JP2008171613A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス流路を多孔質体により形成する燃料電池において、多孔質体とシール部位との間の空隙に起因するガス利用率の低下を抑制する。
【解決手段】
燃料電池は、電解質膜と電極とを備える膜−電極複合体と、膜−電極複合体の外周部で一体形成されるシール部16と、シール部16を両側から挟持するガスセパレータ30と、膜−電極複合体とガスセパレータ30との間に配置される多孔質体から成るガス流路形成部14と、を備える。シール部16は、少なくとも一方の側において、隣接するガスセパレータと接する凸部として、ガス流路形成部14を囲んで設けられた第1の線状凸部62と、第1の線状凸部62とガス流路形成部14の外周との間において、ガス流路形成部14を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられ、第1の線状凸部62よりも低く形成されたガス止め凸部60と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】
燃料電池は、電解質膜と電極とを備える膜−電極複合体と、膜−電極複合体の外周部で一体形成されるシール部16と、シール部16を両側から挟持するガスセパレータ30と、膜−電極複合体とガスセパレータ30との間に配置される多孔質体から成るガス流路形成部14と、を備える。シール部16は、少なくとも一方の側において、隣接するガスセパレータと接する凸部として、ガス流路形成部14を囲んで設けられた第1の線状凸部62と、第1の線状凸部62とガス流路形成部14の外周との間において、ガス流路形成部14を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられ、第1の線状凸部62よりも低く形成されたガス止め凸部60と、を備える。
【選択図】図7
Description
この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、一般に、電解質層や電極あるいはガスセパレータを含む板状部材を、所定の順序で順次積層することによって形成される。このような構成の一例として、電解質膜と一体で、電解質膜の外周にシール部材を設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。電解質膜の外周にシール部材を設けて、電解質膜に隣接する部材とシール部材とを接触させることによって、電解質膜上に形成されるガス流路におけるガスシール性を確保することができる。
しかしながら、上記のように電解質膜とシール部材とを一体形成する場合であって、特に、電解質膜上に形成した電極にガスを供給するためのガス流路を多孔質体で形成する場合には、ガス流路を形成する多孔質体と、シール部材によるシール部位との間に隙間が生じる場合がある。このように多孔質体とシール部位との間に隙間が生じると、いわゆるガスの脇流れが生じる。具体的には、電解質膜上に配置されてガス流路を形成する多孔質体の外周とシール部材のシール部位との間に隙間があると、多孔質体内の空隙よりも、ガスが流れる際の抵抗が小さい上記隙間に優先的にガスが流れることになる。上記多孔質体の周囲は、本来ガスを流したい領域ではなく、実質的に発電には寄与しない領域である。そのため、上記隙間を流れるガス(脇流れするガス)があると、燃料電池におけるガスの利用効率が低下して、電池性能が低下するという問題が生じていた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、電極上のガス流路を多孔質体により形成する燃料電池において、多孔質体とシール部位との間の空隙に起因するガス利用率の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池は、
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部を囲んで設けられた第1の線状凸部と、前記第1の線状凸部と前記ガス流路形成部の外周との間において、前記ガス流路形成部内を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられ、前記第1の線状凸部よりも高さが低く形成されたガス止め凸部と、を備えることを要旨とする。
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部を囲んで設けられた第1の線状凸部と、前記第1の線状凸部と前記ガス流路形成部の外周との間において、前記ガス流路形成部内を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられ、前記第1の線状凸部よりも高さが低く形成されたガス止め凸部と、を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1の燃料電池によれば、膜−電極複合体と一体形成されたシール部が、ガス流路形成部を囲んで設けられた第1の線状凸部とガス流路形成部の間において、ガス流路形成部内を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられてガスセパレータと接するガス止め凸部を備えている。そのため、ガス流路形成部の周囲におけるガス流れ(ガスの脇流れ)を抑制し、ガスの利用効率を向上させることができる。このとき、ガス止め凸部は、第1の線状凸部よりも低く形成されている。すなわち、ガス止め凸部は、ガス流路形成部を囲んで設けられた第1の線状凸部に要求される高さよりも低く形成すれば良い。そのため、ガス流路形成部の外周部近傍にかかる面圧が低下しすぎることが無く、ガス止め凸部に起因する接触抵抗の増大を抑えることができる。
本発明の第1の燃料電池において、前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部内を流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有することとしても良い。このような構成とすることで、第1の線状凸部とガス流路形成部の外周との間に形成したガス止め凸部によって、ガス流路形成部内を通過しないガスの流れを充分に阻害することができる。
本発明の第1の燃料電池において、前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部の外周に接触して、前記ガス流路形成部を囲んで形成されていることとしても良い。このような構成とすれば、ガス流路形成部とガス止め凸部との間に隙間が形成されないため、ガスの利用効率をより高めることができる。
本発明の第1の燃料電池において、さらに、前記膜−電極複合体を挟持して前記電極上に配置され、前記ガス流路形成部よりも平均細孔径が小さい多孔質体から成るガス拡散層を備え、前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、前記ガス拡散層と一体で形成されており、前記ガス流路形成部は、前記ガス拡散層と前記ガスセパレータとの間に配置されていることとしても良い。このような構成とすれば、電極に対するガス供給効率を向上させると共に、ガス流路形成部と電極との間の集電性を高め、電解質膜を保護する効果を高めることができる。
本発明の第1の燃料電池において、前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、さらに、前記ガス流路形成部とも一体で形成されていることとしても良い。このような構成とすれば、ガス流路形成部の外周部近傍におけるガスの脇流れを抑える効果を、より高めることができる。
本発明の第1の燃料電池において、前記ガスセパレータは、前記ガス流路形成部に供給されるガスの流路であるガス供給路が内部に形成されると共に、前記ガス流路形成部との接触面において前記ガス供給路の開口部を有することとしても良い。このような構成とすれば、第1の線状凸部を、ガス流路形成部の外周を途切れることなく囲む線状に形成することができ、第1の線状凸部の形状を簡素化することができる。
このような本発明の第1の燃料電池において、前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、該膜−電極複合体に隣接する一方のガスセパレータと一体に成形されており、前記隣接する一方のガスセパレータと接する側は平坦面に形成されて、前記隣接する一方のガスセパレータと面接触すると共に、隣接する他方のガスセパレータと接する側において前記第1の線状凸部および前記ガス止め凸部を備えることとしても良い。このような構成とすれば、シール部が、膜−電極複合体に加えて、ガスセパレータとも一体成形されることで、燃料電池の組み立ての際には、上記一体成形された部材を順次積層すれば良く、燃料電池の組み立ての動作を簡素化することができる。また、シール部において、第1の線状凸部およびガス止め凸部を片側だけに形成することにより、上記凸部が安定して倒れにくくなり、シール性の確保を容易化できる。
あるいはこのような本発明の第1の燃料電池において、前記シール部は、隣接する一方のガスセパレータと接着または密着すると共に、隣接する他方のガスセパレータと接する側において前記第1の線状凸部および前記ガス止め凸部を備えることとしても良い。このような構成とすれば、シール部とガスセパレータとが接着・密着されているため、ガス流路形成部内を流れるガスのガス圧に起因する上記凸部の移動を抑制することができる。また、シール部において、第1の線状凸部およびガス止め凸部を片側だけに形成することにより、上記凸部が安定して倒れにくくなり、シール性の確保がより容易になる。
本発明の第1の燃料電池において、
前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記第1の線状凸部は、前記ガス流路形成部を囲むと共に、前記穴部の外周の一部に沿って配置されており、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、さらに、前記第1の線状凸部と略同一の高さで連続して設けられ、前記第1の線状凸部の一部と共に前記穴部を囲む第2の線状凸部を備え、
前記第1および第2の線状凸部は、前記ガスマニホールドを流れる前記ガスの漏れを抑えることができる高さを有することとしても良い。
前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記第1の線状凸部は、前記ガス流路形成部を囲むと共に、前記穴部の外周の一部に沿って配置されており、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、さらに、前記第1の線状凸部と略同一の高さで連続して設けられ、前記第1の線状凸部の一部と共に前記穴部を囲む第2の線状凸部を備え、
前記第1および第2の線状凸部は、前記ガスマニホールドを流れる前記ガスの漏れを抑えることができる高さを有することとしても良い。
このような構成とすれば、第1および第2の線状凸部が、ガスマニホールドを流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有していても、ガス止め凸部がより低く形成されているため、ガス流路形成部の外周部近傍にかかる面圧が低下しすぎることが無い。
本発明の第2の燃料電池は、
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体の外周部を挟み込んで、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備えると共に、前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部の外周に接触して前記ガス流路形成部を囲んで設けられたガス止め凸部と、前記穴部の外周を囲んで設けられ、前記ガス止め凸部よりも高さが高く形成された線状凸部と、を備えることを要旨とする。
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体の外周部を挟み込んで、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備えると共に、前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部の外周に接触して前記ガス流路形成部を囲んで設けられたガス止め凸部と、前記穴部の外周を囲んで設けられ、前記ガス止め凸部よりも高さが高く形成された線状凸部と、を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第2の燃料電池によれば、膜−電極複合体と一体形成されたシール部が、ガス流路形成部の外周に接触してガス流路形成部を囲んで設けられたガス止め凸部を備えるため、ガス流路形成部の周囲におけるガス流れ(ガスの脇流れ)を抑制し、ガスの利用効率を向上させることができる。このとき、ガス止め凸部は、ガスマニホールドを形成する穴部を囲む線状凸部よりも低く形成されているため、ガス流路形成部の外周部近傍にかかる面圧が低下しすぎることが無く、ガス止め凸部に起因する接触抵抗の増大を抑えることができる。
このような本発明の第2の燃料電池において、前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部内を流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有し、前記線状凸部は、前記ガスマニホールドを流れる前記ガスの漏れを抑えることができる高さを有することとしても良い。このような構成とすれば、ガス止め凸部は、既述した効果を得つつ、ガス流路形成部内を通過しないガスの流れを充分に阻害することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池の製造方法などの形態で実現することが可能である。
A.燃料電池の構成:
図1は、実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図であり、図2は、図1において破線で囲んだX領域を拡大して示す説明図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。また、本実施例の燃料電池は、電気化学反応が進行する単位であるセルアセンブリ10を複数備えると共に、各々のセルアセンブリ10間にガスセパレータ30を介在させつつセルアセンブリ10を積層させたスタック構造を有している。
図1は、実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図であり、図2は、図1において破線で囲んだX領域を拡大して示す説明図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。また、本実施例の燃料電池は、電気化学反応が進行する単位であるセルアセンブリ10を複数備えると共に、各々のセルアセンブリ10間にガスセパレータ30を介在させつつセルアセンブリ10を積層させたスタック構造を有している。
セルアセンブリ10は、図2に示すように、発電積層部11と、シール部16と、によって構成されている。発電積層部11は、発電体12と、発電体12を挟持する一対のガス流路形成部14,15とによって構成される。発電体12は、電解質膜20と、電解質膜20の表面に形成された電極(カソード22およびアノード24)とから成るMEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)13と、MEA13を挟持する一対のガス拡散層26,28と、によって形成される。
電解質膜20は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソード22およびアノード24は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。カソード22およびアノード24を形成するには、例えば、白金等の触媒金属を担持させたカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンと、電解質膜20を構成する電解質と同様の電解質とを用いてペーストを作製し、作製した触媒ペーストを電解質膜20上に塗布すればよい。ガス拡散層26,28は、カーボン製の多孔質部材であり、例えばカーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。電解質膜20上に触媒電極を形成したMEA13とガス拡散層26,28とを、プレス接合により一体化することで、発電体12が作製される。このガス拡散層26,28は、後述するガス流路形成部14,15よりも平均細孔径が小さな多孔質体によって構成されている。そのため、ガス拡散層26,28を設けることによって、触媒電極に対するガス供給効率を向上させると共に、ガス流路形成部14,15と触媒電極との間の集電性を高めることができ、さらに電解質膜20を保護することもできる。ただし、ガス流路形成部14,15の構成材料や気孔率によっては、ガス拡散層26,28を設けないこととしても良い。
ガス流路形成部14,15は、発泡金属や金属メッシュなどの金属製多孔質体、あるいは、カーボン製の多孔質体によって形成される導電性の薄板状部材であり、本実施例では、チタン製の多孔質体を用いている。ガス流路形成部14,15は、発電体12とガスセパレータ30との間に隙間無く配置されており、内部に形成される多数の細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガスが通過するセル内ガス流路として機能する。すなわち、カソード22とガスセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部14の細孔が形成する空間は、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路として機能する。また、アノード24とガスセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部15の細孔が形成する空間は、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路として機能する。
ここで、隣り合うガスセパレータ30間であって、発電積層部11の外周部には、シール部16が設けられている。シール部16は、弾性材料、すなわち、ゴム(例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム)や、熱可塑性エラストマーによって形成されている。図2に示すように、シール部16は、一方の側は、平坦面として形成されて、隣接する一方のガスセパレータ30と面接触すると共に、この接触面において、上記ガスセパレータ30と所定の結合力で接着・密着されている。また、他方の側は、凸部を有しており、この凸部の頭頂部において、隣接する他方のガスセパレータ30と接触する。シール部16は、発電積層部11と共に、隣接するガスセパレータ30のうち、平坦面で面接触するガスセパレータ30と一体で形成されている。シール部16の製造工程については、後に詳述する。
図3は、発電積層部11とシール部16とが一体形成されたセルアセンブリ10の概略構成を表わす平面図である。図3に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた6つの穴部(後述する6つの穴部40〜45)と、中央部に設けられて発電積層部11が組み込まれている略四角形の穴部とを有している。この図3は、図1における右側から見た図であって、既述した凸部が形成された側を表わしており、中央部に設けられた穴部に嵌め込まれた発電積層部11においては、ガス流路形成部14が表面に表われている。シール部16に形成された凸部は、ガス止め凸部60と、線状凸部によって構成される。
図3に示すように、ガス止め凸部60は、シール部16の中央部に設けられた穴部に組み込まれたガス流路形成部14の外周に接触して、ガス流路形成部14を囲んで形成される略四角形状の凸部である。また、線状凸部は、ガス止め凸部60から離間して形成された凸部であって、第1の線状凸部62と第2の線状凸部64とによって構成される。第1の線状凸部62は、ガス流路形成部14を囲んでガス止め凸部60の外側に設けられた略四角形状の線状凸部であり、第2の線状凸部64は、第1の線状凸部62と連続して形成され、第1の線状凸部62の一部と共に、シール部16の外周部に設けられた6つの穴部の各々を囲むように形成された線状凸部である。シール部16は、弾性を有する樹脂材料から成るため、燃料電池内で積層方向に平行な方向に押圧力が加えられることにより、上記したガス止め凸部60および線状凸部と、ガスセパレータ30との接触部位において、ガスシール性を確保可能となる。ここで、ガス止め凸部60と線状凸部とは、それぞれ、全体として高さおよび頭頂部の幅が略一定に形成されている。そのため、ガス流路形成部14を囲むガス止め凸部60あるいは6つの穴部を囲む線状凸部は、それぞれ、全体として略均一な応力を、隣接するガスセパレータ30との間に生じることができ、良好なガスシール性を実現することができる。なお、ガス止め凸部60および線状凸部の高さについては、本願発明の要部に関わっており、後に詳述する。また、以下の説明では、発電積層部11において、シール部16の中央部に形成される穴部で露出している部分に対応する領域を、発電領域DAと呼ぶ。
ガスセパレータ30は、図1に示すように、ガス流路形成部14と接するカソード側プレート31と、ガス流路形成部15と接するアノード側プレート32と、カソード側プレート31およびアノード側プレート32に挟持される中間プレート33と、を備えている。これら3枚のプレートは、導電性材料、例えばステンレス鋼あるいはチタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材であり、カソード側プレート31、中間プレート33、アノード側プレート32の順に重ね合わされて、例えば拡散接合により接合されている。これら3種のプレートは、いずれも凹凸のない平坦な表面を有すると共に、各々、所定の位置に所定形状の穴部を有している。図4は、カソード側プレート31の形状を示す平面図であり、図5は、アノード側プレート32の形状を示す説明図であり、図6は、中間プレート33の形状を示す説明図である。これら図4〜図6は、各プレートを、図3に示すシール部16と同じ側、すなわち、図1における右側から見た様子を表わす図である。これら図4〜図6では、既述した発電領域DAを、一点破線で囲んで示している。
カソード側プレート31、アノード側プレート32は、いずれも、その外周部においてシール部16と同様の位置に、6つの穴部を備えている。これらの6つの穴部は、スタック構造を形成するために各々の薄板状部材が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。上記各薄板状部材では、略四角形状である外周の一辺の近傍に穴部40が形成されている。また、近傍に穴部40が形成された辺と対向する辺の近傍には、穴部41が形成されている。さらに、他の2辺のうちの一方の辺の近傍には穴部42,44が形成されており、他方の辺の近傍には穴部43,45が形成されている。なお、中間プレート33は、上記6つの穴部のうち、穴部44,45は有していないが、後述する複数の冷媒孔58が、穴部44,45に対応する位置に重なるように設けられている。
上記各薄板状部材が備える穴部40は、燃料電池に対して供給された酸化ガスを各セル内酸化ガス流路に分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、穴部41は、各セル内酸化ガス流路から排出されて集合した酸化ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、穴部43は、燃料電池に対して供給された燃料ガスを各セル内燃料ガス流路に分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、穴部42は、各セル内燃料ガス流路から排出されて集合した燃料ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、穴部44は、燃料電池に対して供給された冷却水などの冷媒を各ガスセパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、CLT inと表わす)、穴部45は、各ガスセパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、CLT outと表わす)。
また、カソード側プレート31は、穴部40におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの一辺(図4における上端部)に沿って設けられ、カソード側プレート31を貫通して形成された酸化ガス供給スリット50を備えている。また、同様に、穴部41におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの他の一辺(図4における下端部)に沿って設けられた酸化ガス排出スリット51を備えている(図4参照)。
アノード側プレート32は、カソード側プレート31と同様に、穴部40におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの一辺(図5における上端部)に沿って設けられ、アノード側プレート32を貫通して形成された燃料ガス排出スリット52を備えている。また、穴部41におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの他の一辺(図5における下端部)に沿って設けられた燃料ガス供給スリット53を備えている(図5参照)。これらの燃料ガス排出スリット52および燃料ガス供給スリット53は、それぞれ、酸化ガス供給スリット50および酸化ガス排出スリット51と重ならないように、プレートのさらに中央部寄りに配置されている。
中間プレート33においては、穴部40の形状が他のプレートとは異なっており、中間プレート33の穴部40は、この穴部40のプレート中央部側の辺が、プレート中央部方向へと突出する複数の突出部を備える形状となっている。穴部40が有する上記複数の突出部を、連通部54と呼ぶ。この連通部54は、中間プレート33とカソード側プレート31とが積層されたときに酸化ガス供給スリット50と重なり合うように形成されており、酸化ガス供給マニホールドと酸化ガス供給スリット50とを連通させる。また、穴部41においても同様に、酸化ガス排出スリット51に対応して、複数の連通部55が設けられている(図6参照)。さらに、中間プレート33には、穴部43および穴部42の各々に連通して、アノード側プレート32の燃料ガス供給スリット53あるいは燃料ガス排出スリット52と重なる形状の、連通部57および連通部56が設けられている。
燃料電池の内部において、穴部40が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、中間プレート33の連通部54が形成する空間と、カソード側プレート31の酸化ガス供給スリット50とを介して、ガス流路形成部14内に形成されるセル内酸化ガス流路へと流入する。セル内酸化ガス流路において酸化ガスは、ガス流路形成部14に平行な方向(面方向)に流れると共に、面方向に垂直な方向(積層方向)へとさらに拡散する。積層方向に拡散した酸化ガスは、ガス流路形成部14からガス拡散層26を介してカソード22に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内酸化ガス流路を通過した酸化ガスは、ガス流路形成部14から、カソード側プレート31の酸化ガス排出スリット51および中間プレート33の連通部55が形成する空間を介して、穴部41が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。同様に、燃料電池の内部において、穴部43が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、中間プレート33の連通部57が形成する空間と、アノード側プレート32の燃料ガス供給スリット53とを介して、ガス流路形成部15内に形成されるセル内燃料ガス流路へと流入する。セル内燃料ガス流路において燃料ガスは、面方向に流れると共に、積層方向へとさらに拡散する。積層方向に拡散した燃料ガスは、ガス流路形成部15からガス拡散層28を介してアノード24に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内燃料ガス流路を通過した燃料ガスは、ガス流路形成部15から、アノード側プレート32の燃料ガス排出スリット52および中間プレート33の連通部56が形成する空間を介して、穴部42が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。
図3ないし図6では、図1に示した断面図に相当する位置を、1−1断面として示している。図1に示すように、1−1断面では、穴部40が形成する酸化ガス供給マニホールドから、中間プレート33の連通部54およびカソード側プレート31の酸化ガス供給スリット50を介して、ガス流路形成部14内へと酸化ガスが供給される様子が表わされる。さらに、1−1断面では、ガス流路形成部14から、カソード側プレート31の酸化ガス排出スリット51および中間プレート33の連通部55を介して、穴部41が形成する酸化ガス排出マニホールドへと酸化ガスが排出される様子が表わされる。
なお、中間プレート33は、さらに、発電領域DAを含む領域に、互いに平行に形成された細長い複数の冷媒孔58を備えている。これらの冷媒孔58の端部は、中間プレート33を他の薄板状部材と重ね合わせたときに、穴部44,45と重なり合い、冷媒が流れるためのセル間冷媒流路をガスセパレータ30内で形成する。すなわち、燃料電池の内部において、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷媒は、上記冷媒孔58によって形成されるセル間冷媒流路に分配され、セル間冷媒流路から排出される冷媒は、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドに排出される。
B.シール部16の構成および燃料電池の製造工程:
本実施例では、燃料電池を作製する際に、シール部16を、発電積層部11に加えて、隣接する一方のガスセパレータ30と一体で成形している。図7は、発電積層部11および一方のガスセパレータ30と一体成形されたシール部16の様子を表わす断面模式図である。図7に示すように、シール部16では、互いに連続して形成されると共に略同一の高さに形成された第1の線状凸部62および第2の線状凸部64の高さ(h1)が、ガス止め凸部60の高さ(h2)よりも高く形成されている。なお、図7に示す凸部の高さh1、h2は、シール部16の外周近傍において平坦に形成された領域である平坦部66(図3参照)に対する高さを表わしている。
本実施例では、燃料電池を作製する際に、シール部16を、発電積層部11に加えて、隣接する一方のガスセパレータ30と一体で成形している。図7は、発電積層部11および一方のガスセパレータ30と一体成形されたシール部16の様子を表わす断面模式図である。図7に示すように、シール部16では、互いに連続して形成されると共に略同一の高さに形成された第1の線状凸部62および第2の線状凸部64の高さ(h1)が、ガス止め凸部60の高さ(h2)よりも高く形成されている。なお、図7に示す凸部の高さh1、h2は、シール部16の外周近傍において平坦に形成された領域である平坦部66(図3参照)に対する高さを表わしている。
ここで、ガス止め凸部60の高さは、シール部16と一体形成されたときのガス流路形成部14以上の高さである。そして、セルアセンブリ10とガスセパレータ30とを積層して成る積層体の積層方向に締結圧を加えて燃料電池を組み立てたときに、ガス流路形成部14内を流れるガスの漏れを抑えることができる応力を、隣接するガスセパレータ30との間に生じる高さである。このような高さは、ガス流路形成部14内に形成されるセル内酸化ガス流路を流れる酸化ガスの圧力や、上記積層体に加えられる締結圧、あるいは、シール部16の構成材料などに応じて、適宜設定することができる。また、第1および第2の線状凸部の高さは、同様に燃料電池を組み立てたときに、ガスマニホールドおよび冷媒マニホールド内を流れるガスや冷媒の漏れを抑えることができる応力を、隣接するガスセパレータ30との間に生じる高さである。このような高さは、マニホールドを流れる流体の圧力や、積層体に加えられる締結圧、あるいは、シール部16の構成材料などに応じて、適宜設定することができる。
図8は、本実施例の燃料電池の製造工程を表わす説明図である。また、図9は、所定の形状の金型を用いて、射出成形によって、シール部16を、発電積層部11およびガスセパレータ30と一体形成する様子を表わす説明図である。
本実施例の燃料電池を製造する際には、まず、発電体12と、ガス流路形成部14,15と、ガスセパレータ30とを用意する(ステップS100)。また、シール部16を一体成形するための金型を用意する(ステップS110)。金型は、図9に示すように、上型72と下型70とを備えている。金型内には、ガスセパレータ30と発電体12とガス流路形成部14,15が丁度嵌り込む凹凸形状が形成されている。
次に、下型70に、ガスセパレータ30を配置する(ステップS120)。本実施例では、ガスセパレータ30は、カソード側プレート31を下方にし、アノード側プレート32を上方にして、配置される。そして、配置したガスセパレータ30上に、さらに、ガス流路形成部15、発電体12、ガス流路形成部14を順次配置する(ステップS130)。
金型内に各部材を配置すると、所定の型圧で型締めし、射出成形を行なってシール部16を一体成形する(ステップS140)。図9に示すように、各部材が配置された金型内には、発電積層部11の外側近傍において、シール部16の形状を有する空間SPが形成される。この空間SPは、図9に示すように、ガスセパレータ30のアノード側プレート32側の面と、下型70および上型72の内壁面と、発電積層部11の端部とによって区画される。また、金型の上型72においては、マニホールド用穴部40〜45が形成される位置に、開口74を備えて厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。射出成形の際には、シール部16の成形材料としての液状ゴムが、上述した開口74から貫通孔を介して空間SPへと投入された後、加硫工程が行われる。なお、本実施例では、射出成形時には、燃料電池を組み立てた際に燃料電池に加えられる締結圧と同じ圧力が、発電積層部11およびガスセパレータ30に加えられるように、型締めが行なわれる。すなわち、積層された燃料電池内と同じ状態にして、シール部16の一体形成が行なわれる。
このような射出成形においては、成形材料がガス拡散層26,28およびガス流路形成部14,15の端部に含浸されるように、すなわち、これらの多孔質体の外周部の細孔内に成形材料が入り込んで、発電積層部11とシール部16とが一体化するように、成形材料の投入圧力が制御される。また、成形材料にシランカップリング剤を添加することにより、シール部16とガスセパレータ30の接触面における結合力が確保され、シール部16とガスセパレータ30とが接着・密着される。射出成形後、型開きすることで、セルアセンブリ10とガスセパレータ30とが一体化した構成単位が得られる。
このようにして構成単位を複数作製すると、これらの構成単位を複数積層すると共に、構成単位から成る積層体の両端部に、出力端子を備える集電板と、絶縁性材料から成る絶縁板と、剛性の高いエンドプレートとをさらに積層して組み立てを行なう。そして、組み立てた積層体全体に積層方向に締結圧を加えつつ固定して(ステップS150)、燃料電池を完成する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、発電積層部11と一体形成されたシール部16が、ガス流路形成部14の外周に接触してガス流路形成部14を囲んで形成されたガス止め凸部60を備えている。そのため、ガス流路形成部14内を通過せずにガス流路形成部14の周囲を酸化ガスが流れる(ガスが脇流れする)ことがなく、供給された酸化ガスはガス流路形成部14内を流れることになり、酸化ガスの利用効率を向上させることができる。
また、本実施例の燃料電池によれば、シール部16は、ガス止め凸部60に加えて、ガス止め凸部60から離間して設けられた線状凸部を備え、ガス止め凸部60は、線状凸部よりも積層方向の高さが低く形成されている。具体的には、ガス止め凸部60は、ガス流路形成部14内を流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有するものの、マニホールド内のガスの漏れを抑えることができる高さを有する線状凸部よりも低く形成されている。既述したように、シール部によるシール部位(シール部に設けた凸部)をガス流路形成部14の外周のごく近くに設けることにより、ガスの脇流れを抑えることができるが、上記凸部が高すぎると、ガス流路形成部14における外周近傍領域にかかる面圧が不十分となる可能性がある。ガス流路形成部14において、このように面圧が不十分になる領域では接触抵抗が増大するため、電池性能の低下が引き起こされる。本実施例では、ガス流路形成部14に接触するガス止め凸部60を、より低く形成しているため、ガス流路形成部14の外周部近傍にかかる面圧を低下させすぎることが無く、ガス止め凸部60に起因する接触抵抗の増大を抑えることができる。
ここで、実施例とは異なり、シール部16を一体成形する際に、ガス流路形成部14は別体で用意することとしても良い。このように、ガス流路形成部14を別体で用意して、シール部16に後から嵌め込む場合であっても、ガス流路形成部14の外周に接触してガス流路形成部14を囲むと共に、より低く形成されたガス止め凸部60を、シール部16に設けることにより、面圧低下を抑えつつガスの脇流れを抑制する同様の効果が得られる。ただし、ガス流路形成部14も一体でシール部16を形成する場合には、ガス流路形成部14の外周近傍の細孔内に、シール部16の成形材料が入りこむため、ガス流路形成部14の外周部近傍におけるガスの脇流れを抑える効果を、より高めることができる。なお、本実施例では、凸部が形成されていないアノード側のガス流路形成部15においても、ガス流路形成部15との間で隙間無くシール部16が一体形成されているため、ガスの脇流れを充分に抑制することができる。
さらに、シール部16を、ガス流路形成部14,15と一体で形成しているため、シール部16を形成する際に、シール部16をガス流路形成部14,15の外周と接触させるために、厳密な位置合わせが可能となるほどの精度が要求されることが無い。そのため、ガス流路形成部14とガス止め凸部60とを、容易に接触させることができる。
また、本実施例の燃料電池によれば、シール部16は、一方の面では、ガス止め凸部60および線状凸部においてガスセパレータ30と接触し、他方の面では、平坦面においてガスセパレータ30と面接触している。このように、ガスセパレータ30と接触してシール性を確保するための凸部を一方の側にだけ設け、他方は面接触とすることにより、両側に凸部を設けてシール性を確保する場合に比べて、凸部が安定して倒れにくくなり、シール性の確保がより容易になる。特に、上記面接触する側では、シール部16とガスセパレータ30とが接着・密着されているため、マニホールド内やセル内ガス流路におけるガス圧に起因する凸部の移動を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池によれば、シール部16を、発電積層部11およびガスセパレータ30と一体成形して、セルアセンブリ10とガスセパレータ30とが一体化した構成単位を作製している。そのため、燃料電池を組み立てる際には、この構成単位を所定数積み重ねれば良く、燃料電池の組み立て動作を簡素化することができる。
また、本実施例では、ガスセパレータ30は、ガス流路形成部に供給されるガスの流路が内部に形成されると共に、このガスの流路の開口部が、ガスセパレータ30におけるガス流路形成部と接触する表面に形成されている。そのため、ガス止め凸部60や線状凸部を、それぞれ、ガス流路形成部14の外周やマニホールド用穴部40〜45の外周を途切れることなく囲む線状に形成することができる。したがって、各凸部の形状を簡素化することができる。なお、ガスセパレータ30とガス流路形成部との接触面は、平坦面でなくても良く、ガス流路形成部が、発電体12とガスセパレータ30との間に隙間無く配置されていれば良い。
なお、上記構成単位を作製する際に、MEA13とガス拡散層26,28とを予め一体化するのではなく、別体のまま金型内に配置して、シール部16の一体成形を行なっても良い。一体成形の際には、燃料電池における締結圧と同等の圧力が加えられるように型締めが行なわれるため、シール部16の一体成形と、MEA13とガス拡散層26,28のプレス接合とを、同時に行なうことができる。
また、発電積層部11と一体成形するシール部16は、射出成形以外の方法により形成しても良い。例えば、圧縮成形により、シール部16を一体成形することができる。この場合には、金型内の空間SPに固形の未加硫ゴムを充填し、金型を型締めして加熱することにより、成形と加硫とを同時に行う加硫圧縮成形を行なえば良い。
また、実施例では、図9に示すように、発電積層部11を構成する各部材は、いずれも略同一の大きさであって互いに重なり合い、発電積層部11の端部は1つの平面を形成することとしたが、異なる構成としても良い。すなわち、MEA13,ガス拡散層26,28およびガス流路形成部14,15は、各々が異なる大きさに形成される、あるいは、各々の外周の位置が互いにずれるように配置されることとしても良い。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
実施例では、ガス止め凸部60は、ガス流路形成部14の外周全体を囲む形状としたが、異なる形状であっても良い。例えば、ガス流路形成部14の4辺全てを囲むのではなく、いずれかの3辺を囲む形状としても良い。このような構成の一例を、ガス止め凸部160を形成したシール部216を備えるセルアセンブリ110として、図3と同様の平面図で図10(A)に示す。図10(A)では、実施例と共通する部分には同じ参照番号を付しており、シール部116は、ハッチを付して示している。このような構成とすれば、ガス止め凸部160と第1の線状凸部62との間に空間が形成されるものの、この空間内をガスが流れることはないため、実施例と同様にガスの脇流れを抑制することができる。
実施例では、ガス止め凸部60は、ガス流路形成部14の外周全体を囲む形状としたが、異なる形状であっても良い。例えば、ガス流路形成部14の4辺全てを囲むのではなく、いずれかの3辺を囲む形状としても良い。このような構成の一例を、ガス止め凸部160を形成したシール部216を備えるセルアセンブリ110として、図3と同様の平面図で図10(A)に示す。図10(A)では、実施例と共通する部分には同じ参照番号を付しており、シール部116は、ハッチを付して示している。このような構成とすれば、ガス止め凸部160と第1の線状凸部62との間に空間が形成されるものの、この空間内をガスが流れることはないため、実施例と同様にガスの脇流れを抑制することができる。
また、ガス止め凸部は、ガス流路形成部14の外周の少なくとも一部に沿って、この外周に接触するように設ける必要はなく、ガス流路形成部14を囲んで設けられた第1の線状凸部62とガス流路形成部14との間におけるガス流れを邪魔する位置に配置されていればよい。このような構成の一例を、ガス止め凸部260を形成したシール部216を備えるセルアセンブリ210として、図3と同様の平面図で図10(B)に示す。図10(B)では、実施例と共通する部分には同じ参照番号を付しており、シール部216は、ハッチを付して示している。このような場合にも、実施例と同様にガスの脇流れを抑制することができる。
このように、実施例とは異なる形状にガス止め凸部を形成する場合であっても、実施例と同様に、第1および第2の線状凸部は、マニホールド内のガスの漏れを抑える高さに形成される必要があるのに対し、ガス止め凸部は、セル内ガス流路のガスの漏れを抑える高さに形成されていればよい。したがって、ガス止め凸部の形状に拘わらず、ガス止め凸部は、第1および第2の線状凸部よりも低く形成すれば良く、これにより、ガス流路形成部の外周近傍における面圧低下を抑制することができる。なお、第1の線状凸部62だけがガス流路形成部14の外周全体を囲んでいる場合には、第1の線状凸部62は、セル内ガス流路のガス漏れを抑える高さを有する必要があるが、第1の線状凸部62はマニホールド内のガス漏れを抑制可能な高さを有するため、この条件を満たしている。
あるいは、ガス流路形成部14の外周に接して外周全体を囲むガス止め凸部を形成すると共に、このガス止め凸部とは離間して、マニホールド用穴部の各々について、穴部の外周全体を囲む線状凸部を設けることとしても良い。このような構成を、ガス止め凸部360を形成したシール部316を備えるセルアセンブリ310として、図3と同様の平面図で図11に示す。この場合には、線状凸部は、マニホールド内のガス圧に対抗してガスシール性を確保可能な高さに形成すれば良い。また、ガス止め凸部は、セル内ガス流路内のガス圧に対抗してガスシール性を確保可能な高さに形成すれば良く、線状凸部よりも低く形成すればよい。したがって、ガス止め凸部をガス流路形成部に接して設けることにより、ガスの脇流れを抑えると共に、ガス止め凸部を線状凸部よりも低く形成することにより、ガス流路形成部の外周近傍における面圧低下を抑制することができる。
C2.変形例2:
実施例では、シール部16において、アノード側プレート32と接する側を平坦面として、カソード側プレート31と接する側にガス止め凸部60および線状凸部を設けたが、異なる形状としても良い。例えば、凸部を設ける面と平坦面とを逆にして、アノード側プレート32と接する側に、ガス止め凸部60および線状凸部を設けることとしても良い。
実施例では、シール部16において、アノード側プレート32と接する側を平坦面として、カソード側プレート31と接する側にガス止め凸部60および線状凸部を設けたが、異なる形状としても良い。例えば、凸部を設ける面と平坦面とを逆にして、アノード側プレート32と接する側に、ガス止め凸部60および線状凸部を設けることとしても良い。
なお、シール部の平坦面とガスセパレータとの間を接着・密着させる場合には、実施例のようにシール部の成形材料にシランカップリング剤を添加する他、種々の手法を採用可能である。例えば、分子間力、共有結合、水素結合などの化学結合、あるいは、機械的な結合などの物理結合を利用することができる。また、シール部の平坦面とガスセパレータとの間に、接着剤から成る接着層を設けても良い。
ここで、実施例のように、シール部16におけるアノード側プレート32と接する面を平坦面としてガスセパレータと接着・密着させる場合には、漏れが生じやすい水素に関するシール性を、より高めることができる。また、シール部16におけるカソード側プレート31と接する面を平坦面としてガスセパレータと接着・密着させる場合には、一般的にガス圧がより高い酸化ガス側において、シール性をより高めることができる。
また、シール部の平坦面とガスセパレータとを接着させる特別な処理を行なわず、両者を別体で形成して積層する場合であっても、シール部の一方の面のみに凸部を形成することで、凸部を安定化させて、シール性の確保を容易化する効果は得られる。シール部とガスセパレータとを別体で形成する場合には、両方のガス流路形成部をシール部と別体で形成して、後からシール部に嵌め込むことにしても良い。
また、シール部において、一方の面を平坦面とするのではなく、両方の面の互いに対応する位置に、ガス止め凸部および線状凸部を設けることとしても良い。このような構成としても、セル内ガス流路におけるガスの脇流れの抑制と、ガス流路形成部の外周近傍における面圧低下の抑制という同様の効果が得られる。
C3.変形例3:
実施例では、燃料電池は固体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池であっても良い。例えば、固体酸化物電解質型燃料電池とすることができる。シール部の構成材料を、ゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性材料から適宜選択可能な運転温度を示す燃料電池であれば、本発明を適用することができる。
実施例では、燃料電池は固体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池であっても良い。例えば、固体酸化物電解質型燃料電池とすることができる。シール部の構成材料を、ゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性材料から適宜選択可能な運転温度を示す燃料電池であれば、本発明を適用することができる。
10,110,210,310...セルアセンブリ
11...発電積層部
12...発電体
13...MEA
14,15...ガス流路形成部
16,116,216,316...シール部
20...電解質膜
22...カソード
24...アノード
26,28...ガス拡散層
30...ガスセパレータ
31...カソード側プレート
32...アノード側プレート
33...中間プレート
40〜45...穴部
50...酸化ガス供給スリット
51...酸化ガス排出スリット
52...燃料ガス排出スリット
53...燃料ガス供給スリット
54〜57...連通部
58...冷媒孔
60,160,260,360...ガス止め凸部
62...第1の線状凸部
64...第2の線状凸部
66...平坦部
70...下型
72...上型
74...開口
DA...発電領域
SP...空間
11...発電積層部
12...発電体
13...MEA
14,15...ガス流路形成部
16,116,216,316...シール部
20...電解質膜
22...カソード
24...アノード
26,28...ガス拡散層
30...ガスセパレータ
31...カソード側プレート
32...アノード側プレート
33...中間プレート
40〜45...穴部
50...酸化ガス供給スリット
51...酸化ガス排出スリット
52...燃料ガス排出スリット
53...燃料ガス供給スリット
54〜57...連通部
58...冷媒孔
60,160,260,360...ガス止め凸部
62...第1の線状凸部
64...第2の線状凸部
66...平坦部
70...下型
72...上型
74...開口
DA...発電領域
SP...空間
Claims (11)
- 燃料電池であって、
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部を囲んで設けられた第1の線状凸部と、前記第1の線状凸部と前記ガス流路形成部の外周との間において、前記ガス流路形成部内を通過しないガス流れを阻害する位置に設けられ、前記第1の線状凸部よりも高さが低く形成されたガス止め凸部と、を備える
燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池であって、
前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部内を流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有する
燃料電池。 - 請求項1または2記載の燃料電池であって、
前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部の外周に接触して、前記ガス流路形成部を囲んで形成されている
燃料電池。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池であって、さらに、
前記膜−電極複合体を挟持して前記電極上に配置され、前記ガス流路形成部よりも平均細孔径が小さい多孔質体から成るガス拡散層を備え、
前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、前記ガス拡散層と一体で形成されており、
前記ガス流路形成部は、前記ガス拡散層と前記ガスセパレータとの間に配置されている
燃料電池。 - 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池であって、
前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、さらに、前記ガス流路形成部とも一体で形成されている
燃料電池。 - 請求項1ないし5いずれか記載の燃料電池であって、
前記ガスセパレータは、前記ガス流路形成部に供給されるガスの流路であるガス供給路が内部に形成されると共に、前記ガス流路形成部との接触面において前記ガス供給路の開口部を有する
燃料電池。 - 請求項6記載の燃料電池であって、
前記シール部は、前記膜−電極複合体に加えて、該膜−電極複合体に隣接する一方のガスセパレータと一体に成形されており、前記隣接する一方のガスセパレータと接する側は平坦面に形成されて、前記隣接する一方のガスセパレータと面接触すると共に、隣接する他方のガスセパレータと接する側において前記第1の線状凸部および前記ガス止め凸部を備える
燃料電池。 - 請求項6記載の燃料電池であって、
前記シール部は、隣接する一方のガスセパレータと接着または密着すると共に、隣接する他方のガスセパレータと接する側において前記第1の線状凸部および前記ガス止め凸部を備える
燃料電池。 - 請求項1ないし8いずれか記載の燃料電池であって、
前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記第1の線状凸部は、前記ガス流路形成部を囲むと共に、前記穴部の外周の一部に沿って配置されており、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、さらに、前記第1の線状凸部と略同一の高さで連続して設けられ、前記第1の線状凸部の一部と共に前記穴部を囲む第2の線状凸部を備え、
前記第1および第2の線状凸部は、前記ガスマニホールドを流れる前記ガスの漏れを抑えることができる高さを有する
燃料電池。 - 燃料電池であって、
電解質膜と、該電解質膜の両面に形成された電極と、を備える膜−電極複合体と、
弾性体から成り、前記膜−電極複合体の外周部において、該膜−電極複合体の外周部を挟み込んで、該膜−電極複合体と一体で形成されるシール部と、
前記シール部を両側から挟持するように、前記膜−電極複合体と所定の距離をおいて配置されるガスセパレータと、
多孔質体から成り、前記膜−電極複合体と前記ガスセパレータとの間に配置されるガス流路形成部と
を備えると共に、前記ガスセパレータが間に配置された複数の前記膜−電極複合体を積層して成り、
前記ガスセパレータおよび前記シール部は、互いに対応する位置に、前記燃料電池を前記積層の方向に貫通すると共に各々の前記膜−電極複合体に供給するためのガスが流れるガスマニホールドを形成する穴部を備え、
前記シール部は、少なくとも一方の側において、隣接する前記ガスセパレータと接する凸部として、前記ガス流路形成部の外周に接触して前記ガス流路形成部を囲んで設けられたガス止め凸部と、前記穴部の外周を囲んで設けられ、前記ガス止め凸部よりも高さが高く形成された線状凸部と、を備える
燃料電池。 - 請求項10記載の燃料電池であって、
前記ガス止め凸部は、前記ガス流路形成部内を流れるガスの漏れを抑えることができる高さを有し、
前記線状凸部は、前記ガスマニホールドを流れる前記ガスの漏れを抑えることができる高さを有する
燃料電池。
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2007
- 2007-01-10 JP JP2007002120A patent/JP2008171613A/ja active Pending
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2008
- 2008-01-09 US US12/007,353 patent/US20080166617A1/en not_active Abandoned
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