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JP2008166578A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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JP2008166578A
JP2008166578A JP2006355726A JP2006355726A JP2008166578A JP 2008166578 A JP2008166578 A JP 2008166578A JP 2006355726 A JP2006355726 A JP 2006355726A JP 2006355726 A JP2006355726 A JP 2006355726A JP 2008166578 A JP2008166578 A JP 2008166578A
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adhesive layer
chip
adhesive
resin
push
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JP2006355726A
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English (en)
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Satoshi Kouchi
諭 小内
Nobuhiro Ichiroku
信広 市六
Shohei Kosakai
正平 小堺
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 突き上げピンの痕跡を有することなく、かつチップクラックを発生することなく、チップを良好にピックアップすることができる、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ダイシング・ダイボンド用接着フィルムは、基材層1の少なくとも片面上に積層された粘着剤層2、及び1つの粘着剤層2の上に積層された接着剤層3を有する。接着フィルムの接着剤層3の、25℃におけるヤング率が100MPa以上であり、粘着剤層2の、剥離速度300mm/分で測定される接着剤層3からの180度剥離力が0.05〜0.7N/25mmである。突き上げピンを4本以上かつピン1本当たりのチップ面積が70mm以下になる本数を用いて行われ、直径が0.5mm以上であり、先端の形状が平坦または半径200μm以上の円弧状である、かつ1〜15mm/秒の突き上げ速度および200〜1000μmの突き上げ量で行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイシング・ダイボンド用接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法及びその方法により製造された半導体装置に関する。
半導体装置は、一般に、大径のシリコンウエハーを粘着テープ(ダイシングテープ)により固定し、ダイシング(切断分離)し、切断されたチップをダイシングテープから剥離して取出し(ピックアップ)、該取出されたチップを半導体装置基板に硬化性の液状接着剤あるいは接着テープ(ダイボンド材)で熱圧着及び加熱硬化して接着固定し、ワイヤーボンドおよび樹脂封止を行って製造されている。最近では、ダイシングテープと接着テープ(ダイボンドテープ)とを兼ねたダイシング・ダイボンドテープが開発されてきている(例えば、特許文献1)。このテープは、ダイシング時にチップが飛ばないように固定する、放射線重合性の基材層と、チップを半導体装置基板に接着することができる接着剤層を有する。ダイシング後に放射線を照射することにより、チップを接着剤層が付着した状態で基材から容易に剥離して取出すことができ(ピックアップ)、更にダイボンド工程では該接着剤を硬化させて半導体装置基板に接着することができる。
また、基材層の上に粘着剤層を有し、その上に接着剤層を有するダイシング・ダイボンド用接着テープも知られている(例えば、特許文献2)。このテープは、粘着剤層が特定の粘着力を有することにより、ダイシングの際のウエハーの固定およびチップ取り出しの際の粘着剤層からの剥離を改善している。
近年の電子機器の小型化に伴い、半導体チップ搭載基板も微細化、薄型化が要求され、半導体チップ自体の厚みも薄くなっている。該チップを基板に搭載するために使用される接着テープは、ダイシング工程でウエハーへ貼り付ける際に、ウエハーの反りやクラックが発生しないようにするため、またダイボンド工程において半導体装置基板の反りを抑えるため、低温且つ低圧で圧着されることが要求される。
さらに半導体装置の高機能化にともない、半導体チップの高集積化が進みチップが大型化してきており、ダイシング後のチップ取り出し(ピックアップ)が難しくなってきている。
通常、このチップ取り出し(ピックアップ)工程では、切断されたチップをダイボンド装置により、ウエハーのある面とは反対の面(裏面側)から数本の細い突き上げピンにより突き上げて、接着剤層付きのチップを粘着剤層から部分的に剥離するとともに、ウエハーのある側(表面側)から吸着コレットによりチップを吸着して取り出す。このとき、上記ピンの突き上げにより、接着剤層に、その下にある粘着剤層や基材層を介してピンの痕跡(凹部)がしばしば生じ、これは、取り出されたチップを半導体装置基板に圧着固定した後のボイドやチップクラックの発生の原因となる場合があり、半導体装置の信頼性を損なう。
特開2002−256236号公報 特開2004−327801号公報
本発明は、突き上げピンの痕跡を有することなく、かつチップクラックを発生することなく、チップを良好に取り出すことができる、信頼性に優れる半導体装置の製造法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、各辺が5mm以上の矩形半導体チップを搭載した半導体装置の製造方法であって、下記工程:
(1)半導体ウエハーをダイシング・ダイボンド用接着フィルムを使用して固定し、ダイシングを行うこと、ここで、該フィルムは、基材層1の少なくとも片面上に積層された粘着剤層2、及び1つの粘着剤層2の上に積層された接着剤層3を有する、および
(2)ダイシングによって切断されたチップを突き上げピンを用いて突き上げることにより、ウエハーに接着剤層3が付いたチップを取り出すこと
を含む、半導体装置の製造方法において、
工程(1)におけるダイシング・ダイボンド用接着フィルムの接着剤層3の、動的粘弾性測定装置を用いて測定される25℃におけるヤング率が100MPa以上であり、粘着剤層2の、剥離速度300mm/分で測定される接着剤層3からの180度剥離力が0.05〜0.7N/25mmである、および、
工程(2)における突き上げが、
1)チップ1つにつき突き上げピンを4本以上かつピン1本当たりのチップ面積が70mm以下になる本数を用いて行われ、ここで、該突き上げピンは、直径が0.5mm以上であり、先端の形状が平坦または半径200μm以上の円弧状である、かつ
2)1〜15mm/秒の突き上げ速度および200〜1000μmの突き上げ量で行われる、
ことを特徴とする方法である。
本発明の方法は、突き上げピンの痕跡を有することなく、かつチップクラックを発生することなく、チップを良好にピックアップすることができ、したがって高信頼性の半導体装置を形成し得る。
本発明方法を、図を参照して説明する。図1および2は、本発明の工程(1)において用いられるダイシング・ダイボンド用接着フィルムの一例である。上記図において、1は粘着剤層用の基材層、2は粘着剤層、3は接着剤層、4は接着剤層用の基材層である。図2は、接着剤層3の大きさを、シリコンウエハーの形状や大きさに応じて粘着剤層2よりも小さくしたものである。工程(1)では、まず、図3および4に示すように、接着剤層用基材4を剥離し、接着剤層3の上にシリコンウエハー5を熱圧着して固定する。次いで、ダイシング装置に固定し、ダイシングを行う。次いで、工程(2)において、切断されたチップをピックアップする。ピックアップの際には、図5に示すように、切断されたチップが、ウエハーのある面と反対の側からの突き上げピンによる突き上げにより、粘着剤層2と接着剤層3との間で剥離され、ウエハーに接着剤層3が付着された状態で取り出される。次いで、工程(3)において、取り出されたチップの接着剤層3の面を半導体基板上に熱圧着および加熱硬化することにより、チップを上記基板上に固定する。
以下に、本発明で使用されるダイシング・ダイボンド用接着フィルムを説明する。
基材層1としては、公知の各種フィルムを使用することができ、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、又は、これらの共重合体フィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテル・エーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリスチレンフィルム等が挙げられる。また、これらのフィルムを架橋処理したもの、表面をプラズマもしくはコロナ処理したものであってもよく、また、これらの任意の複数を積層したものであってもよい。好ましくは、易延伸性フィルム、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムおよびエチレン・プロピレン共重合体フィルムが使用される。
斯かる易延伸性フィルムを使用すれば、ダイシング工程後、基材フィルムを引き伸ばすこと(エキスパンド)により、切断されたチップが互いに隔離され、取出しが容易になる。
基材層1の厚さは、使用されるフィルムの種類及び要望される延伸特性により適宜選択されるが、通常は20〜400μm、好ましくは30〜150μmである。
上記基材層1上に積層される粘着剤層2は、ダイシング工程においてチップ飛びが生じないような粘着性を備え、且つ、チップの取出し工程において、それ自身が凝集破壊されることなく接着剤層3から剥離されて基材層1上に残るような粘着性を有する。好ましくは、粘着剤層2の端を180°に折り返して300mm/分の速度で接着剤層3から引き剥がしながら測定される剥離力(180度剥離力)が0.05〜0.7N/25mmであるような粘着性を有する。さらに、上記粘着性は、ウエハー固定時の熱圧着や時間の経過によって変化しないことが必要である。より好ましくは、上記剥離力が0.1〜0.4N/25mmである。剥離力が前記下限値より小さいと、ダイシング時にチップが接着剤層3と共に粘着剤層2から剥れてしまい飛ぶ場合がある。一方、剥離力が前記上限値より大きいと、チップ取出し(ピックアップ)が困難となり、また、取り出されたチップの接着剤層に突き上げピンの痕跡が生じ得る。粘着剤層2は、このような粘着性を備えた公知の粘着剤から構成することができる。粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系の感圧型粘着剤等が挙げられる。あるいは、紫外線等の放射線の照射により粘着性が低下する粘着剤でもよい。その場合には、放射線照射後の粘着性が上記剥離力の値を有するものが好ましい。好ましくは、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が使用される。
粘着剤層2は、上記粘着剤に加えて、上記粘着性を阻害しない量の(メタ)アクリル樹脂、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、導電性粒子等の充填材、無機系あるいは有機系の顔料、染料、濡れ向上剤、酸化防止剤、熱安定剤等を含んでもよい。
前記した粘着剤を適当な溶媒に溶解し、必要に応じて硬化剤を加えて組成物として調製した後、これを基材層1上に塗布し、例えば加熱により溶剤を除去した後、熱硬化すると、粘着剤層2を有する粘着フィルムが得られる。
粘着剤層2の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
接着剤層3は、ポリイミド樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1以上の樹脂、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化触媒を含む。ここで、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを意味する。
上記ポリイミド樹脂としては、下記一般式(1)で表されるポリイミド樹脂を使用することができる。
Figure 2008166578
(式中、Xは芳香族又は脂肪族の四価の有機基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数である。)
ポリイミド樹脂は、上記(1)の前駆体であるところの、下記式(2)で表されるポリアミック酸樹脂であってもよい。しかし、ダイボンド工程における加熱硬化時にイミド化(脱水閉環)により水が副生し、接着面の剥離等が生じる場合があるので、予めイミド化(脱水閉環)した、上記(1)のポリイミド樹脂を使用することが好ましい。
Figure 2008166578
(式中、Xは芳香族又は脂肪族の四価の有機基、Yは二価の有機基、nは1〜300の整数である。)
上記式(1)および(2)において、nは1〜300の整数、好ましくは2〜300の整数、特には5〜300の整数である。nが上記下限未満では、基板への接着強度が不足し、一方、上記上限を超えると、熱圧着性が不足する。
一般式(2)で表されるポリアミック酸樹脂は下記構造式(3)
Figure 2008166578
(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(4)
2N−Y−NH2 (4)
(但し、Yは上記と同様の意味を示す。)
で表されるジアミンとを常法に従ってほぼ等モルで有機溶剤中で反応させることによって得られる。
一般式(1)で表されるポリイミド樹脂は、上記一般式(2)で表されるポリアミック酸樹脂を常法により脱水、閉環することにより得られる。
上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例として下記のものが挙げられ、これら2種以上の混合物であってもよい。
Figure 2008166578
Figure 2008166578
上記式(4)で表されるジアミンは、有機溶剤への溶解性、基材に対する接着性、および柔軟性の点から、その1〜80モル%、更に好ましくは1〜50モル%が下記構造式(5)
Figure 2008166578
(式中、R2は炭素原子数3〜9の二価の有機基、R3、R4は炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、mは1〜200の整数である。)
で表されるジアミノシロキサン化合物であることが好ましい。
一般式(5)のR2としては、例えば、アルキレン基、例えば−(CH23−、−(CH24−、−CH2CH(CH3)−、−(CH26−、−(CH28−、アリーレン基、例えば下記の基
Figure 2008166578
、これらを組み合わせたアルキレン・アリーレン基、オキシアルキレン基、例えば−(CH23−O−、−(CH24−O−、オキシアリーレン基、例えば下記の基
Figure 2008166578
、およびオキシアルキレン・アリーレン基、例えば下記の基
Figure 2008166578
などの、エーテル酸素原子を含んでもよい二価炭化水素基が挙げられる。
3、R4としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、中でもメチル基及びフェニル基が好ましい。
mは1〜200の整数であり、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは1〜80の整数である。
一般式(5)で表されるジアミノシロキサン化合物の例としては、下記に示すものが挙げられ、これらの2種以上の組み合わせでもよい。
Figure 2008166578
これらの上記式(5)で表されるジアミノシロキサン化合物は所望により1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
上記式(5)で表されるジアミノシロキサン化合物以外の、上記式(4)で表されるジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含有ジアミン等が挙げられ、好ましくはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等である。
また、接着性の点から、ポリイミド樹脂がフェノール性の水酸基を有することが好ましい。該水酸基は、式(4)のジアミン化合物として、下記に例示するフェノール性の水酸基を有する化合物を用いることにより導入され得る。
Figure 2008166578

(式中、R5は、互いに独立に水素原子又はフッ素、臭素、よう素等のハロゲン原子、あるいは炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基等の非置換又は置換の一価炭化水素基である。ここでqは1〜5の整数である。AおよびBはそれぞれ1種でもよく、2種以上であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。)
上記R5の炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、上記R3、R4に関して例示したものと同様のもの、およびエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基等を挙げることができる。また、Rが非置換もしくは置換の一価炭化水素基である場合も、Rとして、上記R5に関して例示したものと同様のものを例示することができる。
また、他のフェノール性水酸基を有するジアミンとして以下のものが挙げられる。
Figure 2008166578

(式中、Rは水素原子、フッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、又は炭素数1〜8の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、各芳香族環に付いている置換基は全て同じでも異なっていても構わない。rは0〜10の整数である。Zは単結合、メチレン基又はプロピレン基である。)
上記フェノール性水酸基を有するジアミン化合物の使用量は、ジアミン化合物全体の5〜60質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると接着力が低くなる場合があり、また多すぎると接着剤層の強度が不足する場合がある。
また、フェノール性水酸基の導入のためにモノアミンを用いることもでき、下記の構造を例示することができる。
Figure 2008166578
(式中、R5は上記した通りであり、Dは1種でも2種の混合であってもよい。また、pは1〜3の整数である。)
ジアミン化合物はこれらに限定されるものではなく、またこれらのジアミン化合物は所望により1種単独で、または2種以上の組み合わせで使用することができる。
ポリアミック酸樹脂及びポリイミド樹脂の生成反応は以下の通りである。上述の出発原料を、不活性な雰囲気下で溶媒に溶かし、通常、80℃以下、好ましくは0〜40℃で反応させて、ポリアミック酸樹脂を合成する。得られたポリアミック酸樹脂を、通常、100〜200℃、好ましくは150〜200℃に昇温させることにより、ポリアミック酸樹脂の酸アミド部分を脱水閉環させ、目的とするポリイミド樹脂を合成することができる。上記反応に使用する有機溶媒は、得られるポリアミック酸に不活性なものであれば、前記出発原料を完全に溶解できるものでなくてもよい。例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは非プロトン性極性溶媒、特に好ましくはN−メチルピロリドン、シクロヘキサノン及びγ−ブチロラクトンである。これらの溶剤は、1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の脱水閉環を容易にするためには、トルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を用いるのが望ましい。また、無水酢酸/ピリジン混合溶液を用いて低温で脱水閉環を行うこともできる。
なお、樹脂の分子量を調整するために、無水マレイン酸、無水フタル酸などのジカルボン酸無水物及び/又はアニリン、n−ブチルアミン、上記に挙げたフェノール性の水酸基を有するモノアミンを添加することもできる。但し、ジカルボン酸無水物の添加量は、ジカルボン酸二無水物100質量部当たり、通常、0〜2質量部であり、モノアミンの添加量は、ジアミン100質量部当たり、通常、0〜2質量部である。
また、ポリイミド樹脂として、前記したフェノール性の水酸基を有しないポリイミド樹脂と有するポリイミド樹脂の混合物を用いてもよい。
得られたポリイミド樹脂は、そのガラス転移温度が200℃以下であることが好ましい。該温度を超えると、接着剤層3の熱圧着性が劣る場合がある。
接着剤層3では、前記ポリイミド樹脂の他に、又は前記ポリイミド樹脂に代えて、(メタ)アクリル樹脂を使用することもできる。上記(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸および/またはその種々の誘導体の重合体および共重合体を包含する。(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシルアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、ジメチル(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸アミド、イミドアクリレートTO−1492(東亞合成工業製)等のイミド基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、上記共重合体は、上記(メタ)アクリル酸および/またはその種々の誘導体とアクリロニトリル、スチレン、ブタジエンまたはアリル誘導体などとの共重合体をも包含する。
接着性の点から、上記(メタ)アクリル樹脂がエポキシ基を有することが好ましい。該エポキシ基の導入は、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル化合物を用いることにより行われ得る。上記(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基を有する樹脂と有しない樹脂との混合物であってもよい。
上記(メタ)アクリル樹脂は、ガラス転移温度が低い方が好ましい。該温度が高過ぎると、熱圧着性が劣る場合がある。
前記したポリイミド樹脂および(メタ)アクリル樹脂の分子量は、重量平均分子量で10000以上であることが必要である。好ましくは、20000以上である。これより低いと接着剤組成物の流動性が大きくなり過ぎて塗工が困難になり、フィルム化することが困難になる場合がある。
本発明の接着剤層3において用いられるエポキシ樹脂としては、公知の種々のエポキシ樹脂を使用することができ、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はこのハロゲン化物のジグリシジルエーテル及びこれらの縮重合物(いわゆるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等);レゾルシン、ハイドロキノン及びメチルレゾルシン等のジグリシジルエーテル;1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ジフェニルエーテルならびにこれらの水添化物、ブタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2−ジオキシベンゼン或いはレゾルシノール、多価フェノール又は多価アルコールとエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシグリシジルエーテル或いはポリグリシジルエステル;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂(或いはハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂)とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られる液状エポキシノボラック(即ち、ノボラック型エポキシ樹脂);及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する樹脂が使用される。また、接着剤層が低温、低圧で圧着できる点から、軟化温度が80℃以下であるエポキシ樹脂が好ましい。
なお、モノエポキシ化合物を適宜併用することは差し支えなく、このモノエポキシ化合物としては、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、オクチレンオキシド、ドデセンオキシド、及びこれらの混合物が例示される。
また、接着剤層の特性を損なわない程度に、軟化温度が80℃超のエポキシ樹脂を併用してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、1,2−ジオキシベンゼン或いはレゾルシノール、多価フェノール又は多価アルコールとエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシグリシジルエーテル或いはポリグリシジルエステル;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂(或いはハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂)とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシノボラック(すなわち、ノボラック型エポキシ樹脂);過酸化法によりエポキシ化したエポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化ポリブタジエン、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記エポキシ樹脂の配合量は、前記ポリイミド樹脂および/または(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して25〜300質量部、特に30〜200質量部であることが好ましい。エポキシ樹脂の配合量が前記下限値未満であると、接着剤層の低温低圧における熱圧着性が劣る場合があり、前記上限値を超えると、硬化後の接着剤層の弾性率や吸湿率が上昇し、接着部の信頼性が低くなる傾向がある。なお、エポキシ樹脂の量は、後述する、シリカ粒子やシリコーン微粒子等の無機充填材の配合量により変わり得る。接着剤層3に無機充填材を添加しない場合には、エポキシ樹脂の量は、前記ポリイミド樹脂および/または(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して95質量部未満が好ましい。
接着剤層3は、その特性を損なわない程度にエポキシ樹脂の硬化剤を含んでいてもよい。この硬化剤としては、従来から知られているエポキシ樹脂用の種々の硬化剤を使用することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンアミン、メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどのアミン系化合物;エポキシ樹脂−ジエチレントリアミンアダクト、アミン−エチレンオキサイドアダクト、シアノエチル化ポリアミンなどの変性脂肪族ポリアミン;ビスフェノールA、トリメチロールアリルオキシフェノール、低重合度のフェノールノボラック樹脂、エポキシ化もしくはブチル化フェノール樹脂或いはSuper Beckcite1001[日本ライヒホールド化学工業(株)製]、Hitanol4010[(株)日立製作所製]、Scado form L.9(オランダScado Zwoll社製)、Methylon 75108(米国ゼネラルエレクトリック社製)などの商品名で知られているフェノール樹脂などの、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を含有するフェノール樹脂;Beckamine P.138[日本ライヒホールド化学工業(株)製]、メラン[(株)日立製作所製]、U−Van 10R[東洋高圧工業(株)製]などの商品名で知られている炭素樹脂;メラミン樹脂、アニリン樹脂などのアミノ樹脂;式HS(C24OCH2OC24SS)n24OCH2OC24SH(n=1〜10の整数)で示されるような1分子中にメルカプト基を少なくとも2個有するポリスルフィド樹脂;無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸、ドデシル無水こはく酸、無水クロレンディック酸などの有機酸もしくはその無水物(酸無水物)などが挙げられる。上記した硬化剤のうちでもフェノール系樹脂(フェノールノボラック樹脂)が、本発明の組成物に良好な成形作業性を与えるとともに、優れた耐湿性を与え、また毒性がなく、比較的安価であるので望ましいものである。上記した硬化剤は、その使用にあたっては必ずしも1種類に限定されるものではなく、それら硬化剤の硬化性能などに応じて2種以上を併用してもよい。配合量については、目的とする物性が得られれば、特に限定しない。
接着剤層3において使用されるエポシキ樹脂硬化触媒としては、任意のものを使用することができる。例えば、リン系触媒としてはトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニムトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、及び下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2008166578
(式中、R6〜R13は、互いに独立に、水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、あるいは炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。)
上記R6〜R13の一価炭化水素基としては、上記Rで例示したものと同様のもの、およびメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
また、アミン系触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、およびジシアンジアミドなどが挙げられる。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化触媒は、これらの中から1種又は2種以上を混合して用いることができる。エポキシ樹脂硬化触媒の配合量は、触媒量とすることができ、通常、エポキシ樹脂全量の0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%とすることが好ましい。
さらに、接着剤層3は、特性を損なわない範囲内で、シリカ粒子、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、シリコーン微粒子、導電性粒子等の充填材、無機系あるいは有機系の顔料、染料等の着色剤、濡れ向上剤、酸化防止剤、熱安定剤等の添加剤などを目的に応じて含むことができる。
特に、粒子径が10μm以下のシリカ粒子やシリコーン微粒子の配合が好ましい。
シリカ粒子は、接着剤層の溶融粘度を適度に増加して、樹脂封止工程におけるチップ流れを抑制し、硬化後の接着剤層の吸湿率及び線膨張率を低下させることができる。また、硬化前の接着剤層のヤング率を高めることができ、チップ取り出し(ピックアップ)時にピンの痕跡が生じなくなる効果を奏する。該シリカ粒子は好ましくは、球状で、平均粒径が0.1μm〜10μm、好ましくは5μm〜0.5μmであり、最大粒径が20μm以下のものである。平均粒径がこの範囲を超えると、接着剤層の表面の平滑性が損なわれる場合がある。該シリカ粒子は、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理されたものが好ましい。
シリカ粒子としては、(株)アドマテックス社のSE−2050、SC−2050、SC−2050、SE−1050、SO−E1、SO−C1、SO−E2、SO−C2、SO−E3、SO−C3、SO−E5、SO−C5などが例示され、これらの混合物であってもよい。
シリカ粒子の配合量は、組成物総質量の20〜70質量%、特に30〜65質量%とすることが好ましい。これらの範囲を超えると、却って吸湿率が増加したり、接着剤が低温低圧で圧着できなくなる場合がある。
また、シリコーン微粒子としては、複合シリコーンゴム微粒子が好ましい。複合シリコーンゴム微粒子は、シリコーンゴム粒子の表面上の少なくとも一部に、該表面上で重合することにより生成されたポリオルガノシルセスキオキサン樹脂の微小体が存在する粒子である。この複合シリコーンゴム微粒子を配合することによって、上記シリカ粒子と相俟って、接着剤層の溶融粘度の増加、チップ取り出し(ピックアップ)時のピンの痕跡の防止、及び硬化後の接着剤層の弾性率および吸水率の低下を達成することができる。
複合シリコーンゴム微粒子は、平均粒径0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。平均粒径がこの範囲を超えると、接着剤層の表面の平滑性が損なわれる場合がある。また、最大粒径が20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。
複合シリコーンゴム微粒子の配合量は、組成物総質量の5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。これらの範囲外では、接着剤層の低温低圧での圧着が困難になり、また、硬化後の接着剤層の線膨張率が大きくなる場合ある。
複合シリコーンゴム微粒子は、例えば特開平7−196815号に記載されている方法に従って作ることができる。即ち、平均粒径が0.1〜10μmの球状シリコーンゴム微粒子の水分散液に、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液と、オルガノトリアルコキシシランを添加し、球状シリコーンゴム微粒子表面上で、オルガノトリアルコキシシランを加水分解して重合させ、次いでこれを乾燥する。ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂の量は、シリコーンゴム球状微粒子100重量部に対し、1〜500重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜100重量部である。前記下限値未満では複合シリコーンゴム微粒子の、接着剤組成物中での分散性が悪くなる恐れがある。一方、前記上限値より多くなると、硬化後の接着剤層の弾性率が高くなる傾向がある。
複合シリコーンゴム微粒子としては、例えば、信越化学工業社製のKMP−600、KMP−605、X−52−7030などを使用することができる。また、これら2種以上の混合物を使用することもできる。
接着剤組成物は、上記ポリイミド樹脂および/または(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化触媒、および必要により任意成分を、常法に準じて混合することにより調製することができる。
上記で得られた接着剤組成物をトルエン、シクロヘキサノン、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に適当な濃度に溶解したものを、接着剤層用基材層4上に塗布し、乾燥することにより、接着剤層3を有する接着フィルムを調製することができる。基材層4としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、紙、金属箔等、あるいはこれらの表面を離型処理したものを用いることができる。
基材上に塗布された接着剤組成物の乾燥条件としては、常温〜200℃、特に80〜150℃で1分〜1時間、特に3〜20分間とすることが好ましい。接着剤層の膜厚は特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、10〜100μm、特に15〜50μmであることが好ましい。
このようにして得られた接着剤層は、25℃の硬化前のヤング率が100MPa以上であることが必要であり、好ましくは500Mpa以上である。上限は好ましくは5000Mpaである。上記下限より低いと、チップ取り出し(ピックアップ)時に接着剤層にピンの痕跡が生じ、ダイボンド後にこれがボイドとして残存する。その結果、半導体装置のリフロー時にこのボイドが起点となってチップと基板との剥離が生じ、信頼性を損なう。上記ヤング率が高すぎると、ウエハーの熱圧着工程において、反りが大きくなる場合がある。
また、40℃〜100℃の硬化前のヤング率が10MPa以下であることが好ましく、より好ましくは10〜0.01MPaである。これより高いと、ウエハーへの低温での熱圧着ができなく場合がなる。また、ダイボンドの際の半導体装置基板への低温での圧着ができなくなる場合がある。上記ヤング率が低すぎると常温での粘着性が高くなって取り扱いが困難になり、あるいはダイシング工程においてブレードに接着剤層が付着するなどの問題が生じる場合がある。
また、接着剤層を半導体ウエハーに低温で熱圧着した後の該接着剤層と半導体ウエハーとの間の剥離力が粘着剤層と接着剤層との間の剥離力より大きいことが必要である。小さいとチップ取り出し(ピックアップ)時に接着剤層がチップに付着されず、粘着剤層上に残り、半導体装置基板にダイボンドできなくなる場合がある。
更にまた、樹脂封止工程におけるチップ流れの抑制の点から、接着剤層3の溶融粘度が1000Pa・s以上であることが好ましい。
このようにして得られた接着フィルムの接着剤層3と粘着フィルムの粘着剤層2とを圧着によって張り合わせることにより、ダイシング・ダイボンド用接着フィルムを得ることができる。ここで、粘着剤層と接着剤層とを圧着させる際の圧着条件としては、常温で0.01〜2MPa、特に0.1〜1MPaとすることが好ましい。
ダイシング・ダイボンド用接着フィルムは任意の形状を有することができ、例えば、連続的に使用できるようなテープ状であっても、所望の形状に切り出して使用できるシート形状であってもよい。
本発明の工程(1)では、上記ダイシング・ダイボンド用接着フィルムの接着剤層用基材4を剥離し、電気回路形成された半導体ウエハーを接着剤層3に熱圧着してダイシング・ダイボンド用接着フィルムに固定する。
熱圧着条件は、接着剤層の組成により種々選択することができるが、低温低圧が好ましく、特に常温〜100℃でロール圧1N〜50Nである。次いで、ウエハーを固定したダイシング・ダイボンド用接着フィルムをダイシング装置に固定し、ダイシングを行う。本発明の製造方法は比較的大きい半導体チップのダイボンドに好適であるため、各辺が5mm以上、好ましくは7mm以上であり、上限が好ましくは30mm、より好ましくは20mmである矩形チップに切断される。
次いで、本発明の工程(2)において、上記で切断されたチップをダイボンド装置に固定し、図5に示すように、基材1の下から突き上げピンを用いて突き上げることにより、ウエハーに接着剤層3が付いたチップを取り出す(ピックアップ)。
なお、本発明の方法に適応されるウエハーの厚みは150μm以下が好適である。これを超える厚みのウエハーでは、生産性が低下する。
このチップ取り出しに際しては、チップ1つにつき突き上げピンを4本以上かつピン1本当たりのチップ面積が70mm以下になる本数を用いることが必要である。この本数より少ないとチップの平行度保持が困難になってピックアップミスが生じやすくなる。また1本当りのチップ面積が70mmを超えると、ピックアップミス、ピンの痕跡(凹)及びチップのクラックが発生しやすくなる。
突き上げピンは、チップの四隅近傍に当たるように置かれるのが通常であるが、チップの中心に関して略点対称になるように配置してチップに均等に当たるように突き上げピンを配置すればよい。突き上げピンの配置の一例を図6に示す。
さらに、上記ピンは、直径が0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上で、上限が好ましくは2mm、より好ましくは1.5mmであり、先端の形状が平坦または半径200μm以上、好ましくは250μm以上の円弧状であることが必要である。直径および先端の半径が上記下限未満であると、ピンの痕跡(凹)及びクラックが発生しやすくなる。
更に、突き上げピンによる突き上げ量(図5においてhで示される量)が200〜1000μm、好ましくは300〜700μmであるように突き上げを行う。これを超えるとダイシングテープからチップが左右前後に動き、吸着コレットによる正常な位置での吸着及び正常な位置へのダイボンドができなくなる可能性がある。また、これ以下である場合はチップ取り出しができなくなる場合がある。
また、突き上げピンの突き上げ速度は1〜15mm/秒、好ましくは3〜10mm/秒である。これを超えるとピックアックミス及びチップのクラックが発生しやすくなる。これ未満であると生産性が低下する。
次いで、本発明の工程(3)において、上記で取り出されたチップを半導体装置基板に熱圧着し、加熱硬化させて固定する。熱圧着条件は、80〜180℃の温度および0.05〜3Kgfの圧着力が好ましい。
圧着温度が低過ぎると、圧着不能となったり、ボイドが発生する場合があり、また高過ぎると、大きなフィレットの発生や基板の反りの原因となり得る。
また、圧着力が低すぎると、圧着不能となったり、ボイドが発生する場合があり、高過ぎると、大きなフィレットの発生やチップクラック発生の原因となり得る。
このようにして半導体基板に熱圧着されたチップは、直ぐに加熱硬化、接着しても良く、また、ワイヤーボンド、樹脂封止した後、封止樹脂の硬化と同時に行っても良い。加熱硬化条件は、接着剤層の組成により種々選択することができるが、通常は120〜250℃である。封止樹脂の硬化と同時に行う場合は、封止樹脂の硬化温度(150〜200℃)である。
本発明の方法は、シリコンチップやLEDチップ等の半導体チップを搭載した半導体装置の製造に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
接着剤層:
合成例1. フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂−A
還流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.2質量部と、溶媒としてのN−メチルピロリドン150質量部とを仕込み、撹拌して酸無水物を分散させた。該分散物中に、下記式
Figure 2008166578
で示されるジメチルジアミノポリシロキサン(以後、「ジアミノシロキサン−1」という)38.46質量部(上式においてjはある範囲の整数であり、その平均が、該ジメチルジアミノポリシロキサンのアミン当量が641となるような大きさである)をN−メチルピロリドン40質量部に分散させた溶液を滴下して、室温にて1時間撹拌反応させ、次いでジアミノプロピルテトラメチルジシロキサン7.46質量部をN−メチルピロリドン20質量部に溶解した溶液を滴下して、室温にて1時間撹拌反応させることにより、酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを合成した。該アミック酸オリゴマー溶液に、下記式
Figure 2008166578
で示される、フェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(以後、「フェノールジアミン−1」という)19.79質量部とN−メチルピロリドン140質量部を滴下した後、室温で16時間撹拌し、ポリアミック酸溶液を合成した。その後、トルエン80mlを投入してから温度を上げ、約180℃で4時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でトルエンを除去した。反応終了後、得られた反応液を大過剰のメタノール中に滴下してポリマーを析出させ、減圧乾燥してフェノール性の水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂−Aを得た。
得られた樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収、3500cm-1にフェノール性水酸基に基づく吸収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて本樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ、54,000であった。
合成例2. フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂−B
合成例1において、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の代わりにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物35.8質量部を、ジアミノシロキサン−1の代わりに、ジアミノシロキサン−1とアミン当量のみ異なるジメチルジアミノポリシロキサン(以降、「ジアミノシロキサン−2」という;アミン当量407)32.56質量部を、フェノールジアミン−1の代わりに下記式
Figure 2008166578

で示される、フェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(フェノールジアミン−2)8.64質量部とBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)8.21質量部を使用し、N−メチルピロリドンを合計で256質量部用いた以外は、合成例1に準じて、フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂−Bを得た。分子量は、65,000であった。
合成例3.ポリイミドシリコーン樹脂−C
合成例1において、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の代わりに、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物35.8質量部を、ジアミノシロキサン−1の代わりにジアミノシロキサン−2を44.77質量部の量で、フェノールジアミン−1の代わりに、BAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)18.47質量部を使用し、N−メチルピロリドンを合計で297質量部用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミドシリコーン樹脂−Cを得た。分子量は、62,000であった。
合成例4、アクリル樹脂―D
環流冷却器、温度計、撹拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、イミドアクリレートTO−1492(東亞合成工業社製)30質量部、ブチルアクリレート50質量部、エチルアクリレート16質量部、グリシジルアクリレート4質量部、メチルエチルケトン60質量部を仕込み、85℃で窒素を溶液に通気しながら30分撹拌した。これにアゾビス系の重合触媒V−59(0.5質量部)とメチルエチルケトン(40質量部)の混合溶液を添加し、30分撹拌した後、重合触媒V−59(1.0質量部)とメチルエチルケトン80質量部の混合溶液をさらに添加し、イミドアクリレートTO−1492(東亞合成工業社製)60質量部、ブチルアクリレート100質量部、エチルアクリレート32質量部、グリシジルアクリレート8質量部およびメチルエチルケトン120質量部の混合溶液を約40分間で滴下した。滴下終了後、窒素気流下、85〜95℃で5時間加熱攪拌し、アクリル樹脂溶液を得た。得られた樹脂の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量120000であった。このアクリル樹脂をDとする。
ポリイミド樹脂溶液およびアクリル樹脂溶液の調製
合成例1〜4で得られたポリイミド樹脂A〜Cおよびアクリル樹脂Dの40質量部を各々、シクロヘキサノン60質量部に溶解し、ポリイミド樹脂溶液およびアクリル樹脂溶液を得た。
接着剤組成物の調製
各ポリイミド樹脂溶液及びアクリル樹脂溶液に、下記表1に示すエポキシ樹脂、触媒、シリカ粒子、及び複合シリコーンゴム微粒子を同表に示す配合量で、自転・公転方式の混合機((株)シンキー社製)により混合して、接着剤組成物を調製した。なお、表1における配合量は全て、固形分である。
接着フィルムI〜VIIIの作製
各接着剤組成物を、フッ素シリコーン離型剤を被覆した厚さ50μmのPETフィルム上に塗布して、120℃で20分間加熱乾燥し、50μm厚さの接着剤層を夫々形成した。
上記で得られた接着フィルムを用いて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
(1)ヤング率
接着フィルムの接着剤層(50μm厚さ)16枚を90℃で熱ラミネートして約800μm厚さのシートを作成し、40mm×10mm×800μmの形状に切り出して試験片とした。この試験片について、動的粘弾性測定装置を用い、引張りモードで、チャック間距離10mm、測定温度25℃、測定周波数1Hzの条件でヤング率を測定した。
また、上記測定温度を、接着剤層をウエハーに熱圧着するときの温度(40〜100℃)に変えた他は上記と同様にしてヤング率を測定した。
(2)硬化後のヤング率
接着フィルムの接着剤層(50μm厚さ)を175℃で2時間加熱して硬化させた。40mm×10mm×50μmの大きさに切り出して試験片とし、動的粘弾性測定装置を用い、引張りモードで、チャック間距離10mm、測定温度25℃、測定周波数1Hzの条件でヤング率を測定した。
(3)ガラス転移点及び線膨張率
接着フィルムの接着剤層(50μm厚さ)を175℃で2時間熱処理し、乾燥及び硬化させた。20mm×5mm×50μmの大きさに切り出して試験片とし、ガラス転移点および線膨張率を測定した。測定には熱機械測定装置、TMA−2000(アルバック理工製)を用い、引張りモードで、チャック間距離15mm、測定温度25〜300℃、昇温速度5℃/分、測定荷重3gの条件でガラス転移点及び線膨張率を測定した。
(4)吸水率
接着フィルムの接着剤層(50μm厚さ)4枚を90℃で熱ラミネートして約200μm厚さのシートを作成し、175℃で2時間熱処理し、乾燥及び硬化させた。50mm×50mm×200μmの形状に切り出して試験片とし、これを水中に168時間浸け、表面の付着水をふき取り重量を測定する。このときの重量をWとする。次いで、120℃で4時間乾燥し、その時の重量をWする。以下の式により吸水率を計算して求める。
吸水率(%)=[(W−W)/W]×100
(5)最低溶融粘度
接着フィルムの接着剤層(50μm厚さ)20枚を90℃で熱ラミネートして厚み約1mmの試験片を作成した。この試験片を用いてパラレルプレート型粘弾性測定装置(レオロジ社製、MR−300)により溶融粘度を測定した。
Figure 2008166578
表1中の樹脂等は以下のとおりである。
エポキシ樹脂1:RE−310S(日本化薬社製)、液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂2:エピコート834(ジャパンエポキシレジン社製)、半固形、軟化温度64℃
エポキシ樹脂3:エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製)、固形、軟化温度78℃
エポキシ樹脂4:EPPN−501H(日本化薬社製)、液化温度51〜57℃
エポキシ樹脂5:RE−600N(日本化薬社製)、液化温度60℃
硬化触媒1:ジシアンジアミド、ジャパンエポキシレジン社製
硬化触媒2:2PHZ(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)、四国化成社製
エポキシ樹脂硬化剤:H−4(明和化成工業社製)
シリカ粒子:SE−2050(アドマテックス社製)、球状シリカ、平均粒径0.5μm
複合シリコーンゴム微粒子:X−52−7030(信越化学工業社製)、平均粒径0.7μm
粘着剤層:
シリコーン粘着剤の調製
[調製例1]
(CH33SiO1/2単位1.1モルとSiO2単位1モルの割合からなるメチルポリシロキサンレジンを60質量%含むトルエン溶液33.33質量部、末端及び側鎖にビニル基を100g当たり0.002モル有する重合度2,000の生ゴム状のジメチルポリシロキサン80質量部およびトルエン172質量部を均一になるまで溶解し、次いで、この混合溶液に、下記構造のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン化合物0.68質量部と反応抑制剤としての3−メチル−1−ブチン−3−オール0.24質量部を混合し、次いでこの混合物に白金量が40ppmとなるような塩化白金酸の2−エチルヘキサノール変性溶液を混合し、シリコーン粘着剤組成物−Iを調製した。
Figure 2008166578
[調製例2]
調製例1に準じて、(CH33SiO1/2単位1.1モルとSiO2単位1モルの割合からなるメチルポリシロキサンレジンを60質量%含むトルエン溶液50質量部、末端及び側鎖にビニル基を100gr当たり0.002モル有する重合度2,000の生ゴム状のジメチルポリシロキサン70質量部、トルエン165.7質量部、上記構造のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン化合物0.64質量部、反応抑制剤として3−メチル−1−ブチン−3−オール0.24質量部と白金量が40ppmとなるような塩化白金酸の2−エチルヘキサノール変性溶液とから、シリコーン粘着剤組成物−IIを調製した。
[調製例3]
調製例1に準じて、(CH33SiO1/2単位1.1モルとSiO2単位1モルの割合からなるメチルポリシロキサンレジンを60質量%含むトルエン溶液16.66質量部、末端及び側鎖にビニル基を100gr当たり0.002モル有する重合度2,000の生ゴム状のジメチルポリシロキサン90質量部、トルエン180質量部、上記構造のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン化合物0.77質量部、反応抑制剤として3−メチル−1−ブチン−3−オール0.24質量部と白金量が40ppmとなるような塩化白金酸の2−エチルヘキサノール変性溶液とから、シリコーン粘着剤組成物−IIIを調製した。
粘着フィルムの作製
上記シリコーン粘着剤組成物I〜IIIを、厚さ100μmの無延伸ポリエチレン(LDP)上に塗布し、100℃で10分間加熱して15μmのシリコーン粘着層を形成させることにより、シリコーン粘着フィルムI〜IIIを作製した。
また、紫外線により粘着力が低下するアクリル系の市販品粘着フィルムとして、UC−300−M−110(古河電気工業社製)を用いた。この粘着フィルムをIVとする。
ダイシング・ダイボンド用接着フィルムの作製
前記粘着フィルムI〜IVの粘着剤層面と接着フィルム(I〜VIII)の接着剤層面とを表1に示す組み合わせで、荷重2kg、巾300mmのロールにより圧着し、ダイシング・ダイボンド用接着フィルムを作製した。
上記で得られたダイシング・ダイボンド用接着フィルムの粘着力(粘着剤層2と接着剤層3との間の180度剥離力)を、下記方法により測定した。結果を表2に示す。
粘着力の測定
前記で得られたダイシング・ダイボンド用接着フィルムを巾25mmのテープ状に切り出し、接着剤層用基材層を剥離した後、接着剤層側をガラス板(厚さ2.0mm、巾50mm)に80℃、0.01MPaの条件で10秒熱圧着した。この試験体を、25±2℃、50±5%RHの恒温恒湿下に24時間放置した後、粘着フィルムの端を接着剤層から剥離して180°に折り返し、300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力を測定した。
実施例1〜8および参考例1〜6
前記で得られたダイシング・ダイボンド用接着フィルムを用いて以下のように半導体装置を製造し、下記試験(1)〜(4)を行った。結果を表2に示す。
半導体装置の製造
ダイシング・ダイボンド用接着フィルムの接着剤層用基材層を剥離し、テクノビジョン社製のフィルム貼り付け装置(FM−114)で75μm厚さの8インチウエハーに40℃〜100℃で熱圧着した(ロール圧、2kg)(工程A)。これを、下記ダイシング条件にて、9mm角のチップにダイシングした(工程B)。次いで、NECマシナリー社製のダイボンダー装置(BESTEM−D02−TypeC)により、チップの取り出しを行った(工程C)。取り出しの際、直径が0.7mmであり、先端の形状が表2に示す半径の半球状または平坦である突き上げピン4本をチップの、ウエハーがある面と反対の面の図6に示す位置に配置して、表2に示す突き上げ速度および突き上げ量でチップを突き上げた。一例として、実施例1で使用した突き上げピンの形状を図7に示す。次いで、取り出された、裏面に接着剤層が付いたシリコンチップを、10mm×10mmの、レジストAUS303((株)ユニテクノ社製)が塗布硬化されたBT基板およびシリコン基板に、夫々、150℃、0.1MPaの条件で2秒熱圧着した後、175℃で2時間加熱硬化させて固定して、半導体装置を製造した(工程D)。
ダイシング条件:
切断方式:ステップカット
スピンドル:40000rpm(Z1/Z2)
Z1:NBC−ZH 104F 27HEEE
Z2:NBC−ZH 103F 27HCBB
ダイシングスピード:40mm/秒
(1)チップ取り出し試験
上記工程Cにおいて、チップを、接着剤層が付着された状態で取り出すことができた場合を「○」、接着剤層が付着された状態で取り出すことができなかった場合またはチップクラックが生じた場合を「×」とした。
(2)突き上げピンの痕跡(凹)の有無
上記工程Cにおいて取り出されたチップを200μm厚さのガラス板上に0.1MPa、150℃で1秒間熱圧着し、次いで、ガラス板の裏面側より観察して、突き上げピンの痕跡(凹)の有無を調べた。痕跡がない場合を「○」、ある場合を「×」とした。
(3)樹脂封止後のボイドの発生
上記工程Cで取り出されたチップを、50mm×50mm×250μm厚さの樹脂基板(レジストAUS303が塗布硬化されたBT基板)上に、図8に示すマップ状に、荷重1Kgf、温度150℃で1秒間熱圧着し、次いで、樹脂基板上から600μmの厚さでモールド材KMC2500VA−T1(信越化学工業社製)により樹脂封止(175℃、封止圧力6.9MPa、90秒間)した後、175℃、4時間で加熱硬化した。封止部分を、超音波画像測定装置で観察して、ボイドの発生の有無を調べた。
(4)パッケージの信頼性
上記(3)で樹脂封止されたチップを切り離し、得られたパッケージの合計16個を30℃/60%RHの条件下で192時間保持し、次いで260℃のリフロー炉に3回通した後、超音波画像測定装置によりチップと基板との間の剥離の有無を観察した。16個中1個でも剥離が見られた場合を「あり」とした。
また、使用したダイシング・ダイボンド用接着フィルムについて、以下の試験を行った。結果を表2に示す。
(5)ウエハーに対する熱圧着性
上記工程Aで熱圧着した後、粘着剤層2を接着剤層3から剥離し、ウエハー面からの接着剤層3の剥離の有無を確認した。粘着剤層を剥離する際に接着剤層も共に剥離されるフィルムは、ウエハーへの熱圧着性が悪いことを意味する。これを、表2に「×」で表した。粘着剤層を剥離する際に接着剤層との界面から剥離されるフィルムは、チップを取り出す際に接着剤層がチップに付着された状態で取り出すことができるものであり、ダイシング・ダイボンド用接着フィルムとして好適であることを意味する。これを、表2に「○」で表した。
(6)ダイシング時のチップ飛びの有無
上記工程Bにおいて、ダイシング時にチップが飛ばなかったものを「○」、飛んだものを「×」とした。
(7)接着性試験(初期)
ダイシング・ダイボンド用接着フィルムを450μm厚さの6インチのシリコンウエハーに熱圧着し、次いで2mm×2mmにダイシングした。裏面に接着層が付いたシリコンチップを取り出して、10mm×10mmの、レジストAUS303((株)ユニテクノ社製)が塗布硬化されたBT基板とシリコン基板とに、夫々、150℃、0.1MPaの条件で2秒熱圧着した後、175℃で2時間加熱硬化させて固定し、これを試験片とした。ボンドテスター(DAGE社製、4000PXY)により、240℃におけるせん断接着力を測定した。
(8)接着性試験(加湿後)
前記(7)の試験片を85℃/60%RHの条件下で168時間保持し、次いで260℃のリフロー炉に3回通した後、前記同様に240℃のせん断接着力を測定した。
Figure 2008166578
Figure 2008166578
表2に示されるように、本願発明に従う実施例1〜8は、ピン痕やチップクラックを生じることなくチップをピックアップすることができ、高信頼性の半導体装置を製造することができた。一方、参考例1では、粘着剤層2の接着剤層3との間の剥離力が大き過ぎる故に、チップを、接着剤層が付着した状態で取り出すことができなかった。そのため、封止後のボイドの有無および信頼性試験での剥離の有無の試験を行うことができなかった。参考例2では、上記剥離力が小さすぎる故に、ダイシングの際にチップの飛びを生じた。そのため、ピン痕、ボイドおよび剥離の有無の試験を行うことができなかった。参考例3では、接着剤層の25℃でのヤング率が小さい故に、チップ取り出しの際にピン痕を生じ、その結果、封止後のボイドおよび信頼性試験での剥離を生じた。参考例4では、接着剤層の40〜100℃でのヤング率が大き過ぎる故に、ウエハーへの熱圧着性が悪く、したがって、他の試験を行うことができなかった。参考例5では、突き上げピンの先端の半径が小さすぎる故に、ピン痕を生じ、その結果、封止後のボイドおよび信頼性試験での剥離を生じた。参考例6では、突き上げ速度および突き上げ量が高過ぎる故に、チップを取り出す際にチップクラックを生じた。そのため、ピン痕、ボイドおよび剥離の有無の試験を行うことができなかった。
本発明の方法によれば、突き上げピンの痕跡を有することなく、また、チップクラックを生じることなく、チップを良好に取り出すことができ、信頼性に優れる半導体装置を製造することができる。
ダイシング・ダイボンド用接着フィルムの第一の態様を示す断面図である。 ダイシング・ダイボンド用接着フィルムの第二の態様を示す断面図である。 第一の態様のダイシング・ダイボンド用接着フィルムにシリコンウエハーを固定した状態を示す断面図である。 第二の態様のダイシング・ダイボンド用接着フィルムにシリコンウエハーを固定した状態を示す断面図である。 突き上げピンを用いてチップを取り出す(ピックアップ)ときの、ピックアップ前とピックアップ後の状態を示す断面図である。 チップ取り出しの際の、突き上げピンの配置を示す平面図である。 突き上げピンの形状の一例を示す断面図である。 樹脂封止の際の、BT基板上のウエハーの位置を示す平面図である。
符号の説明
1 粘着剤層用基材層
2 粘着剤層
3 接着剤層
4 接着剤層用基材
5 シリコンウエハー
6 吸着コレット
7 シリコンチップ
8 接着剤層
9 粘着フィルム
10 突き上げピン

Claims (9)

  1. 各辺が5mm以上の矩形半導体チップを搭載した半導体装置の製造方法であって、下記工程:
    (1)半導体ウエハーをダイシング・ダイボンド用接着フィルムを使用して固定し、ダイシングを行うこと、ここで、該フィルムは、基材層1の少なくとも片面上に積層された粘着剤層2、及び1つの粘着剤層2の上に積層された接着剤層3を有する、および
    (2)ダイシングによって切断されたチップを突き上げピンを用いて突き上げることにより、ウエハーに接着剤層3が付いたチップを取り出すこと
    を含む、半導体装置の製造方法において、
    工程(1)におけるダイシング・ダイボンド用接着フィルムの接着剤層3の、動的粘弾性測定装置を用いて測定される25℃におけるヤング率が100MPa以上であり、粘着剤層2の、剥離速度300mm/分で測定される接着剤層3からの180度剥離力が0.05〜0.7N/25mmである、および、
    工程(2)における突き上げが、
    1)チップ1つにつき突き上げピンを4本以上かつピン1本当たりのチップ面積が70mm以下になる本数を用いて行われ、ここで、該突き上げピンは、直径が0.5mm以上であり、先端の形状が平坦または半径200μm以上の円弧状である、かつ
    2)1〜15mm/秒の突き上げ速度および200〜1000μmの突き上げ量で行われる、
    ことを特徴とする方法。
  2. 接着剤層3が、重量平均分子量10000以上の、ポリイミド樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1以上の樹脂、エポキシ樹脂ならびにエポキシ樹脂硬化触媒を含み、かつ動的粘弾性測定装置を用いて測定される40℃〜100℃におけるヤング率が10MPa以下である、請求項1記載の方法。
  3. 接着剤層3が無機充填材をさらに含有する、請求項2記載の方法。
  4. 無機充填材がシリカ粒子および/または複合シリコーンゴム微粒子である請求項3記載の方法。
  5. 接着剤層3が、ポリイミド樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1以上の樹脂100質量部に対してエポキシ樹脂を25〜300質量部含む請求項2〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 基材層1がポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン・プロピレン共重合体を含み、かつ20〜400μmの厚さを有する請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 工程(2)の後に、下記工程:
    (3)取り出されたチップを半導体基板上へ固定すること
    を含み、工程(3)が、取り出されたチップを温度80〜180℃および圧着力0.05〜3Kgfのダイボンダーによって半導体基板上に熱圧着することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 半導体ウエハーの厚みが150μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法によって得られる半導体装置。
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