JP2008143964A - 液晶ポリエステル溶液組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]液晶ポリエステル、イオン交換基を有するポリアミド酸および非プロトン性溶媒を含む溶液組成物。
[2]前記ポリアミド酸が、芳香族テトラカルボン酸二水和物誘導体と、2つのアミノ基と1つ以上のイオン交換基を併せ持つジアミン誘導体とから得られたポリアミド酸である[1]の溶液組成物。
[3]溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
【選択図】なし
Description
かかる問題の改善策として、液晶ポリエステルに他の樹脂をアロイ化させてなるフィルムが種々検討されており、その一例として特許文献2には、ピロメリット酸二水和物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミドと液晶ポリエステルとをアロイ化させたフィルムをFPC用基板の絶縁ベースフィルムに適用したとき、得られるFPC用基板のカールを低減できることが開示されている。
本発明の目的は、カールを低減でき、且つ電気・電子部品に適用したとき、電気的特性に弊害を及ぼす吸水性が著しく低減化し得る液晶ポリエステルフィルム、該液晶ポリエステルフィルムを形成し得る溶液組成物を提供する。
[1]液晶ポリエステル100重量部に対して、式(11)〜式(14)から選ばれる少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアミド酸5〜40重量部および非プロトン性溶媒100〜100000重量部を含む溶液組成物
(式中、Ar1〜Ar12は、それぞれ独立に単環式芳香族基または縮合多環式芳香族基を表す。さらに、Ar1とAr2のうちいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar3、Ar4およびAr5から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar6、Ar7およびAr8から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar9、Ar10、Ar11およびAr12から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基である。Z1、Z2は、それぞれ独立に直接結合、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のフッ素置換アルキレン基を表す。)
[2]前記ポリアミド酸が、N−メチルピロリドンを溶媒として0.5g/dl溶液としたときの25℃における還元粘度が0.20〜0.60dL/gのポリアミド酸である[1]記載の溶液組成物。
[3]前記ポリアミド酸が、前記式(11)においてAr2がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(12)においてAr4および/またはAr5がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(13)においてAr6がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、および前記式(14)においてAr11および/またはAr12がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰返し単位を有するポリアミド酸である、[1]または[2]に記載の溶液組成物
[4]前記液晶ポリエステルが、以下の式(1)〜(3)で示される構造単位を含み、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]に対して、式(1)で示される構造単位が30〜80モル%、式(2)で示される構造単位が35〜10モル%であり、式(3)で示される構造単位が35〜10モル%である、[1]〜[3]いずれかの溶液組成物
(1) −O−Ar21−CO−
(2) ―X−Ar22−Y−
(3) −CO−Ar23−CO−
(式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
(4) −Ar24−Z−Ar25−
(式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。)
[5][1]〜[4]いずれかの溶液組成物を支持体上に流延した後に、熱処理し、支持体を剥離することで得られるフィルム。
[6][5]のフィルムからなる層と導体からなる層とを有することを特徴とする積層フィルム。
[7][1]〜[6]いずれかの溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られる積層フィルム。
[8][6]または[7]の積層フィルムを用いて得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
前記ポリアミド酸の配合量は、少なすぎるとカールが生じやすくなり、多すぎると成形体としてフィルムを製造したとき、該フィルムにムラが生じ、FPCの要求特性である耐折曲性が悪化する。より好ましくは前記液晶ポリエステル100重量部に対して、前記ポリアミド酸が10〜40重量部であり、10〜20重量部であると特に好ましい。
ここで、イオン交換基としては、カルボキシル基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO3H2)、スルホン酸基(−SO3H)等の酸基や、アミノ基(−NR’R’’、ただし、R’、R’’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表す。)等の塩基性基が挙げられる。より好ましいイオン交換基としては、弱酸基または弱塩基性基であり、具体的にはカルボキシル基やアミノ基が好適である。また、該酸基は成形時における熱処理によって、容易に酸基に転換されるエステルで保護されていてもよく、アミノ基は成形時における熱処理によって、容易にアミノ基に転換できる基、例えばホルミル基で保護されたアミノ基でもよい。また、該酸基としては、その一部がアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンあるいは4級アンモニウムイオン等で塩を形成してもよいが、全ての酸基が遊離酸の形態であると好ましい。また、該としては、その一部が、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等で塩を形成していてもよいが、全ての塩基性基が遊離塩基性基の形態であると好ましい。
(式中、Xはイオン交換基を表す。n1、m1は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n1+m1は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
(式中、Xはイオン交換基を表す。n2、m21、m22は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n2+m21+m22は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
前記式(13)で表される繰返し単位を具体的に例示すると、下記(P10)〜(P15)が挙げられる。
(式中、Xはイオン交換基を表す。n31、n32、m3は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n31+m32+m3は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
(式中、Xはイオン交換基を表す。n41、n42、m41、m42は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、n41+m42+m41+m42は1以上である。同一繰返し単位に、Xが複数あるとき、それらは同一でも異なっていてもよい。)
好適なポリアミド酸としては、前記芳香族ジアミン誘導体として、重合に関与する2つのアミノ基以外に、重合に関与しない1つ以上のイオン交換基を有するジアミン誘導体をモノマーとして用い、重合して得られたポリアミド酸であり、これらは製造上簡便であることからも好ましい。
これらのうち、高耐熱性のフィルムが得られるといった観点から、ビフェニレン残基を有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、具体的には2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、これらから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
このビフェニレン残基を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物誘導体を用いた、ポリアミド酸の繰返し単位としては、前記の例示の中で、(P10)、(P16)、(P17)、(P19)または(P22)が挙げられる。
なお、これら芳香族ジアミン誘導体のうち、高耐熱性のフィルムが得られるといった観点から、3,5−ジアミノ安息香酸または3,3’−ジアミノベンジジンが好ましい。
このように、重合に関与しないイオン交換基を有する芳香族ジアミン誘導体を用いると好ましいが、本発明の企図する目的を損なわない範囲であれば、前記のポリアミド酸重合反応に関与しないイオン交換基を有する芳香族ジアミン誘導体の一部を、p−フェニレンジアミン等の、ポリアミド酸重合反応に関与しないイオン交換基を本質的に有さない芳香族ジアミン誘導体に置換してもよい。
(A):3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および3,5−ジアミノ安息香酸からなる組み合わせ。
(B):3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および3,3’−ジアミノベンジジンからなる組み合わせ。
(C):前記(A)の組合わせにおいて、3,5−ジアミノ安息香酸の一部をp−フェニレンジアミンに置換した組み合わせ。
(D):前記(B)の組合わせにおいて、3,3’−ジアミノベンジジンの一部をp−フェニレンジアミンに置換した組み合わせ。
該イミド環を生成する方法としては、例えば、i)0〜140℃の温度でイミド化剤の存在下加熱する方法や、ii)150〜350℃の温度で5〜180分間加熱する方法や、化学閉環剤を用いる方法が挙げられる。
本発明に使用される液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリマーであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
芳香族液晶ポリエステルとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジアミン、水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジカルボン酸などから誘導される構造単位を主として有するものであるが、とりわけ液晶性発現の観点から、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]を100モル%としたとき、芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される式(1)で示される構造単位が30〜80モル%であり、芳香族ジオール、芳香族ジアミンおよび水酸基を有する芳香族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される式(2)で示される構造単位が35〜10モル%、芳香族ジカルボン酸から誘導される式(3)で示される構造単位が35〜10モル%からなる芳香族液晶ポリエステルが好ましい。かかる芳香族液晶ポリエステルは好適な液晶性を発現するとともに、後述する好適な非プロトン溶媒に対して、良好な溶解性を有する。
(1) −O−Ar21−CO−
(2) ―X−Ar22−Y−
(3) −CO−Ar23−CO−
(式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
(4) −Ar24−Z−Ar25−
(式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。)
カルボキシル基を有する化合物のエステル形成性誘導体としては、例えば、該カルボキシル基が、ポリエステルまたはポリアミドを生成する反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応活性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
式(1)で示される構造単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸または4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸等に由来する構造単位が挙げられ、式(1)で示される構造単位が2種以上、芳香族液晶ポリエステル中に含まれていてもよい。これらの構造単位の中で、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構造単位を含む芳香族液晶ポリエステルが好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(1)で示される構造単位は30〜80モル%であることが好ましく、35〜65モル%であることがより好ましく、40〜55モル%であることがさらに好ましい。式(1)で示される構造単位が前記の範囲であると、溶媒への溶解性が良好となることから、後述する溶液キャスト法を用いて芳香族液晶ポリエステルを容易にフィルムの形態に転化できる上で好ましく、さらに液晶性が維持されることからも好ましい。
全構造単位の合計に対して、式(2)で示される構造単位は、10〜35モル%であることが好ましく、17.5〜32.5モル%であることがより好ましく、22.5〜30.0モル%であることがさらに好ましい。式(2)で示される構造単位が前記の範囲であると、液晶性が維持されることから好ましく、さらに溶媒への溶解性も良好となる傾向がある。
これらの触媒の中で、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が好ましく使用される(特開2002−146003号公報参照)。
該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行うことができる。
液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
該溶液組成物には、積層フィルムの製造を損なわない範囲であれば、非プロトン性溶媒以外の溶媒が含まれていても良い。
さらに作業性や経済性の観点から、液晶ポリエステル100重量部に対して、非プロトン性溶媒が、100〜9900重量部であることがより好ましく、300〜9800重量部であることがさらに好ましい。
かかる無機フィラーの配合量は液晶ポリエステル100重量に対して10〜50重量部であることが好ましい。無機フィラーの配合量が、このような範囲であると、さらに線膨張係数を低減化する効果が期待できるため好ましい。より好ましくは液晶ポリエステル100重量に対して無機フィラー20〜40重量部の配合量である。
かかる繊維状無機フィラーの形状としては、平均繊維長0.1〜100μmのものが好ましく、平均繊維長0.1〜10μmのものがより好ましく、平均繊維長0.2〜1μmものが最も好ましい。また、アスペクト比(平均繊維長と平均繊維径の比)が3以上のものが好ましく、10以上のものがより好ましい。
該板状無機フィラーの形状としては、平均粒子径0.1〜100μmのものが好ましく平均粒子径0.1〜10μmのものがより好ましい。また、アスペクト比(平均粒子径と平均厚みの比)が3以上のものが好ましく、10以上のものがより好ましい。
このような無機フィラーは、該溶液組成物にも適用できるし、上記のキャスト成形に適用する組成物にも、好適に用いることができる。
まず、上記溶液組成物を基材に塗布する。塗布する方法としては、例えば、ローラーコート法、ディップコーター法、スプレイコーター法、スピンコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段が挙げられる。
乾燥は塗膜に残存する溶剤量が、塗膜中18重量%以下となるように行う。乾燥温度と時間は任意であるが、本発明では160℃以下、好ましくは150℃以下、なお好ましくは140℃以下で行う。乾燥温度が高すぎると、塗膜面に欠陥が生じやすくなる。また乾燥温度は低すぎると、乾燥に必要な時間がかかり生産性が低下するため、60℃以上で行った方が良い。塗膜中の残溶剤量が18重量%以下、好ましくは15重量%以下となるように予備乾燥を行う。該加熱処理においては、処理温度が200℃から350℃の範囲が好ましく、かかる処理温度の下限は250℃以上がより好ましく、280℃以上が特に好ましい。一方、処理温度の上限は340℃以下がより好ましく、330℃以下が特に好ましい。また、処理時間は10分から15時間の範囲で行う。かかる処理時間の下限は20分以上がさらに好ましく、40分以上が特に好ましい。一方、処理時間の上限は12時間以下がさらに好ましく、10時間以下が特に好ましい。
基材の劣化を防止する観点から処理環境を窒素、アルゴン、ネオンなどの不活性ガスで置換するか、あるいは真空にして処理することが好ましい。
なお、該金属箔としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルからなる金属箔が挙げられ、好ましくは、銅箔である。
なお、FPC用基板に適用する場合、本発明の溶液組成物から得られる絶縁ベースフィルムの厚みは、前記の範囲が好ましいが、FPC用途として特に高い絶縁性が要求される場合は、350μm以上にすることもできる。
前記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
また、以下の実施例、比較例で得られた銅張積層フィルムについては、次の方法によりカール性、液晶ポリエステルフィルムの線膨張率、ポリアミド酸溶液組成物の還元粘度および液晶ポリエステル含有単層フィルムの吸水率を測定した。
液晶ポリエステル積層フィルムを150mm×150mmに切り出し、銅張積層フィルムの銅箔側を下にして定盤に置き、液晶ポリエステル積層フィルムにある銅箔の両端間の距離D(単位:mm)を測定した。
銅張積層フィルムのカールの程度が小さい場合は、次の式により銅張積層フィルムのカール量(単位:mm)を求めた(図1参照。図1において、銅張積層フィルムの銅箔の両端間の距離D(単位:mm)で示す。)。カール量は、0〜1.0mmの範囲となる。
銅張積層フィルムのカール量=(150−D)/150
銅張積層フィルムのカールの程度が大きく、丸まってしまう場合は、上記のカール量が1を超える、と呼ぶ。そのような場合を図2に示す。
カール量が小さいほど、カール性が小さく、優れることを示す。
セイコー電子株式会社製 熱機械分析装置TMAを用いて、窒素気流下、5℃/分で昇温し、50〜100℃の液晶ポリエステルフィルムの線膨張係数を測定した。引き取り方向をMD、その直角方向をTDとしたときに、それぞれの線膨張係数を測定した。
ポリアミド酸をN−メチルピロリドンに濃度が0.5g/dlとなるように溶解してポリアミド酸の高分子溶液を調製した。JIS−K6721に従い、25℃でウベロード型粘度計(芝山化学機器製作所株式会社製の毛細管粘度自動計測装置)を用い、通過時間(t)を測定した。一方、溶媒のN−メチルピロリドンについても同装置を用い、25℃での通過時間(t0 )を測定し、次式により還元粘度(ηred)を算出した。
ηred =(t/t0 −1)/C
上式中、Cは高分子溶液の濃度(g/dL)を意味する。
フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて、液晶ポリエステル含有単層フィルム0.3gを荷重100kg重下320℃で5分間加圧後、200℃に冷却して錠剤を作製した。次いで、該錠剤を100℃で1時間乾燥後、デシケーターにて終夜保存した。続いて、プレッシャークッカーを用いて85℃・85%RH条件下、168時間静置後吸湿処理前後の重量変化に基づき、吸水率を測定した。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸941g(5.0モル)、4−アミノフェノール273g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸1123g(11モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で10時間保持し、固相で重合反応を進めた。得られた粉末36gをN−メチル−2−ピロリドン364gに加え、140℃に加熱すると完全に溶解し褐色透明な液晶ポリエステル溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L1とした。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸4.2g(27.5ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン103.8gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸A溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L2とした。溶液L2の還元粘度は0.44(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン7.1g(33.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン143.1gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸B溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L3とした。溶液L3の還元粘度は0.34(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸1.0g(6.6ミリモル)及びp−フェニレンジアミン2.3g(20.9ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン95.6gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸C溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L4とした。溶液L4の還元粘度は0.32(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン1.4g(6.6ミリモル)及びp−フェニレンジアミン2.3g(20.9ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン99.3gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸D溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L5とした。溶液L5の還元粘度は0.35(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノ安息香酸4.6g(30.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン120.6gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸E溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L6とした。溶液L6の還元粘度は0.75(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,3’−ジアミノベンジジン6.4g(30.0ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン136.8gを加え完全に溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8g(30.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸F溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L7とした。溶液L7の還元粘度は0.70(dl/g)であった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた100ミリリットルの4つ口フラスコ内を窒素置換した後、3,5−ジアミノベンゼン3.0g(27.5ミリモル)を仕込んだ。次いで、N−メチル−2−ピロリドン106.8gを加え完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物7.4g(25.0ミリモル)を加え、25℃の反応温度で8時間攪拌すると、褐色なポリアミド酸G溶液組成物が得られた。この溶液組成物を溶液L8とした。溶液L8の還元粘度は0.49(dl/g)であった。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 10.8gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例3で得られた溶液L3 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例4で得られた溶液L4 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例5で得られた溶液L5 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、カールのない液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表1に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例6で得られた溶液L6 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数認められ、カール性、線膨張係数の測定はできなかった。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例7で得られた溶液L7 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数多数認められ、カール性、線膨張係数の測定はできなかった。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例8で得られた溶液L8 5.4gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 13.5gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理した。得られた銅張積層フィルムの表面に欠陥が多数多数認められ、カール性、線膨張係数の測定は不可であった。
合成例1で得られた溶液L1を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
合成例1で得られた溶液L1 30gと合成例2で得られた溶液L2 0.8gを室温で混合し、攪拌を行った。次いで、この溶液組成物を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
合成例2で得られた溶液L2を電解銅箔(3EC−VLP,厚み18μm,三井金属(株)製)の上にフィルムアプリケーターを用いて熱処理後の樹脂層厚みが25μmとなるようにキャスト後、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を、樹脂層中の残存溶媒量が18重量%以下になるように除去した後、窒素雰囲気下320℃で熱処理することで、液晶ポリエステルの銅張積層フィルムが得られた。得られたフィルムのカール性、吸水率、線膨張係数を表2に示す。
2・・・・液晶ポリエステル積層フィルムの樹脂層
Claims (8)
- 液晶ポリエステル100重量部に対して、式(11)〜式(14)から選ばれる少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアミド酸5〜40重量部および非プロトン性溶媒100〜100000重量部を含む溶液組成物。
(式中、Ar1〜Ar12は、それぞれ独立に単環式芳香族基または縮合多環式芳香族基を表す。さらに、Ar1とAr2のうちいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar3、Ar4およびAr5から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar6、Ar7およびAr8から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基であり、Ar9、Ar10、Ar11およびAr12から選ばれるいずれか1つはイオン交換基を有する芳香族基である。Z1、Z2は、それぞれ独立に直接結合、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数1〜6のフッ素置換アルキレン基を表す。) - 前記ポリアミド酸が、N−メチルピロリドンを溶媒として0.5g/dl溶液としたときの25℃における還元粘度が0.20〜0.60dL/gのポリアミド酸である請求項1記載の溶液組成物。
- 前記ポリアミド酸が、前記式(11)においてAr2がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(12)においてAr4および/またはAr5がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、前記式(13)においてAr6がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位、および前記式(14)においてAr11および/またはAr12がイオン交換基を有する芳香族基である繰返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰返し単位を有するポリアミド酸である請求項1または2に記載の溶液組成物。
- 前記液晶ポリエステルが、以下の式(1)〜(3)で示される構造単位を含み、全構造単位の合計[(1)+(2)+(3)]に対して、式(1)で示される構造単位が30〜80モル%、式(2)で示される構造単位が35〜10モル%であり、式(3)で示される構造単位が35〜10モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶液組成物。
(1) −O−Ar21−CO−
(2) ―X−Ar22−Y−
(3) −CO−Ar23−CO−
(式中、Ar21は、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4'−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Ar22は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子またはアミノ基を表わす。Ar23は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび下記式(4)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
(4) −Ar24−Z−Ar25−
(式中、Ar24、Ar25は、それぞれ独立に1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンおよび4,4’−ビフェニレンからなる群から選ばれる芳香族基であり、Zは、酸素原子、スルホニル基およびカルボニル基からなる群から選ばれる少なくも1種である。) - 請求項1〜4のいずれかに記載の溶液組成物を支持体上に流延した後に、熱処理し、支持体を剥離することで得られるフィルム。
- 請求項5記載のフィルムからなる層と導体からなる層とを有することを特徴とする積層フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の溶液組成物を、導体からなる層を形成する基材上に流延した後、熱処理して得られる積層フィルム。
- 請求項6または7に記載の積層フィルムを用いて得られるフレキシブルプリント配線板用基板。
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