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JP2008059928A - 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜の製造方法及び透明導電膜 Download PDF

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JP2008059928A JP2006236168A JP2006236168A JP2008059928A JP 2008059928 A JP2008059928 A JP 2008059928A JP 2006236168 A JP2006236168 A JP 2006236168A JP 2006236168 A JP2006236168 A JP 2006236168A JP 2008059928 A JP2008059928 A JP 2008059928A
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Yoshihiro Otsuka
良広 大塚
Masaya Yukinobu
雅也 行延
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Abstract

【課題】 透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化を抑制できる透明導電膜の製造方法、及び透明導電膜を提供する。
【解決手段】 基材上に塗布形成されたインジウム化合物を主成分とする塗膜を、還元性雰囲気下、200℃以上の温度で還元して、インジウムメタルを主成分とする塗膜成分が互いに融着した塗膜を得る還元工程と、得られた塗膜を酸素および/またはオゾンを含む酸化性雰囲気下で酸化させて酸化インジウムを主成分とする透明導電塗膜を得る酸化工程とを有する透明導電膜の製造方法。酸化工程終了後にさらに脱酸素処理を施しても良い。
透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化が少ない透明導電膜が得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗布形成された透明導電膜であって、透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化を抑制することができる透明導電膜の製造方法、及び得られる透明導電膜に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)等の表示素子透明電極、タッチパネル、太陽電池等の透明電極、熱線反射、電磁波シールド、帯電防止、防曇等の機能性コーティングに用いられる透明導電膜の形成材料としては、インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と表記する場合がある。)、インジウム亜鉛酸化物(以下、「IZO」と表記する場合がある。)、錫アンチモン酸化物(以下、「ATO」と表記する場合がある。)、フッ素ドープ酸化錫(以下、「FTO」と表記する場合がある。)、アルミニウム亜鉛酸化物(以下、「AZO」と表記する場合がある。)等が知られているが、中でもITOは高い可視光線透過率と優れた導電性を有するため、最も広く用いられている。
上記のITO透明導電膜の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の物理的手法が広く用いられており、これらの方法により透明性と導電性に優れた均一なITO透明導電膜を基板上に形成することができる。
しかしながら、これらに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また、基板成膜毎に製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないため、製造コストと量産性に問題がある。
このため、上記問題を解決する製造方法として、ITO微粒子を溶剤に分散させた透明導電膜形成用塗布液を用いる方法(以下、「塗布法」と表記する場合がある。)が採用されている。
この塗布法では、透明導電膜形成用塗布液の基板上への塗布、乾燥、(加熱)硬化という簡単な製造工程でITO透明導電膜を形成することができるという利点があり、具体的には、ITO微粒子を含有するシリカゾル液(特許文献1参照)や、ITO微粒子とバインダー用シリケートと極性溶媒からなる塗布液(特許文献2参照)を用いて、ガラス等の基材上にスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング等の方法で塗布・乾燥・焼成してITO透明導電膜を形成する製造方法が知られている。
この方法によれば、優れた光学特性を有する膜を容易に製造できる利点が有るとされている。
しかしながら、上記ITO微粒子とバインダーを含む塗布液を用いて透明導電膜を形成した場合には、得られる透明導電膜はITO微粒子同士の接触で導電性を確保しているためその表面抵抗値が高く、更に致命的な問題としてこの透明導電膜を大気中に暴露させた場合に、接触部分の劣化により表面抵抗値が経時劣化する現象が生じる欠点がある。
ここで、最近、錫を含むインジウム合金微粒子を分散させた塗布液を塗布・乾燥した後、酸素ガスやオゾンガスを含むガス、またはそれらのガスのプラズマ中で処理して、酸化と焼結を同時に行って、150〜250℃という低温で透明導電膜を得る方法(特許文献3参照)や、インジウム−錫等の合金微粒子を含む分散液、あるいはインジウム−錫等の合金微粒子とインジウム−錫酸化物等の導電性酸化物微粒子を含む分散液を塗布後、真空中で200〜300℃で焼成し、更に酸化性雰囲気中で200〜300℃で焼成して透明導電膜を得る方法(特許文献4、特許文献5参照)が提案されている。
この方法によれば、高透過率で低抵抗率を有する透明導電膜を、200℃以下の低い焼結温度で製造できる利点があるとされている。
しかしながらこれらの方法では、インジウム−錫等の合金微粒子を用いるため、塗布液中での微粒子の分散安定性を十分に確保することが困難で、また、合金微粒子同士の細密充填は、インジウム−錫酸化物(ITO)微粒子同士の細密充填に比べてその充填密度は低くなるため、必ずしも好ましい方法とは言えない。また、特許文献3に記載の方法は、合金微粒子を酸化し、焼結させる方法であって、上記ITO微粒子同士の接触部分の劣化を完全に防止できるという保証がない。更に、特許文献3ないし5に記載の方法においては、表面抵抗値の経時劣化が起こる難点があり、この防止方法についての記載も何ら認められない。
特開平2−312136号公報 特開平8−176794号公報 特開2003−249132号公報 特開2005−183054号公報 特開2005−243249号公報
本発明の目的は、塗布方法により形成された透明導電膜において、透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化を抑制できる透明導電膜の製造方法、及び透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化が起こりにくい、優れた特性を有する透明導電膜を提供することにある。
本発明者らは、基材上に塗布形成されたインジウム化合物を主成分とする塗膜を還元するとインジウムメタルを主成分とする塗膜成分が溶融し、互いにメタル状で融着した構造の塗膜になり、それを酸化して透明導電膜とすることで、前述の微粒子同士の接触部分に起因する問題を防止し、かつ、優れた膜特性を有する透明導電膜を形成できることを見出して本発明を完成するに至った。
上記の目的を達成するため、本発明の透明導電膜の製造方法は、基材上にインジウム化合物を主成分とする塗膜を塗布形成した後、該塗膜を還元性雰囲気下、200℃以上の温度で還元する還元工程と、得られた塗膜を酸素および/またはオゾンを含む酸化性雰囲気下で酸化する酸化工程とを有する透明導電膜の製造方法とした。
このような方法によれば、透明性と導電性に優れ、かつ表面抵抗値の経時劣化が少ない優れた特性を有する透明導電膜を得ることができる。
本発明の透明導電膜の製造方法においては、上記の透明導電膜の製造方法に加え、酸化工程の後に、中性雰囲気または還元性雰囲気下で加熱処理を施す脱酸素処理を加えることもできる。
脱酸素処理を施せば、酸化インジウムを主成分とする透明導電塗膜の低抵抗化を計ることができる。
本発明の透明導電膜の製造方法においては、上記インジウム化合物を主成分とする塗膜が、錫、亜鉛、チタン、タングステン、ジルコニウム、フッ素から選定された少なくとも1種類以上の化合物を含有しているものであってもよい。
本発明の透明導電膜の製造方法においては、前記還元工程を終えた後のインジウム化合物を主成分とする塗膜が、前記還元工程でメタルに還元されない無機化合物を含有していてもよい。
前記メタルに還元されない無機化合物としては、酸化ケイ素を主成分とする化合物があげられる。
本発明の透明導電膜の製造方法においては、インジウム化合物として酸化インジウムを使用するのが好ましい。
本発明の透明導電膜は、上記本発明の透明導電膜の製造方法のいずれかに記載された方法で形成された透明導電膜である。
本発明に係る透明導電膜の製造方法によれば、塗布形成された透明導電膜において、優れた透明性と導電性を有し、かつ表面抵抗値の経時劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明の透明導電膜は、LCD,ELD,PDPなどの各種ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池等の透明電極に適用することができ、極めて優れた特性を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、前述の通り基材上に塗布形成されたインジウム化合物を主成分とする塗膜を熱処理して得られる透明導電膜の製造方法であって、該塗膜を還元するとインジウムメタルを主成分とする塗膜成分が溶融し、互いにメタル状で融着した構造の塗膜になり、それを酸化して透明導電膜とすることで、前述の微粒子同士の接触部分の劣化に起因する問題を防止し、かつ、優れた膜特性を有する透明導電膜を形成できることを見出して発明を完成するに至っている。
まず、インジウム化合物を主成分とする塗膜は、インジウム化合物を主成分として溶剤中に含有する透明導電膜形成用塗布液を、基材上に塗布・乾燥して得ることができる。
乾燥は、例えば、塗布液が塗布された基板を80〜180℃の温度で10〜60分保持することにより行う。
ここで、基材には、ガラス、セラミック、耐熱樹脂などが適用できる。
透明導電膜形成用塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ワイヤーバーコート、ディップコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷といった各種塗布方法が適用できる。インクジェット印刷は直接微細なパターンを解像度よく形成できる点で好ましい方法である。
上記インジウム化合物には、各種有機インジウム化合物、無機インジウム化合物が挙げられるが、例えば酸化インジウム微粒子を用いることができる。また、上記インジウム化合物を主成分とする塗膜は、更に、錫、亜鉛、チタン、タングステン、ジルコニウム、フッ素から選定された少なくとも1種類以上の化合物を含有していることが好ましい。最終的に得られる酸化インジウムを主成分とする透明導電膜において、これらの元素が酸化インジウム中にドープされることが透明導電膜の表面抵抗値を低下させる上で必要だからである。
上記酸化インジウム微粒子に代えて、導電性酸化物微粒子として知られる、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムチタン酸化物(ITiO)、インジウムタングステン酸化物(IWO)、インジウムジルコニア酸化物(IZrO)等の微粒子を用いる方法も、同様の効果があり、本発明に適用できる。上記中でもITOが透明性と導電性を両立できる点で最も高特性となるので、好ましい。
インジウム化合物を主成分とする塗膜は、還元性雰囲気下、200℃以上の温度で還元され、インジウムメタルを主成分とする塗膜となる。例えば、インジウム化合物にITO微粒子を用いた場合や、酸化インジウム微粒子と錫化合物を含有する場合には、錫成分も還元されてメタルになるため、インジウム−錫合金の塗膜が形成される。インジウムの融点は約157℃であり、還元工程の温度は200℃以上なので上記合金は溶融しており、互いに融着した構造を形成する。
次に、上記インジウムメタルを主成分とする金属微粒子同士が融着した塗膜を、酸素および/またはオゾンを含む酸化性雰囲気化で酸化させて酸化インジウムを主成分とする透明導電膜を得る。この酸化工程は、通常200℃以上、好ましくは300℃以上で行う。200℃より低いと酸化反応が十分に進行せず、インジウムメタル成分が残留し、得られる透明導電膜の透過率が大幅に低下するため好ましくない。酸素よりもオゾンの方が酸化力が強いため、より低温で上記酸化反応を進めることが可能である。
上述の還元工程、及び酸化工程を施して得られた透明導電膜は、酸化インジウムを主成分とする微粒子同士が融着した構造(微粒子同士が面接触し、かつ融合している構造)であり、通常の導電性酸化物微粒子を含有する透明導電膜形成用塗布液を塗布したままで得られる透明導電膜における、導電性酸化物微粒子同士が点で接触している構造と大幅に異なっている。
上記酸化工程の終了後に、中性雰囲気または還元性雰囲気下で加熱処理を施し、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜の脱酸素処理を行って、皮膜の抵抗値を低下させる低抵抗化処理を施しても良い。酸化工程では、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜中の酸素空孔が酸化されて減少しているため導電キャリア濃度が低下しており、上記低抵抗化処理工程により酸素空孔の量が増加するため、低抵抗化が達成できる。尚、中性雰囲気または還元性雰囲気としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性雰囲気、真空雰囲気、水素ガスやアルコールガス等の還元性ガス含有雰囲気が挙げられる。また、低抵抗化処理工程の加熱温度は200℃以上が好ましい。200℃より低いと上記脱酸素反応が十分に進まないため、低抵抗の透明導電膜を得ることが困難となるからである。
更に、ここで上記インジウム化合物を主成分とする塗膜が、上記還元工程でメタルに還元されない無機化合物を含有していることが好ましい。メタルに還元されない無機化合物を含有していない場合、インジウム化合物を主成分とする塗膜が還元されてインジウムメタルを主成分とする塗膜が形成されており、その塗膜は溶融しているため、表面張力によりどんどん大きな液滴へと成長してしまい、連続した均一膜構造を維持できなくなる。インジウムメタルを主成分とする塗膜中に、メタルに還元されない無機化合物が介在すれば、上記液滴への成長を抑制することができ、透明導電膜の均一構造を維持することができる。
上記メタルに還元されない無機化合物としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化ケイ素等を主成分とするものが挙げられるが、シリカゾルが塗布液のバインダー成分として最も頻繁に適用されるという点から、酸化ケイ素を主成分とするものが好ましい。
ここで、より具体的に例示すると、ITO微粒子とシリカゾルバインダーを含有する透明導電膜形成用塗布液を基材上に塗布・乾燥すれば、ITO微粒子が酸化ケイ素バインダーマトリックス中に分散した透明導電塗膜が得られ、それを還元すると酸化ケイ素バインダーマトリックス中に、インジウム−錫合金メタル微粒子が互いに融着した塗膜構造が得られる。更にその塗膜を、酸素および/またはオゾンを含む雰囲気下で酸化させることでITO微粒子同士が融着した構造(ITO微粒子同士が点接触ではない構造)の透明導電膜が得られることになる。
上記したように、必要に応じて更に中性雰囲気または還元性雰囲気下で加熱処理を施し、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜の脱酸素処理を行って透明膜の抵抗値を低下させる低抵抗化処理を施すこともできる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
平均粒径30nmのITO微粒子(住友金属鉱山(株)製、SUFP−HX、還元処理された青色系のITO微粒子)10gを、シリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)54gと混合した後、ペイントシェーカーを用いて分散処理を行い実施例1に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は135nmであった。
尚、上記シリカゾル液は、メチルシリケート51(コルコート社製商品名)を19.6g、ジアセトンアルコール75.4g、1重量%硝酸水溶液5gと混合し、SiO(酸化ケイ素)固形分濃度が10重量%で、重量平均分子量が22000のものを調製して得たものである。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。尚、この透明導電膜形成用塗布液の粘度はB型粘度計を用いて測定した。
インクジェット印刷での大面積ベタ印刷は容易でなく、後記するこの透明導電膜の透過率、ヘイズ、表面抵抗値特性評価などのための試料採取が困難であるので、透明導電膜の形成をスピンコーティング法で行いこれを評価試料とした。
すなわち、上記透明導電膜形成用塗布液を、ソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm-t)上の全面にスピンコーティング(基板温度:25℃、500rpm×30秒)し、120℃で30分間乾燥した後、メタノール含有窒素雰囲気中400℃で30分間加熱する還元処理工程により、溶融インジウム−錫メタルがシリケートバインダーマトリックス中に分散した構造の黒色メタル膜を得た。この黒色メタル膜を、そのまま加熱した状態で、雰囲気を大気に切替えて400℃×30分間で酸化させる酸化工程により、ITOとバインダーマトリックスからなるITO透明導電膜が得られた。このITO透明導電膜を、400℃から室温に冷却する間に窒素雰囲気下に放置して、脱酸素する低抵抗化処理工程を施し、最終的に実施例に係る透明導電膜を得た。この膜厚は約250nmであった。
上記透明導電膜の表面抵抗値、透過率、ヘイズ、膜強度、表面抵抗値経時劣化の各膜特性を測定し、その結果を表1に示す。尚、これらは同様の透明導電膜形成用塗布液を使用しているので、インクジェット印刷法等を採用しても、スピンコーティング法を採用しても、得られた透明導電膜における膜の特性には変わりはない。
尚、表面抵抗値は三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)、可視光線透過率とヘイズ値は村上色彩技術研究所製ヘイズメーター(HR−200)により測定した。
尚、上述の透明導電膜の透過率は透明導電膜だけの可視光線透過率であって、式(1)により以下の様にして求められている。すなわち、
透明導電膜の透過率(%)
=[(透明導電膜付ガラス基板ごと測定した透過率)/(ガラス基板の透過率)]×100・・・(1)
また、透明導電膜の強度については、膜をツメで擦り、その傷のつき具合を目視で判断し、全く傷つかないものを○、少し傷つくものを△、著しく傷つくものを×、として耐擦傷性を評価した。
透明導電膜の表面抵抗値経時劣化は、透明導電膜を25℃×55%RHの環境に1ヶ月間放置して、初期表面抵抗値からの変化割合で評価した。
(比較例1)
上記実施例1で、還元処理工程を行わず、大気中で400℃×30分の熱処理を行い、続けて400℃から室温に冷却する間に窒素雰囲気下に放置し脱酸素する低抵抗化処理工程を施して、最終的に比較例に係る透明導電膜を得た。この膜厚は約250nmであった。
上記透明導電膜の表面抵抗値、透過率、ヘイズ、膜強度、表面抵抗値経時劣化の膜特性を測定した。その結果を表1に併記して示す。
「評価」
実施例1と比較例1を比べると明らかな通り、本発明の実施例1の透明導電膜は、還元工程によりインジウムメタルを主成分とする塗膜成分が溶融し、互いにメタル状で融着した構造の塗膜を経由して透明導電膜を得ているため、表面抵抗値が750Ω/□(オーム パー スクエア)という優れた値を示し、かつ表面抵抗値経時劣化が20%未満と少ないのに対し、比較例1の透明導電膜は表面抵抗値が2000Ω/□(オーム パー スクエア)で、かつ表面抵抗値経時劣化が270%と大きく劣化していることがわかる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法は、塗布形成された透明導電膜において、優れた透明性と導電性を有し、かつ表面抵抗値の経時劣化を抑制することが可能となるため、この方法で得られる透明導電膜は、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)などの表示素子透明電極、光半導体の透明電極などの電子機器の製造に利用可能であり、その他、太陽電池の透明電極、熱線反射シールド、電磁波シールド、帯電防止膜の製造等広範な利用が期待できる。

Claims (7)

  1. 基材上にインジウム化合物を主成分とする透明導電膜の製造方法であって、基材上にインジウム化合物を主成分とする塗膜を塗布形成した後、該塗膜を還元性雰囲気下、200℃以上の温度で還元する還元工程と、得られた塗膜を酸素および/またはオゾンを含む酸化性雰囲気下で酸化する酸化工程とを有することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  2. 前記酸化工程の後に、中性雰囲気または還元性雰囲気下で加熱処理を施し、脱酸素処理を行う工程を有することを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 前記インジウム化合物を主成分とする塗膜が、錫、亜鉛、チタン、タングステン、ジルコニウム、フッ素から選定された少なくとも1種類以上の化合物を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 前記還元工程を終えた後のインジウム化合物を主成分とする塗膜が、前記還元工程でメタルに還元されない無機化合物を含有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 前記メタルに還元されない無機化合物が、酸化ケイ素を主成分とすることを特徴とする請求項4に記載の透明導電膜の製造方法。
  6. 前記インジウム化合物が、酸化インジウムであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とする透明導電膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN119553228A (zh) * 2024-12-03 2025-03-04 芜湖映日科技股份有限公司 一种IZrO透明导电薄膜及其制备方法和应用

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