JP2007333004A - 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 - Google Patents
動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007333004A JP2007333004A JP2006162695A JP2006162695A JP2007333004A JP 2007333004 A JP2007333004 A JP 2007333004A JP 2006162695 A JP2006162695 A JP 2006162695A JP 2006162695 A JP2006162695 A JP 2006162695A JP 2007333004 A JP2007333004 A JP 2007333004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- groove
- dynamic pressure
- hydrodynamic bearing
- bearing device
- sleeve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 239000012530 fluid Substances 0.000 title claims abstract description 65
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 33
- 230000001050 lubricating effect Effects 0.000 claims description 57
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims description 11
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 9
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims description 7
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims description 7
- 230000001154 acute effect Effects 0.000 claims description 6
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 4
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims description 3
- 238000005461 lubrication Methods 0.000 abstract description 4
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 23
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 23
- 230000001965 increasing effect Effects 0.000 description 16
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 13
- 238000000034 method Methods 0.000 description 9
- 238000005086 pumping Methods 0.000 description 5
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 4
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 4
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 4
- 238000011161 development Methods 0.000 description 3
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 3
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 3
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 3
- 229910001369 Brass Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000004913 activation Effects 0.000 description 2
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 2
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 2
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 2
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000010951 brass Substances 0.000 description 2
- 238000005339 levitation Methods 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 2
- 230000008569 process Effects 0.000 description 2
- 238000004513 sizing Methods 0.000 description 2
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 2
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 241000251468 Actinopterygii Species 0.000 description 1
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 210000000988 bone and bone Anatomy 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 238000005242 forging Methods 0.000 description 1
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 1
- 238000001746 injection moulding Methods 0.000 description 1
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 238000005457 optimization Methods 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 230000002441 reversible effect Effects 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
- 238000005245 sintering Methods 0.000 description 1
- 239000007779 soft material Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Abstract
【課題】
起動停止時の摩擦損失と磨耗が小さく、安価で、安定性が高い動圧流体軸受装置装置を提供する。
【解決手段】
スリーブ2と、スリーブ2に対して相対的に回転自在であるシャフト1と、シャフト1とスリーブ2との間の間隙に充填された潤滑流体5とを備え、スリーブ2の内周面2aおよびシャフト1の外周面のいずれか一方には、対向する周面との間隔が大きい溝部10と対向する周面との間隔が小さい丘部12で構成されたヘリングボーン動圧溝が形成されており、溝部10は回転軸方向との傾き角βは45°≦β≦75°に形成されている。
【選択図】 図1
起動停止時の摩擦損失と磨耗が小さく、安価で、安定性が高い動圧流体軸受装置装置を提供する。
【解決手段】
スリーブ2と、スリーブ2に対して相対的に回転自在であるシャフト1と、シャフト1とスリーブ2との間の間隙に充填された潤滑流体5とを備え、スリーブ2の内周面2aおよびシャフト1の外周面のいずれか一方には、対向する周面との間隔が大きい溝部10と対向する周面との間隔が小さい丘部12で構成されたヘリングボーン動圧溝が形成されており、溝部10は回転軸方向との傾き角βは45°≦β≦75°に形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特に小型、薄型の動圧流体軸受装置、それを用いて構成されるスピンドルモータおよび記録ディスク駆動装置に関する。
ハードディスクをはじめとする記録ディスク駆動装置は、近年なお一層の小型化が図られ、携帯用視聴覚機器や携帯電話など、持ち運びを前提とした機器に取り付けられるようになった。これに伴い、記録ディスク駆動装置に内蔵されるスピンドルモータにも、可搬性、使用方向自在性、耐衝撃性、繰り返し起動停止、迅速立上、あるいは低消費電力など、装置の使いやすさに直結した性能が、これまで以上に強く要求されるようになってきた。そこで、小さいスペースの中でさらに優れた性能を達成できるように、静音性、耐衝撃性、起動繰り返し寿命、軸受損失、信頼性等にすぐれた、小型で低コストな動圧流体軸受装置が求められている。
動圧流体軸受装置としては、回転軸方向に対して傾斜した溝が相互に向かい合った魚の骨状に配置された溝列を軸受面に設けた、ヘリングボーン型動圧軸受が通常用いられている(特許文献1)。この軸受型式の動圧発生原理は、潤滑流体の粘性特性と軸/受間の相対速度による粘性力を利用して、広い軸受隙間を有する溝部から軸受隙間が狭い丘部に潤滑剤を押し込むことによって発生するスクイズ効果と、傾斜した溝部に沿って軸受内部に押し込むポンピング効果とによって、軸受隙間内に充填された潤滑流体を加圧し、回転体を浮上させ安定に回転保持するというものである。本軸受の開発の歴史は長く、軸受の中心位置における高速回転状態での特性については、多くの研究が行われ最適仕様も求められている。しかし、その動圧発生原理上、軸/受間の相対速度差が小さい低速回転時には、潤滑流体を流動させる力が小さいため、正常な潤滑界面を形成しにくく、軸受保持能力は低い。このため起動停止時には、摩擦損失が大きく磨耗しやすいという弱点があったが、低速回転時における、しかも、略軸受壁面に接触した条件での摩擦、磨耗特性や、それをも考慮した最適仕様の研究は難解であり、改善策は見出せていなかった。
また、流体動圧軸受で支持された小型・薄型回転機械は、その構造上の制限からオーバーハング構造となり、回転体の重心位置は軸受の回転軸方向長さの中間部には配置できず、負荷が装着される出力端側に外れていることが多い。薄型回転体では特に、十分な軸受スパンがとれないことから、出力端側の軸受に大きな荷重が付加され、軸受の出力端側部位が損傷しやすい傾向があった。
本発明は、上述した現状の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、起動停止時の摩擦トルクと磨耗が小さく、高速回転時にも安定な、安価で小型の動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、略円柱状のシャフトと、該シャフトが挿通される略円筒状のスリーブと、該シャフトと該スリーブとの間の間隙に充填された潤滑流体とを備え、前記シャフトが、前記スリーブによって回転軸回りに前記スリーブに対して相対的に回転自在に保持され、前記シャフトまたは前記スリーブの前記回転軸方向の一方の端を出力端として、負荷が接続される動圧流体軸受装置において、対向する前記シャフトの外周面および前記スリーブの内周面のいずれか一方の面をG面、他方の面をF面と定義し、前記シャフトと前記スリーブ間の相対回転によって生じる前記潤滑流体の回転流動運動において、前記G面を基準として見た時の前記潤滑流体の相対的回転方向をROT方向と定義して、該G面には、丘部と少なくとも一方の端が開口した溝部が、前記回転軸に対して傾斜した状態で周方向に交互に配列された動圧溝列が形成され、さらに該G面には、前記回転軸に対して略逆方向に傾斜した2列の前記動圧溝列を、離反する側に前記溝部開口端を配置して、前記回転軸に直交する面に対して略対称に向かい合わせて一対に構成したヘリングボーン状の動圧軸受溝が、前記回転軸方向に少なくとも1箇所以上形成され、前記溝部の周方向幅角度(θp)と前記丘部の周方向幅角度(θl)の占める割合を示す溝幅比θ* p(=θp/(θl+θp))が、0.4≦θ* p≦0.6であり、かつ、前記一対の動圧溝列と前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1、β2が、45°≦β1≦75°、かつ45°≦β2≦75°である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、前記ROT方向に見た前記丘部から前記溝部に至る境界部を形成する壁面aと前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1a、β2aと、前記ROT方向に見た前記溝部から前記丘部に至る境界部を形成する壁面bと前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1b、β2bとが、45°≦β1b<β1a≦75°、または45°≦β2b<β2a≦75°である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、前記溝部は、前記F面との間隙寸法がROT方向に向けて徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されている。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記溝部は、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて前記F面との間隙寸法が徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されている。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記溝幅比が、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の動圧溝列を構成する溝部の本数Ngが、6≦Ng≦10であり、好ましくは7≦Ng≦9である。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記スリーブ内半径rと前記シャフト外半径Rとの差である軸受隙間Δ(=R−r)と、前記丘部から前記溝部の底までの平均深さhpとの比である溝深さ比h* p(=hp/Δ)が、0.5≦h* p≦3.0である。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記丘部は、前記F面との間隙寸法がROT方向に向けて徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されている。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記ROT方向に向けた前記丘部のテーパ量δlと軸受隙間Δとの比δ* l(=δl/Δ)が、1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)である。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列の、前記ROT方向に見た前記溝部から前記丘部に至る境界部を形成する前記壁面bのコーナが面取りされている。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記軸受隙間Δが、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の動圧流体軸受装置であって、前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記軸受隙間Δが、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されている軸受隙間の変化量δΔと前記平均深さhpとの比δ* Δ(=δΔ/hp)が、1/8<δ* Δ<1/2、好ましくはδ* Δ≒1/3である。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記スリーブが、焼結多孔質金属もしくは樹脂の型成型体から構成されている。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、前記溝部および前記丘部が、前記スリーブに形成されている。
請求項15に記載の発明は、電動式のスピンドルモータであって、回転軸の周囲に配置された界磁用磁石を有するロータ部と、前記界磁用磁石との間で前記回転軸を中心とするトルクを発生する電機子を有すると共に、前記ロータ部を前記回転軸を中心に回転可能に支持するステータ部と、を備え、前記ロータ部および前記ステータ部のいずれか一方が、請求項1乃至14のいずれかに記載の動圧流体軸受装置を構成するスリーブを取り付けて備え、前記ロータ部および前記ステータ部の他方が、前記スリーブに挿入されるシャフトを備える。
請求項16に記載の発明は、記録ディスク駆動装置であって、ハウジング内に、記録ディスクにデータを読み書きするヘッドと、該ヘッドをディスク面上で移動させるアクチエータと、請求項15に記載されたスピンドルモータとを備える。
本発明の請求項1に記載された動圧流体軸受装置は、ラジアル動圧流体軸受装置を構成するシャフト外周面とスリーブ内周面との少なくとも一方の面に、複数の丘と溝で構成されたへリングボーン状の動圧軸受溝が少なくとも一組設けられている。丘部と溝部の比率は、略軸受の中心部で使用する高速回転時にも大きな剛性が得られる最適比率に設定してある。潤滑流体が溝部から丘部の軸受隙間に流入する際に、スクイズ効果によって大きな動圧を発生させるが、軸偏芯が大きい場合には、丘部との軸受隙間が小さいために流入しにくく、潤滑流体は溝内の方を主体に流れやすくなる。特に、溝の傾き角が大きい、すなわち溝が周方向を向いている場合にはその傾向は顕著になるので、圧力は発生しにくくなり回転体は浮上しにくくなる。その結果、起動時の磨耗は激しくなる。請求項1の発明では、偏芯率が大きい場合において、磨耗量が急激に増加する溝傾き角度があることを明らかにし、その傾き以下の溝角度に抑えると共に、適度な大きさの角度は保持しているので高速回転時の安定な回転特性も維持できる。
本発明の請求項2に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1の動圧流体軸受装置において、溝を形成する2つの壁面の回転軸に対する傾斜角を異なる角度に設定することによって最適化している。上述の如く、溝から丘にかけての壁面の角度は小さい方が正の動圧が立ちやすく安定化するが、逆に丘から溝に向かう壁面の角度が小さいと負の動圧が発生し、キャビテーションが発生して不安定化しやすい。したがって、溝から丘にかけての壁面の角度は適度に小さくし、逆に丘から溝に向かう壁面の角度は適度に大きくするのが良い。
本発明の請求項3に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1または2の動圧流体軸受装置において溝の底部を潤滑流体が流れる方向にテーパ形状にしている。丘部での軸受隙間が狭くてもスムースに丘部に潤滑流体を流し込みやすいので、丘部でのスクイズ効果が発生しやすくなり、低速でも浮上しやすくなる。その結果、磨耗量を低減できる。なお、高速回転時の特性に対しては、溝の断面形状の影響自体は比較的小さい。さらに、オーバーハング構造においては出力端側に荷重が付加し易いので、出力端側の軸受仕様は起動時の最適仕様にし、出力端の反対側は高速回転時仕様にするなど非対称な軸受仕様にすることで、起動時には浮上しやすく、高速回転時には安定回転が得られるさらなる最適化を図ることができる。
本発明の請求項4に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の動圧流体軸受装置において、へリングボーン状動圧軸受溝の端側から中央部に向けて溝の深さを徐々に浅くして流路面積を狭めることによって、溝内のポンピング効果に伴う流れによる昇圧効果を高めている。請求項2の構造と組み合わせると、さらに昇圧効果は高まるので浮上しやすくなり、起動時の磨耗を減少することができる。
本発明の請求項5に記載された動圧流体軸受装置は請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、へリングボーン状動圧軸受溝の端側から中央部に向けて溝幅比を小さくし、流路面積を小さくすることによって、溝内のポンピング効果に伴う流れによる昇圧効果を高めている。請求項4の構造と組み合わせると、さらに昇圧効果は高まるので浮上しやすくなり、起動時の磨耗を減少することができる。
本発明の請求項6に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、溝の本数を最適な数に設定することで磨耗量を低減できる。
本発明の請求項7に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、溝深さ比を適正な値に設定することで起動時の磨耗量を低減する。軸受の中心部で高速回転する場合の最適な溝深さ比は、一般的には軸受隙間と溝深さが同程度、すなわち約1.0程度が良いと言われているが、回転体が軸受壁面に接触している起動時の状態では、溝深さ比が大きくなるほど磨耗量は増加している。そこで、磨耗量が急増する溝深さ比以下に抑え、また高速回転特性が悪化しない溝深さ比以上にすることで、起動時と高速回転時の両方の特性を良好に保つことができる。
本発明の請求項8に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、丘部の形状を周方向にテーパをつけ、丘部での軸受隙間を回転方向に狭めることによって、スクイズ効果を高めている。軸受の中心部で高速回転する場合の最適な溝深さ比は、前述の如く、一般的には軸受隙間と溝深さが同程度、すなわち約1.0程度が良いと言われているが、回転体が軸受壁面に接触している場所の近傍では、その局部的な軸受隙間は略0であり、局部的な溝深さ比は非常に大きな値になっている。丘部の形状を周方向にテーパをつけるということは、局部的な軸受隙間を大きくして、局部的な溝深さ比を小さくすることにも相当する。
本発明の請求項9に記載された動圧流体軸受装置は、請求項8に記載の動圧流体軸受装置において、具体的な丘部のテーパ量を数値的に示したものである。平滑な面の曲率と、溝と丘を設けた面の接触箇所での曲率とが略同等となり、スムースな潤滑流体の導入が可能となって適切なスクイズ効果を得ることができる。これによって、起動時の磨耗を低減することができる。
本発明の請求項10に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の動圧流体軸受装置において、潤滑流体の下流側の溝から丘に至る壁面のコーナを面取りすることによって、潤滑流体が丘部に流入しやすくし、スクイズ効果を」高めるものである。これによって、浮上しやすい、磨耗が少ない軸受を得ることができる。
本発明の請求項11に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至10のいずれかに記載の動圧流体軸受装置において、ヘリングボーン状の動圧溝軸受の軸端側の軸受隙間を徐々に広くすることによって、局部的な溝深さ比を小さくし、浮上特性を向上して磨耗特性を改善することができる。
本発明の請求項12に記載された動圧流体軸受装置は、請求項11に記載の動圧流体軸受装置において、軸受隙間の軸方向変化量の値を最適化したものであり、摩耗特性の改善度合いのばらつきを抑え、品質を向上することができる。
本発明の請求項13に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至12のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、スリーブを焼結多孔質金属もしくは樹脂で型成型するものであり、焼結多孔質金属及び樹脂は量産性に優れるので、コストダウンが可能である。さらに、耐焼き付き性などの面でも非常に有効である。
本発明の請求項14に記載された動圧流体軸受装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の動圧流体軸受装置であって、溝及び丘がスリーブに形成されたものであり、焼結多孔質金属などの柔らかい材料で製造すればコイニングなどの加工により凹部を容易に形成することができるのでコストダウンが可能である。
本発明の請求項15に記載された電動式のスピンドルモータは、回転軸の周囲に配置された界磁用磁石を有するロータ部と、界磁用磁石との間で回転軸を中心とするトルクを発生する電機子を有するとともにロータ部を回転軸を中心に回転可能に支持するステータ部と、を備え、ロータ部およびステータ部のいずれか一方が、請求項1乃至14のいずれかに記載の動圧流体軸受装置を構成するスリーブを取り付けて備え、ロータ部およびステータ部の他方が、スリーブに挿入されるシャフトを備えたスピンドルモータであって、起動停止等の低速回転時の摩擦損失や磨耗量は小さく、安定高速回転性能が得られるので信頼性の向上が可能である。
請求項16に記載の発明は、記録ディスク駆動装置であって、ハウジング内に、記録ディスクにデータを読み書きするヘッドと、該ヘッドをディスク面上で移動させるアクチエータと、請求項15に記載されたスピンドルモータとを備えており、信頼性が高く安価である。
本発明の最良の実施の形態について図を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の説明における上下左右などの方向に関する表現はいずれも、特別な記載がある場合を除いて図面上の方向を示している。したがって、実際の実施の方向を制限するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を実施した第1の実施形態にかかわる動圧流体軸受装置6及び動圧流体軸受装置6を備えるスピンドルモータ30の断面図であるが、スピンドルモータ30の回転駆動部分を構成する部材は省略されている。また、断面内の平行斜線表示は省略している。
図1は、本発明を実施した第1の実施形態にかかわる動圧流体軸受装置6及び動圧流体軸受装置6を備えるスピンドルモータ30の断面図であるが、スピンドルモータ30の回転駆動部分を構成する部材は省略されている。また、断面内の平行斜線表示は省略している。
本発明の動圧流体軸受装置6は、略円柱状のシャフト1と、シャフト1が挿通される略円筒状のスリーブ2と、シャフト1とスリーブ2との間に充填された潤滑流体5を備え、スリーブ2の外径側側面は略カップ状の軸受ハウジング4の内径側側面に取り付けられており、シャフト1の上端部は径方向に延設された天板部3bを有するロータハブ3に取り付けられている。それらで囲まれた空間には、潤滑流体5が満たされている。スリーブ2は焼結多孔質金属製の型成型体である。軸受ハウジング4は、アルミニウム、ステンレス、真鍮、樹脂などで形成される。シャフト1はプレス又は切削によりロータハブ3と一体に形成される。
なお、スリーブ2と軸受ハウジング4は一体に形成されてもよい。例えば、アルミニウムやステンレス、真鍮などで一体に形成されたり、焼結多孔質体で一体に形成された後、外周面を封孔処理されてもよい。また、スリーブ2は樹脂でインサート成形されてもよい。
シャフト1の外周面1aとスリーブ2の内周面2aとは径方向に微少間隙を介して対向している。その径方向の微少間隙には潤滑流体5としてオイルが保持されている。また、スリーブ2の上端面及び軸受ハウジング4の上端面4aは、ロータハブ3の天板部3bの下面3aと軸方向に微少な間隙を介して対向する。その軸方向の微少な間隙には、径方向の微少間隙に保持されているのと同様のオイルが、径方向微少間隙に連続して保持されている。オイルは、スリーブ2の下側に形成された潤滑流体保持部16及びシャフト1の下端部と軸受ハウジング4の底面との間にも連続的に保持されており、こうして軸受ハウジング4内はオイルが途切れなく満たされている。この状態をフルフィル状態という。なお、スリーブ2の外周面には循環溝15が形成されており、スリーブ2の上端面側に形成された前記微小な間隙とスリーブ2の下側に形成された前記潤滑流体保持部16とを連結して、オイルの循環ならびにオイル中に発生した気泡の排出を可能としている。
なお、ロータハブ3は軸受ハウジング4の最外周縁よりも外周に下垂周壁3cを有しており、この下垂周壁3cに取りつけられた抜け止め21の内周面と軸受ハウジング4の外周面との間にオイルと空気との界面17がただ一つ形成される。抜け止め21の内周面と軸受ハウジング4の外周面との間は、軸受の外部に向かうにつれて広げられるテーパ形状にされており、オイルが軸受外部に漏れ出すことが防がれている。また、軸受ハウジング4の外周面には周方向に段差が設けられ、ロータハブ3の下垂周壁3cに設けられた抜け止め21がその段差に対向して、シャフト1とスリーブ2の軸方向の一定以上の移動が規制される。
シャフト1がスリーブ2に対して回転されると、径方向微少間隙に保持されているオイルがシャフト1の外周面とスリーブ2の内周面との間で動圧を発生させ、ラジアル(径方向)の荷重支持圧が発生する。こうしてラジアル動圧流体軸受装置6が形成される。また、同様にシャフト1がスリーブ2に対して回転されると、軸方向微少間隙に保持されているオイルが軸受ハウジング4上端面と天板部3bの下面との間で動圧を発生させ、スラスト(軸方向)の荷重支持圧が発生する。こうしてスラスト動圧流体軸受装置13が形成される。
図2は、本発明に従うラジアル動圧流体軸受装置6の第1の実施形態を拡大して示す拡大断面図であり、図3は、図2からシャフト1の記載を割愛することにより、スリーブ2の内面構造を見やすくした図である。図4は、スリーブ2を切り開いて展開した模式図である。また図5は、スリーブ2の回転軸線直角方向の簡略部分断面図である。これらの図において、断面内の平行斜線表示は省略している。この実施形態では、図2に示すとおり、シャフト1は外形が円筒状であり、その一端から他端まで実質上同一形状に形成され、矢印14の方向に回転する。この回転に伴い潤滑流体5も同じ方向に回転流動するので、静止しているスリーブ2の内周面2a(G面)を基準にした潤滑流体5の相対流動回転方向(ROT方向)は、シャフト1の回転方向と同じく矢印14の方向となる。そして図3に示すとおり、スリーブ2の内周面2a(G面)には、動圧を発生させる溝が中間部で折り返して“V”字のような形状をなすヘリングボーン状の動圧軸受溝が設けられている。図4に示すとおり、シャフト1の外周面1a(F面)との径方向隙間が大きい溝部10(着色して表示)と、シャフト1との径方向隙間が小さい丘部12とが、周方向に交互に6組繰り返し配設され、潤滑流体5の相対回転方向(ROT方向)14から見て丘部12の下流端と溝部10の上流端の境界部には壁面11aが形成され、溝部10の下流側と丘部12の上流側の境界部には壁面11bが形成されている。シャフト1の回転によって、潤滑流体5は、軸受部の両側にある潤滑流体保持部16側から“V”字状に対向させた動圧軸受溝の中央部に集まるように構成されている。
図4に示すように、溝部10が回転軸となす角度は平均的にβであるが,詳細には場所によって異なっている。上部側の溝の壁面11aと回転軸がなす角度はβ1a、上部側の溝の壁面11bとなす角度はβ1b、下部側の溝の壁面11aと回転軸がなす角度はβ2a、下部側の溝の壁面11bとなす角度はβ2bであり、45°≦β1b<β1a≦75°、または45°≦β2b<β2a≦75°を満足するようにしてあり、本実施例では、β1a=β2a=62°、β1b=β2b=50°に設定している。このように設定することで、丘部でのスクイズ効果と溝部内部でのポンピング効果を高めることができる。
また、溝部の周方向巾角度θpと丘部の周方向幅角度θlの占める割合を示す溝幅比θ* p(=θp/(θl+θp))は、全体では0.4≦θ* p≦0.6に入っており平均的に0.5にしているが、溝の壁面11a、11bの傾き角の差に伴い、入り口部は広く奥側は狭い、即ち入り口側の溝巾比は大きく、奥側に向けて溝巾比が徐々に小さくなる溝形状にしている。なお、図6に示すように、溝の壁面11a、11bの傾き角を同一とし、溝巾比を一定にし、V字の折り返し部を中心として対称な単純形状にしても良いし、V字の折り返し部を境に、溝角度も溝幅比も変えた非対称形状にしても良い。
なお、本実施形態では、平滑な外周表面を持つシャフト1が回転するので、シャフト1、潤滑流体5の実際の回転方向及び、静止しているスリーブ2を基準とした潤滑流体5の相対的回転方向14は、皆同じ方向を向いているが、例えば、溝が形成されたスリーブ2が回転する場合には、スリーブ2を基準とした潤滑流体5の相対的な流動回転方向14は異なってくるので注意する必要がある。また、本実施形態では、溝本数を6本としたが、これに限定されるものではなく、7本、8本、9本、あるいは10本でも良い。特に、7本、8本、9本が良い。また、本実施形態では、1対の動圧溝列は中央で溝同士が連結した構造としたが、その中間部に周状の丘を配置して、2つの動圧溝列が分離されていても良い。溝数が8本で、1対の動圧溝列の中間部に周状の丘を配置して2つの動圧溝列が分離された構造の例を、図7に示す。
次に、溝部10と丘部12の形状について、図8、図9及び図10を参照して説明する。図8、図9及び図10は、溝部10と丘部12を通る高さ位置における回転軸に直角な面で切った横断面図であり、溝部10と丘部12とシャフト1の一部を示す模式拡大図である。通常の運転状態であるスリーブ2の略中心位置で高速回転する場合の動圧流体軸受装置6のラジアル剛性は等方性となり、シャフト1を確実に支持することができる。
本実施形態においては、丘部12は、スリーブ2の内周面2aと同一面であり、シャフト1の外周面との隙間が一様になる円弧状の面を構成している。丘部12の周面とシャフト1の外周面との間隔Δは小さく、たとえば0.003mm程度に設定される。丘部12の周面は、相互に協働して円筒状の支持面を規定し、これらの支持面が潤滑流体5を介してシャフト1を回転自在に支持する。
また、溝部10は、スリーブ2の内周面2aから径方向に凹んだ形状をしている。溝部10の底面と丘部12の上面との距離hpは、上記Δの数分の一から数倍の大きさ、たとえば0.0015mm〜0.009mm程度に設定される。溝部10の周面は、潤滑流体5の相対回転方向14に見た溝部10の下流端から丘部12の上流端にかけて、シャフト1に徐々に近接するようなテーパ形状であって、丘部12と滑らかに接続されても良いし(図8)、加工がしやすいように、シャフト1との間隔が一様となる同心円形状であって、丘部と階段状に接続されても良い(図9)。さらに、溝の壁面11bのコーナが面取りされていると、なお良い(図10)。なお、この場合においても、溝の平均的深さとの溝深さ比h* p(=hp/Δ)が、0.5≦h* p≦3.0を満足するように設定している。
潤滑流体5の流れに沿って、軸受内の圧力発生状態を説明する。前述の如く、シャフト1が矢印14で示す方向に相対的に回転すると、スリーブ2とシャフト1との間に介在された潤滑流体5も矢印14で示す方向に回転流動する。この実施形態では、シャフト1の外周面との間隔が広い溝部から、間隔が狭い丘部に向けて流動することによってスクイズ効果で潤滑流体5の圧力が高められ、シャフト1を回転自在に支持する。一方、シャフト1の相対的回転によって、潤滑流体5が次に丘部から溝部に流動すると、丘部12において高められた潤滑流体5の圧力は解放されて丘部12と溝部10との境界部位にて潤滑流体5の圧力は著しく低下する。そして負圧力が発生すると、潤滑流体5の潤滑膜が破断され、膜状態が不安定となり、非再現性ランアウト、ラジアル剛性の低下の原因となる。
また、溝部10、及び丘部12は、シャフト1の回転によって潤滑流体5が潤滑流体保持部16側からヘリングボーン状の動圧軸受溝の中央部側に押し込まれる方向に、回転軸方向に対してβ1、β2だけ傾斜しているので、ポンピング効果によってより以上に動圧軸受溝の中央側の圧力は高くなる。そして、前述の如く、本実施形態においては、動圧軸受溝の中央部側に向けて溝幅比を徐々に小さくすることで、溝内での圧力向上を図っている。
さらに加えて、本実施形態では、動圧軸受溝の中央側に向けて溝深さも徐々に浅くすることで溝内の圧力を高めている。図11は溝部の中央部を溝の傾きに沿って切った縦断面図であり、溝部10と丘部12とシャフト1の一部を示す模式拡大図である。図11に示すように、溝深さはV字の折り返し点がもっとも浅くなるように、両側からテーパ状に溝深さが浅くなるような溝形状にしている。なお、この溝深さのテーパは潤滑流体5を軸受部内に保持する機能を強めるために、潤滑流体5の界面17に近い上部側の溝列部のみに設けても良い。
ここで、本発明の主要点の一つである起動停止時の動圧型軸受の特性について検討する。ヘリングボーン型や多円弧型に代表される動圧流体軸受は、動圧を発生させるために周方向の軸受間隙は不連続になっており、例えば本実施例の如く、スリーブ2には不連続な凹部が形成されている。通常の使用状態では、高速回転によって生じる動圧によってシャフト1は浮上し、スリーブ2の略中心位置に保持されて回転するために、これらの凹部による周方向の軸受特性の方向性は無視される程小さいが、特に回転体を水平に置き、シャフト1の重力がスリーブ2の内壁面方向に付加した接触状態から起動する場合には、起動開始時の凹部との接触状態によって、起動特性が大きく変化するであろうことが予想できる。また、停止時の特性についても同様に、凹部の形状及び位相と重力の方向との影響を考慮する必要がある。
次に、上述した第1の形態の動圧流体軸受装置6における溝部10と丘部12の効果を、解析モデルを用いた数値解析によって確認した結果を詳述する。起動停止時におけるシャフト1とスリーブ2との固体接触及び潤滑流体5が介在した境界潤滑状態などの過渡的な挙動も詳細に解析できるように、動圧流体軸受装置6の特性は、有限要素法によって、平均流れレイノルズ方程式と軸受表面における微細な凹凸部の弾塑性変形を考慮した圧力方程式をたてて、回転体の運動方程式と連立することによって求めた。なお、数値解析は、周方向及び軸線方向に各々数10分割して詳細に行った。
この数値解析のモデルと記号を既出図4、図5で説明する。解析のモデルにおいて、V字状の溝は全て同一であり、V字の頂点位置に対して対称形をしている。溝部10の周方向角度をθp、丘部12の周方向角度をθl、これら1ピッチ分の周方向角度を2θ(=θp+θl)とした。また、回転軸に対する溝の傾き角度の鋭角側がβ(=β1=β2=β1a=β1b=β2a=β2b)である。なお、この数値解析においては、シャフト1の直径を2.5mm、動圧流体軸受装置部の軸線方向の幅を2.5mm、丘部12の内周面とシャフト1の外周面との間隔Δを0.0025mm、溝部10の周面とシャフト1の外周面との間隔hpを0.0050mm、溝本数Ngを6本とした組み合わせを基準値として、それらの値をベースにパラメータサーベイを行った。また潤滑流体5の油粘性係数を0.013Pa・sとした。
図12は、起動後の低速回転域における無次元摩擦損失を解析した結果である。ヘリングボーン軸受(以下、HB)は低速回転域での動圧が小さいためになかなか浮上できず、約200rpmでようやく浮上し始めて、摩擦損失が低減していくことがわかる。このため、低速度域での摩擦損失は大きくなり、磨耗量も多くなる。
図13は、起動時及び停止時におけるスリーブの無次元磨耗量V* Wを計算した結果であり、溝部の周方向角度比θ* pに対する変化を図示している。無次元磨耗量V* Wは、溝部の周方向角度比θ* pが大きくなる程、増加する傾向にある。高速安定回転に対する最適θ* pが約0.5であることを考慮すると、0.4≦θ* p≦0.6が好ましいと言える。
図14は、溝部の回転軸に対する傾斜角βとスリーブの無次元磨耗量V* Wの関係を計算した結果である。傾斜角度βが70°を超えると急激に無次元磨耗量V* Wは増加する。これは、溝部と丘部の方向がほとんど潤滑流体の流れ方向(ROT方向)と一致してしまうために、潤滑流体が溝部から丘部に流れ込むことによるスクイズ効果がほとんど得られなくなることを意味している。また、軸受隙間と溝深さの比率である溝深さ比h* p(=hp/Δ)をパラメータにしているが、基本的には同様な傾向であり、溝深さ比h* pが大きくなるほど、ベースとなる磨耗量、および磨耗量の増加率は大きくなる。図15は、高速回転時における溝部の傾斜角βと軸受剛性Kxxの関係を計算した結果である。軸受剛性を最大にする傾斜角度βが40°近辺にあり、傾斜角度βを小さくし過ぎると軸受剛性は低下してしまうことがわかる。また、溝部の傾斜角度βが小さくなると、溝と丘の間の壁が潤滑流体の流れを堰き止めるようになるので、高速回転時の軸損は増加する。したがって溝部の傾斜角βを小さくし過ぎるのは好ましくなく、高速回転時の特性も考慮して、溝角度βは45°≦β≦75°にするのが良いと言える。
図16は、溝角度βを70°に固定した状態で、溝深さ比h* pとスリーブの無次元磨耗量V* Wの関係を計算した結果である。溝深さ比は、軸受隙間を一定にして溝深さを変えて解析した。シャフトが丘部上面に接触しているような状態であり、潤滑流体は溝部からその隙間には流入しにくく、スクイズ効果が得られにくい。したがって、磨耗量を抑えるためには、溝は浅い方が良く、また、シャフト外径の曲率とスリーブ内径の曲率、および丘と溝のプロファイルで決まる接触時における動的な軸受隙間と、略同じ程度の溝深さにするのが良いことがわかる。図17は、溝深さh* pと高速回転状態における軸損の関係を解析した結果である。このように、溝深さが浅すぎる場合には、高速回転時の軸損が増加すること、並びにハーフスピードホワールという振れ回り振動が発生しやすいことを考慮し、0.5≦h* p≦3.0にするのが良いと言える。
本計算結果が示唆することをより具体的に示す。溝から丘への立ち上がり部が真下にあり、その点においてシャフトが接触している場合を考えると、第一の領域である溝側は、スリーブ内壁面とシャフトの外壁面は楔状になっているものの、溝があるためにその隙間は大きく潤滑流体のスクイズ効果は発生しない。次に第二の領域である丘側は、丘部表面とシャフトの外表面のなす隙間が周方向に拡大するので、スクイズ効果によって負圧が発生し、逆にシャフトはスリーブ側に引き寄せられる。したがって、浮上力を得るためには、第一の領域である溝部から、シャフトの外表面と丘部が接触している箇所を通過して、第二の領域であるシャフトの外表面と丘部の隙間に潤滑流体を流し込む機能を活性化するか、もしくは第二の領域での負圧力の発生を防止し、逆にこの領域で浮上力を発生させる工夫をするのが良いということを意味する。
前者の方法としては、丘部のエッジをとる方法、溝の底をテーパにする方法、溝の傾斜角を適度に選択して、3次元的に解消する方法がある。
後者の方法としては、丘部を周方向にテーパにして周方向に拡大するような隙間形状を形成しないという方法がある。即ち、丘部から溝部に移るコーナ部でのシャフト外表面と丘部との間隔はΔ(1−cosθl)であるから、丘部の周方向にこれだけのテーパを与えれば、シャフトの外表面と丘面は同心面となるので、周方向に拡大するような隙間形状は形成されなくなる。実際には、このテーパ付与によってシャフト外表面とスリーブ内面との接触位置も変化するので、より少ないテーパ量でも効果が得られる。また、大き過ぎるテーパは、本来のヘリングボーン軸受としての特性自体を損なうことになる。したがって適度なテーパ範囲として、次のような範囲が選定できる。すなわち、少なくとも丘部の幅の半分から上記の効果を発生させるという下限値と、丘溝の1ピッチ全体がテーパになると高速回転時の軸受特性への影響が大きくなるという上限値から、ROT方向に向けた丘部の周方向テーパ量δlと軸受隙間Δとの比δ* l(=δl/Δ)は、
1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)
にあるのが良いと言える。
1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)
にあるのが良いと言える。
図18は、溝の本数とスリーブの無次元磨耗量V* Wの関係を計算した結果である。溝深さ比h* p=2.0、溝角度は磨耗量が急増する直前のβ=70°における解析であるため、あまり際立った差異にはなっていないが、溝本数Ngによって磨耗量は変動し、8本の時に磨耗量は最小となる。高速回転時の特性および量産加工性も考慮し、溝本数Ngは、6≦Ng≦10、好ましくは7≦Ng≦9が良いといえる。
図19は、回転軸方向のスリーブ内径のテーパ量とスリーブの無次元磨耗量V* Wの関係を計算した結果である。本解析のモデルはこれまでのものと異なっており、シャフトの直径は2.5mm、スリーブの軸線方向の幅は4.8mmと長く、上下にヘリングボーン型ラジアル動圧軸受があり、丘部の内周面とシャフトの外周面との間隔Δが0.00275mm、溝部10の周面とシャフト1の外周面との間隔hpは0.0015mmと浅く、即ち、溝部深さ比は0.55と小さくしてある。また、溝本数Ngは上下軸受共に6本である。本解析は、出力端側である上部軸受に対して、ヘリングボーン溝の折り返し部から上部の開口部まで、溝深さは一定のまま、徐々にスリーブ内径を拡大することによって軸受隙間を大きくした、軸受隙間のテーパ状変化量δΔとスリーブの無次元磨耗量V* Wの関係を計算した結果であり、実施例3で後述する2つの軸受によって構成された構造の場合に、特に影響が顕著になる。静止状態においては他の軸受部分で接触支持されているために、上部軸受の開口側ではシャフトとスリーブは接触しておらず、局部的にはシャフト外径表面と丘部表面との間には隙間を保有できる状態となっている。テーパ量を大きくすることによって、隙間部に潤滑流体が流入してスクイズ効果を発揮しやすくなり、浮上しやすくなるために磨耗量は低減する。しかし、そのテーパ量が大きくなり過ぎると全体としての軸受特性が低下するために、逆に磨耗量は増加する。本解析の条件においては、溝深さhp=0.0015mmの約1/3である0.0004mm〜0.0005mmのテーパにすれば、スリーブの磨耗量が最小になることがわかる。この解析結果から、溝深さhp対する軸受隙間Δのテーパ状変化量δΔの比δ* Δ(=δΔ/hp=(δΔ/Δ)/(hp/Δ))は1/8<δ* Δ<1/2、好ましくは約1/3が良いことがわかる。なお、相対速度によって生じる現象であるから、シャフト側の直径を変えることで軸受隙間Δを変えても同じ効果が得られることは明らかである。
以上の解析結果図は、先に示した解析上の基準パラメータを主体にいくつかのパラメータを組み合わせて解析した結果を抽出して表示したものであるが、実用的な範囲でパラメータを変更しても、特記した以外には顕著な傾向差は見られない。従って、以上の解析結果から、高速回転時の支持剛性Kxx、ホワール特性、あるいは軸受損失等の回転特性を保持したまま、起動時の摩擦損失、磨耗量を安定して小さく保つことができる基本仕様の最適な緒言としては、溝部の周方向角度比θ* pは0.40〜0.60、溝の傾斜角度βは45°〜75°、溝本数Ngは6〜10本(さらに好ましくは7〜9本)、溝深さ比h* pは0.5〜3.0が良いと言える。また、丘部分の周方向テーパ比δ* lとしては、1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)、軸受隙間の軸方向変化量比δ* Δとしては、1/8<δ* Δ<1/2が良いと言える。
(第2の実施形態)
図20は、本発明に従う第2の実施形態を示している。特別の記載がない事項は、第1の実施形態と同じであり、断面内の平行斜線表示は省略している。
図20は、本発明に従う第2の実施形態を示している。特別の記載がない事項は、第1の実施形態と同じであり、断面内の平行斜線表示は省略している。
図23の動圧流体軸受装置においては、金属粉末を焼結成型して形成したスリーブ2を用いている。スリーブ2の内周面2aには、回転軸に対してβだけ傾斜した丘部12、及び溝部10が形成されている。スリーブ2の下端部には樹脂成型されたスラストブッシュ8が接着剤9で固定されて有底容器を形成し、潤滑流体5をその内部に保持している。SUS材を鍛造後研削加工して製作したシャフト1の下端部に形成されたスラストプレート7と、スリーブ2及びスラストブッシュ8との間でスラスト軸受13を構成し、軸線方向の荷重を支持している。
本実施例では、粉末金属製のスリーブ2を加圧成型する際に、回転軸方向に圧縮加圧することによりスリーブ2の内径側に丘部12を隆起させ、ヘリングボーン溝を形成している。さらに、内径側に向けて緩やかな凸状に成型される丘部12の頂上部分をスリーブ2の内径をサイジング加工する際に平坦化することによって、周方向にテーパを有する丘部を加工形成している。
丘部の形状を模式図として図21に、さらに拡大した模式図として図22に示す。シャフト1の外表面1aがスリーブ2の内壁面2aに接触している場合でも、潤滑流体5がその隙間部に流入してスクイズ効果を発揮しやすいように、丘部の周方向テーパ量δlと軸受隙間Δとの比δ* l(=δl/Δ)が、1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)を満足するように設定している。
また、スリーブ2は、上記サイジング加工時において、ロータハブ3が取り付けられて負荷が加わる上部側に向けて内径を徐々に拡大するテーパ形状に成形している。具体的には、スリーブ内半径Rを軸受隙間Δの約1/3だけ拡大している。スリーブの形状を拡大模式図として図23に示す。これにより出力端側は、軸受隙間が大きく溝深さが小さい、即ち溝深さ比が小さい形状になっている。このため、起動時には、軸受の出力端側部分はシャフト1とスリーブ壁面の接触圧は出力端の反対側よりも小さく、その丘部2とシャフト1との隙間も比較的大きいので、潤滑流体5も流入しやすく、回転体は浮上しやすい。
なお、図24に示すように、シャフト1の外径を段階的に変えていくことで、上記のような関係を満足させても良い。
また、本実施例ではスリーブ2を粉末金属製としたが、樹脂材料を射出成型して製作しても良い。
(第3の実施形態)
図25は、本発明に従う第3の実施形態を示している。特別の記載がない事項は、第1の実施形態と同じであり、断面内の平行斜線表示は省略している。
図25は、本発明に従う第3の実施形態を示している。特別の記載がない事項は、第1の実施形態と同じであり、断面内の平行斜線表示は省略している。
図25の動圧流体軸受装置においては、2つの焼結合金製スリーブ102a、102bを、ハウジング4の内側に取り付けることにより、その軸線方向(図26において上下方向)に潤滑保持部116を挟んだ形で一対の動圧軸受部106、108が設けられている。スリーブ102a、102bにおいては、各々溝部110a、110bと丘部112a、112bが、周方向にくりかえし配設されており、溝部110a、110b、丘部112a、112bの傾斜角、周方向角度、深さ等は、第一の実施形態に示した適正な緒元に各々設定されている。一方、シャフト101は外形が円筒状であり、その一端から他端まで実質上同一形状に形成されている。
なお、本形態においては、スリーブ102bは、2列の動圧溝列の中央部に丘を有するヘリングボーン動圧軸受にしてラジアル剛性を大きくしている。しかし、スリーブ102aと102bを同一構造、寸法にすることによって量産対応をしやすくするなど、適用する回転体の用途、ニーズにマッチするようにスリーブ102a、102bの仕様を選択しても良い。無論、他円弧軸受などの他の軸受型式と組み合わせても良い。また、本形態においては、スリーブ102a、102bを別体としたが、ひとつのスリーブに2つの動圧軸受溝を設けても良い。
本構造においては、スリーブ102a、102bに設けられた二つの動圧軸受部の回転軸方向の配置間距離が長いので、モーメント剛性は大きくなり、回転安定性、耐衝撃性に優れた特性を得ることができる。
(第4の実施形態)
図26は、本発明を実施したスピンドルモータ30及び記録ディスク駆動装置50の断面図である。なお、断面内の平行斜線表示は省略している。
図26は、本発明を実施したスピンドルモータ30及び記録ディスク駆動装置50の断面図である。なお、断面内の平行斜線表示は省略している。
この記録ディスク駆動装置50は、記録ディスク51と、記録ディスク51を回転させるスピンドルモータ30と、記録ディスク51に対して情報のアクセスを行なうヘッド52と、それら全体を収容するハウジング53とを備える。
スピンドルモータ30は、第1乃至第3の実施形態によって説明された動圧流体軸受装置306を備えている。スピンドルモータ30はハウジング53の一部をその基板とし、その基板上にステータ31と回路基板(不図示)とが固定される。一方、ロータハブ303に固定されたロータマグネット33はステータ31と径方向に対向され、動圧流体軸受装置306によって基板部材、ステータ31に対して回転自在に支持される。ステータ31は複数のコイル32を備えており、それらコイル32への通電は制御回路によって制御される。
スピンドルモータ30のロータハブ303には記録ディスク51が載置され、ロータハブ303と一体に回転される。制御回路によって、ステータ31のコイル32に通電されると、スピンドルモータ30が回転を始める。動圧流体軸受装置306が回転側と静止側とを非接触に支持し、スピンドルモータ30の振動が抑えられる。これにより、記録ディスク51への書きこみエラーなどが抑制され、信頼性の向上と高速化が達成される。また、記録ディスク駆動装置50の静音化も図られ、携帯機器や音響機器などに搭載されても、耳障りな騒音が発生しにくい。
また、本発明の動圧流体軸受装置306は、実質的な軸受支持間隔を長くしたり、回転体の重心近くを支持したりすることが可能であり、起動停止時の摩擦損失や磨耗量は小さく、かつ安定高速回転性能が得られるので、記録ディスク駆動装置に限らず、オーバーハング構造で、特に起動停止回数が多く、使用方向の自由度が高い携帯機器、ファンなどの用途に有効である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、例えば、溝部10、110、丘部12、112はシャフト1、101側に形成されても良いし、シャフト1、101が固定されて、スリーブ2、201が回転しても良いし、上下二つの軸受のうち、一方の軸受はスリーブ2、201側に、他方の軸受はシャフト1、101側に、各々丘部10、110、溝部12、112を形成された構造にするなど、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1、101 シャフト
1a シャフト外表面
2、102、102a、102b スリーブ
2a スリーブ内周面
3、303 ロータハブ
4 軸受ハウジング
5 潤滑流体
6、306 動圧流体軸受装置部
7 スラストプレート
8 スラストブッシュ
9 接着剤
10、110a、110b 溝部
11a、11b 溝の壁面
12、112a、112b 丘部
13 スラスト動圧流体軸受装置部
14、114 潤滑流体の相対的回転方向
15 循環溝
16、116 潤滑流体保持部
17 界面
21 抜け止め
30 スピンドルモータ
31 ステータ
32 コイル
33 ロータマグネット
50 記録ディスク駆動装置
51 磁気ディスク
52 ヘッド
53 アクチエータ
1a シャフト外表面
2、102、102a、102b スリーブ
2a スリーブ内周面
3、303 ロータハブ
4 軸受ハウジング
5 潤滑流体
6、306 動圧流体軸受装置部
7 スラストプレート
8 スラストブッシュ
9 接着剤
10、110a、110b 溝部
11a、11b 溝の壁面
12、112a、112b 丘部
13 スラスト動圧流体軸受装置部
14、114 潤滑流体の相対的回転方向
15 循環溝
16、116 潤滑流体保持部
17 界面
21 抜け止め
30 スピンドルモータ
31 ステータ
32 コイル
33 ロータマグネット
50 記録ディスク駆動装置
51 磁気ディスク
52 ヘッド
53 アクチエータ
Claims (16)
- 略円柱状のシャフトと、該シャフトが挿通される略円筒状のスリーブと、該シャフトと該スリーブとの間の間隙に充填された潤滑流体とを備え、
前記シャフトが、前記スリーブによって回転軸回りに前記スリーブに対して相対的に回転自在に保持され、
前記シャフトまたは前記スリーブの前記回転軸方向の一方の端を出力端として、負荷が接続される動圧流体軸受装置において
対向する前記シャフトの外周面および前記スリーブの内周面のいずれか一方の面をG面、他方の面をF面と定義し、
前記シャフトと前記スリーブ間の相対回転によって生じる前記潤滑流体の回転流動運動において、前記G面を基準として見た時の前記潤滑流体の相対的回転方向をROT方向と定義して、
該G面には、丘部と少なくとも一方の端が開口した溝部が、前記回転軸に対して傾斜した状態で周方向に交互に配列された動圧溝列が形成され、
さらに該G面には、前記回転軸に対して略逆方向に傾斜した2列の前記動圧溝列を、離反する側に前記溝部開口端を配置して、前記回転軸に直交する面に対して略対称に向かい合わせて一対に構成したヘリングボーン状の動圧軸受溝が、前記回転軸方向に少なくとも1箇所以上形成され、
前記溝部の周方向幅角度(θp)と前記丘部の周方向幅角度(θl)の占める割合を示す溝幅比θ* p(=θp/(θl+θp))が、
0.4≦θ* p≦0.6
であり、かつ、
前記一対の動圧溝列と前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1、β2が、
45°≦β1≦75°、かつ45°≦β2≦75°
であること、を特徴とする動圧流体軸受装置。 - 前記一対の動圧溝列において、前記ROT方向に見た前記丘部から前記溝部に至る境界部を形成する壁面aと前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1a、β2aと、前記ROT方向に見た前記溝部から前記丘部に至る境界部を形成する壁面bと前記回転軸とがなす鋭角側の角度β1b、β2bとが、
45°≦β1b<β1a≦75°、または45°≦β2b<β2a≦75°
であることを特徴とする請求項1に記載の動圧流体軸受装置。 - 前記一対の動圧溝列において、前記溝部は、前記F面との間隙寸法が前記ROT方向に向けて徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記溝部は、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて前記F面との間隙寸法が徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記溝幅比が、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の動圧溝列を構成する溝部の本数Ngが、
6≦Ng≦10であり、好ましくは7≦Ng≦9
であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。 - 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記スリーブ内半径rと前記シャフト外半径Rとの差である軸受隙間Δ(=R−r)と、前記丘部から前記溝部の底までの平均深さhpとの比である溝深さ比h* p(=hp/Δ)が、
0.5≦h* p≦3.0
であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。 - 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記丘部は、前記F面との間隙寸法が前記ROT方向に向けて徐々に小さくなるようなテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記ROT方向に向けた前記丘部のテーパ量δlと軸受隙間Δとの比δ* l(=δl/Δ)が、
1−cos(θl/2)<δ* l<1−cos(θl+θp)
であることを特徴とする請求項8に記載の動圧流体軸受装置。 - 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列の、前記ROT方向に見た前記溝部から前記丘部に至る境界部を形成する前記壁面bのコーナが面取りされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記軸受隙間Δが、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記一対の動圧溝列において、少なくとも前記出力端側に配置された前記動圧溝列側の前記軸受隙間Δが、該一対の動圧溝列が向かい合う側に向けて徐々に小さくなるように形成されている軸受隙間の変化量δΔと前記平均深さhpとの比δ* Δ(=δΔ/hp)が、
1/8<δ* Δ<1/2、好ましくはδ* Δ≒1/3
であることを特徴とする請求項11に記載の動圧流体軸受装置。 - 前記スリーブが、焼結多孔質金属もしくは樹脂の型成型体から構成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 前記溝部および前記丘部が、前記スリーブに形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
- 電動式のスピンドルモータであって、
回転軸の周囲に配置された界磁用磁石を有するロータ部と、
前記界磁用磁石との間で前記回転軸を中心とするトルクを発生する電機子を有すると共に、前記ロータ部を前記回転軸を中心に回転可能に支持するステータ部と、
を備え、
前記ロータ部および前記ステータ部のいずれか一方が、請求項1乃至14のいずれかに記載の動圧流体軸受装置を構成するスリーブを取り付けて備え、
前記ロータ部および前記ステータ部の他方が、前記スリーブに挿入されるシャフトを備えたことを特徴とするスピンドルモータ。 - ハウジング内に、記録ディスクにデータを読み書きするヘッドと、該ヘッドをディスク面上で移動させるアクチエータと、請求項15に記載されたスピンドルモータとを備える記録ディスク駆動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006162695A JP2007333004A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006162695A JP2007333004A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007333004A true JP2007333004A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38932674
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006162695A Withdrawn JP2007333004A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2007333004A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011058595A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Alphana Technology Co Ltd | ディスク駆動装置 |
| WO2012165540A1 (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-06 | 日立金属株式会社 | すべり軸受装置用摺動部材 |
| JP2013145021A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Samsung Electro-Mechanics Japan Advanced Technology Co Ltd | 回転機器 |
| JP2021025653A (ja) * | 2019-08-07 | 2021-02-22 | 日産自動車株式会社 | 回転すべり軸受及びその製造方法 |
| CN113161217A (zh) * | 2021-04-16 | 2021-07-23 | 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 | 一种大承载径向液态金属轴承 |
| WO2022064985A1 (ja) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | Ntn株式会社 | 動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ |
| JP2023146895A (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-12 | 株式会社アイシン | 摺動部品 |
| DE102024102698A1 (de) | 2024-01-31 | 2025-07-31 | Ebm-Papst Mulfingen Gmbh & Co. Kg | Aerodynamisches Lager sowie eine Lageranordnung umfassend zwei als Radiallager ausgebildete aerodynamische Lager |
| DE102024102699A1 (de) | 2024-01-31 | 2025-07-31 | Ebm-Papst Mulfingen Gmbh & Co. Kg | Aerodynamisches Lager zur axialen und/oder radialen Lagerung einer Welle sowie Verfahren zur Herstellung eines solchen Lagers |
-
2006
- 2006-06-12 JP JP2006162695A patent/JP2007333004A/ja not_active Withdrawn
Cited By (18)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011058595A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Alphana Technology Co Ltd | ディスク駆動装置 |
| WO2012165540A1 (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-06 | 日立金属株式会社 | すべり軸受装置用摺動部材 |
| JP5664777B2 (ja) * | 2011-05-31 | 2015-02-04 | 日立金属株式会社 | すべり軸受装置用摺動部材 |
| JP2013145021A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Samsung Electro-Mechanics Japan Advanced Technology Co Ltd | 回転機器 |
| JP2021025653A (ja) * | 2019-08-07 | 2021-02-22 | 日産自動車株式会社 | 回転すべり軸受及びその製造方法 |
| JP7508844B2 (ja) | 2019-08-07 | 2024-07-02 | 日産自動車株式会社 | 回転すべり軸受及びその製造方法 |
| CN116368309A (zh) * | 2020-09-28 | 2023-06-30 | Ntn株式会社 | 动压轴承、流体动压轴承装置以及马达 |
| JP2022054860A (ja) * | 2020-09-28 | 2022-04-07 | Ntn株式会社 | 動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ |
| WO2022064985A1 (ja) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | Ntn株式会社 | 動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ |
| US20230400056A1 (en) * | 2020-09-28 | 2023-12-14 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing, fluid dynamic bearing device, and motor |
| US12404896B2 (en) | 2020-09-28 | 2025-09-02 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing, fluid dynamic bearing device, and motor |
| JP7759178B2 (ja) | 2020-09-28 | 2025-10-23 | Ntn株式会社 | 動圧軸受、流体動圧軸受装置、及びモータ |
| CN116368309B (zh) * | 2020-09-28 | 2025-12-16 | Ntn株式会社 | 动压轴承、流体动压轴承装置以及马达 |
| CN113161217A (zh) * | 2021-04-16 | 2021-07-23 | 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 | 一种大承载径向液态金属轴承 |
| JP2023146895A (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-12 | 株式会社アイシン | 摺動部品 |
| JP7771841B2 (ja) | 2022-03-29 | 2025-11-18 | 株式会社豊田中央研究所 | 摺動部品 |
| DE102024102698A1 (de) | 2024-01-31 | 2025-07-31 | Ebm-Papst Mulfingen Gmbh & Co. Kg | Aerodynamisches Lager sowie eine Lageranordnung umfassend zwei als Radiallager ausgebildete aerodynamische Lager |
| DE102024102699A1 (de) | 2024-01-31 | 2025-07-31 | Ebm-Papst Mulfingen Gmbh & Co. Kg | Aerodynamisches Lager zur axialen und/oder radialen Lagerung einer Welle sowie Verfahren zur Herstellung eines solchen Lagers |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2005045924A (ja) | スピンドルモータ、このスピンドルモータに適用されるロータの製造方法、及びこのスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置 | |
| KR102020251B1 (ko) | 유체 동압 베어링 장치 및 이것을 구비하는 모터 | |
| US20060002641A1 (en) | Fixed shaft type fluid dynamic bearing motor | |
| JP2003028147A (ja) | 流体動圧軸受装置 | |
| US20060002638A1 (en) | Fixed shaft type fluid dynamic bearing motor | |
| JP2002266861A (ja) | 流体動圧軸受装置 | |
| JP2006090524A (ja) | 動圧流体軸受 | |
| JP2005315357A (ja) | 動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスク装置 | |
| JP5318649B2 (ja) | 動圧軸受装置 | |
| JP5207657B2 (ja) | 動圧軸受装置の製造方法 | |
| JP2007333004A (ja) | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 | |
| JP2007263228A (ja) | 動圧軸受装置 | |
| WO2008065855A1 (en) | Dynamic-pressure bearing device, and bearing member manufacturing method | |
| JP2007252168A (ja) | 流体軸受式回転装置 | |
| US7854552B2 (en) | Hydrodynamic bearing device, spindle motor equipped with same, and recording and reproducing apparatus | |
| JP4080229B2 (ja) | 動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスク駆動装置 | |
| JP2008039124A (ja) | 軸受けユニットおよびモータ | |
| JP2008051133A (ja) | 軸受ユニットおよびこれを用いたモータ | |
| JP2004316680A (ja) | スピンドルモータ、及びこれを備えた記録ディスク駆動装置 | |
| JP2007247726A (ja) | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 | |
| JP2007303482A (ja) | 動圧流体軸受装置、スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置 | |
| JP2011112075A (ja) | 流体動圧軸受装置 | |
| JP2000352416A (ja) | 動圧型軸受ユニットおよびその製造方法 | |
| JP2003065324A (ja) | 動圧型軸受装置 | |
| JP2004183867A (ja) | 動圧流体軸受装置およびこれを備えたモータ |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090901 |