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JP2008160978A - 電動機用鉄芯及び電動機 - Google Patents

電動機用鉄芯及び電動機 Download PDF

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JP2008160978A
JP2008160978A JP2006347350A JP2006347350A JP2008160978A JP 2008160978 A JP2008160978 A JP 2008160978A JP 2006347350 A JP2006347350 A JP 2006347350A JP 2006347350 A JP2006347350 A JP 2006347350A JP 2008160978 A JP2008160978 A JP 2008160978A
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JP2006347350A
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Masaru Owada
優 大和田
Yuichi Shibukawa
祐一 渋川
Hironori Sakamoto
宏規 坂元
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】所望部位の磁気特性を局部的に変化させることができ、必要な部分の強度を維持しながら、磁気特性の必要な部位の特性を高めて磁気回路の最適化を図ることができる電動機用鉄芯と、当該鉄芯の製造方法、当該鉄芯を用いた電動機を提供する。
【解決手段】Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、表面に絶縁皮膜を備え、磁気特性の異なる2種類以上の粉末12a,12bを部位に応じて配置し、所定の鉄芯形状10aに成形する。あるいは、非晶質構造を主相とする上記粉末を用いて所定形状に成形した鉄芯の所望部分を、例えば誘導加熱によって加熱し、部分的に結晶化させ、当該鉄芯の磁気特性を部位に応じて異なるものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動機のステータやロータとして用いられる鉄芯に係わり、さらに詳しくは、磁気特性を部位に応じて変化させることができ、全体的な強度を損なうことなく磁気回路を最適化することができる電動機用鉄芯と、その製造方法、さらにはこのような鉄芯を用いた電動機に関するものである。
例えば、モータの回転子やアクチュエータなどの磁性部材においては、強磁性体の一部に非磁性部又は弱磁性部を設けた構造の複合磁性部材が用いられており、このような複合磁性部材を製造する方法としては、従来、加熱冷却処理によって磁性が変化する素材から成る磁性体に部分的に熱を加えることによって、当該磁性体の磁気特性を部分的に変化させることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−73456号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の技術においては、磁性体の磁気特性を変化させようとする部位を個別に加熱するようにしているが、レーザビームの照射によって加熱する場合には、多くの処理時間を要することになる。
さらに、目的とする部位の周辺部も熱伝導によって加熱されることになるため、磁気特性が傾斜的に変化する領域が生じることから、磁気特性の制御が難しいという問題があった。
本発明は、上記した従来技術におけるこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所望部位の磁気特性を局部的に変化させることができ、必要な部分の強度を維持しながら、磁気特性の必要な部位の特性を高めて磁気回路の最適化を図ることができる電動機用鉄芯と、当該鉄芯の製造方法、さらにはこのような鉄芯を用いた電動機を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、磁気特性の異なる2種類以上の金属粉末を用い、これらを部位に応じて使い分けることなどにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の電動機用鉄芯は、ステータやロータなどとして用いられる電動機用の鉄芯であって、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、表面に絶縁皮膜を備え、磁気特性の異なる2種類以上の粉末を部位に応じて配置し、成形して成ることを特徴とする。
また、本発明の電動機用鉄芯は、非晶質構造を主相とし、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、かつ表面に絶縁皮膜を備えた粉末を成形して成るものであって、部位に応じて結晶化させてあることを特徴としている。
そして、本発明の電動機用鉄芯の製造方法においては、上記電動機用鉄芯の一部を結晶化するに際して、結晶化させる部位を誘導加熱したり、結晶化させる部位に結晶化開始温度(Tx)が低い非晶質粉末を配置して加熱したり、あるいは結晶化させる部位に当接する部分の熱伝導率を低くした燒結型を用いて焼結したりすることをそれぞれ特徴としている。
さらに、本発明の電動機は、本発明の上記ステータ鉄芯及びロータ鉄芯の一方又は双方を用いて成ることを特徴とする。
本発明によれば、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、かつ表面に絶縁皮膜を備え、しかも磁気特性が異なる2種類以上の粉末を部位に応じて配置した状態で成形したり、非晶質構造を主相とすると共に、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、かつ表面に絶縁皮膜を備えた粉末を成形したものを部位に応じて結晶化させたりしたことから、所望部位の磁気特性を局部的に変化させ、もって強度を維持しながら、必要な部位の磁気特性を高めて磁気回路の最適化を図ることができるようになる。
以下、本発明の電動機用鉄芯と、その製造方法などについて、さらに詳細かつ具体的に説明する。
本発明の電動機用鉄芯は、上記したように、Fe、Ni若しくはCo、又はこれらを任意に組み合わせた金属を主成分とすると共に表面に絶縁被膜を形成して成り、例えば飽和磁束密度などの磁気特性が異なる複数種の金属粉末を部位に応じて配置し、この状態で成形して成るものであり、所望の部位の磁気特性を高めることによって磁束分布を整えることができ、例えば、磁路として活用したい部分には磁気特性の高い材料を配置し、その周囲を磁気特性の低い材料で覆うことで強度を維持しつつ、磁気回路を最適化することが可能となり、モータ特性を向上させることができる。
具体的には、例えば、別のプロセスで第1の粉末によって鉄芯の一部分を成形した後、この成形体を装填した型内に、第1の粉末とは磁気特性が異なる第2の粉末を充填して一体モールドすることにより、部分的に異なる磁気特性を備えた鉄芯を形成することができる。
これによって、磁気特性の変化が急峻に起こるために、中間的な磁気特性の領域がなくなり、スペース効率の優れた鉄芯材料を提供することが可能となる。
本発明に使用する上記金属粉末は、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とするものであるが、本発明において、「主成分」とは、上記3種の金属元素含有量の合計が70%以上であることを意味する。
なお、これら金属粉末の磁気特性は、上記成分量の調製によって変えることが可能であるが、成分含有量が同じであっても、例えば冷却速度を調製することなどによって、結晶質相(低磁気特性)と非結晶質相(高磁気特性)の割合を変えることによっても、粉末間の磁気特性を変化させることができる。また、当該金属粉末の粒径としては、10〜100μmの範囲であることが望ましい。
絶縁被膜としては、後述するように、上記粉末にリン酸塩処理を施したり、リン酸塩などのコーティング材(?)を塗布したりすることによって形成することができ、これらの絶縁皮膜は、粉末粒子間を絶縁して比抵抗を高く保ち、鉄芯のコアロスを低減する機能を発揮する。
本発明の電動機用鉄芯においては、上記同様の金属粉末であると共に、主相として非晶質構造を備えた金属粉末を用いて成形して成る鉄芯の所望部位だけを結晶化させることによっても、結晶化した部分の磁気特性が低下することから、当該鉄芯の磁気特性を部位に応じて異なったものとすることができる。
例えば、電動機用ステータ鉄芯においては、その突極先端部における鍔部分の一部を結晶化させることができる。
これによって、磁気特性の悪い結晶化部分が非晶質構造を有する部分を支える構造となるため機械的強度が向上する一方、磁束を鍔部分に効果的に集中させることが可能となるため、電動機の出力が向上することになる。さらに、結晶化させることによって材料に延性が生じることから、非晶質のみで構成したときに対して機械的な信頼性を向上させることができる。
また、電動機用ロータ鉄芯においては、この鉄芯に挿入される磁石間スペースを部分的に結晶化させることができる。すなわち、ロータ鉄心においては、ロータ内部に内蔵される磁石を埋め込むための孔が形成されているが、この孔周辺において、特に隣接する磁石との間の鉄芯部分は、磁石のN,S極間で回りこむ磁束が通過する部分であり、この漏れ磁束を遮断することが望ましい。
そこで、磁石間のスペースを結晶化させることによって磁気特性を劣化させ、磁束の通過率を抑制すれば、漏れ磁束が押さえられ、ロータ表面側に受け渡される磁束が増加するため、モータの出力性能が向上することになる。さらに、この部分は磁石に作用する遠心応力を支える部分であり、結晶化によって延性が向上することから、機械的な信頼性も向上することになる。
上記した構造を有する本発明の電動機用ステータ鉄芯やロータ鉄芯は、上記のような特性を備えたものであるから、磁気回路の最適化を図ることができ、これらの両方を電動機に組み込むことによって、大幅な出力向上が可能になる。また、要求特性に応じてその一方を採用することによって、低コストな電動機の作製が可能となる。
なお、本発明において、「非晶質構造を主相とする」とは、粉末断面において、結晶質相に対して非晶質相が支配的であることを意味する。
そして、非晶質構造を主相とする上記金属粉末を用いて成形した鉄芯の所望部分を結晶化するには、例えば、結晶化しようとする部位を誘導加熱することによって行なうことができる。
すなわち、誘導加熱コイルを用いて、部分的に加熱し、冷却することによって結晶相を発現させることができ、磁気特性の異なる2種類以上の粉末を使用することなく、短時間で広い面積を部分的に結晶化させ、当該部分の磁気特性を低下させることが可能となる。また、深さ方向の調整も誘導電流を制御することによって自由に行うことができる。
このとき、結晶化しようとする部位には、粒径の大きい粉末を配置することが望ましい。
すなわち、結晶化させたい部分に絶縁され、しかも粒径の大きな粉末を配置すると、粒径が大きいために粒内でより大きな渦電流が発生することから、当該部分が加熱されやすくなり、早く結晶化されることになり、生産性が向上する。
また、同じく生産性向上の観点からは、結晶化しようとする部位には、抵抗値の低い皮膜を備えた粉末や、絶縁皮膜厚さの薄い粉末や、皮膜のない粉末を配置するようになすこともできる。
すなわち、これによって大きなループの渦電流が発生して、早期に加熱されやすくなり、同様に生産性が向上することになる。
そして、非晶質構造を主相とする上記金属粉末を用いて成形した鉄芯の所望部分を結晶化するには、結晶化しようとする部位に結晶化開始温度(Tx)が低い非晶質粉末を配置して加熱するようになすこともできる。
つまり、焼鈍して磁気特性を改善する工程において、結晶化を起さないTxの高い粉末材料から成る部分は、焼鈍効果により磁気特性が向上する一方、Txの低い粉末材料から成る結晶化させたい部分のみが結晶化によって磁気特性が低下することになる。
また、焼結に際して、結晶化しようとする部位と接触する部分に熱伝導率の低い材料を配設した燒結型を用いることによっても、低熱伝導率材料に当接する部分の冷却速度が遅くなることから、鉄芯の所望部分を結晶化することができる。
これによって、鉄芯の成形後に加熱などの処理をする必要がなく、一回の工程で成形することができるため、生産性が大幅に向上することになる。
以下、本発明を図面に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、電動機用ステータ鉄芯の基本的な一般構造を示すものであって、図に示すステータ1は、分割集中巻型のステータであって、T字型をなす複数のステータ鉄芯(分割コア)10から構成されている。
当該ステータ鉄芯10の各突極11には、モータに要求される特性に応じて、必要な線径の絶縁皮膜付き導体線が必要な巻数だけ巻回されることによって、コイルCがそれぞれ形成されている。
上記ステータ1は、このようなステータ鉄芯10が多数連なって円を描くように配置され、例えばアルミニウム合金製ケース(図示せず)に焼きばめすることによって固定されており、モータに組み込まれた状態において、環状をなす当該ステータ1の内周側には、図示しない円筒形状のロータが配設され、両軸端において、ベアリングによって回転自在に支持されるようになっている。
上記ステータ鉄芯10は、純鉄から成り、図2に示すような形状を有する2種類の金属粉末2a(2b)を用いて加圧成形したものであって、当該金属粉末2a(2b)の表面には、リン酸塩処理によって絶縁皮膜3をそれぞれ形成した。
これら金属粉末2a(2b)は、いずれも純鉄溶湯を水アトマイズすることにより100μm程度の粒径としたものであって、ここでは金属粉末2aとしては、Hoganas AB社のSomaloy500、及び金属粉末2bとしては、低鉄損材料であるSomaloy700を使用した。
この実施例においては、これら金属粉末2a及び2bを使い分けることによって、図3に示すようなステータ鉄芯10aを成形した。
一般に、このようなステータ鉄芯においては、角部のような部分に磁束が集中する結果、鉄損(コアロス)が大きくなることから、当該実施例においては、まず低鉄損材料から成る金属粉末2b(Somaloy700)を用いて、角部の形状に相当するL字状断面を備えた角部材12を別の成形型によってあらかじめ成形しておき、この角部材12を超硬製のコア成形型内の所定部分に装着した状態で、残りの部分に金属粉末2a(Somaloy500)を充填し、800MPaの圧力で加圧成形した。
このように、この実施例に係わるステータ鉄芯10aにおいては、磁束が集中する角部が低鉄損材料粉末2bから成るものであるから、当該角部分に磁束が集中しても、鉄損の少ない高能率のモータ(電動機)とすることができる。
(実施例2)
まず、鉄芯材料として用いる金属ガラス(非晶質金属)粉末を次の手順によって製造した。
すなわち、Fe,Ga,B,Si,Fe−C合金,Fe−P合金を所定量秤量した後、高周波溶解炉を用いてArガス中で溶解を行ない、Fe77Ga9.5Si2.5となる化学世分組成を有するインゴットを製作した。得られたインゴットを減圧Ar雰囲気中で再度溶解し、Arガスで噴霧してガスアトマイズを行った。アトマイズされた粉末をふるいを用いて分級した。このようにして得られた粉末は金属ガラスとなっていることが確認された。
次に、パウレック社の流動層形式のコーティング装置を使用し、上記粉末を気流中で循環させ、これに絶縁皮膜剤をスプレーすることによって、粉末表面をコーティングし、絶縁皮膜を形成した。なお、上記絶縁皮膜剤としては、リン酸塩を使用した。このとき、リン酸塩は粉末に対する重量比で1%以下が絶縁性と軟磁気特性の関係から好ましい。
得られた粉末を成形型に充填して、SPS焼結(放電プラズマ焼結)を行ない、上記同様に突極11を備えた略T字状をなすステータ鉄心用の焼結体を得た。このとき、加圧圧力を600MPaとし、金属ガラス材料が有するガラス転移温度Tgよりも40℃低い温度で焼結した。
なお、上記焼結温度は、実際の焼結体温度が測定できないので、多くの予備実験を重ねることによって、結晶化することなく、密度の高い焼結体が得られる条件として把握したものである。
次に、このようにして得られた鉄芯用焼結体の突極11の先端部における鍔部11aに表面側から熱を加えて、局部的に加熱し、図4に示すように、当該鍔部11aの図中上端側の角部領域Pを部分的に結晶化させることによって、本例のステータ鉄芯10bを得た。
金属ガラスから成る焼結体は、図5に示すように、非晶質状態では優れた軟磁気特性を有する一方、結晶化してしまうと飽和磁束密度が低下する特性を示すことから、結晶化した領域の磁束密度は低下することになる。
圧粉材料を使用した鉄芯の設計に際して、突極11における先端部の鍔部11aの形状については、通常、図6に示すように、先広がり形状に設計する。
ところが、圧粉材料は強度が低いことから、先端の鍔部の厚さtを薄くしすぎるとモータ駆動時の電磁力による応力に耐えられなくなる可能性がある一方、厚くしてしまうと隣接する突極へ迂回してしまう磁束が増加してモータ出力が向上しないことになる。
この実施例では、図7に示すように鍔部11aを厚く成形しており、その巻線スロット側の一部に結晶化領域Pを設けることによって、巻線スロット側方向や隣接する突極先端鍔部へ磁束が回り込み難くするようにしており、これによってモータ出力が向上すると共に、鍔部11aが巻線スロット側に肉厚が厚くなっていることから、当該鍔部11aに作用する応力を分散させて、鉄芯10bを高強度化することができるようになる。
(実施例3)
図8は、電動機用ロータの代表的な一般構造を示すものであって、図に示すロータにおけるロータ鉄芯20には、磁石を装填するための孔が形成されており、その内部に磁石21が挿入され、接着剤によって固定されるようになっている。
図示したロータのような場合には、磁石の側面を迂回してしまう漏れ磁束が発生してステータ側から来る磁束と対向してトルクを生み出す有効な磁束量を減少させてしまうために、図9に示すように、ロータ鉄芯20の磁石側面に空間Qを設けて磁束を迂回させないようなバリアを設けるようにしている。
図10は、本実施例によるロータ鉄芯の構造を示すものであって、図に示すロータ鉄芯20aにおいては、上記実施例2において使用した金属ガラス粉末を用いて、同様の要領によって所定のロータ鉄芯形状に焼結した後、図9に示したようなフラックスバリア(空間Q)を設けることなく、磁石21の磁束方向に直行する面に当接する領域Rを局部的に加熱することによって、磁石間スペースの一部に結晶化領域Rを形成することによって、ロータの機械的強度を損なうことなく、漏れ磁束を減少させるようにしている。
(実施例4)
図11は、上記した実施例2において、ステータ鉄芯10bにおける突極11の先端部の鍔部11aを局部的に加熱することによって、当該鍔部11aの角部領域Pを結晶化させるに際して、誘導加熱コイルを適用する要領を示す簡略図である。
結晶化したい部位の形状に応じた高周波コイル30が用いられ、当該コイル30は、高周波電源31に接続されている。
高周波コイル30に通電されると、ステータ鉄芯10bには高周波の誘導電流が印加されて部分的に加熱され、加熱された部分が結晶化開始温度Txを超えたときに、当該加熱部分が結晶化されることになる。
ここで使用した金属ガラス粉末の結晶化開始温度Txは約460度であり、この温度を超えるように制御して、通電を停止すると加熱部分が結晶化した状態で冷却されることによって、部分的な結晶化が可能となる。なお、このような誘導加熱は、細長い形状のコイルを用いることによって、上記実施例3に示したように磁石孔側面にも適用することができるようになる。
(実施例5)
上記実施例2及び3で使用したような金属ガラスにおいては、成分調整によってその結晶化開始温度Tx及びガラス転移温度Tgを変化できることができ、例えば上記金属ガラスの組成に対して、P(リン)の含有量を少なくし、その分だけSi(けい素)を多くすることによって、結晶化開始温度Txが低下する傾向がある。
そこで、図12に示すように、結晶化開始温度(Tx)が低い第1の金属ガラス粉末を結晶化させたい領域Pに配置する一方、残りの領域には結晶化開始温度(Tx)が高い第2の金属ガラス粉末を充填してSPS焼結を行った。
そして、得られた焼結体の磁気的特性を改善するために焼鈍するに際して、図13に示すように、結晶化して欲しい部位Pに配置した第1の粉末の結晶化開始温度Tx以上、かつ結晶化開始温度が高い第2の金属ガラス粉末のガラス転移温度Tg以下の温度で焼鈍することによって、結晶化して欲しい領域Pが結晶化し、他の部分は結晶化することなく、焼鈍されて磁気特性が改善されることになり、実施例2と同様の磁気特性を備えたステータ鉄芯10cを得た。
(実施例6)
上記実施例2において得られたガスアトマイズド粉末を分級工程において、平均粒径が50μm以上の金属ガラス粉末と、38μm以下の金属ガラス粉末とに区別し、それぞれに同様の処理を施すことによって絶縁皮膜を形成した。
そして、図14(a)に示すように、平均粒径が50μm以上の粗粒粉末2cを結晶化させたい領域Pに配置する一方、それ以外の部分には平均粒径が38μm以化の細粒粉末2cを充填して、同様にSPS焼結を行った。
このようにして成形された焼結体の先端部鍔部11aを誘導加熱することによって、所望の領域Pが結晶化し、実施例2と同様に結晶相と非晶質相の2相を有するステータ鉄芯10dを得た。
このとき、粉末2cから成る粒径の大きな部分では、図14(b)に示すように、粒内でより大きな渦電流が発生することから、発熱量が大ききくなって早急に加熱することができるようになって、生産性が向上する。また、粒径が大きい粉末2cは、アトマイズの特性によって粉末形成時の冷却速度が遅くなることから、結晶核などを含んだ非晶質層と、結晶核の混合層となっており、比較的結晶化しやすい傾向があることから、結晶化するには好適な材料と言える。
したがって、当該実施例においては、短時間で明瞭な境目を持った結晶相と非晶質相の2相を有する鉄芯を提供することが可能となる。
(実施例7)
上記実施例2において得られたガスアトマイズド粉末を2つに区分し、一方のみに、上記実施例と同様に絶縁皮膜を形成した。
そして、図15に示すように、絶縁皮膜のない金属ガラス粉末2eを結晶化させたい領域Pに配置する一方、それ以外の部分には絶縁皮膜を備えた金属ガラス粉末2dを充填して、同様にSPS焼結を行った。
このようにして成形された焼結体の先端部鍔部11aを同様に誘導加熱することによって、所望の領域Pが結晶化し、実施例2と同様に結晶相と非晶質相の2相を有するステータ鉄芯10eが得られた。
このように、結晶化させたい部分に絶縁皮膜のない粉末2eを適用することによって、
当該部分におおきなループの渦電流が発生することから、誘導加熱され易くなり、温度上昇による結晶化が促進されて、生産性を向上させることができる。
なお、当該実施例においては、絶縁皮膜のない粉末2eを用いた例を示したが、結晶化させたい部分に、他の部分に配置した粉末よりも絶縁皮膜層を薄く形成した粉末や、絶縁性の低い(低抵抗値)絶縁皮膜層を形成した粉末を用いることによっても、同様の効果が得られることになる。
(実施例8)
図16は、本発明に用いるステータ鉄芯用燒結型の構造例を示すものであって、図に示す焼結型40は、主にオーステナイト系ステンレス鋼SUS316から成るものであるが、ステータ鉄芯の突極先端鍔部11aにおける結晶化させたい領域Pに当接する部分に、熱伝導率の低いセラミックス材料から成る低熱伝導部材41を配置したものである。
このような焼結型40を用いることによって、低熱伝導率部材41に当接する部分の冷却速度が遅くなることから、1種類の金属ガラス粉末から、成形後に熱処理を施したりすることなく、ただ1回の工程で、所望部位である先端鍔部11aの領域Pのみを結晶化することができる。
電動機用ステータ鉄芯の基本構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に用いた金属粉末の形状を示す概略図である。 本発明の第1の実施例により得られたステータ鉄芯の構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施例により得られたステータ鉄芯の構造を示す断面図である。 金属ガラスから成る焼結体の非晶質状態と結晶化状態におけるB−Hカーブを比較して示すグラフである。 電動機用ステータ鉄芯の形状特性についての説明図である。 本発明の第2の実施例により得られたステータ鉄芯の鍔部の形状を示す断面図である。 電動機用ロータ鉄芯の基本構造を示す断面図である。 一般のロータ鉄芯におけるフラックスバリアの形成例を示す説明図である。 本発明の第3の実施例により得られたロータ鉄芯の構造を示す断面図である。 ステータ鉄芯の鍔部の加熱に誘導加熱を適用した本発明の第4の実施例の要領を示す概略説明図である。 結晶化開始温度の異なる金属ガラス粉末を用いた第5の実施例の要領を示す概略説明図である。 第5の実施例における焼鈍温度の設定要領を示すグラフである。 粒度の異なる金属ガラス粉末を用いた第6の実施例の要領を示す概略説明図(a)及びその原理を示す説明図(b)である。 表面に絶縁皮膜のない金属ガラス粉末を部分的に使用した第7の実施例の要領を示す概略説明図である。 本発明に用いるステータ鉄芯用燒結型の構造例を示す概略図である。
符号の説明
1 ステータ
2a,2b,2c,2d,2e 粉末
3 絶縁皮膜
10a,10b,10c,10d,10e ステータ鉄芯
11 突極
11a 鍔部
20a ロータ鉄心
21 磁石
40 焼結型
41 低熱伝導部材

Claims (12)

  1. Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、表面に絶縁皮膜を備え、磁気特性の異なる2種類以上の粉末を部位に応じて配置し、成形して成ることを特徴とする電動機用鉄芯。
  2. 第1の粉末から成る成形体を装填した型内に、第1の粉末とは磁気特性の異なる第2の粉末を充填して一体成形したものであることを特徴とする請求項1に記載の電動機用鉄芯。
  3. 上記粉末における磁気特性の相違が結晶質相と非晶質相の割合に基づくものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動機用鉄芯。
  4. 非晶質構造を主相とし、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とすると共に、表面に絶縁皮膜を備えた粉末を成形して成り、部位に応じて結晶化させたものであることを特徴とする電動機用鉄芯。
  5. ステータ鉄芯であって、当該ステータ鉄芯の突極先端部における鍔部分の一部が結晶化していることを特徴とする請求項4に記載の電動機用鉄芯。
  6. ロータ鉄芯であって、当該ロータ鉄芯に挿入される複数の磁石間のスペースが部分的に結晶化していることを特徴とする請求項4に記載の電動機用鉄芯。
  7. 請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の電動機用鉄芯の一部を結晶化するに際して、結晶化させる部位を誘導加熱することを特徴とする電動機用鉄芯の製造方法。
  8. 結晶化させる部位に粒径の大きい粉末を配置することを特徴とする請求項7に記載の電動機用鉄芯の製造方法。
  9. 結晶化させる部位に、抵抗値の低い絶縁皮膜を備えた粉末、絶縁皮膜厚さの薄い粉末及び皮膜のない粉末から成る群より選ばれた少なくとも1種の粉末を配置することを特徴とする請求項7に記載の電動機用鉄芯の製造方法。
  10. 請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の電動機用鉄芯の一部を結晶化するに際して、結晶化させる部位に結晶化開始温度(Tx)が低い非晶質粉末を配置して加熱することを特徴とする電動機用鉄芯の製造方法。
  11. 請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の電動機用鉄芯の一部を結晶化するに際して、結晶化させる部位に当接する部分に、熱伝導率の低い材料を配設して成る燒結型を用いて焼結することを特徴とする電動機用鉄芯の製造方法。
  12. 請求項5に記載のステータ鉄芯及び/又は請求項6に記載のロータ鉄芯を用いて成ることを特徴とする電動機。
JP2006347350A 2006-12-25 2006-12-25 電動機用鉄芯及び電動機 Pending JP2008160978A (ja)

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