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JP2008100511A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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JP2008100511A JP2007241270A JP2007241270A JP2008100511A JP 2008100511 A JP2008100511 A JP 2008100511A JP 2007241270 A JP2007241270 A JP 2007241270A JP 2007241270 A JP2007241270 A JP 2007241270A JP 2008100511 A JP2008100511 A JP 2008100511A
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Abstract

【課題】用紙対応力が広く、特に商業印刷用紙に対してフルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、商業印刷物に近い質感の印字物が簡便に高速に印字でき、印刷物の耐擦性にも優れる、理想的なインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を塗布してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下である記録メディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字し、画像を指触乾燥した後、メディアと熱源を直接接触させて定着させる各工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図14

Description

本発明は、インクジェット方式によりオフセット印刷等の商業用印刷に近い高画質画像を記録することができる記録用メディア、インクメディアセット及びこれを用いたインクジェット記録方法、並びに、インク記録物に関する。
インクジェット記録は、被記録材(メディア)を比較的選ばない優れた記録方法として知られており、記録装置、記録方法、記録材料などについて研究開発が盛んに行われている。近年、プリンタやインク、メディアの高性能化に伴い、銀塩写真同等の画質が手軽に得られるようになってきた。特にメディアの進化は目覚しいものがあり、インクの吸収速度・吸収量を上げつつ光沢を発現できるよう開発された現在のメディアは、光沢感や品位感において従来の商業印刷を凌ぐレベルにある。これらインクジェット用メディアは、大きく膨潤型と空隙型に分類できるが、最近はインクの乾燥速度に優れる空隙型が主流である。
この空隙型メディアは、特許文献1(特開2005−212327号公報)や特許文献2(特開平11−078225号公報)に開示されるように、シリカやアルミナ水和物を用いて基体上にインクを取り込むための空隙を有するインク吸収層を設け、さらに必要に応じてコロイダルシリカなどを用いて多孔質の光沢層を設けたものが主流である。この特徴的な構成によりインクの吸収性に大変優れ、高精細な出力が得られるため、コンシューマ向けの写真出力用途等に好んで用いられている。反面このタイプのメディアは原材料が非常に高価でかつ製造工程も複雑であることから、一般の商業・出版印刷向けのコート紙と比較すると非常に高価である。ゆえに画像が高品質であるにも関わらず、チラシ、カタログ、パンフレット等、安価で大量な出力が要求される商業印刷分野ではあまり使用されていない。これまでに用紙コストを低減するための様々な努力がされているが、インクジェットメディアのインク吸収層(受容層)を構成するフィラーは、通常、層の透明性を高く保つことが可能で吸油量(比表面積)の大きい材料を使用する必要があるため、シリカやアルミナ水和物、コロイダルシリカ等の特定の高価なフィラーを多量に使用せざるを得ず、低価格化は非常に難しい状況にある。
一方、商業印刷や出版印刷用コート紙のような、コート層材料に炭酸カルシウムやカオリン等の安価で隠蔽性が高く吸油量が比較的小さいフィラーを多量に使用することで、安価に作り上げたコート紙をインクジェットメディアとして使用しようとすると、画像が激しく滲んでしまったり、濃度が発現しなくなってしまう。これは、商業印刷用コート紙の場合、インクジェット用紙のように短時間に多量のインクを吸収できるように設計されていないことから、インクの吸収が間に合わず滲んでしまったり、コート層にインクが染み込んだとしても、インク色材がコート層中のカオリンのような隠蔽性の高いフィラーに隠蔽されてしまうことが原因である。また、このような隠蔽性の高いフィラーを使用した商業印刷や出版印刷用向けのコート紙では、染料インクを用いたインクジェットプリンタで印字する際、打ち込むインク量をいくら増やしても表層近くに存在する色材分しか濃度が出ないため、全体として濃度が低く、コントラストのない画像になってしまう。このためこの類の用紙はインクジェット印字に全く適さないとされてきた。
一方、近年は色材に染料ではなく顔料を使用したインクジェットインクが注目されている。色材顔料は水に不溶であるため微粒子状にして溶剤に分散させたものを使用するのが一般的であるが、インクジェット向け顔料インクは、安全性等の観点から色材顔料を水に分散させたものが主流である。一般に水系の顔料インクは染料インクに比べ顔料粒子の凝集や沈澱が起こりやすく、長期保存性を染料インク並にするためには様々な分散条件や添加剤が必要であったり、分散安定剤等がコゲーションの原因になるためサーマルヘッドで使用し難い、色材の表色範囲が染料に比べ劣る等の欠点を有するが、高い濃度が得られることや記録後の保存性・耐水性の点から、大いに注目されるようになってきた。この顔料インクを使用したインクジェットプリンタはインクの色材が一般的な商業印刷インクの色材に近いこともあり、印刷物の風合いを商業印刷に近づけることが可能であると考えられるが、顔料インクを用いた従来のインクジェットプリンタで実際に商業印刷・出版印刷向けのコート紙に印字すると、やはりインクの吸収が間に合わず画像が滲んでしまったり、乾燥後に顔料が全く定着しなかったり、光沢が出ない等、従来同様、普通紙やインクジェット専用紙といったインク吸収性の高いメディアへの印字にしか対応できていないのが現実であった。これはインクジェット画像の形成に関する設計思想が染料インクを使用する際の思想と変わっておらず、色材顔料をあくまでも耐光性の高い染料の観点でしかとらえていないためであり、顔料インクの特徴を全く考慮していないからであった。顔料インク対応メディアについても研究開発がさかんに行われているが、特許文献3(特開2001−347749号公報)に見られるように、いかにインク吸収を早めながら画像光沢を出すが開発のポイントであり、メディア表面の空隙率を上げつつ、光沢を発現させる方法が、高価なフィラー材料を用いた従来技術の延長線上で探求されている。
一方、これらの問題を解決するための方法として、特許文献4(特願2006−43240号明細書)のように浸透性の高い顔料インクと、従来とは逆の、インク吸収性の低いメディアとを組み合せて、商業印刷用紙等に低コストな画像形成方法を実現した例がある。即ち、インク中の色材顔料が極力染み込まないようインク吸収性(浸透性)を抑制するためのコート層が設けられた記録メディアに対し、少量の超高浸透性顔料インクを使用して印字することにより、インクを形成する溶媒(水や有機溶剤)のみを選択的に支持体に染み込ませ、カチオン定着剤のような特殊な材料を使用せずともインク中の色材(顔料)だけを効率よくメディア表面に留まらせることができる。このため少量のインクでも十分な濃度と乾燥性を両立することができるのみならず、インク中の色材をメディアの表面に極力留めおくことで従来のインクジェットメディアの必要機能であった層の透明性が必ずしも必要でなくなることから、塗工層の材料構成に関する自由度を飛躍的に広げることが可能となったのである。この方法の応用によりこれまで困難とされてきた商業印刷用紙や出版印刷用紙のようなインク吸収性の低い紙でもインクジェット印字を行うことが可能となってきた。
一方、商業印刷や出版印刷を行う場合は、たとえ少量部数と言えども一度に数百から数千枚を出力する必要に迫られる場合が多く、印刷機にも画像欠陥なく安定した画像が連続的に得られることが求められる。このような用途にインクジェットプリンタを用いる場合、特に問題とされやすいのがインクの乾燥によるノズルの目詰まりや、乾燥したインクがノズルの周辺に固着しての吐出角度が曲がってしまう等の原因による画像スジの発生である。この現象を防止するためには過去様々な工夫がなされてきたが、染料インク、顔料インク問わず、最も効果的なのはインクの乾燥性をマイルドにするためにインクに高沸点の湿潤剤を加えることである。
ところで特許文献4(特願2006−43240号明細書)の方法はインク吸収の悪い用紙への印字に対して非常に効果が認められるが、商業印刷用紙のように極度にインク吸収が悪いメディアと、プリンタヘッドの乾燥(ノズルの目詰まり)防止のために高沸点の湿潤剤を添加したインクを組み合わせた場合、画像の乾燥性はあまり変わらないが、乾燥後、擦られても滲まないと言った、「定着」までに非常に時間がかかるという欠点があった。これは表層に残った色材が微量の湿潤剤を含有したまま長時間湿った状態にあるためであり、ちょうど大豆油を使用したオフセット印刷インキが印刷後定着するまでに長時間必要とするのと似た現象である。この定着の遅さに関しては顔料インクが染料インクに対して特に不利な点である。インクジェットインクで現在主流な染料タイプの場合は色材自体がメディア内に拡散しやすいため、湿潤剤(多くの場合が高沸点溶剤であるが)も比較的短時間で拡散してしまうからである。このため、顔料インクの使用を前提としている特許文献4(特願2006−43240号明細書)の方法に基づき、画像スジに対する信頼性をあげるため、高沸点の湿潤剤を含むインクを用いたプリンタで、商業印刷用紙を用いて印字した場合、定着に時間を要し、印字後すぐにチラシやカタログとして配りたい場合に対応できない等、利便性に劣る場合が多く見られた。
ところで従来までに、印字直後のインクジェット印字物に対し乾燥性や定着性を上げるための試みは様々なされている。特に、インクジェット技術がコンシューマ向け商品に採用され始めた頃は、インク、メディアの乾燥性を改善させるために、加熱乾燥が有効であると考えられていた。例えば特許文献5(特開平8−92513号公報)では、微粒子状に分散された着色樹脂粒子を使用して印字後、画像を加熱定着することが提案されている。但しこの例は再生紙やコピー用紙等のにじみの多い紙に対してにじみを減少させることが主目的であり、定着に関しても再生紙やコピー用紙等、インク吸収の比較的早いものが対象である。また特許文献6(特許第2860123号公報)には、インクジェット印字物の乾燥補助手段として加熱ローラが有用であることが述べられているが、染料系の油性インクを中心に提案されており、水系顔料インクと商業印刷用紙については述べられていない。特許文献7(特許第2590822号公報)では、インクジェット印字し終わったメディアを裏面から加熱し、乾燥を促進することで定着性を上げる工夫がされている。これによると、裏面から加熱することで、乾燥定着が可能であることが述べられている。しかしこの方法は画像を直接加熱できないため熱効率が非常に劣る場合が多く、印字後メディア全体に含まれた大量の水分を乾燥させる場合は効果があるが、画像中の湿潤剤(高沸点溶剤)に対しては殆んど効果が無い場合が多い。高沸点溶剤を乾燥させようとすると、溶剤にもよるが、一般に百数十度といった高温で加熱しなくてはならず、紙の黄変や変形、最悪の場合発火など、用紙へのダメージが無視できず、全く現実的でない。
過去これら技術を応用し、水系のインクを用いたインクジェットプリンタにおいて普通紙に対して乾燥を促進する商品も上市された。しかし電子写真と異なりインクジェット記録の場合、インクに含まれる大量の水分が水蒸気化して機内に充満し、結露、腐蝕等を発生させる不具合が発生しやすいこと、またインクやメディアの改善により、インクジェット専用紙や普通紙への印字では乾燥補助手段が必要なくなったこと等の理由で、ごく一部の普通紙への非常に高速な印字が必要とされる産業用途向けプリンタ等を除いて、現在では殆んど見かけなくなってしまったのが現状である。また実際に特許文献7(特許第2590822号公報)の方法を代表とする乾燥処理を用いてインクジェット印字物を乾燥する場合、インクジェット専用紙の一部には、表面が溶融して画像がただれてしまったりするものもあることが知られている。
近年、一部の動きとして特許文献8(特開2004−209799号公報)のように最表層に熱可塑性樹脂を含んだ受像紙に加熱による透明・平滑化処理を施して印字物に光沢を出す例や、インクや、メディア中に熱で反応する化学物質を添加しておき、印字後過熱することにより反応させ、画像保存性を改善する試み等が見られるが、いずれも印字後の熱処理を前提としたインクジェット専用サプライに対するもので、一般的な商業印刷用紙への応用を可能にしたものではない。
以上のように、水系顔料インクを使用して商業印刷用紙にインクジェット印字と定着処理を行って即時使用可能とするインクジェット記録技術は現在まで実現されていないのが現状である。
特開2005−212327号公報 特開平11−078225号公報 特開2001−347749号公報 特願2006−43240号明細書 特開平8−92513号公報 特許第2860123号公報 特許第2590822号公報 特開2004−209799号公報
本発明は上記実績に鑑みて下記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明で示されたインクジェット記録方法により、用紙対応力が広く、特に商業印刷用紙に対してフルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、商業印刷物に近い質感の印字物が簡便に高速に印字でき、印刷物の耐擦性にも優れる、理想的なインクジェット記録方法を提供することである。
上記の目的は、以下の手段により達成される。
即ち、(1)「セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を塗布してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下である記録メディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字し、画像を指触乾燥した後、メディアと熱源を直接接触させて定着させる各工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法」、
(2)「前記熱源が熱ローラである定着ローラを用いたものであることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録方法」、
(3)「動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が望ましくは1ml/m以上10ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上11ml/m以下である記録メディアに対し、粒子状の色材を含む固形分3%以上のインクを用いて印字することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェット記録方法」、
(4)「定着温度が100℃以上、望ましくは140℃以上〜150℃以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(5)「前記定着ローラのニップ時間が0.3秒以上であり、望ましくは0.5秒以上1秒以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか記載のインクジェット記録方法」、
(6)「前記指触乾燥に非接触の乾燥手段を用いることを特徴とする第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(7)「カラー印刷を行うために必要な各色インクを記録メディア表面に噴射するノズルを設けたヘッドユニットを搭載し、記録メディア表面にインク滴を噴射して記録を行うインクジェット記録装置にて、インクドットの広がりが小さく、凝集するような記録メディア上に画像を形成し、総量規制処理にてインク付着量を規制値内に抑制することを特徴とした前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(8)「前記記録メディアが、少なくとも基材と塗工層から構成されており、該塗工層の固形分付着量が0.5〜20.0g/mであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(9)「前記記録メディアが、坪量が50〜250g/mであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(10)「前記記録メディアが顔料を含有し、該顔料がカオリンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(11)「前記記録メディアが、顔料を含有し、該顔料が重質炭酸カルシウムであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(12)「前記記録メディアが水性樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(13)「前記水性樹脂が水溶性樹脂、あるいは、水分散性樹脂であることを特徴とする前記第(12)項に記載のインクジェット記録方法」、
(14)「前記インクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種である前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(15)「前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(16)「前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記第(15)項に記載のインクジェット記録方法」、
(17)「インクジェット記録に用いられるインクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録方法」、
(18)「前記撥インク層が、フッ素系材料、あるいは、シリコーン系材料で構成されることを特徴とする前記第(17)項に記載のインクジェット記録方法」、
(19)「前記撥インク層の表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする前記第(17)項又は第(18)項に記載のインクジェット記録方法」、
(20)「前記撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成されたことを特徴とする前記第(17)項乃至第(19)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(21)「前記撥インク層の膜厚が1Å以上であることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(22)「前記撥インク層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることを特徴とする前記第(17)項乃至第(21)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」、
(23)「前記インクが、少なくとも水、及び湿潤剤を含有することを特徴とする前記第(17)項乃至第(21)項の何れかに記載のインクジェット記録方法」。
また、(24)「前記第(1)項に記載のインクジェット記録方法に用いられるインクであり、少なくとも水、及び湿潤剤を含有することを特徴とするインク」、
(25)「顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする前記第(24)項に記載のインク」、
(26)「25℃での粘度が1cps以上30cps以下であることを特徴とする前記第(24)項又は第(25)項に記載のインク」、
(27)「25℃における表面張力が30mN/m以下であることを特徴とする前記第(24)項乃至第(26)項の何れかに記載のインク」、
(28)「インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする前記第(24)項乃至第(27)項の何れかに記載のインク」、
(29)「前記炭素数8以上のポリオール化合物が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする前記第(28)項に記載のインク」、
(30)「界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(24)項乃至第(29)項の何れかに記載のインク;
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれか1つ以上の塩基を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれか1つ以上の塩基を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(III)中、Rは、炭化水素基を表す。kは5〜20の整数を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(IV)中、Rは、炭化水素基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表す。L及びpは、1〜20の整
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。」、
(31)「湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項24乃至29の何れかに記載のインク」、
(32)「前記ポリオール化合物が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種である前記第(31)項に記載のインク」、
(33)「前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプローラクタムから選択される少なくとも1種である前記第(31)項又は第(32)項に記載のインク」、
(34)「前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種である前記第(31)項乃至第(33)項の何れかに記載のインク」、
(35)「前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種である前記第(31)項乃至第(34)項の何れかに記載のインク」、
(36)「前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%である前記第(31)項乃至第(35)項の何れかに記載のインク」。
また、(37)「前記第(24)項乃至第(36)項の何れかに記載のインクを充填したことを特徴とするインクカートリッジ」。
また、(38)「記録メディアに対し、インクジェットインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字するインクジェットヘッドと、画像を指触乾燥させる乾燥手段と、画像を定着させる定着手段を有し、該記録メディアは、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を塗布してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下のものであり、該インクは、粒子状の色材を含有するものであり、定着手段は、熱源が熱ローラである定着ローラを用いたものであることを特徴とするインクジェット記録装置」、
(39)「互いに圧接するローラ対の少なくとも一方に概ねローラの全長に亘って発熱する全長発熱状態と、所定の部分のみが発熱する部分発熱状態とに選択的に切換可能なヒータを有し、1個の温度センサによりローラ表面温度を検知して上記ヒータを点滅してローラ温度を制御し、上記ローラ対により未定着インクジェット画像を担持する用紙を挟持搬送して定着を行なう、温度制御装置付き定着装置を含むインクジェット記録装置において、該定着装置は温度制御装置により、立上り時及び待機時には上記ヒータは全長発熱状態で上記温度センサによるローラ表面温度の検知により制御され、上記のローラ対に紙を通紙する際には上記ヒータは上記温度センサによるローラ表面温度の検知及び上記ヒータの通電可能範囲における所定時間毎の全長発熱状態と部分発熱状態との切換えにより制御され、上記所定時間が通紙する紙のサイズに応じて設定されていることを特徴とする前記第(38)項に記載のインクジェット記録装置」、
(40)「前記インクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とする前記第(38)項又は第(39)項に記載のインクジェット記録装置」。
また、(41)「前記第(38)項に記載のインクジェット記録装置に用いる定着温度制御装置であって、定着装置と互いに圧接するローラ対の少なくとも一方に概ねローラの全長に亘って発熱する全長発熱状態と、所定の部分のみが発熱する部分発熱状態とに選択的に切換可能なヒータ(A)を有し、1個の温度センサによりローラ表面温度を検知して上記ヒータを点滅してローラ温度を制御し、上記ローラ対により未定着インクジェット画像を担持する用紙を挟持搬送して定着を行なう定着装置の温度制御装置において、立上り時及び待機時には上記ヒータは全長発熱状態で上記温度センサによるローラ表面温度の検知により制御され、上記のローラ対に紙を通紙する際には上記ヒータは上記温度センサによるローラ表面温度の検知及び上記ヒータの通電可能範囲における所定時間毎の全長発熱状態と部分発熱状態との切換えにより制御され、上記所定時間が通紙する紙のサイズに応じて設定されていることを特徴とする定着温度制御装置」。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、インクジェット記録を行う場合に、印字品位が良好であってかつ高速で低コスト、高信頼な記録方法を提供することが可能となったという極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明する。
我々はより低コストで高速なインクジェット記録方法について鋭意研究を進めたところ、浸透性の高い顔料インクと、インク浸透性に劣るメディア、とりわけ白色顔料をコーティングした商業印刷用メディアや出版印刷用メディアを組み合わせ、後処理技術を用いることにより、新たな設計思想に基づく低コストでオンデマンド性の優れた画像形成方法を発明するに至った。
即ち、本発明の構成の超高浸透インクにおいて、インク中の溶剤はある速度範囲で染み込むが、色材粒子自体は浸透しない性質を示す記録メディアに対し、インクの使用量を規制しながら少量のインクでも高画質な画像を作成することができる方法を組み合わせて作像した後、非接触状態でキャリアの吸収時間を確保(予備乾燥)し、その後熱源に直接接触させて基材にダメージを与えずに画像を形成する色材のみ乾燥定着処理することにより、インクジェット印字直後でも十分なハンドリング性を実現することができることを見出した。
従来より、インクジェット記録においてコストをかけずに高速描画をしたい場合、使用するインク滴サイズを大きくし、解像度を下げて描画することが最も効果的である。すなわち1200dpiで作像していたものを600dpiに下げることが行われる。このとき600dpi向けに設定されるインク滴量は、通常はインクを吸収するメディアに印字することを前提に決定されている。すなわち、小滴でドットを形成した場合の2倍のドット径を再現したい場合は、滴径が2倍近い滴を吐出することが行われる。またこのとき、埋まりを良くするために隣接ドットと少しずつ重なるように描画していく。インク滴を球形と仮定した場合、滴径を2倍にすると、滴量は約2.8倍に増加するため、解像度を1/2に落とすことはインク吸収にとって非常に不利である。従来の低粘度で浸透性が低く、他の色と混ざりやすいインクを用いてコーティングされたオフセット印刷用紙のようなインク吸収が遅いメディアに対してこの方法を取ってしまうと、隣接ドットが簡単に融合して、ビーディングや色境界にじみが発生してしまう。逆に隣接ドットと融合しないように間隔を空けると、ドット間が埋まらず、画像濃度が下がったり粒状感が目立つなど画像品位が大きく低下してしまう。また、2次色、3次色を作成する場合、作像上は同じアドレスにドットが置かれるのをなるべく避けるように制御するが、ドット位置精度の問題から見かけ上同じアドレスにドットが着弾してしまったり、高濃度な画像が欲しい場合には同一アドレスに滴を置くことが必要になるため、ますますひどいにじみやビーディングが発生してしまう。
本発明のインクは、これらの点を鑑みて発明されたものであり、通常のインクジェットインクに比べて表面張力が小さいために濡れ性に優れ、ポアの少ないメディアに対してもキャリアの浸透性が強く、かつ微量のキャリアが浸透しただけでインク粘度が大きく上昇する特性を示す。このため従来は隣接ドットが簡単に融合してしまうような浸透性が大きく劣るメディアに対しても着弾後隣接ドットと融合し難く、安定的にドット形成が可能である。さらに、色材はメディア内部にほとんど浸透せずに表面に残るため、同じアドレスに重ねて滴を置く必要が少なく、トータル的に非常に少量のインクでも十分な発色、画像濃度が得られる。
こうして、従来よりもインク総量を非常に抑えた形で描画を行うことにより、メディア内部に浸透させるべきキャリアの量が少なくてすみ、カールやコックリングばかりでなく、印字後の紙の剛度も印字前とほとんど変わらないため、商業印刷用紙のようなインク吸収を考慮していないメディアでも基体にダメージを与えずに印字が可能である。
インク滴をメディア表面に置いた後、キャリアの吸収が完了すると、微量な湿潤剤が含まれた状態で色材がセットされる。ちょうど大豆油を使用したインキを使ってオフセット印刷した直後の状態のようになる。このとき、画像は軽く触れても滲まないが、摩擦されたり、強い圧力が加わると転写してしまう状態にある。本発明ではこの状態のとき熱源と接触させる状態で100℃以上の温度を画像(色材)にかけることにより、色材中の湿潤剤のみがメディア内部に有効に拡散し、色材のオフセットなく非常に短時間で定着が完了することを見出した。従来は顔料インクにこのような手法を用いると加熱部材への色材転写が激しく、事実上困難であったが、本発明のインクは凝集力が強いことに加え、表面張力が小さいことから、接触部材への色材転写が発生しにくく、接触部材による加熱定着が可能となった。加熱定着方法としては熱効率の点や、色材中の湿潤剤のみを加熱するという観点から直接接触による加熱が最も有効である。また色材のみを加熱すれば良く、メディア全体を乾燥する必要は全くないため、基体ダメージや水蒸気結露の問題も防ぐことができる。
<メディアの条件>
本発明のメディアとして適切であるかどうかの指標としては、動的走査吸液計の純水による転移量で判断することができる。即ち、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録用メディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、且つ接触時間400msにおける純水の記録用メディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下である。この条件を満たしたメディアのコート層は本発明のコート層の機能を有しているとみなせ、本発明のインクと組み合わせることで、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードのない、光学的濃度(OD)の高い記録画像を得ることができる。これよりも吸水量が多いと、色材の層中への染み込みや、基体への染み込みが発生し、コート層顔料に色材が隠蔽され、高濃度な画像が得られない。
このような本発明の記録メディアのコート層は樹脂バインダーと顔料を主成分とする構成であるが、樹脂配合量をリッチにすることで転移量は減少する方向に、顔料配合量をリッチにする方向で転移量が増える方向に調整可能である。また、コート層を構成する顔料粒子の比表面積を大きくすること、例えば粒径を小さくしたり、比表面積の大きな種類の顔料を使用することでも、転移量を大きくすることが可能である。
本発明の画像処理方法と本発明におけるコート層に必要な機能は、インク中の顔料と溶剤を分離し、溶剤のみを基体に浸透させることであり、そのためにはコート層がポアを持つような、微細構造を取ることが望ましい。コート層に微細構造が全く存在しないとインク中の溶剤成分の浸透が遅くなるため、インクが乾かない現象が生じやすくなる。但し、微細構造が多すぎると、インク中の色材顔料を分離する機能が低下し、画像濃度低下が発生したり、印字後にメディア表面に存在する色材顔料が経時でメディア内部にマイグレートし、色の変化を引き起こしてしまう。これらの条件を満たせば、いかなる商業印刷用紙や出版印刷用紙をも使用することが可能である。
前記記録用メディアにおいては、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける本発明の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、2〜40ml/mであり、3〜30ml/mが好ましい。また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、1〜30ml/mが好ましく、1〜10ml/mがより好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける本発明の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、3〜50ml/mであり、4〜40ml/mが好ましい。
また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、2〜35ml/mが好ましく、2〜11ml/mがより好ましい。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、ブリードが発生しやすく、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はインクの転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。測定は23℃50%RHで行った。
<インク付着量>
本発明では、インク中の色材の染み込みを防ぎ、効率的にメディア表面近傍に偏在させると同時に、インクの乾燥性を確保するために、インク総量が厳しく制限される必要がある。インク総量とは、画像を形成する際の重要なパラメーターであり、最高濃度のベタ画像を形成する際の単位面積当たりのインク量の事を指す。本発明では、このインク総量を規定することで、インク吸収の悪いメディアに対しても、ビーディングやブリードの少ない均一な画像を形成することが可能となる。逆にこの上限を超えて、従来のインクジェット記録のように多量のインクを使用すると、コート層の色材分離能力が追いつかず、インク溶媒と一緒にインクの色材顔料が浸透してしまったり、インクの溶媒成分の浸透が間に合わず、作像に大きく支障をきたすため、品質の良い画像が得られない。
具体的には、本発明のインクを用いる場合、画像作成時の最大インク付着量(インク総量規制値)は15g/mで良く、それ以下のインク付着量で作像を行うことで、ビーディングやブリードの無い、非常に高画質な画像を得ることができる。また望ましくは12g/m以下であることも判明した。
これは、従来の染料インクとインクジェット専用メディアの組み合わせと異なり、本発明の顔料インクとメディアの場合、色材はメディア表面に堆積した形で存在しており、メディアの表面を覆うのに必要な量の色材があれば、それ以上の色材は無駄となるばかりか、本発明の高浸透インクを用いてさえも、余ったインク溶剤が隣接ドットと干渉し、ビーディングやブリードを発生させてしまうためである。
特に本発明のインクを使用しても、従来のインクジェット記録のようにインクの総量規制値を高く設定してしまうと、ベタ部やシャドー部で多くのインク量が使用され、メディアの色材分離能を超え、画像が滲んだり、乾燥性が大きく低下したりする。
本発明の画像形成に使用するインク総量は、画像濃度が必要な場合でも従来のインクジェット記録方法に比べ極端に少なくて済むことに併せ、従来のインクジェットメディアと違ってメディアのインク吸収能自体は低い方が、色材がメディア表面で均等に広がりやすい。言い換えればメディア表面でインクが薄く広がるが故にインク吸収能力が低くても、乾燥可能であり、かつブリードやビーディングが発生し難いのである。
また、キャリアの浸透量は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量で、容易に調整することができる。さらに印字に必要なインク総量を少なくすることで、従来のインクジェットプリンタに比べインクカートリッジの容量を小さくすることができ、装置のコンパクト化も可能となった。また従来と同様のカートリッジサイズであるならば、インクカートリッジの交換頻度を減らすことができ、より低コストな印字が可能となる。
基本的にこのインク総量は少なければ少ないほどコート層の顔料分離能力が発揮されるが、あまりに少なくすると印字後の画像ドット径が小さくなりすぎてしまうという副作用もあるため、目的とする画像に応じてこの範囲内でインク総量を設定するのが望ましい。
<総量規制>
次に「総量規制」処理について説明する。
総量規制処理は図1のような処理となる。ここで示す総量規制値とはインクが過多に付着することにより発生する現象、例えばインク溢れ(ビーディング)や耐コックリング性低下により発生するコスレや転写、用紙詰まりが発生しないよう評価した結果から求まるインク滴量のことである。
総量規制値の規定の仕方としては、例えば600×600dpi 100×100のマスクサイズにおける滴量(単位はpl)で表すことができる。
本発明にて実施される、前記記録メディア上に印写を行う場合の総量規制値としては、出願者が実験を行ったところ普通紙の総量規制値と同程度、絹目光沢紙における総量規制値の約55%の滴量が妥当である。また、実際に総量規制処理が掛かる事象としては入力値から得られた滴量が総量規制値よりも多い場合であり、その場合、Bkインクの滴量は保存し、CMY各色のインク滴量を減らすことによって、総量規制値以下の滴量に抑える処理を行う。総量規制処理部とγテーブルは順序を逆にすることもできる。
なお本発明においては、インク総量は、重量法を用いて測定した。具体的にはインクジェット専用紙であるスーパーファイン専用紙(エプソン社製)に5cm×20cmの矩形ベタ画像を最高濃度で印字し、印字直後に重量を測定し、印字前の重量を差し引き、その値を100倍してインク総量とした。
<熱処理>
画像と直接接触して加熱する定着装置としては、公知の手段が使用できる。特に図2に示すように、互いに圧接する1対のローラ(1),(2)の少なくとも一方に概ねローラの全長にわたって発熱フィラメント(3)を有するヒータ(4)を内蔵するローラ対により未定着画像を担持する紙(5)を挟持搬送し、画像を紙に定着する熱ローラ定着装置が有効である。熱ローラを用いた加熱定着方式は熱効率が高く安全である等の理由で複写機等にも最も広く使われている。これは、2つのローラを圧接し、そのうちの少なくとも一方のローラを加熱し、この2つのローラの圧接部分(ニップ部)に画像支持体(記録用紙)を通過させることにより、画像を加熱し支持体に定着させる方式である。2つのローラのうちの一方を加熱する場合、加熱する方のローラを定着ローラと呼び、他方のローラを加圧ローラと呼ぶ。定着ローラの内部にはハロゲンランプあるいは電気ヒータ等の熱源が、定着ローラの軸方向に内装されている。定着ローラの外側表面には温度センサーが取り付けられており、ニップ部の温度が定着に適した温度に維持されるように、熱源への電力供給量が制御される。
上記のヒータは、これを内蔵するローラの周面に接するサーミスタ等の温度検知手段(6)によりローラの表面温度を検知し、これが所定の温度を維持するように点滅制御される。この場合、熱ローラ定着装置のヒータは通常、図3に示す如く、定着ローラ(1)内に全長にわたって一本の発熱フィラメント(3)を有するヒータ(4)が内蔵され、定着ローラの長さの中央付近で該ローラの周面に接する温度検知手段(6)の信号により発熱フィラメント(3)の点滅を制御する。
従来、このような加熱定着方式の定着装置においては、軸方向の温度分布を均一にすることが困難であったが、B5やA4サイズの記録用紙等の小サイズな被加熱材が通過する領域(通紙部領域)では、その被加熱材の加熱のために熱が消費されるが、非通紙部領域では被加熱材の加熱に熱が消費されないので蓄熱し、この非通紙部領域のニップ部の温度が、所定温度に維持管理される通紙部領域のニップ部の温度よりも高くなってしまう。
このため、小サイズ被加熱材を連続通紙した後に大サイズ被加熱材を通紙した場合(例えばA4サイズの用紙を連続通紙した後、A3サイズの用紙を通紙する場合)、大サイズ被加熱材に定着ムラやシワが発生したり、色材が溶けて定着ローラに付着し、被加熱材の表面を汚す(この現象をホットオフセットと呼ぶ)などの問題が生じる場合がある。
上記の欠点を改善する目的で、通紙幅に応じて発熱長を切換えるようにしたヒータと、それを用いたローラも使用可能である。図4(a),(b)にその構成の例を示す。図4(a)では、発熱フィラメント(10)の長さが最大サイズ通紙幅より長いヒータ(11)と、発熱フィラメント(12)の長さが短かく中央部のみにあるヒータ(13)との2本のヒータを図5に示す如く定着ローラ(1)内に設けてあり、使用するヒータを切換えることにより、全点灯と部分点灯を切換えるものである。図4(b)に示す例では、発熱フィラメント(14)の中央部所定の長さの両端部でフィラメントに分岐回路を設け、同一のフィラメントを使って全点灯を部分点灯とに切換えられるデュアルフィラメントヒータ(15)である。この場合も、全点灯時の発熱長さは最大サイズの用紙の幅よりも長く設定されている。又、部分点灯長さは小サイズの用紙の通紙幅よりも若干長くされている。
図5は上記の2本ヒータ方式のヒータと通紙幅との関係を示す図である。この方式又はデュアルフィラメント方式のいずれの場合も、大サイズ用紙(7)の通紙時には全点灯、小サイズ用紙(8)の通紙時には部分点灯回路をローラ中央部に接して設けられた温度検知手段(6)、例えばサーミスタにより点滅制御する。
これら定着ローラの表面の材質はシリコンやシリコンゴム、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂が用いられたり、ウレタンゴムや天然ゴム、金属ローラに離型性に優れたシリコーン樹脂やフッ素系樹脂をコーティングしたものが用いられるが、撥インク性と熱安定性に優れるものであれば良く、これらに限定されない。
これら熱定着装置は、プリンタと一体になっていても、別筐体でも良く、必要なときにプリンタに接続して使用することも可能である。
〈指触乾燥〉
プリンタで画像が印字された後、前述の熱定着装置で画像を定着処理するまでに、インク中のキャリアをある程度浸透させておく必要がある。とりわけ、インク中の水や低粘度な溶剤を浸透させ、メディア上の色材が加熱部材に転写しない状態まで粘度を上げておく必要がある。そのため、印字直後から数秒間は指触乾燥時間を確保する必要がある。
この指触乾燥時間は本発明のメディアを使用する場合、インクがメディア上に着弾してから、25℃50%環境下で5秒以上確保することが望ましく、より望ましくは15秒以上である。この時間は長く取る分には構わないが、生産性に影響を与えるため、短い方が望ましい。この時間を短縮するためには外部から熱を加えることが有効であり、熱風乾燥機やドライヤー、マイクロ波など公知の非接触加熱が利用可能である。熱風の発生装置は市販のものでもよく、熱風発生装置(綱島製作所製)やヘアドライヤーなども使用できる。
熱風を使用する場合、40℃以下では効果が期待できない。一方、風温が高すぎるとメディアにダメージを与えてしまうため、180℃以下であることが望ましい。
〈インク定着剤〉
また、さらに本発明の顔料インクの条件としては、インク中に色材顔料の定着を促進する樹脂成分を含むことが望ましい。定着を促進する樹脂成分とは、色材顔料とメディア表面、もしくは色材顔料間の接着力を一定以上に保つものであり、この樹脂成分が無いと印字した後に色材顔料が剥がれやすい。ため、より高い画像信頼性が必要な場合は定着剤を使用すべきである。定着成分は単独でインクに含まれていても、色材粒子の表面に吸着・化学結合されていても良い。この定着剤としては低分子のものでも良いが、樹脂や樹脂エマルジョン、紫外線硬化型樹脂であることが望ましい。
〈インク表面張力〉
また、本発明に必須の顔料インクの条件としては、非常に浸透性が高いものでなくてはならず、その条件とは表面張力が30mN/m以下であることが判明した。表面張力が30mN/mより大きいとインクの浸透が遅く画像が滲んでしまう現象が発生するため、高品位な画像が得られない。表面張力は低ければ低いほど顔料と溶剤の分離能が向上するため、より低いほうが望ましい。インクの表面張力は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量により、容易に調整することができる。
本発明の超高浸透インクは、従来の空隙型インクジェット専用メディアにも印字可能である。但し、本発明の記録メディアに印字した場合と比べてインク吸収速度が速すぎるため、インク滴がメディア表面に着弾した後ドットが濡れ広がる前に溶媒が浸透してしまい、ドット径が小さくなってしまう。その結果濃度の低下や粒状感の増大等が発生し易くなる。そのため高品位な画像を作成するためには本発明の記録メディアよりも解像度を上げて印字する必要が生じてしまうため、印字速度の低下やインク消費量の増大を招く。したがって本発明の記録メディアを使用するほうが望ましい。
前記インクは、25℃における表面張力が、15〜30mN/mであり、15〜25mN/mがより好ましい。前記表面張力15/m未満であると、本発明のノズルプレートに濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなかったり、本発明の記録用メディア上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、30mN/mを超えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
ここで、前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
〈インクの固形分〉
本発明のインクの固形分は、3wt%以上であることが望ましい。この濃度より低いと、乾燥時の粘度上昇が緩やかで、画像が滲みやすい傾向がある。高ければ高いほど良いが、あまりに高いとノズル詰まりが激しくなり、画像に抜け等が生じやすくなる、従って5〜15wt%であることが望ましい。
メディアコート層
−塗工層−
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クローライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
本発明で使用されるメディアのコート層の無機顔料は、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、等を挙げることができる。これらの顔料の中でも、屈折率がなるべく高いものを使用することにより、コート層の厚みを薄くすることができる。但しコストの点からは炭酸カルシウムやカオリンを使用することが好ましい。これらの顔料は、本発明の効果を損なわない限り併用することができ、また、列挙しなかった他の顔料と併用することも出来る。 カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷の風合いとすることが出来るので好ましい。カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80重量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50重量%以上を占めていることが望ましい。カオリンの配合量は、50重量部以上が好ましい。50重量部未満であると、光沢度において十分な効果が期待しにくい。上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90重量部未満がより好適である。
またこれら高屈折率の顔料と、低屈折率のシリカや有機顔料を併用しても良い。有機顔料は例えば、スチレン・アクリル共重合体粒子、スチレン・ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されても良い。有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高・高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができるが、2重量部未満では、前記効果がなく、5重量部を超えると、裏抜けが発生しやすくなり、コスト面からも経済的ではない。有機顔料にはその形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性および塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径が0.2〜3.0μmの範囲にあることが望ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
<コート層構成材料 バインダ>
本発明で使用される色材顔料コート層のバインダーは、コート層を構成する顔料及び基紙との接着力が強いと共に、ブロッキングを起こさない水性樹脂、エマルジョン等であれば特に限定されるものではない。
このような水性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコールや酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどのデンプン類、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、スチレンーアクリル樹脂、イソブチレンー無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢ビエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、スチレンーブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等を挙げることができる。これらの中でも、コストの観点からデンプンやスチレンーブタジエンラテックスを使用することが好ましい。スチレン・ブタジエンラテックスは、モノマーとしてスチレンとブタジエンを含み、必要に応じ他のモノマーを共重合させたり、化学反応により共重合体を変性した、紙塗工用に一般的に使用される共重合体ラテックスで良い。他のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルなどのビニル系モノマーが良く使用されるものである。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものを用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用されるコート層における前記水性結着剤の添加量(バインダー)の使用比率は、全被覆層固形分の50〜70重量%が好ましく、より好ましくは55〜60重量%である。少ないと接着力が不十分となり、インク受容層の強度の低下、内部結合強度の低下粉落ちの発生が懸念される。
本発明のコート層には本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤のほか、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、カチオン性有機化合物等の添加剤を使用しても良い。
コート層に使用される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができるが、これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。またエチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性新油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。前記界面活性剤の添加量は、前記カチオン性有機化合物100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、さらにその他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
また、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクローライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクローライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド)等とを組み合わせて使用するのが好ましい。併用することにより、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
前記カチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量は3〜8meq/gが好ましい。前記カチオン当量がこの範囲であれば上記乾燥付着量の範囲で良好な結果が得られる。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分で0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量は、0.3〜2.0g/mが好ましい。前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/m未満であると、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
本発明で使用される支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
本発明の支持体に使用するパルプは、バージンのケミカルパルプ(CP)、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプなどの木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたバージンのケミカルパルプ、及び、バージンの機械パルプ(MP)、例えば、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプなどの木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作成されたバージンの機械パルプを含有させてもよい。また古紙パルプを用いてもよく、古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
本発明の支持体に用いることができる填料としては、炭酸カルシウムが有効であるが、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類等の無機填料や、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料も併用することができる。
本発明における支持体に使用する内添サイズ剤は、特に限定されるものではなくインクジェット記録用紙に使用される公知の内添サイズ剤の中から適宜選択して使用することができる。好ましい内添サイズ剤としては、例えば、ロジンエマルジョン系サイズ剤等を挙げることができる。支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
内添サイズ剤の使用量は、絶乾パルプ100重量部に対して0.1〜0.7重量部であるが、これに限定されるものではない。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。該白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−塗工層の製法−
本発明の支持体にコート層を塗布により付与する方法としては特に規定しないが、直接塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサイザー法、ロッドメタリングサイズプレスコータ等フィルムトランスファー方式あるいはファウンテンあるいはロールアプリケーション等によるブレードコーター方式等を挙げることができる。
これらの中でも、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げる方法が好ましい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。0.5g/m未満であるとインクを十分吸収することができないためインクがあふれて文字滲みが生じてしまう。逆に20g/mを超えると紙の風合いが損なわれ、折り曲げづらくなったり、筆記具で書き加えづらくなるなどの不具合が生じてしまう。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
コート層の乾燥処理は、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて行うことができる。更に、表面を平滑化するために、あるいは表面の強度を上げるためにカレンダー装置(スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等)で表面仕上げを施しても良い。
本発明の記録用メディアの坪量は、50〜250g/mであることが好ましい。50g/m未満であるとコシがないために搬送経路の途中で記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。250g/mを超えるとコシが大きくなりすぎるため搬送経路の途中にある曲線部で記録用メディアが曲がりきれず、やはり記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。
−インク−
<インク>
本発明に必須な顔料インクは、少なくとも水、粒子上の色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなり、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じて、着色剤の定着剤等のその他の成分を含有してなる。
−着色剤−
前記着色剤としては、顔料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。前記着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。またコート層を浸透しやすくなり、濃度低下を引き起こす。逆に、0.16μmを超えるとノズルが目詰まりやすくなったり、発色性が悪くなってしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
前記着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が
挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが
、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
前記水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
前記酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー 3,4;C.I.フードレッド 7,9,14;C.I.フードブラック 1,2などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック 2,8などが挙げられる。
前記反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
その他の着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、紺青、金属粉などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、アゾメチン系顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、同75、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、同114、117、120、128、129、138、150、151、153、154などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、15:34、16、17:1、22、56、60、63、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,37、C.I.ピグメントグリーン7,36などが挙げられる。
前記顔料としては、少なくとも1種の親水性基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す。)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水性基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記カチオン性親水性基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、これらのいずれかが顔料表面に結合されたものが色材として好適である。
Figure 2008100511
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008100511
本発明においては、前記親水性基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−C10NH 等が挙げられる。
本発明においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。前記顔料と前記分散剤との混合質量比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:3の範囲がより好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
前記着色剤の前記インクにおける添加量は、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。前記添加量が2質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
前記グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記水溶性有機溶剤の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−湿潤剤−
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
前記ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプローラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類の前記インクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
前記湿潤剤の前記インク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤などが挙げられ、
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも特に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される界面活性剤が好適である。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(III)中、Rは、炭化水素基を表す。kは5〜20の整数を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(IV)中、Rは、炭化水素基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表す。L及びpは、1〜20の整数を表す。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。
以下、前記構造式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511
Figure 2008100511

前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(II−5)で表されるものが好適である。
Figure 2008100511
ただし、前記一般式(II−5)中、mは0〜10の整数を表す。nは1〜40の整数を表す。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
前記表面張力としては、25℃で、30mN/m以下であることが好ましく、さらに望ましくは25mN/m以下であることが望ましい。
顔料定着剤としては、任意の樹脂エマルジョンが使用できる。
−樹脂エマルジョン−
前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン‐ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
また目的に応じ、紫外線硬化型樹脂を併用しても良い。
本発明で用いることのできる紫外線硬化型樹脂の具体例としては、例えば公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーを重合したものを挙げることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。 また、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
該pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明のインクは、少なくとも水、着色剤、及び水溶性有機溶剤、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記インクの物性としては、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの粘度は、25℃で、1cps以上30cps以下が好ましく、2〜20cpsがより好ましい。前記粘度が20cpsを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
前記インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
<添加剤、物性>
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(1)〜(4)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(1)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(2)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(3)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(4)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 2008100511
(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、k:5〜20)
Figure 2008100511

(m,nは0〜40)
Figure 2008100511
(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖、nは5〜20)
Figure 2008100511
(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
前記式(1)〜(4)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の記録液の表面張力は、25dyne/cm以下であることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは23dyne/cm以下であることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明の記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明の記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明の記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
本発明によれば、既存の印刷用塗工紙であっても、前記条件を満たすものであれば、良好な画像を形成することができる。
既存の印刷用塗工紙とは、いわゆるアート紙(A0,A1)、A2コート紙、A3コート紙、B2コート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷・出版印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷、グラビア印刷等に用いられるものである。
具体的な商品としては、キャストコート紙として、ミラーコートプラチナ(王子製紙)、エスプリコートC(日本製紙)、等が挙げられる。
アート紙としては、OK金藤N、OK金藤−R40N、SA金藤N、サテン金藤N、サテン金藤−R40N、ウルトラサテン金藤N、ウルトラOK金藤N、金藤片面(王子製紙)、NPi特アート、NPiスーパーアート、NPiスーパーダル、NPiダルアート(日本製紙)、ユトリロスーパーアート、ユトリロスーパーダル、ユトリロプレミアム(大王製紙)、高級アートA、特菱アート、スーパーマットアートA、高級ダルアートA(三菱製紙)、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥特アート、雷鳥ダルアートN(中越パルプ)等が挙げられる。
A2コート紙としては、OKトップコート+(プラス)、OKトップコートS、OKカサブランカ、OKカサブランカV、OKトリニティ、OKトリニティNaVi、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、OK嵩姫、OK嵩王、OK嵩王サテン、OKトップコート+、OKノンリンクル、OKコートV、OKコートNグリーン100、OKマットコートグリーン100、ニューエイジグリーン100、Zコートグリーン100(王子製紙)、オーローラコート、しらおいマット、インペリアルマット、シルバーダイヤ、リサイクルコート100、サイクルマット100(日本製紙)、ミューコート、ミューホワイト、ミューマット、ホワイトミューマット(北越製紙)、雷鳥コートN、レジーナ雷鳥コート100、雷鳥マットコートN、レジーナ雷鳥マット100(中越パルプ工業)、パールコート、ホワイトパールコートN、ニューVマット、ホワイトニューVマット、パールコートREW、ホワイトパールコートNREW、ニューVマットREW、ホワイトニューVマットREW(三菱製紙)、等が挙げられる。
A3コート(軽量コート)紙としては、OKコートL、ロイヤルコートL、OKコートLR、OKホワイトL、OKロイヤルコートLR、OKコートLグリーン100、OKマットコートLグリーン100(王子製紙)、イースターDX、リサイクルコートL100、オーローラL、リサイクルマットL100、<SSS>エナジーホワイト(日本製紙)、ユトリロコートL、マチスコート(大王製紙)、ハイ・アルファ、アルファマット、(N)キンマリL、キンマリHiL(北越製紙)、NパールコートL、NパールコートLREW、スイングマットREW(三菱製紙)、スーパーエミネ、エミネ、シャトン(中越パルプ工業)等が挙げられる。
B2コート(中質コート)紙としてはOK中質コート、(F)MCOP、OKアストログロス、OKアストロダル、OKアストロマット(王子製紙)、キングO(日本製紙)等が挙げられる。
微塗工紙としてはOKロイヤルライトSグリーン100、OKエバーライトコート、OKエバーライトR、OKエバーグリーン、クリーンヒットMG、OK微塗工スーパーエコG、エコグリーンダル、OK微塗工マットエコG100、OKスターライトコート、OKソフトロイヤル、OKブライト、クリーンヒットG、やまゆりブライト、やまゆりブライトG、OKアクアライトコート、OKロイヤルライトSグリーン100、OKブライト(ラフ・ツヤ)、スノーマット、スノーマットDX、OK嵩姫、OK嵩ゆり(王子製紙)、ピレーヌDX、ペガサスハイパー8、オーローラS、アンデスDX、スーパーアンデスDX、スペースDX、セーヌDX、特グラビアDX、ペガサス、シルバーペガサス、ペガサスハーモニー、グリーンランドDX100、スーパーグリーンランドDX100、<SSS>エナジーソフト、<SSS>エナジーライト、EEヘンリー(日本製紙)、カントエクセル、エクセルスーパーB、エクセルスーパーC、カントエクセルバル、ユトリロエクセル、ハイネエクセル、ダンテエクセル(大王製紙)、コスモエース(大昭和板紙)、セミ上L、ハイ・ベータ、ハイ・ガンマ、シロマリL、ハミング、ホワイトハミング、セミ上HiL、シロマリHiL(北越製紙)、ルビーライトHREW、パールソフト、ルビーライトH(三菱製紙)、シャトン、ありそ、スマッシュ(中越パルプ工業)、スターチェリー、チェリースーパー(丸住製紙)等が挙げられる。
また特殊なコート紙として、既に本特許の条件を満たしているものならば本特許のメディアとして代用することができる。例えば一部の電子写真向けコート紙や、グラビア印刷用コート紙が挙げられる。具体的にはPODグロスコート(王子製紙)やスペースDX(日本製紙)、エース(日本製紙)等が挙げられる。これらはコート層の細孔容積が適切であり、本特許のメディアとして使用可能である。
−プリンタ
本発明のインクメディアセットにおけるインクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図6及び図7を参照して説明する。ここで、図6は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図7は図6のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ(200)は、図6に示すように、インク注入口(242)からインク袋(241)内に充填され、排気した後、該インク注入口(242)は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋(241)は、図7に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法では、300dpi以上の解像度において、最大インク付着量が8〜20g/mであることが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記インクメディアセットにおけるインクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、1〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図8に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(201)の脱着を行うための開閉可能な前カバー(115)を有している。
装置本体(101)内には、図9及び図10に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とでキャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図10で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部(105)に装填された本発明のインクカートリッジ(201)から本発明の前記インクメディアセットにおけるインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(103)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ(143))、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(151)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(201)から所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
図13に示すインクジェット記録装置は、図9に示されたインクジェット記録装置に本発明の指触乾燥部と熱定着部(乾燥ユニット)を実装したものである。印字完了後に搬送ベルト(151)から排紙コロ(173)を通して乾燥ユニット側の搬送ベルト(201)に乗り移ったメディアは指触乾燥装置(203)から、必要に応じて、非接触状態で熱エネルギー、もしくは冷風を暴露されて指触乾燥が促進される。指触乾燥が完了したメディアは先端より順に定着装置(202)の定着ローラを通過し、本発明の熱処理が完了する。
図14はより高速な定着処理を行う為に、定着ユニットの定着ローラを2重に設けた場合の基本レイアウト例である。搬送ベルト(A1)によりメディア(A4)が搬送される際、赤外線ヒーター(A2)で指触乾燥が行われる。定着ローラ(A)と加圧ローラ(B)が2重に設けられており、2つのローラを使用することで、ローラが1つの場合の2倍の速度で処理が可能となる。なお、このユニットは図13のようにプリンタに設けても良く、定着装置として個別に設けられていても良い。
このような定着装置は、本発明の定着温度制御装置により制御することができるが、この定着温度制御装置の構成自体は、1個の温度センサにより、互いに圧接するローラ対の少なくとも一方のローラ表面温度をモニタ(検知)して上記ヒータを点滅してローラ温度を制御するものであり、ローラ対に紙を通紙する際には上記ヒータは上記温度センサによるローラ表面温度の検知及び上記ヒータの通電可能範囲における所定時間毎の全長発熱状態と部分発熱状態との切換えにより制御される。例えば、定着ローラや加圧ローラの区分領域ごとの表面温度をモニタし、モニタされた温度信号を例えばコントローラにフィードバックするようなものであって、かつ、設定温度は、予め変更できる(入力できる)所謂通電制御手段と似たものであることができる。
このような定着温度制御装置付き定着装置は、例えば、特公平7−82280号公報に1例が記載されている。図37〜39にその構成例を示す。
図37は、定着ローラ内にほゞその全長に亘る発熱フィラメントを有するヒータ(長ヒータ)(21)と、部分的に発熱フィラメントを有するヒータ(短ヒータ)(20)とを設けた定着装置に本発明を適用した例の回路図である。短ヒータ(20)及び長ヒータ(21)には夫々リレー(SSR1),(SSR2)により交流100Vの電圧が印加可能となっており、リレー(SSR1)及び(SSR2)は温度制御回路(22)からの信号により作動する。温度制御回路(22)は、図38に詳細に示す如く、上記の短ヒータ(20)及び長ヒータ(21)を内蔵するローラに対して1個のみ設けられた温度センサ(23)からの信号と設定温度に対応する信号(Ref).とをコンパレータ(24)で比較し、所定の値以上の差がある場合、温度制御信号がアンドゲート(AND1)及び(AND2)に入力される。アンドゲート(AND1)及び(AND2)には夫々タイマー(25)から、あらかじめ設定された短ヒータ(20)及び長ヒータ(21)に通電可能タイミングの信号が交互に入力され、コンパレータ(24)からの信号と、タイマー(25)からの信号の2つが重なったとき夫々リレー(SSR1),(SSR2)を作動させる信号が出力される。タイマー(25)はコピー枚数のカウンタで代用してもよい。
図39は上記の回路のタイマ(25)からの制御ヒータの切換信号、コンパレータ(24)からの温度制御信号、長ヒータ及び短ヒータを制御するリレー(SSR2),(SSR1)への入力信号のタイミングチャートである。図示するように、待機時には長ヒータのみが、温度制御信号により点滅制御される。次いで、通紙時には、長ヒータに通電可能なタイミングと、短ヒータに通電可能なタイミングとが(T1),(T2)時間ずつ交互に切換えられ、コンパレータからの温度制御信号と、長ヒータ又は短ヒータの通電可能タイミングとが重畳したタイミングに夫々のヒータに通電が行なわれローラの温度制御が行なわれる。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ(201)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ(201)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(201)は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(201)の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピー複合機などに特に好適に適用することができる。
以下、本発明を適用したインクジェットヘッドについて示す。
図11は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図、図12は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と共通液室(1b)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(2a)、加圧液室(2b)となる彫り込みとノズル(3a)に連通する連通口(2c)を形成した流路板(20)と、ノズル(3a)を形成するノズル板と、凸部(6a)、ダイヤフラム部(6b)及びインク流入口(6c)を有する振動板(60)と、該振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、該積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。
ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。内部電極層は両端で外部電極に接続する。
積層圧電素子(50)はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(5f)と支持部(5g)(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
駆動部の個別電極にはFPC8が半田接合されている。また、共通電極は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC8のGnd電極に接合している。FPC8には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部(5f)への駆動電圧印加を制御している。
振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(6b)と、このダイヤフラム部(6b)の中央部に形成した駆動部(5f)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(6a)と、支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(6c)となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板(60)の島状凸部(6a)と積層圧電素子(50)の駆動部(5f)、振動板(60)とフレーム(10)の結合は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着している。
流路板(20)はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部(2a)、加圧液室(2b)となる彫り込み、及びノズル(3a)に対する位置に連通口(2c)となる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室(2b)の隔壁(2d)となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部(2a)とした。
ノズルプレート(30)は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル(3a)を多数を形成している。このノズル(3a)の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル(3a)の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
インク供給口と共通液室(1b)となる彫り込みを形成するフレーム(10)は樹脂成形で作製している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部(5f)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部(5f)に積層方向の変位が生起し、振動板(30)を介して加圧液室(2b)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(3a)からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室(2b)内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(2b)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室(1b)に流入し、共通液室(1b)からインク流入口(6c)を経て流体抵抗部(2a)を通り、加圧液室(2b)内に充填される。
流体抵抗部(2a)は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
<ノズルプレート、インク、メディアの関係説明>
本発明の画像形成方法に用いられるインクのように、比較的低い表面張力を有するインクを用いる場合、ノズルプレートは撥水性、撥インク性に優れていることが望ましい。これは、撥水性、撥インク性に優れるノズルプレートを用いることで、低い表面張力のインクでもインクのメニスカスが正常に形成でき、その結果、インク滴の形成(粒子化)が良好にできるためである。メニスカスが正常に形成されると、インクが噴射する際に一方方向にインクが引っ張られることがなくなり、その結果、インクの噴射曲がりが少なく、ドット位置精度が高い画像を得ることができる。
また、本発明のインクメディアセットに用いられるメディア(用紙)のように、吸収性が低いメディアに印刷する際にはドット位置精度の善し悪しが画像品質に顕著に現れる。つまり、吸収性が低いメディアの上ではインクが広がりづらいため、ドット位置精度が少しでも低くなるとメディアをインクが埋めきらない箇所、つまり、白抜け部が生じてしまう。この埋めきれない箇所は画像濃度ムラ、画像濃度低下につながり、画像品質の低下に現れる。
ところが、本発明で用いるインクジェットヘッドは低表面張力のインクを用いてもドット位置精度が高いため、吸収性が低いメディアを用いてもインクがメディアを埋めることができるため、画像濃度ムラや画像濃度低下にならず、高い画像品質の印刷物を得ることができる。
<撥インク層>
(表面粗さ)
本発明で用いられる撥インク層の表面粗さRaは、0.2μm以下にすることが好ましい。表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
図15、図16は、本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の断面図である。
本実施形態では、インクジェットヘッドの基材であるノズル板(2)がNiの電鋳により作製され、その表面に膜厚0.1μm以上のシリコーン樹脂皮膜である撥インク膜(1)が形成されており、その表面粗さはRa=0.2以下にすることが好ましい。また、撥インク膜(1)の膜厚は0.5μm以上であることがより好ましい。
インク(3)の充填時には、図16(c)に示すように、シリコーン樹脂皮膜による撥インク膜(1)とノズル板(2)の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される。
(ラウンド形状)
インクジェットヘッドのインク吐出用の開口部が開設された面に形成された撥インク膜の該開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成される。
上記した撥インク膜の開口部近傍における形状は、曲面形状であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部近傍の曲線の曲率半径が、該撥インク膜の厚み以上であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部縁端から当該開口部近傍の曲線が略円弧曲線をなし、該円弧の曲率半径が、該撥インク膜の厚み以上であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部縁端を通る接線が、当該端部を含むノズル部材表面からの角度が90度未満であることが好ましい。
ノズル板(2)の開口部は、図16中に一点鎖線で示す中心線に垂直な平面による断面が、この中心線を中心とした略円形となるよう開設されている。また、ノズル板(2)におけるインク吐出面に形成された撥インク膜(1)は、この中心線に垂直な平面による開口部分の断面積がノズル板(2)から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成されている。
より詳細には、撥インク膜(1)の開口部分は、図16(a)に示すように、ノズル板(2)の開口部縁端から開口部近傍の曲線が曲率半径(r)のラウンド形状となっている。この曲率半径rは、撥インク膜(1)の開口部分近傍以外における厚み(d)以上であることが好ましい。
この厚み(d)は、撥インク膜(1)の開口部分であるラウンド部分以外の部分における厚みであり、好ましくは撥インク膜の最大厚みであってよい。
このように、ノズル板(2)の開口部と連接される撥インク膜(1)の開口部分が、略尖鋭端のない形状(尖形部分のないなめらかな曲線)で、引っ掛かり部分のない曲線になっていることにより、ゴムなどの材料で形成されたワイパーでワイピングした場合であっても、尖形部分がワイパーに引っ掛かって撥インク膜(1)がノズル板(2)から剥離するといったことのないようにすることができる。
また、図16(b)に示すように、ノズル板(2)の開口部の中心線を含む平面での断面における、撥インク膜(1)の開口部分縁端を通る接線は、この開口部分縁端に連接されるノズル板(2)の開口部縁端を含むノズル板(2)表面からの角度(θ)が90度未満となっていることが好ましい。
このように、撥インク膜(1)の開口部分縁端での接線とノズル板表面(2)との角度(θ)が90度未満であることにより、図16(c)に示すように、撥インク膜(1)とノズル板(2)との境界部分にメニスカス(液面)(P)が安定的に形成され、他の部分にメニスカス(P)が形成される可能性を大きく減らすことができる。
このことにより、メニスカスの形成面を安定させることができるため、本ノズル板(2)を含むインクジェットヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行う際のインクの噴射安定性を良好なものとすることができる。
本実施形態で用いるシリコーン樹脂としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンが望ましく、特に加水分解反応を伴うものが好ましい。下記の実施例では東レ・ダウコーニング株式会社製のSR2411を用いた。
下記の表1は、本実施形態でのインクジェットヘッドでの撥インク膜(1)における、ノズル板(2)の開口部縁端から開口部縁端近傍の形状と、ノズル周囲のインク溜まり、エッジ剥離、噴射安定性に関して評価した結果である。
Figure 2008100511
撥インク膜(1)のエッジ部(開口部分縁端近傍)に略尖鋭端が含まれる形状の物では、ノズル周囲にインク溜まりが見られ、ワイピングによるエッジの剥離が発生した。
ラウンド形状のものでは、何れもインク溜まりは発生しなかったが、比較例として図17(a)に例示するようなr<dのもので一部エッジの剥離が発生し、図17(b)に例示するようなθ>90度のものでは液滴の噴射が不安定な結果であった。
すなわち、図17(c)に示すように、(r)<(d)のものや、(θ)>90度のものでは、インク(3)の充填時に、撥インク膜(1)とノズル板(2)の境界部分にメニスカス(液面)(P)が形成される場合と、撥インク膜(1’)における開口部分中心に向けての凸部(開口部分における中心線に垂直な断面積が最も小さくなる部分)にメニスカス(Q)が形成される場合とがありうる。このため、こうしたノズル板(2)を含むインクジェットヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行う際のインクの噴射安定性にばらつきが発生してしまうこととなった。
次に、上述した本実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル部材の製造方法について説明する。
図18は、本実施形態に係るディスペンサ(4)を用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク膜(1)を形成する構成を示す図である。
Ni電鋳によるノズル(2)のインク吐出面側にシリコーン溶液を塗布するためのディスペンサ(4)が配置され、ノズル板(2)とニードル(5)先端とが予め定められた一定の距離間隔を保ったままとなるように、ニードル(5)先端からシリコーンを吐出しながらディスペンサ(4)を走査することにより、上述した図15、図16に示したようにノズル板(2)のインク吐出面に選択的にシリコーン樹脂皮膜を形成することができた。
本実施形態で使用したシリコーン樹脂は、常温硬化型シリコーンレジンSR2411(東レ・ダウコーニング株式会社製)粘度:10mPa・sを用いた。ただし、ノズル孔及びノズル板裏面に若干のシリコーンの周り込みが見られた。このようにして選択的に形成したシリコーン樹脂皮膜の厚さは1.2μmであり、表面粗さ(Ra)は0.18μmであった。
本実施形態に係るニードル(5)先端の塗布口は、図19(a)に示すように、塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅だけの幅が確保されている。このことにより、ディスペンサ(4)を塗布方向に1回走査するだけで、塗布対象全体への塗布を完了させることができる。
すなわち、塗布動作のための走査方向を1方向のみとすることができ、図19(b)のように方向を変えたり、反対方向に走査したりといった必要をなくすることができる。
ここで一般のニードル(5)の先端は、図17(b)に示すように、塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅よりはるかに狭いため、塗布対象全体への塗布を完了させるためには、塗布動作のための走査方向を90度変えて移動させたり、反対方向に走査したりして複数方向に走査する必要があり、塗布対象全体への均一な厚みでの塗布が困難であった。
本実施形態によれば、ニードル(5)先端の塗布口の幅が塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅だけ確保されることにより、塗布対象全体に渡って塗布する厚みを均一とすることができ、精度のよい表面仕上がりとすることができる。
図20は、本実施形態に係るディスペンサ(4)を用いた塗布動作を示す図である。基本構成は上述した図18と同様であるが、ノズル板(2)のノズル孔(開口部)から気体(6)を噴射しながらシリコーンを塗布する。この気体(6)としては、塗布するシリコーンと化学反応を起こしにくい気体であれば各種のものを用いてよく、例えば空気であってもよい。
このように気体(6)をノズル孔から噴射しながら塗布を行うことにより、ノズル板(2)のノズル孔を除くノズル表面だけにシリコーン樹脂皮膜を形成することができる。
また、上述のように気体(6)を噴射しないで同様のシリコーン樹脂を用いて塗布し、予め定められた深さまでシリコーン樹脂が進入した後、ノズル(2)から気体(6)を噴射させると、図21に示すように、ノズル内壁の所望の深さ(たとえば数μm程度)までシリコーン樹脂の撥インク層を形成することができる。
すなわち、上述したインク吐出面の撥インク膜(1)に加えて、ノズル板(2)の開口部縁端から予め定められた深さまでごく薄い撥インク膜(1a)(開口部内壁の撥インク膜)を形成することができる。
このようにして作製したノズル板の撥インク膜(1)に対して、EPDMゴム(ゴム硬度50度)を用いてワイピングを実施した。その結果、1000回のワイピングに対してもノズル板の撥インク膜(1)は、良好な撥インク性を維持することができた。また撥インク膜が形成されたノズル部材を、70℃のインクに14日間浸漬処理した。その結果、その後も初期と変わらない撥インク性を維持することができた。
(撥水層膜厚)
図22は、本発明のインクジェットヘッドの一実施例を示した図で、エキシマレーザ加工でノズル孔が形成された状態を示している。ノズル板(43)は樹脂部材(121)と高剛性部材(125)とを熱可塑性接着剤(126)で接合したもので、樹脂部材(121)の表面はSiO薄膜層(122)とフッ素系撥水層(123)を順次積層形成したものであり、樹脂部材(121)に所要径のノズル孔(44)を形成し、高剛性部材(125)にはノズル孔(44)に連通するノズル連通口(127)を形成している。SiO薄膜層(122)の形成には、比較的熱のかからない、すなわち、樹脂部材に熱的影響の発生しない範囲の温度で成膜可能な方法で形成する。具体的にはスパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。
SiO薄膜層(122)の膜厚は、密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さとするのが工程時間、材料費から見て有利である。この膜厚があまり厚くなると、エキシマレーザでのノズル孔加工に支障がでてくる場合があるからである。すなわち、樹脂部材(121)はきれいにノズル孔形状に加工されていても、SiO薄膜層(122)の一部が十分に加工されず、加工残りになることがある。したがって、具体的には密着力が確保でき、エキシマレーザ加工時にSiO薄膜層(122)が残らない範囲として、膜厚1A〜300Aの範囲が適しているといえる。より好適には、10A〜100Aの範囲が適している。実験結果では、SiO膜厚が30Aでも密着性は十分であり、エキシマレーザによる加工性についてはまったく問題がなかった。また、300Aでは僅かな加工残りが観察されたが使用可能範囲であり、300Aを超えるとかなり大きな加工残りが発生し、使用不可能なほどのノズル異形が見られた。
撥インク層の材料はインクをはじく材料であればいずれも用いることができるが、具体的には、フッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料を挙げることができる。
フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を1A〜30Aの厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Aでも20A,30Aでも撥水性,ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮するとより好適には、1A〜20Aが良い。また、フッ素系撥水層(123)の表面には樹脂製のフィルムに粘着材を塗布した粘着テープ(124)が貼り付けられていて、エキシマレーザ加工時の補助機能をはたしている。
また、シリコーン系撥水材料を用いることもできる。
シリコーン系撥水材料としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
上記したシリコーン系撥水材料は加熱硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料は紫外線硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料の粘度が1000cp(センチポイズ)以下であることが好ましい。
図23は、ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図で、レーザ発振器(81)から射出されたエキシマレーザビーム(82)はミラー(83)、(85)、(88)によって反射され、加工テーブル(90)に導かれている。レーザビーム(82)が加工テーブル(90)に至るまでの光路には、加工物に対して最適なビームが届くように、ビームエキスパンダ(84)、マスク(86)、フィールドレンズ(87)、結像光学系(89)が所定の位置に設けられている。加工物(ノズルプレート)(91)は加工テーブル(90)の上に載置され、レーザビームを受けることになる。加工テーブル(90)は、周知のXYZテーブル等で構成されていて、必要に応じて加工物(91)を移動し所望の位置にレーザビームを照射することができるようになっている。ここでレーザは、エキシマレーザを利用して説明したが、アブレーション加工が可能である短波長な紫外光レーザであれば、種々なレーザが利用可能である。
図24は、本発明のインクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程を模式的に示した図で、図24(A)は、ノズル形成部材の基材となる材料を示しており、ここでは、樹脂フィルム(121)として、例えば、Dupont製ポリイミドフィルムであるカプトン(商品名)の粒子無しのフィルムを使用している。一般的なポリイミドフィルムはロールフィルム取り扱い装置での取り扱い性(滑り)からフィルム材料の中にSiO(シリカ)などの粒子が添加されている。ところが、エキシマレーザでノズル孔加工を行う場合には、SiO(シリカ)の粒子がエキシマレーザによる加工性が悪いためノズル異形が発生する。よって、本発明の材料は、SiO(シリカ)の粒子が添加されていないフィルムを使用しているのである。
図24(B)は、樹脂フィルム(121)の表面にSiO薄膜層(122)を形成する工程を示しており、このSiO薄膜層(122)の形成は真空チャンバ内で行われるスパッタリング工法が適しており、膜厚は数A〜200A程度が適しており、ここでは10〜50Aの厚さに形成している。ここで、スパッタリングの方法としては、Siをスパッタした後、Si表面にOイオンを当てることでSiO膜を形成する方法を用いることが、SiO膜の樹脂フィルム(121)への密着力が向上すると共に、均質で緻密な膜が得られ、撥水膜のワイピング耐久性向上により効果的であることがわかった。
図24(C)は、フッ素系撥水剤(123a)を塗布する工程であり、塗布方法としては、スピンコータ、ロールコータ、スクリーン印刷、スプレーコータなどの方法が使用可能であるが、真空蒸着で成膜する方法が撥水膜の密着性を向上させることにつながるので、より効果的であることが確認された。また、その真空蒸着は、図24(B)でのSiO薄膜層(122)を形成した後、そのまま真空チャンバ内で実施することでさらに良い効果が得られることもわかった。すなわち、従来は、SiO薄膜層(122)を形成後、一旦真空チャンバからワークを取り出すので、不純物などが表面に付着することにより密着性が損なわれるものと考えられる。なお、フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、フッ素非晶質化合物としてパーフルオロポリオキセタンまたは変形パーフルオロポリオキセタンまたは双方の混合物を使用することで、インクに対する必要な撥水性を得ることができた。前述のダイキン工業製「オプツールDSX」は「アルコキシシラン末端変性パーフルオロポリエーテル」と称されることもある。
図24(D)は、撥水膜蒸着後の空中放置工程であり、これによりフッ素系撥水剤(123a)とSiO薄膜層(122)とが、空気中の水分を仲介として化学的結合をし、フッ素系撥水層(123)になる。
図24(E)は、粘着テープ(124)を貼り付ける工程であり、フッ素系撥水層(123)の塗布された面に粘着テープ(124)を貼り付ける。この粘着テープ(124)を貼るときには気泡が生じないように貼り付けることが必要である。気泡があると、気泡のある位置に開けたノズル孔は、加工時の付着物などで品質の良くないものになってしまうことがあるからである。
図24(F)は、ノズル孔(44)の加工工程で、ポリイミドフィルム(121)側からエキシマレーザを照射してノズル孔(44)を形成する。ノズル孔(44)の加工後は、粘着テープ(124)を剥がして使用することになる。なお、ここでは、図22で説明したノズル板(43)の剛性を上げるために用いられる高剛性部材(125)は説明を省略したが、この工程に適用すれば、図24(D)工程と図24(E)工程の間に実施するのが適当である。
図25は、本発明におけるインクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置について概要を示す図で、この装置(200)は、USAのOCLI(OPTICAL COATING LABORATORY INC.)が開発した、「メタモードプロセス」と呼ばれる工法を装置化したものであり、ディスプレイなどの反射防止・防汚膜の作製に使用されている。図にあるように、ドラム(201)の周囲4個所にステーションであるSiスパッタ(202),Oイオンガン(203)、Nbスパッタ(204)、オプツール蒸着(205)が配置されて、全体が真空引きできるチャンバの中にある。先ずSiスパッタ(202)によりSiをスパッタし、その後、Oイオンガン(203)によりOイオンをSiに当ててSiOとする。そのあとNbスパッタ(204)、オプツール蒸着(205)でNb、オプツールDSXを適宜蒸着する。反射防止膜の場合は、NbとSiOを所定の厚さで必要層数重ねた後蒸着することになる。本発明の場合は、反射防止膜の機能は必要ないので、Nbは不要でSiO,オプツールDSXを1層ずつつければ良い。この装置を使用することで、上述したように、SiO薄層(122)を形成した後、そのまま真空チャンバ内でオプツールDSXの真空蒸着を実施するのが可能となる。
(臨界表面張力)
撥インク層の臨界表面張力は5〜40mN/mであることが好ましい。さらに、5〜30mN/mであることがより好ましい。30mN/mを超えると、長期の使用においてインクがノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、繰り返し印刷をしているとインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。また、40mN/mを超えると、初期からノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、初期からインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。
表2に記載する撥インク材料をアルミニウム基盤上に塗布し、加熱乾燥することで撥インク層つきノズルプレートを作成した。撥インク層の臨界表面張力を測定したところ表2のようになった。
Figure 2008100511
臨界表面張力はZisman法で求めることができる。つまり、表面張力が既知の液体を撥インク層の上にたらし、接触角θを測定し、液体の表面張力をx軸にCOSθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる。(Zisman Plot) この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力を臨界表面張力γcとして算出することができる。その他の方法として、Fowkes法、Owens and Wendt法、Van Oss法を用いて臨界表面張力を求めることもできる。
<作像方式>
本発明で使用する画像処理方法は、総量規制以外は特に限定はしないが、解像度が高い元画像を高速に転送し、しかも、元画像の解像度を損なわずに印字することが望ましい。本発明ではコンピューター等の制御部で画像データを圧縮し、高速でプリンタに転送し、プリンタ側で簡易な画像復元を行う手法をもって、高速転送と解像度の維持を確保することができる。
以下、具体的に説明する。
記録したい画像の解像度が高ければ、また、画像の階調数が高次の場合、入力画像の容量が大きくなり、記録装置への転送をはじめ、記録する画像を扱うホスト側においても、記録装置内においても時間がかかる。そこで、本発明では、入力画像の、例えば、2×2の4画素を一つの画素と見立てる。それにより、入力画像の情報量は4分の1になり、必然的に、記録に要する時間が短縮される。尚、入力画像の2×2画素を一つの画素と見立てることで、解像度に関して縮小されることになるが、その防止策については、後述する。
一方、複数の記録素子を集積配列してなる記録素子列を使用する場合、例えば、図26に示す、16個の記録素子列を主走査方向に配置したインクジェット記録素子列を用いて、4回のマルチパスによる記録を行うことで、記録メディアの同一画素を記録可能な記録素子は、図26の記録素子列の内、一列(6−a)で説明すると、記録素子a−1−1,a−2−1,a−3−1,a−4−1の計4個から選択することができる。
上述したように、同一画素に複数のインクドットを形成する記録方法では、図26に示す記録素子列を例にとると、同一画素に2個のインクドットを記録する場合、42=6通りの組合せをとることができる。
さらに、複数の濃淡インクを使用する場合や、複数の同一濃度のインクを吐出する記録素子列を用いる場合、記録素子から大ドット、小ドットといったインク滴容量の異なるインクを吐出する場合には、上述した組合せは増加していく。例えば、濃インクの記録メディア上での光学濃度が、淡インクの実質的に2倍の濃度を示すような濃淡インクの組合せや、大ドットの容量が小ドットのおよそ2倍の組み合わせを用いるときは、以下のようになる。
図27は、淡インク(Aインク)の大小ドットを記録可能な記録素子列(6−a,6−b)と、濃インク(Bインク)の大小ドットを記録可能な記録素子列(6−c,6−d)からなるインクジェット記録素子列を示している。ここで、最も多くインク滴を、実質的に同一画素に着弾させる制限を、最大で大ドット2発、小ドット2発とした場合、表現できる階調値は、多種多様な組み合わせをとる。
どの記録素子を使用して、その画素に記録するかの組合せを考慮すると、例えば、ある階調値を再現する際、記録素子列が、4回、記録画素上を通過するとした場合、どのパスで、どのインクドットを記録するかの組み合わせは、多数存在することになる。そこで、本発明では、どのノズルを駆動させるかという組み合わせをテーブル(記録素子組合せテーブル:第2テーブル)として記憶しておき、入力画像に応じて、その組み合わせを選択するという手法をとる。
ここでは、上述した多数の記録素子組合せテーブルより、濃淡インクを記録するドット数と、どの記録素子により記録するかを一元的に管理することで、実際に使用する一連の記録素子組合せを選択する。
尚、記録素子組合せテーブルは、インクの濃度の種類、インクの滴サイズの種類、記録素子の数、マルチパスのパス数が増すごとに、選択しうる組合せ数が膨大になるので、実際は、いくつかの限られた数の組合せを記憶しておくのが望ましく、そうすることが、画像記録の高速化に貢献する。その際、インクの総量が本特許の制限を満たすよう組み合わせを制限しておくこともできる。
図29は、このように記憶された記録素子の組み合わせパターンの一例であり、同図のa〜oに示すように、2×2画素の内部で、同じ階調値を記録する場合でも、各単位画素ごとに見ると、その階調値が大きかったり、小さかったりすることが分かる。これを記録画素内の濃度分布(記録画素の濃度分布パターン)と称する。
記録画素内の濃度分布を、上述した記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)と併せて、例えば、図29に示す分類a〜oで、その記録インク組み合わせテーブルに格納する。図30は、このようにして作成した記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)の例であり、ここでは簡略のため、5パターン(パターン1〜5)にしてある。図30に示す数値は、2×2の記録画素に、最大16発のインク滴を記録する場合の各パターンを構成する、単位画素へ記録するインク滴の数である。
入力画像の画素値から、記録インク組み合わせテーブルのいずれを使用するかの選択をすることで、入力画像の単位画素の階調値と、記録画像の単位画素の階調値が、組み合わせテーブルによって一致させることができない場合も生じる。しかし、階調が多少、異なることがあっても、入力画像の情報量を低減させて画像データを展開することができ、なおかつ、解像性を犠牲にせずに、画像記録を行える。
尚、入力画像の画素の階調値から、記録インク組み合わせテーブルのパターンを選択する方法については、特に限定しないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
入力画像の2×2画素の階調値の合計と平均から、着目する単位画素(例えば、2×2画素の左上の画素)が、一定値以上、離れている場合、2×2の4画素の特徴に応じたパターンを選択する。しかし、注目する画素が、上記平均値と一定値以上、離れていない場合には、他の3画素も離れていないと予想する、といった方法がある。
このようにして選択された一連の記録素子組合せパターンの中から、入力画像に基づいて、各画素毎に、使用する階調値および記録素子組合せを決定することになる。そして、ほぼ同一濃度となる階調値の組合せ、パターン、および記録素子組合せが複数、存在する場合、より具体的には、A,B,Cという3種類の組み合わせが、ほぼ同一の階調値となる場合、その階調値を表現する際には、画素ごとに順次、ABCABCABC…というように、3種類の記録素子組合せを使用する。
あるいは、ACBCBABBCAA…というように、3種類の記録素子組合せをランダムに使用することが好ましい。尚、このランダム化の方法は、特に限定しない。
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成および動作について説明する。尚、ここでは、600dpiの高精細な白黒256階調の医療用X線透過画像を、黒のインクを使用し、かつ、一単位画素に最大4つのインク滴を着弾可能で、一記録画素を2×2の4単位画素で構成して、記録画素内において最大8つのインク滴を着弾できる場合を説明する。
図31は本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図中、(1)は画像入力部、(2)は操作部、(3)は各種処理を行う中央制御部(CPU)、(4)は各種データを記憶する記憶媒体で、テーブル形式の記録素子組合せ情報(4a)と各種制御プログラム群(4b)が格納されている。また、(5)はRAM、(6)は画像処理部、(7)は画像出力制御を行うプリンタ制御部、(8)は各種構成要素を相互に接続する各種データを転送するバス部(バスライン)である。
画像入力部(1)は、例えば、スキャナやデジタルカメラ等で構成される。操作部(2)は、各種パラメータの設定や記録開始を指示する各種キーを備えている。CPU(3)は、記憶媒体(4)中の各種プログラムに従って、本インクジェット記録装置全体を制御する。
記憶媒体(4)には、制御プログラムやエラー処理プログラムに従って、本インクジェット記録装置を動作させるためのプログラム等が格納されている。このインクジェット記録装置の動作は、全て、このプログラムによる動作である。プログラムを格納する記録メディア(4)としては、例えば、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスク等を用いることができる。
RAM(5)は、記憶媒体(4)中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア、および画像処理時のワークエリアとして用いられる。また、RAM(5)は、記録メディア(4)中の各種テーブルをコピー後、そのテーブルの内容を変更し、変更後のテーブルを参照しながら、所定の画像処理を進めることも可能である。
画像処理部(6)は、入力画像をもとに、インクジェット方式で多階調を実現するための吐出パターンを作成する。プリンタ部(7)は、画像記録時に画像処理部(6)で作成された吐出パターンに基づいて、ドット画像を形成する。また、バスライン(8)は、本インクジェット記録装置内のアドレス信号、データ、制御信号等を伝送する。
上述した記録素子組合せ情報(4a)には、さらに、使用するインクに関するデータが蓄積されている。ここで使用するインクは、1種類であるが、後述するように、同系色で濃度の異なるインクドットを記録する目的で、淡インク、濃インクを用意してもよく、多くの階調値を再現するのに有用である。
これらインクを用いて、1単位画素を最大4つのインクドットで形成するとした場合、例えば、単位画素を2×2配列した4単位画素からなる記録画素で表すことのできる記録インク組み合わせテーブルは、多岐に渡る。そこで、本実施形態では、これらの中から、各階調値ごとに、2×2のマトリクスの左上の濃度が高く偏っているパターン、右上が偏っているパターンという4種類と、偏りの少ないパターンの計5種類ずつ、記録画素単位に8+1値で、計144+1個の記録インク組み合せテーブルを使用する。
図32〜図34は本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)を示している。
図中の記載数字の内、「1」は、インク滴の吐出を意味する。また、便宜上、これらのテーブル中、2×2のマトリクスの位置に関する情報として、左上、右上、左下、右下の画素を、それぞれ順番にLU,RU,LL,RLとし、その単位画素が、他の単位画素よりも濃度が高く偏っているインク組み合わせテーブルのグループを濃度パターンとして表記した。
上記濃度レベルは、1画素に対して吐出したインク数と、インクの色素含有量の合計とに完全に比例するものではないが、概ね、特に低濃度部分の反射の記録メディアや、透過の記録メディアでは、実用上、問題はない。
図32は本実施形態に係るインクジェット記録装置における画像処理の流れを示すフローチャートである。
以下、これらの図32〜図35を参照して、本実施形態に特有の画像処理について説明する。
図33〜図35に示す記録素子組合せテーブルを使用する場合、図33のステップS101で入力した256階調の入力画像は、その階調数を2+1値(/600dpi)に変換する必要がある。そこで、図31の画像処理部(6)で、2+1値の多値誤差拡散の処理を行う(ステップS102,ステップS103)。尚、ここでは、この処理に多値誤差拡散法を使用するが、かかる方法に限定されるものではなく、例えば、平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を使用することができる。
多値誤差拡散法が、通常の誤差拡散法と大きく異なる点は、2値化するためのしきい値が、複数個(ここでは、2個)存在することである。これらのしきい値は、通常、階調値の中点として決定してもよい。
多値化処理されたデータは、画像処理部(6)において、記憶媒体(4)内の記録素子組合せ情報(4a)を参照しながら、より具体的には、図33〜図35の記録インク組合せに従って、各記録素子に対して、吐出/非吐出の駆動信号に分配される。ここでは、もとの画像データが600dpiであるから、多値化されたデータは、600dpiで2+1値、つまり、「0」、「1」、「2」の3値を有している(図35のステップS103)。
そこで、ステップS104において、着目する記録画素の平均値と左上ドットとに差があるかどうかを判定する。例えば、着目する2×2の記録画素((I1,J1)と表現する)について、左上の単位画素(i1,j1)の階調値が2、右上の単位画素(i1+1,j1)が1、左下の単位画素(i1,j1+1)が1、右下の単位画素(i1+1,j1+1)が0の場合について説明する。この場合、濃度傾斜情報は、左上の濃度が高いので、図29に示す階調の「a」に相当する、「LU」の濃度パターンを選択する(ステップS105,ステップS110)。
また、この2×2の記録画素自体の階調値は、4/8であるから、図34に示す濃度4(階調値4)の記録素子組合せ情報の内、濃度傾斜情報が「LU」のパターン情報(つまり、No.45〜48の組合せ)に基づいて、データを分配することが決定される。実際には、これら4組の組み合わせの中から、順次、あるいはランダムに選択する(ステップS115,ステップS116)。
以上の処理を行うことによって、注目した記録画素一画素分の処理が終了する。続く2×2の記録画素(I2,J2)についても同様の処理を行う。
すなわち、その記録画素の左上の単位画素(i2,j2)の階調値が2、右上の単位画素(i2+1,j2)が2、左下の単位画素(i2,j2+1)が2、右下の単位画素(i2+1,j2+1)が1のとき、その濃度傾斜情報は、図29に示す階調の「l」に当たる。このパターンは、必ずしも上記LU,RU,LL,RLのいずれかに属すると判定し難いので、ここでは簡略のため、「AVE」を選択する(ステップS114)。
また、この記録画素の階調値は8/8であるから、図35に示す濃度8(階調値8)の記録素子組合せ情報から、濃度傾斜情報が「AVE」のパターン情報(つまり、No.141〜144の組合せ)に基づき、データを分配することが決定される(ステップS115,S116)。
他の記録画素についても同様に、その画像の濃度データをもとに、上述した処理を全画素数分、繰り返すことにより、それぞれの記録素子列に対する各画素ごとの吐出/不吐出の、2値の駆動信号が形成される(ステップS120〜ステップS123)。
図36は、マルチ(4)パス記録方式を示しており、Aインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド6−a、Aインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド6−b、Bインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド6−c、Bインクを吐出する記録素子列を持つ記録ヘッド6−dによって、各パスの記録を行う。
本実施形態では、上述したように、順次、全画素を処理し、図26,図27,図28の記録素子列を有するインクジェット記録装置によって、4パス記録で記録する。
以上説明したように、本実施形態によれば、入力画像の隣接する単位画素を合体させた領域を記録画素とし、その記録画素ごとに、あらかじめ決めた、入力画像に応じた階調値パターンを選択することで、入力画像の解像性を落とさずに、画像データの情報量を約4分の1に減じることができ、画像記録の高速化、および制御部(CPU)に対する負担を低減することができる。
また、少なくとも同一単位画素に2重のインク滴を記録したり、少なくとも大小2種のドット径によるインク滴を記録したり、同系色について少なくとも濃淡2種のインク滴を記録するインクジェット記録方法であって、記録画像の構成単位である記録画素を構成するいくつかの単位画素に、必要に応じて単一もしくは複数のインク滴を吐出して記録する画像記録方法においては、複雑な画像処理を行うことなく、パターン化された吐出、非吐出の駆動信号の制御データを扱うこととなるので、効果的である。
さらに、記録素子組合せ情報を、同一な階調値について複数、用意し、順次、あるいはランダムに、異なる記録素子組合せ情報に応じて記録することで、各種のインクが、同一の記録素子からしばらくの間吐出されないと行った状況が減り、同時に、ある一定面積以上を同一の記録素子からインクドットを形成するという状況もなくなり、記録ヘッドを交換した場合においても、特性の変化を抑えることができ、積極的かつ効果的に記録素子の特性のばらつきに対処できる。
また、単純な信号処理アルゴリズムで、より高速、簡易な処理によって、階調性が良好で、「よれ」等による劣化の少ない画像を得ることができ、情報として低解像度データで記録しても、良好な階調画像を得ることができる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に前記インクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
−顔料インクの調整−
(製造例1)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(製造例2)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントレッド122に変更した以外は、製造例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(製造例3)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントイエロー74に変更した以外は、製造例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(製造例4)
−カーボンブラック分散液の調製−
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製、商品名:モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した。その後、次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃にて8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液とした。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。
(製造例5)
−カーボンブラックのポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変更した以外は、製造例1と同様にして、黒色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
(製造例6)
−ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散体の調製−
表面積が230m/gであり、かつDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8〜9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散体とし、ポリプロピレンの0.5μmフィルターにてろ過してカーボンブラック分散体とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は99nmであった。
(製造例7)
−スルホン化剤処理したカーボンブラック分散体の調製−
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製、「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度10質量%のカーボンブラック分散体とした。このものを1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック体とした。平均粒子径は80nmであった。
次に、上記製造例1〜7で得たポリマー微粒子分散体及びカーボンブラック分散液を用いてインク組成物を製造した。
(製造例8)
−シアンインク組成物1の調製−
製造例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。粘度の測定は、粘度測定装置(東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて、25℃で行った。
(製造例9)
−マゼンタインク組成物1の調製−
製造例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例10)
−イエローインク組成物1の調製−
製造例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例11)
−ブラックインク組成物1の調製−
製造例7のカーボンブラック分散液20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、R−(OCHCHOH(ただし、式中、Rは炭素数12のアルキル基、n=9)2.0質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及び2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
−染料インクの調製−
(製造例12)
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)を用いて加圧濾過し染料インクセットを調整した。
染料インク組成:
染料種
イエロー C.I.ダイレクトイエロー86
シアン C.I.ダイレクトブルー199
マゼンタC.I. Acid Red 285
ブラック C.I.ダイレクトブラック154
処方
染料 4部
グリセリン 7部
チオジグリコール 7部
尿素 7部
アセチレングリコール 1.5部
水 73.5部
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は4mPa・s、表面張力は約35dyne/cmであった。
−原紙製造−
(製造例13)
−支持体1の作製−
・LBKP 80質量部
・NBKP 20質量部
・軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業株式会社製)10質量部
・硫酸アルミニウム・・・1.0質量部
・両性澱粉(商品名:Cato3210、日本NSC株式会社製) 1.0質量部
・中性ロジンサイズ剤 0.3質量部
(商品名:NeuSize M−10、ハリマ化成株式会社製)
・歩留まり向上剤(商品名:NR−11LS、ハイモ社製) 0.02質量部
上記配合の0.3質量%スラリーを長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー仕上げをして坪量79g/mの支持体1を作製した。なお、抄紙工程のサイズプレス工程で、酸化澱粉水溶液を固形分付着量が片面当り、1.0g/mになるように塗布した。
実施例1
作製した支持体1に、顔料として粒子径2μm以下の割合が97重量%のカオリン70部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30部、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン8部、リン酸エステル化澱粉1部、助剤としてステアリン酸カルシウム0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが5μmになるように、ブレードコーターを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、スーパーカレンダー処理を行い、本発明の記録用紙1を得た。
製造例1〜14にて製造したインク組成物からなる黒、イエロー、マゼンタ、シアン、インクセット1を調製し、得られたインクセット1と、記録用紙1とを用いて、300dpi、ノズル解像度384ノズルを有するドロップオンデマンドプリンタ試作機を使用し、画像解像度600dpiにて印字を行った。大滴サイズは20plとし、中滴サイズは10pl,小滴サイズは2plとした。二次色の総量規制を140%にして付着量規制を実施しした。ベタ印字の際は300dot四方のインク総量が15g/mを超えないよう、ベタ画像、及び文字を印写した。印字後、23℃50%RH環境で15秒間画像面を上にして放置した後、図14に示す定着装置に通し、150℃で0.8秒間ニップ処理を行った。
得られた画像について画像品位、画像信頼性を評価した。結果は表3に示した。
評価結果に×が示してあるものは、インクジェット画像として不適切である。
なお、インクジェットプリンタのノズルプレート面にはシリコーン樹脂皮膜(室温硬化型シリコーンレジンSR2411、東レ・ダウコーニング株式会社製)が形成されており、その厚みは1.2μmであり、表面粗さ(Ra)は0.18μm、臨界表面張力は21.6mN/mであった。これに製造例8のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔課程をビデオ撮影して観察したところ、正常にインク滴化しており、吐出安定性が良好であることを確認した。
実施例2
実施例1のメディアを商業印刷用紙のOKトップコート+(王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例3
指触乾燥時に120℃の温風を当てた以外は実施例2と同様にして印字した。
実施例4
実施例2で定着温度を180℃に変えた以外は実施例2と同様にして印字した。
実施例5
実施例2で定着温度を90℃に変えた以外は実施例2と同様にして印字した。
実施例6
実施例2でインク付着量を15g/mとした以外は実施例2と同様にして印字した。
実施例7
実施例1のメディアを商業印刷用紙のOK金藤+127g/m(王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例8
実施例1のメディアを商業印刷用紙のSA金藤+127g/m((王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例9
実施例1のメディアを商業印刷用紙のスーパーMIダル70g/m(日本製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例10
実施例1のメディアを商業印刷用紙のオーローラコート100g/m(日本製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例11
実施例1のメディアを商業印刷用紙のアルファマット80g/m(北越製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
実施例12
実施例1のメディアをジェルジェット用紙のリコービジネスコートグロス100 100g/m(リコー製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例1
実施例2で指触乾燥を行わなかった以外は実施例2と同様にして印字した。
比較例2
実施例2で定着装置を熱ローラから赤外線ヒータ(ウシオ電機)に変えた以外は実施例2と同様にして印字した。
比較例3
実施例2でインク付着量を20g/mとした以外は実施例2と同様にして印字した。
比較例4
実施例1のメディアをインクジェット用紙のクリスピア(エプソン製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例5
実施例1のメディアをインクジェット用紙のスーパーファイン紙(エプソン製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例6
実施例1のメディアを商業印刷用紙のミラーコートプラチナ127g/m(王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例7
実施例2のプリンタをPixus iP4200(キヤノン)に変え、光沢紙きれいモードで印字した後、実施例2と同様の後処理を行った。
比較例8
比較例7の用紙をOK金藤+(王子製紙製)に変えた以外は実施例7と同様に印字した。
比較例9
比較例7のメディアを商業印刷用紙のSA金藤+127g/m(王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例10
比較例7のメディアを商業印刷用紙のスーパーMIダル70g/m(日本製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例11
比較例7のメディアを商業印刷用紙のオーローラコート100g/m(日本製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例12
比較例7のメディアを商業印刷用紙のアルファマット80g/m(北越製紙製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例13
比較例7のメディアをジェルジェット用紙のリコービジネスコートグロス100 100g/m(リコー製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例14
比較例7のメディアをインクジェット用紙のクリスピア(エプソン製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例15
比較例7のメディアをインクジェット用紙のスーパーファイン紙(エプソン製)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
比較例16
比較例7のメディアを商業印刷用紙のミラーコートプラチナ127g/m(王子製紙)に変えた以外は実施例1と同様にして印字した。
(評価項目とその測定方法)
<動的走査吸液計による純水転移量の測定>
各記録用メディアについて、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、25℃50%RHにて、純水の転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めた。
<画像濃度>
実施例及び比較例のマゼンタべた画像部の光学濃度をX-Rite932にて測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:マゼンタ画像濃度 1.6以上
○:マゼンタ画像濃度 1.3以上
△:マゼンタ画像濃度 1.0以上
×:マゼンタ画像濃度 1.0未満
<画像にじみ>
各画像プリントのグリーンべた画像部のビーディングと黄地中の黒文字のブリードの程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ビーディング、ブリードの発生なく均一な印刷である。
○:かすかにビーディング、ブリードの発生が認められる。
△:明確にビーディング、ブリードの発生が認められる。
×:甚だしいビーディング、ブリードの発生が認められる。
<光沢感の評価>
各画像プリントの画像部の光沢感の程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:高い光沢感がある。
○:光沢感がある。
×:光沢感が認められない。
<小滴バンディング>
小滴を使用してグレーのハーフトーンベタ画像を印字し、バンディング(スジ)の発生状況を目視で評価した。
〔評価基準〕
○:バンディングがないか、ほとんど目立たず、均一な画像である。
×:バンディングが目立ち、均一性に劣る。
<画像乱れ>
定着ローラーによる処理を行なった後、排紙された画像において、目視にて細線のつぶれや画像の滲みが確認されたものは×、確認されなかったものを〇とした。
<画像オフセット>
画像をローラーで熱処理する際、画像からローラーへ色材転写が転写し、さらに転写した色材がメディアに再転写することによりオフセット画像が生じるか否かについて、目視で判定した。オフセットが確認されたものについては×、確認されなかったものについては〇とした。
<定着>
定着処理を行なった画像を指で10往復摩擦し、目視にて色材の剥がれやにじみが酷いものを×、軽度ににじみが発生したものを△、剥がれやにじみのないものを〇とした。
<ブリスター>
定着処理後にメディア上を目視で観察し、はっきりとブリスターが確認されたものを×、極一部に微小なブリスターが確認されたものを△、全く確認されなかったものを〇とした。
Figure 2008100511
本発明の記録方法は、一般の商業用印刷用の用紙に近い風合いの記録用メディア、もしくは一般の商業・出版用紙のうち、条件を満たすものを用いて、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードの生じない印字品位の優れた光沢感のある記録画像を高速に提供することができ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。また得られた印字物は画像の耐擦性に優れ、印字後すぐのハンドリングにも支障がない。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、印刷機などに特に好適に適用することができる。
本発明における総量規制処理の流れを示すフローチャートである。 従来における加熱定着方式の定着装置を示した図である。 従来における熱ローラ定着装置のヒータを示した図である。 熱ローラ定着装置の2本ヒータ方式のヒータを示した図である。 2本ヒータ方式のヒータと通紙幅との関係を示す図である。 本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図6のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。 インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要部拡大断面図である。 インクジェット記録装置と定着装置の全体構成を説明する概略構成図である。 外付け定着装置の1例の全体構成を説明する概略構成図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の断面図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の別の断面図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の更に別の断面図である。 本実施形態に係るディスペンサを用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク膜を形成する構成を示す図である。 本実施形態に係るニードル先端の塗布口の説明図である。 本実施形態に係るディスペンサを用いた塗布動作を示す図である。 インクジェットヘッドノズル板の別の断面図である。 本発明のインクジェットヘッドの一実施例を示した図である。 ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図である。 本発明のインクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程を模式的に示した図である。 本発明におけるインクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置について概要を示す図である。 記録素子列を示す図である。 記録素子列を示す図である。 記録素子列を示す図である。 記録素子の組み合わせパターンの一例である。 記録インク組み合わせテーブル(第1テーブル)の例である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置における画像処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)である。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)である。 本実施形態に係る記録インク組み合せテーブル(第2テーブル)である。 マルチ(4)パス記録方式を示した図である。 本発明の定着温度制御装置の回路の1例を示す回路図である。 その温度制御回路の一例を示す回路図である。 そのタイミングチャートである。
符号の説明
(図2〜図4)
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 発熱フィラメント
4 ヒータ
5 紙
6 温度検知手段
7 用紙
8 用紙

10 発熱フィラメント
11 ヒータ
12 発熱フィラメント
13 ヒータ
14 発熱フィラメント
15 デュアルフィラメントヒータ
(図6、図7)
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
(図8、図9、図10、図13)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
201 インクカートリッジ
202 定着装置
203 指触乾燥装置
(図11、図12)
1b 共通液室
2a 液体抵抗部
2b 加圧液室
2c 連通口
2d 隔壁
3a ノズル
5f 駆動部
5g 支持部
6a 凸部
6b ダイヤフラム
6c インク流入口
10 フレーム
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
(図15〜図21)
1 撥インク膜
1’ 撥インク膜
1a 撥インク膜
2 ノズル板
3 インク
4 ディスペンサ
5 ニードル
6 気体
d 開口部分近傍以外における厚み
r 曲率半径
θ ノズル板平面からの角度
P メニスカス
Q メニスカス
(図22、図24)
43 ノズル板
44 ノズル孔
121 樹脂部材
122 薄膜層
123 フッ素系撥水層
124 粘着テープ
125 高剛性部材
126 熱可塑性接着剤
127 ノズル連通口
(図23)
81 レーザ発振器
82 エキシマレーザビーム
83、85、88 ミラー
84 ビームエキスパンダ
86 マスク
87 フィールドレンズ
89 結像光学系
90 加工テーブル
91 加工物(ノズルプレート)
(図25)
200 装置
201 ドラム
202 Siスパッタ
203 Oイオンガン
204 Nbスパッタ
205 オプツール蒸着
(図31)
1 画像入力部
2 操作部
3 中央制御部(CPU)
4 記録メディア
4a 記録素子組合せ情報
4b 各種制御プログラム群
5 RAM
6 画像処理部
7 プリンタ制御部
8 バス部(バスライン)
(図36)
6−a 記録ヘッド
6−b 記録ヘッド
6−c 記録ヘッド
6−d 記録ヘッド
(図37〜図39)
20 部分発熱フィラメントのヒータ
21 全長発熱フィラメントのヒータ
SSR1 リレー
SSR2 リレー
22 温度制御回路
23 温度センサ
Ref 設定温度信号
24 コンパレータ
AND1 アンドゲート
AND2 アンドゲート
25 タイマー
通電可能タイミング
通電可能タイミング

Claims (41)

  1. セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を塗布してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下である記録メディアに対し、粒子状の色材を含有するインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字し、画像を指触乾燥した後、メディアと熱源を直接接触させて定着させる各工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記熱源が熱ローラである定着ローラを用いたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が望ましくは1ml/m以上10ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上11ml/m以下である記録メディアに対し、粒子状の色材を含む固形分3%以上のインクを用いて印字することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 定着温度が100℃以上、望ましくは140℃以上〜150℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記定着ローラのニップ時間が0.3秒以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記指触乾燥に非接触の乾燥手段を用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  7. カラー印刷を行うために必要な各色インクを記録メディア表面に噴射するノズルを設けたヘッドユニットを搭載し、記録メディア表面にインク滴を噴射して記録を行うインクジェット記録装置にて、インクドットの広がりが小さく、凝集するような記録メディア上に画像を形成し、総量規制処理にてインク付着量を規制値内に抑制することを特徴とした請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記記録メディアが、少なくとも基材と塗工層から構成されており、該塗工層の固形分付着量が0.5〜20.0g/mであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記記録メディアが、坪量が50〜250g/mであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記記録メディアが顔料を含有し、該顔料がカオリンであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記記録メディアが、顔料を含有し、該顔料が重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記記録メディアが水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記水性樹脂が水溶性樹脂、あるいは、水分散性樹脂であることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記インクが、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種である請求項1乃至13の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. インクジェット記録に用いられるインクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記撥インク層が、フッ素系材料、あるいは、シリコーン系材料で構成されることを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記撥インク層の表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする請求項17又は18に記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成されたことを特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記撥インク層の膜厚が1Å以上であることを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  22. 前記撥インク層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることを特徴とする請求項17乃至21の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  23. 前記インクが、少なくとも水、及び湿潤剤を含有することを特徴とする請求項17乃至21の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  24. 請求項1に記載のインクジェット記録方法に用いられるインクであり、少なくとも水、及び湿潤剤を含有することを特徴とするインク。
  25. 顔料もしくは着色微粒子の体積平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする請求項24に記載のインク。
  26. 25℃での粘度が1cps以上30cps以下であることを特徴とする請求項24又は25に記載のインク。
  27. 25℃における表面張力が30mN/m以下であることを特徴とする請求項24乃至26の何れかに記載のインク。
  28. インク中に水溶性有機溶剤を含み、該水溶性有機溶剤が、炭素数8以上のポリオール化合物及びグリコールエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項24乃至27の何れかに記載のインク。
  29. 前記炭素数8以上のポリオール化合物が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項28に記載のインク。
  30. 界面活性剤を含有し、該界面活性剤が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項24乃至29の何れかに記載のインク。
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれか1つ以上の塩基を表す。
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれか1つ以上の塩基を表す。
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(III)中、Rは、炭化水素基を表す。kは5〜20の整数を表す。
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(IV)中、Rは、炭化水素基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表す。L及びpは、1〜20の整
    Figure 2008100511
    ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。
  31. 湿潤剤を含有し、該湿潤剤がポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項24乃至29の何れかに記載のインク。
  32. 前記ポリオール化合物が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンから選択される少なくとも1種である請求項31に記載のインク。
  33. 前記ラクタム化合物が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプローラクタムから選択される少なくとも1種である請求項31又は32に記載のインク。
  34. 前記尿素化合物が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種である請求項31乃至33の何れかに記載のインク。
  35. 前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン及びマルトースから選択される少なくとも1種である請求項31乃至34の何れかに記載のインク。
  36. 前記湿潤剤のインクにおける含有量が10〜50質量%である請求項31乃至35の何れかに記載のインク。
  37. 請求項24乃至36の何れかに記載のインクを充填したことを特徴とするインクカートリッジ。
  38. 記録メディアに対し、インクジェットインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字するインクジェットヘッドと、画像を指触乾燥させる乾燥手段と、画像を定着させる定着手段を有し、該記録メディアは、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を塗布してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以上30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアへの転移量が2ml/m以上35ml/m以下のものであり、該インクは、粒子状の色材を含有するものであり、定着手段は、熱源が熱ローラである定着ローラを用いたものであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  39. 互いに圧接するローラ対の少なくとも一方に概ねローラの全長に亘って発熱する全長発熱状態と、所定の部分のみが発熱する部分発熱状態とに選択的に切換可能なヒータを有し、1個の温度センサによりローラ表面温度を検知して上記ヒータを点滅してローラ温度を制御し、上記ローラ対により未定着インクジェット画像を担持する用紙を挟持搬送して定着を行なう、温度制御装置付き定着装置を含むインクジェット記録装置において、該定着装置は温度制御装置により、立上り時及び待機時には上記ヒータは全長発熱状態で上記温度センサによるローラ表面温度の検知により制御され、上記のローラ対に紙を通紙する際には上記ヒータは上記温度センサによるローラ表面温度の検知及び上記ヒータの通電可能範囲における所定時間毎の全長発熱状態と部分発熱状態との切換えにより制御され、上記所定時間が通紙する紙のサイズに応じて設定されていることを特徴とする請求項38に記載のインクジェット記録装置。
  40. 前記インクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とする請求項38又は39に記載のインクジェット記録装置。
  41. 請求項38に記載のインクジェット記録装置に用いる定着温度制御装置であって、定着装置と互いに圧接するローラ対の少なくとも一方に概ねローラの全長に亘って発熱する全長発熱状態と、所定の部分のみが発熱する部分発熱状態とに選択的に切換可能なヒータを有し、1個の温度センサによりローラ表面温度を検知して上記ヒータを点滅してローラ温度を制御し、上記ローラ対により未定着インクジェット画像を担持する用紙を挟持搬送して定着を行なう定着装置の温度制御装置において、立上り時及び待機時には上記ヒータは全長発熱状態で上記温度センサによるローラ表面温度の検知により制御され、上記のローラ対に紙を通紙する際には上記ヒータは上記温度センサによるローラ表面温度の検知及び上記ヒータの通電可能範囲における所定時間毎の全長発熱状態と部分発熱状態との切換えにより制御され、上記所定時間が通紙する紙のサイズに応じて設定されていることを特徴とする定着温度制御装置。
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