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JP2008188951A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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JP2008188951A
JP2008188951A JP2007028321A JP2007028321A JP2008188951A JP 2008188951 A JP2008188951 A JP 2008188951A JP 2007028321 A JP2007028321 A JP 2007028321A JP 2007028321 A JP2007028321 A JP 2007028321A JP 2008188951 A JP2008188951 A JP 2008188951A
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Tatsuya Fukuda
達也 福田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドのインクの吐出を阻害する要因を極力取り除くことで印刷品質を高める。
【解決手段】本発明のインクジェットヘッド1の製造方法は、インクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37aに開口するインク吐出口37に、ロウ材74を充填してインク吐出口37を閉塞する工程と、インク吐出口37の閉塞されたインク吐出面37aを研磨する工程と、インク吐出面37aが研磨された後、インク吐出口37からロウ材74を除去する工程と、ロウ材74が除去されたインク吐出面37aに、インク吐出口37とつながるインク吐出孔3aが穿孔されたオリフィスプレート3を接合する工程と、を有する。
【選択図】図7B

Description

本発明は、インクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インク流路形成用の開口部を設けた複数の金属平板を拡散接合により積層一体化したインクジェットヘッドマニホールドを有するインクジェットヘッドが知られている(例えば特許文献1参照)。
この種のインクジェットヘッドは、インク吐出口の開口するインクジェットヘッドマニホールド上のインク吐出面と、例えば、オリフィスとなるインク吐出孔を備えたオリフィスプレートと、を互いに位置合せしつつ接合することで、微細なインク粒子を吐出させるインク吐出経路が構成される。
ここで、上記のインクジェットヘッドのインク吐出面は、例えば積層された複数の金属平板の端面で構成されているので、その表面には凹凸があらわれることになる。したがって、インクジェットヘッドマニホールド上のこのインク吐出面とオリフィスプレートとは、インク吐出面を平滑に研磨した上で例えば拡散接合される。
特開2006−231688号公報
しかしながら、このようなインクジェットヘッドの製法では、インク吐出面の研磨によってインク吐出口の開口端にバリが発生したり、また、研磨粉がインク吐出口内に混入したりすることがある。これらの場合、インク吐出口からのインクの吐出が阻害され、印刷品質の低下を招くことになる。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、インクの吐出を阻害する要因を極力取り除くことで実質的に印刷品質を高めることができるインクジェットヘッドの製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクの流路が内部に形成されたヘッド本体のインク吐出面に開口するインク吐出口に、閉塞物を充填して前記インク吐出口を閉塞する吐出口閉塞工程と、前記インク吐出口の閉塞された前記インク吐出面を研磨する研磨工程と、前記インク吐出面が研磨された後、前記インク吐出口から前記閉塞物を除去する閉塞物除去工程と、前記閉塞物が除去された前記ヘッド本体の前記インク吐出面に、前記インク吐出口とつながるインク吐出孔が穿孔されたオリフィス部材を接合する接合工程と、を有することを特徴とする。
すなわち、本発明では、インク吐出口を一時的に閉塞した状態でヘッド本体のインク吐出面を研磨するので、研磨時にインク吐出口の開口端に生じ得るバリの発生や、インク吐出口内への研磨粉の混入を防止することができる。したがって、本発明によれば、ヘッド本体及びオリフィス部材が接合された状態では、このヘッド本体のインク吐出面から開口するインク吐出口とこのインク吐出口につながるオリフィス部材上のインク吐出孔とで、インクの吐出を阻害することない好適なインク吐出経路を構成することができる。
このように本発明によれば、インクの吐出を阻害する要因を極力取り除くことで実質的に印刷品質を高めることが可能なインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を用いて製造されたインクジェットヘッド1の外観を示す斜視図である。また、図2は、このインクジェットヘッド1を示す平面(上面)図であり、図3は、インクジェットヘッド1の底面図である。さらに、図4は、このインクジェットヘッド1の構造を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド1は、ヘッド本体(ヘッド筐体)としての金属製のインクジェットヘッドマニホールド2を備えている。このインクジェットヘッドマニホールド2は、図1及び図4に示すように、複数の種類(図4に示す例では大別して9種類)の金属製の第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29を複数枚(例えば、25〜250枚)積層して構成されている。これらの第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29は、厚さが例えば0.02mm〜0.2mmの金属製(例えば、SUS304など)の板材から構成されており、これらを拡散接合などによって互いに圧着することで、ブロック状に形成されている。また、第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29に開口されたインク流路は、例えばエッチング加工やブラスト加工によって形成されている。第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29の外形は、エッチング加工やブラスト加工の他、打ち抜き加工によっても成形することができる。
また、インクジェットヘッドマニホールド2の底面には、図3及び図4に示すように、複数のインク吐出孔3a(直径、例えば0.01mm〜0.1mm)の形成されたオリフィス部材としてのオリフィスプレート3が、上記した拡散接合などによって接合されている。このオリフィスプレート3は、例えば厚さ0.05mm〜0.2mmで形成されており、その構成材料としては、インクジェットヘッドマニホールド2と同一の材料(例えば、SUS304など)が適用されている。インク吐出孔3aは、図3、図4に示すように、オリフィスプレート3上に例えば一列に配置されている。このインク吐出孔3aは、例えばパンチング加工、レーザ加工、エッチング加工などによって形成されている。
また、インクジェットヘッドマニホールド2の各側面には、図2及び図3に示すように、振動板(箔)4が、拡散接合などによって接合されている。この振動板4は、インクジェットヘッドマニホールド2と同一の材料(例えば、SUS304など)から構成されており、例えば厚さ0.01mm〜0.05mmで形成されている。この振動板4は、レーザ加工やエッチング加工などによって加工成形されている。
この振動板4のさらに外側面には、所定形状の導体パターンが形成されたFPC(Flexible Printed Circuit)5が接着剤などによって貼着されている。さらに、このFPC5には、接着剤(例えば、メチルシアノアクリレートやエポキシ系、アクリル系の接着剤)などを用いて圧電素子6が接合(貼着)されている。この圧電素子6は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの材質で構成されたピエゾ素子であって、例えば、厚さ0.5mm〜2mmで形成されている。この圧電素子6には、各インク吐出孔3aにそれぞれ対応する複数の電極が、蒸着などの方法で形成されており、これらの電極は、FPC5に形成された導体パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
また、図4に示すように、上述した第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29のうちで、中央部に配置される第5流路形成積層板25から一方の積層方向に積層される第6流路形成積層板26〜第9流路形成積層板29は、インク吐出孔3aの例えば奇数列の流路を形成するように配置されている。また、第5流路形成積層板25から他方の積層方向に積層される第4流路形成積層板24〜第1流路形成積層板21は、インク吐出孔3aの例えば偶数列の流路を形成するように配置されている。
ここで、上記構成に代えて、第5流路形成積層板25から一方に積層される第6流路形成積層板26〜第9流路形成積層板29が、インク吐出孔3aの偶数列の流路を形成し、第5流路形成積層板25から他方に積層される第4流路形成積層板24〜第1流路形成積層板21が、インク吐出孔3aの奇数列の流路を形成するものであってもよい。そして、このようにして形成される奇数列の流路と偶数列の流路とで、図3に示すように、インク吐出孔3aが、オリフィスプレート3上に一列に配置される。
上記したように、中央部に配置される第1流路形成積層板25には、インク供給流路31、インク溜め部32、空気抜き孔40、インク吐出口37を形成するための開口部が設けられている。また、第5流路形成積層板25の両外側に配置される第6流路形成積層板26及び第4流路形成積層板24には、インク供給流路31、インク溜め部32、空気抜き孔40を形成するための開口部と、下側インク流路36を形成するための開口部とが設けられている。
ここで、インク溜め部32の内壁上部32aは、空気抜き孔40に向けて上り勾配となる傾斜面で形成されている。また、インク供給流路31は、インク供給口2aから一旦インク溜め部32の下方に延び、次いで上方に延びてインク溜め部32の底部に接続されるサイフォン構造を採っている。さらに、インク供給流路31と空気抜き孔40とは、インク溜め部32の長手方向の両側端部に接続されるように設けられている。
また、上記第6流路形成積層板26及び第4流路形成積層板24のそれぞれの外側に配置される第7流路形成積層板27及び第3流路形成積層板23には、下側インク流路36と、上側共通インク流路33とを形成するための開口部が設けられている。さらに、第7流路形成積層板27及び第3流路形成積層板23のそれぞれの外側に配置される第8流路形成積層板28及び第2流路形成積層板22には、下側インク流路36と、上側個別インク流路34とを形成するための開口部が設けられている。また、最も外側に配置される第9流路形成積層板29及び第1流路形成積層板21には、上下方向インク流路35を形成するための開口部が設けられている。
このように構成された所定枚数の第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29を、所定の順序で積層一体化することで、インクジェットヘッドマニホールド2内には、インク供給流路31からインク吐出口37に至るインクの流路が、積層方向中央部から両側に向けて形成されると共に、図1及び図4に示すように、インクジェットヘッドマニホールド2の上側に、インク供給口2a、空気抜き口2bが開口した状態となる。
インクジェットヘッドマニホールド2へのインクの供給は、インク供給口2aから行われる。このインク供給口2aから供給されたインクは、インク供給流路31を通って、インク溜め部32に導入され、このインク溜め部32から、上側共通インク流路33、上側個別インク流路34、上下方向インク流路35、下側インク流路36をこの順で通過して、インク吐出口37内にまで充填される。
また、上記のようにインクジェットヘッドマニホールド2内にインクが充填された状態で、FPC5を介して圧電素子6に駆動信号が加わると、駆動信号が加わった部分の圧電素子6が変形することで振動板4上の対応する部位が振動し、さらにこれに対応する部分の上下方向インク流路35内のインクを押圧し、オリフィスプレート3の対応するインク吐出孔3aから所定量のインクが吐出されることになる。
ここで、上記したインク供給流路31は、サイフォン構造で構成されているため、インク供給口2aから供給されるインク供給量及び供給圧が仮に安定していなくとも、インク溜め部32内のインクの状態を安定に保つことができ、インクの吐出不良が発生することを防止できる。また、インク溜め部32には、上述したように、空気抜き孔40が設けられており、インク溜め部32の内壁上部32aは、空気抜き孔40に向けて上り勾配となる傾斜面とされているので、インク溜め部32内に進入した空気を、速やかにこの空気抜き孔40から排出させることができ、これにより、前記同様、インク吐出不良の発生を抑制することができる。
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッド1の製造方法について説明する。ここでは、まず、インクジェットヘッドマニホールド2の製造方法を図5及び図6に基づき説明する。なお、上述した第1流路形成積層板21〜第9流路形成積層板29は、以下、積層板65として説明を行う。上記した図5は、積層板65どうしを拡散接合するための熱圧着装置55を概略的に示す図であり、また、図6は、積層板65を形成するための母材プレート50を示す斜視図である。
図5に示すように、熱圧着装置55は、複数の積層板65を熱圧着により積層一体化したインクジェットヘッドマニホールド2を作製するための装置である。熱圧着装置55は、高温真空炉56と、この高温真空炉56の床上に設置された金属製の支え台57と、この支え台57上に設置されたあて板58と、このあて板58上に配置された複数の積層板65を上方から支え台57側に押圧するあて板59を備えた金属製の圧着冶具63と、この圧着冶具63を駆動するアクチュエータ64と、一対の金属製の位置決めピン61、62と、で主に構成される。
ここで、上記した図1、図2及び図5に示すように、金属製(本実施形態ではSUS304製)の複数の積層板65の各々には、一対の貫通穴(位置決め穴)7、8が形成されている。この貫通穴7、8は、積層板65の積層一体化後インクの流路になる開口部(インク供給流路31及びインク溜め部32など)と同一のステージで形成され、このインク流路形成用の開口部との相対的な位置精度が確保されている。ここで、上記した位置決めピン61、62は、積層板65の貫通穴7、8に対し挿抜自在に嵌合される。
つまり、熱圧着装置55では、貫通穴7、8に位置決めピン61、62を挿通させた状態で、熱圧着により積層板65どうしを拡散接合する。なお、積層板65の貫通穴7、8の内壁面と位置決めピン61、62とが拡散現象により接合してしまうことなどを抑制するために、位置決めピン61、62の外周面に例えばアルミナ層などを形成することが好ましい。
高温真空炉56は、その炉内を最大1300℃程度まで昇温させることが可能である。また、高温真空炉56では、その炉内に接続されたターボ分子ポンプ(図示せず)などを通じて10-1〜10-10Pa程度の真空度を得ることができる。さらに、高温真空炉56は、炉内を窒素などの不活性ガス雰囲気にすることも可能である。
支え台57の上面に設けられたあて板58、及び圧着冶具63の下端部に設けられたあて板59は、熱圧着時の金属材料間での拡散現象により、支え台57(又は圧着冶具63)と積層板65とが接合してしまうことを防止するために設けられている。つまり、あて板58、59は、例えば析出硬化型ステンレス鋼などで形成されている。また、本実施形態では、支え台57上には、上述したように、位置決めピン61、62を挿通させた状態で、複数の積層板65が搭載されることになる。ここで、あて板59には、圧着冶具63が下降して支え台57上のこれら積層板65を熱圧着する際に、積層板65の上方から突出する位置決めピン61、62の形状を避けるように一対の凹部60が設けられている。
したがって、熱圧着装置55を用いて、実際に積層板65どうしを接合する場合には、まず、酸浸漬などによる洗浄処理により、SUS304製の各積層板65の表層にあるクロムの酸化膜(不動態皮膜)を除去する。次に、図5に示すように、各積層板65の一対の貫通穴7、8に対し、位置決めピン61、62を挿通させることで、複数の積層板65どうしをその板面に沿った方向に位置決めする。
次いで、貫通穴7、8に位置決めピン61、62を挿通させた状態の複数の積層板65を熱圧着装置55における高温真空炉56内の支え台57上に載置する。さらに、位置決めピン61、62の外形部分(例えばアルミナ層)を貫通穴7、8の内壁面に接触させることにより位置決めされた複数の積層板65を、所定温度に加熱しつつ、さらに圧着冶具63を通じて加圧し、当該積層板65どうしを拡散接合する。この熱圧着時の条件は、例えば、加熱温度950℃〜1050℃、圧力0.5〜2kg/cm2、炉内の真空度を0.0001Paとし、この状態を2時間維持し、この後さらに24時間かけて除冷処理を行う。これにより、インクジェットヘッドマニホールド2が作製される。
ここで、上述した態様では、積層板65の本体部分(製品部分)どうしを直接積層する製法について例示したが、これに代えて、図6に示すように、積層板65の外側にあるブランク部(捨て部材)51、52を有する状態の積層板65どうしを積層一体化するようにしてもよい。図6に示すように、積層板65は、例えばSUS304製の母材プレート50を加工成形することで得られる。詳細には、非製品部分であるブランク部51、52は、各積層板65の外形部分のさらに外側に配置され且つ積層板65どうしの拡散接合後に除去されるものであって、積層板65と一体で加工成形される。このようなブランク部51、52は、積層板65本体を例えばハンドリングする場合などに有用となる。なお、ブランク部51、52と積層板65とのつなぎ部分に、ハーフエッチングなどによって切れ込みを入れておくことで、積層板65の積層一体化後、ブランク部51、52を容易に除去して、インクジェットヘッドマニホールド2を得ることができる。
次に、このようにして作製されたインクジェットヘッドマニホールド2に対しオリフィスプレート3を接合する方法について図7A〜図7F及び図8A〜図8Dに基づき説明を行う。ここで、図7Aは、インクジェットヘッドマニホールド2の内部に形成されたインク流路内(インク吐出口37内)を減圧している状態を示す図であり、図7Bは、インクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37a側をロウ材74中に浸漬させている状態を示す図である。また、図7Cは、インクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37a側を純水76に浸漬させてインク吐出口37内でロウ材74を固化させている状態を示す図であり、図7Dは、ロウ材74によってインク吐出口37の閉塞されたインク吐出面37aを研磨している状態を示す図である。
さらに、図7Eは、インク吐出口37内で固化したロウ材74を溶解するための溶剤(薬液)を供給している状態を示す図であり、図7Fは、ロウ材74の溶解されたインクジェットヘッドマニホールド2に対し、オリフィスプレート3を拡散接合する直前の状態を示す図である。また、図8Aは、減圧された状態のインク吐出口37の断面図であり、図8Bは、ロウ材74が内部で固化されたインク吐出口37の断面図である。さらに、図8Cは、インク吐出面37aの研磨されたインク吐出口37の断面図であり、図8Dは、ロウ材74を溶解させて除去したインク吐出口37の断面図である。
まず、図7A、図8Aに示すように、塞栓部材72を用いて空気抜き口2b(空気抜き孔40)を塞ぐと共に、インクジェットヘッドマニホールド2内のインク流路(インク供給流路31、インク溜め部32、上側共通インク流路33、上側個別インク流路34、上下方向インク流路35、下側インク流路36)を介してインク吐出口37とつながるインク供給口2a(インク供給流路31)に、負圧発生装置(例えばチューブポンプ)71のチューブ71aの先端を接続する。この後、負圧発生装置71を駆動させ、インク流路内を減圧する。つまり、インク供給口2a側からインク流路内を吸気してインク吐出口(例えば開口断面が0.3mm角の角穴)37内に負圧を発生させる。
次に、図7B、図8Bに示すように、インク吐出口37内に負圧を発生させた状態で、インクジェットヘッドマニホールド2の底面にあるインク吐出面37a側(例えばインク吐出面37aから上側に1mmシフトした部位まで)を、容器73内の加熱溶融された流動性を有する状態(液状)のロウ材74中に浸漬させ、閉塞物としてのロウ材74をインク吐出口37内に引き込む(浸入させる)。ロウ材74としては、融点(61℃程度)、動粘度(4.1[mm2/s〈100℃〉]程度)、及び固化時の硬度の比較的低い石油ワックスの一種のパラフィンワックスなどが好適である。ここで、インク吐出面37aをロウ材74中に浸漬させる前に、既にインク吐出口37内に負圧を発生させているので、複数の微細なインク吐出口37内にロウ材74を確実に引き込むことができる。
また、インクジェットヘッドマニホールド2自体は、加温せずに、常温(例えば27℃程度)の環境化に置かれていたものを、鉛直方向下向きの姿勢でロウ材74中に浸漬させることが好ましい。これにより、インク吐出面37aから浅い(近い)ところで、ロウ材74を固化させることが可能となり、後述するロウ材74の除去を容易に行うことができる。
続いて、図7C、図8Bに示すように、インク吐出口37内に溶融状態のロウ材を浸入させた後、インク吐出口37内に負圧を発生させた状態で、インクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37a側を、容器75内に冷媒として貯留された純水76に浸漬させて、インク吐出口37内でロウ材74を固化する。これにより、インクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37aに開口するインク吐出口37に、ロウ材74が閉塞物として充填されて当該インク吐出口37が閉塞される。
次いで、図7D、図8Cに示すように、固化されたロウ材74でインク吐出口37の閉塞されたインク吐出面37a(の被研磨部80)をベルトグラインダなどの研磨装置77で研磨する。ここで、インクジェットヘッドマニホールド2は、複数の積層板65を積層一体化して構成されていると共に積層一体化された複数の積層板65の端面(エッチングなどで加工成形された端面)でインク吐出面37aが構成されている。このため、(研磨前の)インク吐出面37aには、少なくともミクロンオーダの凹凸(段差)が生じている。したがって、インク吐出面37aにオリフィスプレート3を拡散接合する前に、インク吐出面37aを平滑に(例えば鏡面仕上げに)研磨する必要がある。
但し、インク吐出面37aの研磨によってインク吐出口37の開口端にバリが発生したり、また、研磨粉がインク吐出口37内に混入したりするおそれがあるため、本実施形態では、上述したようにインク吐出口37をロウ材74で閉塞した状態でインク吐出面37aの研磨を行っている。これにより、研磨粉の除去やバリ取り工程などを削除することができる。なお、インク吐出面37aを研磨する場合には、インクジェットヘッドマニホールド2におけるインクジェットプリンタへの取付基準面(図7D中のインクジェットヘッドマニホールド2の例えば前面2c)とインク吐出面37aとが設計上定めた所定の角度(例えば90°)をなすように、上記取付基準面とインク吐出面37aとを同時に研磨することなどが望ましい。
次に、図7E、図8Dに示すように、インク吐出面37a(の被研磨部80)が研磨された後、ディスペンサなどの供給装置78を用いて、インクジェットヘッドマニホールド2の例えばインク供給口2aから溶剤としてのトルエン79を供給する。この際、インクジェットヘッドマニホールド2内のインク流路を介してインク供給口2aとつながるインク吐出口37内の固化しているロウ材74にトルエン79が供給され、これにより、ロウ材74が溶解されてインク吐出口37から除去される。
さらに、図7Fに示すように、閉塞物としてのロウ材74が除去されかつ平滑に研磨されたインクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37aに、インク吐出口37とつながるインク吐出孔3aが穿孔されたオリフィスプレート3を拡散接合する。この後、このインクジェットヘッドマニホールド2の両側面に、振動板4、FPC5及び圧電素子6を順次積層して行くことで、図1に示したインクジェットヘッド1を作製することができる。
既述したように、本実施形態に係るインクジェットヘッド1の製造方法では、インク吐出口37を一時的に閉塞した状態でインクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37aを研磨するので、研磨時にインク吐出口37の開口端に生じ得るバリの発生や、インク吐出口37内への研磨粉の混入を防止することができる。したがって、インクジェットヘッドマニホールド2及びオリフィスプレート3が拡散接合された状態では、このインクジェットヘッドマニホールド2のインク吐出面37aから開口するインク吐出口37とこのインク吐出口37につながるオリフィスプレート3上のインク吐出孔3aとで、インクの吐出を阻害することない(インク吐出のバラツキの少ない)好適なインク吐出経路を構成することができる。これにより、本実施形態のインクジェットヘッド1の製造方法によれば、インクの吐出を阻害する要因を極力取り除くことで実質的に印刷品質を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態により具体的に説明したが、本発明は前記実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した実施形態では、インク吐出口37内に充填する閉塞物として熱可塑性を有するロウ材74を用いていたが、流動性に優れ、また所定の溶剤で容易に溶解できる他の熱可塑性材料を適用してもよい。また、上述した熱可塑性を有する材料に代えて、熱硬化性を有する閉塞物を用いてもよい。熱硬化性を有する閉塞物(熱硬化性樹脂など)を用いる場合、インク吐出口37内に閉塞物を引き込む際には、まず、閉塞物を冷却して流動性を有する状態にしておき、インク吐出口37内に引き込んだ後、閉塞物を固化させるために、インクジェットヘッドマニホールド2の少なくともインク吐出面37a側を加熱することが必要となる。さらに、このような熱可塑性や熱硬化性を有する閉塞物に代えて、赤外線硬化型若しくは紫外線硬化型の樹脂材料や、所定の波長域の可視光で硬化する可視光硬化型の樹脂材料などを上記閉塞物として適用することも可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法により製造されたインクジェットヘッドの外観を示す斜視図。 図1のインクジェットヘッドを示す平面図。 図1のインクジェットヘッドの底面図。 図1のインクジェットヘッドの構造を示す分解斜視図。 図1のインクジェットヘッドを構成する積層板どうしを拡散接合するための熱圧着装置を概略的に示す図。 図1のインクジェットヘッドを構成する積層板を形成するための母材プレートを示す斜視図。 図1のインクジェットヘッドを構成するインクジェットヘッドマニホールドの内部に形成されたインク流路内を減圧している状態を示す図。 図7Aのインクジェットヘッドマニホールドのインク吐出面側をロウ材中に浸漬させている状態を示す図。 図7Bのインクジェットヘッドマニホールドのインク吐出面側を純水に浸漬させてインク吐出口内でロウ材を固化させている状態を示す図。 図7Cのロウ材によってインク吐出口の閉塞されたインク吐出面を研磨している状態を示す図。 図7Dのインク吐出口内で固化したロウ材を溶解するための溶剤を供給している状態を示す図。 図7Eのロウ材の溶解されたインクジェットヘッドマニホールドに対し、オリフィスプレートを拡散接合する直前の状態を示す図。 図7Aに対応する減圧された状態のインク吐出口の断面図。 図7Cに対応するロウ材が内部で固化されたインク吐出口の断面図。 図7Dに対応するインク吐出面の研磨されたインク吐出口の断面図。 図7Eに対応するロウ材を溶解させて除去したインク吐出口の断面図。
符号の説明
1…インクジェットヘッド、2…インクジェットヘッドマニホールド、2a…インク供給口、2b…空気抜き口、3a…インク吐出孔、3…オリフィスプレート、3a…インク吐出孔、21…第1流路形成積層板、22…第2流路形成積層板、23…第3流路形成積層板、24…第4流路形成積層板、25…第5流路形成積層板、26…第6流路形成積層板、27…第7流路形成積層板、28…第8流路形成積層板、29…第9流路形成積層板、31…インク供給流路、37…インク吐出口、37a…インク吐出面、40…空気抜き孔、55…熱圧着装置、65…積層板、71…負圧発生装置、72…塞栓部材、73,75…容器、74…ロウ材、76…純水、77…研磨装置、78…供給装置、79…トルエン、80…被研磨部。

Claims (5)

  1. インクの流路が内部に形成されたヘッド本体のインク吐出面に開口するインク吐出口に、閉塞物を充填して前記インク吐出口を閉塞する吐出口閉塞工程と、
    前記インク吐出口の閉塞された前記インク吐出面を研磨する研磨工程と、
    前記インク吐出面が研磨された後、前記インク吐出口から前記閉塞物を除去する閉塞物除去工程と、
    前記閉塞物が除去された前記ヘッド本体の前記インク吐出面に、前記インク吐出口とつながるインク吐出孔が穿孔されたオリフィス部材を接合する接合工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記吐出口閉塞工程は、
    前記ヘッド本体の内部に形成された前記インクの流路内を減圧して、流動性を有する状態の前記閉塞物を前記インク吐出口内に引き込む引込工程と、
    前記引込工程で前記インク吐出口内に引き込まれた前記閉塞物を固化する固化工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記閉塞物除去工程では、前記固化工程で固化した前記閉塞物を溶剤で溶解することを特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記ヘッド本体は、前記インクの流路を介して前記インク吐出口とつながるインク供給口をさらに備え、
    前記引込工程は、
    前記インク供給口側から前記インクの流路内を吸気して前記インク吐出口内に負圧を発生させる負圧発生工程と、
    前記インク吐出口内に負圧を発生させた前記ヘッド本体の前記インク吐出面側を、加熱溶融されたロウ材中に浸漬させて前記インク吐出口内に前記閉塞物としての前記ロウ材を浸入させる浸漬工程と、
    を有し、
    前記固化工程では、前記浸漬工程で前記インク吐出口内に溶融状態の前記ロウ材を浸入させた後、前記ヘッド本体の前記インク吐出面側を冷媒に接触させて前記インク吐出口内で前記ロウ材を固化する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記ヘッド本体は、複数の積層板を積層一体化して構成されていると共に積層一体化された前記複数の積層板の端面で前記インク吐出面が構成され、
    前記接合工程では、前記複数の積層板の端面で構成された前記インク吐出面に前記オリフィス部材を拡散接合する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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