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JP2006019713A - Iii族窒化物半導体発光素子およびそれを用いたled - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子およびそれを用いたled Download PDF

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JP2006019713A
JP2006019713A JP2005160819A JP2005160819A JP2006019713A JP 2006019713 A JP2006019713 A JP 2006019713A JP 2005160819 A JP2005160819 A JP 2005160819A JP 2005160819 A JP2005160819 A JP 2005160819A JP 2006019713 A JP2006019713 A JP 2006019713A
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Joseph Gaze
ジョセフ・ガゼ
Hideki Tomosawa
秀喜 友澤
Shunji Horikawa
俊二 堀川
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Abstract

【課題】 結晶基板と発光部との間の、n型III族窒化物半導体からなる中間層の低抵抗化、表面の平坦化を可能とし、発光強度を向上させることができるようにする。
【解決手段】 本発明のIII族窒化物半導体発光素子1は、結晶基板2上に形成されたIII族窒化物半導体(組成式AlXGaYInZ1-aa:0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦a<1である。)からなる結晶層を発光部4とするIII族窒化物半導体発光素子であり、結晶基板2は表面が鏡面研磨されているとともに面方位がジャスト方向よりわずかに傾斜させた状態で積層され、その結晶基板2と発光部4との中間に、ゲルマニウム(Ge)の原子濃度を周期的に変化させたn型III族窒化物半導体からなるゲルマニウム周期変化層3を有する、ことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、結晶基板上に形成された、III族窒化物半導体(組成式AlXGaYInZ1-aa:0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦a<1である。)からなる結晶層を発光部とするIII族窒化物半導体およびそれを用いたLEDに関するものである。
従来から、III族窒化物半導体は、短波長の可視光を放射する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)等のpn接合型構造のIII族窒化物半導体発光素子を構成するための機能材料として利用されている(特許文献1参照)。そして、近紫外帯、青色帯、或いは緑色帯の発光を呈するLEDを構成するのに際し、n形またはp形の窒化アルミニウム・ガリウム(AlXGaYN:0≦X,Y≦1、X+Y=1)は、クラッド(clad)層を構成するのに利用されている(特許文献2参照)。また、窒化ガリウム・インジウム(GaYInZN:0≦Y,Z≦1、Y+Z=1)は、活性層(発光層)を構成するのに利用されている(特許文献3参照)。
特開2000−332364号公報 特開2003−229645号公報 特公昭55−3834号公報
従来のIII族窒化物半導体発光素子の発光部は、発光層に、n型またはp型のIII族窒化物半導体層を接合するのが一般的である。高い強度の発光を得るために、ヘテロ(hetero)接合構造とするためである。例えば、ダブルヘテロ(DH)接合構造の発光部を構成するために、発光層は、従来からGaYInZN(0≦Y,Z≦1、Y+Z=1)等からなり、n型またはp型III族窒化物半導体層がクラッド層等として接合されている(非特許文献1参照)。
赤崎 勇著、「III−V族化合物半導体」、1995年5月20日発行、(株)培風館、第13章参照
また、基板と発光部との中間に配置されているn型III族窒化物半導体からなる中間層は、従来から、もっぱら、珪素(Si)を添加したIII族窒化物半導体から構成されている。珪素のドーピング量を調整することによって、制御された抵抗率を有する、例えばn型AlXGaYN(0≦X,Y≦1、X+Y=1)層が利用されている(特許文献4参照)。
特許第3383242号公報
しかしながら、低抵抗のn型III族窒化物半導体からなる中間層を気相成長しようと、珪素(Si)を多量にドーピングすると、亀裂(crack)が発生する問題があった(非特許文献2参照)。即ち、珪素をドーピングする従来の技術手段では、低抵抗で、しかも連続性のあるn型III族窒化物半導体からなる中間層を安定して得られていない。
H.Murakami他、J.Crystal Growth,115(1991)、648.
一方、珪素(Si)以外のn型不純物としては、ゲルマニウム(Ge)が公知である(特許文献5参照)。しかし、Siの場合と比較すると、ドーピング効率は低く(非特許文献3参照)、低抵抗のn型III族窒化物半導体からなる中間層を得るには不利とされている。また、高濃度にGeをドーピングすると、n型III族窒化物半導体からなる中間層の表面には、平坦性を損なう小孔(pit)が発生する欠点があった(非特許文献4参照)。
特開平4−170397号公報 Jpn.J.Appl.Phys.,31(9A)(1992)、2883. 「Group III Nitride Semiconductor Compounds」(CLARENDON Press.(OXFORD),1998)、104頁
また従来公知の初期窒化及び低温バッファ層を介した結晶成長ではIII族窒化物半導体からなる中間層の転位密度が高く結晶品質が不十分である。このような結晶ではドーパント原子の存在によってIII族窒化物半導体の結晶性及び表面状態が敏感に変動する。従ってドープされている層のドーパント分布が不均一な場合、表面平坦性の低下が特に問題となる。
一方、サファイア基板とC面(0001)のなす角を5°以内として、バッファ層を介した2段階成長により発光特性を向上させる技術が開示されている(特許文献6参照)。この特許文献6では、発光素子(LED)における輝度向上に関する技術が示されているのみであって、素子化プロセス及び発光素子の特性に影響する結晶表面の平坦性向上及び鏡面性向上に関する技術は開示されていない。基板表面の傾斜角を単純に5°以内とした場合には、基板表面のステップ密度が十分に規定されないためドーパント分布の不均一や表面平坦性低下の問題は解決されなかった。
特開平9−23026号公報
この発明は上記に鑑み提案されたもので、結晶基板と発光部との間の、n型III族窒化物半導体からなる中間層の低抵抗化、表面の平坦化が可能で、発光強度を向上させることができるIII族窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、第1の発明は、結晶基板上に形成された、III族窒化物半導体(組成式AlXGaYInZ1-aa:0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦a<1である。)からなる結晶層を発光部とするIII族窒化物半導体発光素子において、上記結晶基板は表面が鏡面研磨されているとともに面方位がジャスト方向よりわずかに傾斜した状態で積層され、その結晶基板と発光部との中間に、ゲルマニウム(Ge)の原子濃度を周期的に変化させたIII族窒化物半導体からなるゲルマニウム周期変化層を有する、ことを特徴としている。
(2)第2の発明は、上記した(1)項に記載の発明の構成に加えて、上記結晶基板表面は、ジャスト方向より0.05°から0.2°傾斜している、ことを特徴としている。
(3)第3の発明は、上記した(1)項または(2)項に記載の発明の構成に加えて、上記結晶基板が、サファイア(α−Al23単結晶)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム・リチウム(LiGaO2)等の酸化物単結晶材料、珪素(Si)単結晶(シリコン)、立方晶或いは六方晶結晶型の炭化珪素(SiC)等のIV族半導体単結晶、リン化ガリウム(GaP)や砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族化合物半導体単結晶、窒化ガリウム結晶からなる単結晶からなる基板である、ことを特徴としている。
(4)第4の発明は、上記した(1)項から(3)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記ゲルマニウム周期変化層は、ゲルマニウムを故意に添加したゲルマニウムドープ層と、ゲルマニウムをドープしないアンドープ層とを交互に周期的に積層させた構造を有している、ことを特徴としている。
(5)第5の発明は、上記した(4)項に記載の発明の構成に加えて、上記ゲルマニウムドープ層の層厚は、アンドープ層の層厚以下である、ことを特徴としている。
(6)第6の発明は、上記した(1)項から(3)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記ゲルマニウム周期変化層は、ゲルマニウムを高濃度で含む高濃度層と、ゲルマニウムを低濃度で含む低濃度層とを交互に周期的に積層させた構造を有している、ことを特徴としている。
(7)第7の発明は、上記した(6)項に記載の発明の構成に加えて、上記高濃度層の層厚は、低濃度層の層厚以下である、ことを特徴としている。
(8)第8の発明は、上記した(4)項から(7)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記ゲルマニウムドープ層とアンドープ層とからなる一周期層、または上記高濃度層と低濃度層とからなる一周期層は、層厚が1nm以上で1000nm以下である、ことを特徴としている。
(9)第9の発明は、上記した(4)項から(8)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記ゲルマニウムドープ層または高濃度層におけるゲルマニウム原子の濃度は、5×1017cm-3以上で5×1019cm-3以下である、ことを特徴としている。
(10)第10の発明は、LEDであって、上記した(1)項から(9)項の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子を用いて作製したことを特徴としている。
本発明のIII族窒化物半導体発光素子
では、結晶基板の鏡面研磨された表面をジャスト方向よりわずかに傾斜させた状態で積層し、その結晶基板と発光部との間のn型III族窒化物半導体からなる中間層を、ゲルマニウム(Ge)の原子濃度を周期的に変化させたゲルマニウム周期変化層としたので、中間層を低抵抗に形成することができ、また表面を平坦化することができ、したがって、発光強度を向上させることができる。
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明のIII族窒化物半導体発光素子における積層構造の断面を概略的に示す図である。本発明のIII族窒化物半導体発光素子1は、図に示すように、結晶基板2と発光部4との中間に、ゲルマニウム(Ge)の原子濃度を周期的に変化させたn型III族窒化物半導体からなるゲルマニウム周期変化層3を有している。
上記の発光部4は、ゲルマニウム周期変化層3上に、n型クラッド層41、活性層42およびp型クラッド層43を順に積層して構成されている。この発光部4は、III族窒化物半導体(組成式AlXGaYInZ1-aa:0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦a<1である。)からなる結晶層で形成されている。
上記の結晶基板2は、次の(1)(2)(3)の何れかの単結晶からなる基板である。
(1)融点が比較的高く耐熱性のあるサファイア(α−Al23単結晶)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム・リチウム(LiGaO2)等の酸化物単結晶材料。
(2)珪素(Si)単結晶(シリコン)、立方晶或いは六方晶結晶型の炭化珪素(SiC)等のIV族半導体単結晶。
(3)窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族化合物半導体単結晶。
上記のGaNからなる基板を除いて、原理的には窒化ガリウム系化合物とは格子整合しない上記の基板上に窒化ガリウム系化合物半導体を、結晶基板2上に積層し下地層(図示省略)とするために、特許第3026087号公報や特開平4−297023号公報に開示されている低温バッファ法や、特開2003−243302号公報などに開示されているSeeding Process(SP)法等の格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いることができる。特に、GaN系結晶を作製することが可能な程度の高温でAlN結晶膜を作製するSP法は、生産性の向上などの観点で優れた格子不整合結晶エピタキシャル成長技術である。
低温バッファやSP法などの格子不整合結晶エピタキシャル成長技術を用いた場合、結晶基板2上に積層する下地層としての窒化ガリウム系化合物半導体は、アンドープかもしくは5×1017cm-3程度の低ドープのGaNであることが望ましい。下地層の膜厚は、1〜20μmであることが望ましく、5〜15μmであることが更に好適である。
上記のゲルマニウム周期変化層3は、結晶基板2に直接または上記のように下地層を介して形成する。このゲルマニウム周期変化層3は、有機金属化学的気相堆積法(MOCVD、MOVPEまたはOMVPEなどと略称される。)、分子線エピタキシャル法(MBE)法、ハロゲン(halogen)気相成長法、ハイドライド(水素化物)気相成長法等の気相成長手段により形成できる。ゲルマニウムの添加源としては、ゲルマンガス(分子式:GeH4)、テトラメチルゲルマニウム(分子式:(CH34Ge)、テトラエチルゲルマニウム(分子式:(C254Ge)等の有機ゲルマニウム化合物を利用できる。MBE法では、元素状のゲルマニウムもドーピング源として利用できる。MOCVD法では、(CH34Geを使用して形成する。
III族窒化物半導体からなるゲルマニウム周期変化層3は、面方位をジャスト方向よりわずかに傾斜させた鏡面研磨結晶基板2上に形成される。III族窒化物半導体においては、SiやGeなど、ドープされてn型伝導性を示すIV族元素は、結晶中においてIII族元素と置き換わることで存在していると考えられる。さらに面方位がジャスト方向よりわずかに傾斜された鏡面研磨基板上に成長させることによって、基板のステップに対応して結晶成長時のキンク部分でGeが結晶に置換すると考えられる。このためGeが均一に分布され、結晶表面が鏡面となり、さらにはLEDの発光出力が増加するという結果が得られる。
傾斜させた鏡面研磨結晶基板2の方位は、ジャスト方向より0.01°から2°、望ましくは0.02°から1°、さらに望ましくは0.05°から0.2°傾斜している場合が好適である。また結晶基板2が六方晶結晶型のサファイア(α−Al23単結晶)や炭化珪素(SiC)の場合、<0001>方向より0.01°から2°、望ましくは0.02°から1°、さらに望ましくは0.05°から0.2°傾斜している場合が好適であるが必ずしもこれらに限定されるものではない。
ゲルマニウム周期変化層3の構造としては、表面の平坦性を確保するための技術として、ゲルマニウム原子濃度を周期的に変化させた構造をとることができる。この領域は、III族窒化物半導体層の気相成長時にGeのドーピング源の気相成長反応系への供給量を経時的に、周期的に変化させて形成する。例えば、Geのドーピング源を気相成長領域へ供給せずに、アンドープの薄層を形成した後、気相成長領域へ多量のGeドーピング源を瞬時に供給して、Ge原子を高い濃度で含む薄層を形成する。このGeドーピング源の気相成長反応系への供給量を増減させれば、ゲルマニウム原子濃度を周期的に変化させた領域を形成できる。すなわち、ゲルマニウムを故意に添加したゲルマニウムドープ層と、ゲルマニウムをドープしないアンドープ層とを交互に周期的に積層させた構造とすることができる。
また、Ge原子濃度を低濃度とする薄層を成長した後、Ge原子を高濃度に添加するのに適する様にV/III比率等の成長条件が調整できる迄成長を中断させ、調整ができた時点でGe原子を高濃度に含む薄層を接合させて形成する。すなわち、ゲルマニウムを高濃度で含む高濃度層と、ゲルマニウムを低濃度で含む低濃度層とを交互に周期的に積層させた構造とすることができる。
なお、以下の説明では、高濃度層にはゲルマニウムドープ層も含むものとし、また低濃度層にはアンドープ層も含むものとし、説明を簡略化することとする。
高濃度層と低濃度層とを交互に周期的に積層させ、Ge原子濃度を周期的に変化させてゲルマニウム周期変化層3を形成した場合、そのゲルマニウム周期変化層3の全体の層厚は、0.1μm以上10μm以下が適する。好ましくは、0.3μm以上5μm以下であり、さらに好ましくは、0.5μm以上3μm以下である。全体の層厚が0.1μm以下になると低抵抗のn型III族窒化物半導体層が得られなくなる。また、10μm以上にしても得られる効果は変わらない。
高濃度層と低濃度層とで形成される層、すなわち1単位としての周期層の膜厚は、1nm以上1000nm以下が適する。好ましくは、4nm以上400nm以下、さらに好ましくは、6nm以上100nm以下である。周期層の膜厚が1nm以下になるとドープ層を周期的に積層する効果が得られ難くなる。また、1000nm以上では、ピットの形成が抑制できないか、もしくは、高抵抗化してしまう。
高濃度層の膜厚は、0.5nm以上500nm以下が適する。好ましくは、2nm以上200nm以下、さらに好ましくは、3nm以上50nm以下である。膜厚が0.5nm以下になるとゲルマニウムドープが十分されず高抵抗化してしまう。また、500nm以上では、低濃度層でピットが埋まりきらないか、もしくは、埋めるために低濃度層を十分厚くすると、やはり、高抵抗化してしまう。
また、低濃度層の膜厚は、0.5nm以上500nm以下が適する。好ましくは、2nm以上200nm以下、さらに好ましくは、3nm以上50nm以下である。膜厚が0.5nm以下になるとゲルマニウムドープ層で形成するピットを十分埋められず平坦性が損なわれる。
また、周期層中の高濃度層が低濃度層より厚い場合も、ピット形成が抑制できず平坦性が得られ難い。一方、1周期中の低濃度層が高濃度層と同等かそれ以上厚い場合は、平坦性は良好になる。したがって、低濃度層の厚さは、高濃度層の層厚以上とするのが望ましい。低濃度層におけるゲルマニウムの原子濃度をより小とするため、低濃度層をアンドープ層とすると、高濃度層の表面に存在するピットを埋め尽くす効果がさらに高まり、表面の平坦なゲルマニウム周期変化層3を得るのに有効となる。
ただし、低濃度層を厚くしすぎると、高抵抗化してしまい、良好なゲルマニウム周期変化層3が得られ難くなる。すなわち、低濃度層の層厚が大であると、順方向電圧(Vf)或いは閾値電圧(Vth)の低いIII族窒化物半導体発光素子を得るのに不利である。従って、低濃度層の層厚は、500nm以下とするのが妥当である。また、低濃度層のゲルマニウム濃度が小であり、キャリア濃度が低い場合である程、層厚を薄くするのが望ましい。
周期層を積層させる周期数は、1以上で10000以下が適する。好ましくは10以上で1000以下、さらに好ましくは、20以上で200以下である。例えば、層厚を10nmとする高濃度層と、層厚を10nmとする低濃度層との接合体を1単位の周期層とし、100周期に亘り積層させることで、全体の厚さを2μmとするゲルマニウム周期変化層3が形成される。
高濃度層の内部のゲルマニウム原子の濃度は、5×1017cm-3以上5×1019cm-3以下とするのが適する。好ましくは、1×1018cm-3以上3×1019cm-3以下、さらに好ましくは、3×1018cm-3以上2×1019cm-3以下である。
高濃度層の濃度を5×1017cm-3以上とすると、順方向電圧の低いLEDを構成するのに貢献できる。一方、高濃度層の濃度を5×1019cm-3とすると、ゲルマニウム原子の濃度を周期的に変化させた領域の全体のキャリア濃度は、概ね3×1019cm-3〜4×1019cm-3である。この原子濃度を超えてゲルマニウムをドーピングすると、表面の小孔の密度が急激に増加するため好ましくはない。
高濃度層の内部のゲルマニウム原子の濃度は、必ずしも一定でなくても良く、濃度を連続的もしくは不連続に変化させても良い。また高濃度層と別の高濃度層との間でも、ゲルマニウム原子の濃度は必ずしも一定でなくても良く、濃度を連続的もしくは不連続に変化させても良い。
低濃度層の内部のゲルマニウム原子の濃度は、周期層をなす相手の高濃度層の内部のゲルマニウム原子の濃度より低濃度であり、かつ、下記の分析法による定量下限界以上2×1019cm-3以下とするのが適する。好ましくは、定量下限界以上1×1019cm-3以下、さらに好ましくは、定量下限界以上5×1018cm-3以下である。ゲルマニウム原子の濃度を2×1019cm-3以上とすると、表面の小孔の密度が急激に増加するため好ましくない。なお、低濃度層がアンドープ層の場合、ゲルマニウム原子の濃度は零もしくは零に近い濃度となる。
また、上記の高濃度層の場合と同様に、低濃度層の場合もその内部のゲルマニウム原子の濃度は、必ずしも一定でなくても良く、濃度を連続的もしくは不連続に変化させても良い。また低濃度層と別の低濃度層との間でも、ゲルマニウム原子の濃度は必ずしも一定でなくても良い。
ゲルマニウム周期変化層3のゲルマニウム原子の濃度は、例えば、2次イオン質量分析法(SIMS)で測定できる。これは、試料の表面に1次イオンを照射することにより、イオン化して飛び出した元素を質量分析する手法であり、特定の元素の深さ方向の濃度分布を観察かつ定量できる。
このように、本発明ではゲルマニウム周期変化層3を、面方位がジャスト方向よりわずかに傾斜した結晶基板2の鏡面研磨表面上に設けるので、ゲルマニウムをドープしても低抵抗に形成することができるとともに、表面を平坦化して結晶基板2との格子ミスマッチに基づくミスフィット転位等の層の上方への伝搬を抑制でき、したがって、この上に形成される発光部4を結晶性に優れたものとすることができ、発光素子としての発光強度を向上させることができる。
上記発光部4を構成する活性層(発光層)42は、InGaNなどの単層で構成しても構わないし、量子井戸構造としても構わないが、特に、量子井戸構造を採用した場合に、本発明の効果が現れる。
量子井戸構造としては、単一の層からなる単一量子井戸構造でもよいが、発光作用を有する井戸層と、障壁層とを交互に複数層積層させた多重量子井戸構造が、発光出力が向上するので好ましい。積層の回数は3回から10回程度が好ましく、3回から6回程度がさらに好ましい。多重量子井戸構造の場合、全ての井戸層が厚膜部と薄膜部を備えている必要はなく、また、厚膜部および薄膜部それぞれの寸法や面積比などを各層によって変化させても良い。
障壁層の膜厚は、70Å以上であることが好ましく、さらに好ましくは140Å以上である。障壁層の膜厚が薄いと、障壁層上面の平坦化を阻害し、発光効率の低下やエージング特性の低下を引き起こす。また、膜厚が厚すぎると、駆動電圧の上昇や発光の低下を引き起こす。このため、障壁層の膜厚は500Å以下であるのが好ましい。
単層の場合の活性層42、また量子井戸構造の場合の活性層42の井戸層は、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体であることが好ましい。Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体は、青色の波長領域の発光を強い強度で発光することができる。
多重量子構造の場合、障壁層は、GaNやAlGaNのほか、井戸層を構成するInGaNよりもIn比率の小さいInGaNで形成することができる。中でも、GaNが好適である。
井戸層をアンドープとする場合、井戸層には膜厚の厚い領域と薄い領域を含む構造とすることができる。井戸層をこの構造とすることで、駆動電圧の低減を実現することができる。このような構造は、600℃から900℃などの比較的低い温度で井戸層を成長させておき、その後成長を停止した状態で昇温する工程を入れることで形成することが可能である。
活性層(活性層が量子井戸構造の場合は井戸層)にシリコン(Si)またはGe(Ge)をドープすることも可能である。活性層にSiをドープする場合、ドーパント源としては一般に良く知られたシラン(SiH4)、ジシラン(Si26)のほか、有機珪素原料を用いることができる。シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)は、100%のガスとして供給しても良いが、安全性の観点からは希釈したガスをボンベから供給することが望ましい。
また活性層(活性層が量子井戸構造の場合は井戸層)にGeをドープする場合、ドーパント減としてはn型窒化ガリウム層にも用いることのできる、ゲルマンガス(GeH4)や、テトラメチルゲルマニウム((CH34Ge)やテトラエチルゲルマニウム((C254Ge)等の有機ゲルマニウム化合物を利用できる。MBE法では、元素状のGeもドーピング源として利用できる。
活性層(活性層が量子井戸構造の場合は井戸層)にSiまたはGeをドープする場合、全領域にドープしても良いし、一部の領域のみにドープしても良い。特に、量子井戸構造を採用している構造において障壁層にnドーパントをドープすると、素子の駆動電圧が低下する効果があるので、障壁層にSiまたはGeをドープすることは望ましい。この場合、障壁層全体にドープするだけでなく、一部の領域にドープしても良い。特に、井戸層の直下にあたる領域に選択的にドープすることで高い出力と低い駆動電圧を両立することができる。
SiまたはGeをドープする濃度としては、5×1016cm-3以上で1×1019cm-3以下とすることが良い。濃度がこれ以上低くては駆動電圧の低減が実現できないし、これ以上高いと結晶性や平坦性が低下する。更に望ましくは1×1017cm-3以上で5×1018cm-3以下であり、1×1017cm-3以上で1×1018cm-3以下が最も好適である。
コンタクト層としてのゲルマニウム周期変化層3と活性層42との間に、n型クラッド層41を設けている。n型クラッド層41は、AlGaN、GaN、InGaNなどで形成することが可能であるが、InGaNとする場合には活性層のInGaNのバンドギャップよりも大きい組成とすることが望ましいことは言うまでもない。n型クラッド層41のキャリア濃度は、コンタクト層と同じでも良いし、大きくても小さくても良い。その上に形成される活性層42の結晶性をよくするために、成長速度、成長温度、成長圧力、ドープ量などの成長条件を適宜調節して、平坦性の高い表面とすることが好ましい。
またn型クラッド層41は、組成や格子定数の異なる層を、交互に複数回積層して形成しても良い。その際、積層する層によって組成のほか、ドーパントの量や膜厚などを変化させても良い。
活性層42上に形成するp型クラッド層43は通常0.01〜1μmの厚さに形成する。このp型クラッド層43は、その上に正極形成用に形成されるp型コンタクト層を兼ねることができる。p型クラッド層43は、GaN、AlGaNなどを用いて形成し、pドーパントとしてMgをドープする。p型コンタクト層を兼ねる場合、正電極とのコンタクトを取ることが容易なように、最表面を高キャリア濃度の層として形成することが望ましいが、大方の層においては高抵抗であっても構わない。つまり、ドーパントの量を減量しても問題はないし、ドーパントの活性化を阻害するとされている水素を含んでいても問題はない。むしろ、素子とした場合の逆耐圧が向上するので望ましい。
p型クラッド層43に関しても、組成や格子定数の異なる層を、交互に複数回積層して形成しても良い。その際、積層する層によって組成のほか、ドーパントの量や膜厚などを変化させても良い。
p型コンタクト層(図示省略)は、GaN、AlGaN、InGaNなどを用いることができ、不純物としてMgをドープする。Mgをドープした窒化ガリウム系化合物半導体は、通常反応炉から取り出したままでは高抵抗であるが、アニール処理、電子線照射処理、マイクロ波照射処理など、活性化の処理を施すことでp伝導性を示すとされているが、前述したとおり、活性化処理を施さずに利用できる場合もある。
また、p型コンタクト層としてp型不純物をドープした燐化ホウ素を用いることもできる。p型不純物をドープした燐化ホウ素は、上記のようなp型化のための処理を一切行わなくてもp導電性を示す。
これらのn型クラッド層41、活性層42およびp型クラッド層43を構成する窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MBE、MOCVD、HVPEなどの周知の方法を周知の条件で用いることができる。中でも、MOCVD法が好ましい。
原料には、窒素源としてアンモニア、ヒドラジン、アジ化物などを用いることができる。また、III族有機金属としてトリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、トリメチルアルミニウム(TMAl)などを用いることができる。また、ドーパント源としてシラン、ジシラン、ゲルマン、有機ゲルマニウム原料、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)などを用いることができる。キャリアガスには窒素および水素を使用できる。
Inを含む活性層42((活性層が量子井戸構造の場合は井戸層)の成長は、基板温度を650〜900℃の範囲で行なうことが望ましい。それ以下の温度では結晶性の良い活性層が得られないし、それ以上の温度では活性層に取り込まれるInの量が少なくなり、意図する波長を発光する素子を作製することができないことがある。
活性層が多重量子井戸構造の場合、障壁層の一部領域の成長は、井戸層の成長よりも高い基板温度で行なうことが好ましい。その温度領域は、700〜1000℃程度が好適である。
正極は、各種組成および構造の正極が周知であり、これら周知の正極を何ら制限なく用いることができる。
透光性の正極材料としては、Pt、Pd、Au、Cr、Ni、Cu、Coなどを含んでも良い。また、その一部が酸化されている構造とすることで、透光性が向上することが知られている。反射型の正極材料としては、上記の材料の他に、Rh、Ag,Alなどを用いることができる。
これらの正極は、スパッタリングや真空蒸着などの方法で形成することができる。特にスパッタリングを用いると、スパッタリングの条件を適切に制御することで、電極膜を形成した後にアニール処理を施さなくともオーミック接触を得ることができ、好適である。
負極についても、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限なく用いることができる。n型コンタクト層と接する負極用のコンタクト材料としては、Al、Ti、Ni、Auなどのほか、Cr、W、Vなどを用いることができる。負極全体を多層構造としてボンディング性などを付与することができることは言うまでもない。特に、最表面をAuで覆うことは、ボンディングをしやすくするためには好ましい。
発光素子の構造としては、反射型の正極を備えたフリップチップ型の素子としても良いし、透光性の正極や格子型、櫛型の正極を備えたフェイスアップ型の素子としても良い。
実施例1 まず、<0001>方向から<1−100>方向に0.05°傾斜させたサファイアの鏡面研磨結晶基板を通常の横形MOCVD装置反応炉にセットして、水素を供給しつつ600℃まで昇温し10分間サーマルクリーニングを行う。その後周期的に濃度を変化させて積層したGeドープGaN層上にノンドープの活性層を積層し、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成する場合を例にして本発明を具体的に説明する。説明の中で、ドーパント濃度の測定は、全て前述したSIMS法によって行った。また、膜厚の測定は、白色光の反射率スペクトルを用いる方法や、断面TEM(Tunneling Electron Microscope)観察によった。実施例2以降も同様である。
図2は実施例1のLEDを作製するためのエピタキシャル積層構造体の断面構造を模式的に示す図、図3は実施例1にて作成するLEDチップを模式的に示す平面図である。
エピタキシャル積層構造体11は、一般的な減圧MOCVD手段を利用して以下の手順で形成した。先ず、(0001)−サファイア基板101を、高周波(RF)誘導加熱式ヒータで成膜温度に加熱される半導体用高純度グラファイト製のサセプタ上に載置した。載置後、ステンレス鋼製の気相成長反応炉内に窒素ガスを流通し、炉内をパージした。
気相成長反応炉内に、窒素ガスを8分間に亘って流通させた後、誘導加熱式ヒータを作動させ、基板101の温度を、10分間で室温から600℃に昇温した。基板101の温度を600℃に保ったまま、水素ガスと窒素ガスを流通させて、気相成長反応炉内の圧力を1.5×104パスカル(Pa)とした。この温度及び圧力下で2分間放置して、基板101の表面をサーマルクリーニングした。サーマルクリーニングの終了後、気相成長反応炉内への窒素ガスの供給を停止した。水素ガスの供給は継続させた。
その後、水素雰囲気中で、基板101の温度を1120℃に昇温させた。1120℃で温度が安定したのを確認した後、トリメチルアルミニウム(TMAl)の蒸気を随伴する水素ガスを8分30秒間、気相成長反応炉内へ供給した。これにより、気相成長反応炉の内壁に以前より付着していた窒素(N)を含む堆積沈着物の分解により生じる窒素(N)原子と反応させて、サファイア基板101上に、数nmの厚さの窒化アルミニウム(AlN)薄膜(図示せず)を付着させた。TMAlの蒸気を随伴する水素ガスの気相成長反応炉内への供給を停止しAlNの成長を終了させた後、4分間待機し、気相成長炉内に残ったTMAlを完全に排出した。
続いて、アンモニア(NH3)ガスを気相成長反応炉内に供給し始めてから4分が経過した後、アンモニアガスの流通を続けながら、サセプタの温度を1040℃に降温した。サセプタの温度が1040℃になったのを確認した後、暫時、温度が安定するのを待ち、トリメチルガリウム(TMGa)の気相成長反応炉内への供給を開始し、アンドープのGaNからなる下地層102を4時間に亘って成長させた。下地層102の層厚は8μmとした。
次に、ウェーハ温度を1140℃に上昇し、温度が安定させたところで、テトラメチルゲルマニウム(以下(CH34Ge)を流通し、その後流通を停止するサイクルを100回繰り返し、2.0μmのGeドープGaNからなりGe濃度が周期的に変化するゲルマニウム周期変化層103を形成した。
ゲルマニウム周期変化層103を積層した後、730℃で、アンドープIn0.06Ga0.94Nからなるn型クラッド層104を堆積した。このn型クラッド層104の層厚は12.5nmとした。
次に、基板101の温度を730℃として、GaNからなる障壁層と、In0.25Ga0.75Nよりなる井戸層とを含む5周期構造の多重量子井戸構造の活性層105をn型クラッド層104上に設けた。多重量子井戸構造の活性層105にあっては、先ず、GaN障壁層をn型クラッド層104に接合させて設けた。
GaN障壁層は、トリエチルガリウム(TEGa)をガリウム源として成長させた。層厚は16nmとし、アンドープとした。
In0.25Ga0.75N井戸層は、トリエチルガリウム(TEGa)をガリウム源とし、トリメチルインジウム(TMIn)をインジウム源として成長させた。層厚は、2.5nmとし、アンドープとした。
多重量子井戸構造からなる活性層105上には、マグネシウム(Mg)をドーピングしたAl0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層106を形成した。層厚は10nmとした。p型クラッド層106上には、更に、MgをドーピングしたGaNからなるp型コンタクト層107を形成した。Mgのドーピング源には、ビスーシクロペンタジエニルMg(bis−Cp2Mg)を用いた。Mgは、p型コンタクト層107の正孔濃度が8×1017cm-3となる様に添加した。p型コンタクト層107の層厚は100nmとした。
p型コンタクト層107の成長を終了した後、誘導加熱式ヒータへの通電を停止して、基板101の温度を、室温迄、約20分間で降温した。降温中は、気相成長反応炉内の雰囲気を窒素のみから構成し、NH3の流量を減量した。その後、更にNH3の供給を停止した。基板101の温度が室温まで降温したのを確認して、積層構造体11を気相成長反応炉より外部へ取り出した。この時点で、上記のp型コンタクト層107は、p型キャリア(Mg)を電気的に活性化するためのアニール処理を行わなくても、既に、p型の伝導性を示した。
次いで、公知のフォトリソグラフィー技術及び一般的なドライエッチング技術を利用して、n型オーミック電極108を形成する予定の領域に限り、ゲルマニウム周期変化層103の表面を露出させた。露出させたゲルマニウム周期変化層103の表面には、表面側をクロム(Cr)および金(Au)を積層したn型オーミック電極108を形成した。残置した積層構造体11の表面をなすp型コンタクト層107の表面の全域には、一般的なスパッタ手段、及び公知のフォトリソグラフィー手段等を利用して、表面側から順に、白金(Pt)、銀(Ag)、及び金(Au)を積層させた反射型のp型オーミック電極109を形成した。
然る後、350μm角の平面視で正方形のLEDチップ10に切断し、サブマウントと呼ぶ結線補助部材に接着し、これをリードフレーム(図示せず)上に載置して、リードフレームに結線した金導線(図示せず)をリードフレームよりLEDチップ10へ素子駆動電流を通流できる様にした。
リードフレームを介してn型及びp型オーミック電極108,109間に順方向に素子駆動電流を通流させた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は3.5Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。また、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、12mWに達し、高い強度の発光をもたらすIII族窒化物半導体LEDがもたらされた。
比較例1−1 基板として<0001>ジャスト方向のサファイアの鏡面研磨結晶基板を用いた以外は実施例1と全く同様に、ゲルマニウム周期変化層、量子井戸構造の活性層等を積層し、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成した。実施例1と全く同様に測定を行うと以下の結果が得られた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は3.5Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。また、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、8mWにとどまり、実施例1に比較して発光強度の低いIII族窒化物半導体LEDがもたらされた。実施例1が比較例1−1より発光強度が高いのは、基板の面方位をジャスト方向よりわずかに傾けたことによる結晶表面鏡面化の効果であると思料される。
比較例1−2 アンドープのGaNからなる下地層成長後に、テトラメチルゲルマニウムを流通しその後流通を停止するサイクルを繰り返してゲルマニウム周期変化層を形成する代わりに、シランを連続的に流通してSiドープGaN層を形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成した。実施例1と全く同様に測定を行うと以下の結果が得られた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は3.5Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。また、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、7.5mWにとどまり、実施例1に比較して発光強度の低い族窒化物半導体LEDがもたらされた。実施例1が比較例1−2より発光強度が高いのは、ゲルマニウム周期変化層による結晶表面平坦化、格子整合性改善による効果であると思料される。
実施例2 まず、実施例1と同様<0001>方向から<1−100>方向に0.05°傾斜させたサファイアの鏡面研磨結晶基板を用い、周期的に濃度を変化させて積層したゲルマニウム周期変化層上に、n型クラッド層を介して、障壁層にのみSiをドープした多重量子井戸構造の活性層を積層し、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成する場合を例にして本発明を具体的に説明する。
図4は実施例2に記載のLEDを作製するためのエピタキシャル積層構造体の断面構造を模式的に示す図、図5は実施例2にて作成するLEDチップを模式的に示す平面図である。
アンドープの下地層202までは、実施例1に記載したのと同様の手順によって作製した。その後、ウェーハ温度を1150℃に上昇し、温度が安定させたところで、テトラエチルゲルマニウム(以下(C264Ge)を流通し、その後流通を停止するサイクルを100回繰り返し、2.0μmのGe濃度が周期的に変化する、GeドープGaNからなるゲルマニウム周期変化層203を形成した。
ゲルマニウム周期変化層203を積層した後、730℃で、SiドープIn0.06Ga0.94Nからなるn型クラッド層204を堆積した。Siのドープ量は1×1018cm-3とし、n型クラッド層204の層厚は25nmとした。
次に、基板201の温度を730℃として、SiをドープしたGaNからなる障壁層と、アンドープのIn0.25Ga0.75Nよりなる井戸層とを含む5周期構造の多重量子井戸構造の活性層205をn型クラッド層204上に設けた。多重量子井戸構造の活性層205にあっては、先ず、GaN障壁層をn型クラッド層204に接合させて設けた。
GaN障壁層は、トリエチルガリウム(TEGa)をガリウム源として成長させた。層厚は16nmとし、Siをドープした。ドープしたSiの量は、5×1017cm-3とした。
In0.25Ga0.75Nからなる井戸層は、トリエチルガリウム(TEGa)をガリウム源とし、トリメチルインジウム(TMIn)をインジウム源として成長させた。層厚は、2.5nmとし、アンドープとした。
その後は、実施例1と同様の手順で、p型クラッド層206、p型コンタクト層207を積層した後で、ウエーハ21をリアクタから取り出した。
次いで、公知のフォトリソグラフィー技術及び一般的なドライエッチング技術を利用して、n型オーミック電極208を形成する予定の領域に限り、ゲルマニウム周期変化層203の表面を露出させた。露出させたゲルマニウム周期変化層203の表面には、表面側をチタン(Ti)および金(Au)を積層したn型オーミック電極208を形成した。残置した積層構造体12の表面をなすGaNからなるp型コンタクト層207の表面の全域には、一般的な真空蒸着手段、及び公知のフォトリソグラフィー手段等を利用して、表面側から順に、白金(Pt)及び金(Au)を積層させた透明型のp型オーミック電極209とボンディング用の電極210を形成した。
然る後、350μm角の平面視で正方形のLEDチップ20に切断し、リードフレーム(図示せず)上に載置し、金導線(図示せず)をリードフレームに結線して、リードフレームよりLEDチップ20へ素子駆動電流を通流できる様にした。
リードフレームを介してn型オーミック電極208とボンディング用の電極210間に、順方向に素子駆動電流を通流させた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は2.9Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。また、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、5.5mWに達し、低い駆動電圧でありながら高い強度の発光をもたらすIII族窒化物半導体LEDがもたらされた。
比較例2−1 基板として<0001>ジャスト方向のサファイアの鏡面研磨結晶基板を用いた以外は実施例2と全く同様に、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成した。実施例2と全く同様に測定を行うと以下の結果が得られた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は2.9Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。順方向電流20mA通電時の特性として、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、4mWと実施例2よりも低い発光出力となった。実施例2が比較例2−1より発光強度が高いのは、基板の面方位をジャスト方向よりわずかに傾けたことによる結晶表面鏡面化の効果であると思料される。
比較例2−2 周期的に濃度を変化させて積層したゲルマニウム周期変化層を作製する変わりに、比較例1−2と同様に連続的な濃度のシリコンドープ層を作製した以外は実施例2と全く同様に、III族窒化物半導体発光ダイオードを構成した。実施例2と全く同様に測定を行うと以下の結果が得られた。順方向電流を20mAとした際の順方向電圧は2.9Vであった。また、20mAの順方向電流を通流した際の出射される青色帯発光の中心波長は460nmであった。順方向電流20mA通電時の特性として、一般的な積分球を使用して測定される発光の強度は、3.8mWと実施例2よりも低い発光出力となった。実施例2が比較例2−1より発光強度が高いのは、ゲルマニウム周期変化層による結晶表面平坦化、格子整合性改善による効果であると思料される。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体積層物を用いて得られる発光素子は、良好な発光出力を呈するので、その産業上の利用価値は非常に大きい。
本発明のIII族窒化物半導体発光素子における積層構造の断面を概略的に示す図である。 実施例1のLEDを作製するためのエピタキシャル積層構造体の断面構造を模式的に示す図である。 実施例1にて作成するLEDチップを模式的に示す平面図である。 実施例2に記載のLEDを作製するためのエピタキシャル積層構造体の断面構造を模式的に示す図である。 実施例2にて作成するLEDチップを模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 III族窒化物半導体発光素子
2 結晶基板
3 ゲルマニウム周期変化層
4 発光部
10 LEDチップ
11 エピタキシャル積層構造体
12 エピタキシャル積層構造体
20 LEDチップ
21 ウエーハ
41 n型クラッド層
42 活性層
43 p型クラッド層
101 サファイア基板
102 下地層
103 ゲルマニウム周期変化層
104 n型クラッド層
105 活性層
106 p型クラッド層
107 p型コンタクト層
108 n型オーミック電極
109 p型オーミック電極
201 サファイア基板
202 下地層
203 ゲルマニウム周期変化層
204 n型クラッド層
205 活性層
206 p型クラッド層
207 p型コンタクト層
208 n型オーミック電極
209 p型オーミック電極
210 ボンディング用の電極

Claims (10)

  1. 結晶基板上に形成された、III族窒化物半導体(組成式AlXGaYInZ1-aa:0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦a<1である。)からなる結晶層を発光部とするIII族窒化物半導体発光素子において、
    上記結晶基板は表面が鏡面研磨されているとともに面方位がジャスト方向よりわずかに傾斜した状態で積層され、その結晶基板と発光部との中間に、ゲルマニウム(Ge)の原子濃度を周期的に変化させたIII族窒化物半導体からなるゲルマニウム周期変化層を有する、
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子。
  2. 上記結晶基板表面は、ジャスト方向より0.05°から0.2°傾斜している、請求項1に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  3. 上記結晶基板が、サファイア(α−Al23単結晶)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム・リチウム(LiGaO2)等の酸化物単結晶材料、珪素(Si)単結晶(シリコン)、立方晶或いは六方晶結晶型の炭化珪素(SiC)等のIV族半導体単結晶、リン化ガリウム(GaP)や砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族化合物半導体単結晶、窒化ガリウム結晶からなる単結晶からなる基板である、請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  4. 上記ゲルマニウム周期変化層は、ゲルマニウムを故意に添加したゲルマニウムドープ層と、ゲルマニウムをドープしないアンドープ層とを交互に周期的に積層させた構造を有している、請求項1から3の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  5. 上記ゲルマニウムドープ層の層厚は、アンドープ層の層厚以下である、請求項4に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  6. 上記ゲルマニウム周期変化層は、ゲルマニウムを高濃度で含む高濃度層と、ゲルマニウムを低濃度で含む低濃度層とを交互に周期的に積層させた構造を有している、請求項1から3の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  7. 上記高濃度層の層厚は、低濃度層の層厚以下である、請求項6に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  8. 上記ゲルマニウムドープ層とアンドープ層とからなる一周期層、または上記高濃度層と低濃度層とからなる一周期層は、層厚が1nm以上で1000nm以下である、請求項4から7の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  9. 上記ゲルマニウムドープ層または高濃度層におけるゲルマニウム原子の濃度は、5×1017cm-3以上で5×1019cm-3以下である、請求項4から8の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のIII族窒化物半導体発光素子を用いて作製したことを特徴とするLED。
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