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JP2008019711A - 内燃機関の過給機システム - Google Patents

内燃機関の過給機システム Download PDF

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JP2008019711A
JP2008019711A JP2006189429A JP2006189429A JP2008019711A JP 2008019711 A JP2008019711 A JP 2008019711A JP 2006189429 A JP2006189429 A JP 2006189429A JP 2006189429 A JP2006189429 A JP 2006189429A JP 2008019711 A JP2008019711 A JP 2008019711A
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達雄 飯田
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Abstract

【課題】タービンハウジングの熱容量の低減化とターボ効率の向上とを両立することが可能な内燃機関の過給機システムを提供する。
【解決手段】タービンハウジング2の構成材料としてアルミニウム合金を採用することでタービンハウジング2の熱容量を小さくする。また、タービンハウジング2の構成材料の膨張係数とタービンホイール51の構成材料の膨張係数との比に対して、タービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が逆比の関係になるようにタービンハウジング2をエンジン冷却水により冷却する。これにより、タービンハウジング2の熱容量の低減化による触媒の早期活性化と、チップクリアランスの維持による高いターボ効率の継続的な確保とを両立する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジン等の内燃機関に搭載される過給機システムに係る。特に、本発明は、タービンハウジングの熱容量の低減化とターボ効率の向上とを両立するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジンにおいて、排気ガスの流体エネルギを利用して吸入空気を圧縮して空気密度を高め、これによってエンジン出力の増大を図る過給機(以下、ターボチャージャと呼ぶ)が知られている。このターボチャージャは、排気通路の途中に設けられタービンハウジング内に配設されたタービンホイールと、吸気通路の途中に設けられコンプレッサハウジング内に配設されたコンプレッサホイール(インペラとも呼ばれる)とがタービンシャフトによって連結されて成るターボロータを備えている。そして、排気ガスの圧力によってタービンホイールが回転すると、その回転力がタービンシャフトを介してコンプレッサホイールに伝達され、このコンプレッサホイールの回転によって吸入空気が燃焼室に向けて過給される。
ところで、自動車用エンジン等の排気系には、排気ガスの浄化を行うための触媒コンバータが備えられている。この触媒コンバータは、一般的には排気ガスの熱を利用して触媒(例えば三元触媒等)を加熱し、この触媒を所定の活性温度まで上昇させることで排気ガス浄化機能を発揮するようになっている。従って、特にエンジンの冷間始動時等にあっては、触媒温度が上記活性温度に達するまで排気ガス浄化機能が発揮されない状況となるため、この触媒温度を迅速に高める構成が求められている。
しかしながら、上述したようなターボチャージャをエンジンに搭載した場合、タービンハウジングの構成材料は一般的に鋼(耐熱鋳鋼)であって、その熱容量が大きいために、冷間始動時における排気ガスの熱の大部分がタービンハウジングによって奪われてしまうことになる。このため、触媒コンバータを通過する排気ガスの温度が低くなってしまって、触媒を早期に活性化させることが困難となる。
この点に鑑み、例えば下記の特許文献1や特許文献2では、鋼よりも比熱の低いアルミニウム合金によってタービンハウジングを構成し、その熱容量の低減化を図っている。これにより、エンジンの冷間始動時においてタービンハウジングにより奪われる熱量の削減を図り、触媒温度の迅速な上昇に伴う触媒の早期活性化を実現している。
実開昭64−34404号公報 特開2005−163786号公報
しかしながら、単にタービンハウジングの構成材料をアルミニウム合金に変更しただけでは、以下に述べるような新たな課題が生じてしまう。
つまり、タービンハウジングを構成している材料(アルミニウム合金)の膨張係数(線膨張係数)とタービンホイールを構成している材料(例えば耐熱鋼)の膨張係数(線膨張係数)とに差がある(アルミニウム合金の方が線膨張係数が大きい)ため、ターボチャージャの駆動時におけるタービンホイールの膨張割合とタービンホイールの膨張割合との差によってこの両者間の間隔寸法(タービンホイールのブレードとタービンハウジング内面との間隔寸法:以下、チップクリアランスと呼ぶ)が大きくなってしまう。一般に、このチップクリアランスは0.5mm程度の小さな寸法に設定しておくことが好ましいが、上記各材料の膨張係数の差によってこのチップクリアランスが例えば0.8mm以上になってしまう場合もある。
これでは、ターボチャージャに導入される排気ガスのうちチップクリアランスを通過するもの(タービンホイールに流体エネルギを与えることなく素通りする排気ガス)の量が著しく増大することになってしまい、ターボ効率の悪化を招いてしまうことになる。タービンハウジングの構成材料とタービンホイールの構成材料とを同一材料にすれば、つまり、タービンホイールをアルミニウム合金製にすれば上記課題は生じ難いが、タービンホイールの構成材料としてアルミニウム合金を適用することは耐熱性の面で困難である。
このように、これまで、タービンハウジングの構成材料としてアルミニウム合金を採用することでタービンハウジングの熱容量を小さくして触媒温度の迅速な上昇を可能としながらも、上記チップクリアランスを小さな値(例えば0.5mm程度で)維持するための有効な技術については未だ提案されていないのが実情である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タービンハウジングの熱容量の低減化とターボ効率の向上とを両立することが可能な内燃機関の過給機システムを提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、タービンハウジングの構成材料としてアルミニウム合金を採用することでタービンハウジングの熱容量を小さくすると共に、このタービンハウジングの構成材料とタービンホイールの構成材料との膨張係数の差に応じたタービンハウジングの冷却動作を行って、タービンハウジングの膨張量とタービンホイールの膨張量とを略一致させ、これによってチップクリアランスの変化を防止している。
−解決手段−
具体的に、本発明は、タービンハウジング内に収容されたタービンホイールが排気ガスの流体エネルギを受けて回転し、その回転力をコンプレッサホイールに伝達することにより吸入空気を過給する内燃機関の過給機システムを前提とする。この内燃機関の過給機システムに対し、上記タービンハウジングの構成材料をアルミニウム合金とする一方、タービンホイールの構成材料を鋼(炭素鋼)とする。そして、上記タービンハウジングの構成材料の膨張係数とタービンホイールの構成材料の膨張係数との比が「N:1」(Nは整数だけでなく小数も含む)であるときに、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにタービンハウジングを冷却媒体により冷却する冷却手段を備えさせた構成としている。
この特定事項により、内燃機関の運転に伴う過給機の駆動に伴い、タービンハウジング及びタービンホイールは排気ガスの熱を受けて共に温度上昇していく。この際、上記タービンハウジングは、一般に使用されていた耐熱鋳鋼に比べて比熱が小さいアルミニウム合金製となっているため、タービンハウジング全体としての熱容量は大幅に小さくなっている。このため、特にエンジンの冷間始動時においてタービンハウジングにより奪われる熱量の大幅な削減を図ることができる。従って、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができ、触媒の早期活性化を実現することができる。また、このタービンハウジングのアルミニウム合金化により過給機全体としての軽量化を図ることもできる。
また、タービンハウジング及びタービンホイールが共に温度上昇した状態では、冷却媒体を利用した冷却手段によるタービンハウジングの冷却が行われ、このタービンハウジングの温度がタービンホイールの温度よりも低く設定される。そして、このタービンハウジングの冷却に際しては、タービンハウジングの構成材料(アルミニウム合金)の膨張係数とタービンホイールの構成材料(鋼)の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにしている。つまり、タービンハウジングの温度がタービンホイールの温度の「1/N」となるように冷却媒体によってタービンハウジングを冷却する。これにより、熱によるタービンハウジングの膨張量とタービンホイールの膨張量とが略一致することになり、これら両者間のチップクリアランスが変動することはない。即ち、タービンホイールの膨張による外径寸法(ブレードの外径寸法)の増大分だけタービンハウジングの内径寸法も増大することになり、この両者間のチップクリアランスが所定寸法に維持される。このため、予めチップクリアランスを非常に小さい値(例えば0.5mm)に設定しておいた場合であってもその値は継続的に維持されることになる。
以上の如く、本解決手段によれば、タービンハウジングの熱容量の低減化による触媒の早期活性化と、上記チップクリアランスの維持による高いターボ効率の継続的な確保とを両立することができる。
上記冷却手段として具体的には、タービンハウジングの内部に形成された冷却水通路であり、この冷却水通路に冷却媒体としての内燃機関冷却用冷却水(エンジン冷却水)を流すことによってタービンハウジングを冷却する構成としている。
これによれば、既存の内燃機関冷却用の冷却水を利用してタービンハウジングを冷却することができ、簡単な設計変更でタービンハウジングの冷却構造を実現することができる。また、この構成によれば、過給機内部で冷却水と排気ガスとの熱交換が行われることになるため、排気ガス中の熱を冷却水に与えることができ、冷却水の温度上昇を急速に行うことができて内燃機関の暖機運転を早期に完了させることができる。その結果、内燃機関の潤滑用オイル(エンジンオイル)の温度上昇も迅速に行われ、このオイルが所望の粘性を得るまでの時間(オイル粘度が所定値に低くなるまでの時間)も短縮化され、内燃機関始動後のオイルによるフリクション低減効果を早期に得ることができ内燃機関の燃費改善に寄与させることができる。
タービンハウジングやタービンホイールの温度は内燃機関の運転状況に応じて変動する。このため、上記チップクリアランスを高い精度で維持するためには、これら変動する温度に対応してタービンハウジングに対する冷却状態を変化させていくことが好ましい。この点に鑑みられた構成として以下のものが挙げられる。つまり、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の逆比に近付くように冷却媒体の温度または流量を調整する冷却媒体調整手段を備えさせた構成である。
この場合、上記冷却媒体調整手段による調整動作として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、内燃機関の運転状態に基づいてタービンホイールの温度を推定するホイール温度推定手段を備えさせる。そして、冷却媒体調整手段が、このホイール温度推定手段によって推定されたタービンホイールの温度に応じ、タービンホイールの温度が低いほどタービンハウジングを冷却する能力が上昇するように冷却媒体の温度または流量を調整する構成としている。
この構成によれば、タービンホイールの温度の変化に追従するようにタービンハウジングの温度を変化させていくことができる。つまり、例えば内燃機関の低回転時等のように排気ガス温度が低く、それに伴ってタービンホイールの温度も低い状況では、タービンハウジングに対する冷却能力を高く設定する。例えば、タービンハウジングに供給する冷却媒体の温度を低めに設定したり、冷却媒体の流量を高く設定することになる。一方、例えば内燃機関の高回転時等のように排気ガス温度が高く、それに伴ってタービンホイールの温度も高い状況では、タービンハウジングに対する冷却能力を低く設定する。例えば、タービンハウジングに供給する冷却媒体の温度を高めに設定したり、冷却媒体の流量を低く設定することになる。このような動作により、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の逆比に近付くように制御する。これにより、上記チップクリアランスを高い精度で維持することが可能になり、高いターボ効率を継続的に維持することができる。
また、本発明は以下の技術的思想をも含んでいる。つまり、タービンハウジング内に収容されたタービンホイールが排気ガスの流体エネルギを受けて回転し、その回転力をコンプレッサホイールに伝達することにより吸入空気を過給する内燃機関の過給機システムを前提とする。この内燃機関の過給機システムに対し、タービンハウジング内における排気ガスの流線に対して直交する面での排気ガス流路面積を、排気ガス最大流量時におけるマッハ係数(排気ガス流速/音速)が略「1」となるように設定している。
このようにタービンハウジング内の流路面積を設定した場合、排気系に排出されてくる排気ガスの温度が最も高くなる状況である排気ガス最大流量時にあっては、タービンホイール内の流路(例えばスクロール室)では、その流路断面の中央部分のガス流速が高く、また比較的高温度の排気ガスがこの部分に流れることになる。一方、流路断面の外周部分のガス流速が低く、また比較的低温度の排気ガスがこの部分に流れることになる。このため、排気ガス中の熱がタービンハウジングやタービンホイールに伝達される量も低く抑えられることになる。従って、特にエンジンの冷間始動時においてタービンハウジングやタービンホイールにより奪われる熱量の大幅な削減を図ることができ、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができ、触媒の早期活性化を実現することができる。
本発明では、タービンハウジングの構成材料としてアルミニウム合金を採用することでタービンハウジングの熱容量を小さくしている。また、タービンハウジングの構成材料の膨張係数とタービンホイールの構成材料の膨張係数との比に対して、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が略逆比の関係になるようにタービンハウジングを冷却している。このため、内燃機関始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができて、触媒の早期活性化を実現することができ、且つチップクリアランスを非常に小さい値に設定しておいた場合であってもその値を継続的に維持できて、高いターボ効率を継続的に確保できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では自動車用ディーゼルエンジンに搭載されたシングルターボ式のターボチャージャに本発明を適用した場合について説明する。これに限らず、ツインターボ式のターボチャージャ、シーケンシャルターボ式のターボチャージャ、スーパーチャージャを併設したハイブリッド式過給システムにも本発明は適用可能である。
(第1実施形態)
−ターボチャージャの構成説明−
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ1の縦断面図である。このターボチャージャ1は、エンジンの排気通路に設けられたタービンハウジング2内に収容され且つこのタービンハウジング2内に送り込まれる排気ガスによって回転するタービンホイール51と、エンジンの吸気通路に設けられたコンプレッサハウジング3内に収容され且つ上記タービンホイール51の回転力を受けて空気(吸気)を強制的に燃焼室へ送り込むコンプレッサホイール52とを備えている。
これらタービンホイール51とコンプレッサホイール52とは、金属製(例えば鋳鉄)のタービンシャフト53によって一体回転可能に連結されている。つまり、タービンホイール51、コンプレッサホイール52、タービンシャフト53が同一軸心上に配置され、一体的に組み付けられてターボロータ5が構成されており、タービンホイール51の回転に伴ってタービンシャフト53及びコンプレッサホイール52がこの軸心回りに回転する構成となっている。
上記タービンホイール51は、外周面に多数のタービンブレード51a,51a,…を備えている。また、このタービンホイール51は高温(例えば600〜800℃)の排気ガスに晒されるため耐熱性を有する鋼(炭素鋼)製となっている。また、上記タービンハウジング2には、タービンホイール51を取り囲むように、渦巻き状をなすスクロール室21が形成されている。このスクロール室21は、ターボロータ5の接線方向に開口する排気ガス取入れ口と、ターボロータ5の軸線方向に開口する排気ガス排出口22とを有している。排気ガス取入れ口は内燃機関の排気マニホールドに接続され、排気ガス排出口22は触媒コンバータへと排気ガスを導く排気管に接続される。
一方、上記コンプレッサホイール52は、外周面に多数のコンプレッサブレード52a,52a,…を備えている。また、このコンプレッサホイール52はターボラグを抑えるために軽量なアルミニウム合金や合成樹脂により形成されている。上記コンプレッサハウジング3には、コンプレッサホイール52を取り囲むように、渦巻き状をなすディフューザ31が形成されている。このディフューザ31は、ターボロータ5の軸線方向に開口する給気取入れ口32と、ターボロータ5の接線方向に開口する過給気吐出口とを有している。給気取入れ口32はエアクリーナに接続され、過給気吐出口は内燃機関の吸気マニホールドに接続される。
尚、上記タービンホイール51の形状は特に限定されるものではなく、衝撃型、反射型、斜流式等が採用可能である。同様に、コンプレッサホイール52の形状も特に限定されるものではなく、ラジアル型、バックワード型、バックワードレイク型等が採用可能である。本実施形態のターボロータ5は、タービンホイール51、コンプレッサホイール52、タービンシャフト53をそれぞれ別体として形成して、これらを一体的に組み付けるものとしたが、これらを一体形成したものであってもよい。
また、上記タービンシャフト53は、軸受ハウジング4内に形成された軸受部材41に挿通されている。この軸受部材41はその内部に円筒形状の空間が形成されており、その内周面には、軸受である軸受メタル42が遊嵌されている。また、この軸受メタル42の内周面は、タービンシャフト53に遊嵌されている。すなわち、軸受メタル42は、タービンシャフト53と軸受部材41との間の摺動部に配設されている。更に、この軸受メタル42には、軸受ハウジング4内に形成された潤滑油供給路43から潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油の供給によって、軸受部材41の内周面と軸受メタル42の外周面との間に油膜が形成される。一方、軸受メタル42には、その外周面から内周面に亘って貫通する油供給孔42aが複数箇所に形成されている。従って、軸受メタル42の外周面に供給された潤滑油は、これら複数の油供給孔42aを介して軸受メタル42の内周面にも供給され、軸受メタル42の内周面とタービンシャフト53の外周面との間にも油膜が形成される。このように、本実施形態におけるタービンシャフト53の軸受方式は、所謂フローティングベアリング方式とされており、軸受メタル42はタービンシャフト53と軸受部材41との間で自由に回転することができるようになっている。尚、軸受メタル42は、スナップリング44,44によって、軸心方向への移動が規制されている。このような構成の軸受け構造がタービンシャフト53の長手方向の両端部(タービンホイール51に近接する箇所とコンプレッサホイール52に近接する箇所の2箇所)に設けられている。
尚、上記軸受ハウジング4はタービンシャフト53と同一材料(例えば鋳鉄)で構成されている。これにより、熱による軸受ハウジング4の膨張量とタービンシャフト53の膨張量とを略等しくし、良好な軸受け状態が継続的に維持されるようになっている。また、上記コンプレッサホイール52とコンプレッサハウジング3との構成材料も同一材料であることが好ましい。
そして、本実施形態の特徴は、上記タービンハウジング2の構成材料及びこのタービンハウジング2を冷却するための構造にある。以下、具体的に説明する。
本実施形態におけるタービンハウジング2はアルミニウム合金(アルミニウム、シリコン、銅等を含む合金)により成形されている。このアルミニウム合金は、これまでタービンハウジング2の構成材料として一般に使用されていた耐熱鋳鋼に比べて比熱が小さいものである。このため、タービンハウジング2全体としての熱容量を従来のものよりも大幅に小さくでき、エンジンの冷間始動時においてタービンハウジング2により奪われる熱量の削減を図ることができる。その結果、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができ、触媒の早期活性化を実現することができる。また、ターボチャージャ1全体としての軽量化を図ることもできる。
また、タービンハウジング2を冷却するための構造としては、タービンハウジング2におけるスクロール室21に近接する位置であって上記排気ガス排出口22側にその略全周囲に亘ってハウジング内冷却水通路(冷却手段)23が形成されている。このハウジング内冷却水通路23は、上流側端が後述する導入配管H3を介してウォータポンプ63の吐出側に接続されている一方、下流側端が後述する導出配管H6を介してウォータポンプ63の吸入側に接続されている(詳細は図2を用いて後述する)。このため、ウォータポンプ63の駆動に伴い、導入配管H3を経てハウジング内冷却水通路23にエンジン冷却水(冷却媒体)が導入され、この冷却水によってタービンハウジング2が冷却され、その後、この冷却水は導出配管H6を経てウォータポンプ63に戻されるようになっている。また、この冷却水は必要に応じてラジエータ61によって冷却される。
また、本実施形態における他の特徴とする構成としては、上記タービンハウジング2内の空間(例えば上記スクロール室21)における排気ガスの流線に対して直交する面での流路面積が、排気ガス最大流量時におけるマッハ係数が略「1」となるように設定されている。この排気ガス最大流量時におけるマッハ係数を設定するためのパラメータとしては、エンジンの排気量、エンジン出力、排気ガス温度、タービンスクロール面積等が挙げられる。つまり、これらパラメータを適切に設定することにより、排気ガス最大流量時におけるマッハ係数が略「1」となるようにターボチャージャ1は設計されている。
そして、このようにタービンハウジング2内の流路面積を設定した場合、排気系に排出されてくる排気ガスの温度が最も高くなる状況である排気ガス最大流量時にあっては、タービンハウジング2内の流路(スクロール室21等)では、その流路断面の中央部分のガス流速が高く、また比較的高温度の排気ガスがこの部分に流れることになる一方、流路断面の外周部分のガス流速が低く、また比較的低温度の排気ガスがこの部分に流れることになる。このため、上記排気ガスのうち高温度の領域がタービンハウジング2やタービンホイール51に晒されることがなく、排気ガス中の熱がタービンハウジング2やタービンホイール51に伝達される量を低く抑えることができる。このため、特にエンジンの冷間始動時においてタービンハウジング2やタービンホイール51により奪われる熱量の大幅な削減を図ることができ、この構成によっても、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができ、触媒の早期活性化を実現することができるようになっている。
−冷却水循環経路の説明−
以下、本実施形態に係るエンジンの冷却水循環経路について説明する。図2は、本実施形態に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。この図2に示すように、冷却水循環経路には、ラジエータ61、サーモスタット62、ウォータポンプ63、上記ターボチャージャ1、これら各機器61,62,63,1及びエンジン本体Eに形成されたウォータジャケット64を接続する配管及びホースH1,H2,H3,H4,H5,H6が備えられている。
具体的には、ラジエータ61のロアタンク61aとサーモスタット62とはロアホースH1によって接続されており、ウォータポンプ63の吐出口はエンジン本体Eのウォータジャケット64に連通している。このウォータジャケット64では、ウォータポンプ63からの冷却水がシリンダブロック側のウォータジャケット64aを経た後、シリンダヘッド側のウォータジャケット64bに導入され、その後、取り出し管H2によってエンジン本体Eから取り出される。この取り出し管H2は分岐され、一方は導入配管H3によってターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に接続されており、他方はアッパホースH4によってラジエータ61のアッパタンク61bに接続されている。また、アッパホースH4とウォータポンプ63の吸入側とは冷間時バイパスホースH5によって接続されている。
そして、ターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23は、導出配管H6によってウォータポンプ63の吸入側に接続されている。つまり、取り出し管H2によってエンジン本体Eから取り出された冷却水の一部が導入配管H3によってターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に導入された後、この冷却水が導出配管H6によってウォータポンプ63の吸入側に戻される構成となっている。
そして、上記導入配管H3には開閉自在な電磁弁24が備えられている。つまり、この電磁弁24が開放状態にあるときにはターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に冷却水が導入されてタービンハウジング2の冷却動作が行われる一方、電磁弁24が閉鎖状態にあるときにはターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に冷却水は導入されず、タービンハウジング2の冷却動作は行われない構成となっている。この電磁弁24の開閉制御については後述する。
以下、この冷却水循環経路を構成している各機器の構成及び機能について簡単に説明する。
本実施形態におけるラジエータ61は、ダウンフロータイプのものであり、アッパタンク61bとロアタンク61aとの間にラジエータコア61cが備えられている。これにより、エンジン本体Eから取り出し管H2及びアッパホースH4を経てアッパタンク61bに回収された冷却水がロアタンク61aに向けてラジエータコア61cの内部を流下する際に外気(走行風や冷却ファンの駆動による送風)との間で熱交換を行い、外気に放熱することで冷却水が冷却されるようになっている。
サーモスタット62は、冷却水循環経路の水路を切り換えることによって冷却水の温度を調整するものであって、例えば内部に封入されたワックスの熱膨張を利用し、内装されたバルブが冷却水温度に応じて開閉される機構を備えている。そして、エンジン本体Eの冷間時、つまり冷却水温度が比較的低い場合には、サーモスタット62のバルブが閉鎖して、ラジエータ61のロアタンク61aとウォータポンプ63との間の水路を遮断し、ラジエータ61に冷却水を流さないことでエンジン本体Eの暖機運転の早期完了を図るようになっている。一方、エンジン本体Eの暖機完了後、つまり冷却水温度が比較的高い場合には、サーモスタット62のバルブが開放して、ラジエータ61のロアタンク61aとウォータポンプ63との間の水路を開放し、ラジエータ61に冷却水の一部を流すことでその冷却水が回収した熱をラジエータ61によって大気に放出するようにしている。
ウォータポンプ63は、冷却水循環経路内に水流を発生させるためのものであって、その駆動軸に備えられたウォータポンププーリとクランクシャフトプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されていることにより、クランクシャフトの回転力を受けて駆動するようになっている。
−冷却水循環動作及びタービンハウジング2の冷却動作−
次に、上述した冷却水循環経路における冷却水循環動作について説明する。
先ず、エンジンの冷間始動時における冷却水循環動作について説明する。この冷間始動時には、サーモスタット62が閉鎖状態となっていると共に上記導入配管H3に備えられた電磁弁24は開放状態となっている。そして、冷却水循環動作としては、図2に実線の矢印で示すように、ウォータポンプ63、ウォータジャケット64、取り出し管H2の順で冷却水が流れる。そして、この取り出し管H2によりエンジン本体Eから取り出された冷却水は、導入配管H3と冷間時バイパスホースH5とに分流される。導入配管H3に分流された冷却水は、ターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に導入され、タービンハウジング2を冷却した後に導出配管H6を経てウォータポンプ63に吸入される。また、冷間時バイパスホースH5に分流された冷却水もウォータポンプ63の吸入側に戻される。これにより、比較的少量の冷却水を、ラジエータ61をバイパスして循環させ、ラジエータ61における放熱動作を行わせないことでエンジンの暖機を早期に完了させるようにする。
上述した如くタービンハウジング2はアルミニウム合金により成形されており、タービンハウジング2全体としての熱容量が小さくなっているため、このような冷間始動時において、排気ガス中の熱のうちタービンハウジング2により奪われる熱量は少なく、その結果、触媒コンバータに比較的高温度の排気ガスを通過させることができる。このため、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができて、触媒の早期活性化を実現することができる。
また、このような冷却水循環動作によれば、ターボチャージャ1の内部で冷却水と排気ガスとの熱交換(タービンハウジング2と冷却水との間での熱交換)が行われることになるため、冷却水はエンジン本体Eから受ける熱ばかりでなく排気ガスの熱も受けることで急速な温度上昇が可能になる。このため、エンジンの暖機運転を早期に完了させることができ、また、エンジンオイルの温度上昇も迅速に行われるためエンジン始動後のオイルによるフリクション低減効果を早期に得ることができてエンジンの燃費改善に寄与することができる。
次に、エンジンの暖機運転完了後の冷却水循環動作について説明する。この場合、サーモスタット62が開放状態となると共に上記導入配管H3に備えられた電磁弁24は開閉動作が制御される。
この電磁弁24の開閉動作について説明する。エンジンコントローラ内のROMには、エンジン回転数、エンジン負荷、冷却水温度に基づいてタービンホイール51の温度を推定するホイール温度推定マップが記憶されており、このホイール温度推定マップからタービンホイール51の推定温度を読み出す(本発明でいうホイール温度推定手段によるタービンホイール温度の推定動作)。そして、このタービンホイール51の温度が所定温度以上である場合には電磁弁24を閉鎖してタービンハウジング2に対する冷却能力を低くし、タービンホイール51の温度上昇に迅速に追従するように(後述するようにタービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の1/2の値を下回らないように)タービンハウジング2の温度上昇を許容する。一方、タービンホイール51の温度が所定温度未満である場合には電磁弁24を開放して、タービンホイール51の温度よりもタービンハウジング2の温度が十分に下回るように(後述するようにタービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の1/2の値を上回らないように)タービンハウジング2に対する冷却能力を高くする。
このようにしてタービンハウジング2に対する冷却能力を調整することにより、タービンハウジング2の構成材料であるアルミニウム合金の膨張係数とタービンホイール51の構成材料である鋼の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにしている。つまり、タービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の「1/N」となるように冷却水によってタービンハウジング2を冷却する。
より具体的には、例えばタービンハウジング2の構成材料であるアルミニウム合金の線膨張係数が20×10-6程度であり、タービンホイール51の構成材料である鋼の膨張係数が10×10-6程度である場合、アルミニウム合金の膨張係数と鋼の膨張係数との比は「2:1」である。このときに、タービンホイール51の温度が排気ガス温度に近い値である600℃となっている場合には、タービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の1/2、つまり、300℃となるように電磁弁24の開閉制御によってタービンハウジング2に対する冷却能力を変更していくようにしている。これら値はこれに限るものではなく任意に設定可能である。
言い換えると、タービンハウジング2の構成材料の膨張係数とタービンホイール51の構成材料の膨張係数との比に対して逆比の関係になるようにタービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が調整されるよう、タービンハウジング2の構成材料であるアルミニウム合金の膨張係数、タービンホイール51の構成材料である鋼の膨張係数、電磁弁24の開閉動作を切り換えるためのタービンホイール推定温度(閾値)を適切に設定するようにしている。
以下、具体的な冷却水循環動作について説明する。図2に破線の矢印で示すように、ウォータポンプ63、ウォータジャケット64、取り出し管H2の順で冷却水が流れる。そして、この取り出し管H2によりエンジン本体Eから取り出された冷却水は、導入配管H3とアッパホースH4とに分流される。上記推定されたタービンホイール51の温度が比較的低く、電磁弁24が開放状態にある時には、上記導入配管H3に分流された冷却水は、ターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に導入され、タービンハウジング2を冷却した後に導出配管H6を経てウォータポンプ63に吸入される。また、アッパホースH4に分流された冷却水は、ラジエータ61に戻される。
一方、上記推定されたタービンホイール51の温度が比較的高く、電磁弁24が閉鎖状態にある時には、上記導入配管H3に冷却水が導入されることはなく、タービンハウジング2の冷却は行われない。このため、取り出し管H2を流れてきた冷却水の全てがアッパホースH4を経てラジエータ61に戻される。
以上の冷却水循環動作により、冷却水の熱をラジエータ61によって大気に放出して冷却水を冷却し、エンジン本体Eを適温に維持すると共に、タービンホイール51の温度が所定温度未満であって電磁弁24が開放状態にある場合にはタービンハウジング2に対する冷却動作が行われる。
このように、タービンホイール51の温度に応じてタービンハウジング2に対する冷却能力を調整し、タービンハウジング2の構成材料(アルミニウム合金)の膨張係数とタービンホイール51の構成材料(鋼)の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにしている。このため、熱によるタービンハウジング2の膨張量とタービンホイール51の膨張量とが略一致することになり、これら両者間のチップクリアランスが変動することがなくなる。つまり、タービンホイール51の膨張による外径寸法(タービンブレード51aの外径寸法)の増大分だけタービンハウジング2の内径寸法も増大することになり、この両者間のチップクリアランスが所定寸法に維持される。このため、予めチップクリアランスを非常に小さい値(例えば0.5mm)に設定しておいた場合であってもその値は継続的に維持されることになり、高いターボ効率を継続的に確保することができる。
尚、上述した実施形態における電磁弁24の開閉制御では、タービンホイール51の推定温度が所定温度以上であるか否かによって電磁弁24の開閉を切り換えるようにしていた。これによれば、特にタービンハウジング2の温度を認識しておくことなしに、タービンハウジング2の構成材料の膨張係数とタービンホイール51の構成材料の膨張係数との比に対して略逆比の関係になるようにタービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比を調整することが可能である。
これに対し、より高い精度でタービンハウジング2の冷却動作を行うためには、タービンハウジング2の温度を検知するためのハウジング温度センサを備えさせ、タービンホイール51の推定温度とハウジング温度センサにより検知されたタービンハウジング2の温度とを比較し、タービンホイール51の推定温度に対してタービンハウジング2の温度が「1/2」(タービンハウジング2の構成材料の膨張係数とタービンホイール51の構成材料の膨張係数との比が「2:1」の場合)となるように電磁弁24の開閉制御を行うようにすることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態におけるターボチャージャ1の構成は上述した第1実施形態におけるターボチャージャ1と同一である。従って、ここでは、ターボチャージャ1の構成についての説明は省略し、冷却水循環経路、冷却水循環動作及びタービンハウジング2の冷却動作についてのみ説明する。また、本実施形態に係る冷却水循環経路の概略を示す図3にあっては、上述した第1実施形態のものと同一の部材については同一の符号を付している。
−冷却水循環経路の説明−
以下、本実施形態に係るエンジンの冷却水循環経路について説明する。図3は、本実施形態に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。この図3に示すように、冷却水循環経路には、上述した第1実施形態のものと同様にラジエータ61、サーモスタット62、ウォータポンプ63、ターボチャージャ1、これら各機器61,62,63,1及びエンジン本体Eに形成されたウォータジャケット64を接続する配管及びホースH1,H2,H4,H5が備えられている。
本実施形態に係る冷却水循環経路の上記第1実施形態との相違点は、ターボチャージャ1のタービンハウジング2を冷却するための冷却水経路にある。つまり、本実施形態では、ターボチャージャ1のタービンハウジング2を冷却するための専用の冷却水経路が備えられている。この冷却水経路としては、上流端がロアホースH1に接続し、下流端がターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に接続する導入配管H7と、上流端がターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に接続し、下流端がアッパホースH4に接続する導出配管H8とを備えている。そして、上記導入配管H7にはハウジング冷却用ポンプ25が備えられている。つまり、このハウジング冷却用ポンプ25の駆動に伴って、ラジエータ61のロアタンク61aから取り出された冷却水がロアホースH1及び導入配管H7を経てターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に導入され、タービンハウジング2を冷却した後に、導出配管H8及びアッパホースH4を経てラジエータ61のアッパタンク61bに戻されるようになっている。即ち、ハウジング冷却用ポンプ25が駆動している場合にのみタービンハウジング2が冷却されるようになっている。このハウジング冷却用ポンプ25の制御については後述する。
その他の冷却水循環経路の構成は上述した第1実施形態のものと同様である。
−冷却水循環動作及びタービンハウジング2の冷却動作−
次に、本実施形態における冷却水循環動作について説明する。
先ず、エンジンの冷間始動時における冷却水循環動作について説明する。この冷間始動時には、サーモスタット62が閉鎖状態となっていると共に上記ハウジング冷却用ポンプ25が駆動される。そして、冷却水循環動作としては、図3に実線の矢印で示すように、ウォータポンプ63、ウォータジャケット64、取り出し管H2、冷間時バイパスホースH5、ウォータポンプ63の順で冷却水が流れる循環動作が行われる。また、ハウジング冷却用ポンプ25の駆動に伴い、ラジエータ61のロアタンク61aから取り出された冷却水がロアホースH1及び導入配管H7を経てターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に導入され、タービンハウジング2を冷却した後に、導出配管H8及びアッパホースH4を経てラジエータ61のアッパタンク61bに戻される。
本実施形態においても、タービンハウジング2はアルミニウム合金により成形されており、タービンハウジング2全体としての熱容量が小さくなっている。このため、上記冷間始動時において、排気ガス中の熱のうちタービンハウジング2により奪われる熱量は少なく、その結果、触媒コンバータに比較的高温度の排気ガスを通過させることができ、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができて、触媒の早期活性化を実現することができる。
また、このような冷却水循環動作によれば、ターボチャージャ1の内部で冷却水と排気ガスとの熱交換(タービンハウジング2と冷却水との間での熱交換)が行われることになるため、冷却水はエンジン本体Eから受ける熱ばかりでなく排気ガスの熱も受けることで急速な温度上昇が可能になる。このため、エンジンの暖機運転を早期に完了させることができ、また、エンジンオイルの温度上昇も迅速に行われるためエンジン始動後のオイルによるフリクション低減効果を早期に得ることができエンジンの燃費改善に寄与することができる。
次に、エンジンの暖機運転完了後の冷却水循環動作について説明する。この場合、サーモスタット62が開放状態となると共に上記ハウジング冷却用ポンプ25の駆動状態(ポンプからの冷却水の吐出量)が制御される。
このハウジング冷却用ポンプ25の制御動作について説明する。エンジンコントローラ内のROMには、エンジン回転数、エンジン負荷、冷却水温度に基づいてタービンホイール51の温度を推定するホイール温度推定マップが記憶されており、このホイール温度推定マップからタービンホイール51の推定温度を読み出す(本発明でいうホイール温度推定手段によるタービンホイール温度の推定動作)。そして、このタービンホイール51の温度が高いほどハウジング冷却用ポンプ25からの冷却水の吐出量が少なくなるようにポンプ回転数を制御してタービンハウジング2に対する冷却能力を低くし、タービンホイール51の温度上昇に迅速に追従するように(上述した如くタービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の1/2の値を下回らないように)タービンハウジング2の温度上昇を許容する。一方、タービンホイール51の温度が低いほどハウジング冷却用ポンプ25からの冷却水の吐出量が多くなるようにポンプ回転数を制御して、タービンホイール51の温度よりもタービンハウジング2の温度が十分に下回るように(上述した如くタービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の1/2の値を上回らないように)タービンハウジング2に対する冷却能力を高くする。
このようにしてタービンハウジング2に対する冷却能力を調整することにより、タービンハウジング2の構成材料であるアルミニウム合金の膨張係数とタービンホイール51の構成材料である鋼の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにしている。つまり、タービンハウジング2の温度がタービンホイール51の温度の「1/N」となるように冷却水によってタービンハウジング2を冷却する。
より具体的な数値としては上述した第1実施形態の場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、具体的な冷却水循環動作について説明する。図3に破線の矢印で示すように、ラジエータ61、ロアホースH1、サーモスタット62、ウォータポンプ63、ウォータジャケット64、取り出し管H2、アッパホースH4、ラジエータ61の順で冷却水が流れる。これにより、冷却水の熱をラジエータ61によって大気に放出して冷却水を冷却し、エンジン本体Eを適温に維持することになる。
そして、上記推定されたタービンホイール51の温度が比較的低く、ハウジング冷却用ポンプ25からの冷却水の吐出量が多くなるように制御されている時には、ラジエータ61のロアタンク61aから取り出された冷却水がロアホースH1及び導入配管H7を経てターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23に比較的高い流速で導入され、タービンハウジング2を高い冷却能力で冷却した後に、導出配管H8及びアッパホースH4を経てラジエータ61のアッパタンク61bに戻される。一方、上記推定されたタービンホイール51の温度が比較的高く、ハウジング冷却用ポンプ25からの冷却水の吐出量が少なくなるように制御されている時やハウジング冷却用ポンプ25が停止されている時には、上記導入配管H7における冷却水の流量は僅かまたは「0」となっており、タービンハウジング2の冷却能力は低くなる。
このように、本実施形態においてもタービンホイール51の温度に応じてタービンハウジング2に対する冷却能力を調整し、タービンハウジング2の構成材料(アルミニウム合金)の膨張係数とタービンホイール51の構成材料(鋼)の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジング2の温度とタービンホイール51の温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比「1:N」となるようにしている。このため、熱によるタービンハウジング2の膨張量とタービンホイール51の膨張量とが略一致することになり、これら両者間のチップクリアランスが変動することがなくなる。つまり、タービンホイール51の膨張による外径寸法(タービンブレード51aの外径寸法)の増大分だけタービンハウジング2の内径寸法も増大することになり、この両者間のチップクリアランスが所定寸法に維持される。その結果、予めチップクリアランスを非常に小さい値(例えば0.5mm)に設定しておいた場合であってもその値は継続的に維持されることになり、高いターボ効率を継続的に確保することができる。
尚、本実施形態の冷却水循環経路においても、上述した如く、タービンハウジング2の温度を検知するためのハウジング温度センサを備えさせ、このセンシング値に基づいてハウジング冷却用ポンプ25の回転数を制御するようにしてもよい。つまり、タービンホイール51の推定温度とハウジング温度センサにより検知されたタービンハウジング2の温度とを比較し、タービンホイール51の推定温度に対してタービンハウジング2の温度が「1/2」(タービンハウジング2の構成材料の膨張係数とタービンホイール51の構成材料の膨張係数との比が「2:1」の場合)となるようにハウジング冷却用ポンプ25の回転数制御を行うようにしたものである。
(変形例1)
次に、上述した第1実施形態に係る冷却水循環経路の変形例1について説明する。ここでは、上記第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図4は、本例に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。この図4に示すように、本例の冷却水循環経路では、上述した第1実施形態の冷却水循環経路に加えて、ターボチャージャ1のハウジング内冷却水通路23の冷却水排出側の配管である導出配管H6にリザーバタンク26が備えられている。このリザーバタンク26はターボチャージャ1の配設位置よりも下側に配設されている。また、上記ハウジング内冷却水通路23から延びる導出配管H6aはリザーバタンク26の上部に接続され、ウォータポンプ63の吸入側に向けて延びる導出配管H6bはリザーバタンク26の下部に接続されている。
このため、上記第1実施形態で説明したような冷却水の循環動作が行われた後に、エンジンが停止してウォータポンプ63も停止した場合には、ハウジング内冷却水通路23内の冷却水が導出配管H6aを経てリザーバタンク26内に回収され、これにより、ハウジング内冷却水通路23内には冷却水が存在しない状態となる。つまり、冷却水循環動作の終了後には、ターボチャージャ1から冷却水を抜き取る構成となっている。
このため、次回のエンジン始動時においてもハウジング内冷却水通路23内には冷却水が存在しない状態となっており、タービンハウジング2内を流れる排気ガス中の熱がハウジング内冷却水通路23内に存在する冷却水によって奪われるといったことがない。このため、上記タービンハウジング2をアルミニウム合金により成形したこととの相乗効果により、触媒コンバータに比較的高温度の排気ガスを通過させることができ、エンジン始動後、短時間のうちに触媒コンバータの触媒温度を活性温度まで上昇させることができて、触媒の早期活性化を実現することができる。
尚、このようにターボチャージャ1の下側にリザーバタンク26を配設して、冷却水循環動作の終了後にターボチャージャ1から冷却水を抜き取る構成は、上記第2実施形態における冷却水循環経路に対しても適用可能である。
(変形例2)
次に、ターボチャージャ1の配設状態の変形例について説明する。ここでも、上記第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図5は、本例に係るターボチャージャ1及びその周辺部分の縦断面図である。この図5にあっては、上述した第1実施形態のものと同一の部材については同一の符号を付している。
この図5に示すように、本例では、タービンハウジング2がシリンダヘッド7の内部に一体的に成形されている。つまり、シリンダヘッド7の排気ポート71に連続して上記スクロール室21となる空間を形成し、これによってシリンダヘッド7とタービンハウジング2とを一体化させた構成となっている。その他の構成は上記第1実施形態で説明したターボチャージャ1と同様である。
本例の構成によれば、シリンダヘッド7内部にタービンハウジング2が配設されることになるため、エンジンの小型軽量化を図ることができる。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態及び変形例では、自動車用ディーゼルエンジンに搭載されたターボチャージャ1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ガソリンエンジン等の他の内燃機関にも適用可能である。また、本発明が適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
また、上記第1実施形態では電磁弁24の開閉動作により、第2実施形態ではハウジング冷却用ポンプ25の吐出量制御によりそれぞれタービンハウジング2に対する冷却能力を調整するようにしたが、ハウジング内冷却水通路23に導入する冷却水の温度を制御することによりタービンハウジング2に対する冷却能力を調整するようにしてもよい。具体的には、ラジエータ61のロアタンク61aから導出された比較的温度の低い冷却水とエンジン本体Eのウォータジャケット64から導出された比較的温度の高い冷却水との混合割合を調整することで所望の温度の冷却水を生成し、この冷却水をハウジング内冷却水通路23に導入することでタービンハウジング2に対する冷却能力を調整するものである。
また、タービンハウジング2を冷却するための冷却媒体としては、エンジン冷却水に限定されるものではなく、エンジンオイルや燃料等を利用することも可能である。
更に、上述した各実施形態及び変形例では、エンジン回転数、エンジン負荷、冷却水温度に基づいてタービンホイール51の温度を推定し、この推定値に基づいて電磁弁24の開閉制御やハウジング冷却用ポンプ25の回転数制御を行うようにしていた。本発明はこれに限らず、タービンホイール51の温度は排気ガスの温度に略近似していると仮定して、この排気ガスの温度のみに基づいて電磁弁24の開閉制御やハウジング冷却用ポンプ25の回転数制御を行うようにしてもよい。
実施形態に係るターボチャージャの縦断面図である。 第1実施形態に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。 第2実施形態に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。 変形例1に係る冷却水循環経路の概略を示す回路図である。 変形例2に係るターボチャージャ及びその周辺部分の縦断面図である。
符号の説明
1 ターボチャージャ(過給機)
2 タービンハウジング
23 ハウジング内冷却水通路(冷却手段)
24 電磁弁(冷却媒体調整手段)
25 ハウジング冷却用ポンプ(冷却媒体調整手段)
51 タービンホイール
52 コンプレッサホイール

Claims (5)

  1. タービンハウジング内に収容されたタービンホイールが排気ガスの流体エネルギを受けて回転し、その回転力をコンプレッサホイールに伝達することにより吸入空気を過給する内燃機関の過給機システムにおいて、
    上記タービンハウジングの構成材料はアルミニウム合金である一方、タービンホイールの構成材料は鋼であって、
    上記タービンハウジングの構成材料の膨張係数とタービンホイールの構成材料の膨張係数との比が「N:1」であるときに、タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の略逆比となるようにタービンハウジングを冷却媒体により冷却する冷却手段を備えていることを特徴とする内燃機関の過給機システム。
  2. 上記請求項1記載の内燃機関の過給機システムにおいて、
    冷却手段は、タービンハウジングの内部に形成された冷却水通路であり、この冷却水通路に冷却媒体としての内燃機関冷却用冷却水を流すことによってタービンハウジングを冷却するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の過給機システム。
  3. 上記請求項1または2記載の内燃機関の過給機システムにおいて、
    タービンハウジングの温度とタービンホイールの温度との比が上記膨張係数同士の比の逆比に近付くように冷却媒体の温度または流量を調整する冷却媒体調整手段を備えていることを特徴とする内燃機関の過給機システム。
  4. 上記請求項3記載の内燃機関の過給機システムにおいて、
    内燃機関の運転状態に基づいてタービンホイールの温度を推定するホイール温度推定手段を備え、冷却媒体調整手段は、このホイール温度推定手段によって推定されたタービンホイールの温度に応じ、タービンホイールの温度が低いほどタービンハウジングを冷却する能力が上昇するように冷却媒体の温度または流量を調整するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の過給機システム。
  5. タービンハウジング内に収容されたタービンホイールが排気ガスの流体エネルギを受けて回転し、その回転力をコンプレッサホイールに伝達することにより吸入空気を過給する内燃機関の過給機システムにおいて、
    タービンハウジング内における排気ガスの流線に対して直交する面での排気ガス流路面積が、排気ガス最大流量時におけるマッハ係数が略「1」となるように設定されていることを特徴とする内燃機関の過給機システム。
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