JP2008018751A - ラグ付き走行体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ラグ付き走行体1は、第1ラグ4aおよび第2ラグ4bの前側の側面13aの上部に、タイヤ本体2の半径方向Rに対して1°〜25°の範囲の角度で傾斜する傾斜面14が形成され、傾斜面14の半径方向Rの長さbは、各ラグ4a、4bの後側の側面13bの高さeの15%以下とされており、かつ傾斜面14の下側に、この傾斜面14よりも前方に突出する段部15が形成され、段部15の下側に所定の深さcの凹部16が形成され、凹部16の長さがラグ4の後側の側面13bの高さeの70%以上かつ80%未満、80%以上かつ90%未満、または90%以上のとき凹部16の深さcがそれぞれ凹部の長さdの14%以上、10%以上または8%以上とされている。
【選択図】図3
Description
前記ラグは、その踏み込み側壁(回転方向前側の側壁)が、その蹴り面側壁(踏み込み側壁の背面側の側壁)よりも緩やかな傾斜で形成されている。タイヤの半径方向に対する踏み込み側壁の傾斜角度は、30°〜50°程度となっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、水田等で走行させた場合に十分なトラクション性能を発揮するラグ付き走行体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係るラグ付き走行体は、タイヤ本体の一方のサイドウォール部側に片寄って形成された第1ラグと、他方のサイドウォール部側に片寄って形成された第2ラグとがこのタイヤ本体の周方向に交互に形成されており、前記第1ラグは、タイヤ本体の赤道面から一方のサイドウォール部にわたって形成された長ラグ部と、前記赤道面から他方のサイドウォール部に向かって形成された短ラグ部とを有し、前記第2ラグは、タイヤ本体の赤道面から一方のサイドウォール部に向かって形成された短ラグ部と、前記赤道面から他方のサイドウォール部にわたって形成された長ラグ部とを有しており、前記各ラグの前側の側面の上部には、タイヤ本体の半径方向に対して1°〜25°の範囲の角度で傾斜する傾斜面が形成され、この傾斜面の半径方向の長さは、各ラグの後側の側面の高さの15%以下とされており、かつ前記傾斜面の下側に、この傾斜面よりも前方に突出する段部が形成され、この段部の下側に所定の深さの凹部が形成され、凹部の深さがタイヤ本体の半径方向における凹部の長さの10%〜25%とされるとともに、タイヤ本体の半径方向におけるこの凹部の長さがラグの後側の側面の高さの70%以上とされていることを特徴とする。
また、前記長ラグ部は、その中途部が赤道面に対して50°以上に傾斜した傾斜部を備え、この傾斜部に前記凹部が形成されていることを特徴とする。
また、前記凹部は、タイヤ本体の幅方向内方に向かうにつれて徐徐に深くなるように形成されていることを特徴とする。
これによれば、凹部の底部が赤道面に対してより大きな角度で傾斜することになり、ラグ付き走行体のトラクション性能がさらに向上する。
これによれば、トレッド部に泥土が付着しにくくなり、ラグ付き走行体の排土性を向上するとともにラグの牽引力を維持できるようになる。
本発明に係るラグ付き走行体1は、例えば農作業車両の車輪(農業用タイヤ)として使用されるものである。
図1乃至図4の第1実施形態において、ラグ付き走行体1は、側面視円形のタイヤ本体2のトレッド部3に複数のラグ4を突出して形成されたものである。複数のラグ4は、タイヤ本体2の周方向(図中に符号Yで示す)に間隔をおいて形成されている。
ここで、「周方向」とは、ラグ付き走行体1がタイヤの場合にはその円周方向をいう。また、この「周方向」は、図1のように平面図で表した場合には、紙面に沿って赤道面EP(タイヤ本体2の幅方向(図中に符号Xで示す)の中心を通るタイヤ本体2の回転軸に直角な面をいう)と平行な直線方向をいう。また、タイヤ本体2の半径方向(図中に符号Rで示す)の外方側を上側、内方(タイヤ本体2の中心を向く方向)側を下側という場合がある。
複数のラグ4には、タイヤ本体2の一方のサイドウォール部5aに片寄って形成された第1ラグ4aと、他方のサイドウォール部5bに片寄って形成された第2ラグ4bとがある。
第1ラグ4aおよび第2ラグ4bは、長ラグ部7と短ラグ部8を有する。
第1ラグ4aの長ラグ部7は、タイヤ本体2の赤道面EPからタイヤ本体2の一方のサイドウォール部5aにわたって形成されている。第2ラグ4bの長ラグ部7は、タイヤ本体2の赤道面EPからタイヤ本体2の他方のサイドウォール部5bにわたって形成されている。
図1に示すように、各ラグ4(4a、4b)の長ラグ部7は、その中途部が折り曲げられている。これにより、各長ラグ部7は、赤道面EP側に形成された第1傾斜部9と、第1傾斜部9よりもサイドウォール部5(5a、5b)側に形成された第2傾斜部10を有する。
第1傾斜部9の一端部は、短ラグ部8とつながっている。図1に示すように、短ラグ部8と長ラグ部7の第1傾斜部9の部分は、平面視においてV字状に形成されている。
第2ラグ4bの短ラグ部8は、タイヤ本体2の赤道面EPからタイヤ本体2の一方のサイドウォール部5aに向かって形成されている。第1ラグ4aの短ラグ部8は、タイヤ本体2の赤道面EPからタイヤ本体2の他方のサイドウォール部5bに向かって形成されている。第1ラグ4aの短ラグ部8および第2ラグ4bの短ラグ部8は、図1に示すように、赤道面EP(または周方向Y)に対して所定の角度で傾斜して形成されている。短ラグ部8の傾斜角度θ3は、20°以上50°未満とされているのが望ましい。短ラグ部8の傾斜角度θ3は、前記第1傾斜角度θ1とほぼ等しくされるのが望ましい。
各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aおよび後側の側面13bは、図3に示すように、タイヤ本体2の半径方向Rに対して所定の角度で傾斜している。
図1乃至図4に示すように、各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aの上部には、タイヤ本体2の半径方向Rに対して所定の角度で傾斜する傾斜面14が形成されている。
前記傾斜面14の下側には、前記傾斜面14よりも前方に突出する段部15が形成されている。この段部15の上端は、前記傾斜面14の下端とつながっている。この段部15は、タイヤ本体2の半径方向Rに対して所定の角度で傾斜する傾斜面からなる。この段部15の傾斜角度は、前記傾斜面14の傾斜角度aよりも大きい。
図3に示すように、凹部16の下側には、所定の曲率半径の曲面17が形成されている。
各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aには、前記段部15と凹部16の境界部分に、前方に突出する突起部(以下、上突起部20という)が形成されている。また、各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aには、凹部16と前記曲面17との境界部分に、前方に突出する突起部(以下、下突起部という)が形成されている。凹部16はこの上突起部20と下突起部21の間に形成されている。
凹部16は、図1に示すように、その一端部16aから他端部16bにかけて一定の深さで形成されている。この凹部16の深さcは、タイヤ本体2の半径方向Rにおける凹部16の長さdの10%以上25%以下とされるのが望ましく、更に好ましくは、14%以上20%以下とされるのがよい。なお、凹部16の深さcとタイヤ本体2の半径方向Rにおける凹部16の長さdとの比が25%を超えるとラグ4の剛性が低下して耐久性が低下するおそれがあるので好ましくない。
上述したラグ付き走行体1によれば、各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aに形成された凹部16の深さcがラグ4の後側の側面13bの高さeの70%以上とされ、さらに、この凹部16の終端が突起部(上突起部20、下突起部21)とされることによって、走行中にこの凹部16が効率的に土を掴むことができる。これによって、ラグ付き走行体1は、水田等を走行した場合であっても、スリップを抑えて良好なトラクション性能を確保できる。
また、ラグ4の前側の側面13aの上部に傾斜面14よりも前方に突出した段部15を形成することによって、このラグ4の先端部の剛性を高くできる。これによって、ラグ4は、土中に食い込んだときにも所定の形状を維持でき、ラグ付き走行体1は良好なトラクション性能を発揮できるようになる。
また、タイヤ本体2の半径方向Rにおける凹部16の長さdとラグ4の後側の側面13bの高さeとの比d/e、および凹部16の深さcとタイヤ本体2の半径方向Rにおける凹部16の長さdとの比c/dの値を変えた実施例1〜12、比較例1〜3を用意し、これらをトラクタに装着して湿田で走行させた。
この試験では、本発明に係る実施例1〜12、および比較例1〜3を装着したトラクタを運転し、従来例との比較を行った。この試験では、牽引力の値が大きければ大きい程、ラグ付き走行体1のトラクション性能がより良く発揮されることを意味する。
また、表1によれば、本発明に係るラグ付き走行体1は、実施例4乃至実施例7のように、(d/e)×100の値が80%の場合において、(c/d)×100の値が10%〜25%の範囲内で、従来例および比較例3{(c/d)×100=8(%)}よりもトラクション性能が良いことがわかった。また、実施例6、7のように、(c/d)×100の値が20%〜25%の範囲内でさらにトラクション性能がよく、この値が実施例7のように25%の場合で最もトラクション性能が良いことがわかった。
以上により、本発明に係るラグ付き走行体1は、(d/e)×100の値が70%以上90%以下の場合において、(c/d)×100の値が10%〜25%の範囲内で、比較例よりもトラクション性能が良く、(c/d)×100の値が14%〜25%の場合がさらにトラクション性能を発揮が良いことがわかった。
図6に示すように、凹部16の深さは、タイヤ本体2の幅方向Xの内方に向かうにつれて徐徐に深くなるように形成されている。ここで、タイヤ本体2の幅方向Xの内方とは、幅方向Xにおいてタイヤ本体2のサイドウォール部5a、5bからタイヤ本体2の幅方向Xの中心(赤道面EP)に向かう方向をいう。
ラグ付き走行体1は、平面視において、ラグ4が赤道面EPに対してなす角度が90°に近い程、よりトラクション性能を発揮する。ただし、この角度が90°に近くなればなるほど、走行中の振動が大きくなる。
また、第2傾斜部10の第2傾斜角度θ2は、第1傾斜部9の第1傾斜角度θ1よりも大きく、50°以上とされているので、前側の側面13aの第1傾斜部9に対応する位置に形成した凹部16を形成するよりも、第2傾斜部10の前側の側面13aに凹部16を形成した方が、ラグ4のトラクション性能をより良く発揮できる。
図7、図8に示す第3実施形態では、 タイヤ本体2のトレッド部3のラグ4部分以外の表面に、複数の突起23が設けられている。この突起23はタイヤ本体2のトレッド部3と同じ材質のゴムにより形成されている。この突起23はトレッド部3の表面から半径方向R外向きに突出して形成されている。この突起23は円柱状に形成されている。
この突起23の断面積は、0.8mm2以上13.0mm2以下とされている。また、この突起23の長さは、3mm以上10mm以下とされている。この突起23の付け根が位置する平面が基準面とされたとき、この突起23がこの基準面に対してなす角度は、60°以上90°以下である。各突起23の間隔は、3.0mm以上5.0mm以下である。
農作業機械にラグ付き走行体1を装着して走行した場合、突起23は、ラグ付き走行体1の回転に応じて順次地面に接していく。地面に接した突起23は、機体の荷重により倒れるように弾性変形する。この突起23は、地面から離れると元の状態に復元する。この弾性変形と復元によって、突起23は泥土をはじくことができ、ラグ付き走行体1は、トレッド部3に泥土が付着しにくい構成になっている。
第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、ラグ4の前側に形成された凹部16によって、水田等で走行した場合にも十分なトラクション性能を発揮できる。各ラグ4(4a、4b)の前側の側面13aの上部に前記傾斜面14が形成されることで、水田のみならず、水分量の少ない土壌においても、ラグ4の先端部が土中に食い込み易くなり、これによって、スリップを抑えて良好なトラクションを確保できる。ラグ4の前側の側面13aの上部に、前方に突出する段部15を形成することによって、このラグ4の先端部の剛性を高くできる。
例えば、上記の実施形態では、ラグ付き走行体1として農作業用タイヤを例示したが、これに限らず無端帯状の弾性クローラにも本発明を適用可能である。弾性クローラは無端帯状のクローラ本体とこのクローラ本体の外周面に形成されたラグ4とを備える。この場合は、上述した実施の形態において、前記タイヤ本体2の語を、クローラ本体の語に読み替えて本発明を適用する。ラグ4の形状その他の構成は、第1実施形態で説明した通りに弾性クローラに適用される。
上述した実施の形態では第1ラグ4aと第2ラグ4bとを同じ形状のものを左右反転させたものを例示したが、第1ラグ4aと第2ラグ4bの形状は異なっていてもよい。
2 タイヤ本体
4 ラグ
4a 第1ラグ
4b 第2ラグ
5a 一方のサイドウォール部
5b 他方のサイドウォール部
7 長ラグ部
8 短ラグ部
13 側面
13a 前側の側面
13b 後側の側面
14 傾斜面
15 段部
16 凹部
23 突起
Y 周方向
R 半径方向
Claims (4)
- タイヤ本体の一方のサイドウォール部側に片寄って形成された第1ラグと、他方のサイドウォール部側に片寄って形成された第2ラグとがこのタイヤ本体の周方向に交互に形成されており、
前記第1ラグは、タイヤ本体の赤道面から一方のサイドウォール部にわたって形成された長ラグ部と、前記赤道面から他方のサイドウォール部に向かって形成された短ラグ部とを有し、前記第2ラグは、タイヤ本体の赤道面から一方のサイドウォール部に向かって形成された短ラグ部と、前記赤道面から他方のサイドウォール部にわたって形成された長ラグ部とを有しており、
前記各ラグの前側の側面の上部には、タイヤ本体の半径方向に対して1°〜25°の範囲の角度で傾斜する傾斜面が形成され、この傾斜面の半径方向の長さは、各ラグの後側の側面の高さの15%以下とされており、かつ前記傾斜面の下側に、この傾斜面よりも前方に突出する段部が形成され、
この段部の下側に所定の深さの凹部が形成され、凹部の深さがタイヤ本体の半径方向における凹部の長さの10%〜25%とされるとともに、タイヤ本体の半径方向におけるこの凹部の長さがラグの後側の側面の高さの70%以上とされていることを特徴とするラグ付き走行体。 - 前記長ラグ部は、その中途部が赤道面に対して50°以上に傾斜した傾斜部を備え、この傾斜部に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラグ付き走行体。
- 凹部の深さは、タイヤ本体の幅方向の内方に向かうにつれて徐徐に深くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラグ付き走行体。
- タイヤ本体のトレッド部の表面には、複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のラグ付き走行体。
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