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JP2007290375A - ポリマーフイルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

ポリマーフイルムの製造装置及び製造方法 Download PDF

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JP2007290375A JP2007078740A JP2007078740A JP2007290375A JP 2007290375 A JP2007290375 A JP 2007290375A JP 2007078740 A JP2007078740 A JP 2007078740A JP 2007078740 A JP2007078740 A JP 2007078740A JP 2007290375 A JP2007290375 A JP 2007290375A
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Abstract

【課題】平滑な流延膜を形成して、フイルムの平面性の向上を図る。
【解決手段】ノズル55bを、流延バンド46と対面するよう設ける。ノズル55bから流延膜69に向けて乾燥風56を送る。第2送風ダクト57を、流延バンド46の表面から高さH1の位置に設ける。第1風路100に、乾燥風56を通す。流延バンド46の走行の向き(X方向)に向いた送風口57aから、X方向の乾燥風58を送る。これにより、乾燥風56がX方向に流れるようになり、流延膜69の表面に平滑な初期膜69bを形成することができ、フイルムの平面性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ポリマーフイルムの製造装置及び製造方法に関する。
セルロースエステル、特に58.0〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテート(以下、TACと称する)から形成されるTACフイルムは、その強靭性と難燃性とから写真感光材料のフイルム用支持体として利用されている。また、TACフイルムは光学等方性に優れていることから、近年市場が拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムなどに用いられている。
TACフイルムの製造方法である溶液製膜方法は、溶融製膜方法などの他の製造方法と比較して、光学的性質などの物性に優れたフイルムを製造することができる。溶液製膜方法では、まず、ジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒にポリマーを溶解した高分子溶液(以下「ドープ」という)を調製する。ドープを流延ダイより支持体上に流延して、流延膜を形成する。流延膜が支持体上で自己支持性を有するものとなった後に、支持体から湿潤フイルムとして剥ぎ取り、乾燥させた後にフイルムとして巻き取る(例えば、非特許文献1)。
溶液製膜方法では、流延膜の乾燥を進行させるために、流延膜の表面に乾燥風を当てる。しかし、乾燥風の当て方によっては、その表面の状態を悪化させるおそれがある。この課題を解決するために、特許文献1では、溶媒含有率が300重量%以上あるドープを用いて、TACフイルムを製造する方法において、流延膜の表面を乾燥させる際に、1分あたりに乾燥させる流延膜の溶媒含有率を300重量%以下に抑えて、流延膜の表面を乾燥させ、その表面の平面性を向上させている。
また、流延ダイから流出されたドープが支持体に接触する位置である流延開始位置から乾燥風が当てられるまでの流延膜は、その間のエリアに自然に発生する風(以下「成り行き風」という)によりその表面が荒らされ、スジ状またはマダラ状のムラがその表面に発生することがある。この課題に対して、特許文献2では、流延ダイの下流1000mm以内に流延膜を覆う防風板を設けて、流延膜の表面に成り行き風が当たることを抑制している。
特開平11−123732号公報 特開2004−314527号公報 発明協会公開技報公技番号2001−1745号
しかしながら、特許文献1及び2記載の方法については、以下のような問題点がある。特許文献1記載の方法では、流延膜を乾燥させる速度を抑えているために、フイルムの生産性を落としてしまう。また、特許文献2記載の方法では、防風板を設置する方法が考案されているが、支持体は走行しているため相対速度を有する等の理由により、たとえ、防風板を設置したとしても、防風板領域内に風が発生してしまい、結果として、流延膜の表面を改良することはできない。
本発明は、平滑な流延膜を形成することにより、フイルムの平面性の向上を図るポリマーフイルムの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造装置において、前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出す第1送風手段と、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送る第2送風手段とを備え、前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記第2乾燥風を送ることを特徴とする。
前記第1風路の高さH1は20mm以上300mm以下の範囲であることが好ましい。前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことが好ましい。前記第1送風手段と前記第2送風手段との間に、前記第1乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第1整流部材を設けることが好ましい。前記第2乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第2整流部材が、前記第2送風口の上端に設けられることが好ましい。前記第1送風口の近傍に設けられ、前記流延膜の近傍において前記第1乾燥風が前記支持体の走行の向きに流れるように、前記第1乾燥風を吸い込む吸引口を備えることが好ましい。
前記第1乾燥風の風速V1(単位;m/秒)を前記高さH1の平方根H11/2で除した値α1と、前記第2乾燥風の風速V2(単位;m/秒)を第2風路の高さH2の平方根H21/2で除した値α2とが20以上150以下の範囲であることが好ましい。前記流延膜が前記第1乾燥風に当たるまでの時間は、前記ドープが前記支持体に接触してから15秒以下であることが好ましい。前記第1送風手段は、形成されてから15秒以内の流延膜に少なくとも3秒以上、前記第1乾燥風を吹き出すことが好ましい。前記第1及び第2乾燥風の温度は、40℃以上150℃以下の範囲であることが好ましい。
本発明のポリマーフイルムの製造方法は、前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出し、前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることを特徴とする。
本発明のポリマーフイルムの製造方法は、前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出すことにより、前記流延膜の表面に前記流延膜の露出面のみを乾燥させて未乾燥部分より強い表面張力をもつ表面層を形成する第1工程と、前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることにより、前記流延膜の乾燥を促進させる第2工程とを有することを特徴とする。
前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことを特徴とする請求項11または12記載のポリマーフイルムの製造方法。
本発明によれば、前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出し、第1乾燥風が通過する第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることにより、前記第1乾燥風が第1乾燥風風路を通過して、前記支持体の走行の向きに流れるようになり、流延膜の表面を平滑に形成することができ、フイルムの平面性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施形態に限定されるものではない。
[原料]
本発明におけるポリマーは、特に限定されるものではなく、溶液製膜に供することができる周知のポリマーであればよい。中でも、セルロースエステル、特に58.0%〜62.5%の平均酢化度を有するセルロースアシレートが、好ましい。セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ―1.4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1である)を意味する。
全アシル化置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましくは0.70以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であり、さらには0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも挙げることができる。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)を作製することができる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、濾過性の良い溶液を作製することが可能となる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿、パルプ綿のどちらから得られたものでもよいが、リンター綿から得られたものが好ましい。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、Iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど)が挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液、分散液を意味している。
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度など及びフイルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル、アセトン、エタノール、n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−、−CO−、−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒及び可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
[ドープ製造方法]
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1に示すように、ドープ製造ライン10は、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどを混合するための溶解タンク12と、TACを供給するためのホッパ13と、添加剤を貯留するための添加剤タンク14とを備えている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置15と、温調機16と、濾過装置17と、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置30と、濾過装置31と、溶媒を回収するための回収装置32と、回収された溶媒を再生するための再生装置33とが、ドープ製造ライン10には備えられる。そして、このドープ製造ライン10は、フイルム製造ライン40に備えられたストックタンク41へと接続する。
上記ドープ製造ライン10を用いて以下の方法でドープを製造する。まず始めに、バルブ18が開かれて、溶媒が溶媒タンク11から溶解タンク12に送られる。次にホッパ13に入れられているTACが、計量されながら溶解タンク12に送り込まれる。また、添加剤溶液は、バルブ19の開閉操作により必要量が添加剤タンク14から溶解タンク12に送り込まれる。
添加剤は、溶液として送り込む方法の他に、例えば添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク12に送り込むことが可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパなどを用いて、溶解タンク12に送り込む方法も可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク14の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を溶解しておくこともできる。または、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク12を送り込むこともできる。
溶解タンク12に入れる順番は、溶媒、TAC、添加剤であることが好ましいが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンク12に送り込んだ後に、溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク12に予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物に混合させることもできる。
溶解タンク12は、その外面を包み込むジャケット20と、モータ21により回転する第1攪拌機22とを備えている。さらに、溶解タンク12には、モータ23により回転する第2攪拌機24が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機22は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機24は、ディゾルバータイプの偏芯型攪拌機であることが好ましい。そして、溶解タンク12は、ジャケット20の内部に伝熱媒体を流すことにより温度調節されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃の範囲である。第1攪拌機22、第2攪拌機24のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒中で膨潤した膨潤液25を得る。
次に、膨潤液25は、ポンプ26により加熱装置15に送られる。加熱装置15は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液25を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置15を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液25中の固形分を溶解させてドープ27を得る。以下、この方法を加熱溶解法と称する。なお、この場合に膨潤液25の温度は、50℃〜120℃であることが好ましい。また、膨潤液25を−100℃〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことで、TACを溶媒に充分溶解させることが可能となる。ドープ27を温調機16により略室温とした後に、濾過装置17により濾過してドープ27中に含まれる不純物を取り除く。濾過装置17に使用される濾過フィルタは、その平均孔径が100μm以下であることが好ましい。また、濾過流量は、50L/h以上であることが好ましい。濾過後のドープ27は、バルブ28を介してフイルム製造ライン40のストックタンク41に送られここに貯留される。
ところで、上記のように一旦膨潤液25を調製し、その後にこの膨潤液25をドープ27とする方法は、TACの濃度を上昇させるほど要する時間が長くなり、製造コストの点で問題となる場合がある。その場合には、目的とする濃度よりも低濃度のドープを調製し、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うことが好ましい。このような方法を用いる際には、濾過装置17で濾過されたドープ27をバルブ28を介してフラッシュ装置30に送り、このフラッシュ装置30内でドープ27中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液体となり回収装置32により回収される。回収された溶媒は再生装置33により、ドープ調製用の溶媒として再生されて再利用される。この再利用はコストの点で効果がある。
また、凝縮されたドープ27は、ポンプ34によりフラッシュ装置30から抜き出される。さらに、ドープ27に発生した気泡を抜くために泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ27は、続いて濾過装置31に送られて、異物が除去される。なお、濾過の際のドープ27の温度は、0℃〜200℃であることが好ましい。
[溶液製膜方法]
次に、上記で得られたドープ27を用いてフイルムを製造する方法を説明する。図2は、フイルム製造ライン40を示す概略図である。フイルム製造ライン40は、ストックタンク41、流延ダイ42、流延膜乾燥装置43、回転ローラ44,45に掛け渡されて、流延膜を支持する流延バンド46、テンター式乾燥装置48、耳切装置50、乾燥装置51、冷却装置52、巻取装置53を備える。
ストックタンク41には、モータ60で回転する攪拌機61が取り付けられている。そして、ストックタンク41は、ポンプ62及び濾過装置63を介して流延ダイ42と接続している。
流延膜乾燥装置43は、詳細については後に述べるが、流延ダイ42の下流側に設けられており、流延ダイ42から流延されて形成された流延膜69に対して、乾燥風を当てる。流延ダイ42と流延膜乾燥装置43との間には、ラビリンスシール54が設けられている。このラビリンスシール54は、流延膜乾燥装置43から排出される乾燥風が流延ダイ42に流れ込むことを抑制する。
回転ローラ44,45は図示しない駆動装置により回転し、この回転に伴い流延バンド46は無端で走行する。流延バンド46は、走行速度が10m/分以上200m/分以下で移動できるものであることが好ましく、より好ましくは15m/分以上150m/分以下であり、最も好ましくは20m/分以上120m/分以下である。走行速度が10m/分未満であるとフイルムの生産性が劣る。また、200m/分を超えると、流延ビードが安定して形成されず、流延膜69の面状が悪化するおそれが生じる。
また、流延バンド46の表面温度を所定の値にするために、回転ローラ44,45に伝熱媒体循環装置49が取り付けられていることが好ましい。流延バンド46は、その表面温度が−20℃〜40℃に調整可能なものであることが好ましい。本実施形態において用いられる回転ローラ44,45内には伝熱媒体流路(図示しない)が形成されており、その中を所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ44,45の温度を所定の値に保持できるものとなっている。
流延バンド46の幅は特に限定されるものではないが、ドープ27の流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。また、長さは20m〜200m、厚みは0.5mm〜2.5mmであり、表面粗さは0.05μm以下となるように研磨されていることが好ましい。流延バンド46は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがよりこの好ましい。また、流延バンド46の全体の厚みムラは0.5%以下のものを用いることが好ましい。
なお、回転ローラ44,45を直接支持体として用いることも可能である。この場合には、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転できるものが好ましい。この場合には、回転ローラ44,45の表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。そこで、回転ローラの表面にクロムメッキ処理などを行い、十分な硬度と耐久性を持たせる。なお、流延バンド46や回転ローラ44,45の表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m以下であることが好ましい。
流延ダイ42、流延バンド46などは流延室64に収められている。流延室64には、その内部温度を所定の値に保つための温調設備65と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)66とが設けられている。そして、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置67が流延室64の外部に設けられている。また、流延ダイ42から流延バンド46にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ68が配置されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。
渡り部80には、送風機81が備えられ、テンター式乾燥装置48の下流の耳切装置50には、切り取られたフイルム82の側端部(耳と称される)の屑を細かく切断処理するためのクラッシャ90が接続されている。
乾燥装置51には、多数のローラ91が備えられており、蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置92が取り付けられている。そして、乾燥装置51の下流に冷却装置52が設けられているが、乾燥装置51と冷却装置52との間に調湿室(図示しない)を設けても良い。冷却装置52の下流には、フイルム82の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)93が設けられている。強制除電装置93は、冷却装置52の下流側とされている例を図2で示したが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態においては、フイルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ94が強制除電装置93の下流に適宜設けられる。また、巻取装置53の内部には、フイルムを巻き取るための巻取ローラ95と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ96とが備えられている。なお、ナーリングされた箇所の凹凸は、1μm〜200μmであることが好ましい。
図3に示すように、流延ダイ42の下流側の流延膜乾燥装置43は、流延膜69の近傍で乾燥風を送り出す第1及び第2送風ダクト55,57と、これら第1及び第2送風ダクト55,57に所定条件で給気する給気装置70とを備える。
第1送風ダクト55は、略箱型であり、流延バンド46に対面する下面55aに送風用のノズル55bを有する。ノズル55bは、流延バンド46の幅方向に伸びた送風口を有し、流延バンド46の走行の向き(以下「X方向」とする)に1以上備えられ、X方向とのなす角θが30°以上60°以下となるように配される。このノズル55bから、乾燥風56が吹き出される。なお、ノズル55bは乾燥風56を吹き出すのみではなく、吹き出しと吸い込みの両方を行ってもよい。
さらに、下面55aには、各ノズル55bの近傍であってX方向に、各ノズル55bから吹き出される乾燥風56の一部を吸い込む吸引口55cがある。この吸引口55cは、各ノズル55bから排出された乾燥風56が流延膜69の近傍においてX方向に流れるように、吸い込む。吸い込まれた乾燥風56は、排気装置110により排気される。なお、ノズル55bと吸引口55cとは、X方向で交互に配されているが、この態様に限定されるものではない。また、ノズル55b及び吸引口55cの数、各ノズル55b間の距離及びノズル55bと吸引口55cとの距離は、適宜設定することができる。
乾燥風56を流延膜69の露出面に当てることによって、その露出面から一定の範囲の間に、流延膜69の内部層69aと比較して溶媒含有率が低い表面層69bを作り、平滑性を向上させる。この表面層69bを流延膜69の形成過程における初期段階の膜として、以下に初期膜69bと称する。一旦、初期膜69bを形成することにより、その後の工程において、内部層69aの溶媒含有率を徐々に低下させる。そして、流延膜69を流延バンド46から剥ぎ取る際には、流延膜69の50%程度が固形分となり、流延膜69全体は自己支持性を有するようになる。
第2送風ダクト57は、X方向に向いた送風口57aを有する略箱型であり、第1送風ダクト55の下流側に備えられている。送風口57aから、X方向に乾燥風58が送られる。送風口57aの上端57bには、X方向に延設された整流板59が備えられる。この整流板59により、乾燥風58を流延膜69に対してより平行になるように、流すことができる。
したがって、第1送風ダクト55の下面55a及び第2送風ダクト57の下面57cと流延バンド46との間には、第1乾燥風56を通過させる第1風路100が形成される。また、第2送風ダクト57の送風口57aから所定の距離までの間には、第2乾燥風58を通過させる第2風路101が形成される。
送風口57aは、第1風路100の高さH1よりも高い位置にあり、この送風口57aから乾燥風58をX方向に送ることにより、第1風路100の出口部100aの気圧が、第2風路101の気圧よりも低くなる。この出口部100aの気圧降下によって、乾燥風56が第1風路100を通過して、第2風路101にまで流れるようになる。これにより、乾燥風56の流れる向きがX方向に明確に定まった乾燥風56が流延膜の近傍を流れ、平滑な初期膜69bが形成される。平滑な初期膜69bが形成されることにより、フイルムの平面性を向上させることができる。
高さH1は、流延バンド46の表面と第2送風ダクトの下面57cとの距離である。また、第2風路101の高さH2は、流延バンド46の表面と整流板59の下面59aとの距離であり、高さH1よりも高い。高さH1が、20mm以上300mm以下である場合に、平滑な初期膜69bが形成されて、最終的に面状が良好なフイルムが製造される。同様に、H2が20mm以上300mm以下である場合に、平滑な初期膜69bが形成される。
また、第1風路100の長さLaは、流延ダイ42側の第1送風ダクト55の一端から第2送風ダクト57の送風口57aまでの距離である。第2風路101の長さLbは、送風口57aから所定の距離であり、具体的には第2乾燥風58が最大限届く範囲の距離、又は、送風口57aから整流板59の先端までの距離である。第1風路100では乾燥風56を流延膜69の表面に当てて平滑な初期膜69bを形成する。そして、乾燥風56と比較して大量の乾燥風58を第2風路101に送り込むことにより、その第2風路101内の溶媒ガス濃度を低くし、流延膜69中の溶媒の蒸発を促進させて、流延膜69の乾燥を早める。したがって、平滑な流延膜69bが形成されたら、すぐに流延膜69を第2風路に送ることが好ましいため、上述の長さLaを長さLbよりも小さくすることが好ましい。
さらに、乾燥風56の風速V1(m/秒)を高さH1の平方根で除した値α1(V1/H11/2)が、20以上150以下である場合に、平滑な初期膜69bが形成される。同様に、乾燥風58の風速V2(m/秒)を高さH2の平方根で除した値α2(V2/H21/2)が、20以上150以下である場合に、平滑な初期膜69bが形成される。また、流延バンド46の表面と下面55aとの距離である高さH3は、高さH1と同じであることが好ましいが、多少の差であれば許容される。なお、本実施形態においては、高さH1及びH2は一定値とするが、第1及び第2送風ダクト55,57、及び整流板59の上面に、上下方向に移動可能なシフト機構(図示しない)を設けて、高さH1及び高さH2を上述の範囲内において適宜変更してもよい。
流延膜69が乾燥風56に当たるまでの時間は、ドープ27が流延バンド46に接触して(図3のP点)から15秒以下であることが好ましく、より好ましくは5秒以下であり、最も好ましくは3秒以下である。また、形成されてから15秒以内の流延膜69に乾燥風56を少なくとも3秒以上当てることが好ましい。また、乾燥風56の温度は、40℃以上150℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以上145℃以下であり、最も好ましくは100℃以上140℃以下である。温度が40℃未満であると、流延膜69中の溶媒の蒸発が進行せず、一方、温度が150℃を超えると、流延膜69中の溶媒が急激に蒸発して流延膜69が発泡化するため、いずれの場合においても初期膜69bの形成が困難となるおそれがある
第1送風ダクト55と第2送風ダクト57との間には、乾燥風56をX方向に流す整流板102が設けられる。これにより、第1送風ダクト55から送られる乾燥風56が、第1風路100内を通過して第2風路101まで到達しやすくなる。
ラビリンスシール54、第1送風ダクト55、整流板102、及び第2送風ダクト57についての好ましい位置関係もしくは幅を以下に示す。ラビリンスシール54と第1送風ダクト55との間の距離L1は、50mm以上1000mm以下であることが好ましい。第1送風ダクト55の幅L2は、1000mm以上5000mm以下であることが好ましい。
給気装置70は、第1及び第2送風ダクト55,57に乾燥風56,58を給気する。給気装置70には、乾燥風56の風速V1及び乾燥風58の風速V2を、それぞれ独立に制御するコントローラ103が接続する。
コントローラ103は、入力された風速V1及びV2の値に基づいて、給気装置70を制御する。また、第2送風ダクト57の下面57c及び整流板59の下面59aには、第1風速計107及び第2風速計108が取り付けられており、これらの第1及び第2風速計107,108は、第1及び第2風路100,101における乾燥風56,58の風速Va及びVbを測定する。測定された風速についての情報は、コントローラ103に送られ、風速Vaと風速V1との差、又は風速Vbと風速V2との差が所定の範囲を超えた場合には、適宜コントローラ103によって風速V1及びV2の微調整がなされる。それら差が所定の範囲を極端に超えた場合には、ディスプレイ(図示しない)に警告等を表示してもよい。
なお、本発明の溶液製膜方法において、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させることもできる。さらに両共流延を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フイルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれていることが好ましい。また、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用することができる。
上記実施形態における製造後のフイルムの幅は1400mm以上2500mm以下であることが好ましい。なお、フイルムの幅が2500mmを超える場合であっても、本発明の効果を得ることができる。また、上記実施形態における製造後のフイルムの厚みは、20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上90μm以下であることがより好ましく、40μm以上80μm以下であることが最も好ましい
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらも本発明に適用することができる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていればよい。
さらに、前記セルロースアシレートフイルムをベースフイルムとし、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防呟層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。また、前記機能層が少なくとも一種の滑り剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらに、前記機能層が、少なくとも一種のマット剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらには、前記機能層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用することができる。
(用途)
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、通常は液晶層に2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には、適度な光学性能を付与し、二軸性セルロースアシレートフイルムとした、光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特開2005−104148号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されており、これらの記載は本発明に適用することができる。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフイルム(TACフイルム)を得ることができる。前記TACフイルムは、偏光板保護フイルムや写真感光材料のベースフイルムとして用いることができる。さらに、テレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フイルムとしても使用可能である。特に、偏光板の保護層を兼ねる用途にも効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フイルムを用いて偏光板を構成しても良い。
以下、上記実施形態に基づいて行った実験1〜6及び比較実験1〜4を示す。なお、これら実験1〜6及び比較実験1〜4については、そのフイルムの製造条件を、流延直後の流延膜の表面を乾燥する条件(以下「流延膜乾燥」とする)以外は全て同一の条件として実施した。
[フイルム製造条件]
実験1〜6及び比較実験1〜4におけるフイルムの製造条件を以下に示す。
[ドープの組成]
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
[セルローストリアセテート]
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また、6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
(1−1)ドープ仕込み
攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製溶媒タンク11で前述の複数の溶媒を混合してよく攪拌し混合溶媒とした。なお、溶媒の各原料としては、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパ13から徐々に添加した。TAC粉末は、溶解タンク12に投入されて、最初は5m/秒の周速で攪拌する条件下で30分間分散した。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。さらに、全体が2000kgになるように、添加剤タンク14から添加剤溶液を送液した。添加剤溶液の分散を終了した後に、高速攪拌を停止する。そして、第1攪拌機の周速を0.5m/秒としてさらに100分間攪拌し、TACフレークを膨潤させて膨潤液25を得た。膨潤終了までは窒素ガスにより溶解タンク12内を0.12MPaになるように加圧した。この際の溶解タンク12の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり、防爆上で問題がない状態に保った。また膨潤液中の水分量は0.3質量%であった。
(1−2)溶解・濾過
膨潤液25を加熱装置15に送液し加熱して、完全溶解させた。このときの加熱時間は15分であった。次に溶解された液を温調機16で36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を有する濾過装置17を通過させてドープ27(以下、濃縮前ドープと称する)を得る。
(1−3)濃縮・濾過・脱泡・添加剤
このようにして得られた濃縮前ドープ27を80℃で常圧とされたフラッシュ装置30内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で回収した。フラッシュ後のドープ27の固形分濃度は、21.8質量%となった。なお、凝縮された溶媒はドープ調製用溶媒として再利用すべく回収装置32で回収した。回収された溶媒は、再生装置33で再生した後に溶媒タンク11に送液される。また、回収装置32、再生装置33では、蒸留や脱水を行う。フラッシュ装置30のフラッシュタンクには、攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)を設け、その攪拌機により周速0.5m/秒でフラッシュされたドープ27を攪拌して脱泡を行った。このフラッシュタンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内におけるドープ27の平均滞留時間は50分であった。
次に、このドープ27に弱い超音波を照射することにより泡抜きを実施した。その後、ポンプ34を用いて1.5MPaに加圧した状態で、濾過装置31を通過させた。濾過装置31では、最小公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルタを通過させ、ついでに同じく10μmの焼結繊維フィルタを通過させた。濾過後のドープ温度を36℃に調整して2000Lのステンレス製ストックタンク41内にドープ27を送液して貯蔵した。ストックタンク41は、図2に示すように、中心軸にアンカー翼を備えた攪拌機61を有しており、周速0.3m/秒で常時攪拌を行った。なお、濃縮前ドープ27からドープ27を調製する際に、ドープ接液部には、腐食などの問題は全く生じなかった。
また、ジクロロメタンが86.5質量部、メタノールが13質量部、1−ブタノールが0.5質量部の混合溶媒Aを作製した。
(1−4)ストックタンク・流延ダイ
フイルム製造ライン40を用いてフイルム82を製造した。ストックタンク41内のドープ27を高精度のギアポンプ62を介して濾過装置63に送液した。このギアポンプ62は、容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であるものを用いた。また、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過装置63を通過したドープ27を流延ダイ42に送液した。
流延ダイ42は、乾燥されたフイルム82の膜厚が80μmとなるように、流延ダイ42の吐出口でドープ27の流量を調整して流延を行った。この際、ドープ27の粘度は、20Pa・sであった。また、流延ダイ42の幅を1700mmとした。なお、流延速度は20m/分とした。流延ダイ42にジャケット(図示しない)を設け、このジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とすることによって、ドープ27の温度を36℃に調整した。
流延ダイ42は、コートハンガータイプのダイを用いた。流延ダイ42には、厚み調整ボルトを20mmピッチで設けた。また、流延ダイ42としては、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。このヒートボルトは、ギアポンプ62の送液量に応じて厚みを調整することができ、また、フイルム製造ライン40に設置した赤外線厚み計(図示しない)によりフィードバック制御して厚みを調整することもできる。
また、流延ダイ42には、減圧チャンバ68を設置した。減圧チャンバ68の減圧度は、流延ビードの前後で、1Pa〜5000Paの圧力差が生じるように調整され、この調整は流延速度に応じてなされる。その際に、流延ビードの長さが20mm以上50mm以下となるように、流延ビードの両面側の圧力差を設定した。また、減圧チャンバ68によって、流延ビード背面側の圧力を前面部よりも150Pa低くした。また、減圧チャンバ68は、流延部周辺のガスの凝縮温度よりも高い温度に設定できる機構を具備したものを用いた。さらに、流延ダイ42には、流延ビードの両縁の乱れを調整するためのエッジ吸引装置(図示しない)を取り付けた。このエッジ吸引装置は、エッジ供給風量が1L/m〜100L/mの範囲となるように調節することができ、本実験においては、30L/m〜40L/mの範囲となるように適宜調整した。また、減圧チャンバ68には、伝熱媒体によって35℃に調整されたジャケット(図示しない)を取り付けた。このジャケットによって減圧チャンバ68の内部温度は一定の温度に保持されている。
(1−5)流延膜乾燥
流延バンド46にドープが流延され、流延膜が形成された後に行われる流延膜乾燥工程において、ドープが流延バンド46に接触してから乾燥風56が流延膜69に当たるまでの時間T(秒)、乾燥風56,58の風速V1,V2(m/秒)、及び第1及び第2風路100,101の高さH1(=H3),H2(m)を変更して実験を行った。実験及びその実験の結果の詳細については、以下の[フイルム面状評価]において示す。なお、前記風速V1,V2(m/秒)及び距離H1(=H3),H2(m)以外の条件については、次の条件の下で流延膜69の乾燥を行った。乾燥風56,58の温度を60℃とし、ガス濃度を16%とした。流延室64内の温度は、温調設備65によって35℃に保持した。また、ラビリンスシール54により流延ダイ42近傍の静圧変動を±1Pa以下に抑制した。
(1−6)回転ローラ・流延バンド
流延ダイ42側の回転ローラ45には、5℃の伝熱媒体を流し、他方の回転ローラ44には、40℃の伝熱媒体を流した。流延直前の流延バンド46中央部の表面温度は15℃であり、その両側端における温度差は6℃以下であった。
流延バンド46として、幅が2.1mで長さが70mのステンレス製のエンドレスバンドを用いた。流延バンド46は、厚みが1.5mm、表面粗さが0.05μm以下となるように研磨した。その材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものを用いた。流延バンド46の全体の厚みムラは0.5%以下であった。流延バンド46の張力は、走行方法に1.5×10N/mとなるように調整した。また、流延バンド46と回転ローラ44,45との相対速度差は、0.01m/分以下になるように調整した。その際、流延バンド46の速度変動を0.5%以下とした。また、流延バンド46が1回転した場合において、流延バンド46の幅方向の蛇行が1.5mm以下に制限されるように、流延バンド46の両端位置を検出して、流延バンド46の走行を制御した。
流延膜69中の溶媒比率が乾量基準で50質量%になった時点で、流延バンド46から剥取ローラ75で支持しながら湿潤フイルム74として剥ぎ取った。剥取テンションを1×10N/mとし、剥取不良を抑えるために、流延バンド46の走行速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)は、100.1%〜110%の範囲で適宜調整した。剥ぎ取った湿潤フイルム74の表面温度は15℃であった。乾燥により発生した溶媒ガスは−10℃の凝縮器66で凝縮液化して回収装置67で回収した。回収された溶媒は、水分量が0.5%以下となるように調整した。また、溶媒が除去された乾燥風は、再度加熱して乾燥風として再利用した。
(1−7)テンター搬送・乾燥・耳切
テンター式乾燥装置48に送られた湿潤フイルム74は、クリップでその両端を把持されながらテンター式乾燥装置48の乾燥ゾーン内を搬送され、この間に乾燥風により乾燥される。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。クリップの搬送は、チェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。また、テンター式乾燥装置48内を3つのゾーンに分け、それぞれのゾーンの乾燥風の温度を上流側から90℃,110℃,120℃とした。テンター式乾燥装置48内での平均乾燥速度は、乾量基準で120質量%/mであった。テンター式乾燥装置48の出口では、フイルム内の残量溶媒量が7質量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。また、テンター式乾燥装置48は幅方向にも延伸を行う。なお、この延伸前の湿潤フイルムの幅を100%としたとき、延伸後の幅が103%となるように延伸した。剥取ローラ75からテンター式乾燥装置48の入口に至るまでの延伸率(テンター駆動ドロー)は102%とした。
テンター式乾燥装置48内での延伸率は、クリップによる噛み込み開始位置から10mm以上離れた位置の任意の2点における各実質延伸率の差異が10%以下であり、かつ20mm離れた任意の2点の延伸率の差は5%以下であった。また、テンター式乾燥装置48の入口から出口までの長さに対して、クリップ挟持開始位置から挟持解除位置までの長さを90%にした。テンター式乾燥装置48内で蒸発した溶媒は−10℃の温度で凝縮させ液化して回収した。凝縮回収用に凝縮器(コンデンサ)を設け、その出口温度は−8℃に設定した。そして凝縮溶媒は、含まれる水分量が0.5質量%以下に調整されて再利用される。そして、テンター式乾燥装置48からフイルム82として送り出される。
テンター式乾燥装置48の出口から30秒以内にフイルム82の両側端(以下「耳」とする)の切断を耳切装置50で行う。NT型カッターにより両側50mmの耳をカットし、カットした耳はカッタブロア(図示しない)によりクラッシャ90に風送して、平均80mm程度のチップに粉砕した。このチップは、再度ドープ調製用原料としてTACフレークと共にドープ製造の際の原料として利用した。テンター式乾燥装置48の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。後述する乾燥装置51で高温乾燥させる前に、100℃の乾燥風が供給されている予備乾燥装置(図示しない)でフイルム82を予備加熱した。
(1−8)後乾燥・除電
フイルム82を乾燥装置51で高温乾燥する。乾燥装置51を4区画に分割して、上流側から120℃、130℃、130℃、130℃の乾燥風を送風機(図示しない)で給気した。フイルム82を掛け渡しながら搬送しているローラ91によるテンションを100N/mとして、最終的に残量溶媒量が0.3質量%になるまで約10分間乾燥する。ローラ91のラップ角度(フイルムの巻き掛け中心角)は、90度及び180度とした。ローラ91の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ91の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ91の回転によるフイルム位置の変動は、全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラ91のたわみは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着乾燥装置92を用いて吸着回収して除去した。ここで使用される吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行う。回収した溶媒は、水分量を0.3質量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用する。乾燥風には、溶媒ガスの他、可塑剤、UV吸収剤、その他の高沸点物が含まれるので、冷却除去する冷却器及びプレアドソーバでこれらを除去して再生循環使用する。そして、最終的に屋外排出ガス中のVOC(揮発性有機化合物)は10ppm以下となるように、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒のうち、凝縮法で回収する溶媒量は90質量%であり、残りのものの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥されたフイルム82は第1調湿室(図示しない)に搬送される。乾燥装置51と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、湿度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フイルム82のカールの発生を抑制する第2調湿室(図示しない)にフイルム82は搬送される。第2調湿室では、フイルム82に直接90℃、湿度70%の空気をあてた。
(1−9)ナーリング、巻取条件
調湿後のフイルム82は、冷却装置52で30℃以下に冷却した後に耳切装置(図示しない)で再度両端の耳切を行う。フイルム82の両端にナーリング付与ローラ94によって、ナーリングの付与を行った。ナーリングはフイルムの片側からエンボス加工を行うことにより付与した。付与されるナーリングの幅は10mmであり、凹凸の高さがフイルムの平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラによる押し圧を設定した。
そして、フイルム82は巻取装置53に搬送される。巻取装置53は、室内温度28℃、湿度70%に保持する。巻取装置53の内部には、フイルム82の帯電圧が−1.5kVから+1.5kVとなるようにイオン風除電装置(図示しない)を設置した。このようにして得られたフイルム82(厚さ80μm)の製品幅は、1900mmとなった。巻取ローラ95の径は169mmのものを用いた。巻き始めのテンションは300N/mであり、巻き終わりが200N/mとなるようなテンションパターンとした。巻き取り全長は3940mであった。巻き取りの際の巻きズレの変動幅(オシレート幅と称することもある)を±5mmとし、巻取ローラ95に対する巻きズレ周期を400mとした。また、巻取ローラ95に対するプレスローラ96の押し圧は50N/mに設定した。巻き取り時のフイルム82の温度は25℃、含水量は1.4質量%、残量溶媒量は0.3質量%であった。全工程を通しての平均乾燥速度は、乾量基準で20質量%/mであった。また、本実施形態では、巻き緩み、シワなく、そして、10Gでの衝撃テストにおいても巻きずれは生じなかった。また、ロール外観も良好であった。
フイルム82のフイルムロール(図示しない)を25℃、55%RHの貯蔵ラックに1ヶ月保管して、さらに上記と同様に検査した結果、いずれも有意な変化は認められなかった。さらにロール内において、互いの接着性も認められなかった。また、フイルム82を製膜した後には、流延バンド46上にはドープ27から形成された流延膜69の剥げ残りは全く見られなかった。
[フイルム面状評価]
実験1〜6及び比較実験1〜4において、時間T(秒)、乾燥風56,58の風速V1,V2(m/秒)、高さH1(=H3),H2(m)を、それぞれ以下のように変えて実施し、製造後のフイルム82を目視で観察し、フイルム82の面状の評価を行った。
[実験1]時間Tを3秒、風速V1を15(m/秒)、高さH1を0.02mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.10mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は106.1であり、値α2(V2/H21/2)は37.9である。
[実験2]時間Tを5秒、風速V1を7(m/秒)、高さH1を0.02mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.20mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は49.5であり、値α2(V2/H21/2)は26.8である。
[実験3]時間Tを5秒、風速V1を12(m/秒)、高さH1を0.05mとし、風速V2を7(m/秒)、高さH2を0.10mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は53.7であり、値α2(V2/H21/2)は22.1である。
[実験4]時間Tを3秒、風速V1を7(m/秒)、高さH1を0.05mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.20mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は31.3であり、値α2(V2/H21/2)は26.8である。
[実験5]時間Tを5秒、風速V1を12(m/秒)、高さH1を0.01mとし、風速V2を9(m/秒)、高さH2を0.20mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は37.9であり、値α2(V2/H21/2)は20.1である。
[実験6]時間Tを10秒、風速V1を6.5(m/秒)、高さH1を0.01mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.20mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は20.6であり、値α2(V2/H21/2)は26.8である。
[比較実験1]時間Tを30秒、風速V1を15(m/秒)、高さH1を0.02mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.10mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は106.1であり、値α2(V2/H21/2)は37.9である。
[比較実験2]時間Tを5秒、風速V1を30(m/秒)、高さH1を0.02mとし、風速V2を12(m/秒)、高さH2を0.20mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は212.1であり、値α2(V2/H21/2)は26.8である。
[比較実験3]時間Tを3秒、風速V1を3(m/秒)、高さH1を0.20mとし、風速V2を7(m/秒)、高さH2を0.50mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は6.7であり、値α2(V2/H21/2)は9.9である。
[比較実験4]時間Tを10秒、風速V1を12(m/秒)、高さH1を0.05mとし、風速V2を2(m/秒)、高さH2を0.30mとした。この場合の値α1(V1/H11/2)は53.7であり、値α2(V2/H21/2)は3.7である。
表1は、各実験におけるフイルム82の面状の評価を示している。
Figure 2007290375
◎:フイルム表面は平滑である。
○:フイルム表面は平滑であるが、極めて弱い凹凸が見られる。
△:フイルム表面に弱い凹凸が見られるが、光学フイルムの種類によっては使用可能である。
×:フイルム表面に凹凸が見られ、光学フイルムとして用いることは困難である。
本発明に係るドープ製造ラインを示す概略図である。 本発明に係るフイルム製造ラインを示す概略図である。 フイルム製造ラインにおける、流延膜乾燥装置を示す概略図である。
符号の説明
27 ドープ
40 フイルム製造ライン
43 流延膜乾燥装置
46 流延バンド
55 第1送風ダクト
55a (第1送風ダクトの)下面
55b ノズル
55c 吸引口
56 乾燥風
57 第2送風ダクト
57a 送風口
57c (第2送風ダクトの)下面
58 乾燥風
59 整流板
59a (整流板59の)下面
69 流延膜
100 第1風路
101 第2風路
102 整流板
103 コントローラ
107 第1風速計
108 第2風速計

Claims (16)

  1. ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造装置において、
    前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出す第1送風手段と、
    前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送る第2送風手段とを備え、
    前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記第2乾燥風を送ることを特徴とするポリマーフイルムの製造装置。
  2. 前記第1風路の高さH1は20mm以上300mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載のポリマーフイルムの製造装置。
  3. 前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載のポリマーフイルムの製造装置。
  4. 前記第1送風手段と前記第2送風手段との間に、前記第1乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第1整流部材を設けることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  5. 前記第2乾燥風を前記支持体の走行の向きに流す第2整流部材が、前記第2送風口の上端に設けられることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  6. 前記第1送風口の近傍に設けられ、前記流延膜の近傍において前記第1乾燥風が前記支持体の走行の向きに流れるように、前記第1乾燥風を吸い込む吸引口を備えることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  7. 前記第1乾燥風の風速V1(単位;m/秒)を前記高さH1の平方根H11/2で除した値α1と、前記第2乾燥風の風速V2(単位;m/秒)を第2風路の高さH2の平方根H21/2で除した値α2とが20以上150以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  8. 前記流延膜が前記第1乾燥風に当たるまでの時間は、前記ドープが前記支持体に接触してから15秒以下であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  9. 前記第1送風手段は、形成されてから15秒以内の流延膜に少なくとも3秒以上、前記第1乾燥風を吹き出すことを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  10. 前記第1及び第2乾燥風の温度は、40℃以上150℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし9いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造装置。
  11. ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造方法において、
    前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出し、
    前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。
  12. ポリマーと溶媒とを含んだドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を前記支持体から剥ぎ取り、溶媒を含んだポリマーフイルムとした後に、このポリマーフイルムを乾燥するポリマーフイルムの製造方法において、
    前記支持体と対面するように設けられた第1送風口から前記流延膜に向けて第1乾燥風を吹き出すことにより、前記流延膜の表面に前記流延膜の露出面のみを乾燥させて未乾燥部分より強い表面張力をもつ表面層を形成する第1工程と、
    前記第1乾燥風を通す第1風路の高さよりも高い位置で、前記支持体の走行の向きに向いた第2送風口から第2乾燥風を送ることにより、前記流延膜の乾燥を促進させる第2工程とを有することを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。
  13. 前記第1風路の長さLaは、前記第2乾燥風を通す第2風路の長さLbよりも小さいことを特徴とする請求項11または12記載のポリマーフイルムの製造方法。
  14. 前記流延膜が前記第1乾燥風に当たるまでの時間は、前記ドープが前記支持体に接触してから15秒以下であることを特徴とする請求項11ないし13いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
  15. 形成されてから15秒以内の流延膜に少なくとも3秒以上、第1乾燥風を送ることを特徴とする請求項11ないし14いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
  16. 前記第1及び第2乾燥風の温度は、40℃以上150℃以下の範囲であることを特徴とする請求項11ないし15いずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
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