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JP2008169360A - 拭き上げ型光沢付与剤及び物品表面の光沢付与方法 - Google Patents

拭き上げ型光沢付与剤及び物品表面の光沢付与方法 Download PDF

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JP2008169360A JP2007006287A JP2007006287A JP2008169360A JP 2008169360 A JP2008169360 A JP 2008169360A JP 2007006287 A JP2007006287 A JP 2007006287A JP 2007006287 A JP2007006287 A JP 2007006287A JP 2008169360 A JP2008169360 A JP 2008169360A
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徹 斎藤
Tomoaki Tsurumi
知昭 鶴見
Hideaki Tojo
英明 東条
Yoshihiro Furukawa
芳博 古川
Tomoyuki Kikumori
知幸 菊森
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Abstract

【課題】物理的な研磨処理や特別な処理装置を用いることなく簡便な拭き上げ作業により、物品表面に光沢を付与し、かつ、付与後に得られる光沢が長期にわたって持続し、耐久性に優れる拭き上げ型光沢付与剤を提供する。
【解決手段】本発明の拭き上げ型光沢付与剤は、(A)水性カルボジイミド化合物、(B)水性液状有機化合物、(C)水又は水と親水性有機溶媒との混合溶媒を含有し、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比率[(A):(B)]が8:92〜92:8である。
【選択図】なし

Description

本発明は、物品表面に光沢を付与する拭き上げ型光沢付与剤、及び光沢の付与方法に関する。
自動車塗膜の表面には、自然界に存在する汚れ成分(埃、塵、カーボン汚染物、動物汚染物、植物汚染物、ブレーキダスト、鉄粉等)の付着や摩擦によって、小さな無数の傷が生じる。それらの小傷の多くは深さが0.50μm以下の小傷の集合体であり、塗膜の表面の外観を白化させたり、表面に曇り模様を生じさせたりする原因となる。また、上記の汚れ成分が自動車塗膜に強固に密着すると、酸性雨、太陽光線、酸素等の働きにより塗膜が化学分解される場合もある。このような小傷や化学分解によって塗膜が傷むと、塗膜の光沢が著しく低下し、さらに汚れ成分が蓄積されやすくなる。
従来、自動車ユーザーは、自動車塗膜の外観美化(光沢付与)や外観保護(被覆による保護)を目的として、自動車用ワックスを使用してきた。通常、自動車用ワックスは、カルナバワックスなどの天然のロウ類又は合成のロウ類、油脂類、シリコーン類等で構成されている。これらの構成物が塗膜表面に生じた小傷を埋めることにより光沢は復元される(例えば、非特許文献1参照)。
また、塗膜に光沢を復元し、長期にわたって光沢を持続させる方法として、例えば、塗膜を洗浄し埃等の異物を除去する工程、バフ等で塗膜を研磨し劣化部分を除去する工程及び表面保護艶出し剤を用いて光沢を向上する工程の3つの工程からなる光沢復元方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
より簡便な作業で光沢を回復させることを目的とする光沢回復剤として、光硬化性樹脂を被膜剤とし、オルガノポリシロキサン油と、水を加えて乳化分散させた光沢回復剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。かかる光沢回復剤は、光沢を回復させる被膜を光硬化反応により形成する。
また、簡便な作業で光沢を付与させる方法として、2液型の溶剤系ウレタン樹脂を光沢付与剤として使用する光沢付与方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。かかる光沢付与方法は、溶剤系の主剤(アクリル系樹脂)と溶剤系の硬化剤(多官能イソシアネート)の化学反応により被膜を形成し光沢を付与する方法である。
「オートケミカル」日本オートケミカル工業会編、1991年、p.165〜180 特開平9−187725号公報 特開平9−137128号公報 特開2005−144229号公報
しかしながら、非特許文献1に記載の自動車用ワックスを用いる方法は、ワックスが時間の経過とともに溶解するため、光沢が長く持続されない。しかも、自動車用ワックスを塗布した塗膜表面は、親油性の汚れ成分が付着しやすくなったり、雨水が塗膜上に残留すると、ワックスの撥水性により生じた水滴がレンズ効果を引き起こし、塗膜を傷付けて劣化させたりする問題がある。そのため、自動車用ワックスによる通常の手入れでは、外観美化効果を長期間にわたって持続させることが難しかった。
一方、特許文献1に記載の光沢復元方法では、物理的に研磨処理する工程を含んでいるため、多大な時間と労力がかかることが問題であった。例えば、1台の中古車を全面処理するには通常4時間程度が必要であり、塗膜表面に新車同様の輝きを取り戻す鏡面加工を施す場合には、更に数時間が必要となる。また、上記のバフ等で塗膜を研磨し劣化部分を除去する工程は、自動車修理工場等で専門作業者が研磨機器等を使用して自動車塗膜表面を物理的に研磨処理する方法と同様に、研磨処理の処理時間や作業者の熟練度により、塗膜表面の平滑性が大きく影響される。
特許文献2に記載の光沢回復剤を用いる方法では、塗布したシリコーンアクリル系光硬化性樹脂を自然光で硬化させる場合には、塗布してから硬化が完了するまでに長時間を要する。そのため、被膜強度が十分に高くなっていない間に傷が生じるおそれがあった。特定の光源を有する特殊な光照射装置を用いれば、光硬化を速やかに行うことができるが、その場合には簡便な作業で優れた光沢回復効果を得ることが困難であった。
特許文献3に記載の光沢付与方法は作業が簡単なものの、溶剤を比較的多く含むために、環境への負荷が大きいといった問題を有する。そのために、上記の光沢付与方法では、特殊な設備が必要であった。また、ワックスの様に拭き上げを行わないために、塗装斑が発生した場合にはその塗装斑が残留して、外観美化を損なうという問題があった。
本発明は、上記従来技術が有する課題を鑑みてなされたものであり、物理的な研磨処理や特別な処理装置を用いることなく簡便な拭き上げ作業により、物品表面(特に、自動車塗膜の表面、更には塗装品の塗膜又は樹脂成型品の表面)に光沢を付与し、かつ、付与後に得られる光沢が長期にわたって持続し、耐久性に優れる拭き上げ型光沢付与剤及び光沢の付与方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のカルボジイミド化合物と液状有機化合物と溶媒とを含有する拭き上げ型光沢付与剤を用いて、物品表面(特に、自動車塗膜の表面、更には塗装品の塗膜又は樹脂成型品の表面)に被膜を形成させることにより、物品表面に光沢を付与でき、かつ、付与後に得られる光沢が長期間持続されることを見出した。そして、この知見に基づき、以下の拭き上げ型光沢付与剤及び物品表面の光沢付与方法を発明した。
[1] (A)水性カルボジイミド化合物、(B)水性液状有機化合物、(C)水又は水と親水性有機溶媒との混合溶媒を含有し、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比率[(A):(B)]が8:92〜92:8であることを特徴とする拭き上げ型光沢付与剤。
[2] 前記(A)水性カルボジイミド化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の拭き上げ型光沢付与剤。
Figure 2008169360
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた炭素数4〜15の2価の残基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、a、bは、それぞれ独立に、1〜30のいずれかの整数を表し、nは1〜10のいずれかの整数を表す。)
[3] 前記(A)成分と前記(B)成分との含有量の合計量が0.5〜30質量%であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の拭き上げ型光沢付与剤。
[4] 前記(B)水性液状有機化合物が、ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の拭き上げ型光沢付与剤。
[5] 物品表面上に[1]〜[4]のいずれかに記載の拭き上げ型光沢付与剤を塗工する塗工工程と、
前記塗工工程の後に、物品表面上の余剰の拭き上げ型光沢付与剤を拭き上げる拭き上げ工程とを含むことを特徴とする物品表面の光沢付与方法。
[6] 前記塗工工程の開始から拭き上げ工程の終了までを、温度10〜80℃の環境下、2時間以内で行うことを特徴とする[5]に記載の物品表面の光沢付与方法。
本発明の光沢付与剤及び光沢付与方法によれば、物理的な研磨処理(ポリッシング処理)や特別な処理装置(乾燥機や塗装機など)を用いることなく簡便な作業で、物品表面(自動車塗膜など)に光沢を付与することができ、光沢付与後に得られる被膜は長期にわたって光沢を持続することができる。したがって、一般消費者が自動車塗膜などの光沢を復元させることができる。
(拭き上げ型光沢付与剤)
本発明の拭き上げ型光沢付与剤(以下、光沢付与剤と略す。)は、(A)水性カルボジイミド化合物と、(B)水性液状有機化合物と、(C)水又は水と親水性有機溶媒との混合溶媒(以下、(C)溶媒と略す。)とを含有するものである。
[(A)水性カルボジイミド化合物]
(A)水性カルボジイミド化合物は、分子内にカルボジイミド結合(−N=C=N−)を有する水性(すなわち水に溶解性あるいは分散性)の化合物であって、水と均一になじむ性質を有する化合物である。
(A)水性カルボジイミド化合物の分子量には特に制限はなく、低分子量であってもよいし、高分子量であってもよいが、あまり高分子量になると光沢付与剤の粘度が高くなり、光沢付与時の作業性低下も考えられるので、分子量は10000以下が好ましい。
(A)水性カルボジイミド化合物としては、例えば、(i)酸化水銀(II)を触媒としたチオ尿素の脱硫反応により得た化合物、(ii)尿素の脱水反応により得た化合物、(iii)イソシアネートの脱炭酸縮合反応により得た化合物、工業的にはジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応により得た化合物などが挙げられる。
上記(iii)におけるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添キシリレンジイソシアネート)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の中でも、光沢付与剤の貯蔵安定性や光沢付与時の作業性が良いことから、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)を好適に用いることができる。
ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応は、大気圧での沸点が80℃以上のハロゲン系溶剤又は大気圧での沸点が80℃以上の脂環式エーテル溶剤などの中にて、必要に応じて触媒の存在下で、100〜150℃の温度で3〜50時間行うことができる。
大気圧での沸点が80℃以上のハロゲン系溶剤としては、例えば、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタンなどが挙げられる。 大気圧での沸点が80℃以上の脂環式エーテル溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。
上記脱炭酸縮合反応の触媒としては、例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシドなどを使用することができる。これらの中でも、反応の調整のし易さから、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドを好適に用いることができる。
ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応により得たカルボジイミド化合物には、両末端にイソシアネート基を有している。この両末端のイソシアネート基は、親水性セグメントを有する活性水素含有化合物及び低分子量ポリオールの一方又は両方によって変性されて、(A)水性カルボジイミド化合物に親水性セグメント、水酸基が導入されていてもよい。親水性セグメント、水酸基が導入されていれば、水溶性を向上させることができる。
上記親水性セグメントを有する活性水素含有化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体、ポリオキシエチレンモノアルキル(例えば、モノメチル)エーテルなどが挙げられる。
上記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げられる。
(A)水性カルボジイミド化合物の中でも、より簡便に光沢の高い光沢被膜を形成できることから、前記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物におけるR、Rは、それぞれ独立に、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた炭素数4〜15の2価の残基を表す。ジイソシアネート化合物としては、上述したものと同様のものが挙げられ、特に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)が好ましい。
また、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルコキシ基(すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)又はヒドロキシ基を表す。特に、より簡便に光沢の高い光沢被膜を形成できることから、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基(すわなち、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基)を表す。特に、より簡便に光沢の高い光沢被膜を形成できることから、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。
a、bは、それぞれ独立に、1〜30のいずれかの整数であり、好ましくは1〜15のいずれかの整数である。a、bが30を超えるものは製造が困難になる。
nは、1〜10のいずれかの整数であり、好ましくは1〜6のいずれかの整数である。nが10を超えるものは製造が困難になる。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、前記ジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応によってオリゴマー化し、次いで、このオリゴマーの両末端のイソシアネート基に前記親水性セグメントを有する活性水素含有化合物または低分子量ポリオール化合物を反応させることにより得られる。
[(B)水性液状有機化合物]
(B)水性液状有機化合物は、20℃において液状であり、かつ、大気圧での沸点が250℃を超え、水性、すなわち水と均一になじむ性質を有する化合物である。
(B)水性液状有機化合物としては、具体的には、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンなどのグリセリン類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体などのポリアルキレングリコール類;ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルエステル、ポリグリセリンアルキルエステルなどの非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン変性ジメチルシリコーンなどのポリエーテル変性シリコーン類が挙げられる。
これらのうち、拭き上げ時の滑り感や作業性が良いことから、ポリエーテル変性シリコーン類が好適に用いられる。ポリエーテル変性シリコーン類としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のSH−3746、信越化学工業(株)製のKF−619などが市販されている。
(B)水性液状有機化合物としては、20℃での粘度が50,000mPa・s以下のものを好ましく用いることができる。粘度が前記上限を超える場合には、拭き上げ時の抵抗が強くなり、均一な光沢被膜を形成することができなくなるおそれがある。
[A成分およびB成分の含有割合]
光沢付与剤において、(A)水性カルボジイミド化合物の含有量と(B)水性液状有機化合物の含有量の質量比率[(A):(B)]は8:92〜92:8であり、15:85〜85:15であることが好ましい。(A)水性カルボジイミド化合物の含有量を、質量比率8:92より少なくすると、(A)水性カルボジイミド化合物が不足して光沢被膜が薄くなり、十分な光沢付与効果が得られない。また、(A)水性カルボジイミド化合物を、質量比率92:8より多くすると、(A)水性カルボジイミド化合物の含有量が過剰になって拭き上げ時の抵抗が大きくなり、作業性が低下する。
光沢付与剤において、(A)水性カルボジイミド化合物と(B)水性液状有機化合物の含有量の合計量は0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。(A)水性カルボジイミド化合物と(B)水性液状有機化合物の含有量の合計量が0.5質量%未満であると、光沢被膜が薄くなり、十分な光沢付与効果が得られないおそれがある。また、(A)水性カルボジイミド化合物と(B)水性液状有機化合物の含有量の合計量が30質量%を超えると、物品表面での付与量が過剰になる傾向にあり、拭き上げが困難になったり、また、筋やタレなどの塗装斑が発生しやすくなり、修復に労力を必要とするおそれがある。
[(C)溶媒]
(C)溶媒において、親水性有機溶媒として用いられる化合物は大気圧での沸点が250℃以下であり、水性の液状有機化合物である。
(C)溶媒としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類等の親水性有機溶媒と水との混合溶媒、又は水が挙げられる。
これらの親水性有機溶媒は、乾燥性の調整や濡れ性の改善のために適宜使用される。これらの親水性有機溶媒のうち貯蔵安定性に優れることから、アセトン、メチルエチルケトンなどが好適に用いられる。
(C)溶媒の含有量は70〜99.5質量%であるであることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましい。(C)溶媒の含有量が70質量%未満であると、光沢付与剤を均一に塗工できないことがあり、99.5(上限)質量%を超えると、光沢付与剤から光沢被膜を形成する際に光沢被膜が薄くなり、十分な光沢付与効果が得られないおそれがある。
また、(C)溶媒中の親水性有機溶媒の量は、光沢付与剤の20質量%以下になる量であることが好ましく、5質量%以下になる量であることがより好ましい。親水性有機溶媒の量が20質量%を超えると、乾燥性が速くなり過ぎて不均一塗工になり、拭き上げ作業に労力を要するおそれがある。
[添加剤]
光沢付与剤には、その光沢付与効果及び耐久性を阻害しない範囲で添加剤を配合することができる。用いられる添加剤としては、シリコーン化合物、シリカ微粒子、充填剤、樹脂成分、架橋剤、界面活性剤、濡れ性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防かび剤、分散剤、可塑剤、香料などが挙げられる。
シリコーン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシランなどオルガノシロキサン化合物、及びその加水分解物又は加水分解縮合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性シランカップリング剤などのシランカップリング剤、及びその加水分解物又は加水分解縮合物が挙げられる。
シリカ微粒子としては、例えば、商品名スノーテックスシリーズ(日産化学(株)製)として市販されている水性コロイダルシリカ、商品名MEK−ST、IPA−ST(いずれも日産化学(株)製)として市販されている溶剤系オルガノシリカゾルなどが挙げられる。
充填剤としては、例えば、顔料、セラミック、金属酸化物などが挙げられる。
樹脂成分としては、例えば、アクリレートウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アルキドメラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、オキサゾリン化合物、エチレンイミン化合物などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
これら添加剤のうち、シリコーン化合物を添加すると光沢被膜に防汚性の機能を付与できるので好ましい。
上記(A)水性カルボジイミド化合物、(B)水性液状有機化合物及び(C)溶媒を含む光沢付与剤では、塗工された後に(C)溶媒を揮発させることで、(A)水性カルボジイミド化合物の塗膜を形成できる。(A)水性カルボジイミド化合物のカルボジイミド基は、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、チオール基などと室温にて容易に反応する。そのため、(C)溶媒が揮発するにつれて、(A)水性カルボジイミド化合物の反応が進み、高分子量化して、光沢の高い耐久性のある被膜を形成することができる。
したがって、上記光沢付与剤によれば、物理的な研磨処理(ポリッシング処理)や特別な処理装置(乾燥機や塗装機など)を用いることなく簡便な作業で、物品表面(自動車塗膜など)に光沢を付与することができる。しかも、得られる被膜は長期にわたって光沢を持続できる。
(物品表面の光沢付与方法)
本発明の物品表面の光沢付与方法(以下、光沢付与方法と略す。)は、上記光沢付与剤の塗工工程と拭き上げ工程とを含む方法である。
塗工工程は、物品表面上に上記光沢付与剤を塗工する工程である。
ここで、物品表面とは、光沢を付与する対象物表面であり、例えば、塗装品の塗膜表面や樹脂成型品の表面が挙げられる。塗装品としては、具体的には、自動車、自動車用バンパー、自動車用ドアミラーカバー、オートバイ、電車車両、航空機、家具、調度品など金属、合成樹脂又は木材製の基材に塗装が施されたものが挙げられる。また樹脂成型品としては、顔料等で着色された樹脂成型品などが挙げられる。
また、物品表面は、使用されて光沢を失った後の状態のものでもよく、新製品の状態のものであってもよい。
光沢付与剤を物品表面に塗工する手段としては、例えば、スプレー、布、刷毛、及びローラーなどを用いることができる。それらの中でも、より容易に且つ確実に光沢を付与できることから、スプレーが好ましい。
また、上記の手段は複数を組み合わせて用いてもよい。
拭き上げ工程は、前記塗工工程の後に、物品表面上の余剰の光沢付与剤を拭き上げる工程である。
拭き上げ工程で光沢付与剤を拭き上げる方法としては、機械バフマシーン(エアーバフマシーン、電動バフマシーン等)や手拭による方法が挙げられるが、均一な光沢処理面が容易に得られることから、拭き上げ用具を用いて、手で拭き上げることが好ましい。拭き上げ用具としては、物品表面を傷つけないものであれば特に制限されず、例えば、布、紙、スポンジ等が挙げられる。外観美化の観点からは、表面が滑らかで目が細かいマイクロファイバー製の布、紙を使用することが好ましい。
拭き上げ回数は仕上がり外観に応じて適宜選択され、一回であってもよいし、二回以上であってもよい。
上記拭き上げ方法では、拭き上げ工程後の光沢被膜の膜厚が0.01〜0.5μmの範囲内になるように光沢付与剤の塗工量と拭き上げ量を調節することが好ましい。
光沢被膜の膜厚を上記の範囲とするのは以下の理由による。すなわち、塗装品の塗膜(特に自動車の塗膜)や、樹脂成型品の外観を白化させたり、表面に曇り模様を生じさせたりして、光沢を消失させる要因となっているものの多くは、深さが0.5μm以下の小傷の集合体である。そのため、膜厚が0.01〜0.5μmの光沢被膜を形成させれば、白化や曇り模様が解消して光沢を付与できたり、元の状態に光沢を復元すること、又は、元の状態よりも良好な光沢を得ることができる。光沢被膜の膜厚が0.01μm未満の場合には、光沢を充分に付与することが困難であり、光沢被膜の膜厚が0.5μmを超える場合には、膜厚が可視光領域に達し、干渉縞などの塗装斑が発生しやすくなる。
ここで、拭き上げ工程後の光沢被膜の膜厚T(μm)は、光沢付与剤の塗工量A1(g)、光沢付与剤の不揮発分F1(%)、光沢付与剤の密度D1(g/cm)、塗工した面積S1(m)及び拭き上げ率W1(%)を下記式(1)に代入し、計算して求めることができる。なお、式(1)における光沢付与剤の不揮発分F1(%)は、光沢付与剤を105℃で3時間乾燥させた場合の、乾燥後質量A3(g)/乾燥前質量A2(g)×100の式から求めた値を用いる。
T=[(A1×F1)×(100−W1)]/(D1×S1×10000) ・・・(1)
よって、本発明では、上記式(1)により求められた光沢被膜の膜厚Tが、下記式(2)を満たすように光沢付与剤の塗工量と拭き上げ率とを調節することが好ましい。
0.01μm≦T≦0.5μm ・・・(2)
光沢付与剤の塗工量の調節方法としては、特に限定されず、例えば、光沢付与剤中の(C)溶媒の濃度、光沢付与剤の密度、塗工面積等を適宜選択する方法が挙げられる。
上記光沢付与方法は、前記塗工工程の開始から拭き上げ工程の終了までを、温度10〜80℃の環境下、2時間以内で行うことが好ましく、温度10〜50℃の環境下、2時間以内で行うことがより好ましい。温度が80℃を超える場合には、(A)水性カルボジイミド化合物の反応が急激に進行し、短時間で高分子量化してしまうため、作業性が低下する傾向にある。温度が10℃未満の場合には、水や親水性有機溶媒の揮発速度が遅くなり、作業効率が低下する傾向にある。
また、塗工工程及び拭き上げ工程を、2時間を超えて行うと、(A)水性カルボジイミド化合物の反応が進行して簡単に拭き上げることができなくなる傾向にある。なお、本発明の光沢付与方法においては、塗工工程の後、直ぐに拭き上げ工程を行うことにも問題はないが、塗工面の大きさは塗工工程の管理の面から5〜10分程度の間隔を空けることが好ましい。
また、相対湿度は20〜90%であることが好ましい。相対湿度が90%を超えると、(C)溶媒の揮発速度が遅くなり、短期間に十分な耐久性が得られない傾向にある。相対湿度を(下限値)%未満にするためには、特殊な装置を用いる必要があり、簡便でない。
拭き上げ工程後には、10〜80℃で10分から1週間程度放置することが好ましい。このような条件で放置すれば、本発明の効果を容易かつ確実に得ることができる。
以上説明した光沢付与方法では、物品表面に上記光沢付与剤を塗工し、拭き上げるため、物品表面(特に、塗装品の塗膜又は樹脂成型品の表面、更には自動車塗膜の表面)に光沢を付与できる。しかも、付与後に得られる光沢が長期にわたって持続し、耐久性に優れる光沢被膜を、簡便な作業で形成することができる。
したがって、上記光沢付与方法を、光沢を失った物品表面に適用した場合には、本来有していた光沢に近付けることができる。また、新品の物品表面に適用した場合には、光沢がさらに向上し、かつ、光沢の低下を長期にわたって防止できる。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下、実施例で用いた水性カルボジイミド化合物の合成例について記載する。
(合成例1)
1Lセパラブルフラスコに、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート280.7gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で15時間反応させて、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)120.0gとプロピレングリコールモノメチルエーテル19.3gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.5gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−1)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例2)
1Lセパラブルフラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート233.1gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で15時間反応させて、イソシアネート末端ジフェニルメタンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジフェニルメタンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)182.7gとプロピレングリコールモノメチルエーテル4.2gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.5gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−2)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例3)
1Lセパラブルフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート236.8gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2‐ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で15時間反応させて、イソシアネート末端ヘキサメチレンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端へキサメチレンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)157.9gとエチレングリコールモノエチルエーテル25.4gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.4gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−3)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例4)
1Lセパラブルフラスコに、トリレンジイソシアネート194.8gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で10時間反応させて、イソシアネート末端トリレンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端トリレンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)219.4gとエチレングリコールモノイソプロピルエーテル5.8gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.5gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−4)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例5)
1Lセパラブルフラスコに、キシリレンジイソシアネート216.3gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で10時間反応させて、イソシアネート末端キシリレンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端キシリレンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)193.3gとプロピレングリコールモノメチルエーテル10.4gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.5gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−5)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例6)
1Lセパラブルフラスコに、水素添加キシリレンジイソシアネート251.5gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で15時間反応させて、イソシアネート末端水素添加キシリレンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端水素添加キシリレンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)145.2gとプロピレングリコールモノメチルエーテル23.3gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.5gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−6)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(合成例7)
1Lセパラブルフラスコに、イソホロンジイソシアネート221.2gと触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド1.5gを仕込み、180℃で15時間反応させて、イソシアネート末端イソホロンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端イソホロンカルボジイミドに、ポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル(重合度=約12)194.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル4.5gを添加し、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却し、蒸留水578.4gを徐々に添加して、淡黄色透明の水性カルボジイミド化合物(A−7)(不揮発分:約40質量%)を得た。
(実施例1)
(C)成分としてのイオン交換水92gに、(A)成分としての合成例1の水性カルボジイミド化合物(A−1)3gを添加し、攪拌して、均一化した。更に、(B)成分としてのポリオキシエチレン変性ジメチルシリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SH−3746」、不揮発分:100質量%)5gを添加し、攪拌し、均一化して光沢付与剤を調製した。このときの(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比率[(A):(B)]は19:81であり、(A)成分と(B)成分との含有量の合計量は、光沢付与剤中の6.2質量%であった。
この光沢付与剤を用いて、光沢付与の対象物である乗用車の塗膜面及び塗装板の塗装膜面に下記のように塗工し、拭き上げ処理した後、評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2008169360
なお、表中の略語は下記の化合物を表す。
SH−3746:ポリオキシエチレン変性ジメチルシリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、不揮発分:100%)
KF−619:ポリオキシエチレンオキシプロピレン変性ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製、不揮発分:100%)
PR−3007:プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド共重合体((株)ADEKA製、不揮発分:100%)
ソフタノール70:第2級アルコールポリエチレンオキサイド付加体((株)日本触媒製、不揮発分:100%)
スノーテックス20:水性コロイダルシリカ(日産化学(株)製)
<1.乗用車による評価>
走行距離10,000kmの乗用車(本田技研工業(株)製、商品名「フィット」)の塗膜を光沢付与の対象物とした。対象物の塗膜面を、市販の洗剤(日華化学(株)製、商品名「サンレックスK」)で洗浄して乾燥させた。この時の光沢度(測定角20°)は75であった。その後、この塗膜面に対して、得られた光沢付与剤をスプレー噴霧で均一に塗工した後、乾燥した布(マイクロファイバー、斎藤商店製、商品名「ミクロクロス」)で拭き上げた。その際、塗工開始から拭き上げ終了までを、温度20℃の環境下、30分間で行った。
その後、20℃で30分間静置した後、流水ですすぎ洗いし、自然乾燥して、光沢被膜を形成させた。
この時の作業性を以下の(1)のように評価した。また、光沢度を、光沢付与直後(光沢付与剤塗工・拭き上げ処理後)、及び6ヶ月経過後(6ヶ月間のランニング試験を行った後)の塗膜面について、以下(2)のように評価した。更に、塗膜外観を、光沢付与直後、及び6ヶ月経過後の塗膜面について、以下(3)に示すように評価した。これらの評価結果を表1に示す。
(1) 作業性
光沢付与剤を塗工した後の拭き上げ時の作業性(滑り感)を、市販ワックス(カルナバワックス、シュアラスター社製)と比較して評価した。
○:市販ワックスと同様の滑り感を有していた。
△:拭き上げに若干抵抗はあったが、拭き上げは可能であった。
×:拭き上げに抵抗があり、拭き上げが不可能であった。
(2)光沢度
micro−TRI−gloss(ガードナー(株)製)を用い、塗膜面の光沢度(測定角20°)を測定した。
(3)塗膜外観
塗膜面の外観を、目視により下記の基準で判定した。
1:光沢が良く、肉持ち感を有していた。
2:光沢がやや弱く、塗膜面が少し痩せて見えた。
3:光沢が低く、塗膜面が痩せて見えた。
4:塗装斑が発生して、光沢が低くかった。
<2.塗装板による評価>
試験用のカチオン電着塗装板(テストピース(株)製、JIS G 3141(SPCC SD))に、中塗り塗料(関西ペイント(株)製、商品名「HS60」)を乾燥膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けた。次いで、ブルーパール上塗りベースコート塗料(関西ペイント(株)製、商品名「マジクロンHM32−1、塗色記号B−96P」)を乾燥膜厚が20μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けた。さらに、ブルーパール上塗りトップコート塗料(関西ペイント(株)製、商品名「ルーガーベークHK−4クリヤー」)を乾燥膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けて、塗装板を作成した。得られた塗装板は、均一で光沢のある塗装膜を形成していたが、粗めのコンパウンド(カット 1−L 5967、住友スリーエム(株)製)で小傷を付けた後、コンパウンド成分をn−ヘキサン、アセトンの順で拭き取り、光沢度(測定角20°)が70である塗装板を得た。この塗装板を光沢付与の対象物とした。
対象物の塗膜面を、市販の洗剤(日華化学(株)製、商品名「サンレックスK」)で洗浄し、乾燥させてから、この塗膜面に対して、得られた光沢付与剤約0.5cmをスプレー噴霧で均一に塗工した後、乾燥した布(マイクロファイバー、斎藤商店製、商品名「ミクロクロス」)で拭き上げた。その際、塗工開始から拭き上げ終了までを、温度20℃の環境下、30分間で行った。
その後、20℃で30分間静置した後、流水ですすぎ洗いし、自然乾燥して、光沢被膜を形成させた。
この時の作業性について、上記乗用車による評価における(1)と同様に評価した。また、光沢度を、光沢付与直後(光沢付与剤塗工・拭き上げ処理後)、及び下記耐候処理500時間後の塗膜面について、前記(2)と同様に評価した。更に、塗膜外観を、光沢付与直後後、及び耐候処理500時間後の塗膜面について、前記(3)と同様に評価した。これらの評価結果を表1に示す。
[耐候処理]
耐候試験機(アトラス社製、「キセノンウェザー・オ・メーター CI−4000」)を用い、500時間の処理を行った。処理条件は、ブラックパネル温度63℃、2時間サイクル中の降雨時間12分、照射時間108分とした。
<3.光沢被膜の厚さ>
光沢付与剤から形成された光沢被膜の厚さは、光沢付与の対象物として塗装板を用いた時の、光沢付与剤を塗工する前と塗工した後の塗装板の質量変化[塗工後質量(g)−塗工前質量(g)]、塗工面積、光沢付与剤の密度及び拭き上げ率[拭き上げ質量(g)×100/(塗工後質量(g)−塗工前質量(g))](%)から、以下の計算式で算出した。求めた値を表1に示す。光沢付与の対象物が乗用車の場合も、塗装板と同様の操作で処理したので、塗装板に対する処理で求めた光沢被膜の厚さと同様であると推定した。
塗工膜厚(μm)=[塗工後質量(g)−塗工前質量(g)]/面積(m)/光沢付与剤の密度(g/cm
光沢被膜厚(μm)=塗工膜厚(μm)×光沢付与剤の不揮発分(%)×(1−拭き上げ率(%)/100)/100
光沢付与剤の不揮発分は、光沢付与剤を熱風乾燥機で105℃、3時間乾燥し、光沢付与剤の乾燥前質量(g)と乾燥後質量(g)を用い、以下の計算式で算出した。
不揮発分(%)=乾燥後質量(g)/乾燥前質量(g)×100
(実施例2〜12)
(A)成分、(B)成分、(C)成分の種類、配合量を表1又は表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして光沢付与剤を得た。そして、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1又は表2に示す。
Figure 2008169360
(比較例1)
カルナバワックス(シュアラスター社製)を、実施例1と同様の光沢付与の対象物である自動車の塗膜面及び塗装板の塗膜面にスポンジで塗布し、布(マイクロファイバー、斎藤商店製、商品名「ミクロクロス」)で拭き上げた。そして、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2008169360
なお、表中の略語は下記の化合物を表す。
カルナバワックス:シュラアスターカルナバワックス(シュアラスター社製)
エバファノール HA−10:アニオン性ウレタン樹脂(日華化学(株)製、不揮発分:40%)
ジョンクリル 70:アニオン性アクリレート樹脂(ジョンソンポリマー(株)製、不揮発分:30%)
(比較例2〜4)
(A)成分、(B)成分、(C)成分、その他成分の種類、配合量を表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして光沢付与剤を得た。そして、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
(A)水性カルボジイミド化合物と(B)水性液状有機化合物と(C)溶媒とを特定比率で含有する実施例1〜12の光沢付与剤によれば、優れた光沢度と外観を有し、しかも耐久性に優れる光沢被膜を形成できた。また、作業性に優れ、簡便に光沢被膜を形成できた。特に、(B)水性液状有機化合物としてポリエーテル変性シリコーン類を用いた場合に、その効果がより発揮されていた。
一方、カルナバワックスを用いた比較例1の光沢付与剤では、光沢付与後の光沢度、塗膜外観には優れていたが、耐久性に乏しかった。
ウレタン樹脂やアクリレート樹脂とポリエーテル変性シリコーン類を組み合わせた比較例2,3の光沢付与剤では、作業性が低く、また、優れた光沢度と塗膜外観が得られなかった。
(A)水性カルボジイミド化合物の含有量が、(A)水性カルボジイミド化合物の含有量と(B)水性液状有機化合物の含有量の質量比率[(A):(B)]が8:92より少ない比較例4の光沢付与剤では、優れた光沢度と塗膜外観が得られなかった。
(A)水性カルボジイミド化合物の含有量が、(A)水性カルボジイミド化合物の含有量と(B)水性液状有機化合物の含有量の質量比率[(A):(B)]が92:8より多い比較例5の光沢付与剤では、優れた光沢度と塗膜外観が得られない上に、作業性も低かった。

Claims (6)

  1. (A)水性カルボジイミド化合物、
    (B)水性液状有機化合物、
    (C)水又は水と親水性有機溶媒との混合溶媒、
    を含有し、
    (A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比率[(A):(B)]が8:92〜92:8であることを特徴とする拭き上げ型光沢付与剤。
  2. 前記(A)水性カルボジイミド化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の拭き上げ型光沢付与剤。
    Figure 2008169360
    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた炭素数4〜15の2価の残基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、a、bは、それぞれ独立に、1〜30のいずれかの整数を表し、nは1〜10のいずれかの整数を表す。)
  3. 前記(A)成分と前記(B)成分との含有量の合計量が0.5〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の拭き上げ型光沢付与剤。
  4. 前記(B)水性液状有機化合物が、ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の拭き上げ型光沢付与剤。
  5. 物品表面上に請求項1〜4のいずれかに記載の拭き上げ型光沢付与剤を塗工する塗工工程と、
    前記塗工工程の後に、物品表面上の余剰の拭き上げ型光沢付与剤を拭き上げる拭き上げ工程とを含むことを特徴とする物品表面の光沢付与方法。
  6. 前記塗工工程の開始から拭き上げ工程の終了までを、温度10〜80℃の環境下、2時間以内で行うことを特徴とする請求項5に記載の物品表面の光沢付与方法。
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