JP2006322034A - 放電表面処理用電極及び放電表面処理被膜並びに処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 固体潤滑作用を有する物質をより多く含む被膜を形成する。
【解決手段】 金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極とし、油中において、上記電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において使用される電極であって、固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、hBN、グラファイト、フッ化グラファイト等の何れかの材料を2〜40wt%含有し、上記固体潤滑作用のある材料に対して炭素と反応しやすいMo、W、Ti、Fe、Mo合金、W合金、Ti合金、Fe合金等の何れかの材料を含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極とし、油中において、上記電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において使用される電極であって、固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、hBN、グラファイト、フッ化グラファイト等の何れかの材料を2〜40wt%含有し、上記固体潤滑作用のある材料に対して炭素と反応しやすいMo、W、Ti、Fe、Mo合金、W合金、Ti合金、Fe合金等の何れかの材料を含有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属粉末あるいは金属の化合物の粉末を成形した成形体、もしくは、該粉末の成形体を加熱処理した粉末成形体を電極として、油の加工液中において電極と被加工物の間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより、被加工物表面に電極材料あるいは電極材料が放電エネルギーにより反応した物質からなる被膜を形成する放電表面処理に関するものである。
放電を利用して固体潤滑材の被膜を形成する技術としては、例えば国際公開WO00/29157号公報に示されるように、炭素を含まない水等の加工液中において、放電電極と被加工物表面との間にパルス状の放電を発生させ、その放電エネルギーによって生じる放電電極の電極消耗溶融物質を被加工物表面に付着堆積させ、潤滑作用がある被膜を形成していた。
すなわち、炭素成分を含まない加工液中で処理するため、固体潤滑作用を含む放電電極の材料が、炭素等との化合物に変化することなく、固体潤滑作用を有する材質のまま処理対象表面に付着堆積し、被加工物表面に潤滑性がある被膜を形成することができていた。
また、固体潤滑剤としてMo、Cr、hBNを電極に混入し、油中で放電を発生させ、上記材料を含む被膜の製法について特許第3227454号公報に示されている。
すなわち、炭素成分を含まない加工液中で処理するため、固体潤滑作用を含む放電電極の材料が、炭素等との化合物に変化することなく、固体潤滑作用を有する材質のまま処理対象表面に付着堆積し、被加工物表面に潤滑性がある被膜を形成することができていた。
また、固体潤滑剤としてMo、Cr、hBNを電極に混入し、油中で放電を発生させ、上記材料を含む被膜の製法について特許第3227454号公報に示されている。
特許文献1で示される被膜処理では、水中で放電を発生させるため、電極と被加工物の間に電圧を印可すると、水が電気分解され、陽極に酸素、陰極に水素が発生する。
そのため、電気分解によって現れた酸素に、放電による高いエネルギー状態の電極溶融物質が曝されると表面が酸化されてしまと共に、酸化の発熱反応で電極消耗溶融物質の高エネルギー状態が持続されることから、電極消耗溶融物質内部にまで酸化が進んでしまう。
そのため、その酸化物を多量に含んだ電極消耗溶融物質が、被加工物に付着堆積するが、酸化物は所望の潤滑性を持たないため、潤滑性が不十分な被膜となってしまう。
特許文献2で示される自己潤滑機能を含む被膜は680℃を越える高温においてその効果を発揮するが、常温から300℃程度の温度域においては低摩擦にならず、相手材がビッカース硬度30HV〜300HV程度の場合は激しく摩耗させてしまう。
そのため、電気分解によって現れた酸素に、放電による高いエネルギー状態の電極溶融物質が曝されると表面が酸化されてしまと共に、酸化の発熱反応で電極消耗溶融物質の高エネルギー状態が持続されることから、電極消耗溶融物質内部にまで酸化が進んでしまう。
そのため、その酸化物を多量に含んだ電極消耗溶融物質が、被加工物に付着堆積するが、酸化物は所望の潤滑性を持たないため、潤滑性が不十分な被膜となってしまう。
特許文献2で示される自己潤滑機能を含む被膜は680℃を越える高温においてその効果を発揮するが、常温から300℃程度の温度域においては低摩擦にならず、相手材がビッカース硬度30HV〜300HV程度の場合は激しく摩耗させてしまう。
本発明は、固体潤滑作用を有する物質をより多く含む被膜を形成することを目的とし、その被膜形成のための放電表面処理用電極と放電表面処理方法を確立するものである。
この発明に係る放電表面処理用電極は、金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極とし、油中において、上記電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において使用される電極であって、固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、hBN、グラファイト、フッ化グラファイト等の何れかの材料を2〜40wt%含有し、上記固体潤滑作用のある材料に対して炭素と反応しやすいMo、W、Ti、Fe、Mo合金、W合金、Ti合金、Fe合金等の何れかの材料を含有するものである。
本発明に係わる放電表面処理用電極は、固体潤滑作用を有する物質をより多く含み、摩耗量、摩擦係数ともに低い被膜を形成させることができる。
実施の形態1.
まず、放電表面処理の原理について説明する。
金属、金属の合金の粉末と固体潤滑作用を有する物質の粉末との混合粉末を成形したもの、もしくは、成形した後、加熱処理したものを電極として用い、石油系の加工液で満たされた加工漕に設置した母材(被加工物)と所定間隙離間して配置し、電極を陰極、被加工物を陽極とし、両者が接触しないように主軸はサーボを取りつつ、両間で放電を発生させる。
放電の熱により被加工物及び電極は溶融・気化され、気化により発生する爆風や静電気力によって、溶融した電極の一部(溶融粒子)を被加工物表面に輸送する。
そして、溶融した電極の一部が被加工物表面に到達すると、再凝固し被膜となる。
まず、放電表面処理の原理について説明する。
金属、金属の合金の粉末と固体潤滑作用を有する物質の粉末との混合粉末を成形したもの、もしくは、成形した後、加熱処理したものを電極として用い、石油系の加工液で満たされた加工漕に設置した母材(被加工物)と所定間隙離間して配置し、電極を陰極、被加工物を陽極とし、両者が接触しないように主軸はサーボを取りつつ、両間で放電を発生させる。
放電の熱により被加工物及び電極は溶融・気化され、気化により発生する爆風や静電気力によって、溶融した電極の一部(溶融粒子)を被加工物表面に輸送する。
そして、溶融した電極の一部が被加工物表面に到達すると、再凝固し被膜となる。
次に、本実施の形態における放電表面処理用電極製造のためのプロセスについて、図1を用いて説明する。
本実施の形態では、平均粒径1μmのMo(モリブデン)粉末を重量比で80wt%と、重量比で20%の平均粒径4μmのMoS2(二硫化モリブデン)の粉末を電極材料として使用する。
まず、金属粉末であるMo粉末と固体潤滑作用を有するMoS2粉末とを、粉末と粉末の凝集を抑制するため、粉末体積の2倍以上の揮発性の高い有機溶媒にあわせて円筒容器に密閉して混入し、その円筒容器を数時間から数十時間回転させることで、Mo粉末及びMoS2粉末を均一に混合する。
ここで、混合時間が短すぎる場合、固体潤滑作用を有する粉末が存在する部分と存在しない部分が生じてしまい、その粉末を用いて形成される被膜にも、固体潤滑作用を有しない箇所ができ、そこを基点に摩耗が進行するという問題があるため、混合後の粉末が斑状に見えない程度となるように混合する必要がある。
本実施の形態では、平均粒径1μmのMo(モリブデン)粉末を重量比で80wt%と、重量比で20%の平均粒径4μmのMoS2(二硫化モリブデン)の粉末を電極材料として使用する。
まず、金属粉末であるMo粉末と固体潤滑作用を有するMoS2粉末とを、粉末と粉末の凝集を抑制するため、粉末体積の2倍以上の揮発性の高い有機溶媒にあわせて円筒容器に密閉して混入し、その円筒容器を数時間から数十時間回転させることで、Mo粉末及びMoS2粉末を均一に混合する。
ここで、混合時間が短すぎる場合、固体潤滑作用を有する粉末が存在する部分と存在しない部分が生じてしまい、その粉末を用いて形成される被膜にも、固体潤滑作用を有しない箇所ができ、そこを基点に摩耗が進行するという問題があるため、混合後の粉末が斑状に見えない程度となるように混合する必要がある。
混合を終了すると、しばらく放置することで混合粉末を容器底部に沈降させる。
そして、その沈降した粉末が舞い上がらないように、上澄みの液を別の容器に静かに取り除き、わずかに有機溶媒を含んだ混合粉末のみを取り出す。
その後、その混合粉末を真空炉または常温雰囲気で乾燥させ、有機溶媒を揮発させる。
更に、乾燥した粉末は凝集して大きな塊を形成しているため、メッシュサイズ100μmから300μmの篩にかけ、凝集してできていた塊を分解する。
このメッシュサイズは、後の工程でのプレスの成形性と、処理中に電極と母材の間に脱落したときに放電の爆発力で粉砕できるサイズから決定されている。
そして、その沈降した粉末が舞い上がらないように、上澄みの液を別の容器に静かに取り除き、わずかに有機溶媒を含んだ混合粉末のみを取り出す。
その後、その混合粉末を真空炉または常温雰囲気で乾燥させ、有機溶媒を揮発させる。
更に、乾燥した粉末は凝集して大きな塊を形成しているため、メッシュサイズ100μmから300μmの篩にかけ、凝集してできていた塊を分解する。
このメッシュサイズは、後の工程でのプレスの成形性と、処理中に電極と母材の間に脱落したときに放電の爆発力で粉砕できるサイズから決定されている。
次に混合粉末を所定の金型にいれ、パンチにより圧力を負荷しプレスすることで混合粉末は固まり、圧粉体となる。
ここで、粉末にパラフィンなどのワックスを重量比で1%から10%程度混入すると、プレスの際に混合粉末内部へのプレス圧力の伝わりを良くなり、成形性を改善できることから、重量比3%混合し、プレス圧200MPaで圧縮成形した。
ここで、粉末にパラフィンなどのワックスを重量比で1%から10%程度混入すると、プレスの際に混合粉末内部へのプレス圧力の伝わりを良くなり、成形性を改善できることから、重量比3%混合し、プレス圧200MPaで圧縮成形した。
圧縮成形された圧粉体は、圧縮により所定の硬さが得られていればそのまま放電表面処理用の電極として使用できるが、抵抗が大きく、通電性がない場合は、被膜を生成させることができないため、加熱し粒子と粒子の結合を進め、通電性を向上させる必要がある。
また、プレス時にワックスを使用した場合、圧粉体中よりワックスを除去する必要があり、ワックスの融点より高い温度に加熱し、ワックスを除去する。
なお、本実施の形態では、圧縮成形後、約860℃の真空炉内で一時間保持して、50×16×3の電極を成形した。
また、プレス時にワックスを使用した場合、圧粉体中よりワックスを除去する必要があり、ワックスの融点より高い温度に加熱し、ワックスを除去する。
なお、本実施の形態では、圧縮成形後、約860℃の真空炉内で一時間保持して、50×16×3の電極を成形した。
次に、この電極を用い、被加工物としてAl合金(A5052)上に被膜を形成させるための加工条件について説明する。
図2は、本実施の形態における電流波形を示す図である。
図に示されるように、放電開始直後に15Aから60A程度の大きな電流を2μs以下の間に供給することで、放電によって発生する爆発力や熱を非常に大きくし、急加熱することで、電極材料を溶融させて被加工物側に供給すると共に、被加工物上にも被加工物表面が溶けた溶融域を形成する。
Alのような熱電導率の大きな被加工物に対しては、放電発生による熱は被加工物内部に逃げてしまうことから、本電流波形のような加工条件が好ましい。
なお、被加工物上に溶融域を形成させることができない場合、被膜の密着強度が減少し、簡単に剥離する被膜となってしまう。
図2は、本実施の形態における電流波形を示す図である。
図に示されるように、放電開始直後に15Aから60A程度の大きな電流を2μs以下の間に供給することで、放電によって発生する爆発力や熱を非常に大きくし、急加熱することで、電極材料を溶融させて被加工物側に供給すると共に、被加工物上にも被加工物表面が溶けた溶融域を形成する。
Alのような熱電導率の大きな被加工物に対しては、放電発生による熱は被加工物内部に逃げてしまうことから、本電流波形のような加工条件が好ましい。
なお、被加工物上に溶融域を形成させることができない場合、被膜の密着強度が減少し、簡単に剥離する被膜となってしまう。
次に電流を2Aから15A程度まで急減少させた電流で数μsから数十μs放電を持続させ、この放電電流による熱で溶融域を維持すると共に、その小さい電流で電極の材料を溶融させ、被加工物上に移動・堆積させる。
なお、電流値を20A以上に大きくしても被膜を形成できるが、大きな電流値で形成される被膜の表面粗さは、Ryで50μmを越え、研磨等の後工程が困難になるため、15A以下の電流値を使用しなければならない。
なお、電流値を20A以上に大きくしても被膜を形成できるが、大きな電流値で形成される被膜の表面粗さは、Ryで50μmを越え、研磨等の後工程が困難になるため、15A以下の電流値を使用しなければならない。
MoとMoS2の混合電極を用いた本実施の形態では、ピーク電流50A、放電時間1.5μs供給した後、電流を11Aに落とした放電持続時間64μs、休止時間1024μsの放電条件で加工を行った。
被加工物の処理面を、電極を移動させながら灯油を主成分とする加工液中で約60分間処理することで、50×15×0.1の被膜を形成させた。
被加工物の処理面を、電極を移動させながら灯油を主成分とする加工液中で約60分間処理することで、50×15×0.1の被膜を形成させた。
被膜の断面写真を図3に示す。
断面の作製は、樹脂埋めせず、切断機で二つに切断した後、研磨紙600番、1000番、1500番の順で研磨し、最後に2μmのダイヤモンドペーストで仕上げたものである。
図から考察すると、被加工物と被膜に明確な境界が存在せず、被膜と被加工物が拡散接合していると考えられる。
また、被膜の内部には、二値化による画像処理の結果、空隙率が30%程度の空隙が存在している。
断面の作製は、樹脂埋めせず、切断機で二つに切断した後、研磨紙600番、1000番、1500番の順で研磨し、最後に2μmのダイヤモンドペーストで仕上げたものである。
図から考察すると、被加工物と被膜に明確な境界が存在せず、被膜と被加工物が拡散接合していると考えられる。
また、被膜の内部には、二値化による画像処理の結果、空隙率が30%程度の空隙が存在している。
次に、被膜の摩擦係数と摩耗量の試験結果について説明する。
摩擦係数と摩耗量の試験においては、R18の合金工具鋼SKS製のピンを、試験荷重30MPa、最大速度3m/s、振幅40mmで被膜上を往復摺動させ、摩擦係数と摩耗量を求めた。
約二時間の摺動試験結果、摩擦係数は0.2、摩耗量は5μmであり、摩耗量、摩擦係数ともに低い値を得た。
金属同士が接触する固体潤滑の摩擦係数は1以上であり、上記のような摺動条件で固体潤滑状態になると、焼き付きを起こし、ピンや被膜が数mm以上も摩耗される。
しかし、摩擦係数が0.2程度であれば、焼き付きを生じず、ほとんど摩耗しない。
このような摩耗量、摩擦係数を有する被膜は、潤滑油の使用環境で局所的に大きな負荷が加わり、潤滑油の膜を破断させ焼き付きを起こすような部位や潤滑油が使用できない部位の摩耗を抑制することができる。
そのような部位は、軸受けやカムによる往復運動機構のカムとの接触部の分野に適用することがよい。
摩擦係数と摩耗量の試験においては、R18の合金工具鋼SKS製のピンを、試験荷重30MPa、最大速度3m/s、振幅40mmで被膜上を往復摺動させ、摩擦係数と摩耗量を求めた。
約二時間の摺動試験結果、摩擦係数は0.2、摩耗量は5μmであり、摩耗量、摩擦係数ともに低い値を得た。
金属同士が接触する固体潤滑の摩擦係数は1以上であり、上記のような摺動条件で固体潤滑状態になると、焼き付きを起こし、ピンや被膜が数mm以上も摩耗される。
しかし、摩擦係数が0.2程度であれば、焼き付きを生じず、ほとんど摩耗しない。
このような摩耗量、摩擦係数を有する被膜は、潤滑油の使用環境で局所的に大きな負荷が加わり、潤滑油の膜を破断させ焼き付きを起こすような部位や潤滑油が使用できない部位の摩耗を抑制することができる。
そのような部位は、軸受けやカムによる往復運動機構のカムとの接触部の分野に適用することがよい。
次に、X線分析により被膜表面にある物質同定結果を図4に示す。
被膜表面には、電極に含まれていたMoとMoS2の他にMo2C(炭化モリブデン)の小さいピークあり、Mo2Cがわずかに存在していたことがわかる。
MoS2の存在理由について考察すると、油などの有機物からなる加工液中で放電を発生させることにより放電の熱で油が分解され、電極と被加工物の間にメタンや炭素が発生する。
そして、その炭素やメタン中の炭素と放電によって溶かされた電極消耗溶融物質中の炭化しやすいMoが反応してMo2Cを形成していると推察される。
なお、同じ電極材料であるMoS2の一部も分解され、そのMoが炭化されるが、MoS2の場合は、S(硫黄)と分解するエネルギーをさらに必要とするため、Moの単体金属が炭化するよりもより多くのエネルギーを必要とする結果、Mo炭化が優先され、固体潤滑作用を有するMoS2の炭化を抑制することができる。
また、物質同定の結果現れたMo2Cは、ビッカース硬度1500HVを越える強度を有する物質である。
そのため、被膜中にMo2Cが存在すると、その硬度により被膜の耐摩耗性の向上に貢献することができる。
被膜表面には、電極に含まれていたMoとMoS2の他にMo2C(炭化モリブデン)の小さいピークあり、Mo2Cがわずかに存在していたことがわかる。
MoS2の存在理由について考察すると、油などの有機物からなる加工液中で放電を発生させることにより放電の熱で油が分解され、電極と被加工物の間にメタンや炭素が発生する。
そして、その炭素やメタン中の炭素と放電によって溶かされた電極消耗溶融物質中の炭化しやすいMoが反応してMo2Cを形成していると推察される。
なお、同じ電極材料であるMoS2の一部も分解され、そのMoが炭化されるが、MoS2の場合は、S(硫黄)と分解するエネルギーをさらに必要とするため、Moの単体金属が炭化するよりもより多くのエネルギーを必要とする結果、Mo炭化が優先され、固体潤滑作用を有するMoS2の炭化を抑制することができる。
また、物質同定の結果現れたMo2Cは、ビッカース硬度1500HVを越える強度を有する物質である。
そのため、被膜中にMo2Cが存在すると、その硬度により被膜の耐摩耗性の向上に貢献することができる。
次に、電極中に含まれるMoS2の含有量の割合について説明する。
MoS2は固体潤滑作用を有する物質であるため、電極中のMoS2の含有量を多くすると、被膜中のMoS2の含有量が多くなり摩擦係数は0.2程度まで低下する。
しかし、MoS2は昇華型材料であるため、溶けて被膜になることはできない。
本実施の形態における実験の結果、MoやWなどの金属とMoS2やWS2などの固体潤滑作用を有する物質の混合電極において、固体潤滑作用を有する物質の割合が、40wt%を越えると、形成される被膜中での体積ではMoS2量が80%程度となり、被膜を形成する粒子と粒子が結合できず、手で簡単に剥離する被膜となることがわかった。
また電極のMoS2やWS2等の固体潤滑作用を有する物質の割合を2wt%より少なくすると、被膜中に含まれるMoS2やWS2等の固体潤滑作用を有する物質の割合も少なくなり、摩擦係数が0.7程度になってしまう。
摩擦係数が更に大きくなると、焼き付きを起こしてしまう可能性があるため、焼き付きを抑制する被膜を形成するには、電極に含まれる固体中かつ作用を有する物質の割合は2wt%以上、40wt%以下とする必要がある。
MoS2は固体潤滑作用を有する物質であるため、電極中のMoS2の含有量を多くすると、被膜中のMoS2の含有量が多くなり摩擦係数は0.2程度まで低下する。
しかし、MoS2は昇華型材料であるため、溶けて被膜になることはできない。
本実施の形態における実験の結果、MoやWなどの金属とMoS2やWS2などの固体潤滑作用を有する物質の混合電極において、固体潤滑作用を有する物質の割合が、40wt%を越えると、形成される被膜中での体積ではMoS2量が80%程度となり、被膜を形成する粒子と粒子が結合できず、手で簡単に剥離する被膜となることがわかった。
また電極のMoS2やWS2等の固体潤滑作用を有する物質の割合を2wt%より少なくすると、被膜中に含まれるMoS2やWS2等の固体潤滑作用を有する物質の割合も少なくなり、摩擦係数が0.7程度になってしまう。
摩擦係数が更に大きくなると、焼き付きを起こしてしまう可能性があるため、焼き付きを抑制する被膜を形成するには、電極に含まれる固体中かつ作用を有する物質の割合は2wt%以上、40wt%以下とする必要がある。
また、電極の固体潤滑作用を有する物質の割合が多くなるほど、同じ放電条件で形成される被膜の空隙率が大きくなる。
MoS2やWS2の固体潤滑作用を有する物質は、MoやWなどの金属に周囲を囲まれた状態で被膜中に存在する。
ここで、被膜を構成する粒子の結合強度を決定しているのは、MoやWの金属結合状態であり、溶けた金属にMoS2は浮いた状態で存在しているため、MoS2やWS2がたくさん存在すると、MoやWの結合面積が減少し、結合強度が低下する。
この結合強度の低下が、被膜の断面を観察するための切断工程において、被膜から離脱される部分を多く発生させ、空隙率の大きな被膜となる。
MoS2量を40wt%にした場合と5wt%にした場合の被膜断面写真を図5,6に示す。
実験より、固体潤滑作用を有する物質の割合を40wt%程度にすると被膜の空隙率は80%程度になり、固体潤滑作用を有する物質の割合を2wt%にすると空隙率は5%程度になる。
MoS2やWS2の固体潤滑作用を有する物質は、MoやWなどの金属に周囲を囲まれた状態で被膜中に存在する。
ここで、被膜を構成する粒子の結合強度を決定しているのは、MoやWの金属結合状態であり、溶けた金属にMoS2は浮いた状態で存在しているため、MoS2やWS2がたくさん存在すると、MoやWの結合面積が減少し、結合強度が低下する。
この結合強度の低下が、被膜の断面を観察するための切断工程において、被膜から離脱される部分を多く発生させ、空隙率の大きな被膜となる。
MoS2量を40wt%にした場合と5wt%にした場合の被膜断面写真を図5,6に示す。
実験より、固体潤滑作用を有する物質の割合を40wt%程度にすると被膜の空隙率は80%程度になり、固体潤滑作用を有する物質の割合を2wt%にすると空隙率は5%程度になる。
一般に、空隙率の高い被膜は、被膜のせん断力が小さく、摩擦係数を小さくできるが、大きな摩擦力が作用すると崩れてしまう。
反対に空隙率の低い被膜は、せん断力が大きく、摩擦係数は大きくなるが、大きな摩擦力でも崩れない。
さらに、空隙率に作用するMoS2等の被膜への含有量に応じて摩擦係数が左右され、摩擦係数が1程度となると焼き付きを起こしやすい。
それらのことから、軸受けなどに用いられる摩擦係数0.1〜0.5、摩耗量数μmの被膜としては、電極におけるMoS2、WS2等の固体潤滑作用を有する物質を20Wt%にし、MoやWの金属物質を80wt%にするのが良い。
反対に空隙率の低い被膜は、せん断力が大きく、摩擦係数は大きくなるが、大きな摩擦力でも崩れない。
さらに、空隙率に作用するMoS2等の被膜への含有量に応じて摩擦係数が左右され、摩擦係数が1程度となると焼き付きを起こしやすい。
それらのことから、軸受けなどに用いられる摩擦係数0.1〜0.5、摩耗量数μmの被膜としては、電極におけるMoS2、WS2等の固体潤滑作用を有する物質を20Wt%にし、MoやWの金属物質を80wt%にするのが良い。
以上の関係を下表に示す。
なお、本関係は、平均粒径1μmのMo粉末と平均粒径4μmのMoS2粉末からなる圧粉体電極を用い、Al合金の被加工物に対して上述した加工条件で被膜を成形したときの実験データである。
なお、本関係は、平均粒径1μmのMo粉末と平均粒径4μmのMoS2粉末からなる圧粉体電極を用い、Al合金の被加工物に対して上述した加工条件で被膜を成形したときの実験データである。
なお、本実験では、Mo粉末とMoS2粉末の圧粉体電極についてのデータであるが、固体潤滑作用を有する材料としては、WS2(二硫化タングステン)粉末とW粉末との混合粉末の圧粉体電極においても同様の実験データを得た。
本発明の実施の形態によれば、固体潤滑作用を有する物質を放電表面処理電極中に含有させることにより、被膜に該固体潤滑作用を有する物質の被膜を形成させる際に、固体潤滑作用を有する材料よりもより炭化しやすい物質を電極中に含ませることで、固体潤滑作用を有する物質の炭化を抑制でき、かつ、固体潤滑作用を有する物質を十分に含む被膜を形成することができる。
また、固体潤滑作用を有する物質の炭化を抑制するための金属は、炭化し高強度化され、被膜の耐摩耗性を向上することができる。
また、放電開始直後に高ピークになり、その後小さな電流が持続する放電波形を用いることで、Alなどの高熱伝導率を持つ被加工物上にも、固体潤滑作用を有する物質を含む被膜を形成できる。
また、固体潤滑作用を有する物質の炭化を抑制するための金属は、炭化し高強度化され、被膜の耐摩耗性を向上することができる。
また、放電開始直後に高ピークになり、その後小さな電流が持続する放電波形を用いることで、Alなどの高熱伝導率を持つ被加工物上にも、固体潤滑作用を有する物質を含む被膜を形成できる。
そして、固体潤滑作用を有する物質と、該固体潤滑作用を有する物質より炭化しやすい物質の割合を変更することで、摩擦係数、摩耗量を調整することが可能となり、被膜に作用される摩擦力が大きい場合には空隙率が低い被膜を、摩擦力が小さい場合は空隙率の高い被膜を選択することで、要求仕様に合致する低摩擦・低摩耗の被膜を実現できる。
上述した実施の形態では、固体潤滑作用を有する物質は、MoS2の場合について説明したが、同じ層状格子構造を有するWS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイトでも、同様な摩擦形態となるため、低摩擦被膜を形成できる。
そして、炭素との生成エントロピーが小さく炭化しやすい金属としては、MoやWの他に、TiやFe、またはMo合金、W合金、Ti合金、Fe合金でもよい。
そして、炭素との生成エントロピーが小さく炭化しやすい金属としては、MoやWの他に、TiやFe、またはMo合金、W合金、Ti合金、Fe合金でもよい。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、固体潤滑作用を有する材料と、該固体潤滑作用を有する材料より炭化しやすい材料を混合した圧粉体電極とすることにより、炭化しやすい材料が固体潤滑作用を有する材料の炭化を抑える化学変化を利用したものであるが、本実施の形態は、固体潤滑作用を有する材料と、炭素を多量に固容する材料とを混合することにより、炭素の固体潤滑作用を有する材料への供給を防止するものである。
上述した実施の形態1では、固体潤滑作用を有する材料と、該固体潤滑作用を有する材料より炭化しやすい材料を混合した圧粉体電極とすることにより、炭化しやすい材料が固体潤滑作用を有する材料の炭化を抑える化学変化を利用したものであるが、本実施の形態は、固体潤滑作用を有する材料と、炭素を多量に固容する材料とを混合することにより、炭素の固体潤滑作用を有する材料への供給を防止するものである。
本実施の形態では、平均粒径1μmのCo(コバルト)粉末と、重量比で20%MoS2の粉末を混合し、乾燥させた後、ワックスを重量3%混合して200MPaで圧縮成形し、約300℃の真空炉内で一時間保持して、50×16×3の電極を成形した。
そして、Co粉末とMoS2粉末の混合電極を用い、アルミ4032上にピーク電流50A、放電時間1.5μs供給した後、電流を11Aに落とした放電持続時間8μsの放電条件で加工を行った。
被加工物の処理面を50×3とし、処理面で電極を移動させながら、灯油を主成分とする加工液中で約60分間処理することで、Al合金(A5052)上に厚さ0.1mmの被膜を形成させた。
本実施の形態では、Moと比較して、Coは融点・溶解熱いずれも低いため、より短い放電持続時間で電極を溶融させることができる。
そのため、放電持続時間を実施の形態1よりも短くできる。
そして、Co粉末とMoS2粉末の混合電極を用い、アルミ4032上にピーク電流50A、放電時間1.5μs供給した後、電流を11Aに落とした放電持続時間8μsの放電条件で加工を行った。
被加工物の処理面を50×3とし、処理面で電極を移動させながら、灯油を主成分とする加工液中で約60分間処理することで、Al合金(A5052)上に厚さ0.1mmの被膜を形成させた。
本実施の形態では、Moと比較して、Coは融点・溶解熱いずれも低いため、より短い放電持続時間で電極を溶融させることができる。
そのため、放電持続時間を実施の形態1よりも短くできる。
Coは炭素と反応しないが、炭素を多量に固溶することができる。
すなわち、油などの有機物からなる加工液中で放電を発生させると、放電の熱で油が分解され、電極と被加工物の間にメタンや炭素が発生するが、その炭素をCoが多く固溶するため、固体潤滑作用を有する物質と反応する炭素量を減少させ、固体潤滑作用を有する物質であるMoS2やWS2の炭化を抑制することが本実施の形態の趣旨である。
すなわち、油などの有機物からなる加工液中で放電を発生させると、放電の熱で油が分解され、電極と被加工物の間にメタンや炭素が発生するが、その炭素をCoが多く固溶するため、固体潤滑作用を有する物質と反応する炭素量を減少させ、固体潤滑作用を有する物質であるMoS2やWS2の炭化を抑制することが本実施の形態の趣旨である。
形成された被膜の断面写真を図7に示す。
断面の作製は、樹脂埋めせず、切断機で二つに切断した後、研磨紙600番、1000番、1500番の順で研磨し、最後に2μmのダイヤモンドペーストで仕上げたものである。
図から考察すると、被加工物と被膜に明確な境界が存在せず、被膜と被加工物が拡散接合していると考えられる.
また、被膜の内部には、二値化による画像処理の結果、空隙率が20%程度の空隙が存在している。
断面の作製は、樹脂埋めせず、切断機で二つに切断した後、研磨紙600番、1000番、1500番の順で研磨し、最後に2μmのダイヤモンドペーストで仕上げたものである。
図から考察すると、被加工物と被膜に明確な境界が存在せず、被膜と被加工物が拡散接合していると考えられる.
また、被膜の内部には、二値化による画像処理の結果、空隙率が20%程度の空隙が存在している。
MoやWを使用した実施の形態1と比較して、炭素と反応しないCo粉末を用いたほうが、わずかに空隙率が減少した。
MoやWは炭素と反応し、Mo2CやWCなどの炭化物を形成する。
これらの炭化物は、融点が4000K近くと非常に高く、被膜が凝固する過程において、MoやWなどの金属よりも先に析出し、MoS2やWS2と同様に、金属に周囲を囲まれた状態で被膜中に存在することになる。
そのため、炭化物が被膜中に含まれると、炭化物は高強度であるため、摩耗量を抑制する効果を持つが、被膜を構成している粒子の結合強度を低下させてしまい、断面作製時に脱落部分を発生しやすくなり、空隙率が大きくなる。
それに対し、Coは炭化物を形成しないため、被膜を構成する粒子と粒子の結合強度を大きくすることができ、MoやWよりも空隙率を小さくすることができる。
すなわち、MoとMoS2からなる被膜よりも、より大きな摩擦力が作用する環境で使用する被膜に本技術を適用することが有効である。
MoやWは炭素と反応し、Mo2CやWCなどの炭化物を形成する。
これらの炭化物は、融点が4000K近くと非常に高く、被膜が凝固する過程において、MoやWなどの金属よりも先に析出し、MoS2やWS2と同様に、金属に周囲を囲まれた状態で被膜中に存在することになる。
そのため、炭化物が被膜中に含まれると、炭化物は高強度であるため、摩耗量を抑制する効果を持つが、被膜を構成している粒子の結合強度を低下させてしまい、断面作製時に脱落部分を発生しやすくなり、空隙率が大きくなる。
それに対し、Coは炭化物を形成しないため、被膜を構成する粒子と粒子の結合強度を大きくすることができ、MoやWよりも空隙率を小さくすることができる。
すなわち、MoとMoS2からなる被膜よりも、より大きな摩擦力が作用する環境で使用する被膜に本技術を適用することが有効である。
次に、被膜の摩擦係数と摩耗量の試験結果について説明する。
摩擦係数と摩耗量の試験においては、R18の合金工具鋼SKS製ピンを、試験荷重100MPa、最大速度6m/s、振幅40mmで被膜上を往復摺動させ、摩擦係数と摩耗量を求めた。
約二時間の摺動試験結果、摩擦係数は0.2、摩耗量は7μmであり、金属と金属の固体潤滑の場合と比較して、摩耗量、摩擦係数ともに低い値、焼き付きを抑制できる被膜を得た。
このような摩耗量、摩擦係数を有する被膜は、軸受けやカムによる往復運動機構のカムとの接触部の分野に適用することがよい。
摩擦係数と摩耗量の試験においては、R18の合金工具鋼SKS製ピンを、試験荷重100MPa、最大速度6m/s、振幅40mmで被膜上を往復摺動させ、摩擦係数と摩耗量を求めた。
約二時間の摺動試験結果、摩擦係数は0.2、摩耗量は7μmであり、金属と金属の固体潤滑の場合と比較して、摩耗量、摩擦係数ともに低い値、焼き付きを抑制できる被膜を得た。
このような摩耗量、摩擦係数を有する被膜は、軸受けやカムによる往復運動機構のカムとの接触部の分野に適用することがよい。
本発明の実施の形態によれば、固体潤滑作用を有する物質を放電表面処理電極中に含有させることにより、被膜に該固体潤滑作用を有する物質の被膜を形成させる際に、炭素を固溶しやすい物質を電極中に含ませることで、固体潤滑作用を有する物質の炭化を抑制でき、かつ、固体潤滑作用を有する物質を十分に含む被膜を形成することができる。
また、被膜を構成する粒子と粒子の結合強度をより大きくできるため、高い摩擦力が作用する環境で使用可能な被膜を提供できる。
また、放電開始直後に高ピークになり、その後小さな電流が持続する放電波形を用いることで、Alなどの高熱伝導率を持つ被加工物上にも、固体潤滑作用を有する物質を含む被膜を形成できる。
また、被膜を構成する粒子と粒子の結合強度をより大きくできるため、高い摩擦力が作用する環境で使用可能な被膜を提供できる。
また、放電開始直後に高ピークになり、その後小さな電流が持続する放電波形を用いることで、Alなどの高熱伝導率を持つ被加工物上にも、固体潤滑作用を有する物質を含む被膜を形成できる。
なお、本実施の形態において、固体潤滑作用を有する物質よりも炭素を固容しやすい材料として、Co粉末について説明したが、Ni、Co合金、Ni合金な出でも良く、それら固体潤滑作用を有する物質よりも炭素を固溶しやすい材料は、30wt%以上含有すればよい。
しかし、MoS2の割合を40wt%以上にすると形成される被膜中での体積ではMoS2量が80%程度となり、被膜を形成する粒子と粒子が結合できず、簡単に剥離してしまうため、炭素を固溶しやすい材料を60wt%以上にする必要がある。
しかし、MoS2の割合を40wt%以上にすると形成される被膜中での体積ではMoS2量が80%程度となり、被膜を形成する粒子と粒子が結合できず、簡単に剥離してしまうため、炭素を固溶しやすい材料を60wt%以上にする必要がある。
Claims (8)
- 金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極とし、油中において、上記電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において使用される電極であって、
固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイト等の何れかの材料を2〜40wt%含有し、
上記固体潤滑作用のある材料に対して炭素と反応しやすいMo、W、Ti、Fe、Mo合金、W合金、Ti合金、Fe合金等の何れかの材料を含有する放電表面処理用電極。 - 金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極とし、油中において、上記電極と被加工物との間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において使用される電極であって、
固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイト等の何れかの材料を2〜40wt%含有し、
炭素を固容しやすいCo、Ni、Co合金、Ni合金等の何れかの材料を含有する放電表面処理用電極。 - 固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイト等の材料は、平均粒径2μm以上10μm以下の粉末材料を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電表面処理用電極。
- 金属粉末もしくは金属の化合物の粉末を成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極として、油中において、上記電極と被加工物の間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において形成される被膜であって、
固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイト等を2%〜40%含み、空隙率が5%以上70%以下であることを特徴とする放電表面処理被膜。 - 被膜の硬度は、ビッカース硬度500HV〜1500HVとすることを特徴とする請求項4に記載の放電表面処理被膜。
- 金属または金属の化合物と、固体潤滑作用のあるMoS2、WS2、NbS2、MoSe2、WSe2、NbSe2、グラファイト、フッ化グラファイト等の粉末とを成形した成形体、またはこの成形体を加熱処理した加熱済み成形体を電極として、油中において、上記電極と被加工物の間にパルス状の放電を発生させ、その放電のエネルギーにより電極材料の被膜或いは放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜を上記被加工物表面に形成する放電表面処理において、
アルミや銅からなる100W/mK以上の熱伝導率を有する材料を被加工物に用い、放電開始直後は三角波形の電流を供給し、その後、その三角波形のピークよりも低い電流で放電を持続させ、被膜を形成することを特徴とする放電表面処理方法。 - 三角波形の電流は、15Aから60A程度で2μs以下供給し、その後の電流は、2Aから15A程度で数μsから数十μs供給することを特徴とする請求項6に記載の放電表面処理方法。
- 固体潤滑作用のある粉末と混合する金属または金属の化合物は、上記固体潤滑作用のある材料に対して炭素と反応しやすいMo、W、Ti、Fe、Mo合金、W合金、Ti合金、Fe合金等の何れかの材料、或いは、炭素を固容しやすいCo、Ni、Co合金、Ni合金とすることを特徴とする放電表面処理方法。
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| JP2013540886A (ja) * | 2010-07-09 | 2013-11-07 | クライマックス・エンジニアード・マテリアルズ・エルエルシー | 低摩擦表面被膜及びその製造方法 |
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