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JP2007014978A - 成形部品の製造方法と装置 - Google Patents

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浩二 板倉
Kazuhiro Mitamura
一広 三田村
Ikuo Nagami
郁夫 永見
Yunosuke Yamada
雄之介 山田
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Abstract

【課題】一体部品でありながら局部的又は連続的に材料強度を高め、軽量化も実現でき、3次元構造や板厚の制御も可能な成形部品の製造方法と装置を提供する。
【解決手段】鍛造型4,5間に挟持された金属板からなる成形素材Pの厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させ、成形素材Pに素材板厚t0より厚い増肉部Zを局部的又は連続的に鍛造成形する一方、増肉部Zが曲げ部3となるように成形素材Pをプレス成形して成形部品Wとし、この成形部品Wを用いて高剛性でかつ高強度な自動車のサスペンション部品などを製造することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、所定部位に素材板厚より厚い増肉部を有する成形部品の製造方法と装置に関する。
一般的に、鋼板、アルミニウム合金板及びマグネシウム合金板のプレス成形部品は、曲げ、絞り、張り出しなどのプレス成形時に板厚が局部的に減肉する。例えば、曲げ成形する場合には、稜線部分では、30%程度も減肉することがある。減肉部分のある成形部品を用いて、例えば自動車用の構造部品を形成すると、曲げやねじりなどの外力が加わったとき、構造部品の剛性が極端に低下するのみではなく、発生応力の増加と疲労寿命などの強度が低下する。したがって、プレス成形時の減肉を避けるためは、工法上の工夫や素材板厚を厚くするといった対策が必要となる。
前者の例としては、下記特許文献1に開示されているように、厚み方向と交差する向きに圧縮力を作用するようにプレス成形し、素材をコーナー部に集め、曲げ変形により生じる板厚の減少を緩和する成形方法がある。
特開平11−82674号公報(要約、段落番号「0019」、図3参照)
しかし、特許文献1の方法では、製造工数が増加し、製造コストが増大するのみでなく、十分な板厚を確保できないおそれがあり、後者の素材板厚を厚くする方法では、板厚の増大により製品が重量増となる。
また、一般的なプレス成形は、大きな偏肉構造の形成が困難であり、板厚の設定も発生応力が大きい部位が律速し、発生応力が小さい部位も発生応力が大きい部位に合わせざるを得ず、軽量化の大きな妨げになっている。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、一体部品でありながら局部的又は連続的に材料強度を高め、軽量化も実現でき、3次元構造や板厚の制御も可能な成形部品の製造方法と装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、鍛造型間に挟持された金属板の厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させ、前記金属板に素材板厚より厚い増肉部を局部的又は連続的に形成する鍛造工程と、前記増肉部が曲げ部となるように前記金属板を成形するプレス工程と、を有する成形部品の製造方法である。
上記目的を達成するための請求項9に記載の発明は、金属板を挟持する部分に凹部を有する一対の鍛造型と、当該鍛造型間に挟持された前記金属板の厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させ、前記凹部内で素材板厚より厚い増肉部を形成するアップセット型と、前記金属板を前記増肉部が曲げ部に位置するように成形するプレス型と、を有する成形部品の製造装置である。
請求項1,9に記載の発明によれば、鍛造により金属板の一部に素材板厚より厚い増肉部を局部的又は連続的に形成し、プレスにより増肉部が曲げ部に位置するように成形するので、簡単に増肉部を形成でき、プレス成形時においても減肉部が生じることなく、強度や剛性の優れた軽量な成形部品を形成できる。また、通常のプレス時に発生し得る減肉部を鍛造にて局部的又は連続的に増肉できるので、一体部品でありながら不必要に素材板厚を厚くすることなく、軽量化が実現でき、所望の部位の強度や剛性を向上させることができる。さらにプレス型によっては3次元構造や板厚の制御も可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係る成形方法により成形した成形部品を示す斜視図、図2は同成形部品の軸直角断面図、図3は同成形方法を工程順に示す概略断面図で、(A)は鍛造型に金属板をセットした状態、(B)はアップセット型により圧縮力を作用させる状態、(C)はプレス型に金属板をセットした状態、(D)はプレス型によるプレス状態をそれぞれ示している。
図1において、本実施形態の成形部品Wは、鋼板、アルミニウム合金板あるいはマグネシュウム合金板などの金属板(以下成形素材P)から構成され、フランジ部Fと溝状部Mとを有する自動車のサスペンション部品あるいは車体骨格部品に使用する軸直角断面がハットチャンネル状をしたものである。
このような形状を有する成形部品Wを、一般にプレス成形すると、側板1と底板2との間の角部3は減肉され剛性も低下することになるので、本実施形態では、成形素材Pの角部3に対応する部分を予め鍛造により増肉した後に、増肉部Zが曲げ部となるようにプレス成形することにしている。
さらに詳述する。本実施形態に係る成形部品の製造装置は、図3(A)(B)に示す上下一対の鍛造型4,5と、これら鍛造型4,5とは別途設けられた、図3(C)(D)に示す上下一対のプレス型10,13とを有している。
鍛造型4,5には、成形素材Pの角部3に対応する位置に端部から他端部まで伸延する凹み部4a,5aが形成されている。凹み部4a,5aの直近位置には、温間あるいは熱間鍛造するときの加熱源である加熱部材6,7がそれぞれ設けられている。加熱部材6,7は、成形素材Pを全体的あるいは局部的に加熱し軟化させることができるものであれば、どのような熱源であってもよく、例えば、電気炉などの加熱炉、電気ヒータ、接触式又は非接触式の高周波誘導加熱などを使用できる。
鍛造型4,5間には、両鍛造型4,5間に挟持された成形素材Pの厚み方向に直交する方向から成形素材Pに圧縮力を作用させるアップセット型8,9が設けられている。アップセット型8,9は、図外の駆動源により駆動されるが、成形素材Pの板厚より厚い増肉部Zを形成するものであるから、両者は、同期的に作動することが好ましい。
上プレス型10は、図3(C)に示すように、ブランクホルダ11とポンチ12とから構成され、下プレス型13は、ポンチ11が入り込む凹状型面15と、凹状型面15の底面15aと側面15bとの間の角凹部16の直近位置に設けられた冷却部材17とを有している。ここに、角凹部16は、成形素材Pに形成された増肉部Zが入り込むことができるように円弧状の凹み(二段形状)となっている。冷却部材17としては、成形素材Pあるいは増肉部Zを、全体的あるいは部分的に冷却し、増肉部Zの硬度を全体的あるいは部分的に高めることができれば、どのようなものであってもよいが、例えば、冷凍機の冷媒配管などを使用することができる。
なお、ポンチ11の先端面や凹状型面15は、図1の成形部品Wを形成するものであるため、3次元に変形した構造を有している。
この製造装置により成形部品Wを形成する方法を図3に基づいて説明する。
まず、図3(A)に示すように、鍛造型4,5間に成形素材Pをセットし、これを挟持するとともに加熱部材6,7により成形素材Pの凹み部4a,5aに対応する部分を加熱する。ただし、成形素材Pを予め電気炉などにより全体的に加熱したものをセットしてもよい。
次に、両アップセット型8,9を同期的に作動し、成形素材Pの厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させる。これにより成形素材Pの加熱された部位は、加熱されない部位より変形抵抗は小さいので、容易に座屈し、凹み部4a,5a内に流れ込み、図3(B)に示すように、増肉部Zが成形素材Pに形成される。
なお、増肉部Zを成形素材Pの全長にわたって形成する場合は、凹み部4a,5aを鍛造型4,5の端部から他端部まで伸延するように形成し、加熱部材6,7により成形素材Pの凹み部4a,5aを加熱する。これにより成形素材Pに筋状の増肉部Zが形成されることになる。また、増肉部Zを部分的に形成する場合は、凹み部4a,5aは鍛造型4,5の一部に形成するが、成形素材P全体を加熱しておけば、アップセット型8,9の圧縮力により凹み部4a,5a内に円滑に流入し易くなる。
このようにして増肉部Zが形成された成形素材Pは、図3(C)に示すプレス型10,13間に搬送され、下プレス型13上にセットされる。なお、この搬送は、増肉部Zが冷却しないように、極めて速やかに行なわれることが好ましい。
上プレス型10のブランクホルダ11で成形素材Pを拘束し、ポンチ12を下降して圧造すると、成形素材Pは、底面部が肉厚変化することなく側面部が絞られ、図3(D)に示すように成形されるが、この成形時に増肉部Zは角凹部16に入り込んだ状態になるので、大きな変形を受けることはなく、外方に凸になるが反対の内面側に凹部が生じることはない。
また、熱間又は温間にて鍛造し、プレスした成形素材Pの増肉部Zは、近傍の冷却部材17にて全体的又は局部的に急速冷却されるので、増肉部Zの硬度が部分的あるいは全体的に増大し、高強度化することができる。例えば、成形素材Pとして、炭素量が0.2%前後で引張り強さ440Mpa級の板厚4mmの熱延鋼板を用い、これを全体的又は局部的にオーステナイト領域に加熱した後、プレス成形時に急速冷却すると、1200MPa程度の引張強さを有するものにすることができる。
このようにして形成された成形部品Wは、底面部の肉厚変化が抑えられ、角部に硬度のある増肉部Zを有するものとなり、高剛性でかつ高強度なハットチャンネル状のものに成形されることになる。なお、成形部品Wは、必要に応じ、ショットブラストなどの研創処理を施してもよい。
前述の成形素材Pは、冷却部材17により冷却し増肉部Zの硬度を増大しているが、冷間鍛造あるいは温間、熱間の場合であっても増肉部Zの表面を叩打する表面処理を施し、増肉部Zの硬度を高めてもよい。
図4(A)は前述の成形部品Wから形成した自動車のサスペンション部品を示す斜視図、図4(B)は軸直角端面図である。
成形部品Wから自動車のサスペンション部品あるいは車体骨格部品を形成するには、図4(A)(B)に示すように、2つの成形部品Wを上下に突き合わせ、フランジ部Fに溶接などを施して接合する。
図2に示すように、成形部品Wの角部の肉厚を「tR」、成形素材Pの板厚を「t0」とすると、両者の比tR/t0が増加すれば、曲げ剛性は向上することになるが、本実施形態では、さらに角部3が外側に突出しているもの(外方突出角部Xと称す)であるため、曲げ剛性はさらに向上し、プレス成形のみで成形する構造部材に対し、後述する図6(A)のような、等曲げ剛性設計の場合で比較すると大幅に軽量化が可能となる。
<変形例>
図5(A)は本実施形態の変形例を示す斜視図、(B)は軸直角端面図である。前記実施形態の角部3は、成形素材Pの外面より外側に突出して形成されているが、これのみでなく、図5に示すように、内側に突出させてもよい(内方突出角部Yと称す)。上プレス型10のポンチ12の角部をなだらかに形成し、下プレス型13に先述した角凹部16を形成せず、なだらかな円弧面とすれば、成形素材Pをプレス成形した場合に、増肉部Zは角凹部16に入り込むことなく、内方突出する。
このようにして形成された成形部品Wから自動車のサスペンション部品などを形成するために、図5(A)(B)に示すように、2つの成形部品Wを上下につきあわせ、フランジ部Fに溶接などを施して接合すると、前述したものと同様に曲げ剛性が向上し、大幅に軽量化することが可能となる。
図6は、実験で使用する試験片の断面図で、(A)は外方突出角部Xを用いた試験片、(B)は内方突出角部Yを用いた試験片を示し、図7は、板厚1.8mmの鋼板を用いて板厚比tR/t0を変化させた時の曲げ剛性評価を示すグラフである。実験では、外方突出角部X、内方突出角部Yのいずれもフランジ部Fを除去した、等曲げ剛性設計のものを使用した。
この結果、板厚比tR/t0=2では、いずれも曲げ剛性は20%程度向上することが判明した。しかし、板厚比tR/t0≧2では、外方突出角部Xの方が内方突出角部Yより曲げ剛性が大きいことが判明した。
増肉部Zを形成していない素材板厚t0の仮想成形部品と比較すれば、本実施形態のものは重量増となるが、剛性律速の部品においては、それ以上に剛性増加の効果は大きく、実際はより薄い板厚の鋼板を用いることが可能となり、実質的な軽量化が可能となる。また、同時に強度も向上することができるため、強度と剛性をバランスさせた最適設計が可能となり、さらなる軽量化が期待できる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、上述した実施形態では、鍛造工程の後に、別のダイセットを用いて単に曲げプレス工程を行なっているが、これのみでなく、同一のダイセットを使用し、鍛造工程とプレス工程とを同時に行なってもよい。このようにすれば、成形素材Pの移動がなく、作業性が向上する。
また、プレス加工は、単に曲げプレスのみでなく、絞り、張り出し、穴あけなどのプレス成形工程を組み合わせて行なってもよく、増肉部Zも任意の部位に少なくとも1箇所以上成形してもよい。
さらに、先述した実施形態のものは、軸直角断面が矩形状をしたものであるが、これのみに限定されるものではなく、種々の断面形状をしたものにも適用可能であることはいうまでもない。
本発明は、高剛性でかつ高強度な自動車のサスペンション部品などを製造できる。
本発明の実施形態に係る成形方法により成形した成形部品を示す斜視図である。 同成形部品の軸直角断面図である。 同成形方法を工程順に示す概略断面図で、(A)は鍛造型に金属板をセットした状態、(B)はアップセット型により圧縮力を作用させる状態、(C)はプレス型に金属板をセットした状態、(D)はプレス型によるプレス状態をそれぞれ示している。 (A)は自動車のサスペンション部品を示す斜視図、(B)は軸直角端面図である。 (A)は本実施形態の変形例を示す斜視図、(B)は軸直角端面図である。 実験で使用する試験片の端面図で、(A)は外方突出部を用いた試験片、(B)は内方突出部を用いた試験片を示している。 外方突出増肉部と内方突出増肉部とを比較する実験結果のグラフである。
符号の説明
3…曲げ部、
4,5…鍛造型、
4a,5a…鍛造型の凹部、
6、7…加熱手段、
8,9…アップセット型、
10、13…プレス型、
17…冷却手段、
F…フランジ、
P…成形素材、
t0…素材板厚、
tR…増肉部の板厚、
W…成形部品、
Z…増肉部。

Claims (16)

  1. 鍛造型間に挟持された金属板の厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させ、前記金属板に素材板厚より厚い増肉部を局部的又は連続的に形成する鍛造工程と、前記増肉部が曲げ部となるように前記金属板を成形するプレス工程と、を有する成形部品の製造方法。
  2. 前記鍛造工程は、冷間、温間又は熱間の少なくても一つの温度域で前記増肉部を形成することを特徴とする請求項1に記載の成形部品の製造方法。
  3. 前記温間又は熱間の鍛造工程は、前記金属板を全体的又は局部的に加熱することを特徴とする請求項2に記載の成形部品の製造方法。
  4. 前記鍛造工程は、前記増肉部の少なくとも一部を加工硬化させることにより当該増肉部を任意の硬度に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形部品の製造方法。
  5. 前記鍛造工程は、前記増肉部の少なくとも一部を冷却することにより当該増肉部を任意の硬度に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形部品の製造方法。
  6. 前記鍛造工程とプレス工程は、同一のダイセット内で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形部品の製造方法。
  7. 前記鍛造工程とプレス工程は、同時に行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形部品の製造方法。
  8. 前記成形部品は、自動車のサスペンション部品若しくは車体骨格部品である請求項1〜7のいずれかに記載の成形部品の製造方法。
  9. 金属板を挟持する部分に凹部を有する一対の鍛造型と、当該鍛造型間に挟持された前記金属板の厚み方向に直交する方向から圧縮力を作用させ、前記凹部内で素材板厚より厚い増肉部を形成するアップセット型と、前記金属板を前記増肉部が曲げ部に位置するように成形するプレス型と、を有する成形部品の製造装置。
  10. 前記鍛造型は、冷間、温間又は熱間の少なくても一つの温度域で前記増肉部を形成することを特徴とする請求項9に記載の成形部品の製造装置。
  11. 前記鍛造型は、全体的又は局部的に加熱した前記金属板を温間又は熱間鍛造することを特徴とする請求項10に記載の成形部品の製造装置。
  12. 前記鍛造型は、前記凹部に対応する金属板を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項11に記載の成形部品の製造装置。
  13. 前記プレス型は、前記増肉部の少なくとも一部を冷却し当該増肉部の硬度を制御する冷却手段を有することを特徴とする請求項9に記載の成形部品の製造装置。
  14. 前記プレス型は、前記鍛造型を用いてプレス成形することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の製造装置。
  15. 前記増肉部は、少なくとも一部を加工硬化し任意の硬度に制御したことを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の成形部品の製造装置。
  16. 前記成形部品は、自動車のサスペンション部品若しくは車体骨格部品を形成するものである請求項9〜15のいずれかに記載の成形部品の製造装置。
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