JP2008102016A - テストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】テストパターン数の増大を抑制し、ブリッジ故障及びオープン故障を高精度で検出可能なテストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラムを提供する。
【解決手段】ブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュール15、容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュール19、論理セルの入力端子の縮退故障が第1テストパターンで検出されるか判定する判定モジュール16、容量情報リストに基づき、縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュール18、第1テストパターンで検出されない縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュール17を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュール15、容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュール19、論理セルの入力端子の縮退故障が第1テストパターンで検出されるか判定する判定モジュール16、容量情報リストに基づき、縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュール18、第1テストパターンで検出されない縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュール17を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、LSIのテストパターン作成技術に係り、特にブリッジ故障及びオープン故障検出用のテストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラムに関する。
プロセスの微細化と配線長の増加に伴い、半導体集積回路(LSI)の故障におけるブリッジ故障及びオープン故障の比率が増加すると予測される。「ブリッジ故障」とは、隣接して配置された信号配線の組(以下において、「信号配線ペア」という。)に異物(ダスト)がまたがって付着する等して、信号配線間が短絡されて発生する故障である。また、「オープン故障」とは、信号配線の断線、或いは同一信号が伝搬する配線間を接続するビア(VIA)での接続不良等に起因して発生する故障である。
一般にブリッジ故障は、検査対象のLSIのレイアウト情報から隣接した信号配線ペアを抽出することによって仮定(定義)される。従来、ブリッジ故障を検出対象とするブリッジ故障検出テストは、主流である相補型MOS(CMOS)LSI(CMOS回路で構成されたLSI)を対象として、実現の容易な静的電源電流試験(IDDQ(IDDQ Quiescent)テスト)を中心に実用化が進んできた。ブリッジ故障のIDDQテストは、正常なCMOS回路では直流電流(IDDQ)経路がないため安定状態では直流電流が殆ど流れないことを前提とする。そして、ブリッジ故障が仮定された各信号配線ペアの一方の信号配線を伝搬する信号が「1」、且つ他方の信号配線を伝搬する信号が「0」になるようなテストパターンを作成し、LSIテスタから検査対象のLSIにテストパターンを印加(入力)してLSIに流れる直流電流(IDDQ)の値を測定することにより、IDDQテストは実施される。もし上記テストパターンにて「検出」となったブリッジ故障が検査対象のLSI(サンプル)内部に存在する場合、その故障は「活性化」され、異常IDDQが測定されて検出される。その結果、異常IDDQが検出されたLSIを、不良品として排除(reject)できる。しかし、プロセスの微細化に伴って、特に高速動作するLSIでは正常時のIDDQ値が大幅に上昇し、異常IDDQ値と正常時のIDDQ値の明確な区別が困難となり、IDDQテストの適用が困難となってきた。
そのため、異常IDDQ値ではなく、LSIテスタからブリッジ故障検出テスト用のテストパターンを検査対象のLSI(サンプル)に印加して、LSIの出力(論理)値を期待値と比較してブリッジ故障についての良否判定を行うブリッジ故障検出テストの実用化が進められている。ブリッジ故障検出テスト用のテストパターンは、各ブリッジ故障が活性化された時の電位と接続先の論理セルの入力論理しきい値に応じた伝搬の有無も考慮して、各ブリッジ故障を活性化し、ブリッジ故障によって正常時と異なる信号(以下において、「誤り信号」という。)がLSI外部まで論理的に伝搬して検出されるように作成される。故障に起因する誤り信号がLSI内を伝搬することを、「故障が伝搬する」という。こうした「論理レベルの」ブリッジ故障検出用テストパターンを用いたブリッジ故障検出用テストは、すべてのLSIに適用可能なブリッジ故障検出用テストとして極めて重要である。
また、オープン故障のテストについては、LSIテスタから検査対象のLSI(サンプル)に縮退故障検出用のテストパターンを印加して、LSIの出力(論理)値を期待値と比較して縮退故障についての良否判定を行う縮退故障検出用テスト(縮退故障テスト)によって、オープン故障が副次的に検出されることが期待されている。縮退故障テストにおいては、微細でないプロセスで製造されたLSIの場合、LSI内部の各信号、または、各基本セルの入力端子・出力端子が電源電位(VDD)または接地電位(GND)に固定されたとする縮退故障を仮定し(それぞれ「1縮退故障」、「0縮退故障」と呼ぶ)、これらの故障を検出する縮退故障検出用のテストパターンを作成する。
即ち、微細でないプロセスで製造されたLSIの場合、大部分のオープン故障では、オープン故障によって浮遊した信号配線箇所の電位は、テストパターンを印加している時間(数秒程度)は安定な状態とみなされる。そのため、従来の縮退故障テストでもオープン故障を実用上大きな支障がない程度に検出可能であった。しかし、プロセスの微細化が進むにつれ、LSI内部でオープン故障の発生する可能性のある箇所が著しく増加するとともに、オープン故障によって生じる信号配線の浮遊部分の電位(論理レベル)が、浮遊部分に隣接する信号配線との容量カップリングの影響を強く受ける場合が多くなってきた。その結果、縮退故障テストではオープン故障を検出できず、LSIを出荷してから市場で不良品と判明するという、LSIの品質管理上深刻な問題なケースが増えている。
例えば、オープン故障によって信号配線の浮遊部分の論理レベルが0(ローレベル)に固定する(0縮退故障)と予測される場合に、論理レベルが偶々1(ハイレベル)である隣接信号配線との容量カップリングによって、浮遊部分の論理レベルが1になる場合がある。その場合は、その信号配線の0縮退故障を検出する縮退故障テストでは、その故障による誤り信号を発生させるためにその信号配線が1になるように設定を行うため、オープン故障を検出できない。上記理由でオープン故障を見逃す確率は、隣接配線の論理レベルがランダムに変化すると仮定した場合、1/2である。最近一般的に用いられている、LSI内部の各論理セル(以下において単に「セル」という。)の入力端子・出力端子に縮退故障を仮定する縮退故障テストでは、セルの入力端子に対して2種類の縮退故障が仮定され、通常、試験時間短縮のため、それぞれ1回故障検出したらその後は故障検出の有無を評価しない(故障ドロップ)。そのため、縮退故障テストでは(1/2)2=1/4の確率で各セルの入力端子に対応する信号配線部分(その入力端子だけに接続する信号配線部分)のオープン故障を見逃す可能性がある。
上記のオープン故障見逃しを低減するテスト方法として、複数検出機能を用いて作成されるN回検出テストが提案されている(例えば特許文献2参照。)。「複数検出機能」は、LSIに含まれるセルの入力信号の論理値等を変更した複数のテストパターンを作成し、同一の故障を複数回検出する機能である。つまり、「N回検出テスト」では、故障モデルを縮退故障モデルとし、各信号配線箇所につき、その隣接配線の論理レベル等の周囲の状況がランダムな状況で、対応する縮退故障の複数回検出を行うことになる。例えば、N回検出テストによって、ある信号配線箇所について対応する0縮退故障と1縮退故障がそれぞれj回及びm回検出された場合、その箇所に発生するオープン故障を見逃す確率は(1/2)j+mになり、オープン故障の見逃しが大幅に低減される(j、m:自然数)。
しかし、N回検出テストは確率的手法であり、検出対象箇所に容量カップリングによる影響を及ぼす可能性がある隣接配線がどの配線であるか、或いは隣接配線の論理レベルがハイレベルかローレベルであるか等の情報がオープン故障検出の際に使用されない。そのため、高い確度でオープン故障を検出するためにテストパターン数が増大する問題がある。一方、テストパターン数をテストコストの制約等の理由で制限した場合、N回検出テストによって、LSI内部に生じるオープン故障を検出できるか否かを高精度に判定ができないという問題がある。
特開2003−194889号公報
特開2002−090428号公報
本発明は、テストパターン数の増大を抑制し、且つブリッジ故障及びオープン故障を高精度で検出可能なテストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラムを提供する。
本発明の一態様によれば、(イ)ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出する抽出モジュールと、(ロ)ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及びその論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成するブリッジ故障リスト作成モジュールと、(ハ)ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュールと、(ニ)レイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュールと、(ホ)論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定する判定モジュールと、(ヘ)容量情報リストを用いて、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合にその配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュールと、(ト)第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュールとを備えるテストパターン作成装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、抽出モジュール、ブリッジ故障リスト作成モジュール、第1テストパターン作成・判定モジュール、容量情報リスト作成モジュール、判定モジュール、算出モジュール、第2テストパターン作成・判定モジュール、ブリッジ故障情報記憶領域、ブリッジ故障リスト記憶領域及び容量情報リスト記憶領域を備えるテストパターン作成装置を用いるテストパターン作成方法であって、(イ)抽出モジュールが、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出し、ブリッジ故障情報記憶領域に格納するステップと、(ロ)ブリッジ故障リスト作成モジュールが、ブリッジ故障情報記憶領域から読み出したブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及びその論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成し、ブリッジ故障リスト記憶領域に格納するステップと、(ハ)第1テストパターン作成・判定モジュールが、ブリッジ故障リスト記憶領域から読み出したブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成するステップと、(ニ)容量情報リスト作成モジュールが、レイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、配線間距離及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成し、容量情報リスト記憶領域に格納するステップと、(ホ)判定モジュールが、論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定するステップと、(ヘ)算出モジュールが、容量情報リストを用いて、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合にその配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出するステップと、(ト)第2テストパターン作成・判定モジュールが、第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成するステップとを含むテストパターン作成方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、(イ)抽出モジュールに、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出させる命令と、(ロ)ブリッジ故障リスト作成モジュールに、ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及びその論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成させる命令と、(ハ)第1テストパターン作成・判定モジュールに、ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成させる命令と、(ニ)容量情報リスト作成モジュールに、レイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成させる命令と、(ホ)判定モジュールに、論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定させる命令と、(ヘ)算出モジュールに、容量情報リストを用いて、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合にその配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出させる命令と、(ト)第2テストパターン作成・判定モジュールに、第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成させる命令とを実行させるためのテストパターン作成プログラムが提供される。
本発明によれば、テストパターン数の増大を抑制し、且つブリッジ故障及びオープン故障を高精度で検出可能なテストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラムを提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。また、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るテストパターン作成装置1は、図1に示すように、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出する抽出モジュール13と、ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及びその論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成するブリッジ故障リスト作成モジュール14と、ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュール15と、レイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュール19と、論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定する判定モジュール16と、容量情報リストを用いて、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合にその配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュール18と、第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュール17とを備える。
本発明の第1の実施の形態に係るテストパターン作成装置1は、図1に示すように、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出する抽出モジュール13と、ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及びその論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成するブリッジ故障リスト作成モジュール14と、ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュール15と、レイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュール19と、論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定する判定モジュール16と、容量情報リストを用いて、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合にその配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュール18と、第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュール17とを備える。
ここで、「近接距離」は、ブリッジ故障が発生する配線間距離として予め設定される距離である。例えば、配線間距離に対するブリッジ故障発生率の分布等の測定結果に基づき、単位隣接配線長当りのブリッジ故障発生率が一定の確率以上となる配線間距離を、近接距離として定義する。ブリッジ故障発生率は、隣接配線長と配線ペアの配線間距離に依存し、一般には隣接配線長が長いほど、配線ペアの配線間距離が短いほど、ブリッジ故障発生率は増大する。ブリッジ故障発生率は、LSIの製造に適用するプロセスでの基本デバイス特性を調べるために作成するテストエレメントグループ(TEG)の評価結果、過去に製造されたLSIのブリッジ故障検査結果等から算出される。
また、「近接距離」を、ブリッジ故障検出テスト及びオープン故障検出テストの対象であるLSI(以下において、「対象LSI」という)の最小配線間隔または適当な単位間隔(0.1μm等)を基準にして定義してもよい。例えば、最小配線間隔の整数倍を近接距離として定義する。或いは、対象LSIの製造に適用されるプロセスにおいて検出されたウェハ上のダストのサイズ分布情報に基づき、近接距離を定義してもよい。例えば、全分布の95%が含まれるダストのサイズを「最大の」近接距離とし、最大近接距離までを適当な数に区分して近接距離を定義することができる。ダストのサイズ分布は、対象LSIと同一のプロセスを適用して過去に製造された製品のプロセスにおけるダスト検査結果等から得ることが可能である。なお、「隣接配線長」とは、配線間距離が近接距離範囲内である隣接配線ペアの配線長である。
抽出モジュール13、ブリッジ故障リスト作成モジュール14、第1テストパターン作成・判定モジュール15、判定モジュール16、第2テストパターン作成・判定モジュール17、算出モジュール18及び容量情報リスト作成モジュール19は中央演算処理装置(CPU)10に含まれる。CPU10は、ショート情報作成モジュール11、しきい値情報作成モジュール12及び縮退故障リスト作成モジュール20を更に備える。
ショート情報作成モジュール11は、任意の2セル(同一セルでもよい)の2出力端子間にショートを仮定し、各セルの入力信号の論理値と仮定されたショート箇所の電位との関係を示すショート情報を作成する。しきい値情報作成モジュール12は、セルの入力端子の論理しきい値を算出して論理しきい値情報を作成する。縮退故障リスト作成モジュール20は、セルの入出力端子に仮定される縮退故障を含むピン縮退故障リストを作成する。
ブリッジ故障リスト作成モジュール14は、ブリッジ故障情報、駆動セルと受信セルに関するショート情報及び論理しきい値情報を用いて、ショート箇所の電位と受信セルの入力端子の論理しきい値との関係で決定されるブリッジ故障タイプと、ブリッジ故障が活性化された場合に受信セルを越えて伝搬し得る伝搬確度を含むブリッジ故障リストを作成する。ブリッジ故障リストには、伝搬確度が0(または殆ど0)のブリッジ故障は記載しない。ここで、「駆動セル」とは隣接配線ペアを駆動するセルであり、「受信セル」とは隣接配線ペアを伝搬する信号が入力するセルである。
また、判定モジュール16は、LSIに対して第1テストパターンを用いた縮退故障シミュレーションを実行して、セルの入力端子に仮定された縮退故障が第1テストパターンによって検出されるか否かを判定する。判定モジュール16の機能は、第2テストパターン作成・判定モジュール17が包含することも可能である。算出モジュール18は、第1テストパターンで検出と判定されたブリッジ故障が上記の伝搬確度と配線長で重み付けされた第1テストパターンの故障検出率、及び、未検出と判定されたブリッジ故障に対応する同様な重みを算出する。また、後述のように、オープン故障を仮定した場合の、第1テストパターンで検出されるオープン故障の検出配線領域(検出配線部分)或いは未検出配線領域(未検出配線部分)の大きさの算出も行う。
テストパターン作成装置1は、更に記憶装置200、入力装置30、出力装置40、ショート情報ライブラリ51及びしきい値情報ライブラリ52を備える。ショート情報ライブラリ51は、複数のセルの任意の2個のセルの各1個の出力間のショート情報を格納する。しきい値情報ライブラリ52は、複数のセルの論理しきい値情報を入力端子毎に格納する。また、図1に示したセルライブラリ2は、複数のセルの回路シミュレーション用モデルを格納する。また、テストパターン自動生成(ATPG)、故障シミュレーション、論理シミュレーションのためのモデルも含む。
記憶装置200は、レイアウト情報記憶領域201、近接距離記憶領域202、シミュレーションデータ記憶領域203、シミュレーション結果記憶領域204、ブリッジ故障情報記憶領域205、ブリッジ故障リスト記憶領域206、テストパターン記憶領域207、故障検出情報記憶領域208、結果レポート記憶領域209、故障検出率記憶領域210、容量情報リスト記憶領域211、ピン縮退故障リスト記憶領域212、未検出故障記憶領域213及び信号論理値情報記憶領域214を備える。
レイアウト情報記憶領域201は、対象LSIのレイアウト情報を格納する。レイアウト情報は、対象LSIに使用されるセル、配線及びビア等の詳細配置及び接続情報、配線層の情報等を含む。通常、レイアウト情報は、セルの形状、端子位置の情報及び配線間隔等の設計ルールとの組み合わせにより完全な情報となる。
近接距離記憶領域202は、予め設定された近接距離を格納する。シミュレーションデータ記憶領域203は、セルライブラリ2から読み出されたセルの回路シミュレーション用回路記述と、回路記述で使用されている素子の回路シミュレーション用動作モデルを格納する。素子の回路シミュレーション用動作モデルは、セルの回路シミュレーション用回路記述とは別に保存・管理される場合もある。シミュレーション結果記憶領域204は、回路シミュレーションの実行結果を格納する。ブリッジ故障情報記憶領域205は、レイアウト情報から抽出されたブリッジ故障情報を格納する。ブリッジ故障リスト記憶領域206は、ブリッジ故障リストを格納する。テストパターン記憶領域207は、対象LSIに適用するテストパターンを格納する。故障検出情報記憶領域208は、テストパターン作成及び故障シミュレーションを実行して作成される故障検出情報を格納する。結果レポート記憶領域209は、テストパターン及び故障検出情報を作成したときの実行結果レポートを格納する。故障検出率記憶領域210は、テストパターンの故障検出率を格納する。容量情報リスト記憶領域211は、容量情報リストを格納する。ピン縮退故障リスト記憶領域212は、ピン縮退故障リストを格納する。未検出故障記憶領域213は、第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障及び未検出ブリッジ故障を格納し、さらにこれらの内、第2テストパターンによる未検出縮退故障及び未検出ブリッジ故障を格納する。信号論理値情報記憶領域214は、第1テストパターン及び第2テストパターンに対する対象LSI内の信号の論理値を格納する。
入力装置30は、キーボード、マウス、ライトペンまたはフレキシブルディスク装置等で構成される。入力装置30よりテストパターン作成実行者は、レイアウト情報や近接距離を指定できる。また、テストパターン作成等の実行や中止等の指示の入力も可能である。
また、出力装置40としては、実行結果レポートや故障検出率等を表示するディスプレイやプリンタ、或いはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存する記録装置等が使用可能である。ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の電子データを記録することができるような媒体等を意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク等が「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」に含まれる。
図2を用いてブリッジ故障の例を説明する。図2は、第1の駆動セルCD1と第1の受信セルCR1を接続する配線L01と、第2の駆動セルCD2と第2の受信セルCR2及び第3の受信セルCR3を接続する配線L02が、抵抗Rによってショートしている例である。第1の駆動セルCD1に信号S11、信号S12及び信号S13が入力し、第1の駆動セルCD1は第1の受信セルCR1に信号S10を出力する。第2の駆動セルCD2に信号S21及び信号S22が入力し、第2の駆動セルCD2は第2の受信セルCR2及び第3の受信セルCR3に信号S20を出力する。第1の受信セルCR1に信号S31、S32が更に入力し、第1の受信セルCR1は信号S30を出力する。第2の受信セルCR2に信号S41が更に入力し、第2の受信セルCR2は信号S40を出力する。第3の受信セルCR3は信号S50を出力する。
抵抗Rで示され、活性化されたブリッジ故障が、第1の受信セルCR1、第2の受信セルCR2或いは第3の受信セルCR3を経由して対象LSIの出力端子に伝搬し得るか否かは、配線L01と抵抗Rとの接続点P1の電位V1、配線L02と抵抗Rとの接続点P2の電位V2、第1の受信セルCR1の入力端子の論理しきい値、第2の受信セルCR2の入力端子の論理しきい値、及び第3の受信セルCR3の入力端子の論理しきい値の関係に依存する。例えば、信号S10がローレベル(論理値0)且つ信号S20がハイレベル(論理値1)の場合に、電位V1が第1の受信セルCR1の入力端子の論理しきい値以上になっていれば、第1の受信セルCR1の出力の状態が正常時と異なる状態に変化する。つまり、活性化されたブリッジ故障による誤り信号が第1の受信セルCR1を経由して対象LSIの出力端子に伝搬し得ることになる。即ち、ブリッジ故障が検出され得る。(信号S31、S32の論理値によって、S10の信号がS30に伝搬できない場合があるが、これは入力論理しきい値が存在しないと見なすことにする。以下同様。)
実際に各ブリッジ故障を活性化して発生させた誤り信号を対象LSIの出力端子まで伝搬させ、伝搬させた誤り信号に対応するブリッジ故障を検出するテストパターンは、基本的に自動テストパターン発生ツール(ATPGツール)が作成する。しかし、信号S10がローレベル且つ信号S20がハイレベルの場合に、電位V1が第1の受信セルCR1の入力端子の論理しきい値より小さいときは、ブリッジ故障は第1の受信セルCR1の出力の状態を正常時の状態と異なる状態に変化させることができず、誤り信号が対象LSIの出力端子に伝搬しない。つまり、ブリッジ故障は第1の受信セルCR1経由では検出されない。その場合、電位V2が第2の受信セルCR2または第3の受信セルCR3の入力端子の論理しきい値以下となれば、活性化されたブリッジ故障による誤り信号は、第2の受信セルCR2または第3の受信セルCR3を経由して対象LSIの出力端子に伝搬され得る。つまり、誤り信号が対象LSIを経由して出力端子に伝搬される適当なテストパターンによって、ブリッジ故障が検出され得る。
実際に各ブリッジ故障を活性化して発生させた誤り信号を対象LSIの出力端子まで伝搬させ、伝搬させた誤り信号に対応するブリッジ故障を検出するテストパターンは、基本的に自動テストパターン発生ツール(ATPGツール)が作成する。しかし、信号S10がローレベル且つ信号S20がハイレベルの場合に、電位V1が第1の受信セルCR1の入力端子の論理しきい値より小さいときは、ブリッジ故障は第1の受信セルCR1の出力の状態を正常時の状態と異なる状態に変化させることができず、誤り信号が対象LSIの出力端子に伝搬しない。つまり、ブリッジ故障は第1の受信セルCR1経由では検出されない。その場合、電位V2が第2の受信セルCR2または第3の受信セルCR3の入力端子の論理しきい値以下となれば、活性化されたブリッジ故障による誤り信号は、第2の受信セルCR2または第3の受信セルCR3を経由して対象LSIの出力端子に伝搬され得る。つまり、誤り信号が対象LSIを経由して出力端子に伝搬される適当なテストパターンによって、ブリッジ故障が検出され得る。
図2の抵抗Rで示されたブリッジ故障が活性化された場合に第1の受信セルCR1の出力状態が変化するか否かは、第1の受信セルCR1に入力する信号S31の論理値にも依存する場合がある。例えば、第1の受信セルCR1が複合論理ゲートであった場合、信号S31、S32の論理値に応じて信号S10が入力する第1の受信セルCR1の入力端子の論理しきい値が変化する可能性がある。なお、電位V1及び電位V2は、抵抗Rの大きさ、第1の駆動セルCD1に入力する信号S11、信号S12及び信号S13の論理値、及び第2の駆動セルCD2に入力する信号S21及び信号S22の論理値に依存する。
上述したように、信号S10と信号S20が互いに異なる論理値に設定されて配線L01と配線L02間でのブリッジ故障が活性化されたときに、誤り信号が第1の受信セルCR1、第2の受信セルCR2または第3の受信セルCR3の出力端子まで伝搬され得る。そして、誤り信号が対象LSIの出力端子まで伝搬した場合に、配線L01と配線L02間でのブリッジ故障が実際に検出される。なお、受信セルの副入力信号の組み合わせが、LSI内をブリッジ故障が伝搬するか否かに影響する場合もある。「副入力信号」は、誤り信号以外のセルの入力信号である。
ショート情報作成モジュール11は、配線ペアを駆動し得る駆動セルのすべての組み合わせを対象とし、同一或いは異なる駆動セルの任意の二つの出力信号の論理値、及び駆動セルの他の入力信号の論理値等を考慮して配線ペアに仮定されたショート箇所の電位を回路シミュレーションによって算出し、ショート情報群を作成する。図3に示したフローチャートを用いて、ショート情報作成モジュール11がショート情報群を作成する方法を説明する。
(イ)ステップS01において、ショート情報作成モジュール11が、セルライブラリ2からセルの回路シミュレーション用回路記述と、回路記述で使用されている素子の回路シミュレーション用動作モデルを読み出し、シミュレーションデータ記憶領域203に格納する。
(ロ)ステップS02において、ショート情報作成モジュール11はシミュレーションデータ記憶領域203に格納された任意の2つのセル出力を抵抗Rを介してショートさせた回路シミュレーション用ネットリストを作成する。作成されるネットリストは、回路シミュレーションに必要な入力パターンを含む。また、作成されるネットリストは、同一セルの2つの出力をショートさせたネットリストを含む。ショート情報作成モジュール11は、作成したネットリストについて可能な入力の全組み合わせについて回路シミュレーションをそれぞれ実行する。基本的には抵抗Rの抵抗値を0として回路シミュレーションを実行するが、抵抗Rの抵抗値を0以外に設定してもよい。実行結果は、シミュレーション結果記憶領域204に格納される。
(ハ)ステップS03において、ショート情報作成モジュール11がシミュレーション結果記憶領域204から回路シミュレーションの実行結果を読み出す。ショート情報作成モジュール11は、配線間ショートを仮定したネットリストを用いた回路シミュレーションの実行結果から、仮定したショート箇所の電位(ショート電位)の値を、対応する2つのセルの入力とともに抽出する。抽出されたショート電位等の情報は、ショート情報としてショート情報ライブラリ51に格納される。
ショート情報作成モジュール11は、セルライブラリ2に含まれる任意の2つのセル出力のすべての組み合わせについて上記に説明したショート情報を作成する。ショート情報を作成する作業は一般に多くのCPU時間が必要とするが、一度あるセルライブラリについてショート情報ライブラリを作成しておけば、その後は別の対象LSIが同一のセルライブラリを使用していれば、再度作成する必要はない。時間の制約等から、ショート情報ライブラリを完全に作成することが難しければ、対象LSIで使用されているセルだけについてショート情報を作成してもよい。ショート情報のフォーマット例を図4に示す。図4に示すように、セルAの入力及びセルBの入力のすべての組み合わせについてショート情報が作成される。図4に示した項目「入力度数」は、セルA或いはセルBの実質的に同一の入力の組み合わせが何種類あるかを示す。入力の組み合わせは、回路シミュレーションの結果(ショート電位または論理しきい値)に基づいて、適宜グループ化する場合もあるが、図5、図6で示すように、セルの構成に関する情報を用いて、予めグループ化が可能な場合もある。入力の組み合わせのグループ化が予め可能な場合、回路シミュレーションは、各グループの代表的な入力についてだけ実施することにより、CPU時間を相当程度削減することが可能となる。ここで、「セルの構成に関する情報」とは、セルライブラリに依存するが、例えば、AND/ORゲートはどの入力についても同じゲートサイズを使用している、AND/ORゲートには出力用バッファが付加されており、出力論理値が同じならどの入力でも駆動力は同じである旨の情報、等である。
図5に示す入力信号A、B、Cが入力し出力信号Zを出力するNAND回路の入力の組み合わせをグループ化したグループ化情報を図6に示す。NAND回路の入力の組み合わせが出力信号の負荷駆動力の観点から実質的に同一の場合は、同一のグループに分類される。図6に示すように、出力信号Zの論理値が1であるNAND回路のグループ数は3である。グループ1は、入力信号Aのみ、入力信号Bのみ、或いは入力信号Cのみが0である入力組み合わせを含み、入力度数は3である。グループ2は、入力信号Aのみ、入力信号Bのみ、或いは入力信号Cのみが1である入力組み合わせを含み、入力度数は3である。グループ3は、入力信号A、B、Cがいずれも0の入力組み合わせであり、入力度数は1である。NAND回路の出力信号Zの論理値が0であるのは、入力信号A、B、Cがいずれも1の入力組み合わせであり、入力度数は1である。
同一グループ内ではショート電位及びショート箇所に流れる電流値(ショート電流値)がほぼ同一であるため、グループ内の1つの入力組み合わせについてブリッジ故障を検出可能か否かを検討すればよい。つまり、グループ化情報を利用することは、全体の計算量の削減と、許容される計算量の範囲での高い精度の確保にとって重要である。ところで、一般にNAND回路、NOR回路等のセルの負荷駆動力は入力に依存して変化する。例えば、図6に示したグループでは、負荷駆動力はグループ3、グループ2、グループ1の順に大きい。しかし、AND回路、OR回路等のセルは出力部分に負荷駆動力を高めるためのバッファを有するため、同じ論理値を出力する場合には負荷駆動力は同じである点に注意が必要である。
AND回路やNOR回路等の基本セル以外に、メモリ等の規模の大きなハードマクロブロックの出力端子とのブリッジ故障も存在し得る。そのため、ハードマクロブロックもブリッジ故障検出対象としてもよい。メモリをブリッジ故障検出対象とする場合には、メモリセル部分の記述を省き、アドレス入力及びデータの出力バッファ(出力イネーブル信号を含む)等の必要な部分だけを抽出した簡略化されたネットリストを用いて回路シミュレーションを行うと効率的である。
しきい値情報作成モジュール12がセル入力端子の論理しきい値情報を作成する方法を、以下に説明する。セルが組み合わせ回路の場合は、セルの各入力グループの任意の1入力の入力電位をごくわずかずつ変化させて回路シミュレーションを実行し、出力の論理値が変化する時の入力電位を論理しきい値と定義する。フリップフロップ、ラッチ等のメモリ回路の場合は、クロック信号のエッジでデータが取り込まれるため、データ入力の入力電位がわずかに異なる場合の回路シミュレーションをそれぞれ実施し、出力の論理値が変化するときのデータ入力の入力電位を論理しきい値と定義する。抽出されたしきい値情報は、しきい値情報ライブラリ52に格納される。しきい値情報も、作成に多くのCPU時間を必要とするが、ショート情報と同様、一度あるセルライブラリについてしきい値情報ライブラリを作成しておけば、その後は別の対象LSIが同一のセルライブラリを使用していれば、再度作成する必要はない。
次に、抽出モジュール13が、設定された近接距離範囲内の隣接配線ペアに関するブリッジ故障情報を、対象LSIのレイアウト情報から抽出する方法を説明する。抽出モジュール13は、対象LSIのレイアウト情報に含まれる配線位置及び接続詳細情報から、配線間距離が近接距離範囲内である隣接配線ペアの隣接配線長、隣接配線ペアの信号情報、隣接配線ペアをそれぞれ駆動する駆動セルに関する駆動セル情報、及び隣接配線ペアをそれぞれ伝搬する信号が入力する受信セルに関する受信セル情報を含むブリッジ故障情報を抽出する。「信号情報」は、隣接配線ペアをそれぞれ伝搬する信号の対象LSI内での詳細な名前である。駆動セル情報は隣接配線ペアに信号を出力する駆動端子の端子名(駆動端子名)を含む。より高度な処理を行うために、駆動セル情報が駆動セルの入力端子名を含むようにしても良い。受信セル情報は隣接配線ペアを伝搬する信号が入力する受信端子の端子名(受信端子名)を含む。
ブリッジ故障情報のフォーマット例を図7に示す。図7に示したブリッジ故障情報は、信号A及び信号Bがそれぞれ伝搬する配線のネットリスト中のモジュール階層まで含めた詳細名、隣接配線長L、隣接配線ペアそれぞれに信号を出力する駆動端子の端子名(駆動端子名)、隣接配線ペアを伝搬する各信号が入力する受信端子の端子名(受信端子名)を含む受信セル関連の詳細からなる。図7に示した「インスタンス名」は、対象LSIのネットリスト中のセル識別名である。バス等に複数のトライステートバッファが接続される場合があり、ブリッジ故障を発生させている駆動セルを割り出す際の必要性から、駆動端子名と共にイネーブル(enable)端子名がブリッジ故障情報に含まれるようにしている。
ブリッジ故障情報は、図8及び図9にフォーマット例を示す2種類のファイルに分割してもよい。図8は、図7に示したブリッジ故障情報に含まれる信号情報と隣接配線長を記述したファイルである。図9は、図7に示したブリッジ故障情報に含まれる駆動セルと駆動端子名、及び受信セルと受信端子名に関する情報を記述したファイルである。ブリッジ故障情報を分割することによって全体としてブリッジ故障情報のファイルサイズを削減できるため、大規模なLSIのブリッジ故障情報を抽出する場合に有効である。
次に、ブリッジ故障リスト作成モジュール14が、ブリッジ故障リストを作成する方法を説明する。ブリッジ故障リスト作成モジュール14は、各隣接配線ペアについて、ブリッジ故障情報記憶領域205に格納されたブリッジ故障情報に含まれる駆動セル情報及び受信セル情報、ショート情報ライブラリ51に含まれる隣接配線ペアに仮定したブリッジ故障でのショート電位等を取得して、ブリッジ故障リストを作成する。更に、論理しきい値情報ライブラリ52に含まれる受信端子の論理しきい値等を取得して、ブリッジ故障リストに項目として追加する場合もある。図10に、信号Aが伝搬する配線と信号Bが伝搬する配線からなる隣接配線ペアに仮定されたブリッジ故障に関するブリッジ故障リストの詳細フォーマット例を示す。図10に示した詳細フォーマットに含まれるブリッジ故障タイプ、相対発生確率、伝搬確率及び検出確度について、以下に説明する。
「ブリッジ故障タイプ」は、ショート電位と受信セルの入力端子の論理しきい値との関係で決定されるブリッジ故障のタイプである。図11に、信号Aを出力するセルCAの出力端子と信号Bを出力するセルCBの出力端子間にブリッジ故障を仮定した場合のブリッジ故障タイプの例を示す。図11に示した例は、ブリッジ故障タイプを、ワイアードアンド(Wire−AND:WA)タイプ、ワイアードオア(Wired−OR:WO)タイプ、Aドミネイト(A−Dominate:AD)タイプ、Bドミネイト(B−Dominate:BD)タイプに分類する例である。WAタイプは、伝搬するブリッジ故障の論理値が信号Aの論理値と信号Bの論理値の論理積である。WOタイプは、伝搬するブリッジ故障の論理値が信号Aの論理値と信号Bの論理値の論理和である。ADタイプは、伝搬するブリッジ故障の論理値が信号Aの論理値である。例えばセルCAの負荷駆動力がセルCBより大きい場合等に、ブリッジ故障タイプはADタイプになる。BDタイプは、伝搬するブリッジ故障の論理値が信号Bの論理値である。セルCBの負荷駆動力がセルCAより大きい場合等に、ブリッジ故障タイプはBDタイプになる。ブリッジ故障タイプはショート電位と受信端子の論理しきい値との関係によって決定される。したがって、同一箇所のブリッジ故障であっても、駆動セルの入力信号の組み合わせや受信セルの入力端子の論理しきい値によってブリッジ故障タイプは変動し得る。ここでは詳述しないが、ブリッジ故障タイプを上記のようなWAタイプ、WOタイプ、ADタイプ及びBDタイプではなく、信号Aと信号Bとの強度によって分類する方法もある。信号Aと信号Bとの強度によってブリッジ故障タイプを分類する方法においても、本実施の形態の考え方は有効である。
「相対発生確率」は、特定の入力の組み合わせが発生する確率であり、ここでは信号A及び信号Bを出力するセルの入力信号の組み合わせの入力度数をすべての可能な組み合わせ数で除した値を相対発生確率とする。より正確には、各入力信号の論理値が0または1になる確率を厳密に計算して相対発生確率を算出してもよい。つまり、入力度数が大きい入力信号の組み合わせほど相対発生確率は大きい。
「伝搬確率」は、ブリッジ故障が活性化された場合に誤り信号が受信セルの出力まで伝搬される(受信セルの出力に現れる)確率である。言い換えると、伝搬確率は、ATPGツールがブリッジ故障検出のために作成するテストパターンに応じてそのブリッジ故障による誤り信号がLSI内を伝搬し得る確率であり、ショート電位と受信端子の論理しきい値との関係に依存する。つまり、伝搬確率はブリッジ故障タイプに依存する。以下では、正常時の論理値が1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になる場合を例にして、伝搬確率について説明する。受信端子の論理しきい値よりショート電位が低い場合、活性化されたブリッジ故障に起因する誤り信号が受信セルの出力端子に伝搬して、受信セルを経由した誤り信号がLSI内を伝搬する。即ち、第1テストパターン作成・判定モジュール15が対象LSIのブリッジ故障検出用テストパターンの作成に成功し、「検出」としたブリッジ故障によって発生した誤り信号が、実際にLSI内を伝搬してLSIの出力端子に到達する。その結果、「検出」と判定されたそのブリッジ故障は実際に第1テストパターンによって検出される。
一方、受信端子の論理しきい値よりショート電位が高い場合、ブリッジ故障によって発生した誤り信号は受信セルの出力端子に伝搬されず、誤り信号はLSI内を伝搬できない。即ち、第1テストパターン作成・判定モジュール15が「検出」と判定したブリッジ故障であっても、誤り信号が受信セルを経由してLSI内を伝搬しないため、誤り信号はLSIの出力端子に到達できない。その結果、第1テストパターンにおいて「検出」と判定されたブリッジ故障が、実際には検出されないことになる。
図12(a)にショート電位の分布の例、図12(b)に論理しきい値の分布の例を示す。図12(a)及び図12(b)に示したショート電位及び論理しきい値の分布の例では、論理しきい値の分布より低いショート電位は存在しない。そのため、正常時の論理値が1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障は、受信セルによってブロックされ、LSI内を伝搬できない。つまり、伝搬確率は0である。その場合、正常時の論理値が0である信号の論理値がブリッジ故障によって1になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障であれば、誤り信号は受信セルを経由してLSI内を伝搬し得ることとなり、伝搬確率は1となる。なお、図12(a)及び図12(b)において電位VDDは対象LSIの電源電圧である。
図13(a)及び図13(b)に示したショート電位及び論理しきい値の分布の例では、論理しきい値の分布と重なるショート電位が存在する。つまり、正常時に0である信号の論理値がブリッジ故障によって1になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障であっても、或いは正常時に1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障であっても、ブリッジ故障が受信セルを経由してLSI内を伝搬できる場合がある。つまり、伝搬確率が0より大きい。
更に、図示を省略するが、論理しきい値の分布より高いショート電位が存在しない場合もあり得る。その場合、正常時に0である信号の論理値がブリッジ故障によって1になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障は受信セルによってブロックされ、LSI内を伝搬できない。つまり、伝搬確率は0である。一方、正常時に1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障であれば、誤り信号は受信セルを経由してLSI内部を伝搬し得ることとなり、伝搬確率は1となる。なお、同一の隣接配線ペアによるブリッジ故障について、正常時に0である信号の論理値がブリッジ故障によって1になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障の伝搬確率と、正常時に1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になるブリッジ故障タイプのブリッジ故障の伝搬確率の和は1である。
「検出確度」は、第1テストパターン作成・判定モジュール15によって「検出」とされたブリッジ故障が、LSI内を伝搬する実際に検出可能なブリッジ故障である確度を示す。第1テストパターン作成・判定モジュール15は、ブリッジ故障タイプと回路の論理的な接続情報だけに基づいてブリッジ故障が検出されるようテストパターンを作成し、検出の有無を判定する。そのため、第1テストパターン作成・判定モジュール15が「検出」と判定したブリッジ故障によって発生した誤り信号が、ショート電位と受信セルの論理しきい値との関係でLSIの出力端子まで伝搬されずに、ブリッジ故障が検出されないことがある。そのため、テストパターンの故障検出率の適正な評価に検出確度が利用できる。
ブリッジ故障によって正常時の信号の論理値1が論理値0になる場合の検出確度の算出方法を以下に説明する。ここで、各隣接配線ペアの各信号のブリッジ故障の可能な全ショート電位に対する入力グループ1〜入力グループnのショート電位Vs1〜Vsnの度数の比を相対度数fVs1〜fVsnとする(n:自然数)。また、上記ブリッジ故障の受信セルの入力論理しきい値VTH1〜VTHmに対するショート電位Vsiより大きい論理しきい値度数の比を相対度数fVTHiとする(m:自然数)。検出確度TDTは、以下の式(1)によって算出される:
TDT=Σi{fVsi×(fVTHi/fVTHall)}/ΣifVsi ・・・・・(1)
式(1)で、Σiはi=1からnまでの和を意味する。fVTHallは、受信セルの論理しきい値の相対度数の総和である。
TDT=Σi{fVsi×(fVTHi/fVTHall)}/ΣifVsi ・・・・・(1)
式(1)で、Σiはi=1からnまでの和を意味する。fVTHallは、受信セルの論理しきい値の相対度数の総和である。
以上では、正常時に1である信号の論理値がブリッジ故障によって0になる例を説明した。正常時に0である信号の論理値がブリッジ故障によって1になる場合等、他のブリッジ故障の検出確度も同様に算出される。例えば、相対度数fVTHiとして、ショート電位Vsiより小さい論理しきい値度数の比を用いればよい。
上述したように、LSI内を伝搬するブリッジ故障の論理値は、ショート電位と受信端子の論理しきい値との関係によって決定されるブリッジ故障タイプによって定まる。より簡便にブリッジ故障タイプを決定するために、受信端子の論理しきい値に適当な値を設定してもよい。
例えば、対象LSIの電源電圧VDDの2分の1の値を受信端子の論理しきい値に設定することが可能である。ただし、その場合は第1テストパターン作成・判定モジュール15によるブリッジ故障検出の判定結果の信頼性が低下する可能性がある。或いは、対象LSIに含まれる全セルの入力端子の論理しきい値の度数分布を調査して適当な論理しきい値を設定してもよい。更には、全セルの入力端子の論理しきい値の度数分布を各ブリッジ故障に対応した受信セルの論理しきい値の度数分布の代わりに用い、式(1)によって各ブリッジ故障タイプの検出確度を求めてもよい。その場合、論理しきい値分布は全てのブリッジ故障に対して共通となる。これらの方法のメリットは、各ブリッジ故障に対応する受信セルの詳細情報を抽出する必要がないため、大規模なLSIにおいてはCPU時間の大幅な節約となり、且つ、ある程度の精度達成を期待できる点である。しかし、大規模なLSIでは論理しきい値の分布がばらつく可能性もあり、上記に説明したように各隣接配線ペアでのブリッジ故障に対応する受信端子の論理しきい値分布を算出することが望ましい場合もある。
第1テストパターン作成・判定モジュール15は、ブリッジ故障リストに含まれる隣接配線ペア及びブリッジ故障タイプについてブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成し、検出の有無を判定する。具体的には、第1テストパターン作成・判定モジュール15は、各隣接配線ペアでのブリッジ故障についてそれぞれ決定されるブリッジ故障タイプが考慮された第1テストパターンを作成し、検出の有無を判定する。ショート電位と受信セルの入力の論理しきい値との関係で決定されるブリッジ故障タイプを利用するため、LSI内を伝搬するブリッジ故障を精度よく検出する第1テストパターンが作成される。
また、第1テストパターン作成・判定モジュール15は、第1テストパターンの各々について、ATPGツールが直接検出した対象LSI内のブリッジ故障以外のブリッジ故障の副次的な検出の有無も判定する補助的な故障シミュレーションも実行できる。第1テストパターン作成・判定モジュール15は、対象LSIの接続情報に基づいて、ブリッジ故障リストに含まれる各隣接配線ペアでのブリッジ故障が第1テストパターンによって検出可能か否かを判定して故障検出情報を作成する。故障検出情報は、各ブリッジ故障のブリッジ故障タイプを含む。更に、第1テストパターン作成・判定モジュール15は実行結果レポートを作成する。実行結果レポートは、第1テストパターン作成及び補助的な故障シミュレーションの実行ログ、第1テストパターンのパターン数、第1テストパターン作成及び補助的な故障シミュレーションによって得られるトータル及びブリッジ故障タイプ別の故障検出率、検出数、未検出数、冗長故障数等を含む。「冗長故障」については後述する。
なお、第1テストパターン作成・判定モジュール15は、各隣接配線ペアでブリッジ故障タイプのいずれかを検出した場合、その検出確度に応じ、同一の隣接配線ペアの他のブリッジ故障タイプも検出扱いにする機能を有することが望ましい。この機能により、テストパターン作成の対象となるブリッジ故障(タイプ)がテストパターン作成の進行とともに効率的に削減されていくこととなり、高い検出精度を確保しつつ、より少ないCPU時間で有効な第1テストパターンを作成できる。
また、第1テストパターン作成・判定モジュール15は、N回検出テストを実行するために複数回検出機能を有することが望ましい。例えば、同一の隣接配線ペアに対してブリッジ故障をn回検出するテストパターンの場合、実際の対象LSIのブリッジ故障検出テストでその隣接配線ペアでのブリッジ故障が検出される確率は、「1−{1−(各パターンでの検出確度TDT)}n」である。つまり、検出回数nが大きいほどブリッジ故障検出テストによって実際にブリッジ故障が検出される可能性が高い。また、一つのパターンでの検出確度TDTが高ければ、少ない検出回数でブリッジ故障を検出できる。更に、検出確度が低いものについて検出回数が多くなるように(検出対象から外すためにより多くの検出が必要となるように)設定することにより、より高い品質の第1テストパターンを効率的に得ることができる。
ここで、第1テストパターン作成・判定モジュール15によって「検出」と判定されたp個のブリッジ故障の検出確度をそれぞれDTDT1〜DTDTp、ブリッジ故障の検出回数をN1〜Npとする(p:自然数)。検出確度DTDT1〜DTDTpは、各ブリッジ故障タイプの検出確度を総合した検出確度である。算出モジュール18は、以下の式(2)を用いて、検出確度で重み付けされた第1テストパターンのブリッジ故障検出率FC(Fault Coverage)を算出する:
FC=Σk{1−(1−DTDTk)Nk }/(AD−DD) ・・・・・(2)
式(2)で、Σkはk=1からpまでの和、ADはブリッジ故障リストに含まれるブリッジ故障の総数、DDは冗長故障の数である。なお、詳細には、「検出」には「ポテンシャル検出」(故障によって不定値が検出される場合)等もあり、細かな取り扱いが必要となるが、本発明の本質とは関係ないため、ここでは記述を省略する。更に隣接配線長WL1 〜WLpを重みとして考慮し、検出確度及び隣接配線長で重み付けされた第1テストパターンのブリッジ故障検出率FC_WLを式(3)を用いて算出してもよい:
FC_WL=
Σk WLk{1−(1−DTDTk)Nk }/(AD_WL−DD_WL) ・・・・・(3)
式(3)において、AD_WLはブリッジ故障リストに含まれるブリッジ故障の総配線長、DD_WLは冗長故障の総配線長である。ブリッジ故障発生率は一般に隣接配線長に比例するため、式(3)を用いて算出されるブリッジ故障検出率FC_WLによって、より実際のブリッジ故障発生率と強い相関を持った、高い精度の品質指標を提供できる。なお、同様の重み付けにより、未検出故障の重みを算出することが可能であり、テスト品質を効率的に向上させるための有効な情報となる。
FC=Σk{1−(1−DTDTk)Nk }/(AD−DD) ・・・・・(2)
式(2)で、Σkはk=1からpまでの和、ADはブリッジ故障リストに含まれるブリッジ故障の総数、DDは冗長故障の数である。なお、詳細には、「検出」には「ポテンシャル検出」(故障によって不定値が検出される場合)等もあり、細かな取り扱いが必要となるが、本発明の本質とは関係ないため、ここでは記述を省略する。更に隣接配線長WL1 〜WLpを重みとして考慮し、検出確度及び隣接配線長で重み付けされた第1テストパターンのブリッジ故障検出率FC_WLを式(3)を用いて算出してもよい:
FC_WL=
Σk WLk{1−(1−DTDTk)Nk }/(AD_WL−DD_WL) ・・・・・(3)
式(3)において、AD_WLはブリッジ故障リストに含まれるブリッジ故障の総配線長、DD_WLは冗長故障の総配線長である。ブリッジ故障発生率は一般に隣接配線長に比例するため、式(3)を用いて算出されるブリッジ故障検出率FC_WLによって、より実際のブリッジ故障発生率と強い相関を持った、高い精度の品質指標を提供できる。なお、同様の重み付けにより、未検出故障の重みを算出することが可能であり、テスト品質を効率的に向上させるための有効な情報となる。
ブリッジ故障における冗長故障の例を図14及び図15の斜線部に示す。図14は、信号SA1と、信号SA1をレベル変換せずに転送するバッファ回路310の出力信号SA2がそれぞれ伝搬する配線311及び配線312を示す。信号SA1と信号SA2は常に同一レベル値であるため、配線311と配線312間のブリッジ故障を検出できない。
図15は、AND回路320に入力する信号SB1が伝搬する配線321と信号SB2が伝搬する配線322と、バッファ回路323に入力する信号SB3が伝搬する配線324を示す。バッファ回路323の出力信号は他の回路に伝搬せず、LSIの外部端子に出力されない。そのため、配線321と配線324間に発生するブリッジ故障による誤り信号がバッファ回路323を経由して伝搬する可能性しかない場合、配線321と配線324間のブリッジ故障を検出できない。
次に、隣接配線ペアにおけるオープン故障検出に影響を与える、隣接配線ペア間の容量カップリングについて説明する。配線のオープン故障は、容量カップリングの影響を受けて、同一配線でのオープン故障であっても発生箇所によって影響の現れ方(故障の伝搬の有無、経路等)が異なる。
隣接配線ペアの容量カップリングがセルの出力端子の論理レベルに及ぼす影響は、セルの入力端子に接続する配線におけるオープン故障の位置と隣接配線の位置との関係に依存する。図16に示した論理ゲートG及び論理ゲートGの入力端子Gaに接続する配線LAを例に、配線LAに仮定するオープン故障の発生する位置(図16に“X”で示す)と、論理ゲートGの出力端子Gzの論理レベルとの関係を説明する。図16に示すように、入力端子Gaからオープン故障の位置までの配線LAの配線長(以下において「オープン配線長」という。)はLである。また、配線LAの位置x1から位置x2において、配線LBが配線間距離Dで配線LAに隣接する。入力端子Gaから位置x1及び位置x2までの距離は、それぞれ距離L1及び距離L2である(L1<L2)。位置x1と位置x2間の距離、即ち配線LAと配線LBの隣接配線長はLMである。
ここで、オープン配線長Lでの配線LAの接地線LGNDに対する容量、即ち対地容量がCGND(L)であり、電源線LVDDに対する容量、即ち対電源容量がCVDD(L)であるとする。CGND(L)及びCVDD(L)はオープン配線長Lに依存する容量値である。配線LAの単位長あたりの対地容量をCGND_0、対電源容量をCVDD_0とすると、CGND(L)及びCVDD(L)は以下の式(4)及び式(5)によってそれぞれ表される:
CGND(L)=CGND_0×L ・・・(4)
CVDD(L)=CVDD_0×L ・・・(5)
式(4)及び式(5)では、配線LAの下地のレイアウトが一様であり、オープン配線長L全域に渡って単位長あたりの対地容量及び対電源容量が一様であると仮定している。但し、実際には一様でない場合もあり、その場合は、詳細なレイアウト情報に基づき、細かく区分された領域毎に単位長あたりの対地容量、対電源容量を定義して式(4)、式(5)の右辺と同様の式を作成し、その和を取るようにすればよい。また、配線LAと配線LBのカップリング容量をCCM(D)とする。CCM(D)は、配線間距離Dに依存する容量値である。
CGND(L)=CGND_0×L ・・・(4)
CVDD(L)=CVDD_0×L ・・・(5)
式(4)及び式(5)では、配線LAの下地のレイアウトが一様であり、オープン配線長L全域に渡って単位長あたりの対地容量及び対電源容量が一様であると仮定している。但し、実際には一様でない場合もあり、その場合は、詳細なレイアウト情報に基づき、細かく区分された領域毎に単位長あたりの対地容量、対電源容量を定義して式(4)、式(5)の右辺と同様の式を作成し、その和を取るようにすればよい。また、配線LAと配線LBのカップリング容量をCCM(D)とする。CCM(D)は、配線間距離Dに依存する容量値である。
更に、入力端子Gaの対地容量がCGGND、対電源容量がCGVDDであるとする。配線LBの電位が例えば電源電圧VDDに駆動されている場合、配線LAのオープン故障が仮定された位置“X”(入力端子Gaからの距離L)での電位(以下において「オープン電位」という。)Vは以下の式(6)〜式(8)で表される:
0≦L<L1の場合:
V=(CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(6)
L1≦L<L1+LM=L2の場合:
V=(CCM(L)+CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CCM(L)+CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(7)
L1+LM=L2≦Lの場合:
V=(CCM+CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CCM+CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(8)
前述のように、配線LAの下地等の影響を考慮して算出された容量CGND(L)及び容量CVDD(L)を用いることにより、オープン電位Vの算出精度を高めることができる。また、式(7)における容量CCM(L)は以下の式(9)によって表される:
CCM(L)=CCM×(L−L1)/LM ・・・(9)
ここで、例えば、配線LA(に接続される入力端子Ga)の0縮退故障をLSI外部で検出するために、入力端子Gaに論理値1(電源電圧VDD)、入力端子Gbに論理値1を設定した場合、配線LBは電源電圧VDD(論理値1)に駆動されている。入力端子Gaの論理しきい値をVthとすると、以下の式(10)が成立するとき、位置“X”におけるオープン故障が配線LBとの容量カップリングにより、その駆動電位(VDD)の影響を受ける。そして、配線LAの論理は1となって論理ゲートGの出力端子Gz側に論理値1が伝搬し、恰もオープン故障がないかのようにみえ、当然、オープン故障は検出できないことになる:
V≧Vth ・・・(10)
なお、論理しきい値Vthは、論理ゲートGの図示を省略した他の入力端子の電位によって変動する可能性がある。
0≦L<L1の場合:
V=(CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(6)
L1≦L<L1+LM=L2の場合:
V=(CCM(L)+CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CCM(L)+CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(7)
L1+LM=L2≦Lの場合:
V=(CCM+CVDD(L)+CGVDD)×VDD
/(CCM+CVDD(L)+CGVDD+CGND(L)+CGVDD) ・・・(8)
前述のように、配線LAの下地等の影響を考慮して算出された容量CGND(L)及び容量CVDD(L)を用いることにより、オープン電位Vの算出精度を高めることができる。また、式(7)における容量CCM(L)は以下の式(9)によって表される:
CCM(L)=CCM×(L−L1)/LM ・・・(9)
ここで、例えば、配線LA(に接続される入力端子Ga)の0縮退故障をLSI外部で検出するために、入力端子Gaに論理値1(電源電圧VDD)、入力端子Gbに論理値1を設定した場合、配線LBは電源電圧VDD(論理値1)に駆動されている。入力端子Gaの論理しきい値をVthとすると、以下の式(10)が成立するとき、位置“X”におけるオープン故障が配線LBとの容量カップリングにより、その駆動電位(VDD)の影響を受ける。そして、配線LAの論理は1となって論理ゲートGの出力端子Gz側に論理値1が伝搬し、恰もオープン故障がないかのようにみえ、当然、オープン故障は検出できないことになる:
V≧Vth ・・・(10)
なお、論理しきい値Vthは、論理ゲートGの図示を省略した他の入力端子の電位によって変動する可能性がある。
式(10)が成立する場合は、配線LAと配線LB間のカップリング容量によって、出力端子Gzの論理レベルが影響される。つまり、繰り返しになるが、配線LAの論理レベルを1として入力端子Gaの0縮退故障を検出するテストパターンを適用しても、配線LAのオープン不良の存在を検知できない。配線LAに複数の隣接配線がある場合は、各隣接配線が駆動される電位の組み合わせに依存してオープン電位Vが決定される。つまり、オープン故障の影響を正確にシミュレートするためには、すべての隣接配線を駆動する電位を用いてオープン電位Vを算出する必要がある。
但し、オープン配線長Lから全ての隣接配線長を除いた配線長がある一定以上の値になった場合は、対地容量及び対電源容量の影響が支配的になり、オープン電位Vは隣接配線を駆動する電位の影響を受けにくくなる。オープン電位Vが隣接配線との容量カップリングの影響を受けなくなるオープン配線長Lを、以下において「臨界配線長」という。つまり、オープン配線長Lが臨界配線長以上の場合は、LSIのテスト期間中、隣接配線の電位に関係なくオープン故障によって配線LAの論理レベルは0(または1)になる。そのため、オープン配線長Lがその配線の臨界配線長以上である場合は、隣接配線の電位を考慮せずに入力端子Gaの0縮退故障及び1縮退故障を検出するテストパターンによってオープン故障を検出可能である。臨界配線長は、シミュレーション等によってオープン電位Vが入力端子Gaの論理しきい値を越えない配線長として、各配線について得られる。
以上では、配線LBの電位が例えば1Vの電源電圧VDDに駆動されている場合を例示的に説明したが、配線LBの電位が接地電位である0Vに駆動されている場合も同様にして、オープン故障が検出されるか否かを、オープン配線長L、隣接配線長LM、容量CCMを用いてオープン電位Vを算出することによって判定できる。
なお、容量CCMは、配線間距離Dに依存しており、従って、近接している配線同士が複数の配線距離で近接している場合は、その距離に応じた容量CCM を用いるようにする必要があることは勿論である。
また、基本セル内部においてもオープン故障は発生し得る。例えば図17に示すnチャネル型MOS(以下において「nMOS」という。)トランジスタTN1、TN2とpチャネル型MOS(以下において「pMOS」という。)トランジスタTP3、TP4からなるNAND回路の場合を考える。図17に示すように、pMOSトランジスタTP3、TP4のソース電極に電源電圧VDDが印加され、ドレイン電極にnMOSトランジスタTN1、TN2 が直列に接続する。nMOSトランジスタTN1及びpMOSトランジスタTP3のゲート電極に信号A1が入力し、nMOSトランジスタTN2及びpMOSトランジスタTP4のゲート電極に信号A2が入力する。nMOSトランジスタTN2 のソース電極に電源電圧Vss(接地電位)が印加される。pMOSトランジスタTP3、TP4とnMOSトランジスタTN2の接続点が出力端子OUTに接続する。
pMOSトランジスタTP4のドレイン端子と出力端子OUT間の位置Fでのオープン不良のようなCMOSの相補性を損ねるオープン故障が生じた場合、nMOSトランジスタTN1、TN2は正常で論理値0を出力可能である。上記のオープン故障を検出するためには、先ず出力が論理値0になるテストパターン(A1=1、A2=1)を印加し、次にpMOSトランジスタTP4がON(導通)状態になることによって出力が論理値1になるテストパターン(A1=1、A2=0)を印加する必要がある。
図18に示した基本セルC1内部のCMOSの相補性を損ねるオープン故障を検出する例を説明する。基本セルC1は、スキャンチェーン110を構成する複数のフリップフロップ(F/F)等と共にLSI100に配置される。スキャンチェーン110に含まれるF/F101から出力された信号が、LSI100内の図示を省略する回路を介して伝搬し、信号Aとして基本セルC1に入力する。信号Aは、スキャンチェーン110に含まれる複数のF/Fの出力端子から伝搬された信号が合成された信号であってもよい。基本セルC1は、もう一つの信号Bが入力され、信号Zを出力する。信号Bもスキャンチェーン110の特定のF/Fの出力端子から伝搬された信号ないしは複数のF/Fの出力端子から伝搬された信号が合成された信号である。
図18に示したLSI100の回路動作のタイミングチャートの一部を図19に示す。図19において、信号CLKはスキャンチェーン110に入力するクロック信号であり、信号TENは、スキャンチェーン110に入力するシフトイネーブル信号である。また、信号Qはスキャンチェーン110を構成する複数のF/Fの出力信号を重ねて表示した信号波形である。LSI100の外部入力及びLSI100に含まれる各F/Fの出力が確定すると、各クロックサイクルにおいて動作が不安定な期間の後に、基本セルC1に入力する信号A及び信号Bは一定値で安定する。
動作が不安定な期間を除くと、図19に示すように、スキャンチェーン110をシフト動作させるシフト動作の最後のシフト動作サイクルTSにおいて信号Aは論理値1で安定し、スキャンチェーン110に含まれる各F/Fにデータを入力するキャプチャ動作サイクルTCにおいて信号Aは論理値0で安定する。また、信号Bはいずれのサイクルにおいても論理値1で安定するようになっている。つまり、先ず論理値1の信号A及び信号Bを基本セルC1に入力し、次に論理値0の信号Aを基本セルC1に入力するテストパターンを作成することによって、基本セルC1内部で生じる、上述したCMOSの相補性を損ねるpMOSトランジスタにおけるオープン故障を検出できる(正常時は基本セルC1の出力は論理値1、故障時は論理値0となる。)。この場合、信号Aに接続されるpMOSトランジスタのオープン故障を確実に検出するためには、信号Bはキャプチャ動作サイクルにおいて論理値1のままであることが必要である。なお、各信号が安定する前に不安定な動作をする可能性があるが、その影響を受けて、正常なB信号に接続されたpMOSトランジスタから電荷が供給されてしまい、基本セルC1からの出力が正常時と同じになってしまう可能性もある。一層確実な検出を行うためには、信号Bがいずれのサイクルでも安定して論理値1のままでいるようにする必要があり、できる限りこうした条件を満たすテストパターンを作成するようにすることが望ましい。
上記ではpMOSトランジスタにおけるオープン故障を検出する例を説明したが、nMOSトランジスタにおけるオープン故障も同様に検出できる。例えば、先ず論理値0の信号Aと論理値1の信号Bを基本セルC1に入力し、次に論理値1の信号Aを基本セルC1に入力するテストパターンを作成することによって、CMOSの相補性を損ねるnMOSトランジスタにおけるオープン故障を検出できる。つまり、シフト動作サイクルTSとキャプチャ動作サイクルTCにおいて信号Aの論理値がそれぞれ0、1となり、信号Bがともに論理値1となるようにテストパターンを設定することによって、基本セルC1内部で生じるCMOSの相補性を損ねるオープン故障を検出できる。
以上のように、セル内部のオープン故障を検出するためには、基本的に、最後のシフト動作サイクルとキャプチャ動作サイクルにおいて、各セルの着目する入力端子(に対応するトランジスタ)の論理値だけが変化することによってそのセルの出力が変化するようなテストパターンを作成することが必要であり、ATPGツールがこうしたテスト発生制約(条件)に対応できるような機能を有している必要がある。
次に、オープン故障検出用テストパターン(第2テストパターン)を作成するための、図1に示したテストパターン作成装置1の動作を説明する。
容量情報リスト作成モジュール19は、対象LSIに含まれる隣接配線ペアの各配線について、対象LSIのレイアウト情報を用いて、ブリッジ故障情報、隣接配線長、配線間距離及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成する。各配線は、その配線に隣接する配線との距離に応じて複数の区間に区分される。また、各配線の臨界配線長の情報も容量情報リストに含まれる。容量情報リストの例を図20(a)及び図20(b)に示す。図20(a)は、LSI内での一般的な信号Aの伝搬状況を示したものである。信号Aは、駆動セルC1から出力され、受信セルC2、C3、C4に接続される配線上を伝搬し、受信セルC2の入力端子B1、受信セルC3の入力端子A2、及び受信セルC4の入力端子A3に入力する。図20(a)に斜線で示した部分が、隣接配線部分である。図20(b)は、図16に対して示した配線LAの容量情報リストをより一般化した形で図20(a)について示した例である。
図20(a)及び図20(b)中の“1”、“2”、“3”は、信号Aが伝搬する信号配線のネット(net)内で受信セルの端子を区別するためのものである。各端子には、LSI内での通し番号が与えられるが、これは、縮退故障を区別するID番号と共通になっていることが望ましい。即ち、例えば、0縮退故障、1縮退故障は、それぞれ” sa0_<LSI内のセル入力端子の通し番号>”、” sa1_<LSI内のセル入力端子の通し番号>”のように表記する。また、受信セル関連情報として、信号Aが伝搬する信号配線に接続される以外の入力端子名も追加して、本容量情報リストからより詳細な情報が得られるようにしてもよい。
一般に、受信セルの入力端子側から配線を辿っていくと、順次他の受信セルへの配線と合流していくため、容量情報リストは、これを考慮した構造になっている。図20(b)中の“(1)”は、net内番号1の受信セル入力端子に関わる配線部分について、また、“(1,2)”は、net内番号1かつ2の受信セル入力端子に関わる配線部分を示しており(“(1,2,3)”も同様)、その後、“;” まで、その配線部分と隣接配線に関する詳細情報が記載されるようになっている。即ち、その配線部分の全長さ、全容量、隣接配線の通し番号、その配線部分の始点からの位置、配線間距離が記載される。図20(a)には記載されていないが、配線の状況に応じて(1,2)、(1,3)の配線部分も存在し得る。また、配線部分(1)に対しては、同一隣接配線が2種類の配線間距離D1、D2で近接しているため、“(x13,x14,D1) (x14,x15,D2)”のような表記が図20(b)にみられる。なお、臨界配線長の情報は、これを含む配線部分において括弧内に記載される。図20(b)では配線部分(1,2,3,)において現れている。この場合、この配線部分の実効長さは、始点から臨界配線長までということになる。
縮退故障リスト作成モジュール20は、対象LSIのレイアウト情報から、対象LSIに含まれるセルの入出力端子に仮定される縮退故障のリストとしてピン縮退故障リストを作成する。ブリッジ故障リスト、容量情報リスト及びピン縮退故障リストは、すべて対象LSIのレイアウト情報に基づき作成される。そのため、ブリッジ故障リスト、容量情報リスト及びピン縮退故障リストはリンク可能である。なお、対象LSIの論理ネット(論理接続情報)に基づいて作成された縮退故障を外部から入力するようにしてもよい。但し、上記の複数のリストを交互に関連付けることが面倒となる。
判定モジュール16は、まず、ブリッジ故障リストと容量情報リスト及びピン縮退故障リストとをリンクし、ブリッジ故障検出のために作成された第1テストパターンを用いた対象LSIの縮退故障シミュレーションを行って、ピン縮退故障リストに記載された各セルの入力端子に仮定された縮退故障のそれぞれについて、第1テストパターンで検出されるか否かを判定する。
次に、算出モジュール18は、第1テストパターンでの対象LSI内の各信号の論理値を論理シミュレーション等によって求めて信号論理値情報記憶領域214に格納しておき、検出と判定された各縮退故障につき、容量情報リストを参照して対応する信号のnet 情報を取得する。また、算出モジュール18は、信号論理値情報記憶領域214から縮退故障を検出したテストパターンでの隣接配線の駆動電位を取得する。算出モジュール18は、取得したこれらのデータと、各配線部分について式(6)〜(8)を用いて算出されるオープン電位Vに基づいて、例えば式(10)の否定が成立する最大の配線長Lを求め、第1テストパターンで確実にオープン故障が検出される配線部分を算出する。オープン電位Vの算出では、オープン故障が仮定された配線に隣接するすべての配線とのカップリング容量が考慮される。
このとき、検出された縮退故障(検出確度1)に付随して検出されるオープン故障の割合(検出確度、対信号配線)は、「(検出可能と算出された配線部分長の総和)/(信号配線長(臨界配線長以下の部分))」となる。上記オープン故障の割合の分母及び分子それぞれにおいて全オープン故障での和を取ったものが、(重み付き)オープン故障検出率となる。なお、各信号線の論理値は、第1テストパターン作成時に同時に取得して、予め信号論理値情報記憶領域214に格納しておくようにしてもよい。
オープン故障は、オープン故障が発生した箇所を含む信号配線の接続先のセルの入力端子(複数の可能性あり)を経由してLSI外部に伝搬する。そのため、オープン故障は、そのオープン故障が経由する入力端子の縮退故障と関連付けできる。各縮退故障に関連付けできる、その縮退故障が仮定された入力端子を伝搬するオープン故障を、その縮退故障に「付随するオープン故障」という。
各入力端子の縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域(配線部分)は、配線に対応する入力端子からその配線を駆動するセルの出力端子まで配線を辿った場合の臨界配線長までの部分となる。この配線領域に対して、各配線に隣接する配線との容量カップリングの影響を受けてオープン故障が検出されない第1テストパターンの「誤判定」が発生する配線領域が、容量情報リストと対応する縮退故障の検出・未検出情報に基づいて算出される。そして、「誤判定」が発生する配線領域を、各入力端子に仮定された縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域とする。
算出モジュール18は、配線の隣接配線の電位及び配線間距離を用いて、オープン故障を仮定した位置での配線の電位を算出する。そして算出モジュール18は、オープン故障を仮定した配線が接続する入力端子の論理しきい値と算出した配線の電位とを比較することによって、縮退故障に付随するオープン故障が、発生箇所に応じ、第1テストパターンによって検出される配線領域または検出されない配線領域を算出する。
オープン故障についてはいくつかの重複があり、重複部分に関しては、いずれかのオープン故障が検出となっていれば、検出配線領域とする必要がある。主な重複には、1つの入力端子に0縮退故障と1縮退故障の2種類の縮退故障が定義されることによる重複、枝分かれ前の配線部分での重複等がある。そのため、重複を除くようにしてオープン故障の重み付き故障検出率を算出する。
第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障と、縮退故障自体は検出されるが、その検出された縮退故障に付随するオープン故障のうち第1テストパターンによって検出されない配線領域(配線部分)のある検出縮退故障(以下において、「オープン故障未検出縮退故障」という。)の情報が、未検出故障記憶領域213に格納される。未検出縮退故障等の情報は、対象LSIに第1テストパターンを適用した際の、オープン故障が仮定された配線及びその配線に隣接する配線を伝搬する信号の論理値等の情報を含む。
なお、臨界配線長以上の配線部分に発生したオープン故障については、既に述べたようにオープン電位Vが隣接配線との容量カップリングの影響を受けない。そのため、臨界配線長以上の配線部分は、オープン故障が仮定された配線が接続する入力端子に仮定したいずれかの縮退故障が第1テストパターンによって検出されるとともに検出されると見なし、オープン故障が未検出となる配線領域とはしない。
第2テストパターン作成・判定モジュール17は、第1テストパターンによって検出されなかった未縮退故障及びオープン故障未検出縮退故障を、オープン故障未検出縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域(未検出配線部分)ができるだけ小さくなるように検出するための、制約付き縮退故障検出用テストパターン(第2テストパターン)を作成する。具体的には、オープン故障を仮定した配線(以下において「注目配線」という。)を伝搬する信号の論理値が隣接する配線との容量カップリングによって変動する場合に、注目配線及び注目配線に隣接する配線を伝搬する信号の論理値について、注目配線が接続するセルの入力端子に仮定した縮退故障を、その縮退故障に付随したオープン故障の未検出配線領域ができるだけ小さくなるように検出可能とする制約(条件)が、算出モジュール18を用いて算出・設定されて、第2テストパターンが作成される。
また、第2テストパターン作成・判定モジュール17は、作成した第1及び第2テストパターンによる、縮退故障の検出の有無を補助的な縮退故障シミュレーションによって判定するとともに、縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域を算出モジュール18を用いて算出し、全体の結果をまとめ、オープン故障検出率等を出力する。
第2テストパターンの作成については、例えば、図21に示すような、信号ST2が伝搬する配線LT2に隣接する配線LT1を伝搬する信号ST1が、セルCTに入力する場合を考える。ここで、配線LT1と配線LT2との容量カップリングの影響によって、信号ST1が入力するセルCTの入力端子に仮定した0縮退故障を検出する第1テストパターン(信号ST1として論理値1が伝搬する。)では、検出時に信号ST2の論理値が1となっており、図21に太い実線で示した範囲のオープン故障が検出されないとする。その場合、信号ST1の正常な論理値が1である場合に信号ST2の論理値を0とする(検出したいセルCTの入力端子の縮退故障と同じ値とする)制約を設定して、セルCTの出力信号の論理値を試験する第2テストパターンが作成される。上記の制約付きの第2テストパターンを対象LSIに適用することによって、1であるはずの信号ST1の入力信号の論理値が0であることをセルCTの出力信号の論理値から判定することで、セルCTの入力端子の0縮退故障に付随するオープン故障を検出できる。
また、セルCTの入力端子に仮定した1縮退故障を検出する第1テストパターン(信号ST1として論理値0が伝搬する。)において、検出時に信号ST2の論理値が0となって、図21の同じ範囲のオープン故障が検出されない場合、正常な論理値ST1=0、ST2=1としてセルCTの出力信号の論理値を試験するテストパターンが作成されるような制約を設定して、第2テストパターンが作成される。上記の制約を設定することによって、信号ST1が入力するセルCTの入力端子の1縮退故障に付随するオープン故障を検出できる。オープン故障の検出(検出する配線領域)は、上記いずれかの制約を満たす第2テストパターンによりほぼ実現できる。より厳密には、これら2種類の制約を満たす第2テストパターンのいずれかによって検出される配線領域が検出される(制約により、検出される配線領域が若干異なる可能性がある)。より一般には、各信号は複数の信号と隣接しており、より効果の大きい隣接信号の値に制約を与えるようにすれば、第2テストパターン作成の効率が向上する。こうした望ましい制約(条件)の取得は、算出モジュール18において行われる。
なお、上記のように制約付き縮退故障検出用テストパターンを作成する代わりに、N回検出用テストパターンを作成してもよい。例えば、第1テストパターンについて算出モジュール18で算出した結果に基づき、付随するオープン故障の未検出配線領域の大きさに応じて、第2テストパターンでの各縮退故障の検出回数を設定すれば、より少ないテストパターンで高いオープン故障検出率が得られる。
図22に示したフローチャートを用いて、図1に示したテストパターン作成装置1によって、対象LSIに適用するテストパターンを作成する方法を説明する。
(イ)ステップS10において、図1に示す入力装置30を介して対象LSIのレイアウト情報がレイアウト情報記憶領域201に格納される。また、予め設定された近接距離が近接距離記憶領域202に格納される。
(ロ)ステップS20において、ショート情報作成モジュール11が図3のフローチャートを用いて説明した方法によってショート情報を作成する。つまり、セルの回路シミュレーション用回路記述と回路記述で使用されている素子の回路シミュレーション用モデルを用いてセル出力間に仮定したショート箇所でのショート電位等が算出され、ショート情報としてショート情報ライブラリ51に格納される。
(ハ)ステップS30において、しきい値情報作成モジュール12が、回路シミュレーションを実行してシミュレーションデータ記憶領域203に格納されたセルの論理しきい値情報を作成する。作成された論理しきい値情報はしきい値情報ライブラリ52に格納される。
(ニ)ステップS40において、抽出モジュール13が、レイアウト情報及び近接距離をレイアウト情報記憶領域201及び近接距離記憶領域202からそれぞれ読み出す。そして抽出モジュール13は、レイアウト情報に含まれる複数の信号配線ペアの中で、配線間距離が近接距離以下である隣接配線ペアに関するブリッジ故障情報を抽出する。既に説明したように、ブリッジ故障情報は隣接配線ペアに対応する信号情報、隣接配線長、駆動セル情報を含み、更に受信セル情報を含む場合もある。抽出されたブリッジ故障情報はブリッジ故障情報記憶領域205に格納される。
(ホ)ステップS50において、ブリッジ故障リスト作成モジュール14が、ショート情報、論理しきい値情報及びブリッジ故障情報をショート情報ライブラリ51、しきい値情報ライブラリ52及びブリッジ故障情報記憶領域205からそれぞれ読み出し、ブリッジ故障リストを作成する。既に述べたように、ブリッジ故障リストは、信号情報、隣接配線長、駆動セル情報、ブリッジ故障タイプ、発生確率、伝搬確率、検出確度等を含む。更に受信セル情報を含む場合もある。作成されたブリッジ故障リストはブリッジ故障リスト記憶領域206に格納される。
(ヘ)ステップS60において、第1テストパターン作成・判定モジュール15が、ブリッジ故障リストをブリッジ故障リスト記憶領域206から読み出す。そして第1テストパターン作成・判定モジュール15は、ブリッジ故障リストに含まれる隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターン及び故障検出情報を作成する。第1テストパターン作成・判定モジュール15は、各隣接配線ペアについて決定されるブリッジ故障タイプを考慮した第1テストパターンを作成する。作成された第1テストパターンは、テストパターン記憶領域207に格納される。また、第1テストパターン作成・判定モジュール15は補助的な故障シミュレーションを実行して、ATPGが各テストパターンで直接対象としたブリッジ故障以外のブリッジ故障の検出率算出、故障検出情報を作成することもできる。故障検出情報は故障検出情報記憶領域208に格納される。更に、第1テストパターン作成・判定モジュール15は実行結果レポートを作成する。実行結果レポートは結果レポート記憶領域209に格納される。
(ト)ステップS70において、算出モジュール18が、ブリッジ故障リスト及び故障検出情報をブリッジ故障リスト記憶領域206及び故障検出情報記憶領域208から読み出す。そして算出モジュール18は、式(2)を用いて第1テストパターンのブリッジ故障検出率FCを算出する。更に、算出モジュール18は、式(3)を用いて第1テストパターンの重み付きブリッジ故障検出率FC_WLを算出する。ブリッジ故障検出率FC、FC_WLは故障検出率記憶領域210に格納される。また、算出モジュール18は、未検出故障の重みも算出し、未検出故障記憶領域213に格納する。
(チ)ステップS80において、容量情報リスト作成モジュール19が、レイアウト情報をレイアウト情報記憶領域201から読み出す。そして容量情報リスト作成モジュール19は、対象LSIに含まれる各配線について容量情報リストを作成する。容量情報リストは容量情報リスト記憶領域211に格納される。
(リ)ステップS90において、縮退故障リスト作成モジュール20が、レイアウト情報をレイアウト情報記憶領域201から読み出し、ピン縮退故障リストを作成する。ピン縮退故障リストはピン縮退故障リスト記憶領域212に格納される。
(ヌ)ステップS100において、判定モジュール16が、ピン縮退故障リスト及び第1テストパターンをピン縮退故障リスト記憶領域212及びテストパターン記憶領域207から読み出し、第1テストパターンを用いた対象LSIの縮退故障シミュレーションを行う。そして判定モジュール16は、各セルの入力端子に仮定された縮退故障のそれぞれについて、第1テストパターンで検出されるか否かを判定する。第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障の情報を含む故障検出情報は、故障検出情報記憶領域208に格納される。
(ル)ステップS110において、算出モジュール18が、ブリッジ故障情報を含む容量情報リスト及び第1テストパターンの縮退故障検出情報を容量情報リスト記憶領域211及び故障検出情報記憶領域208から読み出し、隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合に、オープン故障を仮定した配線が接続するセルの入力端子における縮退故障に付随したオープン故障に対応する配線領域が、第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出し、少なくとも各オープン故障がそれぞれ検出されるか否か算出してオープン故障が未検出として残る配線領域の大きさを算出する。算出結果は、故障検出情報記憶領域208に、縮退故障検出付加情報として格納される。
(ヲ)ステップS120において、第2テストパターン作成・判定モジュール17が、未検出縮退故障を含めた縮退故障検出情報を故障検出情報記憶領域208から読み出し、オープン故障未検出縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域が小さくなるような制約を用いて、縮退故障のうち第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障及びオープン故障未検出縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域を小さくする第2テストパターン、或いはN回検出用の第2テストパターンを作成し、追加検出及び未検出配線領域の縮小効果を判定する。第2テストパターンは、テストパターン記憶領域207に格納される。また、第2テストパターンの未検出故障及びオープン故障未検出縮退故障の情報が、未検出故障記憶領域213に格納される。
以上に説明したように、各セルの入力端子に仮定された縮退故障と縮退故障に付随するオープン故障のすべてを対象とはせず、第1テストパターンで検出できない縮退故障、及びオープン故障未検出縮退故障に対してのみ、第2テストパターンとして制約付き縮退故障用テストパターン或いはN回検出用テストパターンが作成される。その結果、第2テストパターンのパターン数の増大が抑制される。そして、第1テストパターンと第2テストパターンを併せたテストパターンが、対象LSIのブリッジ故障、縮退故障及びオープン故障を検出する試験に適用される。
なお、付随するオープン故障の未検出配線領域の大きい検出縮退故障を、第2テストパターン作成における制約を設定する際に考慮されるオープン故障未検出縮退故障としてもよい。例えば、付随するオープン故障のうち第1テストパターンによって検出されない配線領域のある検出縮退故障についてオープン故障の未検出配線領域の大きさの平均を算出し、未検出配線領域の大きさが平均より大きい場合、縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域が大きい検出縮退故障とする。或いは、オープン故障の未検出部分の大きさを重みとして、未検出配線領域のある検出縮退故障を重みの大きい順に並べ、重みの和が総重みの1/2または2/3等を超えるまでの検出縮退故障を、付随するオープン故障の未検出配線領域の大きい検出縮退故障としてもよい。更に、配線の状況に依存したオープン故障の発生頻度を重みとして同様の定義を行ってもよい。上記の他にもオープン故障の未検出配線領域の大きい検出縮退故障を定義可能であるが、いずれの定義においても本実施の形態の考え方は有効である。
図22に示した一連のテストパターン作成操作は、図22と等価なアルゴリズムのプログラムにより、図1に示したテストパターン作成装置1を制御して実行できる。このプログラムは、図1に示したテストパターン作成装置1を構成する記憶装置200に記憶させればよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を図1に示した記憶装置200に読み込ませることにより、本発明の一連のテストパターン作成操作を実行することができる。
従来は、回路の接続情報だけに基づいて隣接配線ペアでのブリッジ故障がテストパターンによって検出されるか否かが判定された。そのため、検出されたブリッジ故障が、実際に検出可能なLSI内を伝搬するブリッジ故障ではない可能性がある。つまり、テストパターンを高い精度で評価できない。
一方、本発明の第1の実施の形態に係るテストパターン作成装置1では、回路シミュレーションによってショート電位及び受信端子の論理しきい値を求めて隣接配線ペアに発生するブリッジ故障のブリッジ故障タイプを決定する。そして、ブリッジ故障タイプを用いて、受信セルを経由してLSI内を伝搬し得るブリッジ故障を検出する第1テストパターンが作成される。更に、第1テストパターンの検出確度及び隣接配線長で重み付けされた故障検出率が算出される。そのため、実際の製品の出荷テストにおける故障検出率及びブリッジ故障発生率を高い精度で予測できる。故障検出率及びブリッジ故障発生率が所望の値より低い場合には、第1及び第2のテストパターンを修正して、故障検出率及びブリッジ故障発生率を向上できる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るテストパターン作成装置1では、各セルの入力端子に仮定された縮退故障と縮退故障に付随するオープン故障のうち、第1テストパターンでは検出されない未検出縮退故障及び未検出縮退故障に付随するオープン故障と、縮退故障自体は検出されるが、付随するオープン故障の未検出配線領域が大きい(未検出配線長が長い)オープン故障未検出縮退故障が抽出される。そして、未検出縮退故障、及びオープン故障未検出縮退故障のいずれについても、付随するオープン故障の未検出配線長ができるだけ短くなるように縮退故障を検出する第2テストパターンが作成される。各セルの入力端子に仮定された縮退故障のすべてを対象として第2テストパターンは作成されないため、第2テストパターンのパターン数の増大を抑制できる。且つ、LSI内部に生じるブリッジ故障及びオープン故障を確実に検出できるか否かの高精度な判定ができる。また、容量カップリングの影響により発生箇所によって影響の現れ方が異なるオープン故障の性質を考慮したテストパターンを作成できる。作成したテストパターンをLSIテスタによって製品に適用することにより、不良の製品が出荷されるリスクを低減できる。
なお、上記では、ブリッジ故障リストに含まれる隣接配線ペア及びブリッジ故障タイプを考慮してブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する例を説明したが、ブリッジ故障タイプを考慮せずに隣接配線ペアに仮定されたブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成してもよい。また、最初に対象LSIの縮退故障を検出する予備的なテストパターンを作成して、ブリッジ故障シミュレーションを実行して未検出のブリッジ故障を求め、また、縮退故障に付随するオープン故障の未検出配線領域を求めた後、上記に説明した本発明の第1の実施の形態に係るテストパターン作成方法のフローを実施するようにしてもよい。一般に縮退故障テストはテストパターン数が少ないため、全体としてテストパターン数を抑制できる可能性がある。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態の説明においても触れたように、ブリッジ故障ライブラリ及びしきい値情報ライブラリは、特定のセルライブラリに対して一度作成すれば、同一のセルライブラリを使用する他のLSIでは、これらライブラリを参照するだけで本発明の第1の実施の形態と同等の内容を実施可能である。これを図23に示す。図1に示されていたセルライブラリ2は、回路シミュレーション用モデルは含まず、また、ショート情報ライブラリ51としきい値情報ライブラリ52は、テストパターン作成装置1の外部から与えられる。テストパターン作成装置は、ショート情報作成モジュール11、しきい値情報作成モジュール12、シミュレーションデータ記憶領域203及びシミュレーション結果記憶領域204を含まない。その他については、第1の実施例と同じであり、重複した記載を省略する。
第1の実施の形態の説明においても触れたように、ブリッジ故障ライブラリ及びしきい値情報ライブラリは、特定のセルライブラリに対して一度作成すれば、同一のセルライブラリを使用する他のLSIでは、これらライブラリを参照するだけで本発明の第1の実施の形態と同等の内容を実施可能である。これを図23に示す。図1に示されていたセルライブラリ2は、回路シミュレーション用モデルは含まず、また、ショート情報ライブラリ51としきい値情報ライブラリ52は、テストパターン作成装置1の外部から与えられる。テストパターン作成装置は、ショート情報作成モジュール11、しきい値情報作成モジュール12、シミュレーションデータ記憶領域203及びシミュレーション結果記憶領域204を含まない。その他については、第1の実施例と同じであり、重複した記載を省略する。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
既に述べた第1及び第2の実施の形態の説明においては、対象LSIの接続情報に基づいて、ブリッジ故障リストに含まれる各隣接配線ペアでのブリッジ故障が第1テストパターンによって検出可能か否かを判定して故障検出情報を作成する例を示したが、故障シミュレーションを実行してブリッジ故障が第1テストパターンによって検出可能か否かを判定することもできる。
また、ブリッジ故障と、縮退故障に付随するオープン故障の配線領域を配線長(故障発生確率が一様)だけを用いて説明したが、上記配線領域に含まれる最小VIAの数によって、これらの故障の発生確率が影響されるため、例えばこれを考慮した「配線領域」(rWL+(1-r)NVIA:r は配線長WLと最小VIA数NVIAの重みの比)を定義した上で、第1及び第2の実施の形態を同じように適用することも可能である。更に、隣接する配線の論理値を確率的に設定して、容量カップリングの影響を考慮してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…テストパターン作成装置
2…セルライブラリ
10…CPU
11…ショート情報作成モジュール
12…しきい値情報作成モジュール
13…抽出モジュール
14…ブリッジ故障リスト作成モジュール
15…第1テストパターン作成・判定モジュール
16…判定モジュール
17…第2テストパターン作成・判定モジュール
18…算出モジュール
19…容量情報リスト作成モジュール
20…縮退故障リスト作成モジュール
30…入力装置
40…出力装置
51…ショート情報ライブラリ
52…しきい値情報ライブラリ
200…記憶装置
201…レイアウト情報記憶領域
202…近接距離記憶領域
203…シミュレーションデータ記憶領域
204…シミュレーション結果記憶領域
205…ブリッジ故障情報記憶領域
206…ブリッジ故障リスト記憶領域
207…テストパターン記憶領域
208…故障検出情報記憶領域
209…結果レポート記憶領域
210…故障検出率記憶領域
211…容量情報リスト記憶領域
212…ピン縮退故障リスト記憶領域
213…未検出故障記憶領域
214・・・信号論理値情報記憶領域
2…セルライブラリ
10…CPU
11…ショート情報作成モジュール
12…しきい値情報作成モジュール
13…抽出モジュール
14…ブリッジ故障リスト作成モジュール
15…第1テストパターン作成・判定モジュール
16…判定モジュール
17…第2テストパターン作成・判定モジュール
18…算出モジュール
19…容量情報リスト作成モジュール
20…縮退故障リスト作成モジュール
30…入力装置
40…出力装置
51…ショート情報ライブラリ
52…しきい値情報ライブラリ
200…記憶装置
201…レイアウト情報記憶領域
202…近接距離記憶領域
203…シミュレーションデータ記憶領域
204…シミュレーション結果記憶領域
205…ブリッジ故障情報記憶領域
206…ブリッジ故障リスト記憶領域
207…テストパターン記憶領域
208…故障検出情報記憶領域
209…結果レポート記憶領域
210…故障検出率記憶領域
211…容量情報リスト記憶領域
212…ピン縮退故障リスト記憶領域
213…未検出故障記憶領域
214・・・信号論理値情報記憶領域
Claims (5)
- ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出する抽出モジュールと、
前記ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及び該論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成するブリッジ故障リスト作成モジュールと、
前記ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成する第1テストパターン作成・判定モジュールと、
前記レイアウト情報を用いて、前記ブリッジ故障情報、前記隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、前記配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成する容量情報リスト作成モジュールと、
前記論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が前記第1テストパターンによって検出されるか否かを判定する判定モジュールと、
前記容量情報リストを用いて、前記隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合に該配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、前記第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出する算出モジュールと、
前記第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、前記未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または前記未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成する第2テストパターン作成・判定モジュール
とを備えることを特徴とするテストパターン作成装置。 - 前記算出モジュールが、前記配線の隣接配線の電位及び前記配線間距離を用いて前記オープン故障を仮定した位置での前記配線の電位を算出し、算出した前記電位と前記入力端子の論理しきい値とを比較することによって、前記縮退故障に付随する前記オープン故障が、発生箇所に応じ、前記第1テストパターンによって検出される配線領域または検出されない配線領域を算出することを特徴とする請求項1に記載のテストパターン作成装置。
- 抽出モジュール、ブリッジ故障リスト作成モジュール、第1テストパターン作成・判定モジュール、容量情報リスト作成モジュール、判定モジュール、算出モジュール、第2テストパターン作成・判定モジュール、ブリッジ故障情報記憶領域、ブリッジ故障リスト記憶領域及び容量情報リスト記憶領域を備えるテストパターン作成装置を用いるテストパターン作成方法であって、
前記抽出モジュールが、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出し、前記ブリッジ故障情報記憶領域に格納するステップと、
前記ブリッジ故障リスト作成モジュールが、前記ブリッジ故障情報記憶領域から読み出した前記ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及び該論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成し、前記ブリッジ故障リスト記憶領域に格納するステップと、
前記第1テストパターン作成・判定モジュールが、前記ブリッジ故障リスト記憶領域から読み出した前記ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成するステップと、
前記容量情報リスト作成モジュールが、前記レイアウト情報を用いて、前記ブリッジ故障情報、前記隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、前記配線間距離及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成し、前記容量情報リスト記憶領域に格納するステップと、
前記判定モジュールが、前記論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が前記第1テストパターンによって検出されるか否かを判定するステップと、
前記算出モジュールが、前記容量情報リストを用いて、前記隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合に該配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、前記第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出するステップと、
前記第2テストパターン作成・判定モジュールが、前記第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、前記未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または前記未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成するステップ
とを含むことを特徴とするテストパターン作成方法。 - 前記縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が前記第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じて検出される程度を算出するステップが、
前記配線の隣接配線の電位及び前記配線間距離を用いて前記オープン故障を仮定した位置での前記配線の電位を算出するステップと、
算出した前記電位と前記入力端子の論理しきい値とを比較することによって、前記縮退故障に付随する前記オープン故障が、発生箇所に応じ、前記第1テストパターンによって検出される配線領域または検出されない配線領域を算出するステップ
とを含むことを特徴とする請求項3に記載のテストパターン作成方法。 - 抽出モジュールに、ブリッジ故障情報をレイアウト情報から抽出させる命令と、
ブリッジ故障リスト作成モジュールに、前記ブリッジ故障情報、論理セルの出力端子間のショート情報及び該論理セルの入力端子の論理しきい値情報からブリッジ故障リストを作成させる命令と、
第1テストパターン作成・判定モジュールに、前記ブリッジ故障リストを用いて、配線間距離が近接距離範囲内にある隣接配線ペアでのブリッジ故障を検出する第1テストパターンを作成させる命令と、
容量情報リスト作成モジュールに、前記レイアウト情報を用いて、前記ブリッジ故障情報、前記隣接配線ペアの配線長として定義される隣接配線長、前記配線間距及び隣接位置を情報として含む容量情報リストを作成させる命令と、
判定モジュールに、前記論理セルの入力端子に仮定された縮退故障が前記第1テストパターンによって検出されるか否かを判定させる命令と、
算出モジュールに、前記容量情報リストを用いて、前記隣接配線ペアの一方の配線にオープン故障を仮定した場合に該配線が接続する論理セルの入力端子における縮退故障に付随するオープン故障に対応する配線領域が、前記第1テストパターンによる縮退故障の検出・未検出に応じてどの程度検出されるかを算出させる命令と、
第2テストパターン作成・判定モジュールに、前記第1テストパターンによって検出されない未検出縮退故障、及び付随するオープン故障の未検出配線領域がある検出縮退故障を、前記未検出配線領域を小さくする制約を用いて検出または前記未検出配線領域を小さくする第2テストパターンを作成させる命令
とを実行させるためのテストパターン作成プログラム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006284744A JP2008102016A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | テストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006284744A JP2008102016A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | テストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008102016A true JP2008102016A (ja) | 2008-05-01 |
Family
ID=39436449
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006284744A Pending JP2008102016A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | テストパターン作成装置、テストパターン作成方法及びテストパターン作成プログラム |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008102016A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010182188A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Toshiba Corp | ブリッジ故障除去装置およびブリッジ故障除去方法 |
-
2006
- 2006-10-19 JP JP2006284744A patent/JP2008102016A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010182188A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Toshiba Corp | ブリッジ故障除去装置およびブリッジ故障除去方法 |
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