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JP2008174544A - アクロレインの製造方法 - Google Patents

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】
油脂などの天然由来の再生可能資源から得られた未精製のグリセリンを用いて気相脱水反応によりアクロレインを製造するにあたり、精製のための多数の工程と多大なエネルギーコストを掛けない方法を提供する。
【解決手段】
少なくともグリセリンを含むグリセリン組成物を、(A)少なくともグリセリンを含むグリセリン含有ガスと(B)少なくともグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分とに分離し、該(A)に含まれるグリセリン少なくとも一部は液化することなく固体酸触媒と接触させて、アクロレインを製造することを特徴とするグリセリンからのアクロレインの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グリセリン組成物を用いたグリセリンの気相脱水反応によるよるアクロレイン製造に関するものである。
植物油から製造されるバイオディーゼルは、化石燃料の代替燃料としてだけではなく、二酸化炭素の排出量が少ない点でも注目され、需要の増大が見込まれている。このバイオディーゼルを製造するとグリセリンが副生するため、その有効利用を図る必要がある。グ
リセリンの利用の一態様としては、グリセリンをアクロレインの原料に使用することが挙げられる。
グリセリンから脱水反応によりアクロレインを製造するに際して、固体酸触媒を用いることは古くから知られている。
酸強度関数H0が−9〜−18の範囲の固体強酸性触媒を用いてグリセリンの気相脱水反応によるアクロレインの製造方法について開示されている(特許文献1参考)。
上記特許文献において、原料であるグリセリンは、バイオディーゼル燃料の製造方法である油脂のエステル交換に反応において生成する再生可能原料であり、環境にやさしい天然由来化合物であり、そのグリセリンを用いて有用な化学品であるアクロレインを製造することが記載されている。
国際公開WO2006−087084号公報
天然原料である油脂を原料とするグリセリンは、油脂由来の脂肪酸等の不純物やエステル交換等の製造工程で使用または発生する脂肪酸ナトリウム塩や脂肪酸エステル、アルコール等の有機物や、水酸化ナトリウムや塩化ナトリウム等の無機金属塩等が含まれる粗製グリセリンとして得られる。通常は、中和・水洗あるいはイオン交換等によりナトリウム等のアルカリ金属を除去後、さらに蒸留等による精製工程を経て精製グリセリンとして一般的に入手することができる。
つまり、天然原料である油脂を原料としてグリセリンを経由したアクロレインの製造のためには、グリセリンの精製に多数の工程を必要としている。さらに前記精製グリセリンを用いた気相脱水反応によりアクロレインを製造するためには、得られた精製グリセリンを加熱気化する必要があるので、粗製グリセリンを精製せずに用いた場合に対して、グリセリンの気化・凝縮による精製と、気相脱水反応における気化と、多量のエネルギーが必要となる等の問題がある。
一方、粗製グリセリンをアクロレイン製造用原料としてそのまま用いると、含まれているアルカリ金属化合物や高沸点成分により、反応管内への炭素質物質の蓄積や触媒性能低下などを引き起こすことがあるため、好ましくない。
つまり、天然由来のグリセリンを用いて気相脱水反応によりアクロレインを製造するには、精製のための多数の工程と多大なエネルギーコストがかかるため、より効率的で経済的な方法が望まれている。
本発明者らは、粗製グリセリンを用いたアクロレインの製造方法を鋭意検討した結果、グリセリンを含む混合物を蒸留により精製し、その際に気化したグリセリン含有ガスを液化させることなく気相脱水反応によるアクロレインの製造用原料に用いることで、より効率的に製造できることを発見し、以下の本発明の完成に至った。
(1)少なくともグリセリンを含むグリセリン組成物を、(A)少なくともグリセリンを含むグリセリン含有ガスと(B)少なくともグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分とに分離し、該(A)に含まれるグリセリンの少なくとも一部は液化することなく固体酸触媒と接触させて、アクロレインを製造することを特徴とするグリセリンからのアクロレインの製造方法。
(2)前記(A)に含有されるグリセリンの比率が、前記(A)に含まれる全有機化合物に対して、80質量%以上であることを特徴とする(1)記載のアクロレインの製造方法。
(3)前記(B)に含まれるグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分が、炭素数が12以上の直鎖または分岐を有する脂肪酸及び/又は脂肪酸アルカリ金属塩、無機アルカリ金属塩、から選ばれる1以上の成分を含有することを特徴とする(1)〜(2)記載のアクロレインの製造方法。
(4)気相脱水反応器入口における反応原料ガス中のグリセリン分圧が30kPa以下であることを特徴とする(1)〜(3)記載のアクロレインの製造方法。
本発明の方法によれば、粗製グリセリンを用いても問題なくアクロレインの気相脱水反応の原料として用いることが出来るので、油脂などの天然由来資源から得られたグリセリンを原料として経済的により高効率でアクロレインが製造できる。
本発明に係るグリセリンの脱水反応によるアクロレイン製造の方法を実施形態に基づき説明する。
本発明は、少なくともグリセリンを含むグリセリン組成物を、(A)少なくともグリセリンを含むグリセリン含有ガスと(B)少なくともグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分とに分離し、該(A)に含まれるグリセリンの少なくとも一部は液化することなく固体酸触媒と接触させて、アクロレインを製造することを特徴とするグリセリンからのアクロレインの製造方法であるが、用いる粗製グリセリンに含有されるグリセリン以外の成分の量や種類に応じた前処理工程や、前記(A)のグリセリン含有ガスに希釈ガス等を追加して気相脱水反応に好適な反応ガス組成に調整する工程を含んでいてもよい。
以下、気相脱水反応によるアクロレインの製造工程から逆順に説明する。
(α)気相脱水反応によるアクロレインの製造工程
本実施形態における気相脱水反応によるアクロレインの製造工程は、固定床反応器、移動床反応器、流動層反応器等から任意に選択した反応器内でグリセリンを含んだ原料ガスと触媒を接触させる気相脱水反応によりアクロレインを製造するものである。
固体酸触媒としては、固体酸性を有する化合物であれば良く、(a)結晶性メタロシリケート、(b)金属酸化物、(c)粘土鉱物、(d)鉱酸をα−アルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、(e)リン酸や硫酸の金属塩およびそれらをα−アルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、等が上げられる。
(a)結晶性メタロシリケートとしては、Al、B、Fe、Ga等から選ばれる1種または2種以上の元素をT原子とし、その結晶構造としては、LTA、CHA、FER、MFI、MOR、BEA、MTW等があり、(b)金属酸化物としては、Al2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、V2O5、などの単独金属酸化物以外に、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、TiO2−WO3、WO3−ZrO2等の複合酸化物があり、(c)粘土鉱物としては、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイトなどがあり、(d)鉱酸を無機担体に担持したものとして、リン酸や硫酸をアルミナやシリカ、ジルコニアなどに担持したもの等があり、(e)リン酸や硫酸の金属塩としては、MgSO4、Al2(SO4)3、K2SO4、AlPO4、YPO4、BPO4、Zr3(PO4)4等が例示される。
具体的には、国際公開WO2006/087083号公報およびWO2006/087084号公報に開示されている固体酸(リン酸、硫酸または酸化タングステンを担持している酸化ジルコニウムなど)を使用することも出来る。
好ましくは、当業者において知られている中程度以上の酸強度を有する固体酸(例えば、化学総説 No.34 P78〜89 (1982) 田部浩三他著、表1および表2記載の、ハメットの酸度関数H0が+1.5以下の酸性を有する固体酸)である。
これらの中で、脱水反応時や再生処理時において高温で、酸化や還元雰囲気に曝される事から、安定性の良い固体触媒が好ましく、結晶性メタロシリケート、金属酸化物および粘土鉱物等が好適であり、結晶性メタロシリケートとしてはT原子がAlでMFI構造のZSM5が、金属酸化物としては結晶性リン酸アルミニウムが特に好適である。
本反応においては、活性の低下した触媒を、酸素などの酸化性のガスを含む気体と高温で接触させる事により再生することができる。接触させる形態は特に問わず、触媒を反応器から取り出して行っても良いし、脱水反応と同じ反応器内で流通させるガスを切換えることで行っても構わない。脱水反応を固定床で行っている場合には、触媒の抜出し・再充填などの手間がかからない後者の方が簡便であり、推奨される。
再生で使用する酸化性ガスとして酸素を用いる場合は空気中の酸素を用いるのが安価であるが、窒素や二酸化炭素、水蒸気等の不活性ガスを同伴させても良い。特に、空気中には酸素を約20容量%含んでいるために急激な発熱が懸念される場合には、酸素濃度を調整するために不活性ガスを用いる事が推奨される。再生処理の前後において、系内に残存する余分な有機物や、再生処理後の残存酸素などを除去または削減する目的で、窒素等の不活性ガスでパージしても良い。
再生した触媒は、反応原料ガスと接触させる事で、再度アクロレイン合成用触媒として用いる事ができる。
反応器入口部における反応原料ガス中のグリセリン分圧は、30kPa以下であると良く、好ましくは25kPa以下、より好ましくは20kPa以下、更に好ましくは15kPa以下である。グリセリン分圧は低いほうが好ましいが、一定の生産性を確保するためには、(I)反応圧力を下げる、(II)大量の希釈成分を同伴させる、等の方法が必要となる。工業的観点から鑑みると、(I)では気密性の高い高耐圧製の反応装置や大型の減圧装置が必要となり、(II)では生成したアクロレインの捕集や大量の希釈成分のコストおよび圧力損失に伴う動力費の増加が問題となるため、工業上の観点から0.01kPa以上が好ましく、0.1kPa以上がより好ましく、1kPa以上が更に好ましい。
前記グリセリン分圧とは反応器入口における反応原料ガス中のグリセリンガスの分圧を指す。例えば、反応原料ガス中のグリセリンガス容量比(vol%)が100vol%であれば、グリセリン分圧は反応器入口部における原料ガスの圧力であり、グリセリン以外のガス成分を含む場合には、反応器入口部における原料ガスの全圧力のうち、反応原料ガス中のグリセリンガス容量比(vol%)に応じた値である。
反応器入口における反応原料ガスの全圧力は、0.01kPa以上であればよく、より好ましくは0.1kPa以上であり、更に好ましくは1kPa以上である。圧力の上限は、反応器入口部における反応原料ガスが気体で存在しうる限りにおいて制限は無いが、通常、500kPa以下、より好ましくは300kPa以下、更に好ましくは200kPa以下である。後述するグリセリン組成物を前記(A)と前記(B)とに分離するに際して、蒸留などの沸点差を利用する分離方法を用いる場合には、グリセリンの沸点が290℃と高いために減圧条件下で行う場合には、脱水反応工程も減圧条件下で行うのが簡便であり、好ましい。
好適なグリセリンの分圧は30kPa以下であるので、反応器入口の反応原料ガスの圧力が30kPa以上であれば、必ずグリセリン以外の希釈成分が原料ガス中に含まれることになる。また、反応器入口の反応原料ガスの圧力が30kPa以下であっても、希釈成分が含まれていても構わない。
希釈成分として、水蒸気や窒素ガス、空気を例示することができ、特に水蒸気を添加すると触媒の寿命やアクロレインの収率に対して有利な効果が見られ、好適である。また、グリセリンの気相脱水反応により得られたアクロレイン組成物から、アクロレインを溶剤等で吸収、あるいは凝縮させてアクロレインを取り出した後の希釈成分の一部をリサイクルすることも出来る。更に、得られたアクロレインを用いてアクロレインの誘導体、例えばアクリル酸を合成し、得られたアクロレイン誘導体を吸収あるいは凝縮により取り出した後の希釈成分の一部を脱水反応の希釈成分としてリサイクルしても構わない。
希釈成分として水蒸気を用いる場合、水蒸気は精製工程からグリセリンに同伴されても構わないし、新たに追加しても、また両者が混合していても構わない。好ましい水蒸気の量は、脱水反応器入口における原料ガス中のグリセリン分圧に対して、水の分圧が、5倍以下である。より好ましくは3倍以下であり、更に好ましくは2倍以下になるように調整しておくと、触媒寿命や収率に好適な効果を得られ、かつ脱水反応生成物の精製工程に大きな負担がかからず、好適である。
脱水反応を常圧若しくは加圧下で実施する場合には、水蒸気以外の希釈成分として窒素等、常温常圧下で液化しない非凝縮性で非酸化性ガスを用いることが出来る。但し、脱水反応にて生成したアクロレインの捕集を行う場合には、該アクロレイン捕集工程における捕集効率を鑑みる必要があり、通常はグリセリン分圧の20倍以下、より好ましくは15倍以下、更に好ましくは12倍以下である。
グリセリンおよび希釈ガス全量を含めた反応器入口部における反応原料ガスの空間速度(以下、反応ガスGHSVと称することがある)は、通常、70〜50000hr−1であり、好ましくは70〜25000hr−1であり、より好ましくは100〜12000hr−1であり、更に好ましくは125〜12000hr−1である。
気相脱水反応温度は、250〜500℃が好ましく、より好ましくは、300〜450℃であり、更に好ましくは330〜440℃である。反応温度が低いと、グリセリンの転化率が低くなり実質的にアクロレインの生産量が低下するので好ましくない。また反応温度が高すぎると、アクロレインの収率が大幅に低下し、好ましくない。
前記希釈成分以外に、グリセリン以外の有機化合物が反応原料ガス中に少量含まれていると、反応開始直後のアクロレインの収率が低い、いわゆる誘導期を短縮する効果が得られる事があり、好ましい。好ましい有機化合物しては、アクロレイン、アセトアルデヒド、酢酸、アクリル酸、メタノール、エタノール、脂肪酸、脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記有機化合物は、その量が多すぎると触媒活性の低下を早めることがあるので、反応原料ガスに含まれる全有機化合物中の20質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。
また、脱水反応を常圧若しくは加圧下で実施する場合には、水蒸気以外の希釈成分として酸素などの酸化性ガスを希釈成分に含ませる事が出来る。酸化性ガスが含まれていると、触媒上への炭素質物質の蓄積が軽減され、また触媒の活性低下を抑制する効果が得られる事がある。但し、酸化性ガスの量が多すぎると、燃焼反応によりアクロレインの収率低下が見られるため、好ましくない。酸化性ガスとして酸素を用いた場合の好ましい範囲は、反応器入口における反応原料ガス中の酸素分圧比で15%以下および/またはグリセリン分圧の3.5倍以下の酸素分圧のいずれかの低い値以下であると好ましい。
減圧条件下で希釈成分を用いて脱水反応を行う場合には、減圧装置への負荷を抑制するために、グリセリンよりも低沸点で常温・常圧下で凝縮する水蒸気等を用いるのが好ましい。
前記グリセリン以外の希釈成分として、該反応で生成したアクロレインを含む反応生成ガスまたは該アクロレインを原料としたアクロレイン誘導体(例えば、アクリル酸)の反応生成ガスから、アクロレインやアクロレイン誘導体などの目的生成物を除去した残りの成分の一部または全量を用いても良い。
(β)グリセリン組成物を(A)グリセリン含有ガスと(B)非ガス化成分とに分離する分離工程
本工程では、グリセリン組成物から(A)少なくともグリセリンを含むグリセリン含有ガスと、(B)少なくともグリセリンより高沸点の成分を含む非ガス化成分とに分離する分離工程できればよく、公知の方法を用いることができ、例えば蒸留や蒸発などの加熱によりグリセリンを気化させる方法が簡便であり適している。
蒸留など加熱によりグリセリンを気化させる方法では、グリセリンの沸点が290℃と高いために、グリセリン組成物に含まれている不純物が重合・変質などにより操作上好ましくない影響を及ぼす場合には、減圧条件下で実施することが出来る。
前記(A)には前記脱水反応条件において記載したように、含有する全有機化合物中のグリセリン含有量が80質量%以上であればよく、残余にグリセリン以外の有機化合物が含有されていてもよい。但し、前記(A)にアルカリ金属化合物が含まれると、固体酸触媒を不可逆に失活させることがあるため、少なくともアルカリ金属化合物が含まれない分離方法であることが好ましい。
前記(B)には少なくともグリセリンよりも高沸点の成分が含まれており、特にグリセリン混合物中のアルカリ金属は全て含まれているのが好ましい。また、前記(B)にはグリセリンが含まれていないのが好ましいが、前記(A)の組成を調整するために(例えば含まれる高沸点化合物の量の調整やアルカリ金属化合物が含まれないような調整)、あるいはグリセリンを少量含有させることで粘度低下などにより(B)を排出する操作を簡便にするためにグリセリンが含まれていても良い。グリセリン組成物中にアルカリ金属化合物を含む場合には、強制撹拌型薄膜降下蒸発缶等を用いて、グリセリンを気化させると同時に該金属塩などを除去する方法を用いることも出来る。
また、蒸発器を用いて加熱されたグリセリン組成物中に窒素や空気などのガスを吹き込むことにより気化したグリセリンを上部から抜出し、下部からグリセリンよりも高沸点の成分、例えば油脂や、グリセリンの製造過程で用いられ、または発生するアルカリ金属化合物等を抜き出すことでも実施することが出来る。
気相脱水反応に適したグリセリン原料ガスを得るために、用いる原料グリセリン組成物に含有されるグリセリン以外の成分の量や種類に応じてグリセリンを含む組成物を調製する工程を施すのが好ましい。
例えば、前記(A)に含まれる全有機化合物中のグリセリン含有量が80質量%以下となるを防ぐために、原料グリセリン組成物に含有されるグリセリンよりも低沸点の有機化合物を蒸留や蒸発など公知の技術により適当な量になるまで取除くなどして、その量を調整しておくことが好ましい。
また、原料グリセリン組成物中に水が大量に含まれているために、反応原料ガス中の水蒸気量が該反応原料ガス中のグリセリンの質量よりも多くなるを防ぐためにも、蒸留や蒸発など公知の技術により適当な量になるまで取除くなどして、水の含有量を調整しておくことが好ましい。
本発明に用いられる原料グリセリン組成物は、油脂のエステル交換や石鹸の製造工程より生成する天然資源由来のグリセリンを含むグリセリン組成物が好適であるが、該グリセリン組成物中には、不純物として塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物が多量に含まれていることがある。前記アルカリ金属化合物を大量に含んでいると、分離工程での操作に支障をきたす場合や装置の腐食等の影響がある場合には、イオン交換や水洗浄および中和、濾過等の公知技術による前処理により、含有量などを調整しておくのが好ましい。
該分離工程で得られる前記(A)グリセリン含有ガスは、含有するグリセリンを全量液化させること無く気相脱水反応に用いることができるが、反応原料ガス中のグリセリンの分圧を調整する目的や気相脱水反応に供するグリセリンの供給量を調整するために一部のグリセリンを液化させてもよい。
本発明の実施態様としては、既存のグリセリン製造装置の一部を改良してグリセリンの蒸留工程から得られるグリセリンを含むガスを前記(A)グリセリン含有ガスとしてアクロレイン製造工程に送ることで実施してもよい。本発明にけるグリセリン製造装置とは、油脂と苛性ソーダ等を用いて石鹸を製造する装置や、油脂とアルコールのエステル交換により脂肪酸のメチルエステル等を製造する装置等、油脂を原料としてグリセリンを併産する装置も含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、グリセリン転化率、アクロレイン収率、SV(空間速度)は次の式で算出される値である。
グリセリン転化率 =(1−(捕集流出物中のグリセリンのモル数)/(30分問で反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100
アクロレインの収率 =((捕集流出物中のアクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100
SV(空間速度)=(標準条件で換算したガス供給量、L/hr)/(触媒量、L)
(触媒調製例1)
次の担持工程、結晶化工程、およびイオン交換工程を実行することにより、各実施例および比較例のH型MFI触媒(T原子がAlであるメタノシリケート成形体)を作製した。
(担持工程)
1.40gのNaOHと0.47gのNaAlO2を蒸留水15.00gに順次溶解し、更に、10.15gの40質量%水酸化テトラ−n−プロピノレアンモニウム水溶液を蒸留水に添加した。そして、この溶液に蒸留水を加えて、全量が30mlの含浸液を調整した。
次に、シリカ成形体にシリカビーズ(富士シリシア化学社製「キャリアクトQ50」、10 〜20メッシュ、平均細孔径50nm)を使用し、120℃で1日間乾燥した30gのシリカビーズを含浸液に1時間含浸させた。その後、シリカビーズを100℃の湯浴上に設置した蒸発皿上で乾燥させた後、更に80℃、窒素気流下で7時間乾燥して、結晶化に必要なNa、Al結晶化剤をシリカビーズに担持させ、結晶性メタノシリケート前駆体を得た。
(結晶化工程)
担持工程で得た前駆体を容積100mlのテトラフルオロエチレン製のジャケット付坩堝の中空部に配置し、坩堝の底部に1.00gの蒸留水を入れ、この坩堝を180℃の電気炉に8時間静置した。
(イオン交換工程)
結晶化工程を経た固形物を、60℃の1モル/L硝酸アンモニウム水溶液300gに浸漬して1時間攪拌した後、上澄み液を廃棄した。この操作を複数回繰り返した。その後、固形物を水洗した。
(焼成工程)
イオン交換工程後の固形物を、空気気流中において540℃で3.5時間焼成した。この焼成により、H型MFIである触媒Aを得た。
(触媒調製例2)
硝酸アルミニウム9水和物160gとイオン交換水800gとの溶液に、85質量%オルトリン酸49gを混合した。この混合溶液に28質量%アンモニア水96.7gを約50分間かけて滴下した後(当該滴下当初から、白色の沈殿物が生じた)、混合液を1時間撹拌した。次に、吸引濾過により混合液から分離した固形物(沈殿物)を洗浄した。洗浄は、固形物とイオン交換水800gとを混合した後、これを1時間撹拌し、次に1時間静置した後、吸引濾過により固形分を分離した。前記洗浄操作を3回繰り返した固形物を、120℃で空気雰囲気下で一晩乾燥した後、1200℃で3時間、空気雰囲気下で焼成した。得られた固形物を破砕して、0.7〜1.4mmに分級することにより、触媒Bを得た。
(実施例1)
80質量%のグリセリン、10質量%の水、3質量%のメタノール、2質量%のステアリン酸、5質量%の塩化ナトリウムからなるグリセリン組成物Mを10g/hrの流量で、窒素を100ml/minの流量で、230℃に保持した蒸発器に供給し、グリセリン20.1vol%、水15vol%、メタノール2.4vol%、窒素62.5vol%からなる反応原料ガスを調整した。
15mlの触媒Aをステンレス製反応管(内径10mm、長さ500mm)に充填し、この反応器を360℃の溶融塩浴に浸漬し、上記反応原料ガスを反応器に流通させた。反応器入口部における反応原料ガスの圧力は104.3kPaであった。
反応器内に反応器入口ガスを流通させてから0.5〜1時間、6.5〜7.0時間の間で30分間における流出ガスを冷却捕集し、ガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の定性および定量分析を行った。GCによる定性分析の結果、グリセリン、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトンなどの副生成物が検出された。また、定量分析結果から、転化率、アクロレイン収率、およびアクロレイン収率を算出した。
得られた反応結果については表1に示した。
(実施例2)
実施例1において触媒Aを触媒Bに変更した以外は、同様の操作を行った。反応結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、窒素を供給せず、反応器出口側に減圧装置を接続して反応器入口部の反応原料ガスの圧力を37kPaに制御しながら反応を行った以外は、同様の操作を行った。反応結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、グリセリン組成物Mと窒素とを、蒸発器を通さずに直接反応器に導入した以外は、同様の操作を行ったが、反応器入口部の圧力が上昇して反応を継続するのが困難になったため、5時間後に反応を停止した。抜き出した反応管を開けて、触媒層の反応ガス入口部分を点検したところ、黒色の炭素質物質と共に白色固体がたまって、閉塞していた。
(比較例2)
比較例1における、グリセリン混合物Mのかわりに80質量%のグリセリン、14質量%の水、3質量%のメタノール、2質量%のステアリン酸、1質量%の塩化ナトリウムからなるグリセリン組成物Nを用いた以外は、同様の操作を行った。反応中に圧力の上昇は見られず、7時間の反応を継続できた。反応結果を表1に示した。
(参考例1)
実施例1において、グリセリン組成物Mのかわりに80質量%のグリセリン、17質量%の水、3質量%のメタノールからなるグリセリン混合物Lを10g/hrで、窒素を100ml/minで蒸発器を通さずに直接反応器に導入した以外は、同様の操作を行った。反応結果を表1に示した。
(参考例2)
実施例1において、市販の精製グリセリンを8g/hrで、イオン交換水を2g/hrで、窒素を100ml/minの流量で蒸発器を通さずに直接反応器に導入した以外は、同様の操作を行った。反応結果を表1に示した。
Figure 2008174544
塩化ナトリウムやステアリン酸等の高沸点成分を含むグリセリン混合物Mを直接反応器に供給すると、表1の比較例1に示すように反応管内の閉塞による反応停止や、比較例2に示すように触媒活性の低下など、悪影響を引き起こすが、本発明の方法を用いた実施例1〜3では問題なく反応を継続できる。また本発明を用いた時の触媒性能は、参考例1に示すように高沸点成分を除去したグリセリン組成物Lを用いた場合や、参考例2に示す精製グリセリンを用いた場合と同等の性能が得られることがわかる。
塩化ナトリウム等の触媒性能等に影響するグリセリンよりも高沸点の成分を含むグリセリン混合物を用いてグリセリンの脱水反応によるアクロレインの製造を行っても、精製グリセリンを用いた場合と同等の性能が得られるので、未精製のグリセリンを原料グリセリンとして用いることができ、アクロレインが経済的に効率よく得られる。

Claims (4)

  1. 少なくともグリセリンを含むグリセリン組成物を、(A)少なくともグリセリンを含むグリセリン含有ガスと(B)少なくともグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分とに分離し、該(A)に含まれるグリセリンの少なくとも一部は液化することなく固体酸触媒と接触させて、アクロレインを製造することを特徴とするグリセリンからのアクロレインの製造方法。
  2. 前記(A)に含有されるグリセリンの比率が、前記(A)に含まれる全有機化合物に対して、80質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のアクロレインの製造方法。
  3. 前記(B)に含まれるグリセリンよりも高沸点の成分を含む非ガス化成分が、炭素数が12以上の直鎖または分岐を有する脂肪酸及び/又は脂肪酸アルカリ金属塩、無機アルカリ金属塩、から選ばれる1以上の成分を含有することを特徴とする請求項1〜2記載のアクロレインの製造方法。
  4. 気相脱水反応器入口における反応原料ガス中のグリセリン分圧が30kPa以下であることを特徴とする請求項1〜3記載のアクロレインの製造方法。
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