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JP2008174594A - 摺動材組成物 - Google Patents

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JP2008174594A
JP2008174594A JP2007007438A JP2007007438A JP2008174594A JP 2008174594 A JP2008174594 A JP 2008174594A JP 2007007438 A JP2007007438 A JP 2007007438A JP 2007007438 A JP2007007438 A JP 2007007438A JP 2008174594 A JP2008174594 A JP 2008174594A
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Masaki Egami
正樹 江上
Eiichiro Shimazu
英一郎 島津
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】多孔質シリカを配合した摺動材組成物において、該多孔質シリカを組成物内部で高い連通率で連結させることで潤滑剤を摺動部表面に継続的に供給することができ、優れた低摩擦・低摩耗性を有する摺動材組成物を提供する。
【解決手段】樹脂材料に、多孔質シリカおよび潤滑剤を少なくとも配合してなる摺動材組成物であって、所定の計算方法において求めた多孔質シリカに潤滑剤が保持された含油多孔質シリカの連通率が 20 %以上である摺動材組成物であって、上記計算方法は、含油多孔質シリカを樹脂材料に配合してなると仮定したバルク体を、該含油多孔質シリカの平均粒子径を一辺の長さとした立方体セルを面方向であるX軸方向、Y軸方向、およびZ方向にそれぞれ任意セル数積み重ねたモデルを用いて所定手順により連通率を求める計算方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑剤を微量ずつ継続的に摺動界面に滲み出させることができる摺動材組成物に関する。
潤滑性樹脂組成物を成形して得られる樹脂摺動材などの摺動材組成物に求められる機能は、年々厳しさを増しており、初期状態における優れた低摩擦・低摩耗化と、その初期摺動性を長期間維持することが強く求められている。これまで低摩擦・低摩耗化のためには、樹脂材料等に、黒鉛やポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、窒化硼素等の固体潤滑材を配合したり、ガラス繊維やカーボン繊維等の補強材を配合したりして摺動特性を付与してきた。しかし、上記の固体潤滑剤を配合した場合は摩擦係数の低減には限界があり、材料のさらなる低摩擦化のため、潤滑油などの潤滑剤を配合する手法が試みられている。
しかしながら、樹脂材料等に潤滑剤のみを配合した場合、以下に示すような問題がある。
例えば、樹脂材料に潤滑剤として潤滑油のみを分散させた場合、混練により油の分散単位が変化するため、一定の摺動特性をもつ材料を安定して製造することが困難である。また、摺動特性(摩擦特性)を向上させるためには、潤滑油の配合量は多いほうが好ましいが、潤滑油の配合量が多くなると混練時にスクリュのすべりやあるいは計量時間が不安定となってサイクルタイムが長くなる等、安定して製造することが困難となる。また、金型に油が付着したり、寸法精度が出にくくなったりする等の問題もある。さらに、潤滑油と樹脂材料との相溶性が悪い場合など、その組み合わせによっては、潤滑油を均一に樹脂材料に分散できないという問題がある。
また、潤滑油を配合させた樹脂材料は、摺動時にベースの樹脂層が少しずつ摩耗して潤滑油層が摺動部に現れると、潤滑油が摺動部表面に滲み出す。潤滑油の滲み出し具合は制御することが困難であり、潤滑油が滲み出した跡の空孔は樹脂層の強度低下を引き起こすおそれがあるという問題がある。さらに充填材を加えて機械的強度や耐摩耗性を向上させようとすると、充填材の界面に油が局在化するため、補強効果が十分とならない場合がある。
このような問題を解決するため、熱可塑性樹脂に潤滑油を含浸した球状シリカゲルを 0.01〜80 重量%配合した射出成形用樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、基材に対して、特定の多孔質シリカにシリコーン油を含浸した潤滑性付与剤を配合した組成物が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの提案を用いても、近年の厳しい摩擦条件(例えば高面圧)下では必ずしも良好な摩擦摩耗特性が得られないという問題があった。これは、多孔質シリカ等の配合割合によっては、成形体内部に摺動材組成物表面まで連通していない多孔質シリカが多く存在し、これらの多孔質シリカが保持している潤滑剤が有効に利用されないため、摺動部表面において潤滑剤量が不足すること等に起因すると考えられる。従来の摺動材組成物においては、このような多孔質シリカ等の連通性は考慮されておらず、多孔質シリカ等の配合割合は経験的・実験的に決定されていた。
一方、樹脂に気孔形成材を配合した後、気孔形成材を溶媒で抽出することにより樹脂製多孔体を製造する方法において、気孔形成材の配合量から気孔形成材の連通性を計算によって求める方法が開示されている(特許文献3参照)。しかし、これは抽出法による多孔体の製造法に関するものであって、摺動材組成物に対する記述はない。
特開平7−3074号公報 特開2002−129183号公報 特開2006−282898号公報
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、多孔質シリカを配合した摺動材組成物において、該多孔質シリカを組成物内部で高い連通率で連結させることで潤滑剤を摺動部表面に継続的に供給することができ、優れた低摩擦・低摩耗性を有する摺動材組成物を提供することを目的とする。
本発明の摺動材組成物は、樹脂材料に、多孔質シリカおよび潤滑剤を少なくとも配合してなり、所定の計算方法において求めた上記多孔質シリカに上記潤滑剤が保持された含油多孔質シリカの連通率が 20 %以上である摺動材組成物であって、上記所定の計算方法は、上記含油多孔質シリカと上記樹脂材料とからなると仮定したバルク体を、該含油多孔質シリカの平均粒子径を一辺の長さとした立方体セルを面方向であるX軸方向、Y軸方向にそれぞれ任意セル数、深さ方向であるZ軸方向に少なくとも 25 セル積み重ねたモデルとして表現するモデル化ステップと、上記モデルにおいて、バルク体における含油多孔質シリカの配合割合分の個数のセルを含油多孔質シリカセルとしてモデル内のランダムな位置に配置するランダム配置ステップと、上記モデルにおいて、上下・左右・前後の6方向のいずれかで接触しているセル同士を相互に連続しているセルとし、最上面のセルで構成されたXY面をバルク体の表面層とし、該表面層の含油多孔質シリカセルおよび該セルから 25 セルの深さまで継続的に連続しているモデル内の含油多孔質シリカセルを連通セルとしてカウントする連通セル数カウントステップとを備えてなり、上記連通セル数カウントステップで得られた連通セルの個数が、上記モデルを構成する 25 セルの深さまでに存在する含油多孔質シリカセルの個数に占める割合を連通率として算定する計算方法であることを特徴とする。
上記多孔質シリカは、粒子径が 3 nm〜8 nm の一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した連続孔を有する球状多孔質シリカであり、該球状多孔質シリカの平均粒子径が 0.5μm〜100μm であることを特徴とする。
上記多孔質シリカは、吸油量が 300 ml/100g〜400 ml/100g であり、潤滑剤が予め含浸された多孔質シリカであることを特徴とする。
上記樹脂材料は、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする。また、上記潤滑剤は、シリコーン油であることを特徴とする。
上記多孔質シリカおよび潤滑剤の合計配合量は、30 容量%〜60 容量%であることを特徴とする。
持続性ある摺動特性を有する摺動材を得るために潤滑剤を配合する場合、多孔質シリカ、特に連続孔を有する多孔質シリカを利用し、さらにこれらを樹脂中で連通率 20 %以上で連通した状態となるよう配合することにより摩擦・摩耗特性を向上させるとともに、その特性が長期間維持できることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
摺動材組成物において、潤滑剤を含浸した多孔質シリカを特定量配合して上記計算方法による多孔質シリカの連通率を 20 %以上とすることにより、次のような作用が認められた。
(1)多孔質シリカが樹脂内部で十分に連結し、厳しい潤滑条件下でも摺動界面に継続して潤滑剤を供給できるので、優れた摩擦・摩耗特性を持続できる。
(2)成形性が確保できる範囲内で樹脂材料に潤滑剤を配合し、さらに潤滑剤が含浸された多孔質シリカを配合することで、組成物中の含油量を多くできるので、従来の潤滑剤配合量よりも多く配合できる。
(3)潤滑剤が含浸された多孔質シリカを配合することにより潤滑剤成分が多孔質シリカに保持されているので、単に多量の潤滑剤を配合した場合に比較して、射出成形時等にスクリュがすべる、計量が不安定となってサイクルタイムが長くなる、寸法精度がでにくい、金型表面に潤滑剤が付着して成形面の仕上がりが悪くなるなどの不具合が生じない。
(4)樹脂材料と潤滑油との相溶性により、これまで混練できなかった材料の組み合わせでも、問題なく混練できる。
(5)多孔質シリカの中でも、特に球状多孔質シリカは摺動界面のせん断力で破壊するため、摺動する相手材が軟質材でも傷をつけない。
(6)含油樹脂と補強材との併用を考えた場合、潤滑剤と補強材とをそれぞれ単体で配合して混練すれば補強材と樹脂との界面に潤滑剤が局存化するため、補強効果が十分発揮できない場合が生じる。しかし、潤滑剤を多孔質シリカ、特に球状多孔質シリカに含浸させて補強材と混練すれば、補強材と樹脂との界面に潤滑剤が存在しないため、所定の補強効果が得られる。
本発明の摺動材組成物は、樹脂材料に、多孔質シリカおよび潤滑剤を少なくとも配合してなるので、潤滑剤が多孔質シリカ内に保持され、かつ摺動界面において潤滑剤を少量ずつ供給できる。特に、多孔質シリカに潤滑剤が保持された含油多孔質シリカが樹脂内部で連結し、所定の計算方法により求められる含油多孔質シリカの連通率が 20 %以上であるので、摺動界面に継続して潤滑剤を供給でき、優れた摩擦・摩耗特性を持続できる。
また、多孔質シリカに潤滑剤が含浸されているので、摺動材組成物としての機械的性質を維持して組成物中の含油量を多く配合できる。
また、樹脂材料に予め潤滑剤が含浸された多孔質シリカ(吸油量 300〜400 ml/100g )を配合することで、樹脂材料と潤滑油との相溶性により、これまで混練できなかった材料の組み合わせでも、問題なく配合・混練できる。また、樹脂材料中にも潤滑剤を配合できるので、多量の潤滑剤を配合できる。また、射出成形時等にスクリュがすべる、計量が不安定となってサイクルタイムが長くなる、寸法精度がでにくい、金型表面に潤滑剤が付着して成形面の仕上がりが悪くなるなどの不具合が生じない。
上記摺動材組成物に用いられる多孔質シリカは、一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した連続孔を有する球状多孔質シリカであるので、摺動界面のせん断力で球状多孔質シリカが破壊する。その結果、摺動する相手材が軟質材でも傷をつけない。
また、球状多孔質シリカの平均粒子径が 0.5〜100μm であるので、分散性に優れる。そのため、他の補強材と併用しても補強材と樹脂との界面に潤滑剤が存在するのを防ぐことができ、所定の補強効果が得られる。
本発明の摺動材組成物は、樹脂材料に、多孔質シリカおよび潤滑剤を少なくとも配合してなる摺動材組成物であり、特に所定の計算方法により求める含油多孔質シリカの連通率が 20 %以上となるように、多孔質シリカの配合割合を決定している点に特徴を有する。
本発明における上記計算方法は、モンテカルロ法の原理を利用するものであり、摺動材組成物において表面から相互に連続している含油多孔質シリカの総体積が、配合した含油多孔質シリカ総体積に占める割合、すなわち連通率を算定するものである。なお、モンテカルロ法とは、乱数を用いて多数の資料を作成し、これらの資料から求めようとする解または法則を近似的に求めようとする方法である。
本発明における連通率の計算方法は、以下の各ステップから構成されている。
(1)モデル化ステップ
含油多孔質シリカと、母材である樹脂材料とからなるバルク体を仮定し、図1に示すように、立方体セルを面方向であるX軸方向、Y軸方向、および深さ方向であるZ軸方向にそれぞれ任意個数積み重ねたモデルとして表現する。また、図1は参考図でありZ軸方向は3セルであるが、実際のモデル化時には少なくとも 25 セルとする。なお、立方体セルの一辺の長さは、含油多孔質シリカの平均粒子径とする。
(2)ランダム配置ステップ
バルク体における含油多孔質シリカの配合割合分の個数のセルを、含油多孔質シリカセルとしてモデル内のランダムな位置に配置する。ここでいう「配置する」とは、上記モデルにおいて、ランダムで選定されたセルを含油多孔質シリカセルであるとして定義付ける操作である。
(3)連通セル数カウントステップ
モデルでは、立方体セルが図1に示すように配置されている。本発明では、セル同士が相互に連続するのはセルが面接触する場合のみと仮定し、表層面、最下層面を構成するセルを除き、図2に示すように1つの任意セル(中心のセル)に対して連続するセルは、上下・左右・前後の6個のセルであるとした。なお、X軸方向、Y軸方向には周期境界条件を設定する。
また、バルク体表面まで連通している含油多孔質シリカセルの部分が潤滑剤の移動可能な連通路となる。よって、図1に示すモデルにおいて、最上面のセルで構成されたXY面をバルク体(成形体)の表面層とし、該表面層の含油多孔質シリカセルから連続している、表面層から 25 セルの深さまでの含油多孔質シリカセルを連通セルとしてカウントする。
連通セルの個数は、表面層の含油多孔質シリカセル数と、表面層下であって表面層の含油多孔質シリカセルから途切れることなく連続している含油多孔質シリカセルの数とを合計したものである。
(4)連通率の計算
連通セルの個数およびモデルを構成する 25 セルの深さまでに存在する含油多孔質シリカセル(非連通セルも含む)の個数から、連通率(%)は以下の式(1)により算定される。
Figure 2008174594
モデル化ステップにおいて、パラメータとして含油多孔質シリカの平均粒子径および成形物の厚みを与えることにより、Z軸方向に配置するセルの個数が決定する。例えば、成形物厚みが 3 mm であり含油多孔質シリカの平均粒子径が 100μm である場合は、Z軸方向のセル数は 30 個となる。
また、X軸方向、Y軸方向に配置するセルの個数は、任意個数とすることができる。セルの配置数が少な過ぎる場合では、精度のよい近似ができないため、X軸方向に 30 個程度以上、Y軸方向に 30 個程度以上配置し、一層のセル数を 1000 セル以上にすることが好ましい。一層のセル数を 1000 セル以上とすることにより、含油多孔質シリカの連通率を 0.1 %以上の精度で評価できる。
ランダム配置ステップでは、任意量の含油多孔質シリカ粒子をバルク体に配合すると想定し、モデル内において含油多孔質シリカの配合割合分の個数のセルを、含油多孔質シリカセルとしてランダムな位置に配置する。
例えば、含油多孔質シリカの配合割合を、樹脂材料、含油多孔質シリカ、およびその他の材料を含めた全量に対して 40 容量%とする場合であって、モデルを構成する全セル個数が 1000 個である場合には、1000 個内の 400 個のセルをランダムに選定し、含油多孔質シリカセルとする。なお、それ以外の 600 個のセルは樹脂等を表すセルとなる。含油多孔質シリカセルのランダム選定は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の全方向でランダムに選定する。
連通セル数カウントステップは、1セル深さ毎に表面層(XY面)から連続している含油多孔質シリカセルをカウントし、表面層から 25 セルの深さ(Z軸方向のセル数)までにおける、連続している含油多孔質シリカセルの総数を連通セルの個数とする。表面層からの連続が途切れた含油多孔質シリカセルはカウントしない。なお、Z軸方向に 25 セルをこえてセルを配置した場合であっても、25 セル深さまでを考慮する。
X軸方向の両端の層において、X軸方向への連続が途切れることを防止するため、周期境界条件を適用する。具体的には、X軸の一端の層が、X軸の他端の層の1セル分外側に存在していると仮定し、その逆にX軸の上記他端の層が、X軸の上記一端の層の1セル分外側に存在していると仮定する。これら仮定したセルは、端層のセルの連続性を判断するためだけのものであり、セル個数としては含まれない。なお、Y軸方向においても同様の周期境界条件を適用する。
X軸方向およびY軸方向に上記周期境界条件を適用することにより、X軸、Y軸それぞれの両端の層において、セルの連続の途切れを防止でき、より実際に近いシミュレートが可能となる。
カウントされた連通セル数から、上記式(1)に基づき連通率(%)が計算される。
パラメータの付与後における、上記一連の操作による連通率の計算は、コンピュータ上においてC++言語等のプログラミング言語により作成された計算プログラムにより行なう。
すなわち、コンピュータへの入力端末から、含油多孔質シリカの平均粒子径、成形物の厚み、含油多孔質シリカの配合割合、XY方向のセル数等の連通率の計算に必要なパラメータをコンピュータに入力することにより、コンピュータがプログラムに基づき、上記モデル化ステップ、ランダム配置ステップ、連通セル数カウントステップを実行するとともに、カウントされた連通セル数から連通率(%)を計算する。
含油多孔質シリカの配合割合を数パターン変えて、連通率を求めることにより、含油多孔質シリカの配合割合と連通率との関係が導出できる。該関係より所定の連通率確保のために必要な含油多孔質シリカの配合割合を概算で求めることができる。
また、上記モンテカルロ法を利用した連通率の算定は、乱数に依存する計算工程を含むため、同じ配合割合等であっても計算毎に結果が若干異なる。よって各配合割合における連通率は、精度を向上させるため、同じパラメータを用いて数百〜数千回程度計算を行ない、それらの平均値とすることが好ましい。
本発明の摺動材組成物の母材は樹脂材料であり、樹脂単体またはこれに補強材などが配合されている場合を含む。また、塗膜を形成できる樹脂材料も含む。
樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、摺動材として使用できる形態を形成できる合成樹脂であれば特に限定されない。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、水架橋ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリオキサゾリン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を例示できる。また、上記合成樹脂から選ばれた2種以上の材料の混合物、すなわちポリマーアロイなどを例示できる。
これらの中で低摩擦性に優れるポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。
塗膜を形成できる材料としては、上記合成樹脂であって、有機溶媒に溶解あるいは分散できる樹脂成分であれば使用できる。また、塗膜形成時の硬化反応で高分子量化する初期縮合物であっても使用できる。
本発明に使用できる多孔質シリカとは、連続孔を有し、潤滑剤を含浸・保持できる多孔質シリカであれば使用できる。好ましい多孔質シリカは非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする粉末である。例えば、一次粒子径が 15 nm 以上の微粒子の集合体である沈降性シリカ、あるいはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有したケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化し、炭酸ガスでゲル化させることにより得られる粒子径が 3〜8 nm の一次微粒子の集合体である真球状多孔質シリカ(特開2000−143228号公報等参照)等が挙げられる。
本発明においては、粒子径が 3〜8 nm の一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した多孔質シリカが、連続孔を有しており、摺動界面のせん断力で破壊する性質があるため、特に好ましい。真球状シリカ粒子としては、平均粒子径が 0.5〜100μm である。このような真球状シリカ粒子は、その内部に潤滑剤を保持することが可能であり、かつ摺動界面において内部に含浸した潤滑剤を少量ずつ供給することが可能である。平均粒子径が 0.5μm 未満では、ハンドリング性が悪い。また、潤滑剤の含浸量が十分でない。平均粒子径が 100μm をこえると、溶融樹脂中での分散性が悪い。また、溶融樹脂の混練時にかかるせん断力により、集合体が破壊し、球状を保持できない可能性がある。取り扱い易さや摺動特性の付与を考慮した場合、平均粒子径は 1〜20μm が特に好ましい。このような真球状多孔質シリカとしては、旭硝子社製:サンスフェア、鈴木油脂工業社製:ゴットボール等が例示できる。
粒子径が 3〜8 nm の一次微粒子が集合した真球状シリカ粒子は、比表面積が 200〜900 m2/g、好ましくは 300〜800 m2/g、細孔容積が 1〜3.5 ml/g 、細孔径が 5〜30 nm、好ましくは 20〜30 nm、吸油量が 150〜400 ml/100g、好ましくは 300〜400 ml/100g の特性を有することが好ましい。また、水に浸漬したのち再度乾燥しても、上記細孔容積および吸油量が浸漬前の 90 容量%以上を保つことが好ましい。ここで、比表面積および細孔容積は窒素吸着法により、吸油量はJIS K5101に準じて測定した値である。また、上記真球状シリカ粒子の内部と外表面はシラノール基(Si−OH)で覆われていることが、潤滑剤を内部に保持しやすくなるため好ましい。さらに、多孔質シリカは、母材に適した有機系、無機系などの表面処理を行なうことができる。
なお、本発明においては、樹脂材料との組み合わせ、配合程度によっては、多孔質シリカとして、平均粒子径が 1000μm 程度までは使用可能である。また、粒子の形状は特に限定されない。例えば、平均粒子径、比表面積、吸油量等が上記真球状シリカ粒子の範囲内であれば、非球状多孔質シリカであっても使用できる。なお、摺動相手材への攻撃性や混練性の観点から、球状、真球状の粒子が好ましい。ここで、球状とは長径に対する短径の比が 0.8〜1.0 の球をいい、真球状とは球状よりもより真球に近い球をいう。
本発明に使用できる潤滑剤とは、常温で液体の潤滑油、各種薬液やイオン性液体、常温で固体のワックス、あるいは潤滑油に増ちょう剤を含んだグリース状物質等、潤滑効果を有する物質であれば特に限定されない。
潤滑油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂とポリオールとのエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、潤滑油として汎用されているものであれば使用できる。潤滑油は、本発明の摺動材組成物が使用される条件、目標性能に合わせて選択できる。また、樹脂の混練、成形温度に合わせた耐熱性を有する潤滑油を選ぶこともできる。特に低摩擦が求められる場合には、シリコーン油などを用いることで好ましい結果が得られる。シリコーン油は上記真球状多孔質シリカ表面に残存するシラノール基と親和性があるため特に好ましい。シリコーン油としては、官能基を有さないシリコーン油、官能基を有するシリコーン油のいずれも使用できる。
ワックスとしては、炭素数が 24 以上のパラフィン系ワックス、炭素数が 26 以上のオレフィン系ワックス、炭素数が 28 以上のアルキルベンゼン、あるいは結晶性のマイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、またはミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキン酸、モンタン酸、炭素数が 18 以上の不飽和脂肪酸(例えばオクタデセン酸、パリナリン酸等)等の高級脂肪酸誘導体ワックスが挙げられる。高級脂肪酸誘導体ワックスとしては、1)ベヘン酸エチル、トリコ酸エチルなどの炭素数が 22 以上の高級脂肪酸メチルおよびエチルエステル、炭素数が略 16 以上の高級脂肪酸と炭素数が 15 以上の高級1価アルコールとのエステル、ステアリン酸オクタデシルエステル、炭素数が 14 以上の高級脂肪酸トリグリセライド等の高級脂肪酸エステル類、2)パルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド類、3)ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸とアルカリ金属およびアルカリ土類金属との塩類等が挙げられる。
グリース状物質は、基油となる上述の潤滑油に増ちょう剤が添加されている。増ちょう剤を例示すれば、1)石けん系として、カルシウム系石けん、ナトリウム系石けん、リチウム系石けん、バリウム系石けん、アルミニウム系石けん、亜鉛系石けん等、2)コンプレックス石けん系としてカルシウム系コンプレックス石けん、ナトリウム系コンプレックス石けん、リチウム系コンプレックス石けん、バリウム系コンプレックス石けん、アルミニウム系コンプレックス石けん、亜鉛系コンプレックス石けん等、3)非石けん系として、ナトリウムテレフタメート、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物、シリカエアロゲル、モンモリロナイト、ベントン、ポリテトラフルオロエチレン、フルオリネートエチレンプロピレンコポリマー、窒化ホウ素等がある。
摺動材組成物中において、多孔質シリカに潤滑剤が保持された含油多孔質シリカの連通率は 20 %以上である。20 %未満では含油多孔質シリカを連通路とした成形体内部からの潤滑剤の移動量が十分でなく、厳しい摩擦条件下で優れた特性を維持することができない。
含油多孔質シリカの連通率を 20 %以上にするための配合割合は、多孔質シリカと潤滑剤の合計配合量が 30〜60 容量%、好ましくは 30〜50 容量%、残部が樹脂材料等である。多孔質シリカと潤滑剤の合計配合量を 30 容量%とすれば連通率は 20 %以上を達成できる。また、合計配合量が 60 容量%をこえるとベース樹脂の量が少なくなり強度が大幅に低下するおそれがあるので好ましくない。
多孔質シリカと潤滑剤の合計配合量 30〜60 容量%の内訳は、多孔質シリカが 5〜10 容量%、潤滑油が 25〜50 容量%である。多孔質シリカ:潤滑剤の比率は 1:4〜6 とし、多孔質シリカの内部空孔を潤滑剤で充満させるように比率を決定すれば良好な摩擦摩耗特性を得ることができる。なお、各配合物の容量%の値にその密度を乗じることにより配合重量を算出できる。ここで、多孔質シリカの容量%は、多孔質でない固体のシリカを配合したと仮定して求めた割合である。すなわち、多孔質シリカの嵩比重でなく、真比重を用いて算出したものである。このため、内部に連通した空孔を有する状態での実際の容量割合は、より大きな値となる。
さらに摩擦・摩耗特性を改善して各種機械物性を向上させるために適当な充填材を添加することができる。例えば、ガラス繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、窒化硼素繊維、アスベスト、石英ウール、金属繊維等の繊維類またはこれらを布状に編んだもの、炭酸カルシウム、リン酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸リチウム、タルク、シリカ、クレー、マイカ等の鉱物類、酸化チタンウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、硫酸カルシウムウィスカなどの無機ウィスカ類、カーボンブラック、黒鉛、ポリエステル繊維、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾール樹脂等の各種熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、摺動性を向上させる目的で、アミノ酸化合物やポリオキシベンゾイルポリエステル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、液晶樹脂、アラミド樹脂のパルプ、ポリテトラフルオロエチレンや窒化硼素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等を配合できる。
また、摺動材組成物の熱伝導性を向上させる目的で、カーボン繊維、金属繊維、黒鉛粉末、酸化亜鉛等を配合してもよい。および上記充填材を複数組み合わせて使用することももちろん可能である。なお、この発明の効果を阻害しない配合量で一般合成樹脂に広く適用しえる添加剤を併用してもよい。例えば離型剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、着色剤、導電性付与剤等の工業用潤滑剤を適宜添加してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
本発明の摺動材組成物の製造方法は、連通率確保のために必要な含油多孔質シリカの配合割合を求める配合割合算定工程と、樹脂に含油多孔質シリカを上記配合割合算定工程で得られた割合で配合して混練する工程と、上記含油多孔質シリカを含む樹脂材料を成形して成形体とする工程もしくは塗膜とする工程を備えてなる。
該製造方法では、上記の連通率の計算方法を利用するので、所望の含油多孔質シリカの連通率を有する摺動材組成物を製造することができる。
本発明における摺動材組成物において、樹脂材料と多孔質シリカ等の混練方法は、従来からよく知られた方法を利用できる。例えばヘンシェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶融押出し機(例えば2軸押出し機)に供給するか、または予め熱ローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出し機などを利用して溶融混合してもよく、あるいは真空成形、吹き込み成形、発泡成形、多層成形、加熱圧縮成型等を行なってもよい。
なお、樹脂と多孔質シリカと潤滑剤との混練に際しては、混練順序は特に限定しないが、好ましくは多孔質シリカと潤滑剤とを予め混練し、多孔質シリカに油を含有させた後でベース樹脂と混練するのがよい。勿論、樹脂と多孔質シリカを混練し成形体とした後、潤滑剤を含浸する方法も可能である。
また、多孔質シリカは吸湿や吸水しやすいので、混練前に乾燥することが好ましい。乾燥手段としては特に制限なく、電気炉での乾燥、真空乾燥などを採用できる。
摺動材組成物を塗膜とする場合、潤滑剤を含浸した多孔質シリカを樹脂成分に配合して一般的なコーティング液と混合する。コーティング処理は、通常のコーティング処理を行なうことも可能である。コーティング処理を行なう場合、スプレー法や静電塗装法、流動浸漬法等特に限定されるものではない。
多孔質シリカと潤滑剤とを予め混合する場合、潤滑剤の粘度が高いと球状多孔質シリカの内部に油が浸透し難い。その際は、油が溶解する適当な溶媒で希釈し、その希釈液を多孔質シリカに浸透させ、徐々に乾燥させて溶媒を揮発させることで多孔質シリカの内部に潤滑剤を含浸させる方法もある。
あるいは多孔質シリカを潤滑剤中に浸し、真空引きを行なって強制的に多孔質シリカの内部に潤滑剤を浸透させる方法、常温で固体の潤滑剤の場合、適当な温度に加熱し、潤滑剤を溶融させて含浸させる方法、常温で液体の潤滑剤でも、粘度が高い場合、適当な温度に加熱し、潤滑剤の粘度を低下させて含浸させる方法等が有効な手法である。また、不飽和ポリエステル樹脂などの液状樹脂に球状多孔質シリカの油含有物を混合した上で各種織布に含浸させ、それを積層して樹脂摺動材として使用することも可能である。
さらに、本発明の摺動材組成物の潤滑性を損なわない限り、中間製品または最終製品の形態において、別途、例えばアニール処理等の化学的または物理的な処理によって特性改善のための変性が可能である。
本発明の摺動材組成物の使用例としては、摺動部分であれば特に限定されない。例えば、すべり軸受や歯車、すべりシート、シールリング、ローラ、各種キャリッジ等の摺動部品、転がり軸受の保持器、固形潤滑剤、転がり軸受のシール、直動軸受のシール、ボールねじのボールとボールの間に入れるスペーサ、転がり軸受のレース等の摺動材がある。
参考例1
多孔質シリカとして旭硝子社製商品名:サンスフェアH33、潤滑剤となるシリコーン油として信越シリコーン社製商品名:KF96Hを準備して、多孔質シリカ 1 容量部に対して、シリコーン油を 5 容量部の割合で十分に混合し、多孔質シリカにシリコーン油を含浸させ、含油多孔質シリカ(表中の略号:Si)を作製した。得られた含油多孔質シリカは、粉末状であり樹脂材料に対する配合剤として使用できるものであった。
実施例1〜実施例4
ベース樹脂材料となるポリエチレン樹脂として、三井石油化学社製商品名:ミペロンXM220(表中の略号:PE)を用い、参考例1で作製した含油多孔質シリカと表1の割合で配合した。混合粉を金型に投入し加熱圧縮成形により成形した。成形条件は温度: 220℃、圧力: 40 MPa である。成形品を旋削加工に供し、摺動材組成物であるφ17×φ21×10 mm のリング状摺動材試験片を作製した。得られた試験片を用いて、リング端面を回転するディスク相手に接触させ(リングオンディスク試験機)、以下の条件および評価方法で摩擦試験を行なった。結果を図3に示す。図3において、横軸は試験時間( min )、縦軸は動摩擦係数をそれぞれ表す。
摩擦・摩耗試験条件を以下に示す。
相手材:SUS304(Ra=0.1μm )
面圧: 15 MPa
周速: 0.1 m/s
温度: 30 ℃
時間: 60 min
比較例1〜比較例4
表1に示す配合割合を用いて実施例1と同様にして摺動材試験片を作製した。実施例1と同条件で摩擦・摩耗試験を行なった。結果を図3に示す。
表1には上述の計算方法によるシミュレーションにより求めた含油多孔質シリカの連通率も併記した。シミュレーションでは、成形物の厚さを 0.5 mm 、X軸方向、Y軸方向のセル数 40 個、含油多孔質シリカの平均粒子径を 5μm と設定して計算を行なった。Z軸方向のセル数は 100 セルであり、このZ軸方向の 100 セル中の表面層から 25 セルまでの連通率を求めた。なお、計算は同パラメータで 1000 回反復して行ない、その平均値を表1に記載した。
また、表1に記載した以外の含油多孔質シリカの配合割合についても同条件(配合割合以外)でシミュレーションを行ない、含油多孔質シリカの配合割合と連通率との関係を導出した。結果を図4に示す。図4において、横軸は含油多孔質シリカ配合量(容量%)を、縦軸は連通率(%)をそれぞれ表す。
Figure 2008174594
表1および図3に示すように、樹脂材料に対して潤滑剤を含浸した多孔質シリカを 30〜60 容量%とし、連通率を 20 %以上に高めた実施例1〜実施例4は初期から運転終了時まで低く安定した摩擦係数を示す。
それに対し、比較例1の樹脂単体では摩擦係数が高い。比較例2〜比較例4では潤滑剤を含浸した多孔質シリカを配合したことで、運転初期には摩擦係数は低いが、連通率が低いため摩擦係数は運転時間の経過とともに増加した。
本発明の摺動材組成物は、潤滑剤を摺動部表面に継続的に供給することが可能となる優れた低摩擦・低摩耗性を有するので、すべり軸受や歯車、すべりシート、シールリング、ローラ、各種キャリッジ等の摺動部品、転がり軸受の保持器、固形潤滑剤、転がり軸受のシール、直動軸受のシール、ボールねじのボールとボールの間に入れるスペーサ、転がり軸受のレース等の摺動材等として好適に利用できる。
本発明における摺動材組成物モデルの参考図である。 連続しているセルとする位置関係を示す図である。 摩擦・摩耗試験結果を示す図である。 含油多孔質シリカ配合量と連通率との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. 樹脂材料に、多孔質シリカおよび潤滑剤を少なくとも配合してなり、所定の計算方法において求めた前記多孔質シリカに前記潤滑剤が保持された含油多孔質シリカの連通率が 20 %以上である摺動材組成物であって、
    前記所定の計算方法は、前記含油多孔質シリカと前記樹脂材料とからなると仮定したバルク体を、該含油多孔質シリカの平均粒子径を一辺の長さとした立方体セルを面方向であるX軸方向、Y軸方向にそれぞれ任意セル数、深さ方向であるZ軸方向に少なくとも 25 セル積み重ねたモデルとして表現するモデル化ステップと、
    前記モデルにおいて、バルク体における含油多孔質シリカの配合割合分の個数のセルを含油多孔質シリカセルとしてモデル内のランダムな位置に配置するランダム配置ステップと、
    前記モデルにおいて、上下・左右・前後の6方向のいずれかで接触しているセル同士を相互に連続しているセルとし、最上面のセルで構成されたXY面をバルク体の表面層とし、該表面層の含油多孔質シリカセルおよび該セルから 25 セルの深さまで継続的に連続しているモデル内の含油多孔質シリカセルを連通セルとしてカウントする連通セル数カウントステップとを備えてなり、
    前記連通セル数カウントステップで得られた連通セルの個数が、前記モデルを構成する 25 セルの深さまでに存在する含油多孔質シリカセルの個数に占める割合を連通率として算定する計算方法であることを特徴とする摺動材組成物。
  2. 前記多孔質シリカは、粒子径が 3〜8 nm の一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した連続孔を有する球状多孔質シリカであり、該球状多孔質シリカの平均粒子径が 0.5〜100μm であることを特徴とする請求項1記載の摺動材組成物。
  3. 前記多孔質シリカは、吸油量が 300〜400 ml/100g であり、潤滑剤が予め含浸された多孔質シリカであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摺動材組成物。
  4. 前記樹脂材料は、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の摺動材組成物。
  5. 前記潤滑剤は、シリコーン油であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の摺動材組成物。
  6. 前記多孔質シリカおよび潤滑剤の合計配合量は、30〜60 容量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載の摺動材組成物。
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