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JP2007010863A - 位相差フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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JP2007010863A
JP2007010863A JP2005189738A JP2005189738A JP2007010863A JP 2007010863 A JP2007010863 A JP 2007010863A JP 2005189738 A JP2005189738 A JP 2005189738A JP 2005189738 A JP2005189738 A JP 2005189738A JP 2007010863 A JP2007010863 A JP 2007010863A
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Yoshinori Ikeda
吉紀 池田
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
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Teijin Ltd
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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い位相差安定性を付与した位相差フィルム、及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に配向したフィルムであって、該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が100〜180℃の範囲にあり、かつ該ガラス転移点における吸熱量が0.01〜5.0J/gの範囲にあることを特徴とする位相差フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置、発光素子、防眩フィルム、光記録装置、偏光ビームスプリッター等の光学素子において用いられる、寸法安定性、光学特性の耐環境安定性に優れた位相差フィルム及びその製造方法に関する。
近年液晶表示装置の進歩は著しく、液晶表示装置の応用として、電卓、腕時計、携帯電話、デジカメ等の小型のものから、PDA、カーナビ、POSシステムなどの中型、さらには、パソコンの液晶モニタ、液晶テレビなどの大型液晶表示装置まで多種多様なものに商品応用されており、液晶表示装置に用いられる部材の品質、及び機能向上は益々要求が高まっている。もちろんそれらに用いられる材料への耐環境性の要求は厳しくなっている。この液晶表示装置には、液晶の色補償、視野角の拡大、コントラストの向上といった表示品位の改善のため位相差フィルムが通常用いられている。この位相差フィルムには、これまでポリマー素材としてはポリカーボネート等が広く使われてきた。しかし、最近この位相差フィルムの材料として、非晶性ポリオレフィンと呼ばれる樹脂が注目を浴びている。非晶性ポリオレフィンとは、脂環族構造を入れて耐熱性を高め非晶性にしたポリオレフィンであり、透明性が高くまた吸水率が低いため寸法安定性に優れるという特徴がある。さらに芳香族成分を含まないため光弾性定数が極めて低いという特徴がある。
かかる非晶性ポリオレフィンは、構造上大きく2つに分類することが出来る。一つは環状オレフィンを開環重合した後、生成した主鎖の二重結合を水素添加することにより得られるもので、日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONEX」、「ZEONOR」、JSR(株)製の商品名「ARTON」等の樹脂がすでに上市されている。もう一つは環状オレフィンをエチレンとビニル型共重合させて得られるものであり、商業化されているものとして三井化学(株)製の商品名「APEL」、TICONA社製の商品名「TOPAS」等がある。これらについてはこれまで位相差特性や製造方法、液晶表示装置への組み込み等、位相差フィルムとしての検討がなされている(例えば特許文献1〜9参照)。
しかし、かかる非晶性ポリオレフィンは、吸水率が低いため寸法安定性に優れる特性は有しているものの、脂環族構造を入れて耐熱性を高めたとは言え、オレフィン骨格を主体としているために、ガラス転移点温度は130〜160℃程度と低く、耐久性、特に耐熱性における位相差安定性に問題が残される。
特開平4−245202号公報 特開平5−002108号公報 特許第3273046号公報 特開平6−59121号公報 特開平8−43812号公報 特許第3470567号公報 特開2001−042130号公報 特開2003−306557号公報 特許第3497894号公報
位相差安定性の高い位相差フィルムを検討するに際し、例えば上記の非晶性ポリオレフィンに注目してみると、この非晶質ポリオレフィンの耐熱性を高め位相差安定性を向上させるために、脂環族構造を分子骨格に導入したものが実用化されているが、このような脂環族構造の場合、それの割合が多くなりすぎると、得られる非晶性ポリオレフィンからなるフィルムの機械強度が低下して、割れやすい材料となり、位相差フィルムとして取り扱うことが困難になる。また、反面、非晶性ポリオレフィンの耐熱性が低いと、耐環境性の面において位相差変化等の光学特性の変化が顕著になり、位相差フィルムとしての特性を満足に保持することが出来ない。このため、非晶性ポリオレフィンを位相差フィルムとして用いる場合では、適度な機械強度を有する材料に対して、位相差安定性を付与する技術が必要不可欠となっている。
本発明の目的は、高い位相差安定性を付与した位相差フィルム、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために位相差フィルムの高分子材料、製造方法等を鋭意検討した。その結果、ガラス転移点温度が特定範囲にあり、当該ガラス転移点における吸熱量が特定量を有する熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムとすることによって、高い位相差安定性を付与することを見出した。また、熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを、90℃〜(ガラス転移点−5℃)の温度範囲において、1分間〜1000時間熱処理(以下アニール処理ということがある)を施すことによってそのような位相差フィルムを効果的に製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の〔1〕〜〔9〕により達成することが出来た。
〔1〕熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に配向したフィルムであって、該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が100〜180℃の範囲にあり、かつ該ガラス転移点における吸熱量が0.01〜5.0J/gの範囲にあることを特徴とする位相差フィルム。
〔2〕上記熱可塑性樹脂が非晶性ポリオレフィンである上記〔1〕の位相差フィルム。
〔3〕上記非晶性ポリオレフィンが、i)エチレンとノルボルネンからなる共重合体であり、ii)ノルボルネン単位の2連鎖部位(ダイアド)の立体規則性に関してメソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4である上記〔2〕の位相差フィルム。
〔4〕熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを、1分間〜1000時間の範囲内で90℃〜(ガラス転移点−5℃)の温度で加熱処理することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
〔5〕偏光フィルムと上記〔1〕〜〔3〕のいずれかの位相差フィルムとからなる円偏光フィルム。
〔6〕上記〔5〕の円偏光フィルムを用いたことを特徴とする発光素子。
〔7〕偏光フィルムと上記〔1〕〜〔3〕のいずれかの位相差フィルムからなる楕円偏光フィルム。
〔8〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかの位相差フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
〔9〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれかの位相差フィルムを用いたことを特徴とする光学装置。
本発明者らは、位相差フィルムの位相差安定性を高めることとして、高分子材料の耐熱性を高めること以外に、適切な温度及び時間範囲内でアニール処理を施す方法を見出した。また、位相差安定性を有する熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムの物性として、ガラス転移点温度100〜180℃、ガラス転移点における吸熱量が0.01〜5.0J/gが必要であることを見出した。これにより、寸法安定性、位相差安定性に優れた位相差フィルムを提供することができた。
このように本発明の位相差フィルムは、位相差安定性が高いので、高温高湿下においても、寸法、位相差値が変化しない耐湿熱性に優れた特性を有する。
本発明によれば、非晶性ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に配向したフィルムであって、該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度を100〜180℃の範囲とし、当該ガラス転移点における吸熱量が0.01〜5.0J/gの範囲にある位相差フィルムにより、寸法安定性、位相差安定性に優れた位相差フィルムを得ることが可能となった。また、このような位相差フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを、特定の温度及び時間条件で熱処理(アニール処理)を施す方法を実現した。
かくして得られた位相差フィルムは、偏光板と組み合わせることで、円偏光フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大偏光フィルムを提供可能であり、また、反透過反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置等と組み合わせて、液晶表示装置の輝度を高め、且つ広い温度、湿度範囲における環境下で画面品質を損なわない液晶表示装置を提供することを実現できる。
〔熱可塑性樹脂〕
本発明においては、熱可塑性樹脂をフィルム状に加工して、それを延伸などの操作をして分子配向させることで位相差フィルムが形成される。本発明に用いる熱可塑性樹脂としては透明性に優れた配向フィルムを形成できるものを用いればよく、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリスチレンなどの芳香族ビニルポリマー類、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート類、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルペンテン−1、脂環式ポリオレフィン類(例えばジシクロペンタジエン系ポリオレフィンやノルボルネン系ポリオレフィンなどの環状オレフィンの開環(共)重合体、その水素添加(共)重合体、環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体など)、例えばトリシクロデカニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレートとメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、非晶質ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、並びに環状オレフィン、シクロペンタジエン、芳香族ビニル化合物のカチオン(共)重合体の水素添加重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらはブレンド高分子からなるものでも、共重合体からなるもの、また共重合体とブレンド高分子の混合体のいずれでも構わない。この中でも、位相差フィルムとして好ましい光学特性を有するものとしては、ポリカーボネート、並びに非晶性のポリオレフィンを挙げることができる。
また、本発明における熱可塑性樹脂は、モノマーの付加重合、或いは重縮合等合成によって得られる合成樹脂、合成ゴムなどの合成高分子化合物のすべてを指し、天然物から得られるセルロース、デンプンなどの多糖や、ゼラチン、ケラチンなどのたんぱく質、或いは石綿、雲母などの鉱物由来物質、酵素、核酸などの天然高分子化合物、また天然高分子化合物からの誘導体も含む。
また、上記熱可塑性樹脂は、位相差フィルムとして加工、または取り扱うために、十分耐えうる機械特性を有することが重要である。したがって、熱可塑性樹脂の重量平均分子量として1000〜500000であることが好ましく、3000〜100000がさらに好ましく、5000〜50000が最も好ましい。また、本発明の位相差フィルムは、熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が100℃以上180℃以下であるのである程度の耐環境性を有している。該ガラス転移点温度は110℃以上180℃以下が好ましく、120℃以上180℃以下がより好ましい。ガラス転移点温度が180℃を超えると、フィルムの機械強度が強くなりすぎて、フィルムが割れやすくなり位相差フィルムとして用いることが困難となる。また、フィルム延伸加工自体も困難になる。
上記熱可塑性樹脂は吸水率が低いことが好ましい。吸水率が0.2%を超えると吸湿による体積変化の影響が大きいために、位相差フィルムとした場合の光学特性を均一に保つことが出来ず、液晶表示素子の画質を良好に保つことが難しい。このために熱可塑性樹脂の吸水率としては、0.2%以下が好ましく、0.15%以下がより好ましく、0.1%以下が最も好ましい。
熱可塑性樹脂の具体的樹脂としては、耐熱性、機械特性、透明性等の様々な点において、特に非晶性ポリオレフィンが好ましい。
〔非晶性ポリオレフィン〕
本発明における非晶性ポリオレフィンとは、エチレンとノルボルネンとがビニル型重合した共重合体であり、以下で示される繰り返し単位(A)および(B)からなるものである。
Figure 2007010863
さらに本発明ではかかる共重合体のガラス転移点温度(Tg)が100℃から180℃の範囲である。この共重合体は繰り返し単位(A)、(B)の組成とガラス転移点温度がほぼ相関しており、そのモル比が(A)/(B)=61/39〜40/60の範囲にあることが好ましい。より好ましいガラス転移点温度の範囲は120℃から160℃の範囲であり、モル比(A)/(B)=57/43〜46/54の範囲である。かかる組成は13C−NMR測定により求めることが出来る。
また上記共重合体は上記(A)、(B)以外にも本発明の目的を損なわない範囲で他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。かかる他のビニルモノマーとして具体的には、下記式(C)で表される環状オレフィン、
Figure 2007010863
[式(C)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、pは0または1であり、R〜R20は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和脂肪族炭化水素基であり、また、R17とR18とで、あるいはR19とR20とでアルキリデン基を形成していてもよく、また、R17またはR18と、R19またはR20とが環を形成していてもよく、かつ該環が二重結合を有していてもよい。]、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン等のシクロオレフィン等を挙げることが出来る。この中で炭素数3〜18のα−オレフィンは共重合の際の分子量調節剤として用いることが出来、中でも1−ヘキセンが好適に用いられる。かかるその他のビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が全体の10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
上記エチレンとノルボルネンの共重合体の分子量は、温度30℃、濃度0.5g/dLのシクロヘキサン溶液にて測定した還元粘度ηsp/cで、0.1〜10dL/gの範囲内であり、0.3〜3dL/gであることがより好ましい。還元粘度ηsp/cが0.1より小さいとフィルムが脆くなり好ましくなく、10より大きいと溶融粘度が高くなりすぎてフィルムの溶融製膜が困難となる。
本発明では、共重合体1種類をそのまま用いても良いし、その組成や分子量が異なる共重合体2種類以上をブレンドして用いても良い。このようなブレンド体の場合には上記の好ましい組成や分子量とは、ブレンド体全体でのことを示す。かかるブレンド体を用いる場合は、相溶性の観点から共重合組成が近いものを用いることが好ましい。組成があまり離れている場合はブレンドにより相分離を起こす可能性があり、製膜時または延伸配向時にフィルムが白化する恐れがある。
一般にエチレン−ノルボルネン共重合体は、重合方法、用いる触媒、組成等によるが、いずれの場合においてもノルボルネン成分の連鎖部位がある程度存在している。ビニル重合タイプのノルボルネン成分の2連鎖部位(以下、NNダイアド)における立体規則性については下記式(D)で表される繰り返し単位(メソ型)と下記式(E)で表される繰り返し単位(ラセモ型)の2通りの立体異性体があることが知られている。
Figure 2007010863
本発明における共重合体はかかる立体規則性に関し、メソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4(モル比)であるものを好ましく用いることができる。より好ましくは[メソ型]/[ラセモ型]>6である。比率の上限については特に制限はなく、高いほど複屈折の発現性には好適であり好ましい。なおここでいうNNダイアド立体異性体の存在比率は、エチレン−ノルボルネン共重合体の立体規則性を解析した参考文献(Macromol.Rapid Commun.20,279(1999))から13C−NMRで求めることが可能であり、本発明では重オルトジクロロベンゼン溶媒で測定した13C−NMRにおいて、[メソ型]/[ラセモ型]=[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積]/[13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]で計算したものを指す。該比率が4以下と小さくなるほど、すなわちラセモ型の割合が多くなるほど複屈折の発現性が低くなるが、もちろんフィルムの厚みを厚くする、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くして延伸する等の手段により所望の位相差値を得られる場合もあるが、薄膜化、生産性等の観点から好ましくない。
また13C−NMRによる解析では、全ノルボルネン成分量に対するNNダイアドの存在比率(モル分率)、すなわちノルボルネン成分がどのくらい連鎖構造を形成しているかを求めることも出来、本発明ではおよそ0.1〜0.6の範囲にある。ここでいうモル分率とは、[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積+13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]/[全ノルボルネン成分の炭素原子1個分のピーク面積]で計算されるものである。
上記エチレン−ノルボルネン共重合体の製造方法としては、例えば、メタロセン触媒を用いてエチレンとノルボルネンを共重合する方法を好ましく挙げることが出来る。かかる際に用いるメタロセンは下記式(F)
Figure 2007010863
で表される。ここで、上記式(F)中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムよりなる群より選ばれる金属であり、R24とR25は同一もしくは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、R22とR23は同一もしくは異なっていて、中心金属Mと共にサンドイッチ構造を形成することのできる単環状あるいは多環状炭化水素基であり、R21はR22基とR23基を連結するブリッジであって、下記式群
Figure 2007010863
であり、このときR26〜R29は同一または異なっていて、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリールオキシ基であるか、あるいはR26とR27またはR28とR29とが環を形成していていもよい。
ここで、配位子であるR22とR23が、同一の場合は中心金属Mに対してC2対称性を有し、異なる場合にはC1対称性を有するものが好ましい。R22とR23はシクロペンタジエニル基、インデニル基、そのアルキルまたはアリール置換体が好ましく、中心金属Mはジルコニウムであることが触媒活性の面で最も好ましい。R24及びR25は同一または異なっても良いが、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。R26〜R29は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基が好ましく、R21としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの低級アルキレン基、イソプロピリデンなどのアルキリデン基、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレンなどの置換シリレン基を好ましく例示することが出来る。
好ましいメタロセンとして具体的には、イソプロピリデン−(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−[(3−メチル)シクロペンタジエニル](1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド等を挙げることが出来る。これらは単独で用いても、また2種類以上組み合わせて用いても良い。またメタロセンの助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物であるメチルアルミノキサン、あるいはイオン性ホウ素化合物とアルキルアルミニウム化合物の組み合わせ等、公知のものを用いることが出来る。
かかるメタロセン触媒を使用して、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いた公知の重合方法により目的の共重合体を重合することが出来、得られた共重合体をアルコール等の貧溶媒に再沈して洗浄する、あるいは触媒を吸着剤に吸着させる、なんらかの添加剤を加えて凝集させ析出させる等により溶液から濾別した後、溶媒を留去することにより単離することが出来る。
上記共重合体の製造(合成)に際しては必要に応じて、イルガノックス1010、1076(チバガイギー製)等の公知の酸化防止剤、滑剤、可塑剤、界面活性化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を加えてもよい。
〔位相差フィルム〕
本発明の位相差フィルムは、少なくとも一軸方向にポリマーの分子鎖が配向し位相差を持つフィルムである。この位相差フィルムは光学的一軸または二軸性フィルムであっても構わない。
本発明の位相差フィルムは、前記した熱可塑性樹脂をフィルム状に製膜しその後延伸することにより製造することが出来る。
具体的な製膜方法としては、例えば溶液キャスト法、溶融押し出し法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法にて熱可塑性樹脂の未延伸フィルムを製造し、ついで後述する一軸あるいはニ軸延伸により延伸して製膜することが出来る。なかでも溶融押し出し法が生産性、経済性の面、また溶媒フリーという環境面からも好ましい。溶融押し出し法では、Tダイを用いて樹脂を押し出し冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。押し出し時の樹脂温度としては、該樹脂の流動性、熱安定性等を勘案して決められる。例えば熱可塑性樹脂として、前記エチレン−ノルボルネン共重合体の場合には、220℃から300℃の範囲で行うことが好ましい。220℃より低いと樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ、また300℃を超えると樹脂の分解劣化、ゲル化によりフィルムの透明性、均質性が損なわれる懸念が生じる。より好ましくは220℃から280℃の範囲である。溶融押し出し時の樹脂の酸化劣化を抑制するため、酸化防止剤を添加しておくことが好ましい。また該共重合体を溶液キャスト方法で製膜する場合は、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、デカリン等の炭化水素系溶媒が好適に用いられる。これらの方法による未延伸フィルムの製膜においては出来るだけ厚みむらを小さくすることが好ましい。この時点で厚みむらが大きいとこの後の延伸工程にて得られる位相差フィルムの位相差むらも大きくなってしまう可能性が高いためである。厚みむらは平均厚みに対して±8%以下であることが好ましく、より好ましくは±5%以下である。未延伸フィルム段階での厚みは、延伸後の位相差フィルムにおける所望の位相差値、厚みを勘案して決められるが、30〜400μmの範囲であり、より好ましくは40〜300μmの範囲である。
かくして得られた未延伸フィルムを一軸あるいはニ軸延伸することにより、本発明の位相差フィルムが得られる。延伸方法としては、例えばロール間で延伸する縦一軸延伸、テンターを用いる横一軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時ニ軸延伸、逐次ニ軸延伸など公知の方法を用いることが出来る。また連続で行うことが生産性の点で好ましいが、バッチ式で行ってもよい。延伸温度は用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点付近がよく、例えばエチレン−ノルボルネン共重合体の場合には、ガラス転移点温度(Tg)に対して、(Tg−20℃)〜(Tg+30℃)の範囲内であり、好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg+20℃)の範囲内である。延伸倍率は目的とする位相差値により決められるが、縦、横それぞれ、1.05〜4倍、より好ましくは1.1〜3倍である。
本発明で得られる好ましい位相差フィルムの一つとして、波長550nmにおけるフィルム面内の位相差R(550)、Rth(550)が下記式(1)、(2)の範囲にあって、かつ厚みが10〜150μmである位相差フィルムが挙げられる。
0nm<R(550)<300nm ・・・(1)
50nm<Rth(550)<400nm ・・・(2)
ここで位相差R、Rthとは下記式(3)、(4)で定義されるものであり、フィルムに垂直方向に透過する光の位相の遅れを表す特性である。
R=(nx−ny)×d ・・・(3)
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(4)
式中、nxはフィルム面内の遅相軸(最も屈折率が高い軸)の屈折率のことであり、nyはフィルム面内でnxと垂直方向の屈折率、nzはx軸およびy軸に垂直な厚み方向の屈折率であり、dは厚みである。また、式中、R(550)、Rth(550)はそれぞれ波長550nmにおける面内の位相差値、厚み方向の位相差値である。
位相差フィルムの厚みは、10〜150μmであることが好ましく、30〜120μmがより好ましく、さらに好ましくは30〜100μmである。かかる位相差フィルムは一軸延伸または二軸延伸により作成することが出来、λ/4板、λ/2板、λ板等に好適に用いられる。
次に、本発明における熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムのガラス転移点近傍における吸熱量について説明する。これは熱可塑性樹脂をガラス転移点温度以下の温度でアニール処理することにより生じるポリマー中の非晶質に生じる緩和現象(一般にエンタルピー緩和と呼ぶ)の際に顕著に見られる吸熱ピークであるが、この熱可塑性樹脂の非晶質の緩和により生じたガラス転移点近傍に現れる吸熱量を示す。ガラス転移点の吸熱量は、具体的にはDSCによって測定して得られるチャート(図1)の2に示した部分であり、吸熱点を通過後のベースラインを延長した直線1によって囲まれる部分1の面積によって定義され、単位はJ/gとなる。この位相差フィルムのガラス転移点近傍の吸熱量は、非晶質の緩和減少の程度を表しており、吸熱量が0.01J/gより小さいと、非晶質の緩和減少が不足するために、位相差フィルムにおいて位相差安定性が不十分となる。一方、ガラス転移点近傍の吸熱量5J/gを超えるには、実際上、アニール処理が長時間必要であり、加工プロセス上問題となる。ガラス転移点近傍における吸熱量は、0.01〜4J/gがより好ましく、0.01〜3J/gがさらに好ましい。
本発明の位相差フィルム中には必要に応じて、イルガノックス1010、1076(チバガイギー製)等の公知の酸化防止剤、滑剤、可塑剤、界面活性化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
〔位相差フィルムのアニール処理方法〕
本発明の位相差フィルムは、アニール処理方法することによって得ることができる。具体的方法としては、熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを、90℃〜(ガラス転移点−5)℃の温度範囲において、1分間〜1000時間加熱処理を施すことを意味する。これは、熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムにおいて、非晶質の緩和を上記のエンタルピー緩和により効率的に促進するものである。90℃未満のアニール処理では、エンタルピー緩和を得るために長時間必要となり、加工プロセス上問題となる。(ガラス転移温度−5)℃より高い温度でのアニール処理では、位相差フィルム自体のポリマー分子鎖の配向が緩和してしまい、位相差値が大きく低下してしまい、光学特性を満足に保持することが出来ない。
また、1分未満のアニール処理では、フィルムに均一にアニール効果を得ることが困難である。また1000時間を越えるアニール処理では、熱可塑性樹脂自体の熱加速試験となり、フィルムの黄変や可塑化が起こることがあり、位相差フィルムとして用いることが出来なくなる。アニール処理条件としては好ましくは、95℃〜(ガラス転移点−7)℃の温度範囲において、5分間〜500時間アニール処理を施すこと、より好ましくは、100℃〜(ガラス転移点−10)℃の温度範囲において、10分間〜100時間行うことが良い。
上記アニール処理方法を行う環境としては、位相差フィルムのロールを均一に保ったオーブンに保持する方法、または、オーブンの中をロールを所定の温度、時間において、搬送させる方法等が挙げられるが、位相差フィルムに均一、均等に熱が与えられる方法であればよい。
〔位相差フィルム、円偏光フィルム、楕円偏光フィルム、及びそれらを用いた液晶表示素子、または光学装置〕
本発明の位相差フィルムは、4分の1波長板など各種波長板に用いることができる。
ここで、位相差フィルムとして、4分の1波長板は、例えば、偏光フィルム1枚だけを使用し裏面電極を反射電極と兼ねた構成である反射型液晶表示装置に用いることにより、画質に優れた反射型表示装置を得ることが可能である。また、ゲストホスト型の液晶層の観測者に対して裏面側にこの位相差フィルムを用いることも可能である。これらの場合、位相差フィルムの役割は、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に可視光領域において変換することである。また、左右どちらか一方の円偏光のみを反射するコレステリック液晶等から構成される反射型偏光フィルムの円偏光を直線偏光に変換する素子としても、同様に使用することが出来る。
また、本発明の位相差フィルムは、粘着層あるいは接着層を介して偏光フィルムと貼り合わせて円偏光フィルムまたは楕円偏光フィルムとしたり、また、位相差フィルム上に何らかの材料をコーティングして湿熱耐久性を向上させたり、耐溶剤性を改良したりしても良い。
本発明の位相差フィルムどうしを2枚以上積層して、あるいは本発明の位相差フィルムと他の光学フィルム(透明フィルム、透明導電性フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、光学補償板等)とを積層することにより、例えば広範囲の波長域で理想的なλ/4板やλ/2板を製作するなど各種の用途に適合した位相差フィルムあるいは光学フィルムを得ることができるものである。
また、このような位相差フィルムを液晶表示装置特に偏光フィルム1枚型反射型液晶表示装置に用いることにより、画質に優れた表示装置を得ることが出来る。この反射型液晶表示装置とは、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、散乱反射電極付基板の順に構成されているもの、偏光フィルム、散乱板、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、鏡面反射電極付基板の順に構成されているもの、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、透明電極付基板、反射層の順に構成されているもの等である。さらに、該4分の1波長板は透過型と反射型の両方を兼ね備えた液晶表示装置においても使用し得る。該液晶表示装置の構成としては例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、反射透過兼用電極付基板、位相差フィルム、偏光フィルム、バックライトシステム等である。さらに、例えばコレステリック液晶よりなる左右どちらかの円偏光のみ反射する反射型偏光フィルムにおいて、円偏光を直線偏光に変換する素子として使用すれば、良好な直線偏光が得られる。
さらにまた、本発明の位相差フィルムは、光記録装置の光ヘッドにおいて用いられる4分の1波長板としても用いることができる。特に、かかる位相差フィルムは、多波長に対して4分の1波長との位相差を与えることができるので、複数のレーザー光源を使う光ヘッドにおいて、位相差板の数を減らすことに寄与することができる。
また、液晶プロジェクター等に於ける光学部材として、例えば、4分の1、2分の1波長板等として偏光変換素子や偏光ビームスプリッター等に本発明の位相差フィルムを用いても良い。
また、発光素子である有機または無機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層の裏側に金属電極を用いているが、この金属電極は光を反射するので、外光存在下ではコントラストが低下する等、著しく視認性が低下する。これを防ぐために、本発明の位相差フィルムと偏光フィルムを組み合わせて円偏光フィルムとし、これを反射防止フィルムとして用いてもよい。この円偏光フィルムは、可視光の広い波長範囲で位相差を4分の1波長とすることが可能な本発明の位相差フィルムを用いているので、広帯域の波長において反射を防止できるため、反射光に着色が少なく視認性に優れた素子を提供することが出来る。また、タッチパネルとして用いても良く、CRT、PDPに用いても良い。
さらに、本発明の位相差フィルムを、透過型液晶表示装置の色調改善や視野角拡大等の画質向上フィルムとして用いることが出来る。液晶表示装置としては例えば、ツイストネマチックモード、垂直配向モード、OCB(Optically compensated Bend)配向モード、インプレインスイッチングモード等を挙げることが出来る。
本発明の位相差フィルムを他の位相差フィルムや視野角拡大フィルムのような光学補償フィルムと同時に使用しても良い(例えば、ディスコティック液晶や高分子液晶層をフィルムの膜厚方向に配向させた視野角拡大フィルムなど、)。さらに、液晶表示装置として、強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたものに、本発明の位相差フィルムを使用しても良い。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)ガラス転移温度(Tg):TAInstruments製示差走査熱量計(DSC)Q10を使用し、昇温速度は20℃/分で測定した。
(2)吸水率の測定:アメリカ工業規格 ASTM D570に準拠して、測定を行った。
(3)ガラス転移点における吸熱量:TAInstruments製示差走査熱量計(DSC)Q10を使用し、昇温速度20℃/分、測定温度範囲30〜300℃で行った。ガラス転移点における吸熱量の測定は、図1に示す部分1を算出した。
(4)R値、Rth値の測定
複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値、面内に対して垂直方向な位相差K値は、王子計測機器社製の商品名『KOBRA21−ADH』により測定した。R値は入射光線とフィルムの表面が垂直する状態で測定しており、R=Δn・d=(nx−ny)・d、Rth=((nx+ny)/2−nz)・dである。R値、Rth値の単位は、nmである。nx、ny、nzは、ここでは以下のように定義される。
nx:フィルム面内における主延伸方向の屈折率
ny:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率
nz:フィルム表面の法線方向の屈折率
(主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合には配向度が上がるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。)
(5)フィルムの全光線透過率およびヘイズ値:日本電色工業(株)製濁度計NDH−2000型を用いて測定した。
(6)フィルムの厚み:アンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
[実施例1]
熱可塑性樹脂として、TICONA社製の商品名「TOPAS」6013(メタロセン触媒でエチレンとノルボルネンを共重合したシクロオレフィンコポリマー、[メソ型]/[ラセモ型]=0.36/0.04=9、NNダイアドの存在比率(モル分率)は0.40、エチレン成分とノルボルネン成分のモル比は(A)/(B)=50/50、還元粘度ηsp/cで0.80dL/g)を使用した。該熱可塑性樹脂のペレットを2軸溶融押し出し機(日本製鋼所製TEX30SS−42BW−3V)を用いて、幅15cmのTダイから溶融押し出しし、冷却ローラーで連続的に巻き取ることにより製膜した。製膜条件としてシリンダー温度260℃、Tダイ温度270℃、冷却ローラー温度145℃、製膜速度1m/分で行った。このフィルムは透明性、均質性に優れ表面性も良好であった。フィルム両端の幅2.5cmの部分を除いて、厚みは平均120μmであった。ガラス転移点温度(Tg)は138℃、全光線透過率は91.5%、ヘイズは0.3%であった。該フィルムを、フィルム端をチャックで固定するバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸を行った。延伸条件は、延伸温度148℃、延伸倍率2.0倍に、延伸速度50%/mmにて、横方向は自由として縦一軸延伸を行った。延伸後のフィルム厚みは75μmであった。このとき、得られたフィルムの、ガラス転移点における吸熱量は見られなかった。
該フィルムを、120℃のオーブンに入れ、3分間保持することでアニール処理を行った。アニール処理後、該フィルムの位相差値は、位相差値R(550)=138nm、Rth(550)=71nmとなった。また、アニール処理後のフィルムのガラス転移点における吸熱量を測定すると0.2J/gであった。
上記アニール処理されたフィルムを耐湿熱試験として、60℃90%、90℃DRY1000時間保持を行った。しかし、耐湿熱試験前後で、位相差変化は見られず、耐環境性に優れた位相差フィルムであることが確認された。
[実施例2]
実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂として、TICONA社製の商品名「TOPAS」6013を用いて、厚みは平均140μmである未延伸フィルムを得た。該フィルムのガラス転移点温度は138℃、全光線透過率は91.1%、ヘイズは0.3%であった。該フィルムを、フィルム端をチャックで固定するバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸を行った。延伸条件は、延伸温度148℃、縦延伸倍率1.5倍、横延伸倍率2.0倍に、延伸速度50%/mmにて、縦横逐次二軸延伸を行った。延伸後のフィルム膜厚は56μmであった。このとき、得られたフィルムのガラス転移点における吸熱量は見られなかった。
該フィルムを、125℃のオーブンに入れ、1分間保持することでアニール処理を行った。アニール処理後、該フィルムの位相差値は、位相差値R(550)=52nm、Rth(550)=141nmとなった。また、アニール処理後の該フィルムのガラス転移点における吸熱量を測定すると0.5J/gであった。
アニール処理後の該フィルムを耐湿熱試験として、60℃90%、90℃DRY1000時間保持を行った。しかし、耐湿熱試験前後で、位相差変化は見られず、耐環境性に優れた位相差フィルムであることが確認された。
[比較例1]
実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂として、TICONA社製の商品名「TOPAS」6013を用いて、厚みは平均140μmである未延伸フィルムを得た。該フィルムのガラス転移点温度は138℃、全光線透過率は91.0%、ヘイズは0.4%であった。該フィルムを、フィルム端をチャックで固定するバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸を行った。延伸条件は、延伸温度148℃、延伸倍率2.0倍に、延伸速度50%/mmにて、横方向は自由として縦一軸延伸を行った。延伸後のフィルム中央部分の膜厚77μm、位相差値R(550)=139nm、Rth(550)=72nmであった。これにより、得られたフィルムのガラス転移点における吸熱量は見られなかった。
該フィルムを耐湿熱試験として、60℃90%、90℃DRY1000時間保持を行った。このとき、耐湿熱試験前後で、60℃90%では、位相差値R(550)=133nm、Rth(550)=66nmであり、90℃DRYでは、位相差値R(550)=127nm、Rth(550)=63nmであった。これにより、耐湿熱試験前後において、該フィルムのR(550)で最大11nmの減少、Rth(550)で最大9nmの減少が観測され、耐環境性において光学特性の劣化が問題となる位相差フィルムであることが確認された。
[比較例2]
実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂として、TICONA社製の商品名「TOPAS」6013を用いて、厚みは平均140μmである未延伸フィルムを得た。該フィルムのガラス転移点温度は138℃、全光線透過率は91.1%、ヘイズは0.3%であった。該フィルムを、フィルム端をチャックで固定するバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸を行った。延伸条件は、延伸温度148℃、縦延伸倍率1.5倍、横延伸倍率2.0倍に、延伸速度50%/mmにて、縦横逐次二軸延伸を行った。延伸後のフィルム膜厚は56μm位相差値R(550)=44nm、Rth(550)=145nmであった。このとき、得られたフィルムのガラス転移点における吸熱量は見られなかった。
該フィルムを耐湿熱試験として、60℃90%、90℃DRY1000時間保持を行った。このとき、耐湿熱試験前後で、60℃90%では、位相差値R(550)=40nm、Rth(550)=138mであり、90℃DRYでは、位相差値R(550)=37nm、Rth(550)=122mであった。これにより、耐湿熱試験前後において、該フィルムの位相差値がR(550)で最大7nmの減少、Rth(550)で最大23nmの減少が観測され、耐環境性において光学特性の劣化が問題となる位相差フィルムであることが確認された。
本発明の位相差フィルムは、耐環境性を要する液晶表示装置、発光素子、防眩フィルム、光記録装置、偏光ビームスプリッター等の光学素子において好ましく用いることが出来る。
示差走査型熱量分析計によって得られるガラス転移点温度近傍の吸熱量を定義した模式図。
符号の説明
1:ガラス転移点以後のベースラインを延長した線
2:吸熱量(J/g)

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に配向したフィルムであって、該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が100〜180℃の範囲にあり、かつ該ガラス転移点における吸熱量が0.01〜5.0J/gの範囲にあることを特徴とする位相差フィルム。
  2. 上記熱可塑性樹脂が非晶性ポリオレフィンである請求項1記載の位相差フィルム。
  3. 上記非晶性ポリオレフィンが、i)エチレンとノルボルネンからなる共重合体であり、ii)ノルボルネン単位の2連鎖部位(ダイアド)の立体規則性に関してメソ型とラセモ型の存在比率が[メソ型]/[ラセモ型]>4である請求項2記載の位相差フィルム。
  4. 熱可塑性樹脂からなり、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを、1分間〜1000時間の範囲内で90℃〜(ガラス転移点−5℃)の温度で加熱処理することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
  5. 偏光フィルムと請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルムとからなる円偏光フィルム。
  6. 請求項5記載の円偏光フィルムを用いたことを特徴とする発光素子。
  7. 偏光フィルムと請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルムからなる楕円偏光フィルム。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする光学装置。
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