[go: up one dir, main page]

JP2008032078A - グリース密封型転がり軸受 - Google Patents

グリース密封型転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2008032078A
JP2008032078A JP2006204587A JP2006204587A JP2008032078A JP 2008032078 A JP2008032078 A JP 2008032078A JP 2006204587 A JP2006204587 A JP 2006204587A JP 2006204587 A JP2006204587 A JP 2006204587A JP 2008032078 A JP2008032078 A JP 2008032078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease
aluminum
rolling bearing
sealed
seal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006204587A
Other languages
English (en)
Inventor
Eishin Mikami
英信 三上
Makoto Muramatsu
誠 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2006204587A priority Critical patent/JP2008032078A/ja
Publication of JP2008032078A publication Critical patent/JP2008032078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】シール性能の低下やトルク損失の増大を十分に防止でき、かつ、水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できるグリース密封型転がり軸受を提供する。
【解決手段】熱処理を施された内輪1および外輪2の間の軸受空間を、内輪1または外輪2に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シール5で密封し、潤滑剤には、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなるグリースを封入したグリース密封型転がり軸受において、内輪1または外輪2に設けたシール摺接面に、上記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、かつグリースの添加剤として、アルミニウム粉末およびアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも一つのアルミニウム系添加剤を含有し、該アルミニウム系添加剤の配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部である。
【選択図】図1

Description

本発明はグリース密封型転がり軸受に関し、特にオルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中間プーリ、電動ファンモータ等の自動車電装部品、補機等の転がり軸受用や、モータ用の転がり軸受用のグリース密封型転がり軸受に関する。
自動車補機用プーリやエアコンのコンプレッサの電磁クラッチ等に使用される転がり軸受のように、内輪と外輪の間の軸受空間からのグリース漏れや、外部からの水やダスト等の異物の浸入を防止するために、軸受空間を高いシール性能で密封することが要求されるものでは、内輪または外輪に設けられたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで軸受空間を密封した密封型転がり軸受が使用されている(例えば、特許文献1参照)。また、内輪または外輪にスリンガを取り付け、このスリンガにシール摺接面を設けたものもある(例えば、特許文献2参照)。
従来、転がり軸受の内輪や外輪の軌道輪は、図6に示すような製造工程で製造されており、転動体が転接する軌道面は焼入れ等の熱処理後に研削加工や超仕上げ加工を施されるが、シール摺接面が設けられるものであっても、そのシール摺接面は熱処理前の旋削加工のままとされている。
このように従来の転がり軸受の軌道輪は、シール摺接面が設けられるものであっても、そのシール摺接面は、熱処理前の旋削加工のままとされているので、軌道輪にシール摺接面を設けた密封型転がり軸受では、熱処理時に発生するスケールによってシール摺接面の表面粗さが粗くなる。このため、接触シールのシールリップが早期に摩耗してシール性能が低下するとともに、シールリップの摺接抵抗が大きくなってトルク損失が増大する問題がある。
本発明者らは、先に、このようなシール性能の低下やトルク損失の増大を防止するために、軌道輪やスリンガのシール摺接面の表面粗さを R max で 2.0μm 以下に滑らかにすることを提案している(特許文献5参照)。しかし、シール摺接面を軌道輪に設けた密封型転がり軸受では、上述したように、熱処理時に発生するスケールによってシール摺接面の表面粗さが粗くなるので、シール性能の低下やトルク損失の増大を十分に防止できないという問題がある。
また、これらの転がり軸受には、その潤滑には主としてグリースが用いられている。ところが、高温下での高速回転等使用条件が過酷になることで、転がり軸受の転走面に白色組織変化を伴った特異的な剥離が早期に生じ、問題になっている。
この特異的な剥離は、通常の金属疲労により生じる転走面内部からの剥離と異なり、転走面表面の比較的浅いところから生じる破壊現象で、水素が原因の水素脆性による剥離と考えられている。このような早期に発生する白色組織変化を伴った特異な剥離現象を防ぐ方法として、例えばグリースに不動態化剤を添加する方法が知られている(特許文献3参照)。またグリース組成物にビスマスジチオカーバメートを添加する方法が知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、近年、自動車における電装部品や補機、産業機械におけるモータ等では、高温下で、高速運転−急減速運転−急加速運転−急停止が頻繁に行なわれる等、ますます転がり軸受の使用条件が過酷化され、不動態化剤やビスマスジチオカーバメートを添加する方法では剥離現象を防ぐ対策として不十分になってきている。特に、上述したようにシール摺接面が熱処理前の旋削加工のままの場合では、シール性能の低下によりグリースが漏洩し、この剥離現象がより発生しやすくなるという問題がある。
実開平7−10555号公報(第1、2図) 特開2002−62305号公報(第1図) 特開平3−210394号公報 特開2005−42102号公報 特開2005−155882号公報
本発明は、かかる問題に対処するためになされたものであり、軌道輪にシール摺接面を設けた密封型転がり軸受におけるシール性能の低下やトルク損失の増大を十分に防止できるようにし、かつ、グリース封入軸受において水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できるグリース密封型転がり軸受の提供を目的とする。
本発明のグリース密封型転がり軸受は、熱処理を施された内輪および外輪の間の軸受空間を、上記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封し、潤滑剤には、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなるグリースを封入したグリース密封型転がり軸受において、上記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、上記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、かつ上記グリースは、アルミニウム粉末およびアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも一つのアルミニウム系添加剤を含有し、該アルミニウム系添加剤の配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部であることを特徴とする。
上記スケール除去加工はショットブラスト加工であることを特徴とする。
また、上記スケール除去加工はバレル研磨加工であることを特徴とする。
また、上記スケール除去加工は焼入れ鋼を切削する切削加工であることを特徴とする。
上記スケール除去加工を施した後の上記シール摺接面の表面粗さが R max で 2.0μm 以下であることを特徴とする。
上記アルミニウム化合物は、炭酸アルミニウムおよび硝酸アルミニウムから選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする。
上記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする。
上記基油は、アルキルジフェニルエーテル油およびポリ-α-オレフィン油から選ばれた少なくとも一つの油であることを特徴とする。
本発明のグリース密封型転がり軸受は、あらかじめ軌道輪のシール摺接面の表面粗さを十分に滑らかにして、シール性能の低下やトルク損失の増大を十分に防止した上で、アルミニウム系添加剤を配合したグリースを封入するので、シール摺接面における表面荒れを防止でき、封入したグリースを漏洩することなく軌道輪の潤滑に寄与させることができる。さらに、摩擦摩耗面または摩耗により露出した金属新生面においてグリースに配合したアルミニウム化合物が反応し、酸化鉄とともにアルミニウム被膜が軸受転走面に生成し、各種産業機械に使用される軸受で見られる水素脆性による特異な剥離の発生を抑制することができる。これらの結果、軸受の長寿命化について飛躍的な向上を図ることができる。このため、例えば、オルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中間プーリ、電動ファンモータ等の自動車電装部品、補機等の転がり軸受として好適に利用できる。
シール性能の低下やトルク損失の増大を十分に防止できるようにし、かつ、グリース封入軸受において水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できるグリース密封型転がり軸受を得るべく鋭意検討の結果、内輪または外輪の軌道輪のシール摺接面に、熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、基油と増ちょう剤とからなるベースグリースにアルミニウム粉末およびアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも一つのアルミニウム系添加剤を配合したグリースを封入した後、シール部材を取り付けたグリース密封型転がり軸受は、軸受寿命が飛躍的に向上することがわかった。
軌道輪のシール摺接面の表面粗さをスケール除去加工により十分に滑らかにすることで、封入したグリースを漏洩することなく軌道輪の潤滑に寄与させる状態にすることができる。このためグリース漏れによるグリース量低下に伴う油膜切れで生じる摩耗に起因する転走面の活性化、または、グリース量低下による早期のグリース劣化で生じる摩耗に起因する軸受転走面の活性化を防止できる。さらに、軸受転走面が活性化、すなわち軸受転走面において、摩擦摩耗面または摩耗により露出した金属新生面の露出が生じたとしても、グリースに配合したアルミニウム化合物が反応し、酸化鉄とともにアルミニウム被膜が軸受転走面に生成し、白色組織変化を伴った特異的な剥離の発生を抑制することができる。
以上のように、本発明では、シール性能等の向上と、軸受転走面でのアルミニウム被膜の生成との作用により、封入したグリースを漏洩することなく軌道輪の潤滑に寄与させる効果と、転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を防止する効果とを個別に引き出すのではなく、それぞれの作用の重なりにより、転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を防止する効果を相乗的に発揮させることができ、軸受寿命が飛躍的に向上するものと考えられる。本発明は、このような知見に基づくものである。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1はグリース密封型転がり軸受の実施形態を示す縦断面図である。このグリース密封型転がり軸受は、図1に示すように、内輪1と外輪2の間でボール3が保持器4に保持された軸受空間を、芯金5aと弾性部材5bとから成る接触シール5で密封した玉軸受であり、接触シール5は外輪2の内周面に設けられた係止溝2aに固定されている。少なくとも転動体4の周囲にグリース8が封入される。
図2は図1の要部を拡大して示す断面図である。図2に示すように、上記接触シール5の内周側先端部には、内外2枚のシールリップ6a、6bが設けられ、内側のシールリップ6aは、内輪1の外周面に設けられたシール溝1aの内側壁に設けられたシール摺接面7aと接触し、外側のシールリップ6bは、シール溝1aの外側縁に設けられたシール摺接面7bと接触している。
上述した実施形態では、密封型転がり軸受を深溝玉軸受としたが、本発明に係る密封型転がり軸受は、他の玉軸受やころ軸受等の他の種類の転がり軸受にも採用することができる。
図3は図1の内輪の製造工程を示す工程図であり、図6は従来の軌道輪の製造工程を示す工程図である。
上記シール摺接面7a、7bが設けられた内輪1は、図3に示す製造工程で製造されている。内輪1の素材は鍛造と旋削で成形されたのち、焼入れ等の熱処理を施され、こののち、シール摺接面7a、7bに上記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工が施されている。この後の工程は、図6に示した従来の軌道輪の製造工程と同じであり、順に幅研削、軌道面研削、内径研削、軌道面超仕上を施されて完成品とされる。なお、スケール除去加工方法によっては、熱処理後でスケール除去加工の前に、幅研削を行なってもよい。
本発明における熱処理後のスケール除去加工としては、例えば、ショットブラスト加工、バレル研磨加工、または、焼入れ鋼を切削する切削加工等が挙げられる。ショットブラスト加工、バレル研磨加工を採用する場合では、図3に示す製造工程どおりであり、焼入れ鋼を切削する切削加工を採用する場合では、図3に示す製造工程において熱処理後に幅研削を施した後、切削加工を行なう。
上記スケール除去加工の中で、加工工程を増加させることなく、安価な手段であることから焼入れ鋼を切削する切削加工を行なうことが好ましい。
グリースに添加するアルミニウム系添加剤は、アルミニウム粉末およびアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも一つである。アルミニウム化合物としては、炭酸アルミニウム、硫化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよびその水和物、硫酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、臭化アルミニウム、よう化アルミニウム、酸化アルミニウムおよびその水和物、水酸化アルミニウム、セレン化アルミニウム、テルル化アルミニウム、りん酸アルミニウム、りん化アルミニウム、アルミン酸リチウム、アルミン酸マグネシウム、セレン酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、ジルコン酸アルミニウム等の無機アルミニウム、安息香酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム等の有機アルミニウムが挙げられる。これらアルミニウム系添加剤は、単独で、または2種類以上を混合してグリースに添加してもよい。
本発明において特に好ましいのは、耐熱耐久性に優れ、熱分解しにくいため、極圧性効果の高いアルミニウム粉末である。
アルミニウム系添加剤の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部である。すなわち、(1)アルミニウム系添加剤がアルミニウム粉末のみである場合、ベースグリース 100 重量部に対してアルミニウム粉末を 0.05〜10 重量部、(2)アルミニウム系添加剤がアルミニウム化合物のみである場合、ベースグリース 100 重量部に対してアルミニウム化合物を 0.05〜10 重量部、(3)アルミニウム系添加剤がアルミニウム粉末とアルミニウム化合物とである場合、ベースグリース 100 重量部に対して、アルミニウム粉末とアルミニウム化合物とを合せて 0.05〜10 重量部配合する。
アルミニウム系添加剤の配合割合が、この配合範囲未満であると水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できない。また上記範囲をこえても剥離防止効果がそれ以上に向上しない。
本発明に使用できる基油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、高度精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、フィッシャー・トロプシュ法により合成されたGTL油、ポリ-α-オレフィン油、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂、ポリオールエステル油、りん酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等を使用できる。
これらの中で、耐熱性と潤滑性に優れたアルキルジフェニルエーテル油、または、ポリ-α-オレフィン油を用いることが好ましい。
本発明に使用できる増ちょう剤としては、ベントン、シリカゲル、フッ素化合物、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。
これらの中で、耐熱性、コスト等を考慮するとウレア系化合物が望ましい。
ウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
基油にウレア系化合物等の増ちょう剤を配合して、上記アルミニウム系添加剤等を配合するためのベースグリースが得られる。ウレア系化合物を増ちょう剤とするベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
ベースグリース 100 重量部中に占める増ちょう剤の配合割合は、1〜40 重量部、好ましくは 3 〜25 重量部配合される。増ちょう剤の含有量が 1 重量部未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 重量部をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られ難くなる。
また、アルミニウム系添加剤とともに、必要に応じて公知のグリース用添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、りん系化合物などの摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独で、または 2 種類以上組み合せて添加できる。
参考例1
転がり軸受のシール摺接面にスケール除去加工としてショットブラスト加工を行ない、シール摺接面の表面粗さを測定し、シール摺接面の表面粗さを図4(a)に、シール摺接面の表面粗さ R max を表1にそれぞれ示す。
参考比較例1
転がり軸受のシール摺接面に熱処理後のスケール除去加工を行なわなかったときの、シール摺接面の表面粗さを測定し、シール摺接面の表面粗さを図4(b)に、シール摺接面の表面粗さ R max を表1に、それぞれ併記する。
参考例2
転がり軸受のシール摺接面にスケール除去加工としてバレル研磨加工を行ない、シール摺接面の表面粗さを測定し、シール摺接面の表面粗さを図5(a)に、シール摺接面の表面粗さ R max を、それぞれ表1に併記する。
参考例3
転がり軸受のシール摺接面に焼入れ後切削加工を行ない、シール摺接面の表面粗さを測定し、シール摺接面の表面粗さを図5(b)に、シール摺接面の表面粗さ R max を、それぞれ表1に併記する。
また、参考例1および参考比較例1について以下に示す異物侵入試験を行ない、所定時間運転後の軸受内部への異物侵入量を測定した。結果を表1に併記する。
<異物侵入試験>
参考例1と参考比較例1の内輪を用いた密封型転がり軸受を、それぞれ水と泥の異物が飛散する環境下で回転試験機に取り付け、軸受空間への異物の侵入量を調査する異物侵入試験を行なった。軸受の回転速度は 2000 rpm、試験時間は 3 時間とし、異物の侵入量は、試験前後の軸受の質量増加量Wを測定することにより求めた。
Figure 2008032078
図4(a)、図4(b)および表1から、参考比較例1のシール摺接面の表面粗さが R max で 2.6μm であるのに対して、ショットブラスト加工を行なった参考例1のシール摺接面の表面粗さは R max で 0.79μm と非常に滑らかになっている。また、参考比較例1のものは質量増加量Wが 0.46 g であったのに対して、参考例1のものは質量増加量Wが 0.02 g であった。したがって、参考例1のものは異物の侵入がほとんどなく、優れたシール性能を確保できることが確認された。
また、表1に示すとおり、参考例2および参考例3のシール摺接面の表面粗さは R max で、それぞれ 1.30μm および1.03μmであり、実施例1のものと同様に 2.0μm 以下の滑らかさになっている。
上述した実施形態では、密封型転がり軸受を玉軸受とし、その内輪側にシール摺接面を設けたが、本発明に係る密封型転がり軸受は、複列の玉軸受やころ軸受等の他の種類の転がり軸受にも採用することができ、シール摺接面は外輪側に設けてもよい。
参考例4〜参考例11
表2に示した基油の半量に、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、以下、MDIと記す)を表2示す割合で溶解し、残りの半量の基油にMDIの2倍当量となるモノアミンを溶解した。それぞれの配合割合および種類は表2のとおりである。
MDIを溶解した溶液を撹拌しながらモノアミンを溶解した溶液を加えた後、100℃〜120℃で 30 分間撹拌を続けて反応させて、ジウレア化合物を基油中に生成させた。
これにアルミニウム系添加剤および酸化防止剤を表2に示す配合割合で加えてさらに 100℃〜120℃で 10分間撹拌した。その後冷却し、三本ロールで均質化し、グリースを得た。
表2において、基油として用いた合成炭化水素油は 40℃における動粘度 30 mm2/sec の新日鉄化学社製シンフルード601を、アルキルジフェニルエーテル油は 40℃における動粘度 97 mm2/sec の松村石油社製モレスコハイルーブLB100を、それぞれ用いた。また、酸化防止剤は住友化学社製ヒンダードフェノールを用いた。
内輪または外輪に設けたシール摺接面に、上記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施していない転がり軸受に得られたグリースを封入し、急加減速試験を行なった。試験方法および試験条件を以下に示す。また、結果を表2に示す。
<急加減速試験>
電装補機の一例であるオルタネータを模擬し、転がり軸受に上記グリースを封入し、急加減速試験を行なった。急加減速試験条件は、回転軸先端に取り付けたプーリに対する負荷荷重を 1960 N 、回転速度は 0 rpm〜18000 rpm で運転条件を設定し、さらに、試験軸受内に 0.1 A の電流が流れる状態で試験を実施した。そして、軸受内に異常剥離が発生し、振動検出器の振動が設定値以上になって発電機が停止する時間(剥離発生寿命時間、h)を計測した。なお、試験は、500 時間で打ち切った。
実施例1〜実施例3
参考例4に準じる方法で、表2に示す配合割合で、増ちょう剤、基油を選択してベースグリースを調整し、さらに添加剤を配合してグリースを得た。内輪または外輪に設けたシール摺接面に上記参考例1〜参考例3のスケール除去加工をそれぞれ施した転がり軸受に、得られたグリースを封入し参考例4と同様の試験を行なって評価した。結果を表2に併記する。
参考比較例2〜参考比較例4
参考例4に準じる方法で、表2に示す配合割合で、増ちょう剤、基油を選択してベースグリースを調整し、さらに添加剤を配合してグリースを得た。内輪または外輪に設けたシール摺接面に、上記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施していない転がり軸受に得られたグリースを封入し参考例4と同様の試験を行なって評価した。結果を表2に併記する。
Figure 2008032078
表2に示すように、各参考例では、急加減速試験は全て 400 時間以上(剥離発生寿命時間)の優れた結果を示した。これは、アルミニウム系添加剤を所定割合で添加したことにより転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を効果的に防止できたためであると考えられる。
また、シール摺接面にスケール除去加工を施した各実施例では、急加減速試験は全て 500 時間以上(剥離発生寿命時間)であり、各参考例よりも白色組織変化を伴った特異的な剥離を効果的に防止できた。これは、アルミニウム系添加剤の効果にくわえて、スケール除去加工によりシール性能の低下によるグリース漏れを防止できたためであると考えられる。
本発明のグリース密封型転がり軸受は、シール性能の向上等と、転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離防止とが、それぞれの作用の重なりにより、転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を防止する効果を相乗的に引き出すことで軸受の飛躍的な長寿命化を図ることができる。このため、オルタネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、中間プーリ、電動ファンモータ等の自動車電装部品、補機等の転がり軸受、モータ用軸受として好適に利用できる。
グリース密封型転がり軸受の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図1の内輪の製造工程を示す工程図である。 (a)、(b)は、それぞれ参考例1、参考比較例1のシール摺接面の表面粗さを示すグラフである。 (a)、(b)は、それぞれ参考例2、参考例3のシール摺接面の表面粗さを示すグラフである。 従来の軌道輪の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
1 内輪
1a シール溝
2 外輪
2a 係止溝
3 ボール
4 保持器
5 接触シール
5a 芯金
5b 弾性部材
6a、6b シールリップ
7a、7b シール摺接面
8 グリース

Claims (8)

  1. 熱処理を施された内輪および外輪の間の軸受空間を、前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に弾性部材で形成したシールリップを接触させる接触シールで密封し、前記軸受空間に、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなるグリースを封入したグリース密封型転がり軸受において、
    前記内輪または外輪に設けたシール摺接面に、前記熱処理時に発生するスケールを除去するスケール除去加工を施し、
    前記グリースは、アルミニウム粉末およびアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも一つのアルミニウム系添加剤を含有し、該アルミニウム系添加剤の配合割合はベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部であることを特徴とするグリース密封型転がり軸受。
  2. 前記スケール除去加工は、ショットブラスト加工であることを特徴とする請求項1記載のグリース密封型転がり軸受。
  3. 前記スケール除去加工は、バレル研磨加工であることを特徴とする請求項1記載のグリース密封型転がり軸受。
  4. 前記スケール除去加工は、焼入れ鋼を切削する切削加工であることを特徴とする請求項1記載のグリース密封型転がり軸受。
  5. 前記スケール除去加工を施した後の前記シール摺接面の表面粗さが R max で 2.0μm 以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載のグリース密封型転がり軸受。
  6. 前記アルミニウム化合物は、炭酸アルミニウムおよび硝酸アルミニウムから選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載のグリース密封型転がり軸受。
  7. 前記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載のグリース密封型転がり軸受。
  8. 前記基油は、アルキルジフェニルエーテル油およびポリ-α-オレフィン油から選ばれた少なくとも一つの油であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載のグリース密封型転がり軸受。
JP2006204587A 2006-07-27 2006-07-27 グリース密封型転がり軸受 Pending JP2008032078A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006204587A JP2008032078A (ja) 2006-07-27 2006-07-27 グリース密封型転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006204587A JP2008032078A (ja) 2006-07-27 2006-07-27 グリース密封型転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008032078A true JP2008032078A (ja) 2008-02-14

Family

ID=39121734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006204587A Pending JP2008032078A (ja) 2006-07-27 2006-07-27 グリース密封型転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008032078A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084817A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Ntn Corp 樹脂プーリ付き軸受、およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084817A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Ntn Corp 樹脂プーリ付き軸受、およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4434685B2 (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2019039470A (ja) 転がり軸受
JP5007029B2 (ja) グリース組成物および該グリース封入転がり軸受
JP6193619B2 (ja) 転がり軸受
JP2008069882A (ja) グリース封入密封型転がり軸受
JP4989083B2 (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2008163995A (ja) グリース封入複列アンギュラ軸受
JP5170861B2 (ja) グリース組成物およびグリース封入軸受
JP2008032078A (ja) グリース密封型転がり軸受
JP4838549B2 (ja) グリース組成物および該グリース封入転がり軸受
JP2008095939A (ja) グリース密封型転がり軸受
JP2008032116A (ja) グリース密封型転がり軸受
JP7807889B2 (ja) グリース組成物およびグリース封入軸受
JP2008032079A (ja) グリース密封型転がり軸受
JP2008133911A (ja) グリース封入転がり軸受
JP2008075811A (ja) グリース封入転がり軸受
JP2008075813A (ja) グリース封入転がり軸受
JP2007254521A (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2007023104A (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2008215430A (ja) グリース封入転がり軸受
JP2007217521A (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2007046753A (ja) 自動車電装・補機用転がり軸受
JP2012052136A (ja) グリース組成物および該グリース封入軸受
JP2009174657A (ja) トランスミッション用転がり軸受
JP2007064456A (ja) ロボット用転がり軸受