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JP2006003414A - 展示装置 - Google Patents

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JP2006003414A JP2004177086A JP2004177086A JP2006003414A JP 2006003414 A JP2006003414 A JP 2006003414A JP 2004177086 A JP2004177086 A JP 2004177086A JP 2004177086 A JP2004177086 A JP 2004177086A JP 2006003414 A JP2006003414 A JP 2006003414A
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Abstract

【課題】 現実に存在する実物を展示する場合に鑑賞者が臨場感をもって鑑賞することができること。
【解決手段】 展示装置1のスクリーン11は、展示対象である実物9と鑑賞位置Aとの間に設けられ、その鑑賞位置Aにいる鑑賞者14からその実物9が見えるサイズでありかつ透過性がある。プロジェクタ13は、鑑賞者14の視点で、スクリーン11越しに見たときの実物9と略同じ姿勢である実物の像を、実物9と重なって見えるようにスクリーン11に投影する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、展示装置に関する。
特許文献1は、展示装置を開示する。この展示装置は、投射映像と展示物を合成した展示を行なう。特許文献1は、恐竜の映像と森のミニチュアとを合成する展示例を開示する。
特許文献2は、仮想操作システムを開示する。この仮想操作システムは、インターネットを介して自宅のパソコン等からあたかも実物に触れたり、実物を動かしたりしているかのようなバーチャル体験ができる。特許文献2は、玩具のロボットなどをインターネットを介して遠隔操作する具体例を開示する。
特許文献3は、ポインティングデバイスを開示する。このポインティングデバイスは、表示装置の前方に配置される入力平面板と、入力平面板に対して所定の距離を有する平面内に走査光を投受光する光センサユニットと、光センサユニットの投光する光線を再帰反射する再帰反射部材と、光センサユニットの受光した再帰反射光を利用して、入力平面板上の指示体を撮像し電気信号に変換する撮像手段と、撮像手段により得られた撮像信号を解析して指示体の座標位置を算出する画像処理手段とを有する。
特許文献4は、表示手段の表示画面に表示される仮想空間画像を移動させる仮想空間移動制御装置を開示する。この仮想空間移動制御装置は、表示画面において行われる、複数の指示部位からなる指示体のタッチ操作またはドラック操作を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて、仮想空間画像の視点位置情報を生成する視点位置情報生成手段と、視点位置情報が指示する視点から見た仮想空間画像データを生成し、表示手段へ出力する立体画像生成手段とを有する。
特開平5−35192号公報(要約書など) 特開2002−170055号公報(要約書など) 特開2004−5271号公報(特許請求の範囲など) 特開2004−5272号公報(特許請求の範囲など)
従来、美術品、工芸品、商品などの実物を展示する場合、その実物は、展示ケースに収容されて展示される。しかしながら、このように展示ケースに実物を収容して展示した場合、その実物を自由に手にとって鑑賞したり、実物の裏側を眺めたりすることはできないという問題がある。
そこで、展示する実物を予め撮像し、その撮像した写真や静止画などを提供することが考えられる。これにより、展示ケースに収容されている実物の裏側を見せたりすることができる。また、この静止画などを提供する際に、上述する各特許文献の装置などを利用することが考えられる。
しかしながら、このように展示ケースに収容されている実物とは別に、たとえば展示ケースの隣において実物を撮像した写真や静止画などを提供するとしても、鑑賞者は、たえず視点を動かして、その写真や静止画などに映し出されている実物の像と、展示ケースに収容されている実物とを、自分の頭の中で対応付けなければならない。
たとえば写真において工芸品の一部を拡大した像を提供する場合、その拡大された部分を展示ケースに収容されている実物に嵌め込むように想像力を働かせなければ、鑑賞者は、その拡大された部分の細工の細かさやすばらしさなどを、実感をもって理解することは困難である。このように、写真などに、実物の大きさや質感などを持たせることは、難しい。
本発明は、現実に存在する実物を展示する場合に鑑賞者が臨場感をもって鑑賞することができる展示装置を得ることを目的とする。
本発明に係る展示装置は、展示対象である実物と鑑賞位置との間に設けられ、その鑑賞位置にいる鑑賞者からその実物が見えるサイズでありかつ透過性のあるスクリーンと、鑑賞者の視点で、スクリーン越しに見たときの実物と略同じ姿勢である実物の像を、実物と重なって見えるようにスクリーンに投影するプロジェクタとを有するものである。
この展示装置は、鑑賞者に、スクリーンに形成される実物の像が実物と一対一に対応するものであると認知させ、スクリーンに形成される実物の像が実物そのものであるような錯覚を与えることができる。この展示装置は、現実に存在する実物の像に、現実感を持たせることができる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、鑑賞者の鑑賞位置または視点の位置を検出する鑑賞位置検出手段と、鑑賞位置検出手段が検出した位置に応じて、その位置から見て実物の像が実物と重なるように、スクリーンに形成される実物の像を変える像変更手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、鑑賞者のいる位置から見て、実物の像は実物と重なって見える。また、実物の像が実物と重なって見える位置を、指定する必要がなくなる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、鑑賞位置検出手段が、スクリーンから鑑賞者までの距離を検出する距離センサと、スクリーンの鑑賞者側の所定の範囲を撮像する撮像装置と、距離センサが検出した距離および撮像装置が撮像した画像に基づいて、鑑賞者の視点の位置を特定する鑑賞者視点特定手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、鑑賞者の視点位置を正確に特定することかできる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、鑑賞者視点特定手段が、撮像された画像に複数の鑑賞者が写っている場合には、その画像の真中にいる鑑賞者あるいはスクリーンの真中に最も近いところにいる鑑賞者の視点位置を特定するものである。
この構成を採用すれば、スクリーンの前に複数の鑑賞者がいたとしても、撮像画像の真中にいる鑑賞者あるいはスクリーンの真中に最も近いところにいる鑑賞者からは、実物の像が実物と重なって見える。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、鑑賞位置検出手段が、スクリーンに触れた位置を検出する接触位置検出手段と、接触位置検出手段が検出した接触位置に基づいて、鑑賞者が腕を伸ばして触れたと仮定したスクリーンと鑑賞者との位置関係に基づいて、鑑賞者の位置を特定する鑑賞者視点特定手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、鑑賞者のいる位置を簡単な処理にて特定することかできる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、スクリーンが、透過率が50%以上でかつ80%以下である透過スクリーンであり、且つ、スクリーンより実物側に配設され、実物を照らす投光部材と、スクリーンに実物の像を形成する場合には、投光部材が出力する光量を下げる第一の制御およびスクリーンに形成していた実物の像を消す場合には、投光部材が出力する光量を上げる第二の制御の中の少なくとも一方の制御を実行する光量制御手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、スクリーンに実物の像を形成する場合には、第一の制御によって、投光部材が出力する光量が下がるので、鑑賞者に、スクリーンに形成される実物の像を、スクリーンの向こう側にある実物がスクリーンに移動してきたものであるかのように錯覚させることができる。また、この構成を採用すれば、スクリーンに形成していた実物の像を消す場合には、第二の制御によって、投光部材が出力する光量が上がるので、鑑賞者に、スクリーンに形成される実物の像が、スクリーンの向こう側にある実物のところへ移動していったかのような錯覚を与えることができる。これら2つの中のいずれか一方の制御を実行することで、スクリーンに形成される実物の像と実物との一致感を強めることができる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、スクリーンに対する鑑賞者の操作を検出する操作検出手段と、操作検出手段が検出した操作およびその時点での像の表示状態に基づいて、スクリーンに形成する実物の像を回転あるいは拡縮させる像制御手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、鑑賞者に、実物と重なっている実物の像が形成されるスクリーンに対して操作をさせることで、このスクリーンに形成される実物の像を回転したり、拡大したり、縮小したりすることができる。
本発明に係る展示装置は、上述した各発明の構成に加えて、スクリーンに対する鑑賞者の操作を検出する操作検出手段と、操作検出手段が検出した操作およびその時点での像の表示状態に基づいて、実物に関連する画像、映像あるいは文字情報をスクリーンに形成する画像形成手段とを有するものである。
この構成を採用すれば、鑑賞者に、スクリーンに対して操作をさせることで、スクリーン越しに見える実物に関連する画像、映像あるいは文字情報を鑑賞させることができる。
本発明では、現実に存在する実物を展示する場合に鑑賞者が臨場感をもって鑑賞することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る展示装置を、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る展示装置は、直接触れることができない美術品や工芸品などを展示する際に好適に利用することができる展示装置である。本発明の実施の形態1に係る展示装置は、美術品や工芸品などの実物とともに、そのコンピュータグラフィックスによる像を、鑑賞者が自由に操作できる状態で提供する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る展示装置を示す図である。図1(A)は、展示装置の側面図である。図1(B)は、展示装置の正面図である。図2および図3は、図1の展示装置の断面図である。図2(A)は、図1(B)の展示装置のA−A断面図である。図2(B)は、図1(A)の展示装置のB−B断面図である。図3は、図1(A)および(B)の展示装置のC−C断面図である。
図1から図3に示すように、実施の形態1に係る展示装置は、立入制限枠1と、載置台2と、カバー部材3と、投光手段としてのスポットランプ4とを有する。
立入制限枠1は、4本の柱部材5を有する。4本の長尺な柱部材5は、四角形の四隅に立設されるように配置される。4本の柱部材5は、梁部材6により互いに連結され、立方体形状の骨組み構造に組み立てられる。立入制限枠1は、床7の上に設置される。立入制限枠1の4本の柱部材5は、床7に固定されていてもよい。立入制限枠1は、大人の背より高い、約2.4mの高さを有する。
立入制限枠1は、立設される4本の柱部材5を接続する4本の横棒部材8を有する。4本の横棒部材8は、大人の膝の高さあるいはそれより上側となる高さ位置において、隣り合う柱部材5の間を橋渡すように設けられる。立入制限枠1内に入ろうとする人は、この横棒部材8を跨ぎ越す必要がある。立入制限枠1内に入ろうとする人は、立入制限枠1内に立ち入ろうとする場合には、足を大きく上げなければならない。その結果、鑑賞者や泥棒などは、安易に立入制限枠1内に立ち入ることができなくなる。また、立入制限枠1は、この4本の横棒部材8により補強される。
なお、立入制限枠1において、立設される4本の柱部材5の間には、透明な強化ガラスを配設するようにしてもよい。これにより、鑑賞者などの立入制限枠1内への立ち入りを、より効果的に制限し、後述する実物9の盗難などをより効果的に防止することができる。
載置台2は、立入制限枠1の内部の中央に配設される。載置台2は、大人の腰の高さあるいはそれ以上の高さを有する。載置台2は、略四角柱形状を有する。
載置台2の上面の上には、展示対象である美術品、工芸品、商品、その他の実物9が載置される。図1では、載置台2の上面の上に、銀色のカップが載置されている。実物9を立入制限枠1の内部の中央に配設することで、鑑賞者などは、鑑賞のために、実物9に直接触れることができない。
カバー部材3は、載置台2の上面に載置される実物9を被覆する。カバー部材3は、透明な材料で形成され、載置台2の上面の上に載置される実物9を被覆する。カバー部材3の材料としては、たとえばガラス、透明アクリル板などがある。透明なカバー部材3で実物9を被覆することにより、実物9の鑑賞を妨げることなく、実物9に塵や埃が付着したりしてしまうことを防止することができる。
スポットランプ4は、そのスポット光が載置台2に載置される実物9を照らすように、立入制限枠1の天井部分に配設される。スポットランプ4は、照明器具の一種であり、供給される電力に応じた明るさのスポット光を出力する。このスポットランプ4のスポット光は、白熱色である。供給される電力が大きくなれば、スポット光は、明るくなる。供給される電力が小さくなれば、スポット光は、暗くなる。電力が供給されない状態では、スポットランプ4は、消灯する。この実施の形態1では、スポットランプ4には、常に電力が供給されている。
また、実施の形態1に係る展示装置は、スクリーンとしての透過スクリーン11と、不透明の板材12と、プロジェクタ13とを有する。
透過スクリーン11は、長方形形状を有する。透過スクリーン11は、その長尺方向が水平方向に沿った方向となるように、且つ、大人の腰の高さから頭の高さまでの範囲にわたる高さとなるように、立入制限枠1の1組の柱部材5と柱部材5との間に配設される。透過スクリーン11は、約65%の透過率を有する。
不透明の板材12は、長方形形状を有する。不透明の板材12は、透過スクリーン11の上方において、立入制限枠1の1組の柱部材5と柱部材5との間に配設される。不透明の板材12は、立入制限枠1の天井までにいたる高さを有する。
不透明の板材12は、その面が透過スクリーン11の面と略平行となるように配設される。不透明の板材12は、透過スクリーン11より立入制限枠1の外側にずれて配設される。図3の間隔Bに示すように、透過スクリーン11の表面(立入制限枠1の外側となる面)と、不透明の板材12の裏面(立入制限枠1の内側となる面)との間には、数センチメートルの間隔が形成される。
プロジェクタ13は、映像信号あるいは静止画データが入力されると、その映像信号あるいは静止画データに基づく画像を出力部から出力する。プロジェクタ13は、出力した画像の中心が透過スクリーン11の中心となる姿勢で、立入制限枠1の天井部分に配設される。プロジェクタ13が出力する画像は、透過スクリーン11に投影される。透過スクリーン11の前側(立入制限枠1の外側)からは、プロジェクタ13が透過スクリーン11に投影された画像を見ることができる。
プロジェクタ13は、その透過スクリーン11の中心から上方へ斜め45度方向に位置するように配設される。透過スクリーン11を対してプロジェクタ13をこのような角度方向に配設することで、透過スクリーン11の前側に立つ人(以下、鑑賞者という)14の視点とプロジェクタ13の出力部との間に、不透明の板材12が位置することになる。透過スクリーン11の前側に立つ鑑賞者14からは、プロジェクタ13の出力部は見えない。鑑賞者14は、プロジェクタ13の出力部からの直接光によって幻惑されてしまったりすることがない。
なお、このように透過スクリーン11の垂直方向に対して45度の角度方向から画像を投影する場合、透過スクリーン11の垂直方向から画像を投影する場合とは異なり、透過スクリーン11に投影される画像は、台形の輪郭になる。そのため、プロジェクタ13は、透過スクリーン11に画像が四角形の輪郭にて投影されるように、台形歪み補正機能によりその出力を補正するとよい。
また、実施の形態1に係る展示装置は、再帰反射テープ21と、2つの赤外線投受光ユニット22,23とを有する。再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23は、操作検出手段および接触位置検出手段である。図4は、図1の展示装置の透過スクリーン11、再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23のレイアウトおよび構造を示す説明図である。
再帰反射テープ21は、照射された光を、その照射方向へ反射するテープである。再帰反射テープ21は、たとえば、ガラスなどからなる透明な球体の表面の半分に反射層を付着させた複数のビーズ体24を、その反射層がテープの付着面側となる姿勢で並べた構造を有するものがある。この再帰反射テープ21では、テープの付着面が透過スクリーン11の外側となるように、透過スクリーン11の左右両辺と下辺にそって配設する。再帰反射テープ21に照射される光は、テープの表側からビーズ体24内へ入射した後、反射層で反射され、テープの表側からその照射方向へ反射される。なお、複数のビーズ体24は、テープに封入されていても、テープ内においてカプセル化されていてもよい。
2つの赤外線投受光ユニット22,23の中の一方の赤外線投受光ユニット22は、赤外線LED(Light Emitting Diode)25と、ポリゴンミラー26と、赤外線CCD(Charge−Coupled Device)27とを有する。赤外線LED25は、赤外線を出力する。赤外線は、光の一種である。ポリゴンミラー26は、たとえば六面鏡などの多面鏡である。赤外線CCD27は、複数の赤外線受光素子を有する。赤外線受光素子は、赤外線の受光光量に応じた受光レベル信号を出力する。赤外線CCD27は、複数の赤外線受光素子の受光レベル信号に基づく赤外線画像を出力する。
一方の赤外線投受光ユニット22は、透過スクリーン11の長尺方向の一端寄りに配設される。一方の赤外線投受光ユニット22は、透過スクリーン11と不透明の板材12との間の隙間に配設される。複数の赤外線受光素子は、透過スクリーン11の面に沿って配列される。
図4において、点線で示すように、一方の赤外線投受光ユニット22では、赤外線LED25が赤外線を出力する。ポリゴンミラー26は、赤外線LED25から出力された赤外線を1つの鏡面で反射する。反射する。ポリゴンミラー26で反射された赤外線は、透過スクリーン11の面にそって進み、透過スクリーン11の外周に沿って設けられた再帰反射テープ21に入射する。再帰反射テープ21は、入射した赤外線をその入射した方向へ反射する。再帰反射テープ21で反射された赤外線は、入射の場合と略同じ経路で一方の赤外線投受光ユニット22へ戻る。一方の赤外線投受光ユニット22に戻った赤外線は、赤外線CCD27の複数の赤外線受光素子の中の、ある赤外線受光素子に受光される。
ポリゴンミラー26は回転する。ポリゴンミラー26が回転し、赤外線を反射している鏡面の向きが変化すると、一方の赤外線投受光ユニット22から出力される赤外線の方向は、変わる。この異なる方向へ出力される赤外線は、透過スクリーン11の面にそって進み、再帰反射テープ21の先ほどとは異なる部位に入射する。再帰反射テープ21は、照射された赤外線をその入射した方向へ反射する。再帰反射テープ21で反射された赤外線は、入射の場合と略同じ経路で一方の赤外線投受光ユニット22へ戻る。一方の赤外線投受光ユニット22に戻った赤外線は、赤外線CCD27の複数の赤外線受光素子の中の、先ほどとは異なるある赤外線受光素子により受光される。
一方の赤外線投受光ユニット22から出力される赤外線の経路は、ポリゴンミラー26の回転にしたがって、透過スクリーン11の面にそって少しずつ移動する。透過スクリーン11の面の上での経路の位置が変わると、赤外線CCD27において赤外線を受光する赤外線受光素子は、変わる。ポリゴンミラー26が360度をその面数で割った角度を回転する期間に、赤外線CCD27の複数の赤外線受光素子は、赤外線を1回ずつ受光する。ポリゴンミラー26がその期間を超えてさらに回転すると、赤外線CCD27の複数の赤外線受光素子は、赤外線をもう一度ずつ受光する。
つまり、一方の赤外線投受光ユニット22は、ポリゴンミラー26が360度をその面数で割った角度を回転する期間毎に、透過スクリーン11の面の所定の範囲(図4において一点鎖線で示す範囲)Cを赤外線で走査する。また、一方の赤外線投受光ユニット22は、その走査を繰り返す。1回の走査に要する期間において、その透過スクリーン11の面の所定の範囲に障害物がない場合、複数の赤外線受光素子は、赤外線を1回ずつ受光する。一方の赤外線投受光ユニット22の赤外線CCD27は、ポリゴンミラー26が360度をその面数で割った角度を回転する期間毎に、赤外線画像を出力する。
そして、その透過スクリーン11の面上方の所定の範囲の中に障害物(たとえば指などの操作時に使用するもの)がある場合、障害物がある位置を通過する赤外線を受光する赤外線受光素子は、赤外線を受光しなくなる。赤外線CCD27は、その赤外線を受光しなかった部分に影が形成されている赤外線画像を出力する。
他方の赤外線投受光ユニット23は、透過スクリーン11の長尺方向の他端寄りに配設される。他方の赤外線投受光ユニット23は、透過スクリーン11と不透明の板材12との間の隙間に配設される。他方の赤外線投受光ユニット23の構成および動作は、一方の赤外線投受光ユニット22の構成および動作と同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。他方の赤外線投受光ユニット23においても、その赤外線CCD27は、そのポリゴンミラー26が360度をその面数で割った角度を回転する期間毎に、赤外線画像を出力する。
図4に示すように、一方の赤外線投受光ユニット22と他方の赤外線投受光ユニット23とは、透過スクリーン11の上側の両端部に配設されている。そのため、他方の赤外線投受光ユニット23が走査する透過スクリーン11の面の所定の範囲(図4において一点鎖線で示す範囲C)と、一方の赤外線投受光ユニット22が走査する透過スクリーン11の面の所定の範囲(図4において一点鎖線で示す範囲D)とは、互いに重なる部分があるものの、2つの赤外線投受光ユニット22,23の配設位置が異なるため一致しない。透過スクリーン11上のある点(たとえば図4の点E)は、一方の赤外線投受光ユニット22から見た方向と、他方の赤外線投受光ユニット23から見た方向とは、異なる方向となる。
また、実施の形態1に係る展示装置は、制御装置31を有する。なお、制御装置31は、図1から図3には図示していないが、鑑賞者から見えない位置に配置されている。図5は、図1の展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。図6は、図1の展示装置の制御系を示すブロック図である。
制御装置31は、パーソナルコンピュータなどで実現することができる。制御装置31は、入出力ポート32と、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)33と、メモリ34と、ハードディスク装置35と、これらを接続するシステムバス36とを有する。
入出力ポート32には、プロジェクタ13と、一方の赤外線投受光ユニット22と、他方の赤外線投受光ユニット23と、が接続される。一方の赤外線投受光ユニット22および他方の赤外線投受光ユニット23は、走査の度に、入出力ポート32へ赤外線CCD27の赤外線画像を出力する。
ハードディスク装置35は、データを記憶する。図7は、図5のハードディスク装置35に記憶されるデータを示す図である。
ハードディスク装置35は、たとえば、投影画像生成プログラム41、動画再生プログラム42、操作検出プログラム43などのプログラムや、三次元コンピュータグラフィックスデータ44、動画データ45などの表示データを記憶する。
三次元コンピュータグラフィックスデータ46は、実物9を任意の方向から見たときの像を含む画像の静止画データを生成するためのデータである。三次元コンピュータグラフィックスデータ46は、たとえば、実物9のモデリングデータと、そのモデリングデータの表面に貼り付けられる画像のデータとで構成される。このモデリングデータの表面に貼り付けられる画像のデータには、たとえば実物9を撮像した画像から切り出した画像のデータなどを利用することができる。
図8は、図7の三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて生成される静止画データによる一の画像51を示す図である。図8の画像51には、透過スクリーン11の前側から実物9(銀色のカップ)を見たときと同じ実物の像が形成される。
図9は、図7の三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて生成される静止画データによる他の画像52を示す図である。図9の画像52には、図8の画像51における実物の像より大きな実物の像が形成される。
図10は、図7の三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて生成される静止画データによるさらに他の画像53を示す図である。図10の画像53には、実物9(銀色のカップ)を上側から見たときと同じ実物の像が形成される。
動画データ45は、映像信号を生成するためのデータである。動画データ45は、たとえば実物9の製造工程を紹介する動画データ45である。
投影画像生成プログラム41は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、像変更手段および像制御手段としての、図6に示す投影画像生成部61が生成される。投影画像生成部61は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44から静止画データを生成し、その生成した静止画データを、プロジェクタ13へ出力する。
動画再生プログラム42は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、画像形成手段としての、図6に示す動画再生部62が生成される。動画再生部62は、動画データ45に基づいて映像信号を生成し、その生成した映像信号を、プロジェクタ13へ出力する。
操作検出プログラム43は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、操作検出手段および鑑賞者視点特定手段としての、図6に示す操作検出部63が生成される。操作検出部63は、2つの赤外線投受光ユニット22,23から入力される赤外線画像に基づいて、透過スクリーン11に対する操作を判断し、判断した操作に応じて投影画像生成部61および動画再生部62へ指示を出力する。
次に、本発明の実施の形態1に係る展示装置の動作について説明する。
展示装置において、実物9(ここでは銀色のカップ)は、載置台2の上に載置され、スポットランプ4の光に照らされる。これにより、鑑賞者などは、透過スクリーン11越しに実物9外観や色合いを確認することができる。
投影画像生成部61は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44を読み込み、その読み込んだ三次元コンピュータグラフィックスデータ44から、実物9の画像を所定の平面に投影した二次元の静止画データを生成する。ここでは、投影画像生成部61は、図8に示す画像の静止画データを生成する。
投影画像生成部61は、生成した静止画データを、入出力ポート32を介して、プロジェクタ13へ出力する。プロジェクタ13は、図8に示す画像51を出力する。透過スクリーン11には、プロジェクタ13により投影された画像が形成される。図11は、透過スクリーン11に、図8に示す初期画像51が投影されている状態を示す図である。
この図8に示す画像51に基づいて透過スクリーン11に投影される画像において、実物の像は、透過スクリーン11の略真中に投影される。この初期画面データ45に基づいて透過スクリーン11に形成する実物の像は、図2に示す点Aの位置(鑑賞者14が鑑賞する位置)に標準的な身長(たとえば175cm)を有する鑑賞者14が立って透過スクリーン11の方向を見た場合に、その実物の像と、透過スクリーン11越しに見える実物9とが重なる位置およびサイズになっている。なお、標準的な身長ではない鑑賞者14の場合には、実物9と実物の像とが多少ずれるが、実物9と実物の像とが分離して見えることはほとんどない。
このように、透過スクリーン11に投影する実物の像を、実物9に重ねて形成することで、鑑賞者14からは、実物9と実物の像との両方が見える。これにより、展示されている実物9そのものが手元にあるかのような錯覚を、鑑賞者14に与えることができる。
図2に示す点Aの位置に立っている鑑賞者14などが透過スクリーン11に対して手を伸ばすと、透過スクリーン11の左右上方に配設された2つの赤外線投受光ユニット22,23は、その手の指による影が形成された2つの赤外線画像を出力する。この1組の赤外線画像は、入出力ポート32を介して、操作検出部63に入力される。また、2つの赤外線投受光ユニット22,23は、走査毎に、1組の赤外線画像を出力する。以下、2つの赤外線投受光ユニット22,23から1走査毎に出力される2つの赤外線画像を1組の赤外線画像という。
操作検出部63は、各組の赤外線画像に基づいて透過スクリーン11に対する操作を判断し、判断した操作に応じて投影画像生成部61あるいは動画再生部62へ指示を出力する。
具体的にはたとえば、操作検出部63は、まず、各組の赤外線画像に基づいて、指の位置および数を判断する。上述したように、指によって赤外線が遮断されると、赤外線画像には影が形成される。操作検出部63は、各赤外線画像における影の位置や数を判断する。
たとえば1組の赤外線画像のそれぞれに影が1つずつ形成されている場合、操作検出部63は、その2つの赤外線画像における影が1本の指による影であると判断する。また、操作検出部63は、各赤外線画像における影の位置に基づいて、各赤外線投受光ユニットからのその指の方向(影に幅がある場合には、その影の中央の方向)を特定する。操作検出部63は、特定した各赤外線投受光ユニットからの指の方向と、一方の赤外線投受光ユニット22と他方の赤外線投受光ユニット23との距離とを用いて、三角測定法の原理に基づいて、透過スクリーン11上でのその1本の指の位置を特定する。これにより、操作検出部63は、たとえば図4の点Eに指がある場合、その位置に1本の指があると判断することができる。
他にもたとえば、各赤外線画像に影が2つずつ形成されている場合、操作検出部63は、その2つの赤外線画像における影が2本の指による影であると判断する。また、操作検出部63は、2つの赤外線画像において右側となる影同士が1本目の指の影であり、且つ、2つの赤外線画像において左側となる影同士が残りの1本目の指の影であると仮定して、各赤外線投受光ユニットからのそれぞれの指の方向を特定する。操作検出部63は、特定した各赤外線投受光ユニットからのそれぞれの指の方向と、一方の赤外線投受光ユニット22と他方の赤外線投受光ユニット23との距離とを用いて、三角測定法の原理に基づいて、透過スクリーン11上でのその2本の指の位置を特定する。
各組の赤外線画像に基づいて、透過スクリーン11上での指の数および位置を特定した後、操作検出部63は、その特定した指の数および位置に基づいて、透過スクリーン11に対する操作の指示内容を判断する。あるいは、操作検出部63は、特定した指の位置の、それ以前の組の赤外線画像における指の位置に対する変化に基づいて、透過スクリーン11に対する操作の指示内容を判断する。操作の指示内容を判断した後、操作検出部63は、その判断した操作指示に応じて投影画像生成部61あるいは動画再生部62へ指示を出力する。
具体的にはたとえば、ある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定され、且つ、それ以前のある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定されている場合であって、その特定した2本の指の間隔が以前より広がっているときには、操作検出部63は、透過スクリーン11に投影している画像の拡大を指示する操作がなされたと判断する。画像の拡大を指示する操作であると判断した場合、操作検出部63は、画像を拡大する指示を、投影画像生成部61へ出力する。
他にもたとえば、ある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定され、且つ、それ以前のある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定されている場合であって、その特定した2本の指の間隔が以前より狭まっているときには、操作検出部63は、透過スクリーン11に投影している画像の縮小を指示する操作がなされたと判断する。画像の縮小を指示する操作であると判断した場合、操作検出部63は、画像を縮小する指示を、投影画像生成部61へ出力する。
他にもたとえば、ある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定され、且つ、それ以前のある組の赤外線画像において2本の指の位置が特定されている場合であって、その特定した2本の指指が略同じ方向に移動しているときには、操作検出部63は、透過スクリーン11に投影している画像の回転を指示する操作がなされたと判断する。画像の回転を指示する操作であると判断した場合、操作検出部63は、画像を回転する指示を、投影画像生成部61へ出力する。
他にもたとえば、ある組の赤外線画像において1本の指の位置が所定の位置範囲において特定されている場合には、操作検出部63は、動画の再生を指示する操作がなされたと判断する。動画の再生を指示する操作であると判断した場合、操作検出部63は、動画を再生する指示を、動画再生部62へ出力する。
画像を拡大する指示、画像を縮小する指示あるいは画像を回転する指示が入力されると、投影画像生成部61は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44を読み込み、その三次元コンピュータグラフィックスデータ44から、実物9の画像を所定の平面に投影した二次元の静止画データを生成する。
投影画像生成部61は、プロジェクタ13が透過スクリーン11へ投影している画像を基準として、その画像を拡大、縮小あるいは回転させた投影画像を投影するための、静止画データを生成する。最初の操作のときには、初期画面表示部61がプロジェクタ13へ出力した画像51が基準となる。投影画像生成部61は、生成した静止画データをプロジェクタ13へ出力する。プロジェクタ13は、新たに入力された静止画データに基づく画面を出力する。透過スクリーン11には、プロジェクタ13が新たに投影した画像が形成される。
これにより、たとえば、透過スクリーン11に図8に示す初期画像51が投影されているときに、画像を拡大する指示がなされたときには、透過スクリーン11には、図9に示す実物9を拡大した像を有する画像52が投影される。他にもたとえば、透過スクリーン11に図9に示す実物9を拡大した像を有する画像52が投影されるときに、画像を回転する指示がなされたときには、透過スクリーン11には、図10に示す実物9を上側から見た像を有する画像53が投影される。
このように、当初は実物9に重ねて透過スクリーン11に形成されていた実物の像を、その透過スクリーン11に対して操作することで像を拡大したり、縮小したり、回転したりすることができる。その結果、操作する鑑賞者14に対して、展示されている実物9そのものを手に持って鑑賞しているかのような錯覚を与えることができる。
予め定められた所定の期間にわたって次の操作が検出されない場合、操作検出部63は、投影画像生成部61へ図8に示す初期画像51の表示を指示する。これにより、透過スクリーン11には、図8に示す実物9と重なる画像51が表示される。その結果、操作する鑑賞者14に対して、あたかも、手に持って鑑賞していた実物9を載置台2に置いたかのような錯覚を、与えることができる。
なお、投影画像生成部61は、透過スクリーン11に形成する実物の像が、図8に示す初期画面データによる画像における実物の像と一致するまで、実物の像を連続的に拡大、縮小および回転した静止画データを生成し、その後に、図8に示す実物9と重なる画像51の静止画データを生成するようにしてもよい。これにより、透過スクリーン11に形成する実物の像は、その大きさおよび向きがなめらかに変化した後に、実物9と重なる像となる。このように透過スクリーン11に形成する実物の像をなめらかに変化させて実物9と重なるようにすることで、透過スクリーン11に形成する実物の像と、実物9との一体感を、より一層強く持たせることができる。
動画再生部62は、動画の再生指示が入力されると、動画データ45から映像信号を生成する。動画再生部62は、生成した映像信号を、プロジェクタ13へ出力する。プロジェクタ13は、この映像信号による動画を出力する。透過スクリーン11には、プロジェクタ13から投影される動画が映し出される。
動画データ45に基づく映像信号の生成が終了すると、動画再生部62は、投影画像生成部61へ図8に示す初期画像51の表示を指示する。これにより、透過スクリーン11には、図8に示す実物9と重なる画像51が表示される。
以上のように、この実施の形態1の展示装置は、透過スクリーン11に、その透過スクリーン11越しに見たときの実物9と同じ姿勢である実物の像を、載置台2の上の実物9と重ねて見せることができる。これにより、鑑賞者14に、透過スクリーン11に形成される実物の像が実物9と一対一に対応するものであると認知させ、透過スクリーン11に形成される実物の像が実物9そのものであるかのような錯覚を与えることができる。
そのため、この実施の形態1の展示装置は、鑑賞者14に、実物9とバーチャルな実物の像とを同じ視点で鑑賞させることができ、これらの間に同一感を持たせることができる。たとえばバーチャルな実物の像だけでは把握させ難い、実物9の大きさや質感などを、そのバーチャルな実物の像に与えることができる。その結果、この実施の形態1の展示装置は、実物の像に現実感を持たせることができる。
しかも、鑑賞者14は、透過スクリーン11に対して操作をすることで、その透過スクリーン11に形成されている実物の像を、拡大したり、縮小したり、回転したりすることができる。したがって、鑑賞者14は、触ることができない実物9を、実物の像において自由に鑑賞することができる。その結果、美術品などの高い学習効果を期待することができる。
また、この実施の形態1では、透過スクリーン11に対する操作を、再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23により検出している。この実施の形態1の構成では、この構成を採用すれば、透過スクリーン11に対する操作を検出するための部材を、透過スクリーン11に重ねて配設することなく、透過スクリーン11に対する操作を検出することができる。透過スクリーン11に重ねて配設される部材がないので、透過スクリーン11越しに見える実物9や、透過スクリーン11に形成される実物の像の鮮明さを損なってしまうことはない。
また、この実施の形態1では、2つの赤外線投受光ユニット22,23は、立設される透過スクリーン11の上側に配設される。したがって、たとえば2つの赤外線投受光ユニット22,23を透過スクリーン11の下側に配設する場合などに比べて、赤外線CCD26に、赤外線LED25からの赤外線以外の赤外線が入りにくくなる。しかも、操作を検出するために使用する光として赤外線を使用しているので、可視光の影響も少なくなる。操作を検出するための光として可視光を使用した場合には、たとえば実物9を照らすスポットランプ4の光の影響などを受けやすくなる。その結果、この実施の形態1での赤外線画像には、透過スクリーン11に対して操作をしている手の影が鮮明に形成される。操作検出部63は、この手の影が鮮明に写っている赤外線画像に基づいて、操作する手の位置を容易に特定することができる。
なお、この実施の形態1では、図8に示す初期画像51は、透過スクリーン11の予め定められた位置に投影される。この他にもたとえば、透過スクリーン11の予め定められた位置に投影した図8に示す初期画像51を、鑑賞者14の操作に応じて、透過スクリーン11において左右上下に移動したり、拡縮したりできるようにしてもよい。これにより、鑑賞者14は、実物の像を、自分の目線において実物9と重なるように移動することができる。この場合、その後に透過スクリーン11に投影する画像は、その移動させた位置を基準として投影するようにするとよい。
この実施の形態1では、三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて形成される実物の像は、載置台2の上に載置されている実物9そのものである。この他にもたとえば、実物9が色落ちした古い美術品などである場合において、三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて形成される実物の像は、実物9にその落ちた色を付加した像であってもよい。これにより、実物9のみでは把握しにくい、美術品などの本来の姿で鑑賞することができる。
この実施の形態1では、動画データ45は、透過スクリーン11に連続的に投影されるだけである。この他にもたとえば、透過スクリーン11に対する鑑賞者14の操作に応じて、動画データ45に基づく映像信号を段階的に生成するようにしてもよい。これにより、たとえば、実物9への色つけ工程などを、鑑賞者14に追体験させることができる。
この実施の形態1では、ハードディスク装置35には、動画データ45が記憶されている。この他にもたとえば、スライドデータ、音声データなどの各種のデータを展示装置において再生して、実物に関連する画像、映像あるいは文字情報を透過スクリーン11に形成するようにしてもよい。
この実施の形態1では、透過スクリーン11に対する操作を、再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23により検出している。この他にもたとえば、透過スクリーン11に対する操作を、透過スクリーン11と重ねて配設されるタッチパネルなどで検出するようにしてもよい。ただし、タッチパネルなどで手の動きを検出する場合、鑑賞者14の操作感としては、透過スクリーン11に形成する実物の像を操作している感覚ではなく、タッチパネルに対して操作をしている感覚となってしまう。その結果、鑑賞者14に、透過スクリーン11に形成する実物の像と、実物9との一体感を与え難くなる。透過スクリーン11に対する操作を、再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23によって検出する場合には、そのような一体感を維持することができるので、好適である。
この実施の形態1では、透過スクリーン11として、透過率65%のものを使用している。この他にもたとえば、透過スクリーン11は、透過率が10%以上、90%以下のものを使用するようにしてもよい。また、透過スクリーン11に替えて、偏光スクリーンを使用してもよい。ただし、偏光スクリーンは、それを見る角度が少し変化するだけで像の色が変化してしまうので、複数の鑑賞者14が同時に鑑賞するような大型の展示装置には不向きである。また、プロジェクタ13が透過スクリーン11の実物9側に配設されるので、たとえばプロジェクタ13が透過スクリーン11の鑑賞者14側に配設される場合などにくらべて、展示装置の占有面積が小さくなる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る展示装置は、透過スクリーン11の手前に立つ鑑賞者14の背丈、視点(眼)の位置、立ち位置などに応じて、透過スクリーン11に形成する実物の像の位置および大きさを制御する点において、実施の形態1に係る展示装置と異なる。以下の説明では、主にこの相違点を中心に説明する。
図12は、本発明の実施の形態2に係る展示装置を示す図である。図12(A)は、展示装置の側面図である。図12(B)は、展示装置の正面図である。図13は、図12の展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。図14は、図12の展示装置の制御系を示すブロック図である。図15は、図13のハードディスク装置35に記憶されるデータを示す図である。
実施の形態2に係る展示装置は、図12に示すように、鑑賞位置検出手段としての距離センサ71と、鑑賞位置検出手段としての撮像装置72とを有する。
距離センサ71は、透過スクリーン11の手前方向に向けて、透過スクリーン11の下端中央部分に取り付けられる。距離センサ71は、赤外線あるいはその他の光を出力し、その光の反射光を受光する。距離センサ71は、光を出力してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、光を反射した物体までの距離を計算する。距離センサ71は、図13に示すように、計算した距離を、入出力ポート32へ出力する。
撮像装置72は、図示外の複数の受光素子を有する。受光素子は、受光した光量に応じた受光レベル信号を出力する。複数の受光素子は、同一面内において縦横に並べて配列される。この複数の受光素子が配列される面は、受光面と呼ばれている。撮像装置72は、その受光面が透過スクリーン11の手前方向所定の角度だけ下向きとなる姿勢にて、不透明の板材12の上端中央部に取り付けられる。撮像装置72は、図13に示すように、複数の受光素子の受光レベル信号に基づく撮像画像を、入出力ポート32へ出力する。
また、実施の形態2に係るハードディスク装置35には、図15に示すように、投影画像生成プログラム81と、人検出プログラム82とを、記憶する。
投影画像生成プログラム81は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、像変更手段および像制御手段としての、図14に示す投影画像生成部91が生成される。投影画像生成部91は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて静止画データを生成し、この生成した静止画データをプロジェクタ13へ出力する。
人検出プログラム82は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、鑑賞者視点特定手段および鑑賞位置検出手段としての、図14に示す人検出部92が生成される。人検出部92には、撮像装置72が撮像した撮像画像と、距離センサ71が計算した、光を反射した物体までの距離と、が入力される。
実施の形態2に係る展示装置において、上述した構成要素以外の構成要素は、実施の形態1に係る展示装置の構成要素と同じであり、同一の符号および名称を使用して説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態2に係る展示装置の動作について説明する。
展示装置の周囲に人がいない初期状態においては、距離センサ71は、透過スクリーン11の手前方向へ光を出力する。撮像装置72は、透過スクリーン11の手前側の所定の範囲を撮像する。スポットランプ4は、点灯している。プロジェクタ13は、消灯している。
なお、プロジェクタ13は、その輝度を0に設定することで消灯することができる。また、消灯することができないプロジェクタ13である場合、真っ黒の画像を出力させるようにしてもよい。
スポットランプ4の光に照らされている実物9(銀色のカップ)を鑑賞するために、透過スクリーン11の手前に鑑賞者14が立つと、距離センサ71は、鑑賞者14により反射された反射光を受光する。距離センサ71は、鑑賞者14までの距離を計算して、入出力ポート32へ出力する。撮像装置72は、鑑賞者14の像を含む撮像画像を、入出力ポート32へ出力する。
距離センサ71が検出した鑑賞者14までの距離の情報と、撮像画像とは、人検出部92に入力される。人検出部92は、距離センサ71からの距離の情報が入力されると、その距離の情報とそのときの撮像画像とに基づいて、透過スクリーン11の手前に立っている鑑賞者14の頭の位置を特定する。なお、頭に替えて、眼、眉間などの位置を視点位置として特定するようにしてもよい。その際、たとえば撮像装置72の設置高さは、撮像画像の各画素についての撮影角度θおよび鑑賞者14までの距離Lに基づき、視点位置(L,H)が特定される。
図16は、実物9と、鑑賞者14と、透過スクリーン11との幾何学的な位置関係を示す図である。人検出部92は、画像処理によって、撮像画像内での、鑑賞者14の頭の位置(すなわち視点位置)を特定する。人検出部92は、距離センサ71が検出した鑑賞者14までの距離が、透過スクリーン11から鑑賞者14までの距離であるとして、透過スクリーン11からその距離の位置に撮像画像を仮想的に配置し、その仮想的な配置に基づいて、特定した頭の、透過スクリーン11および実物9に対する相対位置を特定する。人検出部は、その特定した頭の相対位置に関する情報を、投影画像生成部91へ出力する。
投影画像生成部91は、この頭の相対位置(つまり、視点位置)の情報と、三次元コンピュータグラフィックスデータ44とに基づいて、透過スクリーン11に形成する実物の像が、その頭の位置から見たときに、実物9と一致する静止画データを生成する。
具体的にはたとえば、投影画像生成部91は、図16に示すように、まず、人検出部92が特定した頭の位置(つまり、視点位置)と、実物9の中心とを結ぶ中心線と交わる透過スクリーン11の位置102を特定する。この位置102は、透過スクリーン11に形成する実物の像の中心となる。また、投影画像生成部91は、図16に示すように、透過スクリーン11に形成する実物の像の大きさ101を特定する。
透過スクリーン11に形成する実物の像の中心102およびサイズ101を特定した後、投影画像生成部91は、その特定した部位に実物の像が形成される静止画データを生成する。投影画像生成部91は、生成した静止画データをプロジェクタ13へ出力する。プロジェクタ13は、出力を開始し、静止画データに基づく画像を出力する。透過スクリーン11には、プロジェクタ13により投影された画像が形成される。
図17は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて生成される、静止画データによる画像111を示す図である。図17の画像111には、透過スクリーン11の前側から実物9(ここでは銀色のカップ)を見たときと同じ実物の像が、その中心が図17において左下方向にずれて形成される。
図18は、透過スクリーン11に、図17に示す画像111が投影されている状態を示す図である。このように、透過スクリーン11の手前に立つ鑑賞者14が、図18において左寄りの位置に立ち、且つ、その鑑賞者14の身長が標準的な身長より低いときには、透過スクリーン11に形成する実物の像は、透過スクリーン11の中心から左下にずれた位置に形成される。その結果、この透過スクリーン11の手前において左寄りに立つ鑑賞者14からは、透過スクリーン11に形成する実物の像と、透過スクリーン11越しに見える実物9とが完全に重なって見える。このように、透過スクリーン11に形成する実物の像を、その大きさおよび位置を制御して実物9と重ねることで、鑑賞者14の身長や立ち位置にかかわらずに、その鑑賞者14に対して、展示されている実物9そのものが手元に現れたかのような錯覚を与えることができる。
また、鑑賞者14が透過スクリーン11に近づいた場合には、同様の処理により、像が大きく投影される。その結果、この透過スクリーン11に近づいた鑑賞者14からは、透過スクリーン11に形成する実物の像と、透過スクリーン11越しに見える実物9とが完全に重なって見える。
また、距離センサ71による鑑賞者14の検出に基づいて、投影画像生成部91は、静止画データを生成し、プロジェクタ13は、この静止画データに基づいて画像の出力を開始する。これにより、透過スクリーン11に近づいた鑑賞者14に対して、載置台2に載置されている実物9が自分の方へ移動してきたかのような錯覚を与えることができる。
実施の形態2に係る展示装置において、この初期画面の表示の後の展示装置の動作は、実施の形態1に係る展示装置の動作と同一であり、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態2の展示装置は、透過スクリーン11の手前に立つ鑑賞者14の背丈および位置に応じて、透過スクリーン11に形成する実物の像の位置および大きさを制御する。この実施の形態2の展示装置は、実物の像の透過スクリーン11における位置を調整する。これにより、鑑賞者14に対して、その背丈および立ち位置に関係なく、透過スクリーン11に形成する実物の像を、実物9と重ねて見せることができる。また、実施の形態1のように、鑑賞者14の立ち位置を指定しなくてよい。なお、この実施の形態2の展示装置の場合、鑑賞者14が鑑賞する位置は、透過スクリーン11の前側であればよい。
なお、この実施の形態2では、一人の鑑賞者14が透過スクリーン11の前に立った場合について説明しているが、透過スクリーン11の前には、一度に複数の鑑賞者が立つ場合もある。図19は、透過スクリーン11の前に、三人の鑑賞者14が立っている状況を示す図である。このように透過スクリーン11の前に、複数の鑑賞者が立った場合には、人検出部92は、透過スクリーン11の真中に最も近いところにいる鑑賞者(図19では3人の中の真中の鑑賞者14)を、透過スクリーン11に対して操作を行う代表的な鑑賞者14として特定し、その代表的な鑑賞者14に対して、透過スクリーン11に形成する実物の像を、実物9と重ねて見せるようにすればよい。透過スクリーン11に対して操作を行わない、それ以外の鑑賞者14にあっては、その代表的な鑑賞者14による操作を傍観するだけなので、そのような制御としても十分な鑑賞効果が得られる。なお、透過スクリーン11の真中に最も近いところにいる鑑賞者を特定する替わりに、撮像画像の真中にいる鑑賞者を特定するようにしても、同様の効果を期待することができる。
この実施の形態2では、人検出部92は、距離センサ71および撮像装置72の検出情報に基づいて、鑑賞者14の位置を正確に特定している。この他にもたとえば、人検出部92は、図20に示すように、鑑賞者14に透過スクリーン11に触れてもらい、その触れた位置に基づいて、および、鑑賞者14が腕を伸ばして触れたと仮定したときの透過スクリーン11と鑑賞者14との位置関係に基づいて、鑑賞者14の頭のおおよその位置を特定するようにしてもよい。図20は、鑑賞者14が透過スクリーン11に触れている状態を示す図である。これにより、実施の形態1の展示装置と同様のハードウェア構成において鑑賞者14の位置を簡単な処理で特定し、実施の形態2の展示装置と同様の効果を期待することができる。また、鑑賞者14に透過スクリーン11に触れてもらうために、人検出部92は、透過スクリーン11に「Touch here」などのメッセージを表示するようにしてもよい。
なお、図20に示す方式で鑑賞者14の位置を検出する場合、再帰反射テープ21および2つの赤外線投受光ユニット22,23が、透過スクリーン11に触れた位置を検出する接触位置検出手段となり、操作検出部63が、検出した接触位置に基づいて、鑑賞者14が腕を伸ばして触れたと仮定した透過スクリーン11と鑑賞者14との位置関係に基づいて、鑑賞者14の位置を特定する鑑賞者視点特定手段となる。
この実施の形態2では、人検出部92は、初期画面を表示するときに、鑑賞者14の位置を特定し、実物の像の形成位置を調整している。この他にもたとえば、人検出部92は、投影画像生成部91が静止画データを出力する度に、鑑賞者14の位置を特定し、実物の像の形成位置を調整するようにしてもよい。これにより、鑑賞者14が移動したとしても、その鑑賞者14の目線に合わせて実物の像をずらして、常に実物9と重なる位置に実物の像を形成することができる。ただし、このように常に実物の像が実物とが重なる位置となるように制御する場合、制御装置31として高速に画像処理が可能となるものが必要となり、展示装置として高価なものになる。
この実施の形態2では、展示装置の周囲に鑑賞者14がいないときには、プロジェクタ13は消灯している。この他にもたとえば、展示装置の周囲に鑑賞者14がいないときには、プロジェクタ13は、実物の像以外の画像を出力していてもよい。これにより、展示装置から離れている鑑賞者14の目に止まり易くなる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る展示装置は、透過スクリーン11への画像の投影に応じて、スポットランプ4を調光する点において、実施の形態2に係る展示装置と異なる。以下の説明では、主にこの相違点を中心に説明する。
図21は、本発明の実施の形態3に係る展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。図22は、図21の展示装置の制御系を示すブロック図である。図23は、図21のハードディスク装置35に記憶されるデータを示す図である。
実施の形態3に係る展示装置では、図21に示すように、スポットランプ4は、入出力ポート32に接続される。スポットランプ4の光量は、展示装置の制御系により制御される。また、実施の形態3に係るハードディスク装置35には、図23に示すように、投影画像生成プログラム121と、ランプ制御プログラム122とを、記憶する。
投影画像生成プログラム121は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、像変更手段、光量制御手段および像制御手段としての、図22に示す投影画像生成部131が生成される。投影画像生成部131は、三次元コンピュータグラフィックスデータ44に基づいて静止画データを生成し、この生成した静止画データをプロジェクタ13へ出力する。
ランプ制御プログラム122は、メモリ34に読み込まれ、CPU33により実行される。これにより、光量制御手段としての、図22に示すランプ制御部132が生成される。ランプ制御部132は、スポットランプ4の光量を0〜100%に制御する。
実施の形態3に係る展示装置において、上述した構成要素以外の構成要素は、実施の形態2に係る展示装置の構成要素と同じであり、同一の符号および名称を使用して説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態3に係る展示装置の動作について説明する。
展示装置の周囲に人がいない初期状態においては、距離センサ71は、透過スクリーン11の手前方向へ光を出力する。撮像装置72は、透過スクリーン11の手前側の所定の範囲を撮像する。ランプ制御部132は、スポットランプ4を100%の出力で点灯する。プロジェクタ13は、消灯している。
スポットランプ4の光に照らされている実物9(ここでは銀色のカップ)を鑑賞するために、透過スクリーン11の手前に鑑賞者14が立つと、距離センサ71は、鑑賞者14までの距離を出力する。人検出部92は、その鑑賞者14の頭の位置を特定し、その特定した頭の透過スクリーン11および実物9に対する相対位置に関する情報を、投影画像生成部131へ出力する。
投影画像生成部131は、この頭の相対位置の情報と、三次元コンピュータグラフィックスデータ44とに基づいて、透過スクリーン11に形成する実物の像が、その頭の位置から見たときに、実物9と一致する静止画データを生成し、プロジェクタ13へ出力する。プロジェクタ13は、出力を開始し、静止画データに基づく画像を出力する。透過スクリーン11には、プロジェクタ13により投影された画像が形成される。
また、投影画像生成部131は、プロジェクタ13へ静止画データを出力するのと前後して、ランプ制御部132へ消灯を指示する。ランプ制御部132は、スポットランプ4を消灯する。
このように、透過スクリーン11への画像の投影を開始する際にスポットランプ4を消灯すると、実物9と鑑賞者14との間には透過率が65%の透過スクリーン11があるため、透過スクリーン11越しに実物9が見えなくなる。その結果、鑑賞者14に対して、載置台2に載置されている実物9があたかも手前に近づくように移動してきたかのような錯覚を与えることができる。
なお、このような載置台2に載置されている実物9があたかも手前に近づくように移動してきたかのような錯覚を与える効果を期待するとき、透過スクリーン11の透過率は、50%以上でかつ80%以下のものを使用するとよい。透過スクリーン11の透過率が50%より低い場合、スポットランプ4を消灯するとすぐに実物9が見えなくなってしまうので、載置台2に載置されている実物9があたかも手前に近づくように移動してきたかのような印象を与えにくい。また、透過スクリーン11の透過率が80%より高い場合、スポットランプ4を消灯したとしても、いつまでも実物9がうっすら見えてしまうことがあり、載置台2に載置されている実物9があたかも手前に近づくように移動してきたかのような印象を与えにくい。
また、一定期間操作がない場合、操作検出部63は、投影画像生成部131へ、先に表示した初期画像の表示を指示する。投影画像生成部131は、先に表示した初期画像51を透過スクリーン11に表示した後、所定の時間が経過すると、プロジェクタ13へ消灯の指示を出力するとともに、ランプ制御部132に対して点灯の指示を出力する。ランプ制御部132は、スポットランプ4を点灯する。プロジェクタ13は、消灯する。
このように、透過スクリーン11への画像の投影を終了するとともにその終了の際にスポットランプ4を点灯すると、直前まであたかも手に持っていたかのように錯覚していた実物9が載置台2の上へ戻っていったかのような錯覚を、鑑賞者14に対して与えることができる。なお、透過スクリーン11への画像の投影を開始するときにスポットランプ4を消灯する場合と同様の理由によって、このような錯覚を与える効果を期待するときには、透過スクリーン11の透過率は、50%以上でかつ80%以下のものを使用するとよい。
実施の形態3に係る展示装置において、初期画面を最初に表示してから、最後に初期画面を消すまでの期間の展示装置の動作は、実施の形態2に係る展示装置の動作と同一であり、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態3の展示装置では、透過スクリーン11に実物の像を表示するときには、スポットランプ4を消灯する。これにより、鑑賞者14に対して、載置台2に載置されている実物9が近づいてきたかのような錯覚を与えることができる。鑑賞者14の注目点は、実物9と実物の像との間で行き来することになる。なお、スポットランプ4を消灯するのではなく、スポットランプ4の光量を下げるだけでも、同様の効果を期待することができる。
また、この実施の形態3の展示装置では、透過スクリーン11への実物の像の表示を終了するときには、スポットランプ4を点灯する。これにより、鑑賞者14に対して、透過スクリーン11に形成されていた実物の像が、透過スクリーン11の向こう側にある実物9のところへ戻っていったかのような錯覚を与えることができる。鑑賞者14の注目点は、実物9と実物の像との間で行き来することになる。なお、スポットランプ4を点灯するのではなく、スポットランプ4の光量を上げるだけでも、同様の効果を期待することができる。
なお、この実施の形態3では、展示装置の周囲に人がいないときには、スポットランプ4のみを点灯し、鑑賞者がきたときには、プロジェクタ13のみを点灯させている。この他にもたとえば、スポットランプ4の点灯およびプロジェクタ13の点灯を、段階的に制御したり、ゆっくりと変化するように制御したりするようにしてもよい。
また、スポットランプ4の点灯のみを、人の有無に応じて制御するようにしてもよい。この変形例の場合であれば、プロジェクタ13として消灯機能を具備しないものを使用することができ、展示装置のトータルコストを抑えつつ、実施の形態3の展示装置と同様の効果を期待することができる。
また、展示装置の周囲に人がいないときには、スポットランプ4およびプロジェクタ13を消灯し、鑑賞者がきたらスポットランプ4のみを点灯し、鑑賞者14が操作をした後プロジェクタ13のみを点灯するようにしてもよい。
この実施の形態3では、展示装置は、白熱色の光を出力するスポットランプ4を1つ有する。この他にもたとえば、展示装置は、図24に示すように、白熱色の光を出力するスポットランプ4と、単色光を出力するスポットランプ141とを有するものであってもよい。また、展示装置は、この複数のスポットランプ4,141を切り替えて点灯するように制御したり、同時に点灯させたりしてもよい。複数のスポットランプ4,141を同時に点灯させた場合、光の合成によって実物9の色を変化させることができる。図24は、白熱色の光を出力するスポットランプ4と、単色光を出力するスポットランプ141とを有する展示装置の変形例を示す断面図である。
この実施の形態3では、展示装置は、スポットランプ4および実物9は、1つずつ有する。この他にもたとえば、展示装置は、図25に示すように、スポットランプ4,151および実物9,152を複数組有するものであってもよい。また、展示装置は、この複数のスポットランプ4,151を切り替えて点灯することで、鑑賞者14の注目点を複数の実物9,152の間で切り替えるようにしてもよい。図25は、スポットランプ4,151および実物9,152を複数組有する展示装置の変形例を示す断面図である。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
たとえば、上記各実施の形態では、展示装置の立入制限枠1は、立方体形状の骨組み構造に組み立てられている。この他にもたとえば、立入制限枠1は、六角柱形状、その他の柱状形状に形成されていてもよい。また、展示装置は、建物の柱の中などに設置されてもよい。
上記各実施の形態では、立入制限枠1の1組の柱部材5と柱部材5との間にのみ、透過スクリーン11が配設されている。この他にもたとえば、立入制限枠1のすべての組の柱部材5と柱部材5との間に、複数の透過スクリーンを配設するようにしてもよい。これにより、同時に複数の鑑賞者14がそれぞれの透過スクリーンに対して操作を行い、それぞれのペースで鑑賞することができる。
本発明に係る展示装置は、現実に存在する美術品、工芸品、商品などを展示する場合に利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る展示装置を示す図である。 図1の展示装置の断面図である。 図1の展示装置の断面図である。 図1の展示装置の透過スクリーン、再帰反射テープおよび2つの赤外線投受光ユニットのレイアウトおよび構造を示す説明図である。 図1の展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1の展示装置の制御系を示すブロック図である。 図5のハードディスク装置に記憶されるデータを示す図である。 図7の三次元CGデータに基づく画像の一例を示す図である。 図7の三次元CGデータに基づく他の画像の例を示す図である。 図7の三次元CGデータに基づくさらに他の画像の例を示す図である。 透過スクリーンへの、図8の初期画像の投影状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る展示装置を示す図である。 図12の展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。 図12の展示装置の制御系を示すブロック図である。 図13のハードディスク装置に記憶されるデータを示す図である。 実物、鑑賞者および透過スクリーンの幾何学的位置関係を示す図である。 三次元CGデータに基づく画像の一例を示す図である。 透過スクリーンへの、図17の画像の投影状態を示す図である。 透過スクリーンの前に、三人の鑑賞者が立っている状況を示す図である。 鑑賞者が透過スクリーンに触れている状態を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る展示装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。 図21の展示装置の制御系を示すブロック図である。 図21のハードディスク装置に記憶されるデータを示す図である。 白熱色の光を出力するスポットランプと、単色光を出力するスポットランプとを有する展示装置の変形例を示す断面図である。 複数のスポットランプおよび実物を有する展示装置の断面図である。
符号の説明
4 スポットランプ(投光部材)、9 実物、11 透過スクリーン(スクリーン)、13 プロジェクタ、14 鑑賞者、21 再帰反射テープ(操作検出手段、接触位置検出手段)、22,23 赤外線投受光ユニット(操作検出手段、接触位置検出手段)、61 投影画像生成部(像変更手段、像制御手段)、63 操作検出部(操作検出手段、鑑賞者視点特定手段)、71 距離センサ(鑑賞位置検出手段)、72 撮像装置(鑑賞位置検出手段)、91 投影画像生成部(像変更手段、像制御手段)、92 人検出部(鑑賞者視点特定手段、鑑賞位置検出手段)、131 投影画像生成部(像変更手段、光量制御手段、像制御手段)、132 ランプ制御部(光量制御手段)

Claims (8)

  1. 展示対象である実物と鑑賞位置との間に設けられ、その鑑賞位置にいる鑑賞者からその実物が見えるサイズでありかつ透過性のあるスクリーンと、
    上記鑑賞者の視点で、上記スクリーン越しに見たときの上記実物と略同じ姿勢である実物の像を、上記実物と重なって見えるように上記スクリーンに投影するプロジェクタと、
    を有することを特徴とする展示装置。
  2. 前記鑑賞者の鑑賞位置または視点の位置を検出する鑑賞位置検出手段と、
    上記鑑賞位置検出手段が検出した位置に応じて、その位置から見て前記実物の像が前記実物と重なるように、前記スクリーンに形成される前記実物の像を変える像変更手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の展示装置。
  3. 前記鑑賞位置検出手段は、
    前記スクリーンから前記鑑賞者までの距離を検出する距離センサと、
    前記スクリーンの前記鑑賞者側の所定の範囲を撮像する撮像装置と、
    上記距離センサが検出した距離および上記撮像装置が撮像した画像に基づいて、前記鑑賞者の視点の位置を特定する鑑賞者視点特定手段と、
    を有することを特徴とする請求項2記載の展示装置。
  4. 前記鑑賞者視点特定手段は、撮像された前記画像に複数の鑑賞者が写っている場合には、その画像の真中にいる鑑賞者あるいは前記スクリーンの真中に最も近いところにいる鑑賞者の視点位置を特定することを特徴とする請求項3記載の展示装置。
  5. 前記鑑賞位置検出手段は、
    前記スクリーンに触れた位置を検出する接触位置検出手段と、
    上記接触位置検出手段が検出した接触位置に基づいて、前記鑑賞者が腕を伸ばして触れたと仮定した前記スクリーンと前記鑑賞者との位置関係に基づいて、前記鑑賞者の位置を特定する鑑賞者視点特定手段と、
    を有することを特徴とする請求項2記載の展示装置。
  6. 前記スクリーンは、透過率が50%以上でかつ80%以下である透過スクリーンであり、
    前記スクリーンより前記実物側に配設され、前記実物を照らす投光部材と、
    前記スクリーンに前記実物の像を形成する場合には上記投光部材が出力する光量を下げる第一の制御および前記スクリーンに形成していた前記実物の像を消す場合には上記投光部材が出力する光量を上げる第二の制御の中の少なくとも一方の制御を実行する光量制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の展示装置。
  7. 前記スクリーンに対する鑑賞者の操作を検出する操作検出手段と、
    上記操作検出手段が検出した操作およびその時点での像の表示状態に基づいて、前記スクリーンに形成する実物の像を回転あるいは拡縮させる像制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の展示装置。
  8. 前記スクリーンに対する鑑賞者の操作を検出する操作検出手段と、
    上記操作検出手段が検出した操作およびその時点での像の表示状態に基づいて、前記実物に関連する画像、映像あるいは文字情報を前記スクリーンに形成する画像形成手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の展示装置。
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