能である。同じく、各種の含窒素化合物でヘテロポリ酸のプロトンの一部を置換したものも用いることが可能である。」との記載があるが、特許文献5において、実際に用いているヘテロポリ酸のプロトンの置換体はセシウム塩とナトリウム塩とカルシウム塩のみである。
特公昭36−23334号公報 特開昭61−78741号公報 特開昭62−298454号公報 特許第3003294号公報 特開平2−45439号公報
しかし、特許文献5の方法では、例えばフェノールとアセトンとの反応において、ヘテロポリ酸中の結晶水が多い場合には、60℃、4時間でアセトン転化率2.5%、収率2.0%と非常に反応が遅くなるという欠点があった。
また、特許文献4の方法では、助触媒を併用する必要があり、生成物であるビスフェノールAと助触媒との分離が困難になるという欠点があった。
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、アセトン等のカルボニル化合物とフェノール等のフェノール類との反応で、ビスフェノールA等のビスフェノール類を高選択率かつ高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール類とを反応させてビスフェノール類を製造する方法において、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の存在下に反応を行うことを特徴とする。
請求項2のビスフェノール類の製造方法は、メルカプト基を有する含窒素化合物が、メルカプトピリジン類及びメルカプトアミン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
請求項3のビスフェノール類の製造方法は、ヘテロポリ酸塩がヘテロポリ酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする。
本発明によれば、触媒として、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩を用いることにより、ビスフェノールA等のビスフェノール類を高選択率かつ高収率で製造することができる。本発明で用いる触媒は調製が容易であり、取り扱い性に優れ、反応後の触媒の分離・回収が容易となり、しかも従来のイオン交換樹脂に比べて耐熱性に優れ、また、膨潤の問題も少なく、ビスフェノール類を高選択率かつ高収率で製造できることから、反応器の小型化が可能となり、このような触媒の優位性においても、本発明は工業的に優れた方法である。
以下に本発明のビスフェノール類の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明で用いる触媒について説明する。
本発明で用いる触媒は、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩である。
本発明において用いるヘテロポリ酸は、モリブデン、タングステン、及びバナジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物と、リン、ケイ素、ヒ素及びゲルマニウムよりなる群から選ばれたオキシ酸が縮合した構造で、通常は後者に対する前者の原子比が2.5〜12であるようなものが入手も容易であり好ましく用いられる。これらのヘテロポリ酸としては、例えばリンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマニウムタングステン酸、ヒ素モリブデン酸、ヒ素タングステン酸などが挙げられる。
ヘテロポリ酸としては、これらのうち、特にリンタングステン酸又はケイタングステン酸が目的とする反応に対する選択率や収率も高く入手も容易であり好ましい。即ち、本発明において用いる触媒としては、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したリンタングステン酸又はケイタングステン酸が好ましい。
本発明で用いるメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸は、このようなヘテロポリ酸中の水素の一部又は全部をメルカプト基を有する含窒素化合物で置換したものである。即ち、メルカプト基を有する含窒素化合物は、含窒素部分に塩基性を有しているので、これをヘテロポリ酸と混合することにより、酸塩基反応を起こし、ヘテロポリ酸の酸性部分とメルカプト基を有する含窒素化合物の塩基性部分とがイオン結合によって結合する。このような作用により、ヘテロポリ酸の水素がメルカプト基を有する含窒素化合物に置換される。
その置換割合(メルカプト基を有する含窒素化合物で置換する前のヘテロポリ酸中の水素に対する、メルカプト基を有する含窒素化合物で置換された水素の割合)は、ヘテロポリ酸の構造によっても異なるが、60モル%以上であることが好ましく、特に75モル%以上95モル%以下であることが好ましい。この置換割合が60モル%未満ないし95モル%より高い場合では収率や選択率が著しく低下する場合がある。
一方、本発明で用いるヘテロポリ酸塩としては、上述のようなヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、好ましくはリンタングステン酸又はケイタングステン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、特に好ましくはこれらのヘテロポリ酸のセシウム塩が挙げられる。
このヘテロポリ酸塩とは、ヘテロポリ酸中の水素の一部又は全部を金属で置換した塩であり、中でも水素の一部を置換したものが好ましい。その置換率(金属で置換する前のヘテロポリ酸中の水素に対する、金属で置換された水素の割合)は通常30モル%以上、好ましくは40〜80モル%、更に好ましくは50〜70モル%であり、この置換率が30モル%未満では収率や選択率が著しく低下する場合がある。
本発明で用いるメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩は、このようなヘテロポリ酸塩中の残った水素の一部又は全部をメルカプト基を有する含窒素化合物で置換したものであり、その置換割合は、そのヘテロポリ酸の構造によっても異なるが、金属で置換されずに、また含窒素化合物で置換されずに残った水素が、本来のヘテロポリ酸(メルカプト基を有する含窒素化合物及び金属で置換される前のヘテロポリ酸)の水素の30モル%未満であることが好ましく、特に5〜20モル%であることが好ましい。この残った水素の割合が5モル%未満である場合或いは20モル%より高い場合では、収率や選択率が著しく低下する場合がある。なお、以下において、この残った水素の割合を水素残存率と称す。
なお、触媒としてメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩を用いる利点は、ヘテロポリ酸をヘテロポリ酸塩とすることにより、水素(ブレンステッド酸点)を制御し、水素とメルカプト基を有する含窒素化合物とのバランスがよくなる結果、触媒の活性点を増やして触媒活性及び選択性を高めることにある。
修飾に用いられるメルカプト基を有する含窒素化合物は、例えば、2−メルカプトエチルアミン、3−メルカプトブチルアミン、3−n−プロピルアミノ−1−プロピルメルカプタン、2−ジエチルアミノエチルメルカプタン等のメルカプトアルキルアミン(又はアミノアルキルメルカプタン);3−メルカプトメチルピリジン、3−メルカプトエチルピリジン、4−メルカプトエチルピリジン等のメルカプトアルキルピリジン;チアゾリジン、2,2−ジメチルチアゾリジン、シクロアルキルチアゾリジン、2−メチル−2−フェニルチアゾリジン、3−メチルチアゾリジン等のチアゾリジン;1,4−アミノチオフェノール等のアミノチオフェノール等が挙げられる。特に好ましくは、メルカプトアルキルアミン(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3)などのメルカプトアミン類及びメルカプトアルキルピリジン(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3)などのメルカプトピリジン類である。
前記したメルカプト基を有する含窒素化合物は、塩酸等の酸性物質の付加塩や第4級アンモニウム塩であることができる。また、修飾における処理条件においてメルカプト基を生じる化合物であることもできる。
メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明で触媒として用いる、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸、及び、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の製造方法は特に限定されず、常法に従って調製することができる。
例えばメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩であれば、市販のヘテロポリ酸を水、アルコール類、エーテル類などの溶媒に0.01〜10mol/L程度の濃度に溶解し、これにメルカプト基を有する含窒素化合物や、その塩酸等の酸性物質の付加塩や第4級アンモニウム塩を直接、あるいは水、アルコール類、エーテル類などに0.01〜10mol/L程度の濃度に溶解した溶液として添加混合する方法が挙げられる。
また、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩は、対応する金属(セシウム等のアルカリ金属)の硝酸塩又は塩化物を直接、あるいは水、アルコール類、エーテル類などの溶液として、さらに上記の溶液に添加混合する方法が挙げられる。
混合溶液中で沈殿析出したメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、遠心分離や濾過により回収後、水、アルコール類、エーテル類などの溶媒により洗浄される。洗浄に用いた溶媒から遠心分離や濾過により回収後、更に乾燥することによりメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を得ることができる。混合時間は添加してから30分〜3日間程度、乾燥温度は50〜100℃、乾燥時間は1時間〜3日間程度が好ましい。
本発明においては、異なるメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の2種以上を用いても良く、また、メルカプト基を有する含窒素化合物やその置換割合が異なるヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩の2種以上を用いても良い。また、これらのメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸はそのまま用いることもできるが、活性炭、アルミナ、シリカ−アルミナ、ケイソウ土などの担体に担持して用いても良い。
本発明において、反応に供するカルボニル化合物としては、ケトン又はアルデヒドに属するカルボニル化合物であれば良く、特に制限はないが、具体的には、一般式RCORで表される化合物を挙げることができる。ここで、R及びRは互いに同一であっても相違していても良く、各々が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基であるカルボニル化合物が、本発明で用いるカルボニル化合物として適している。また、RとRが互いに結合して環を形成した環状ケトン(シクロアルカノン誘導体)も本発明で用いるカルボニル化合物として適している。この場合、環がさらに置換基を有しても良い。
好ましいカルボニル化合物としてさらに具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のR及びRの各々が炭素数12以下、好ましくは6以下のアルキル基である飽和脂肪酸ケトン、フェニルメチルケトン等の芳香族ケトン、メシチルオキシドのような不飽和ケトン、シクロヘキサノン、及び炭素数1〜10のアルキル基を置換基として有するシクロヘキサノン(例えば4−n−プロピルシクロヘキサノン)等の脂環式ケトンを挙げることができる。
一方、フェノール類として、具体的には、下記一般式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008120791
(式中、R〜Rは互いに同一であっても相違していても良く、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。)
本発明においては、特に、フェノール類の芳香族環における置換反応の配向性から、パラ位又はオルト位が無置換(水素原子)であるフェノール誘導体を用いることが好ましい。本発明に用いるフェノール類として、具体的には、フェノール、オルトクレゾール、メタクレゾール、2,6−ジメチルフェノール、テトラメチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチルフェノール等のアルキルフェノールやオルトクロロフェノール、メタクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール等のハロゲン化されたフェノール等を挙げることができる。
上記カルボニル化合物、フェノール類は各々1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
カルボニル化合物とフェノール類との反応において、フェノール類の使用量は、カルボニル化合物1molに対して通常は3〜50molであるが、好ましくは5〜20molである。フェノール類の使用量が3mol未満であると、目的とするビスフェノールA等のビスフェノール類の他に、例えば、アセトンとフェノールとの反応ではクロマン類などの副生物が多くなるので好ましくなく、また30molを超えて使用すると、未反応フェノール類の回収量が増大し、生産性が低下するので実用的でない。
カルボニル化合物とフェノール類との反応において触媒の使用量は、反応性や経済性の面から、通常、反応に供するカルボニル化合物1molに対して0.01〜0.5mol、特に0.05〜0.3molの範囲で用いることが好ましい。
反応温度は通常30〜250℃、好ましくは40〜180℃である。反応時間は触媒量、反応温度にもよるが、通常は2〜12時間である。反応温度が低過ぎたり、反応時間が短か過ぎると反応の進行が遅い等の理由で反応が不十分となり、逆に反応温度が過度に高いと、例えば500℃以上の温度では触媒の結晶構造の損失が大きくなり好ましくなく、また、反応時間が過度に長いと工業的な生産性が阻害される。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下において、ビスフェノールAの収率及び選択率はガスクロマトグラフィ(島津製作所社製、GC−2010、使用カラム:Rtx−5(RESTEK社製))による測定値から、以下の式で算出した。
ビスフェノールAの収率(%)=(生成したビスフェノールA(mol)÷仕込みアセトン量(mol))×100
ビスフェノールAの選択率(%)=(ビスフェノールA収率(%)÷アセトン転化率(%))×100
なお、アセトンの転化率は以下の式で算出される。
アセトンの転化率(%)=(反応したアセトン量(mol)÷仕込みアセトン量(mol))×100
また、触媒としてのメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸は、ヘテロポリ酸の水溶液(0.3mol/L)と対応するメルカプト基を有する含窒素化合物の水溶液(0.75mol/L)を、メルカプト基を有する含窒素化合物量が所定の置換量になるように滴下・攪拌混合した後、生じた沈殿を遠心分離し、水洗を行った後に遠心分離して回収し、80℃で一晩乾燥して得られる固体をそのまま用いた。
また、触媒としてのメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸の水溶液(0.3mol/L)と対応する金属塩化物又は金属硝酸塩の水溶液(0.6mol/L)を導入イオン量が所定のイオン交換率になるように混合した後、対応するメルカプト基を有する含窒素化合物の水溶液(0.15mol/L)を、メルカプト基を有する含窒素化合物量が所定の置換量になるように滴下・攪拌混合した後、生じた沈殿を遠心分離し、水洗を行った後に遠心分離して回収し、60℃で一晩乾燥して得られる固体をそのまま用いた。
実施例1
還流冷却器及び攪拌器を備えた反応器にフェノール1.88g(20mmol)、2−ジエチルアミノエチルメルカプタン塩酸塩(東京化成工業社製)とリンタングステン酸(HPW1240・28HO、日本無機化学工業社製)とから調製した2−ジエチルアミノエチルメルカプタン2.5当量で修飾したリンタングステン酸0.1g(0.03mmol)(置換率は、リンタングステン酸の酸当量が3当量であるので、2.5/3=83.3モル%に相当と計算される。)を仕込み、アセトン0.12g(2.0mmol)を加え、80℃で6時間反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表1に示す通りであった。
比較例1
実施例1の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン2.5当量で修飾したリンタングステン酸のかわりに、リンタングステン酸(HPW1240・28HO、日本無機化学工業社製)0.1g(0.03mmol)を用い、さらに2.5当量の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン塩酸塩(東京化成工業社製)0.013g(0.075mmol)を加えたほかは実施例1と同様に反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表1に示す通りであった。
比較例2
実施例1の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン2.5当量で修飾したリンタングステン酸のかわりに、リンタングステン酸(HPW1240・28HO、日本無機化学工業社製)0.1g(0.03mmol)を用いたほかは実施例1と同様に反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表1に示す通りであった。
Figure 2008120791
実施例2
還流冷却器及び攪拌器を備えた反応器にフェノール1.88g(20mmol)、硝酸セシウム、2−ジエチルアミノエチルメルカプタン塩酸塩(東京化成工業社製)とリンタングステン酸(HPW1240・28HO、日本無機化学工業社製)とから調製した2−ジエチルアミノエチルメルカプタン1.0当量(2−ジエチルアミノエチルメルカプタンによる置換率が1.0/3=33.3モル%に相当)で修飾したリンタングステン酸セシウム塩(セシウムによる置換率(セシウム置換割合)が1.5/3.0=50モル%、従って、水素残存率は100−(33.3+50)=16.7モル%)0.1g(0.03mmol)を仕込み、アセトン0.12g(2.0mmol)を加え、80℃で3時間反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表2に示す通りであった。
比較例3
実施例2の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン1.0当量で修飾したリンタングステン酸セシウム塩のかわりに、リンタングステン酸セシウム塩(セシウムによる置換率(セシウム置換割合)が1.5/3.0=50モル%)0.1g(0.03mmol)を用い、さらに1.0当量の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン塩酸塩(東京化成工業社製)0.005g(0.03mmol)を加えたほかは実施例2と同様に反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表2に示す通りであった。
比較例4
実施例2の2−ジエチルアミノエチルメルカプタン1.0当量で修飾したリンタングステン酸セシウム塩のかわりに、リンタングステン酸セシウム塩(セシウムによる置換率(セシウム置換割合)が1.5/3.0=50モル%)0.1g(0.03mmol)を用いたほかは実施例2と同様に反応させた。
このときのビスフェノールAの収率及び選択率は表2に示す通りであった。
Figure 2008120791
表1,2より、本発明に従ってメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩を触媒として用いることにより、ビスフェノールAを高収率、高選択率で製造することができることが分かる。

Claims (3)

  1. カルボニル化合物とフェノール類とを反応させてビスフェノール類を製造する方法において、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の存在下に反応を行うことを特徴とするビスフェノール類の製造方法。
  2. メルカプト基を有する含窒素化合物が、メルカプトピリジン類及びメルカプトアミン類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のビスフェノール類の製造方法。
  3. ヘテロポリ酸塩がヘテロポリ酸のアルカリ金属塩である請求項1又は2に記載のビスフェノール類の製造方法。
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