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JP2008033240A - 画像定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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JP2008033240A JP2007068563A JP2007068563A JP2008033240A JP 2008033240 A JP2008033240 A JP 2008033240A JP 2007068563 A JP2007068563 A JP 2007068563A JP 2007068563 A JP2007068563 A JP 2007068563A JP 2008033240 A JP2008033240 A JP 2008033240A
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Tetsuji Nishikawa
西川哲治
Takayuki Niihara
新原貴之
Kazuyoshi Suzuki
鈴木一喜
Kazunori Sakauchi
坂内和典
Makoto Kikura
木倉真
Yasuhiro Maebatake
前畠康広
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】構成簡単に突入電流の発生を回避して、かつ電源容量にマージンを見込む必要もなくして、電気関連のコスト低減を実現する画像定着装置を提案する。
【解決手段】転写材上のトナーを定着するために発熱手段を備えた加熱体と、当該加熱体とニップ部を形成して上記トナーを転写材に押圧する加圧体とを備えた画像定着装置において、発熱手段が赤外線を発するカーボンランプであり、カーボンランプによる加熱範囲をニップ部に局所限定するための反射部材が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、プリンタ、ファックシミリ、複写機、これらの機能を備えた複合機等の画像形成プロセスを行う画像形成装置に用いられる画像定着装置に関し、より詳しくは、熱と圧力とを加えることにより記録媒体(転写材ともいう)上にトナー像を定着させる画像定着装置に関する。
従来、画像形成装置に用いられる画像定着装置として、内部にヒータを備えた熱ローラを用いる定着ローラ方式のものが、高い熱効率と優れた安全性の観点から、幅広く利用されている。
しかしながら、この定着ローラ方式の定着装置は、定着処理に際して、熱容量の大きな定着ローラを加熱する必要があるため、省エネルギー効果に乏しく、また立ち上がりに時間がかかるという問題を有している。更には、定着装置から発せられる熱が像担持体周囲にも及び、トナーのフィルミング、固着、現像剤の劣化等を招く要因になっている。
装置の立ち上がりに時間を要さず、クイックスタートを実現するやり方として、定着ローラを透過性基体で構成し、内部のハロゲンランプからの熱線をトナーに照射して加熱定着する方法が提案されている。しかしながら、分光特性が異なり且つ熱線の吸収率を発色性や透光性の制約からあまり高くできないカラートナーでは、均一な定着が困難であった。
また特許文献1には、通電初期時の突入電流を抑制するために、未定着像を有する記録媒体に対し、定着ロールとエンドレスベルトによって加熱定着を施す定着装置において、定着ロールのコア内部に、ハロゲンランプと、定着ロールとハロゲンランプとを加熱すると共にハロゲンランプに比べて遠赤外線の放射量が大きいカーボンランプとを設け、このカーボンランプが、ハロゲンランプの近傍に機械的に並列に設けられ、またハロゲンランプと電気的に直列または並列に接続される構成が提案されている。
特許文献2には、装置の大型化やコストアップを生じることなく、ウェイトタイムの短縮化と消費電力の低減化とを図りつつ、高効率で定着体を加熱して良好な定着画像を高速で得るために、加熱ローラが赤外線を透過可能な耐熱性の基層を有し、ハロゲンランプが、当該基層の内部空間で発熱して赤外線を輻射し、ハロゲンランプから輻射される赤外線を所定方向に反射させる反射膜をハロゲンランプ上の一部に設ける構成が提案されている。
特許文献3には、放熱による熱損を低減して省エネルギー化を図り、定着部材の加熱に要する時間を一層短縮してクイックスタート定着を実現すると共に、安定した定着画像を得るために、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることでトナー像の定着を行う定着装置において、加熱定着部材が、内部に熱線を発光する熱線照射手段を備え、透光性基体の上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性伝熱層とを設けてなり、定着ニップ部出口における加熱定着部材の表面温度が、定着ニップ部内における加熱定着部材の表面の最高温度よりも低い構成が提案されている。
特開2003−215964号公報 特開2003−223064号公報 特開2004−101731号公報
従来型の定着装置の熱源として広く利用されているハロゲンランプは、冷却状態では低抵抗のために突入電流の問題があり、電圧降下の発生、フリッカ(蛍光灯のちらつき)の発生といった問題を引き起こしており、突入電流を見越した電源容量設定や電流制御が必要である。特許文献1は、このような不具合を解消するものであるが、突入電流の発生防止のために保護回路を構成する第2発熱素子としてカーボンランプを付加しているので、コスト的に割高になっている。また、カーボンランプとハロゲンランプの両方を用いているため、構成上の小型化が困難である。加熱部材が大型化することにより、熱容量が大きくなり、温度立ち上げに時間を要してしまう。
本発明の目的とするところは、構成簡単に突入電流の発生を回避して、かつ電源容量にマージンを見込む必要もなくして、電気関連のコスト低減を実現する画像定着装置を提案することである。
上記課題は、本発明にしたがって、転写材上のトナーを定着するために発熱手段を備えた加熱体と、当該加熱体とニップ部を形成して上記トナーを転写材に押圧する加圧体とを備えた画像定着装置において、発熱手段が赤外線を発するカーボンランプであり、カーボンランプによる加熱範囲をニップ部に局所限定するための反射部材が設けられていることで、解決される。
カーボンランプの加熱範囲が、ニップ部の転写材搬送方向最上流側を含んでいるのが好適である。また、加熱体が、銅のような熱伝導率の高い材料で構成され、若しくは熱吸収性の異なる材料、正確に言えば、カーボンランプから放出されるピーク波長の全てをカバーできるように異なる吸収波長領域を有した複数の材料を混合して構成され、若しくは熱吸収性の異なる複数の層、具体的にはカーボンランプ放射線に対する吸収性が高い基層、基層から表層への熱伝達を速やかに行う例えば金属製中間層、そして定着部材として従来適切とされている表面層、例えば離型性に優れた表面層で構成されるのがよい。熱吸収性が高い基層は、近赤外線、遠赤外線の吸収率が高い材料により形成されているのがよく、有機物、特に耐熱性の高い樹脂を用いるのがよい。基層のカーボンランプに面した表面は暗色であって、粗面処理が施されているのがよい。その厚みは0.5mm以下であるのが好ましい。中間層については熱伝導性と機械強度の両立の観点から、銅合金で構成することや、銅細片と鉄細片を加熱体長手方向に交互に配置させることが考えられる。反射部材がカーボンランプに蒸着されているのが好都合である。転写材搬送方向に直交する加熱体幅方向で複数の加熱域が存在するように複数域のカーボンランプを配置するのが好ましい。
請求項1に係る発明によれば、発熱手段が赤外線を発するカーボンランプであり、カーボンランプの加熱範囲をニップ部に局所限定するための反射部材が設けられているので、ヒータ通電時に発生し得る突入電流のための電流制御、またそのための電源容量を削減することができ、一方で定着ニップ部付近の温度立ち上げ時間を短縮して効率的なトナーの溶融加圧ができ、マシンのコストダウン、ひいては省エネに役立つことになる。
カーボンランプの加熱範囲が、ニップ部の転写材搬送方向最上流側を含んでいれば、熱損を極力抑えることが可能である。また、加熱体が、熱伝導率の高い材料で構成されていれば、温度検知手段たるサーミスタを加熱体の非画像面側に配置する場合に検知精度の低下を抑えることができる。加熱体が熱吸収性の異なる材料を混合して構成されていれば、カーボンランプの熱エネルギー波長範囲をカバーすることが容易である。加熱体が、熱吸収性の異なる複数の層で構成され、転写材に近い層まで効率的に熱伝達がなされれば、転写材への加熱を効率良く行うことが可能となる。遠赤外線の吸収率も高ければ、カーボンランプから照射される赤外線(主に1〜10μm)に適切に対応できる。耐熱性の高い材料を選択することで、カーボンランプの熱による影響(変形や化学変化等)を抑えることができる。加熱体の複数層、特に熱吸収性の高い層を0.5mm以下とすることで、加熱体の熱容量が小さくなり、定着ニップ部の温度立ち上げ時間を短縮することができる。反射部材の蒸着によって、反射部材の取り付け構成が不要となり、装置の小型化に寄与でき、小型化によって熱容量が少なくてすみ、定着ニップ部の温度立ち上げ時間を短縮することができる。転写材搬送方向に直交する加熱体幅方向で複数の加熱域が存在するように複数分のカーボンランプを配置すれば、加熱体よりも幅狭の転写材を定着する際に加熱体の幅方向両端域での過剰な温度上昇を防止して、当該両端域の熱的ダメージを抑えたり、無駄な加熱を回避して加熱効率を高めることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明に係る画像定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図であり、図1は単色画像用、図2はカラー画像用の画像形成装置である。
図1を参照し、画像形成装置の構成を説明する。潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該感光体ドラム1表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線を照射する露光装置3、感光体ドラム1表面の潜像にトナー像を形成する現像装置4、形成された感光体ドラム1上のトナー像を転写材Pへ転写するための転写装置5、感光体ドラム1上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置6、感光体ドラム1上の残留電位を除去するための除電ランプ9が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電ローラによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光装置3からの露光によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルトなどで成る転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイより搬送された転写材Pへ転写される。この転写の際に感光体ドラム1に静電的に付着した転写材Pは、不図示の分離爪によって感光体ドラム1から分離される。そして未定着の転写材P上のトナー像は定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。一方、転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ9で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
図2を参照してフルカラー画像形成装置の構成を説明する。4色のトナーに対応して感光体ドラムを4つ並列させたタンデム型の画像形成装置である。それぞれの感光体ドラム1周囲の構成は、図1を参照して説明した上記構成と同様である。感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、一旦中間転写ベルト8上に転写され、順次重ね合わされてカラートナー像を形成し、2次転写部10にて搬送されてくる転写材Pに一括転写される。未定着の転写材P上のトナー像は、上記と同様、定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。
次に、本発明に係る定着装置の構成を説明する。図3、図5、図6、図8は、定着装置の実施の形態を示す図である。図3の定着装置は、トナーを加熱溶融するための加熱体としての定着ローラ11と、トナーを転写材に圧着させるための加圧体としての加圧ベルト12とから成っている。なお加熱体はローラでなく、ベルトであることも可能で、また加圧体もベルトでなく、ローラであることも可能である。定着ローラ11は、当該定着ローラを加熱する発熱手段たるカーボンランプ13を内蔵している。カーボンランプ13は、断面板状の炭素素材でなり(平板状とすることで放射方向を一定方向に設定できる)、遠赤外線領域の光を発するものであり、定着ローラ11の内側に接触することなく配置され、開放口付き筒状の反射部材14によって、定着ローラ11の一部(加圧ベルト12と定着ニップ部を形成する箇所やその近傍)を局所的に加熱している。一方、加圧ベルト12は、2個のローラに掛け回され、定着ローラ11に対して所定の角度分、巻き付けられるように接触してニップ部を形成している。
カーボンランプの特性について図4を用いて説明する。第1の特性として、遠赤外線遠領域での効率的な熱放射特性を挙げることができる。赤外線の放射強度特性(分光放射輝度)について、カーボンランプヒータと他の材料のヒータ(タングステン線ヒータ及びニクロム線ヒータ)との比較を図4に示す。図4からも分かるように、カーボンランプは、そのピーク波長が遠赤外領域を含む1.5〜8μm、特に2〜5μmに集中しており、この領域の熱の放射量が大きいことが分かる。したがって、熱の供給先である定着ローラについて、熱の吸収特性が1.5〜8μm、特に2〜5μmといった領域で高い材料を用いて構成すれば、その加熱効率特性は格段に向上する。そのような材料については、後述する(0027段落)。尚、一般的な分類上、波長2.5μmを境界とし、2.5μm以上の光波長を遠赤外線、2.5μm以下の光波長を近赤外線と呼んで区別している。
第2の特性として、カーボンランプは突入電流に対する耐性を有するランプである点を挙げることができる。従来から定着ローラに用いられているハロゲンランプは、発熱体としてタングステン線を有するが、このタングステン線は常温においては抵抗値が小さいため、ハロゲンランプ単体で電源を投入した際に定格電流値に対して数倍から数十倍の値で流れる所謂インラッシュ電流(突入電流)が発生した。これを防止するためには、パワーサーミスタ(Inrush Current Suppressors)等の保護回路を付加する方式を採用せざるをえなかった。
一方、カーボンランプについては、その発熱体である炭素素材の固有抵抗がタングステンのそれに比べて極めて大きい。例を挙げる。20℃環境で同一形状の試験片に通電して体積低効率を測定した場合、タングステンが5.6×10−8Ω・mであるのに対し、炭素素材は3352.8×10−8Ω・mになるとのデータがある。即ち、炭素素材は20℃の環境においては、タングステンに比べて約600倍の固有抵抗を有することになる。この結果は、カーボンランプの常温下での電源投入時の突入電流発生のし難さを表すものと言える。
更に、第3の特性として、カーボンランプは、電源投入後、数秒間で最高温度に達する速熱性を有することを挙げることができる。これは上述したように炭素素材の固有抵抗が大きいので、通電に伴う発熱量が大きく、加えて成型が容易であり、断面積を自由に設定することで比較的大電圧を印加しても速やかに電流を通過させることが可能なことに因る。通過電流が大きく、固有抵抗が大きいので単位時間当たりの発熱量は極めて大きなものとなる。
これらの特性により、カーボンランプヒータは有効な発熱特性デバイスであると言える。しかし、上記第3の特性で触れたように速熱性を高めるべく、炭素素材の断面積を単純に大きくすると、炭素素材の側面域も四方に広がるように大きくなり、結果として、熱が四方に発散されることになり、ニップ部を主に加熱するという定着ローラ性能の向上を図ることができないことになる。そこで、本発明の実施の形態では上述したように開放口付き筒状の反射部材14を採用して、定着ローラ11の一部であるニップ部とその近傍を局所的に加熱している。この反射部材14は、筒がステンレス製で内壁面が鏡面仕上げになっているものや、ベース材にアルミ箔とガラスを積層して固定し、内壁が鏡になっているものを採用している。カーボンランプからの発光のうち、ニップ部に直接向かわないものは、反射部材14で1回以上反射され、最終的には開放口より、ニップ部に光が照射される構成となっている。
更に本発明の実施の形態においては、炭素素材を断面長方形の平板形状とし、その広い方の平面の一つをニップ部に対向するように配置している。これにより、理論上は、炭素素材の全供給光量の半分近くが直接ニップ部の方に向かうことになる。加えて、ニップ部とは反対方向を向く平面から発せられる光もそれに対向して包むように、反射部材を配置することで漏れなく反射させ、開放口に向かうようになっている。
図5に定着装置の変形例を示す。図3におけると同じ部材については同じ参照番号を付して、その説明を省略する。加熱部とニップ部に距離があると熱伝達にロスが起こる。そこで、発熱手段であるカーボンランプ13による加熱をニップ部の転写材搬送方向最上流側(ニップ部先端)に集中させることで熱損を抑えるのである。具体的には、反射部材14の開放口の中央をニップ部の先端側に向かせる。その際、炭素部材の広い平面もニップ部の先端側へ向くようにするのが好ましい。
また定着装置では温度を所定範囲に制御するために、温度検知手段としてサーミスタがよく用いられる。そのようなサーミスタを画像面側に接触させると、その部分だけ定着性が悪くなってしまうことがある。そのため、図6に示すように、サーミスタ15を非画像面側である定着ローラ11の円筒内面側に接触させる。これによって画像面の定着性を損なうことなく温度検知することが可能である。この際、画像面と非画像面との温度差が大きいと温度検知精度が悪くなり、定着性を悪化させてしまう。そこで、加熱体である定着ローラの材質を銅のような熱伝導率の高い材料、例えば銅材や銅合金材とすることで、画像面と被画像面との温度差を最小にして、温度検知の検知の精度を向上させる。
カーボンランプは既述のように遠赤外線を効率良く放射するものであり、ピーク波長が1.5〜8μm、特に2〜5μmにある。仮に遠赤外線領域である2.5〜8μmを考え、これに対して、単一材料(A又はB)でなる加熱体の吸収範囲が図7に示すような関係にある場合、カーボンランプから発せられる熱エネルギーが吸収されずにエネルギーを無駄にすることになる。このように、単一材料加熱体の吸収できる波長の範囲が限られている場合、カーボンランプから放出されるピーク波長の全てをカバーできるように加熱体の材質を複合させることで、吸収できる波長の範囲を広げ、熱エネルギーを無駄にすることなく吸収して、加熱作用を効果的なものとする。図8に示す定着装置の変形例は、これを具現化したものであり、加熱体である定着ローラ11’が複数の層で構成されており、具体的にはカーボンランプ13に面した内層が赤外線吸収層20、加圧ベルト12に直接接触する表面層22、赤外線吸収層20と表面層22の間の中間層を形成する金属層21から構成されている。
表面層22は、転写材P上のトナーを定着処理するのに適するように従来の定着ローラ表面と同じく耐熱性が高く弾性・離型性に優れた材料、例えばシリコーンやテフロンコーティング等から成っている。
金属層21は赤外線吸収層20と表面層22を支持するものなので、熱伝導性が高く且つ機械強度に優れた金属、一般的には鉄、銅、銅合金、アルミニウムのような材料が用いられる。
赤外線吸収層20としては、カーボンランプの熱伝達が放射なので、その赤外線を吸収し易く反射し難い材料がふさわしく、特に近赤外線領域をも含む1.5〜8μmに対して吸収感度のあるものが好ましい。赤外線には2.5μm以下の波長の近赤外線と2.5〜1000μmの遠赤外線とがある。赤外線は電磁波であり、加熱体の分子を振動させることにより温度が上昇する。そのため、赤外線の吸収率は分子結合により決定される。遠赤外線をよく吸収する材質を挙げると、天然及び合成の樹脂、ゴム、塗料、木材、繊維、紙、各種動物性・植物性食材、ガラス類、天然及び人工のセラミックス類がある。一般的に有機物は遠赤外線と波長が合うため、吸収率の高い材料として知られているが、有機物以外でも上記セラミック等も吸収率がよく、特にアルミナ、ジルコニウム系のセラミックは赤外線の吸収性のよいセラミックとして知られている。セラミック層の作成手段としては、塗装、焼結、溶射法等があるが、材料選択の自由度、形状への制約の少なさから溶射法が望ましい。また金属材料でも酸化させることで赤外線の吸収性を高めることが可能である。一方、近赤外線は、波長が遠赤外線よりも短く可視光の領域と重なっている。可視光の吸収率は表面の色による影響が大きいことが知られており、表面色を黒等の暗色とすることで近赤外線の吸収率を高めることが可能である。黒クロムめっきが施されていてもよい。また赤外線吸収層の材料にカーボンブラックや酸化した金属を混ぜることで吸収層を黒色にすることが可能である。カーボンブラックは自身も赤外線の吸収性がよい材料であるので、好ましい材料である。
また例えば、同じ材料、色で赤外線吸収層を作った場合でも、その表面性によっても赤外線の吸収率が異なることがある。赤外線の吸収率は
吸収率=1−反射率+透過率
で表され、表面が鏡面に近くなると、反射率が大きくなって、吸収率が低下してしまう。そのため、表面性を粗面(凹凸面)にすることで反射率が低くなり吸収率が向上させることができる。粗面処理として、ブラスト処理や、研磨等、表面に凹凸を設ける手法や溶射によって樹脂やセラミックをコーティングする方法等がある。表面粗さとしてはRa1μm以上が望ましい。
赤外線吸収層20から表面層22へ効率良く熱を伝達するためには、各層が必要以上に厚くないことが望ましい。例えば赤外線吸収層20は0.5mm以下が望ましく、200μmあれば十分に赤外線が吸収可能である。金属層21には20〜200μm厚のニッケルめっきを施すことも考えられる。表面層22の厚みとしては、画像への光沢ムラやシワの発生を避けるためにも20〜300μmとすることが望ましい。
ちなみに加熱体の温度は200℃前後となるため、そのような高温に対しての耐熱性が必要である。一般的に熱硬化性の樹脂は耐熱性が高いため、加熱部材として適している材料である。例としてはポリイミド、ポリアミド・イミド、シリコーン、フェノール等が挙げられ、いずれの樹脂も200℃以上の高温での使用が可能である。また、熱可塑性の樹脂として、ポリエーテル・ケトン等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては融点が375℃で極めて高い耐熱性を有している。図9に主な赤外特性吸収帯の波数を示す。次に図10〜図14にポリイミド、ポリアミド・イミド、シリコーン、フェノール、ポリエーテル・ケトンの分子結合を示す。ポリイミド(PI)には[―NH]、[C−O]の構造があるため、2.8〜3.1μm及び9.2〜9.5μmの波長に対しての吸収率が高いことが分かる。次にポリアミド・イミド(PAI)では[―NH]の構造があるため2.8〜3.1μmでの赤外線の吸収率が高い。シリコーンについては[−OH]、[−CH]などの構造をもつので、2.9〜3.2μm又は〜6.9μmの波長の吸収率が高い。フェノールは[―OH]および[―CH]の構造を持つため、2.9〜3.2μmお及び〜6.9μmの波長に対しての吸収率が高い。ポリエーテル・ケトンについては[>C=O]の構造があり、5.5〜6.1μmの波長に対しての吸収率が高い。いずれの樹脂についても構造に赤外線の吸収に適した構造を有し、耐熱性も高いので赤外線吸収層20として用いるには適している材料である。
なお、既述のように、加熱体はローラでなく、ベルトであることも可能で、また加圧体もベルトでなく、ローラであることも可能であるので、図3、図5、図6、図8の各例に対して、定着ローラ・加圧ローラあるいは定着ベルト・加圧ローラの代替構成も本発明の範囲を逸脱しないものである。
図8の例では、反射部材14’がカーボンランプ13に蒸着されている。反射部材としては赤外線(カーボンランプの波長:1〜10μm)の反射率が高い材料が望ましく、反射率の高いアルミニウム、金、銀、銅等が適している。反射部材として、発熱体を囲むガラス管に直接金属を蒸着させることで、カーボンランプから照射される赤外線に指向性をもたせることができる。蒸着以外にもスパッタリング等の手段で反射面を形成するやり方もある。
次に、発熱手段の配置構成について説明する。一例として、図15aは、転写材の小サイズ用のカーボンランプヒータ13’と小サイズより大きいサイズ用のカーボンランプヒータ13”とを2本配置した構成を示すもので、図15bはその平面図である。小サイズを通紙する時と小サイズより大きいサイズを通紙する時にヒータを切り替える方式である。図15cはカーボンランプヒータを小サイズ領域と両端部に3分割した構成で、小サイズの時は小サイズ領域(中央部)のみ点灯し、小サイズより大きいサイズを通紙する時は三つのヒータ部分を全点灯する方式である。カーボンランプヒータは指向性があるため、三つのヒータ部分を全点灯した時でもオーバーラップ領域を縮小できるので、オーバーラップ領域の温度上昇も少ない。
本発明に係る定着装置を備えた単色画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る定着装置を備えたカラー画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明に係る定着装置の主要構成部材を示す概略図である。 カーボンランプヒータの特性を説明するため他の材料ヒータと比較したグラフである。 本発明に係る定着装置の変形例を示す図である。 本発明に係る定着装置のサーミスタ位置を示す図である。 本発明に係る定着装置の定着ローラ乃至ベルトが混合材で構成されるのが好ましいことを説明するための図である。 本発明に係る定着装置の更なる変形例(複数層の定着ローラと反射部材の蒸着)を示す図である。 赤外特性吸収帯の波数を示す表である。 ポリイミドの分子構造を示す図である。 ポリアミド・イミドの分子構造を示す図である。 シリコーンの分子構造を示す図である。 フェノールの分子構造を示す図である。 ポリエーテル・ケトンの分子構造を示す図である。 カーボンランプヒータが長手方向に複数個若しくは複数部分で構成されることを説明する図である。
符号の説明
11 定着ローラ(加熱体)
12 加圧ベルト(加圧体)
13 カーボンランプヒータ(発熱手段)
14 反射部材

Claims (14)

  1. 転写材上のトナーを定着するために発熱手段を備えた加熱体と、当該加熱体とニップ部を形成して上記トナーを転写材に押圧する加圧体とを備えた画像定着装置において、発熱手段が赤外線を発するカーボンランプであり、カーボンランプによる加熱範囲をニップ部に局所限定するための反射部材が設けられていることを特徴とする画像定着装置。
  2. カーボンランプの加熱範囲が、ニップ部の転写材搬送方向最上流側を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像定着装置。
  3. 加熱体が熱伝導率の高い材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像定着装置。
  4. 加熱体が熱吸収性の異なる材料を混合して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像定着装置。
  5. 加熱体が熱吸収性の異なる複数の層で構成され、カーボンランプに面した層が熱吸収性の高い層で、転写材に接する層へ熱伝達を速やかに行う中間支持層を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像定着装置。
  6. 熱吸収性の高い層を、近赤外線、遠赤外線の吸収率が高い材料により形成することを特徴とする請求項5に記載の画像定着装置。
  7. 熱吸収性の高い層を、有機物とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像定着装置。
  8. 有機物として、耐熱性の高い樹脂を用いることを特徴とする請求項7に記載の画像定着装置。
  9. 熱吸収性の高い層の少なくともカーボンランプに面した表面が暗色であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の画像定着装置。
  10. 熱吸収性の高い層のカーボンランプに面した表面に粗面処理を施すことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の画像定着装置。
  11. 熱吸収性の高い層の厚さを0.5mm以下とすることを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の画像定着装置。
  12. 反射部材をカーボンランプに蒸着することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像定着装置。
  13. 転写材搬送方向に直交する加熱体幅方向で複数の加熱域が存在するように複数域のカーボンランプを配置することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像定着装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像定着装置を備えた画像形成装置。
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