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JP2008143964A - 液晶ポリエステル溶液組成物およびその用途 - Google Patents

液晶ポリエステル溶液組成物およびその用途 Download PDF

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JP2008143964A JP2006330385A JP2006330385A JP2008143964A JP 2008143964 A JP2008143964 A JP 2008143964A JP 2006330385 A JP2006330385 A JP 2006330385A JP 2006330385 A JP2006330385 A JP 2006330385A JP 2008143964 A JP2008143964 A JP 2008143964A
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Abstract

【課題】カール発生低減と低吸水性に優れる液晶ポリエステルフィルム、該フィルムを形成し得る液晶ポリエステル溶液組成物を提供する。
【解決手段】[1]液晶ポリエステル、イオン交換基を有するポリアミド酸および非プロトン性溶媒を含む溶液組成物。
[2]前記ポリアミド酸が、芳香族テトラカルボン酸二水和物誘導体と、2つのアミノ基と1つ以上のイオン交換基を併せ持つジアミン誘導体とから得られたポリアミド酸である[1]の溶液組成物。
[3]溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリエステルを含有する溶液組成物、該溶液組成物から得られるフィルムに関する。
液晶ポリエステルは耐熱性あるいは低吸水性に優れることから、電気・電子・機械部品などに好適に使用されている。中でも、液晶ポリエステルをフレキシブル配線板(以下、「FPC」と呼ぶこともある)の絶縁ベースフィルムとして用いたものが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、液晶ポリエステルフィルムと、導体層となり得る金属箔とが積層されてなるFPC用基板は、その製造工程においてカールや液晶ポリエステルフィルム表面に皺が発生する場合があり、このようなFPC用基板は、導体層に微細な回路を形成してFPCを製造する際に実用に耐える物が出来ないことが知られている。
かかる問題の改善策として、液晶ポリエステルに他の樹脂をアロイ化させてなるフィルムが種々検討されており、その一例として特許文献2には、ピロメリット酸二水和物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミドと液晶ポリエステルとをアロイ化させたフィルムをFPC用基板の絶縁ベースフィルムに適用したとき、得られるFPC用基板のカールを低減できることが開示されている。
特開2005−342980号公報(特許請求の範囲) 特開2006−008976号公報(実施例)
特許文献2に開示されている絶縁ベースフィルムは、カールを低減するという好適な効果を発現する反面、その絶縁ベースフィルム自身は吸水性(吸湿性)が高く、FPCとしたとき、導体層からの金属イオンのマイグレーションが生じて接続信頼性に影響を与えることから、FPCの電気的特性に弊害を生じる懸念があった。
本発明の目的は、カールを低減でき、且つ電気・電子部品に適用したとき、電気的特性に弊害を及ぼす吸水性が著しく低減化し得る液晶ポリエステルフィルム、該液晶ポリエステルフィルムを形成し得る溶液組成物を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記[1]を提供するものである。
[1]液晶ポリエステル100重量部に対して、式(11)〜式(14)から選ばれる少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアミド酸5〜40重量部および非プロトン性溶媒100〜100000重量部を含む溶液組成物
Figure 2008143964
(式中、Ar1〜Ar12は、それぞれ独立に単環式芳香族基または縮合多環式芳香族基を表す。さらに、Ar1とAr2のうちいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar3、Ar4およびAr5から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar6、Ar7およびAr8から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar9、Ar10、Ar11およびAr12から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基である。Z1、Z2は、それぞれ独立に直接結合、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のフッ素置換アルキレン基を表す。)
さらに、本発明は前記[1]に係る好適な実施態様として下記の[2]〜[5]を提供する。
[2]前記ポリアミド酸が、N−メチルピロリドンを溶媒として0.5g/dl溶液としたときの25℃における還元粘度が0.20〜0.60dL/gのポリアミド酸である[1]記載の溶液組成物。
[3]前記ポリアミド酸が、前記式(11)においてAr2がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(12)においてAr4および/またはAr5がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(13)においてAr6がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、および前記式(14)においてAr11および/またはAr12がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰返し単位を有するポリアミド酸である、[1]または[2]に記載の溶液組成物
[4]前記液晶ポリエステルが、以下の式(1)〜(3)で示される構造単位を含み、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]に対して、式(1)で示される構造単位が30〜80モル%、式(2)で示される構造単位が35〜10モル%であり、式(3)で示される構造単位が35〜10モル%である、[1]〜[3]いずれかの溶液組成物
(1) −O−Ar21−CO−
(2) ―X−Ar22−Y−
(3) −CO−Ar23−CO−
(式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
(4) −Ar24−Z−Ar25
(式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。)
また、本発明は、上記いずれかの液晶ポリエステル組成物を用いて得られる成形体の実施様態として、下記[5]〜[8]を提供する。
[5][1]〜[4]いずれかの溶液組成物を支持体上に流延した後に、熱処理し、支持体を剥離することで得られるフィルム。
[6][5]のフィルムからなる層と導体からなる層とを有することを特徴とする積層フィルム。
[7][1]〜[6]いずれかの溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られる積層フィルム。
[8][6]または[7]の積層フィルムを用いて得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
本発明の溶液組成物から得られるフィルムを備えた積層フィルムは、カールや皺の発生が著しく低減できる。かかる積層フィルムをFPCとして用いると、導体層を加工して配線を作製する際、微細回路の形成が容易であり、前記フィルムの吸水率が低いことから、電気的特性が良好となり、フレキシブルプリント配線板として好適に用いることができるため、工業的に有用である。
本発明の組成物は、液晶ポリエステル、前記の式(11)〜式(14)から選ばれる少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアミド酸および非プロトン性溶媒を含有し、前記液晶ポリエステル100重量部に対して、前記ポリアミド酸5〜40重量部および前記非プロトン性溶媒100〜100000重量部であることを特徴とする。なお、該液晶ポリエステルは2種以上含まれていてもよく、該ポリアミド酸も2種以上含まれていてもよい。液晶ポリエステルまたはポリアミド酸が2種以上含まれている場合は、その合計が前記の範囲の配合量であればよい。
前記ポリアミド酸の配合量は、少なすぎるとカールが生じやすくなり、多すぎると成形体としてフィルムを製造したとき、該フィルムにムラが生じ、FPCの要求特性である耐折曲性が悪化する。より好ましくは前記液晶ポリエステル100重量部に対して、前記ポリアミド酸が10〜40重量部であり、10〜20重量部であると特に好ましい。
なお、本発明の溶液組成物から得られるフィルムが、カールを低減できる理由は定かではないが、本発明者等は、本発明の溶液組成物から得られるフィルムが、前記特許文献2で開示されたフィルムと比較して加熱膨張しにくいことを見出している。すなわち、本発明の溶液組成物から得られるフィルムは、加熱に係る線膨張係数がより低減化されており、かかる線膨張係数の低減化効果によってカールの低減が達成されると推定している。
本発明の溶液組成物に含有されるポリアミド酸はイオン交換基を有する繰返し単位を含むものである。
ここで、イオン交換基としては、カルボキシル基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO32)、スルホン酸基(−SO3H)等の酸基や、アミノ基(−NR’R’’、ただし、R’、R’’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表す。)等の塩基性基が挙げられる。より好ましいイオン交換基としては、弱酸基または弱塩基性基であり、具体的にはカルボキシル基やアミノ基が好適である。また、該酸基は成形時における熱処理によって、容易に酸基に転換されるエステルで保護されていてもよく、アミノ基は成形時における熱処理によって、容易にアミノ基に転換できる基、例えばホルミル基で保護されたアミノ基でもよい。また、該酸基としては、その一部がアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンあるいは4級アンモニウムイオン等で塩を形成してもよいが、全ての酸基が遊離酸の形態であると好ましい。また、該としては、その一部が、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等で塩を形成していてもよいが、全ての塩基性基が遊離塩基性基の形態であると好ましい。
前記式(11)で表される繰返し単位を具体的に例示すると、下記(P1)〜(P3)が挙げられる。
Figure 2008143964
(式中、Xはイオン交換基を表す。n1、m1は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n1+m1は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
前記式(12)で表される繰返し単位を具体的に例示すると、下記(P4)〜(P9)が挙げられる。
Figure 2008143964

Figure 2008143964
(式中、Xはイオン交換基を表す。n2、m21、m22は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n2+m21+m22は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)

前記式(13)で表される繰返し単位を具体的に例示すると、下記(P10)〜(P15)が挙げられる。
Figure 2008143964

Figure 2008143964
(式中、Xはイオン交換基を表す。n31、n32、m3は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n31+m32+m3は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
前記式(14)で表される繰返し単位を具体的に例示すると、下記(P16)〜(P24)が挙げられる。
Figure 2008143964

Figure 2008143964

Figure 2008143964
(式中、Xはイオン交換基を表す。n41、n42、m41、m42は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n41+m42+m41+m42は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
かかるポリアミド酸は、N−メチルピロリドンを溶媒として0.5g/dl溶液としたときの25℃における還元粘度が、0.20〜0.60dL/gであると好ましく、0.25〜0.55dL/gであると、さらに好ましい。該還元粘度が前記の範囲であるポリアミド酸を用いた溶液組成物は、フィルムを成形したとき、当該フィルムの線膨張係数をより小さくできることからカールの低減に対して好ましく、前記ポリアミド酸からイミド環閉環反応を生じて生成するポリイミドと、液晶ポリエステルとの相溶性が良好であることから、成形して得られるフィルムにムラが生じにくいため好ましい。
本発明に適用するポリアミド酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体および芳香族ジアミン誘導体をモノマーとして重合して得られるものであり、これらポリアミド酸を生成するモノマーに、ポリアミド酸を得る重合段階やポリアミド酸がイミド環を生成する閉環反応に関与しないイオン交換基を有するモノマーを用いる。
好適なポリアミド酸としては、前記芳香族ジアミン誘導体として、重合に関与する2つのアミノ基以外に、重合に関与しない1つ以上のイオン交換基を有するジアミン誘導体をモノマーとして用い、重合して得られたポリアミド酸であり、これらは製造上簡便であることからも好ましい。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体としては、1,2,4,5−フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−トルイルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(a−BTDA)、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、2、2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物を挙げることができる。
これらのうち、高耐熱性のフィルムが得られるといった観点から、ビフェニレン残基を有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、具体的には2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、これらから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
このビフェニレン残基を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体を用いた、ポリアミド酸の繰返し単位としては、前記の例示の中で、(P10)、(P16)、(P17)、(P19)または(P22)が挙げられる。
また、芳香族ジアミン化合物誘導体としては、前記のとおり、2つのアミノ基以外にポリアミド酸を得るための重合反応に関与しないイオン交換基を有するものが好ましく、1,3,5−トリアミノベンゼン、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノベンジジン、3,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸が挙げられる。これらも2種以上を用いてポリアミド酸を得ることもできる。
なお、これら芳香族ジアミン誘導体のうち、高耐熱性のフィルムが得られるといった観点から、3,5−ジアミノ安息香酸または3,3’−ジアミノベンジジンが好ましい。
このように、重合に関与しないイオン交換基を有する芳香族ジアミン誘導体を用いると好ましいが、本発明の企図する目的を損なわない範囲であれば、前記のポリアミド酸重合反応に関与しないイオン交換基を有する芳香族ジアミン誘導体の一部を、p−フェニレンジアミン等の、ポリアミド酸重合反応に関与しないイオン交換基を本質的に有さない芳香族ジアミン誘導体に置換してもよい。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体と前記芳香族ジアミン誘導体の組み合わせの中でも、得られるフィルムの耐熱性、寸法安定性をバランス良く向上させるためのポリアミド酸を得るには、下記の(A)〜(D)から選ばれる組み合わせが好適である。
(A):3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および3,5−ジアミノ安息香酸からなる組み合わせ。
(B):3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および3,3’−ジアミノベンジジンからなる組み合わせ。
(C):前記(A)の組合わせにおいて、3,5−ジアミノ安息香酸の一部をp−フェニレンジアミンに置換した組み合わせ。
(D):前記(B)の組合わせにおいて、3,3’−ジアミノベンジジンの一部をp−フェニレンジアミンに置換した組み合わせ。
ここで、前記ポリアミド酸を得るためのモノマー比、すなわち芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体と芳香族ジアミン誘導体との使用モル比率は、[芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体]:[芳香族ジアミン誘導体]で表して、1:1.20〜1:0.80が好ましく、1:1.15〜1:0.85がより好ましい。このように、これらのモノマーのうち一方を他方に対して過剰に使用することにより、得られるポリアミド酸を前記の好ましい還元粘度の範囲に制御することができる。
ポリアミド酸の製造は、例えば反応溶媒の存在下または不在下、反応温度は、通常0〜80℃、好ましくは5〜60℃であり、反応時間は、通常0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間で実施することができる。これらポリアミド酸を得るための製造条件は、ポリアミド酸を得るモノマーの種類により、適宜最適化できる。また、反応溶媒を用いる場合、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、フェノール、クレゾールなどの溶媒を反応溶媒として使用することができる。これらの反応溶媒は単独もしくは2種以上を混合して使用してもよい。
かくして、本発明に適用するポリアミド酸を得ることができるが、該ポリアミド酸にあるカルボキシル基を部分的に閉環してイミド環を生成しているポリアミド酸も、本発明の溶液組成物に適用される非プロトン性溶媒に対する溶解性が著しく悪化しない範囲であれば、適用できる。
該イミド環を生成する方法としては、例えば、i)0〜140℃の温度でイミド化剤の存在下加熱する方法や、ii)150〜350℃の温度で5〜180分間加熱する方法や、化学閉環剤を用いる方法が挙げられる。
このように、ポリアミド酸にあるカルボキシル基を部分的に閉環させて、イミド環を生成させる場合、その反応の進行を、赤外吸収スペクトル法で測定することができる。すなわち、2000〜1000cm-1域にあるアミド特性吸収帯の消失、およびイミド吸収帯の生成で判定するか、3375cm-1あたりのアミド基伸縮振動帯の消滅で判定することができる。なお、かかる赤外吸収スペクトルの測定は、該ポリアミド酸の粉体を用いて透過法であっても、ポリアミド酸を適当な溶媒で溶解して測定する溶液法であってもよい。
次に、本発明に適用する液晶ポリエステルについて説明する。
本発明に使用される液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリマーであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
本発明に適用する好適な液晶ポリエステルとしては、I型と呼ばれる芳香族液晶ポリエステルであると、耐熱性に優れることから好ましい。
芳香族液晶ポリエステルとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジアミン、水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジカルボン酸などから誘導される構造単位を主として有するものであるが、とりわけ液晶性発現の観点から、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]を100モル%としたとき、芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される式(1)で示される構造単位が30〜80モル%であり、芳香族ジオール、芳香族ジアミンおよび水酸基を有する芳香族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される式(2)で示される構造単位が35〜10モル%、芳香族ジカルボン酸から誘導される式(3)で示される構造単位が35〜10モル%からなる芳香族液晶ポリエステルが好ましい。かかる芳香族液晶ポリエステルは好適な液晶性を発現するとともに、後述する好適な非プロトン溶媒に対して、良好な溶解性を有する。
(1) −O−Ar21−CO−
(2) ―X−Ar22−Y−
(3) −CO−Ar23−CO−
(式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
(4) −Ar24−Z−Ar25
(式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。)
式(1)〜式(3)で示される構造単位はそれぞれ前記の化合物から誘導される構造単位であり、これらの構造単位を誘導する化合物を公知の方法によって縮合することで、芳香族液晶ポリエステルを得ることができる。また、これらの構造単位を誘導する化合物の代わりに、これらの化合物のエステル形成性誘導体またはアミド形成性誘導体を用いてもよい。
ここでエステル形成誘導体あるいはアミド形成性誘導体について説明する。
カルボキシル基を有する化合物のエステル形成性誘導体としては、例えば、該カルボキシル基が、ポリエステルまたはポリアミドを生成する反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応活性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
アミノ基のアミド形成性誘導体としては、例えば、アミド交換反応によりポリアミドを生成するように、アミノ基がカルボン酸類とアミドを形成しているものなどが挙げられる。
本発明に適用される芳香族液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
式(1)で示される構造単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸または4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸等に由来する構造単位が挙げられ、式(1)で示される構造単位が2種以上、芳香族液晶ポリエステル中に含まれていてもよい。これらの構造単位の中で、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位を含む芳香族液晶ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(1)で示される構造単位は30〜80モル%であることが好ましく、35〜65モル%であることがより好ましく、40〜55モル%であることがさらに好ましい。式(1)で示される構造単位が前記の範囲であると、溶媒への溶解性が良好となることから、後述する溶液キャスト法を用いて芳香族液晶ポリエステルを容易にフィルムの形態に転化できる上で好ましく、さらに液晶性が維持されることからも好ましい。
式(2)で示される構造単位としては、例えば、レゾルシン、ハイドロキノン、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、または4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルアルコール等に由来する構造単位が挙げられ、式(2)で示される構造単位が2種以上、芳香族液晶ポリエステル中に含まれていてもよい。これらの構造単位の中で、反応性の観点から4−アミノフェノール由来の構造単位を含む芳香族液晶ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(2)で示される構造単位は、10〜35モル%であることが好ましく、17.5〜32.5モル%であることがより好ましく、22.5〜30.0モル%であることがさらに好ましい。式(2)で示される構造単位が前記の範囲であると、液晶性が維持されることから好ましく、さらに溶媒への溶解性も良好となる傾向がある。
式(3)で示される構造単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4'−ジカルボン酸またはベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸に由来する構造単位が挙げられ、2種以上の式(3)で示される構造単位が、全構造単位中に含まれていてもよい。これらの構造単位の中で、溶媒への溶解性の観点から、イソフタル酸由来の構造単位を含む芳香族液晶ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(3)で表される構造単位が10〜35モル%であることがより好ましく、17.5〜32.5モル%であることがより好ましく、22.5〜30.0モル%であることがさらに好ましい。
さらに、溶媒への溶解性を向上させる観点から、式(3)におけるAr23が、イソフタル酸から誘導される構造単位であるか、前記(4)で示される2価の基である構造単位が、全構造単位の合計に対して、少なくとも1モル%以上含まれるものであると好ましく、1〜35モル%含まれると、より好ましく、10〜30モル%含まれるとさらに好ましく、特に好ましくは、かかる構造単位を15〜25モル%含む芳香族液晶ポリエステルである。
式(2)で示される構造単位は、式(3)で示される構造単位は、実質的に等モル当量含まれることが好ましいが、[式(2)で示される構造単位の共重合比]/[式(3)で示される構造単位の共重合比]で表して、0.85〜1.25とすることにより、得られる芳香族液晶ポリエステルの重合度を制御することもできる。
本発明に適用される液晶ポリエステルは、各構造単位を誘導する化合物(モノマー)、即ち、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族アミン、水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジオールまたはこれらのエステル形成性誘導体、アミド形成性誘導体を、公知の方法(例えば、特開2002-220444号公報、特開2002-146003号公報に記載の方法)に準じて重合することにより、製造できる。
より具体的には、本発明の液晶ポリエステルの製造方法は、例えば、式(1)で示される構造単位に対応する芳香族ヒドロキシカルボン酸、式(2)で示される構成単位に対応するフェノール性水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジアミンのフェノール性水酸基やアミノ基を、過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、式(3)で示される構造単位と式(4)で示される構造単位に対応する芳香族ジカルボン酸とをエステル交換・アミド交換して溶融重合する方法などが挙げられる。
前記アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量は、フェノール性水酸基とアミノ基の合計に対して、1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が、この範囲であれば、エステル交換・アミド交換(重縮合)時にアシル化物や原料モノマーなどが昇華しにくく、反応系が閉塞する問題を回避することが可能であり、得られる液晶ポリエステルの着色が著しく低減される傾向がある。
前記アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸または無水イソ酪酸が好ましく、無水酢酸がより好ましい。
エステル交換・アミド交換による重合おいては、アシル化物にあるアシル基がカルボキシル基に対して、0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換・アミド交換による重合は、400℃まで0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、350℃まで0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。
アシル化物とカルボン酸とをエステル交換・アミド交換(重縮合)させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換・アミド交換(重合)は、触媒の存在下に行ってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。
これらの触媒の中で、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が好ましく使用される(特開2002−146003号公報参照)。
該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行うことができる。
エステル交換・アミド交換による重合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固相重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形しても良い。
液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
前記のようにして得られたポリアミド酸と液晶ポリエステルを、非プロトン性溶媒に溶解させることで本発明の溶液組成物を得ることができる。溶解させる手段としては、特に限定されるものではなく公知の手法を用いればよい。例えば、非プロトン性溶媒に前記ポリアミド酸と前記液晶ポリエステルを投入して混合する方法や、ポリアミド酸を非プロトン性溶媒に溶解させた溶液と、液晶ポリエステルを非プロトン性溶媒に溶解させた溶液とを別々に調製して、それらを混合する方法が挙げられる。この場合、別々に調製された溶液にある樹脂濃度を公知の手法で求めておき、本発明の溶液組成物を構成する重量部数になるようにすればよい。また、非プロトン性溶媒にポリアミド酸および/または液晶ポリエステルを溶解させるとき、加熱処理を行うこともできるが、かかる加熱処理を行う際には、ポリアミド酸が閉環反応によりポリイミドとなり、該ポリイミドが該非プロトン性溶媒に不溶化しない範囲で加熱温度を設定する。
前記非プロトン性溶媒としては、例えば、1−クロロブタン、クロロベンゼン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ-テル系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、γ―ブチロラクトン等のラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、アセトニトリル、サクシノニトリル等のニトリル系溶媒、N,N'−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄溶媒、ヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等の含リン溶媒などが挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子を含まない溶媒が環境への影響面から好ましく、双極子モーメントが3以上5以下の溶媒が溶解性の観点から好ましい。具体的には、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒またはγ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒がより好ましく、N,N'−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドンがさらに好ましく使用される。
該溶液組成物には、積層フィルムの製造を損なわない範囲であれば、非プロトン性溶媒以外の溶媒が含まれていても良い。
本発明の溶液組成物は、液晶ポリエステル100重量部に対して、前記ポリアミド酸5〜40重量部および前記非プロトン性溶媒100〜100000重量部からなる。かかる重量部数で混合された溶液組成物は、基材に流延塗布してフィルムを成形する際、該基材上に均一な塗工を可能とする溶液粘度の溶液組成物となる。
さらに作業性や経済性の観点から、液晶ポリエステル100重量部に対して、非プロトン性溶媒が、100〜9900重量部であることがより好ましく、300〜9800重量部であることがさらに好ましい。
また、本発明の溶液組成物は、必要に応じて、フィルターなどによってろ過し、溶液組成物中に含まれる微細な異物を除去してもよい。
さらに、本発明の溶液組成物は、本発明の企図する目的を損なわない範囲であれば、前記の液晶ポリエステルとポリアミド酸以外に、公知のフィラーあるいは添加剤を含んでいてもよい。
前記溶液組成物に適用するフィラーとしては機械的強度を向上させる点で無機フィラーが好適である。
かかる無機フィラーの配合量は液晶ポリエステル100重量に対して10〜50重量部であることが好ましい。無機フィラーの配合量が、このような範囲であると、さらに線膨張係数を低減化する効果が期待できるため好ましい。より好ましくは液晶ポリエステル100重量に対して無機フィラー20〜40重量部の配合量である。
前記無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、マイカ、ガラス、炭酸カルシウム、酸化チタン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなど一般的に使用される無機フィラーが挙げられるが、中でも線膨張率の低減化が期待できる上で、繊維状または板状無機フィラーを利用することが好ましい。
繊維状無機フィラーとしては、アルミナウィスカー、酸化チタンウィスカー、ホウ酸アルニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが挙げられる。その中でも、アルミナウィスカーまたはホウ酸アルニウムウィスカーが特に好適である。
かかる繊維状無機フィラーの形状としては、平均繊維長0.1〜100μmのものが好ましく、平均繊維長0.1〜10μmのものがより好ましく、平均繊維長0.2〜1μmものが最も好ましい。また、アスペクト比(平均繊維長と平均繊維径の比)が3以上のものが好ましく、10以上のものがより好ましい。
板状無機フィラーとしては、雲母(マイカ)、タルク、板状アルミナ、ガラスフレークなどが挙げられる。
該板状無機フィラーの形状としては、平均粒子径0.1〜100μmのものが好ましく平均粒子径0.1〜10μmのものがより好ましい。また、アスペクト比(平均粒子径と平均厚みの比)が3以上のものが好ましく、10以上のものがより好ましい。
前記の繊維状と板状無機フィラーは組み合わせて使用しても構わないし、他のシリカ、アルミナ、ガラス、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどの球状無機フィラーを更に添加しても構わない。
このような無機フィラーは、該溶液組成物にも適用できるし、上記のキャスト成形に適用する組成物にも、好適に用いることができる。
また、上記無機フィラーには公知のカップリング剤、沈降防止剤などで表面処理を施してよい。
前記のようにして得られる溶液組成物は、例えば、溶液キャスト法等の公知の成形法によってフィルムを得ることができ、得られるフィルムは熱処理に係る線膨張係数が著しく低く、電気・電子部品に好適な低吸水性を備えた成形体となりうる。
中でも、本発明の溶液組成物を用いて得られるFPCに好適な積層フィルムの製造方法に係る、好適な実施様態について説明する。
まず、上記溶液組成物を基材に塗布する。塗布する方法としては、例えば、ローラーコート法、ディップコーター法、スプレイコーター法、スピンコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段が挙げられる。
次に基材上に塗布した塗膜から残存する溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発により行うことが好ましい。該溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられるが、中でも生産効率、取り扱い性の観点から加熱して蒸発させることが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発せしめることがより好ましい。
乾燥は塗膜に残存する溶剤量が、塗膜中18重量%以下となるように行う。乾燥温度と時間は任意であるが、本発明では160℃以下、好ましくは150℃以下、なお好ましくは140℃以下で行う。乾燥温度が高すぎると、塗膜面に欠陥が生じやすくなる。また乾燥温度は低すぎると、乾燥に必要な時間がかかり生産性が低下するため、60℃以上で行った方が良い。塗膜中の残溶剤量が18重量%以下、好ましくは15重量%以下となるように予備乾燥を行う。該加熱処理においては、処理温度が200℃から350℃の範囲が好ましく、かかる処理温度の下限は250℃以上がより好ましく、280℃以上が特に好ましい。一方、処理温度の上限は340℃以下がより好ましく、330℃以下が特に好ましい。また、処理時間は10分から15時間の範囲で行う。かかる処理時間の下限は20分以上がさらに好ましく、40分以上が特に好ましい。一方、処理時間の上限は12時間以下がさらに好ましく、10時間以下が特に好ましい。
基材の劣化を防止する観点から処理環境を窒素、アルゴン、ネオンなどの不活性ガスで置換するか、あるいは真空にして処理することが好ましい。
このようにして基材上に作製したフィルムを、該基材から剥離することで線膨張係数が著しく低いフィルムを形成でき、該フィルムを種々の用途に適用することができる。特に、本発明の溶液組成物から得られるフィルムは、電気・電子部品として実用的な吸水性を有し、線膨張係数が著しく低減化されているので、FPCの絶縁ベースフィルムとして好適に用いることができる。
前記のようにして得られたフィルムは、FPCの導体層となる金属箔に貼り付けて使用することもできるが、本発明の溶液組成物は、金属箔に直接流延塗布して、該金属箔上に絶縁ベースフィルムを作製することができる。この場合、基材をフィルムを剥離する以外、前記の「基材」を「金属箔」に置き換えて、容易に実施することができる
なお、該金属箔としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルからなる金属箔が挙げられ、好ましくは、銅箔である。
このような方法で得られた金属箔上に形成された絶縁ベースフィルムの厚みは、特に限定されることはないが、製膜性や機械特性の観点から、1〜500μm程度であることが好ましく、取り扱い性の観点から1〜350μmであることがより好ましい。特に高い絶縁性が要求される場合は、350μm以上に厚くしてもよい。かかる絶縁ベースフィルムの表面は、必要に応じて、研磨処理や、酸あるいは酸化剤などの薬液による処理、紫外線照射処理、プラズマ照射などの処理を行ってもよい。
このようにして得られる積層フィルムは、線膨張係数が著しく低減化されることから、カールの発生を抑制し、寸法安定性にも優れるという効果も発現する。また、低吸水性であることから、FPCの絶縁ベースフィルムはもとより、ビルドアップ法などによる半導体パッケージやマザーボード用の多層プリント基板用フィルム、フレキシブルプリント配線板用フィルム、テープオートメーテッドボンデリング用フィルム、タグテープ用フィルム、電子レンジ加熱用の包装フィルム、電磁波シールド用フィルム、高周波プリント配線基板、高周波ケーブル、通信機器回路、パッケージ用基板等にも、好適に用いることができる。
なお、FPC用基板に適用する場合、本発明の溶液組成物から得られる絶縁ベースフィルムの厚みは、前記の範囲が好ましいが、FPC用途として特に高い絶縁性が要求される場合は、350μm以上にすることもできる。
前記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
また、以下の実施例、比較例で得られた銅張積層フィルムについては、次の方法によりカール性、液晶ポリエステルフィルムの線膨張率、ポリアミド酸溶液組成物の還元粘度および液晶ポリエステル含有単層フィルムの吸水率を測定した。
(銅張積層フィルムのカール性)
液晶ポリエステル積層フィルムを150mm×150mmに切り出し、銅張積層フィルムの銅箔側を下にして定盤に置き、液晶ポリエステル積層フィルムにある銅箔の両端間の距離D(単位:mm)を測定した。
銅張積層フィルムのカールの程度が小さい場合は、次の式により銅張積層フィルムのカール量(単位:mm)を求めた(図1参照。図1において、銅張積層フィルムの銅箔の両端間の距離D(単位:mm)で示す。)。カール量は、0〜1.0mmの範囲となる。
銅張積層フィルムのカール量=(150−D)/150
銅張積層フィルムのカールの程度が大きく、丸まってしまう場合は、上記のカール量が1を超える、と呼ぶ。そのような場合を図2に示す。
カール量が小さいほど、カール性が小さく、優れることを示す。
(液晶ポリエステルフィルムの線膨張率)
セイコー電子株式会社製 熱機械分析装置TMAを用いて、窒素気流下、5℃/分で昇温し、50〜100℃の液晶ポリエステルフィルムの線膨張係数を測定した。引き取り方向をMD、その直角方向をTDとしたときに、それぞれの線膨張係数を測定した。
(ポリアミド酸溶液組成物の還元粘度)
ポリアミド酸をN−メチルピロリドンに濃度が0.5g/dlとなるように溶解してポリアミド酸の高分子溶液を調製した。JIS−K6721に従い、25℃でウベロード型粘度計(芝山化学機器製作所株式会社製の毛細管粘度自動計測装置)を用い、通過時間(t)を測定した。一方、溶媒のN−メチルピロリドンについても同装置を用い、25℃での通過時間(t0 )を測定し、次式により還元粘度(ηred)を算出した。
ηred =(t/t0 −1)/C
上式中、Cは高分子溶液の濃度(g/dL)を意味する。
(液晶ポリエステル含有単層フィルムの吸水率)
フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて、液晶ポリエステル含有単層フィルム0.3gを荷重100kg重下320℃で5分間加圧後、200℃に冷却して錠剤を作製した。次いで、該錠剤を100℃で1時間乾燥後、デシケーターにて終夜保存した。続いて、プレッシャークッカーを用いて85℃・85%RH条件下、168時間静置後吸湿処理前後の重量変化に基づき、吸水率を測定した。
(合成例1)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸941g(5.0モル)、4−アミノフェノール273g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸1123g(11モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で10時間保持し、固相で重合反応を進めた。得られた粉末36gをN−メチル−2−ピロリドン364gに加え、140℃に加熱すると完全に溶解し褐色透明な液晶ポリエステル溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L1とした。
(合成例2)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸4.2g(27.5ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン103.8gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸A溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L2とした。溶液L2の還元粘度は0.44(dl/g)であった。
(合成例3)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン7.1g(33.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン143.1gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸B溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L3とした。溶液L3の還元粘度は0.34(dl/g)であった。
(合成例4)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸1.0g(6.6ミリモル)及びp−フェニレンジアミン2.3g(20.9ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン95.6gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸C溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L4とした。溶液L4の還元粘度は0.32(dl/g)であった。
(合成例5)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン1.4g(6.6ミリモル)及びp−フェニレンジアミン2.3g(20.9ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン99.3gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸D溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L5とした。溶液L5の還元粘度は0.35(dl/g)であった。
(合成例6)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸4.6g(30.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン120.6gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸E溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L6とした。溶液L6の還元粘度は0.75(dl/g)であった。
(合成例7)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン6.4g(30.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン136.8gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸F溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L7とした。溶液L7の還元粘度は0.70(dl/g)であった。
(合成例8)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノベンゼン3.0g(27.5ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン106.8gを加え完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸G溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L8とした。溶液L8の還元粘度は0.49(dl/g)であった。
(実施例1)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
(実施例2)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 10.8gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
(実施例3)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例3で得られた溶液L3 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
(実施例4)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例4で得られた溶液L4 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
(実施例5)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例5で得られた溶液L5 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
(比較例1)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例6で得られた溶液L6 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数認められ、カール性、線膨張係数の測定はできなかった。
(比較例2)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例7で得られた溶液L7 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数多数認められ、カール性、線膨張係数の測定はできなかった。
(比較例3)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例8で得られた溶液L8 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
(比較例4)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 13.5gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数多数認められ、カール性、線膨張係数の測定は不可であった。
(比較例5)
合成例1で得られた溶液L1を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
(比較例6)
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 0.8gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
(比較例7)
合成例2で得られた溶液L2を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
Figure 2008143964
Figure 2008143964
銅張積層フィルムのカール性(カール量が1以下の場合)を表す模式図である。 銅張積層フィルムのカール性(カール量が1を超える場合)を表す模式図である。
符号の説明
1・・・・液晶ポリエステル積層フィルムの金属箔(銅箔)
2・・・・液晶ポリエステル積層フィルムの樹脂層

Claims (8)

  1. 液晶ポリエステル100重量部に対して、式(11)〜式(14)から選ばれる少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアミド酸5〜40重量部および非プロトン性溶媒100〜100000重量部を含む溶液組成物。
    Figure 2008143964
    (式中、Ar1〜Ar12は、それぞれ独立に単環式芳香族基または縮合多環式芳香族基を表す。さらに、Ar1とAr2のうちいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar3、Ar4およびAr5から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar6、Ar7およびAr8から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar9、Ar10、Ar11およびAr12から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基である。Z1、Z2は、それぞれ独立に直接結合、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のフッ素置換アルキレン基を表す。)
  2. 前記ポリアミド酸が、N−メチルピロリドンを溶媒として0.5g/dl溶液としたときの25℃における還元粘度が0.20〜0.60dL/gのポリアミド酸である請求項1記載の溶液組成物。
  3. 前記ポリアミド酸が、前記式(11)においてAr2がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(12)においてAr4および/またはAr5がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(13)においてAr6がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、および前記式(14)においてAr11および/またはAr12がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰返し単位を有するポリアミド酸である請求項1または2に記載の溶液組成物。
  4. 前記液晶ポリエステルが、以下の式(1)〜(3)で示される構造単位を含み、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]に対して、式(1)で示される構造単位が30〜80モル%、式(2)で示される構造単位が35〜10モル%であり、式(3)で示される構造単位が35〜10モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶液組成物。
    (1) −O−Ar21−CO−
    (2) ―X−Ar22−Y−
    (3) −CO−Ar23−CO−
    (式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
    (4) −Ar24−Z−Ar25
    (式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の溶液組成物を支持体上に流延した後に、熱処理し、支持体を剥離することで得られるフィルム。
  6. 請求項5記載のフィルムからなる層と導体からなる層とを有することを特徴とする積層フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られる積層フィルム。
  8. 請求項6または7に記載の積層フィルムを用いて得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
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