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JP2008144083A - 接着剤組成物、接着フィルムおよび剥離方法 - Google Patents

接着剤組成物、接着フィルムおよび剥離方法 Download PDF

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JP2008144083A
JP2008144083A JP2006335081A JP2006335081A JP2008144083A JP 2008144083 A JP2008144083 A JP 2008144083A JP 2006335081 A JP2006335081 A JP 2006335081A JP 2006335081 A JP2006335081 A JP 2006335081A JP 2008144083 A JP2008144083 A JP 2008144083A
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peeling
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Takahiro Asai
隆宏 浅井
Koichi Misumi
浩一 三隅
Atsushi Miyanari
淳 宮成
Yoshihiro Inao
吉浩 稲尾
Akihiko Nakamura
彰彦 中村
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】加熱することによって接着力が低減し、これによって接着剤層を基板から容易に剥離することができる接着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る接着剤組成物は、単量体組成物を重合してなる重合体を主成分とする接着剤組成物内にマイクロカプセルを含んでいることを特徴としている。上記マイクロカプセルは、接着剤組成物を被接着物から剥離するときに加えられる熱によって気化する芯物質と、芯物質を内包し、かつ上記接着剤組成物に対して不溶であり、刺激が加えられることによって破壊される皮膜とからなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、加熱することによって接着力を低減させることができる接着剤組成物、接着フィルム、およびそれらの剥離方法に関する。
携帯電話、デジタルAV機器およびICカードなどの高機能化にともない、搭載される半導体シリコンチップ(以下、チップ)の小型化、薄型化および高集積化への要求が高まっている。また、CSP(chip size package)およびMCP(multi-chip package)に代表されるような複数のチップをワンパッケージ化する集積回路についても、その薄型化が求められている。その中において、一つの半導体パッケージの中に複数の半導体チップを搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)は、搭載されるチップを小型化、薄型化および高集積化し、電子機器の高性能化、小型化かつ軽量化を実現する上で非常に重要な技術となっている。
電子機器の高性能化、小型化かつ軽量化を実現するためには、チップの厚さを150μm以下にまで薄くする必要がある。さらに、CSPおよびMCPにおいては100μm以下、ICカードにおいては50μm以下にチップを研削し、薄板化するための研削工程を行う必要がある。しかし、チップのベースとなる半導体ウエハは、研削することにより肉薄となるため、その強度は弱くなり、半導体ウエハにクラックおよび反りが生じやすくなる。また、薄板化した半導体ウエハは、搬送を自動化することができないため、人手によって行わなければならず、その取り扱いが煩雑であった。
そのため、研削する半導体ウエハにサポートプレートと呼ばれるガラスまたは硬質プラスチックなどを貼り合せることによって、半導体ウエハの強度を保持し、クラックの発生および半導体ウエハに反りが生じることを防止するウエハサポートシステムが開発されている。また、ウエハサポートシステムにより、半導体ウエハの強度を維持することができるため、薄板化した半導体ウエハの搬送を自動化することができる(例えば、特許文献1参照)。
ウエハサポートシステムにおいて、最終的に、サポートプレートは半導体ウエハから取り外される。したがって、半導体ウエハとサポートプレートとを一時的に貼り合せるための接着物質は、その接着強度が強いことだけでなく、薄い半導体ウエハから容易に、かつ半導体ウエハに残存することなく剥離できるものでなければならない。
接着物質を剥離するためには、サポートプレートと半導体ウエハとの間に位置する接着物質の層(接着剤層)に剥離液を浸透させなければならないため、半導体ウエハからサポートプレートを剥離するまでに長時間を要する。そのため、短時間で半導体ウエハからサポートプレートを剥離するためには、剥離時に接着物質の接着力をある程度低減させる必要がある。
例えば、特許文献2および3には、あらかじめ接着物質の構成成分として光および/または熱によって発泡する成分を含有しておくことによって、剥離時に接着物質を発泡させ、該接着物質の接着力を低減させることが開示されている。
また、特許文献4には、光を照射することによって酸を発生させる成分をさらに含有し、発泡による作用だけでなく酸の作用によっても接着物質の接着力を低減させ、剥離を容易とする方法が開示されている。
特開2005−191550号公報(平成17年7月14日公開) 特開2004−43732号公報(平成16年2月12日公開) 特開2004−2547号公報(平成16年1月8日公開) 特開2005−290146号公報(平成17年10月20日公開)
ガラス転移点(Tg)が100℃以下である接着物質は、100〜200℃に加熱することによって、硬化していた接着物質がゲル化するために接着力が低減し、容易に剥離することができる。しかし、ガラス転移点(Tg)が高くなるにつれて接着物質はゲル化しにくくなり、100〜200℃程度の加熱では接着力が低減されず、剥離が困難となる。また、ガラス転移点(Tg)が100℃以上の接着物質では、200℃以上に加熱することにより剥離液に不溶な物質が形成されてしまい、剥離が困難になるという問題を有している。
また、例えば、接着物質を半導体ウエハとサポートプレートとの接着に用いる場合には、上述した研削工程において、蛍光灯などの光照射下にて作業を行うため、光によって接着力が低減しない接着物質を用いる必要がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、加熱によって接着力が低減し、接着剤組成物を被接着物から容易に剥離することができる接着剤組成物、接着フィルム、およびそれらの剥離方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、単量体組成物を重合してなる重合体を主成分とする接着剤組成物であって、接着剤組成物を被接着物から剥離するときに加えられる熱によって気化する芯物質と、芯物質を内包し、かつ、上記接着剤組成物に対して不溶であり、刺激が加えられることによって破壊される皮膜とからなるマイクロカプセルを含むことを特徴とする接着剤組成物である。
また、本発明の第2の態様は、フィルム上に、第1の態様の接着剤組成物を含む接着剤層を備えていることを特徴とする接着フィルムである。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様の接着剤組成物を基板に塗布し、上記接着剤組成物を乾燥させるためにプリベークするか、もしくは、第2の態様の接着フィルムを基板に貼着することによって、基板上に接着剤層を形成した後、上記基板から上記接着剤層を剥離する剥離方法であって、上記基板および上記接着剤層を150〜200℃の範囲で加熱する加熱工程の後、上記基板と上記接着剤層とを剥離液を用いて剥離する剥離工程を行うことを特徴とする剥離方法である。
本発明に係る接着剤組成物は、以上のように、接着剤組成物内に、接着剤組成物を被接着物から剥離するときに加えられる熱によって気化する芯物質と、芯物質を内包し、かつ上記接着剤組成物に対して不溶であり、刺激が加えられることによって破壊される皮膜とからなるマイクロカプセルを含んでいることを特徴としている。
上記構成によれば、刺激によって皮膜が破壊されることによって、芯物質がマイクロカプセルから放出される。放出された芯物質は、接着剤組成物を加熱する熱によって気化し、その体積を増加する。すなわち、芯物質は、接着剤組成物内で加熱されることによって気泡となり、接着剤組成物の接着力を低減させる。これによって、接着剤組成物を被接着物から容易に剥離することができるという効果を奏する。
また、例えば、本発明に係る接着剤組成物を半導体ウエハとサポートプレートとの貼り合せに用いた場合には、接着力を低減させるとともに半導体ウエハとサポートプレートとの間に隙間を生じさせることができる。これによって、半導体ウエハとサポートプレートとの間に剥離液を容易に浸透させることができ、半導体ウエハをサポートプレートから容易に剥離することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明に係る接着剤組成物の一実施の形態について、以下に説明する。接着剤組成物は、接着剤としての用途に用いるのであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではない。本実施の形態では、ウエハサポートシステムにおいて、半導体ウエハをサポートプレートに一時的に接着する用途に用いた場合を例に挙げて説明する。
なお、本明細書等における「サポートプレート」とは、薄板化する半導体ウエハに貼り合せることによって、薄化した半導体ウエハにクラックおよび反りが生じないように保護するために用いられる基板のことである。
(接着剤組成物の構成)
本発明に係る接着剤組成物は、単量体組成物を重合してなる重合体を主成分とする接着剤組成物内にマイクロカプセルが含まれている構成である。本実施の形態では、まず、本発明の特徴点に関わるマイクロカプセルについて説明し、次に単量体組成物について説明する。
なお、本明細書等における「主成分」とは、組成物に含まれる全成分のうち、50質量%を越える成分であることを意味しており、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%であることがさらに好ましい。
(マイクロカプセルの構成および粒径)
本発明における「マイクロカプセル」とは、芯物質をミクロン単位の小さな粒子とし、個々の粒子をそれぞれ薄い皮膜で包んだ複合体である。芯物質および皮膜については、後で詳述する。
マイクロカプセルの粒径は、1〜3μmの範囲であることが好ましく、1〜2.5μmの範囲であることがより好ましい。マイクロカプセルの粒径を上記範囲内とすることによって、接着剤組成物を半導体ウエハまたはサポートプレートに塗布したとき、塗布膜の膜厚が不均一となることを抑制することができる。また、上記範囲内であれば、マイクロカプセルを容易に製造することができる。
(芯物質の性質および種類)
本実施の形態に係るマイクロカプセルの芯物質は、接着剤組成物を被接着物から剥離するときに加えられる熱によって気化する物質であり、100〜200℃の範囲の温度で気化する物質であることが好ましく、120〜200℃の範囲の温度で気化する物質であることがより好ましい。これは、芯物質の沸点が100〜200℃の範囲であることが好ましく、120〜200℃の範囲であることがより好ましいと言い換えることができる。上記芯物質としては、疎水性の有機溶剤を挙げることができる。具体的には、キシレン、エチルベンゼン、トルエンであることが好ましい。
これによって、従来、200℃を超える温度にまで加熱する必要があった接着剤組成物であっても、100〜200℃程度の加熱によって接着力を低減させ、容易に剥離することができる。また、ウエハサポートシステムによるチップの作製工程における100℃程度の加熱によって、接着剤組成物の接着力が低減してしまうことを防ぐことができる。
(皮膜の性質および種類)
本実施の形態に係るマイクロカプセルの皮膜は、接着剤組成物に対して不溶であり、何らかの刺激が加えられることによって破壊されるものであれば、特に限定されるものではない。皮膜を破壊する刺激としては、例えば、熱、光、または物理的衝撃などを挙げることができる。
熱による皮膜の破壊は、熱により膨張した芯物質がマイクロカプセルの内圧を高め、皮膜がこの内圧に耐えられなくなることによって引き起こされる。したがって、皮膜は、芯物質の沸点付近の温度で破壊されることが好ましい。具体的には、皮膜が破壊される温度は、100℃以上であることが好ましく、100〜200℃の範囲であることがより好ましい。
このような皮膜として、例えば、メラミン樹脂、ゼラチン、尿素樹脂、ウレタン樹脂、およびポリウレア樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、メラミン樹脂であることがより好ましい。
また、光による皮膜の破壊は、ポジ型の感光性樹脂からなる皮膜が光の照射により分解し、接着剤組成物の溶剤に溶解することによって引き起こされる。
また、皮膜の破壊に用いる光の波長は、特に限定されるものではないが、紫外線であることが好ましく、g線、h線およびi線であることがより好ましい。
また、物理的衝撃による皮膜の破壊は、外部から衝撃により皮膜が物理的に破壊されることによって引き起こされる。物理的衝撃としては、例えば、半導体ウエハとサポートプレートとを貼り付けるときの衝撃などを挙げることができる。
なお、皮膜の厚さは、皮膜を構成する樹脂の種類や、皮膜を破壊する上記刺激に応じて適切な厚さとなるように、適宜設定すればよい。
(マイクロカプセルの添加量)
マイクロカプセルの添加量は、単量体組成物を重合してなる重合体に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。
マイクロカプセルの添加量を30重量%以下とすることによって、接着剤組成物の透明性が低下することを防ぐことができる。これによって、半導体ウエハとサポートプレートとの貼り合せにおいて、レーザによるサポートプレートの位置合せを行う際に、サポートプレートが検出できなくなることを防ぐことができる。また、マイクロカプセルの添加量を1重量%以上とすることによって、本願発明の効果を十分に得ることができる。
(マイクロカプセルの製造方法)
マイクロカプセルの製造方法は、従来公知の方法を用いることができる。マイクロカプセルの製造方法として、具体的には、特開平5−212268号公開公報に開示された方法で製造することができる。
(単量体組成物の種類)
単量体組成物の種類は、特に限定されるものではないが、スチレンと、環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含むことが好ましい。以下、本明細書における環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを、(メタ)アクリル酸エステルと称し、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと称する。
(メタ)アクリル酸エステルは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレートなどであることが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル系アルキルエステルであることが好ましい。
具体的には、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、およびn−エイコサデシル基などからなるアクリル酸ないしはメタクリル酸のアルキルエステルを挙げることができる。
なお、これらのアルキル基は、直鎖状であってもよいし、また分岐鎖を有していてもよい。また、これらの鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(単量体組成物の配合量)
接着剤組成物の主成分である重合体を構成する単量体組成物において、その配合量は特に限定されるものではない。本実施の形態においては、スチレン、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルの総量を100質量部としたとき、スチレンが10〜70質量部、(メタ)アクリル酸エステルが20〜50質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが10〜50質量部の範囲で配合されていることが好ましい。各単量体組成物を上記範囲で配合することによって、ウエハサポートシステムにおける半導体ウエハとサポートプレートとの接着に対して、好適に用いることができる接着剤組成物とすることができる。
(付記事項)
また、接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、所望により混和性のある添加物、例えば接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されている添加剤をさらに添加含有することができる。
さらに、接着剤組成物は、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、粘度調整のために有機溶剤を用いて希釈してもよい。
上記有機溶剤として、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールまたはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;および乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。特にエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテートあるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体が好ましい。また、接着剤層の膜厚の均一性を向上させるためにこれらに活性剤を添加してもよい。有機溶剤の使用量は、接着剤組成物を塗布する膜厚に応じて適宜設定されるものであり、接着剤組成物が半導体ウエハなどに塗布可能な濃度であれば特に限定されるものではない。一般的には、接着剤組成物の固形分濃度が20〜70質量%、好ましくは25〜60質量%の範囲内となるように用いられる。
(接着剤組成物の用途)
本発明に係る接着剤組成物は、特に半導体ウエハをサポートプレートに接着するために用いられる接着剤組成物として使用することによって、優れた効果を発揮する。しかし、一方において、保護テープ等の接着フィルムの接着剤層として用いることも可能であり、その場合にも優れた特性を発揮することができる。
また、上記接着剤組成物は、用途に応じて、例えば、液状のままサポートプレートまたは半導体ウエハの上に塗布して接着剤層を形成する方法、素材のたわみや変形に対応することができる可撓性を有するフィルム上に前もって接着剤層を形成、乾燥しておき、このフィルム(ドライフィルム)をサポートプレートに貼り付けて使用する方法(接着フィルム法)のいずれの方法にも用いることができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1に係る接着剤組成物を用いた接着フィルムについて、実施の形態2として以下に説明する。接着フィルムとは、フィルム(支持フィルム)上に少なくとも接着剤組成物からなる接着剤層を備えているものである。
本実施の形態に係る接着フィルムは、接着フィルムとしての接着用途に用いるのであれば、特に限定されるものではない。本実施の形態では、ウエハサポートシステムにおいて、半導体ウエハをサポートプレートに一時的に接着する用途に用いた場合を例に挙げて説明する。
接着フィルムを用いることにより、サポートプレートまたは半導体ウエハ上に接着剤層を容易に設けることができる。具体的には、露出した接着剤層をサポートプレートまたは半導体ウエハに重ねた後、接着剤層から支持フィルムを剥離することによって、接着剤層を設けることができる。また、接着剤層上にさらにフィルム(保護フィルム)が被膜されている場合には、重ねる前に、接着剤層から保護フィルムを剥離することによって、接着剤層を露出させればよい。
接着フィルムを使用することにより、サポートプレートまたは半導体ウエハの上に直接接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成する場合と比較して、膜厚均一性および表面平滑性の良好な接着剤層を形成することができる。
接着フィルムの製造に使用する支持フィルムとしては、支持フィルム上に成膜された接着剤層を支持フィルムから容易に剥離することができ、サポートプレートまたは半導体ウエハなどの被処理面上に上記接着剤層を転写することができる離型フィルムであれば、特に限定されるものではない。
このような支持フィルムとしては、素材のたわみや変形に対応することができる可撓性を有するフィルムを挙げることができる。具体的には、膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなるフィルムが好ましい。
また、上記支持フィルムは、必要に応じて接着剤層をサポートプレートまたは半導体ウエハなどの被処理面上に転写することが容易となるように離型処理されていることが好ましい。
支持フィルム上に接着剤層を形成するに際しては、接着剤組成物を調製し、アプリケーター、バーコーダー、ワイヤーバーコーダー、ロールコーター、カーテンフローコーターなどを用いて、支持フィルム上に乾燥後の膜厚が5〜100μmとなるように本発明の接着剤組成物を塗布する。これらの中でも、特にロールコーターが、膜厚の均一性に優れ、かつ厚さの厚い膜を効率良く形成することができるため、好ましい。
保護フィルムとしては、フッ素樹脂をコーティングまたは焼き付けした厚さ15〜125μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムおよびポリエチレンフィルムなどが好ましい。
(接着フィルムの使用方法)
接着フィルムから保護フィルムを剥離し、露出した接着剤層をサポートプレートまたは半導体ウエハに重ねて、支持フィルム上から例えば加熱ローラを移動させることによって、接着剤層をサポートプレートまたは半導体ウエハの表面に熱圧着させる。
なお、接着フィルムから剥離した保護フィルムは、例えば、順次巻き取りローラによってロール状に巻き取って保存することによって再利用することが可能である。
〔実施の形態3〕
実施の形態1に係る接着剤組成物からなる接着剤層を剥離する方法について、実施の形態3として以下に説明する。
上記接着剤組成物は、接着剤としての用途に用いるのであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではない。本実施の形態では、ウエハサポートシステムにおいて、半導体ウエハをサポートプレートに一時的に接着する用途に用いた場合を例に挙げて説明する。また、本実施の形態では、熱によって皮膜を破壊することができるマイクロカプセルを用いた場合を例に挙げて説明する。
本実施の形態では、まず、後で剥離する接着剤層を半導体ウエハ上に形成する方法を説明し、その後、該半導体ウエハから該接着剤層を剥離する方法について説明する。
半導体ウエハ上に接着剤層を形成する方法は、以下の2つの工程を含んでいる;(1)接着剤組成物を塗布する工程;(2)塗布した接着剤組成物を乾燥させるためにプリベークする工程。
なお、半導体ウエハ上に接着剤層を形成する工程は、半導体ウエハに実施の形態2に記載の接着フィルムを貼着する工程であってもよい。
また、半導体ウエハから接着剤層を剥離する方法は、以下の2つの工程を含んでいる;(a)半導体ウエハおよび接着剤層を150〜200℃以上に加熱する工程;(b)半導体ウエハと接着剤層との間に剥離液を浸透させる工程。
(接着剤組成物を塗布する工程)
接着剤組成物を半導体ウエハの被処理面に塗布する方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法およびアプリケーター法などの方法を用いることができる。接着剤組成物を塗布するときに、上記の方法を用いると半導体ウエハの周縁部に一段高くなったビート部が形成される場合がある。ビート部が形成された場合には、接着剤組成物を乾燥させる工程に先立ってビート部を溶剤によって除去することが好ましい。
(半導体ウエハ上に接着剤層を形成する工程)
次に、接着剤組成物を乾燥させるためにプリベークし、塗布した接着剤組成物の流動性を低減させ、接着剤層を形成する。プリベークの温度は接着剤組成物中の各成分の種類、配合割合および接着剤層の膜厚によって異なるが、通常は、70〜200℃の範囲であることが好ましく、90〜200℃の範囲であることがより好ましい。また、プリベークの時間は3〜30分程度であることが好ましい。
接着剤層の厚さは半導体ウエハの表面に形成した回路の凹凸に応じて決定する。なお、接着剤層を厚くするために、接着剤組成物の塗布と乾燥とを複数回繰り返してもよい。また、プリベークすることによって接着剤層の膜厚の制御を容易にすることができる。
なお、接着フィルムの貼着方法については、実施の形態2にて詳述したため、ここでは省略する。
形成された接着剤層にサポートプレートを押し付けることによって、半導体ウエハをサポートプレートに接着することができる。
(半導体ウエハおよび接着剤層を150〜200℃に加熱する工程)
半導体ウエハを薄板化する研削工程を行った後、半導体ウエハをサポートプレートから剥離するために、半導体ウエハおよび接着剤層を150〜200℃に加熱する。加熱するための方法としては、ホットプレートを用いることが好ましい。
150〜200℃に加熱することによって、皮膜が破壊されるとともに接着剤層内においてマイクロカプセルから放出された芯物質が気化される。これによって、接着剤層の接着力を低減させるとともに半導体ウエハとサポートプレートとの間に隙間を生じさせることができる。
(剥離液を浸透させる工程)
接着剤層内において芯物質を気化させることにより生じた半導体ウエハとサポートプレートとの隙間に剥離液を浸透させることによって、容易に、かつ短時間に半導体ウエハからサポートプレートを剥離することができる。
半導体ウエハからサポートプレートを剥離するために用いる剥離液としては、上記接着剤組成物を希釈するのに用いられる有機溶剤、あるいは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノールなどの一価アルコール類、γ−ブチロラクトンなどの環状ラクトン類、ジエチルエーテルおよびアニソールなどのエーテル類、ならびにジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアルデヒドなどのアルデヒド類を使用することができる。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびエチルラクテートを主成分とする剥離液が、環境負荷および剥離性の点において特に好ましい。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲にて種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に、本発明に係る接着剤組成物の実施例を示す。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明する例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
(実施例1〜3)
還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた容量300mlの4つ口フラスコに、溶剤としてPGMEA90g、及び、下記表1に示すように、モノマー単量体としてフェノキシエチルアクリレート 20g、メタクリル酸メチル 15g、アクリル酸n−ブチル 13g、スチレン12gを仕込み、Nの吹き込みを開始した。攪拌をはじめることで重合を開始させ、攪拌しながら90℃まで昇温した後、PGMEA13.33gおよびスチレン40gからなる混合溶と、PGMEA 13.33及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.6gからなる混合液とを滴下ノズルより、2時間かけて連続的に滴下した。滴下を通じて滴下速度は一定とした。
滴下終了後に得られた重合反応液を、そのまま1時間、90℃で熟成した後、PGMEA 83.34及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート 0.3gからなる混合液を1時間かけて滴下した。その後、重合反応液を、さらにそのまま1時間、90℃で熟成した後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート 1.0gを一括投入した。
次に、重合反応液を、そのまま3時間、90℃で熟成した後、溶剤の還流が認められるまで重合反応液を昇温した後、1時間熟成し、重合を終了させた。
次に、表2に示すマイクロカプセル(株式会社日本カプセルプロダクツ社製)を、それぞれ得られたアクリル系ポリマーに対して20重量%添加した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、接着剤組成物の固形分濃度が40質量%となるように調整した。
(比較例1)
比較例1に係る接着剤組成物は、マイクロカプセルを添加しないこと以外は、実施例1と同様の方法で得た。
Figure 2008144083
Figure 2008144083
(質量平均分子量の測定)
各接着剤組成物の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。
(接着強度の測定方法)
実施例1〜3および比較例1の各接着剤組成物を用いて、各接着剤組成物の剥離性を評価した。剥離性評価は、接着強度を測定することによって行った。接着強度の測定方法について以下に説明する。
シリコンウエハ上に、実施例1〜3及び比較例1に係る接着剤組成物を塗布した後、150℃で3分間乾燥させた。次に、サポートプレートを150℃で2分間、1kgの加重で接着させた後、各温度環境下において当該サポートプレートを引っ張り、シリコンウエハから剥がれた時の接着強度を縦型電動計測スタンド「MX−500N」(株式会社イマダ社製)を用いて算出した(単位「kg/cm」)。
(接着強度の測定および剥離性評価結果)
実施例1〜3および比較例1に係る接着剤組成物を23℃、および140℃においての接着強度、および140℃においての剥離性評価の結果を表3に示した。また、本実施例における剥離性評価は、上述の方法を用いて算出した接着強度が、1kg/cm以下である場合を「○」、1kg/cmよりも大きい場合を「×」とした。
Figure 2008144083
表3に示すように、マイクロカプセル内の芯物質が気化することによって、高温時における接着剤組成物の接着強度を十分に低減することができることが示された。
本発明に係る接着剤組成物、接着フィルムおよび剥離方法を用いることによって、例えば、ウエハサポートシステムを用いたシリコン貫通電極付チップの製作を容易にすることができ、高性能SiPの実現を可能にすることができる。また今後、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)チップなどの幅広い分野にウエハサポートシステムが応用されるにおいて、併せて本発明の応用も期待することができる。

Claims (9)

  1. 単量体組成物を重合してなる重合体を主成分とする接着剤組成物であって、
    接着剤組成物を被接着物から剥離するときに加えられる熱によって気化する芯物質と、
    芯物質を内包し、かつ、上記接着剤組成物に対して不溶であり、刺激が加えられることによって破壊される皮膜とからなるマイクロカプセルを含むことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 上記芯物質は、100〜200℃の範囲で気化する物質であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物質。
  3. 上記皮膜は、100℃以上に加熱されることによって破壊されることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 上記皮膜は、メラミン樹脂からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 上記単量体組成物は、スチレンと、環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 上記マイクロカプセルの粒径は、1〜3μmの範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  7. 上記重合体に対して、上記マイクロカプセルを1〜30質量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. フィルム上に、請求項1から7のいずれか1項に記載の接着剤組成物を含む接着剤層を備えていることを特徴とする接着フィルム。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の接着剤組成物を基板に塗布し、上記接着剤組成物を乾燥させるためにプリベークするか、もしくは、請求項8に記載の接着フィルムを基板に貼着することによって、基板上に接着剤層を形成した後、上記基板から上記接着剤層を剥離する剥離方法であって、
    上記基板および上記接着剤層を150〜200℃の範囲で加熱する加熱工程の後、上記基板と上記接着剤層とを剥離液を用いて剥離する剥離工程を行うことを特徴とする剥離方法。
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