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JP2007007869A - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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JP2007007869A
JP2007007869A JP2005187832A JP2005187832A JP2007007869A JP 2007007869 A JP2007007869 A JP 2007007869A JP 2005187832 A JP2005187832 A JP 2005187832A JP 2005187832 A JP2005187832 A JP 2005187832A JP 2007007869 A JP2007007869 A JP 2007007869A
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mold
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resin foam
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Akira Hanada
暁 花田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な平板状の成形型Aと、平板状の成形型Bとの間に、熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程(2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程(3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程(4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程(5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂発泡シートを成形して得られる発泡成形品は、軽量性、リサイクル性、断熱性などに優れることから、自動車部材や建築材料等の種々の用途に用いられている。発泡成形品にリブ、ボス、フック等の熱可塑性樹脂からなる非発泡の機能性部材が部分的に融着されてなる熱可塑性樹脂成形品もまた、自動車内装用部品等として知られている。このような非発泡機能性部材が部分的に融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法としては、以下のような工程(1)〜(4)を含む方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
(1)少なくとも一方に機能性部材の形状の凹部が形成された一対の金型間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
(2)金型を閉じて、前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ工程
(3)金型を閉じて前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
(4)工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
特開2001−121561号公報
あるいは製造する熱可塑性樹脂成形品の形状が複雑である場合、例えば機能性部材が融着されてなる部分が非常に細長いような場合には、機能性部材を形成するための溶融状態の熱可塑性樹脂を金型凹部に充填するために、樹脂を高温かつ高圧で供給する必要がある。しかしながら前記の方法で、溶融状態の熱可塑性樹脂を高温かつ高圧で凹部に供給した場合には、樹脂の劣化が促進されて機能性部材の外観が不良となることがあった。
本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、前記機能性部材の外観良好な熱可塑性樹脂成形品の製造方法を提供するものである。
すなわち本発明の第一の態様は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法である。
(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な平板状の成形型Aと、平板状の成形型Bとの間に、熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
(2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程
(3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
(4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
(5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明の第二の態様は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法である。
(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
(2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程
(3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
(4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
(5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明の第三の態様は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法である。
(1)熱可塑性樹脂発泡シートを加熱し軟化する工程
(2)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、工程(1)で得られる熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
(3)成形型Aと成形型Bを型閉めし、熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する工程
(4)工程(3)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
(5)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
(6)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、型開きして熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明の熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法によれば、前記機能性部材部分の外観良好な熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。
本発明は、所定形状に賦形されてなる熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法である。本発明の第一の態様は、以下の工程を含む方法である。
(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な平板状の成形型Aと、平板状の成形型Bとの間に、熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程(2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程(3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程(4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程(5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明の第二の態様は、以下の工程を含む方法である。
(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程(2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程(3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程(4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程(5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明の第三の態様は、以下の工程を含む方法である。
(1)熱可塑性樹脂発泡シートを加熱し軟化する工程(2)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、工程(1)で得られる熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程(3)成形型Aと成形型Bを型閉めし、熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する工程(4)工程(3)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程(5)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程(6)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、型開きして熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
本発明では、賦形する機能性部材の形状や個数に応じた凹部が形成されてなる成形面を有する成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとを用いる。本発明の第一の態様では、成形型A、Bとして平板状の型を用いる。本発明の第二の態様および第三の態様で用いる成形型A、Bは、一方が雄型で他方が雌型であってもよく、両方が雌型、または両方が板状成形型であってもよい。また、成形型Bの成形面にも機能性部材を賦形するための凹部が形成されていてもよい。
凹部を有する成形型A内には、真空吸引孔と、前記凹部に溶融状熱可塑性樹脂を供給するための樹脂通路が設けられている。該凹部に供給された溶融状熱可塑性樹脂が冷却されて、機能性部材となる。本発明により得られる熱可塑性樹脂成形品における機能性部材とは熱可塑性樹脂発泡シートから突き出すように形成されたものであり、機能性部材の取り付け位置や取り付け個数なども特に限定されない。具体的には熱可塑性樹脂成形品を補強する機能を有するリブ、あるいは熱可塑性樹脂成形品を他部材に取り付ける機能を有するボス、クリップ、フックなどの部材である。
成形型の材質は特に限定されるものではないが、寸法安定性、耐久性などの観点から通常金属製であり、コストや軽量性などの面からアルミ製やステンレス製であることが好ましい。また成形型は、ヒーターや熱媒などにより温度調整可能な構造であることが好ましい。成形型は、熱可塑性樹脂成形品製造時にはその成形面を30〜80℃とすることが好ましく、50〜60℃とすることがさらに好ましい。
以下、本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法を図1〜図3に基づき説明する。まず本発明の第一の態様を、図1に基づき詳細に説明する。
図1−(1)は工程(1)、すなわち機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な平板状の成形型Aと、平板状の成形型Bとの間に、熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程を示している。
工程(2)は、成形型Aと成形型Bを型閉めする工程である。型閉めにより熱可塑性樹脂発泡シートが成形型成形面と接するため、図1−(2)に示すように、成形型成形面に設けられた凹部の開口部が熱可塑性樹脂発泡シートにより塞がれた状態となる。
工程(3)は、工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程である。工程(3)における凹部内の真空度は−0.05〜0.1MPaであることが好ましい。また凹部に設ける真空吸引孔の大きさは、溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給した際に該樹脂が真空吸引孔に詰まらない程度であればよく、孔径が0.1〜0.5mmであることが好ましい。図1−(3)は、熱可塑性樹脂発泡シートが成形型に密着した状態で、真空吸引により凹部内を減圧した状態を示すものである。工程(3)および後述する工程(4)においては、凹部の開口部と発泡シートとの密着性を向上させるために、凹部を設けた成形型Aの凹部壁面以外から真空吸引を行なったり、成形型Bから圧縮空気を供給してもよい。
工程(4)は、該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程である。図1−(4)は、溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとが融着一体化された状態を示している。工程(4)で溶融状熱可塑性樹脂を凹部へ供給する際には、工程(3)と同様に該凹部壁面から真空吸引を行なっていてもよい。工程(5)は、溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、型開きして熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程である。図1−(5)は、型開きした状態を示している。
次に本発明の第二の態様を図2を用いて説明する。第二の態様における工程(1)は、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程である。使用する成形型Aおよび成形型Bは、これらを型閉めした際に両型成形面により形成されるキャビティ形状が、該成形型A、Bの間に供給する賦形された発泡シートの形状と同じ形状となる型である。
第二の態様の工程(2)〜(5)は、それぞれ第一の態様の工程(2)〜(5)と同様である。
次に本発明の第三の態様を図3を用いて説明する。図3−(1)は工程(1)、すなわち熱可塑性樹脂発泡シートを加熱し軟化する工程を示している。加熱方法は特に限定されるものではなく、通常ヒーターや熱風等で加熱することができる。
工程(2)は、前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、工程(1)で得られる熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程である。
工程(3)は、成形型Aと成形型Bを型閉めし、熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する工程である。熱可塑性樹脂発泡シートを賦形する方法としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形が挙げられる。複雑な形状にも容易に賦形できることから、真空成形、圧空成形、真空圧空成形が特に好ましく適用される。これらの方法で熱可塑性樹脂発泡シートを賦形する場合には、成形型AとBの少なくとも一方に、その成形面から真空吸引または圧縮空気の供給が可能な型を用いる。具体的には、成形型Bが真空吸引可能、成形型AとBの両方が真空吸引可能、成形型Aが圧縮空気の供給が可能、成形型Bが真空吸引可能で成形型Aが圧縮空気の供給が可能、といった組合せがあげられる。真空吸引または圧縮空気の供給が可能な型としては、成形型の成形面の少なくとも一部が焼結合金から構成される型や、成形面の少なくとも一部に孔が設けられた型等が挙げられる。成形型に設けられる孔の数や位置、孔径は特に限定されるものではない。
真空成形により熱可塑性樹脂発泡シートを賦形する場合には、型閉めすると同時または型閉め終了後に成形型成形面から真空吸引を開始し、前記熱可塑性樹脂発泡シートを成形型成形面に密着させ所定形状に賦形する。真空吸引は成形型Bからのみ行ってもよく、両成形型から行なってもよい。両成形型から真空吸引を行なう場合、真空吸引の開始は同時でもよく、いずれか一方から先に真空吸引を開始してもよい。両成形型から真空吸引を行なう場合は、各成形型の成形面と熱可塑性樹脂発泡シートとが密着した状態を維持しながら型開きしてもよい。この方法により、発泡倍率の高い熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。なお型開きは、凹部に溶融状熱可塑性樹脂を供給した後、あるいは供給しながら行なってもよい。真空吸引の程度は特に限定されるものではないが、成形型と発泡シートとの間の真空度が−0.05〜0.1MPaとなるように真空吸引することが好ましい。真空度とは、大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧である。すなわち「真空度が−0.05MPa」とは、大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧力が0.95MPaであることを示す。大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧の真空度とは、成形型内の真空吸引用通路において測定される。
圧空成形により熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する場合には、圧縮空気を成形型Aと熱可塑性樹脂発泡シートとの間の加圧度が2〜5MPa程度となるように供給することが好ましい。成形型Aと熱可塑性樹脂発泡シートとの間の加圧度は、成形型内の圧縮空気供給通路において測定される圧力である。
工程(3)では、型閉めにより熱可塑性樹脂発泡シートが成形型成形面と接して賦形されるため、図3−(3)に示すように、成形型成形面に設けられた凹部の開口部が熱可塑性樹脂発泡シートに塞がれた状態となる。
第三の態様の工程(4)は前記第一の態様の工程(3)と、第三の態様の工程(5)は、前記第一の態様の工程(4)と、第三の態様の工程(6)は、前記第一の態様の工程(5)と同様である。第三の態様の工程(4)〜(5)における真空吸引や圧縮空気の供給は、工程(3)から連続して行ってもよく、あるいは一端停止した後再度行なってもよい。
本発明において機能性部材を形成するために凹部に供給される溶融状熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の炭素原子数が2〜6のオレフィンホモポリマーや、炭素原子数が2〜10のオレフィンから選択される2種類以上のモノマーを共重合して得られるオレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エステル系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アイオノマー樹脂などがあげられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、複数の樹脂を併用してもよい。成形性、耐油性、コストなどの観点からオレフィン系樹脂が好ましく用いられ、得られる機能性部材の剛性、耐熱性などの観点からプロピレン系樹脂が特に好ましく用いられる。ポリプロピレン系樹脂を用いる場合はMI=50〜100g/10min程度の樹脂が強度や流れやすさの点から好ましく用いられる。
前記溶融状熱可塑性樹脂は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、充填剤(フィラー)、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、剥離剤、流動性付与剤、滑剤、発泡剤などがあげられる。上記充填剤の例としては、具体的にはガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機粒子等があげられる。これらの中でも、機能性部材の強度を向上させたり、成形時の収縮率を低下させる観点からタルクやガラス繊維などを5〜30wt%程度配合することが好ましい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡シートを構成する樹脂としては、前述の溶融状熱可塑性樹脂を構成する樹脂と同じ樹脂を使用することができる。成形性、耐油性、コストなどの観点からオレフィン系樹脂が好ましく用いられ、得られる成形品の剛性、耐熱性などの観点からプロピレン系樹脂が特に好ましく用いられる。
プロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーや、プロピレン由来の構成単位を50モル%以上含むプロピレン系共重合体をあげることができる。共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。好ましく用いられるプロピレン系共重合体の例としては、エチレンまたは炭素原子数4〜10のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体を挙げることができる。炭素原子数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンが挙げられる。プロピレン系共重合体中のプロピレン以外のモノマー由来の構成単位の含有量は、エチレンについては15モル%以下、炭素原子数4〜10のα−オレフィンについては30モル%以下であることが好ましい。プロピレン系樹脂は1種類でもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
長鎖分岐プロピレン系樹脂や重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を、発泡層を構成する熱可塑性樹脂の50重量%以上用いることにより、微細な気泡を有するプロピレン系樹脂発泡シートを得ることができる。さらにこのようなプロピレン系樹脂の中でも、シートリサイクル時にゲルを生じにくいことから非架橋のプロピレン系樹脂が好ましく使用される。
ここで長鎖分岐プロピレン系樹脂とは、分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たすプロピレン系樹脂を指す。
分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たす長鎖分岐プロピレン系樹脂の例としては、バゼル社製のプロピレンPF−814が挙げられる。
分岐度指数とは、重合体における長鎖分岐の程度を示すものであり、下記の式において定義される数値である。
分岐度指数 [A] =〔η〕Br/〔η〕Lin
ここで〔η〕Brは、長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂の固有粘度であり、〔η〕Linは、該長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂と同じモノマー単位および同じ重量平均分子量を有する、直鎖プロピレン系樹脂の固有粘度である。
固有粘度は極限粘度数とも呼ばれ、重合体の溶液粘度を増強する能力の尺度である。固有粘度は特にポリマー分子の分子量と、分岐度に依存する。したがって、長鎖分岐を有するポリマーの固有粘度と、該長鎖分岐を有するポリマーと同じ重量平均分子量の直鎖ポリマーの固有粘度とを比較することにより、該長鎖分岐を有するポリマーの分岐度の尺度とすることができる。プロピレン系樹脂の固有粘度の測定方法は、エリオット等[J.Appl.Polym.Sci.,14,2947−2963(1970)]により開示されているような従来知られている方法により測定することができ、例えば、プロピレン系樹脂をテトラリン又はオルトジクロロベンゼンに溶解し、135℃で固有粘度を測定することが可能である。
プロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常用いられる種々の方法で測定できるが、M.L.McConnelによって、American Laboratory,May,63−75(1978)に発表されている方法、即ち、低角度レーザー光散乱強度測定法が特に好ましく用いられる。
重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を重合する方法の例としては、特開平11−228629号公報に記載されたように、まず高分子量成分を重合した後に続いて低分子量成分を重合する方法などがあげられる。
長鎖分岐プロピレン系樹脂または高分子量プロピレン系樹脂の中でも、融点+30℃付近において下記の条件で測定した一軸溶融伸張粘度比η5/η0.1が5以上であるプロピレン系樹脂が好ましく、より好ましくは10以上の樹脂である。一軸溶融伸張粘度比とは、伸張ひずみ速度1sec-1で、一軸伸張粘度測定装置(例としてレオメトリックス社製一軸伸張粘度測定装置などがあげられる)などの装置を用いて測定される値であり、歪み開始から0.1秒後の一軸溶融伸長粘度をη0.1とし、5秒後の一軸溶融伸張粘度をη5とする。このような一軸伸張粘度特性を有するプロピレン系樹脂を使用することによって、より微細な気泡を有する発泡シートを製造することができる。
発泡シートを形成するために使用される発泡剤は、いわゆる化学発泡剤および物理発泡剤のいずれでもよく、これらを併用してもよい。上記化学発泡剤としては、例えば分解されて窒素ガスを発生する熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など)、分解されて炭酸ガスを発生する熱分解型無機発泡剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなど)など公知の熱分解型発泡性化合物が挙げられる。物理発泡剤としては、具体的にはプロパン、ブタン、水、炭酸ガス等があげられる。工程(1)で熱可塑性樹脂発泡シートを加熱する際に2次発泡による変形を生じにくいことやや、発火性や引火性が低いことから、水や炭酸ガス等が好適に用いられる。発泡剤の使用量は所望の発泡倍率が得られるように、用いる発泡剤や樹脂の種類に応じて適宜選択されるものであり、通常熱可塑性樹脂100重量に対して発泡剤0.5〜20重量部である。
熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法は特に限定するものではないが、フラットダイ(Tダイ)やサーキュラーダイを用いた押出成形により得られたシートが好ましく、サーキュラーダイから溶融した樹脂を発泡させながら押出し、マンドレル等に沿わせて延伸、冷却を行なう方法が特に好ましく用いられる。発泡シートを押出成形により製造する場合には、溶融した樹脂をダイから押出し冷却固化させた後に延伸を行なうこともできる。発泡シートは単層であっても多層であってもよいが、シート製造時の破泡を防止する観点から、非発泡層を両外層に有する多層構成の発泡シートが好ましい。非発泡層を構成する樹脂は、発泡層を構成する樹脂の例として前記したものを使用することができるが、発泡層を構成する樹脂と同種類のものであるものが好ましく、例えば発泡層がプロピレン系樹脂である場合、非発泡層もプロピレン系樹脂で構成されることが好ましい。使用する熱可塑性樹脂発泡シートは特に限定されるものではなく、通常発泡倍率2〜10倍、厚さ1〜10mm程度の発泡シートが用いられる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡シートは、単層または多層の発泡シートとその他の材料とを貼合した複合シートであってもよい。このような複合シートは、発泡シートと他の材料とをドライラミネーション、サンドラミネーション、熱ロール貼合、熱風貼合などにより貼り合わせることにより得られる。
発泡シートと積層する他の材料としては、装飾、補強、保護などの作用をするものが挙げられ、織布、不織布、シート、フィルム、発泡体、網状物などが挙げられる。これらの材料はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体などのゴムや熱可塑性エラストマー、綿、麻、竹などのセルロース系繊維などが挙げられる。これらの材料にはシボなどの凹凸模様、印刷や染色が施されていてもよく、単層構成であっても多層構成であってもよい。
発泡シートは、前述の溶融状熱可塑性樹脂に配合することのできる添加剤を含有していてもよい。
本発明により得られる熱可塑性樹脂成形品は、食品容器などの包装材料や、自動車内装部品、建築材料、家電製品などに使用することができる。自動車内装部品の例としてはドアトリム、天井、トランクサイドなどが挙げることができる。例えば機能性部材としてリブが融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を自動車内装部品として用いると、強度に優れたものとなり、機能性部材としてボスやフックが融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を用いた場合には、他の自動車構成材料と容易に接続することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
発泡倍率3倍、厚み3mmのポリプロピレン発泡シート(住化プラステック製 商品名スミセラー発泡PPシート)を用いて、図1に示す方法で熱可塑性樹脂成形品の製造を行った。
高さ10mm、長さ368mm、幅3mmであるリブ同士が十字に交差した機能性部材を形成するための凹部(6)を成形面に有する成形型A(3)と、平板形状に賦形できる成形型B(7)からなる一対の金型を使用し、リブを有する平板の成形を行った。成形型Aは、その内部に、前記凹部に通ずるように孔径0.3mmの真空吸引孔を壁面に有し、溶融状熱可塑性樹脂を供給可能な樹脂通路(4)が設けられた型であった。成形型A(3)は60℃に温度調整して用いた。
熱可塑性樹脂発泡シート(1)を、押出機を備えた真空成形機(佐藤鉄工製VAIM0301)のクランプ枠(2)に固定した状態で近赤外ヒーターによりシートの上表面が180℃になるように加熱し軟化させた。加熱軟化させた発泡シート(1)を、クランプ枠(2)で固定した状態で、成形型A(3)と成形型B(7)との間に供給した。
次に成形型A(3)と成形型B(7)を型閉めし、プレス成形により熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形した。成形型A(3)の凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面の真空吸引孔(5)から真空吸引し、凹部内を−0.6MPaの減圧状態とした。
成形型A(3)内の樹脂通路(4)を通じて、220℃の溶融状熱可塑性樹脂(住友化学製ポリプロピレン、ノーブレンAX568、MI=65g/min)を10g/secで成形型凹部に5秒間供給し、前記凹部を溶融状熱可塑性樹脂で充填した。冷却ファンより送風を行い成形品を冷却した後、型開きして成形品を取り出した。不要な端部を切断し、図6に示すようなリブ(8)を有する平板(9)を得た。得られたリブを有する平板は、リブに樹脂の劣化による変色が無く、外観良好であった。
[比較例1]
実施例1において、成形型(A)の凹部を減圧状態にすることなく、リブを形成するための溶融状熱可塑性樹脂を凹部へ供給した以外は、実施例1と同様にしてリブを有する平板を製造した。
リブには樹脂の劣化による黒い部分が見られた。
本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法の第一の態様の概略図 本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法の第二の態様の概略図 本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法の第三の態様の概略図 リブを有する平板の平面図
符号の説明
1 熱可塑性樹脂発泡シート
2 クランプ枠
3 成形型A
4 樹脂通路
5 真空吸引孔
6 凹部
7 成形型B
8 機能性部材(リブ)
9 予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シート
10 加熱軟化された熱可塑性樹脂発泡シート
11 機能性部材(リブ)
12 熱可塑性樹脂成形品(平板)

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂発泡シートに部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法。
    (1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な平板状の成形型Aと、平板状の成形型Bとの間に、熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
    (2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程
    (3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
    (4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
    (5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
  2. 熱可塑性樹脂発泡シートに部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法。
    (1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
    (2)成形型Aと成形型Bを型閉めする工程
    (3)工程(2)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
    (4)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
    (5)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
  3. 熱可塑性樹脂発泡シートに部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を順に含むことを特徴とする方法。
    (1)熱可塑性樹脂発泡シートを加熱し軟化する工程
    (2)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成されてなる成形面を有し、少なくとも該凹部の壁面から真空吸引可能な成形型Aと、該成形型Aと対を成す成形型Bとの間に、工程(1)で得られる熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程
    (3)成形型Aと成形型Bを型閉めし、熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する工程
    (4)工程(3)で該成形型Aの成形面に形成されてなる凹部の開口部を前記熱可塑性樹脂発泡シートで塞いだ状態で、凹部壁面から真空吸引する工程
    (5)該凹部に通ずるように成形型A内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
    (6)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、型開きして熱可塑性樹脂成形品を取り出す工程
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