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JP2008104847A - カフ部材 - Google Patents

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JP2008104847A
JP2008104847A JP2007141352A JP2007141352A JP2008104847A JP 2008104847 A JP2008104847 A JP 2008104847A JP 2007141352 A JP2007141352 A JP 2007141352A JP 2007141352 A JP2007141352 A JP 2007141352A JP 2008104847 A JP2008104847 A JP 2008104847A
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cuff member
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JP2007141352A
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Eisuke Tatsumi
英介 巽
Toshihide Mizuno
敏秀 水野
Yoshiyuki Myonaka
義之 妙中
Yasushi Nemoto
泰 根本
Yoshihiro Okamoto
吉弘 岡本
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National Cerebral and Cardiovascular Center
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Bridgestone Corp
National Cerebral and Cardiovascular Center
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Abstract

【課題】 生体の外面に重なるフランジ部と、該フランジ部の一方の面から立設された筒状部とを備え、これらが連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているカフ部材において、該フランジ部の厚みが小さくとも、該フランジ部がダウングロース作用によって屈曲変形することを防止することが可能なカフ部材を提供する。
【解決手段】 カフ部材2は、フランジ部3と筒状部4と、補強部材としての線状体10とを有する。フランジ部3及び筒状部4は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂で形成された、連通性のある多孔性三次元網状材料よりなる。線状体10は、傘の骨のように、フランジ部3の内周側から外周側に向って放射状に延設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体組織からの細胞の侵入が可能で、生体組織と頑強な癒着が得られるカフ部材に係り、特に、カニューレやカテーテル類を皮下刺入する療法である補助人工心臓による血液循環法、腹膜透析療法、中心静脈栄養法、経カニューレDDS及び経カテーテルDDSなどの生体皮膚刺入部に有用なカフ部材に関する。
近年発達した補助人工心臓や腹膜透析などの療法で使用されるカニューレやカテーテルは、外界へ開放された脈管へ挿入・留置される尿道カテーテル、経消化管的栄養法及び気道確保術などと異なり、皮下組織を切開した上で刺入を行って生体内に留置する必要がある。生体内への留置が長期間に及ぶ場合、生体内と外界を隔て、生体内への細菌の侵入や体液水分の揮発を防止するためにカフ部材(スキンカフなどともいう)を利用して疑似的に刺入部を密閉することが行われている。従来、補助人工心臓による血液循環法では、主としてポリエステル繊維からなるファブリックベロアを刺入カニューレに巻き付け、刺入部において該ファブリックベロアと皮下組織を縫合することで固定し、カニューレを留置している。腹膜透析療法においても、ポリエステル繊維からなるファブッリクベロアなどをカフ部材としてカテーテルの皮膚刺入位置に固定し、このカフ部材を圧迫するように皮下組織を縫合することでカテーテルを留置している。これらファブリックベロアにはコラーゲンなどを含浸させ、より頑強な癒着を狙ったものもある。また、生体適合性に優れる部材からなるカフ部材を刺入部の皮下組織に固定させる方法もある。
しかしながら、補助人工心臓による血液循環法は、患者体外に設置された脈動ポンプによって血液循環を補助する療法であるため、約1.5Hzに相当する脈動ポンプの振動がカニューレに伝達している。即ち、カニューレの刺入部は、常時、振動による力学的負荷を受けている。更に、患者自身の体位の変化、刺入部の消毒作業時などにカニューレが動くことによっても皮下組織とカフ部材の接着界面にはこれを剥離しようとする応力が生じている。これらの応力負荷によってカフ部材と皮下組織の癒着性が低下することが要因と判断されるトラブルの代表例に、トンネル感染などの感染トラブルがあり、補助人工心臓療法の症例の中でも、これら感染トラブルの経験数は非常に多くなっている。細菌感染による合併症や心不全への影響を考慮すれば、本療法においては感染を防止できるカフ部材の開発が急務であるといえる。
同様に、皮下刺入を行ってカテーテルを長期間留置する腹膜透析療法においても、カフ部材に大きな課題がある。即ち、この療法では、透析液を注排液するためにカテーテルを腹腔内に留置するが、生体がカテーテルを異物と認識することによりカテーテルを排除しようとする作用が働き、皮下組織とカテーテルが癒着せず、表皮がカテーテルに沿って腹腔内へ入り込むダウングロース現象が生じてしまう。このダウングロースのポケットは、消毒液の到達を困難なものとし、表皮炎症やトンネル感染の要因となり、最終的には腹膜炎の誘発にも繋がっている。緑膿菌性の腹膜炎を頻繁に経験した患者においてSEP(硬化性被繭性腹膜炎)の発症率が高いという報告もあることを考慮すれば、カフ部材の改良による感染防止は腹膜透析療法の大きな課題であるといえる。
このようなことから、上述の如く、コラーゲンを主成分とするカフ部材などが開発されているが、このようなカフ部材の場合、生理食塩水、アルコール、イソジン、血液、体液など液体を吸収することで体積が減少し、カテーテル刺入部に皮下組織を増殖させることが困難であり、その結果、ダウングロースの抑制効果は得られていない。
WO 2005/084742 A1号公報には、生体外面に重なるフランジ部と、該フランジ部から立設された筒状部とを備え、これらが、連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているカフ部材が記載されている。
同号公報のカフ部材にあっては、この網状構造の内部に生体皮下組織から細胞が容易に侵入、生着し、毛細血管が構築されることにより、該カフ部材と皮下組織とが頑強に癒着する。また、この際、フランジ部が筒状部の周囲の広い範囲にわたって皮下組織と癒着するため、表皮のダウングロース作用が筒状部に及びにくく、効果的にダウングロースを抑制することができる。
WO 2005/084742 A1号公報
上記WO 2005/084742 A1号公報のカフ部材にあっては、フランジ部の厚みを小さくすることにより、該フランジ部の下側の皮下組織から該フランジ部を貫通して表皮に達する血管がより密に形成されるようになり、この結果、感染抑制効果を向上させることが可能である。
しかしながら、このようにフランジ部の厚みを小さくすると、フランジ部の物理的強度が低下し、フランジ部が表皮のダウングロースにより屈曲しやすくなる。この場合、ダウングロースは、フランジ部の外周側を、該フランジ部の内周側へ押圧しつつ、皮下組織内に押し込むように作用する。このため、フランジ部は、その外周側が内周側の下に折り込まれるように屈曲し、該フランジ部と皮下組織との間にポケット状の隙間が形成されるようになる。この隙間に垢などがたまり、感染源となるおそれがある。
また、生体の動きなどによってフランジ部に対し生体から力が加えられてもフランジ部が屈曲変形しないことが望ましい。
なお、フランジ部の厚みを大きくすれば、フランジ部の強度が確保され、ダウングロース作用などによる該フランジ部の屈曲を防止することができるが、このフランジ部を貫通して皮下組織と表皮とを連絡する血管の形成が促進されず、上記のような感染抑制効果を得にくくなる。
本発明は、生体の外面に重なるフランジ部と、該フランジ部の一方の面から立設された筒状部とを備え、これらが、連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているカフ部材において、該フランジ部の厚みが小さくとも、該フランジ部がダウングロース作用や生体の動きなどによって屈曲変形することを防止することが可能なカフ部材を提供することを目的とする。
請求項1のカフ部材は、生体の外面に重なるフランジ部と、該フランジ部の一方の面から立設された筒状部とを有する、生体刺入管のカフ部材であって、該フランジ部及び筒状部は、連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているカフ部材において、該フランジ部に屈曲強度を高めるための補強部材が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2のカフ部材は、請求項1において、該補強部材は、該フランジ部の内周側から外周側に向って放射状に延設された、複数の線状体よりなることを特徴とするものである。
請求項3のカフ部材は、請求項2において、該線状体は該フランジ部に埋設されていることを特徴とするものである。
請求項4のカフ部材は、請求項2において、該線状体は該フランジ部の外面に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項5のカフ部材は、請求項2ないし4のいずれか1項において、該線状体は、セグメント化ポリウレタン樹脂よりなることを特徴とするものである。
請求項6のカフ部材は、請求項1ないし5のいずれか1項において、さらに、該フランジ部の他方の面に重なる高分子材料製パッドを備えていることを特徴とするものである。
請求項7のカフ部材は、請求項6において、生体に対する流体の供給又は排出用のチューブが、該パッドと、前記フランジ部及び筒状部とを貫通して挿通されていることを特徴とするものである。
請求項8のカフ部材は、請求項7において、該チューブと該パッドとの界面が密封されていることを特徴とするものである。
本発明のカフ部材にあっても、前述のWO 2005/084742 A1号公報のカフ部材と同様に、生体外面に重なるフランジ部と、該フランジ部から立設された筒状部とが、それぞれ連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているため、この網状構造の内部に生体皮下組織から細胞が容易に侵入、生着し、毛細血管が構築されることにより、該カフ部材と皮下組織とが頑強に癒着する。また、この際、フランジ部が筒状部の周囲の広い範囲にわたって皮下組織と癒着するため、表皮のダウングロース作用が筒状部に及びにくく、効果的にダウングロースを抑制することができる。
本発明のカフ部材にあっては、フランジ部の厚みを小さくすることにより、該フランジ部を貫通して皮下組織と表皮とを連絡する血管の形成を促進し、感染抑制効果を向上させることが可能である。本発明では、このようにフランジ部の厚みを小さくしても、該フランジ部に補強部材が設けられているので、該フランジ部がダウングロース作用や、生体の動きなどにより屈曲変形することが防止される。従って、前述のようにフランジ部と皮下組織との間にポケット状の隙間ができて垢などがたまり、感染源となることもない。
請求項2のように、傘の骨の如く、フランジ部の内周側から外周側へ向って放射状に複数の線状体を延設して補強部材を構成することにより、該フランジ部がダウングロース作用により屈曲変形するのを効果的に防止することができる。
この線状体は、フランジ部の内部に埋設されてもよく、フランジ部の外面に取り付けられてもよい。
この線状体を構成する材質としては、フランジ部がダウングロース作用によって屈曲変形するのを防止するのに十分な強度を確保できればよく、特に制限はないが、セグメント化ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂や、チタン、ステンレス等の金属材料が例示される。なお、後述のようにフランジ部及び筒状部の多孔性三次元網状構造部を構成する材質としては、弾性特性に優れたセグメント化ポリウレタン樹脂が好適であることから、線状体の材質としても、該線状体とフランジ部との密着性を考慮して、セグメント化ポリウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
請求項6〜8のように、フランジ部を覆うパッドを設けることにより、皮下組織と外界との隔絶性が向上する。また、チューブから生体に加えられる応力がこのパッドによって分散される。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図(a)は実施の形態に係るカフ部材の分解斜視図、第1図(b)はこのカフ部材の縦断面図、第2図はこのカフ部材の使用例を示す断面図である。
第1図の通り、カフ部材2は、フランジ部3と、このフランジ部3の一方の面から立設された筒状部4と、該フランジ部3の他方の面に重ね合わされたパッド5と、補強部材としての線状体10とを有する。フランジ部3の中央には直径が5〜100mm程度の円形の開口3aが筒状部4と同軸に設けられている。この開口3aの直径は筒状部4の内径(直径)と同一となっている。
該フランジ部3と筒状部4とは、後述する生体組織との癒着性に優れた多孔性樹脂材料により、一体に形成されている。
フランジ部3は円形、楕円形、レンズ形、涙滴形等の平面視形状を有するものが使用可能であるが、通常、皮膚をメスで直線に切開した場合には、第1図に例示されるような楕円形に生体組織が露出されるので、該露出部位を効率良く被覆できる楕円形であることが好ましい。フランジ部3の厚さは該フランジ部3の物理的強度以外に、後述する多孔性樹脂材料の平均孔径やその傾斜性(これらは組織浸潤深度や分化程度へ影響する)など複雑な因子が関連するが、通常は0.05〜20mm程度が好適である。フランジ部3が円形の場合、その直径は10〜200mm程度が好適である。フランジ部3が楕円形、レンズ形、涙滴形等の場合、長径が10〜200mmであり、短径が長径の5〜80%程度であることが好ましい。
筒状部4の長さは10〜500mm程度が好適であり、筒状部4の肉厚は該筒状部4の物理的強度以外に、後述する多孔性樹脂材料の平均孔径やその傾斜性(これらは組織浸潤深度や分化程度へ影響する)など複雑な因子が関連するが、通常は0.05〜20mm程度が好適である。ここで筒状部4は直線状とは限らず、刺入部位からチューブに沿って自在に曲げて使用することが可能である。
この実施の形態では、フランジ部3の屈曲強度を高め、フランジ部3がダウングロース作用などによって屈曲変形することを防止するための補強部材として、傘の骨のように、該フランジ部3の内周側から外周側へ向って放射状に複数の線状体10が延設されている。
この線状体10の材質としては、該フランジ部3がダウングロース作用や生体の動きなどによって屈曲変形することを防止するのに十分な強度を確保することができるものであればよく、特に制限はないが、セグメント化ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂や、チタン、ステンレス等の金属材料を用いることができる。なお、フランジ部3を構成する後述の多孔性樹脂材料との密着性から、線状体10の材質としては特にセグメント化ポリウレタン樹脂が好ましい。
この線状体10の太さは、0.1〜10mm、特に0.5〜2mm程度であることが好ましい。線状体10の先端は、フランジ部3の周縁の近傍にまで達していることが望ましい。線状体10の先端を球状にして、線状体10の突き出しを防ぐようにしてもよい。
線状体10は、フランジ部3の周方向に間隔をおいて2〜36本程度設けられるのが好ましい。なお、線状体10同士の間隔は、等間隔であってもよく、等間隔でなくてもよい。
このようにフランジ部3の内周側から外周側に向って放射状に線状体10を延設するのに加え、該フランジ部3の周方向にも線状体10を延設し、全体として蜘蛛の巣状となるように線状体10を設けてもよい。各線状体10の放射方向先端同士を繋ぐ環状の線状体を設けてもよい。このようにすれば、線状体10の先端の突き出しを防ぐことができる。
第1図(b)及び第2図に示すように、この実施の形態では、線状体10をフランジ部3中に埋め込んでいるが、該フランジ部3の外面に線状体10を重ね合わせ、接着剤等によりこれらを接合するようにしてもよい。ただし、線状体10のフランジ部3への設置方法はこれに限定されるものではない。
この実施の形態では、フランジ部3の他方の面にパッド5が重ね合わされ、接着剤等により該フランジ部3と一体化されている。このパッド5は、フランジ部3と相似形であるがフランジ部3よりも小さいことが好ましい。このパッド5には、フランジ部3の開口3aと同軸に且つ該開口3aと同一大きさにて開口5aが設けられている。
このパッド5は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポシキ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、キチン、キトサン、ケラチン、ヒアルロン酸、フィブロイン並びにこれらの誘導体よりなる群から選択される1種又は2種以上などの高分子材料よりなる。
パッド5の厚みは高分子材料の柔軟性とも関連するが、0.1〜100mm程度が好適である。刺入する部位によって当業者によって適宜選択すれば良い。例えば、体側面であれば曲面に追随するためにやや柔軟なパッドを使用し、胸部中央付近の肋骨上であれば体表はほぼ平らであるため、やや硬めのパッドを使用するなどである。このカフ部材ユニット1は、生体外面からチューブ6を生体内に刺入する用途に好適に用いられる。
チューブ6は開口5a、3a及び筒状部4に挿通され、パッド部5に高周波融着、熱融着、レーザー融着、超音波融着、接着剤等により水密的に接着される。この実施の形態では、パッド5とチューブ6とを接着剤7によって固着している。
このカフ部材2を用いてチューブ6を生体に刺入するには、第2図の通り皮膚を切開して生体組織を露出させる。また、生体組織を切開してカフ部材2のチューブ6を生体組織に刺入し、フランジ部3を生体組織の外面に重ね合わせる。筒状部4はチューブ6と共に生体組織内に埋め込まれる。チューブ6の周囲の生体組織切開部は必要に応じ縫合される。パッド5は生体組織の露出面に被さると共に、該露出面の周囲の皮膚の縁部に重ね合わされる。パッド5を患者体表へ固定するための縫合を行う場合にはパッド5の外縁付近に数個の孔を予め設けておくと、縫合針でパッド5を貫通穿孔させる必要がなく楽に縫合が行える。さらに、パッド5の外縁とその周囲の皮膚に跨るようにして、通気性及び遮水性を有した粘着テープ(図示略)が貼着され、パッド5の下側への水等の浸入を防止することも可能である。
なお、本発明のカフ部材には複数のチューブ6を通すことも可能である。例えば、補助人工心臓療法では送血管及び脱血管の2本のチューブ6(カニューレ)を患者へ刺入するが、この場合にパッド5に2個の開口5aを設け、フランジ部3に2個の開口3aと2本の筒状部4を設けることで、1個のカフ部材又はカフ部材ユニットにて2本のチューブを刺入することができ、患者への侵襲を低減できる可能性もある。送血管と脱血管をそれぞれ独立に2個のカフ部材にて刺入した方が良いか、1個のカフ部材又はカフ部材ユニットで送血管及び脱血管を同時に刺入する方が良いかは、臨床学的意義、患者の状態、侵襲程度を考慮して当業者によって適宜使い分ければ良いし、あるいは、送血管及び脱血管をこれらよりも太い1本のチューブ内へ挿入し、当該1本のチューブをカフ部材又はカフ部材ユニットを介して生体へ刺入する、いわゆるダブルルーメン式でチューブを挿入することも可能である。もちろん、補助人工心臓療法以外でも1本のチューブ内に人工心臓のポンプ用の電源コード、制御用コード、測定用コード、DDS用の細チューブなど複数の線状構造体を一本のチューブ内にまとめてカフ部材又はカフ部材ユニットを介して刺入することも可能である。
このようにカフ部材2を用いてチューブ6を生体組織に刺入した場合、皮膚のダウングロースは、第2図の通り矢印Dのようにフランジ部3の下側に向って進行する。
このカフ部材2にあっては、フランジ部3の網状構造内部に生体皮下組織から細胞が容易に侵入、生着し、毛細血管が構築されることで皮下組織との癒着が頑強に得られる。また、この際、フランジ部3が筒状部の周囲の広い範囲にわたって皮下組織と癒着するため、表皮のダウングロース作用が筒状部4に及びにくく、効果的にダウングロースを抑制することができる。
また、このカフ部材2にあっては、フランジ部3の厚みが小さいので、該フランジ部3の下側の皮下組織から該フランジ部3を貫通して表皮に達する血管がより密に構成されるようになり、高い感染抑制効果が得られる。
なお、このようにフランジ部3の厚みが小さくても、フランジ部3には、補強部材として複数の線状体10が傘の骨のようにフランジ部3の内周側から外周側へ向って放射状に延設されているので、表皮のダウングロース作用や生体の動きによってこのフランジ部3が屈曲することが防止される。従って、該フランジ部3と皮下組織との間にポケット状の隙間ができて垢などがたまり、感染源となることもない。
この実施の形態では、フランジ部3が高分子材料製パッド5によって覆われており、且つ該パッド5とチューブ6との界面が密閉されているので、皮下組織と外界との隔絶性が高く、患者がシャワーを浴びるようなことも可能である。
また、チューブ6から生体に加えられる応力がこのパッド5によって分散され、チューブ6の周囲の生体組織に加えられる刺激が緩和される。
第1、2図では、チューブ6は生体外面と垂直状に延出しているが、第3図のチューブ6Aのように斜めに延出してもよく、第4,5図のチューブ6Bのようにパッド5に沿うように延出してもよい。これは、患者の体位と刺入管が接続される医療機器との関係や、チューブ6,6A,6Bの重量、可動幅などを考慮して当業者によって適宜選択されれば良い。また、第5図のように、パッド5にチューブ6Bを覆うカバー体5gが設けられてもよい。
次に、カフ部材の好適な材料について説明する。
本発明のカフ部材を構成する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、連通性のある三次元網状構造部は、平均孔径が50〜1,000μm、見掛け密度が0.01〜0.5g/cmの多孔性三次元網状構造であれば良く、厚み方向の切断断面において、その全面が類似の構造を有してもいても、一方の面側と他方の面側において異なる構造を有していても良い。また、部分的に平均孔径や見掛け密度が変化するものであっても良く、例えば、一方の面側から他方の面側に向けて平均孔径や見掛け密度が徐々に変化する、所謂、異方性を有していても良い。厚み方向に平均孔径が同一でないカフ部材を使用する場合には、生体組織との接触面側を大きくし深部において小さい孔径とすることが好ましい。この理由としては、生体組織との接触面から浸潤した組織は、通常厚み方向へ10mm程度の深度までは安定して到達するが、多孔体内に形成される新生血管が成熟していても深部の細胞は壊死したり分化が不十分となる危険性があるため、10mm程度よりも深い部分では孔径を小さくして組織の浸潤を抑制することが好ましいのである。
また、生体組織との接触面側には平均孔径を大きく外れる大孔径の孔が存在しても構わない。このような孔としては500〜2,000μm程度の孔が好ましく、これらが生体組織側の表層近くに存在することでコラーゲンなどの細胞外マトリックスを深部まで均質に含浸させること容易となり、また、組織からの細胞の侵入や毛細血管の構築などに有利に働くこととなる。ただし、このような大孔径の孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造の平均孔径の計算の概念に導入されるものではない。
多孔性三次元網状構造を有した多孔質体の平均孔径は50〜1,000μmで、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.5g/cmであるが、好ましい平均孔径は200〜600μm、より好ましくは200〜500μmである。見掛け密度としては0.01〜0.5g/cm範囲内であれば、細胞生着性が良好で、優れた物理的強度を維持し、細胞が侵入、生着し、組織化した際に皮下組織と近似した弾性特性が得られるが、好ましくは0.05〜0.3g/cm、より好ましくは0.05〜0.2g/cmである。
この平均孔径及び見掛け密度の測定方法は次の通りである。
[平均孔径の測定]
両刃カミソリで切断した試料の平面(切断面)を電子顕微鏡(トプコン社製、SM200)にて撮影した写真を使用して、同一平面上の個々の孔を三次元網状構造の骨格から包囲された図形として画像処理(画像処理装置はニレコ社のLUZEX APを使用し、画像取り込みCCDカメラはソニー株式会社のLE N50を使用。)し、個々の図形の面積を測定する。これを真円面積とし、対応する円の直径を求め孔径とする。ただし、多孔体形成時の相分離の効果によって、多孔体の骨格部分に穿孔されている微細孔は無視して同一平面上の連通孔のみを測定する。
[見掛け密度の測定]
多孔質構造体を約10mm×10mm×3mmの直方体に両刃カミソリで切断し、投影機(Nikon,V−12)にて測定して得た寸法より体積を求め、その重量を体積で除した値から見かけ密度を求める。
また、平均孔径が同一であっても孔径の分布としては、細胞の侵入に重要な孔径サイズである150〜400μmの孔の寄与率が高いことが望ましく、孔径150〜400μmの孔の寄与率が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上であると、細胞が侵入し易く、また、侵入した細胞が接着、成長しやすいため、好ましい。
なお、多孔性三次元網状構造の平均孔径における孔径150〜400μmの孔の寄与率とは、上述の平均孔径の測定方法における、全孔の数に対する孔径150〜400μmの孔の数の割合を指す。
このような平均孔径、見掛け密度及び孔径分布の多孔性三次元網状構造であれば、細胞が容易に空孔部分へ浸透し、多孔性三次元網状構造部へ細胞が接着、成長し易く、毛細血管の構築がなされ、刺入部において皮下組織とカテーテルやカニューレとの癒着が頑強で良好なカフ部材を得ることができる。
このような多孔性三次元網状構造部を構成する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポシキ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにそれらの誘導体の1種又は2種以上が例示できるが、好ましくはポリウレタン樹脂であり、中でもセグメント化ポリウレタン樹脂が好適である。
セグメント化ポリウレタン樹脂は、ポリオール、ジイソシアネート及び鎖延長剤の3成分から合成され、いわゆるハードセグメント部分とソフトセグメント部分を分子内に有するブロックポリマー構造によるエラストマー特性を有するため、このようなセグメント化ポリウレタン樹脂を使用した場合に得られる弾性特性は、患者やカテーテル又はカニューレが動いた場合や、消毒作業時等に刺入部周辺の皮膚を動かした場合に皮下組織とカフ部材の界面に生じる応力を減衰させる効果が期待できる。
本発明のカフ部材には、上記特定の多孔性三次元網状構造を形成した層を第1の層とし、この第1の層に更に異なる構造の第2の層を積層することも可能である。この第2の層としては、繊維集合体や可撓性フィルム、更には、第1の層の多孔性三次元網状構造とは平均孔径や見掛け密度が異なる多孔性三次元網状構造層が使用可能である。
不織布又は織布の有孔性としては100〜5,000cc/cm/minの範囲のものであれば可撓性、皮下組織との縫合強度など点で好ましい。なお、この有孔性は、JIS L 1004により測定される値で、通気性や通気量ということもある。
繊維集合体としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにこれらの誘導体よりなる群から選択される1種又は2種以上からなる合成樹脂製であっても良く、また、フィブロイン、キチン、キトサン及びセルロース並びにこれらの誘導体から選択される1種又は2種以上のような天然物由来の繊維からなるものも使用可能である。合成繊維と天然物由来の繊維とを併用したものであっても良い。
また、可撓性フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルム、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポシキ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにこれらの誘導体よりなる群から選択される1種又は2種以上よりなるフィルムが例示でき、好ましくは、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、フッ素樹脂及びシリコン樹脂よりなる群から選択される1種又は2種以上よりなるフィルムである。
可撓性フィルムとしては中実フィルムのみならず多孔膜や発泡体も使用可能である。中実の可撓性フィルムと積層した場合には、細菌バリア性が大きく、感染管理に有利なカフ部材が得られる。
平均孔径や見掛け密度が第1の層の多孔性三次元網状構造とは異なる多孔性三次元網状構造を第2の層とする場合、この多孔性三次元網状構造としては、平均孔径0.1〜200μmで見掛け密度0.01〜1.0g/cm程度の多孔性三次元網状構造を用いることができる。
これらの第2の層を多孔性三次元網状構造層に積層する方法としては、該第2の層が繊維集合体、可撓性フィルム、第1の層の多孔性三次元網状構造とは平均孔径や見掛け密度が異なる多孔性三次元網状構造層の場合には、粘着剤を使用して接着する方法、特にホットメルト不織布を第1の層と第2の層との間に挟みこんで積層し、加熱下で圧着する方法などが挙げられる。このようなホットメルト不織布としては、例えば、日東紡社製PA1001のようなポリアミド型熱粘着シートなどが使用可能である。他にも、溶剤を使用して接触表面の表層部を溶解して接着する方法、熱によって表層部を溶融して接着する方法、超音波や高周波を利用する方法などが例示できる。また、第1の層の製造時に、ポリマードープと繊維集合体や可撓性フィルムを積層して成形するなど、連続的に積層形成することができる。
なお、第2の層としては、繊維集合体、可撓性フィルム、多孔性三次元網状構造層が2層以上設けられていても良く、また、第2の層を介して第1の層の多孔性三次元網状構造層が積層された3層構造であっても良い。
本発明のカフ部材の多孔性三次元網状構造部には、コラーゲンタイプI、コラーゲンタイプII、コラーゲンタイプIII、コラーゲンタイプIV、アテロ型コラーゲン、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸B、エラスチン、ヘパラン硫酸、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、オステオネクチン、エンタクチン、ヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンよりなる群から選択される1種又は2種以上が保持されていても良く、更に血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子結合蛋白、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、アンジオポイエチン、神経増殖因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、形質転換増殖因子β、潜在型形質転換増殖因子β、アクチビン、骨形質タンパク、繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子β、二倍体繊維芽細胞増殖因子、ヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子、シュワノーマ由来増殖因子、アンフィレグリン、ベーターセルリン、エピグレリン、リンホトキシン、エリスロエポイエチン、腫瘍壊死因子α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−17、インターフェロン、抗ウイルス剤、抗菌剤及び抗生物質よりなる群から選択される1種又は2種以上が保持されていても良く、更に、胚性幹細胞(分化されていても良い。)、血管内皮細胞、中胚葉性細胞、平滑筋細胞、末梢血管細胞、及び中皮細胞よりなる群から選択される1種又は2種以上の細胞が接着されていても良い。
また、本発明のカフ部材は、その多孔性三次元網状構造層を構築する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる骨格自体にも微細な孔を設けることが可能である。このような微細孔は、骨格表面を平滑な表面でなく複雑な凹凸のある表面とし、コラーゲンや細胞増殖因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着性を上げることが可能である。ただし、この場合の微細孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造層の平均孔径の計算の概念へ導入されるものではない。
以下に、本発明のカフ部材を構成する熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる多孔性三次元網状構造体の製造方法の一例を挙げるが、本発明のカフ部材の製造方法は何ら以下の方法に限定されるものではない。
熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる多孔性三次元網状構造体を製造するには、まず、ポリウレタン樹脂と、孔形成剤としての後述の水溶性高分子化合物と、ポリウレタン樹脂の良溶媒である有機溶媒とを混合してポリマードープを製造する。具体的には、ポリウレタン樹脂を有機溶媒に混合して均一溶液とした後、この溶液中に水溶性高分子化合物を混合分散させる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、テトラヒドロフランなどがあるが、熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶解することができればこの限りではなく、また、有機溶媒を減量するか又は使用せずに熱の作用でポリウレタン樹脂を融解し、ここに孔形成剤を混合することも可能である。
孔形成剤としての水溶性高分子化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられるが、熱可塑性樹脂と均質に分散してポリマードープを形成するものであればこの限りではない。また、熱可塑性樹脂の種類によっては、水溶性高分子化合物でなく、フタル酸エステル、パラフィンなどの親油性化合物や塩化リチウム、炭酸カルシウムなどの無機塩類を使用することも可能である。また、高分子用の結晶核剤などを利用して凝固時の二次粒子の生成、即ち、多孔体の骨格形成を助長することも可能である。
熱可塑性ポリウレタン樹脂、有機溶媒及び水溶性高分子化合物などより製造されたポリマードープは、次いで熱可塑性ポリウレタン樹脂の貧溶媒を含有する凝固浴中に浸漬し、凝固浴中に有機溶媒及び水溶性高分子化合物を抽出除去する。このように有機溶媒及び水溶性高分子化合物の一部又は全部を除去することにより、ポリウレタン樹脂からなる多孔性三次元網状構造材料を得ることができる。ここで用いる貧溶媒としては、水、低級アルコール、低炭素数のケトン類などが例示できる。凝固したポリウレタン樹脂は、最終的には、水などで洗浄して残留する有機溶媒や孔形成剤を除去すれば良い。
さらに多孔質体は、好ましくは、その多孔構造を構築している骨格基材自体にも微細な孔を設けていることが好ましい。特に、平均孔径が100〜650μm、乾燥状態における見かけ密度が0.10g/cm以下の連通性の三次元網状構造を形成しており、かつ、該多孔性三次元網状構造層を構築するポリウレタン樹脂からなる骨格自体が空隙率70%以上の多孔質体であり、かつ、該骨格自体の表層は微細孔が点在する緻密な層であることが好ましい。このような微細孔は、骨格表面を平滑な表面でなく複雑な凹凸のある表面とし、コラーゲンや細胞増殖因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着性を上げることが可能である。ただし、この場合の微細孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造部の平均孔径の計算の概念に導入されるものではない。
図6は、上記のように骨格基材自体にも微細な孔を設けたポリウレタン製多孔体の断面のSEM像であり、図7Aはこのポリウレタン製多孔体の表層のSEM写真、図7Bはその部分拡大像である。図6,7A,7Bより、多孔体を形成する骨格部分に微細孔が点在することが分かる。
図7B中の大きい円で囲んだ部分をフェザーカッターで切断し、その断面を観察した写真と同等の条件で撮影されたものが図8である(理解しやすくするために大きい円で囲まれた部分を切断したと記述したが、実際にはランダムに存在する切断面から同等の条件に相当する視野を選択した)。
図8より、ポリウレタン製多孔体の骨格の内部は高空隙率の多孔質となっているものの、その表層は緻密層で被覆されており、かつ、点在的に細胞が浸潤し得ない大きさの微細孔(図8の小さい円で囲まれた箇所)を介して骨格の外部と連通していることがわかる。
ポリウレタン多孔体の構造的特徴、すなわち『三次元網状構造を構築する骨格自体が高空隙率の多孔質であって、かつ、その骨格自体の表層は緻密層で被覆されており、点在的に穿孔する微細孔を介して外界と連通されている』は、以下のような効果を発現する。即ち、ポリウレタン多孔体の骨格自体が多孔質であるために、ここへコラーゲンなどの細胞外マトリックス、アルブミン、酸素、老廃物、水、電解質などが浸潤し、生体組織との間で拡散・交換がされる。一方、細胞成分は骨格内部には存在せず、つまり、細胞の浸潤は骨格表層の緻密層でバリアされる。このようにして、多孔体の骨格部分もが多孔質であって、かつ、細胞(有形成分)が浸潤し得ないために、骨格内部は目詰まりすることなく、多孔体全体へ酸素、栄養分を補給する機能を維持することができ、この結果、良好な組織の浸潤、生着、成熟、血管新生という生体埋入材料として有用な機能が発現される。
このポリウレタン多孔体の骨格部分の空隙率を求めるには、まず、平均孔径の測定を前記の通り行う。即ち、多孔体写真の樹脂部分を白とし、空隙(空気部分)を黒として画像処理法により白部分の面積と黒部分の面積を計算する。画像処理により得られた測定視野総面積と、空隙部分総面積と、JIS K7311によるポリウレタン樹脂の比重より計算上の見掛け密度を求める。この見掛け密度は、一般に実測値よりも約10倍以上大きな値となる。これは骨格部分がポリウレタン樹脂からなる中実構造であると仮定したことにより生じた結果である。そこで、計算上の見掛け密度Aと実測値の見掛け密度Bとを計算式(A−B)/A×100(%)に代入して計算することにより、多孔体の骨格自体の空隙率を求めることが可能となる。計算上の見掛け密度が0.91g/cmであり、実測値の見掛け密度が0.077g/cmの場合、空隙率91.5%の多孔質であると計算される。
このポリウレタン多孔体では、骨格の表面に微細孔は存在しているが、これは細胞が浸潤し得るサイズではなく、あくまで細胞の生着の助けになる凹凸程度のものであることは前述の通りである。この骨格の微細孔は、結果的に生着を補助することを目的とした凹凸の意味合い合わせて持つものの、本質的には、細胞の浸潤後に多孔体全体が、所謂、『目詰まり状態』となった後に、高空隙率の、多孔体の、骨格を栄養分、酸素、水の拡散・交換に最大限に寄与させるための出入口として機能するものである。
このようにして製造されたカフ部材のフランジ部への補強部材としての線状体の取付方法は、特定の方法に限定されるものではなく、フランジ部中への挿入や接着材による接着など、種々の方法を採用することができる。
上記実施の形態は、本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態に係るカフ部材の構成図である。 図1のカフ部材の使用例を示す断面図である。 別の実施の形態に係るカフ部材の構成図である。 さらに別の実施の形態に係るカフ部材の構成図である。 さらに別の実施の形態に係るカフ部材の構成図である。 ポリウレタン多孔体の断面のSEM写真である。 ポリウレタン多孔体の表層のSEM写真である。 ポリウレタン多孔体の断面のSEM写真である。
符号の説明
2 カフ部材
3 フランジ部
4 筒状部
5 パッド
6、6A、6B チューブ
7 接着剤
10 補強部材としての線状体

Claims (8)

  1. 生体の外面に重なるフランジ部と、
    該フランジ部の一方の面から立設された筒状部と
    を有する、生体刺入管のカフ部材であって、
    該フランジ部及び筒状部は、連通性のある多孔性三次元網状構造を有しているカフ部材において、
    該フランジ部に屈曲強度を高めるための補強部材が設けられていることを特徴とするカフ部材。
  2. 請求項1において、該補強部材は、該フランジ部の内周側から外周側に向って放射状に延設された、複数の線状体よりなることを特徴とするカフ部材。
  3. 請求項2において、該線状体は該フランジ部に埋設されていることを特徴とするカフ部材。
  4. 請求項2において、該線状体は該フランジ部の外面に取り付けられていることを特徴とするカフ部材。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項において、該線状体は、セグメント化ポリウレタン樹脂よりなることを特徴とするカフ部材。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、さらに、該フランジ部の他方の面に重なる高分子材料製パッドを備えていることを特徴とするカフ部材。
  7. 請求項6において、生体に対する流体の供給又は排出用のチューブが、該パッドと、前記フランジ部及び筒状部とを貫通して挿通されていることを特徴とするカフ部材。
  8. 請求項7において、該チューブと該パッドとの界面が密封されていることを特徴とするカフ部材。
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JP2012105722A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 National Cerebral & Cardiovascular Center カフ部材用パッド、パッド凸条の接着方法、及びカフ部材ユニット

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