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JP2008142970A - 電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔 - Google Patents

電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔 Download PDF

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JP2008142970A JP2006330997A JP2006330997A JP2008142970A JP 2008142970 A JP2008142970 A JP 2008142970A JP 2006330997 A JP2006330997 A JP 2006330997A JP 2006330997 A JP2006330997 A JP 2006330997A JP 2008142970 A JP2008142970 A JP 2008142970A
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Abstract

【課題】高い耐熱性及びとフレキシビリティ(柔軟性)を具えると共に、TFT等の電子デバイスを構成する膜の剥離及びクラックの発生を防止することができる電子デバイス基板用絶縁被覆金属箔及びその製造方法を提案する。
【解決手段】電子デバイス基板用絶縁被覆金属箔には、表面粗さRaが30nm以上500nm以下である金属箔と、有機基で修飾された無機ポリマーからなり、前記金属箔の表面を被覆する絶縁膜と、が設けられている。また、有機基で修飾された無機ポリマーの絶縁膜では、Siに結合している有機基がメチル基又はフェニル基の一方又は両方であり、ヤング率が102MPa以上104MPa以下である。また、有機基で修飾された無機ポリマー膜の絶縁膜の厚さが0.8μm以上40μm以下である。前記金属箔が、ステンレス箔であり、光沢度Gs(45°)が300以上500未満で、表面粗さRaが100nm以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等の電子デバイスがその上に形成される基板等として用いられる電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔に関し、特に、有機ELディスプレイ、電子ペーパ等の画像表示装置の基板に好適な電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔に関する。
ポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜等の半導体薄膜を使用したTFTは電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置の駆動素子として開発されている。TFTを駆動素子に用いたアクティブマトリックス型の液晶表示装置は従来のブラウン管(Cathode Ray Tube,CRT)と比較して、薄型、軽量、低消費電力、及び高画質という特徴を具えている上、大画面化も容易である。また、表示媒体として有機EL素子を用いた動画ディスプレイ、及び電子ペーパ等の次世代画像表示装置においても、TFTが駆動素子として使われている。そして、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜を有するTFTは、アニール工程等で350〜500℃の高温のプロセスが必要とされるため、通常、ガラス基板上に形成されている。
近年、有機ELディスプレイ及び電子ペーパでは、軽量、薄型及び壊れにくさという観点から、ガラス基板の替わりに、樹脂フィルム(特許文献1)又は金属箔(特許文献2)を用いようとするとする動きがある。樹脂フィルム及び金属箔には柔軟性があるため、フレキシブルなTFT基板を作製できる可能性がある。このようなフレキシブルTFT基板を用いることにより、ガラス基板では実現できなかった曲面形状の表示装置、及び丸めることが可能な電子ペーパ等の新たな用途を開拓することも可能となる。
しかしながら、樹脂フィルムの場合は耐熱性の観点から高温プロセスが必要なポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜を有するTFTを作製することができない。
これに対し、金属箔を用いる場合には、耐熱性の点で、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜を有するTFTを作製することが可能となる。しかし、金属箔自体に導電性があるため、金属箔上に直接回路を形成することができず、絶縁膜で被覆して表面に絶縁性を付与する必要がある。このような絶縁膜の材料は、有機材料、有機−無機複合材料(有機−無機ハイブリッド材料)、無機材料に大別できる。
しかしながら、有機材料被膜はヤング率が低いので基板の湾曲等の変形に追従することは可能であるが、樹脂フィルムと同様に、耐熱性の観点から使用することができない。
また、無機材料被膜は耐熱性の点では問題ないが、フレキシビルティの点で問題がある。つまり、ヤング率が高いので基板の湾曲等の変形に追従することができず、クラック若しくは剥離が生じやすい。
これらに対し、有機材料及び無機材料の特性を具えた有機−無機複合材料は、有機材料以上の耐熱性を有すると共に、ヤング率が比較的低いため、基板の変形にも追従し得る柔軟性(低ヤング率)を有している。従って、このような有機材料及び無機材料の特性を具えた材料が有望視されている。有機−無機複合材料は、有機−無機(無機−有機)ハイブリッド、有機修飾シリケート、オルモシル(Ormosil)、オルモサー(Ormocer)、セラマー(Ceramer)、ポリセラム(Polyceram)等の種々の名称で呼ばれており、有機物と無機物とが共有結合等の強い化学結合で結合した物質からなる材料である(非特許文献1、2)。このような有機−無機複合材料としては、無機シロキサン骨格中に有機成分が導入された構造であるものが主要である。
特開2006−5329号公報 特開2002−49056号公報 作花済夫 著「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社 (1990)p.115−153 作花済夫 著「ゾル−ゲル法の応用」アグネ承風社 (1997)p.57−115
本発明者らは、前述の有機−無機複合材料、特にシロキサンを含む無機ポリマーが有機基で修飾された材料(有機基で修飾された無機ポリマー)からなる絶縁膜によって金属箔が被覆されて構成された金属箔基板では、湾曲しても、絶縁被膜の材料が無機シリカに比べてヤング率が低いので、絶縁被膜が剥離することなく金属箔の変形に追従できることを見出した。
しかしながら、金属箔に有機基で修飾された無機ポリマーの被膜を形成しただけであればともかく、この上にTFT等の電子デバイスを形成すると、電子デバイスを構成する膜の剥離若しくはクラックが生じることがあることが判明した。
本発明は、高い耐熱性及びフレキシビリティ(柔軟性)を具えると共に、TFT等の電子デバイスを構成する膜の剥離及びクラックの発生を防止することができる電子デバイス基板用絶縁被覆金属箔を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、有機基で修飾された無機ポリマーからなる絶縁膜(有機基で修飾された無機ポリマー膜)が被覆された金属箔を用いた場合にTFT等の電子デバイスを形成する過程で起こる電子デバイスを構成する膜の剥離及びクラックについて鋭意検討し、次のような原因があることを見出した。
ここでは、一例として、図1のようなTFTを形成した際に発生したクラック及び剥離について説明する。先ず、図1に示すように、有機基で修飾された無機ポリマー膜12により覆われた金属箔(ここでは、SUS304箔)11を準備し、その上に、ゲート電極としてAl−Mo合金膜13を形成し、エッチングによりパターニングを行った。その後、デバイス絶縁層としてSi34層14を約0.5μmの膜厚で化学気相蒸着(CVD)法により形成した。しかし、この積層体をチャンバから取り出して観察すると、Si34層14に多数のクラックが発生していた。
また、Al−Mo合金膜13がエッチオフされているところでは、図2に示すように、Si34層14が膨れて、有機基で修飾された無機ポリマー膜12との界面で剥離が生じた。剥離形状及び組織を詳細に観察したところ、CVD法によるSi34層14の形成温度(約180℃)から、形成後の室温までの冷却中に生じた金属箔11の収縮に追随できずに、クラックが発生し、Si34層14が剥離したことが解明された。即ち、金属箔11を構成するSUS304の熱膨張係数が17.3×10-6/Kであるのに対し、デバイス絶縁層を構成するSi34の熱膨張係数が2.5×10-6/Kであるために、Si34層14を形成した後の冷却時に、Si34層14に比べて金属箔11が著しく収縮し、その大きな収縮差でSi34層14が膨れあがるように剥離したのである。
有機基で修飾された無機ポリマー膜12は、金属箔11とSi34層14との間に中間層として存在している。詳細は後述するが、有機基で修飾された無機ポリマー膜12は、ヤング率が低く、SUS304との密着性が非常に高い。このため、有機基で修飾された無機ポリマー膜12は、SUS304からなる金属箔11の収縮に伴って剥離を生じさせることなく縮み、この結果、Si34層14に直接収縮応力を与えることになる。一方、Si34は高いヤング率で、低い熱膨張係数を有するので、Si34層14は有機基で修飾された無機ポリマー膜12及び金属箔11ほど収縮することができず、有機基で修飾された無機ポリマー膜12上で膨れ、剥離が生じるのである。ちなみに、熱膨張係数が小さいガラス等からなる基板(5×10-6/K)では、Si34層14を形成してもクラック及び剥離のない健全な被膜が得られる。
このように、従来の技術では、金属箔からなる基板の変形、熱膨張及び収縮に追従できる低ヤング率の有機基で修飾された無機ポリマー膜を絶縁膜として中間層に用いていても、金属箔の基板上に、電子デバイスの材料として、熱膨張係数が小さく、ヤング率が高いセラミックス膜(窒化珪素等の非酸化物セラミックス、又はシリカ若しくはアルミナ等の酸化物セラミックスの膜)をCVD法で形成すると、金属箔基板の収縮によってセラミックス膜に加わる応力を中間層が殆ど吸収できず、セラミックス膜が膨れ、中間層との界面で剥離が生じてしまう。
本発明者らは、この知見に基づいて、さらに研究を重ねた結果、金属箔の熱収縮によってTFT等の電子デバイスを構成する高ヤング率膜に加わる応力を、金属箔表面を適度な粗さにして有機基で修飾された無機ポリマー膜の中間層で分散して軽減することで、膨れ剥離を防止できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、以下の要旨とするものである。
(1) 表面粗さRaが30nm以上500nm以下である金属箔と、有機基で修飾された無機ポリマーからなり、前記金属箔の表面を被覆する絶縁膜と、を有することを特徴とする電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
(2) 前記絶縁膜のヤング率が102MPa以上104MPa以下であることを特徴とする(1)に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
(3) 前記有機基が、メチル基、フェニル基、又はメチル基とフェニル基との組み合わせであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
(4) 前記絶縁膜の厚さが0.8μm以上40μm以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
(5) 前記金属箔がステンレス箔であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
(6) 前記ステンレス箔の光沢度Gs(45°)が300以上500未満であり、かつ、前記ステンレス箔の表面粗さRaが100nm以下であることを特徴とする(5)に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
本発明によれば、本発明の絶縁被覆金属箔の上に、電子デバイスを構成する要素(特に、非酸化物セラミックス膜及び酸化物セラミックス膜)を形成しても、電子デバイスの製造プロセス過程において、これらの構成要素の剥離及びクラックを抑制することができる。従って、本発明の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔は、高温プロセスが必要とされるポリシリコン膜及び/又はアモルファスシリコン膜を有するTFTを形成する基板として特に有効である。更に、有機EL又はE−INK等を利用したフレキシブルディスプレイ、並びに薄型、軽量及び割れにくい等の特徴を有するディスプレイへ応用することも可能である。
以下、本発明に係る電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔の構成について説明する。この電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔には、上述のように、少なくとも、金属箔及び有機基で修飾された無機ポリマーからなる絶縁膜が含まれている。
本発明において、金属箔とは薄い金属の板であり、厚さは1mm以下であるが、30μm以上600μm以下であることが好ましい。厚さが30μmより薄い場合は、金属箔に折れ及び/又はしわが入りやすくなり、ハンドリングが困難となることがある。また、金属箔が厚くなるにつれて、軽量性、薄型化及び柔軟性というガラス基板に対するメリットが少なくなる。従って、金属箔の厚さの特に好ましい範囲は、60μm以上300μm以下である。
本発明における金属箔は、箔の形状が得られるものであれば金属の種類は問わない。例えば、鋼、銅、ニッケル、チタニウム、アルミニウム、コバルト、亜鉛等が挙げられる。TFT等の電子デバイスを形成する際には、ゲート電極のパターニング等の目的で種々のエッチング液が用いられるので、そのような電子デバイスが形成される基板として使用する場合には、当該エッチング液で腐食されない高耐食性を備えた金属、例えばステンレス及びチタン等が好ましい。
本発明において、絶縁膜を構成する有機基で修飾された無機ポリマーは、シロキサン等のメタロキサンを骨格とする無機ポリマーを有機基で修飾された構造とする有機−無機複合材料(有機−無機ハイブリッド材料)である。例えば、シロキサン系無機ポリマーの構造単位となるSiO4四面体の頂点に位置する酸素原子の1〜3個が有機基で置換されたものである。有機基で修飾された無機ポリマーの無機成分(メタロキサン骨格)の主成分をシロキサンとするのが好ましいが、無機成分の中でその副成分としてTi、Y、Al、Nb、Ta、Zr等のメタロキサンを含んでもよい。また、有機基で修飾された無機ポリマーの主骨格は無機成分であるシロキサン結合(Si−O)で構成されるため、有機材料に比べて耐熱性に優れている。また、無機ポリマーの無機メタロキサン骨格が有機基で修飾されているため、完全な無機材料に比べると柔軟性があり耐クラック性に優れる。即ち、有機基で修飾された無機ポリマーのヤング率は、有機基を含まないシロキサンを骨格とした無機ポリマーである無機シリカのヤング率(約105MPa)より低い。このため、無機シリカ等の無機材料に比べて、厚い膜を形成しやすく、欠陥のない絶縁被膜を容易に形成することができる。また、有機基で修飾された無機ポリマーは、金属箔の表面との界面で金属(M)の自然酸化層とSi−O−M結合を形成するため、金属箔表面との密着性が非常に高い。
そして、前述のように、金属箔表面が適度に粗い場合、即ち、表面粗さRaが30nm以上500nm以下の範囲にある場合には、該金属箔表面に上述の有機基で修飾された無機ポリマー膜を絶縁膜として形成すると、さらにこの有機基で修飾された無機ポリマー膜の上に形成される電子デバイスを構成するセラミックス膜の剥離及びクラックを抑制することができる。
表面粗さRaが30nm以下である場合、鏡面に近い平滑な表面になるが、このような平滑表面の金属箔上に有機基で修飾された無機ポリマー膜を絶縁膜として形成すると、電子デバイスの形成時にクラック及び剥離が発生する。図3に示すように、金属箔31の表面の平滑性が高すぎる場合、有機基で修飾された無機ポリマー膜32は、電子デバイスを構成する絶縁膜としてセラミックス膜33を形成した後に、その成膜温度から常温まで冷却する際に、金属箔31の収縮に対応して、矢印34で示した方向に著しく縮もうとする。このため、有機基で修飾された無機ポリマー膜32中には高い応力が全体的に発生し(図3のグラフ)、その応力をできるだけ緩和できるようにヤング率の低い有機基で修飾された無機ポリマー膜32は金属箔31との界面からその表面までほぼ同程度縮むことになる。しかしながら、ヤング率の高いセラミックス膜33は、大きく収縮して応力緩和することできないので、有機基で修飾された無機ポリマー膜32との界面で微視的な歪が発生し、膨れ剥離が発生する。
一方、金属箔の表面が粗い場合には、上述のような膨れ剥離が防止される。つまり、図4に示すように、電子デバイスを構成する絶縁膜としてセラミックス膜43を形成した後の冷却の際に金属箔41が収縮するものの、金属箔41とその上に形成された有機基で修飾された無機ポリマー膜42との界面で発生する応力は、金属箔41の表面に存在する凹凸によって分散される(図4の矢印で例示した応力方向44の分散)。この結果、有機基で修飾された無機ポリマー膜42中の応力は、図4のグラフに示すように、金属箔41から離れるほど小さくなる。このため、有機基で修飾された無機ポリマー膜42の表面では変形がほとんど生じず、この有機基で修飾された無機ポリマー膜42と接しているセラミックス膜43に作用する応力もわずかなものとなる。従って、剥離及びクラックを防止することができる。
但し、表面粗さRaが500nmを超える場合には、金属箔表面の凹部と凸部とで有機基で修飾された無機ポリマー膜の膜厚が大きく異なることになり、凸部上の有機基で修飾された無機ポリマー膜が薄くなるため十分な絶縁性が得られなくなる。また、金属箔表面の凹凸形状を反映して有機基で修飾された無機ポリマー膜の最表面にも凹凸が現れるため、良好な電子デバイスを形成することが困難になる。即ち、TFT等の電子デバイスを作製できる平坦な表面を持つ金属箔基板とならない。
これらのことを考慮して、表面粗さRaは30nm以上500nm以下とし、更に好ましくは、35nm以上150nm以下とする。
金属箔がステンレス箔である場合、表面粗さRaが30nm以上500nm以下であることに加えて、JIS Z8741による鏡面光沢度測定方法に従って45度鏡面光沢Gs(45°)を測定したときの光沢度Gsが300以上500未満であることがより好ましい。接触式粗度計で測定した金属箔の表面の凹凸形状については、数百nm以下の細かい凹凸については測定限界以下となるため、図5に示す断面を有する金属箔の表面粗さと図6に示す断面を有する金属箔の表面粗さRaは同程度となる。これに対し、光沢度Gsは、接触式粗度計では測定できない表面の350nm〜850nmの細かい凹凸によって生じる光の反射、散乱、回折等を反映する。したがって、光沢度Gsが小さいことは前記範囲(350nm〜850nm)での凹凸が小さく、光沢度Gsが大きいことは前記範囲での凹凸が大きいと考えることができる。即ち、ほぼ同じ表面粗さRaが得られる場合であっても、光沢度Gsが大きく、350nm〜850nmの細かい凹凸がある方が、電子デバイスを構成するセラミックス膜等に関して、より優れた耐クラック性及び耐剥離性が得られると理解するこができる。光沢度Gsが300未満では、350nm〜850nmレベルの凹凸が小さく(平滑であり)、光沢度レベルの凹凸によるセラミックス膜等に関する耐クラック性及び耐剥離性の更なる向上効果は少ない。一方、光沢度Gsが500を超えると、接触式粗度計で測定できる凹凸サイズに近くなるので、光沢度レベルの凹凸によるセラミックス膜等に関する耐クラック性及び耐剥離性の更なる向上効果は少ない。
また、有機基で修飾された無機ポリマー膜において、Siに結合している有機基は、Siに直接化学結合して、Si−O−Si結合の一部を切断した構造を組み込むものであり、無機シリカの剛直構造を緩める効果があればよく、有機基の種類は問わない。有機基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、グリシドキシプロピル基、アミノ基、フェニル基、ビニル基、メルカプトプロピル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。高い耐熱性が必要とされる場合は、特に、メチル基、フェニル基、又はこれらが混在しているものを用いることが望ましい。メチル基及びフェニル基は共に、Siとの結合が安定で、熱分解温度の高い熱安定性に優れた有機基であるため、電子デバイスを作製するプロセス中に熱分解し難い。
また、有機基で修飾された無機ポリマー膜のヤング率は、金属箔のヤング率及び電子デバイスを構成する材料のヤング率より低いものであり、更に、102MPa以上104MPa以下であることが望ましい。前記範囲において、歩留よく電子デバイスを作製できる。ヤング率が102MPaより小さい場合は、有機基で修飾された無機ポリマー膜が柔らかいため、リソグラフィが困難になり良好な特性の電子デバイスを得に難くなり、歩留りが低下する可能性がある。一方、ヤング率が104MPaより高い場合、金属箔が湾曲等の変形をする際に、有機基で修飾された無機ポリマー膜が硬すぎて、この膜中にクラックが発生しやすくなり、歩留りが低下する可能性がある。更に、金属箔表面の凹凸による応力分散効果が低くなり、電子デバイスのセラミックス膜等の形成時にその膜が膨れ剥離を起こす可能性が高くなる。
そして、有機基で修飾された無機ポリマー膜において、前述の低ヤング率を達成するには、Siに結合している有機基の含有量が、Siに対する有機基のモル比で0.5以上2.2以下であることが望ましい。Siに対する有機基のモル比が0.5未満である場合、有機基で修飾された無機ポリマー膜のヤング率が高くなり、金属箔の変形に追従し難くなり、金属箔の冷却による収縮で発生する応力を分散緩和する効果が小さくなる可能性がある。従って、この上に形成する電子デバイスを構成するセラミックス膜等の耐クラック性を向上させる効果が小さくなる可能性がある。一方、この比が2.2を超える場合は、有機基で修飾された無機ポリマー膜が柔らかすぎて疵が入り易くなる。更に好ましくは、Siに対する有機基の範囲は1.9以上2.1以下である。
また、有機基で修飾された無機ポリマー膜の厚さは、絶縁性の確保のため0.8μm以上であることが望ましい。但し、厚すぎると有機基で修飾された無機ポリマー膜を形成する際にクラック発生が起こりやすくなるので、40μm以下であることが望ましい。更に好ましくは、1.0〜4.0μmである。更に、有機基で修飾された無機ポリマー膜の表面は、電子デバイスを作製する時に精度よくパターニング等を行うことができるように、表面粗さRa及びRzがともに小さく平滑性が高い方が望ましい。平滑性の目安としては、表面粗さRzが500nm以下であり、かつ、表面粗さRaが50nm以下であることが望ましい。これらの値を超える表面粗さでは、表面の凹凸レベルが電子デバイスを構成するセラミック膜等の厚さに近くなり、このセラミック膜等を形成しにくくなる。
また、有機基で修飾された無機ポリマー膜は、例えば、ゾルゲル法を利用し、塗布液を塗布し、乾燥及び熱処理というプロセスを経て成膜することが可能である。シロキサンポリマーとSi、Y、Al、Ti、Zr、Nb、Ta及びWから選ばれる1種類以上の金属アルコキシドとを出発原料とし、有機溶媒中で加水分解してゾルを調製することができる。金属アルコキシドとしては、3価〜6価の金属元素のアルコキシドであり、シロキサンポリマーを無機架橋できるものを使用する。シロキサンポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサン等が挙げられる。ポリシロキサンの両末端は、シラノール基の他、カルビノール変性、アミノ変性、アルコキシ変性等でもよい。ポリシロキサンの質量平均分子量は500以上15000以下であることが望ましく、特に2500以上10000以下であることが望ましい。質量平均分子量が500より小さい場合は、低粘度の塗布液となるため、十分な膜厚を得ることが困難になる。質量平均分子量が15000を超える場合は、膜硬化に時間がかかる上、得られる有機基で修飾された無機ポリマー膜も柔らかく傷つき易い。
有機基で修飾された無機ポリマー膜の形成に際しては、シロキサンポリマー中のSiに対するSi、Y、Al、Ti、Zr、Nb、Ta及びWから選ばれる1種類以上の金属アルコキシドのモル比が1/40以上1/4以下であるように、有機溶媒中に分散させてから加水分解させることが特に望ましい。シロキサンポリマー中のSiに対する金属アルコキシドのモル比が1/40より小さい場合は、三次元網目構造が発達し難いため、有機基で修飾された無機ポリマー膜の硬化が不十分になることがある。一方、このモル比が1/4を超える場合は、有機基で修飾された無機ポリマー膜が硬くなり過ぎるため、クラックが入り易くなる。また、ヤング率の高い、応力の分散緩和効果の低い有機基で修飾された無機ポリマー膜となることもある。
Siのアルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランの他に、オルガノアルコキシシランを用いることができる。オルガノアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。Y、Al、Ti、Zr、Nb、Ta、Wの金属アルコキシドは、いずれもアルコキシシランに比べて反応性が高いため、アルコキシ基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、有機酸等で置換したアルコキシド誘導体を使用してもよい。
シロキサンポリマーを用いることなく、上述したSiのアルコキシド又はオルガノアルコキシシランを有機溶媒中で加水分解してゾルを調製することもできる。このとき、加水分解時の触媒として酸、アルカリ、又はY、Al、Ti、Zr、Nb及びTaから選ばれる1種類以上の金属アルコキシドを用いることが望ましい。この場合、Siのアルコキシド又はオルガノアルコキシシランの加水分解・縮合反応の触媒として使用される金属アルコキシドとしては、配位不飽和の金属アルコキシド、即ち、配位数8で3価〜5価の金属元素(配位数>価数)のアルコキシドが挙げられる。
有機溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の各種アルコール、アセトン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いることができる。加水分解は、出発原料中の全アルコキシ基のモル数に対して0.5〜2倍の水を添加して行うことが好ましい。0.5倍未満では、加水分解の進行が遅く、ゲル化に時間がかかる。一方、2倍を超えると、金属アルコキシド同士の縮合割合が多くなり、シロキサンポリマーを有効に架橋するする寄与が低下する。
金属箔へのコーティングは、バーコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、カーテンコート法等で行うことができる。
以上のように、有機基で修飾された無機ポリマー膜の形成に当たり、その原料をウエットプロセスで成膜し、熱処理により膜硬化を行うと、成膜直後のウエットの状態では皮膜中に多数のシラノール(SiOH)基が存在しているが、熱処理により脱水縮合反応が進みシロキサン結合が形成される。この際に、金属箔表面との界面では金属(M)の自然酸化層とSi−O−M結合が形成されるため、金属箔表面と有機基で修飾された無機ポリマー膜との密着性は非常に高くなる。
なお、金属箔に対し、有機基で修飾された無機ポリマー膜との密着性をよりよくするために、必要に応じて塗布前に前処理を行うこともできる。代表的な前処理としては、酸洗、アルカリ脱脂、クロメート等の化成処理、研削、研磨、ブラスト処理等があり、必要に応じてこれらを単独又は組み合わせて行うことができる。
金属箔としてステンレス箔を用いる場合、フェライト系ステンレス箔、マルテンサイト系ステンレス箔、オーステナイト系ステンレス箔等が挙げられる。熱膨張係数はオーステナイト系ステンレスで17×10-6/K、フェライト系及びマルテンサイト系ステンレスで10×10-6/K程度である。従って、熱膨張係数の小さいフェライト系及びマルテンサイト系ステンレスの方が熱膨張係数差に起因する有機基で修飾された無機ポリマー膜の歪及びその上に形成される電子デバイスを構成する膜の歪が小さくなるので好ましい。ステンレス箔の表面は、ブライトアニール等の表面処理を施してあってもよい。
例えば、本発明に係る電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔を基板として用いてその上にTFTを作製した場合には、これを有機EL表示素子の駆動用基板として用いることができる。また、マイクロカプセルを利用したE−INKと組み合わせて電子ペーパを作製することもできる。さらに、本発明の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔を基板として、例えば、Al電極、n型シリコン層、活性層となるi層、p型シリコン層、ITO膜を順次積層し、最後に、くし型電極を形成して薄膜微結晶シリコンによる太陽電池セルを作製することもできる。特に、電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔として被覆ステンレス箔を用いた場合には、従来のSnO2テクスチャ付きガラス基板を用いた場合と同等の特性の太陽電池を、当該被覆ステンレス箔上に形成することが可能となる。被覆ステンレス箔は、ガラス基板に比べて、軽量で割れ難く、大面積化が容易であるので、屋根等の建材向けの太陽電池基板として適している。また、フレキシブル太陽電池としても応用できる。
次に、本願発明者等が実際に行った試験の内容及び結果について説明する。
先ず、有機基で修飾された無機ポリマー膜Aを作製するための塗布液A´を、質量平均分子量1700の末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン0.2モル、ジルコニウムブトキシド1モル、アセト酢酸エチル2モル、1−ブタノール10モル、メチルイソブチルケトン20モルを混合し2モルの水で加水分解を行って調製した。
有機基で修飾された無機ポリマー膜Bを作製するための塗布液B´を、メチルトリエトキシシラン1モル、チタニウムイソプロポキシド0.01モル、アセト酢酸エチル0.02モル、2−エトキシエタノール5モル、メチルエチルケトン1モルを混合し2モルの水で加水分解を行って調製した。
有機基で修飾された無機ポリマー膜Cを作製するための塗布液C´を、質量平均分子量6000の末端シラノールポリジメチルシロキサン0.3モル、チタニウムイソプロポキシド1モル、アセト酢酸エチル2モル、1−ブタノール10モル、メチルイソブチルケトン20モルを混合し1モルの水で加水分解を行って調製した。
有機基で修飾されていない無機ポリマー膜を作製するための塗布液を、テトラエトキシシラン1モル、チタニウムイソプロポキシド0.003モル、アセト酢酸エチル0.006モル、2−エトキシエタノール5モル、メチルエチルケトン1モルを混合し2モルの2規定塩酸水(水が2モル)で加水分解を行って調製した。
表1に実施例及び比較例の条件と評価結果を示す。
なお、金属箔の表面仕上げMWは、新日鉄マテリアルズ株式会社製のミルクホワイト仕上げ材である。ブライトB、ブライトD及びBAは、焼鈍による表面仕上げである。BKは、バフ研磨による仕上げである。
絶縁達成率の評価は、上部電極として1cm角にPtをスパッタ成膜したものを使用し、金属箔を下部電極として使用し、上部電極及び下部電極間に100Vの電圧を印加して流れる電流から抵抗値を求めた。そして、各有機基で修飾された無機ポリマー膜について16箇所測定し、絶縁抵抗値が1.0×108Ωcm2以上であるものを合格と判定した。絶縁達成率は16箇所のうちの合格した数を表している。
セラミック膜の耐クラック性及び耐剥離性の評価は、CVDでSi34膜又はSiO2膜をそれぞれ1μmずつ成膜した後、チャンバから大気中にこれらのセラミックス膜が形成された電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔を取り出してクラック・剥離の有無を目視で行った。この結果を「成膜直後」の欄に示してある。また、大気中に取り出した後、TFTプロセス中にどの程度までの高温プロセスに耐えられるか調べるために、300℃×1h及び450℃×1hの追加熱処理をそれぞれ真空中で行った。これらの結果を「300℃」、「450℃」の欄に示してある。300℃はアモルファスSi膜を有する電子デバイス(例えばTFT)の代表的なアニール温度であり、450℃は低温ポリシリコン膜の代表的な成膜温度である。そして、目視の結果、無欠陥であれば「○」、電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔の周辺部のみの剥離・クラックであれば「△」、剥離・クラックが電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔の中央部にまで及ぶものは「×」で表示した。
Figure 2008142970
先ず、金属箔の表面粗さの影響について説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜2においては、塗布液A´を用い、引き上げ速度10mm/sで種々の金属箔にディップコートを行い、塗布液A´の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、300℃、6時間の熱処理を大気中で行うことにより、有機基で修飾された無機ポリマー膜を焼き付けた。この有機基で修飾された無機ポリマー膜は、ポリジメチルジフェニルシロキサンがジルコニウムの酸化物で架橋された網目構造からなり、シロキサン骨格がメチル基及びフェニル基で修飾されている。この有機基で修飾された無機ポリマー膜と同じものをスライドガラスに成膜したものを用いて、ナノインデンテーション法で当該膜のヤング率を測定した結果、103MPaであった。また、有機基で修飾された無機ポリマー膜の厚さは2μmで、金属箔の種類によらず健全な被膜を形成することができた。
実施例1〜4では、いずれも金属箔の表面粗さRaが30nm以上500nm以下であり、絶縁達成率は15/16以上であった。実施例1〜3では表面粗さRaが比較的小さく、金属箔に絶縁性を劣化させるような突起等がないため絶縁達成率は16/16であった。また、Si34膜又はSiO2膜を形成した直後と、300℃×1hの追加熱処理後では、Si34膜及びSiO2膜は無欠陥の膜であり、少なくとも300℃までのプロセスには耐えられることが示された。実施例1で示したMW仕上げの金属箔では、光沢度Gsが300以上500未満であり、このことは、表面粗さRaが小さい割に光が乱反射しやすいこと、即ち、波長レベルの微細な凹凸構造を有する表面であることを示している。このため、金属箔表面と有機基で修飾された無機ポリマー膜Aとの界面で応力が緩和されやすく、有機基で修飾された無機ポリマー膜Aの残留応力は極めて低かった。従って、耐剥離性及び耐クラック性に優れ、Si34膜及びSiO2膜は、両方とも450℃までの追加熱処理を行っても健全であった。
一方、比較例1では、バフ研磨による鏡面仕上げを行ったため、表面粗さRaが小さくなり、有機基で修飾された無機ポリマー膜Aは金属箔との熱膨張係数の違いにより大きな圧縮応力を受け、この有機基で修飾された無機ポリマー膜の表面に高い残留応力があった。従って、その上に成膜したSi34膜及びSiO2膜にクラック・剥離が発生しやすく、表1に示すように、TFTの作製プロセス温度に耐えることができないという結果が得られた。また、比較例2では、表面粗さRaが高く、Si34膜及びSiO2膜の耐剥離性・耐クラック性には優れるが、表面が粗すぎるため、有機基で修飾された無機ポリマー膜で絶縁性を確保することができず(0/16)、電子デバイスを作製するための基板には適していないという結果が得られた。
次に、金属箔を被覆する有機基で修飾された無機ポリマー膜の影響について述べる。
実施例5では、塗布液B´を用い、引き上げ速度10mm/sでディップコートを行い、塗布液B´の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、450℃、10分間の熱処理を窒素中で行うことにより、有機基で修飾された無機ポリマー膜を焼き付けた。この有機基で修飾された無機ポリマー膜において、シロキサン骨格を修飾している有機基はすべてメチル基であり、1モルのSiに対し1モルのメチル基が存在する。この有機基で修飾された無機ポリマー膜と同じものをスライドガラスに成膜したものを用いて、ナノインデンテーション法で当該膜のヤング率を測定した結果、2×104MPaであった。また、熱処理後の膜厚は1.2μmで、クラックのない健全な被膜が得られた。また、絶縁達成率は良好であった。更に、有機基で修飾された無機ポリマー膜Aに比べるとヤング率が高いため、実施例1と比較すると高温での耐クラック性・耐剥離性にやや劣るが、300℃までのプロセス温度には十分耐えられるものであった。
実施例6では、塗布液C´を用い、引き上げ速度20mm/sでディップコートを行い、塗布液C´の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、300℃、6時間の熱処理を大気中で行うことにより、有機基で修飾された無機ポリマー膜を焼き付けた。この有機基で修飾された無機ポリマー膜において、シロキサン骨格を修飾している有機基はすべてメチル基であり、1モルのSiに対し2モルのメチル基が存在する。この有機基で修飾された無機ポリマー膜と同じものをスライドガラスに成膜したものを用いて、ナノインデンテーション法で当該膜のヤング率を測定した結果、50MPaであった。ヤング率が低いので有機基で修飾された無機ポリマー膜が柔らかく、38μmの厚膜であったが、クラック等のない健全な被膜が得られた。また、絶縁達成率は良好であった。厚膜であるため、有機基で修飾された無機ポリマー膜の変形量が大きくなり、実施例1と比較すると高温での耐クラック性・耐剥離性にやや劣るが、300℃までのプロセス温度には十分耐えられるものであった。
実施例7では、塗布液A´を用い、引き上げ速度1mm/sでディップコートを行い、塗布液A´の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、300℃、6時間の熱処理を大気中で行うことにより、有機基で修飾された無機ポリマー膜を焼き付けた。膜厚は0.5μmで、クラック等のない健全な被膜が得られた。絶縁達成率は15/16であり、膜厚が薄いため、やや劣っている。Si34膜及びSiO2膜の耐クラック性・耐剥離性は良好であった。
実施例8では、塗布液A´を用い、引き上げ速度30mm/sでディップコートを行い、塗布液A´の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、300℃、6時間の熱処理を大気中で行うことにより、有機基で修飾された無機ポリマー膜を焼き付けた。膜厚は50μmで、クラック等のない健全な被膜が得られた。また、絶縁達成率は良好であった。厚膜であるため有機基で修飾された無機ポリマー膜の変形量が大きくなり、実施例1と比較すると高温での耐クラック性・耐剥離性にやや劣るが、300℃までのプロセス温度には十分耐えられるものであった。また、実施例6と比較してもやや劣る結果が得られたが、これは厚膜になってもヤング率が低い膜の方が変形しやすいためである。
比較例3では、有機基で修飾されていない無機ポリマー膜形成用塗布液を用い、引き上げ速度3mm/sでディップコートを行い、当該塗布液の塗膜を形成した。次に、150℃で10分乾燥後、450℃10分間の熱処理を窒素中で行うことにより、有機基で修飾されていない無機ポリマー膜を焼き付けた。この有機基で修飾されていない無機ポリマー膜には、Siに結合している有機基は存在しない。熱処理後の膜厚は0.3μmであり、クラック等のない健全な被膜が得られた。この無機ポリマー膜と同じものをスライドガラスに成膜したものを用いて、ナノインデンテーション法で当該膜のヤング率を測定した結果、5×104MPaであった。膜厚が薄いため、MW仕上げの金属箔の表面凹凸を被覆することができず、絶縁達成率が低かった。従って、絶縁基板として使用することはできない。また、ヤング率が高いため、金属箔との熱膨張係数差を吸収することができず、Si34膜又はSiO2膜のいずれを形成した場合にも、成膜直後からクラックが発生した。
絶縁被膜を施した金属箔を基板としてTFT部品を実装した断面を示す模式であり、TFTを形成する方法を示す図である。 Si34層の膨れ剥離を示すSEM写真である。 平滑な金属箔31を用いた場合のセラミックス膜33の膨れ剥離を示す断面模式図である。 適度に粗い金属箔41を用いた場合のセラミックス膜43の良好な密着性を示す断面模式図である。 表面粗さRaが小さく光沢度Gsが高い金属箔を示す断面の模式図である。 表面粗さRaが小さく光沢度Gsが低い金属箔を示す断面の模式図である。
符号の説明
11:金属箔
12:有機基で修飾された無機ポリマー膜(金属箔絶縁膜)
13:Al−Mo合金膜(ゲート電極)
14:Si34膜(デバイス絶縁層)
31:金属箔
32:有機基で修飾された無機ポリマー膜(金属箔絶縁膜)
33:セラミックス膜(デバイス絶縁層)
34:矢印(収縮方向を示す矢印)
41:金属箔
42:有機基で修飾された無機ポリマー膜(金属箔絶縁膜)
43:セラミックス膜(デバイス絶縁層)
44:応力方向(矢印で例示した応力方向の分散)

Claims (6)

  1. 表面粗さRaが30nm以上500nm以下である金属箔と、
    有機基で修飾された無機ポリマーからなり、前記金属箔の表面を被覆する絶縁膜と、
    を有することを特徴とする電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
  2. 前記絶縁膜のヤング率が102MPa以上104MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
  3. 前記有機基が、メチル基、フェニル基、又はメチル基とフェニル基との組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
  4. 前記絶縁膜の厚さが0.8μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
  5. 前記金属箔がステンレス箔であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
  6. 前記ステンレス箔の光沢度Gs(45°)が300以上500未満であり、かつ、
    前記ステンレス箔の表面粗さRaが100nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子デバイス作製用絶縁被覆金属箔。
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