JP2007290375A - ポリマーフイルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル55bを、流延バンド46と対面するよう設ける。ノズル55bから流延膜69に向けて乾燥風56を送る。第2送風ダクト57を、流延バンド46の表面から高さH1の位置に設ける。第1風路100に、乾燥風56を通す。流延バンド46の走行の向き(X方向)に向いた送風口57aから、X方向の乾燥風58を送る。これにより、乾燥風56がX方向に流れるようになり、流延膜69の表面に平滑な初期膜69bを形成することができ、フイルムの平面性を向上させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明におけるポリマーは、特に限定されるものではなく、溶液製膜に供することができる周知のポリマーであればよい。中でも、セルロースエステル、特に58.0%〜62.5%の平均酢化度を有するセルロースアシレートが、好ましい。セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1に示すように、ドープ製造ライン10は、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどを混合するための溶解タンク12と、TACを供給するためのホッパ13と、添加剤を貯留するための添加剤タンク14とを備えている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置15と、温調機16と、濾過装置17と、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置30と、濾過装置31と、溶媒を回収するための回収装置32と、回収された溶媒を再生するための再生装置33とが、ドープ製造ライン10には備えられる。そして、このドープ製造ライン10は、フイルム製造ライン40に備えられたストックタンク41へと接続する。
次に、上記で得られたドープ27を用いてフイルムを製造する方法を説明する。図2は、フイルム製造ライン40を示す概略図である。フイルム製造ライン40は、ストックタンク41、流延ダイ42、流延膜乾燥装置43、回転ローラ44,45に掛け渡されて、流延膜を支持する流延バンド46、テンター式乾燥装置48、耳切装置50、乾燥装置51、冷却装置52、巻取装置53を備える。
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらも本発明に適用することができる。
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていればよい。
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、通常は液晶層に2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には、適度な光学性能を付与し、二軸性セルロースアシレートフイルムとした、光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特開2005−104148号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されており、これらの記載は本発明に適用することができる。
実験1〜6及び比較実験1〜4におけるフイルムの製造条件を以下に示す。
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また、6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製溶媒タンク11で前述の複数の溶媒を混合してよく攪拌し混合溶媒とした。なお、溶媒の各原料としては、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパ13から徐々に添加した。TAC粉末は、溶解タンク12に投入されて、最初は5m/秒の周速で攪拌する条件下で30分間分散した。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。さらに、全体が2000kgになるように、添加剤タンク14から添加剤溶液を送液した。添加剤溶液の分散を終了した後に、高速攪拌を停止する。そして、第1攪拌機の周速を0.5m/秒としてさらに100分間攪拌し、TACフレークを膨潤させて膨潤液25を得た。膨潤終了までは窒素ガスにより溶解タンク12内を0.12MPaになるように加圧した。この際の溶解タンク12の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり、防爆上で問題がない状態に保った。また膨潤液中の水分量は0.3質量%であった。
膨潤液25を加熱装置15に送液し加熱して、完全溶解させた。このときの加熱時間は15分であった。次に溶解された液を温調機16で36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を有する濾過装置17を通過させてドープ27(以下、濃縮前ドープと称する)を得る。
このようにして得られた濃縮前ドープ27を80℃で常圧とされたフラッシュ装置30内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で回収した。フラッシュ後のドープ27の固形分濃度は、21.8質量%となった。なお、凝縮された溶媒はドープ調製用溶媒として再利用すべく回収装置32で回収した。回収された溶媒は、再生装置33で再生した後に溶媒タンク11に送液される。また、回収装置32、再生装置33では、蒸留や脱水を行う。フラッシュ装置30のフラッシュタンクには、攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)を設け、その攪拌機により周速0.5m/秒でフラッシュされたドープ27を攪拌して脱泡を行った。このフラッシュタンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内におけるドープ27の平均滞留時間は50分であった。
フイルム製造ライン40を用いてフイルム82を製造した。ストックタンク41内のドープ27を高精度のギアポンプ62を介して濾過装置63に送液した。このギアポンプ62は、容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であるものを用いた。また、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過装置63を通過したドープ27を流延ダイ42に送液した。
流延バンド46にドープが流延され、流延膜が形成された後に行われる流延膜乾燥工程において、ドープが流延バンド46に接触してから乾燥風56が流延膜69に当たるまでの時間T(秒)、乾燥風56,58の風速V1,V2(m/秒)、及び第1及び第2風路100,101の高さH1(=H3),H2(m)を変更して実験を行った。実験及びその実験の結果の詳細については、以下の[フイルム面状評価]において示す。なお、前記風速V1,V2(m/秒)及び距離H1(=H3),H2(m)以外の条件については、次の条件の下で流延膜69の乾燥を行った。乾燥風56,58の温度を60℃とし、ガス濃度を16%とした。流延室64内の温度は、温調設備65によって35℃に保持した。また、ラビリンスシール54により流延ダイ42近傍の静圧変動を±1Pa以下に抑制した。
流延ダイ42側の回転ローラ45には、5℃の伝熱媒体を流し、他方の回転ローラ44には、40℃の伝熱媒体を流した。流延直前の流延バンド46中央部の表面温度は15℃であり、その両側端における温度差は6℃以下であった。
テンター式乾燥装置48に送られた湿潤フイルム74は、クリップでその両端を把持されながらテンター式乾燥装置48の乾燥ゾーン内を搬送され、この間に乾燥風により乾燥される。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。クリップの搬送は、チェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。また、テンター式乾燥装置48内を3つのゾーンに分け、それぞれのゾーンの乾燥風の温度を上流側から90℃,110℃,120℃とした。テンター式乾燥装置48内での平均乾燥速度は、乾量基準で120質量%/mであった。テンター式乾燥装置48の出口では、フイルム内の残量溶媒量が7質量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。また、テンター式乾燥装置48は幅方向にも延伸を行う。なお、この延伸前の湿潤フイルムの幅を100%としたとき、延伸後の幅が103%となるように延伸した。剥取ローラ75からテンター式乾燥装置48の入口に至るまでの延伸率(テンター駆動ドロー)は102%とした。
フイルム82を乾燥装置51で高温乾燥する。乾燥装置51を4区画に分割して、上流側から120℃、130℃、130℃、130℃の乾燥風を送風機(図示しない)で給気した。フイルム82を掛け渡しながら搬送しているローラ91によるテンションを100N/mとして、最終的に残量溶媒量が0.3質量%になるまで約10分間乾燥する。ローラ91のラップ角度(フイルムの巻き掛け中心角)は、90度及び180度とした。ローラ91の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ91の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ91の回転によるフイルム位置の変動は、全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラ91のたわみは0.5mm以下となるように選定した。
調湿後のフイルム82は、冷却装置52で30℃以下に冷却した後に耳切装置(図示しない)で再度両端の耳切を行う。フイルム82の両端にナーリング付与ローラ94によって、ナーリングの付与を行った。ナーリングはフイルムの片側からエンボス加工を行うことにより付与した。付与されるナーリングの幅は10mmであり、凹凸の高さがフイルムの平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラによる押し圧を設定した。
実験1〜6及び比較実験1〜4において、時間T(秒)、乾燥風56,58の風速V1,V2(m/秒)、高さH1(=H3),H2(m)を、それぞれ以下のように変えて実施し、製造後のフイルム82を目視で観察し、フイルム82の面状の評価を行った。
40 フイルム製造ライン
43 流延膜乾燥装置
46 流延バンド
55 第1送風ダクト
55a (第1送風ダクトの)下面
55b ノズル
55c 吸引口
56 乾燥風
57 第2送風ダクト
57a 送風口
57c (第2送風ダクトの)下面
58 乾燥風
59 整流板
59a (整流板59の)下面
69 流延膜
100 第1風路
101 第2風路
102 整流板
103 コントローラ
107 第1風速計
108 第2風速計
Claims (16)
- ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造装置において、
前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出す第1送風手段と、
前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送る第2送風手段とを備え、
前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記第2乾燥風を送ることを特徴とするポリマーフイルムの製造装置。 - 前記第1風路の高さH1は20mm以上300mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1送風手段と前記第2送風手段との間に、前記第1乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第1整流部材を設けることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第2乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第2整流部材が、前記第2送風口の上端に設けられることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1送風口の近傍に設けられ、前記流延膜の近傍において前記第1乾燥風が前記支持体の走行の向きに流れるように、前記第1乾燥風を吸い込む吸引口を備えることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1乾燥風の風速V1(単位;m/秒)を前記高さH1の平方根H11/2で除した値α1と、前記第2乾燥風の風速V2(単位;m/秒)を第2風路の高さH2の平方根H21/2で除した値α2とが20以上150以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記流延膜が前記第1乾燥風に当たるまでの時間は、前記ドープが前記支持体に接触してから15秒以下であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1送風手段は、形成されてから15秒以内の流延膜に少なくとも3秒以上、前記第1乾燥風を吹き出すことを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- 前記第1及び第2乾燥風の温度は、40℃以上150℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし9いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
- ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造方法において、
前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出し、
前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。 - ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造方法において、
前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出すことにより、前記流延膜の表面に前記流延膜の露出面のみを乾燥させて未乾燥部分より強い表面張力をもつ表面層を形成する第1工程と、
前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることにより、前記流延膜の乾燥を促進させる第2工程とを有することを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。 - 前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことを特徴とする請求項11または12記載のポリマーフイルムの製造方法。
- 前記流延膜が前記第1乾燥風に当たるまでの時間は、前記ドープが前記支持体に接触してから15秒以下であることを特徴とする請求項11ないし13いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
- 形成されてから15秒以内の流延膜に少なくとも3秒以上、第1乾燥風を送ることを特徴とする請求項11ないし14いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
- 前記第1及び第2乾燥風の温度は、40℃以上150℃以下の範囲であることを特徴とする請求項11ないし15いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
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