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JP2008098174A - 光電子増倍管 - Google Patents

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JP2008098174A
JP2008098174A JP2007266947A JP2007266947A JP2008098174A JP 2008098174 A JP2008098174 A JP 2008098174A JP 2007266947 A JP2007266947 A JP 2007266947A JP 2007266947 A JP2007266947 A JP 2007266947A JP 2008098174 A JP2008098174 A JP 2008098174A
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Takayuki Omura
孝幸 大村
Suenori Kimura
末則 木村
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/06Electrode arrangements
    • H01J43/18Electrode arrangements using essentially more than one dynode
    • H01J43/26Box dynodes

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Abstract

【課題】 応答時間特性の大幅な改善を大量生産可能な構造で実現する光電子増倍管を提供する。
【解決手段】 当該光電子増倍管は、光電子の入射に応答して放出される二次電子をカスケード増倍するための電子増倍部(500)を備える。この電子増倍部(500)は、該電子増倍部(500)が収納された密封容器(100)の管軸(AX)を挟んだ状態で配置された少なくとも2系統のダイノード郡を保持する構造を備える。特に、2系統のダイノード郡それぞれに属する第1ダイノード(DY1)は、二次電子放出面と対向する背面が管軸(AX)を挟んで互いに対面するよう配置されている。このような配置では、第1ダイノード(DY1)自体が管軸(AX)近傍に位置するため、第1ダイノード(DY1)周辺へ到達する光電子の収集効率が著しく向上する。
【選択図】 図6

Description

この発明は、光電子の入射に応答して複数段階に分けて順次二次電子を放出していくことにより二次電子のカスケード増倍を可能にする光電子増倍管に関するものである。
近年、核医学の分野では次世代PET(Positron-EmissionTomography)装置としてTOF−PET(Time-of-Flight-PET)の開発が盛んに進められている。TOF−PET装置は、体内に投与された放射性同位元素から放出される2本のガンマ線を同時計測するため、被写体を取り囲むよう配置される測定器として、優れた高速応答性を有する大量の光電子増倍管が使用される。
特に、より安定した高速応答性を実現するため、複数の電子増倍チャネルを用意し、これら複数の電子増倍チャネルで並行して電子増倍を行うマルチチャネル電子増倍管が、上述のような次世代PETに適用されるケースも増えてきた。例えば特許文献1に記載されたマルチチャネル電子増倍管は、複数の光入射領域(それぞれが一つの電子増倍チャネルに割り当てられたホトカソード)に区分された1枚の入射面板を有するとともに、これら複数の光入射領域に割り当てられた電子増倍チャネルとして用意された複数の電子増倍部(複数段のダイノードで構成されたダイノードユニットとアノードにより構成)が1本のガラス管内に封入された構造を有する。このように1本のガラス管内に複数の光電子増倍管が含まれるような構造の光電子増倍管は、一般にマルチチャネル光電子増倍管と呼ばれている。
上述のようにマルチチャネル光電子増倍管は、入射面板に配置されたホトカソードから放出される光電子を一つの電子増倍部で電子増倍することでアノード出力を得るシングルチャネル光電子増倍管の機能を、複数の電子増倍チャネルが分担する構造を備える。例えば、4つの光入射領域(電子増倍チャネル用のホトカソード)が二次元に配置されたマルチチャネル電子増倍管では、一つの電子増倍チャネルに着目すると、入射面板に対して光電子放出領域(ホトカソードの有効領域)が1/4以下になるため、各電子増倍チャネルにおける電子走行時間差も改善し易くなる。その結果、シングルチャネル光電子増倍管全体における電子走行時間差と比較して、マルチチャネル電子増倍管全体における電子走行時間差の大幅な改善が期待できる。
国際公開WO2005/091332号公報
発明者らは上述の従来のマルチチャネル光電子増倍管を検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、従来のマルチチャネル光電子増倍管では、ホトカソードからの光電子の放出位置に応じて、予め割り当てられた電子増倍チャネルで電子増倍が行われるため、電子増倍チャネルごとに電子走行時間差が低減するよう各電極配置が最適設計される。このように、各電子増倍チャネルにおける電子走行時間差の改善により、マルチチャネル光電子増倍管全体の電子増光時間差も改善され、その結果、マルチチャネル光電子増倍管全体の高速応答性を向上させている。
しかしながら、このようなマルチチャネル光電子増倍管は、電子増倍チャネル間の平均電子走行時間差のバラツキについては何ら改善されていない。また、ホトカソードが形成される入射面板における光出射面(密封容器内部に位置する面)は、該密封容器の管軸を含む中心領域を取り囲む周辺領域、特に光出射面と管胴の内壁とが交差する境界部分(光出射面のエッジ部)では光出射面の形状は歪んでしまう。この場合、ホトカソード−ダイノード間あるいはホトカソード−集束電極間の等電位線に乱れが生じてしまうため、1つのチャネル内においても光電子の放出位置によって迷走する光電子が発生する可能性がある。このような迷走する光電子の存在は、更なる高速応答性の改善のためには無視できない。
さらに、TOF−PET装置の製造では、大量の光電子増倍管が必要となるため、TOF−PET装置などに適用される光電子増倍管には、より大量生産に適した構造が採用されることが望まれる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、ホトカソードから放出される光電子の、放出位置に依存する光電子走行時間差の低減を、より大量生産に適した構造で実現することにより、全体としてT.T.S. (Transit Time Spread)やC.T.T.D. (Cathode Transit Time Difference)などの応答時間特性が大幅に改善された光電子増倍管を提供することを目的としている。
現在、PET装置にTOF(Time-of-Flight)機能が付加されたPET装置の開発が行われている。このTOF−PET装置で使用される光電子増倍管は、C.R.T.(Coincident Resolving Time)応答特性も重要となる。従来の光電子増倍管は、TOF−PET装置のC.R.T.応答特性に対する要求を満たしていなかった。そのため、この発明では、既存のPET装置をベースとするため、バブル外径は現状を維持し、TOF−PET装置の要求を満たすC.R.T.測定が可能になるように軌道設計される。具体的には、C.R.T.応答特性と相関のあるT.T.S.を改善する事とし、入射面板の全面におけるT.T.S.と各入射領域におけるT.T.S.のそれぞれが改善されるように軌道設計される。
この発明に係る光電子増倍管は、内部を所定の真空度まで減圧するためのパイプが底部に設けられた密閉容器と備えるとともに、この密閉容器内に設けられたホトカソード、電子増倍部、及びアノードを備える。密閉容器は、入射面板と、一端に該入射面板が溶融接合され、所定の管軸に沿って伸びた中空胴体部である管胴(バルブ)と、管胴の他端に溶融接合されるとともに、当該密封容器の底部を構成するステムから構成されている。入射面板は、光入射面と、該光入射面に対向する光出射面を有し、密封容器の内側に位置する光出射面上にホトカソードが形成される。なお、密封容器は、入射面板と管胴とが一体的に構成された封筒部分を有してもよく、この場合、該封筒部分の開口にステムを溶融接合することにより当該密封容器が得られる。
電子増倍部は、ステムから密閉容器内に伸びたリードピンによって、該密閉容器内の管軸方向の設置位置が規定される。また、電子増倍部は、ホトカソードから密封容器内に放出された光電子の軌道を修正するための集束電極と、該光電子の入射に応答して生成される二次電子を段階的にカスケード増倍するためのダイノードユニットとを備える。
この発明に係る光電子増倍管において、ダイノードユニットは、収束電極を保持するとともに、ホトカソードからの光電子をカスケード増倍する少なくとも2系統のダイノード群を把持した状態で一体的に保持する一対の絶縁支持部材を備える。特に、これら2系統のダイノード群は、管軸を挟んで配置される。また、各系統のダイノード群は、1又はそれ以上の電子増倍チャネルを構成することが可能であり、アノードは、構成される電子増倍チャネルごとに用意される。
特に、この発明に係る光電子増倍管の構造的特徴は、第1ダイノードの配置、形状、シールド構造に関する。第1ダイノードは、その二次電子放出面が管胴の内壁面に向くよう管軸近傍に配置されている。特に、電子増倍部が2系統の電極群により構成される場合、一対の第1ダイノードは、管軸を挟んで互いに背中合わせに配置される。この場合、第1ダイノード周辺へ到達する光電子の収集効率が著しく向上する。例えば、ホトカソードと第1ダイノード間に、該ホトカソードから第1ダイノードへ光電子を導くための電極が必要でないため、ホトカソードの周辺領域において従来よりも強い電界強度が得られるとともに等電位線の間隔も一様になる。このため、ホトカソードの周辺領域から放出された光電子が、第1ダイノードに到達することなく、直接第2ダイノードへ到達することはない。
さらに、この構造的特徴では、第1ダイノードの長手方向の幅D1(管軸に直交する方向の最大長)は、一対の絶縁支持部材の間隔D2よりも大きく設定されてもよい。この場合、ホトカソードからの光電子の到達有効面が広げられる。また、第1ダイノード周辺のシールド構造は、シールド板が第1ダイノードの両端側に開放された空間を塞ぐ位置に配置される。このシールド板は、第1ダイノードよりも高い電位(第2ダイノードと同電位)に設定され、これら第1及び第2ダイノード間における電界を強めるよう機能する。これにより、第1ダイノードから第2ダイノードへ向かう二次電子の、第2ダイノードへの入射効率を向上させることができるとともに、第1及び第2ダイノード間における二次電子の走行時間のバラツキが低減される。
この発明に係る光電子増倍管によれば、T.T.S.やC.T.T.D.などの応答時間特性が大幅に改善される。また、ダイノードの一部やアノードを一体的に構成されたゲイン制御ユニットにより、組立工程における部品点数を低減させることができ、より単純な構造で複数の電子増倍チャネルを構成することも可能になる。
以下、この発明に係る光電子増倍管の各実施形態を、図1〜11を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一部位、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、この発明に係る光電子増倍管の一実施形態の概略構成を示す一部破断図である。また、図2(a)及び2(b)は、この発明に係る光電子増倍管における密封容器の構造を説明するための組み立て工程図及び断面図である。
この発明に係る光電子増倍管は、図1に示されたように、内部を所定の真空度まで減圧するためのパイプ600(真空引き後に中実化される)が底部に設けられた密閉容器100と備えるとともに、この密閉容器100内に設けられたホトカソード200及び電子増倍部500を備える。
上記密閉容器100は、図2(a)に示されたように、入射面板110と、一端に該入射面板110が溶融接合され、所定の管軸AXに沿って伸びた管胴120(バルブ)と、管胴120の他端に溶融接合されるとともに、パイプ600が設けられた当該密封容器100の底部を構成するステム130から構成されている。なお、図2(b)は、図2(a)中のI−I線に沿った密封容器100の断面図であって、特に入射面板110と管胴120の一端との溶融接合部分を示している。入射面板110は、光入射面110aと、該光入射面110aに対向する光出射面110bを有し、この密封容器100の内側に位置する光出射面110b上にホトカソード200が形成されている。管胴120は、管軸AXを中心とし、該管軸AXに沿って伸びた中空部材である。この中空部材の一端に入射面板110が溶融接合されるとともに、他端にステム130が溶融接合されている。ステム130は、密封容器100の内部と外部を連絡する貫通孔が管軸AXに沿って設けられている。この貫通孔を取り囲むようにリードピン700が配置されている。ステム130には、貫通孔が設けられた位置に、密封容器100内の空気を排気するためのパイプ600が取り付けられている。
電子増倍部500は、ステム130から当該密閉容器100内に伸びたリードピン500によって、該密閉容器100内の管軸AX方向の設置位置が規定される。また、電子増倍部500は、ホトカソード200から密封容器100内に放出された光電子の軌道を修正するための、主に集束電極として機能する集束電極ユニット300と、該光電子をカスケード増倍するためのダイノードユニット400とを備える。
なお、以下の説明では、この発明に係る光電子増倍管の一実施形態として、管軸AXを挟んで配置された2系統の電極郡(ダイノード郡)により4つの電子増倍チャネルCH1〜CH4が構成されるマルチチャネル光電子増倍管について説明する。
まず、図3は、この発明に係る光電子増倍管における電子増倍部500の構造を説明するための組み立て工程図である。図3において、電子増倍部500は、集束電極ユニット300と、ダイノードユニット400を備える。
集束電極ユニット300は、メッシュ電極310と、シールド部材320と、スプリング電極330が積層されることにより構成されている。メッシュ電極310は、ホトカソード200からの光電子を通過させるための開口が設けられた金属フレームを有する。また、メッシュ電極310のフレーム部分により規定される開口は、複数の開口が設けられた金属メッシュで覆われている。シールド部材320は、ホトカソード200からの光電子を通過させるための開口が設けられた金属フレームを有する。このシールド部材320の開口を規定するフレーム部分には、ホトカソード200に向かって延びたシールド板323a、323bが設けられる一方、ステム130に向かって延びたシールド板322a、322bが設けられている。シールド板323a、323bそれぞれは、第1ダイノードDY1への光電子の入射位置の制御を可能にするとともに、C.T.T.D.(すなわち、T.T.S.)の応答特性を改善するため、ホトカソード200と当該集束電極ユニット300間に形成される電界レンズを調整するよう機能する。また、シールド板322a、322bそれぞれは、第1ダイノードDY1の両端側の開放された空間を塞ぐよう配置される。このシールド板322a、322bは、第1ダイノードDY1よりも高い電位(第2ダイノードDY2と同電位)に設定され、これら第1ダイノードDY1と第2ダイノードDY2間における電界を強めるよう機能する。これにより、第1ダイノードDY1から第2ダイノードDY2へ向かう二次電子の、第2ダイノードDY2への入射効率を向上させることができるとともに、第1ダイノードDY1と第2ダイノードDY2間における二次電子の走行時間のバラツキが低減される。スプリング電極330は、ホトカソード200からの光電子を通過させるための開口が設けられた金属フレームを有する。このスプリング電極330のフレーム部分には、密封容器100の内壁に押し当てられることにより当該集束電極ユニット300が取り付けられた電子増倍部500全体を該密封容器100内の所定位置に維持するための金属スプリング331が設けられている。また、このスプリング電極330のフレーム部分には、直下に位置する第2ダイノードDY2を該第2ダイノードDY2の長手方向に二分するための仕切プレート332が設けられている。この仕切プレート332は、第2ダイノードDY2と同電位に設定されており、1系統の電極郡で構成される互いに隣接する電子増倍チャネル間のクロストークを効果的に低減するよう機能する。
一方、ダイノードユニット400は、上述のような構造の収束電極ユニット300を保持するとともに、ホトカソード200からの光電子の入射に応じて二次電子をカスケード増倍する少なくとも2系統の電極群を把持した状態で保持する一対の絶縁支持部材(第1絶縁支持部材410a、第2絶縁支持部材410b)を備える。具体的に、これら第1及び第2絶縁支持部材410a、410bは、それぞれが管軸AXに沿ってかつ管軸AXを挟むように配置された一対の第1ダイノードDY1、一対の第2ダイノードDY2、一対の第3ダイノードDY3、一対の第4ダイノードDY4、一対の第5ダイノードDY5、一対の第7ダイノードDY7、及び一対のゲイン制御ユニット430a、430bを一体的に把持している。これら第1及び第2絶縁支持部材410a、410bは、各電極を所定電位に設定するための金属ピン441、442が取り付けられている。また、これら第1及び第2絶縁支持部材410a、410bは、各電極とともに、グランド電位(0V)に設定される底部金属プレート440を把持した状態で保持している。
なお、一対の第1ダイノードDY1は、第1及び第2絶縁支持部材410a、410bの上部に設置された状態で、両端に金属製の固定部材420a、420bが溶接されている。また、一対のゲイン制御ユニット430a、430bそれぞれは、絶縁性基板431を備えており、この絶縁性基板431に第6ダイノードDY6、アノード432、及び第8ダイノードDY8が取り付けられている。ここで、第6ダイノードDY6は、電気的に分離された状態で絶縁性基板431に取り付けられた2つの電極から構成される。また、アノード432は、電気的に分離された状態で絶縁性基板431に取り付けられた2つの電極から構成される。第8ダイノードDY8は、第6ダイノードDY6を構成する2つの電極及びアノード432を構成する2つの電極に対する共通電極である。
上述のように、ゲイン制御ユニット430a、430bそれぞれは、管軸AXを挟んで配置された2系統の電極郡のいずれか一方に属する。したがって、仕切プレート332とともに、これらゲイン制御ユニット430a、430bが配置されることにより、1系統の電極郡で2つの電子増倍チャネルが構成された4チャネル光電子増倍管が構成されている。また、ゲイン制御ユニット430a、430bそれぞれにおける第6ダイノードDY6も、それぞれ2つの電極から構成されており、当該光電子増倍管全体として4つの電極が、第6ダイノードDY6として各電子増倍チャネルに割り当てられていることになる。これら第6ダイノードDY6として各電子増倍チャネルに割り当てられた電極の電位を、それぞれ個別に調節することにより、電子増倍チャネルごとに独立したゲイン調整が可能になっている。
図4は、図3に示された電子増倍部の一部を構成する一対の絶縁支持部材410a、410bの構造を説明するための図である。なお、第1絶縁支持部材410aと第2絶縁支持部材410bは、同一形状であるため、以下、第1絶縁支持部材410aについてのみ説明し、第2絶縁支持部材410bの説明は省略する。
第1絶縁支持部材410aは、第1系統の電極郡を構成する第1〜第5ダイノードDY1〜DY5、第7ダイノードDY7、及びゲイン制御ユニット430aと、第2系統の電極郡を構成する第1〜第5ダイノードDY1〜DY5、第7ダイノードDY7、及びゲイン制御ユニット430bを保持する本体と、該本体からホトカソード200に向かって伸びた突起部から構成されている。
この第1絶縁支持部材410aの本体には、第1系統の電極郡を固定するための固定用スリット412a、413aが設けられるとともに、第2系統の電極郡を固定するための固定用スリット412b、413bが設けられている(第2絶縁支持部材410bにおける本体も同様の固定用スリットが設けられている)。
固定用スリット412aには、第1系統の電極郡のうち、第2ダイノードDY2の両端に設けられた固定片の一方、第3ダイノードDY3の両端に設けられた固定片の一方、第4ダイノードDY4の両端に設けられた固定片の一方、第5ダイノードDY5の両端に設けられた固定片の一方、第7ダイノードDY7の両端に設けられた固定片の一方が差し込まれることにより、これら電極部材が第1及び第2絶縁支持部材410a、410bにより一体的に把持される。また、固定用スリット413aには、図5(b)に示されたように、第1系統の電極郡に属するゲイン制御ユニット430aの両端に設けられた固定片の一方が差し込まれる。同様に、固定用スリット412bには、第2系統の電極郡のうち、第2ダイノードDY2の両端に設けられた固定片の一方、第3ダイノードDY3の両端に設けられた固定片の一方、第4ダイノードDY4の両端に設けられた固定片の一方、第5ダイノードDY5の両端に設けられた固定片の一方、第7ダイノードDY7の両端に設けられた固定片の一方が差し込まれることにより、これら電極部材が第1及び第2絶縁支持部材410a、410bにより一体的に把持される。また、固定用スリット413bには、第2系統の電極郡に属するゲイン制御ユニット430bの両端に設けられた固定片の一方が差し込まれる。
さらに、第1絶縁支持部材410aの底部には、底部金属プレート440を把持した状態で保持するための切り込み部415が設けられている(第2絶縁支持部材410bも同様)。また、第1絶縁支持部材410aの突起部に挟まれた部分には、第1ダイノードDY1が設置される台座部411が形成される一方、該突起部それぞれには、集束電極ユニット300を保持するための切り込み414が形成されている(第2絶縁支持部材410bも同様)。具体的には、図5(a)に示されたように、集束電極ユニット300に形成された切込みが、第1絶縁支持部材410aの突起部それぞれに設けられた切込み414に差し込まれることにより、集束電極ユニット300が第1及び第2絶縁支持部材410a、410bにより把持された状態で一体的に保持される。なお、図5(a)は、集束電極ユニット300と一対の絶縁支持部材410a、410bとの結合構造を説明するための図であり、図5(b)は、ゲイン制御ユニット430a、430bと一対の絶縁支持部材410a、410bとの結合構造を説明するための図である。
図6は、図1中に示されたI−I線に沿った電子増倍部の断面構造を説明するための斜視図である。図6に示されたように、電子増倍部500は、管軸AXを挟むように2系統の電極郡が配置されている。また、これら2系統の電極郡それぞれは、集束電極ユニット300の一部を構成するスプリング電極330に設けられた仕切プレート332とともに、ゲイン制御ユニット430a、430bが配置されることにより、個別にゲイン調整可能な、互いに隣接した電子増倍チャネルを構成している。したがって、この図6に示された電子増倍部500は、ホトカソード200の光電子放出位置に対応した4つの電子増倍チャネルを構成している。
管軸AXを挟んで配置された2系統の電極郡のうちゲイン制御ユニット430aが属する一方の電極郡(第1電極郡)について言及すると、第1ダイノードDY1〜第8ダイノードDY8には、二次電子放出面が形成されている。また、第1ダイノードDY1〜第8ダイノードDY8それぞれの設定電位は、順次二次電子を次段のダイノードへ導くため、第1ダイノードDY1から第8ダイノードDY8の順に高くなっている。アノード432の電位は、第8ダイノードDY8の電位よりも高い。一例として、ホトカソード200は−1000V、第1ダイノードDY1は−800V、第2ダイノードDY2は−700V、第3ダイノードDY3は−600V、第4ダイノードDY4は−500V、第5ダイノードDY5は−400V、第6ダイノードDY6は−300V(ゲイン調節を可能にするため可変)、第7ダイノードDY7は−200V、第8ダイノードDY8は−100V、そして、アノード432はグランド電位(0V)に設定される。また、仕切プレート332を有する集束電極ユニット300は第2ダイノードDY2と同電位に設定される。
ホトカソード200から放出された光電子は、該第2ダイノードDY2と同電位に設定された集束電極ユニット300のメッシュ開口を通過した後に第1ダイノードDY1へ到達する。第1ダイノードDY1の長手方向に開放された空間には、第2ダイノードDY2と同電位に設定されたシールド板322bが配置されており、これにより、第1ダイノードDY1と第2ダイノードDY2間における電界を強められ、第1ダイノードDY1から第2ダイノードDY2へ向かう二次電子の、第2ダイノードDY2への入射効率を向上させることができるとともに、第1ダイノードDY1と第2ダイノードDY2間における二次電子の走行時間のバラツキが低減される。第1ダイノードDY1の電子到達面には二次電子放出面が形成されており、光電子の入射に応答して該第1ダイノードDY1から二次電子が放出される。第1ダイノードDY1から放出された二次電子は、該第1ダイノードDY1よりも高い電位に設定された第2ダイノードDY2に向かって進行する。このとき、第2ダイノードDY2は、収束電極ユニット300から伸びた仕切プレート332により2つの電子増倍チャネルに分離されており、第1ダイノードDY1からの二次電子の軌道を調節することにより、隣接する電子増倍チャネル間でのクロストークを抑制する構造が実現されている。第2ダイノードDY2の電子到達面にも二次電子放出面が形成されており、この第2ダイノードDY2の二次電子放出面から放出された二次電子は、該第2ダイノードDY2よりも高い電位に設定された第3ダイノードDY3に向かって進行する。同様に、第3ダイノードDY3の二次電子放出面から放出された二次電子は、第4ダイノードDY4、第5ダイノードDY5、第6ダイノードDY6の順に進行するごとにカスケード増倍される。なお、第6ダイノードDY6は、ゲイン制御ユニット430aの一部を構成する2つの電極から構成されており、この2つの電極の設定電位を任意に調節することにより、隣接する電子増倍チャネルのゲインを個別に調節することができる。第6ダイノードDY6を構成する各電極の二次電子放出面から放出された二次電子は、第7ダイノードDY7に到達し、該第7ダイノードDY7の二次電子放出面からメッシュ開口を有するアノード432に向けて二次電子が放出される。第8ダイノードDY8は、アノード432よりも低い電位に設定されており、該アノード432を通過した二次電子を、再度アノード432に向けて放出する反転型ダイノードとして機能する。なお、ゲイン制御ユニット430bが属する他方の電極郡についても同様に機能する。
次に、この発明に係る光電子増倍管における構造的特徴について図7(a)〜8(b)及び9を用いて説明する。この構造的特徴は、第1ダイノードDY1の配置、該第1ダイノードDY1自体の形状、及び該第1ダイノードDY1周辺のシールド構造に関する。
図7(a)及び7(b)は、この発明に係る光電子増倍管における構造的特徴として、第1ダイノードDY1周辺の構造を説明するための図である。上述の図6等からも判るように、第1ダイノードDY1は、その二次電子放出面が管胴120の内壁面に向くよう管軸AX近傍に配置されている。特に、電子増倍部500が2系統の電極群により構成される場合、一対の第1ダイノードDY1は、管軸AXを挟んで互いに背中合わせに配置される(一対の絶縁支持部材410a、410bそれぞれの台座部411に搭載)。このとき、一対の第1ダイノードDY1の両端に設けられた固定片DY1aが、第1絶縁支持部材410aに取り付けられる固定部材420a(第2絶縁支持部材410bには固定部材420bが取り付けられる)の固定片421に溶接されることにより、一対の第1ダイノードDY1が一対の絶縁支持部材410a、410bによって保持される。なお、第1ダイノードDY1の幅D1(管軸AXに直交する方向の最大長)は、一対の絶縁支持部材410a、410bの間隔D2よりも大きく設定されており、ホトカソード200からの光電子の到達有効面が広げられている。
また、第1ダイノードDY1周辺のシールド構造は、集束電極ユニット300の一部を構成するシールド部材320によって実現される。具体的に、シールド部材320は、図8(a)に示されたように、金属板をプレス加工することにより得られる。すなわち、シールド部材320は、ホトカソード200あら第1ダイノードDY1へ向かう光電子を通過させるための開口を規定する金属フレームを有する。このフレーム部分には、一対の絶縁支持部材410a、410bの切欠414に契合することにより、集束電極ユニット300全体を一対の絶縁支持部材410a、410bに保持させる切欠321が設けられるとともに、シールド板323a、323b、及びシールド板322a、322bが設けられている。シールド板323a、323bが図8(a)中の矢印S1で示された方向に折り曲げられるとともに、シールド板322a、322bが矢印S2で示された方向に折り曲げられることにより、シールド部材320が得られる(図8(b)参照)。なお、図8(a)及び8(b)は、第1ダイノードDY1の上部に配置される集束電極ユニット300の一部を構成するシールド部材320の具体的な構造を説明するための斜視図である。
シールド板323a、323bは、集束電極ユニット300全体が一対の絶縁支持部材410a、410bに保持された状態で密封容器100内に収納されたとき、ホトカソード200と集束電極ユニット300との間に形成される電界レンズを調節する。これにより、第1ダイノードDY1への光電子の入射位置制御が可能になるとともに、C.T.T.D.(すなわち、T.T.S.)の応答特性が改善される。また、シールド板322a、322bは、図9に示されたように、一対の第1ダイノードDY1の両端側に開放された空間を塞ぐ位置に配置され、第1ダイノードDY1から第2ダイノードDY2へ向かう二次電子の、該第2ダイノードDY2への入射効率を向上させるとともに、第1ダイノードDY1と第2ダイノードDY2間の二次電子の走行時間のバラツキを低減するよう機能する。なお、図9は、第1ダイノードDY1上部に集束電極ユニット300が配置された状態における、該第1ダイノードDY1周辺の構造を説明するための図である。
上述のように、この発明に係る光電子増倍管における構造的特徴では、第1ダイノードDY1は、その二次電子放出面が管胴120の内壁面に向くよう管軸AX近傍に配置されている。特に、電子増倍部500は、2系統の電極群により構成される場合、一対の第1ダイノードDY1は、管軸AXを挟んで互いに背中合わせに配置される。この場合、第1ダイノードDY1周辺へ到達する光電子の収集効率が著しく向上する。例えば、図10(a)及び10(b)に示されたように、当該光電子増倍管における構造的特徴によれば、ホトカソード200と第1ダイノードDY1間に、該ホトカソード200から第1ダイノードDY1へ光電子を導くための電極が必要でないため、ホトカソード200の周辺領域において従来よりも強い電界強度が得られるとともに等電位線E1の間隔も一様になる。一方、図11(a)及び11(b)に示されたように、二次電子放出面が管軸AXに向くよう第1ダイノードDY1が配置された比較例に係る光電子増倍管では、ホトカソード200の周辺領域から放出された光電子が、第1ダイノードDY1に到達することなく、直接第2ダイノードDY2へ到達してしまう。なお、図10(a)及び10(b)のそれぞれにおいて、A1は光電子の軌道を示し、E1は等電位線を示す。また、図11(a)及び11(b)のそれぞれにおいて、A2は光電子の軌道を示し、E2は等電位線を示す。
なお、この発明に係る光電子増倍管では、図2(b)、10(a)及び10(b)に示されたように、入射面板110の光出射面110bは、平坦領域と、該平坦領域の周辺に位置し該光出射面110bのエッジ部を含む曲面加工領域から構成される。このように、入射面板110の光出射面110bは、その周辺領域に位置するホトカソード200からの光電子の放出角度を調節するため、該周辺領域の表面形状が意図的に変えられている。これにより、光電子の放出位置に依存することなく、ホトカソード200から第1ダイノードDY1へ向かう光電子の走行時間のバラツキが効果的に低減される。
この発明に係る光電子増倍管の一実施形態の概略構成を示す一部破断図である。 この発明に係る光電子増倍管における密封容器の構造を説明するための組み立て工程図及び断面図である。 この発明に係る光電子増倍管における電子増倍部の構造を説明するための組み立て工程図である。 図3に示された電子増倍部の一部を構成する一対の絶縁支持部材の構造を説明するための図である。 (a)は、集束電極ユニットと一対の絶縁支持部材との結合構造を説明するための図であり、(b)は、ゲイン制御ユニットと一対の絶縁支持部材との結合構造を説明するための図である。 図1中に示されたI−I線に沿った電子増倍部の断面構造を説明するための斜視図である。 この発明に係る光電子増倍管における構造的特徴として、第1ダイノード周辺の構造を説明するための図である。 第1ダイノードの上部に配置される金属フレーム(集束電極ユニットの一部を構成)の具体的な構造を説明するための斜視図である。 第1ダイノード上部に集束電極ユニットが配置された状態における、該第1ダイノード周辺の構造を説明するための図である。 図9(a)及び図9(c)それぞれの主要部分の拡大図である。 この発明に係る光電子増倍管における構造的特徴の効果を説明するために用意された比較例に係る光電子増倍管の、図10(a)及び10(b)に相当する断面図であって、該比較例に係る光電子増倍管における光電子の軌道を説明するための図である。
符号の説明
100…密封容器。110…入射面板、110a…光入射面、110b…光出射面、120…管胴、200…ホトカソード、500…電子増倍部と、300…集束電極ユニット、432…アノード、DY1〜DY8…第1〜第8ダイノード。

Claims (4)

  1. 所定の管軸に沿って伸びた中空胴体部と、該管軸に交差するよう配置された、所定波長の光を透過させる入射面板を含む密封容器と、
    前記密封容器内に設けられた、所定波長の光の入射に応答して光電子を該密封容器内に放出するホトカソードと、そして、
    前記密封容器内に設けられた、前記ホトカソードから放出された光電子をカスケード増倍していく電子増倍部であって、二次電子放出面をそれぞれ有する複数のダイノードで構成されるとともに前記管軸を挟んで配置された少なくとも2系列のダイノード郡と、そして、前記2系統のダイノード郡を把持した状態で一体的に保持する一対の絶縁支持部材を含む電子増倍部とを備えた光電子増倍管において、
    前記一対の絶縁支持部材は、前記2系統のダイノード郡それぞれに属するダイノードのうち前記ホトカソードからの光電子が到達する第1ダイノードを、該第1ダイノードそれぞれの二次電子放出面と対向する背面が管軸を挟んで互いに対面するよう保持する光電子増倍管。
  2. 前記2系統のダイノード郡それぞれに属する第1ダイノードは、前記管軸を直交する直線上において前記管軸を中心として互いに逆になる前記中空胴体部の半径方向に、それぞれの二次電子放出面を向けるよう配置されていることを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  3. 前記2系統のダイノード郡それぞれに属する第1ダイノードの長手方向の幅は、前記一対の絶縁支持部材の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  4. 前記2系統のダイノード郡それぞれに属する第1ダイノードの長手方向に位置する端部と前記中空胴体部の内壁との間の空間に、前記一対の絶縁支持部材に対して平行になるよう配置されたシールド板であって、前記第1ダイノードよりも高い電位に設定されたシールド板を、さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
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