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JP2006298798A - マスクリン受容体およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスクリンに対する受容体の同定、マスクリンと該受容体との相互作用の解明、および該受容体のアゴニストおよび/またはアンタゴニストのスクリーニング系の提供。
【解決手段】(i)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、(ii)マスクリンもしくはその部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、両者の結合性を変化させる物質のスクリーニング方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、骨格筋特異的分泌蛋白質(マスクリン)に対する受容体および該受容体を用いたマスクリンが関与する疾患の予防・治療薬のスクリーニング方法等に関する。
糖尿病、高脂血症、高血圧、虚血性心疾患などのいわゆる生活習慣病は、我が国を含めた先進諸国の医療財政を圧迫している最大の元凶である。現代人は過食と運動不足に陥りやすく、その結果、余剰エネルギーが中性脂肪として脂肪組織に蓄積され、肥満症を引き起こす。
近年、脂肪組織から分泌される種々の生理活性蛋白質(アディポサイトカインと総称される)が代謝調節やインスリン抵抗性に関与することが示され、生活習慣病の治療への応用が試みられている。肥満時における脂肪蓄積は肝臓、筋肉、膵臓、血管壁などにも起こり、それら臓器での代謝異常を引き起こして、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、高血圧などを発症させる。これらの臓器は内分泌因子を介して互いに連関し、複雑かつ高度な代謝調節を行っていると考えられる。したがって、筋肉、肝臓、小腸、血管などからもアディポサイトカインと同様の作用を示す内分泌因子が産生・分泌されていると推測される。
下村らは、シグナルシークエンストラップ(SST)法を用いて、マウス骨格筋で特異的に発現する分泌蛋白質[「マスクリン(musclin)」と命名]をコードする遺伝子を単離し、該遺伝子の発現が(1)筋肉細胞の分化誘導で著明に上昇すること、(2)絶食・再摂食により低下・再上昇すること、(3)肥満糖尿病モデルで上昇していること、さらに、マスクリンは高インスリン状態に応答して発現誘導され、骨格筋細胞での糖取り込み・グリコーゲン合成を調節していることを報告した(特許文献1および非特許文献1;尚、特許文献1ではマスクリンを「SS169」と称している)。また、マスクリンと同一の蛋白質[オステオクリン(osteocrin)もしくは骨ペプチド-1と呼ばれる]が骨特異的に発現し、骨芽細胞の表現型を調節しているとの報告もある(特許文献2および非特許文献2)。
マスクリンがその作用を発揮するためには、標的細胞における特異的受容体との相互作用が必要である。マスクリン受容体の同定は、マスクリンと該受容体との相互作用の解明、受容体アゴニスト・アンタゴニストの開発、ひいては糖尿病、インスリン抵抗性、高血圧、高脂血症などの予防・治療薬の開発に大いに寄与するものと考えられる。しかしながら、これまでにマスクリン(あるいはそれと同一蛋白質であるオステオクリン)に対する受容体については全く報告されていない。
国際公開第2004/111234号パンフレット(全文) 国際公開第03/054005号パンフレット(全文) 西沢 (Nishizawa, H.) ら, ザ・ジャーナル・オヴ・バイオロジカル・ケミストリー (J. Biol. Chem.), 第279巻 (第19号), pp. 19391-19395 (2004年) トーマス (Thomas, G.) ら, ザ・ジャーナル・オヴ・バイオロジカル・ケミストリー (J. Biol. Chem.), 第278巻 (第50号), pp. 50563-50571 (2003年)
従って、本発明の目的は、マスクリンに対する受容体を同定し、マスクリンと該受容体との相互作用を解明するとともに、マスクリンと該受容体とを用いて、該受容体のアゴニストおよび/またはアンタゴニスト、即ち、糖尿病、インスリン抵抗性、高血圧、高脂血症などの予防・治療薬として有効な医薬品候補化合物のスクリーニング系を提供することである。
本発明者らは、マスクリン蛋白質が、ナトリウム利尿ペプチド(natriuretic peptide; NP)ファミリー(心房性(ANP)、脳性(BNP)、C型(CNP)が知られている)と相同な領域を含んでいることなどに着目し、それらのペプチドに対する受容体(NPR1、NPR2、NPR3の3種が知られている)とマスクリンとの結合性を調べた結果、マスクリンは、ANPのクリアランスに関与するとされる受容体NPR3(Npr3, Npr-3, NPR-3, Npr-c, NPR-Cとも呼ばれる。本明細書では「NPR3」と表記する)に特異的に結合することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤、
[2] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[1]記載の剤、
[3] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、上記[1]記載の剤、
[4] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドをコードする核酸を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤、
[5] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[4]記載の剤、
[6] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、上記[4]記載の剤、
[7] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸もしくはその部分ポリヌクレオチドを含有してなる、細胞分化異常および/または代謝異常の診断剤、
[8] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[7]記載の剤、
[9] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の診断用である、上記[7]記載の剤、
[10] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる、細胞分化異常および/または代謝異常の診断剤、
[11] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[10]記載の剤、
[12] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の診断用である、上記[10]記載の剤、
[13] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤、
[14] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[13]記載の剤、
[15] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、上記[13]記載の剤、
[16] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードする核酸と相補的な塩基配列またはその一部を含有する核酸を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤、
[17] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[16]記載の剤、
[18] 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、上記[16]記載の剤、
[19] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、細胞分化および/または代謝調節作用を示す物質のスクリーニング方法、
[20] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩が、それを産生する細胞の形態で提供されることを特徴とする、上記[19]記載の方法、
[21] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸もしくはその部分ポリヌクレオチド、あるいは配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体をさらに用いることを特徴とする、上記[20]記載の方法、
[22] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[19]記載の方法、
[23] 物質が肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療活性を有する、上記[19]記載の方法、
[24] (i)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、(ii)マスクリンもしくはその部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、両者の結合性を変化させる物質のスクリーニング方法、
[25] 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩が、それを産生する細胞の形態で提供されることを特徴とする、上記[24]記載の方法、
[26] 細胞への糖取り込みもしくは細胞におけるグリコーゲン合成を指標することを特徴とする、上記[25]記載の方法、
[27] 物質が細胞分化および/または代謝調節作用を示す、上記[24]記載の方法、
[28] 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、上記[27]記載の方法、および
[29] 物質が肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療活性を有する、上記[27]記載の方法などを提供する。
NPR3はマスクリンの受容体として機能するので、NPR3およびマスクリンを用いることにより、骨格筋などの細胞分化や糖・脂質・蛋白質代謝の異常に関連する疾患の予防・治療に有効な医薬品候補化合物をスクリーニングすることができる。
本発明に用いられるマスクリン受容体蛋白質は、配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質である。該蛋白質は、ナトリウム利尿ペプチド(NP)ファミリー(ANP、BNP、CNP)に対する受容体の1つであり、ANPのクリアランスに関与するとされる受容体NPR3と同一の蛋白質である。従って、以下、本明細書においては本発明のマスクリン受容体蛋白質を「NPR3」と呼ぶ場合もある。
NPR3は、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)の細胞[例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など]もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織[例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、脂肪組織(例、褐色脂肪組織、白色脂肪組織)、骨格筋など]等から単離・精製される蛋白質であってもよい。また、化学合成もしくは無細胞翻訳系で生化学的に合成された蛋白質であってもよいし、あるいは上記アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸を導入された形質転換体から産生される組換え蛋白質であってもよい。
配列番号:2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:2で表されるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。ここで「相同性」とは、当該技術分野において公知の数学的アルゴリズムを用いて2つのアミノ酸配列をアラインさせた場合の、最適なアラインメント(好ましくは、該アルゴリズムは最適なアラインメントのために配列の一方もしくは両方へのギャップの導入を考慮し得るものである)における、オーバーラップする全アミノ酸残基に対する同一アミノ酸および類似アミノ酸残基の割合(%)を意味する。「類似アミノ酸」とは物理化学的性質において類似したアミノ酸を意味し、例えば、芳香族アミノ酸(Phe、Trp、Tyr)、脂肪族アミノ酸(Ala、Leu、Ile、Val)、極性アミノ酸(Gln、Asn)、塩基性アミノ酸(Lys、Arg、His)、酸性アミノ酸(Glu、Asp)、水酸基を有するアミノ酸(Ser、Thr)、側鎖の小さいアミノ酸(Gly、Ala、Ser、Thr、Met)などの同じグループに分類されるアミノ酸が挙げられる。このような類似アミノ酸による置換は蛋白質の表現型に変化をもたらさない(即ち、保存的アミノ酸置換である)ことが予測される。保存的アミノ酸置換の具体例は当該技術分野で周知であり、種々の文献に記載されている(例えば、Bowieら,Science, 247: 1306-1310 (1990)を参照)。
本明細書におけるアミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。アミノ酸配列の相同性を決定するための他のアルゴリズムとしては、例えば、Karlinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 5873-5877 (1993)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはNBLASTおよびXBLASTプログラム(version 2.0)に組み込まれている(Altschulら, Nucleic Acids Res., 25: 3389-3402 (1997))]、Needlemanら, J. Mol. Biol., 48: 444-453 (1970)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはGCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれている]、MyersおよびMiller, CABIOS, 4: 11-17 (1988)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはCGC配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(version 2.0)に組み込まれている]、Pearsonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444-2448 (1988)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはGCGソフトウェアパッケージ中のFASTAプログラムに組み込まれている]等が挙げられ、それらも同様に好ましく用いられ得る。
より好ましくは、配列番号:2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、配列番号:2で表されるアミノ酸配列と約60%以上、好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上の同一性を有するアミノ酸配列である。
配列番号:2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例えば、前記の配列番号:2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、リガンド(即ち、マスクリン)結合活性およびシグナル情報伝達作用などが挙げられる。「実質的に同質」とは、それらの活性が性質的に(例:生理学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。したがって、リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等(例:約0.5〜約2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後述するアゴニスト、アンタゴニストのスクリーニング方法において用いられる方法や、細胞への糖取り込み、細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などを指標とする方法等に従って行うことができる。
また、本発明のNPR3には、例えば、(1)配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち1または2個以上(好ましくは、1〜100個程度、好ましくは1〜50個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、特に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(2)配列番号:2で表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜100個程度、好ましくは1〜50個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、特に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(3)配列番号:2で表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜50個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(4)配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち1または2個以上(好ましくは、1〜50個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または(5)それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、欠失または置換の位置は、蛋白質の活性が保持される限り特に限定されない。
本発明のNPR3は、好ましくは、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するヒトNPR3蛋白質(GenBankアクセッション番号:NP_000899)、あるいは他の哺乳動物におけるそのホモログ(例えば、GenBankにそれぞれアクセッション番号NP_037000、NP_032754およびNP_776552として登録されているラット、マウスおよびウシホモログ(それぞれヒトNPR3に対して約91%、約90%および約93%の同一性を有する)等)である。
本明細書において、蛋白質およびペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)で記載される。配列番号:2で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質をはじめとする、本発明のNPR3は、C末端がカルボキシル基(-COOH)、カルボキシレート(-COO-)、アミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなどのC1-6アルキル基;例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基;例えば、フェニル、α-ナフチルなどのC6-12アリール基;例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基;α−ナフチルメチルなどのα-ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基;ピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のNPR3がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明の蛋白質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のNPR3には、N末端のアミノ酸残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成し得るN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば-OH、-SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
NPR3の部分ペプチド(以下、単に「本発明の部分ペプチド」と略称する場合もある)は、上記したNPR3の部分アミノ酸配列を有するペプチドであり、且つNPR3と実質的に同質の活性を有する限り、何れのものであってもよい。ここで「実質的に同質の活性」とは上記と同意義を示す。また、「実質的に同質の活性」の測定はNPR3の場合と同様に行なうことができる。
具体的には、本発明の部分ペプチドとして、例えば、配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、リガンドであるマスクリンとの結合に関わる領域および該相互作用を介したシグナル伝達に関わる領域をさらに含む部分アミノ酸配列を有するものなどが用いられる。
本発明の部分ペプチドとしては、少なくとも50個以上、好ましくは100個以上、より好ましくは200個以上のアミノ酸を有するペプチドなどが好ましい。
一方、NPR3の部分アミノ酸配列を含むがNPR3と実質的に同質の活性を有しないペプチド、例えば、配列番号:2で表されるアミノ酸配列のうち、マスクリンとの結合に関わる領域を含むが、該相互作用を介したシグナル伝達に関わる領域を含まない部分アミノ酸配列を有するものなどは、「本発明の部分ペプチド」には含まれない。しかしながら、かかるペプチドは、マスクリンと結合することによりNPR3を介したシグナル伝達作用を遮断することができるので、該シグナル伝達作用を抑制したい場合に有用であり得る。
また、本発明の部分ペプチドはC末端がカルボキシル基(-COOH)、カルボキシレート(-COO-)、アミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)の何れであってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、NPR3について前記したと同様のものが挙げられる。本発明の部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば、C末端のエステルと同様のものなどが用いられる。
さらに、本発明の部分ペプチドには、上記したNPR3と同様に、N末端のアミノ酸残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
NPR3またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
NPR3またはその塩は、前述した哺乳動物の細胞または組織から自体公知の蛋白質の精製方法によって製造することができる。具体的には、哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズし、低速遠心により細胞デブリスを除去した後、上清を高速遠心して細胞膜含有画分を沈澱させ(必要に応じて密度勾配遠心などにより細胞膜画分を精製し)、該画分を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー等に付すことによりNPR3またはその塩を調製することができる。
NPR3もしくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、「NPR3類」と総称する場合がある)は、公知のペプチド合成法に従って製造することもできる。
ペプチド合成法は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれであってもよい。NPR3類を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合し、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的とする蛋白質を製造することができる。
ここで、縮合や保護基の脱離は、自体公知の方法、例えば、以下の(1)〜(5)に記載された方法に従って行われる。
(1) M. BodanszkyおよびM.A. Ondetti、ペプチド・シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
(2) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド (The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
(3)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株) (1975年)
(4)矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座 1、蛋白質の化学IV 205 (1977年)
(5)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合成、広川書店
このようにして得られた蛋白質(ペプチド)は、公知の精製法により精製単離することができる。ここで、精製法としては、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶、これらの組み合わせなどが挙げられる。
上記方法で得られる蛋白質(ペプチド)が遊離体である場合には、該遊離体を公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に蛋白質(ペプチド)が塩として得られた場合には、該塩を公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
NPR3類の合成には、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4-ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4-ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。このような樹脂を用い、α-アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質(ペプチド)の配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質等を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質(ペプチド)またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒は、蛋白質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなどのアミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約-20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2-アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4-ニトロベンジルエステル、4-メトキシベンジルエステル、4-クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2-ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd-黒あるいはPd-炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約-20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
蛋白質(ペプチド)のアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα-カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα-アミノ基の保護基のみを除いた蛋白質(ペプチド)とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去した蛋白質(ペプチド)とを製造し、この両蛋白質(ペプチド)を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質(保護ペプチド)を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗蛋白質(粗ペプチド)を得ることができる。この粗蛋白質(粗ペプチド)は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の蛋白質(ペプチド)のアミド体を得ることができる。
蛋白質(ペプチド)のエステル体は、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα-カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、上記蛋白質(ペプチド)のアミド体の場合と同様にして得ることができる。
本発明の部分ペプチドまたはその塩は、NPR3またはその塩を適当なペプチダーゼで切断することによっても製造することができる。
さらに、NPR3類は、NPR3またはその部分ペプチドをコードする核酸を含有する形質転換体を培養し、得られる培養物からNPR3類を分離精製することによって製造することもできる。NPR3またはその部分ペプチドをコードする核酸はDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。好ましくはDNAが挙げられる。また、該核酸は二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非コード鎖)であってもよい。
NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、サル、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ハムスターなど)のあらゆる細胞[例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など]もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織[例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、脂肪組織(例、褐色脂肪組織、白色脂肪組織)、骨格筋など]由来のcDNA、合成DNAなどが挙げられる。NPR3またはその部分ペプチドをコードするゲノムDNAおよびcDNAは、上記した細胞・組織より調製したゲノムDNA画分および全RNAもしくはmRNA画分をそれぞれ鋳型として用い、Polymerase Chain Reaction(以下、「PCR法」と略称する)およびReverse Transcriptase-PCR(以下、「RT-PCR法」と略称する)によって直接増幅することもできる。あるいは、NPR3またはその部分ペプチドをコードするゲノムDNAおよびcDNAは、上記した細胞・組織より調製したゲノムDNAおよび全RNAもしくはmRNAの断片を適当なベクター中に挿入して調製されるゲノムDNAライブラリーおよびcDNAライブラリーから、コロニーもしくはプラークハイブリダイゼーション法またはPCR法などにより、それぞれクローニングすることもできる。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。
NPR3をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:1で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:1で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有し、前記したNPR3と実質的に同質の活性(例:マスクリンへの結合活性、シグナル伝達作用など)を有する蛋白質をコードするDNAなどが挙げられる。
配列番号:1で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:1で表される塩基配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、特に好ましくは約80%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本明細書における塩基配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=-3)にて計算することができる。塩基配列の相同性を決定するための他のアルゴリズムとしては、上記したアミノ酸配列の相同性計算アルゴリズムが同様に好ましく例示される。
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)第2版(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、ハイブリダイゼーションは、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。ハイブリダイゼーションは、好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件としては、例えば、ナトリウム塩濃度が約19〜約40mM、好ましくは約19〜約20mMで、温度が約50〜約70℃、好ましくは約60〜約65℃の条件等が挙げられる。特に、ナトリウム塩濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が好ましい。
NPR3をコードするDNAは、好ましくは配列番号:1で表される塩基配列で示されるヒトNPR3蛋白質をコードする塩基配列を含有するDNA(GenBankアクセッション番号:NM_000908)、あるいは他の哺乳動物におけるそのホモログ(例えば、GenBankにそれぞれアクセッション番号NM_012868、NM_008728およびNM_174127として登録されているラット、マウスおよびウシホモログ(それぞれヒトNPR3 cDNAに対して約87%、約86%および約89%の同一性を有する)等)である。
本発明の部分ペプチドをコードするDNAは、配列番号:2で表されるアミノ酸配列の一部と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチドをコードする塩基配列を含むものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、上記した細胞・組織より調製したmRNA画分を用いて直接RT-PCR法によって増幅することもできる。
具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:1で表される塩基配列の部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番号:1で表される塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、前記したNPR3と実質的に同質の活性(例:マスクリンとの結合活性、シグナル伝達作用など)を有するペプチドをコードするDNAなどが用いられる。
配列番号:1で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、該塩基配列と約60%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、最も好ましくは約85%以上の同一性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAは、該NPR3またはその部分ペプチドをコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当な発現ベクターに組み込んだDNAを、NPR3蛋白質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを標識したものとハイブリダイゼーションすることによってクローニングすることができる。ハイブリダイゼーションは、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)第2版(前述)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、ハイブリダイゼーションは、該ライブラリーに添付された使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列は、公知のキット、例えば、MutanTM-super Express Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って変換することができる。
クローン化されたDNAは、目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化するか、リンカーを付加した後に、使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することができる。
NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAを含む発現ベクターは、例えば、NPR3をコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出し、該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13);枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194);酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15);昆虫細胞発現プラスミド(例:pFast-Bac);動物細胞発現プラスミド(例:pA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neo);λファージなどのバクテリオファージ;バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクター(例:BmNPV、AcNPV);レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなどの動物ウイルスベクターなどが用いられる。
プロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。
例えば、宿主が動物細胞である場合、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、RSV(ラウス肉腫ウイルス)プロモーター、MoMuLV(モロニーマウス白血病ウイルス)LTR、HSV-TK(単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ)プロモーターなどが用いられる。なかでも、CMVプロモーター、SRαプロモーターなどが好ましい。
宿主がエシェリヒア属菌である場合、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーターなどが好ましい。
宿主がバチルス属菌である場合、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなどが好ましい。
宿主が酵母である場合、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターとしては、上記の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製起点(以下、SV40 oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(以下、dhfrと略称する場合がある、メソトレキセート(MTX)耐性)、アンピシリン耐性遺伝子(以下、amprと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、neorと略称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用い、dhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、チミジンを含まない培地によって目的遺伝子を選択することもできる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列をコードする塩基配列(シグナルコドン)を、NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAの5’末端側に付加(またはネイティブなシグナルコドンと置換)してもよい。例えば、宿主がエシェリヒア属菌である場合、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが;宿主がバチルス属菌である場合、α-アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが;宿主が酵母である場合、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列などが;宿主が動物細胞である場合、インスリン・シグナル配列、α-インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ用いられる。
上記したNPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAを含む発現ベクターで宿主を形質転換し、得られる形質転換体を培養することによって、NPR3類を製造することができる。
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160 (1968)〕,エシェリヒア・コリJM103〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,309 (1981)〕,エシェリヒア・コリJA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology),120巻,517 (1978)〕,エシェリヒア・コリHB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,459 (1969)〕,エシェリヒア・コリC600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440 (1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン (Gene),24巻,255 (1983)〕,バチルス・サブチルス207-21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87 (1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87-11A,DKD-5D,20B-12、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)KM71などが用いられる。
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞、Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合、昆虫細胞としては、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592 (1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サルCOS-7細胞、サルVero細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損CHO細胞(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記)、マウスL細胞、マウスAtT-20細胞、マウスミエローマ細胞、ラットGH3細胞、ヒトFL細胞などが用いられる。
形質転換は、宿主の種類に応じ、公知の方法に従って実施することができる。 エシェリヒア属菌は、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110 (1972)やジーン(Gene),17巻,107 (1982)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
バチルス属菌は、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics),168巻,111 (1979)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
酵母は、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,182-187 (1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929 (1978)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
昆虫細胞および昆虫は、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology),6巻,47-55 (1988)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
動物細胞は、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール,263-267 (1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456 (1973)に記載の方法に従って形質転換することができる。
形質転換体の培養は、宿主の種類に応じ、公知の方法に従って実施することができる。
例えば、宿主がエシェリヒア属菌またはバチルス属菌である形質転換体を培養する場合、培養に使用される培地としては液体培地が好ましい。また、培地は、形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物などを含有することが好ましい。ここで、炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖などが;窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質が;無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがそれぞれ挙げられる。また、培地には、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは、好ましくは約5〜約8である。
宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics), 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。必要により、プロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β-インドリルアクリル酸のような薬剤を培地に添加してもよい。
宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体の培養は、通常約15〜約43℃で、約3〜約24時間行なわれる。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主がバチルス属菌である形質転換体の培養は、通常約30〜約40℃で、約6〜約24時間行なわれる。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が酵母である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K.L.ら,プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505 (1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G.A.ら,プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5330 (1984)〕などが挙げられる。培地のpHは、好ましくは約5〜約8である。培養は、通常約20℃〜約35℃で、約24〜約72時間行なわれる。必要に応じて、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えばGrace's Insect Medium〔Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195巻,788 (1962)〕に非働化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは、好ましくは約6.2〜約6.4である。培養は、通常約27℃で、約3〜約5日間行なわれる。必要に応じて通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、約5〜約20%の胎児ウシ血清を含む最小必須培地(MEM)〔サイエンス(Science),122巻,501 (1952)〕,ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396 (1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association),199巻,519 (1967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine),73巻,1 (1950)〕などが用いられる。培地のpHは、好ましくは約6〜約8である。培養は、通常約30℃〜約40℃で、約15〜約60時間行なわれる。必要に応じて通気や撹拌を行ってもよい。
以上のようにして、形質転換体の細胞内または細胞外にNPR3類を製造せしめることができる。
前記形質転換体を培養して得られる培養物からNPR3類を自体公知の方法に従って分離精製することができる。
例えば、NPR3類を培養菌体あるいは細胞の細胞質から抽出する場合、培養物から公知の方法で集めた菌体あるいは細胞を適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊した後、遠心分離やろ過により可溶性蛋白質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。該緩衝液は、尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX-100TMなどの界面活性剤を含んでいてもよい。一方、膜画分からNPR3類を抽出する場合は、上記と同様に菌体あるいは細胞を破壊した後、低速遠心で細胞デブリスを沈澱除去し、上清を高速遠心して細胞膜含有画分を沈澱させる(必要に応じて密度勾配遠心などにより細胞膜画分を精製する)などの方法が用いられる。また、NPR3類が菌体(細胞)外に分泌される場合には、培養物から遠心分離またはろ過等により培養上清を分取するなどの方法が用いられる。
このようにして得られた可溶性画分、膜画分あるいは培養上清中に含まれるNPR3類の単離精製は、自体公知の方法に従って行うことができる。このような方法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法;透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法;イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法;アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法;逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法;等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法;などが用いられる。これらの方法は、適宜組み合わせることもできる。
かくして得られる蛋白質またはペプチドが遊離体である場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって、該遊離体を塩に変換することができ、蛋白質またはペプチドが塩として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、該塩を遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、形質転換体が産生するNPR3類を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。該蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
かくして得られるNPR3類の存在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロッティングなどにより確認することができる。
さらに、NPR3類は、上記のNPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAに対応するRNAを鋳型として、ウサギ網状赤血球ライセート、コムギ胚芽ライセート、大腸菌ライセートなどからなる無細胞蛋白質翻訳系を用いてインビトロ合成することができる。あるいは、さらにRNAポリメラーゼを含む無細胞転写/翻訳系を用いて、NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNAを鋳型としても合成することができる。
NPR3蛋白質、即ち配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、をコードする塩基配列またはその一部、あるいは該塩基配列と相補的な塩基配列またはその一部を含有する核酸とは、前述のNPR3またはその部分ペプチドをコードする核酸だけではなく、フレームの合わない塩基配列をも含む意味で用いられる。
目的核酸の標的領域と相補的な塩基配列を含む核酸、即ち、目的核酸とハイブリダイズすることができる核酸は、該目的核酸に対して「アンチセンス」であるということができる。一方、目的核酸の標的領域と相同性を有する塩基配列を含む核酸は、該目的核酸に対して「センス」であるということができる。ここで「相同性を有する」または「相補的である」とは、塩基配列間で約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の同一性または相補性を有することをいう。
NPR3蛋白質をコードする塩基配列と相補的な塩基配列またはその一部を含有する核酸(以下、「本発明のアンチセンス核酸」ともいう)は、クローン化した、あるいは決定されたNPR3をコードする核酸の塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうした核酸は、NPR3遺伝子の複製または発現を阻害することができる。即ち、本発明のアンチセンス核酸は、NPR3遺伝子から転写されるRNAとハイブリダイズすることができ、mRNAの合成(プロセッシング)または機能(蛋白質への翻訳)を阻害することができる。
本発明のアンチセンス核酸の標的領域は、アンチセンス核酸がハイブリダイズすることにより、結果としてNPR3蛋白質の翻訳が阻害されるものであればその長さに特に制限はなく、NPR3 mRNAの全配列であっても部分配列であってもよく、短いもので約15塩基程度、長いものでmRNAまたは初期転写産物の全配列が挙げられる。合成の容易さや抗原性の問題を考慮すれば、約15〜約30塩基からなるオリゴヌクレオチドが好ましいがそれに限定されない。具体的には、例えば、NPR3前駆ポリペプチドをコードする核酸の5’端ヘアピンループ、5’端6-ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、および3’端ヘアピンループが標的領域として選択しうるが、NPR3遺伝子内の如何なる領域も標的として選択しうる。例えば、該遺伝子のイントロン部分を標的領域とすることもまた好ましい。
さらに、本発明のアンチセンス核酸は、NPR3 mRNAもしくは初期転写産物とハイブリダイズして蛋白質への翻訳を阻害するだけでなく、二本鎖DNAであるNPR3遺伝子と結合して三重鎖(トリプレックス)を形成し、RNAの転写を阻害し得るものであってもよい。
アンチセンス核酸は、2-デオキシ-D-リボースを含有しているデオキシリボヌクレオチド、D-リボースを含有しているリボヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN-グリコシドであるその他のタイプのヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
アンチセンス核酸は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。こうした修飾は当該分野で数多く知られており、例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
アンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
NPR3 mRNAもしくは初期転写産物を、コード領域の内部(初期転写産物の場合はイントロン部分を含む)で特異的に切断し得るリボザイムもまた、本発明のアンチセンス核酸に包含され得る。「リボザイム」とは核酸を切断する酵素活性を有するRNAをいうが、最近では当該酵素活性部位の塩基配列を有するオリゴDNAも同様に核酸切断活性を有することが明らかになっているので、本明細書では配列特異的な核酸切断活性を有する限りDNAをも包含する概念として用いるものとする。リボザイムとして最も汎用性の高いものとしては、ウイロイドやウイルソイド等の感染性RNAに見られるセルフスプライシングRNAがあり、ハンマーヘッド型やヘアピン型等が知られている。ハンマーヘッド型は約40塩基程度で酵素活性を発揮し、ハンマーヘッド構造をとる部分に隣接する両端の数塩基ずつ(合わせて約10塩基程度)をmRNAの所望の切断部位と相補的な配列にすることにより、標的mRNAのみを特異的に切断することが可能である。このタイプのリボザイムは、RNAのみを基質とするので、ゲノムDNAを攻撃することがないというさらなる利点を有する。NPR3 mRNAが自身で二本鎖構造をとる場合には、RNAヘリカーゼと特異的に結合し得るウイルス核酸由来のRNAモチーフを連結したハイブリッドリボザイムを用いることにより、標的配列を一本鎖にすることができる[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98(10): 5572-5577 (2001)]。さらに、リボザイムを、それをコードするDNAを含む発現ベクターの形態で使用する場合には、転写産物の細胞質への移行を促進するために、tRNAを改変した配列をさらに連結したハイブリッドリボザイムとすることもできる[Nucleic Acids Res., 29(13): 2780-2788 (2001)]。
NPR3 mRNAもしくは初期転写産物のコード領域内の部分配列(初期転写産物の場合はイントロン部分を含む)に相補的な塩基配列を有する二本鎖オリゴRNA(siRNA)もまた、本発明のアンチセンス核酸に包含され得る。短い二本鎖RNAを細胞内に導入するとそのRNAの一方の鎖に相補的なmRNAが分解される、いわゆるRNA干渉(RNAi)と呼ばれる現象は、以前から線虫、昆虫、植物等で知られていたが、最近、この現象が哺乳動物細胞でも起こることが確認されて以来[Nature, 411(6836): 494-498 (2001)]、アンチセンス、リボザイムの代替技術として広く利用されている。siRNAは標的となるmRNAの塩基配列情報に基づいて、市販のソフトウェア(例:RNAi Designer; Invitrogen)を用いて適宜設計することができる。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムは、NPR3 cDNA配列もしくはゲノミックDNA配列情報に基づいてmRNAもしくは初期転写産物の標的領域を決定し、市販のDNA/RNA自動合成機(アプライド・バイオシステムズ社、ベックマン社等)を用いて、これに相補的な配列を合成することにより調製することができる。RNAi活性を有するsiRNAは、センス鎖及びアンチセンス鎖をDNA/RNA自動合成機でそれぞれ合成し、適当なアニーリング緩衝液中で、例えば、約90〜約95℃で約1分程度変性させた後、約30〜約70℃で約1〜約8時間アニーリングさせることにより調製することができる。また、相補的なオリゴヌクレオチド鎖を交互にオーバーラップするように合成して、これらをアニーリングさせた後リガーゼでライゲーションすることにより、より長い二本鎖ポリヌクレオチドを調製することもできる。
本発明のアンチセンス核酸の遺伝子発現阻害活性は、NPR3をコードする核酸を含有する形質転換体、生体内や生体外のNPR3遺伝子発現系またはNPR3蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
本発明はまた、NPR3もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を提供する。該抗体は、NPR3類に対して特異的親和性を有するものであれば、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。NPR3類に対する抗体は、NPR3類を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクロナール抗体産生細胞の作製
NPR3類は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された哺乳動物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化NPR3類と抗血清とを反応させた後、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁 (1975年)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS-1、P3U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、蛋白質等の抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識した蛋白質等を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM-101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b)モノクロナール抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製造することができる。例えば、免疫抗原(蛋白質等の抗原)とキャリアー蛋白質との複合体を作り、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物からNPR3類に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、哺乳動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
NPR3はマスクリンに対する受容体として機能する。従って、NPR3類、NPR3をコードする核酸またはその一部、NPR3類に対する抗体(以下、「本発明の抗体」という場合がある)、NPR3をコードする核酸に対するアンチセンス核酸(以下、「本発明のアンチセンス核酸」という場合がある)は、以下の用途を有している。
(1)細胞分化および/または代謝調節剤
マスクリンは、ほぼ骨格筋特異的に分泌発現し、糖尿病モデルマウスや絶食後再給餌において高発現すること、その発現がインスリンに影響を受けるとともに、インスリンの作用に影響を及ぼすこと、並びに骨で発現し、骨・軟骨代謝に影響を及ぼし得ること等から、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節に重要な役割を果たしていることは明らかである。NPR3はマスクリンと相互作用して細胞分化および/または代謝調節に関するシグナルを伝達するので、a)NPR3類またはb)NPR3類をコードするDNAを、細胞分化および/または代謝の調節剤として使用することができる。
例えば、生体内においてNPR3が減少しているために、リガンドであるマスクリンの生理作用が期待できない(NPR3の欠乏症)患者がいる場合に、a)NPR3類を該患者に投与しNPR3量を補充したり、b)(イ)NPR3類をコードするDNAを該患者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対象となる細胞にNPR3類をコードするDNAを導入し、発現させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者の体内におけるNPR3量を増加させ、マスクリンの作用を充分に発揮させることができる。すなわち、NPR3類およびそれをコードするDNAは、安全で低毒性なNPR3の機能不全が関与する疾患の予防および/または治療剤として有用である。NPR3の機能不全が関与する疾患として、細胞分化および/または代謝異常、好ましくは肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝、好ましくは糖・脂質・蛋白質代謝の異常が挙げられ、より具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患(例:骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄炎症、大理石骨病、変形性関節症、慢性関節リウマチ等)などが挙げられるが、それらに限定されない。
NPR3類およびNPR3類をコードするDNA(以下、「本発明のDNA」という場合もある)は、必要に応じて薬理学的に許容し得る担体とともに混合して医薬組成物とした後に、上記医薬として用いることができる。
ここで、薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など)、天然色素(例、β-カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
前記医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、徐放性製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)等の非経口剤が挙げられる。
医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。以下に、製剤の具体的な製造法について詳述する。医薬組成物中の有効成分の含量は、剤形、有効成分の投与量などにより異なるが、例えば約0.1ないし100重量%である。
例えば、経口剤は、有効成分に、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン、D-マンニトールなど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL-30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性溶剤(例、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール等)等の添加物を用いてもよい。注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
本発明のDNAを上記予防・治療剤として使用する場合は、本発明のDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターなどの適当な発現ベクター中に挿入した後、常套手段に従って投与することもできる。また、本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与することもできる。
NPR3類の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
本発明のDNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に、例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
一方、NPR3類に対する抗体(本発明の抗体)は、マスクリンとNPR3と相互作用を阻害してNPR3の関与するシグナル伝達機能、例えば、細胞分化および/または代謝調節活性を不活性化(すなわち中和)することができる。一方、NPR3をコードする塩基配列に相補的な塩基配列もしくはその一部を含む核酸(リボザイムやsiRNAを含む;本発明のアンチセンス核酸)は、NPR3遺伝子の転写、転写産物のプロセッシングおよび/またはmRNAからの翻訳をブロックすることにより、NPR3の発現を阻害することができる。従って、(1)本発明の抗体または(2)本発明のアンチセンス核酸を、上記NPR3類または本発明のDNAとは逆向きの、細胞分化および/または代謝調節剤として、例えば、NPR3の過剰発現に関連する疾患の予防・治療剤などの医薬として使用することができる。NPR3の過剰発現が関与する疾患として、細胞分化および/または代謝異常、好ましくは肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝、好ましくは糖・脂質・蛋白質代謝の異常が挙げられ、より具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患などが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の抗体および本発明のアンチセンス核酸は、それぞれ前記NPR3類および本発明のDNAと同様にして製剤化することができる。また、該アンチセンス核酸は、そのままで、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与することもできる。
本発明の抗体の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
本発明のアンチセンス核酸の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に、例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(2)遺伝子診断剤
NPR3をコードする核酸またはその一部(以下、「本発明のセンス核酸」という場合がある)および本発明のアンチセンス核酸は、プローブやプライマーとして使用することにより、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)におけるNPR3をコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
本発明のセンスまたはアンチセンス核酸を用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR-SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーション等によりNPR3の発現低下が検出された場合は、例えば、NPR3の機能不全が関与する疾患に罹患している可能性が高いか、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、ノーザンハイブリダイゼーション等によりNPR3の発現過多が検出された場合は、例えば、NPR3の過剰発現が関与する疾患に罹患している可能性が高いか、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
NPR3の機能不全もしくは過剰発現が関与する疾患としては、例えば、細胞分化および/または代謝異常、好ましくは肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝、好ましくは糖・脂質・蛋白質代謝の異常、より具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患などが挙げられる。
(3)NPR3の発現量を変化させる化合物のスクリーニング
本発明のセンスおよびアンチセンス核酸は、プローブまたはプライマーとして用いることにより、NPR3の発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち本発明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物の(1)血液、(2)特定の臓器、(3)臓器から単離した組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれるNPR3 mRNA量を測定することによる、NPR3の発現量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
NPR3 mRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には、肥満マウス、糖尿病マウス、高血圧ラット、動脈硬化ウサギ、担癌マウス、骨粗鬆症マウス、慢性関節リウマチマウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗肥満薬、抗糖尿病薬、降圧薬、血管作用薬、抗癌剤、抗骨粗鬆症薬、抗リウマチ薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、肝臓、膵臓、腎臓、筋肉、骨、関節など)、組織(例えば、褐色または白色脂肪組織、膵島、骨組織、軟骨組織など)あるいは細胞(骨格筋細胞、脂肪細胞、膵内分泌細胞、肝細胞、腎細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨吸収細胞など)を得る。
得られた細胞等に含まれるNPR3 mRNAは、例えば、通常の方法により該細胞等からmRNAを抽出し、例えば、TaqManPCRなどの手法を用いることにより定量することができ、自体公知の手段によりノーザンブロットを行なうことにより解析することもできる。
(ii)NPR3またはその部分ペプチドを発現する形質転換体を前述の方法に従って作製し、該形質転換体に含まれるNPR3またはその部分ペプチドのmRNAを同様にして定量、解析することができる。
NPR3の発現量を変化させる化合物のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前ないし24時間前、好ましくは30分前ないし12時間前、より好ましくは1時間前ないし6時間前)もしくは一定時間後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間後)、細胞に含まれるNPR3 mRNA量を定量、解析することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後ないし7日後、好ましくは1日後ないし3日後、より好ましくは2日後ないし3日後)、該形質転換体に含まれるNPR3またはその部分ペプチドのmRNA量を定量、解析することにより行なうことができる。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、NPR3の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)NPR3の発現量を増加させることにより、NPR3とマスクリンとの相互作用を介する細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を増強させる化合物、(ロ)NPR3の発現量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、NPR3の生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、NPR3の生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬として使用する場合、前記NPR3類と同様にして製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
NPR3は前述のとおり、骨格筋特異的に発現し、糖尿病モデルマウスや絶食後再給餌において高発現するマスクリンの受容体として機能すること、並びに骨で発現し、骨・軟骨代謝に影響を及ぼし得ること等から、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節に重要な役割を果たしていると考えられる。従って、NPR3の発現量を変化させる化合物は、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節剤として、好ましくは、細胞分化および/または代謝異常(具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患など)の予防・治療剤として用いることができる。
該化合物を上記医薬として使用する場合は、前記NPR3類と同様にして製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(4)マスクリンの定量
NPR3類は、マスクリンに対して結合性を有しているので、生体内におけるマスクリン濃度を高感度に定量することができる。
本発明の定量法は、例えば、競合法と組み合わせることによって用いることができる。すなわち、被検体をNPR3類と接触させることによって被検体中のマスクリン濃度を測定することができる。具体的には、例えば、以下の(1)または(2)などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用いることができる。
(1)入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)
(2)入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)
(5)NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニストなど)のスクリーニング
NPR3類を用いるか、または組換えNPR3の発現系を構築し、該発現系を用いたアフィニティーアッセイ系を用いることによって、NPR3とマスクリンの結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる。
このような化合物には、(イ)NPR3を介して細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を有する化合物(アゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物(アンタゴニスト)、(ハ)NPR3とマスクリンとの結合力を増強する化合物、あるいは(ニ)NPR3とマスクリンとの結合力を減少させる化合物などが含まれる。
すなわち、本発明は、(i)NPR3類とマスクリンもしくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、包括的に「マスクリン類」と称する)とを接触させた場合と(ii)NPR3類と、マスクリン類および試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする、NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法においては、(i)と(ii)の場合におけるNPR3に対するマスクリン類の結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較することを特徴とする。
より具体的には、本発明は、
(1)標識したマスクリン類をNPR3類に接触させた場合と、標識したマスクリン類および試験化合物をNPR3類に接触させた場合における、標識したマスクリン類のNPR3類に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするNPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(2)標識したマスクリン類を、NPR3を産生する細胞またはその膜画分に接触させた場合と、標識したマスクリン類および試験化合物をNPR3を産生する細胞またはその膜画分に接触させた場合における、標識したマスクリン類の該細胞または膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするNPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(3)標識したマスクリン類を、本発明のDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したNPR3類に接触させた場合と、標識したマスクリン類および試験化合物を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したNPR3類に接触させた場合における、標識したマスクリン類のNPR3類に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするNPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(4)NPR3を活性化する化合物(例えば、マスクリン類など)を、NPR3を細胞膜上に発現する細胞に接触させた場合と、NPR3を活性化する化合物および試験化合物を、NPR3を細胞膜上に発現する細胞に接触させた場合における、NPR3を介した細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を測定し、比較することを特徴とするNPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、および
(5)NPR3を活性化する化合物(例えば、マスクリン類など)を、本発明のDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したNPR3類に接触させた場合と、NPR3を活性化する化合物および試験化合物を、本発明のDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したNPR3類に接触させた場合における、NPR3を介する細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を測定し、比較することを特徴とするNPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、本発明のスクリーニング方法に用いるNPR3類としては、上記したNPR3もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有するものであれば何れのものであってもよいが、NPR3を産生する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させたヒト由来のNPR3類などが適している。
NPR3類を製造するには、前述の方法が用いられるが、本発明のDNAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現させることにより行なうことが好ましい。目的とする蛋白質部分をコードするDNA断片にはcDNAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるものではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。NPR3またはその部分ペプチドをコードするDNA断片を宿主動物(昆虫)細胞に導入し、それらを効率よく発現させるためには、該DNA断片を、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーター、昆虫を宿主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。
したがって、本発明のスクリーニング方法において用いられるNPR3類は、それ自体公知の方法に従って精製したNPR3類であってもよいし、NPR3類を産生する細胞またはその細胞膜画分として用いてもよい。
上記スクリーニング方法において、NPR3類を産生する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうことができる。
NPR3類を産生する細胞とは、NPR3類を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが用いられる。
前記細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したNPR3類と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
NPR3類を産生する細胞やその膜画分中のNPR3類の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子であるのがより好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのマスクリン結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物をスクリーニングする上記の(1)〜(3)を実施するためには、例えば、適当なNPR3類含有膜画分と標識したマスクリン類が必要である。
NPR3含有膜画分としては、天然型のNPR3含有膜画分か、またはそれと同等の活性を有する組換えNPR3類含有膜画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のマスクリン結合活性、シグナル情報伝達作用などを示す。
標識したマスクリン類としては、上記特許文献1に「NPR3類」として記載される蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を、常法に従って標識したものなどが用いられる。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識された該蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩などが用いられる。
具体的には、NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行なうには、まずNPR3類を産生する細胞またはその膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりNPR3類標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのNPR3とマスクリンとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween-80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E-64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01〜10mlのNPR3類懸濁液に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の標識したマスクリン類を添加し、同時に10-4M〜10-10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも用意する。反応は約0℃から50℃、望ましくは約4℃から37℃で、約20分から24時間、望ましくは約30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ-カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0-NSB)を100%とした時、特異的結合量(B-NSB)が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物をスクリーニングする上記の(4)〜(5)の方法を実施するためには、例えば、NPR3を介する細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、まず、NPR3類を産生する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行なうにあたっては、前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、NPR3類を膜上に発現した適当な細胞が必要である。NPR3類を発現した細胞としては、天然型のNPR3を産生する細胞株、前述の組換えNPR3類を発現した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが用いられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
NPR3とマスクリンの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キットは、NPR3類、NPR3類を産生する細胞またはその膜画分などを含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
1.スクリーニング用試薬
(1)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。
孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
(2)NPR3類標品
NPR3類を発現させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
(3)標識マスクリン類
市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識したマスクリン類
水溶液の状態のものを4℃あるいは-20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。
(4)マスクリン標準液
マスクリンを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、-20℃で保存する。
2.測定法
(1)12穴組織培養用プレートにて培養したNPR3類発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
(2)10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、標識マスクリン類を5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わりに10-3Mのマスクリン標準液を5μl加えておく。
(3)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞(またはプレート)に結合した標識マスクリン類を0.2N NaOH-1% SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
(4)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
〔数1〕
PMB=[(B-NSB)/(B0-NSB)]×100
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量)
B0 :最大結合量
上記スクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)マスクリン−NPR3相互作用を介して細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を有する化合物(アゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物(アンタゴニスト)、(ハ)NPR3とマスクリンとの結合力を増強する化合物、あるいは(ニ)NPR3とマスクリンとの結合力を減少させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
NPR3に対するアゴニストは、NPR3に対するマスクリンが有する生理活性と同様の作用を有しているので、マスクリン活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
NPR3に対するアンタゴニストは、NPR3に対するマスクリンが有する生理活性を抑制することができるので、マスクリン活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
NPR3とマスクリンとの結合力を増強する化合物は、NPR3に対するマスクリンが有する生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
NPR3とマスクリンとの結合力を減少させる化合物は、NPR3に対するマスクリンが有する生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
(6)NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾患の予防・治療剤
NPR3は前述のとおり、骨格筋特異的に発現し、糖尿病モデルマウスや絶食後再給餌において高発現するマスクリンの受容体として機能すること、並びに骨で発現し、骨・軟骨代謝に影響を及ぼし得ること等から、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節に重要な役割を果たしていると考えられる。従って、NPR3とマスクリンとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)は、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節剤として、好ましくは、細胞分化および/または代謝異常(具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患など)の予防・治療剤として用いることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(7)NPR3類の定量
本発明の抗体は、NPR3類を特異的に認識することができるので、被検液中のNPR3類の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用することができる。すなわち、本発明は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化蛋白質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化蛋白質等の割合を測定することを特徴とする被検液中のNPR3類の定量法、(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の抗体とを同時あるいは連続的に反応させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中のNPR3類の定量法を提供する。
上記(ii)においては、不溶化抗体と標識化抗体とが互いにNPR3類との結合を妨害しないような抗原認識部位を有することが好ましい(例えば、一方の抗体がNPR3類のN端部を認識し、他方の抗体がNPR3類のC端部に反応する等)。
NPR3類に対するモノクローナル抗体(以下、「本発明のモノクローナル抗体」と称する場合がある)を用いてNPR3類の測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。NPR3類に対する抗体を用いる測定法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、NPR3量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が用いられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)た後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中のNPR3量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができる。
また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
サンドイッチ法によるNPR3類の測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体はNPR3類との結合にかかる部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、NPR3類のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた後、未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、上記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法をNPR3類の定量に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてNPR3類の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A))、同書 Vol. 73 (Immunochemical Techniques (Part B))、同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D: Selected Immunoassays))、同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。
以上のように、本発明の抗体を用いることによって、NPR3類を高感度に定量することができる。
さらに、本発明の抗体を用いて、生体内でのNPR3またはその塩を定量することによって、NPR3の機能不全もしくは亢進に関連する各種疾患の診断をすることができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在するNPR3またはその塩を特異的に検出するために使用することができる。また、NPR3類を精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中のNPR3類の検出、被検細胞内におけるNPR3の挙動の分析などに使用することができる。
(8)細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニング
本発明の抗体は、NPR3類を特異的に認識することができるので、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち本発明は、例えば、
(i)非ヒト哺乳動物の(1)血液、(2)特定の臓器、(3)臓器から単離した組織もしくは細胞等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるNPR3を定量することによる、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(ii)NPR3またはその部分ペプチドを発現する形質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるNPR3類を定量することによる、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(iii)非ヒト哺乳動物の(1)血液、(2)特定の臓器、(3)臓器から単離した組織もしくは細胞等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層でのNPR3の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上のNPR3を確認することによる、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(iv)NPR3またはその部分ペプチドを発現する形質転換体等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層でのNPR3類の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上のNPR3類を確認することによる、細胞膜におけるNPR3類の量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
細胞膜画分に含まれるNPR3類の定量は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には、肥満マウス、糖尿病マウス、高血圧ラット、動脈硬化ウサギ、担癌マウス、骨粗鬆症マウス、慢性関節リウマチマウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗肥満薬、抗糖尿病薬、降圧剤、血管作用薬、抗癌剤、抗骨粗鬆症薬、抗リウマチ薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、肝臓、腎臓、膵臓、筋肉、骨、関節など)、組織(例えば、褐色または白色脂肪組織、膵島、骨組織、軟骨組織など)あるいは細胞(例えば、脂肪細胞、筋肉細胞、膵内分泌細胞、肝細胞、腎細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨吸収細胞など)を得る。得られた細胞等を、例えば、適当な緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液など)等に懸濁し、界面活性剤(例えば、トリトンX-100TM、ツイーン20TMなど)などを用いて該細胞等を破壊し、さらに遠心分離や濾過、カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、NPR3類と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれるNPR3類は、例えば、本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、ウエスタンブロット解析などにより定量することができる。
かかるサンドイッチ免疫測定法は前述の方法と同様にして行なうことができ、ウエスタンブロットは自体公知の手段により行なうことができる。
(ii)NPR3またはその部分ペプチドを発現する形質転換体を前述の方法に従って作製し、細胞膜画分に含まれるNPR3類を定量することができる。
細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前ないし24時間前、好ましくは30分前ないし12時間前、より好ましくは1時間前ないし6時間前)もしくは一定時間後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後ないし3日後、好ましくは1時間後ないし2日後、より好ましくは1時間後ないし24時間後)、細胞膜におけるNPR3の量を定量することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後ないし7日後、好ましくは1日後ないし3日後、より好ましくは2日後ないし3日後)、細胞膜におけるNPR3類の量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれるNPR3類の確認は、具体的には以下のようにして行なう。
(iii)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には、肥満マウス、糖尿病マウス、高血圧ラット、動脈硬化ウサギ、担癌マウス、骨粗鬆症マウス、慢性関節リウマチマウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗肥満薬、抗糖尿病薬、降圧剤、血管作用薬、抗癌剤、抗骨粗鬆症薬、抗リウマチ薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、肝臓、腎臓、膵臓、筋肉、骨、関節など)、組織(例えば、褐色または白色脂肪組織、膵島、骨組織、軟骨組織など)あるいは細胞(例えば、脂肪細胞、筋肉細胞、膵内分泌細胞、肝細胞、腎細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨吸収細胞など)を得る。得られた細胞等を、常法に従って組織切片とし、本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。細胞表層でのNPR3の染色度合いを定量化することによって、細胞膜上のNPR3を確認することにより、定量的または定性的に、細胞膜におけるNPR3類の量を確認することができる。
(iv)NPR3またはその部分ペプチドを発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)細胞膜におけるNPR3の量を増加させることにより、マスクリン−NPR3相互作用を介する細胞刺激活性(例えば、細胞内cAMP産生、イノシトールリン酸産生、Ca取り込み、cGMP産生、細胞への糖取り込み・細胞におけるグリコーゲン合成/分解、細胞からの糖放出、細胞への脂肪取り込み、細胞からの脂肪放出、細胞での脂肪分解、細胞での脂肪合成、タンパク性/非タンパク性ホルモン分泌調節、タンパク性/非タンパク性ホルモン作用調節、食欲調節、運動量調節、体重変動、血液中糖質・脂質変動、筋肉細胞の分化・増殖、骨芽細胞における分化・増殖などの調節など)を増強させる化合物、(ロ)細胞膜におけるNPR3の量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、NPR3の生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、NPR3の生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
(9)細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物を含有する各種疾患の予防・治療剤
NPR3は前述のとおり、骨格筋特異的に発現し、糖尿病モデルマウスや絶食後再給餌において高発現するマスクリンの受容体として機能すること、並びに骨で発現し、骨・軟骨代謝に影響を及ぼし得ること等から、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節に重要な役割を果たしていると考えられる。従って、細胞膜におけるNPR3の量を変化させる化合物は、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の調節剤として、好ましくは、細胞分化および/または代謝異常(具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患など)の予防・治療剤として用いることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(10)NPR3をコードするDNAを有する非ヒトトランスジェニック動物の作製
本発明は、外来性のNPR3をコードするDNA(以下、「本発明の外来性DNA」と略記する)またはその変異DNA(「本発明の外来性変異DNA」と略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
〔1〕本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、
〔2〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕記載の動物、
〔3〕ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第〔2〕記載の動物、および
〔4〕本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE-デキストラン法などにより目的とするDNAを転移することによって作出することができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統、DBA2系統など、交雑系として、B6C3F1系統、BDF1系統、B6D2F1系統、BALB/c系統、ICR系統など)またはラット(例えば、Wistar、SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠失、他の塩基への置換などが生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常なNPR3を発現させるDNAを意味し、例えば、正常なNPR3の機能を抑制する蛋白質等を発現させるDNAなどが用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動物を作出することができる。
本発明のDNAを担持させる発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、(1)ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモーター、(2)各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性蛋白質、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1、K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存蛋白質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K-ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H-2L)、H-ras、レニン、ドーパミンβ-水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF-1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎蛋白質、チログロブリン、Thy-1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長因子1α(EF-1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の5'上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3'下流に連結することも目的により可能である。
正常なNPR3の翻訳領域は、各種哺乳動物(例えば、ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、脂肪組織、筋肉由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または前記臓器または組織由来のRNAより公知の方法により調製されたcDNAを原料として取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られた正常なNPR3の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異させた翻訳領域を作製することによって得ることができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流(および所望により転写終結部位の上流)に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
本発明の外来性正常DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を増強することにより最終的にNPR3の機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、NPR3の機能亢進症や、NPR3が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離したNPR3の増加症状を有することから、NPR3に関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的にNPR3の機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、NPR3の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、NPR3の機能不活性型不応症における異常NPR3による正常NPR3の機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。
また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した異常NPR3の増加症状を有することから、NPR3の機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、上記2種類の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性として、例えば、
(1)組織培養のための細胞源としての使用、
(2)本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、または産生されたNPR3を分析することによる、NPR3により特異的に発現あるいは活性化する蛋白質等との関連性についての解析、
(3)DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用しての、一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
(4)上記(3)記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニング、および
(5)変異NPR3の単離精製およびその抗体作製などが考えられる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、NPR3の機能不活性型不応症などを含む、NPR3に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、また、NPR3に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、トリプシンなどの蛋白質分解酵素により、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、NPR3産生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどができ、NPR3の作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、NPR3の機能不活性型不応症を含む、NPR3に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、NPR3が関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
(11)NPR3をコードする遺伝子が不活性化された非ヒトノックアウト動物の作製
本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
〔1〕本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔3〕ネオマイシン耐性である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔4〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔5〕ゲッ歯動物がマウスである第〔4〕項記載の胚幹細胞、
〔6〕本発明のDNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
〔7〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔8〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔9〕ゲッ歯動物がマウスである第〔8〕項記載の非ヒト哺乳動物、および
〔10〕第〔7〕項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしているNPR3の活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的にNPR3の発現能を有しない(以下、「本発明のノックアウトDNA」と称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行なうことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、「本発明のDNA不活性化ES細胞」または「本発明のノックアウトES細胞」と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、poly A付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知のEvansとKaufmanの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G-バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1-10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001-0.5%トリプシン/0.1-5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1-3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin,プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー(J. Embryol. Exp. Morphol.)、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロにおけるNPR3またはNPR3の細胞生物学的検討において有用である。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入されたターゲッティングベクター中の本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウトさせることができる。哺乳動物における組換えの多くは非相同的であるため、相同組換えを起こした細胞をスクリーニングする手段として、例えば、本発明のDNAの内部にネオマイシン耐性遺伝子などの薬剤耐性遺伝子を挿入するとともに、本発明のDNAの近傍にチミジンキナーゼ(tk)遺伝子を含むターゲッティングベクターを構築して胚幹細胞または卵細胞に導入し、挿入された薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子であればG418等)およびガンシクロビル存在下で生存する細胞を選択する方法が挙げられる。即ち、相同組換えにより本発明の挿入変異DNAが染色体上に組み込まれた場合、tk遺伝子は排除されるのでガンシクロビル耐性であるが、非相同組換えで組み込まれた場合はtk遺伝子も同時に組み込まれるためガンシクロビル感受性となる。また、tk遺伝子の代わりにジフテリア毒素遺伝子などを用いれば、ランダム挿入された細胞は該毒素の産生により死滅するので、単一の薬剤での選択が可能となる。
本発明のDNAがノックアウトされた細胞の最終的な確認は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析を用いて行なうことができる。
非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常ヘテロ発現不全個体であるので、当該ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明の蛋白質のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物から、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1、ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、NPR3により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、NPR3の生物活性の不活性化を原因とする疾患のモデルとなり得るので、これらの疾患の原因究明及び治療法の検討に有用である。
(11a)本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾患に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾患に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾患に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾患の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、例えば、該試験動物の血糖値が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上低下した場合、該試験化合物を耐糖能異常などの疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、NPR3の欠損や損傷などによって引き起こされる疾患、例えば、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の異常、具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、代謝性骨・軟骨疾患などに対する、安全で低毒性な治療・予防剤として使用することができる。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を医薬として使用する場合は、前記NPR3類と同様にして製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(11b)本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法
本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、NPR3をコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、NPR3の発現する組織で、NPR3の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-ガラクトピラノシド(X-gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便にNPR3の動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、NPR3を欠損するマウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X-galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、NPR3の発現を促進し、NPR3の機能を促進することができるので、例えば、NPR3の機能不全に関連する疾患などの予防・治療薬などの医薬として有用である。
本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、NPR3の発現を阻害し、NPR3の機能を阻害することができるので、例えば、NPR3の発現過多に関連する疾患などの予防・治療薬などの医薬として有用である。
NPR3の機能不全もしくは発現過多に関連する疾患としては、例えば、(i)細胞分化および/または(ii)代謝(例えば、肝臓、脂肪組織、骨格筋、膵島、骨、軟骨などにおける細胞分化および/または代謝(例えば、糖・脂質・蛋白質代謝))の異常、具体的には、例えば、肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、高脂血症、、代謝性骨・軟骨疾患などが挙げられる。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を医薬として使用する場合は、前記NPR3類と同様にして製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖・脂質代謝異常患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。投与対象がヒト以外の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、NPR3のプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にその蛋白質を合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、NPR3そのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
Me :メチル基
Et :エチル基
Bu :ブチル基
Ph :フェニル基
TC :チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド基
また、本明細書中で繁用される置換基、保護基および試薬を下記の記号で表記する。
Tos :p-トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル
Bzl :ベンジル
Cl2Bzl :2,6-ジクロロベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Z :ベンジルオキシカルボニル
Cl-Z :2-クロロベンジルオキシカルボニル
Br-Z :2-ブロモベンジルオキシカルボニル
Boc :t-ブトキシカルボニル
DNP :ジニトロフェノール
Trt :トリチル
Bum :t-ブトキシメチル
Fmoc :N-9-フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt :1-ヒドロキシベンズトリアゾール
HOOBt :3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン
HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド
DCC :N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
ヒトNPR3 cDNAのコード配列の塩基配列を示す。
atgccgtctc tgctggtgct cactttctcc ccgtgcgtac tactcggctg ggcgttgctg 60
gccggcggca ccggtggcgg tggcgttggc ggcggcggcg gtggcgcggg cataggcggc 120
ggacgccagg agagagaggc gctgccgcca cagaagatcg aggtgctggt gttactgccc 180
caggatgact cgtacttgtt ttcactcacc cgggtgcggc cggccatcga gtatgctctg 240
cgcagcgtgg agggcaacgg gactgggagg cggcttctgc cgccgggcac tcgcttccag 300
gtggcttacg aggattcaga ctgtgggaac cgtgcgctct tcagcttggt ggaccgcgtg 360
gcggcggcgc ggggcgccaa gccagacctt atcctggggc cagtgtgcga gtatgcagca 420
gcgccagtgg cccggcttgc atcgcactgg gacctgccca tgctgtcggc tggggcgctg 480
gccgctggct tccagcacaa ggactctgag tactcgcacc tcacgcgcgt ggcgcccgcc 540
tacgccaaga tgggcgagat gatgctcgcc ctgttccgcc accaccactg gagccgcgct 600
gcactggtct acagcgacga caagctggag cggaactgct acttcaccct cgagggggtc 660
cacgaggtct tccaggagga gggtttgcac acgtccatct acagtttcga cgagaccaaa 720
gacttggatc tggaagacat cgtgcgcaat atccaggcca gtgagagagt ggtgatcatg 780
tgtgcgagca gtgacaccat ccggagcatc atgctggtgg cgcacaggca tggcatgacc 840
agtggagact acgccttctt caacattgag ctcttcaaca gctcttccta tggagatggc 900
tcatggaaga gaggagacaa acacgacttt gaagctaagc aagcatactc gtccctccag 960
acagtcactc tactgaggac agtgaaacct gagtttgaga agttttccat ggaggtgaaa 1020
agttcagttg agaaacaagg gctcaatatg gaggattacg ttaacatgtt tgttgaagga 1080
ttccacgatg ccatcctcct ctacgtcttg gctctacatg aagtactcag agctggttac 1140
agcaaaaagg atggagggaa aattatacag cagacttgga acagaacatt tgaaggtatc 1200
gccgggcagg tgtccataga tgccaacgga gaccgatatg gggatttctc tgtgattgcc 1260
atgactgatg tggaggcggg cacccaggag gttattggtg attattttgg aaaagaaggt 1320
cgttttgaaa tgcggccgaa tgtcaaatat ccttggggcc ctttaaaact gagaatagat 1380
gaaaaccgaa ttgtagagca tacaaacagc tctccctgca aatcatgtgg cctagaagaa 1440
tcggcagtga caggaattgt cgtgggggct ttactaggag ctggcttgct aatggccttc 1500
tactttttca ggaagaaata cagaataacc attgagaggc gaacccagca agaagaaagt 1560
aaccttggaa aacatcggga attacgggaa gattccatca gatcccattt ttcagtagct 1620
taa 1623

〔配列番号:2〕
ヒトNPR3のアミノ酸配列を示す。
Met Pro Ser Leu Leu Val Leu Thr Phe Ser Pro Cys Val Leu Leu Gly
1 5 10 15
Trp Ala Leu Leu Ala Gly Gly Thr Gly Gly Gly Gly Val Gly Gly Gly
20 25 30
Gly Gly Gly Ala Gly Ile Gly Gly Gly Arg Gln Glu Arg Glu Ala Leu
35 40 45
Pro Pro Gln Lys Ile Glu Val Leu Val Leu Leu Pro Gln Asp Asp Ser
50 55 60
Tyr Leu Phe Ser Leu Thr Arg Val Arg Pro Ala Ile Glu Tyr Ala Leu
65 70 75 80
Arg Ser Val Glu Gly Asn Gly Thr Gly Arg Arg Leu Leu Pro Pro Gly
85 90 95
Thr Arg Phe Gln Val Ala Tyr Glu Asp Ser Asp Cys Gly Asn Arg Ala
100 105 110
Leu Phe Ser Leu Val Asp Arg Val Ala Ala Ala Arg Gly Ala Lys Pro
115 120 125
Asp Leu Ile Leu Gly Pro Val Cys Glu Tyr Ala Ala Ala Pro Val Ala
130 135 140
Arg Leu Ala Ser His Trp Asp Leu Pro Met Leu Ser Ala Gly Ala Leu
145 150 155 160
Ala Ala Gly Phe Gln His Lys Asp Ser Glu Tyr Ser His Leu Thr Arg
165 170 175
Val Ala Pro Ala Tyr Ala Lys Met Gly Glu Met Met Leu Ala Leu Phe
180 185 190
Arg His His His Trp Ser Arg Ala Ala Leu Val Tyr Ser Asp Asp Lys
195 200 205
Leu Glu Arg Asn Cys Tyr Phe Thr Leu Glu Gly Val His Glu Val Phe
210 215 220
Gln Glu Glu Gly Leu His Thr Ser Ile Tyr Ser Phe Asp Glu Thr Lys
225 230 235 240
Asp Leu Asp Leu Glu Asp Ile Val Arg Asn Ile Gln Ala Ser Glu Arg
245 250 255
Val Val Ile Met Cys Ala Ser Ser Asp Thr Ile Arg Ser Ile Met Leu
260 265 270
Val Ala His Arg His Gly Met Thr Ser Gly Asp Tyr Ala Phe Phe Asn
275 280 285
Ile Glu Leu Phe Asn Ser Ser Ser Tyr Gly Asp Gly Ser Trp Lys Arg
290 295 300
Gly Asp Lys His Asp Phe Glu Ala Lys Gln Ala Tyr Ser Ser Leu Gln
305 310 315 320
Thr Val Thr Leu Leu Arg Thr Val Lys Pro Glu Phe Glu Lys Phe Ser
325 330 335
Met Glu Val Lys Ser Ser Val Glu Lys Gln Gly Leu Asn Met Glu Asp
340 345 350
Tyr Val Asn Met Phe Val Glu Gly Phe His Asp Ala Ile Leu Leu Tyr
355 360 365
Val Leu Ala Leu His Glu Val Leu Arg Ala Gly Tyr Ser Lys Lys Asp
370 375 380
Gly Gly Lys Ile Ile Gln Gln Thr Trp Asn Arg Thr Phe Glu Gly Ile
385 390 395 400
Ala Gly Gln Val Ser Ile Asp Ala Asn Gly Asp Arg Tyr Gly Asp Phe
405 410 415
Ser Val Ile Ala Met Thr Asp Val Glu Ala Gly Thr Gln Glu Val Ile
420 425 430
Gly Asp Tyr Phe Gly Lys Glu Gly Arg Phe Glu Met Arg Pro Asn Val
435 440 445
Lys Tyr Pro Trp Gly Pro Leu Lys Leu Arg Ile Asp Glu Asn Arg Ile
450 455 460
Val Glu His Thr Asn Ser Ser Pro Cys Lys Ser Cys Gly Leu Glu Glu
465 470 475 480
Ser Ala Val Thr Gly Ile Val Val Gly Ala Leu Leu Gly Ala Gly Leu
485 490 495
Leu Met Ala Phe Tyr Phe Phe Arg Lys Lys Tyr Arg Ile Thr Ile Glu
500 505 510
Arg Arg Thr Gln Gln Glu Glu Ser Asn Leu Gly Lys His Arg Glu Leu
515 520 525
Arg Glu Asp Ser Ile Arg Ser His Phe Ser Val Ala
530 535 540
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1 マウスマスクリン(mMusclin)蛋白質をコードする cDNA のクローニング
マウス骨格筋cDNAライブラリーQuick clone cDNA (BD)より、配列番号:3で表されるオリゴDNAをセンス鎖プライマーとして、配列番号:4で表されるオリゴDNAをアンチセンス鎖プライマーとしてPCRを行い、各プライマーを起点とする 5'上流側の配列(配列番号:5)を得た。
配列番号:3
TTAGCATCAC AGGAGTTTGG AAC 23

配列番号:4
TCAGCCTCTG GAACTGGAGA GCC 23

配列番号:5
TTAGCATCAC AGGAGTTTGG AACAGCAAGC TTGCAGTCTC CACCCACAGC CAGAGAAGAG 60
AAGTCAGCCA CTGAGCTTTC GGCTAAGCTC CTGCGTCTTG ATGATCTGGT GTCCTTAGAG 120
AATGACGTAT TTGAGACCAA GAAAAAGAGA AGCTTCTCTG GCTTTGGGTC TCCCCTTGAC 180
AGACTCTCAG CTGGGTCTGT AGAGCATAGA GGGAAACAAA GGAAAGCAGT AGATCATTCA 240
AAAAAGCGGT TTGGTATTCC CATGGATCGG ATTGGTAGAA ACCGGCTCTC CAGTTCCAGA 300
GGCTGA 306
実施例2 His-tag Tyr Cysマウスマスクリン(HYC-mMusclin)蛋白質の調製
PET-15b(Novagen)にmMusclinのシグナル配列(配列番号:6)を除いた成熟mMusclinをコードする遺伝子(配列番号:7)をサブクローニングし、得られたpET-15b-mMusclinプラスミドベクターを元に、PCR-based site-directed mutagenesisによってHis-tag配列とmMusclinをコードする配列の間のベクター由来の配列を改変し、配列番号:8に示すORFを有するプラスミドベクターpET15M-mMusclinを得た。
得られたプラスミドベクターをBL21(DE3)(Novagene)などのコンピテントセルに導入し、振とう培養及びIPTGによる蛋白質発現誘導を行うことにより、菌体中にHis-Tyr-Cys-mMusclin蛋白質を蓄積せしめ、His-tagを利用したキレートカラムを用いた精製によって同蛋白質を精製した。
配列番号:6
ATGCTGGACT GGAGATTGGC AAGTACACAC TTCATCCTGG CTATGATTGT GATGCTGTGG 60
GGCTCAGGAA AGGCATTCTC TGTGGAC 87

配列番号:7
TTAGCATCAC AGGAGTTTGG AACAGCAAGC TTGCAGTCTC CACCCACAGC CAGAGAAGAG 60
AAGTCAGCCA CTGAGCTTTC GGCTAAGCTC CTGCGTCTTG ATGATCTGGT GTCCTTAGAG 120
AATGACGTAT TTGAGACCAA GAAAAAGAGA AGCTTCTCTG GCTTTGGGTC TCCCCTTGAC 180
AGACTCTCAG CTGGGTCTGT AGAGCATAGA GGGAAACAAA GGAAAGCAGT AGATCATTCA 240
AAAAAGCGGT TTGGTATTCC CATGGATCGG ATTGGTAGAA ACCGGCTCTC CAGTTCCAGA 300
GGC 303

配列番号:8
ATGGGCAGCA GCCATCATCA TCATCATCAC AGCAGCGGCC TGGTGCCGTA CGGCTGCCAT 60
ATGTTAGCAT CACAGGAGTT TGGAACAGCA AGCTTGCAGT CTCCACCCAC AGCCAGAGAA 120
GAGAAGTCAG CCACTGAGCT TTCGGCTAAG CTCCTGCGTC TTGATGATCT GGTGTCCTTA 180
GAGAATGACG TATTTGAGAC CAAGAAAAAG AGAAGCTTCT CTGGCTTTGG GTCTCCCCTT 240
GACAGACTCT CAGCTGGGTC TGTAGAGCAT AGAGGGAAAC AAAGGAAAGC AGTAGATCAT 300
TCAAAAAAGC GGTTTGGTAT TCCCATGGAT CGGATTGGTA GAAACCGGCT CTCCAGTTCC 360
AGAGGCTGA 369
実施例3 全長mMusclin及びC末側mMusclin(mCA)蛋白質の調製
pET41-XaLICベクター(Novagene)のLICマルチクローニングサイトに配列番号:9と配列番号:10で示すプライマーを用い、mMusclin ORFを含む遺伝子をテンプレートとして増幅した断片をLIC-cloningの手法によって導入することで、チオレドキシン(Trx)融合mMusclin全長蛋白質をコードする大腸菌発現型プラスミドベクターを作成した。同様に配列番号:11と配列番号:10を用いて増幅することによってチオレドキシン融合mCA蛋白質をコードする大腸菌発現型プラスミドベクターを作成した。
配列番号:9
GGTATTGAGG GTCGCTTAGC ATCACAGGAG TTTGGAACAG 40

配列番号:10
AGAGGAGAGT TAGAGCCTCA GCCTCTGGAA CTGGAGAGCC GG 42

配列番号:11
GGTATTGAGG GTCGCAGCTT CTCTGGCTTT GGGTCTCCCC 40

得られたプラスミドベクターをBL21(DE3)(Novagene)などのコンピテントセルに導入し、振とう培養及びIPTGによる蛋白質発現誘導を行うことにより、菌体中にTrx-His-mMusclin蛋白質あるいはTrx-His-mCA蛋白質を蓄積せしめ、His-tagを利用したキレートカラムを用いた精製によって同蛋白質を精製した。
得られた融合蛋白質をXaで限定分解し、分解産物を25mM HEPES, 100 mM NaCl (pH7.8)からなる緩衝液に平衡化したHiTrap SP-HP カラムにアプライし、結合するTrx-His-mMusclin蛋白質あるいはTrx-His-mCA蛋白質を25mM HEPES, 1000 mM NaCl (pH7.8)によって溶出することで、融合蛋白質と分離した精製全長mMusclinあるいはmCAを得た。
実施例4 ビオチン標識mMusclinの作成
実施例3によって得られた全長mMusclinを、2.5mg/mlx250 μlを10 nmol/μlのSulfo-NHS-LC-Biotin 45μlと氷冷下一夜混合することによって、ビオチン約5分子/mMusclin1分子導入された標識mMusclin(BK-mMusclin)を作成した。
実施例2によって作出したHis-Tyr-Cys-mMusclin 1mg/mlx500μlをEDTA存在下にTCEP(Pierce)を用いて還元し、終濃度0.4mMのMaleimide PEO2 Biotinを室温にて一夜混合することでCys残基特異的にBiotin分子約1分子/1分子を導入した標識mMusclin(BC-mMusclin)を作成した。
実施例5 hNpr-3発現FreeStyle293細胞の作成
hNpr3発現ベクター(hNpr3/pCMV6-XL4, NM_000908 Clone# PL1154_A07)はOriGene社より購入した。定法によって1.0 x106 FreeStyle293細胞あたりに一過的に0.3μg(Low)あるいは1.0μg(high)のhNpr3発現ベクターをトランスフェクトし、48時間経過後の細胞を集め、5x106cells/mlにPBS-1.0% BSAに懸濁した。各1mlの細胞溶液を終濃度0.5μg/mlのBK-mMusclinあるいはBC-mMusclinと30分間4℃でインキュベートし、一回洗浄後PE-labeled Streptavidinで染色し、FACS-Ariaで各Musclin結合細胞を解析した。また、インキュベーション中に100μg/mlの全長mMusclin、mCA、あるいはHis-Tyr-Cys-mMusclin、または10μMのANP(Atrial Natriuretic Peptide, Rat,Mouse), CANP(Atrial Natriuretic Peptide 4-23-NH2 Des-[Gln18 Ser19 Gly20 Leu21 Gly22],Rat), LANP(Atrial Natriuretic Peptide 104-126 Des-[Cys105 Cys121],Rat) (Phoenix Pharmaceuticals, Inc.)を存在せしめることによって標識mMusclinの結合の変化を調べた。
その結果、BK-、 BC-標識mMusclinは、細胞へのhNpr3遺伝子導入量に依存して結合し、また結合は100μg/ml全長mMusclin、mCA、あるいはHis-Tyr-Cys-mMusclinによってほぼ消失することから、mMusclinに特異的な結合であること、さらにNPR3分子の既知リガンドである10μMのANP, CANP, LANPによってもほぼ消失することからもNPR3に依存した結合であることが証明された。
本発明によれば、骨格筋などの細胞分化や糖・脂質・蛋白質代謝の異常に関連する疾患の予防・治療剤、診断剤、さらに該疾患の予防・治療に有効な医薬品候補化合物のスクリーニングのためのツールが提供され得る。

Claims (29)

  1. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤。
  2. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項1記載の剤。
  3. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、請求項1記載の剤。
  4. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドをコードする核酸を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤。
  5. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項4記載の剤。
  6. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、請求項4記載の剤。
  7. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸もしくはその部分ポリヌクレオチドを含有してなる、細胞分化異常および/または代謝異常の診断剤。
  8. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項7記載の剤。
  9. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の診断用である、請求項7記載の剤。
  10. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる、細胞分化異常および/または代謝異常の診断剤。
  11. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項10記載の剤。
  12. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の診断用である、請求項10記載の剤。
  13. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤。
  14. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項13記載の剤。
  15. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、請求項13記載の剤。
  16. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードする核酸と相補的な塩基配列またはその一部を含有する核酸を含有してなる、細胞分化および/または代謝調節剤。
  17. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項16記載の剤。
  18. 肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療用である、請求項16記載の剤。
  19. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、細胞分化および/または代謝調節作用を示す物質のスクリーニング方法。
  20. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩が、それを産生する細胞の形態で提供されることを特徴とする、請求項19記載の方法。
  21. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸もしくはその部分ポリヌクレオチド、あるいは配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体をさらに用いることを特徴とする、請求項20記載の方法。
  22. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項19記載の方法。
  23. 物質が肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療活性を有する、請求項19記載の方法。
  24. (i)配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、(ii)マスクリンもしくはその部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、両者の結合性を変化させる物質のスクリーニング方法。
  25. 配列番号:2で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含む蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩が、それを産生する細胞の形態で提供されることを特徴とする、請求項24記載の方法。
  26. 細胞への糖取り込みもしくは細胞におけるグリコーゲン合成を指標することを特徴とする、請求項25記載の方法。
  27. 物質が細胞分化および/または代謝調節作用を示す、請求項24記載の方法。
  28. 細胞が骨格筋細胞、脂肪細胞、膵島細胞、骨の細胞、軟骨の細胞および肝細胞からなる群より選択され、代謝が糖代謝、脂質代謝および蛋白質代謝からなる群より選択される、請求項27記載の方法。
  29. 物質が肥満症、糖尿病、耐糖能異常、動脈硬化、高血圧、代謝性骨・軟骨疾患および高脂血症からなる群より選択される1以上の疾患の予防・治療活性を有する、請求項27記載の方法。
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