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JP2008179549A - 糸状菌由来免疫賦活剤 - Google Patents

糸状菌由来免疫賦活剤 Download PDF

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JP2008179549A
JP2008179549A JP2007012996A JP2007012996A JP2008179549A JP 2008179549 A JP2008179549 A JP 2008179549A JP 2007012996 A JP2007012996 A JP 2007012996A JP 2007012996 A JP2007012996 A JP 2007012996A JP 2008179549 A JP2008179549 A JP 2008179549A
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mortierella
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Toshiji Shimauchi
敏次 島内
Shuichi Hiyamuta
修一 冷牟田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】 高活性免疫賦活剤を安価、かつ大量に提供する。
【解決手段】 ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の脱脂菌体又はその抽出残渣もしくは抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、糸状菌の菌体より得られる免疫賦活剤に関する。
細菌や真菌より得られる抽出物については従来、組成物や生理活性について調べられてきた。組成物としては蛋白質や多糖類、グリコプロテイン等が知られている。機能としては、キサンタンガムのような増粘剤としての活用に加え、免疫賦活効果が広く知られている。免疫賦活剤として顕著なものとしてはアガリクスやマイタケなどの担子菌由来の多糖類を含む抽出物が広く用いられている。
マイタケやアガリクス等の担子菌由来の熱水抽出物は免疫賦活効果を有する機能性剤として広く用いられているが(特許文献1,2を参照)、原料として子実体(キノコ)を用いる場合には子実体形成までに長期の時間を要し生産性が悪い。また、液体培養による菌糸体を用いる場合にも担子菌類は生育速度が悪い。そのため、生産性が非常に悪く製品価格が高価である。
アスペルギルス菌由来のβグルカンについてはサイトカインであるインターロイキン−8(IL−8)生産促進効果が確認されているが(特許文献3を参照)、製造工程においてアルカリ条件下での酸化抽出が必要であり製造工程が煩雑である。
リゾープス菌由来の抽出物ではマイトジェン活性(リンパ球増殖促進作用→免疫賦活)が確認されているが(特許文献4を参照)、培養床がフスマー大麦に限定され、固体培養であることから菌の生育が遅く生産性が悪い。
また、ムコール属またはコニディオボラス属に属する菌から、極性溶媒および非極性溶媒抽出によって、不飽和脂肪酸含有リン脂質を得る方法が記載されているが(特許文献5を参照)、非極性溶媒抽出残渣の脱脂菌体から高活性免疫賦活剤が得られることは知られていなかった。
特開平09-238697号公報 特開平02-211847号公報 特開2003-176304号公報 特開2001-078796号公報 特開平02-16989号公報
本発明は、高活性免疫賦活剤を安価、かつ大量に提供することを課題とする。
本発明は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の脱脂菌体又はその抽出残渣もしくは抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤を提供する。より詳細には、本発明は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体又はその抽出残渣もしくは抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤を提供するものである。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の脱脂菌体又はその抽出残渣もしくは抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤。
(2)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(3)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(4)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣の熱水抽出物を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(5)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに熱水抽出処理して得られる熱水抽出残渣を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(6)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を熱水抽出処理して得られる熱水抽出物の極性溶媒抽出物を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(7)ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を極性溶媒および熱水抽出処理して得られる抽出残渣を含むことを特徴とする、(1)に記載の免疫賦活剤。
(8)ムコール属に属する糸状菌がMucor circinelloidesである(1)〜(7)の何れかに記載の免疫賦活剤。
(9)モルティエレラ属に属する糸状菌がMortierella isabellinaである(1)〜(7)の何れかに記載の免疫賦活剤。
(10)(1)〜(9)の何れかに記載の免疫賦活剤を含む医薬。
(11)(1)〜(9)の何れかに記載の免疫賦活剤を含む外用剤。
(12)(1)〜(9)の何れかに記載の免疫賦活剤を含む食品。
(13)(1)〜(9)の何れかに記載の免疫賦活剤を含む飲食物。
本発明のムコール属やモルティエレラ属に属する菌体から非極性脂質を除去した脱脂菌体及び脱脂菌体からの熱水抽出物等は、ヒトリンパ球を用いた腫瘍細胞障害活性試験やサイトカイン生産性評価において高い免疫賦活効果を示す。詳細には、非極性溶媒抽出残渣からなる免疫賦活剤により、IL-12およびTNF-αの産生が顕著に向上し、腫瘍細胞障害活性が向上した。また、熱水抽出後のエタノール添加により得られる沈殿物(多糖類、糖蛋白など)からなる免疫賦活剤によっても、IL-12およびTNF-αの産生が顕著に向上し、腫瘍細胞障害活性も向上した。
本発明のムコール属やモルティエレラ属は、液体培養条件で短期間に高濃度で生育可能であるため、菌体の生産性が非常に高い。これにより、高活性免疫賦活剤を安価、大量に供給することが可能である。
また、本発明の免疫賦活剤は、医薬、外用剤、食品、および飲食物などに利用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のムコール属もしくはモルティエレラ属の糸状菌由来の免疫賦活剤は、以下の手順に従って得ることができる(図1を参照)。
1.ムコール属もしくはモルティエレラ属の糸状菌の培養
モルティエレラ(Mortierella)属に属する微生物としては、モルティエレラ・イサベリナ(Mortierella isabellina)、モルティエレラ・ラマニアナ(Mortierella ramaniana va
r.angrispora)が挙げられ、具体的には、例えばモルティエレラ・イサベリナIFO7824やモルティエレラ・ラマニアナIFO8187などが挙げられる。これらの菌株は、生物遺伝資源センター(NBRC:千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)から入手できる。
ムコール(Mucor)属に属する微生物としては、ムコール・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)、ムコール・ジャバニクス(Mucor javanicus)が挙げられ、具体的には、例えばムコール・シルシネロイデスHUT1121やムコール・ジャバニクスHUT1162などが挙げられる。本発明においては、ムコール・シルシネロイデスHUT1121が特に好ましい。ムコール・シルシネロイデスHUT1121は、昭和62年4月30日に、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P−9359で寄託され、その後ブタペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−3883の受託番号が付与されている。また、ムコール・ジャバニクスHUT1162は、昭和62年4月30日に、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P−9360で寄託され、その後ブタペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−3884の受託番号が付与されている。
上記微生物を培養するための培地は、該微生物が良く生育しうるものであればよく、炭素源、窒素源、無機塩類および必要により微生物の生育に好適なアミノ酸等の成分を含むものが用いられる。炭素源としてはグルコース、デンプン、廃糖蜜等の糖類や有機酸や酢酸ソーダなどが使用でき、特にグルコース等の糖類が好適である。また、窒素源としてはアンモニウム塩、酵母エキス、コーンスティープリカー、ペプトンなどがあり、無機塩類としてはマグネシウム塩、カルシウム塩、リン酸塩、鉄塩、銅塩などがある。
その他の培養条件、たとえば温度、培養時間は、培地組成や目的とする菌体の生産性を考えて好ましい条件を設定すればよい。通常は20〜35℃、好ましくは25〜30℃、pHは 3〜7好ましくは3.5〜6.5にて72時間〜240時間、好ましくは96時間〜168時間行えばよい。
2.菌体の回収、破砕処理、及び乾燥
菌体の回収は、遠心分離法、濾過法などによって行うことができる。菌体の回収後、好ましくは菌体の破砕処理を行う。この破砕工程は、次工程の非極性溶媒による非極性脂質の除去効率向上および脱脂菌体からの熱水抽出効率の向上に有効である。菌体の破砕は、通常、機械的に行なわれ、例えばフレンチプレス,超音波破砕機等(特開平5−17796公報を参照)によって行うことができる。菌体の粉砕処理後、好ましくは、菌体を乾燥させる。菌体の乾燥は、例えば、凍結乾燥機,真空乾燥機,気流乾燥機等(特開平5−17796公報を参照)によって行うことができる。
3.菌体からの非極性溶媒抽出による非極性脂質の除去
本発明の第1の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤1と呼ぶ)。
使用される非極性溶媒としては、n−ヘキサン、n-ヘプタンなどが挙げられる。特に抽出率、食品への応用の点からn−ヘキサンが好ましい。
溶媒を用いての抽出は、特に制限はないが、特に充填塔(カラム)を用いて抽出を行なうことが好ましい。充填カラムを用いての抽出,回収は、例えば、脱水した破砕菌体を円筒状の充填カラムに詰め、上部より抽出溶媒を流下させ、充填カラム底部より流出する溶媒を集め、濃縮することによって行なうことができる(特開平5−17796公報を参照)。ヘキサンを用いた場合の抽出条件は、通常5〜60℃、好ましくは40〜60℃、0.5時間〜12時間、好ましくは1時間〜6時間である。
非極性溶媒抽出により、ムコール属やモルティエレラ属の糸状菌の菌体内に蓄積する非極性脂質を除去することができる。この脂質が空気中の酸素により酸化された場合、特有の臭気や有害性を示す過酸化脂質となるため、除去されることにより、臭気や有害性の問題が低減する。
4.上記3の脱脂菌体の極性溶媒での抽出
本発明の第2の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤2と呼ぶ)。
使用される極性溶媒としては、クロロホルム/メタノール混合液、アセトン、メタノール、エタノールなどが挙げられる。特に食品への応用の点からエタノールが望ましい。
溶媒を用いての抽出は、上記非極性溶媒抽出方法と同様の方法によって、通常の条件下で行うことができる。エタノールを用いた場合の抽出条件は、通常5〜60℃、好ましくは40〜60℃、0.5〜12時間、好ましくは1〜6時間である。
極性溶媒抽出により、脱脂菌体中に含まれる着色成分および特有の臭気を持った成分の除去が可能となる(脱脂菌体の脱色、脱臭)。また、極性脂質も抽出されるため、更に酸化安定性が向上する。
5.上記3記載の脱脂菌体および上記4記載の極性溶媒抽出残渣の熱水での抽出
本発明の第3の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣の熱水抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤3と呼ぶ)。
熱水での抽出は、例えば、50〜135℃で15分から3時間行う。短時間で行うには、圧力下100℃以上、例えば圧力釜を用いて1〜2気圧下120℃前後で30分〜1時間前後で抽出を行う(特開平9−238697公報を参照)。
6.上記5で得た熱水抽出物の乾燥
熱水抽出物に2〜5倍量のエタノールを添加して沈殿させ、沈殿物を回収後、スプレードライ法や凍結乾燥法などの乾燥を行うことも可能である。
7.熱水抽出後の熱水抽出残渣の乾燥
本発明の第4の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに熱水抽出処理して得られる熱水抽出残渣を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤4と呼ぶ)。
本発明の第5の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を熱水抽出処理して得られる熱水抽出物の極性溶媒抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤5と呼ぶ)。上記工程3によって、非極性脂質は除去されるが、極性溶媒抽出物である免疫賦活剤5は、リン脂質の他に、糖脂質、その他の極性脂質を含むものである。
本発明の第6の免疫賦活剤は、ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を極性溶媒および熱水抽出処理して得られる抽出残渣を含むことを特徴とする免疫賦活剤である(以下、免疫賦活剤6と呼ぶ)。
なお、極性溶媒での抽出、熱水での抽出などの条件は、上記工程4,5と同じである。
熱水抽出残渣の乾燥は、例えば、凍結乾燥機,真空乾燥機,気流乾燥機等(特開平5−17796公報を参照)によって行うことができる。
8.免疫賦活活性の測定
免疫賦活活性は、例えば、特許第3655741号に記載の方法に準じて測定すること
ができる。
免疫賦活測定項目としては以下の項目が挙げられる。
(1)ヒト血液中のリンパ球を用いた検討
・ 腫瘍細胞障害活性の測定
・ サイトカインの測定(I):IL-12
・ サイトカインの測定(II):TNF-α
(2)マウス由来マクロファージ様細胞株を用いた検討
・ サイトカインの測定(I):IL-12
・ サイトカインの測定(II):TNF-α
上記手順に従って得られた本発明の免疫賦活剤は、以下の実施例で示されるように、自己腫瘍細胞傷害(ATK)活性ならびにIL−12及びTNF−αの産生能力を有するものである。IL−12は、ナチュラルキラー細胞を活性化する作用を有するサイトカインであり、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)の増殖作用および活性化作用を有すること、キラーT細胞の活性化を促すインターフェロン・ガンマーの産生も増強することが知られている。
従って、本発明の免疫賦活剤は、細菌やウイルスなどによる感染症、白血病などの免疫力が低下する疾患、腫瘍などの治療または予防に有効である。TNF−αに代表される炎症性サイトカインは、主にマクロファージから放出され、抗腫瘍作用等を示すことが報告されている。よって、本発明の免疫賦活剤は、これらの疾患の治療または予防を目的として、免疫賦活剤、抗腫瘍剤、IL−12またはTNF−α産生促進剤などとして使用することができる。また、本発明の免疫賦活剤は、これらの疾患の治療または予防を目的として、患者に投与することができる。
本発明の免疫賦活剤は、免疫療法において有用であり、具体的には、患者から採血した後、本発明の免疫賦活剤を用いて、血液から分離したリンパ球を活性化し、これを患者に戻すことができる。
本発明の免疫賦活剤を含有してなる医薬は、医薬製剤の製造法で一般的に用いられている公知の手段に従って、そのまま、あるいは薬理学的に許容される担体と混合して投与することができる。
薬理学的に許容される担体としては、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。
本発明の医薬の製剤化には、通常製剤化に用いられる各種の成分が任意に使用されるが、その例としては、例えばデンプン、デキストリン、乳糖、コーンスターチ、無機塩類などが挙げられる。
本発明の免疫賦活剤を含有してなる医薬の剤型としては、アンプル、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、輸液、ドリンク剤等が挙げられるが、特定の剤型のものに限定されるものではない。
製剤中の免疫賦活剤の好ましい含有量は、製剤全量に対して0.1〜80重量%であり、より好ましくは1〜5重量%である。
本発明の免疫賦活剤の投与方法としては特に制限されず、経口投与、静脈投与などが挙げられる。好ましい投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより異なり特に制限されないが、例えば、患者(体重60kgとして)に対して、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。
本発明の免疫賦活剤は、食品として一般に用いられる原料、例えば、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン類などに配合することにより、高免疫賦活活性を有する健康食品、食事用補添物、栄養組成物としても用いることができる。
食品は、本発明の免疫賦活剤を、通常食品に用いられる原料と混合することによって製造することができる。
本発明の食品中に含まれる免疫賦活剤の量は、特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、食品中に0.1〜50質量%、好ましくは1〜10質量%とするのがよい。
また、本発明の免疫賦活剤は、飲食物、動物飼料、ペットフード、ペット用健康食品などとしても用いることができる。
本発明の免疫賦活剤は、化粧品、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤に含有させることができる。化粧品としては、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。医薬品または医薬部外品としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の医薬品等が挙げられる。
また、本発明の皮膚外用剤には前記生理活性組成物のほか本発明の効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性物質、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、これら実施例にのみ、限定を受けないことは言うまでもない。
実施例1:ムコール糸状菌培養および脱脂乾燥菌体の製造
以下に示した組成の培地18Lを30リットル容ジャーファーメンタに入れ、この培地にムコール・シルシネロイデスHUT1121株(FERM BP−3883)を接種し、30℃で4日間通気攪拌培養を行った。
グルコース 100g/L
硫酸アンモニウム 6.6g/L
リン酸一カリウム 4.5g/L
硫酸マグネシウム・7水塩 0.5g/L
酵母エキス 0.3g/L
微量金属類
・硫酸第一鉄・7水塩 20 mg/L
・塩化カルシウム・2水塩 2.4 mg/L
・硫酸銅・5水塩 0.4 mg/L
・硫酸亜鉛・7水塩 2.0 mg/L
・塩化マンガン・4水塩 2.0 mg/L
本培養後、培養液をろ過して菌体を回収した。この回収した菌体を10%の濃度になるように均一に水に分散、懸濁させた後、破砕機(マイクロフルイタイザー M110Y型、マイクロフルイダイズ社製)を用いて、700kg/cm2の圧力で破砕した。その後、菌体を凍結乾燥して乾燥菌体を得た。
この乾燥菌体10gを内径20mmのガラス製カラムに充填し上部より100mlのヘキサンを流した。その後、菌体を回収し減圧乾燥によりヘキサンを除去した脱脂乾燥菌体6.6gを得た。
実施例2:極性溶媒抽出物
上記実施例1で得た脱脂乾燥菌体5gにエタノール50mlを添加し、40℃で1時間抽出処理を行った。抽出液を濾過した後、残渣に再び50mlのエタノールを加え同様に抽出処理をおこなった。これをろ過し、得られた抽出ろ液を一回目の抽出ろ液と合わせた。このろ液から減圧乾燥法によりエタノールを除去することにより、エタノール抽出物(極性溶媒抽出物)0.9gを得た。
実施例3:極性溶媒抽出残渣
また、実施例2で得たエタノール抽出後の残渣を減圧乾燥することにより、エタノール抽出残渣(極性溶溶媒抽出残渣)4.0gを得た。
実施例4:熱水抽出物
上記実施例1で得た脱脂乾燥菌体5gに脱イオン水50mlを添加し、60℃で1時間抽出処理を行った。抽出液をろ過した後、残渣に再び50mlの水を加え、同様に抽出処理を行った。これをろ過し、得られた抽出ろ液を一回目の抽出ろ液と合わせた。この溶液に4倍容量のエタノール(400ml)を添加し、20℃で1時間静置した。その後、沈殿物を遠心分離法により分離し凍結乾燥することにより、熱水抽出物0.8gを得た。
実施例5:熱水抽出残渣
また、上記実施例4で熱水抽出を行った残渣を凍結乾燥することにより、熱水抽出残渣4gを得た。
実施例6:極性溶媒および熱水を用いた抽出残渣
上記実施例3で得た極性溶媒抽出残渣に対して、実施例4と同様の方法で熱水抽出を行い、得られた残渣を凍結乾燥することにより、極性溶媒および熱水を用いた抽出残渣3.0gを得た。
実施例7:ヒトリンパ球を用いた腫瘍細胞障害性向上検討
1)検査内容
脱脂乾燥菌体、熱水抽出物、熱水抽出残渣の免疫賦活効果を検査するため、被験者5名において免疫能測定検査としてATK誘導活性の測定を行った。また、免疫賦活効果が知られているピシバニールについてもATK誘導活性の測定を行った。
2)検査方法
各種サンプルは培養液に溶解し、その後、以下の濃度となるように希釈調製した。尚、コントロールを含むすべてのサンプルにおいて培養時にDMSOが0.5%含まれていた。ピシバニールの濃度は0.05KE/mlであった。
ここで、ピシバニール 1KEとは、ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末2.8mg、乾燥菌体として0.1mgに相当することを意味する。凍結乾燥粉末には、添加物として硫酸マグネシウム、DL−メチオニン、マルトース、ベンジルペニシリンカリウムが含まれる。
実施例1の脱脂乾燥菌体:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例2の極性溶媒抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例3の極性溶媒抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例4の熱水抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例5の熱水抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例6の極性溶媒および熱水を用いた抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
被験者より血液を採取し、リンパ球を分離した。リンパ球に上記サンプルを添加後、C
2インキュベーター中で一晩培養した。
翌日、培養したリンパ球と、傷害されると溶出する標識物質(放射性クロム51)で標識したガン細胞K562を、それぞれリンパ球対ガン細胞の比率40:1、20:1、10:1、5:1で混合し、どのくらいのガン細胞が傷害されたかを標識物質の溶出量で定量した(特許第3655741号公報を参照)。
公式により傷害活性度を求め、ATK誘導活性とした。
ATK誘導活性は以下の公式により求められる。公式の最大放出量とは、人為的にガン細胞すべてを壊した時に遊離する標識物質量を示し、自然放出量とはリンパ球を加えない時に遊離するバックグラウンドの標識物質量を示す。
ATK誘導活性(%)=(傷害されたガン細胞より遊離した標識物質量−自然放出量)
/(最大放出量−自然放出量)×100
また、健康食品を添加しないリンパ球のみのATK誘導活性を測定し、免疫賦活効果を評価する時のコントロールとした。
結果を表1に示す。
Figure 2008179549
実施例8:ヒトリンパ球を用いた体外系でのサイトカイン産生能向上検討
1)検査内容
以下の6種類の試料の免疫賦活効果を検査するため、被験者5名においてサイトカイン産生能の測定を行った。また、免疫賦活効果が知られているピシバニールについてもサイ
トカイン産生能の測定を行った。
2)検査方法
各種サンプルは培養液に溶解し、その後、以下の濃度となるように希釈調製した。尚、コントロールを含むすべてのサンプルにおいて培養時にDMSOが0.5%含まれていた。ピシバニールの濃度は0.05KE/mlであった。
実施例1の脱脂乾燥菌体:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例2の極性溶媒抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例3の極性溶媒抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例4の熱水抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例5の熱水抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例6の極性溶媒および熱水を用いた抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
被験者から採取した血液を遠心管に入れ、リン酸緩衝溶液(PBS)にて2倍に希釈し、複数の血液分離用のリンフォプレップチューブに移し、常温で遠心分離し、リンパ球層を遠心管に採取し、PBSで洗浄し、遠心分離して上清を捨てる。この操作を3回繰返した後、低温で更に2回PBSで洗浄し、培養液のRPMIを加えて濃度を測定し、リンパ球が4×106個/mlとなるように濃度を調整した。この濃度測定は血球計算板を使用して行い、できるだけ正確に測定してリンパ球培養原液とした。この原液を必要により希釈して用いた。これら調整された液を複数のチューブに0.1mlずつ分注し、ブランクとしてRPMIを等量添加し、チューブスタンドに立ててCO2インキュベーターへ格納し、一夜培養した(特許第3655741号公報を参照)。
培養24時間後の上清を回収し、サイトカイン測定キットを用いてサイトカイン(IL-12とTNF-α)産生量を測定した。
IL-12、TNF-αの測定については、ヒト IL-12 ELISA キット、ヒト TNF-α ELISA キット(共にバイオソース インターナショナル社)を用いて行った。
結果を表2,3に示す。
Figure 2008179549
Figure 2008179549
実施例9:マウス由来マクロファージ様細胞株を用いたサイトカイン生産向上の検討
1)検査内容
6種類の試料のマクロファージ活性化能を検査するためサイトカイン(IL-12とTNF-α)の測定を行った。
2)検査方法
各種サンプルは培養液に溶解し、その後、以下の濃度となるように希釈調製した。尚、すべてのサンプルにおいて培養時にDMSOが0.5%含まれていた。
実施例1の脱脂乾燥菌体:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例2の極性溶媒抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例3の極性溶媒抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例4の熱水抽出物:10μg/ml、100μg/ml、250μg/ml
実施例5の熱水抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
実施例6の極性溶媒および熱水を用いた抽出残渣:10μg/ml、100μg/ml、1000μg/ml
マウス由来マクロファージ様細胞株J774.1(1.5×105個/well)にサンプルを添加し、一定時間反応させた。
サイトカイン(IL-12とTNF-α)産生量は、培養24時間後の上清を回収し、サイトカイン測定キットを用いて測定した。
結果を表4,5に示す。
Figure 2008179549
Figure 2008179549
本発明により、高活性免疫賦活剤を提供することができる。従って、本発明は、免疫賦活効果のある食品、健康食品、飲食物、医薬品、医療(免疫療法:採血後、リンパ球を活性化し体内に戻す)、ペットフード、ペット用健康食品、ペット用医薬品、動物用飼料、化粧品を含む外用剤などに適用することができる。
本発明の免疫賦活剤の調製手順の概略を示す。

Claims (13)

  1. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の脱脂菌体又はその抽出残渣もしくは抽出物を含むことを特徴とする免疫賦活剤。
  2. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  3. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  4. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を極性溶媒で抽出処理して得られる極性溶媒抽出残渣の熱水抽出物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  5. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を、さらに熱水抽出処理して得られる熱水抽出残渣を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  6. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体または同脱脂菌体を熱水抽出処理して得られる熱水抽出物の極性溶媒抽出物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  7. ムコール属又はモルティエレラ属に属する糸状菌の菌体を非極性溶媒で抽出処理して得られる脱脂菌体を極性溶媒および熱水抽出処理して得られる抽出残渣を含むことを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  8. ムコール属に属する糸状菌がMucor circinelloidesである請求項1〜7の何れかに記載の免疫賦活剤。
  9. モルティエレラ属に属する糸状菌がMortierella isabellinaである請求項1〜7の何れかに記載の免疫賦活剤。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の免疫賦活剤を含む医薬。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載の免疫賦活剤を含む外用剤。
  12. 請求項1〜9の何れかに記載の免疫賦活剤を含む食品。
  13. 請求項1〜9の何れかに記載の免疫賦活剤を含む飲食物。
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WO2024050588A1 (en) * 2022-09-07 2024-03-14 Nourish Ingredients Pty Ltd Compositions and methods for producing aromas

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