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JP2008189965A - 塗装鋼板 - Google Patents

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JP2008189965A
JP2008189965A JP2007023871A JP2007023871A JP2008189965A JP 2008189965 A JP2008189965 A JP 2008189965A JP 2007023871 A JP2007023871 A JP 2007023871A JP 2007023871 A JP2007023871 A JP 2007023871A JP 2008189965 A JP2008189965 A JP 2008189965A
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JP2007023871A
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Kentaro Okamura
健太郎 岡村
Hirobumi Taketsu
博文 武津
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

【課題】クロムフリーの表面処理手法によって、屋外環境で切断端面の鋼素地が露出している箇所からの赤錆発生が顕著に抑止される表面処理鋼板を提供する。
【解決手段】アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、必要に応じてさらに有機カルボン酸塩粒子を含有する塗膜を形成した塗装鋼板であって、当該塗装鋼板試料を常温の純水中に浸漬したときに上記塗膜から1時間当たりに溶出する成分の溶出量モル比が下記(1)式および(2)式を満たし、Pの溶出量が塗膜面積1m2当たりの換算値で0.5〜30mmolを満たす範囲となるように前記各粒子が塗膜中に配合されている塗装鋼板。
0.95≦([アルカリ土類金属元素]+Zn)/P ……(1)
0.1≦[アルカリ土類金属元素]/Zn≦10 ……(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、切断端面での耐食性が良好な塗装鋼板であって、特に当該切断端面に鋼素地が露出した状態で屋外環境に曝される用途に適した塗装鋼板に関する。
建材、自動車、家電などの各分野で使用される表面処理鋼板は、用途に応じたサイズに裁断された後、所定形状に成形加工される。平坦部や加工部では当初の防錆機能が維持されるが、切断端面では鋼素地(下地鋼)が露出し赤錆が発生しやすくなる。亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板などのめっき鋼板を素材とする場合でも、めっき層のない切断端面で鋼素地が露出し赤錆の発生起点になる。発生した赤錆は切断端面から板中央部に向かった赤錆流れとなって外観を著しく劣化させる。
このような切断端面での赤錆発生を抑制するために、従来から、スプレーや刷毛などを用いて切断端面を塗装する方法、あるいは切断端面に防錆油を塗布する方法が採用されている。しかし、所定サイズに切断した表面処理鋼板の切断端面を含む表面に塗装を施す手法は、作業性・生産性が悪く、コストが高くなる。また、鋼板の形状によっては塗料を均一に塗布することが難しいことから、切断端面に塗膜切れが生じやすく、その部分から赤錆が発生してしまうこともある。防錆油を塗布する手法においても同様の問題があり、さらに防錆油の塗布により鋼板がべたついて、取り扱いに支障をきたすという問題もある。
一方、切断端面での耐食性を鋼板表面に形成した表面処理皮膜によって改善しようという試みもなされている。例えば、特許文献1には、クロメート処理後の鋼板表面に、塩基性アルカリ金属塩を含有する有機樹脂皮膜を設ける手法が開示されている。特許文献2には、水溶解度の低いストロンチウムクロメートと、さらに水溶解度を低くしたストロンチウムクロメートをプライマー中に含有させる手法が開示されている。
特開平8−13156号公報 特開平8−176846号公報
特許文献1、2に開示されるような表面処理方法によれば、屋外使用環境において表面処理皮膜から溶解した物質が切断端面に作用し、当該端面での赤錆発生が抑制される。しかしながら、これらの技術ではクロメート処理が必要である。環境保護への配慮が重視される昨今の表面処理方法として、クロメート処理は採用し難くなってきた。
本発明は、六価クロム等の有害物質が生じない、いわゆるクロムフリーの表面処理手法であって、かつ作業性・生産性を阻害しない手法によって、屋外環境で切断端面の鋼素地が露出している箇所からの赤錆発生が顕著に抑止される表面処理鋼板を提供しようというものである。
発明者らは鋭意研究の結果、屋外使用環境で切断端面を覆う皮膜を形成させるための物質の供給源として、塗膜中に複数の物質を「粒子」の形で存在させておくことが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出した。
すなわち本発明では、アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、必要に応じてさらに有機カルボン酸塩粒子を含有する塗膜を形成した塗装鋼板であって、当該塗装鋼板試料を常温の純水中に浸漬したときに、上記塗膜から1時間当たりに溶出する成分の溶出量モル比が下記(1)式および(2)式を満たし、かつPの1時間当たりの溶出量が塗膜面積1m2当たりの換算値で0.5〜30mmolを満たす範囲となるように前記各粒子が塗膜中に配合されている塗装鋼板が提供される。
0.95≦([アルカリ土類金属元素]+Zn)/P ……(1)
0.1≦[アルカリ土類金属元素]/Zn≦10 ……(2)
「常温」は、JIS Z8703における標準温度状態を23℃に設定し、23±2℃の温度を採用すれば良い。純水としてイオン交換水を使用して構わない。
前記アルカリ土類金属として特にCa、MgおよびSrのうち1種以上の元素を挙げることができる。アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物および塩から選ばれる1種以上の物質が採用できる。リン酸塩は、オルトリン酸、亜リン酸、ポリリン酸などの塩である。塗膜中に有機カルボン酸塩粒子が配合されている場合、その有機カルボン酸塩を構成する金属はアルカリ土類金属およびZnから選ばれる1種以上の元素である。
アルカリ土類金属化合物として2種以上の物質が採用される場合、アルカリ土類金属化合物からなる個々の粒子は、単一の化合物からなるものであっても良いし、2種以上の化合物が複合してなるものであっても良い。亜鉛化合物からなる個々の粒子、リン酸塩からなる個々の粒子、有機カルボン酸塩からなる個々の粒子についても同様である。
アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子および有機カルボン酸塩粒子のうち、塗膜中に配合されている全種類の粒子の平均粒径をD(μm)、当該塗膜の平均膜厚をT(μm)とするとき、下記(3)式を満たすことが望ましい。
0.15≦T/D ……(3)
ここで、粒子の平均粒径Dは、塗膜の断面をSEMで観察したときに観測される粒子像において、粒子の最も長い部分(長径)を測定して求めた個々の粒径を平均した値が採用できる。一定の領域内に観察される合計20個以上の粒子についての平均値を採用すれば良い。平均膜厚Tは乾燥塗膜の厚さであり、塗膜の断面観察によって測定しても良いが(この場合、有機皮膜の表面から突出している粒子の部分は測定から除外する)、使用した塗料の質量(添加粒子を除く部分)と塗布面積から計算によって求めることが通常である。
塗装原板として亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっき鋼板を使用しても良い。ここで、塗装原板とは塗膜を形成するための基板であり、当該塗装原板と塗膜の間には表面処理層や下地塗膜層を有していて構わない。「亜鉛系めっき」は、めっき層を構成する元素のうちZnが少なくとも50質量%を占めるめっきであり、「アルミニウム系めっき」はめっき層を構成する元素のうちAlが少なくとも50質量%を占めるめっきである。これらのめっきは、溶融めっき、電気めっき、蒸着めっきなど、種々のめっき方法によるものが採用できる。
本発明によれば、クロムフリーの表面処理によって、屋外環境で切断端面の鋼素地が露出している箇所からの赤錆流れの発生が顕著に抑制できる表面処理鋼板が実現された。その手段は、切断端面での防錆効果を発揮する物質からなる粒子を塗膜中に含有させるという比較的簡便なものであり、既存の塗装鋼板製造設備を利用して大量生産が可能であり、切断端面についての煩雑な防錆処理を省略することができる。したがって本発明は、特に外装建材、自動車部材などの屋外環境に曝される表面処理鋼板の用途において、製造コストの低減、およびクロムフリー化による環境保護の推進に寄与するものである。
本発明の表面処理鋼板は、塗膜の中にアルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、およびリン酸塩粒子を分散配合させた塗装鋼板である。これによって切断端面での赤錆発生が抑止されるメカニズムについては未解明の部分が多いが、現時点で以下のようなことが考えられる。
〔第1段階〕: 屋外環境において、降雨時に塗膜(有機樹脂皮膜)中に含まれる亜鉛およびリン酸成分が溶解し、切断端面部に流れ込んで、鋼素地が露出した部分にリン酸亜鉛の皮膜を形成する。リン酸亜鉛は鋼素地との密着性に優れる。ただし、形成されたリン酸亜鉛の皮膜には空隙が多いので、リン酸亜鉛のみでは腐食因子に対するバリア効果は低い。
〔第2段階〕: カルシウムなどのアルカリ土類金属成分が、第1段階で形成したリン酸亜鉛の空隙に難溶性の酸化物、水酸化物として充填され、環境遮断機能に優れた皮膜が形成する。このとき、アルカリ土類金属や亜鉛の量が少なすぎるとリン酸亜鉛の空隙を埋める酸化物、水酸化物の形成が不十分となり、緻密な皮膜が形成されない。溶出成分において、金属イオン(アルカリ土類金属イオンと亜鉛イオン)の総量と、リン酸イオンの総量の比率をある程度以上に大きくすることで難溶性の酸化物、水酸化物が形成されやすくなり、皮膜の緻密性が高まる。種々検討の結果、この点は後述の(1)式によって規定される。
以下、本発明を特定するための事項について説明する。
〔アルカリ土類金属化合物粒子〕
アルカリ土類金属化合物粒子は、塗膜中に分散配合させることにより、屋外環境においてアルカリ土類金属イオンの供給源となる。降雨時に溶出したアルカリ土類金属イオンは、酸化物や水酸化物を形成して、切断端面に形成されたリン酸亜鉛皮膜の空隙を埋め、その緻密化をもたらす。これにより、切断端面の鋼素地露出部では赤錆発生が顕著に抑制される。アルカリ土類金属としては、Ca、Mg、Srが好適な対象となる。アルカリ土類金属化合物は、屋外環境でアルカリ土類金属イオンの供給源になる物質であれば、酸化物、水酸化物、塩のいずれであっても良い。例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウムなどを用いることができる。
〔亜鉛化合物粒子〕
亜鉛化合物粒子は、塗膜中に分散配合させることにより、屋外環境において亜鉛イオンの供給源となる。降雨時に溶出した亜鉛イオンは、リン酸塩粒子から溶出したリン酸イオンと反応して、切断端面にリン酸亜鉛の皮膜を形成する。リン酸亜鉛の皮膜は鋼素地との密着性に優れ、切断端面の鋼素地を覆うことで、その部分の耐食性向上を担う。亜鉛化合物は、屋外環境で亜鉛イオンの供給源になる物質であれば、酸化物、水酸化物、塩のいずれであっても良い。例えば、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛などを用いることができる。
〔リン酸塩粒子〕
リン酸塩粒子は、塗膜中に分散配合させることにより、屋外環境においてリン酸イオンの供給源となる。ここでいうリン酸イオンは、オルトリン酸塩、亜リン酸塩、またはポリリン酸塩から溶出されるリン含有物質からなるマイナスイオンをいう。降雨時に溶出したリン酸イオンは、上述のように亜鉛化合物粒子から溶出した亜鉛イオンと反応して、切断端面にリン酸亜鉛の皮膜を形成し、切断端面の鋼素地を覆うことで、その部分の耐食性向上を担う。リン酸塩は、屋外環境でリン酸イオンの供給源になる物質であることが必要であり、オルトリン酸、亜リン酸、ポリリン酸の塩を用いることができる。
〔有機カルボン酸塩粒子〕
塗膜中には上記のアルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子の他に、有機カルボン酸塩粒子を分散配合させることができる。本発明で対象となる有機カルボン酸は、その有機カルボン酸塩を構成する金属、すなわちカルボキシル基のH部分を置換している金属が、アルカリ土類金属または亜鉛からなるものである。そのような有機カルボン酸塩の1種以上を採用することができる。有機カルボン酸塩は、そのキレート効果により、切断端面に形成されたリン酸亜鉛皮膜の緻密性を向上させる作用を有し、より強固な皮膜の形成に寄与する。これにより切断端面の長期耐食性が一層改善される。有機カルボン酸塩粒子を塗膜中に含有させる場合、その配合量は塗膜面積1m2当たりの有機カルボン酸塩のモル量として50mmol(ミリモル)以下の範囲とすればよく、通常、10〜40mmol程度とすれば効果的である。有機カルボン酸塩としては、例えば、酒石酸カルシウム、酒石酸マグネシウム、酒石酸ストロンチウム、酒石酸亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸亜鉛、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸ストロンチウム、クエン酸亜鉛などが挙げられる。
〔(1)式〕
アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、およびリン酸塩粒子は、上記の作用を十分に発揮するように塗膜中への配合比が適正化されていることが重要である。発明者らは種々検討の結果、切断端面に形成されるリン酸亜鉛皮膜を緻密化するためには上述のようにアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物をリン酸亜鉛の空隙に充填することが極めて有効であることを見出した。この場合、屋外環境で溶出するリン酸イオンの量に対して、アルカリ土類金属イオンと亜鉛イオンの溶出量が十分に確保される必要がある。発明者らの詳細な検討によれば、当該塗装鋼板試料を常温の純水中に浸漬する「浸漬試験」に供したときに当該塗膜から1時間当たりに溶出する成分の溶出量モル比が下記(1)式を満たす性質を備えている場合において、緻密なリン酸亜鉛皮膜が構築され、切断端面での赤錆発生が抑止できることがわかった。
0.95≦([アルカリ土類金属元素]+Zn)/P ……(1)
この「浸漬試験」は、例えば50mm×50mmに試験片を100mLの純水中に浸漬する方法で実施できる。試験片は、評価すべき塗膜面が露出し、その反対側の面は樹脂フィルムを貼付するなどして液に触れないようにする。試験片の切断端面は露出したままで良い。鋼板の両面に同種の塗膜を形成した塗装鋼板を評価する場合は、片面ずつ上記の要領で評価する。(1)式の[アルカリ土類金属元素]、Zn、Pの箇所には、上記の浸漬試験によって水中に溶出した各元素のモル量(水中に存在する各元素のモル%の値あるいはそれに比例する値)が代入される(後述(2)式において同じ)。2種以上のアルカリ土類金属元素が使用されている場合は[アルカリ土類金属元素]の箇所に各アルカリ土類元素の溶出モル量のトータル値が代入される(後述(2)式において同じ)。
[アルカリ土類金属元素]+Znの合計溶出量が過剰になりすぎると平坦部の耐食性が低下することもある。平坦部での耐食性を重視する場合は、(1)式に代えて、下記(1)’式を採用することがより好ましい。
0.95≦([アルカリ土類金属元素]+Zn)/P≦5 ……(1)’
〔(2)式〕
屋外環境で溶出するアルカリ土類金属イオンと、Znイオンの量的関係についても、適正にコントロールされている必要がある。種々検討の結果、上述の「浸漬試験」に供したときに当該塗膜から溶出する成分の溶出量モル比が下記(2)式を満たす性質を備えている場合において、切断端面での赤錆発生が抑止できることがわかった。
0.1≦[アルカリ土類金属元素]/Zn≦10 ……(2)
溶出量モル比[アルカリ土類金属元素]/Znが0.1未満だと、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物の生成量が不足してリン酸亜鉛皮膜の緻密化が不十分となりやすい。一方、10を超えても切断端面での赤錆発生の抑制効果は飽和し、場合によっては平坦部での耐食性が低下する恐れがある。
〔Pの溶出量〕
本発明の目的を達成するには、屋外環境において、切断端面の鋼素地露出部を覆うリン酸亜鉛皮膜が形成されるに足る量のリン酸イオンが、切断端面周辺の塗膜から供給される必要がある。発明者らの詳細な検討によれば、上述の「浸漬試験」に供したときに当該塗膜から1時間当たりに溶出するPの量が塗膜面積1m2当たりの換算値として0.5mmol(ミリモル)以上となる性質を備えている場合において、切断端面での赤錆発生が抑止できる。ただし、Pの溶出量があまり多すぎるような塗膜だと赤錆発生の防止効果は飽和し、不経済となる。したがって、前記「浸漬試験」に供したときに当該塗膜から1時間当たりに溶出するPの量が塗膜面積1m2当たりの換算値として30mmol以下となる範囲でリン酸塩粒子を配合していることが望ましい。
〔(3)式〕
塗膜中に存在させるアルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、場合によってはさらに有機カルボン酸塩粒子のサイズについては、塗膜厚さとの関係で適正化されていることが望ましい。具体的には、塗膜中に配合されているアルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子およびリン酸塩粒子の平均粒径をD(μm)、当該塗膜の平均膜厚をT(μm)とするとき、DとTの関係が下記(3)式を満たしていることが好ましい。ただし、塗膜中に有機カルボン酸塩粒子が配合されている場合は、アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子および有機カルボン酸塩粒子の平均粒径をD(μm)とする。
0.15≦T/D ……(3)
このT/Dの値が0.15未満になると、多くの粒子は大部分が塗膜表面からはみ出した形で存在するようになる。この場合、塗装鋼板の取扱い方によっては、最終部材として施工されるまでの間に塗膜から離脱してしまう粒子が増加する。そうなると予定されている切断端面での赤錆防止効果が十分に発揮されないことになる。なお、上記(3)式に代えて、下記(3)’式を採用することが一層好ましい。T/D値の上限については通常は特に制限する必要はないが、粉末の取扱い性等を考慮したとき、例えば(3)’’式を採用することができる。
0.2≦T/D ……(3)’
0.2≦T/D≦10 ……(3)’’
〔塗装原板〕
塗装原板としては、従来一般的な塗装鋼板と同様に、塗膜密着性や耐食性を向上させる効果の高い亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板を使用できる他、用途によっては銅めっき鋼板、錫めっき鋼板を使用しても良い。めっきを施していない冷延鋼板あるいは冷延焼鈍酸洗鋼板を用いることもできる。亜鉛系めっきとしては、Znめっき、Zn−2〜22質量%Al−2〜10%Mgめっき、Zn−0.5〜40質量%Mgめっき、Zn−3〜30質量%Niめっきなどが挙げられる。アルミニウム系めっきとしては、Alめっき、Al−5〜13質量%Siめっき、50〜60質量%Al−Znめっき等が挙げられる。これらのめっき手法は、連続めっきラインによる溶融めっき、ドブ漬け溶融めっき、電気めっき、蒸着めっきなど、種々のめっき方法が採用できる。溶融亜鉛系めっきの場合、めっき浴中には、例えばSi:2質量%以下、Ti:0.02質量%以下、B:0.01質量%以下、Fe:2質量%以下の1種以上の元素が混入されていて構わない。また、アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、場合によってはさらに有機カルボン酸塩粒子を配合する塗膜の下地として、1層以上の下地塗膜を有していても構わない。
鋼種としては、従来、建材や自動車部材として屋外環境で使用されている種々の鋼種が適用できる。代表的には、例えば以下のようなものが挙げられる。
(i)質量%で、C:0.15%以下、Mn:0.80%以下、P:0.05%以下、S:0.05%以下、残部実質的にFe
(ii)質量%で、C:0.12%以下、Mn:0.60%以下、P:0.04%以下、0.04%以下、残部実質的にFe
(iii)質量%で、C:0.25%以下、Mn:1.70%以下、P:0.20%以下、0.05%以下、残部実質的にFe
ここで、「残部実質的にFe」とは、本発明の目的を阻害しない範囲で上記以外の元素の混入が許容されることを意味する。例えば、Si:1%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下、Zr:1%以下、V:1%以下の1種以上の元素の混入が許容され、これらの混入元素の合計含有量を3%以下に制限したものがより好適な対象となる。「残部実質的にFe」には「残部がFeおよび不可避的不純物からなる」場合が含まれる。
〔製造法〕
従来一般的な方法で鋼板を製造し、めっきを施す場合は、鋼帯のまま連続めっきラインでめっき処理を行うか、あるいは切り板にしてからめっき処理を行い、塗装原板とする。必要に応じてその後にクロムフリーの表面処理を施し、さらに必要に応じて下地の塗装を施しても良い。塗膜(下地塗膜を有する場合は最表層の塗膜)を構築するための塗料は、従来、屋外用途で使用されている種々の塗料をベースに調製することができる。例えば、ポリエステル系、アクリル系などの樹脂を主体とする塗料に、アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、さらに必要に応じて有機カルボン酸塩粒子を添加し、撹拌することにより、これらの粒子を分散混合させる。各粒子の配合割合は、例えば後述の実施例で示す「本発明例」のようにすれば良いが、新たな配合組成の塗料を調製する場合には、例えば後述実施例を参考にして配合組成を設定し、ラボ実験にて先に述べた「浸漬試験」を行って評価結果を確認することで、比較的簡便に塗料の成分設計を行うことが可能である。塗装方法は、用途、樹脂の種類、塗膜厚さに応じてロールコーター法、バーコーター法などの適切な手段で塗料を原板表面に塗布し、焼付け工程を経る方法が採用できる。
以下の成分範囲にある鋼種A(板厚0.8mm)および鋼種B(板厚0.8mm)の鋼板を用いて、いずれも連続溶融アルミニウムめっきラインにて片面当たりのめっき付着量:150g/m2の溶融アルミニウムめっき鋼板を製造した。
〔鋼種A〕質量%で、C:0.05%以下、Mn:0.1〜0.2%、P:0.02%以下S:0.01%以下、残部Feおよび不可避的不純物
〔鋼種B〕質量%で、C:0.12〜0.15%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、残部Feおよび不可避的不純物
一方、ポリエステル系樹脂塗料を用意し、これに、表1A、表2Aに示す配合割合にてアルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子、一部の例ではさらに有機カルボン酸塩粒子を添加して撹拌し、これらの粒子が分散した塗料を調製した。一部の比較例用として、アルカリ土類金属化合物粒子に代えて金属粒子を添加した塗料も調製した。表1A、表2A中の各粒子における「添加量」は、それぞれの粒子を構成する物質の塗膜面積1m2当たりの量である。
上記A、Bいずれかの鋼種の溶融アルミニウムめっき鋼板を塗装原板とし、これを脱脂・洗浄した後、片面に上記塗料をバーコーター塗布し、到達板温215℃で加熱乾燥(焼付け)することにより、乾燥膜厚5〜10μmの塗膜を形成した塗装鋼板試料を得た。
各塗装鋼板試料から、50mm×50mmの浸漬試験片を10枚切り出した。各浸漬試験片は、塗装面と反対側の面に樹脂フィルムを貼付し、切断端面は露出した状態とした。ガラスビーカーにイオン交換水100mLを入れて23℃±2℃に保ち、各浸漬試験片をその中に浸漬した。塗装面が上になるように傾斜角(水平面とのなす角度)を0°として浸漬した。10時間浸漬後の各ビーカー中の水を光吸光度計により分析し、水中に溶出したアルカリ土類金属元素、Zn、Pの量を測定した。各塗装鋼板試料の10個の分析値を合計し、これを塗膜のトータル表面積(0.05m×0.05m×10個)で除することにより、塗膜面積1m2当たりから1時間当たりに溶出するアルカリ土類金属元素(一部の例では金属元素)、Zn、Pの量を求めた。ここではアルカリ土類金属元素またはそれに替わる金属元素をMと表し、溶出量モル比(M+Zn)/PおよびM/Znを算出した。これらの結果を表1B、表2Bに示す。
各塗装鋼板試料から断面観察試験片を切り出し、塗膜の断面が観察可能な試料を作製した。塗膜断面をSEMにより観察し、一定の領域中に粒子全体像が含まれる全粒子(ただし、測定数は20個以上とする)について、各粒子像の長径を測定し、その平均値を平均粒径D(μm)とした。また、塗膜の乾燥膜厚を、使用した塗料の質量(添加粒子を除く部分)と塗布面積から予め得られているデータに基づいて計算によって求め、これを平均膜厚T(μm)とした。そして、T/D値を求めた。これらの値を表1B、表2B中に示す。
各塗装鋼板試料から70mm×100mmの暴露試験片を切り出し、大阪府堺市の工業地帯にて屋外暴露試験を行った。暴露試験片は傾斜角(水平面とのなす角度)を35°として塗装面が上になるように、直射日光が当たり、かつ雨水が直接当たる場所に設置した。暴露試験片の切断端面は鋼素地が露出したままの状態とした。屋外暴露期間3ヶ月および6ヶ月の試験片について、切断端面の表面観察を行い、以下のように評価した。
◎:切断端面に赤錆発生が認められない
○:切断端面の赤錆発生面積率が10%以下であり、かつ赤錆流れが認められない
△:切断端面の赤錆発生面積率が10%を超えるが、赤錆流れは認められない
×:端面からの赤錆流れが認められる
暴露期間6ヶ月においても切断端面からの赤錆流れが認められなかったもの(△評価以上)を合格、それ以外を不合格と判定した。結果を表1B、表2Bに示す。
Figure 2008189965
Figure 2008189965
Figure 2008189965
Figure 2008189965
本発明例の塗装鋼板は、各粒子を適切に塗膜中に分散配合させたことにより、6ヶ月の屋外暴露でも切断端面での赤錆流れが防止された。これに対し、比較例であるNo.51〜53は浸漬試験での溶出量モル比(M+Zn)/Pが(1)式を外れて小さいものである。No.54〜57は塗膜中のアルカリ土類金属化合物粒子の代わりに金属粒子を使用したものである。No.58は塗膜中にアルカリ土類金属化合物粒子を配合させなかったもの、No.59は亜鉛化合物粒子を配合させなかったもの、No.60はリン酸塩粒子を配合させなかったものである。これらの比較例のものは、3ヶ月の大気暴露ですでに切断端面から赤錆流れが発生していた。

Claims (7)

  1. アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、およびリン酸塩粒子を含有する塗膜を形成した塗装鋼板であって、当該塗装鋼板試料を常温の純水中に浸漬したときに、上記塗膜から1時間当たりに溶出する成分の溶出量モル比が下記(1)式および(2)式を満たし、かつPの1時間当たりの溶出量が塗膜面積1m2当たりの換算値で0.5〜30mmolを満たす範囲となるように前記各粒子が塗膜中に配合されている塗装鋼板。
    0.95≦([アルカリ土類金属元素]+Zn)/P ……(1)
    0.1≦[アルカリ土類金属元素]/Zn≦10 ……(2)
  2. 前記アルカリ土類金属はCa、MgおよびSrの1種以上の元素である請求項1に記載の塗装鋼板。
  3. 前記アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物および塩から選ばれる1種以上の物質である請求項1または2に記載の塗装鋼板。
  4. 前記亜鉛化合物は、亜鉛の酸化物、水酸化物および塩から選ばれる1種以上の物質である請求項1〜3のいずれかに記載の塗装鋼板。
  5. 塗膜中にはさらに、有機カルボン酸塩粒子が配合され、その有機カルボン酸塩を構成する金属はアルカリ土類金属およびZnから選ばれる1種以上の元素である請求項1〜4のいずれかに記載の塗装鋼板。
  6. アルカリ土類金属化合物粒子、亜鉛化合物粒子、リン酸塩粒子および有機カルボン酸塩粒子のうち、塗膜中に配合されている全種類の粒子の平均粒径をD(μm)、当該塗膜の平均膜厚をT(μm)とするとき、下記(3)式を満たす請求項1〜5のいずれかに記載の塗装鋼板。
    0.15≦T/D ……(3)
  7. 塗装原板として亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板を使用する請求項1〜6のいずれかに記載の塗装鋼板。
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