JP2007158058A - 磁気検出素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に、積層フェリ構造を構成する非磁性中間層の膜厚を特に変更することなく、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び及び反強磁性結合エネルギー(JA)を適切な範囲内に収めることができ、さらに耐熱性にも優れる磁気検出素子を提供することを目的としている。
【解決手段】 非磁性中間層4bは下からRu層11、Rh層12、及びRu層13の順に積層形成されている。これにより、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhだけで形成した場合に比べて適度に弱めることが出来る。
【選択図】図1
【解決手段】 非磁性中間層4bは下からRu層11、Rh層12、及びRu層13の順に積層形成されている。これにより、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhだけで形成した場合に比べて適度に弱めることが出来る。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層とを有する磁気検出素子に係り、特に前記固定磁性層が積層フェリ構造で形成される磁気検出素子に関する。
下記の特許文献に示すように、スピンバルブ型薄膜素子を構成する固定磁性層は、2つの磁性層と前記磁性層間に介在する非磁性中間層とから成る積層フェリ構造で形成される。このような積層フェリ構造では、2つの磁性層に前記非磁性中間層を介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)が作用する。また前記固定磁性層には反強磁性層が接して形成されており、前記反強磁性層との間で交換結合磁界が生じる。そして前記交換結合磁界及び前記反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により2つの磁性層の磁化方向は互いに反平行状態にされる。この構成により前記固定磁性層の磁化を安定した状態にできる。
特開2001−143223号公報
USP 6,153,320
スピンバルブ型薄膜素子の構成が、前記非磁性中間層以外、同じであっても、前記非磁性中間層の材質や膜厚が変化することで、スピンフロップ磁界(Hsf)、飽和磁界(Hs)及び反強磁性結合エネルギー(JA)は変化する。前記スピンフロップ磁界(Hsf)とは、図5(固定磁性層のM−H曲線)に示すように磁化方向が反平行である2つの磁性層(P1とP2)に対し、一方の磁性層の磁化方向と平行方向の外部磁界を印加したときに、2つの磁性層の反平行状態が崩れ始める、即ち完全なフェリ磁性状態であった状態が崩れ始めるときの外部磁界の大きさを指す。また前記飽和磁界(Hs)とは、図5に示すように、磁化方向が反平行である2つの磁性層に対し、一方の磁性層の磁化方向と平行方向の磁界を印加したときに、2つの磁性層の各磁化方向がともに磁界印加方向に飽和し平行方向となるときの磁界の大きさを指す。また反強磁性結合エネルギー(JA)と前記飽和磁界(Hs)との間には、Hs=JA[(1/(M1t1))+(1/(M2t2))]の関係が成り立っている。ここで「M1」は、固定磁性層を構成する一方の磁性層の飽和磁化、「t1」は、前記一方の磁性層の膜厚、「M2」は、固定磁性層を構成する他方の磁性層の飽和磁化、「t2」は、前記他方の磁性層の膜厚である。
ところで従来では前記非磁性中間層にRuが一般的に使用されていた。かかる場合、前記非磁性中間層を4Å〜9Å程度に調整していた。ちょうど、この程度の膜厚にすると、比較的大きい飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)を得ることが可能になるためであった。
しかし例えばCPP−GMRにおいては、ΔRA(ΔR;抵抗変化 A;素子面積)を大きくすべく、固定磁性層の非磁性材料層と接する第2磁性層(フリー磁性層と前記非磁性材料層を介して対向する磁性層)の膜厚を厚く形成したいといった要望があるが、前記第2磁性層の膜厚を厚く形成すると、前記飽和磁界(Hs)及びスピンフロップ磁界(Hsf)が低下し、固定磁性層を安定したフェリ磁性状態に保つことが出来なかった。
そこで前記非磁性中間層をRuに代えてRhで形成すると、前記飽和磁界(Hs)が非常に大きくなることがわかっている。このときも前記非磁性中間層の膜厚を4〜9Å程度に設定するが、特に前記非磁性中間層の膜厚を6Å程度にするとほぼ前記飽和磁界(Hs)のピーク値を得られることがわかっている。しかし、前記飽和磁界(Hs)が非磁性中間層にRuを用いた場合に比べてあまりにも大きくなりすぎ、前記固定磁性層を構成する2つの磁性層の磁化制御を適切に行うことが困難となった。すなわち、非磁性中間層を介して対向する2つの磁性層に対し、前記飽和磁界(Hs)よりも大きい磁場を与えて、前記磁性層を一旦同じ方向に磁化した後、前記磁場を取り除くと、反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)が作用して2つの磁性層が適切に反平行状態となって磁化されるのであるが、前記飽和磁界(Hs)があまりにも大きすぎて、前記飽和磁界(Hs)を越える巨大磁場を与えることが現状の設備では難しかった。
よって前記非磁性中間層としてRhを用いた場合には、前記飽和磁界(Hs)を適度に弱めることが必要となった。それには前記非磁性中間層の膜厚を変更すればよい。
しかし前記非磁性中間層の膜厚を薄くすると、前記非磁性中間層にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、前記固定磁性層をフェリ磁性状態に適切に制御することが難しくなる。
一方、前記非磁性中間層の膜厚が厚くなると、CIP−GMRの場合、前記非磁性中間層に流れるセンス電流が大きくなり、シャントロスになるため再生出力が低下し、またCPP―GMR及びCIP−GMRでもシールド間隔が広がる結果、線記録密度が低下する等といった問題が生じた。
また前記非磁性中間層の膜厚を4〜9Åの範囲内とすると比較的、安定した前記飽和磁界(Hs)を得られるが、前記膜厚の範囲から外れると、前記飽和磁界(Hs)は急激に低下してしまい、前記非磁性中間層の膜厚を変更して所定の飽和磁界(Hs)を得ることは非常に難しかった。
またRhを非磁性中間層として使用した場合、前記非磁性中間層の耐熱性が非常に悪くなり、前記固定磁性層のフェリ磁性状態を安定して保つことが出来ないといった問題もあった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、積層フェリ構造を構成する非磁性中間層の膜厚を特に変更することなく、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び及び反強磁性結合エネルギー(JA)を適切な範囲内に収めることができ、さらに耐熱性にも優れる磁気検出素子を提供することを目的としている。
本発明における磁気検出素子は、
磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru層及びRh層を有して形成されることを特徴とするものである。
磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru層及びRh層を有して形成されることを特徴とするものである。
これにより、非磁性中間層の膜厚を特に変更することなく(従来から用いられてきた膜厚範囲内で形成しても)、すなわち前記非磁性中間層の膜厚を飽和磁界(Hs)等の調整のために薄くしたり厚くしたりしなくても、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を適切な範囲内に収めることができる。特に本発明では、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を非磁性中間層をRhだけで形成したときよりも適度に弱めることが可能になる。このように前記飽和磁界(Hs)を弱めることができることで、前記固定磁性層の磁化制御工程で、前記飽和磁界(Hs)よりも大きい磁場を容易に且つ適切に与えることができ、固定磁性層の磁化制御を適切に行うことが出来る。
本発明では前記非磁性中間層の膜厚を変更することなく(従来から用いられてきた膜厚範囲内で形成しても)、前記非磁性中間層の膜厚に対する前記Ru層の膜厚の比率を調整することにより、前記飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を所定の範囲内に簡単且つ適切に調整できる。
以上により本発明では、シールド間隔を広げることなく、シャントロスを増大させることなく(CIP−GMRの場合)、さらに前記非磁性中間層にピンホール等の欠陥部が形成されることなく、従来に比べて固定磁性層のフェリ磁性状態をより安定させることができる。また、前記飽和磁界(Hs)は、前記非磁性中間層をRhだけで形成した場合よりも適度に弱めることが出来るので、前記固定磁性層の磁化制御工程で、前記飽和磁界(Hs)よりも大きい磁場を与えやすくなり、固定磁性層の磁化制御を適切に行うことが出来る。
また前記RuはRhに比べて耐熱性に優れるため、非磁性中間層をRh層とRu層との積層構造にすることで、前記非磁性中間層をRhの単層構造で形成する場合に比べて前記非磁性中間層の耐熱性を向上させることが可能である。
本発明では、前記非磁性中間層は、前記Rh層の上下に前記Ru層が形成された積層構造で形成されることが好ましい。これにより、より適切に前記非磁性中間層の耐熱性を向上させることが可能である。
また本発明では、前記非磁性中間層の膜厚に対する前記Ru層の膜厚(前記Ru層が複数層設けられている場合は、各Ru層の膜厚)の比(前記Ru層の膜厚/前記非磁性中間層の膜厚)は0より大きく3/7以下であることが好ましい。これにより、飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)及びスピンフロップ磁界(Hsf)を、前記非磁性中間層をRhの単層構造で形成したときよりも適切に弱めることができる。
また本発明における磁気検出素子は、
磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru−Rh合金で形成されることを特徴とするものである。
磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru−Rh合金で形成されることを特徴とするものである。
上記構成によっても、非磁性中間層の膜厚を変更することなく(従来から用いられてきた膜厚範囲内で形成しても)、すなわち前記非磁性中間層の膜厚を飽和磁界(Hs)等の調整のために薄くしたり厚くしたりしなくても、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を適切な範囲内に収めることができる。特に本発明では、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層をRhだけで形成したときよりも適度に弱めることが可能になる。また前記非磁性中間層をRhだけで形成するよりも前記非磁性中間層の耐熱性を向上させることが出来る。
本発明では、前記非磁性中間層と前記第1磁性層との間、あるいは、前記非磁性中間層と前記第2磁性層との間、または前記非磁性中間層と前記第1磁性層との間及び前記非磁性中間層と前記第2磁性層との間には、Co層、Ni層あるいはCoNi層が介在することが好ましい。前記Co層等を、磁性層と非磁性中間層間に介在させることで、前記非磁性中間層の耐熱性をより効果的に向上させることが可能である。
本発明では、前記非磁性中間層の膜厚は4Å〜9Åの範囲内であることが好ましい。この膜厚範囲は、従来、非磁性中間層の膜厚として使用されてきた範囲である。本発明の磁気検出素子では、シールド層の間隔を広げることなく、シャントロスを増大させることなく(CIP−GMRの場合)、さらに前記非磁性中間層にピンホール等の欠陥部が形成されることなく、従来に比べて固定磁性層のフェリ磁性状態をより安定させることが可能である。
本発明では、積層フェリ構造を構成する非磁性中間層をRu層とRh層との積層構造で形成することで、前記非磁性中間層の膜厚を変更しなくても、飽和磁界(Hs)等を適切な範囲内に調整できる。特に前記非磁性中間層を、Rhの単層構造で形成したときよりも、前記飽和磁界(Hs)等を適度に弱めることが可能であり、固定磁性層の磁化制御を容易にでき、前記非磁性中間層の膜厚を変更することなく固定磁性層のフェリ磁性状態を従来に比べてより安定させることが可能である。
図1は本実施形態のCIP型のスピンバルブ型薄膜素子(磁気検出素子)を備えた薄膜磁気ヘッドを、記録媒体との対向面と平行な方向から切断し、その切断面を示す部分断面図である。
前記スピンバルブ型薄膜素子は、ハードディスク装置に設けられた浮上式スライダのトレーリング側端部などに設けられて、ハードディスクなどの記録磁界を検出するものである。なお、図中においてX方向は、トラック幅方向、Y方向は、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向(ハイト方向)、Z方向は、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向及び前記シングルスピンバルブ型薄膜素子の各層の積層方向、である。各方向は、残り2つの方向に対して直交する関係にある。
符号10は下部シールド層であり、前記下部シールド層10上に、下部ギャップ層15が形成される。前記下部シールド層10はNiFe合金等の磁性材料で形成され、前記下部ギャップ層15はAl2O3等の絶縁材料で形成される。
前記下部ギャップ層15上にスピンバルブ型薄膜素子21が形成されている。前記スピンバルブ型薄膜素子21は、トラック幅方向(図示X方向)の中央に積層体22を有する。
前記積層体22は、下から、下地層1、シード層2、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6および保護層17の順に積層されている。
前記固定磁性層4は積層フェリ構造であり、第1磁性層4aと、非磁性中間層4bと第2磁性層4cの積層構造で形成される。前記第1磁性層4aは前記反強磁性層3と接して形成される。一方、前記第2磁性層4cは前記非磁性材料層5に接して形成される。
図1に示すように、前記積層体22は、トラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が下側から上側に向けて徐々に小さくなる略台形状にて形成されている。
前記積層体22のトラック幅方向の両側には、下から、バイアス下地層27、ハードバイアス層28及び電極層29が積層されている。
図1に示すように前記スピンバルブ型薄膜素子21上には上部ギャップ層30が形成され、前記上部ギャップ層30上には上部シールド層31が形成される。前記上部ギャップ層30はAl2O3等の絶縁材料で形成され、前記上部シールド層31はNiFe合金等の磁性材料で形成される。
前記下部シールド層10から前記上部シールド層31までの構造を薄膜磁気ヘッド(再生ヘッド)と呼ぶ。またスピンバルブ型薄膜素子21は、積層体22、バイアス下地層27、ハードバイアス層28及び電極層29から構成される。図1に示すスピンバルブ型薄膜素子21では、前記電極層29から前記積層体22に流れるセンス電流は前記積層体22の各層に対して界面と平行な方向から流れされる。このような構造は、CIP(current in the plane)型と呼ばれる。
各層の材質等について説明する。
前記下地層1は、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成される。前記シード層2は、NiFeCrまたはCrによって形成される。前記シード層2をNiFeCrによって形成すると、前記シード層2は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、前記シード層2をCrによって形成すると、前記シード層2は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
前記下地層1は、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成される。前記シード層2は、NiFeCrまたはCrによって形成される。前記シード層2をNiFeCrによって形成すると、前記シード層2は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、前記シード層2をCrによって形成すると、前記シード層2は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
前記反強磁性層3は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料、あるいは、元素Xと元素X′(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される。前記反強磁性層3は例えばIrMn合金やPtMn合金で形成される。
前記固定磁性層4を構成する前記第1磁性層4a及び前記第2磁性層4cはCoFe、NiFe,CoFeNiなどの強磁性材料で形成されている。前記非磁性中間層4bの構造及び材質については後述する。
前記非磁性材料層5は、Cu、Au、またはAgで形成されている。
また、フリー磁性層6は、NiFe、CoFe、CoFeNiなどの強磁性材料で形成されている。前記フリー磁性層6は、NiFe合金が主の磁性層として形成され、NiFe合金層と前記非磁性材料層5との間に拡散防止のためのCoFe合金層が設けられている構成であることが好ましい。また前記フリー磁性層6は前記固定磁性層4と同様に積層フェリ構造であってもよい。
また、フリー磁性層6は、NiFe、CoFe、CoFeNiなどの強磁性材料で形成されている。前記フリー磁性層6は、NiFe合金が主の磁性層として形成され、NiFe合金層と前記非磁性材料層5との間に拡散防止のためのCoFe合金層が設けられている構成であることが好ましい。また前記フリー磁性層6は前記固定磁性層4と同様に積層フェリ構造であってもよい。
前記保護層17はTa等で形成される。
前記バイアス下地層27は、例えばCr、W、Tiで形成される。前記ハードバイアス層28は、例えばCoPt合金やCoCrPt合金などで形成される。前記電極層29は、Cr,W,Au,Rh,α―Ta等の導電性材料により形成される。
前記バイアス下地層27は、例えばCr、W、Tiで形成される。前記ハードバイアス層28は、例えばCoPt合金やCoCrPt合金などで形成される。前記電極層29は、Cr,W,Au,Rh,α―Ta等の導電性材料により形成される。
図1に示すスピンバルブ型薄膜素子の特徴的部分について説明する。図1に示す実施形態では、前記固定磁性層4が、第1磁性層4aと第2磁性層4cと前記第1磁性層4aと第2磁性層4c間に介在する非磁性中間層4bとを有して成る積層フェリ構造で形成される。前記第1磁性層4aと第2磁性層4cの磁化方向は、前記反強磁性層3との界面で生じる交換結合磁界、及び非磁性中間層4bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により互いに反平行状態にされる。
図1に示す実施形態では、前記非磁性中間層4bが、下からRu層11,Rh層12及びRu層13の順に積層された積層構造で形成されている。
これにより、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhだけで形成した場合に比べて適度に弱めることが出来る。
なお前記スピンフロップ磁界(Hsf)とは、図5(固定磁性層のM−H曲線)に示すように磁化方向が反平行である2つの磁性層(第1磁性層4aと第2磁性層4c)に対し、一方の磁性層の磁化方向と平行方向の外部磁界を印加したときに、2つの磁性層の反平行状態が崩れ始める、即ち完全なフェリ磁性状態であった状態が崩れ始めるときの外部磁界の大きさを指す。また前記飽和磁界(Hs)とは、図5に示すように、磁化方向が反平行である2つの磁性層に対し、一方の磁性層の磁化方向と平行方向の磁界を印加したときに、2つの磁性層の各磁化方向がともに磁界印加方向に飽和し平行方向となるときの磁界の大きさを指す。また反強磁性結合エネルギー(JA)と前記飽和磁界(Hs)との間には、Hs=JA[(1/(M1t1))+(1/(M2t2))]の関係が成り立っている。ここで「M1」は、固定磁性層を構成する一方の磁性層の飽和磁化、「t1」は、前記一方の磁性層の膜厚、「M2」は、固定磁性層を構成する他方の磁性層の飽和磁化、「t2」は、前記他方の磁性層の膜厚である。
飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)が大きいということは、第1磁性層4aおよび第2磁性層4cが、外部磁界によって容易に磁化変動せず、安定したフェリ磁性状態を保つことを意味する。なお前記飽和磁界(Hs)等の値は、第1磁性層4aおよび第2磁性層4cの材質や膜厚が変わることによっても変化するが、本実施形態では、第1磁性層4aおよび第2磁性層4cの材質や膜厚は変更しないものとして説明する。すなわち本実施形態では、第1磁性層4aおよび第2磁性層4cの材質や膜厚を固定した下で、前記非磁性中間層4bの構成を変えて前記飽和磁界(Hs)を適切な範囲内に調整するものである。
上記したように本実施形態では、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhだけで形成した場合に比べて適度に弱めることが出来る。
前記非磁性中間層4bをRhの単層構造で概ね4〜9Å程度で形成した場合、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)はかなり大きな値に比較的安定した状態で設定でき、特に前記非磁性中間層4bを6Å程度で形成すると、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)はほぼピーク値となり、非常に高くなることがわかっている。従来では、Rhで形成された前記非磁性中間層4bを用いた場合、前記飽和磁界(Hs)があまりにも高すぎて、前記第1磁性層4aおよび第2磁性層4cの磁化制御を適切に行うことが出来ず、前記第1磁性層4aおよび第2磁性層4cを適切に単磁区化できず、安定したフェリ磁性状態を得られないといった問題があった。前記飽和磁界(Hs)、スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を弱めるには、前記非磁性中間層4bの膜厚を変更すればよいが、記非磁性中間層4bを薄くしていくと、前記非磁性中間層4bにピンホール等の欠陥部が形成されやすくなり、また前記非磁性中間層4bを厚くしていくと、前記電極層29から前記非磁性中間層4bに流れるセンス電流量が多くなり(シャントロス)、またシールド層10,31間の間隔が広がるといった問題があるので、前記非磁性中間層4bは従来と同様の膜厚、すなわち具体的には4〜9Åの範囲内に収め、且つ、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhの単層構造で形成したときよりも弱めたい。
そこで本実施形態では前記非磁性中間層4bを、Rh層12とRu層11,13との積層構造で形成した。これにより、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhの単層構造で形成したときよりも適度に弱くすることが可能になる。前記非磁性中間層4bをRhの単層構造で形成した場合、前記非磁性中間層4bをほぼ6Åの膜厚で形成すると前記飽和磁界(Hs)等がほぼピーク値となるが、本実施形態では、少なくとも前記ピーク値よりも小さい前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を得ることが可能である。
また本実施形態では、前記非磁性中間層4bをRu層11,13とRh層12の積層構造で形成することで、前記非磁性中間層4bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRuの単層構造で形成したときよりも大きくすることが可能となる。
また本実施形態では、前記Rh層12の上下にRu層11,13が設けられているが、Rh層12は、第1磁性層4a,及び第2磁性層4cと接触して形成されると前記非磁性中間層4bの耐熱性が非常に低下してしまう。したがってRh層12に比べて耐熱性に優れるRu層11,13を前記Rh層12の上下に設けて第1磁性層4aと第2磁性層4cにRh層12が直接接触しないようにすることで、前記非磁性中間層4bの耐熱性を向上させることができ、熱処理後においても安定した前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を得ることが出来る。
上記したように本実施形態では前記非磁性中間層4bの膜厚は4Å〜9Åの範囲内であることが好ましい。前記膜厚が4Åより小さくなると前記非磁性中間層4bにピンホール等の欠陥部が形成されやすくなり、前記固定磁性層4を適切にフェリ磁性状態にできない(磁化に乱れが生じやすい)。また前記膜厚が9Åより大きくなると、前記電極層29から非磁性中間層4bに流れるセンス電流量が増えてシャントロスとなり再生出力の低下や、シールド層10,31の間隔が広がることで線記録密度が低下する等の問題が生じる。よって本実施形態では前記非磁性中間層4bの膜厚を4Å〜9Åの範囲に調整している。
また本実施形態では前記非磁性中間層4bの膜厚H1を4〜9Åの範囲内とし、且つ、前記非磁性中間層4bに占めるRu層11,13(及びRh層12)の膜厚比率を調整して、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を適度な大きさに調整する。すなわち前記非磁性中間層4bの膜厚H1を一定にしても、前記膜厚比率が変動すれば、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)の値も変動するのである。
図1に示すように、前記Ru層11の膜厚はH2で、前記Ru層13の膜厚はH3である。本実施形態では前記非磁性中間層4bの膜厚H1に対するRu層11の膜厚H2の比(膜厚H2/膜厚H1)、及び前記非磁性中間層4bの膜厚H1に対するRu層13の膜厚H3の比(膜厚H3/膜厚H1)は、夫々、0より大きく3/7以下であることが好ましい。前記比は2/7以下であることがより好ましい。これにより、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRhの単層構造で形成したときよりも適切に弱めることが出来る。
ところで前記非磁性中間層4bをRuの単層構造で形成し、前記非磁性中間層4bの膜厚を4〜9Åの範囲内としたとき、前記非磁性中間層4bを約9Åの膜厚で形成すると、前記飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)を比較的大きな値にできることがわかっている。従来から前記非磁性中間層4bとしてRuを用いる場合、概ね9Å前後の膜厚が好ましく用いられてきた。
本実施形態では、前記非磁性中間層4bの膜厚H1は6〜7Åで、且つ、前記比(膜厚H2/膜厚H1)、及び前記比(膜厚H3/膜厚H1)は、夫々、0より大きく1.5/7以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1/7以下である。これにより、前記非磁性中間層4bをRuの単層構造で9Å程度の膜厚で形成したとき以上の前記飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)を得ることが可能である。
最も好ましくは、前記非磁性中間層4bの膜厚H1を6Åとし、前記比(膜厚H2/膜厚H1)、及び前記比(膜厚H3/膜厚H1)を、夫々0より大きく1.5/6以下にすることである。これにより確実に、前記非磁性中間層4bをRuの単層構造で9Å程度の膜厚で形成したとき以上の前記飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)を得ることが可能である。
なお図1の実施形態において、Ru層11,13とRh層12との界面付近では熱等の影響を受けて元素拡散が生じやすくなっている。よってRu濃度は、前記非磁性中間層4bの下層側から膜厚の中心に向けて、及び前記中心から上層側に向けて、徐々に低下する傾向を示し、一方、Rh濃度は、前記非磁性中間層4bの膜厚の中心付近で最も高くなり、前記中心から上層側及び下層側に向けて徐々に低下する傾向を示す。なお組成分析には、SIMS分析装置や電解放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)を用いたナノビーム特性X線分析(Nano−beam EDX)等を用いる。
図2は、図1と異なって、前記非磁性中間層4bと前記第1磁性層4aとの間にCo層14が形成され、前記非磁性中間層4bと前記第2磁性層4cとの間にCo層16が形成されている。なお図2において図1と同じ符号が付けられている層は同じ層を示している。
図2に示す実施形態により、さらに効果的に前記非磁性中間層4bの耐熱性を向上させることが可能になる。前記第1磁性層4aおよび第2磁性層4cがFeを含む磁性材料で形成されると、前記非磁性中間層4bの耐熱性の低下が懸念されるので、図2のように、Co層14,16を前記第1磁性層4aと前記非磁性中間層4bとの間、及び前記第2磁性層4cと前記非磁性中間層4bとの間に介在させることで、前記第1磁性層4aおよび第2磁性層4cをFeを含む磁性材料で形成しても、より効果的に前記非磁性中間層4bの耐熱性を向上させることが可能である。また前記Co層14,16を介在させることで、前記非磁性中間層4bを、例えば下からRh層、Ru層、Rh層の順に積層した構造で形成したり、Rh層とRu層の2層構造で形成しても、前記非磁性中間層4bの耐熱性を適切に向上させることが可能である。前記Co層14,16に代えてNi層やCoNi層を用いてもよいが、Co層14,16であることが、前記非磁性中間層4bの耐熱性を適切に向上させることができて好ましい。
図3に示す実施形態では、図1や図2と異なって、非磁性中間層4dは1層構造で形成されている。図3では前記非磁性中間層4dは、Ru−Rh合金で形成される。なお図3において図1,図2と同じ符号が付けられている層は同じ層を示している。
図3に示す構造によっても、前記非磁性中間層4dの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層4bをRuの単層構造で形成したときよりも小さくすることができ、さらに前記非磁性中間層4dをRuの単層構造で形成した場合よりも、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を大きくすることが可能である。前記非磁性中間層4dにはRhが含まれているので、前記非磁性中間層4dがFeを含む第1磁性層4aおよび第2磁性層4cに接して形成されると前記非磁性中間層4dの耐熱性が低下しやすく、よって耐熱性向上のために図2と同様に、前記非磁性中間層4dと前記第1磁性層4aとの間、及び前記非磁性中間層4dと前記第2磁性層4cとの間にCo層14,16を介在させることが好ましい。
図3では、前記非磁性中間層4dを、Ru−Rhのターゲットを用いてスパッタ成膜する。あるいはRuのターゲットとRhのターゲットを用いてスパッタ成膜する。
図4に示すスピンバルブ型薄膜素子40は、図1ないし図3に示すスピンバルブ型薄膜素子と違って、CPP(current perpendicular to the plane)−GMRである。
図4に示す実施形態では、下部シールド層10上に、前記スピンバルブ型薄膜素子40が形成される。前記スピンバルブ型薄膜素子40はトラック幅方向(図示X方向)の中央に、積層体41が形成されている。前記積層体41は、下から下地層1、シード層2、下側反強磁性層42、下側固定磁性層43、下側非磁性材料層44、フリー磁性層45、上側非磁性材料層46、上側固定磁性層47、上側反強磁性層48及び保護層17の順に積層されている。前記スピンバルブ型薄膜素子40はいわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜素子である。
図4に示すように前記積層体41のトラック幅方向の両側端面は、前記積層体41のトラック幅方向の幅寸法が下側から上側に向けて徐々に小さくなる傾斜面、あるいは湾曲面で形成されており、前記積層体41のトラック幅方向の両側には下から絶縁層50、ハードバイアス層28及び絶縁層51がこの順で積層されている。そして図4に示すように前記スピンバルブ型薄膜素子40上に上部シールド層31が形成されている。前記下部シールド層10及び上部シールド層31は前記スピンバルブ型薄膜素子40の積層体41に対する電極としても機能し、前記積層体41を構成する各層の界面に対し垂直方向に電流が流される。
なお前記非磁性材料層44,46はCu等の非磁性導電材料で形成されてもよいし、あるいはAl2O3,TiOx,MgOx等の絶縁材料で形成されてもよい。前記非磁性材料層44、46が前記絶縁材料で形成された構造では、トンネル効果を利用して抵抗変化を生じさせるトンネル型磁気抵抗効果型素子となる。
図4に示す実施形態でも前記固定磁性層43,47は第1磁性層43a,47aと第2磁性層43c,47cと、前記第1磁性層43a,47aと前記第2磁性層43c,47cの間に形成された非磁性中間層43b,47bとを有して構成される積層フェリ構造である。前記非磁性中間層43b,47bは、図1と同様にRu層55,Rh層56,Ru層57の積層構造で形成される。
これにより、前記非磁性中間層43b,47bの膜厚を特に変更することなく(従来から一般的に用いられている膜厚範囲内で調整しても)、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を、前記非磁性中間層43b,47bをRhの単層構造で形成したときよりも弱くすることが可能である。さらに前記非磁性中間層43b,47bをRuの単層構造で形成した場合よりも、前記飽和磁界(Hs)、前記スピンフロップ磁界(Hsf)及び前記反強磁性結合エネルギー(JA)を大きくすることができる。
よって本実施形態では、前記非磁性中間層43b,47bにピンホール等の欠陥部が形成されることなく、さらにシールド層10,31の間隔を広げることなく前記固定磁性層43,47を従来に比べて安定したフェリ磁性状態に制御できる。
図4に示すデュアル型の積層体41の構成は、図1ないし図3に示すCIP−GMRにも適用できる。また図4に示す実施形態において、図2と同様に非磁性中間層と第1磁性層との間、及び非磁性中間層と第2磁性層との間にCo層14,16を介在させたり、あるいは図3と同様に非磁性中間層をRu−Rh合金で形成してもよい。
図1に示すスピンバルブ型薄膜素子21の製造方法を簡単に説明する。
図1に示す下部シールド層10上の下部ギャップ層15上に、下から、下から、下地層1、シード層2、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6および保護層17の順に同一真空中で積層する。
図1に示す下部シールド層10上の下部ギャップ層15上に、下から、下から、下地層1、シード層2、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6および保護層17の順に同一真空中で積層する。
図1に示すように前記固定磁性層4を形成するとき、下から第1固定磁性層4a,非磁性中間層4b,第2固定磁性層4cの順に積層し、前記非磁性中間層4bを形成するとき、下からRu層11,Rh層12及びRu層13の順に積層する。
前記非磁性中間層4bの膜厚を4〜9Åの範囲内で形成し、しかも前記非磁性中間層4bの膜厚H1に対するRu層11の膜厚H2の比(膜厚H2/膜厚H1)、及び前記非磁性中間層4bの膜厚H1に対するRu層13の膜厚H3の比(膜厚H3/膜厚H1)を、夫々、0より大きく3/7以下で形成することが好ましい。前記比を2/7以下にすることがより好ましい。
前記下地層1〜保護層17までの積層体22を形成した後、磁場中熱処理を施して、前記第1固定磁性層4aと第2固定磁性層4cの磁化を反平行で且つハイト方向と平行な方向に固定する。
その後、図1に示すように前記積層体22のトラック幅方向(図示X方向)の両側端面をエッチング加工して図示X−Z平面と平行な方向での断面形状を略台形状にし、図1に示すように前記積層体22のトラック幅方向の両側に、下から、バイアス下地層27、ハードバイアス層28及び電極層29の順に積層する。
図2の実施形態では、前記固定磁性層4を形成するとき、下から第1固定磁性層4a,Co層14,Ru層11,Rh層12,Ru層13,Co層16及び第2固定磁性層4cの順に積層する。それ以外の工程は図1での製造工程と同じである。
図3に示す実施形態では、上記したとおり、前記非磁性中間層4dを、例えばRu−Rhターゲットを用いてスパッタ成膜する。それ以外の工程は図1での製造工程と同じである。
図4は、図1に示すスピンバルブ型薄膜素子の積層体22と層数が異なるだけで、図1と同様の製造工程を用いて形成する。
以下に示す基本膜構成を形成した。前記基本膜構成は下から、
下地層;Ta(30)/シード層;NiFeCr(50)/反強磁性層;IrMn(15)/固定磁性層[第1磁性層;Fe30at%Co70at%(80)/非磁性中間層/第2磁性層;Fe40at%Co60at%(160)]/非磁性材料層;Cu(50)/保護層17;Ta(30)であった。なお括弧内の数値は膜厚を示し単位はÅである。
下地層;Ta(30)/シード層;NiFeCr(50)/反強磁性層;IrMn(15)/固定磁性層[第1磁性層;Fe30at%Co70at%(80)/非磁性中間層/第2磁性層;Fe40at%Co60at%(160)]/非磁性材料層;Cu(50)/保護層17;Ta(30)であった。なお括弧内の数値は膜厚を示し単位はÅである。
前記非磁性中間層を、下からRu(x)/Rh(y)/Ru(x)の順に積層形成した。x,yは膜厚を示している。前記非磁性中間層4bの膜厚H1を6Åあるいは7Åで形成した。すなわちRu及びRhの膜厚(x)(y)は、2x+y=6Åあるいは7Åとなるように調整した。なお前記基本膜構成に対し、特に熱処理は施していない。
そしてRu(x)の膜厚を変化させたときの飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)を測定した。その実験結果を図6〜図8に示す。
図6〜図8に示すようにRu厚(x)が0Åのとき、すなわち非磁性中間層がRhのみで形成されている場合、飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)は非常に高い値を示すことがわかった。前記非磁性中間層を6Åにし、前記非磁性中間層をRhのみで形成すると、前記飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)は特に高い値を示した。これは前記非磁性中間層にRhを使用した場合のほぼピーク値である。
図6〜図8に示すようにRu厚(x)を大きくしていくと、飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)は小さくなっていくことがわかった。
図6〜図8に示すように、非磁性中間層の膜厚に対する片側のRu厚(X)の比(すなわち図1で説明した比(膜厚H2/膜厚H1)、及び(膜厚H3/膜厚H1))を0より大きく3/7以下にすることで、前記非磁性中間層をRhの単層構造で形成するよりも飽和磁界(Hs)及び反強磁性結合エネルギー(JA)を十分に小さくできることがわかった。また前記比を2/7以下にすると、上記基本構成を用いた場合では、前記飽和磁界(Hs)は2000Oe(約158kA/m)程度になることがわかった。この値は上記基本膜構成の非磁性中間層をRuの単層構造で約9Åの膜厚で形成したときの飽和磁界(Hs)の値とほぼ同等である。
また前記比を1.5/7以下にすることがより好ましく、さらに好ましくは1/7以下に設定することである。これにより、上記基本構成を用いた場合では、スピンフロップ磁界(Hsf)を、約200Oe(約15.8kA/m)以上、好ましくは400Oe(約31.6kA/m)以上に調整できる。なお400Oeのスピンフロップ磁界(Hsf)は、上記基本膜構成の前記非磁性中間層をRuの単層構造で約9Åの膜厚で形成したときの値とほぼ同等である。
特に前記非磁性中間層の膜厚を6Åに一定にした場合、非磁性中間層の膜厚に対するRu厚(x)の比率を1.5/6以下にすると、上記基本構成を用いた場合では、飽和磁界(Hs)を約7000Oe(約553kA/m)以上、反強磁性結合エネルギー(JA)を約700nJ/cm2以上、スピンフロップ磁界(Hsf)を400Oe(約31.6kA/m)以上に出来、これは、上記基本膜構成の前記非磁性中間層をRuの単層構造で約9Åで形成したときの飽和磁界(Hs)、反強磁性結合エネルギー(JA)、及びスピンフロップ磁界(Hsf)の各値よりも高い値であることがわかった。
1 下地層
2 シード層
3 反強磁性層
4、43、47 固定磁性層
4a、43a、47a 第1磁性層
4b、4d、43b、47b 非磁性中間層
4c、43c、47c 第2磁性層
5 非磁性材料層
6 フリー磁性層
11、13、55、57 Ru層
12、56 Rh層
14、16 Co層
17 保護層
2 シード層
3 反強磁性層
4、43、47 固定磁性層
4a、43a、47a 第1磁性層
4b、4d、43b、47b 非磁性中間層
4c、43c、47c 第2磁性層
5 非磁性材料層
6 フリー磁性層
11、13、55、57 Ru層
12、56 Rh層
14、16 Co層
17 保護層
Claims (6)
- 磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru層及びRh層を有して形成されることを特徴とする磁気検出素子。 - 前記非磁性中間層は、前記Rh層の上下に前記Ru層が形成された積層構造で形成される請求項1記載の磁気検出素子。
- 前記非磁性中間層の膜厚に対する前記Ru層の膜厚(前記Ru層が複数層設けられている場合は、各Ru層の膜厚)の比(前記Ru層の膜厚/前記非磁性中間層の膜厚)は0より大きく3/7以下である請求項1又は2に記載の磁気検出素子。
- 磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層と、を有し、
前記固定磁性層は、第1磁性層、第2磁性層、及び前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に形成された非磁性中間層を有して構成され、
前記非磁性中間層は、Ru−Rh合金で形成されることを特徴とする磁気検出素子。 - 前記非磁性中間層と前記第1磁性層との間、あるいは、前記非磁性中間層と前記第2磁性層との間、または前記非磁性中間層と前記第1磁性層との間及び前記非磁性中間層と前記第2磁性層との間には、Co層、Ni層あるいはCoNi層が介在する請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出素子。
- 前記非磁性中間層の膜厚は4Å〜9Åの範囲内である請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出素子。
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Legal Events
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| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100309 |